WO2022259539A1 - 面ファスナー - Google Patents

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Abstract

本発明の面ファスナー(1,2)では、係合素子(20,70)を上方から見た平面視において、1つの係合素子(20,70)における係合頭部(22,72)の面積を頭部面積(S)とするとき、それぞれの係合素子(20,70)の頭部面積(S)は、22000μm以上50000μm以下である。この面ファスナー(1,2)によれば、雌型面ファスナーとの間でより大きな剥離強度を得ることができる。

Description

面ファスナー
 本発明は、薄板状のベース部と、ベース部に設けられる複数の係合素子とを有する合成樹脂製の面ファスナーに関する。
 複数の係合素子を有する一方の面ファスナーと、係合素子を係合・分離させることが可能な他方の面ファスナーとが組み合わされて用いられる面ファスナー製品が知られている。例えば、マッシュルーム状又はフック状等のような繊維を引っ掛けることが可能な形状を有する係合素子を備えた面ファスナーは、雄型面ファスナーと呼ばれることがある。また、雄型面ファスナーに対応する機能(例えば、マッシュルーム状又はフック状の係合素子と係合する機能)を備えた部材は、雌型面ファスナーと呼ばれることがある。この場合、雌型面ファスナーには、係合素子を係合させるための複数のループが設けられたループ部材及び不織布、並びに、係合用のループを設けずに形成された不織布などが含まれる。
 例えば、国際公開第2014/064842号(特許文献1)には、オムツ等に使用される面ファスナーが開示されている。この特許文献1に記載されている面ファスナーは、ベース部と、ベース部の上面に設けられる複数の係合素子とを有しており、各係合素子は、ベース部から上方に突出するステム部(柱部)と、ステム部の上端部に形成される係合頭部とを有する。
 また特許文献1では、係合素子が規則的に配置された任意の範囲における係合素子の集まりが、係合素子の集合と規定されている。この場合、係合素子の集合の範囲におけるベース部の上面の面積をS1とし、係合素子の集合に含まれる複数の係合素子の係合頭部の上面における面積の合計をS2としたとき、特許文献1の面ファスナーは、0.05≦S2/S1≦0.15の条件を満足するように形成されている。特許文献1では、上記条件を満足する面ファスナーは、面ファスナーを係合させる不織布等の雌型面ファスナーに対し、十分な係合力を確保できることが説明されている。
国際公開第2014/064842号
 面ファスナーの性質を示す指標として、例えば剥離強度及び剪断強度が知られている。剥離強度は、雄型及び雌型面ファスナーが互いに貼り合わせられて係合している状態から、雄型及び雌型面ファスナーを相対的に面ファスナーの厚さ方向(高さ方向)に引き離すように引っ張ったときの係合強度(結合の強さ)である。剪断強度は、雄型及び雌型面ファスナーが互いに貼り合わせられて係合している状態から、雄型及び雌型面ファスナーに剪断応力を加えたとき(例えば、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーとを相対的に面ファスナーの長さ方向及び/又は幅方向にずらすように引っ張ったとき)の係合強度である。
 特許文献1に記載されている面ファスナーは、上述した条件を満足することにより、オムツ等への使用に適用可能な適切な剥離強度を備えている。しかし、雄型面ファスナーが取着される面ファスナー製品、又は、雄型面ファスナー及び雌型面ファスナーの両方が取着される面ファスナー製品では、面ファスナー製品の性能を高めることや、面ファスナー製品に付加価値を持たせること等のため、より大きな剥離強度を有することが要望されることがあった。
 本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ベース部と係合頭部が設けられた複数の係合素子とを備え、雌型面ファスナーとの間でより大きな剥離強度を得ることが可能な面ファスナーを提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明により提供される面ファスナーは、薄板状のベース部と、前記ベース部に設けられる複数の係合素子とを有し、各前記係合素子は、前記ベース部から上方に突出するステム部と、前記ステム部の上端部に形成される係合頭部とを有する合成樹脂製の面ファスナーにおいて、前記係合素子を上方から見た平面視において、1つの前記係合素子における前記係合頭部の面積を頭部面積とするとき、それぞれの前記係合素子の前記頭部面積は、22000μm以上50000μm以下である面ファスナーである。
 本発明に係る面ファスナーにおいて、複数の前記係合素子が第1方向に沿って整列する複数の素子列が設けられ、前記第1方向に互いに隣り合う前記係合素子における前記係合頭部間の距離を第1頭部間距離とし、前記第1方向に直交する第2方向に互いに隣り合う前記素子列における前記係合頭部間の距離を第2頭部間距離とするとき、前記第1頭部間距離及び前記第2頭部間距離の少なくとも1つは200μm以上で、且つ、前記第1頭部間距離及び前記第2頭部間距離は430μm以下であり、それぞれの前記係合素子の前記頭部面積は、41000μm以下であることが好ましい。
 この場合、前記係合素子の配置は、各前記素子列の前記係合素子が、一定の第1ピッチで前記第1方向に沿って整列し、複数の前記素子列が、一定の第2ピッチで前記第2方向に沿って整列し、且つ、前記第2方向に互いに隣接する2つの前記素子列間で前記係合素子が第2方向に沿って整列する並列配置を含み、前記係合素子を前記係合素子の高さ方向に直交する方向を水平方向と規定した場合、前記ステム部と前記係合頭部間の境界部における前記水平方向の寸法が、127μm以上であり、それぞれの前記係合素子の前記頭部面積は、38000μm以下であることが好ましい。
 また、複数の前記係合素子は、一定の第1ピッチで前記第1方向に沿って整列し、複数の前記素子列は、一定の第2ピッチで前記第2方向に沿って整列し、前記第1ピッチ及び前記第2ピッチは、実質的に同じ大きさであり、前記係合素子を前記係合素子の高さ方向に直交する方向を水平方向と規定した場合、前記ステム部と前記係合頭部間の境界部における前記水平方向の寸法が、127μm以上であり、それぞれの前記係合素子の前記頭部面積は、38000μm以下であり、前記平面視における前記係合頭部の前記第2方向の寸法の最大値が、223μm以下であることが好ましい。
 また本発明において、前記係合頭部の外周縁部に、少なくとも1つの爪部が突設され、前記爪部は、前記ステム部と前記係合頭部間の境界部における前記高さ方向に直交する方向の寸法よりも小さな爪幅寸法を有することが好ましい。
 この場合、前記係合素子を前記係合素子の高さ方向に直交する方向から見たとき、前記爪部は、上方に向く爪上面と、前記爪上面の反対側に配される爪下面とを有し、且つ、前記爪下面は、前記爪下面の先端部が前記爪下面の基端部よりも前記高さ方向の低い位置に配される垂れた形状を有することが好ましい。
 本発明の面ファスナーは、ベース部と係合頭部が設けられた複数の係合素子とを備えており、雌型面ファスナーとの間でより大きな剥離強度を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図1に示した面ファスナーの係合素子を前後方向(機械方向)から見た正面図である。 図1に示した面ファスナーを上方から見た平面図である。 図1に示した面ファスナーの製造装置を模式的に示す模式図である。 図4に示した製造装置の成形装置に用いられる円筒体を模式的に示す斜視図である。 図4に示した製造装置で成形される一次成形体の仮素子を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。 図7に示した面ファスナーの係合素子を前後方向(機械方向)から見た正面図である。 図7に示した面ファスナーを上方から見た平面図である。 第2の実施形態の変形例に係る面ファスナーを上方から見た平面図である。 図7に示した面ファスナーの製造装置を模式的に示す模式図である。 図11に示した製造装置の成形装置に用いられる内側円筒体及び外側円筒体を模式的に示す斜視図である。 図11に示した製造装置で成形される一次成形体の仮素子を示す斜視図である。 第2の実施形態の別の変形例に係る係合素子を示す平面図である。 第2の実施形態の更に別の変形例に係る係合素子を示す平面図である。 剥離強度試験について説明する説明図である。 剪断強度試験について説明する説明図である。
 以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。例えば、本発明の面ファスナーの長さ寸法(機械方向MDにおける寸法)及び幅寸法(直交方向CDにおける寸法)は特に限定されず、面ファスナーを切断すること等により、任意の形状を有することが可能である。
 本発明の面ファスナー(雄型面ファスナー)では、面ファスナーの製造装置の改良等により、係合素子を、従来の面ファスナーに比べて、後述するように係合頭部の頭部面積が41000μm以下、好ましくは38000μm以下となるような非常に小さいサイズで形成することが可能となった。係合頭部を有する係合素子を、このような小さなサイズで形成することは、従来の技術では困難とされていた。更に本発明の面ファスナーは、小さいサイズの係合素子を有するだけでなく、試作及び検討を重ねた結果、その係合素子のサイズに対して係合素子の適切な配置条件を見出したことによって実現されている。
 本発明の面ファスナーでは、上述のような小さいサイズの複数の係合素子が、所定の条件を満たすように配置されることによって、面ファスナーを雌型面ファスナーに係合させたときに、従来の面ファスナーよりも大きな剥離強度を確保することができる。以下に、本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る面ファスナーについて詳しく説明する。
 (第1の実施形態)
 図1は、第1の実施形態に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図2は、第1の実施形態の係合素子を示す正面図である。図3は、面ファスナーの平面図である。
 なお、以下の説明において、面ファスナー及び一次成形体についての前後方向とは、後述するように長尺に成形される面ファスナー及び一次成形体の長さ方向であり、また、面ファスナーの製造工程において面ファスナー又は一次成形体が搬送される機械方向(MD)に沿った第1方向と言うこともできる。
 左右方向とは、長さ方向に直交し、且つ、面ファスナーのベース部の上面(又は下面)に沿った幅方向を言う。この場合、左右方向及び幅方向は、機械方向(MD)に直交する直交方向(CD)や第2方向と言うこともできる。上下方向とは、長さ方向に直交し、且つ、面ファスナーの基材部の上面(又は下面)に直交する面ファスナーの厚さ方向及び係合素子の高さ方向を言う。
 第1の実施形態に係る面ファスナー1は、後述するように図4に示した成形装置41及び加熱押圧装置51を有する製造装置40を用いて、製造装置40の機械方向MDに長い矩形状に製造される。この場合、面ファスナー1は、成形面ファスナーと呼ばれることもある。
 第1の実施形態に係る面ファスナー1は、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、又はそれらの共重合体などの熱可塑性樹脂により形成されている。面ファスナー1は、生分解樹脂や植物由来樹脂、リサイクルにより得られる熱可塑性樹脂により形成されていてもよい。
 面ファスナー1は、厚さが薄い平板状のベース部10と、ベース部10の上面に起立するとともにマッシュルーム状の形状を有する複数の係合素子20とを有する。ベース部10は、面ファスナー1の製造時における機械方向MDに沿って長く形成されている。ベース部10は、適切な強度と適切な可撓性を確保できる所定の厚さを有する。ベース部10の上面と下面は、それぞれ平坦で、且つ互いに平行に形成されている。
 第1の実施形態の各係合素子20は、ベース部10の上面から上方に延びるステム部21と、ステム部21の上端部に形成される係合頭部22とをそれぞれ有する。ステム部21と係合頭部22との間には、境界部23が配されている。
 ステム部21は、ベース部10の上面に対して直交する方向に突出している。ステム部21は、上下方向に直交する断面(円形断面)の面積がベース部10に接近するにつれて漸増する円錐台状の形状を有する。なお、本発明において、ステム部の形状は、円錐台状に限定されず、例えば四角錐台のような角錐台状、円柱状、又は四角柱のような角柱状であってもよい。
 係合頭部22は、ステム部21の上に境界部23を介してステム部21と一体的に形成されている。係合頭部22は、ステム部21の上端部の全周から外側に向けて張り出すような円盤状又は皿状の形状に形成されている。この係合頭部22は、厚さ寸法(上下方向における寸法)を比較的小さくして形成され、且つ、係合素子20の平面視(図3を参照)において、円形又は楕円形を呈する。平面視で確認できる係合頭部22の円形状又は楕円形状は、例えば上下方向に直交する断面視を見たときに境界部23が形成する円形状又は楕円形状よりも直径を大きくして形成されている。
 係合頭部22は、例えば前後方向又は左右方向等のような高さ方向に直交する方向を水平方向と規定した場合、その水平方向から係合素子20を見たときに(図2を参照)、上方に露出する平坦な頭部頂端面22aと、ステム部21との境界部23からステム部21の外側に向けて延びる頭部裏面22bと、頭部頂端面22aの外周縁部から頭部裏面22bの外周縁部にかけて形成される外周側面22cとを有する。
 係合頭部22の頭部頂端面22aは、ベース部10の上面と平行に配されている。湾曲面状の外周側面22cは、頭部頂端面22aと頭部裏面22bとの間に、係合頭部22の周方向の全体に亘って設けられている。第1の実施形態において、外周側面22cは、頭部頂端面22aの外周縁部から頭部裏面22bの外周縁部にかけて下り傾斜するように湾曲している。
 係合頭部22の頭部裏面22bは、頭部頂端面22aに対して上下方向の反対側に、ベース部10に向くように配されている。頭部裏面22bは、ステム部21を囲むようなドーナツ状又はリング状の形状を有する。
 ここで、例えば図2に示すように、係合素子20を前後方向又は左右方向等のような高さ方向に直交する水平方向から見たときに、係合頭部22の頭部裏面22bが係合素子20の高さ方向(上下方向)に対して形成する角度を頭部裏面角度θと規定する。
 第1の実施形態において、頭部裏面22bは、頭部裏面角度θが120°以下、好ましくは90°以下となるように形成されている。これにより、係合頭部22の裏側に、雌型面ファスナー(ループ部材及び不織布等)のループ又は繊維が引っ掛かって係合したときに、その係合したループ又は繊維を安定して保持し、ループ又は繊維を係合素子20から外れ難くすることができる。第1の実施形態において、頭部裏面角度θの下限は特に限定されないが、係合頭部22の裏側に雌型面ファスナーのループ又は繊維を入り込み易くすること等を考慮すると、裏面角度は、45°以上、特に70°以上であることが好ましい。
 なお第1の実施形態、及び後述する第2の実施形態の場合、係合素子20を水平方向から見たときに、頭部裏面22bは平坦面又は略平坦面に形成されているが、本発明において、頭部裏面22bは、ステム部21との境界部23と外周側面22cとの間の全体又は一部で湾曲した曲面状に形成されていてもよい。この場合、上述した頭部裏面角度θは、係合頭部の頭部裏面及び外周側面間の境界位置と、境界部とを仮想的に直線で結んだときの直線が、係合素子の高さ方向に対して形成する角度によって表される。
 また、上述したように頭部裏面22bの全体又は一部が曲面状に形成されている場合、係合素子20の高さ方向に対して頭部裏面22bが形成する頭部裏面角度θも、頭部裏面22bの全体又は一部において、頭部裏面22bの位置(例えば境界部23からの距離)によって変化する。この場合、頭部裏面22bの傾斜角度が最も小さくなる部分(言い換えると、下側に最も垂れ下がる部分)において、高さ方向に対する部分的な頭部裏面角度θは、60°以下、特に5°以上45°以下であることが好ましい。これにより、係合頭部22に雌型面ファスナーのループ又は繊維が引っ掛かって係合したときに、その係合したループ又は繊維を係合素子20からより外れ難くすることができる。
 更に、円盤状の係合頭部22は、径方向に沿った係合頭部22の断面が周方向の全体で一定又は略一定の形状を有する。なお本発明において、係合頭部22は、径方向に沿った係合頭部22の断面が周方向の全体又は一部で変化するように形成されていてもよい。
 面ファスナー1を上方から見た平面視において、1つの係合素子20の係合頭部22の面積を頭部面積Sと規定したときに、各係合素子20は、それぞれ、その頭部面積Sが22000μm以上50000μm以下となるように、好ましくは22000μm以上41000μm以下となるように、更に好ましくは22000μm以上38000μm以下となるように形成されている。
 それぞれの係合素子20の頭部面積Sが22000μm以上であることによって、面ファスナー1を成形するときに、後述する金型部材に対して溶融樹脂を充填し易くすることができ、それによって、係合素子20を所定の形状に安定して形成することができる。また、それぞれの係合素子20は、頭部面積Sが50000μm以下、好ましくは41000μm以下、更に好ましくは38000μm以下となる小さいサイズで形成されている。それによって、面ファスナー1を雌型面ファスナーに係合させるときに、各係合素子20を雌型面ファスナーのループ又は繊維に深く挿入し易くすることができ、その結果、雌型面ファスナーに対する剥離強度、更には剪断強度を効果的に向上させることができる。例えば、それぞれの係合素子20が上記範囲内の頭部面積Sを有することにより、面ファスナー1が0.50N/cm以上の剥離強度、更には0.57N/cm以上の剥離強度を有することができる。なお、それぞれの係合素子20の頭部面積Sは、例えば面ファスナー1を上方から撮影した画像データから求めることが可能である。係合素子20の平面視が円形又は楕円形を呈する場合には、頭部面積Sは、それぞれの係合頭部22の直径から算出することもできる。
 各係合素子20において、例えば図2に示すように、係合素子20の境界部23における水平方向(例えば、前後方向又は左右方向)の寸法は、125μm以上174μm未満、好ましくは127μm以上158μm以下である。
 境界部23の水平方向における寸法が125μm以上、好ましくは127μm以上であることによって、面ファスナー1を成形するときに金型部材のキャビティ内に溶融樹脂を充填し易くして、所定の形状を有する係合素子20を安定して成形することができる。その結果、製造された面ファスナー1は、優れた剥離強度を安定して有することができる。一方、境界部23の水平方向における寸法が174μm未満、好ましくは158μm以下であることによって、係合素子20を小さいサイズで形成できる。
 各係合素子20において、面ファスナー1の平面視における係合頭部22の左右方向(直交方向CD)の寸法の最大値は、246μm以下、好ましくは223μm以下である。また、ベース部10の上面から係合素子20の係合頭部22の頭部頂端面22aまでの高さ寸法(上下方向における寸法)は、230μm以上290μm以下、好ましくは238μm以上283μm以下である。
 第1の実施形態において、複数の係合素子20は、図3に示すように、前後方向(第1方向)に沿って一定の第1ピッチP1で整列しており、それによって、前後方向に沿った複数の素子列25が形成されている。また、複数の素子列25は、左右方向(第2方向)に沿って一定の第2ピッチP2で整列している。より具体的には、ある素子列25における各係合素子20の位置は、左右方向(第2方向)に隣接する素子列25の各係合素子20の位置と前後方向(第1方向)において整列している。すなわち、複数の係合素子20は、前後方向と左右方向とに格子状に規則的に整列する並列配置で配されている。言い換えると、複数の係合素子20が上記第1ピッチP1及び第2ピッチP2で配されると同時に、1つの素子列25の係合素子20と左右方向に隣り合う別の素子列25の係合素子20とが、左右方向に沿って整列する又は前後方向の対応する同じ位置に配されるという配置パターンが、左右方向に複数の素子列25に亘って設けられており、それによって、係合素子20の並列配置が形成されている。なお本発明において、係合素子20の並列配置は、面ファスナー1の全体に形成されていることが好ましいが、面ファスナー1の前後方向の一部の領域及び/又は面ファスナー1の左右方向の一部の領域に形成されていてもよい。
 更に第1の実施形態の場合、第1ピッチP1と第2ピッチP2とは、実質的に同じ大きさである。ここで、実質的に同じ大きさとは、第1ピッチP1と第2ピッチP2とが、同じ大きさである場合だけでなく、±10%の誤差がある場合を含むことを意味する。
 また図3に示したように、第1方向に互いに隣り合う係合素子20における係合頭部22間の第1方向に沿った距離を第1頭部間距離D1と規定する。第2方向に互いに隣り合う素子列25における係合頭部22間の第2方向に沿った距離を第2頭部間距離D2と規定する。この場合、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の少なくとも1つ、好ましくは第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の両方は、200μm以上である。更に、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2は、430μm以下である。
 小さいサイズの複数の係合素子20が並列配置されている場合、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の少なくとも1つが200μm以上に設定されることによって、係合素子20間に雌型面ファスナーのループ又は繊維を挿入し易くすることができ、それによって、ループ又は繊維を係合素子20に係合させ易くすることができる。
 第1頭部間距離D1と第2頭部間距離D2の両方が430μm以下に設定されることによって、係合素子20間に雌型面ファスナーのループ又は繊維が入り込み過ぎることを抑制し、雌型面ファスナーのループ又は繊維を効率的に係合素子20に係合させることができる。また、面ファスナー1全体における係合素子20の設置数が低下することによる強度低下を防止する。従って、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2が上述した範囲に設定されることによって、面ファスナー1を雌型面ファスナーに係合させたときに、より大きな剥離強度を得やすくすることができ、更には剪断強度の向上も図ることができる。
 なお第1の実施形態では、複数の係合素子20の配置パターンとして、上述した並列配置ではなく、左右方向に互い隣接する2つの素子列間において、一方の素子列の係合素子を、他方の素子列の係合素子の位置に対し、第1ピッチP1の1/2の大きさだけ長さ方向にずらした位置に配置する千鳥配置を採用してもよい(例えば図10を参照)。
 次に、上述した第1の実施形態に係る面ファスナー1を製造する方法について説明する。
 第1の実施形態に係る面ファスナー1は、図4に示した製造装置40を用いて製造される。この製造装置40は、一次成形工程を行う成形装置41と、一次成形工程により成形された一次成形体5(図6を参照)を加熱するとともに一次成形体5の一部を押圧する加熱押圧装置51とを有する。
 成形装置41は、一方向(図面では反時計回り方向)に回転するダイホイール42と、ダイホイール42の周面に対向して配されるノズル部45と、ノズル部45よりもダイホイール42の回転方向下流側に配されるピックアップローラ46とを有する。
 ダイホイール42は、金型部材となる円筒体(スリーブ)43と、その円筒体43を一方向に回転させる回転駆動ローラ44とを備える。回転駆動ローラ44の内部には、冷却液を流通させる図示しない冷却ジャケットが設けられている。この冷却ジャケットにより、ダイホイール42の外周面部で成形される後述の一次成形体5を効率的に冷却できる。
 ダイホイール42の円筒体43には、図5に示すように、円筒体43の外周面から内周面に貫通する複数の貫通孔43aが、一次成形体5の後述する仮素子60を成形するキャビティとして設けられている。円筒体43に設けた各貫通孔43aは、円筒体43の外周面に形成される円形が、同円筒体43の内周面に形成される円形よりも大きくなる円錐台の形状を有する。なお本発明において、円筒体43の材質及び大きさ、また、その形成方法は特に限定されるものではない。
 これらの複数の貫通孔43aは、製造する面ファスナー1の係合素子20の配設位置に対応して形成されている。また、複数の貫通孔43aは、円筒体43の周方向(機械方向MD)に沿って一定の形成ピッチで形成されているとともに、円筒体43の中心軸と平行な軸方向(直交方向CD)に沿って一定の形成ピッチで形成されている。
 特に第1の実施形態において、貫通孔43aの機械方向MDに沿った形成ピッチと、貫通孔43aの直交方向CDに沿った形成ピッチとは、それぞれ、200μm以下600μm以下に、好ましくは400μm以下600μm以下に設定されている。また第1の実施形態の場合、貫通孔43aの機械方向MDに沿った形成ピッチと、貫通孔43aの直交方向CDに沿った形成ピッチとは、実質的に同じ大きさである。
 なお本発明において、貫通孔43aの機械方向MDに沿った形成ピッチと、貫通孔43aの直交方向CDに沿った形成ピッチとは、互いに異なる大きさであってもよい。また、貫通孔43aの機械方向MDに沿った形成ピッチと、貫通孔43aの直交方向CDに沿った形成ピッチとが互いに異なる大きさである場合、直交方向CDに沿った形成ピッチが、機械方向MDに沿った形成ピッチよりも大きいことが好ましい。
 ノズル部45は、ダイホイール42の外周面から離れて配されている。このノズル部45から、溶融した合成樹脂がダイホイール42に向けて連続的に供給される。
 ピックアップローラ46は、ダイホイール42の外周面部で成形される一次成形体5を上下から挟持して引っ張る一対の上側挟持ローラ46a及び下側挟持ローラ46bを有する。上側挟持ローラ46aと下側挟持ローラ46bとは、互いに所定の間隔を開けて対向して配されている。
 上側挟持ローラ46a及び下側挟持ローラ46bの各外周面部には、ポリウレタンエラストマー等のエラストマーにより形成される図示しない表面層が設けられている。このような一対の上側挟持ローラ46a及び下側挟持ローラ46bがそれぞれ所定の方向に所定の速度で対応して回転することにより、一次成形体5をダイホイール42から連続的に引き剥がしながら下流側に円滑に送り出すことができる。
 加熱押圧装置51は、ピックアップローラ46の下流側に配される一対の上側押圧ローラ(上側カレンダローラ)52及び下側押圧ローラ(下側カレンダローラ)53を有する。上側押圧ローラ52と下側押圧ローラ53とは、互いに所定の間隔を開けて対向して配されている。また、上側押圧ローラ52及び下側押圧ローラ53間の間隔は、図示しない高さ調整手段により調整可能である。
 上側押圧ローラ52は、図4において反時計回り方向に回転するように配されている。第1の実施形態において、上側押圧ローラ52の大きさは特に限定されるものではなく、上側押圧ローラ52の回転軸方向に直交する断面における直径(ローラ径)は任意に変更可能である。上側押圧ローラ52は、その内部に図示しない加熱源を備えており、上側押圧ローラ52の外周面は、一次成形体5の仮素子60を所定の加熱温度で加熱しながら上方から押圧する部分となる。下側押圧ローラ53は、図4において時計回り方向に回転するように配され、上側押圧ローラ52で押圧される一次成形体5を下から支持する。
 このような上側押圧ローラ52及び下側押圧ローラ53間には、成形装置41で成形された一次成形体5が導入される。それにより、上側押圧ローラ52及び下側押圧ローラ53は、一次成形体5の仮素子60を上下方向から押圧して、仮素子60の高さ寸法(上下方向の寸法)を小さくするとともに、仮素子60の上端部を変形させることができる。
 上述のような成形装置41及び加熱押圧装置51を有する製造装置40を用いて面ファスナー1の製造を行う場合、先ず、成形装置41により一次成形体5を成形する一次成形工程を行う。この一次成形工程では、溶融した合成樹脂をノズル部45から、回転しているダイホイール42の外周面部に向けて連続的に供給する。
 このとき、ダイホイール42は一方向に駆動回転しているため、その周面に合成樹脂が供給されることにより、図6に示すような複数の仮素子60がベース部10の上面から突出する一次成形体5が成形される。具体的に説明すると、溶融樹脂がノズル部45とダイホイール42との間に充填されることにより、ベース部10がノズル部45とダイホイール42との間で機械方向MDに沿って長尺に成形される。また同時に、ダイホイール42の円筒体43に設けた貫通孔43aに溶融樹脂が充填されることによって、円錐台状の仮素子60がベース部10と一体的に成形される。
 この一次成形体5は、ダイホイール42の外周面部に担持されて冷却されながら半回転することによって硬化する。その後、硬化した一次成形体5は、ピックアップローラ46によってダイホイール42の外周面から連続的に引き剥がされる。
 次に、ダイホイール42から引き剥がされた一次成形体5は、二次成形工程を行う加熱押圧装置51に向けて搬送され、加熱押圧装置51の上側押圧ローラ52と下側押圧ローラ53の間に導入される。この二次成形工程では、上側押圧ローラ52によって、一次成形体5の仮素子60の少なくとも上端部を加熱するとともに、上側押圧ローラ52と下側押圧ローラ53とによって、仮素子60を上下方向に押圧する。これによって、仮素子60の高さ寸法を小さくして一定の大きさに揃えるととともに、仮素子60の上端部を、頂端面が平坦となる円盤状に変形させる。
 これによって、図1に示した第1の実施形態の面ファスナー1が製造される。
 上述のような方法で製造された第1の実施形態の面ファスナー1では、各係合素子20が、従来では製造することが困難とされていた非常に小さいサイズで形成されている。具体的に、各係合素子20は、面ファスナー1の平面視において(図3を参照)、それぞれの係合素子20の頭部面積Sが22000μm以上41000μm以下となるサイズで形成されている。その上、第1の実施形態の面ファスナー1では、複数の係合素子20について、上述した第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の少なくとも1つが200μm以上であるとともに、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の両方が430μm以下である。
 このような第1の実施形態の面ファスナー(雄型面ファスナー)1は、雌型面ファスナーに対して、係合及び分離を繰り返して行うことが可能である。この場合、雌型面ファスナーとしては、例えば、複数のループ及び繊維が絡み合って形成されるループ部材、又は、ループを備えないループレスの不織布等が使用される。ループ部材は、20g/m~50g/m程度の目付で形成されることが好ましい。ループレスの不織布は、例えば10g/m~20g/m程度の目付で形成されることが好ましく、バックシートと呼ばれることもある。
 上述のような頭部面積S、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2を備える面ファスナー1では、雌型面ファスナーに係合させたときに、面ファスナー1の小さな係合素子20を、複数のループに又は複数の繊維間に深く入り込み易くすることができる。また、係合素子20間の空間部分に、複数のループ又は複数の繊維を適切に収容し易くすることができる。その結果、雌型面ファスナーに対する面ファスナー(雄型面ファスナー)1の剥離強度を効果的に向上させることができる。
 また第1の実施形態では、複数の係合素子20が、図1及び図3に示すように、前後方向と左右方向とに規則的に整列する並列配置で配されている。この場合、平面視における各係合素子20の頭部面積Sが38000μm以下であること、及び、水平方向における係合素子20の境界部23での寸法が127μm以上であることが好ましい(図2を参照)。
 このような大きさ及び配置で複数の係合素子20が形成されることにより、面ファスナー1が、雌型面ファスナーに対して適切な剪断強度を備えることができる。すなわち、面ファスナー1が、例えばオムツ等に使用される場合に、その使用に耐え得る適切な剪断強度を安定して備えることができる。また同時に、剪断強度が大きくなり過ぎることも抑制できる。これにより、例えば面ファスナー1と雌型面ファスナーとが係合した状態で、大きな剪断応力を受けたときに、面ファスナー1と雌型面ファスナーの係合を容易に解除することができる。このため、剪断応力を受けたときに係合状態が維持されることに起因して係合素子が雌型面ファスナーのループ又は繊維を破損(切断)させるような不具合を生じさせ難くすることができる。
 更に第1の実施形態では、並列配置で配されている複数の係合素子20について、前後方向の第1ピッチP1と左右方向の第2ピッチP2とが実質的に同じ大きさである。この場合、平面視における各係合素子20の頭部面積Sが38000μm以下であること、係合素子20の境界部23における水平方向の寸法が127μm以上であること、及び、面ファスナー1の平面視における各係合素子20の係合頭部22における左右方向(直交方向CD)の寸法の最大値が223μm以下であることが好ましい。
 このような大きさ及び配置で複数の係合素子20が形成されることにより、各係合素子20を安定して小さく(細く)形成できるとともに、各係合素子20の強度を適切に高めることができる。このため、面ファスナー1の剥離強度をより向上させることができる。
 (第2の実施形態)
 図7は、第2の実施形態に係る面ファスナーを模式的に示す斜視図である。図8は、第2の実施形態の係合素子を示す正面図である。図9は、面ファスナーの平面図である。
 第2の実施形態に係る面ファスナー2は、各係合素子70の係合頭部72に複数の微小な爪部74が設けられて形成されている。以下に、第2の実施形態に係る面ファスナー2について、第1の実施形態と異なる部分と、特徴的な部分を主にして説明する。
 第2の実施形態の面ファスナー2は、ベース部10と、ベース部10の上面に起立する複数の係合素子70とを有する。ベース部10は、第1の実施形態のベース部10と実質的に同様に形成されている。
 第2の実施形態の各係合素子70は、ベース部10の上面から突出する円錐台状のステム部71と、ステム部71の上端部に一体的に形成される係合頭部72と、係合頭部72の外周縁部から突出する2つの微小な爪部74とをそれぞれ有する。また、ステム部71と係合頭部72の間に、境界部73が配されている。
 係合頭部72は、ステム部71の上端部の全周から外側に向けて張り出すような円盤状又は皿状の形状に形成されている。この係合頭部72は、係合素子70の平面視(図9を参照)において、円形又は楕円形を呈する。
 係合頭部72は、係合素子70を高さ方向に直交する水平方向から見たときに(図8を参照)、上方に露出する平坦な頭部頂端面72aと、境界部73からステム部71の外側に向けて延びる頭部裏面72bと、頭部頂端面72aの外周縁部から頭部裏面72bまで湾曲する外周側面72cとを有する。係合頭部72の頭部頂端面72aは、ベース部10の上面と平行に配されている。外周側面72cは、頭部頂端面72aと頭部裏面72bとの間に、係合頭部72の周方向の全体に亘って設けられている。
 係合頭部72の頭部裏面72bは、頭部頂端面72aに対して上下方向の反対側に、ベース部10に向くように配されている。また、係合素子70を水平方向から見たときに、頭部裏面72bは、頭部裏面角度θが120°以下となるように形成されている。
 円盤状の係合頭部72は、径方向に沿った係合頭部72の断面が周方向の全体で一定又は略一定の形状を有する。なお本発明において、係合頭部72は、径方向に沿った係合頭部72の断面が周方向の全体又は一部で変化するように形成されていてもよい。
 各係合素子70は、係合頭部72の外周側面72cから外側へ向けて突出する微小な爪部74を2つずつ有する。各係合素子70の2つの爪部74は、1つの係合頭部72に対して規則的に配置されている。具体的に説明すると、2つの爪部74は、平面視で円形を呈する係合頭部72の径方向に沿って、係合頭部72の外周側面72cから、係合頭部72の中心を基準にして放射状に延びる方向に突出する。特に、第2の実施形態の場合、2つの爪部74は、係合素子70の平面視において互いに点対称な位置関係となるように、係合頭部72から左右方向(第2方向)に沿って互いに反対向きに突出している。
 なお本発明において、各係合素子に設けられる爪部の形状及び個数は特に限定されるものではない。本発明では、各係合素子70の係合頭部72に、例えば、1つの爪部のみを設けること、図14に示すような4つの爪部74、若しくは図15に示すような8つの爪部74を規則的に設けること、又は、複数の爪部をランダムに設けること等が可能である。
 第2の実施形態において、各爪部74は、鳥の鉤爪のように先端に向けて下方へ垂れ下がる形態を有する。各爪部74は、係合素子70を水平方向から見たとき、上方に向く爪上面と、爪上面の反対側に配される爪下面とを有する。また、爪下面は、爪下面の先端部が爪下面の基端部よりも高さ方向の低い位置に配される垂れた形状を有する。この場合、爪部74の爪下面は、係合頭部72の頭部裏面72bに対して、爪先端部に向けて下方に傾斜する形状に形成される。すなわち、爪部74の爪下面と係合頭部72の頭部裏面72bとは傾斜角度(例えば、基板部の上面と平行な水平面に対して傾斜する角度)が相互に異なる。
 更に、各爪部74は、爪上面及び爪下面間に配される一対の側壁面を有する。ここで、爪部74の基端部(係合頭部72に結合する側の端部)における一対の側壁面間の寸法を、爪幅寸法と規定する。この場合、各爪部74は、係合素子70の境界部73における水平方向の寸法よりも小さな爪幅寸法を有する。特に第2の実施形態の場合、爪部74の爪幅寸法は、上述した境界部73における水平方向の寸法の1/3以下、好ましくは1/5以下、更に好ましくは1/7以下である。各爪部74がこのような爪幅寸法を有することにより、各係合素子70の爪部74が、面ファスナー2の触り心地に与える影響を小さく抑えることができる。
 第2の実施形態において、各係合素子70は、第1の実施形態の場合と同様に、それぞれ、その頭部面積Sが22000μm以上41000μm以下となるように、好ましくは22000μm以上38000μm以下となるように形成されている。これによって、係合素子70を所定の形状に形成できるとともに、雌型面ファスナーに対する剥離強度を効果的に向上させること、更には剪断強度を効果的に向上させることができる。
 また、係合素子70の境界部73における水平方向の寸法は、125μm以上174μm未満、好ましくは127μm以上158μm以下である。面ファスナー2の平面視における係合頭部72の左右方向(直交方向CD)の寸法の最大値は、246μm以下、好ましくは223μm以下である。また、ベース部10の上面から係合素子70の係合頭部72の頭部頂端面72aまでの高さ寸法は、230μm以上290μm以下、好ましくは238μm以上283μm以下である。
 複数の係合素子70は、図7及び図9に示すように、前後方向(第1方向)に沿って一定の第1ピッチP1で整列しており、それによって、前後方向に沿った複数の素子列75が形成されている。また、複数の素子列75は、左右方向(第2方向)に沿って一定の第2ピッチP2で整列している。すなわち、複数の係合素子70は、前後方向と左右方向とに規則的に整列する並列配置で配されている。更に第2の実施形態の場合、第1ピッチP1と第2ピッチP2とは、実質的に同じ大きさである。
 また第2の実施形態において、図9に示したように、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の少なくとも1つ、好ましくは第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の両方は、200μm以上である。更に、第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2は、430μm以下である。
 なお第2の実施形態では、複数の係合素子70の配置パターンとして、上述した並列配置ではなく、図10に示したように、左右方向に互い隣接する2つの素子列75間において、一方の素子列75の係合素子70を、他方の素子列75の係合素子70の位置に対し、第1ピッチP1の1/2の大きさだけ長さ方向にずらした位置に配置する千鳥配置を採用してもよい。この場合、第1方向に互いに隣り合う係合素子70における係合頭部72間の距離を第1頭部間距離D1と規定する。第2方向に互いに隣り合う素子列75における係合頭部72間の距離を第2頭部間距離D2と規定する。なお本発明において、係合素子70の千鳥配置は、面ファスナー2の全体に形成されていることが好ましいが、面ファスナー2の前後方向の一部の領域及び/又は面ファスナー2の左右方向の一部の領域に形成されていてもよい。
 図7~図9に示す第2の実施形態に係る面ファスナー2は、図11に示した製造装置40aを用いて製造される。第2の実施形態で用いる製造装置40aにおいて、第1の実施形態で説明した製造装置40と実質的に同様に形成されている部分については、同じ符号を用いて示すことによって、その詳しい説明を省略する。
 製造装置40aの成形装置41aは、ダイホイール47を有する。ダイホイール47は、円筒状の外側円筒体(外側スレーブ)48と、外側円筒体48の内側に密接して配される円筒状の内側円筒体(内側スレーブ)49と、外側円筒体48及び内側円筒体49を一方向に回転させる回転駆動ローラ44とを備える。この場合、ダイホイール47は、外側円筒体48と内側円筒体49とが同心状に回転可能に配される二重円筒構造を有する。
 ダイホイール47の外側円筒体48には、外側円筒体48の外周面から内周面に貫通する複数の貫通孔48aが、一次成形体6の後述する一次ステム部81を成形するキャビティとして設けられている。内側円筒体49の外周面には、複数の凹溝部49aが形成されている。各凹溝部49aは、内側円筒体49の中心軸と平行な直交方向CDに沿って直線状に凹設されている。各凹溝部49aは、溶融した合成樹脂が流入可能な大きさを有する。特に第2の実施形態の場合、内側円筒体49の凹溝部49aは、外側円筒体48に形成される貫通孔48aの直径に重なるように、周方向(機械方向MD)に所定のピッチで形成されている。また、内側円筒体49の凹溝部49aは、外側円筒体48の貫通孔48aの内周面側に形成される円形外周縁と交差している。
 上述のような第2の実施形態の製造装置40aを用いて面ファスナー2の製造を行う場合、先ず、成形装置41aにより一次成形体6を成形する一次成形工程を行う。この一次成形工程では、溶融した合成樹脂をノズル部45から、回転しているダイホイール47に向けて連続的に供給する。
 これにより、図13に示すような複数の仮素子80がベース部10の上面から突出する一次成形体6が成形される。各仮素子80は、二次成形工程で押圧成形されることにより、面ファスナー2の係合素子70になる部分である。各仮素子80は、ベース部10から突出する円錐台状の一次ステム部81と、一次ステム部81の上面から上方に局部的に膨出する棒状のリブ部82と、リブ部82と一体的に連続して形成される2つの突出部(仮爪部)83とを有する。2つの突出部83は、リブ部82から、一次ステム部81の外側に飛び出すように突出している。
 この場合、リブ部82と2つの突出部83とは、一次成形工程において、溶融した合成樹脂が外側円筒体48の貫通孔48aから内側円筒体49に設けた凹溝部49aに流入することにより成形される。また、リブ部82は、一次ステム部81の上面に直交方向CDに沿って形成される。
 2つの突出部83の成形は、内側円筒体49の凹溝部49aの全部に合成樹脂が充填されて行われるのではなく、外側円筒体48の貫通孔48aから凹溝部49a内に流入した合成樹脂が、凹溝部49aに沿って貫通孔48aの形成範囲の外側に進入することによって形成される。この一次成形工程で成形される突出部83は、二次成形工程で仮素子80が上方から押圧されることにより、係合素子70の微小な爪部74となる部分である。
 第2の実施形態の一次成形体6は、ダイホイール47の外周面部に担持されて冷却されながら半回転することによって硬化する。その後、硬化した一次成形体6は、ピックアップローラ46によってダイホイール47の外周面から連続的に引き剥がされる。
 次に、ダイホイール47から引き剥がされた一次成形体6は、二次成形工程を行う加熱押圧装置51に向けて搬送されて、加熱押圧装置51の上側押圧ローラ52と下側押圧ローラ53の間に導入される。このとき、上側押圧ローラ52によって、一次成形体6の仮素子80の少なくとも上端部を加熱するとともに、上側押圧ローラ52と下側押圧ローラ53とによって、仮素子80を上下方向に押圧する。
 これによって、仮素子80における一次ステム部81の上端部と、リブ部82と、突出部83とが熱変形して、平坦な頭部頂端面72aを有する係合頭部72が成形されるとともに、その係合頭部72の外周側面72cから突出する2つの微小な爪部74が突出部83から成形される。その結果、図7に示した第2の実施形態の面ファスナー2が製造される。
 上述のような方法で製造された第2の実施形態の面ファスナー2では、第1の実施形態と同様に、各係合素子70が、それぞれの係合頭部72の頭部面積Sが22000μm以上41000μm以下となる非常に小さいサイズで形成されている。従って、第2の実施形態の面ファスナー2も、第1の実施形態の面ファスナー1と同様の効果を得ることができる。なお、爪部74の形成方法は、上述の方法に限定されない。
 以下、本発明について、実施例及び参考例を挙げてより具体的に説明する。
 実施例1~実施例12及び参考例1~参考例6の面ファスナーとして、各係合素子が第2の実施形態で説明した形状(図7~図9を参照)を有するとともに、少なくとも第1頭部間距離D1、第2頭部間距離D2、及び頭部面積Sが互いに異なる数値となる面ファスナーを作製した。また、参考例7~参考例9の面ファスナーは、各係合素子が第1の実施形態で説明した形状(図1~図3を参照)に近い形状を有するとともに、少なくとも第1頭部間距離D1、第2頭部間距離D2、及び頭部面積Sが互いに異なる既存の面ファスナーである。
 その後、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9で得られた各面ファスナーについて、第1頭部間距離D1、第2頭部間距離D2、頭部面積S、係合素子の配置、第1方向の第1ピッチP1の大きさ、第2方向の第2ピッチP2の大きさ、係合素子の境界部における水平方向(具体的には第2方向)の寸法、及び、第2方向における係合頭部の寸法の最大値を測定した。その測定結果を、以下の表1に示す。
 なお、第1及び第2頭部間距離D1,D2は、頭部外周の間隔をデジタルマイクロスコープVHX-6000で計測して求めた。また、ダイホイール42で規定される係合素子の第1及び第2ピッチP1,P2と第1及び第2頭部間距離D1,D2とから、係合頭部の第1方向の直径及び第2方向の直径を算出した。頭部面積Sは、係合頭部の第1方向の直径及び第2方向の直径から算出した。ステム部と係合頭部間の境界部の寸法は、係合素子の高さ方向に直交する第1方向から見たときの境界部における第2方向の寸法をデジタルマイクロスコープVHX-6000で計測した。
 また、係合素子の第1ピッチP1と第2ピッチP2間の大きさは、表1に示したように、実施例11及び参考例5の面ファスナーで異なるものの、これら以外の面ファスナーにおけるそれぞれの第1ピッチP1と第2ピッチP2とは同じ大きさであった。更に、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9の各面ファスナーにおける係合素子のベース部上面からの高さ、係合頭部の厚さ(係合頭部の上面から境界部までの上下方向の寸法)、ベース部の厚さ、及び、係合素子の形成密度を測定又は算出した結果を、以下の表2に参考として示す。
 次に、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9の各面ファスナーに対し、剥離強度と剪断強度を測定する試験を行った。
 剥離強度の測定試験では、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9の各面ファスナーを25mm×25mmの正方形のサイズに切断し、その切断された面ファスナーの切断片93を不織布からなる支持部材に接着することによって、面ファスナー(雄型面ファスナー)側の第1試験片91を作製した(図16を参照)。また、雌型面ファスナー側の第2試験片92として、0.017mmの繊維径を有するとともに48.8g/mの目付で形成された不織布を使用した。
 次に、図16に示すように第1試験片91における面ファスナーの切断片93を第2試験片92に係合させ、更に、第2試験片92をU字状に折り返す。続いて、第1試験片91と第2試験片92をそれぞれ一対の図示しないクランパーで把持し、その後、第1試験片91及び第2試験片92を把持した一対のクランパーを、汎用の引張試験機を用いて互いに離間する向きに一定の速度で移動させる。これによって、係合状態にある第1試験片91及び第2試験片92に対し、図16に矢印で示すように徐々に負荷を加える。そして、負荷を加え始めてから第1試験片91と第2試験片92が剥離しきるまでの力から積分平均剥離力(N)を求め、この値を有効巾(cm)で除した値を面ファスナーの剥離強度(N/cm)とした。なお、この測定試験では、引張試験機として、2001年製のINSTRON社製の万能引張試験機を使用した。
 剪断強度の測定試験では、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9の各面ファスナーを25mm×13mmの長方形のサイズに切断し、その切断された面ファスナーの切断片96を不織布からなる支持部材に接着することによって、面ファスナー(雄型面ファスナー)側の第1試験片94を作製した(図17を参照)。また、雌型面ファスナー側の第2試験片95として、剥離強度の測定試験と同様の不織布を使用した。この場合、第1試験片94では、長方形の面ファスナーの短い辺が、第1試験片94及び第2試験片95に負荷を印加するときの印加方向に沿うように、面ファスナーが支持部材に固定される。その後、第1試験片91及び第2試験片92に、図17に矢印で示すように負荷を加え、負荷を加え始めてから第1試験片94と第2試験片95とが分離に至るまでの間の最大引張り剪断荷重(N)を測定した。この測定値を重ね合わせ長さ(cm)と有効巾(cm)の面積で除した値を、面ファスナーの剪断強度(N/cm)とした。
 上述のような剥離強度及び剪断強度の測定試験を、実施例1~実施例12及び参考例1~参考例9の各面ファスナーについて複数本ずつ行い、測定された剥離強度及び剪断強度の平均値をそれぞれ算出した。なお、参考例9については、剪断強度の測定試験を行わなかった。以下の表1に、各面ファスナーについて算出した剥離強度及び剪断強度の平均値を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表1に示したように、(1)面ファスナーの平面視において、それぞれの係合素子の頭部面積Sが22000μm以上41000μm以下であること、(2)第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の少なくとも1つが200μm以上であること、及び(3)第1頭部間距離D1及び第2頭部間距離D2の両方が430μm以下であることの3つの条件を満足する実施例1~実施例12の面ファスナーでは、何れも0.57N/cm以上の高い剥離強度を有することが確認された。
 一方、上記3つの条件の少なくとも1つを満たさない参考例1~参考例9の面ファスナーで測定された剥離強度は、何れも、実施例1~実施例12の面ファスナーに比べて低い数値であった。また、参考例1、参考例2、及び参考例4の面ファスナーでは、頭部面積Sが非常に小さく、係合素子の爪部を係合頭部の外周縁部にはっきりと確認することができなかった。
 実施例1~実施例12の面ファスナーにおいて、上記(1)~(3)の条件に加えて、(4)複数の係合素子が並列配置で配されていること、(5)面ファスナーの平面視において、それぞれの係合素子の頭部面積Sが38000μm以下であること、(6)係合素子の境界部における水平方向の寸法が127μm以上であることの3つの条件を更に満足する実施例2~実施例7の面ファスナーでは、何れも9.52N/cm以下という、大き過ぎない適切な剪断強度を有することが確認された。
 このような実施例2~実施例7の面ファスナーであれば、例えば雌型面ファスナーと係合した状態で、大きな剪断応力を受けたとしても、面ファスナーと雌型面ファスナーの係合を容易に解除できるため、雌型面ファスナーのループ又は繊維を破損(切断)させるような不具合を生じさせ難くすることが可能である。
 また、実施例1~実施例12の面ファスナーにおいて、上記(1)~(3)の条件に加えて、(7)第1ピッチP1と第2ピッチP2とが実質的に同じ大きさであること、(8)面ファスナーの平面視において、それぞれの係合素子の頭部面積Sが38000μm以下であること、(9)係合素子の境界部における水平方向の寸法が127μm以上であること、及び、(10)面ファスナーの平面視における各係合素子の係合頭部における直交方向CD(第2方向)の寸法の最大値が223μm以下であることの4つの条件を更に満足する実施例3~実施例5、実施例7、及び実施例10の面ファスナーでは、剥離強度が0.70N/cm以上という更に高い値を示すことが確認された。
 なお、面ファスナーの平面視において、それぞれの係合素子の頭部面積Sが22000μm以上50000μm以下である場合には、0.50N/cm以上の剥離強度を示すことが確認された。
  1,2      面ファスナー
  5,6      一次成形体
 10        ベース部
 20        係合素子
 21        ステム部
 22        係合頭部
 22a       頭部頂端面
 22b       頭部裏面
 22c       外周側面
 23        境界部
 25        素子列
 40,40a    製造装置
 41,41a    成形装置
 42        ダイホイール
 43        円筒体(スリーブ)
 43a       貫通孔
 44        回転駆動ローラ
 45        ノズル部
 46        ピックアップローラ
 46a       上側挟持ローラ
 46b       下側挟持ローラ
 47        ダイホイール
 48        外側円筒体(外側スレーブ)
 48a       貫通孔
 49        内側円筒体(内側スレーブ)
 49a       凹溝部
 51        加熱押圧装置
 52        上側押圧ローラ(上側カレンダローラ)
 53        下側押圧ローラ(下側カレンダローラ)
 60        仮素子
 70        係合素子
 71        ステム部
 72        係合頭部
 72a       頭部頂端面
 72b       頭部裏面
 72c       外周側面
 73        境界部
 74        爪部
 75        素子列
 80        仮素子
 81        一次ステム部
 82        リブ部
 83        突出部(仮爪部)
 91        第1試験片
 92        第2試験片
 93        切断片
 94        第1試験片
 95        第2試験片
 96        切断片
  CD       直交方向
  MD       機械方向
  D1       第1頭部間距離
  D2       第2頭部間距離
  P1       第1ピッチ
  P2       第2ピッチ
  S        頭部面積
  θ        頭部裏面角度

Claims (6)

  1.  薄板状のベース部(10)と、前記ベース部(10)に設けられる複数の係合素子(20,70)とを有し、各前記係合素子(20,70)は、前記ベース部(10)から上方に突出するステム部(21,71)と、前記ステム部(21,71)の上端部に形成される係合頭部(22,72)とを有する合成樹脂製の面ファスナー(1,2)において、
     前記係合素子(20,70)を上方から見た平面視において、1つの前記係合素子(20,70)における前記係合頭部(22,72)の面積を頭部面積(S)とするとき、それぞれの前記係合素子(20,70)の前記頭部面積(S)は、22000μm以上50000μm以下である
    ことを特徴とする面ファスナー。
  2.  複数の前記係合素子(20,70)が第1方向に沿って整列する複数の素子列(25,75)が設けられ、
     前記第1方向に互いに隣り合う前記係合素子(20,70)における前記係合頭部(22,72)間の距離を第1頭部間距離(D1)とし、前記第1方向に直交する第2方向に互いに隣り合う前記素子列(25,75)における前記係合頭部(22,72)間の距離を第2頭部間距離(D2)とするとき、前記第1頭部間距離(D1)及び前記第2頭部間距離(D2)の少なくとも1つは200μm以上で、且つ、前記第1頭部間距離(D1)及び前記第2頭部間距離(D2)は430μm以下であり、
     それぞれの前記係合素子(20,70)の前記頭部面積(S)は、41000μm以下である
    請求項1記載の面ファスナー。
  3.  前記係合素子(20,70)の配置は、各前記素子列(25,75)の前記係合素子(20,70)が、一定の第1ピッチ(P1)で前記第1方向に沿って整列し、複数の前記素子列(25,75)が、一定の第2ピッチ(P2)で前記第2方向に沿って整列し、且つ、前記第2方向に互いに隣接する2つの前記素子列(25,75)間で前記係合素子(20,70)が第2方向に沿って整列する並列配置を含み、
     前記係合素子(20,70)を前記係合素子(20,70)の高さ方向に直交する方向を水平方向と規定した場合、前記ステム部(21,71)と前記係合頭部(22,72)間の境界部(23,73)における前記水平方向の寸法が、127μm以上であり、
     それぞれの前記係合素子(20,70)の前記頭部面積(S)は、38000μm以下である
    請求項2記載の面ファスナー。
  4.  複数の前記係合素子(20,70)は、一定の第1ピッチ(P1)で前記第1方向に沿って整列し、
     複数の前記素子列(25,75)は、一定の第2ピッチ(P2)で前記第2方向に沿って整列し、
     前記第1ピッチ(P1)及び前記第2ピッチ(P2)は、実質的に同じ大きさであり、
     前記係合素子(20,70)を前記係合素子(20,70)の高さ方向に直交する方向を水平方向と規定した場合、前記ステム部(21,71)と前記係合頭部(22,72)間の境界部(23,73)における前記水平方向の寸法が、127μm以上であり、
     それぞれの前記係合素子(20,70)の前記頭部面積(S)は、38000μm以下であり、
     前記平面視における前記係合頭部(22,72)の前記第2方向の寸法の最大値が、223μm以下である
    請求項2記載の面ファスナー。
  5.  前記係合頭部(72)の外周縁部に、少なくとも1つの爪部(74)が突設され、
     前記爪部(74)は、前記ステム部(71)と前記係合頭部(72)間の境界部(73)における前記高さ方向に直交する方向の寸法よりも小さな爪幅寸法を有する
    請求項1~4のいずれかに記載の面ファスナー。
  6.  前記係合素子(70)を前記係合素子(70)の高さ方向に直交する方向から見たとき、前記爪部(74)は、上方に向く爪上面と、前記爪上面の反対側に配される爪下面とを有し、且つ、前記爪下面は、前記爪下面の先端部が前記爪下面の基端部よりも前記高さ方向の低い位置に配される垂れた形状を有する
    請求項5記載の面ファスナー。
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