WO2022202446A1

WO2022202446A1 - 端子ユニット，第１端子，第２端子

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Publication number: WO2022202446A1
Application number: PCT/JP2022/011386
Authority: WO
Inventors: 徹清水; 佑紀井浪
Original assignee: 株式会社オートネットワーク技術研究所; 住友電装株式会社; 住友電気工業株式会社
Priority date: 2021-03-26
Filing date: 2022-03-14
Publication date: 2022-09-29
Also published as: JP2022150224A

Abstract

第１端子と第２端子の接触部位の振動等によるめっき摩耗を抑制できる、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる第１端子と第２端子を開示する。　端子ユニット１０は、第１端子１２と第２端子１４と弾性部材１６を備え、第１端子１２は、第１方向で第２端子１４に対向して第２端子１４側に押圧される第１側対向面２４を有し、第２端子１４は、第１方向で第１端子１２に対向して第１端子１２側に押圧される第２側対向面３８を有し、第１側対向面２４と第２側対向面３８の一方は、第１端子１２と第２端子１４の組付方向に延びて第１方向に突出する係合突部４０を有し、第１側対向面２４と第２側対向面３８の他方は、組付方向に延びて組付方向と第１方向の両方に直交する第２方向の両側で係合突部４０に接触する第１接触面２８と第２接触面３０を有している。

Description

端子ユニット，第１端子，第２端子

　本開示は、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる第１端子と第２端子に関するものである。

　特許文献１には、タブ状などと表現される板状をなす第１端子（雄端子）と、第１端子に接続される第２端子（雌端子）からなる端子ユニットが開示されている。第２端子は、第１端子圧入隙間を隔てて対向配置された接点とばね部を有している。第２端子の第１端子圧入隙間に圧入された第１端子は、ばね部により接点に押圧される。

特開２００２－６３９６１号公報

　ところが、第２端子の端部には、長尺の電線が接続されていることから、車両振動等により、第１端子と第２端子の接触部位を回転中心として電線をアーム長とした回転モーメントが発生し易い。その結果、特許文献１の構造では、第１端子と第２端子の接触部位の表面のめっきが摩耗するおそれがあった。

　そこで、第１端子と第２端子の接触部位の振動等によるめっき摩耗を抑制できる、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる第１端子と第２端子を開示する。

　本開示の端子ユニットは、平板状の第１端子と、電線端末に接続されて前記第１端子に組み付けられて接続される第２端子と、相互に組み付けられた前記第１端子と前記第２端子を、相互に接近する第１方向に付勢する弾性部材とを備え、前記第１端子は、前記第１方向で前記第２端子に対向して前記第２端子側に押圧される第１側対向面を有し、前記第２端子は、前記第１方向で前記第１端子に対向して前記第１端子側に押圧される第２側対向面を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方は、前記第１端子と前記第２端子の組付方向に延びて前記第１方向に突出する係合突部を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方は、前記組付方向に延びて前記組付方向と前記第１方向の両方に直交する第２方向の両側で前記係合突部に接触する第１接触面と第２接触面を有する、端子ユニットである。
　本開示の第１端子は、本開示の端子ユニットにおいて用いられる第１端子である。
　本開示の第２端子は、本開示の端子ユニットにおいて用いられる第２端子である。

　本開示によれば、第１端子と第２端子の接触部位の振動等によるめっき摩耗を抑制できる、端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる第１端子と第２端子を提供できる。

図１は、実施形態１に係る、第１端子に第２端子が接続された状態を示す全体斜視図である。図２は、図１の分解斜視図である。図３は、図２を別の方向から見た分解斜視図である。図４は、図１におけるＩＶ－ＩＶ断面拡大図である。図５は、実施形態２に係る、第１端子に第２端子が接続された状態を示す全体斜視図である。図６は、図５の分解斜視図である。図７は、図６を別の方向から見た分解斜視図である。図８は、実施形態３に係る分解斜視図であって、図７に相当する図である。図９は、実施形態４に係る、第１端子に第２端子が接続された状態を示す全体斜視図である。図１０は、図９の分解斜視図である。図１１は、図１０を別の方向から見た分解斜視図である。図１２は、図９におけるＸＩＩ－ＸＩＩ断面拡大図である。図１３は、実施形態１の変形例に係る分解斜視図であって、図２に相当する図である。図１４は、実施形態１の変形例に係る、第１端子に第２端子が接続された状態を示す全体斜視図である。図１５は、図１４の分解斜視図である。図１６は、図１５を別の方向から見た分解斜視図である。図１７は、実施形態４の変形例に係る分解斜視図であって、図１０に相当する図である。

＜本開示の実施形態の説明＞
　最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
　本開示の端子ユニットは、
（１）平板状の第１端子と、電線端末に接続されて前記第１端子に組み付けられて接続される第２端子と、相互に組み付けられた前記第１端子と前記第２端子を、相互に接近する第１方向に付勢する弾性部材とを備え、前記第１端子は、前記第１方向で前記第２端子に対向して前記第２端子側に押圧される第１側対向面を有し、前記第２端子は、前記第１方向で前記第１端子に対向して前記第１端子側に押圧される第２側対向面を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方は、前記第１端子と前記第２端子の組付方向に延びて前記第１方向に突出する係合突部を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方は、前記組付方向に延びて前記組付方向と前記第１方向の両方に直交する第２方向の両側で前記係合突部に接触する第１接触面と第２接触面を有する、端子ユニットである。

　本開示によれば、平板状の第１端子に対して、電線端末に接続された第２端子が組み付けられる端子ユニットにおいて、第１端子と第２端子は、それぞれ第１端子と第２端子の組付状態で、弾性部材により相互に接近する第１方向に押圧される第１側対向面と第２側対向面を有している。そして、第１側対向面と第２側対向面の一方には、第１端子と第２端子の組付方向に延びて第１方向に突出する係合突部が設けられ、第１側対向面と第２側対向面の他方は、組付方向と第１方向の両方に直交する第２方向の両側で係合突部に接触する第１接触面と第２接触面を有している。これにより、車両振動等により第２端子に接続された電線から加わる回転モーメントにより第１端子に対して第２端子が回転変位しようとしても、係合突部に第１接触面や第２接触面が接触することで、第１端子に対する第２端子の回転変位が阻止または抑制される。すなわち、車両振動等により第２端子に接続された電線から加わる回転モーメントにより第１端子に対して第２端子が回転変位する方向は、第１端子と第２端子の組付方向と第１方向の両方に直交する第２方向である。それゆえ、係合突部と第１／第２接触面の接触により、第１端子に対する第２端子の回転変位が阻止または抑制されるのである。これにより、車両振動等による第１端子と第２端子の接触部位のめっき摩耗を抑制できるのである。なお、弾性部材は任意のものが採用可能であり、第１端子と第２端子とは別体の弾性部材を用いてもよいし、第１端子と第２端子に一体的に形成された弾性舌片等を用いて構成してもよい。

（２）前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方が、前記第２方向で相互に隙間を隔てて並列配置された一対の前記係合突部を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方が、前記隙間に嵌合されて前記組付方向に延びて前記第１方向に突出する当接突部を有し、前記当接突部において、前記第２方向で一対の前記係合突部に対向する一対の対向面により、前記第１接触面と前記第２接触面が構成されている、ことが好ましい。第２方向に相互に離隔して並列配置された一対の係合突部と、その隙間に嵌合される当接突部を設けるだけで、第２方向の両側で係合突部に対して第１接触面と第２接触面を接触させることができる。それゆえ、簡単な構成で第１端子に対する第２端子の回転変位の阻止または抑制を行うことができ、車両振動等による第１端子と第２端子の接触部位のめっき摩耗の抑制を有利に実現できる。なお、当接部は、一対の係合突部間に圧入状態で嵌合してもよいし、わずかな隙間を隔てて嵌合してもよい。

（３）前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方が、少なくとも１つの前記係合突部を有し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方が、前記第２方向で前記係合突部を間に挟んだ両側に設けられて前記組付方向に延びて前記第１方向に突出する一対の当接突部を有し、各前記当接突部において、前記第２方向で前記係合突部に対向する各対向面により、前記第１接触面と前記第２接触面が構成されている、ことが好ましい。第２方向で係合突部を間に挟んだ両側に係合突部に対向する一対の当接突部を設け、各当接突部の各対向面により第１接触面と第２接触面を設けることができる。それゆえ、第２方向の一方側と他方側で係合突部に当接する当接突部を各別に設けることができる。その結果、当接突部の耐久性の向上を図ることができる。なお、第２方向で一対の当接突部の間に設けられる係合突部は１つでもよいし、複数でもよい。

（４）前記係合突部の前記第１方向の突出寸法が、前記当接突部の前記第１方向の突出寸法よりも大きく、前記第１端子と前記第２端子が前記弾性部材により相互に接近する前記第１方向に付勢された状態で、前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方に設けられた各前記係合突部の突出端面が前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方に接触し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方に設けられた前記当接突部の突出端面が前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方に隙間を隔てて対向している、ことが好ましい。各係合突部の第１方向の突出寸法が、当接突部の第１方向の突出寸法よりも大きくすることで、係合突部を利用して、相手側端子に接触する接点を構成することができる。これにより、係合突部に多機能を持たせることができ、端子ユニットのコンパクト化を図りつつ、めっき摩耗の抑制を図ることができる。第１方向の突出寸法が係合突部よりも小さい当接突部は相手方端子に接触することがなく、接点として機能する係合突部の相手側端子に対する接圧を減少させることが回避されている。

（５）前記第１端子および前記第２端子の少なくとも一方が、外周縁部を覆う合成樹脂製のカバー部材を有し、前記カバー部材に前記第１接触面と前記第２接触面が設けられている、ことが好ましい。第１端子や第２端子を覆う合成樹脂製のカバー部材を利用して、係合突部に接触する第１接触面と第２接触面を設けることができる。これにより、触手防止機能を担うカバー部材を利用して第１接触面と第２接触面を設けることができ、少ない部品点数により高機能の端子ユニットを提供できる。

（６）前記第１接触面と前記第２接触面の少なくとも一方に、前記係合突部に圧接されるつぶしリブが設けられている、ことが好ましい。合成樹脂製のカバー部材に第１接触面と第２接触面を設けることにより、第１接触面や第２接触面につぶしリブを設けることが可能となる。それゆえ、寸法公差による影響をつぶしリブにより吸収して、係合突部への第１接触面および第２接触面の接触を有利に実現できる。

　本開示の第１端子は、
（７）上記（１）から上記（６）のいずれかに記載の端子ユニットにおいて用いられる第１端子である。本開示の第１端子によれば、上記（１）から上記（６）のいずれかに記載の端子ユニットにおいて用いられることから、上記（１）から上記（６）の端子ユニットが享受しうる作用効果を同様に有することができる。それゆえ、第１端子および第２端子嵌合時における第１端子の接点からの第２端子の離隔やめっき摩耗を抑制できる。

　本開示の第２端子は、
（８）上記（１）から上記（６）のいずれかに記載の端子ユニットにおいて用いられる第２端子である。本開示の第２端子によれば、上記（１）から上記（６）のいずれかに記載の端子ユニットにおいて用いられることから、上記（１）から上記（６）の端子ユニットが享受しうる作用効果を同様に有することができる。それゆえ、第１端子および第２端子嵌合時における第１端子の接点からの第２端子の離隔やめっき摩耗を抑制できる。

＜本開示の実施形態の詳細＞
　本開示の端子ユニットおよび当該端子ユニットに用いられる第１端子と第２端子の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

＜実施形態１＞
　以下、本開示の実施形態１の端子ユニット１０について、図１から図４を用いて説明する。端子ユニット１０は、第１端子１２と第２端子１４と弾性部材１６を備えている。第２端子１４は、電線１８の端末に接続されている。第２端子１４が第１端子１２に組み付けられて相互に接触することで、第１端子１２と第２端子１４が電気的に接続されるようになっている。弾性部材１６は、相互に組み付けられた第１端子１２と第２端子１４を、相互に接近する第１方向に付勢するように取り付けられる。なお、端子ユニット１０は、任意の向きで配置することができるが、以下では、上下方向，左右方向，前後方向を、図中に示す上下方向，左右方向および前後方向を基準として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。

＜第１端子１２＞
　図２に示すように、第１端子１２は、平板状の金属部材の基端部がＬ字状に屈曲されて形成されている。金属部材を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の電気抵抗の低い金属を適宜に選択することができる。第１端子１２の基端部２０は、図示しないインバータ等の電気機器に接続されている。第１端子１２の先端部２２は、上方に向かって平板状に延び出して、第２端子１４に組み付けられるようになっている（図１および図４参照）。実施形態１では、第１端子１２と第２端子１４の組付方向は上下方向である。第１側対向面２４は、弾性部材１６によって第２端子１４側に押圧されるようになっている（図１および図４参照）。第１端子１２の先端部２２は、弾性部材１６によって付勢されることにより、第１端子１２と第２端子１４が相互に接近する第１方向で第２端子１４に対向する第１側対向面２４を有している（図３参照）。

　図３に示すように、第１端子１２の先端部２２の第１側対向面２４は、第１端子１２と第２端子１４の組付方向である上下方向に延びて、第１端子１２と第２端子１４が相互に接近する第１方向に突出する当接突部２６を有している。当接突部２６は、縦長矩形状を呈しており、第１端子１２の先端部２２における板幅方向（前後方向）の中央部に形成されている。当接突部２６は、第１端子１２と第２端子１４が相互に組み付けられた状態で、後述する第２端子１４に設けられた一対の係合突部４０，４０間の隙間４２に嵌合されている。これにより、図４に示すように、当接突部２６において、第２方向（前後方向）の両側で後述する一対の係合突部４０，４０に対向する一対の対向面により第１接触面２８と第２接触面３０が構成されている。ここで、第２方向とは、第１端子１２と第２端子１４の組付方向である上下方向と、第１端子１２と第２端子１４が相互に接近する第１方向の両方に直交する方向（前後方向）を指す。また、当接突部２６は、第１接触面２８と第２接触面３０で第２端子１４に形成された一対の係合突部４０，４０と接触している。なお、接触とは、当接した状態以外に近接した状態も含む。

＜第２端子１４＞
　第２端子１４は、平板状の金属平板を所定の形状にプレス加工してなる。金属平板を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の電気抵抗の低い金属を適宜に選択することができる。図２に示すように、第２端子１４は、長手方向である前後方向に向かって延び出しており、幅広とされた後方側には、電線接続部３２が設けられている。電線接続部３２において、電線１８の端末に露呈された芯線３４が溶着されて導通接続されている。また、第２端子１４の前方側には、第１端子１２の先端部２２と接続される接続部３６が設けられている。

　第２端子１４の接続部３６は、第１端子１２に組み付けられた際に弾性部材１６によって付勢されることにより、第１端子１２と第２端子１４が相互に接近する第１方向で第１端子１２に対向する第２側対向面３８を有している。第２側対向面３８は、弾性部材１６によって第１端子１２側に押圧されるようになっている（図１および図４参照）。

　図２に示すように、第２端子１４の接続部３６の第２側対向面３８は、第１端子１２と第２端子１４の組付方向である上下方向に延びて、第１端子１２と第２端子１４が相互に接近する第１方向に突出する一対の係合突部４０，４０を有している。図２および図４に示すように、一対の係合突部４０，４０は、第２方向（前後方向）で相互に隙間４２を隔てて並列配置されている。これにより、図４に示すように、第１端子１２と第２端子１４が相互に組み付けられた状態で、第２端子１４に設けられた一対の係合突部４０，４０間の隙間４２に、第１端子１２の先端部２２に設けられた当接突部２６が嵌合されている。この結果、当接突部２６において、第２方向（前後方向）の両側で一対の係合突部４０，４０に対向する一対の対向面により第１接触面２８と第２接触面３０が構成されている。

　図４に示すように、第２端子１４に設けられた一対の係合突部４０，４０の第１方向（左右方向）における第２側対向面３８からの突出寸法：ａが、第１端子１２の当接突部２６の第１方向における第１側対向面２４からの突出寸法：ｂよりも大きい（ａ＞ｂ）。第１端子１２と第２端子１４が弾性部材１６により相互に接近する第１方向に付勢された状態では、第２側対向面３８に設けられた各係合突部４０の突出端面４４が、第１端子１２に設けられた第１側対向面２４に接触している。すなわち、第２端子１４の各係合突部４０の突出端面４４が、第１端子１２への接点を構成している。また、第１側対向面２４に設けられた当接突部２６の突出端面４６は、第２端子１４に設けられた第２側対向面３８に対して隙間４８を隔てて対向している。

＜弾性部材１６＞
　弾性部材１６は、プレス加工や打抜き加工等が可能な種々の金属材料、例えばばね鋼やステンレス鋼，黄銅，リン青銅，ベリリウム銅等の帯板を用いて形成されたクリップ状のばねにより構成されている。図２に示すように、弾性部材１６は、矩形平板状の連結板５０と、連結板５０の左右方向の両側縁部から連結板５０の板厚方向の一方側である下方側に突出する矩形平板状の一対の押え片５２，５２と、を有している。一対の押え片５２，５２は、左方側の押え片５２が右方側の押え片５２よりも下方側に長く突出して形成されている。図２および図３から分かるように、弾性部材１６の押え片５２にはそれぞれ、前後方向の略全長に亘って延び出し対向する押え片５２に向かってドーム状に突出する押圧部５４が設けられている。これにより、一対の押え片５２，５２によって第１端子１２の先端部２２を第２端子１４の接続部３６に対して安定的に押圧することができる。

＜端子ユニット１０の組立方法＞
　図２に示すように、まず第１端子１２と、第２端子１４と、弾性部材１６と、を準備する。続いて、第２端子１４の電線接続部３２に電線１８の端末に露出された芯線３４を固着したものと弾性部材１６を、図示しないコネクタハウジング内に挿入し、所定の位置に保持する。この状態で、弾性部材１６の下方側に長く突出している押え片５２の一方が左方から第２端子１４の接続部３６に接触し、押え片５２の他方が第２端子１４の接続部３６に対して右方側に離隔するように配置されている。なお、弾性部材１６の連結板５０は、第２端子１４の接続部３６上に載置されている。これにより、第２端子１４の接続部３６と、弾性部材１６の連結板５０および下方側に長く突出している押え片５２と、によって囲われかつ下方に向かって開口する第１端子収容部５６が構成されている。

　次に、第１端子１２を図示しない機器の取付部に配置して固定する。続いて、図示しないコネクタハウジングと機器の取付部を、第１端子１２と第２端子１４の組立方向である上下方向で嵌合する。これにより、第１端子収容部５６に対して下方側から第１端子１２の先端部２２が挿入され、第１端子１２の先端部２２における第１側対向面２４が、第２端子１４の矩形平板状の接続部３６の第２側対向面３８に重ね合される。また、第１端子１２の先端部２２の当接突部２６が、第２端子１４の接続部３６の一対の係合突部４０，４０間の隙間４２に挿通され嵌合される。これにより、弾性部材１６の一対の押え片５２，５２が離隔する方向に押し広げられ、一対の押え片５２，５２の間に第１端子１２の先端部２２と第２端子１４の接続部３６が挟まれる。この結果、一対の押え片５２，５２の弾性復元力により、第１端子１２の先端部２２と第２端子１４の接続部３６が、組立方向の上下方向に直交する第１方向となる左右方向で相互に接触した状態に付勢されている。以上のようにして第１端子１２と第２端子１４と弾性部材１６が組み立てられて、端子ユニット１０が完成する。

　このような構造とされた本開示の端子ユニット１０によれば、第１端子１２と第２端子１４は、所定の組付方向（上下方向）で相互に組み付けられた状態で弾性部材１６によって相互に接近する第１方向（左右方向）に押圧されている。第１端子１２と第２端子１４は、第１方向で相手側に押圧される第１側対向面２４と第２側対向面３８を有している。第２側対向面３８には第１方向（左右方向）に突出して組付方向（上下方向）に延びる一対の係合突部４０，４０が設けられている。第１側対向面２４には、組付方向（上下方向）と第１方向（左右方向）の両方に直交する第２方向（前後方向）の両側で一対の係合突部４０，４０に接触して組付方向（上下方向）に延びる当接突部２６が設けられている。当接突部２６は、第１接触面２８と第２接触面３０で第２端子１４に形成された一対の係合突部４０，４０と接触している。車両振動等により第２端子１４に接続された電線１８から加わる回転モーメントにより第１端子１２に対して第２端子１４が回転変位する場合がある。そのような場合であっても、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０に対して第１端子１２の当接突部２６が第１接触面２８や第２接触面３０で接触することにより、第１端子１２に対する第２端子１４の回転変位を阻止または抑制することができる。すなわち、車両振動等により第２端子１４に接続された電線１８から加わる回転モーメントによって第１端子１２に対して第２端子１４が回転変位する方向は、第１端子１２と第２端子１４の組付方向と第１方向の両方に直交する第２方向（前後方向）である。したがって、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０と、第１端子１２の当接突部２６の第１接触面２８や第２接触面３０との接触により、第１端子１２に対する第２端子１４の回転変位が阻止または抑制される。それゆえ、車両振動等による第１端子１２と第２端子１４の接触部位におけるめっき摩耗の抑制を、第１端子１２の一対の係合突部４０，４０間に嵌合される当接突部２６を第２端子１４に設けるという簡単な構成で実現できる。

　また、各係合突部４０の第１方向の突出寸法：ａが、当接突部２６の第１方向の突出寸法：ｂよりも大きくなっている（ａ＞ｂ）。これにより、第２端子１４の係合突部４０の突出端面４４を利用して、第１端子１２に接触する接点を構成することができる。それゆえ、端子ユニット１０のコンパクト化を図りつつ、めっき摩耗の抑制を図ることができる。しかも、当接突部２６の第１方向の突出寸法：ｂが、各係合突部４０の第１方向の突出寸法：ａよりも小さい。それゆえ、第１端子１２の当接突部２６は第２端子１４に接触することがない。これにより、接点として機能する第２端子１４の係合突部４０の接圧が減少することが有利に回避されている。

　このような構造とされた本開示の第１端子１２によれば、上述の端子ユニット１０が享受しうる作用効果を同様に有することができる。それゆえ、第１端子１２と第２端子１４の接触部位におけるめっき摩耗を抑制でき、それによる接触抵抗値の増大も抑制することができる。加えて、このような構造とされた本開示の第２端子１４においても、上述の端子ユニット１０が享受しうる作用効果を同様に有することができる。

＜実施形態２＞
　図５から図７には、本開示の実施形態２の端子ユニット５８が示されている。以下の説明において、実施形態１と実質的に同一の部材及び部位は、図中に同一の符号を付して説明を省略する。

　上記実施形態１の端子ユニット１０では、当接突部２６は、第１端子１２の先端部２２において第１端子１２と一体的に形成されていたが、これに限定されない。例えば、触指対策として第１端子１２の先端部２２の外周縁部を覆う合成樹脂製で絶縁性を有するカバー部材６０を追加する場合には、カバー部材６０を利用してカバー部材６０に当接突部６２を形成してもよい。より詳細には、カバー部材６０は、第１端子１２の先端部２２の外周縁部を覆うカバー部６４と、カバー部６４の左面の前後方向中央部から下方に向かって延びる角筒状の当接突部６２と、を有している。当接突部６２の右面には、第１端子１２の先端部２２に貫設された貫通孔６６に嵌合される嵌合突起６８が設けられている。実施形態２においては、カバー部材６０のカバー部６４が第１端子１２の先端部２２上に被せられ、カバー部材６０の当接突部６２の嵌合突起６８が第１端子１２の先端部２２の貫通孔６６に嵌合されている。この結果、第１端子１２の先端部２２に対してカバー部材６０が取り付けられている。なお、カバー部材６０は、図示しない機器の取付部に取り付けられた第１端子１２の先端部２２に作業者等の手指が触れることを防止するために設けられている。

　このような実施形態２の端子ユニット５８によれば、第１端子１２の先端部２２の外周縁部を覆うカバー部材６０を利用して、第１端子１２の先端部２２の第１側対向面２４に当接突部６２を設けることができる。すなわち、第２端子１４の係合突部４０に接触する第１接触面２８と第２接触面３０をカバー部材６０を利用して設けることができる。それゆえ、少ない部品点数により触指防止機能と回転変位防止機能を兼ね備えた高機能の端子ユニットを提供できる。

＜実施形態３＞
　図８には、本開示の実施形態３の端子ユニット７０が示されている。以下の説明において、上記実施形態１，２と実質的に同一の部材及び部位は、図中に同一の符号を付して説明を省略する。

　上記実施形態１，２の端子ユニット１０，５８では、当接突部２６，６２の第１接触面２８と第２接触面３０は、滑らかな面で形成されていたが、これに限定されない。図８に示すように、端子ユニット７０の当接突部７２の第１接触面７４と第２接触面７６に、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０に圧接されるつぶしリブ７８が設けられていてもよい。本実施形態では、つぶしリブ７８は第１接触面７４と第２接触面７６の両方に形成されているが、どちらか一方でもよいし、つぶしリブ７８の形状や個数も任意のものが採用可能である。

　このような実施形態３の端子ユニット７０によれば、当接突部７２の第１接触面７４と第２接触面７６に、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０に圧接されるつぶしリブ７８が設けられている。これにより、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０への第１接触面７４と第２接触面７６の接触の際に、寸法公差による影響をつぶしリブ７８によって有利に吸収できる。従って、第１端子１２に対する第２端子１４の回転変位を有利に阻止または抑制できる。なお、端子ユニット７０において、第１端子１２の先端側には上方に突出する一対の突部７９，７９が設けられており、カバー部材６０のカバー部６４に設けられた凹所に嵌合されるようになっている。これにより、カバー部材６０の第１端子１２からの離脱が一層有利に阻止される。

＜実施形態４＞
　図９から図１２には、本開示の実施形態４の端子ユニット８０が示されている。以下の説明において、実施形態１～３と実質的に同一の部材及び部位は、図中に同一の符号を付して説明を省略する。

　上記実施形態１～３の端子ユニット１０，５８，７０では、当接突部２６，６２，７２は、第２端子１４の一対の係合突部４０，４０の間に嵌め入れられる単一のものであったが、これに限定されない。図１１に示すように、当接突部８２は、カバー部６４の前後方向の両側から第１端子１２と第２端子１４の組付方向（上下方向）において下方に向かって延びる矩形平板形状を有し、一対設けられていてもよい。一対の当接突部８２，８２は、突出端部同士が前後方向に延びる連結板部８３に連結されて全体としてＵ字平板状を呈している。図１０に示すように、端子ユニット８０において、第２端子１４の第２側対向面３８には、一対の係合突部４０，４０が設けられている。図１０から図１２に示すように、第１端子１２の第１側対向面２４には、第２方向（前後方向）で一対の係合突部４０，４０を間に挟んだ両側に、組付方向（上下方向）に延びて第１方向（左右方向）に突出する一対の当接突部８２，８２が設けられている。図１２に示すように、第１端子１２と第２端子１４が組み付けられた状態において第２方向（前後方向）で一対の係合突部４０，４０に対向する各対向面によって、各当接突部８２にはそれぞれ、第１接触面２８と第２接触面３０が構成されている。

　図１１に示すように、当接突部８２の第１接触面２８と第２接触面３０の上部にはそれぞれ、第２接触面３０と第１接触面２８に向かって突出する突起部８４が形成されている。突起部８４の基端側には、突起部８４の弾性変形を許容する空所８６が設けられている。空所８６は、突起部８４よりも上下方向に長く伸びるスリット状の貫通孔とされているが、突起部８４の弾性変形を許容するものであれば貫通孔に限定されず、貫通していない溝状であってもよい。これにより、第１端子１２と第２端子１４が組み付けられた状態において、一対の当接突部８２，８２に設けられた突起部８４が一対の係合突部４０，４０によって押圧されて相互に離隔する方向に弾性変形する。その弾性復元力により、一対の当接突部８２，８２間に一対の係合突部４０，４０が安定的に保持されるようになっている。

　このような実施形態４の端子ユニット８０によれば、第１接触面２８と第２接触面３０をそれぞれ異なる当接突部８２に設けることができる。すなわち、第２方向（前後方向）の一方側と他方側で係合突部４０に当接する当接突部８２を異ならせることができる。その結果、車両振動等により係合突部４０と摺動する当接突部８２の耐久性の向上を図ることができる。また実施形態４では、カバー部材６０が、一対の当接突部８２，８２の突出端を連結する連結板部８３を有し、連結板部８３に第１端子１２の貫通孔６６に嵌合される嵌合突起６８が設けられている。すなわち、カバー部材６０において、カバー部６４に対して当接突部８２よりも下方に嵌合突起６８を設けることができ、カバー部材６０を第１端子１２に対してより安定して保持することができる。

＜変形例＞
　以上、本開示の具体例として、実施形態１～４について詳述したが、本開示はこの具体的な記載によって限定されない。本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれるものである。例えば次のような実施形態の変形例も本開示の技術的範囲に含まれる。
（１）上記実施形態１では、第１側対向面２４に当接突部２６が突設され、第２側対向面３８に係合突部４０が突設されていたが、これに限定されない。図１３に示す本開示の実施形態１の変形例である端子ユニット８８のように、第１側対向面２４に係合突部４０が突設され、第２側対向面３８に当接突部２６が突設されていてもよい。

（２）上記実施形態１では、係合突部４０が、第１端子１２と第２端子１４の組付方向である上下方向に延びていたが、これに限定されない。図１４から図１６に示す本開示の実施形態１の変形例である端子ユニット９０のように、係合突部９２が、第１端子１２と第２端子１４の組付方向である前後方向に延びていてもよい。これにより、第１端子１２と第２端子１４の組付方向を真っ直ぐな前後方向とすることができる。

（３）図１７に示す本開示の実施形態４の変形例である端子ユニット９４のように、第１端子１２と第２端子１４の形状は全く変えることなく、第１端子１２と第２端子１４の組付方向を真っ直ぐな前後方向とすることができる。なお、この場合には、組付方向と第１方向の両方に直交する第２方向（上下方向）で一対の係合突部４０，４０に対向する各対向面によって、各当接突部８２に、第１接触面２８と第２接触面３０が構成されている。この場合でも、一対の係合突部４０，４０は、組付方向である前後方向にも延びており、本開示の要件を充たす。また、上記実施形態４および上記実施形態４の変形例では、一対の係合突部４０，４０が設けられていたが、同じ大きさを有する１つの係合突部であってもよい。

（４）上記実施形態２～４では、カバー部材６０は第１端子１２に取り付けられていたが、これに限定されない。カバー部材６０は、第２端子１４に取り付けられていてもよい。例えば、第２端子１４が露出する場合には、図１３に示す変形例の端子ユニット８８において、第２端子１４にカバー部材６０を設け当接突部２６をカバー部材６０に設けてもよい。

（５）上記実施形態では、弾性部材１６としてクリップ状のばねを例示して説明を行ったが、これに限定されない。弾性部材１６は、相互に組み付けられた第１端子１２と第２端子１４を、相互に接近する第１方向に付勢するものであれば、コイルスプリングを用いて付勢力を及ぼす構造やゴムバンドによるもの等、任意の構造のものが採用可能である。また、弾性部材１６は、第１端子１２と第２端子１４から別体に設けられる必要はなく、第１端子１２や第２端子１４に一体的に設けられた弾性舌片等によって構成してもよい。それゆえ、タブ状の雄端子と筒状の雌端子に対して本開示の構成を適用することも可能である。

１０　端子ユニット（実施形態１）
１２　第１端子
１４　第２端子
１６　弾性部材
１８　電線
２０　基端部
２２　先端部
２４　第１側対向面
２６　当接突部
２８　第１接触面
３０　第２接触面
３２　電線接続部
３４　芯線
３６　接続部
３８　第２側対向面
４０　係合突部
４２　隙間
４４　突出端面
４６　突出端面
４８　隙間
５０　連結板
５２　押え片
５４　押圧部
５６　第１端子収容部
５８　端子ユニット（実施形態２）
６０　カバー部材
６２　当接突部
６４　カバー部
６６　貫通孔
６８　嵌合突起
７０　端子ユニット（実施形態３）
７２　当接突部
７４　第１接触面
７６　第２接触面
７８　つぶしリブ
７９　突部
８０　端子ユニット（実施形態４）
８２　当接突部
８３　連結板部
８４　突起部
８６　空所
８８　端子ユニット（実施形態１の変形例）
９０　端子ユニット（実施形態１の変形例）
９２　係合突部
９４　端子ユニット（実施形態４の変形例）

Claims

　平板状の第１端子と、
　電線端末に接続されて前記第１端子に組み付けられて接続される第２端子と、
　相互に組み付けられた前記第１端子と前記第２端子を、相互に接近する第１方向に付勢する弾性部材とを備え、
　前記第１端子は、前記第１方向で前記第２端子に対向して前記第２端子側に押圧される第１側対向面を有し、
　前記第２端子は、前記第１方向で前記第１端子に対向して前記第１端子側に押圧される第２側対向面を有し、
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方は、前記第１端子と前記第２端子の組付方向に延びて前記第１方向に突出する係合突部を有し、
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方は、前記組付方向に延びて前記組付方向と前記第１方向の両方に直交する第２方向の両側で前記係合突部に接触する第１接触面と第２接触面を有する、
端子ユニット。
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方が、前記第２方向で相互に隙間を隔てて並列配置された一対の前記係合突部を有し、
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方が、前記隙間に嵌合されて前記組付方向に延びて前記第１方向に突出する当接突部を有し、
　前記当接突部において、前記第２方向で一対の前記係合突部に対向する一対の対向面により、前記第１接触面と前記第２接触面が構成されている、請求項１に記載の端子ユニット。
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方が、少なくとも１つの前記係合突部を有し、
　前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方が、前記第２方向で前記係合突部を間に挟んだ両側に設けられて前記組付方向に延びて前記第１方向に突出する一対の当接突部を有し、
　各前記当接突部において、前記第２方向で前記係合突部に対向する各対向面により、前記第１接触面と前記第２接触面が構成されている、請求項１に記載の端子ユニット。
　前記係合突部の前記第１方向の突出寸法が、前記当接突部の前記第１方向の突出寸法よりも大きく、
　前記第１端子と前記第２端子が前記弾性部材により相互に接近する前記第１方向に付勢された状態で、前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方に設けられた各前記係合突部の突出端面が前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方に接触し、前記第１側対向面と前記第２側対向面の他方に設けられた前記当接突部の突出端面が前記第１側対向面と前記第２側対向面の一方に隙間を隔てて対向している、請求項２または請求項３に記載の端子ユニット。
　前記第１端子および前記第２端子の少なくとも一方が、外周縁部を覆う合成樹脂製のカバー部材を有し、前記カバー部材に前記第１接触面と前記第２接触面が設けられている、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の端子ユニット。
　前記第１接触面と前記第２接触面の少なくとも一方に、前記係合突部に圧接されるつぶしリブが設けられている、請求項５に記載の端子ユニット。
　請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の端子ユニットにおいて用いられる第１端子。
　請求項１から請求項６のいずれか１項に記載の端子ユニットにおいて用いられる第２端子。