WO2022181639A1

WO2022181639A1 - ルーバ及び充電装置

Info

Publication number: WO2022181639A1
Application number: PCT/JP2022/007389
Authority: WO
Inventors: 崇洋柿▲崎▼; 崇広田; 敦宮本
Original assignee: 株式会社小松製作所
Priority date: 2021-02-26
Filing date: 2022-02-22
Publication date: 2022-09-01
Also published as: JPWO2022181639A1; CN116889111A; US20240110722A1; DE112022000371T5

Abstract

ルーバ１は、蓋部２２と、蓋部２２に間隔を空けて配置されたスリット２４と、スリット２４の周縁部から奥行き方向の一方に向かって延びる立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と、を有する第１部材２と、蓋部３２と、蓋部３２に間隔を空けて配置されたスリット３４と、スリット３４の周縁部から奥行き方向の他方に向かって延びる立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６と、を有する第２部材３と、を備える。第１部材２と第２部材３とは、向かい合って配置され、第１部材２のスリット２４と第２部材３のスリット３４とは、互いにずれて配置されている。

Description

ルーバ及び充電装置

　本開示は、ルーバ及び充電装置に関する。

　キャビネットを屋外に設置した場合にキャビネット内への雨水などの浸入を防止して防水性能を損ねることがなく、しかも換気性能を向上することができるルーバの一例が特許文献１に開示されている。特許文献１に記載の技術では、ルーバは、内ルーバと外ルーバの２種類で構成されている。

特開２００７－１７３３３０号公報

　例えば、作業車両に搭載されたバッテリを充電するための充電装置は、屋外又は工場などに設置される。このため、水等の液体又は塵等が充電装置の内部に入り込むおそれがある。

　本発明の態様は、防水性能を向上することを目的とする。

　本開示に従えば、間隔を空けて配置されたスリットが設けられた蓋部と、前記スリットの周縁部から奥行き方向の一方に向かって延びる立ち上がり部と、を有する第１部材と、間隔を空けて配置されたスリットが設けられた蓋部と、前記スリットの周縁部から奥行き方向の他方に向かって延びる立ち上がり部と、を有する第２部材と、を備え、前記第１部材と前記第２部材とは、立ち上がり部が延びる方向に互いに向かい合って配置され、前記第１部材の前記スリットと前記第２部材の前記スリットとは、互いにずれて配置されている、ルーバが提供される。

　本開示に従えば、上記のルーバ、を備える充電装置、充電装置が提供される。

　本開示によれば、防水性能を向上することができる。

図１は、本実施形態に係るルーバを備えた充電装置の斜視図である。図２は、本実施形態に係るルーバを備えた充電装置の内部を模式的に示した断面図である。図３は、本実施形態に係るルーバを右前方の上方から見た斜視図である。図４は、本実施形態に係るルーバを右後方の上方から見た斜視図である。図５は、本実施形態に係るルーバの正面図である。図６は、本実施形態に係るルーバの背面図である。図７は、本実施形態に係るルーバの断面図であり、図５のＡ－Ａ線断面矢視図である。図８は、本実施形態に係るルーバの部分拡大断面図であり、右前方の上方から見た断面図である。図９は、第１部材を示す斜視図である。図１０は、第２部材を示す斜視図である。図１１は、ルーバの部分拡大図である。図１２は、充電装置から外部に漏れる騒音を説明する模式図である。図１３は、充電装置から外部に漏れる騒音の干渉を説明する模式図である。

　以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。

［充電装置］
　図１は、本実施形態に係るルーバ１を備えた充電装置１００の斜視図である。図２は、本実施形態に係るルーバ１を備えた充電装置１００の内部を模式的に示した断面図である。図２においては、充電装置１００の内部に配置された各種部材及び装置などは図示を省略している。図１、図２に示す充電装置１００は、図示しない作業車両のバッテリを充電する充電設備である。充電装置１００は、例えば屋外又は工場などの充電場所に配置される。充電装置１００は、バッテリに電力を供給するケーブル１０１と、ケーブル１０１の先端部に配置されたプラグ１０２とを有する。プラグ１０２は、作業車両のコネクタに差込可能である。プラグ１０２には、端子部を覆うキャップ１０２Ｃが着脱可能に配置される。充電装置１００は、電源ケーブル１０３を介して接続された電源から電力が供給される。電源は、例えば、交流電源（商用電源）である。

　充電装置１００は、筐体１１０の外部から内部へ空気を取り込んで、内部を冷却した空気を外部へ排気する。充電装置１００における外部の空気の出入り口には、ルーバ１が配置されている。本実施形態では、充電装置１００は、充電装置１００の吸込側に配置された吸込側のルーバ１と、排気側に配置された排気側のルーバ１とを有する。

　筐体１１０は、箱形状である。筐体１１０は、下方を向いた壁部１１０ａ、壁部１１０ａと対向する壁部１１０ｂ、壁部１１０ａと壁部１１０ｂとを接続する壁部１１０ｃ、壁部１１０ｄ、壁部１１０ｅ及び壁部１１０ｆを有する。壁部１１０ｄは、壁部１１０ｃと対向する。壁部１１０ｅは、壁部１１０ｃと壁部１１０ｄとを接続する。壁部１１０ｆは、壁部１１０ｅと対向する。本実施形態において、壁部１１０ａ、壁部１１０ｂ壁部１１０ｃ、壁部１１０ｄ、壁部１１０ｅ及び壁部１１０ｆは、板状の材料で形成されている。筐体１１０は、空気の吸込側に吸込口Ａ１が形成され、排気側に排気口Ａ２が形成されている。

　吸込口Ａ１に吸込側のルーバ１が設けられている。排気口Ａ２に排気側のルーバ１が設けられている。

　壁部１１０ｃには、空気の吸込口Ａ１が設けられている。吸込口Ａ１は、電気部品収容室１２０及びヒートシンク収容室１３０に気体を導入する開口である。吸込口Ａ１は、吸込側のルーバ１によって覆われている。吸込口Ａ１には、図示しない吸込フィルタが配置されている。吸込フィルタは、吸込口Ａ１から筐体１１０の内部に塵等が入り込むことを抑制する。

　壁部１１０ｄには、空気の排気口Ａ２が設けられている。排気口Ａ２は、電気部品収容室１２０及びヒートシンク収容室１３０から気体を排出する開口である。排気口Ａ２は、排気側のルーバ１によって覆われている。排気口Ａ２には、図示しない排気フィルタが配置されている。排気フィルタは、排気口Ａ２から筐体１１０の内部に塵等が入り込むことを抑制する。

　吸込口Ａ１と排気口Ａ２とは互いに対向した位置に配置される。これにより、吸込口Ａ１からヒートシンク１３１に導入された気体は、排気口Ａ２から効率よく排出される。

　吸込口Ａ１には、吸込ファン１１２が設けられる。吸込ファン１１２は、電気部品収容室１２０に気体を導入する。吸込ファン１１２は、電気部品収容室１２０から気体を吸引することによって吸込口Ａ１から電気部品収容室１２０に気体を導入し、排気口Ａ２から排出する。

　排気口Ａ２には、排気ファン１１３が設けられる。排気ファン１１３はヒートシンク収容室１３０に気体を導入する。排気ファン１１３は、ヒートシンク収容室１３０から気体を吸引することによって、吸込口Ａ１からヒートシンク収容室１３０に気体を導入し、排気口Ａ２から排出する。

　筐体１１０の内部には、ブラケット１１１が配置されている。ブラケット１１１より上方の空間が電気部品収容室１２０であり、下方の空間がヒートシンク収容室１３０である。電気部品収容室１２０には、図示しない電気部品が配置されている。ヒートシンク収容室１３０には、放熱部材であるヒートシンク１３１が配置されている。電気部品収容室１２０の上流側には、吸込ファン１１２が配置されている。吸込ファン１１２に向かい合って、筐体１１０の外側には吸込側のルーバ１が配置されている。ヒートシンク１３１上には、電気部品の一部が配置されている。ヒートシンク１３１の下流側には、ダクト１３２が接続されている。ダクト１３２の下流側には、排気ファン１１３が配置されている。排気ファン１１３に向かい合って、筐体１１０の外側には排気側のルーバ１が配置されている。

［ルーバ］
　図１、図２に示すように、ルーバ１は、充電装置１００における外部の空気の出入り口に配置されている。より詳しくは、充電装置１００の吸込口Ａ１に吸込側のルーバ１が配置され、排気口Ａ２に排気側のルーバ１が配置されている。吸込側のルーバ１と排気側のルーバ１とは同様に構成されている。

　以下において、ルーバ１は、充電装置１００に組み付けられた状態で、外側に露出した側が前方であり、被取付部である充電装置１００の筐体１１０に向かい合う側が後方である。前後方向は、ルーバ１の奥行き方向である。本実施形態においては、左右とは前方に対する左右をいうものとする。左右方向は、ルーバ１の横方向である。上方は、前後方向及び左右方向と直交し、上に向かう側である。下方は、前後方向及び左右方向と直交し、下に向かう側である。上下方向は、ルーバ１の縦方向である。前後軸はＸ軸であり、上下軸はＹ軸であり、左右軸はＺ軸である。

　図３は、本実施形態に係るルーバを右前方の上方から見た斜視図である。図４は、本実施形態に係るルーバを右後方の上方から見た斜視図である。図５は、本実施形態に係るルーバの正面図である。図６は、本実施形態に係るルーバの背面図である。図７は、本実施形態に係るルーバの断面図であり、図５のＡ－Ａ線断面矢視図である。図８は、本実施形態に係るルーバの部分拡大断面図であり、右前方の上方から見た断面図である。図３ないいし図８に示すように、ルーバ１は、第１部材２と、第２部材３とを備える。ルーバ１は、第１部材２と第２部材３とが一体に組み付けられている。

　図９は、第１部材を示す斜視図である。図９に示すように、第１部材２は、本体部２１と、蓋部２２と、鍔部２３とを有する。本体部２１は、壁部２１ａ、壁部２１ｂ、壁部２１ｃ及び壁部２１ｄによって角筒状に形成されている。壁部２１ｂは、壁部２１ａと向かい合って配置されている。壁部２１ｃは、壁部２１ａと壁部２１ｂとを接続している。壁部２１ｄは、壁部２１ｃと向かい合って配置されている。本体部２１の奥行き方向の前端部に蓋部２２が配置されている。蓋部２２は、板状の部材で形成されている。鍔部２３は、本体部２１の奥行き方向の後端部に配置されている。鍔部２３は、本体部２１の後端部から鍔状に広がっている。鍔部２３は、蓋部２２と向かい合って配置されている。鍔部２３は、矩形の枠状に形成されている。鍔部２３の後方に向いた面２３Ｆは、充電装置１００の筐体１１０に向かい合う。

　第１部材２は、間隔を空けて配置されたスリット２４が設けられた蓋部２２と、スリット２４の周縁部から奥行き方向の一方に向かって延びる一対の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６とを有する。

　スリット２４は、蓋部２２に形成されている。本実施形態では、スリット２４は、縦方向に延びている。スリット２４は、蓋部２２の横方向に複数並んで配置されている。本実施形態では、６つのスリット２４が配置されている。図７に示すように、横方向に隣り合うスリット２４の間に位置する蓋部２２の幅をｄ１１とする。ｄ１１は、例えば４０［ｍｍ］である。スリット２４の幅をｄ１２とする。ｄ１２は、例えば１７．５［ｍｍ］である。

　立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６は、スリット２４を挟んで向かい合って配置されている。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６は、同様に構成されている。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６は、矩形の板材で形成されている。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６は、蓋部２２に対して奥行き方向に垂直に立設されている。図９に示すように、立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６は、壁部２１ａと壁部２１ｂとを接続する。図７に示す、立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６の奥行き方向の幅をｄ１３とする。ｄ１３は、例えば１５［ｍｍ］である。

　図４、図７、図８に示すように、段差部２７は、第１部材２の鍔部２３に配置され、被取付部である筐体１１０との間を封止する図示しない封止部材が係合する。段差部２７は、鍔部２３の後方に向いた面２３Ｆに形成されている。段差部２７は、鍔部２３の後方を向いた面２３Ｆに階段状に形成されている。段差部２７は、封止部材を収容可能である。段差部２７に収容された封止部材によって、ルーバ１の周縁部と充電装置１００の筐体１１０の吸込口Ａ１及び排気口Ａ２の周縁部とが封止される。

　封止部材は、第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、充電装置１００の筐体１１０に押圧されて、第２部材３の周縁部を封止する。封止部材は、後述する隙間Ｓ（図１１参照）を塞ぐ大きさ及び形状を有する。

　図３ないし図８に示すように、第１部材２と第２部材３とは、向かい合って配置されている。第２部材３は、第１部材２に一体として組み付けられる。より詳しくは、第２部材３は、第１部材２の本体部２１の内部に収容された状態で組み付けられる。

　図１０は、第２部材を示す斜視図である。図１０に示すように、第２部材３は、本体部３１と、蓋部３２とを有する。本体部３１は、第１部材２の本体部２１の内周より小さい外周を有する角筒状に形成されている。本体部３１は、壁部３１ａ、壁部３１ｂ、壁部３１ｃ及び壁部３１ｄによって角筒状に形成されている。壁部３１ｂは、壁部３１ａと向かい合って配置されている。壁部３１ｃは、壁部３１ａと壁部３１ｂとを接続している。壁部３１ｄは、壁部３１ｃと向かい合って配置されている。本体部３１の奥行き方向の後端部に蓋部３２が配置されている。蓋部３２は、板状の部材で形成されている。

　図３ないし図８に示すように、第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、壁部３１ａは壁部２１ａと向かい合い、壁部３１ｂは壁部２１ｂと向かい合い、壁部３１ｃは壁部２１ｃと向かい合い、壁部３１ｄは壁部２１ｄと向かい合う。

　図１０に示すように、第２部材３は、間隔を空けて配置されたスリット３４が設けられた蓋部３２と、スリット３４の周縁部から奥行き方向の他方に向かって延びる一対の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とを有する。

　スリット３４は、蓋部３２に形成されている。本実施形態では、スリット３４は、縦方向に延びている。スリット３４は、蓋部３２の横方向に複数並んで配置されている。本実施形態では、５つのスリット３４が配置されている。

　図３ないし図８に示すように、スリット３４は、第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、横方向においてスリット２４とずれて配置されている。第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、筐体１１０の外側から見て、筐体１１０の内部が見えないようになっている。より詳しくは、第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、前方から見て、スリット２４の後方に第２部材３の蓋部３２が存在する。第２部材３が第１部材２に組みつけられた状態では、後方から見て、スリット３４の前方に第１部材２の蓋部２２が存在する。

　図７に示すように、横方向に隣り合うスリット３４の間に位置する蓋部３２の幅をｄ２１とする。ｄ２１は、例えば４０［ｍｍ］である。本実施形態では、ｄ２１＝ｄ１１である。スリット３４の幅をｄ２２とする。ｄ２２は、例えば１７．５［ｍｍ］である。本実施形態では、ｄ２２＝ｄ１２である。

　立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、スリット３４を挟んで向かい合って配置されている。立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、同様に構成されている。立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、矩形の板材で形成されている。立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、蓋部３２に対して奥行き方向に垂直に立設されている。図１０に示すように、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、壁部３１ａと壁部３１ｂとを接続する。図７に示す、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６の奥行き方向の幅をｄ２３とする。ｄ２３は、例えば１５［ｍｍ］である。本実施形態では、ｄ２３＝ｄ１３である。

　第１部材２と第２部材３とは、それぞれの立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６が延びる方向に互いに向かい合って配置されている。本実施形態では、第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、奥行き方向において一部が重なっている。

　図１０に示すように、第２部材３は、４本の脚部３７と、１０本の脚部３８とを有する。脚部３７及び脚部３８は、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６よりも前方に突出する。脚部３７は、本体部３１の角部から立設されている。脚部３７は、前方に向かって延びている。脚部３８は、スリット３４の上端部及び下端部から立設されている。脚部３８は、前方に向かって延びている。脚部３７の前端部及び脚部３８の前端部は、第１部材２の本体部２１の蓋部２２に接触する。第２部材３は、脚部３７及び脚部３８によって、奥行き方向において、第１部材２に対して位置決めされる。立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６は、第１部材２の蓋部２２から離間して配置される。これらにより、第１部材２の蓋部２２、立ち上がり部２５、立ち上がり部２６、第２部材３の蓋部３２、立ち上がり部３５、及び、立ち上がり部３６の間に、気体の流路が形成される。

　図７に示すように、気体の流路において、立ち上がり部２６の後端部と蓋部３２との奥行き方向の幅をｄ３１、立ち上がり部２６と立ち上がり部３６との横方向の幅をｄ３２、立ち上がり部３６の前端部と蓋部２２との奥行き方向の幅をｄ３３とする。ｄ３１、ｄ３２、ｄ３３は同じであることが好ましい。また、スリット２４の幅ｄ１２及びスリット３４の幅ｄ２２と気体の流路の幅ｄ３１、ｄ３２、ｄ３３とは、ｄ１２＝２×ｄ３１（ｄ１２＝ｄ２２、ｄ３１＝ｄ３２、ｄ３１＝ｄ３３）の関係が成り立つ。

　図１１は、ルーバの部分拡大図である。図１１に示すように、第２部材３の下端部は、第１部材２との間に隙間Ｓを生じる。より詳しくは、壁部２１ａの上方を向いた面２１ａＦと、蓋部３２の下端部とは、密着しておらず、隙間Ｓが生じる。

　このように構成されたルーバ１の各部材は、樹脂成型によって形成されている。

［作用］
　空気の流れについて説明する。吸込ファン１１２及び排気ファン１１３が作動して、吸込側のルーバ１から筐体１１０の外部から内部へ空気が取り込まれて、内部を冷却した空気が排気側のルーバ１から外部へ排気される。より詳しくは、充電装置１００の吸込側のルーバ１のスリット２４から、吸込側のルーバ１の内部へ空気が取り込まれる。スリット２４から流入した空気は、第１部材２と第２部材３との間に形成された流路を通過して、スリット３４から、筐体１１０の吸込口Ａ１を通過して内部へ流入する。流入した空気は、電気部品収容室１２０及びヒートシンク収容室１３０へ流入する。空気が電気部品収容室１２０及びヒートシンク収容室１３０を通過する際に、配置された各部品が冷却される。そして、筐体１１０の内部を冷却した空気は、排気口Ａ２を通過して排気側のルーバ１のスリット３４から、排気側のルーバ１の内部へ取り込まれる。スリット３４から流入した空気は、第１部材２と第２部材３との間に形成された流路を通過して、スリット２４から外部へ空気が排出される。

　次に、防水性能について説明する。ルーバ１は、スリット２４の後方に第２部材３の蓋部３２が存在し、スリット３４の前方に第１部材２の蓋部２２が存在する。このため、水等の液体などが、ルーバ１から筐体１１０の内部に直接流入することが規制される。

　ルーバ１に水等の液体が付着した場合について説明する。以下では、液体の一例として水について説明する。ルーバ１に対して斜めに吹き込む水は、第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６によって内部への侵入が規制される。また、第１部材２の蓋部２２に付着した水は、蓋部２２に沿ってそのまま下方に流れ落ち、ルーバ１の内部へ侵入しない。第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６、又は、第２部材３の蓋部３２に付着した水は、各部材に沿って下方に流れ落ちる。そして、スリット２４の下部において、壁部２１ａ及び壁部３１ａへ到達する。段差部２７に収容された封止部材によって、ルーバ１の周縁部と充電装置１００の筐体１１０の周縁部とが封止されている。また、壁部２１ａ及び壁部３１ａは、成型時の抜き勾配として、後方から前方、言い換えると、内側から外側へ向かう傾斜が形成されている。これらにより、水は、壁部２１ａ及び壁部３１ａに沿って流れて外部へ排出される。

　次に、図１２、図１３を用いて、ルーバ１を備えた充電装置１００の騒音について説明する。図１２は、充電装置から外部に漏れる騒音を説明する模式図である。図１３は、充電装置から外部に漏れる騒音の干渉を説明する模式図である。説明の簡略化のため、充電装置１００に１つのルーバ１が配置されている場合について説明する。充電装置１００は、動作中、トランスの高周波のスイッチングノイズが発生する。図１２は、充電装置１００を上面から見たときのルーバ１のスリット２４と、スリット２４から洩れる音の広がりとを模式的に示している。図１２に示すように、充電装置１００の内部の音は、各スリット２４から外側へ広がる。

　スリット２４から広がる音、言い換えると、充電装置１００の動作中における騒音は、ユーザとスリット２４との距離、音の波長すなわち周波数、及び、隣接するスリット２４の間隔であるスリットピッチ（スリット中央間の間隔）などを干渉条件として変化する。スリット２４から広がる音は、互いに干渉して強め合ったり、弱め合ったりする。スリット２４から広がる音は、ユーザの位置によって、ある場所では音が強め合って大きく聞こえたり、ある場所では音が弱め合って小さく聞こえたりする。

　例えば、スリット幅ｄ１１を１７．５［ｍｍ］、スリットピッチを６４［ｍｍ］、音の周波数を１００［Ｈｚ］、スリット２４からの距離Ｌを３［ｍ］とする。この場合、音の波長をλ、充電装置１００の横方向の距離をｄｘ、スリット２４から離間する方向の距離をＬ、ｍを自然数とすると、以下の式１が成り立つ位置では、音が強め合い、式２が成り立つ位置では、音が弱め合う。
ｄｘ／Ｌ＝λ／２×２ｍ・・・（１）
ｄｘ／Ｌ＝λ／２×（２ｍ＋１）・・・（２）

　図１３は、スリット２４からの距離Ｌ＝３［ｍ］における、ユーザの位置と騒音の大きさとの関係を示している。図１３は、充電装置１００の横方向の距離ｄｘを横軸、音の波長を縦軸としている。図１３に示すように、上記の条件下においては、ｄｘが約３０［ｃｍ］周期で音に強弱が現れることが確認できた。ユーザが音をうるさく感じる場合には、充電装置１００の角度を調整することにより音の聞こえ方を改善させることが可能である。

［効果］
　以上説明したように、本実施形態では、第１部材２のスリット２４と第２部材３のスリット３４とは、横方向において互いにずれて配置されている。本実施形態では、スリット２４の後方に第２部材３の蓋部３２が存在し、スリット３４の前方に第１部材２の蓋部２２が存在する。本実施形態によれば、筐体１１０の内部が見えることを規制できる。本実施形態によれば、水がルーバ１から筐体１１０の内部へ侵入することを規制できる。

　本実施形態では、第１部材２のスリット２４及び第２部材３のスリット３４は、縦方向に延びている。本実施形態では、第１部材２の蓋部２２に付着した水は、蓋部２２に沿ってそのまま下方に流れ落ちるので、ルーバ１の内部へ侵入することを規制できる。本実施形態では、第１部材２の蓋部２２に付着した水が、ルーバ１の内部へ侵入することを規制できる。

　本実施形態では、第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、奥行き方向において一部が重なっている。本実施形態では、スリット２４に対して斜めに吹き込む水が、第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６によって内部へ侵入することを規制できる。本実施形態は、筐体１１０の内部へ吸い込む空気の流路及び筐体１１０の外部へ排出する空気の流路を確保できる。さらに、本実施形態は、ルーバ１の奥行き方向の厚さを薄くすることができる。

　本実施形態では、第１部材２には、充電装置１００の筐体１１０との間を封止する封止部材が係合する段差部２７を有する。本実施形態によれば、封止部材によって、ルーバ１の周縁部と充電装置１００の筐体１１０の周縁部とを封止できる。

　本実施形態では、第２部材３の下端部には、第１部材２との間に隙間Ｓを生じる。本実施形態によれば、第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６、又は、第２部材３の蓋部３２に付着した水は、壁部２１ａ及び壁部３１ａの抜き勾配及び封止部材によって、壁部２１ａ及び壁部３１ａに沿って外部へ排出できる。

　このようにして、本実施形態によれば、ルーバ１から筐体１１０の内部へ水が浸入することを確実に規制できる。本実施形態は、防水性能を向上することができる。

　本実施形態は、充電装置１００の動作中に、ルーバ１のスリット２４から洩れる騒音は、ユーザの位置によって、ある場所では音が強め合って大きく聞こえたり、ある場所では音が弱め合って小さく聞こえたりする。本実施形態は、例えば、充電装置１００の角度を調整することにより、音の聞こえ方を改善させることができる。

　以上、本実施形態を説明したが、上述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。

　本実施形態では、第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、奥行き方向において重なっているものとしてが、重なっていなくてもよい。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６の後端部と、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６の前端部とが、奥行き方向において、同じ位置にあってもよい。

　上記では、第１部材２の立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と、第２部材３の立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、蓋部２２又は蓋部３２に対して、垂直に立ち上がっているものとして説明したが、これに限定されない。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、蓋部２２又は蓋部３２に対して、垂直ではなく傾斜していてもよい。立ち上がり部２５及び立ち上がり部２６と、立ち上がり部３５及び立ち上がり部３６とは、蓋部２２又は蓋部３２に対して、湾曲部を介して接続されていてもよい。

　１…ルーバ、２…第１部材、２１…本体部、２１ａ…壁部、２１ａＦ…面、２１ｂ…壁部、２１ｃ…壁部、２１ｄ…壁部、２２…蓋部、２３…鍔部、２４…スリット、２５…立ち上がり部、２６…立ち上がり部、２７…段差部、３…第２部材、３１…本体部、３１ａ…壁部、３１ｂ…壁部、３１ｃ…壁部、３１ｄ…壁部、３２…蓋部、３４…スリット、３５…立ち上がり部、３６…立ち上がり部、３７…脚部、３８…脚部、１００…充電装置、１０１…ケーブル、１０２…プラグ、１０３…電源ケーブル、１１０…筐体、１１０ａ…壁部、１１０ｂ…壁部、１１０ｃ…壁部、１１０ｄ…壁部、１１０ｅ…壁部、１１０ｆ…壁部、１１２…吸込ファン、１１３…排気ファン、１２０…電気部品収容室、１３０…ヒートシンク収容室、１３１…ヒートシンク、１３２…ダクト、吸込口Ａ１…、Ａ２…排気口、Ｓ…隙間。

Claims

　間隔を空けて配置されたスリットが設けられた蓋部と、前記スリットの周縁部から奥行き方向の一方に向かって延びる立ち上がり部と、を有する第１部材と、
　間隔を空けて配置されたスリットが設けられた蓋部と、前記スリットの周縁部から奥行き方向の他方に向かって延びる立ち上がり部と、を有する第２部材と、
　を備え、
　前記第１部材と前記第２部材とは、立ち上がり部が延びる方向に互いに向かい合って配置され、
　前記第１部材の前記スリットと前記第２部材の前記スリットとは、互いにずれて配置されている、
　ルーバ。
　前記第１部材の前記立ち上がり部は、前記第１部材の前記スリットを挟んで一対として向かい合って配置され、
　前記第２部材の前記立ち上がり部は、前記第２部材の前記スリットを挟んで一対として向かい合って配置されている、
　請求項１に記載のルーバ。
　前記第１部材の前記スリット及び前記第２部材の前記スリットは、縦方向に延びている、
　請求項１または２に記載のルーバ。
　前記第１部材の前記立ち上がり部及び前記第２部材の前記立ち上がり部は、奥行き方向において一部が重なっている、
　請求項３に記載のルーバ。
　前記第１部材の外周部に配置され、被取付部との間を封止する封止部材が係合する段差部、
　を備える、請求項１から請求項４のいずれか一項に記載のルーバ。
　前記第２部材の下端部は、前記第１部材との間に隙間を生じる、
　請求項５に記載のルーバ。
　請求項１から請求項６のいずれか一項に記載のルーバ、を備える充電装置。
　高周波のスイッチングノイズが発生するトランス、を備える請求項７に記載の充電装置。