WO2022025099A1 - 照明システム及び照明方法 - Google Patents

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Abstract

照明システムは光源部及び照明部を備える。光源部は、第1波長スペクトルを有する第1光を出力する光源と、第1光が通る光学系とを有し、光学系を通った第1光を出射する。照明部は、光源部から出射される第1光が照射され、第1光の照射に応じて第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する波長変換部を有し、第2光を含む照明光を出射する。波長変換部は、第1光が照射される被照射面を有する。被照射面での第1光のスポット径は、光学系を通った第1光のビームウエストの径よりも大きい。

Description

照明システム及び照明方法 関連出願の相互参照
 本出願は、日本国出願2020-130926号(2020年7月31日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
 本開示は、照明技術に関する。
 所定の波長の光を発光する固体光源と、固体光源からの励起光により蛍光を発光する複数の蛍光体領域が配置されている蛍光体部と、固体光源から、励起光と蛍光体部との相対的位置を移動制御する制御手段としての反射機構とを備えた照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-142000号公報
 照明システム及び照明方法が開示される。一の実施の形態では、照明システムは、第1波長スペクトルを有する第1光を出力する光源と、前記第1光が通る光学系とを有し、前記光学系を通った前記第1光を出射する光源部を備える。また、照明システムは、前記光源部から出射される前記第1光が照射され、前記第1光の照射に応じて前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する波長変換部を有し、前記第2光を含む照明光を出射する照明部を備える。前記波長変換部は、前記第1光が照射される被照射面を有し、前記被照射面での前記第1光のスポット径は、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きい。
 また、一の実施の形態では、照明システムは、第1波長スペクトルを有する第1光を出力する光源と、前記第1光が通る光学系とを有し、前記光学系を通った前記第1光を出射する光源部を備える。また、照明システムは、前記光源部から出射される前記第1光が照射され、前記第1光の照射に応じて前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する波長変換部を有し、前記第2光を含む照明光を出射する照明部を備える。前記波長変換部は、前記第1光が照射される被照射面を有し、前記光学系は、前記第1光を拡散する拡散部を含み、前記被照射面での前記第1光のスポット径は、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径以上である。
 また、一の実施の形態では、照明方法は、光源が第1波長スペクトルを有する第1光を出力する第1工程と、前記第1光が光学系を通る第2工程と、前記光学系を通った前記第1光が照射される被照射面を有する照明部を、前記被照射面での前記第1光のスポット径が、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きくなるように配置するとともに、前記照明部に前記第1光を照射する第3工程と、前記照明部において、前記第1光の照射に応じて波長を変換する波長変換部を有するとともに、前記波長変換部に照射された前記第1光は、前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発し、前記第2光を含む照明光を出射する第4工程とを備える。
 また、一の実施の形態では、照明方法は、光源が第1波長スペクトルを有する第1光を出力する第1工程と、前記第1光が、前記第1光を拡散する拡散部を含む光学系を通る第2工程と、前記光学系を通った第1光が照射される被照射面を有する照明部を、前記被照射面での前記第1光のスポット径が、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きくなるように配置するとともに、前記照明部に前記第1光を照射する第3工程と、前記照明部において、前記第1光の照射に応じて波長を変換する波長変換部を有するとともに、前記波長変換部に照射された前記第1光は、前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発し、前記第2光を含む照明光を出射する第4工程とを備える。
照明システムの構成の一例を示す概略図である。 照明部の構成の一例を示す概略図である。 照明部の構成の一例を示す概略図である。 照明部の構成の一例を示す概略図である。 照明部の構成の一例を示す概略図である。 照明部の構成の一例を示す概略図である。 波長変換部の構成の一例を示す概略図である。 波長変換部の構成の一例を示す概略図である。 波長変換部の構成の一例を示す概略図である。 光源装置の構成の一例を示す概略図である。 光源装置及び照明部の配置例を示す概略図である。 光源装置及び照明部の配置例を示す概略図である。 光源装置及び照明部の配置例を示す概略図である。 励起光のビーム形状の一例を示す概略図である。 励起光のビーム形状の一例を示す概略図である。 励起光のビーム形状の一例を示す概略図である。 励起光のビーム形状の一例を示す概略図である。 励起光のスポットと蛍光体部分の照射対象面との関係の一例を示す概略図である。 光源装置の構成の一例を示す概略図である。 光源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 光源装置の構成の一例を示す概略図である。 光源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 光源装置の構成の一例を示す概略図である。 光源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 蛍光体マーカの一例を示す概略図である。 光源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 光源装置の動作の一例を示すフローチャートである。 照明システムの構成の一例を示す概略図である。 照明システムの構成の一例を示す概略図である。 照明システムの構成の一例を示す概略図である。
 <照明システムの概要>
 図1は照明システム1の構成の一例を示す概略図である。図1に示されるように、照明システム1は光源装置2及び照明部3を備える。光源装置2は、第1波長スペクトルを有する第1光200を空間に出射する光源部20を有する。第1光200は、照明部3が配置された空間に出射される。
 光源部20から出射された第1光200は照明部3に照射される。照明部3は、その表面に、第1光200が照射される波長変換部30を有する。波長変換部30は、第1光200の照射に応じて、第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する。例えば、多数の蛍光体を含む蛍光体部分が波長変換部30として機能する。照明部3は、第2光を含む照明光300を空間に出射する。これにより、対象領域が照明光300で照らされる。照明システム1は、屋内で使用されてもよいし、屋外で使用されてもよい。
 第1光200としては、例えばレーザ光が採用される。レーザ光は一種のコヒーレント光と言える。波長変換部30としての蛍光体部分に第1光200が照射されたとき、蛍光体部分に含まれる蛍光体に第1光200が照射される。第1光200が照射された蛍光体は励起して蛍光を発する。蛍光体部分に含まれる多数の蛍光体が発する蛍光が第2光となり、当該第2光を含む照明光300が空間に出射される。以後、第1光200を励起光200と呼ぶことがある。
 照明部3の波長変換部30は、励起光200が照射される被照射面130を有する。波長変換部30の表面の少なくとも一部が被照射面130を構成する。被照射面130は、波長変換部30の表面において励起光200が当たる領域であると言える。光源装置2は、例えば、被照射面130上で励起光200を走査して、被照射面130全体に励起光200を照射する。これにより、波長変換部30としての蛍光体部分からは、励起光200の走査に応じて蛍光が出射される。光源装置2は、人にとって被照射面130全体が同時に光って見えるように、被照射面130上で励起光200を走査する。なお、図1の例では、被照射面130上で励起光200が左右方向に沿って走査されているが、励起光200の走査方法はこの限りではない。例えば、被照射面130上で励起光200が上下方向に沿って走査されてもよい。以後、波長変換部30を蛍光体部分30と呼ぶことがある。
 <照明部の構成例>
 図2は照明部3の構成の一例を示す概略側面図である。図2に示されるように、照明部3は、例えば、下地材(基材ともいう)31と、下地材31上の波長変換部30とを備える。下地材31は、例えば、シート状あるいは板状を成しており、主面31aと、それとは反対側の主面31bとを有する。波長変換部30には、励起光200が直接照射されるとともに、下地材31で反射した励起光200も照射される。
 波長変換部30、つまり蛍光体部分30は多数の蛍光体を含む。蛍光体部分30は、基材(母材あるいはマトリックスともいう)と、当該基材に分散された多数の蛍光体の粒子とを備える。蛍光体部分30は、例えば、下地材31の主面31b上に塗布されることによって主面31b上に形成されている。蛍光体部分30は、例えば、シート状あるいは板状を成しており、主面30aと、それとは反対側の主面30bとを有する。シート状あるいは板状の蛍光体部分30は蛍光体層30とも言える。蛍光体部分30の主面30bは下地材31の主面31bと接触している。蛍光体部分30の主面30aは、励起光200が直接当たる領域であって、励起光200が照射される被照射面130を含む。
 蛍光体部分30は、例えば、多数の蛍光体の粒子が分散された蛍光体塗料が下地材31の主面31b上に塗布されることによって主面31b上に形成されている。蛍光体塗料は、例えば、顔料等の着色剤の替わりに蛍光体を含むオイル系インクであってもよいし、顔料等の着色剤の替わりに蛍光体を含むソリッドインクであってもよい。また、蛍光体塗料は、顔料等の着色剤の替わりに蛍光体を含む溶剤系インクであってもよいし、他の種類の材料であってもよい。蛍光体塗料の下地材31への塗布方法は、スプレー塗布方式であってもよいし、スクリーン印刷方式であってもよい。また、蛍光体塗料の下地材31への塗布方法は、インクジェット方式であってもよいし、他の方式であってもよい。蛍光体部分30のマトリックスは、例えば、蛍光体塗料に含まれる樹脂で構成されている。
 蛍光体部分30が含む蛍光体は、励起光200の照射に応じて蛍光を発することができる。蛍光体が発する蛍光の波長スペクトルにおける最大のピークを示す波長(ピーク波長ともいう)は、励起光200の第1波長スペクトルのピーク波長よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。
 蛍光体部分30に含まれる多数の蛍光体には、例えば1種類以上の蛍光体が含まれる。本例では、蛍光体部分30には、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体が含まれる。蛍光体部分30には、互いに異なるピーク波長を有する2種類の蛍光体が含まれてもよいし、互いに異なるピーク波長を有する3種類以上の蛍光体が含まれてもよい。
 本例では、蛍光体部分30には、例えば、励起光200の照射に応じて赤色(R)の蛍光を発する蛍光体(赤色蛍光体ともいう)と、励起光の照射に応じて緑色(G)の蛍光を発する蛍光体(緑色蛍光体ともいう)と、励起光の照射に応じて青色(B)の蛍光を発する蛍光体(青色蛍光体ともいう)とが含まれる。蛍光体部分30には、例えば、多数の赤色蛍光体と、多数の緑色蛍光体と、多数の青色蛍光体とが含まれる。
 赤色蛍光体には、例えば、励起光200の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が620nmから750nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。赤色蛍光体の材料には、例えば、CaAlSiN:Eu、YS:Eu、Y:Eu、SrCaClAlSiN:Eu2+、CaAlSiN:EuまたはCaAlSi(ON):Euなどが適用される。ここでは、かっこ内の元素の割合は、分子式の範囲内で任意に設定され得る。
 緑色蛍光体には、例えば、励起光200の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nmから570nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。緑色蛍光体の材料には、例えば、β-SiAlON:Eu、SrSi(O,Cl):Eu、(Sr,Ba,Mg)SiO:Eu2+、ZnS:Cu,AlまたはZnSiO:Mnなどが適用される。
 青色蛍光体には、例えば、励起光200の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が450nmから495nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。青色蛍光体の材料には、例えば、(BaSr)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Euまたは(Sr,Ba)10(PO13:Euなどが適用される。
 蛍光体部分30に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、当該複数種類の蛍光体が発する蛍光が、蛍光体部分30が発する第2光を構成する。そして、照明部3からは、蛍光体部分30に含まれる複数種類の蛍光体が発する蛍光を含む照明光300が空間に出射される。本例では、照明部3からは、蛍光体部分30に含まれる赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が発する蛍光を含む照明光300が空間に出射される。これにより、照明部3からは、例えば、疑似的な白色光が照明光300として出射される。蛍光体部分30に3種類以上の蛍光体が含まれる場合には、照明光300を例えば演色性の高い光にすることができる。なお、照明光300は他の色の光であってもよい。
 蛍光体部分30に複数種類の蛍光体が含まれる場合には、第2光の波長スペクトルは、互いに異なる複数の波長ピークを有する。例えば、蛍光体部分30に3種類以上の蛍光体が含まれる場合には、第2光の波長スペクトルは、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する。本例では、第2光の波長スペクトルは、赤色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、緑色蛍光体が発する蛍光の波長ピークと、青色蛍光体が発する蛍光の波長ピークとが含まれる。
 なお、蛍光体部分30には、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体以外の蛍光体が含まれてもよい。蛍光体部分30には、例えば、励起光200の照射に応じて青緑色の蛍光を発する蛍光体(青緑色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。また、蛍光体部分30には、例えば、励起光200の照射に応じて黄色の蛍光を発する蛍光体(黄色蛍光体ともいう)が含まれてもよい。蛍光体部分30には、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも1種類の蛍光体が含まれてもよい。
 青緑色蛍光体には、例えば、励起光200の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が495nm程度の蛍光体が適用される。青緑色蛍光体の材料には、例えば、SrAl1435:Euなどが適用される。黄色蛍光体には、例えば、励起光200の照射に応じて発する蛍光の波長スペクトルのピーク波長が570nmから590nm程度の範囲にある蛍光体が適用される。黄色蛍光体の材料には、例えば、SrSi(O,Cl):Euなどが適用される。
 下地材31は、例えば、蛍光体部分30が発する第2光が透過する材料で構成されている。下地材31は、例えば、布で構成されてもよいし、紙で構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよいし、複数種類の材料で構成されてもよい。蛍光体部分30のマトリックスは、例えば、励起光200及び第2光が透過する材料で構成されている。下地材31は、励起光200が透過する材料で構成されてもよい。
 照明部3は、その表面に、照明光300が出射される出射面131を有する。本例では、出射面131は、互いに異なる方向に照明光300が出射される複数の出射面131a及び131bを有する。図2の例では、蛍光体部分30の主面30aが、光源装置2側の出射面131aとして機能し、下地材31の主面31aが、出射面131aとは反対側の出射面131bとして機能する。蛍光体部分30が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、蛍光体部分30の主面30a(言い換えれば出射面131a)から出射される。さらに、蛍光体部分30が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、下地材31を透過して下地材31の主面31a(言い換えれば出射面131b)から出射される。蛍光体部分30の主面30aは、被照射面130を構成するとともに、出射面131aを構成する。
 このように、本例では、照明部3は、その表面に複数の出射面131a及び131bを有する。図2に示されるように、照明部3は、例えば、シート状あるいは板状を成しており、一方の主面が出射面131aを構成し、他方の主面が出射面131bを構成している。出射面131a及び131bは互いに対向している。例えば、照明部3における、励起光200が照射される側の主面を表側面とし、照明部3における、表側面とは反対側の主面を裏側面と呼ぶ場合、照明部3は、表側面及び裏側面のそれぞれから照明光300を出射することができる。
 蛍光体塗料が塗布される下地材31は、照明システム1専用の部材であってもよいし、他の目的でも使用されてもよい。後者の場合、下地材31として、例えば、プロジェクタのスクリーンが使用されてもよい。また、他の目的で使用中の部材が下地材31としても使用されてもよい。例えば、既に存在する壁紙、壁板、天井板、天井膜、カーテン、幕あるいは床板などが下地材31として使用されてもよい。この場合、下地材31として使用される壁紙等に、例えば蛍光体塗料が塗布されて照明部3が作製される。
 図3は照明部3の他の構成例を示す概略図である。図3の例では、波長変換部としての蛍光体部分30が、第1蛍光体部分35と第2蛍光体部分36とで構成されている。第1蛍光体部分35及び第2蛍光体部分36のそれぞれは、例えば、図2に示される蛍光体部分30と同じ構成を有している。第1蛍光体部分35は、主面35aと、それとは反対側の主面35bとを有する。第2蛍光体部分36は、主面36aと、それとは反対側の主面36bとを有する。第1蛍光体部分35は、例えば、下地材31の主面31bに蛍光体塗料が塗布されることによって作製される。第2蛍光体部分36は、例えば、下地材31の主面31aに蛍光体塗料が塗布されることによって作製される。第1蛍光体部分35の主面35bは下地材31の主面31bと接触し、第2蛍光体部分36の主面36bは下地材31の主面31aと接触している。第1蛍光体部分35と第2蛍光体部分36とは、下地材31を間に介して互いに対向している。
 図3の例では、励起光200は、第1蛍光体部分35の主面35aに照射されるとともに、下地材31を透過して第2蛍光体部分36に照射される。第1蛍光体部分35が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、第1蛍光体部分35の主面35aから出射される。また、第1蛍光体部分35が発する蛍光は、下地材31及び第2蛍光体部分36を透過して、第2蛍光体部分36の主面36aから出射される。第2蛍光体部分36が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、第2蛍光体部分36の主面36aから出射される。また、第2蛍光体部分36が発する蛍光は、下地材31及び第1蛍光体部分35を透過して、第1蛍光体部分35の主面35aから出射される。図3の例では、第1蛍光体部分35の主面35aが、光源装置2側の出射面131aを構成し、第2蛍光体部分36の主面36aが出射面131bを構成する。
 図3の例のように、波長変換部30が、互いに離れて位置する複数の蛍光体部分で構成される場合、波長変換部30の被照射面130は、当該複数の蛍光体部分のうち、光源部20から出射された励起光200が最初に当たる蛍光体部分において励起光200が照射される領域である。図3の例では、励起光200は、第1蛍光体部分35及び第2蛍光体部分36のうち第1蛍光体部分35に最初に当たることから、第1蛍光体部分35における、励起光200が照射される主面35aが、波長変換部30の被照射面130を構成する。図3の例では、波長変換部30における、被照射面130を含む主面30aは、第1蛍光体部分35の主面35aで構成されている。
 図3の例のように、下地材31の両面に蛍光体部分が設けられる場合には、波長変換部30の発光効率を向上させることができる。なお、第1蛍光体部分35は、第2蛍光体部分36が含まない種類の蛍光体を含んでもよい。例えば、第2蛍光体部分36が赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体を含む場合、第1蛍光体部分35は黄色蛍光体を含んでもよい。また、第2蛍光体部分36は、第1蛍光体部分35が含まない種類の蛍光体を含んでもよい。
 図4は照明部3の他の構成例を示す概略図である。図4の照明部3は、上述の図2の照明部3において、下地材31の主面31aに蛍光体部分30が設けられたものである。図4では、蛍光体部分30の主面30aと下地材31の主面31aとが接触している。
 図4の例では、励起光200は、下地材31を透過して蛍光体部分30の主面30aに照射される。蛍光体部分30が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、蛍光体部分30の主面30bから出射される。また、蛍光体部分30が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、下地材31を透過して、下地材31の主面31bから出射される。図4の例では、蛍光体部分30の主面30aが被照射面130を構成する。また、下地材31の主面31bが光源装置2側の出射面131aを構成し、蛍光体部分30の主面30bが出射面131bを構成する。
 上記の例では、下地材31に対して蛍光体塗料が塗布されて蛍光体部分30が作製されているが、予めシート状あるいは板状に形成された蛍光体部分30が下地材31に接着等で固定されてもよい。
 図5は照明部3の他の構成例を示す概略図である。図5の例では、照明部3は蛍光体部分30だけで構成されている。蛍光体部分30は、例えば、シート状あるいは板状の基材(母材あるいはマトリックスともいう)と、当該基材に分散された多数の蛍光体の粒子とで構成されている。マトリックスは、例えば、励起光200及び第2光が透過する材料で構成されている。マトリックスは、例えば、アクリル樹脂等の樹脂で構成されてもよいし、ガラスで構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。
 図5の例では、蛍光体部分30が励起光200の照射に応じて発する蛍光は、蛍光体部分30の主面30a及び30bのそれぞれから出射される。図5の例では、蛍光体部分30の主面30a(言い換えば、照明部3の表側面)が光源装置2側の出射面131aを構成し、蛍光体部分30の主面30b(言い換えば、照明部3の裏側面)が出射面131bを構成する。
 図6は照明部3の他の構成例を示す概略図である。図6の例では、照明部3は蛍光体部分30だけで構成されている。蛍光体部分30は、積層された複数の蛍光体層38で構成されている。各蛍光体層38は、例えば、シート状あるいは板状のマトリックスと、当該マトリックスに分散された多数の蛍光体の粒子とで構成されている。例えば、複数の蛍光体層38が含む蛍光体の種類は互いに異なっている。複数の蛍光体層38は、例えば、多数の赤色蛍光体が分散された蛍光体層38と、多数の緑色蛍光体が分散された蛍光体層38と、多数の青色蛍光体が分散された蛍光体層38とで構成されている。
 図6の例では、積層された複数の蛍光体層38の外側の2つの蛍光体層38の外側の主面が、蛍光体部分30の主面30a及び30bをそれぞれ構成する。図6の例では、図5の例と同様に、蛍光体部分30の主面30aが光源装置2側の出射面131aを構成し、蛍光体部分30の主面30bが出射面131bを構成する。
 なお、図6に示される蛍光体部分30では、3つの蛍光体層38が積層されているが、2つの蛍光体層38が積層されてもよいし、4つ以上の蛍光体層38が積層されてもよい。また、複数の蛍光体層38のうちの少なくとも一つの蛍光体層38には、複数種類の蛍光体が含まれてもよい。
 上記の各例において、蛍光体部分30の主面30aの全領域が被照射面130を構成してもよい。また、主面30aの一部だけが被照射面130を構成してもよい。この場合、主面30aの一部だけに対して励起光200が走査される。
 被照射面130は、平面を含んでもよいし、曲面を含んでもよいし、平面及び曲面を含んでもよい。曲面を含む被照射面130は自由曲面を含んでもよい。また、出射面131は、平面を含んでもよいし、曲面を含んでもよいし、平面及び曲面を含んでもよい。曲面を含む出射面131は自由曲面を含んでもよい。
 例えば、天井膜で構成された下地材31に蛍光体塗料が塗布されて照明部3が構成される場合を考える。この場合、下地材31の主面31a及び31bが自由曲面になることから、図1に示されるように、被照射面130を自由曲面とすることができる。また、出射面131a及び131bも自由曲面とすることができる。また、カーテンあるいは幕で構成された下地材31に蛍光体塗料が塗布されて照明部3が構成される場合にも、被照射面130及び出射面131a及び131bを自由曲面とすることができる。
 例えば、下地材31が天井膜、カーテンあるいは幕で構成された場合のように、下地材31における、蛍光体塗料が塗布される主面31bの形状が変化したり、伸縮したりする場合には、蛍光体塗料は、塗布面となる主面31bに追従できる材料で構成されてもよい。この場合、蛍光体塗料は、例えば、アクリル樹脂あるいはウレタン樹脂等を主成分とする伸縮性の高い材料で構成されてもよい。
 上記の例では、照明部3の形状はシート状あるいは板状であったが、照明部3の形状はこれに限られない。照明部3の形状は、例えば、球体であってもよいし、多面体であってもよいし、錐体であってもよいし、円柱であってもよい。この場合、例えば、球体、多面体、錐体あるいは円柱を成す下地材の表面の少なくとも一部に対して蛍光体塗料が塗布されることによって照明部3が構成されてもよい。下地材が、蛍光体が発する蛍光が透過する材料で構成されている場合には、例えば、照明部3を構成する球体、多面体、錐体あるいは円柱の表面全体を光らせることができる。また、球体、多面体、錐体あるいは円柱を成すマトリックスと、当該マトリックスに分散された多数の蛍光体とで照明部3が構成されてもよい。この場合にも、照明部3を構成する球体、多面体、錐体あるいは円柱の表面全体を光らせることができる。照明部3を構成する多面体、錐体あるいは円柱の表面全体から照明光300が出射される場合には、出射面131は、照明光300が互いに異なる方向に出射される複数の出射面で構成される。例えば、照明部3の形状が多面体である場合、多面体の表面を構成する複数の平面のそれぞれが出射面となる。また、照明部3の形状が円柱である場合、円柱の表面を構成する、円形の上面、円形の底面及び側面(曲面)のそれぞれが出射面となる。照明部3は、球体、多面体、錐体あるいは円柱の少なくとも2つが組み合わされた形状であってもよい。
 また、被照射面130は、互いに異なる方向を向く複数の被照射面で構成されてもよい。言い換えれば、被照射面130は、法線方向が互いに異なる方向を向く複数の被照射面で構成されてもよい。例えば、照明部3の形状が角錐である場合を考える。この場合、角錐の頂点側から励起光200が照明部3に照射され、角錐の側面を構成する複数の平面のそれぞれに対して励起光200が照射されるとき、当該複数の平面のそれぞれが、励起光200が照射される被照射面となる。この場合、被照射面130は、互いに異なる方向を向く複数の被照射面で構成される。
 以上のように、本例では、照明部3の波長変換部30に対して光源部20から第1光200を照射することによって、照明部3から照明光300が出射される。これにより、簡単な構成で照明システム1を構築することができる。
 また、照明光300が出射される出射面131を大きくすることによって、広い発光面を持つ照明部3を簡単に実現することができる。照明部3が広い発光面(言い換えれば出射面131)を有することによって、例えば、グレアが発生する可能性を低減することができる。また、照明部3が広い発光面を有することによって、例えば、影ができにくくなり、無影灯を実現することができる。また、照明部3が広い発光面を有することによって、例えば、蛍光体部分30を大きくすることができる。この場合、蛍光体部分30の発熱を抑制することができることから、例えば、蛍光体部分30で生じる熱を放熱する放熱手段を無くしたり、放熱性のあまり高くない安価な放熱手段を採用したりすることができる。
 また、本例では、波長変換部30が利用されて照明光300が生成されていることから、レーザ光が直接照明光として使用される場合と比較して、照明光300が照射される領域でスペックルノイズが発生することを抑制することができる。
 また、出射面131が、照明光300が互いに異なる方向に出射される複数の出射面を有する場合には、広範囲を照明光300で照らすことができる。また、上述の図2~6の例のように、照明部3の表側面(出射面131a)及び裏側面(出射面131b)のそれぞれから照明光300が出射される場合には、例えば、表側面から出射される照明光300を用いて直接照明を実現し、裏側面から出射される照明光300を用いて間接照明を実現してもよい。あるいは、表側面から出射される照明光300を用いて間接照明を実現し、裏側面から出射される照明光300を用いて直接照明を実現してもよい。
 また、上述の図2~4の例のように、下地材31に蛍光体塗料が塗布されて蛍光体部分30が作製される場合には、屋内あるいは屋外の様々な場所で照明部3を容易に実現することができる。例えば、建物内の壁紙に蛍光体塗料を塗布したり、建物内の天井膜に蛍光体塗料を塗布したりすることによって、屋内において照明部3を簡単に実現することができる。また、建物の外壁に蛍光体塗料を塗布したり、屋外の電柱、壁、地面、銅像あるいは遊具等の構造物に蛍光体塗料を塗布したりすることによって、屋外において照明部3を簡単に実現することができる。
 また、本例のように、被照射面130上で第1光200が走査される場合には、波長変換部30の広い範囲に対して第1光200を照射することができる。よって、広い発光面を有する照明部3を容易に実現することができる。
 また、蛍光体部分30が、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体を含む場合には、例えば、当該複数種類の蛍光体の混合比を変化させることによって、同じ構成の照明システム1を利用して様々な色の照明光300を実現することができる。
 また、波長変換部30が発する第2光が有する第2波長スペクトルが、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する場合には、例えば、演色性の高い照明光300を実現することができる。
 また、本例では、蛍光体部分30が発する蛍光を利用して照明光300が実現されていることから、例えば、照明部3を軽量化することができる。よって、例えば、照明部3を高所に設置する場合に、照明部3の落下防止策を容易に実現することができる。
 また、本例では、波長変換部30が発する第2光はファイバで伝送されずに照明空間に出射されることから、損失が少ない照明光300を得ることができる。
 また、図2~4の例のように、下地材31に蛍光体部分30が形成される場合には、下地材31の第2光に対する透過率及び下地材31の励起光200に対する反射率の少なくとも一方を変更することによって、同じ構成の照明システム1を利用して様々な態様の照明を実現することができる。
 例えば、図2の照明部3において、下地材31の第2光に対する透過率を低くすることによって、照明部3の裏側面から出射される照明光300の光量を少なくすることができる。これにより、照明システム1を用いて、同一の照明空間内において、明るい場所と暗い場所とを実現することができる。
 また、図2の照明部3において、例えば、下地材31の励起光200に対する反射率を大きくすることによって、下地材31で反射されて蛍光体部分30に照射される励起光200の光量を大きくすることができる。これにより、照明光300の光量を大きくすることができ、明るい照明を実現することができる。
 なお、波長変換部30は、被照射面130に沿って並ぶ複数の蛍光体部分39を備えてもよい。図7~9は、複数の蛍光体部分39を備える波長変換部30の一例を示す概略図である。図7の例では、波長変換部30は、被照射面130に沿って並ぶ2つの蛍光体部分39を備える。図8の例では、波長変換部30は、被照射面130に沿って一列に並ぶ6個の蛍光体部分39を備える。図9の例では、波長変換部30は、被照射面130に沿って行列状に並ぶ64個の蛍光体部分39を備える。
 各蛍光体部分39は、例えば、シート状あるいは板状を成しており、互いに対向する2つの主面を有する。波長変換部30では、複数の蛍光体部分39の一方の主面が被照射面130を構成している。各蛍光体部分39は、マトリックスと、当該マトリックスに分散された多数の蛍光体とを有する。各蛍光体部分39は少なくとも1種類の蛍光体を含む。なお、蛍光体部分39の形状は、シート状及び板状以外であってもよい。
 複数の蛍光体部分39には、蛍光体の種類が完全に一致する複数の蛍光体部分39が含まれてもよい。この場合、蛍光体の種類が完全に一致する複数の蛍光体部分39の間において、蛍光体の混合比が異なってもよい。例えば、図8の例において、複数の蛍光体部分39のそれぞれに、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれる場合を考える。この場合、複数の蛍光体部分39の間において、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の混合比が異なっていてもよい。これにより、例えば、グラデーションを有する照明光300を実現することができる。少なくとも一つの蛍光体部分39での蛍光体の混合比を変更することによって、同じ構成の照明システム1を利用して様々な態様の照明を実現することができる。
 また、複数の蛍光体部分39には、他の蛍光体部分39には含まれない種類の蛍光体を含む少なくとも一つの蛍光体部分39が含まれてもよい。例えば、図7の例において、一方の蛍光体部分39には赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体が含まれ、他方の蛍光体部分39には赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青紫蛍光体及び黄色蛍光体が含まれてもよい。少なくとも一つの蛍光体部分39に含まれる蛍光体の種類を変更することによって、同じ構成の照明システム1を利用して様々な態様の照明を実現することができる。なお、複数の蛍光体部分39の並べ方は図7~9の例に限られない。
 <光源装置の構成例>
 図10は光源装置2の構成の一例を示す概略図である。図10に示されるように、光源装置2は、例えば、光源部20と、駆動回路21と、駆動回路22と、制御回路23と、電源回路24と、外装ケース25とを備える。光源部20、駆動回路21、駆動回路22、制御回路23及び電源回路24は外装ケース25内に収容されている。
 光源部20は、例えば、励起光200を生成して出力する光源120と、光源120が出力する励起光200が通る光学系121とを備える。光学系121を通った後の励起光200は、被照射面130に照射される。光学系121は、例えば、レンズ122及びスキャナ123を備える。
 光源120は、例えば、レーザダイオード(laser diode:LD)である。レーザダイオードは半導体レーザとも呼ばれる。光源120が出力する励起光200としては、例えば、波長が460nm以下の短波長レーザ光が採用される。励起光200は、440nm以下の短波長レーザ光であってもよい。この場合、光源120は、例えば、405nmの紫色のレーザ光を出力する窒化ガリウム(GaN)系の半導体レーザであってもよい。励起光200として、440nm以下の短波長レーザ光が採用される場合には、励起光200が視認されにくくなる。よって、励起光200が照明空間に影響を与えにくくなる。励起光200は、紫外レーザ光であってもよいし、紫色レーザ光であってもよいし、青色レーザ光であってもよい。なお、光源120はレーザダイオード以外の発光素子であってもよい。
 レンズ122は、例えばコリメートレンズである。レンズ122は、光源120が出力する励起光200をコリメートし、コリメート光として励起光200を出力する。スキャナ123は、レンズ122を透過した励起光200を被照射面130上で走査するための部材である。スキャナ123は、励起光200を反射するミラー123aを有する。ミラー123aで反射された励起光200は、外装ケース25の外側に出て、光源装置2から離れた場所に存在する被照射面130に照射される。
 スキャナ123は、ミラー123aの角度(詳細にはミラー123aの励起光200の反射面の角度)を変更して、励起光200の反射方向を変更することが可能である。スキャナ123は、ミラー123aの角度を変更することによって(言い換えれば、励起光200の反射方向を変更することによって)、励起光200を被照射面130上で走査することが可能である。スキャナ123は、ミラー123aの角度を変更することによって、光学系121から出射される励起光200の出射方向を変更することができる。
 スキャナ123は、例えば、励起光200の反射方向(言い換えれば反射角度)を二次元的に変更できる機器であってよい。スキャナ123は、例えば、MEMSスキャナであってもよいし、ガルバノスキャナであってもよいし、レゾナントスキャナであってもよし、他の種類のスキャナであってもよい。MEMSは、Micro Electro Mechanical Systemsの略語である。スキャナ123として、MEMSスキャナが採用される場合には、光源装置2の消費電力を低減することができる。一方で、スキャナ123としてガルバノスキャナが採用される場合には、ミラー123aの大きいスキャナ123を実現することができる。そのため、励起光200のパワーを大きくすることができる。よって、明るい照明光300を得ることが可能となる。また、スキャナ123による励起光200の走査範囲を広げることができることから、照明部3の発光面を大きくすることができる。
 本例では、励起光200は単一の波長ピークを有することから、励起光200は、光学系121の色収差及び損失の波長依存性の影響を受けにくくなる。よって、照明システム1の設計が容易となる。
 駆動回路21は光源120に電力を与えて光源120を駆動することが可能である。駆動回路22はスキャナ123に電力を与えてスキャナ123を駆動することが可能である。
 制御回路23は、駆動回路21及び22のそれぞれを個別に制御することが可能である。制御回路23は、駆動回路21を通じて、光源120を制御することが可能である。また、制御回路23は、駆動回路22を通じて、スキャナ123を制御することが可能である。
 制御回路23は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
 種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、または複数の通信可能に接続された集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
 1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
 種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、または他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
 制御回路23が備える少なくとも1つプロセッサには、例えば、CPU(Central Processing Unit)が含まれてもよい。この場合、CPUが制御回路23内のプログラムを実行することによって制御回路23の各種機能が実現される。また、制御回路23の少なくとも一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
 制御回路23は、駆動回路21を通じて、例えば、光源120の励起光200の出力パワーを制御することが可能である。制御回路23は、例えば、励起光200の出力パワーを零にすることも可能である。つまり、制御回路23は、光源120から励起光200を出力させないことも可能である。また、制御回路23は、駆動回路22を通じて、例えば、スキャナ123のミラー123aの角度を制御することが可能である。ミラー123aの角度が制御されることによって、光学系121から外装ケース25の外側に向かう励起光200の出射方向が制御される。
 本例では、制御回路23、駆動回路21、駆動回路22及びスキャナ123によって、光学系121から出射される励起光200の出射方向及び出力パワーを制御することが可能な制御部28が構成されている。制御部28は、光学系121から外装ケース25の外側に向かう励起光200の出射方向を制御して、被照射面130上で励起光200を走査することが可能である。また、制御部28は、例えば、励起光200の走査速度を制御することができる。制御回路23が、駆動回路22を通じて、スキャナ123のミラー123aが動く速度を変更することによって、励起光200の走査速度が変化する。励起光200の出力パワーが制御されることによって、外装ケース25の外側に出射される励起光200の光量が制御される。
 電源回路24は、駆動回路21、駆動回路22及び制御回路23に電源を供給することが可能である。電源回路24は、例えば、光源装置2の外部から供給される外部電源に基づいて各種電源を生成する。外部電源は、交流電源であってもよいし、直流電源であってもよい。また、電源回路24はバッテリを備えてもよい。この場合、電源回路24は、バッテリから出力される電力に基づいて各種電源を生成してもよい。バッテリは、充電可能な二次電池であってもよいし、充電不可の一次電池であってもよい。
 このように、本例では、制御部28は、励起光200の出力パワーを制御することが可能である。言い換えれば、制御部28は、励起光200の光量を制御することが可能である。制御部28は、励起光200の出力パワーを、空間的に制御してもよいし、時間的に制御してもよい。
 例えば、制御部28は、励起光200の出力パワーを時間経過に応じて制御することによって、照明光300の明るさを時間経過に応じて変化させることができる。この場合、制御部28は、励起光200の出力パワーを時間経過に応じて制御することによって、照明部3の発光面の明るさが時間の前後でムラが意図的に発生するようにしてもよい。
 また、例えば、被照射面130内の各点と光源装置2との間の直線距離が一定でない場合を考える。この場合、制御部28が、励起光200の走査時において、被照射面130での励起光200の各照射位置に応じて励起光200の出力パワーを制御することによって、被照射面130内の各点での励起光200の照射パワーを均一にすることができる。これにより、被照射面130内の各点と光源装置2との間の直線距離が一定でない場合であっても、照明部3の発光面での明るさを均一にすることができる。このような制御が行われる場合には、例えば、被照射面130の各点と光源装置2との間の直線距離が事前に測定され、測定された各直線距離が制御回路23に記憶される。制御回路23は、被照射面130の各点と光源装置2との間の直線距離に基づいて励起光200の出力パワーを制御する。
 また、制御部28は、励起光200の走査時において、被照射面130での励起光200の各照射位置に応じて励起光200の出力パワーを制御することによって、照明部3の発光面内において明るさのムラを意図的に発生させることも可能である。
 また、制御部28は、励起光200の走査時において、被照射面130での励起光200の各照射位置に応じて励起光200の出力パワーを制御することによって、照明部3の発光面に、例えば、文字、記号及び図形の少なくとも一つを表示してもよい。
 また、制御部28は、励起光200の走査時において、被照射面130での励起光200の各照射位置に応じて励起光200の出力パワーを制御し、かつ、励起光200の出力パワーを時間経過に応じて制御することによって、木漏れ日のような照明光300を実現してもよい。
 制御部28は、励起光200の出射方向を制御することによって、例えば、照明部3に対する励起光200の照射範囲(言い換えれば走査範囲)を変更してもよい。例えば、図2の例において、制御部28は、励起光200の出射方向を制御することによって、ある時間帯では、蛍光体部分30の主面30aの上側半分だけに励起光200を照射し、別の時間帯では、主面30aの下側半分だけに励起光200を照射してもよい。制御部28は、励起光200の出射方向を制御することによって、蛍光体部分30だけに励起光200を照射することができる。これにより、蛍光体部分30以外の部分に励起光200が照射されることが防止される。
 制御部28は、励起光200の走査速度を、時間的に制御してもよいし、空間的に制御してもよい。例えば、制御部28は、ある時間帯では励起光200の走査速度を大きくし、別の時間帯では励起光200の走査速度を小さくしてもよい。また、制御部28は、例えば、被照射面130のある領域では励起光200の走査速度を大きくし、被照射面130の別の領域では励起光200の走査速度を小さくしてもよい。このような制御が行われる場合には、例えば、被照射面130の各点と光源装置2との間の直線距離が事前に測定され、測定された各直線距離が制御回路23に予め記憶される。そして、制御回路23は、被照射面130の各点と光源装置2との間の直線距離に基づいて走査速度を制御する。
 光源120とレンズ122とは光ファイバで互いに接続されてもよい。この場合、光源120とレンズ122は互いに対向させて配置する必要がなくなることから、光源120及びレンズ122の配置の自由度が向上する。よって、例えば、光源120をメンテナンスしやすい場所に配置することができる。
 また、光源120とレンズ122との間には、光ファイバが設けられなくてもよい。この場合、光源装置2の小型化が可能となる。これにより、光源装置2の配置の自由度が向上する。光源装置2が小さい場合には、それを低い場所に配置しても邪魔にならいことから、低い場所に光源装置2を配置してもよい。低い場所に光源装置2が配置される場合には、光源装置2の設置工事が容易となる。また、光源装置2のメンテナンスが容易となる。
 また、光源装置2を可搬性にしてもよい。これにより、光源装置2の配置場所を簡単に変更することができる。また、照明部3を可搬性にしてもよい。これにより、照明部3の配置場所を簡単に変更することができる。また、光源装置2及び照明部3の両方を可搬性にしてもよい。これにより、照明システム1を構築する場所を簡単に変更することができる。例えば、光源装置2及び照明部3が体育館に搬入されて、体育館内に照明システム1を構築することもできるし、光源装置2及び照明部3が公園に搬入されて、公園内に照明システム1を構築することもできる。
 図11~13は光源装置2及び照明部3の配置例を示す概略図である。図11~13の例では、照明システム1は室内に構築されており、照明部3は天井付近に設けられている。図11の例では、光源装置2は床400の上に配置されている。図11の例では、照明部3の出射面131aから出射される照明光300が直接照明で使用され、出射面131bから出射される照明光300が間接照明で使用される。なお、光源装置2は床400の下側に配置されてもよい。
 図12の例では、光源装置2は天井410の室内側に配置されている。図12の例では、出射面131bから出射される照明光300が直接照明で使用され、出射面131aから出射される照明光300が間接照明で使用される。なお、光源装置2は天井410の裏側に配置されてもよい。
 図13の例では、光源装置2は壁420の室内側に配置されている。図13の例では、出射面131bから出射される照明光300が直接照明で使用され、出射面131aから出射される照明光300が間接照明で使用される。なお、光源装置2は壁420の裏側に配置されてもよい。
 図12及び13の例のように、床400から照明部3を見た場合に、照明部3の裏側に光源装置2が配置される場合には、床400にいる人にとって光源装置2が視覚的に邪魔になりにくくなる。また、照明部3が、床400の下側、天井410の裏側あるいは壁420の裏側に配置されることによって、床400にいる人にとって光源装置2が視覚的に邪魔にならなくなる。
 なお、照明部3に照射される励起光200の一部が下地材31等において反射する場合には、励起光200の照明部3での反射光と、蛍光体部分30が発する蛍光とに基づいて、所定の色を有する照明光300が実現されてもよい。例えば、励起光200の色が青色であって、蛍光体部分30が蛍光体として赤色蛍光体及び緑色蛍光体だけを含む場合を考える。この場合には、励起光200の照明部3での青色の反射光と、蛍光体部分30が発する赤色の蛍光及び緑色の蛍光とに基づいて、疑似的な白色光が照明光300として得られる。
 <被照射面での励起光のスポット径について>
 図14は励起光200のビーム形状の一例を示す概略図である。図14に示されるように、被照射面130での励起光200のスポット径SDは、例えば、光学系121を通った励起光200のビームウエストBWの径BD(ビームウエスト径BDともいう)よりも大きくなっている。図14の例では、ビームウエストBWは、光学系121と照明部3の被照射面130との間に位置する。言い換えれば、ビームウエストBWの位置は、被照射面130に対して光学系121側に位置する。
 ビームウエストBWの位置は、光源120の励起光200の出射端とレンズ122との間の距離に応じて変化する。例えば、光源120の出射端がレンズ122の一方の焦点に位置する場合、ビームウエストBWはレンズ122の他方の焦点に位置する。光源120が、レンズ122の一方の焦点からレンズ122から離れるように移動させられると、ビームウエストBWの位置は、レンズ122の他方の焦点からレンズ122から離れるように移動する。そして、光源120がレンズ122からさらに離れるように移動させられると、ビームウエストBWの位置は、逆にレンズ122に近づくように移動する。
 ビームウエスト径BDは、励起光200の波長と、光源120の出射端での励起光200の径と、光源120の出射端と光学系121との間の距離と、光学系121の光学特性とに応じて変化する。本例では、光学系121には、レンズ122及びスキャナ123が含まれているが、レンズ122の光学特性はビームウエスト径BDに影響を与えるものの、スキャナ123の光学特性はビームウエスト径BDにほとんど影響を与えない。
 例えば、励起光200の波長が400nm、光源120の出射端での励起光200の径が3μm、レンズ122の焦点距離が50mm、レンズから被照射面130までの距離が10mとする。また、例えば、ビームウエストBWの位置が、レンズ122から5m先となるように、光源120の出射端とレンズ122との間の距離が調整されているとする。このような場合、ビームウエスト径BDは0.3mmとなり、また、スポット径SDは8.5mmとなり、スポット径SDはビームウエスト径BDよりも大きくなる。
 図15は励起光200のビーム形状の他の一例を示す概略図である。上述の図14の例では、励起光200が被照射面130に到達する前にビームウエストBWが発生している。これにより、光学系121と被照射面130との間にビームウエストBWの現実位置が存在する。これに対して、図15の例では、励起光200は、ビームウエストBWが発生する前に被照射面130に到達している。これにより、被照射面130に対して光学系121とは反対側に、ビームウエストBWの仮想位置が存在する。図15の例では、照明部3が存在せず、光学系121から出た励起光200がビームウエストBWが発生するまでに何も当たらない場合のビームウエストBWの位置と、光学系121との間に被照射面130が位置すると言える。図15の例のように、被照射面130に対して光学系121とは反対側に、ビームウエストBWの仮想位置が存在する場合であっても、本例では、スポット径SDはビームウエスト径BDよりも大きくなっている。現実位置とは、実際にビームウエストが存在する位置のことであるが、仮想位置とは、被照射面130がない場合の仮想空間にビームウエストBWができる位置のことをいう。
 スポット径SDは、ビームウエスト径BDの25倍以上であってもよい。また、スポット径SDは、ビームウエスト径BDの1.1倍以上であって2000倍以下であってもよい。
 このように、本例では、スポット径SDがビームウエスト径BDよりも大きくなっている。これに対して、例えばプロジェクタにおいては、スクリーンの投影面に対してできるだけ小さい径の光を照射して高精細の映像を得るために、光のビームウエストの位置にスクリーンの投影面が配置される。これにより、投影面での光のスポット径は、ビームウエスト径と一致することになる。プロジェクタと同様に、被照射面130での励起光200のスポット径SDがビームウエスト径BDと一致する場合には、スポット径SDが小さくなり、波長変換部30にかかる熱負荷が増大する。これにより、例えば、照明部3の寿命が短くなる可能性がある。
 本例では、スポット径SDがビームウエスト径BDよりも大きくなっていることから、波長変換部30にかかる熱負荷が低減する。これにより、例えば、照明部3の寿命を長くすることができる。
 また、スポット径SDがビームウエスト径BDよりも大きい場合には、被照射面130に対する励起光200の1回の照射で広い範囲に励起光200を照射することができる。これにより、被照射面130上で励起光200を走査して蛍光体部分30を発光させる場合に、例えば、均一な照明光300を生成しやすくなる。
 なお、被照射面130の複数の位置でスポット径SDが互いに異なり、スポット径SDについて複数種類の大きさが存在する場合には、複数種類の大きさのいずれかが、ビームウエスト径BDよりも大きくてもよい。また、複数種類の大きさのそれぞれが、ビームウエスト径BDよりも大きくてもよい。
 また、光学系121の外側のビームウエストBWとは別のビームウエストが光学系121内で発生してもよい。例えば、光学系121が、レンズ122を含む複数のレンズを備える場合には、光学系121内において、ビームウエストBWとは別のビームウエストが発生することがある。
 また、図14の例のように、光学系121と被照射面130との間にビームウエストBWの現実位置が存在する場合には、光源装置2の外装ケース25内にビームウエストBWが位置してもよいし、外装ケース25の外側にビームウエストBWが存在してもよい。
 また、光学系121は、図16に示されるように、励起光200を拡散する拡散部124を備えてもよい。拡散部124は、例えば、表面に凹凸を有する拡散レンズであってもよいし、他の部材であってもよい。図16の例では、拡散部124を有する光学系121を通った励起光200のビームウエストBWの現実位置が、光学系121と被照射面130との間に位置する。図15のように、拡散部124を有する光学系121を通った励起光200のビームウエストBWの仮想位置が、被照射面130に対して光学系121とは反対側に位置してもよい。
 光学系121を通った励起光200のビームウエスト径BDは、当該光学系121が拡散部124を備える場合の方が、拡散部124を備えていない場合によりも大きくになる。光学系121が拡散部124を備える場合には、図17に示されるように、スポット径SDは、ビームウエスト径BDと同じであってもよい。ここで同じとは、スポット径SDがビームウエスト径BDの10%大きい範囲までをいう。例えば、励起光200の波長が400nm、光源120の出射端での励起光200の径が3μm、レンズ122の焦点距離が50mm、レンズから被照射面130までの距離が10mとしたとき、ビームウエストBWの位置が、被照射面の位置である場合、被照射面130の前後0.8mの範囲が誤差範囲になる。この場合であっても、スポット径SDを大きくすることができることから、波長変換部30にかかる熱負荷が低減することができる。図17の例では、ビームウエストBWの位置に被照射面130が配置されている。拡散部124は、外装ケース25の内側に設けられてもよいし、外装ケース25の励起光200の出射端に設けられてもよい。拡散部124は、図16のように、スキャナ123の後段に設けられてもよいし、スキャナ123の前段に設けられてもよい。後者の場合、例えば、レンズ122とスキャナ123の間に拡散部124が位置してもよい。
 上述の図9等に示されるように、波長変換部30が、被照射面130に沿って並ぶ複数の蛍光体部分39、例えば第1部分および第2部分を備える場合には、被照射面130での励起光200のスポット面積は、各蛍光体部分39における、励起光200が照射される面39a(照射対象面39aともいう)の面積よりも大きくてもよい。なお、スポット面積とは、被照射面130におけるスポット径SDの内側の面積のことである。このとき、スポット径SDは、被照射面130におけるビーム強度分布(ガウス分布)形状の中心部のピーク強度に対し、1/eとなる部分(光のパワーの約86.5%が集まるところ)の径とする。蛍光体部分39が互いに対向する一対の主面を備える場合には、蛍光体部分39における、励起光200が照射される面とは、当該一対の主面のうち励起光200が最初に当たる方の主面である。
 図18は、被照射面130での励起光200のスポット200aと蛍光体部分39の照射対象面39aとの関係の一例を示す概略図である。図18の例では、励起光200のスポット200aの面積は、各蛍光体部分39の照射対象面39aの面積よりも大きくなっている。
 このように、励起光200のスポット面積が、蛍光体部分39の照射対象面39aの面積よりも大きい場合には、例えば、複数の蛍光体部分39に対して順に励起光200が照射されるように励起光200が走査されるときに、複数のスポット200aが互いに重なるようにすることができる。これにより、例えば、均一の照明光300が得られやすくなる。また、励起光200が走査される場合に、スポット200aが複数の蛍光体部分39に跨るように励起光200が順に出射されるときには、当該複数の蛍光体部分39の間での励起光200の照射割合を細かく調整することが可能となる。これにより、例えば、複数の蛍光体部分39の間での励起光200の照射割合を調整して照明光300を調色する場合に、照明光300の色温度を広範囲に変更することができる。
 <光源装置を利用した励起光の走査範囲の設定方法>
 照明部3に対する励起光200の走査範囲は、光源装置2が利用されて決定されてもよい。図19はこの場合の光源装置2の構成の一例を示す概略図である。励起光200の走査範囲は、励起光200の照射範囲であると言えるし、被照射面130となる範囲であると言える。
 図19に示される光源装置2(光源装置2Aともいう)は、ユーザが使用する外部装置500と通信することが可能な通信部210を備える。外部装置500は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォン等の携帯電話機であってもよいし、タブレット機器であってもよいし、他の装置であってもよい。
 通信部210は、外部装置500と有線通信を行ってもよいし、無線通信を行ってもよい。通信部210は、インターネット等を含むネットワークを通じて外部装置500と通信してもよい。通信部210は通信回路であると言える。通信部210が使用する通信方式には、例えば、Bluetooth(登録商標)に準拠した通信方式が含まれてもよいし、WiFiに準拠した通信方式が含まれてもよいし、USB(Universal Serial Bus)に準拠した通信方式が含まれてもよいし、他の規格に準拠した通信方式が含まれてもよい。
 光源装置2Aは、動作モードとして、照明部3に対する励起光200の走査範囲を決定する設定モードを有する。光源装置2Aは、設定モードで決定された走査範囲上で励起光200を走査して、上述のように照明部3に照明光300を出射させる。以後、単に出射方向と言えば、励起光200の出射方向を意味する。
 ユーザは、例えば、外部装置500を操作して、光源装置2Aの設定モードの開始を指示する開始指示情報を外部装置500に送信させることができる。通信部210が開始指示情報を受信すると、光源装置2Aは動作モードを設定モードに設定する。また、ユーザは、外部装置500を操作して、光源装置2Aの設定モードを終了することを指示する終了指示情報を外部装置500に送信させることができる。通信部210が終了指示情報を受信すると、光源装置2Aは設定モードを終了する。
 設定モードの光源装置2Aは、ユーザの指示に応じて出射方向を設定する。ユーザは、外部装置500を操作して、出射方向をどの方向にどの程度変更するかを指示する方向変更指示情報を外部装置500に送信させることができる。設定モードの光源装置2Aでは、制御部28が、通信部210が受信する方向変更指示情報に応じて出射方向を変更する。これにより、ユーザは、外部装置500を通じて、光源装置2Aに出射方向を変更させることができる。また、ユーザは、外部装置500を操作して、励起光200の現在の出射方向を記憶することを指示する記憶指示情報を外部装置500に送信させることができる。通信部210が記憶指示情報を受信すると、制御回路23は、励起光200の現在の出射方向を基準出射方向として記憶する。
 図20は光源装置2Aの動作の一例を示すフローチャートである。図20に示されるように、ステップs1において通信部210が開始指示情報を受信すると、ステップs2において光源装置2Aは動作モードを設定モードに設定して、設定モードを開始する。そして、ステップs3において、制御部28は光源120に励起光200を出射させる。
 ステップs3の後、ステップs4において、通信部210が外部装置500から情報を受信すると、ステップs5において、制御回路23は、通信部210が受信した情報の種類を判定する。通信部210が受信した情報が方向変更指示情報である場合、ステップs6において、制御部28は、受信された方向変更指示情報に応じて出射方向を変更する。通信部210が受信した情報が記憶指示情報である場合、ステップs7において、制御部28は、励起光200の現在の出射方向を基準出射方向として記憶する。ステップs6の後にステップs4が実行されると、ステップs5が実行され、その後、光源装置2Aは同様に動作する。また、ステップs7の後にステップs4が実行されると、ステップs5が実行され、その後、光源装置2Aは同様に動作する。通信部210がステップs4で受信した情報が終了指示情報である場合、ステップs8において、制御回路23は走査範囲を決定する。そして、ステップs9において、光源装置2Aは設定モードを終了する。
 ユーザは、外部装置500に開始指示情報を送信させた後、照明部3の蛍光体部分30の表面において走査範囲とすべき領域(設定対象領域ともいう)の輪郭上に励起光200のスポットが位置するように、外部装置500を通じて光源装置2Aに出射方向を変更させる第1処理を行う。この第1処理に応じて、光源装置2Aでは、ステップs4,s5,s6が繰り返し実行される。ユーザは、設定対象領域の輪郭上に励起光200のスポットが位置するとき、外部装置500を操作して、外部装置500に記憶指示情報を送信させる第2処理を行う。この第2処理に応じて、光源装置2Aでは、ステップs4,s5,s7が順に実行される。ユーザは、設定対象領域の輪郭上の複数の点のそれぞれについて第1処理及び第2処理を行う。これより、制御回路23には、設定対象領域の輪郭上の複数の点にそれぞれ対応する複数の基準出射方向が記憶される。設定対象領域の輪郭上のある点に対応する基準出射方向は、当該ある点に励起光200のスポットが位置するようになる出射方向を意味している。
 ユーザは、設定対象領域の輪郭上の複数の点のそれぞれについて第1処理及び第2処理を行うと、外部装置500に終了指示情報を送信させる第3処理を行う。この第3処理に応じて、光源装置2Aでは、ステップs4,s5,s8,s9が順に実行される。ステップs8において、制御回路23は、設定対象領域の輪郭上の複数の点にそれぞれ対応する複数の基準出射方向に基づいて設定対象領域の輪郭を推定する。そして、制御回路23は、推定した輪郭内の領域を励起光200の走査範囲とする。これにより、励起光200の走査範囲が決定される。走査範囲が決定されると、ステップs9が実行されて、設定モードが終了する。設定モードが終了すると、光源装置2Aでは、制御部28は、設定モードで決定された走査範囲上で励起光200を走査して、照明部3に照明光300を出射させる。
 このように、光源装置2が利用されて走査範囲が決定されることから、照明システム1が実際に導入される場所で走査範囲を決定することができる。よって、必要な範囲だけを、励起光200が照射される被照射面130とすることができる。これにより、不要な箇所に励起光200が当たる可能性を低減することができる。
 図21は光源装置2の構成の他の一例を示す概略図である。図21に示される光源装置2(光源装置2Bともいう)は、ユーザからの指示なく自動で励起光200の走査範囲を決定することができる。図21に示されるように、光源装置2Bは、照明部3を撮影することが可能なカメラ211を備える。カメラ211は、蛍光体部分30の主面30aを撮影することが可能である。カメラ211は外装ケース25から露出している。制御回路23は、例えばカメラ211を制御することができる。
 図22は光源装置2Bの動作の一例を示すフローチャートである。ユーザは、上記の例と同様に、外部装置500に開始指示情報を送信させる。図22に示されるように、上述のステップs1及びs2が実行されて、光源装置2Bの動作モードが設定モードに設定される。ステップs2の後、ステップs13において、制御回路23はカメラ211を起動して、カメラ211に撮影を開始させる。次にステップs12において、制御回路23は、カメラ211で得られる撮影画像に基づいて走査範囲を決定する。具体的には、制御回路23は、撮影画像に対して画像処理を行うことによって、蛍光体部分30の主面30aの輪郭(言い換えればエッジ)を特定する。そして、制御回路23は、特定した輪郭内の領域を励起光200の走査範囲とする。走査範囲が決定されると、ステップs13において設定モードが終了する。
 このように、光源装置2Bでは、蛍光体部分30の表面を撮影するカメラ211で得られる撮影画像に基づいて走査範囲が決定される。これにより、走査範囲を適切に設定することができる。よって、例えば、不要な箇所に励起光200が当たる可能性を低減することができる。
 図23は、光源装置2の構成の他の一例を示す概略図である。図23に示される光源装置2(光源装置2Cともいう)は、光源装置2Bと同様に、ユーザからの指示なく自動で励起光200の走査範囲を決定することができる。
 図23に示されるように、光源装置2Cは光検出器212を備える。光検出器212は、例えば、励起光200についての蛍光体部分30からの戻り光を検出することができる。制御回路23は、例えば光検出器212を制御することが可能である。ユーザは、上記の例と同様に、外部装置500に開始指示情報を送信させる。
 図24は光源装置2Cの動作の一例を示すフローチャートである。図24に示されるように、上述のステップs1及びs2が実行されると、光源装置2Cの動作モードが設定モードに設定される。ステップs2の後、ステップs21において、制御回路23は光検出器212を起動する。
 ステップs21の後、ステップs22において、制御部28は、光源120を制御して、光源120に励起光200の出射を開始させる。このとき、励起光200の最大走査範囲の最初の位置に向かって励起光200が出射される。ステップs22の後、ステップs23において、制御回路23は、光検出器212の出力に基づいて、光検出器212が戻り光を検出したか否かを判定する。ステップs23においてYESと判定されると、ステップs24において、制御回路23は、現在の出射方向を基準出射方向として記憶する。ステップs24の後、ステップs25が実行される。基準出射方向は、励起光200が蛍光体部分30の主面30aに当たっているときの出射方向であると言える。ステップs23においてNOと判定されると、ステップs27が実行される。
 ステップs25では、制御回路23は、最大走査範囲の最後まで励起光200を走査したか否かを判定する。ステップs25においてNOと判定されると、ステップs26において、制御部28は出射方向を変更する。具体的には、制御部28は、出射方向を走査方向に沿って所定量だけ移動させる。ステップs26の後、再度ステップs23が実行され、以後、光源装置2Cは同様に動作する。
 ステップs26が繰り返し実行されることによって、励起光200が最大走査範囲の最初から最後まで走査される。そして、励起光200が最大走査範囲の最初から最後まで走査される間に、制御回路23は、蛍光体部分30の主面30aの複数の箇所にそれぞれ対応する複数の基準出射方向を記憶する。主面30aのある個所に対応する基準出射方向は、当該ある箇所に励起光200のスポットが位置するようになる出射方向を意味している。
 ステップs25においてYESと判定されると、ステップs27が実行される。ステップs27では、制御回路23は、蛍光体部分30の主面30aの複数の箇所にそれぞれ対応する複数の基準出射方向に基づいて、主面30aの輪郭を推定する。そして、制御回路23は、推定した輪郭内の領域を走査範囲とする。走査範囲が決定されると、ステップs28において設定モードが終了する。
 このように、光源装置2Cでは、励起光200についての蛍光体部分30からの戻り光を検出する光検出器212の検出結果に基づいて走査範囲が決定される。これにより、走査範囲を適切に設定することができる。よって、例えば、不要な箇所に励起光200が当たる可能性を低減することができる。
 なお、蛍光体部分30の表面において走査範囲とすべき設定対象領域の輪郭上に、光源装置2が走査範囲を決定するための複数の蛍光体マーカ360が設けられてもよい。図25は、主面30aに含まれる設定対象領域350の輪郭上に複数の蛍光体マーカ360が設けられている様子の一例を示す図である。なお、蛍光体マーカ360は、ビームウエスト径BDよりも大きくてよく、スポット径SDと同程度であればよい。
 蛍光体マーカ360は、励起光200の照射に応じて蛍光を発する。蛍光体マーカ360は、例えば、マトリックスと、当該マトリックに分散された複数の蛍光体とを備える。複数の蛍光体には、少なくとも1種類の蛍光体が含まれる。複数の蛍光体には、赤色蛍光体、緑色蛍光体、青色蛍光体、青緑色蛍光体及び黄色蛍光体の少なくとも1種類が含まれてもよい。
 蛍光体部分30の一部が蛍光体マーカ360として使用されてもよい。この場合、蛍光体マーカ360が発する蛍光の色は、蛍光体部分30のうち、蛍光体マーカ360以外の部分が発する蛍光の色と異なる。また、蛍光体マーカ360は、蛍光体部分30とは別に設けられてもよい。例えば、蛍光体マーカ360は、蛍光体部分30の主面30a上に設けられてもよい。この場合、蛍光体マーカ360が発する蛍光の色は、蛍光体部分30が発する蛍光の色と異なる。
 蛍光体部分30に複数の蛍光体マーカ360が設けられる場合には、光源装置2は、例えば、複数の蛍光体マーカ360の発光に基づいて走査範囲を決定する。図26は、カメラ211を有する上述の光源装置2Bが複数の蛍光体マーカ360の発光に基づいて走査範囲を決定する場合の光源装置2Bの動作の一例を示すフローチャートである。
 図26に示されるように、ステップs1,s2,s11が順次実行される。次にステップs41において、制御部28は、励起光200を最大走査範囲で走査する処理を繰り返し実行する。励起光200が最大走査範囲で走査されるときには、蛍光体部分30及び複数の蛍光体マーカ360に励起光200が照射される。
 次にステップs42において、制御回路23は、複数の蛍光体マーカ360の発光に基づいて走査範囲を決定する。具体的には、制御回路23は、複数の蛍光体マーカ360の発光が写る、カメラ211での撮影画像に基づいて、走査範囲を決定する。ステップs42では、まず、制御回路23は、複数の蛍光体マーカ360の発光が写る撮影画像に基づいて、設定対象領域350の輪郭を推定する。そして、制御回路23は、推定した輪郭内の領域を走査範囲とする。走査範囲が決定されると、ステップs43において設定モードが終了する。
 図27は、光検出器212を有する上述の光源装置2Cが複数の蛍光体マーカ360の発光に基づいて走査範囲を決定する場合の光源装置2Cの動作の一例を示すフローチャートである。ただし、図27の例では、光検出器212は、図24の例とは異なり、蛍光体マーカ360の発光(マーカ発光ともいう)を検出することができるものとする。
 図27に示されるように、ステップs1,s2,s21及びs22が順次実行される。ステップs22において励起光200の出射が開始する場合には、励起光200の最大走査範囲の最初の位置に向かって励起光200が出射される。
 ステップs22の後、ステップs51において、制御回路23は、光検出器212の出力に基づいて、光検出器212がマーカ発光を検出したか否かを判定する。ステップs51においてYESと判定されると、ステップs24が実行されて、現在の出射方向が基準出射方向として制御回路23に記憶される。本例での基準出射方向は、励起光200が蛍光体マーカ360に当たっているときの出射方向であると言える。よって、基準出射方向は、蛍光体マーカ360の位置に応じた情報となる。
 ステップs24の後、ステップs25が実行される。ステップs51においてNOと判定されると、ステップs25が実行される。ステップs25において、最大走査範囲の最後まで励起光200が走査されたと判定されると、ステップs52が実行される。一方で、ステップs25において、最大走査範囲の最後まで励起光200が走査されていないと判定されると、上述のステップs26が実行されて、出射方向が走査方向に沿って所定量だけ移動させられる。ステップs26の後、再度ステップs51が実行され、以後、光源装置2Cは同様に動作する。
 図27の例でも、ステップs26が繰り返し実行されることによって、励起光200が最大走査範囲の最初から最後まで走査される。そして、励起光200が最大走査範囲の最初から最後まで走査される間に、制御回路23は、複数の蛍光体マーカ360にそれぞれ対応する複数の基準出射方向を記憶する。蛍光体マーカ360に対応する基準出射方向は、当該蛍光体マーカ360に励起光200のスポットが当たるような出射方向となる。
 ステップs25においてYESと判定されると、ステップs52が実行される。ステップs52では、制御回路23は、複数の蛍光体マーカ360にそれぞれ対応する複数の基準出射方向に基づいて、設定対象領域350の輪郭を推定する。そして、制御回路23は、推定した輪郭内の領域を走査範囲とする。走査範囲が決定されると、ステップs53において設定モードが終了する。
 図26及び図27の例のように、複数の蛍光体マーカ360の発光に基づいて走査範囲が決定される場合には、走査範囲を自動的に適切に設定することができる。これにより、走査範囲が決定される際のユーザ負荷が低減する。また、例えば、不要な箇所に励起光200が当たる可能性を低減することができる。
 また、複数の蛍光体マーカ360の配置を変化させることによって、走査範囲を簡単に変更することができる。図25の例では、四角形の輪郭に沿って複数の蛍光体マーカ360が配置されているが、例えば、円の輪郭に沿って複数の蛍光体マーカ360が配置されることによって、円形の走査範囲を自動的に設定することができる。また、三角形の輪郭に沿って複数の蛍光体マーカ360が配置されることによって、三角形の走査範囲を自動的に設定することができる。
 図25の例では、蛍光体マーカ360の外形は円形であったが、蛍光体マーカ360の形状はこの限りではない。蛍光体マーカ360の外形は、四角形であってもよいし、ひし形であってもよいし、星形であってもよいし、他の形状であってもよい。蛍光体マーカ360として、小型のコーナーキューブや、ガラスビーズの様な再回帰性光学素子が用いられてもよい。再回帰性光学素子は、光源からの光を光源の方向に反射させる機能を持つ。蛍光体マーカ360として再回帰性光学素子が使用される場合、再回帰性光学素子により光源装置2の方向に反射された励起光200により、設定対象領域350の輪郭が推定される。
 なお、図21等の例のように、光源装置2が走査範囲を自動で決定する場合には、光源装置2は通信部210を備えなくてもよい。この場合、光源装置2では、例えば、光源装置2の動作モードを設定モードに切り替えるために操作スイッチが外装ケース25から露出するように設けられてもよい。
 <照明システムの他の例>
 上記の例では、照明部3に対して一つの光源装置2が励起光200を照射しているが、図28に示されるように、照明部3に対して複数の光源装置2が励起光200を照射してもよい。この場合、例えば、各光源装置2の励起光200の出力パワーを小さくすることができることから、各光源装置2の光学系121に必要な耐久性を抑えることができる。複数の光源装置2は、照明部3の同じ場所に対して励起光200を照射してもよいし、照明部3の互いに異なる場所に対して励起光200をそれぞれ照射してもよい。図28の例では、照明部3に対して2つの光源装置2が励起光200を照射しているが、照明部3に対して3つ以上の光源装置2が励起光200を照射してもよい。
 また、照明システム1は、図29に示されるように、例えば、光源120等を備える第1装置610と、照明部3に励起光200を照射する複数の第2装置620とを備えてもよい。第1装置610は、例えば、光源120と、それを駆動する駆動回路21と、制御回路23と、外装ケース611とを備える。また、第1装置610は、駆動回路21及び制御回路23に電源を供給する電源回路も備える。外装ケース611には、光源120、駆動回路21、制御回路23及び電源回が収容されている。
 各第2装置620は、例えば、光学系121と、光学系121のスキャナ123を駆動する駆動回路22と、外装ケース621とを備える。また、各第2装置620は、駆動回路22に電源を供給する電源回路も備える。外装ケース621には、光学系121、駆動回路22電源回が収容されている。
 第1装置610と、複数の第2装置620のそれぞれとは、例えば光ファイバカプラ630で接続されている。第1装置610の光源120が出力する励起光200は、光ファイバカプラ630を通じて、各第2装置620の光学系121に入力される。各第2装置620は、光学系121を通った励起光200を照明部3に照射する。また、制御回路23は、複数の第2装置620の駆動回路22のそれぞれに対して個別に制御信号230を出力することによって、複数の第2装置620の駆動回路22のそれぞれを個別に制御することができる。制御回路23が出力する制御信号230は、光ファイバカプラ630を通じて、各第2装置620の駆動回路22に入力される。制御回路23は、複数の第2装置620の光学系121のスキャナ123のそれぞれを個別に制御することができる。図29の例では、第1装置610の光源120と第2装置620の光学系121とで光源部20が構成される。
 図29の例では、例えば、第1装置610と第2装置620とを互いに離して配置することができることから、例えば、第2装置620を照明部3の位置に応じて配置し、第1装置610を照明部3の位置を気にせずに配置してもよい。例えば、第1装置610をメンテナンスし易い場所に配置してもよい。
 なお、図29の例では、第1装置610には、2つの第2装置620が接続されているが、3つ以上の第2装置620が接続されてもよい。また、図29の例では、複数の第2装置620は一つの照明部3に対して励起光200を照射しているが、図30に示されるように、複数の第2装置620は複数の照明部3に対してそれぞれ励起光200を照射してもよい。
 以上のように、照明システム1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
 1 照明システム
 3 照明部
 20 光源部
 28 制御部
 30 波長変換部(蛍光体部分)
 35 第1蛍光体部分
 36 第2蛍光体部分
 39 蛍光体部分
 120 光源
 124 拡散部
 130 被照射面
 121 光学系
 200 励起光
 300 照明光
 360 蛍光体マーカ

Claims (21)

  1.  第1波長スペクトルを有する第1光を出力する光源と、前記第1光が通る光学系とを有し、前記光学系を通った前記第1光を出射する光源部と、
     前記光源部から出射される前記第1光が照射され、前記第1光の照射に応じて前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する波長変換部を有し、前記第2光を含む照明光を出射する照明部と
    を備え、
     前記波長変換部は、前記第1光が照射される被照射面を有し、
     前記被照射面での前記第1光のスポット径は、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きい、照明システム。
  2.  第1波長スペクトルを有する第1光を出力する光源と、前記第1光が通る光学系とを有し、前記光学系を通った前記第1光を出射する光源部と、
     前記光源部から出射される前記第1光が照射され、前記第1光の照射に応じて前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発する波長変換部を有し、前記第2光を含む照明光を出射する照明部と
    を備え、
     前記波長変換部は、前記第1光が照射される被照射面を有し、
     前記光学系は、前記第1光を拡散する拡散部を含み、
     前記被照射面での前記第1光のスポット径は、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径以上である、照明システム。
  3.  請求項1または請求項2に記載の照明システムであって、
     前記光学系と前記被照射面との間に、前記ビームウエストの現実位置が存在する、照明システム。
  4.  請求項1または請求項2に記載の照明システムであって、
     前記被照射面に対して前記光学系側とは反対側に、前記ビームウエストの仮想位置が存在する、照明システム。
  5.  請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の照明システムであって、
     前記波長変換部は、前記被照射面を含む蛍光体部分を有し、
     前記蛍光体部分は、互いに異なるピーク波長を有する複数種類の蛍光体を含む、照明システム。
  6.  請求項5に記載の照明システムであって、
     前記蛍光体部分は、前記第1光が照射される第1部分及び第2部分を含み、
     前記第1部分及び前記第2部分のそれぞれは、前記複数種類の蛍光体の少なくとも2種類の蛍光体を含み、
     前記第1部分と前記第2部分の間では、前記少なくとも2種類の蛍光体の混合比が異なる、照明システム。
  7.  請求項5に記載の照明システムであって、
     前記蛍光体部分は、前記第1光が照射される第1部分及び第2部分を含み、
     前記第1部分は、前記複数種類の蛍光体の少なくとも1種類の蛍光体を含み、
     前記第2部分は、前記複数種類の蛍光体の少なくとも1種類の蛍光体を含み、
     前記第1部分は、前記第2部分には含まれない種類の蛍光体を含む、照明システム。
  8.  請求項6または請求項7に記載の照明システムであって、
     前記第1部分及び前記第2部分は互いに隣接しており、
     前記被照射面での前記第1光のスポット面積は、前記第1部分及び前記第2部分のそれぞれにおける、前記第1光が照射される面の面積よりも大きい、照明システム。
  9.  請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の照明システムであって、
     前記光学系から出射される前記第1光の出射方向及び出力パワーの少なくとも一方を制御する制御部を備える、照明システム。
  10.  請求項9に記載の照明システムであって、
     前記制御部は、前記出射方向を制御することによって、前記被照射面上で前記第1光を走査する、照明システム。
  11.  請求項10に記載の照明システムであって、
     前記制御部は、前記第1光の走査速度を制御する、照明システム。
  12.  請求項10または請求項11に記載の照明システムであって、
     前記制御部は、前記第1光の走査範囲を決定し、決定した前記走査範囲上で前記第1光を走査する、照明システム。
  13.  請求項12に記載の照明システムであって、
     前記波長変換部の表面には、前記第1光の照射に応じて蛍光を発する複数の蛍光体マーカが位置し、
     前記制御部は、前記複数の蛍光体マーカが発する蛍光に基づいて前記走査範囲を決定する。照明システム。
  14.  請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の照明システムであって、
     前記照明部は、前記照明光が出射される出射面を有し、
     前記出射面は自由曲面を含む、照明システム。
  15.  請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の照明システムであって、
     前記照明部は、前記照明光が出射される出射面を有し、
     前記出射面は、第1出射面及び第2出射面を含み、
     前記第1出射面から前記照明光が出射される第1方向と、前記第2出射面から前記照明光が出射される第2方向とは互いに異なる、照明システム。
  16.  請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の照明システムであって、
     前記第2波長スペクトルは、互いに異なる3つ以上の波長ピークを有する、照明システム。
  17.  光源が第1波長スペクトルを有する第1光を出力する第1工程と、
     前記第1光が光学系を通る第2工程と、
     前記光学系を通った前記第1光が照射される被照射面を有する照明部を、前記被照射面での前記第1光のスポット径が、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きくなるように配置するとともに、前記照明部に前記第1光を照射する第3工程と、
     前記照明部において、前記第1光の照射に応じて波長を変換する波長変換部を有するとともに、前記波長変換部に照射された前記第1光は、前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発し、前記第2光を含む照明光を出射する第4工程と
    を備えた、照明方法。
  18.  光源が第1波長スペクトルを有する第1光を出力する第1工程と、
     前記第1光が、前記第1光を拡散する拡散部を含む光学系を通る第2工程と、
     前記光学系を通った前記第1光が照射される被照射面を有する照明部を、前記被照射面での前記第1光のスポット径が、前記光学系を通った前記第1光のビームウエストの径よりも大きくなるように配置するとともに、前記照明部に前記第1光を照射する第3工程と、
     前記照明部において、前記第1光の照射に応じて波長を変換する波長変換部を有するとともに、前記波長変換部に照射された前記第1光は、前記第1波長スペクトルとは異なる第2波長スペクトルを有する第2光を発し、前記第2光を含む照明光を出射する第4工程とを備えた、照明方法。
  19.  請求項17または請求項18に記載の照明方法であって、
     前記第3工程では、前記光学系から出射される前記第1光の出射方向が制御されることによって、前記被照射面上で前記第1光が走査される、照明方法。
  20.  請求項19に記載の照明方法であって、
     前記第1光の走査範囲を決定する第5工程をさらに備え、
     前記第3工程では、決定された前記走査範囲上で前記第1光が走査される、照明方法。
  21.  請求項20に記載の照明方法であって、
     前記被照射面には、前記第1光の照射によって蛍光を発する複数の蛍光体マーカが位置し、
     前記第5工程では、前記複数の蛍光体マーカが発する蛍光に基づいて前記走査範囲が決定される、照明方法。
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