WO2022009783A1 - 情報処理装置、情報処理方法、及び音響出力装置 - Google Patents

Abstract

本開示にかかる情報処理装置は、出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理装置であって、仮想的な音場において複数の通知音が鳴る位置を複数の通知音ごとに異ならせて配置する通知音配置部を備える。

Description

情報処理装置、情報処理方法、及び音響出力装置

　本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び音響出力装置に関する。

　スマートフォン等の情報端末にヘッドフォンを装着して音楽等を鑑賞中に、情報端末のアプリケーションプログラムによって通知音が鳴らされることがある。この場合、通知音が鑑賞中の音楽と混ざり合って認知し難い場合がある。

特開２０１３－１６２２８４号公報

　本開示では、ヘッドフォン等を通じて鳴らされる通知音の認知性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法、及び音響出力装置を提供する。

　本開示にかかる情報処理装置は、出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理装置であって、仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する通知音配置部を備える。

　本開示にかかる情報処理装置、情報処理方法、及び音響出力装置によれば、ヘッドフォン等を通じて鳴らされる通知音の認知性を高めることができる。

本開示の実施形態１にかかる音響出力装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態１にかかる音響出力装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末に表示される通知音の設定画面の一例を示す図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末に表示される通知音の確認画面の一例を示す図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末に表示される通知音の設定画面の他の例を示す図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末に表示される通知音の確認画面の他の例を示す図である。 本開示の実施形態１にかかる情報端末による処理の手順の一例を示すフロー図である。 本開示の実施形態１の変形例１にかかる情報端末のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態１の変形例３にかかる情報端末のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態２にかかる情報端末であって、立体音響技術が適用されている場合のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。 本開示の実施形態２にかかる情報端末であって、２チャンネルステレオ技術が適用されている場合のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。

　以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。

［実施形態１］
　実施形態１について図面を用いて説明する。

（音響出力装置の構成例）
　図１は、本開示の実施形態１にかかる音響出力装置１のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図１に示すように、実施形態１の音響出力装置１は、情報端末１００及びヘッドフォン２００を備える。

　情報処理装置としての情報端末１００は例えばスマートフォン、携帯電話、またはタブレット等である。情報端末１００は、制御部１１０、入力装置１０６、及び表示装置１０７を備える。

　制御部１１０は、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）１０１、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）１０２、ＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）１０３、記憶装置１０４、及びＩ／Ｏ（Ｉｎ／Ｏｕｔ）ポート１０５を備えるコンピュータとして構成されている。

　ＣＰＵ１０１は、例えばＲＯＭ１０２に格納されている各種プログラムを読み出してＲＡＭ１０３上に展開し、それらのプログラムにしたがって動作する。これにより、ＣＰＵ１０１は、情報処理装置としての種々の機能を実現することができる。

　ＲＯＭ１０２には、例えばＯＳ（Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ　Ｓｙｓｔｅｍ）等の基本プログラム１０８をはじめ、ＣＰＵ１０１において実行される種々のアプリケーションプログラム等が格納されている。基本プログラム１０８は、情報端末１００の全体を動作させ、また、情報端末１００上で様々なアプリケーションプログラムを動作させるためのプログラムである。

　ＣＰＵ１０１において実行される種々のアプリケーションプログラムの中には、メールを受信したこと、電話の着信があったこと等をユーザに知らせる各種の通知音を発信可能なプログラムがある。基本プログラム１０８は、例えば３次元的な広がりを有する仮想空間である音場を設定し、その音場において、上記のアプリケーションプログラムによる各種の通知音が鳴る位置を配置する機能を有する。これにより、各種の通知音がヘッドフォン２００から出力された場合、ユーザには、それぞれの通知音が異なる方向から異なる距離（近さ／遠さ）で聴こえるように感じられる。

　基本プログラム１０８のこのような機能は、例えば音を再生する際に３次元的な方向、距離、及び広がりを疑似的に再現する立体音響技術を用いて実現される。立体音響技術は、３Ｄオーディオ技術、またはＶＰＴ（Ｖｉｒｔｕａｌｐｈｏｎｅｓ　Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ）などとも呼ばれることがある。

　記憶装置１０４は、例えばＨＤＤ（Ｈａｒｄ　Ｄｉｓｋ　Ｄｒｉｖｅ）またはＳＤＤ（Ｓｏｌｉｄ　Ｓｔａｔｅ　Ｄｒｉｖｅ）等であり、補助記憶領域として使用される。

　Ｉ／Ｏポート１０５は、情報端末１００の外部機器であるヘッドフォン２００等に接続され、通知音等を含む各種音響データをヘッドフォン２００へと送信する。

　入力装置１０６は、ユーザが各種指示を入力可能な装置である。入力装置１０６は、例えばタッチ式パネル等のように表示装置１０７と一体に構成されていてもよい。

　表示装置１０７は、例えば液晶ディスプレイ（ＬＣＤ：Ｌｉｑｕｉｄ　Ｃｒｙｓｔａｌ　Ｄｉｓｐｌａｙ）または有機ＥＬ（Ｅｌｅｃｔｒｏ　Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）ディスプレイ等であり、ユーザに対して種々の情報を表示する。

　出力装置としてのヘッドフォン２００は、例えばユーザの左右の耳に装着可能な２つのスピーカを備える。ヘッドフォン２００は、例えば情報端末１００に接続され、情報端末１００から送信される音響データに基づいて種々の音響を出力する。

　なお、情報端末１００は、上記に挙げたスマートフォン、携帯電話、及びタブレット等のほか、例えばパーソナルコンピュータ、スマートスピーカ、またはテレビジョン装置等として構成されていてもよい。

　また、上記に挙げた入力装置１０６は、キーボードまたはマウス等の情報端末１００とは別体の外部機器として構成され、情報端末１００に接続されていてもよい。表示装置１０７が、情報端末１００とは別体の外部機器として構成され、情報端末１００に接続されていてもよい。

　また、上記に挙げたヘッドフォン２００の代わりに、イヤフォン、またはステレオコンポーネント機器のスピーカ等が情報端末１００に接続された構成であってもよい。スピーカは３つ以上であってもよい。複数のスピーカが、情報端末１００と一体に構成されていてもよい。

　以上のように、音響出力装置１は種々のハードウェア構成を取り得る。

　図２は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図２に示すように、情報端末１００は、ソフトウェア構成として、アプリケーションレイヤ４００と、基本プログラム（ＯＳ）レイヤ３００と、を含む。

　アプリケーションレイヤ４００には、情報端末１００により実行される種々のアプリケーションプログラムが含まれる。図２の例では、アプリケーションレイヤ４００に含まれるアプリケーションプログラムとして、例えばミュージックプレイヤ４０１、Ａアプリ４０２、Ｂアプリ４０３、ミュージックプレイヤ４０４、及び通知設定アプリ４０５がある。

　ミュージックプレイヤ４０１は、例えば２チャンネルステレオ向けの鑑賞用コンテンツとしての音楽を再生可能なアプリケーションプログラムである。

　Ａアプリ４０２は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ（Ｕｓｅｒ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）、及び通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。Ａアプリ４０２は、例えば２チャンネルステレオ向けの通知音を発信可能である。

　Ｂアプリ４０３は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。Ｂアプリ４０３は、例えば３Ｄオーディオ向けの通知音を発信可能である。

　ミュージックプレイヤ４０４は、例えば３Ｄオーディオ向けの鑑賞用コンテンツとしての音楽を再生可能なアプリケーションプログラムである。

　なお、音楽以外の鑑賞用コンテンツを再生可能なアプリケーションプログラムとして、例えばゲーム遊興用のアプリケーションプログラム、及び動画像視聴用のアプリケーションプログラム等がアプリケーションレイヤ４００に含まれていてもよい。この場合、鑑賞用コンテンツとして、ゲーム及び動画像に含まれる音声、ＢＧＭ、効果音等をこれらのアプリケーションプログラムが再生可能であってよい。

　また、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３により発信される通知音の例としては、例えばメールまたはメッセージ等の受信を知らせる通知音、電話の着信を知らせる通知音、ＳＮＳ（Ｓｏｃｉａｌ　Ｎｅｔｗｏｒｋｉｎｇ　Ｓｅｒｖｉｃｅ）等に投稿があったことを知らせる通知音、ユーザが設定した時刻になったことを知らせる通知音等が挙げられる。このような通知音の種類としては、例えばメロディ、チャイム、アラーム音、及び音声等がある。

　ユーザが、これらの通知音に対して、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３上で設定可能な項目としては、例えば通知音のオン／オフ、通知音の種類の選択、及び通知音の音量等がある。同一のアプリケーションプログラム上であっても、通知音の通知内容によって上記の設定を異ならせることが可能であってもよい。これについては、例えばメールの受信を知らせる通知音について、友人からのメールの場合と上司からのメールの場合とで通知音の種類を異ならせる等の例が挙げられる。

　通知設定アプリ４０５は、例えば上述の基本プログラム１０８（図１参照）における標準アプリケーションプログラムである。通知設定アプリ４０５は、通知音配置設定機能等を備え、また、個人適正化情報等を保持し、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３等の各種の通知音について、ユーザによる種々の設定を可能にする、所謂、ユーザインターフェース（ＵＩ：Ｕｓｅｒ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）である。

　通知設定アプリ４０５上で、ユーザは、上述の仮想的な音場の所望の位置に所望の通知音を配置する設定を行うことができる。これにより、ユーザは、それぞれの通知音が聴こえる方向、距離、及び音量等を調整することができる。通知音の音量について、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３等のアプリケーションプログラム上でも設定がなされていた場合には、通知設定アプリ４０５上での設定が優先されるようになっていてもよい。

　通知設定アプリ４０５は、取得したユーザ設定に基づいて、各種の通知音について、仮想的な音場にそれらの通知音が鳴る位置が配置された音場情報３１１をそれぞれ生成する。音場情報３１１は、同じアプリケーションプログラムによる複数の通知音であっても、それぞれの通知音に対して生成されてもよい。

　個人適正化情報は、上述の立体音響技術等を用いた通知音の音場における配置設定をユーザごとに適正化するための情報を含む。ユーザの左右の耳に音がどのように届くかは個々人のユーザによって異なり、例えば頭部伝達関数（ＨＲＴＦ：Ｈｅａｄ　Ｒｅｌａｔｅｄ　Ｔｒａｎｓｆｅｒ　Ｆｕｎｃｔｉｏｎ）によって表すことができる。個人適正化情報は、個々人のユーザに対して適正化された頭部伝達関数を含む。個々のユーザは、通知設定アプリ４０５における初期設定等で、頭部伝達関数の適正化を行って、個人適正化情報を生成することができる。

　個人適正化情報の生成にあたっては、例えば頭部伝達関数の適正化するため所定の測定が行われる。測定方法の一例としては、例えば所定の閉環境内でテスト音を出力し、閉環境内にいるユーザの耳へのテスト音の響き方を、ユーザが装着したイアマイクロフォン等により集音する方法がある。これに加えて、イアマイクロフォンを装着したダミー人形を様々な環境下に配置し、それらの環境下で出力されたテスト音を集音してもよい。

　上記により、例えばユーザに装着したイアマイクロフォンの集音結果から、あるいは、前記の集音結果に加えてダミー人形に装着したイアマイクロフォンの集音結果も参照して、頭部伝達関数を適正化することができる。

　また、より簡便な測定方法としては、例えばユーザ自身が撮像したユーザの耳の撮像データに基づいて、推定により頭部伝達関数を適正化してもよい。

　基本プログラムレイヤ３００において、基本プログラム１０８は、種々のアプリケーションプログラムによる各種の通知音を含む音響データを一括して処理するための種々の機能を発揮する。

　例えば、基本プログラム１０８は、Ｂアプリ４０３の３Ｄオーディオ向けの通知音、及びミュージックプレイヤ４０４の３Ｄオーディオ向けの音楽を２チャンネルステレオとしてヘッドフォン２００から出力するため、デコード処理３０２、レンダリング処理３０３、及びバーチャライズ処理３０４等を行う機能を有する。

　ここで、バーチャライズ処理３０４は、仮想的に設定された音場に、ユーザ設定に基づいて発信対象の通知音が鳴る位置を配置する処理である。

　また、Ａアプリ４０２が発信する通知音は２チャンネルステレオ向けである。基本プログラム１０８は、Ａアプリ４０２の通知音も、Ｂアプリ４０３の３Ｄオーディオ向けの通知音等と共に一括して処理するため、Ａアプリ４０２の通知音データに対して、一旦、アップコンバート処理３０１を行った後、デコード処理３０２、レンダリング処理３０３、及びバーチャライズ処理３０４等を行う。

　基本プログラム１０８は、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３の通知音データに対してバーチャライズ処理３０４をする際には、通知設定アプリ４０５が生成した音場情報３１１のうち、処理対象の通知音データに対応する音場情報３１１を用いてバーチャライズ処理３０４を行う。

　基本プログラム１０８は、ミュージックプレイヤ４０４の音楽データ等に対してバーチャライズ処理３０４をする際には、ミュージックプレイヤ４０４の指示に基づいてバーチャライズ処理３０４を行う。これにより、音楽データに含まれる複数チャンネルの音響のそれぞれが音場の所定位置に配置される。

　通知音データ及び音楽データのいずれのバーチャライズ処理３０４においても、基本プログラム１０８は、通知設定アプリ４０５が保有する個人適正化情報から、個々のユーザに対して適正化された頭部伝達関数（ＨＲＴＦ）３１２を抽出し、頭部伝達関数３１２に基づいて、個々のユーザに適合するようバーチャライズ処理３０４を行う。

　基本プログラム１０８は、バーチャライズ処理３０４を施したＡアプリ４０２及びＢアプリ４０３の通知音データ、並びにミュージックプレイヤ４０４の音楽データと、ミュージックプレイヤ４０１の未処理の２チャンネルステレオ向けの音楽データとのうち、出力対象となっているデータを混ぜ合わせるミキシング処理３０５をして出力する。

　図３は、本開示の実施形態１にかかる音響出力装置１の機能構成の一例を示すブロック図である。

　図３に示すように、例えば情報端末１００のＣＰＵ１０１が基本プログラム１０８を実行することにより、制御部１１０には、機能構成として、表示制御部１１１、入力受付部１１２、設定制御部１１３、通知音配置部１１４、出力制御部１１５、個人適正化情報格納部１１６、及び音場情報格納部１１７が実現される。

　表示制御部１１１は、表示部１２０を制御して種々の情報を表示させる。表示部１２０は、例えば基本プログラム１０８を実行するＣＰＵ１０１の制御下にある表示装置１０７によって実現される。

　入力受付部１１２は、入力部１３０を制御して、ユーザ等による入力部１３０からの各種指示等の入力を受け付ける。入力部１３０は、例えば基本プログラム１０８を実行するＣＰＵ１０１の制御下にある入力装置１０６によって実現される。

　設定制御部１１３は、アプリケーションプログラムにしたがって生成される各種の通知音に関し、ユーザによる種々の設定を可能にするＵＩ機能を有する。設定制御部１１３は、ユーザによる各種設定に基づき音場情報を生成し、音場情報格納部１１７に格納する。

　音場情報は例えば複数の通知音ごとに生成され、仮想的な音場において個々の通知音が鳴る位置の設定情報を含む。音場情報においては、所定の通知音が鳴る位置が、例えば音場における座標等で表されている。

　通知音配置部１１４は仮想的な音場を設定する。仮想的な音場は、例えばヘッドフォン２００を装着したユーザの頭部を中心とする３次元的な広がりを有する仮想空間である。また、通知音配置部１１４は、音場情報格納部１１７に格納される音場情報に基づいて、上記の仮想的な音場において各種の通知音が鳴る位置を配置して、通知音を含む音響データを生成する。

　その際、通知音配置部１１４は、個人適正化情報格納部１１６に格納される個人適正化情報に基づいて、各種の通知音の配置を調整する。通知音配置部１１４が、個人適正化情報に基づいて個々のユーザに合わせて通知音の配置を調整することで、設定した通知音の聴こえ方に個人差による誤差が生じてしまうのを抑制することができる。

　出力制御部１１５は、通知音配置部１１４が生成した音響データに基づいて、例えば通知音を含む音響を出力部２１０から出力させる。これにより、ユーザには、仮想的な音場内の異なる位置でそれぞれの通知音が鳴っているかのように聴こえる。出力部２１０は、例えば基本プログラム１０８を実行するＣＰＵ１０１の制御下にあるヘッドフォン２００によって実現される。

　個人適正化情報格納部１１６には、個人適正化情報が格納されている。

　音場情報格納部１１７には、各種の通知音の配置等のユーザによる設定に基づく音場情報が格納される。音場情報は、例えば情報端末１００が有する各種のアプリケーションプログラムごとに生成され、音場情報格納部１１７に格納されることができる。また、個々の音場情報には、１つのアプリケーションプログラムによって生成される複数の通知音のそれぞれの配置の設定が含まれていてもよい。

　個人適正化情報格納部１１６及び音場情報格納部１１７は、例えば基本プログラム１０８を実行するＣＰＵ１０１の制御下にある記憶装置１０４によって実現される。

（情報端末の機能例）
　次に、図４～図７を用いて、実施形態１の情報端末１００の機能例について説明する。図４は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００に表示される通知音の設定画面１２１の一例を示す図である。

　図４に示すように、ユーザは、例えば情報端末１００の通知設定アプリ４０５（図２参照）を立ち上げて、情報端末１００の表示装置１０７に通知音の設定画面１２１を表示させることができる。通知設定アプリ４０５は、通知音の設定画面１２１上において、ユーザが様々な設定を行うことを可能にする。

　以上の内容を、上述の図３の構成に基づいて説明することもできる。ユーザが、情報端末１００の入力部１３０から、通知音の設定画面１２１を表示させる指示を入力すると、情報端末１００の制御部１１０が備える入力受付部１１２が、ユーザの指示を受け付ける。また、表示制御部１１１は、入力受付部１１２が受け付けたユーザの指示にしたがって、表示部１２０に通知音の設定画面１２１を表示させる。設定制御部１１３は、通知音の設定画面１２１上において、ユーザが様々な設定を行うことを可能にする。

　通知音の設定画面１２１には、例えば通知音配置部１１４により設定される音場に見立てた球体ＳＦＳが表示される。この場合、球体ＳＦＳの中心部がユーザの頭部位置に相当する。また、通知音の設定画面１２１には、通知音がユーザに聴こえる方向として、例えばプリセットされた複数の方向を含む選択画面ＰＳａが表示される。ここで、選択画面ＰＳａにある「通知音がユーザに聴こえる方向」とは、音場において通知音が鳴る位置を、ユーザを主体に表現した表示である。

　ユーザは、選択画面ＰＳａの中から、現在の設定対象となっている通知音について、プリセットされたいずれかの方向を選択することができる。また、ユーザは、球体ＳＦＳの周囲のＸ方向の矢印ＡＸｐ、ＡＸｍ、Ｙ方向の矢印ＡＹｐ、ＡＹｍ、及びＺ方向の矢印ＡＺｐ、ＡＺｍをタップして、通知音が聴こえる方向を微調整することができる。

　これら一連のユーザによる操作において、球体ＳＦＳの中には通知音が鳴る位置を示すポイントＰＮＴが表示される。また、球体ＳＦＳ内のＸ軸、Ｙ軸、及びＺ軸に、球体ＳＦＳ内におけるポイントＰＮＴのＸ座標、Ｙ座標、及びＺ座標を示すバーＢＲｘ，ＢＲｙ、ＢＲｚがそれぞれ表示される。

　ポイントＰＮＴの位置は、ユーザの操作に応じて移動するとともに、バーＢＲｘ，ＢＲｙ、ＢＲｚの長短も変化する。また、ユーザの操作により、ポイントＰＮＴの位置が移動するごとに、球体ＳＦＳ内におけるポイントＰＮＴの位置に対応する音場内における位置で通知音が鳴る。これにより、ユーザは、設定した位置で通知音が鳴った場合、どのように聴こえるかを確認することができる。

　通知音の設定画面１２１におけるこれらの表示は、例えば設定制御部１１３の指示に基づいて、表示制御部１１１により制御される。ただし、設定制御部１１３の指示に基づいて表示される通知音の設定画面１２１は図４の例に限られない。音場における通知音の鳴る位置を、ユーザが視覚的または直感的に把握することができ、ユーザによる通知音の設定を補助することが可能であれば、通知音の設定画面の表示および操作手法はどのようなものであってもよい。

　設定制御部１１３は、現在の設定対象となっている通知音の鳴る位置が、例えば既に設定済みの他の通知音の設定位置に対して所定範囲内に近接して設定されようとした場合には、アラーム、音声、及びメッセージ等の少なくともいずれかによる警告を発する。これにより、２つ以上の通知音の音場における設定位置が近すぎて、ユーザがこれらの通知音を聴き分けられないという事態が起きるのを抑制できる。

　また、設定制御部１１３は、ユーザによる各種の通知音ごとの設定内容を含む音場情報を生成し、音場情報格納部１１７に格納する。音場情報において、各種通知音が鳴る位置は、例えば音場内の座標で表されている。

　実際に、出力部２１０から通知音を出力する際には、通知音配置部１１４が、出力させる通知音の音場情報を参照して、仮想的な音場内に通知音が鳴る位置を配置する。また、通知音配置部１１４は、個人適正化情報格納部１１６に格納される個人適正化情報に基づいて、通知音の設定を行ったユーザに適合するように通知音が鳴る位置を調整する。

　ユーザは、以上のように設定された複数の通知音の音場における設定位置を通知設定アプリ４０５上で確認することも可能である。図５は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００に表示される通知音の確認画面１２２の一例を示す図である。

　図５に示すように、通知設定アプリ４０５は、ユーザからの指示にしたがって、情報端末１００の表示装置１０７に通知音の確認画面１２２を表示させる。換言すれば、ユーザが、情報端末１００の入力部１３０から、通知音の確認画面１２２を表示させる指示を入力すると、情報端末１００の制御部１１０が備える入力受付部１１２が、ユーザの指示を受け付ける。また、表示制御部１１１は、入力受付部１１２が受け付けたユーザの指示にしたがって、表示部１２０に通知音の確認画面１２２を表示させる。

　通知音の確認画面１２２には、例えば通知音配置部１１４により設定される音場に見立てた球体ＳＦＳが表示される。球体ＳＦＳの中には、各種の通知音が鳴る位置に、例えばそれらの通知音に対応するアプリケーションプログラムのアイコンＩＣａ～ＩＣｅが表示される。これらのアイコンＩＣａ～ＩＣｅの表示位置は、例えば設定制御部１１３が、音場情報格納部１１７の複数の音場情報から取得した情報に基づいて、表示制御部１１１によって決定される。

　このような通知音の確認画面１２２により、ユーザは、音場における各種の通知音が鳴る位置の対応関係を視覚的に確認することができる。したがって、通知音の確認画面１２２からも、互いに重なり合ったりして聴き分け難い通知音がないかを確認することができる。

　ただし、通知音の確認画面１２２は図５の例に限られない。複数の通知音の音場における位置関係を、ユーザが視覚的または直感的に把握することが可能であれば、通知音の確認画面の表示はどのようなものであってもよい。

　ところで、通知音配置部１１４は、音場において各種の通知音が鳴る位置を静的に配置するだけでなく、動的に配置することが可能であってもよい。音場において通知音の鳴る位置が動的に配置されると、ユーザには、その通知音が音場内を移動しながら鳴らされているかのように聴こえる。人間工学的に、動きのあるものに対しては認知性がいっそう高まるとされている。通知音を動的に配置する機能は、このような理論に基づく。

　図６は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００に表示される通知音の設定画面１２３の他の例を示す図である。図６に示す通知音の設定画面１２３において、設定制御部１１３は、各種の通知音が鳴る位置を動的に配置させる設定をユーザが行うことを可能にする。

　図６に示すように、通知音の設定画面１２３には、例えば通知音配置部１１４により設定される音場に見立てた球体ＳＦＳが表示される。また、通知音の設定画面１２３には、ユーザに聴こえる通知音の動きとして、例えばプリセットされた複数の動きを含む選択画面ＰＳｂが表示される。

　ユーザは、選択画面ＰＳｂの中から、現在の設定対象となっている通知音について、プリセットされたいずれかの動きを選択することができる。ユーザがいずれかの動きを選択すると、通知音が鳴る位置の動きを表す軌跡ＯＢが表示される。軌跡ＯＢ上にはポイントＰＮＴも表示される。また、球体ＳＦＳ内における軌跡ＯＥＢに対応するように、音場内を移動しながら通知音が鳴る。これにより、ユーザは、設定した動きで通知音が鳴った場合、どのように聴こえるかを確認することができる。

　通知音の設定画面１２３におけるこれらの表示は、例えば設定制御部１１３の指示に基づいて、表示制御部１１１により制御される。ただし、設定制御部１１３の指示に基づいて表示される通知音の設定画面１２３は図６の例に限られない。音場における通知音の鳴る位置の動きを、ユーザが視覚的または直感的に把握することができ、ユーザによる通知音の設定を補助することが可能であれば、通知音の設定画面の表示および操作手法はどのようなものであってもよい。

　設定制御部１１３は、現在の設定対象となっている通知音の鳴る位置の動きが、例えば既に設定済みの他の通知音と重複して設定されようとした場合には、アラーム、音声、及びメッセージ等の少なくともいずれかによる警告を発する。これにより、２つ以上の通知音の音場における軌跡が重なり合って、ユーザがこれらの通知音を聴き分けられないという事態が起きるのを抑制できる。

　また、設定制御部１１３は、ユーザによる各種の通知音ごとの設定内容を含む音場情報を生成し、音場情報格納部１１７に格納する。音場情報において、各種通知音の軌跡は、例えば音場内の座標で表されている。

　実際に、出力部２１０から通知音を出力する際には、通知音配置部１１４が、出力させる通知音の音場情報を参照して、仮想的な音場内に通知音が鳴る位置の軌跡を配置する。また、通知音配置部１１４は、個人適正化情報格納部１１６に格納される個人適正化情報に基づいて、通知音の設定を行ったユーザに適合するように通知音が鳴る位置の軌跡を調整する。

　ユーザは、以上のように設定された複数の通知音の音場における軌跡を通知設定アプリ４０５上で確認することも可能である。図７は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００に表示される通知音の確認画面１２４の他の例を示す図である。

　図７に示すように、通知設定アプリ４０５は、ユーザからの指示にしたがって、情報端末１００の表示装置１０７に通知音の確認画面１２４を表示させる。換言すれば、ユーザが、情報端末１００の入力部１３０から、通知音の確認画面１２２を表示させる指示を入力すると、情報端末１００の制御部１１０が備える入力受付部１１２が、ユーザの指示を受け付ける。また、表示制御部１１１は、入力受付部１１２が受け付けたユーザの指示にしたがって、表示部１２０に通知音の確認画面１２２を表示させる。

　通知音の確認画面１２４には、例えば通知音配置部１１４により設定される音場に見立てた球体ＳＦＳが表示される。球体ＳＦＳの中には、各種の通知音が鳴る位置の移動を示す軌跡ＯＢｆ～ＯＢｈ上に、例えばそれらの通知音に対応するアプリケーションプログラムのアイコンＩＣｆ～ＩＣｈが表示される。これらの軌跡ＯＢｆ～ＯＢｈ及びアイコンＩＣｆ～ＩＣｈの表示位置は、例えば設定制御部１１３が、音場情報格納部１１７の複数の音場情報から取得した情報に基づいて、表示制御部１１１によって決定される。

　このような通知音の確認画面１２４により、ユーザは、音場における各種の通知音の軌跡の対応関係を視覚的に確認することができる。したがって、通知音の確認画面１２４からも、互いに軌跡が重なり合ったりして聴き分け難い通知音がないかを確認することができる。

　ただし、通知音の確認画面１２４は図７の例に限られない。複数の通知音の音場における軌跡の位置関係を、ユーザが視覚的または直感的に把握することが可能であれば、通知音の確認画面の表示はどのようなものであってもよい。

（情報端末による処理例）
　次に、図８を用いて実施形態１の情報端末１００による処理例について説明する。図８は、本開示の実施形態１にかかる情報端末１００による処理の手順の一例を示すフロー図である。なお、図８に示す処理の際、情報端末１００の個人適正化情報格納部１１６には、予め個人適正化情報が格納されているものとする。

　図８に示すように、ユーザが情報端末１００の入力部１３０から通知音の設定画面または確認画面を表示させる指示を入力すると、入力受付部１１２はユーザによる指示を受け付ける（ステップＳ１０１）。

　入力受付部１１２が受け付けた指示が通知音の確認画面の表示指示であった場合（ステップＳ１０２：確認画面）、設定制御部１１３は、音場情報格納部１１７から個々の通知音についての音場情報を取得する（ステップＳ１０３）。

　設定制御部１１３は、取得した音場情報に基づいて、既に設定済みの通知音の位置が示された確認画面を表示するよう表示制御部１１１に指示を出す。表示制御部１１１は、設定制御部１１３からの指示にしたがって、表示部１２０に通知音の確認画面を表示させる（ステップＳ１０４）。

　入力受付部１１２が受け付けた指示が通知音の設定画面の表示指示であった場合（ステップＳ１０２：設定画面）、表示制御部１１１は、表示部１２０に通知音の設定画面を表示させる（ステップＳ１０５）。

　通知音の設定画面においてユーザが各種の設定を行うと、入力受付部１１２はユーザによる各種設定を受け受ける（ステップＳ１０６）。このとき、設定制御部１１３は、入力部１３０からのユーザの各種操作に応じて設定画面を変化させるよう表示制御部１１１に指示を出す。表示制御部１１１は、設定制御部１１３からの指示にしたがって、ユーザの各種操作に応じた画面が表示されるよう表示部１２０を制御する。

　設定制御部１１３は、設定対象の通知音に対してユーザが設定しようとしている位置または軌跡等が、既に設定済みの他の通知音の位置または軌跡等と近接していないかを判定する（ステップＳ１０７）。他の通知音と所定範囲内に近接していなければ（ステップＳ１０７：Ｎｏ）、設定制御部１１３はステップＳ１０９へと処理を進める。

　他の通知音と所定範囲内に近接していた場合（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、設定制御部１１３は、アラーム、音声、及びメッセージ等による警告を発し（ステップＳ１０８）、ユーザに設定の再入力をさせる（ステップＳ１０６）。

　設定制御部１１３は、入力受付部１１２が受け付けたユーザからの設定内容に基づいて、仮想的な音場における設定対象の通知音の鳴る位置または軌跡等を含む音場情報を生成する（ステップＳ１０９）。設定制御部１１３は、生成した音場情報を音場情報格納部１１７に格納する（ステップＳ１１０）。

　通知音配置部１１４は、いずれかのアプリケーションプログラムから所定内容の通知音の発信指示があったか否かを判定する（ステップＳ１１１）。いずれのアプリケーションプログラムからも通知音の発信指示がなければ（ステップＳ１１１：Ｎｏ）、通知音配置部１１４は、アプリケーションプログラムからの通知音の発信指示を待ち受ける。

　いずれかのアプリケーションプログラムから通知音の発信指示があった場合には（ステップＳ１１１：Ｙｅｓ）、通知音配置部１１４は、音場情報格納部１１７を参照し、発信指示を受けた通知音の音場情報に基づいて発信対象の通知音を音場に配置する（ステップＳ１１２）。

　通知音配置部１１４は、個人適正化情報格納部１１６を参照し、上記の通知音の設定をしたユーザの個人適正化情報に基づいて、そのユーザに適合するように音場における上記通知音の位置を調整する（ステップＳ１１３）。

　通知音配置部１１４は、ミュージックプレイヤ４０４（図２参照）等による音楽などの鑑賞用コンテンツが再生中であれば（ステップＳ１１４：Ｙｅｓ）、音場に配置した通知音のデータと鑑賞用コンテンツのデータとをミックスし（ステップＳ１１５）、再生中でなければ（ステップＳ１１４：Ｎｏ）通知音のデータのみを用いて、音響データを生成する（ステップＳ１１６）。

　通知音配置部１１４は、生成した音響データを出力制御部１１５に渡し、出力制御部１１５は、通知音配置部１１４からの音響データを出力部２１０に送信して出力させる（ステップＳ１１７）。

　以上により、実施形態１の情報端末１００による処理が終了する。

（概括）
　スマートフォン等の情報端末にヘッドフォンを装着して音楽等の鑑賞用コンテンツを聴く際、ユーザは情報端末の画面を見ていないことが多い。そこで、各種アプリケーションプログラムは様々な通知音を用意している。しかしながら、通知音が音楽等の鑑賞用コンテンツと混ざると認知し難く、通知音を聞き逃してしまう場合がある。また、アプリケーションプログラムごと、または通知の内容ごとに複数の通知音が用いられるため、情報端末の画面を確認することなく通知音同士を区別することが困難な場合もある。

　近年では、音楽等の鑑賞用コンテンツの再生に立体音響技術等を用いることなども提唱されてきている。このため、鑑賞用コンテンツにおける音響に広がり感があり、鑑賞用コンテンツの再生中に通知音を鳴らしても、鑑賞用コンテンツの音響に溶け込んでしまいやすく、如何に通知音の認知性を高めるかという課題が顕在化しやすい傾向にある。

　実施形態１の情報端末１００によれば、仮想的な音場において複数の通知音が鳴る位置を複数の通知音ごとに異ならせて配置する。これにより、例えば鑑賞用コンテンツと混ざり合った場合でも、ヘッドフォン等を通じて鳴らされる通知音に演出効果を持たせることができ、通知音の認知性を高めることができる。よって、通知音を聞き逃してしまうことを抑制できる。また、アプリケーションプログラムごと、または通知の内容ごとに鳴らされる複数の通知音を、情報端末１００の画面を確認することなく区別することが容易になる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、複数の通知音の少なくとも１つの通知音が音場において鳴る位置を動的に配置する。音場において鳴る位置を動的に配置された通知音は、通知音が音場内を移動しながら鳴らされているかのようにヘッドフォン２００から出力される。これにより、ヘッドフォン２００を通じて鳴らされる通知音の演出効果がいっそう増して、通知音の認知性をよりいっそう高めることができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、音場における複数の通知音の鳴る位置をユーザに設定させる設定制御部を備える。これにより、ユーザは、仮想的な音場において所望の通知音を所望の位置に配置することができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、音場における複数の通知音の鳴る位置として、プリセットされた位置をユーザに選択させる。これにより、ユーザの負担が軽減され、ユーザは簡便に通知音についての設定を行うことができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、ユーザに、音場における複数の通知音の鳴る位置を、プリセットされた位置から微調整させる。これにより、通知音の設定画面１２１，１２３のユーザビリティが向上し、ユーザが、より要望に合った設定を行うことができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、音場における複数の通知音の鳴る位置が所定範囲内に近接して設定されようとした場合に警告を発する。これにより、複数の通知音が鳴る位置が音場内で近接しすぎ、通知音同士を聴き分けられないという不都合が生じるのを抑制することができる。よって、適正にユーザを補助することができ、ユーザビリティが向上する。

　実施形態１の情報端末１００によれば、複数のアプリケーションプログラムによってそれぞれ発信される複数の通知音が音場において鳴る位置を一括してユーザに設定させる。これにより、複数のアプリケーションプログラムに対して汎用性のある設定が可能となる。また、例えば複数のアプリケーションプログラムごとに設定を行う等の煩雑な作業が不要となり、ユーザビリティを向上させることができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、通知音の設定画面１２１には、ユーザによる設定にしたがって、音場に見立てた球体ＳＦＳ内に設定対象の通知音が鳴る位置を示すポイントＰＮＴが表示される。また、通知音の設定画面１２３には、ユーザによる設定にしたがって、音場に見立てた球体ＳＦＳ内に設定対象の通知音の鳴る位置が移動する軌跡ＯＢが表示される。

　このように、設定画面１２１，１２３をグラフィカルに表示することにより、ユーザが直感的または視覚的に設定対象の通知音が鳴る位置または軌跡を把握することができる。また、情報端末１００では通知音についての処理を一括して行うので、共通の設定画面１２１，１２３上で種々のアプリケーションプログラムの各種通知音の設定を行うことが可能となり、各種の通知音の設定様式を統一することができる。よって、ユーザによる設定を強力に補助することができ、ユーザビリティを向上させることができる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、通知音の確認画面１２２には、ユーザによる設定にしたがって、音場に見立てた球体ＳＦＳ内に複数の通知音が鳴る位置のそれぞれを示すアイコンＩＣａ～ＩＣｅが配置される。また、通知音の確認画面１２４には、ユーザによる設定にしたがって、音場に見立てた球体ＳＦＳ内に複数の通知音の鳴る位置が移動する軌跡ＯＢｆ～ＯＢｈのそれぞれが配置される。

　このように、確認画面１２２，１２４をグラフィカルに表示することにより、ユーザが直感的または視覚的に設定対象の通知音が鳴る位置または軌跡を把握することができ、通知音同士が近接したり重なり合ったりすることを回避できるようユーザを補助することができる。また、情報端末１００では通知音についての処理を一括して行うので、種々のアプリケーションプログラムの各種通知音を、まとめて確認画面１２２，１２４上に表示することができ、個々の通知音についての設定内容を比較することが容易となる。

　実施形態１の情報端末１００によれば、頭部伝達関数がユーザに対して調整された個人適正化情報に基づいて、音場において複数の通知音が鳴る位置を配置する。これにより、個々のユーザによる通知音の聴こえ方の誤差を低減し、ユーザが指定した位置および軌跡で通知音が鳴っているように通知音の鳴る位置を音場内に配置することができる。また、ユーザ個人に対して適正化された頭部伝達関数の情報が、全てのアプリケーションプログラムで共有されているので、アプリケーションプログラムごと、または、通知音ごとのバラつきを抑制して、複数の通知音を精度よく再現することができ、ユーザによる通知音の認知性をいっそう向上させることができる。

　なお、上述の実施形態１では、ＯＳ等の基本プログラム１０８が、各種のアプリケーションプログラムを跨いで、音場における通知音の位置等を配置する処理を一括して行うこととした。しかし、基本プログラム１０８に限らず、例えばオーディオドライバ等のアプリケーションプログラム等を用いても、通知音についての一括処理を実現させることが可能である。このように、上述の基本プログラム１０８は単なる一例であり、通知音についての一括処理を行うプログラムの種類および方式等は問わない。

（変形例１）
　次に、図９を用いて、実施形態１の変形例１の情報端末１００ａについて説明する。図９は、本開示の実施形態１の変形例１にかかる情報端末１００ａのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。変形例１の情報端末１００ａは、鑑賞用コンテンツの再生位置を音場内にて移動させる点が上述の実施形態１と異なる。

　図９に示すように、情報端末１００ａは、ソフトウェア構成として、アプリケーションレイヤ４００ａと、基本プログラム（ＯＳ）レイヤ３００ａと、を含む。

　図９の例では、アプリケーションレイヤ４００ａには、例えばミュージックプレイヤ４０１、Ａアプリ４０２、Ｂアプリ４０３、ミュージックプレイヤ４０４、及び通知設定アプリ４０５ａ等のアプリケーションプログラムが含まれる。これらのうち、通知設定アプリ４０５ａ以外は、上述の実施形態１で例示したアプリケーションプログラムと同様である。

　通知設定アプリ４０５ａは、例えば変形例１の情報端末１００ａが備える基本プログラムにおける標準アプリケーションプログラムである。通知設定アプリ４０５ａは、音響配置設定機能等を備え、また、個人適正化情報等を保持し、通知音を含む各種音響について、ユーザによる種々の設定を可能にするユーザインターフェース（ＵＩ）である。

　通知設定アプリ４０５ａの音響配置設定機能によれば、音場において各種の通知音が鳴る位置を配置するのみならず、音場において音楽等の鑑賞用コンテンツが再生される位置を移動させることもできる。

　通知設定アプリ４０５ａ上で、ユーザは、音場内の所望の位置に所望の通知音を配置する設定を行うことができる。また、ユーザは、鑑賞用コンテンツを再生している最中に通知音が鳴る場合には、再生中の鑑賞用コンテンツの再生位置を音場内で一時的に移動させる設定を行うことができる。これにより、ユーザは、通知音が鳴らされる際に、それまでとは聴こえる方向、距離、及び音量等を異ならせて鑑賞用コンテンツを再生させることができる。

　通知設定アプリ４０５ａは、通知設定アプリ４０５ａが取得したユーザによる各種設定に基づいて、Ａアプリ４０２の通知音およびＢアプリ４０３の通知音について、仮想的な音場にそれらの通知音が鳴る位置が示された音場情報３１１をそれぞれ生成する。

　また、通知設定アプリ４０５ａは、通知設定アプリ４０５ａが取得したユーザによる各種設定に基づいて、ミュージックプレイヤ４０１の音楽およびミュージックプレイヤ４０４の音楽について、仮想的な音場におけるそれらの移動位置が示された音場情報３１１ａをそれぞれ生成する。

　基本プログラムレイヤ３００ａにおいて、変形例１の基本プログラムは、種々のアプリケーションプログラムによる各種の音響データを一括して処理するための種々の機能を発揮する。

　このとき、変形例１の基本プログラムは、上述の実施形態１の場合と同様、Ａアプリ４０２が発信する２チャンネルステレオ向けの通知音と、Ｂアプリ４０３が発信する３Ｄオーディオ向けの通知音とを一括して処理する。

　加えて、変形例１の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０４が再生する３Ｄオーディオ向けの音楽の処理と共に、ミュージックプレイヤ４０１が再生する２チャンネルステレオ向けの音楽の処理も一括して行えるよう構成されていることが好ましい。

　すなわち、変形例１の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０１の音楽データ、及びＡアプリ４０２の通知音データに対して、アップコンバート処理３０１ａを行う。

　また、変形例１の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０１のアップコンバートされた音楽データ及びミュージックプレイヤ４０４の音楽データ、並びにＡアプリ４０２のアップコンバートされた通知音データ及びＢアプリ４０３の通知音データ等に対して、デコード処理３０２、レンダリング処理３０３、及びバーチャライズ処理３０４ａ等を行う。

　変形例１の基本プログラムは、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３の通知音データに対してバーチャライズ処理３０４ａをする際には、通知設定アプリ４０５ａが生成した音場情報３１１のうち、処理対象の通知音データに対応する音場情報３１１を用いてバーチャライズ処理３０４ａを行う。

　変形例１の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０１，４０４の音楽データ等に対してバーチャライズ処理３０４ａをする際には、ミュージックプレイヤ４０１，４０４の指示に基づいてバーチャライズ処理３０４ａを行う。これにより、ミュージックプレイヤ４０１の音楽データに含まれる２チャンネルの音響のそれぞれが、左右に広がる音場の所定位置に配置される。また、ミュージックプレイヤ４０４の音楽データに含まれる複数チャンネルの音響のそれぞれが、３次元的に広がる音場の所定位置に配置される。

　変形例１の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０１，４０４の少なくともいずれかの音楽を再生中に、Ａアプリ４０２及びＢアプリ４０３の少なくともいずれかの通知音を鳴らす場合には、通知設定アプリ４０５ａが生成した音場情報３１１ａのうち、処理対象の音楽データに対応する音場情報３１１ａを用いてバーチャライズ処理３０４ａを行う。また、変形例１の基本プログラムは、通知設定アプリ４０５ａが生成した音場情報３１１のうち、処理対象の通知音データに対応する音場情報３１１を用いてバーチャライズ処理３０４ａを行う。

　いずれのバーチャライズ処理３０４ａにおいても、変形例１の基本プログラムは、通知設定アプリ４０５ａが保有する個人適正化情報から、個々のユーザに対して適正化された頭部伝達関数（ＨＲＴＦ）３１２を抽出し、頭部伝達関数３１２に基づいて、個々のユーザに適合するようバーチャライズ処理３０４ａを行う。

　変形例１の基本プログラムは、バーチャライズ処理３０４ａを施したＡアプリ４０２及びＢアプリ４０３の通知音データ、並びにミュージックプレイヤ４０１，４０４の音楽データのうち、出力対象となっているデータを混ぜ合せるミキシング処理３０５をして出力する。

　上述のように、ユーザは、音楽等の鑑賞用コンテンツを再生中に通知音が鳴る場合に、鑑賞用コンテンツの再生位置をどのように移動させるかを設定することができる。上記のような鑑賞コンテンツの再生位置の移動について、以下に具体例を挙げる。

　３Ｄオーディオ向け音楽を再生している場合の一例としては、例えばユーザの頭部を取り巻くように音場内の全体に広がって聴こえていた鑑賞用コンテンツが、通知音が鳴るタイミングで、ユーザの頭部を基準に所定の方向の例えば一点のみから聴こえるように、鑑賞用コンテンツの再生位置を一時的に移動させることができる。このとき、鑑賞用コンテンツの音量を下げてもよい。通知音が鳴りやむと、鑑賞用コンテンツの再生位置および音量は元に戻る。

　２チャンネルステレオ向け音楽を再生している場合の一例としては、例えばユーザの頭部の左右に延びる音場内に広がって聴こえていた鑑賞用コンテンツが、通知音が鳴るタイミングで、ユーザの頭部を基準に左右の一方方向のみから聴こえるように、鑑賞用コンテンツの再生位置を移動させることができる。このとき、鑑賞用コンテンツの音量を下げてもよい。通知音が鳴りやむと、鑑賞用コンテンツの再生位置および音量は元に戻る。

　なお、鑑賞用コンテンツの再生位置を移動させる設定では、例えば発信対象の通知音が鳴る位置とは対極の位置に鑑賞用コンテンツの再生位置の移動設定をしてもよい。つまり、例えば通知音がユーザの左側から聴こえる設定となっている場合には、鑑賞用コンテンツの再生位置の移動先をユーザの右側にする。また例えば、通知音がユーザの目線より上方から聴こえる設定となっている場合には、鑑賞用コンテンツの再生位置の移動先をユーザの目得線より下方にする。

　これにより、ユーザには、通知音が鳴るタイミングで、その通知音が鳴る位置から鑑賞用コンテンツの再生位置が離れるように移動して聴こえる。

　また、上記いずれの場合においても、通知音自体は、音場内の所定位置に静的に配置されることにより、音場内の一点から鳴ってもよく、音場内に動的に配置されることにより、音場内を移動しながら鳴ってもよい。

　なお、情報端末１００ａのＣＰＵが、例えば変形例１の基本プログラムを実行することにより、上述の実施形態１に対応する表示制御部、入力受付部、設定制御部、通知音配置部、出力制御部、個人適正化情報格納部、及び音場情報格納部によって上記の機能が実現され、上記の種々の処理が行われると捉えることもできる。

　変形例１の情報端末１００ａによれば、出力部から鑑賞用コンテンツが出力されている時に複数の通知音の少なくとも１つの通知音を鳴らす場合には、音場において鑑賞用コンテンツが鳴る位置を移動させる。これにより、ユーザが鑑賞中の鑑賞用コンテンツと、唐突に発信される通知音との分離度が高まって、通知音の認知性をよりいっそう高めることができる。

（変形例２）
　次に、実施形態１の変形例２の情報端末について説明する。変形例２の情報端末では、音場における所定位置に通知音が鳴る位置を配置する機能が、経路案内アプリに対して適用される。

　変形例２の情報端末では、道順または公共交通機関等を利用した移動の経路等を案内する機能を有する経路案内用アプリケーションプログラムが実行される。経路案内用アプリケーションプログラムは、通知音として経路案内の音声を発信する。経路案内の音声は、進行方向と右左折する地点および方向とを例えば東西南北で指示する。

　変形例２の基本プログラムは、経路案内の音声を処理し、音場において案内の内容に対応する位置に音声が鳴る位置を配置する。つまり、変形例２の基本プログラムは、音声が聴こえる方向と音声が案内する方向とを一致させる。これにより、ユーザには、経路案内の音声が進むべき方向から聴こえてくるように感じられる。

　なお、変形例２の情報端末における経路案内の音声の音場内での配置は、デフォルトで設定されていてもよく、ユーザが設定可能に構成されていてもよい。この場合、変形例２の情報端末のＣＰＵが、例えば変形例２の基本プログラムを実行することにより、上述の実施形態１に対応する表示制御部、入力受付部、設定制御部、通知音配置部、出力制御部、個人適正化情報格納部、及び音場情報格納部によって上記の機能が実現され、上記の種々の処理が行われてもよい。

　変形例２の情報端末によれば、経路案内の音声が鳴る位置を音声が案内する方向と一致させる。これにより、ユーザは、土地勘のない場所で例えば東西南北で経路を案内された場合でも、情報端末の画面を確認することなく進むべき方向を知ることができる。

（変形例３）
　次に、図１０を用いて、実施形態１の変形例３の情報端末１００ｂについて説明する。図１０は、本開示の実施形態１の変形例３にかかる情報端末１００ｂのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。変形例３の情報端末１００ｂは、左右に広がる音場において通知音が鳴る位置を配置する点が上述の実施形態１とは異なる。

　図１０に示すように、情報端末１００ｂは、ソフトウェア構成として、アプリケーションレイヤ４００ｂと、基本プログラム（ＯＳ）レイヤ３００ｂと、を含む。

　図１０の例では、アプリケーションレイヤ４００ｂには、情報端末１００ｂにより実行される種々のアプリケーションプログラムとして、例えばミュージックプレイヤ４０１、Ａアプリ４０２、Ｃアプリ４０６、及び通知設定アプリ４０５ｂ等が含まれる。これらのうち、ミュージックプレイヤ４０１及びＡアプリ４０２は、上述の実施形態１で例示したアプリケーションプログラムと同様である。

　Ｃアプリ４０６は、ユーザによる通知音のオン／オフ、通知音の種類の選択、及び通知音の音量の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び２チャンネルステレオ向けの通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。

　通知設定アプリ４０５ｂは、例えば情報端末１００ｂが備える基本プログラムにおける標準アプリケーションプログラムである。通知設定アプリ４０５ｂは、通知音配置設定機能等を備え、Ａアプリ４０２及びＣアプリ４０６の各種の通知音について、ユーザによる種々の設定を可能にするユーザインターフェース（ＵＩ）である。

　基本プログラムレイヤ３００ｂにおいて、変形例３の基本プログラムは、種々のアプリケーションプログラムによる各種の通知音を含む音響データに対して、バランス処理３０４ｂを施す。バランス処理３０４ｂは、左右に広がる音場において左右のバランスを調整することにより、通知音等の鳴る位置を配置する処理である。

　バランス処理３０４ｂにおいて、変形例３の基本プログラムは、例えば２チャンネルステレオ技術を用いて通知音が鳴る位置を配置する。この場合、変形例３の基本プログラムは、ユーザの頭部を基準に左右方向に広がる音場を設定し、左右のバランスを調整することで、音場において通知音が鳴る位置を配置する。このとき、左右方向の音場において通知音が鳴る位置を静的に配置してもよく、動的に配置してもよい。

　また、このとき用いられる音場情報３１１ｂは、ユーザ設定に基づいて生成されており、左右方向に広がる音場における通知音の鳴る位置が座標等で表されている。

　また、変形例３の基本プログラムは、例えばミュージックプレイヤ４０１の音楽データ等に対しても、Ａアプリ４０２及びＣアプリ４０６の通知音データと同様に、一括してバランス処理３０４ｂを施してもよい。この場合、変形例３の基本プログラムは、ミュージックプレイヤ４０１の指示に基づいて、左右方向に広がる音場における左右のバランスを調整するバランス処理３０４ｂを行う。

　変形例３の基本プログラムは、バランス処理３０４ｂを施したＡアプリ４０２及びＣアプリ４０６の通知音データ、並びにミュージックプレイヤ４０１の音楽データのうち、出力対象となっているデータを混ぜ合わせるミキシング処理３０５ｂをして出力する。

　各種の通知音がこのように設定され、出力されることで、ユーザには、左右いずれかの方向から、異なる距離、及び異なる音量等で通知音が鳴るように聴こえることとなる。

　なお、情報端末１００ｂのＣＰＵが、例えば変形例３の基本プログラムを実行することにより、上述の実施形態１に対応する表示制御部、入力受付部、設定制御部、通知音配置部、出力制御部、及び音場情報格納部によって上記の機能が実現され、上記の種々の処理が行われると捉えることもできる。

［実施形態２］
　実施形態２について図面を用いて説明する。実施形態２の情報端末は、個々のアプリケーションプログラムが、音場における所定位置に通知音が鳴る位置を配置する機能を有する点が、上述の実施形態１とは異なる。

　図１１は、本開示の実施形態２にかかる情報端末５００であって、立体音響技術が適用されている場合のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図１１に示すように、情報端末５００は、ソフトウェア構成として、アプリケーションレイヤ４５０と、基本プログラム（ＯＳ）レイヤ３５０と、を含む。

　図１１の例では、アプリケーションレイヤ４５０には、情報端末５００により実行される種々のアプリケーションプログラムとして、例えばミュージックプレイヤ４０７、Ｄアプリ４０８、及びＥアプリ４０９等が含まれる。

　ミュージックプレイヤ４０７は、鑑賞用コンテンツとしての音楽を再生可能なアプリケーションプログラムである。ミュージックプレイヤ４０７が再生可能な音楽は、２チャンネルステレオ向けであっても、３Ｄオーディオ向けであってもよい。

　３Ｄオーディオ向けの音楽が再生可能な場合、ミュージックプレイヤ４０７は、デコード処理、レンダリング処理、及びバーチャライズ処理を行う機能を有していてもよい。これにより、３Ｄオーディオ向けの音楽を２チャンネルステレオとしてヘッドフォン等から出力することができる。

　Ｄアプリ４０８は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び３Ｄオーディオ向けの通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。ここで、設定ＵＩは、例えば３次元的な広がりを有する音場において通知音が鳴る位置を設定可能な通知音配置設定機能を備える。また、Ｄアプリ４０８は、個々のユーザに通知音が鳴る位置の配置を適合させるため、個人適正化情報を保持していることが好ましい。

　これらに加えて、Ｄアプリ４０８は、通知音データに対して、デコード処理、レンダリング処理、及びバーチャライズ処理を行う機能を有している。バーチャライズ処理は、設定ＵＩが取得したユーザ設定により生成された音場情報、及び個人適正化情報に基づいて行われる。これらの処理により、３Ｄオーディオ向けの通知音を２チャンネルステレオとしてヘッドフォン等から出力することができる。

　Ｅアプリ４０９は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び３Ｄオーディオ向けの通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。ここで、設定ＵＩは、例えば３次元的な広がりを有する音場において通知音が鳴る位置を設定可能な通知音配置設定機能を備える。また、Ｅアプリ４０９は、個々のユーザに通知音が鳴る位置の配置を適合させるため、個人適正化情報を保持していることが好ましい。

　これらに加えて、Ｅアプリ４０９は、通知音データに対して、デコード処理、レンダリング処理、及びバーチャライズ処理を行う機能を有している。バーチャライズ処理は、設定ＵＩが取得したユーザ設定により生成された音場情報、及び個人適正化情報に基づいて行われる。これらの処理により、３Ｄオーディオ向けの通知音を２チャンネルステレオとしてヘッドフォン等から出力することができる。

　なお、個々のＤアプリ４０８及びＥアプリ４０９が保有する個人適正化情報は、個々のＤアプリ４０８及びＥアプリ４０９ごとに、例えば初期設定時等にユーザから取得される。

　基本プログラムレイヤ３５０において、情報端末５００の基本プログラムは、種々のアプリケーションプログラムによりバーチャライズ処理が施された各種の通知音データ及び音楽データ等のうち、出力対象となっているデータを混ぜ合わせるミキシング処理３０５をして出力する。

　以上のように、実施形態２の情報端末５００では、個々のアプリケーションプログラムが、ユーザ設定を取得して、デコード処理、レンダリング処理、及びバーチャライズ処理を行って、取得したユーザ設定に基づいて３次元的に広がる音場において通知音が鳴る位置を配置する機能を有する。

　なお、情報端末５００のＣＰＵが、例えばＤアプリ４０８及びＥアプリ４０９を個々に実行することにより、上述の実施形態１に対応する表示制御部、入力受付部、設定制御部、通知音配置部、出力制御部、個人適正化情報格納部、及び音場情報格納部によって上記の機能がそれぞれ実現され、上記の種々の処理が行われると捉えることもできる。

　図１２は、本開示の実施形態２にかかる情報端末６００であって、２チャンネルステレオ技術が適用されている場合のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。図１２に示すように、情報端末６００は、ソフトウェア構成として、アプリケーションレイヤ４６０と、基本プログラム（ＯＳ）レイヤ３６０と、を含む。

　図１２の例では、アプリケーションレイヤ４６０には、情報端末６００により実行される種々のアプリケーションプログラムとして、例えばミュージックプレイヤ４０１、Ｆアプリ４１１、Ｇアプリ４１２等が含まれる。これらのアプリケーションプログラムのうち、ミュージックプレイヤ４０１は、上述の実施形態１で例示したものと同様である。

　Ｆアプリ４１１は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び２チャンネルステレオ向けの通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。ここで、設定ＵＩは、例えば左右への広がりを有する音場において通知音が鳴る位置を設定可能な通知音配置設定機能を備える。

　ユーザは、設定ＵＩにより左右に広がる音場において各種の通知音が鳴る位置を設定することができる。Ｆアプリ４１１は、ユーザ設定に基づき音場情報を生成し、この音場情報を用いたバランス処理により、左右のバランスが調整された通知音データを生成する。

　Ｇアプリ４１２は、ユーザによる通知音の各種設定を可能にする設定ＵＩ、及び２チャンネルステレオ向けの通知音の発信機能等を含む通知機能を有するアプリケーションプログラムである。ここで、設定ＵＩは、例えば左右への広がりを有する音場において通知音が鳴る位置を設定可能な通知音配置設定機能を備える。

　ユーザは、設定ＵＩにより左右に広がる音場において各種の通知音が鳴る位置を設定することができる。Ｇアプリ４１２は、ユーザ設定に基づき音場情報を生成し、この音場情報を用いたバランス処理により、左右のバランスが調整された通知音データを生成する。

　基本プログラムレイヤ３６０において、情報端末６００の基本プログラムは、種々のアプリケーションプログラムによりバランス処理が施された各種の通知音データ及び音楽データ等のうち、出力対象となっているデータを混ぜ合わせるミキシング処理３０５ｂをして出力する。

　以上のように、実施形態２の情報端末６００では、個々のアプリケーションプログラムが、ユーザ設定を取得して、取得したユーザ設定に基づいて左右のバランス調整を行うことで、左右に広がる音場において通知音が鳴る位置を配置する機能を有する。

　なお、情報端末６００のＣＰＵが、例えばＦアプリ４１１及びＧアプリ４１２を個々に実行することにより、上述の実施形態１に対応する表示制御部、入力受付部、設定制御部、通知音配置部、出力制御部、及び音場情報格納部によって上記の機能がそれぞれ実現され、上記の種々の処理が行われると捉えることもできる。

　なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。

［その他の実施形態］
　上述の実施形態１，２及びその変形例１～３の情報端末は、例えばＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、及びＩ／Ｏポートを備えるコンピュータであることとした。しかし、情報端末は、上述の実施形態１，２及びその変形例１～３等で述べた用途向け専用のＡＳＩＣ（Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｐｅｃｉｆｉｃ　Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ　Ｃｉｒｃｕｉｔ）を備える構成を有していてもよい。

　上述の実施形態１，２及びその変形例１～３の情報端末は、通知音の情報処理に関するプログラムが格納されたＲＯＭを備えることとした。このようなプログラムは、例えばコンピュータでの読み取りが可能なように記録媒体等に格納されて提供されることができる。記録媒体は、例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。

　本技術は以下のような構成も採ることができる。
（１）
　出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理装置であって、
　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する通知音配置部を備える、
情報処理装置。
（２）
　前記通知音配置部は、
　前記複数の通知音の少なくとも１つの通知音が前記音場において鳴る位置を動的に配置する、
上記（１）に記載の情報処理装置。
（３）
　前記音場において鳴る位置を動的に配置された前記通知音は、前記通知音が前記音場内を移動しながら鳴らされているかのように前記出力部から出力される、
上記（２）に記載の情報処理装置。
（４）
　前記複数の通知音には経路を案内する音声が含まれ、
　前記通知音配置部は、
　前記音声が鳴る位置を前記音声が案内する方向と一致させる、
上記（１）乃至（３）のいずれかに記載の情報処理装置。
（５）
　前記通知音配置部は、
　前記出力部から鑑賞用コンテンツが出力されている時に前記複数の通知音の少なくとも１つの通知音を鳴らす場合には、前記音場において前記鑑賞用コンテンツが鳴る位置を移動させる、
上記（１）乃至（４）のいずれかに記載の情報処理装置。
（６）
　前記通知音配置部は、
　前記出力部から前記鑑賞用コンテンツが出力されている時に鳴らされる前記通知音が鳴る位置から離れるように、前記鑑賞用コンテンツが鳴る位置を移動させる、
上記（５）に記載の情報処理装置。
（７）
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置をユーザに設定させる設定制御部を更に備える、
上記（１）乃至（６）のいずれかに記載の情報処理装置。
（８）
　前記設定制御部は、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置として、プリセットされた位置を前記ユーザに選択させる、
上記（７）に記載の情報処理装置。
（９）
　前記設定制御部は、
　前記ユーザに、前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を、前記プリセットされた位置から微調整させる、
上記（８）に記載の情報処理装置。
（１０）
　前記設定制御部は、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置が所定範囲内に近接して設定されようとした場合に警告を発する、
上記（９）に記載の情報処理装置。
（１１）
　前記複数の通知音は、前記情報処理装置で実行されるアプリケーションプログラムによって発信され、
　前記設定制御部は、前記アプリケーションプログラムによって実現される、
上記（７）乃至（１０）のいずれかに記載の情報処理装置。
（１２）
　前記複数の通知音は、前記情報処理装置で実行される複数のアプリケーションプログラムによってそれぞれ発信され、
　前記設定制御部は、
　前記複数のアプリケーションプログラムによってそれぞれ発信される前記複数の通知音が前記音場において鳴る位置を一括して前記ユーザに設定させる、
上記（７）乃至（１０）のいずれかに記載の情報処理装置。
（１３）
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を設定可能な画面であって、前記複数の通知音のうち設定対象の通知音について、前記音場における前記設定対象の通知音の鳴る位置を前記ユーザが視覚的に把握可能な設定画面を表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
上記（７）乃至（１２）のいずれかに記載の情報処理装置。
（１４）
　前記音場は３次元的な広がりを有する仮想空間であって、
　前記設定画面には、
　前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記設定対象の通知音の鳴る位置が表示される、
上記（１３）に記載の情報処理装置。
（１５）
　前記表示制御部は、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を表示可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記複数の通知音が鳴る位置のそれぞれが配置された確認画面を前記表示部に表示させる、
上記（１４）に記載の情報処理装置。
（１６）
　前記音場は３次元的な広がりを有する仮想空間であり、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置をユーザに設定させる設定制御部と、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を動的に配置させる設定が可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記複数の通知音のうち設定対象の通知音について、前記音場に見立てた球体内に前記設定対象の通知音の鳴る位置が移動する軌跡が示される設定画面を表示部に表示させる表示制御部と、を更に備える、
上記（２）または（３）に記載の情報処理装置。
（１７）
　前記表示制御部は、
　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置が移動する軌跡を表示可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記複数の通知音の鳴る位置が移動する軌跡のそれぞれが配置された確認画面を前記表示部に表示させる、
上記（１６）に記載の情報処理装置。
（１８）
　前記通知音配置部は、
　前記ユーザの左右の耳に音がどのように届くかを表した頭部伝達関数が前記ユーザに対して調整された個人適正化情報に基づいて、前記音場において前記複数の通知音が鳴る位置を配置する、
上記（１４）乃至（１７）のいずれかに記載の情報処理装置。
（１９）
　出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理方法であって、
　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する、
情報処理方法。
（２０）
　複数の通知音を出力する出力部と、
　前記出力部から出力される前記複数の通知音を制御する制御部と、を備え、
　前記制御部は、
　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する、
音響出力装置。

　本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態およびその変形例は、発明の範囲および要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

　１　音響出力装置
　１００，１００ａ，１００ｂ，５００，６００　情報端末
　１１０　制御部
　１１１　表示制御部
　１１２　入力受付部
　１１３　設定制御部
　１１４　通知音配置部
　１１５　出力制御部
　１１６　個人適正化情報格納部
　１１７　音場情報格納部
　１２０　表示部
　１２１，１２３　設定画面
　１２２，１２４　確認画面
　１３０　入力部
　２００　ヘッドフォン
　２１０　出力部

Claims (20)

1. 　出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理装置であって、
   　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する通知音配置部を備える、
   情報処理装置。
2. 　前記通知音配置部は、
   　前記複数の通知音の少なくとも１つの通知音が前記音場において鳴る位置を動的に配置する、
   請求項１に記載の情報処理装置。
3. 　前記音場において鳴る位置を動的に配置された前記通知音は、前記通知音が前記音場内を移動しながら鳴らされているかのように前記出力部から出力される、
   請求項２に記載の情報処理装置。
4. 　前記複数の通知音には経路を案内する音声が含まれ、
   　前記通知音配置部は、
   　前記音声が鳴る位置を前記音声が案内する方向と一致させる、
   請求項１に記載の情報処理装置。
5. 　前記通知音配置部は、
   　前記出力部から鑑賞用コンテンツが出力されている時に前記複数の通知音の少なくとも１つの通知音を鳴らす場合には、前記音場において前記鑑賞用コンテンツが鳴る位置を移動させる、
   請求項１に記載の情報処理装置。
6. 　前記通知音配置部は、
   　前記出力部から前記鑑賞用コンテンツが出力されている時に鳴らされる前記通知音が鳴る位置から離れるように、前記鑑賞用コンテンツが鳴る位置を移動させる、
   請求項５に記載の情報処理装置。
7. 　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置をユーザに設定させる設定制御部を更に備える、
   請求項１に記載の情報処理装置。
8. 　前記設定制御部は、
   　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置として、プリセットされた位置を前記ユーザに選択させる、
   請求項７に記載の情報処理装置。
9. 　前記設定制御部は、
   　前記ユーザに、前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を、前記プリセットされた位置から微調整させる、
   請求項８に記載の情報処理装置。
10. 　前記設定制御部は、
    　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置が所定範囲内に近接して設定されようとした場合に警告を発する、
    請求項９に記載の情報処理装置。
11. 　前記複数の通知音は、前記情報処理装置で実行されるアプリケーションプログラムによって発信され、
    　前記設定制御部は、前記アプリケーションプログラムによって実現される、
    請求項７に記載の情報処理装置。
12. 　前記複数の通知音は、前記情報処理装置で実行される複数のアプリケーションプログラムによってそれぞれ発信され、
    　前記設定制御部は、
    　前記複数のアプリケーションプログラムによってそれぞれ発信される前記複数の通知音が前記音場において鳴る位置を一括して前記ユーザに設定させる、
    請求項７に記載の情報処理装置。
13. 　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を設定可能な画面であって、前記複数の通知音のうち設定対象の通知音について、前記音場における前記設定対象の通知音の鳴る位置を前記ユーザが視覚的に把握可能な設定画面を表示部に表示させる表示制御部を更に備える、
    請求項７に記載の情報処理装置。
14. 　前記音場は３次元的な広がりを有する仮想空間であって、
    　前記設定画面には、
    　前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記設定対象の通知音の鳴る位置が表示される、
    請求項１３に記載の情報処理装置。
15. 　前記表示制御部は、
    　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を表示可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記複数の通知音が鳴る位置のそれぞれが配置された確認画面を前記表示部に表示させる、
    請求項１４に記載の情報処理装置。
16. 　前記音場は３次元的な広がりを有する仮想空間であり、
    　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置をユーザに設定させる設定制御部と、
    　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置を動的に配置させる設定が可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記複数の通知音のうち設定対象の通知音について、前記音場に見立てた球体内に前記設定対象の通知音の鳴る位置が移動する軌跡が示される設定画面を表示部に表示させる表示制御部と、を更に備える、
    請求項２に記載の情報処理装置。
17. 　前記表示制御部は、
    　前記音場における前記複数の通知音の鳴る位置が移動する軌跡を表示可能な画面であって、前記ユーザによる設定にしたがって、前記音場に見立てた球体内に前記複数の通知音の鳴る位置が移動する軌跡のそれぞれが配置された確認画面を前記表示部に表示させる、
    請求項１６に記載の情報処理装置。
18. 　前記通知音配置部は、
    　前記ユーザの左右の耳に音がどのように届くかを表した頭部伝達関数が前記ユーザに対して調整された個人適正化情報に基づいて、前記音場において前記複数の通知音が鳴る位置を配置する、
    請求項１４に記載の情報処理装置。
19. 　出力部から出力される複数の通知音を制御する情報処理方法であって、
    　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する、
    情報処理方法。
20. 　複数の通知音を出力する出力部と、
    　前記出力部から出力される前記複数の通知音を制御する制御部と、を備え、
    　前記制御部は、
    　仮想的な音場において前記複数の通知音が鳴る位置を前記複数の通知音ごとに異ならせて配置する、
    音響出力装置。

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