WO2021240604A1 - 空調制御装置、空調システム、空調方法及びプログラム - Google Patents

空調制御装置、空調システム、空調方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

空調制御装置(30)は、輻射式空調機(40)による室内空間の空調を制御する。取得部(310)は、室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する。指標値計算部(320)は、室内空間における快適性を示す指標値であって、取得部(310)により取得された空気温度、空気湿度及び輻射温度に依存し、且つ、室内空間における気流速度に依存しない指標値を計算する。空調制御部(330)は、指標値計算部(320)により計算された指標値に応じて空調を制御する。

Description

空調制御装置、空調システム、空調方法及びプログラム
 本開示は、空調制御装置、空調システム、空調方法及びプログラムに関する。
 室内空間における快適性の指標に基づいて空調を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1は、室内空間の温度、湿度、二酸化炭素濃度等に基づいて評価関数を算出し、算出した評価関数に基づいて空調制御を行う空調機器制御システムを開示している。また、特許文献2は、人間の温熱感覚指標であるPMV(Predicted Mean Vote)に基づいて、空調機の制御量設定値を演算する空調制御装置を開示している。
特開2013-142494号公報 特許第3049266号公報
 ところで、熱輻射により空調する輻射式空調機が知られている。輻射式空調機は、対流式空調機に比べて快適性及び省エネ性で優れるというメリットを有するため、普及し始めている。このような輻射式空調機を用いた空調において、室内空間における快適性を的確に評価し、快適な室内空間を提供することが求められている。
 本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、輻射式空調機を用いた空調において、快適な室内空間を提供することが可能な空調制御装置等を提供することを目的とする。
 上記目的を達成するため、本開示に係る空調制御装置は、
 輻射式空調機による室内空間の空調を制御する空調制御装置であって、
 前記室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する取得手段と、
 前記室内空間における快適性を示す指標値であって、前記取得手段により取得された前記空気温度、前記空気湿度及び前記輻射温度に依存し、且つ、前記室内空間における気流速度に依存しない前記指標値を計算する指標値計算手段と、
 前記指標値計算手段により計算された前記指標値に応じて前記空調を制御する空調制御手段と、を備える。
 本開示では、室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得し、室内空間における快適性を示す指標値であって、取得された空気温度、空気湿度及び輻射温度に依存し、且つ、室内空間における気流速度に依存しない指標値を計算し、計算された指標値に応じて、輻射式空調機による室内空間の空調を制御する。従って、本開示によれば、輻射式空調機を用いた空調において、快適な室内空間を提供することができる。
実施の形態1に係る空調システムの全体構成を概略的に示す図 実施の形態1に係る空調制御装置のハードウェア構成を示すブロック図 実施の形態1に係る輻射式空調機の構成の一例を示す図 実施の形態1に係る空調システムの機能的な構成を示すブロック図 実施の形態1において環境DBに記憶される環境情報の例を示す図 実施の形態1において室内空間における快適性を示す指標値と温冷感との対応関係を示す図 実施の形態1に係る空調制御装置によって実行される空調制御処理の流れを示すフローチャート 実施の形態2に係る空調システムの全体構成を示す図
 以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
 (実施の形態1)
 図1に、実施の形態1に係る空調システム1の全体構成を示す。空調システム1は、空調対象の空間である室内空間を空調する設備である。空調とは、室内空間の空気の温度、湿度、清浄度、気流等を調整することであって、具体的には、暖房、冷房、除湿、加湿、空気清浄等である。室内空間は、具体的には、住宅、オフィスビル、工場等における一室である。
 図1に示すように、空調システム1は、空調制御装置30と、輻射式空調機40と、センサ群50と、を備える。輻射式空調機40は、室外機41と、室内機42と、リモコン43と、を備える。
 空調制御装置30は、輻射式空調機40と通信可能に接続されており、輻射式空調機40による室内空間の空調を制御する。一例として、1つのビル内に存在する複数の室内空間のそれぞれを空調する輻射式空調機40と通信可能に接続されており、空調制御装置30は、各室内空間の輻射式空調機40による空調を制御する。言い換えると、空調制御装置30は、1つのビル内に存在する複数の室内空間における空調を管理する管理装置である。
 図2に示すように、空調制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、入力受付部33と、表示部34と、通信部35と、を備える。これら各部は通信バスを介して接続されている。
 制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等とも呼び、空調制御装置30の制御に係る処理及び演算を実行する中央演算処理部として機能する。制御部31において、CPUは、ROMに格納されているプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、空調制御装置30を統括制御する。
 記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリを備えており、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータを記憶する。また、記憶部32は、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
 入力受付部33は、タッチパネル、スイッチ、押圧ボタン等の入力デバイスを備えており、作業者から入力を受け付ける。例えば、入力受付部33は、輻射式空調機40に対する操作を受け付ける。入力受付部33は、入力受付手段の一例である。
 表示部34は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル、有機EL(Electro-Luminescence)等の表示デバイスを備える。表示部34は、図示しない表示駆動回路によって駆動され、制御部31による制御のもとで様々な画像を表示する。表示部34は、表示手段の一例である。
 通信部35は、輻射式空調機40、センサ群50及びサーバ60を含む外部の装置と通信するための通信インタフェースを備える。通信部35は、外部の装置との間で有線又は無線により通信可能に接続されており、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等の周知の通信規格に則って通信する。
 空調制御装置30は、広域ネットワークNを介してサーバ60と通信可能に接続されている。サーバ60は、クラウドコンピューティングにおけるリソースを提供するデータサーバである。サーバ60は、空調制御装置30が空調を制御するために必要となる情報を含む種々の情報を管理している。広域ネットワークNは、例えばインターネットのようなWAN(Wide Area Network)である。空調制御装置30は、図示しないルータを介して広域ネットワークNに接続し、サーバ60から必要な情報を読み出す。
 次に、図3を参照して、輻射式空調機40の構成を説明する。輻射式空調機40は、輻射パネルからの熱輻射により室内空間を空調する。輻射式空調機40は、一例として、CO(二酸化炭素)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等を冷媒として用いたヒートポンプ式の空調設備である。
 図3に示すように、室外機41は、冷媒を圧縮して冷媒配管153を循環させる圧縮機157と、冷媒配管153を流れる冷媒の方向を切り換える四方弁161と、冷媒配管153を流れる冷媒と室外の空気との間で熱交換を行う室外熱交換器158と、冷媒配管153を流れる冷媒を減圧して膨張させる膨張弁160と、室外の空気を室外熱交換器158に送る室外ファン159と、を備える。また、室内機42は、冷媒配管153を流れる冷媒と水配管151を流れる水との間で熱交換を行う室内熱交換器155と、水配管151内で水を循環させるポンプ156と、熱輻射を生じる輻射パネル150と、を備える。
 冷媒配管153は、圧縮機157と、四方弁161と、室外熱交換器158と、膨張弁160と、室内熱交換器155と、を環状に接続している。これにより、ヒートポンプが構成されている。また、水配管151は、室内熱交換器155と、ポンプ156と、輻射パネル150と、を環状に接続している。
 輻射パネル150は、室内空間の天井、壁等のような、室内空間に熱輻射による空調を提供できるような場所に設置されている。輻射パネル150の配管内には、室内熱交換器155で冷媒との熱交換により生成された冷水又は温水が、水配管151を通って供給される。これにより、輻射パネル150が温められ、又は冷却される。その結果、輻射パネル150は、室内空間の空気温度、すなわち室温に対して温度差を持つ。
 輻射パネル150が室温に対して温度差を持つことで、温度差に生じて熱輻射が生じる。言い換えると、輻射パネル150から熱エネルギーが電磁波として放出される。熱輻射が生じることにより、室内の壁、天井及び床が輻射パネルと同じ温度に徐々に変化し、室内空間全体に冷暖房効果が得られる。このように、空気の対流による空調では、冷媒と室内空気との間で熱交換することで室内空間の空気温度を直接変化させるのに対して、輻射による空調では、最初に壁、天井及び床の温度を変化させて、それらに接する空気の温度を徐々に変化させる。なお、輻射式空調機40の空調能力は、圧縮機157の駆動周波数を変えることによって調整される。
 輻射による空調は、対流による空調とは異なり、空調機から吹き出される空気が直接人に当たらないというメリットを有する。そのため、人体に直接風が当たることによる不快感、及び、風による過剰な寒さ又は暑さが生じない。また、輻射による空調は、壁、天井及び床に蓄熱されるため、空調を停止させても急激に冷暖房効果が失われにくい、すなわち涼しさ又は暖かさが維持され易い、とのメリットを有する。更には、冷暖房効果が長く維持されることにより、電気代を抑えられ、省エネにもつながる。
 室外機41と室内機42とは、いずれもCPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備えており、空調制御装置30から送信される空調制御信号に応じて強調動作し、輻射式空調機40全体を制御する。具体的に説明すると、室外機41は、圧縮機157の駆動周波数、四方弁161の切り換え、室外ファン159の回転速度、及び、膨張弁160の開度を制御する。また、室内機42は、ポンプ156の開閉を制御する。これにより、室内空間が空調される。
 図1に戻って、リモコン43は、室内空間に存在するユーザにより操作される操作端末である。リモコン43は、例えば、室内空間の側壁に設置されており、室内機42及び室外機41と有線又は無線で接続されている。リモコン43は、ユーザから入力された空調の指令を受け付け、受け付けた指令を室内機42及び室外機41に送信する。
 センサ群50は、室内空間の環境に関する環境情報を計測するための各種センサを備える。具体的には、センサ群50は、空気温度センサと、湿度センサと、輻射温度センサと、を備える。空気温度センサは、室内空間の空気温度、すなわち室温を計測する。湿度センサは、室内空間の空気湿度、より具体的には室内空間の空気の相対湿度を計測する。輻射温度センサは、室内空間の壁、天井及び床からの輻射による輻射温度を計測する。より詳細には、輻射温度センサは、例えばグローブ温度計であって、室内空間における周囲の全方向からの輻射熱を平均した温度である平均輻射温度(MRT:Mean Radiant Temperature)を計測する。
 また、センサ群50は、室内空間に存在する人間を検知する人感センサを備える。人感センサは、例えば赤外線により室内空間を撮影する赤外線センサであって、赤外線により撮影された室内空間の赤外線画像から、室内空間に存在する人間を検知する。
 これらの各センサは、ビル内に存在する複数の室内空間のそれぞれにおいて、適宜の場所に設置されている。センサ群50により計測された空気温度、空気湿度及び輻射温度の計測情報は、ビル内に設けられた有線又は無線のネットワークを介して空調制御装置30に送信される。
 次に、図4を参照して、空調制御装置30の機能的な構成について説明する。空調制御装置30は、機能的に、取得部310と、指標値計算部320と、空調制御部330と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、ROM又は記憶部32に格納される。そして、CPUが、ROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、これらの各機能を実現する。
 また、空調制御装置30は、環境DB(データベース)410と、室内設計DB420と、を備える。これら各DBは、記憶部32内の適宜の記憶領域に構築される。
 取得部310は、室内空間の環境情報を取得する。環境情報は、温度、湿度等のような、室内空間の物理的な環境に関する情報である。具体的に説明すると、取得部310は、環境情報として、センサ群50により計測された、室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する。
 取得部310は、例えば一定の時間間隔で通信部35を介して、ビル内の各室内空間に設置されているセンサ群50と通信する。そして、取得部310は、空気温度センサ、湿度センサ及び輻射温度センサにより計測された、各室内空間の空気温度、空気湿度及び輻射温度の計測データを取得する。取得部310は、制御部31が通信部35と協働することにより実現される。取得部310は、取得手段の一例である。
 取得部310は、環境情報を取得すると、取得した環境情報を環境DB410に格納する。環境DB410は、取得部310により取得された環境情報を格納するデータベースである。具体的には図5に示すように、環境DB410は、環境情報として、センサ群50により計測された空気温度、空気湿度及び輻射温度を、計測された時刻情報と共に時系列順に格納している。取得部310は、センサ群50からビル内の各室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する毎に、取得した空気温度、空気湿度及び輻射温度を環境DB410に保存し、環境DB410を更新する。
 また、取得部310は、室内空間の周囲における気象データを取得する。気象データは、天気、外気温、日射量、日照時間、風向き等のような、気象の予報及び実績に関するデータである。取得部310は、例えば1日に1回から数回程度の頻度で、広域ネットワークNを介して気象サーバと通信する。気象サーバは、気象庁、気象事業者等によって運営され、気象データを一般に利用可能に提供するデータサーバである。取得部310は、気象サーバと通信することにより、気象サーバから、空調対象の室内空間が存在する地域における気象データを取得する。取得部310は、取得した気象データを環境DB410に格納する。
 図4に戻って、指標値計算部320は、取得部310により取得された環境情報に基づいて、室内空間における快適性を示す指標値を計算する。ここで、室内空間における快適性は、室内空間に存在する人間が、室内空間の環境を快適と感じているか不快と感じているかを意味する。
 室内空間における快適性を示す指標値として、上述した特許文献1,2に開示されているように、PMV(Predicted Mean Vote)が知られている。PMVは、人間が感じる温冷感を-3から+3の7段階で表現した指標であって、Fangerの快適方程式に従って導出される。
 具体的に説明すると、PMVは、ISO7730により国際的に下記(1)式のように定められている。(1)式において、G(M)は人間が感じる温冷感を示す関数であって、下記(2)式のように定められる。また、(1)式において、Lは人間の熱負荷を示す関数であって、下記(3)式のように定められる。
 PMV=G(M)×L …(1)
 G(M)=0.303×exp(-0.036×M)+0.028 …(2)
 L=M-(C+R+E) …(3)
 上記(1)~(3)式において、Mは、室内空間に存在する人間の代謝量を表す値であって、その単位は“met”又は“W/m”である。なお、1metは50kcal/m・hに相当する。
 また、上記(3)式において、C、R及びEは、それぞれ、対流による放熱量、輻射による放熱量、及び、蒸発による放熱量を表す値である。C、R及びEは、物理環境側のパラメータである空気温度Ta、空気湿度RH、輻射温度Tr及び気流速度Vと、人間側のパラメータである代謝量M及び着衣量Iclと、の計6個のパラメータから計算される。従って、PMVは、下記(4)式のように、6個のパラメータの関数として定められる。
 PMV=F(Ta,RH,Tr,V,M,Icl) …(4)
 上記(4)式において、空気温度Taは、室内空間内に存在する空気の温度である。空気湿度RHは、室内空間内に存在する空気の相対湿度である。輻射温度Trは、室内空間における平均輻射温度である。気流速度Vは、室内空間内における気流の速度、すなわち風速である。着衣量Iclは、室内空間に存在する人間の着衣の熱抵抗を表す値であって、その単位は“clо”である。なお、1clоは0.18m・h・℃/kcalに相当する。
 ここで、上記(3)式における対流による放熱量Cについて、より詳細に説明する。対流による放熱量Cは、下記(5)式のように、着衣面積比Fclと、対流熱伝導率Hcと、着衣表面温度Tclと空気温度Taとの差と、の積として定められる。対流熱伝導率Hcは、下記(6)式のように、着衣表面温度Tclと空気温度Taとの差に基づく値と、気流速度Vに基づく値と、のうちの大きい方の値として定められる。なお、着衣面積比Fcl及び着衣表面温度Tclは、着衣量Iclに基づく値であって、予め定められた式に従って着衣量Iclから計算することができる。
  C=Fcl×Hc×(Tcl-Ta) …(5)
  Hc=max(2.38×(Tcl-Ta)0.25,12.1×V0.5) …(6)
 このように計算されるPMVは、ISO7730により、図6に示すように、-3から+3の7段階で定義される。PMV=0が室内空間における快適性が最も高いことを意味し、PMVが-0.5から+0.5の間に収まっている場合に多数の人が快適であると感じる。
 指標値計算部320は、室内空間における快適性を示す指標値として、このようなPMVをそのまま用いず、輻射式の空調に適するようにPMVに修正を加えた指標値を用いる。具体的に説明すると、指標値計算部320は、下記(7)式で定められるように、室内空間における空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trに依存し、且つ、室内空間における気流速度Vに依存しない指標値PMV’を計算する。
 PMV’=F’(Ta,RH,Tr,M,Icl) …(7)
 より詳細に説明すると、PMVは、(4)式のように、空気温度Ta、空気湿度RH、輻射温度Tr、気流速度V、代謝量M及び着衣量Iclの6個のパラメータを変数とする関数により定められるため、これら6個のパラメータに依存する。これに対して、PMV’は、(7)式のように、空気温度Ta、空気湿度RH、輻射温度Tr、代謝量M及び着衣量Iclの5個のパラメータを変数とする関数により定められるため、これら5個のパラメータに依存する。言い換えると、PMV’は、PMVとは異なり、室内空間における気流速度Vを用いずに計算される。
 指標値PMV’の計算に気流速度Vを含めない理由は、輻射式空調では熱輻射により室内空間を空調するため、対流式空調のように気流を発生させないためである。言い換えると、輻射式空調では、室内空間における快適性を評価するために、気流による影響を考慮する必要がない。そのため、指標値計算部320は、空気温度Ta、空気湿度RH、輻射温度Tr、代謝量M及び着衣量Iclの5個のパラメータに基づき、且つ、気流速度Vに基づかずに、指標値PMV’を計算する。
 具体的には、指標値計算部320は、上記(5)、(6)式において、気流速度V=0として、対流による放熱量Cを計算する。気流速度V=0とするため、上記(6)式は、下記(6’)式のように書き換えられる。指標値計算部320は、下記(6’)式に従って、すなわち着衣表面温度Tclと空気温度Taとの差に基づいて対流熱伝導率Hcを計算する。
  Hc=2.38×(Tcl-Ta)0.25 …(6’)
 ここで、指標値PMV’を計算するための物理環境側のパラメータである空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trは、それぞれ室内空間に設置された空気温度センサ、湿度センサ及び輻射温度センサにより計測され、取得部310により取得されて環境DB410に記憶される。指標値計算部320は、環境DB410に記憶されている空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trの最新の値を用いて、指標値PMV’を計算する。
 一方で、指標値PMV’を計算するための人間側のパラメータである代謝量M及び着衣量Iclは、センサにより計測することが難しい。そのため、代謝量M及び着衣量Iclの値として、予め典型的な値が設定されて、記憶部32に記憶されている。指標値計算部320は、記憶部32に記憶されている代謝量M及び着衣量Iclの値を用いて、指標値PMV’を計算する。
 このように、指標値計算部320は、取得部310により取得された室内空間の環境情報に基づいて、室内空間における快適性の指標値PMV’を計算する。これにより、指標値計算部320は、室内空間に存在している人の快適性を評価する。指標値計算部320は、制御部31が記憶部32と協働することにより実現される。指標値計算部320は、指標値計算手段の一例である。
 図4に戻って、空調制御部330は、指標値計算部320により計算された指標値PMV’に応じて、輻射式空調機40による室内空間の空調を制御する。具体的に説明すると、空調制御部330は、予め定められた時間後において指標値計算部320により計算された指標値PMV’が予め定められた基準範囲内に収める制御を輻射式空調機40に指令する。
 ここで、基準範囲は、室内空間に存在する人間が快適であると感じる範囲である。上述したように、従来のPMVは-0.5<PMV<+0.5の範囲内である場合に、室内空間における多くの人間が快適であると感じる。そのため、指標値PMV’でも、従来のPMVと同じ基準範囲を用いる。具体的に説明すると、空調制御部330は、予め定められた時間として例えば30分後における指標値PMV’を推定し、指標値PMV’が-0.5から+0.5の範囲内に収まるように、輻射式空調機40を制御する。
 より詳細には、図4に示すように、空調制御部330は、熱量推定部340及び制御指令部350の機能を備える。熱量推定部340及び制御指令部350は、それぞれ、熱量推定手段及び制御指令手段の一例である
 熱量推定部340は、予め定められた時間後において指標値計算部320により計算された指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な室内空間の熱量を推定する。第1に、熱量推定部340は、現時点において室内空間で生じる熱量Q1を推定する。室内空間で生じる熱量Q1は、室内空間内で発生する熱量である内部発生熱量と、室内空間と室外との間で流入出する熱量である外部発生熱量と、に分けられる。
 内部発生熱量は、室内空間に存在する人間、ヒータ等の熱源から発せられる熱量に相当する。熱量推定部340は、人感センサにより検知された、室内空間に存在する人間の数に応じて、内部発生熱量を推定する。具体的には、熱量推定部340は、室内空間に存在する人間の数が多いほど、内部発生熱量として大きな熱量を推定する。
 外部発生熱量は、室内空間の壁、窓、扉等を通じて室内空間とその外部との間で移動する熱量に相当する。外部発生熱量は、外気温、日射量等の気象データと、室内空間の広さ、断熱性能等の設計情報と、に依存する。
 ここで、室内空間の設計情報は、予め設定されて室内設計DB420に記憶されている。より詳細には、室内空間の設計情報は、室内空間の広さに関する情報として、室内空間の面積、高さ等の情報を含んでいる。また、室内空間の設計情報は、室内空間の断熱性能に関する情報として、室内空間の壁、窓、扉等の熱容量及び面積の情報を含んでいる。
 熱量推定部340は、室内設計DB420に記憶されている室内空間の設計情報と、取得部310により気象サーバから取得された気象データと、に基づいて、外部発生熱量を推定する。このようにして内部発生熱量と外部発生熱量とを推定すると、熱量推定部340は、内部発生熱量と外部発生熱量との和を、現時点における室内空間の熱量Q1として推定する。
 第2に、熱量推定部340は、予め定められた時間後において、指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な、現時点の熱量Q1からの変化量ΔQを推定する。具体的に説明すると、熱量推定部340は、指標値計算部320により計算された指標値PMV’と、指標値PMV’の時間変化と、に基づいて、現時点から空調制御を変更しなかった場合における予め定められた時間後の指標値PMV’を推定する。
 例えば、指標値PMV’の時間変化が大きい場合、予め定められた時間後における指標値PMV’は、基準範囲から外れる可能性が高い。そのため、熱量推定部340は、指標値PMV’の時間変化がより大きいほど、現時点における指標値PMV’からより大きく離れた値を、現時点から空調制御を変更しなかった場合における予め定められた時間後の指標値PMV’として推定する。
 現時点から空調制御を変更しなかった場合における予め定められた時間後の指標値PMV’が基準範囲から外れている場合、熱量推定部340は、指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な熱量の変化量ΔQを推定する。具体的に説明すると、熱量推定部340は、予め定められた時間後における指標値PMV’が0に調整するために必要な熱量を、現時点の熱量Q1からの変化量ΔQとして推定する。
 例えば、現時点から空調制御を変更しなかった場合における予め定められた時間後の指標値PMV’が+1.5と推定された場合、熱量推定部340は、指標値PMV’を-1.5だけ変化させるために必要な熱量の変化量ΔQを推定する。或いは、現時点から空調制御を変更しなかった場合における予め定められた時間後の指標値PMV’が-2.0と推定された場合、熱量推定部340は、指標値PMV’を+2.0だけ変化させるために必要な熱量の変化量ΔQを推定する。
 ここで、PMV’の変化量と熱量の変化量ΔQとの対応関係は、室内空間の内外の環境、室内空間の熱容量等に依存する。そのため、熱量推定部340は、取得部310により取得された室内空間の環境情報及び気象データと、室内設計DB420に記憶されている室内空間の設計情報と、に基づいて、指標値計算部320により計算された指標値PMV’を0に変化させるために必要な熱量の変化量ΔQを推定する。
 現時点の熱量Q1とその変化量ΔQとを計算すると、熱量推定部340は、下記(8)式に従って、計算された熱量Q1と変化量ΔQとの和を、現時点から予め定められた時間後に必要な室内空間の熱量Q2として計算する。このようにして、熱量推定部340は、指標値計算部320により計算された指標値PMV’と、指標値PMV’の時間変化と、に基づいて、予め定められた時間後に必要な室内空間の熱量Q2を推定する。
  Q2=Q1+ΔQ …(8)
 熱量推定部340が熱量Q2を推定すると、制御指令部350は、熱量推定部340により推定された熱量Q2に応じた制御を輻射式空調機40に指令する。まず、制御指令部350は、熱量推定部340により推定された熱量Q2で輻射式空調機40に空調させるための、輻射式空調機40の設定値を決定する。具体的に説明すると、制御指令部350は、輻射式空調機40の設定値として、空調の設定温度、圧縮機157の駆動周波数、及び、膨張弁160の開度を決定する。
 より詳細には、制御指令部350は、予め用意された制御モデルに基づいて、輻射式空調機40の設定値を決定する。ここで、制御モデルは、輻射式空調機40の設定値と、その設定値で空調した場合における輻射式空調機40が発する熱量と、の関係を定めたモデルである。制御モデルは、輻射式空調機40の空調能力に基づいて、予め生成される。例えば、各設定値で輻射式空調機40が空調した場合における輻射式空調機40が発する熱量を事前に計測しておき、設定値と熱量との関係を構築することで、制御モデルは生成される。制御指令部350は、このような制御モデルに基づいて、熱量推定部340により推定された熱量Q2で輻射式空調機40に空調させるための設定値を決定する。
 このとき、制御指令部350は、熱量推定部340により推定された熱量Q2で輻射式空調機40が空調可能な設定値として複数の候補が存在する場合、複数の候補のうちの、輻射式空調機40の消費電力が最も少ない設定値を、輻射式空調機40に空調させるための設定値として決定する。これにより、室内空間における快適性の維持と共に、消費電力を低減させる。
 輻射式空調機40の設定値を決定すると、制御指令部350は、決定した設定値で輻射式空調機40に空調させるための空調制御信号を生成する。そして、制御指令部350は、通信部35を介して輻射式空調機40に生成した空調制御信号を送信することにより、輻射式空調機40に室内空間を空調させる。
 このように、空調制御部330は、指標値計算部320により計算された指標値PMV’の入力を受けて、輻射式空調機40に室内空間を空調させる空調制御信号を出力する。これにより、空調制御部330は、室内空間における快適性が維持されるように、室内空間の空調を制御する。空調制御部330は、制御部31が通信部35と協働することにより実現される。空調制御部330は、空調制御手段の一例である。
 以上のように構成された空調制御装置30において実行される空調制御処理の流れについて、図7に示すフローチャートを参照して、説明する。図7に示す空調制御処理は、空調システム1が室内空間を正常に空調可能な状態において、適宜実行される。
 空調制御処理を開始すると、制御部31は、取得部310として機能し、室内空間の環境情報を取得する(ステップS1)。具体的に説明すると、制御部31は、ビル内の各室内空間に設置されているセンサ群50と通信し、センサ群50により計測された、各室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する。そして、制御部31は、取得した空気温度、空気湿度及び輻射温度を環境DB410に保存し、環境DB410を更新する。
 環境情報を取得すると、制御部31は、指標値計算部320として機能し、取得された環境情報に基づいて、室内空間における快適性を示す指標値PMV’を計算する(ステップS2)。具体的に説明すると、制御部31は、上記(7)式に従って、ステップS1で取得された室内空間における空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trと、予め設定されている代謝量M及び着衣量Iclと、に基づいて、指標値PMV’を計算する。
 指標値PMV’を計算すると、制御部31は、予め定められた時間後において指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な室内空間の熱量Q2を推定する(ステップS3)。具体的に説明すると、制御部31は、現時点における室内空間に生じている熱量Q1と、予め定められた時間後において指標値PMV’を0に調整するために必要な熱量の変化量ΔQと、を計算する。そして、制御部31は、計算した熱量Q1と変化量ΔQとを加算することにより、予め定められた時間後において指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な室内空間の熱量Q2を計算する。
 熱量Q2を計算すると、制御部31は、制御指令部350として機能し、計算された熱量Q2に基づいて、空調の設定値を決定する(ステップS4)。具体的に説明すると、制御部31は、予め用意された制御モデルに基づいて、計算された熱量Q2で輻射式空調機40に空調させるための空調の設定温度、圧縮機157の駆動周波数、及び、膨張弁160の開度を決定する。
 設定値を決定すると、制御部31は、輻射式空調機40に空調制御信号を出力する(ステップS5)。これにより、制御部31は、決定した設定値で輻射式空調機40を動作させて、室内空間を空調させる。
 制御部31は、このようなステップS1~S5の処理を、適宜のタイミングで繰り返し実行する。これにより、指標値PMV’が基準範囲内に収まるように輻射式空調機40による空調が制御されるため、室内空間における快適性を維持することができる。
 以上説明したように、実施の形態1に係る空調制御装置30は、室内空間における空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trに依存し、且つ、室内空間における気流速度Vに依存しない指標値PMV’を計算し、計算した指標値PMV’に応じて、輻射式空調機40による室内空間の空調を制御する。輻射式空調は、対流式空調とは異なり気流による不快感が無いため、室内空間における快適性を向上させることができる。また、輻射式空調は、空調の制御パラメータとして、風量及び風向きを考慮する必要が無い。そのため、実施の形態1に係る空調制御装置30は、従来の指標値であるPMVとは異なり、気流速度Vに依存しない指標値PMV’を計算する。その結果、輻射式空調機40を用いた空調において、快適性を的確に評価して空調を制御することができるため、快適な室内空間を提供することができる。
 特に、指標値PMV’を計算するために、室内空間における気流速度Vを計測する必要が無く、指標値PMV’の計算に気流速度Vを用いる必要が無い。そのため、実施の形態1に係る空調制御装置30は、従来のPMVを用いた空調制御に比べて、より簡易な構成で、室内空間における快適性が向上するように空調を制御することができる。
 (実施の形態2)
 次に、実施の形態2について説明する。実施の形態1と同様の構成及び機能については説明を省略する。
 図8に、実施の形態2に係る空調システム1aの構成を示す。図8に示すように、実施の形態2に係る空調システム1aは、空調制御装置30と、輻射式空調機40と、センサ群50と、全熱交換器70と、を備える。言い換えると、実施の形態2に係る空調システム1aは、実施の形態1に係る空調システム1の構成に加えて、全熱交換器70を更に備える。
 全熱交換器70は、室内空間から室外に排気する空気と室外から室内空間に給気する空気との間で全熱交換を行う装置である。全熱交換器70は、全熱交換を行いつつ室内空間の空気を室外の空気と入れ替えるため、室内空間における空気温度を維持したまま、室内空間を換気し、更に湿度を調整することができる。
 空調制御部330は、指標値計算部320により計算された指標値PMV’に応じて、輻射式空調機40による室内空間の空調と、全熱交換器70による室内空間の空調と、を制御する。具体的に説明すると、熱量推定部340は、予め定められた時間後において指標値計算部320により計算された指標値PMV’を基準範囲内に収めるために必要な室内空間の熱量Q2を推定する。そして、制御指令部350は、熱量推定部340により推定された熱量Q2で輻射式空調機40及び全熱交換器70に空調させるための、輻射式空調機40及び全熱交換器70の設定値を決定する。
 より詳細には、制御指令部350は、輻射式空調機40の設定値として、実施の形態1と同様に、空調の設定温度、圧縮機157の駆動周波数、及び、膨張弁160の開度を決定する。更に、実施の形態2において、制御指令部350は、全熱交換器70の設定値として、空調の設定湿度、及び、換気量を決定する。制御指令部350は、このような設定値を、実施の形態1と同様に、予め用意された制御モデルに基づいて決定する。
 輻射式空調機40及び全熱交換器70の設定値を決定すると、制御指令部350は、決定した設定値で輻射式空調機40及び全熱交換器70に空調させるための空調制御信号を生成し、輻射式空調機40及び全熱交換器70に送信する。これにより、制御指令部350は、決定した設定値で輻射式空調機40及び全熱交換器70に空調させる。
 このように、実施の形態2に係る空調制御装置30は、室内空間における快適性を示す指標値PMV’に応じて、輻射式空調機40及び全熱交換器70による室内空間の空調を制御する。実施の形態1では輻射式空調機40のみを用いていたため室内空間における湿度及び換気を調整することができなかったのに対して、実施の形態2では、輻射式空調機40に加えて全熱交換器70を用いて室内空間を空調する。そのため、実施の形態2では、室内空間を換気することができ、更に湿度を調整することができる。その結果、輻射式空調機40のみを用いる場合に比べて、室内空間における快適性を高めるために、室内空間の空調を柔軟に制御することができる。
 なお、空調システム1aは、全熱交換器70に代えて又は加えて、外調機を備えていても良い。外調機は、室外の空気を室内空間に取り込む装置であって、室外の空気を室内空間に取り込む際に、冷媒、冷温水等の熱源を用いて、取り込む空気の温度を調整する装置である。全熱交換器70の代わりに外調機を用いることによっても、室内空間を換気し、更に湿度を調整することができる。
 更には、空調制御部330は、室内空間における二酸化炭素濃度に応じて、全熱交換器70又は外調機を動作させても良い。具体的に説明すると、センサ群50は、実施の形態1で説明した空気温度センサ、湿度センサ及び輻射温度センサに加えて、室内空間における二酸化炭素濃度を計測する二酸化炭素濃度センサを更に備える。取得部310は、室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度に加えて、二酸化炭素濃度センサにより計測された二酸化炭素濃度を更に取得する。空調制御部330は、取得部310により取得された二酸化炭素濃度が閾値よりも高い場合、全熱交換器70又は外調機に室内空間を換気させる。これにより、二酸化炭素濃度が高いことによる快適性の低下を抑制することができる。
 このとき、空調制御部330は、指標値計算部320により計算される指標値PMV’が基準範囲から外れないように、全熱交換器70又は外調機による換気量を調整しても良い。例えば、現時点における指標値PMV’が0である場合、空調制御部330は、換気による指標値PMV’の変化量が±0.5未満に収めることが可能な換気量の上限値を計算する。そして、空調制御部330は、計算した上限値以下の換気量の換気を全熱交換器70又は外調機に実行させる。これにより、指標値PMV’により制御される快適性と、二酸化炭素濃度により制御される快適性と、を両立させることができる。
 (変形例)
 以上、実施の形態を説明したが、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
 例えば、上記実施の形態では、室内空間における輻射温度Trは、室内空間に設置されている輻射温度センサにより計測された。しかしながら、輻射温度Trは、輻射温度センサにより計測されることに限らず、計算により取得されても良い。例えば、室内空間における輻射温度Trは、室内空間の周囲における外気温、日射量等の情報と、室内空間の壁面積、壁材質、窓面積等の情報と、に依存する。そのため、取得部310は、これらの情報に基づいて平均輻射温度を計算することにより、室内空間における輻射温度Trを取得しても良い。
 上記実施の形態では、指標値計算部320は、代謝量M及び着衣量Iclとして予め設定された値を用いて、指標値PMV’を計算した。しかしながら、代謝量M又は着衣量Iclは、入力受付部33を介してユーザから受け付けられた入力に基づいて設定されても良い。例えば、ユーザが、入力受付部33を操作して、現在の自身の代謝が多いか少ないかの情報、又は、現在の自身の着衣が多いか少ないかの情報を入力しても良い。この場合、指標値計算部320は、ユーザから入力された情報に基づいて、代謝量M又は着衣量Iclを設定する。
 上記実施の形態では、制御指令部350は、制御モデルに基づいて、輻射式空調機40の設定値を決定した。しかしながら、制御指令部350は、輻射式空調機40の過去の動作実績に基づいて、輻射式空調機40の設定値を決定しても良い。例えば、取得部310は、輻射式空調機40が空調を実行する毎に、輻射式空調機40から動作実績として、空調の設定温度、圧縮機157の駆動周波数、膨張弁160の開度及び輻射式空調機40全体の消費電力を取得し、取得した動作実績のデータを記憶部32に格納する。そして、制御指令部350は、このように取得された過去の動作ログを参照して、熱量推定部340により推定された熱量Q2で輻射式空調機40に空調させるための、輻射式空調機40の設定値を決定する。なお、制御指令部350は、全熱交換器70及び外調機についても同様に、制御モデルに限らず、過去の動作実績に基づいて設定値を決定しても良い。
 上記実施の形態では、環境DB410は、空調制御装置30に備えられていた。しかしながら、環境DB410は、サーバ60に備えられていても良い。言い換えると、室内空間の空気温度Ta、空気湿度RH及び輻射温度Trを含む環境情報は、サーバ60で管理されていても良い。この場合、取得部310は、通信部35を介してサーバ60と通信することにより、サーバ60から室内空間の環境情報を取得する。また、気象データ、室内空間の設計情報、及び、輻射式空調機40の動作ログも、サーバ60に記憶されており、取得部310は、これらのデータをサーバ60から取得しても良い。
 上記実施の形態では、空調制御装置30は、1つのビル内に存在する複数の室内空間における空調を制御する装置であった。しかしながら、空調制御装置30は、1つの室内空間における空調を制御するものであっても良い。また、空調制御装置30が設置される場所はどこであっても良い。例えば、空調制御装置30は、輻射式空調機40のリモコン43に搭載されていても良い。言い換えると、リモコン43が、図4に示した空調制御装置30の各機能を備えていても良い。或いは、空調制御装置30は、輻射式空調機40と広域ネットワークNを介して接続されたサーバ60に搭載されていても良い。この場合、サーバ60が、広域ネットワークNを介して輻射式空調機40と通信し、輻射式空調機40による室内空間の空調を制御する。
 上記実施の形態では、空調制御装置30の制御部31において、CPUがROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、図4に示した各部として機能した。しかしながら、制御部31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
 また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
 空調制御装置30の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ、情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、空調制御装置30として機能させることも可能である。
 また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
 本開示は、本開示の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。すなわち、本開示の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この開示の範囲内とみなされる。
 本開示は、空調システム等に好適に採用され得る。
1,1a 空調システム、30 空調制御装置、31 制御部、32 記憶部、33 入力受付部、34 表示部、35 通信部、40 輻射式空調機、41 室外機、42 室内機、43 リモコン、50 センサ群、60 サーバ、70 全熱交換器、150 輻射パネル、151 水配管、153 冷媒配管、155 室内熱交換器、156 ポンプ、157 圧縮機、158 室外熱交換器、159 室外ファン、160 膨張弁、161 四方弁、310 取得部、320 指標値計算部、330 空調制御部、340 熱量推定部、350 制御指令部、410 環境DB、420 室内設計DB、N 広域ネットワーク

Claims (9)

  1.  輻射式空調機による室内空間の空調を制御する空調制御装置であって、
     前記室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する取得手段と、
     前記室内空間における快適性を示す指標値であって、前記取得手段により取得された前記空気温度、前記空気湿度及び前記輻射温度に依存し、且つ、前記室内空間における気流速度に依存しない前記指標値を計算する指標値計算手段と、
     前記指標値計算手段により計算された前記指標値に応じて前記空調を制御する空調制御手段と、を備える、
     空調制御装置。
  2.  前記空調制御手段は、予め定められた時間後において前記指標値計算手段により計算された前記指標値を予め定められた基準範囲内に収める制御を前記輻射式空調機に指令する、
     請求項1に記載の空調制御装置。
  3.  前記空調制御手段は、前記予め定められた時間後において前記指標値計算手段により計算された前記指標値を前記基準範囲内に収めるために必要な前記室内空間の熱量を推定し、推定した前記熱量に応じた制御を前記輻射式空調機に指令する、
     請求項2に記載の空調制御装置。
  4.  前記空調制御手段は、前記指標値計算手段により計算された前記指標値と、前記指標値の時間変化と、に基づいて、前記予め定められた時間後における前記熱量を推定する、
     請求項3に記載の空調制御装置。
  5.  前記空調制御手段は、前記指標値計算手段により計算された前記指標値に応じて、前記輻射式空調機による前記室内空間の空調と、全熱交換器又は外調機による前記室内空間の空調と、を制御する、
     請求項1から4のいずれか1項に記載の空調制御装置。
  6.  前記取得手段は、前記室内空間における二酸化炭素濃度を更に取得し、
     前記空調制御手段は、前記取得手段により取得された前記二酸化炭素濃度が閾値よりも高い場合、前記全熱交換器又は前記外調機に前記室内空間を換気させる、
     請求項5に記載の空調制御装置。
  7.  請求項1から6のいずれか1項に記載の空調制御装置と、前記輻射式空調機と、を備える、
     空調システム。
  8.  室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得し、
     前記室内空間における快適性を示す指標値であって、取得された前記空気温度、前記空気湿度及び前記輻射温度に依存し、且つ、前記室内空間における気流速度に依存しない前記指標値を計算し、
     計算された前記指標値に応じて、輻射式空調機に前記室内空間を空調させる、
     空調方法。
  9.  輻射式空調機による室内空間の空調を制御するコンピュータを、
     前記室内空間における空気温度、空気湿度及び輻射温度を取得する取得手段、
     前記室内空間における快適性を示す指標値であって、前記取得手段により取得された前記空気温度、前記空気湿度及び前記輻射温度に依存し、且つ、前記室内空間における気流速度に依存しない前記指標値を計算する指標値計算手段、
     前記指標値計算手段により計算された前記指標値に応じて前記空調を制御する空調制御手段、として機能させる、
     プログラム。
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