WO2021200849A1

WO2021200849A1 - 位置管理装置、位置管理方法、及びプログラム

Info

Publication number: WO2021200849A1
Application number: PCT/JP2021/013361
Authority: WO
Inventors: 太佑土屋; 溝口　達也
Original assignee: トッパン・フォームズ株式会社
Priority date: 2020-03-30
Filing date: 2021-03-29
Publication date: 2021-10-07

Abstract

位置管理装置が、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成する生成部と、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定する推定部と、を備える。

Description

位置管理装置、位置管理方法、及びプログラム

　本発明は、位置管理装置、位置管理方法、及びプログラムに関する。
　本願は、２０２０年３月３０日に日本に出願された特願２０２０－０５９６６１号、及び２０２１年３月１６日に日本に出願された特願２０２１－０４２４１８号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　従来、物流資材（例えばパレットやラック等）の管理において、物流資材の位置情報に基づく管理を行う技術が各種提案されている。

　例えば、下記特許文献１には、ＧＰＳにより取得される物流資材の位置情報に基づき、回収対象の物流資材に１番近いトラックに、回収対象の物流資材を回収させる技術が開示されている。当該技術では、管理対象となる物流資材にＧＰＳ受信機が備え付けられ、当該ＧＰＳ受信機により物流資材の位置情報が高精度に取得される。

日本国特開２００６－１５１６８４号公報

　しかしながら、特許文献１の技術では、管理対象となる物流資材にＧＰＳ（Global Positioning System）受信機が備え付けられるため、管理対象の数が増加するほどＧＰＳ受信機にかかるコストが増加してしまう。すなわち、物流資材の管理において、管理対象となる物流資材の数は膨大であるため、全ての物流資材にＧＰＳ受信機を備え付けるとなると高コストとなってしまう。

　加えて、ＧＰＳ受信機による測位（以下、「ＧＰＳ測位」とも称される）には、高層ビルが密集する地域では建物によるＧＰＳ信号の反射により測位誤差が大きくなってしまう欠点や、屋内環境ではＧＰＳからの緯度経度を受信できないという欠点がある。なお、ＧＰＳ測位の他に、Ｗｉ－Ｆｉルータを活用したＷｉ－Ｆｉ測位や、長距離無線通信を活用した基地局測位により物流資材の位置情報を取得する方法もある。Ｗｉ－Ｆｉ測位は、屋内に強いが、Ｗｉ－Ｆｉルータの設置数が少ない郊外の屋外環境では測位結果を得られないという欠点がある。基地局測位は、ＧＰＳ測位やＷｉ－Ｆｉ測位に比べ、十分な量の測位データを得ることが可能であるが、測位誤差が大きく位置の特定が難しいという欠点がある。

　上述の課題を鑑み、本発明の目的は、低コストかつ高精度に管理対象の位置情報を取得することが可能な位置管理装置、位置管理方法、及びプログラムを提供することにある。

　上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る位置管理装置は、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成する生成部と、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定する推定部と、を備える。

　本発明の一態様に係る位置管理方法は、生成部が、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成することと、推定部が、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定することと、を含む。

　本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成する生成部と、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定する推定部と、として機能させる。

　本発明の一態様に係る位置管理装置は、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する照合部と、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定する推定部と、を備える。

　本発明の一態様に係る位置管理方法は、照合部が、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成することと、推定部が、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定することと、を含む。

　本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する照合部と、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定する推定部と、として機能させる。

　本発明によれば、低コストかつ高精度に管理対象の位置情報を取得することができる。

本発明の各実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。本発明の各実施形態に係る管理サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。本発明の各実施形態に係る参照情報のデータ構成の一例を示す図である。本発明の各実施形態に係る照合情報のデータ構成の一例を示す図である。本発明の第１の実施形態に係る履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。本発明の第１の実施形態に係る管理サーバにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。本発明の第１の実施形態に係る拠点推定の具体例の一例を示す図である。本発明の各実施形態に係る位置管理システムの適用の具体例の一例を示す図である。本発明の第２の実施形態に係る履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。本発明の第２の実施形態に係る管理サーバにおける処理の流れの一例を示すフローチャートである。本発明の第２の実施形態に係る拠点推定の具体例の一例を示す図である。

　以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。

＜＜１．第１の実施形態＞＞
　図１から図８を参照して、本発明の第１の実施形態について説明する。

＜１．位置管理システムの構成＞
　まず、図１を参照して、第１の実施形態に係る位置管理システムの構成の一例について説明する。図１は、本発明の各実施形態に係る位置管理システムの構成の一例を示す図である。図１に示すように、位置管理システム１は、測位端末１０（１０－１～１０－ｎ）、測位端末２０（２０－１～２０－ｍ）、基地局測位プラットフォーム３０、管理サーバ４０、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）測位プラットフォーム５０、参照情報記憶部６０、照合情報記憶部７０、及びユーザ端末８０で構成される。位置管理システム１を構成する各装置は、ネットワーク９０を介して、任意の装置が互いに通信可能に接続されている。

　測位端末１０及び測位端末２０は、測位対象（管理対象）の位置情報を取得するための端末である。測位端末１０は、複数の測位端末１０－１～１０－ｎ（ｎは自然数）を含む。また、測位端末２０は、複数の測位端末２０－１～２０－ｍ（ｍは自然数）を含む。測位端末１０及び測位端末２０は、例えば、パレット、カゴ車、コンテナ、梱包箱等の物流資材に備え付けられる。

　測位端末１０は、第１の測位方法及び第２の測位方法に関する処理を行う。第１の実施形態では、第１の測位方法よりも第２の測位方法の方が測位精度は高い。第１の測位方法は、例えば、基地局測位である。第２の測位方法は、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ測位及び衛星測位である。Ｗｉ－Ｆｉ測位は、例えば、アクセスポイントのＭＡＣ（Media Access Control）アドレスに基づき、測位対象の位置情報を取得する測位方法である。衛星測位は、人工衛星から取得する情報に基づき、測位対象の位置情報を取得する測位方法である。衛星測位には、例えば、ＧＮＳＳ（Global Navigation Satellite System：全球測位衛星システム）やＲＮＳＳ（Regional Navigation Satellite System：地域的測位衛星システム）が含まれる。ＧＮＳＳには、ＧＰＳ、ＧＬＯＮＡＳ、Ｇａｌｉｌｅｏ、ＢＤＳ等が含まれる。ＲＮＳＳには、ＱＺＳＳ、ＩＲＮＳＳ等が含まれる。なお、以下では、ＧＰＳから受信する情報に基づき測位対象の位置情報を取得する測位方法（以下、「ＧＰＳ測位」とも称される）により衛星測位を行う例について説明する。

　測位端末１０は、図１に示すように、第１の通信部１０２、第２の通信部１０４、及びＧＰＳ受信部１０６を備える。

　第１の通信部１０２は、基地局測位のための通信を行う。第１の実施形態に係る第１の通信部１０２は、通信規格としてＬＰＷＡ（Low Power Wide Area）を用いた通信を行う。例えば、第１の通信部１０２は、基地局を介して、基地局測位プラットフォーム３０とＬＰＷＡによる通信を行う。

　なお、通信規格は、かかる例に限定されない。例えば、第１の通信部１０２が用いる通信規格は、３Ｇ（第３世代移動通信システム）、ＬＴＥ（Long Term Evolution）、５Ｇ（第５世代移動通信システム）等の通信規格であってもよい。また、ＬＰＷＡの規格も特に限定されない。例えば、第１の通信部１０２が用いるＬＰＷＡの規格は、Ｓｉｇｆｏｘ、ＮＢ－ＩｏＴ、ＬｏＲａ（ＬｏＲａ　ＷＡＮ）、ＥＬＴＲＥＳ、ＺＥＴＡ、Ｗｉ－ＳＵＮ等であってもよい。

　第２の通信部１０４は、Ｗｉ－Ｆｉ測位のための通信を行う。第１の実施形態に係る第２の通信部１０４は、Ｗｉ－Ｆｉのアクセスポイントと通信を行い、当該ルータのＭＡＣアドレスを取得する。以下、ＭＡＣアドレス等のＷｉ－Ｆｉ測位に関する情報は、「Ｗｉ－Ｆｉ測位情報」とも称される。

　ＧＰＳ受信部１０６は、ＧＰＳ測位を行う。ＧＰＳ受信部１０６は、ＧＰＳから受信する信号に基づき、測位端末１０の位置情報を取得する。ＧＰＳ受信部１０６は、取得した測位端末１０の位置情報を、当該測位端末１０が備え付けられた測位対象の位置情報として取得する。このように、ＧＰＳ測位により取得された測位対象の位置情報（第２の位置情報）は、以下では、「ＧＰＳ測位情報」とも称される。ＧＰＳ測位によって取得されるＧＰＳ測位情報には、例えば、測位対象の現在位置の緯度と経度を示す座標のみが含まれる。

　第１の通信部１０２、第２の通信部１０４、及びＧＰＳ受信部１０６は、例えば、所定の時間間隔ごとに通信又は各種情報の取得を行う。第２の通信部１０４及びＧＰＳ受信部１０６の各々が所定の時間間隔で取得したＭＡＣアドレス及びＧＰＳ測位情報は、第１の通信部１０２が送信する情報に含まれて、基地局測位プラットフォーム３０へ送信される。なお、第１の通信部１０２、第２の通信部１０４、及びＧＰＳ受信部１０６は、測位端末１０に対する衝撃や測位端末１０の加速度変化に基づき、通信又は各種情報の取得を行ってもよい。

　測位端末２０は、第１の測位方法に関する処理を行う。図１に示すように、測位端末２０は、第１の通信部２０２のみを備える。第１の通信部２０２は、第１の通信部１０２と同様に、基地局測位のための通信を行う。なお、測位端末２０には、Ｗｉ－Ｆｉ測位とＧＰＳ測位のための構成が備えられていない。そのため、測位端末２０にかかるコストは、測位端末１０にかかるコストよりも抑えられる。よって、第１の実施形態に係る位置管理システム１では、測位端末にかかるコストを削減することができる。

　基地局測位プラットフォーム３０は、基地局を介して測位端末１０及び測位端末２０から受信する情報に基づき、各々の測位端末に対する基地局測位を行う。第１の実施形態に係る基地局測位プラットフォーム３０は、ＬＰＷＡを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行う。なお、基地局測位プラットフォーム３０は、３Ｇ、ＬＴＥ、及び５Ｇのいずれかの通信規格を用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき、基地局測位を行ってもよい。基地局測位により、測位端末１０及び測位端末２０の位置情報が取得される。基地局測位プラットフォーム３０は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が備え付けられた測位対象の位置情報として取得する。

　以下では、基地局測位により取得された測位対象の位置情報は、「基地局測位情報」とも称される。基地局測位によって取得される基地局測位情報には、例えば、測位対象の現在位置の緯度と経度を示す座標と信用度が含まれる。信用度は、例えば、基地局測位情報に含まれる座標を中心とする円の半径で示される。当該円は、測位対象の位置が含まれ得る範囲を示している。即ち、基地局測位による測位誤差を示しているともいえる。

　基地局測位プラットフォーム３０は、取得した基地局測位情報を含む情報を管理サーバ４０へ送信する。なお、各測位端末の第１の通信部から受信した情報にＭＡＣアドレス及びＧＰＳ測位情報の少なくともいずれかが含まれていた場合、基地局測位プラットフォーム３０は、含まれていた情報も管理サーバ４０へ送信する。

　なお、基地局測位プラットフォーム３０と管理サーバ４０との通信において、１回の通信で送信可能な情報量が制限される場合がある。そのため、基地局測位プラットフォーム３０は、送信可能な情報量に応じて、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＧＰＳ測位情報の３つの測位情報を管理サーバ４０へ送信する。

　例えば、１つの信号に複数の測位情報を含めることができる場合、基地局測位プラットフォーム３０は、送信可能な情報量に応じて３つの測位情報を任意に組み合わせる。そして、基地局測位プラットフォーム３０は、組み合わせごとに異なる信号に含めて、複数回（組み合わせの数）の通信で３つの測位情報を送信する。なお、１つの信号に３つの測位情報を含めることができる場合、基地局測位プラットフォーム３０は、３つの測位情報を１つの信号に含めて、１回の通信で３つの測位情報を送信してもよい。一方、１つの信号に１つの測位情報しか含めることができない場合、基地局測位プラットフォーム３０は、３つの測位情報をそれぞれ異なる信号に含めて、３回の通信に分けて３つの測位情報を送信してもよい。

　管理サーバ４０は、測位対象の位置情報を管理する位置管理装置である。管理サーバ４０は、基地局測位プラットフォーム３０から受信する基地局測位情報、ＭＡＣアドレス、及びＧＰＳ測位情報に基づき、測位対象の位置情報を管理する。

　例えば、管理サーバ４０は、ＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信し、Ｗｉ－Ｆｉ測位を行わせる。これにより、管理サーバ４０は、Ｗｉ－Ｆｉ測位により取得された測位対象の位置情報を取得することができる。なお、Ｗｉ－Ｆｉ測位により取得された測位対象の位置情報（第２の位置情報）もＷｉ－Ｆｉ測位情報である。以下、管理サーバ４０が基地局測位プラットフォーム３０から受信するＷｉ－Ｆｉ測位情報は「ＭＡＣアドレス」であり、管理サーバ４０がＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０から受信するＷｉ－Ｆｉ測位情報は「測位対象の位置情報」であると区別する。Ｗｉ－Ｆｉ測位によって取得されるＷｉ－Ｆｉ測位情報には、例えば、測位対象の現在位置の緯度と経度を示す座標と信用度が含まれる。

　また、管理サーバ４０は、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＧＰＳ測位情報に基づき、各種処理を行う。

　例えば、管理サーバ４０は、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＧＰＳ測位情報を関連付けた参照情報（以下、「データライブラリ」とも称される）を生成する。管理サーバ４０は、生成した参照情報を参照情報記憶部６０に記憶させる。なお、第１の実施形態では、参照情報の生成に用いられる基地局測位情報が第１の位置情報である。

　管理サーバ４０は、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＧＰＳ測位情報の３つの測位情報の内、基地局測位プラットフォーム３０から受信できた測位情報を所定のまとまりごとに関連付ける。例えば、管理サーバ４０は、基地局測位プラットフォーム３０から受信できた測位情報を、基地局測位プラットフォーム３０と通信を行った測位端末１０ごとに関連付ける。例えば、測位端末１０－１が基地局測位プラットフォーム３０と通信を行ったとする。
　これにより、測位情報を１つの信号で受信した場合、管理サーバ４０は、当該信号に含まれている各測位情報を関連付ける。なお、１つの測位端末１０に関する測位情報を複数の信号に分けて受信した場合、管理サーバ４０は、各信号に含まれる識別情報に基づき、所定のまとまりを判定する。識別情報は、例えば、測位端末ＩＤである。なお、管理サーバ４０は、複数の信号の受信時刻や受信間隔等により、所定のまとまりを判定してもよい。

　なお、測位端末１０と基地局測位プラットフォーム３０が通信を行った場合、管理サーバ４０は、少なくとも測位端末１０に関する基地局測位情報を受信することができる。Ｗｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報に関しては、測位端末１０が基地局測位プラットフォーム３０と通信を行ったとしても、測位環境等により受信されない場合もある。よって、測位端末１０と基地局測位プラットフォーム３０が通信を行った場合、管理サーバ４０は、測位端末１０に関する基地局測位情報に対して、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報とＧＰＳ測位情報の内、少なくとも受信できた測位情報を関連付けて参照データを生成する。

　また、管理サーバ４０は、生成した参照情報に基づき、測位対象の現在位置の推定を行う。なお、第１の実施形態では、測位対象の現在位置の推定に用いられる基地局測位情報が第３の位置情報である。

　また、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と、照合情報記憶部７０に記憶された照合情報とを照合することで、測位対象に関する測位対象情報を取得する。ここで、照合情報は、測位対象情報と位置情報（第４の位置情報）とが関連付けられた情報である。管理サーバ４０は、取得した測位対象情報をユーザ端末８０へ送信する。

　Ｗｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０は、管理サーバ４０から受信するＭＡＣアドレスに基づき、各々の測位端末に対するＷｉ－Ｆｉ測位を行う。当該Ｗｉ－Ｆｉ測位により、測位端末１０及び測位端末２０の位置情報が取得される。Ｗｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０は、取得した各測位端末の位置情報を、各測位端末が備え付けられた測位対象のＷｉ－Ｆｉ測位情報として取得する。Ｗｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０は、取得したＷｉ－Ｆｉ測位情報を管理サーバ４０へ送信する。

　ユーザ端末８０は、ユーザが各種情報を参照するために操作する装置である。ユーザ端末８０は、例えば、スマートフォン、タブレット、ＰＣ（パーソナルコンピュータ）等のいずれかの端末である。なお、ユーザ端末８０は、かかる例に限定されない。

　測位環境を考慮しない場合の各測位方法の測位精度は、一般的に、基地局測位、Ｗｉ－Ｆｉ測位、ＧＰＳ測位の順に高くなる。すなわち、基地局測位情報に含まれる測位誤差が１番大きく、ＧＰＳ測位情報に含まれる測位誤差が１番小さくなる。しかしながら、実際には、各測位方法の測位精度の順位は、測位環境によって変化し得る。例えば、屋内、地下、ビル街等では、ＧＰＳ測位の精度が低下し、Ｗｉ－Ｆｉ測位の精度の方が高くなる場合がある。特に、アクセスポイントが設置された屋内では、ＧＰＳ測位の精度よりもＷｉ－Ｆｉ測位の精度の方が高く成り得る。

＜２．管理サーバの構成＞
　以上、位置管理システム１の構成の一例について説明した。続いて、図２を参照して、管理サーバ４０の機能構成の一例について説明する。図２は、本発明の各実施形態に係る管理サーバ４０の機能構成の一例を示すブロック図である。図２に示すように、管理サーバ４０は、通信部４１０、制御部４２０、及び記憶部４３０を備える。

　（１）通信部４１０
　通信部４１０は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部４１０は、基地局測位プラットフォーム３０から送信される基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報（ＭＡＣアドレス）、及びＧＰＳ測位情報を受信し、制御部４２０へ出力する。

　また、通信部４１０は、制御部４２０から入力されるＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信する。そして、通信部４１０は、Ｗｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０から送信されるＷｉ－Ｆｉ測位情報（測位対象の位置情報）を受信し、制御部４２０へ出力する。

　また、通信部４１０は、制御部４２０から入力される測位対象情報をユーザ端末８０へ送信する。

　（２）制御部４２０
　制御部４２０は、管理サーバ４０の動作全体を制御する。図２に示すように制御部４２０は、生成部４２０２、推定部４２０４、及び照合部４２０６を備える。

　（２－１）生成部４２０２
　生成部４２０２は、測位端末１０の基地局測位情報と、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報の少なくともいずれか一方とを関連付けた参照情報を生成する。生成部４２０２は、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に応じて、参照情報を生成する。

　例えば、生成部４２０２が基地局測位プラットフォーム３０から測位端末１０の基地局測位情報及びＭＡＣアドレスを受信したとする。この場合、生成部４２０２は、通信部４１０を介して、ＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信し、測位対象の位置情報を取得する。そして、生成部４２０２は、測位端末１０の基地局測位情報とＷｉ－Ｆｉ測位情報（測位対象の位置情報）とを関連付けて、参照情報記憶部６０に記憶させる。

　また、生成部４２０２が基地局測位プラットフォーム３０から測位端末１０の基地局測位情報及びＧＰＳ測位情報を受信したとする。この場合、生成部４２０２は、測位端末１０の基地局測位情報とＧＰＳ測位情報とを関連付けて、参照情報記憶部６０に記憶させる。

　また、生成部４２０２が基地局測位プラットフォーム３０から測位端末１０の基地局測位情報、ＭＡＣアドレス、及びＧＰＳ測位情報を受信したとする。この場合、生成部４２０２は、通信部４１０を介して、ＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信し、測位対象の位置情報を取得する。そして、生成部４２０２は、測位端末１０の基地局測位情報とＷｉ－Ｆｉ測位情報（測位対象の位置情報）とＧＰＳ測位情報とを関連付けて参照情報記憶部６０に記憶させる。

　かかる構成により、生成部４２０２は、測位精度の低い基地局測位情報を、測位精度の高いＷｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報の少なくともいずれか一方と関連付けることができる。

　（２－２）推定部４２０４
　推定部４２０４は、測位端末１０及び測位端末２０の少なくともいずれか一方が備え付けられた測位対象の現在位置を推定する。推定部４２０４は、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に応じて、測位対象の現在位置を推定する。推定後、推定部４２０４は、推定した測位対象の現在位置を示す情報を照合部４２０６へ出力する。

　例えば、基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報を受信したが、ＭＡＣアドレスを受信しなかったとする。この場合、推定部４２０４は、当該ＧＰＳ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。

　また、基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報を受信しなかったが、ＭＡＣアドレスを受信したとする。この場合、推定部４２０４は、通信部４１０を介して、ＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信し、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報を取得する。そして、推定部４２０４は、取得したＷｉ－Ｆｉ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。

　また、基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報及びＭＡＣアドレスを受信したとする。この場合、推定部４２０４は、測位環境に応じて、測位精度が高い方の情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。なお、以下では、ＧＰＳ測位情報の測位精度の方が高いものとして説明する。

　また、基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報及びＭＡＣアドレスのいずれも受信しなかったとする。この場合、推定部４２０４は、参照情報に基づき、測位対象の現在位置を推定する。

　なお、測位端末１０においては、第２の通信部１０４がＭＡＣアドレスを取得できず、かつＧＰＳ受信部１０６がＧＰＳ測位情報を取得できなかった場合、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報にＧＰＳ測位情報及びＭＡＣアドレスが含まれない状態となり得る。また、測位端末２０においては、基地局測位情報しか取得されないため、常に基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報にＧＰＳ測位情報及びＭＡＣアドレスが含まれない状態となり得る。

　具体的に、推定部４２０４は、参照情報を参照して、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に含まれていた基地局測位情報と対応する基地局測位情報に関連付けられたＷｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報が示す位置を、測位対象の現在位置と推定する。

　より具体的に、推定部４２０４は、参照情報の中から、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に含まれていた基地局測位情報の座標と一致する基地局測位情報の座標を検索する。

　一致する基地局測位情報の座標が存在し、ＧＰＳ測位情報が関連付けられている場合、推定部４２０４は、当該ＧＰＳ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。一方、一致する基地局測位情報の座標が存在するが、ＧＰＳ測位情報が関連付けられていない場合、推定部４２０４は、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。

　このように、推定部４２０４は、基地局測位情報と参照情報に基づき、基地局測位情報よりも測位精度が高い測位情報であるＷｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報を取得することができる。これにより、推定部４２０４は、基地局測位情報のみが入力された場合であっても、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報に基づき、測位対象の現在位置を推定できる。

　以上より、基地局測位のみが可能な測位端末２０が備え付けられた測位対象であっても、Ｗｉ－Ｆｉ測位やＧＰＳ測位も可能な測位端末１０が備え付けられた測位対象と同様に、高精度に現在位置が推定される。よって、第１の実施形態では、低コストの測位端末２０が備え付けられた測位対象の現在位置を高精度に推定することができる。

　なお、一致する基地局測位情報の座標が存在しない場合、推定部４２０４は、基地局測位プラットフォーム３０から受信した基地局測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。

　なお、推定部４２０４は、基地局測位プラットフォーム３０から受信した基地局測位情報の信用度に基づき、参照情報の中から基地局測位情報の座標を検索してもよい。例えば、推定部４２０４は、信用度の半径が示す円の範囲に含まれる基地局測位情報の座標を検索する。

　円の範囲に含まれる座標が１つのみ存在する場合、推定部４２０４は、当該座標が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。
　円の範囲に含まれる座標が複数存在する場合、推定部４２０４は、円の中心の座標に近い方の座標が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。
　円の範囲に含まれる座標が存在しない場合、推定部４２０４は、円の中心の座標が示す位置を測位対象の現在位置と推定する。

　なお、基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に基地局測位情報が含まれていない場合、推定部４２０４は、エラー処理を行う。エラー処理では、例えば、測位対象の所在が不明であることを示す情報が出力される。基地局測位プラットフォーム３０から受信する情報に基地局測位情報が含まれていない状態は、例えば、基地局測位プラットフォーム３０に受信基地局情報が含まれていない場合に起こり得る。

　また、推定部４２０４は、基地局測位プラットフォーム３０からの情報が受信されなかった場合にも、エラー処理をおこなってもよい。基地局測位プラットフォーム３０から情報を受信できない状態は、例えば、山奥等の通信可能エリア外や電波が遮断された場所に測位端末１０及び測位端末２０が移動された場合に起こり得る。また、当該状態は、測位端末１０及び測位端末２０が故障した場合にも起こり得る。
　なお、測位端末１０及び測位端末２０が故障したことにより当該状態が起こった場合、推定部４２０４は、測位端末１０及び測位端末２０が故障したことを示す情報をエラー処理にて出力してもよい。

　（２－３）照合部４２０６
　照合部４２０６は、照合情報記憶部７０に記憶された照合情報と、推定部４２０４から入力される測位対象の現在位置を示す情報とを照合して、現在位置における測位対象情報を取得する。取得後、照合部４２０６は、通信部４１０を介して、取得した測位対象情報をユーザ端末８０へ送信する。

　照合情報は、例えば、測位対象である物流資材が保管される拠点の名称（測位対象情報）と、当該拠点の位置を示す拠点位置情報とが関連付けられた情報である。照合部４２０６は、推定部４２０４から入力される測位対象の現在位置と、拠点位置情報とを照合することで、測位対象が保管されている拠点名を取得できる。なお、照合は、任意の方法により行われてよい。

　例えば、照合部４２０６は、推定部４２０４から入力される測位対象の現在位置を示す座標と一致する座標が照合情報に存在するか否かに基づき、照合情報の中から測位対象情報を取得する。

　一致する座標が存在する場合、照合部４２０６は、当該座標と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。

　一方、一致する座標が存在しない場合、照合部４２０６は、測位対象が保管されている拠点の名称を取得しない。取得しない代わりに、照合部４２０６は、測位対象が拠点に保管されていないことを示す情報を出力する。例えば、照合部４２０６は、測位対象が拠点間を移動（搬送）されている最中、または照合情報にない場所への測位対象の流出、盗難等の所在不明であることを示す情報を出力する。

　また、照合部４２０６は、信用度の半径が示す円の範囲に含まれる座標が照合情報の中に存在するか否かに基づき、照合情報の中から測位対象情報を取得してもよい。

　円の範囲に含まれる拠点を示す座標が１つのみ存在する場合、照合部４２０６は、当該座標と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。
　円の範囲に含まれる座標が複数存在する場合、照合部４２０６は、円の中心の座標に近い方の座標と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。
　円の範囲に含まれる座標が存在しない場合、照合部４２０６は、測位対象が保管されている拠点の名称を取得せず、測位対象が拠点に保管されていないことを示す情報を出力する。

　また、照合部４２０６は、測位対象の現在位置から各拠点までの距離に基づき、照合情報の中から測位対象情報を取得してもよい。具体的に、照合部４２０６は、測位対象の現在位置を示す座標と、各拠点名と関連付けられた拠点位置情報を示す座標とに基づき、測位対象の現在位置から各拠点までの距離を算出する。そして、照合部４２０６は、算出した距離が最も短い拠点位置情報を示す座標と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。

　なお、照合情報に含まれる拠点位置情報は、座標ではなく所定の領域で示されてもよい。この場合、照合部４２０６は、測位対象の現在位置が含まれる所定の領域が照合情報に存在するか否かに基づき、照合情報の中から測位対象情報を取得する。測位対象の現在位置が含まれる所定の領域が照合情報に存在する場合、照合部４２０６は、当該所定の領域と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。

　なお、所定の領域には、例えば、想定される測位誤差に基づき決定した領域や、緯度経度の有効数字の桁数を調整することにより決定された領域、仮想的な地理的境界（Ｇｅｏｆｅｎｃｅ）等が設定される。
　有効数字の桁数は、照合において許容する誤差の範囲に応じて任意に設定されてよい。照合に用いる拠点位置情報の緯度経度の有効数字の桁数が小さくなると、測位対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度とを照合する際の桁数が少なくなる。そのため、測位対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度が同一であるとみなす許容範囲が大きくなる。即ち、照合において許容する誤差の範囲が大きくなる。
　一方、照合に用いる拠点位置情報の緯度経度の有効数字の桁数が大きくなると、測位対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度とを照合する際の桁数が多くなる。そのため、測位対象の現在位置の緯度経度と拠点位置情報の緯度経度が同一であるとみなす許容範囲が小さくなる。即ち、照合において許容する誤差の範囲が小さくなる。

　以上のように、照合部４２０６は、測位対象の現在位置の座標が拠点位置情報の座標と一致する場合、あるいは、測位対象の現在位置の座標が所定の領域の範囲内である場合、測位対象の現在位置の座標と拠点位置情報の座標とが同一であるとみなしてよい。

　測位対象の現在位置が含まれる所定の領域が存在する場合、照合部４２０６は、当該所定の領域と関連付けられた拠点名を、測位対象が保管されている拠点の名称として取得する。
　一方、測位対象の現在位置が含まれる所定の領域が存在しない場合、照合部４２０６は、測位対象が保管されている拠点の名称を取得せず、測位対象が拠点に保管されていないことを示す情報を出力する。

　なお、照合部４２０６は、照合した結果の履歴を示す情報（以下、「履歴情報」とも称される）を生成してもよい。履歴情報は、新しいテーブルとして作成されてもよいし、既存のテーブルに照合結果が追加されることで作成されてもよい。例えば、照合部４２０６は、初回の照合時に、各測位情報と照合結果のカラムを有する履歴情報テーブルを生成する。また、照合部４２０６は、参照情報テーブルに対して、照合結果が示す拠点名のカラムを追加してもよい。また、照合部４２０６は、照合情報テーブルに対して、照合結果の拠点名と対応する各測位情報のカラムを追加してもよい。

　なお、制御部４２０は、例えば、管理サーバ４０がハードウェアとして備えるＣＰＵ（Central Processing Unit）にプログラムを実行させることによって実現される。

　（３）記憶部４３０
　記憶部４３０は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部４３０は、制御部４２０の処理において出力されるデータや、各種アプリケーション等のデータを記憶する。なお、記憶部４３０は、参照情報、照合情報、及び履歴情報を記憶してもよい。

　記憶部４３０は、記憶媒体、例えば、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）、フラッシュメモリ、ＥＥＰＲＯＭ（Electrically Erasable Programmable Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access read/write Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部４３０は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。

＜３．データ構成＞
　以上、管理サーバ４０の機能構成の一例について説明した。続いて、図３～図５を参照して、第１の実施形態に係るデータ構成の一例について説明する。

　（１）参照情報のデータ構成
　まず、図３を参照して、参照情報について説明する。図３は、本発明の第１の実施形態に係る参照情報のデータ構成の一例を示す図である。図３に示すように、参照情報のレコードには、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＧＰＳ測位情報が含まれる。なお、参照情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。

　基地局測位情報は、例えば、基地局測位により取得された測位対象の位置を示す座標（ＸＢ，ＹＢ）である。Ｗｉ－Ｆｉ測位情報は、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ測位により取得された測位対象の位置を示す座標（ＸＷ，ＹＷ）である。ＧＰＳ測位情報は、例えば、ＧＰＳ測位により取得された測位対象の位置を示す座標（ＸＧ，ＹＧ）である。

　例えば、図３に示す参照情報の１レコード目には、基地局測位情報が（ＸＢ１，ＹＢ１）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ１，ＹＷ１）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ１，ＹＧ１）であることが記憶されている。これは、（ＸＢ１，ＹＢ１）に対して、より測位精度の高い測位情報として（ＸＷ１，ＹＷ１）及び（ＸＧ１，ＹＧ１）が関連付けられていることを示している。

　また、図３に示す参照情報の２レコード目には、基地局測位情報が（ＸＢ２，ＹＢ２）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ２，ＹＷ２）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ２，ＹＧ２）であることが記憶されている。これは、（ＸＢ２，ＹＢ２）に対して、より測位精度の高い測位情報として（ＸＷ２，ＹＷ２）及び（ＸＧ２，ＹＧ２）が関連付けられていることを示している。

　また、図３に示す参照情報の３レコード目には、基地局測位情報が（ＸＢ３，ＹＢ３）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ３，ＹＧ３）であることが記憶されている。これは、（ＸＢ３，ＹＢ３）に対して、より測位精度の高い測位情報として（ＸＧ３，ＹＧ３）のみが関連付けられていることを示している。すなわち、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報は取得されなかったことも示している。

　また、図３に示す参照情報の４レコード目には、基地局測位情報が（ＸＢ４，ＹＢ４）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ４，ＹＷ４）であることが記憶されている。これは、（ＸＢ４，ＹＢ４）に対して、より測位精度の高い測位情報として（ＸＷ４，ＹＷ４）のみが関連付けられていることを示している。すなわち、ＧＰＳ測位情報は取得されなかったことも示している。

　（２）照合情報のデータ構成
　次いで、図４を参照して、照合情報について説明する。図４は、本発明の各実施形態に係る照合情報のデータ構成の一例を示す図である。図４に示すように、照合情報のレコードには、拠点名及び拠点位置情報が含まれる。なお、照合情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。

　拠点名は、物流資材が保管される拠点の名称である。拠点位置情報は、各拠点が存在する位置を示す座標（ＸＫ，ＹＫ）である。

　例えば、図４に示す照合情報の１レコード目には、拠点名が「拠点Ｉ」、拠点位置情報が（ＸＫ１，ＹＫ１）であることが記憶されている。これは、「拠点Ｉ」が（ＸＫ１，ＹＫ１）に存在することを示している。

　また、図４に示す照合情報の２レコード目には、拠点名が「拠点ＩＩ」、拠点位置情報が（ＸＫ２，ＹＫ２）であることが記憶されている。これは、「拠点ＩＩ」が（ＸＫ２，ＹＫ２）に存在することを示している。

　また、図４に示す照合情報の３レコード目には、拠点名が「拠点ＩＩＩ」、拠点位置情報が（ＸＫ３，ＹＫ３）であることが記憶されている。これは、「拠点ＩＩＩ」が（ＸＫ３，ＹＫ３）に存在することを示している。

　また、図４に示す照合情報の４レコード目には、拠点名が「拠点ＩＶ」、拠点位置情報が（ＸＫ４，ＹＫ４）であることが記憶されている。これは、「拠点ＩＶ」が（ＸＫ４，ＹＫ４）に存在することを示している。

　（３）履歴情報のデータ構成
　次いで、図５を参照して、履歴情報について説明する。図５は、本発明の第１の実施形態に係る履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。図５に示すように、履歴情報のレコードには、履歴Ｎｏ、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報、及び拠点名が含まれる。なお、履歴情報のレコードに含まれる情報は、かかる例に限定されない。

　例えば、図５に示す履歴情報の１レコード目の「履歴１」には、基地局測位情報が（ＸＢ１，ＹＢ１）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ１，ＹＷ１）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ１，ＹＧ１）、拠点名が「拠点Ｉ」であることが記憶されている。これは、過去に、（ＸＢ１，ＹＢ１）、（ＸＷ１，ＹＷ１）、及び（ＸＧ１，ＹＧ１）が示す位置は「拠点Ｉ」であると推定されたことを示す。

　また、図５に示す履歴情報の２レコード目の「履歴２」には、基地局測位情報が（ＸＢ２，ＹＢ２）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ２，ＹＷ２）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ２，ＹＧ２）、拠点名が「拠点ＩＩ」であることが記憶されている。これは、過去に、（ＸＢ２，ＹＢ２）、（ＸＷ２，ＹＷ２）、及び（ＸＧ２，ＹＧ２）が示す位置は「拠点ＩＩ」であると推定されたことを示す。

　また、図５に示す履歴情報の３レコード目の「履歴３」には、基地局測位情報が（ＸＢ３，ＹＢ３）、ＧＰＳ測位情報が（ＸＧ３，ＹＧ３）、拠点名が「拠点ＩＩＩ」であることが記憶されている。これは、過去に、（ＸＢ３，ＹＢ３）及び（ＸＧ３，ＹＧ３）が示す位置は「拠点ＩＩＩ」であると推定されたことを示す。

　また、図５に示す履歴情報の４レコード目の「履歴４」には、基地局測位情報が（ＸＢ４，ＹＢ４）、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が（ＸＷ４，ＹＷ４）、拠点名が「拠点Ｉ」であることが記憶されている。これは、過去に、（ＸＢ４，ＹＢ４）及び（ＸＷ４，ＹＷ４）が示す位置は「拠点Ｉ」であると推定されたことを示す。

＜４．処理の流れ＞
　以上、データ構成の一例について説明した。続いて、図６を参照して、第１の実施形態に係る管理サーバ４０における処理の流れの一例について説明する。図６は、本発明の第１の実施形態に係る管理サーバ４０における処理の流れの一例を示すフローチャートである。

　図６に示すように、管理サーバ４０は、基地局測位プラットフォーム３０から情報を受信したか否かを判定する（Ｓ１０２）。

　情報を受信した場合（Ｓ１０２／ＹＥＳ）、管理サーバ４０は、Ｓ１０４の処理を行う。情報を受信していない場合（Ｓ１０２／ＮＯ）、管理サーバ４０は、Ｓ１０２の処理を繰り返す。

　管理サーバ４０は、受信した情報にＧＰＳ測位情報が含まれているか否かを判定する（Ｓ１０４）。

　ＧＰＳ測位情報が含まれていた場合（Ｓ１０４／ＹＥＳ）、管理サーバ４０は、ＧＰＳ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する（Ｓ１０６）。現在位置の推定後、管理サーバ４０は、ＧＰＳ測位情報と照合情報とを照合し、測位対象の現在位置における拠点を推定する（Ｓ１０８）。推定後、管理サーバ４０は、推定結果を出力し（Ｓ１１０）、Ｓ１０２から処理を繰り返す。

　ＧＰＳ測位情報が含まれていなかった場合（Ｓ１０４／ＮＯ）、管理サーバ４０は、受信した情報にＷｉ－Ｆｉ測位情報が含まれているか否かを判定する（Ｓ１１２）。

　Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が含まれていた場合（Ｓ１１２／ＹＥＳ）、管理サーバ４０は、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する（Ｓ１１４）。現在位置の推定後、管理サーバ４０は、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報と照合情報とを照合し、測位対象の現在位置における拠点を推定する（Ｓ１１６）。推定後、管理サーバ４０は、推定結果を出力し（Ｓ１１０）、Ｓ１０２から処理を繰り返す。

　Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が含まれていなかった場合（Ｓ１１２／ＮＯ）、管理サーバ４０は、受信した情報に含まれていた基地局測位情報と対応する基地局測位情報が、参照情報に存在するか否かを判定する（Ｓ１１８）。

　参照情報に対応する基地局測位情報が存在する場合（Ｓ１１８／ＹＥＳ）、管理サーバ４０は、参照情報に基づき、測位対象の現在位置を推定する（Ｓ１２０）。測位対象の現在位置の推定後、管理サーバ４０は、推定した現在位置と照合情報とを照合し、測位対象の現在位置における拠点を推定する（Ｓ１２２）。推定後、管理サーバ４０は、推定結果を出力し（Ｓ１１０）、Ｓ１０２から処理を繰り返す。

　参照情報に対応する基地局測位情報が存在しなかった場合（Ｓ１１８／ＮＯ）、管理サーバ４０は、受信した情報に含まれていた基地局測位情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定する（Ｓ１２４）。現在位置の推定後、管理サーバ４０は、基地局測位情報と照合情報とを照合し、測位対象の現在位置における拠点を推定する（Ｓ１２６）。推定後、管理サーバ４０は、推定結果を出力し（Ｓ１１０）、Ｓ１０２から処理を繰り返す。なお、Ｓ１０４、Ｓ１１２、Ｓ１１８は、ＧＰＳ測位、Ｗｉ－Ｆｉ測位の受信環境を考慮し、その順番が入れ替えられてもよい。

＜５．具体例＞
　以上、処理の流れの一例について説明した。続いて、図７及び図８を参照して、第１の実施形態に係る具体例の一例について説明する。

　（１）拠点推定の具体例
　まず、図７を参照して、拠点推定の具体例について説明する。図７は、本発明の各実施形態に係る拠点推定の具体例の一例を示す図である。図７には、拠点推定の例が時系列で示されている。なお、図７に示す例では、図３に示した参照情報、図４に示した照合情報、図５に示した履歴情報が用いられるとする。

　また、図７に示す例では、測位端末ＩＤが「００１」の端末が測位端末１０－１、測位端末ＩＤが「００２」の端末が測位端末１０－２、測位端末ＩＤが「００３」の端末が測位端末２０－１であるとする。

　また、拠点情報の（ＸＫ１,ＹＫ１）とＧＰＳ測位情報の（ＸＧ１，ＹＧ１）とＷｉ－Ｆｉ測位情報の（ＸＷ４，ＹＷ４）とが同一の座標であるとする。また、拠点情報の（ＸＫ２,ＹＫ２）とＧＰＳ測位情報の（ＸＧ２，ＹＧ２）とが同一の座標であるとする。また、拠点情報の（ＸＫ３,ＹＫ３）とＧＰＳ測位情報の（ＸＧ３，ＹＧ３）とが同一の座標であるとする。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１０：００：００」である１レコード目には、測位端末１０－１が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ１，ＹＢ１）かつ信用度が１０００ｍである基地局測位情報と、緯度経度が（ＸＷ１，ＹＷ１）かつ信用度が１００ｍであるＷｉ－Ｆｉ測位情報と、緯度経度が（ＸＧ１，ＹＧ１）であるＧＰＳ測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報（図３の１レコード目）として記録される。

　ＧＰＳ測位情報が取得されているため、管理サーバ４０は、（ＸＧ１，ＹＧ１）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＧ１，ＹＧ１）と（ＸＫ１，ＹＫ１）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報（図５に示した履歴１）として記録される。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１０：１０：００」である２レコード目には、測位端末１０－２が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ２，ＹＢ２）かつ信用度が１０００ｍである基地局測位情報と、緯度経度が（ＸＷ２，ＹＷ２）かつ信用度が５００ｍであるＷｉ－Ｆｉ測位情報と、緯度経度が（ＸＧ２，ＹＧ２）であるＧＰＳ測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報（図３の２レコード目）として記録される。

　ＧＰＳ測位情報が取得されているため、管理サーバ４０は、（ＸＧ２，ＹＧ２）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＧ２，ＹＧ２）と（ＸＫ２，ＹＫ２）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点ＩＩ」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報（図５に示した履歴２）として記録される。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１１：１０：００」である３レコード目には、測位端末１０－２が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ３，ＹＢ３）かつ信用度が２０００ｍである基地局測位情報と、緯度経度が（ＸＧ３，ＹＧ３）であるＧＰＳ測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報（図３の３レコード目）として記録される。

　ＧＰＳ測位情報が取得されているため、管理サーバ４０は、（ＸＧ３，ＹＧ３）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＧ３，ＹＧ３）と（ＸＫ３，ＹＫ３）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点ＩＩＩ」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報（図５に示した履歴３）として記録される。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１２：１０：００」である４レコード目には、測位端末１０－２が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ４，ＹＢ４）かつ信用度が４０００ｍである基地局測位情報と、緯度経度が（ＸＷ４，ＹＷ４）かつ信用度が３００ｍであるＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されている。なお、これらの測位情報は、互いに関連付けられて参照情報（図３の４レコード目）として記録される。

　ＧＰＳ測位情報が取得されていないが、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報が取得されているため、管理サーバ４０は、（ＸＷ４，ＹＷ４）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＷ４，ＹＷ４）と（ＸＫ１，ＹＫ１）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。なお、当該推定結果は、履歴情報（図５に示した履歴４）として記録される。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１４：００：００」である５レコード目には、測位端末２０－１が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ１，ＹＢ１）かつ信用度が５０００ｍである基地局測位情報のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、参照情報を参照して、測位対象の現在位置を推定する。参照情報の１レコード目には、（ＸＢ１，ＹＢ１）に対して、（ＸＷ１，ＹＷ１）及び（ＸＧ１，ＹＧ１）が関連付けられている。よって、管理サーバ４０は、（ＸＧ１，ＹＧ１）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＧ１，ＹＧ１）と（ＸＫ１，ＹＫ１）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。

　なお、拠点の推定は、図５に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴１にて（ＸＧ１，ＹＧ１）と「拠点Ｉ」が関連付けられているため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定してもよい。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１５：００：００」である６レコード目には、測位端末２０－１が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ２，ＹＢ２）かつ信用度が３０００ｍである基地局測位情報のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、参照情報を参照して、測位対象の現在位置を推定する。参照情報の２レコード目には、（ＸＢ２，ＹＢ２）に対して、（ＸＷ２，ＹＷ２）及び（ＸＧ２，ＹＧ２）が関連付けられている。よって、管理サーバ４０は、（ＸＧ２，ＹＧ２）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＧ２，ＹＧ２）と（ＸＫ２，ＹＫ２）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点ＩＩ」であると推定する。

　なお、拠点の推定は、図５に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴２にて（ＸＧ２，ＹＧ２）と「拠点ＩＩ」が関連付けられているため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点ＩＩ」であると推定してもよい。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１６：００：００」である７レコード目には、測位端末２０－１が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ４，ＹＢ４）かつ信用度が９０００ｍである基地局測位情報のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、参照情報を参照して、測位対象の現在位置を推定する。参照情報の４レコード目には、（ＸＢ４，ＹＢ４）に対して、（ＸＷ４，ＹＷ４）のみが関連付けられている。よって、管理サーバ４０は、（ＸＷ４，ＹＷ４）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。（ＸＷ４，ＹＷ４）と（ＸＫ１，ＹＫ１）が同一の座標であるため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。

　なお、拠点の推定は、図５に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴４にて（ＸＷ４，ＹＷ４）と「拠点Ｉ」が関連付けられているため、管理サーバ４０は、拠点が「拠点Ｉ」であると推定してもよい。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１７：００：００」である８レコード目には、測位端末２０－１が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ５，ＹＢ５）かつ信用度が２０００ｍである基地局測位情報のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、参照情報を参照して、測位対象の現在位置を推定する。参照情報には、（ＸＢ５，ＹＢ５）に対応するレコードが記録されていない。よって、管理サーバ４０は、（ＸＢ５，ＹＢ５）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。照合情報には、（ＸＢ５，ＹＢ５）と対応する拠点名が記録されていない。よって、管理サーバ４０は、測位対象が「移動中」または照合情報にない場所への測位対象の流出、盗難等の「所在不明」であると推定する。

　なお、拠点の推定は、図５に示した履歴情報を参照して推定されてもよい。例えば、履歴情報には、（ＸＢ５，ＹＢ５）と対応する履歴が記録されていない。よって、管理サーバ４０は、測位対象が「移動中」であると推定してもよい。

　（２）位置管理システム１の適用の具体例
　続いて、図８を参照して、位置管理システム１の適用の具体例について説明する。図８は、本発明の各実施形態に係る位置管理システム１の適用の具体例の一例を示す図である。位置管理システム１は、例えば、物流資材の管理のためのプラットフォームの構築に適用される。

　例えば、図８に示すように、位置管理システム１は、物流資材の各々に備え付けられたＬＰＷＡ通信デバイスから取得される情報に基づき、各種の測位を行う。そして、位置管理システム１は、基地局測位、Ｗｉ－Ｆｉ測位、及びＧＰＳ測位によって取得された各位置情報を関連付けて記録することで、データライブラリ（参照情報）を生成する。位置管理システム１は、生成したデータライブラリと得意先拠点情報（照合情報）とを照合することで、物流資材が保管されている拠点を推定する。このようにして、位置管理システム１は、物流資材が保管されている拠点を推定可能なプラットフォームを構築することができる。

　当該プラットフォームによる推定結果をリスト化することで、物流資材の管理に関する情報の見える化も可能となる。例えば、図８に示すように、各拠点に保管されている資材数をリスト化することで、各拠点に保管されている物流資材の数を把握することができる。また、物流資材の合計数が既知の場合、拠点に存在しない物流資材の数を算出してリストに加えることもできる。拠点に存在しない物流資材は、例えば、図８に示す「移動中」の物流資材や「所在不明」の物流資材である。

　以上説明したように、本発明の第１の実施形態に係る位置管理装置は、基地局測位情報と、基地局測位情報よりも測位精度が高いＷｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報とを関連付けた参照情報を生成する。また、位置管理装置は、基地局測位情報が取得された際に、参照情報に基づき、測位対象の現在位置を推定する。

　かかる構成により、本発明の第１の実施形態に係る位置管理装置は、基地局測位情報のみが入力された場合であっても、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報に基づき、測位対象の現在位置を推定できる。そのため、基地局測位のみが可能な測位端末２０が備え付けられた測位対象であっても、Ｗｉ－Ｆｉ測位やＧＰＳ測位も可能な測位端末１０が備え付けられた測位対象と同様に、高精度に現在位置が推定される。

　以上より、本発明の第１の実施形態では、低コストの測位端末２０が備え付けられた測位対象の現在位置を高精度に推定することができる。よって、低コストかつ高精度に管理対象の位置情報を取得することができる。

＜＜２．第２の実施形態＞＞
　以上、本発明の第１の実施形態について説明した。続いて、本発明の第２の実施形態について説明する。
　上述した第１の実施形態では、図６に示した管理サーバ４０の処理にて、ＧＰＳ測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、又は基地局測位情報のいずれかを用いて測位対象の現在位置に対応する拠点の推定を行う例について説明したが、かかる例に限定されない。
　例えば、管理サーバ４０は、ＭＡＣアドレスを用いて測位対象の現在位置に対応する拠点の推定を行ってもよい。ＭＡＣアドレスは、第２の測位方法であるＷｉ－Ｆｉ測位のために取得されるアクセスポイントの識別情報である。
　以下、図９から図１１を参照して、本発明の第２の実施形態について説明する。なお、以下では、上述した第１の実施形態と異なる部分のみを説明し、重複する部分の説明を省略する。

＜１．位置管理システムの構成＞
　第２の実施形態に係る位置管理システム１の構成は、上述した第１の実施形態に係る位置管理システム１の構成と同様であるが、一部機能が異なる。

　第２の実施形態に係る管理サーバ４０は、履歴情報の生成において、各測位情報と照合結果に加えて、ＭＡＣアドレスもさらに関連付ける。これにより、管理サーバ４０は、測位対象の現在位置における拠点を推定する際にＭＡＣアドレスが取得されている場合には、当該ＭＡＣアドレスから測位対象の現在位置における拠点を推定することができる。

　履歴情報には、ＧＰＳ測位情報やＷｉ－Ｆｉ測位情報に基づき得られた照合結果も含まれる。そのため、管理サーバ４０は、ＭＡＣアドレスを用いて履歴情報から測位対象の現在位置における拠点を推定することで、ＧＰＳ測位情報やＷｉ－Ｆｉ測位情報に基づき得られた現在位置における拠点を測位対象の現在位置における拠点として推定することができる。これより、管理サーバ４０は、基地局測位情報を用いて参照情報等から測位対象の現在位置における拠点を推定するよりも、ＭＡＣアドレスを用いて履歴情報から測位対象の現在位置における拠点を推定する方が、より精度高く推定を行うことができる。

　そこで、第２の実施形態では、管理サーバ４０は、測位対象の現在位置における拠点の推定に用いられる基地局測位情報が取得された際に、ＧＰＳ測位情報とＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていない場合には、ＭＡＣアドレスが取得されているか否かを確認する。そして、ＭＡＣアドレスが取得されている場合、管理サーバ４０は、ＭＡＣアドレスを用いて履歴情報から測位対象の現在位置における拠点を推定する。一方、ＭＡＣアドレスが取得されていない場合又はＭＡＣアドレスを用いて測位対象の現在位置における拠点を推定できなかった場合、管理サーバ４０は、基地局測位情報を用いて測位対象の現在位置及び当該現在位置における拠点を推定する。

　なお、履歴情報の各測位情報と照合結果に関連付けられるＭＡＣアドレスの数は特に限定されず、１つであってもよいし複数であってもよい。ＭＡＣアドレスは、測位対象に備え付けられた測位端末１０がアクセスポイントと通信を行った際に、当該アクセスポイントから取得される。測位対象の現在位置及び拠点を推定する際に取得されているＭＡＣアドレスの数は、測位対象に備え付けられた測位端末１０が現在位置にて通信を行ったアクセスポイントの数となる。そのため、管理サーバ４０は、測位対象の現在位置及び拠点の推定に用いられる基地局測位情報が取得された際に、測位端末１０が現在位置にて通信を行ったアクセスポイントの数だけＭＡＣアドレスを受信する。そして、管理サーバ４０は、受信したＭＡＣアドレスを含めた履歴情報を生成する。

＜２．管理サーバの構成＞
　以上、第２の実施形態に係る位置管理システム１の構成について説明した。続いて、第２の実施形態に係る管理サーバ４０の機能構成について説明する。
　第２の実施形態に係る管理サーバ４０の機能構成は、上述した第１の実施形態に係る管理サーバ４０の機能構成と同様であるが、一部機能が異なる。

　第２の実施形態に係る管理サーバ４０は、第１の実施形態に係る管理サーバ４０と同様に、通信部４１０、制御部４２０、及び記憶部４３０を備える。

　（１）通信部４１０
　第２の実施形態に係る通信部４１０の機能は、第１の実施形態に係る通信部４１０の機能と同様であるため、その説明を省略する。

　（２）制御部４２０
　第２の実施形態に係る制御部４２０は、第１の実施形態に係る制御部４２０と同様に、生成部４２０２、推定部４２０４、及び照合部４２０６を備える。

　（２－１）生成部４２０２
　第２の実施形態に係る生成部４２０２の機能は、第１の実施形態に係る生成部４２０２の機能と同様であるため、その説明を省略する。

　（２－２）推定部４２０４
　第２の実施形態に係る推定部４２０４の機能は、第１の実施形態に係る推定部４２０４の機能と同様であるが、一部異なる。

　第２の実施形態に係る推定部４２０４は、測位対象の基地局測位情報が測位された際に、履歴情報に基づき、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定してもよい。
　なお、第２の実施形態において、測位対象情報は、測位対象の位置情報の一種である。即ち、測位対象の位置情報は、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報のように座標値で示される情報であってもよいし、測位対象情報のように拠点名等の名称で示される情報であってもよい。

　例えば、推定部４２０４は、測位対象の基地局測位情報が測位された際にＭＡＣアドレスが取得されている場合、履歴情報を参照し、ＭＡＣアドレスに関連付けられている測位対象情報を取得する。具体的に、推定部４２０４は、測位対象の基地局測位情報が測位された際にＭＡＣアドレスが取得されている場合、取得されたＭＡＣアドレスに対応する履歴情報のＭＡＣアドレスに関連付けられている測位対象情報を取得する。そして、推定部４２０４は、参照情報から取得した測位対象情報を測位対象の測位対象情報と推定する。

　具体的に、測位対象の基地局測位情報が測位された際に取得されているＭＡＣアドレスの数が１つであったとする。この場合、推定部４２０４は、例えば当該取得されているＭＡＣアドレスと一致するＭＡＣアドレスを含む履歴情報から、測位対象情報を取得する。
　測位対象の基地局測位情報が測位された際に取得されているＭＡＣアドレスの数が複数であったとする。この場合、推定部４２０４は、例えば当該取得されているＭＡＣアドレスの各々と一致するＭＡＣアドレスをより多く含む履歴情報から、測位対象情報を取得する。そして、推定部４２０４は、取得した測位対象情報を、測位対象の現在位置における測位対象情報と推定する。
　なお、推定部４２０４は、取得されているＭＡＣアドレスと一致するＭＡＣアドレスを含む履歴情報から、位置情報を取得してもよい。例えば、推定部４２０４は、ＭＡＣアドレスに関連付けられているＧＰＳ測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、基地局測位情報のいずれかを取得する。そして、推定部４２０４は、取得した位置情報が示す位置を測位対象の現在位置と推定してもよい。

　管理サーバ４０が基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報を受信しなかったが、ＭＡＣアドレスを受信したとする。この場合、推定部４２０４は、通信部４１０を介して、ＭＡＣアドレスをＷｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム５０へ送信し、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報の取得を試みる。
　この時、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報を取得できなかった場合、推定部４２０４は、ＭＡＣアドレスと履歴情報から、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定する。

　ＭＡＣアドレスと履歴情報から測位対象の現在位置における測位対象情報を推定できなかった場合、推定部４２０４は、参照情報に基づき、測位対象の現在位置又は測位対象情報を推定する。
　また、管理サーバ４０が基地局測位プラットフォーム３０からＧＰＳ測位情報及びＭＡＣアドレスのいずれも受信しなかったとする。この場合も、推定部４２０４は、参照情報に基づき、測位対象の現在位置又は測位対象情報を推定する。

　なお、推定部４２０４は、測位対象の基地局測位情報が取得された際に、ＭＡＣアドレスの有無に関わらず、履歴情報に基づき、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定してもよい。例えば、推定部４２０４は、ＧＰＳ測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、又は基地局測位情報のいずれかを用いて履歴情報を参照し、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定してもよい。

　（２－３）照合部４２０６
　第２の実施形態に係る照合部４２０６の機能は、第１の実施形態に係る照合部４２０６の機能と同様であるが、一部異なる。

　第２の実施形態に係る照合部４２０６は、測位対象情報の推定において取得された測位対象の位置情報と測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する。例えば、照合部４２０６は、照合時に取得されている測位対象の位置情報と、照合によって取得した測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する。
　具体的に、照合部４２０６は、基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報、ＭＡＣアドレス、測位対象情報（例えば拠点名）の内、測位対象情報の推定において取得された少なくとも基地局測位情報と測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する。
　当該履歴情報の生成時、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報、及びＭＡＣアドレスの中で取得されている情報がある場合、照合部４２０６は、基地局測位情報と測位対象情報に対して、取得されているＷｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報、及びＭＡＣアドレスをさらに関連付けた履歴情報を生成してもよい。

　照合時に取得されているＭＡＣアドレスの数が１つであったとする。この場合、照合部４２０６は、当該１つのＭＡＣアドレスのみを含む履歴情報を生成する。一方、照合時に取得されているＭＡＣアドレスの数が複数であったとする。この場合、照合部４２０６は、当該複数のＭＡＣアドレスのみを含む履歴情報を生成する。

　なお、照合部４２０６が履歴情報に含めるＭＡＣアドレスの数には上限が設けられてもよい。例えば、第２の実施形態では、当該上限を３つとする。この場合、照合部４２０６は、最大で３つのＭＡＣアドレスを含む履歴情報を生成する。
　照合時に取得されているＭＡＣアドレスの数が、当該上限を超える数である場合、照合部４２０６は、取得されているＭＡＣアドレスから上限の数だけＭＡＣアドレスを抽出し、抽出したＭＡＣアドレスを履歴情報に含める。例えば、照合部４２０６は、アクセスポイントからの信号の受信レベルに応じて、ＭＡＣアドレスを抽出する。一例として、照合部４２０６は、信号の受信レベルが高いアクセスポイントから受信したＭＡＣアドレスを優先的に抽出する。

　（３）記憶部４３０
　第２の実施形態に係る記憶部４３０の機能は、第１の実施形態に係る記憶部４３０の機能と同様であるため、その説明を省略する。

　（１）参照情報のデータ構成
　第２の実施形態に係る参照情報のデータ構成は、第１の実施形態に係る参照情報のデータ構成と同様であるため、その説明を省略する。

　（２）照合情報のデータ構成
　第２の実施形態に係る照合情報のデータ構成は、第１の実施形態に係る照合情報のデータ構成と同様であるため、その説明を省略する。

　（３）履歴情報のデータ構成
　第２の実施形態に係る履歴情報のデータ構成は、第１の実施形態に係る履歴情報のデータ構成と一部異なる。以下、図９を参照して、異なる部分について説明する。図９は、本発明の第２の実施形態に係る履歴情報のデータ構成の一例を示す図である。
　図９に示すように、第２の実施形態に係る履歴情報のデータ構成は、図５に示した第１の実施形態に係る履歴情報のデータ構成に対して、ＭＡＣアドレスの列が追加されている。

　例えば、図９に示す履歴情報の１レコード目の「履歴１」には、ＭＡＣアドレスが「ＯＡ，ＯＢ，ＯＤ」であることが記憶されている。これは、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＡ，ＯＢ，ＯＤ」であることを示す。
　図９に示す履歴情報の２レコード目の「履歴２」には、ＭＡＣアドレスが「ＯＦ，ＯＧ，ＯＨ」であることが記憶されている。これは、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＦ，ＯＧ，ＯＨ」であることを示す。
　図９に示す履歴情報の３レコード目の「履歴３」には、ＭＡＣアドレスが「－」であることが記憶されている。これは、照合時にＭＡＣアドレスが取得されていなかったことを示す。
　図９に示す履歴情報の４レコード目の「履歴４」には、ＭＡＣアドレスが「ＯＸ，ＯＺ，ＯＷ」であることが記憶されている。これは、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＸ，ＯＺ，ＯＷ」であることを示す。

＜４．処理の流れ＞
　第２の実施形態に係る管理サーバ４０における処理の流れは、第１の実施形態に係る管理サーバ４０における処理の流れと一部異なる。以下、図１０を参照して、異なる部分について説明する。図１０は、本発明の第２の実施形態に係る管理サーバ４０における処理の流れの一例を示すフローチャートである。

　図１０に示すＳ２０２からＳ２１６は、図６に示したＳ１０２からＳ１１６とそれぞれ同一であるため、その説明を省略する。

　Ｓ２１２にて、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報がないと判定された場合（Ｓ２１２／ＮＯ）、管理サーバ４０は、受信した情報にＭＡＣアドレス含まれているか否かを判定する（Ｓ２１８）。受信した情報にＭＡＣアドレスが含まれていた場合（Ｓ２１８／ＹＥＳ）、処理をＳ２２０へ進める。一方、受信した情報にＭＡＣアドレスが含まれていない場合（Ｓ２１８／ＮＯ）、処理をＳ２２４へ進める。

　Ｓ２２０にて管理サーバ４０は、履歴情報に基づき、測位対象の現在位置における拠点を推定する。推定できた場合（Ｓ２２２／ＹＥＳ）、処理をＳ２１０へ進める。一方、推定できなかった場合（Ｓ２２２／ＮＯ）、処理をＳ２２４へ進める。

　図１０に示すＳ２２４からＳ２３２は、図６に示したＳ１１８からＳ１２６とそれぞれ同一であるため、その説明を省略する。

＜５．具体例＞
　第２の実施形態に係る具体例は、第１の実施形態に係る具体例と一部異なる。以下、異なる部分について説明する。

　（１）拠点推定の具体例
　第２の実施形態に係る拠点推定の具体例は、第１の実施形態に係る拠点推定の具体例と一部異なる。以下、図１１を参照して、異なる部分について説明する。図１１は、本発明の第２の実施形態に係る拠点推定の具体例の一例を示す図である。
　図１１に示すように、第２の実施形態に係る拠点推定の具体例では、図７に示した第１の実施形態に係る拠点推定の具体例に対して、ＭＡＣアドレスの列が追加されている。
　なお、図１１に示す例では、測位端末ＩＤが「００１」の端末が測位端末１０－１、測位端末ＩＤが「００２」の端末が測位端末１０－２、測位端末ＩＤが「００３」の端末が測位端末１０－３であるとする。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１０：００：００」である１レコード目には、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＡ，ＯＢ，ＯＤ」であることが追加されている。これより、管理サーバ４０は、推定結果と当該ＭＡＣアドレスとを関連付けた情報を履歴情報（図９に示した履歴１）として記録する。
　測位日時が「２０１９／１２／０１　１０：１０：００」である２レコード目には、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＦ，ＯＧ，ＯＨ」であることが追加されている。これより、管理サーバ４０は、推定結果と当該ＭＡＣアドレスとを関連付けた情報を履歴情報（図９に示した履歴２）として記録する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１１：１０：００」である３レコード目には、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「－」であることが追加されている。これより、管理サーバ４０は、推定結果にＭＡＣアドレスを関連付けていない情報を履歴情報（図９に示した履歴３）として記録する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１２：１０：００」である４レコード目には、照合時に取得されていた（あるいは抽出された）ＭＡＣアドレスが「ＯＸ，ＯＺ，ＯＷ」であることが追加されている。これより、管理サーバ４０は、推定結果と当該ＭＡＣアドレスとを関連付けた情報を履歴情報（図９に示した履歴４）として記録する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１４：００：００」である５レコード目には、測位端末１０－３が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ１，ＹＢ１）かつ信用度が５０００ｍである基地局測位情報と、ＭＡＣアドレス「ＯＡ，ＯＢ，ＯＣ」のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、履歴情報を参照して、測位対象の現在位置における拠点を推定する。５レコード目のＭＡＣアドレス「ＯＡ，ＯＢ，ＯＣ」の各々と一致するＭＡＣアドレスをより多く含む履歴情報は、履歴１（ＯＡ，ＯＢの２つを含む）である。当該履歴１が示す拠点名は「拠点Ｉ」である。よって、管理サーバ４０は、測位対象における拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１５：００：００」である６レコード目には、測位端末１０－３が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ２，ＹＢ２）かつ信用度が３０００ｍである基地局測位情報と、ＭＡＣアドレス「ＯＥ，ＯＦ，ＯＧ」のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、履歴情報を参照して、測位対象の現在位置における拠点を推定する。６レコード目のＭＡＣアドレス「ＯＥ，ＯＦ，ＯＧ」の各々と一致するＭＡＣアドレスをより多く含む履歴情報は、履歴２（ＯＦ，ＯＧの２つを含む）である。当該履歴２が示す拠点名は「拠点ＩＩ」である。よって、管理サーバ４０は、測位対象における拠点が「拠点ＩＩ」であると推定する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１６：００：００」である７レコード目には、測位端末１０－３が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ４，ＹＢ４）かつ信用度が９０００ｍである基地局測位情報と、ＭＡＣアドレス「ＯＡ」のみが取得されている。

　ＧＰＳ測位情報及びＷｉ－Ｆｉ測位情報が取得されていないため、管理サーバ４０は、履歴情報を参照して、測位対象の現在位置における拠点を推定する。７レコード目のＭＡＣアドレス「ＯＡ」と一致するＭＡＣアドレスを含む履歴情報は、履歴１である。当該履歴１が示す拠点名は「拠点Ｉ」である。よって、管理サーバ４０は、測位対象における拠点が「拠点Ｉ」であると推定する。

　測位日時が「２０１９／１２／０１　１７：００：００」である８レコード目には、測位端末１０－３が備え付けられた測位対象の現在位置における拠点が推定された例が示されている。当該測位日時では、緯度経度が（ＸＢ５，ＹＢ５）かつ信用度が２０００ｍである基地局測位情報のみが取得され、ＭＡＣアドレスは取得されていない。

　ＧＰＳ測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、及びＭＡＣアドレスが取得されていないため、管理サーバ４０は、参照情報を参照して、測位対象の現在位置を推定する。参照情報には、（ＸＢ５，ＹＢ５）に対応するレコードが記録されていない。よって、管理サーバ４０は、（ＸＢ５，ＹＢ５）が測位対象の現在位置であると推定する。次いで、管理サーバ４０は、推定した測位対象の現在位置と照合情報の拠点情報を照合する。照合情報には、（ＸＢ５，ＹＢ５）と対応する拠点名が記録されていない。よって、管理サーバ４０は、測位対象が「移動中」または照合情報にない場所への測位対象の流出、盗難等の「所在不明」であると推定する。

　（２）位置管理システム１の適用の具体例
　第２の実施形態に係る位置管理システム１の適用の具体例は、第１の実施形態に係る位置管理システム１の適用の具体例と同様であるため、その説明を省略する。

　以上説明したように、本発明の第２の実施形態に係る位置管理装置は、基地局測位情報と、基地局測位情報よりも測位精度が高いＷｉ－Ｆｉ測位情報及びＧＰＳ測位情報と、Ｗｉ－Ｆｉ測位のために取得されるアクセスポイントのＭＡＣアドレスと、測位対象の現在位置における測位対象情報との内、測位対象情報の推定において取得された少なくとも基地局測位情報と測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する。また、位置管理装置は、基地局測位情報が取得された際に、履歴情報に基づき、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定する。

　かかる構成により、位置管理装置は、基地局測位情報のみが入力された場合であっても、履歴情報に基づき、測位対象の現在位置における測位対象情報を推定できる。そのため、基地局測位のみが可能な測位端末２０が備え付けられた測位対象であっても、Ｗｉ－Ｆｉ測位やＧＰＳ測位も可能な測位端末１０が備え付けられた測位対象と同様に、高精度に現在位置が推定される。

　以上より、本発明の第２の実施形態では、低コストの測位端末２０が備え付けられた測位対象の現在位置を高精度に推定することができる。よって、低コストかつ高精度に管理対象の位置情報を取得することができる。

＜＜３．変形例＞＞
　以上、本発明の各実施形態について説明した。続いて、本発明の各実施形態の変形例について説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で本発明の各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで本発明の各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、本発明の各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。

　（１）第１の変形例
　上述した各実施形態では、測位端末１０が測位対象に備え付けられる例について説明したが、かかる例に限定されない。測位端末１０は、例えば、各拠点に設置されてもよい。これにより、測位端末１０により取得される基地局測位情報、Ｗｉ－Ｆｉ測位情報、ＧＰＳ測位情報は、拠点の位置を精度高く示す。そのため、測位端末１０が取得する情報に基づき生成される参照情報のＧＰＳ測位情報と、照合情報の拠点位置情報とが一致する確率が高くなる。よって、測位対象の現在位置の推定精度を向上させることができる。

　（２）第２の変形例
　上述した各実施形態では、管理サーバ４０が、各測位情報を関連付けることで参照情報を生成する例について説明したが、かかる例に限定されない。参照情報は、例えば、機械学習モデルに各測位情報を入力することで生成されてもよい。機械学習モデルを用いる場合、あらかじめ学習期間を設けて学習させてもよいし、実運用を行いながら学習させてもよい。また、測位対象の現在位置と照合情報との照合を機械学習モデルに行わせてもよい。

　（３）第３の変形例
　上述した第２の実施形態では、ＭＡＣアドレスが複数取得される例について説明したが、第１の実施形態においても第２の実施形態と同様にして複数のＭＡＣアドレスが取得されてもよい。

　（４）第４の変形例
　上述した各実施形態では、測位端末２０が基地局測位のための通信を行う第１の通信部２０２のみを備える例について説明したが、かかる例に限定されない。測位端末２０は、ＭＡＣアドレスを取得するための通信を行う通信部をさらに備えてもよい。これにより、測位端末２０が備え付けられた測位対象についても、ＭＡＣアドレスを用いて履歴情報を参照することで、当該測位対象の現在位置における拠点を推定することが可能である。

　なお、上述した本発明の各実施形態における位置管理装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、ＯＳや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ＲＯＭ、ＣＤ－ＲＯＭ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。

　以上、図面を参照してこの発明の各実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。

　１　位置管理システム
　１０　測位端末
　２０　測位端末
　３０　基地局測位プラットフォーム
　４０　管理サーバ
　５０　Ｗｉ－Ｆｉ測位プラットフォーム
　６０　参照情報記憶部
　７０　照合情報記憶部
　８０　ユーザ端末
　９０　ネットワーク
　１０２　第１の通信部
　１０４　第２の通信部
　１０６　ＧＰＳ受信部
　２０２　第１の通信部
　４１０　通信部
　４２０　制御部
　４３０　記憶部
　４２０２　生成部
　４２０４　推定部
　４２０６　照合部

Claims

　第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成する生成部と、
　前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定する推定部と、
　を備える、位置管理装置。
　前記推定部は、前記参照情報を参照して、前記第３の位置情報と対応する前記第１の位置情報に関連付けられた前記第２の位置情報が示す位置を、前記測位対象の現在位置と推定する、請求項１に記載の位置管理装置。
　前記測位対象に関する測位対象情報と第４の位置情報とが関連付けられた照合情報と、前記現在位置とを照合して、前記現在位置における前記測位対象情報を取得する照合部、
　をさらに備える、請求項１又は請求項２に記載の位置管理装置。
　第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する照合部と、
　前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定する推定部と、
　を備える、位置管理装置。
　前記照合部は、前記履歴情報の生成時に前記識別情報が取得されている場合、前記第１の位置情報と前記測位対象情報に対して前記識別情報をさらに関連付けた前記履歴情報を生成し、
　前記推定部は、前記第３の位置情報が測位された際に前記識別情報が取得されている場合、取得された前記識別情報に対応する前記履歴情報の前記識別情報に関連付けられている前記測位対象情報を、前記測位対象の前記測位対象情報と推定する、請求項４に記載の位置管理装置。
　前記第１の測位方法は、基地局測位である、請求項１～請求項５のいずれか１項に記載の位置管理装置。
　前記基地局測位は、通信規格としてＬＰＷＡ、３Ｇ、ＬＴＥ、及び５Ｇのいずれかを用いた通信を行う基地局から送信される情報に基づき行われる、請求項６に記載の位置管理装置。
　前記第２の測位方法は、Ｗｉ－Ｆｉ測位である、請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の位置管理装置。
　生成部が、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成することと、
　推定部が、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定することと、
　を含む、位置管理方法。
　コンピュータを、
　第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報とを関連付けた参照情報を生成する生成部と、
　前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記参照情報に基づき、前記測位対象の現在位置を推定する推定部と、
　として機能させる、プログラム。
　照合部が、第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成することと、
　推定部が、前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定することと、
　を含む、位置管理方法。
　コンピュータを、
　第１の測位方法により測位される測位対象の第１の位置情報と、前記第１の測位方法よりも測位精度が高い第２の測位方法により測位される前記測位対象の第２の位置情報と、前記第２の測位方法のために取得されるアクセスポイントの識別情報と、前記測位対象の現在位置における測位対象情報との内、前記測位対象情報の推定において取得された少なくとも前記第１の位置情報と前記測位対象情報とを関連付けた履歴情報を生成する照合部と、
　前記第１の測位方法により前記測位対象の第３の位置情報が測位された際に、前記履歴情報に基づき、前記測位対象の前記現在位置における前記測位対象情報を推定する推定部と、
　として機能させる、プログラム。