WO2021177050A1 - Activatable型ラマンプローブ - Google Patents
Activatable型ラマンプローブ Download PDFInfo
- Publication number
- WO2021177050A1 WO2021177050A1 PCT/JP2021/006189 JP2021006189W WO2021177050A1 WO 2021177050 A1 WO2021177050 A1 WO 2021177050A1 JP 2021006189 W JP2021006189 W JP 2021006189W WO 2021177050 A1 WO2021177050 A1 WO 2021177050A1
- Authority
- WO
- WIPO (PCT)
- Prior art keywords
- group
- atom
- jcp
- carbon atoms
- compound
- Prior art date
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/435—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K49/00—Preparations for testing in vivo
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D487/00—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
- C07D487/02—Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
- C07D487/06—Peri-condensed systems
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K5/00—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
- C07K5/04—Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
- C07K5/06—Dipeptides
- C07K5/06139—Dipeptides with the first amino acid being heterocyclic
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/02—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
- C12Q1/04—Determining presence or kind of microorganism; Use of selective media for testing antibiotics or bacteriocides; Compositions containing a chemical indicator therefor
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N21/00—Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
- G01N21/62—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
- G01N21/63—Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
- G01N21/65—Raman scattering
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/483—Physical analysis of biological material
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/50—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
- G01N33/68—Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
Abstract
【解決課題】 標的酵素との反応前はラマンシグナルがoffであるが、標的酵素との反応によってラマンシグナルがonになる、activatableな特性を有するラマンプローブを提供すること。 【解決手段】 以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
Description
本発明は、新規なActivatable型ラマンプローブに関する。より具体的には、本発明は、標的酵素との反応前はラマンシグナルがoffであるが、標的酵素との反応によってラマンシグナルがonになる、activatableな特性を有するラマンプローブに関する。
細胞などの生体試料に光を照射すると、透過・吸収・散乱といった物理現象が生じる。この散乱光は大部分が入射光と同じ波長の光(レイリー散乱)であるが、ごく僅かに入射光よりも振動数が減少した(波長が長波長側にシフトした)光が含まれており、ストークスラマン散乱(ラマン散乱)と呼ばれている。
ラマン散乱における波長のシフト量(ラマンシフト値)は、光を散乱した分子の固有振動数に相当するため、ラマンスペクトルから試料に含まれる分子の種類やその状態などの情報を得ることができる。そのため、ラマン散乱を用いたイメージング法は、生体分子を無標識で観察する手法として注目されてきた。しかしながら、ラマン散乱光は極めて微弱であるため、(1)検出感度が低い、(2)長時間の観測時間(数十分から数時間ほど)が必要で時間分解能が低い、といった課題があり、その応用先が限られていた。
このようなラマンイメージングの課題が、誘導ラマン散乱(stimulated Raman scattering;SRS)(非特許文献1)や共鳴ラマン散乱(非特許文献2)を活用したイメージング法の開発によって克服されてきた。さらに、生体分子のラマン信号が生じないsilent region(1800-2800cm-1)に伸縮振動をもつアルキンなどの微小タグとの併用によって、生体適合性が飛躍的に向上した(非特許文献3)。
このように、近年、ラマンイメージングの発展に伴い、より多様なラマンプローブ開発の需要が高まっているが、既存のラマンプローブは常に同じラマンシフト値・信号強度を示すalways-on型のプローブであるため、ラベル化剤としての用途に留まっていた。
Min, W., et al., Coherent nonlinear optical imaging: beyond fluorescence microscopy. Annu Rev Phys Chem, 2011. 62: p. 507-30.
Kuzmin, A.N., et al., Resonance Raman Probes for Organelle-Specific Labeling in Live Cells. Sci Rep, 2016. 6: p. 28483.
Yamakoshi, H., et al., Imaging of EdU, an alkyne-tagged cell proliferation probe, by Raman microscopy. J Am Chem Soc, 2011. 133(16): p. 6102-5.
本発明は、酵素活性を検出することのできるラマンプローブを提供することを目的とする。具体的には、標的酵素との反応前はラマンシグナルがoffであるが、標的酵素との反応によってラマンシグナルがonになる、activatableな特性を有するラマンプローブを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、ピロニン系色素のアミノ基をアミド化することにより波長変化が生じることに着目し、色素の10位元素やアミノ基部分の構造展開によって、activatable型ラマンプローブを得ることができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
[1]以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
(式中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基を表し、
R5又はR6は、R2又はR4と一緒になって、R2又はR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは環構成員として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3個の更なるヘテロ原子を含有していてもよく、更に該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1~6個のアルキル、炭素数2~6個のアルケニル、又は炭素数2~6個のアルキニル、炭素数6~10個のアラルキル基、炭素数6~10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよく;
R7及びR8は、存在する場合は、それぞれ独立に、炭素数1~6個のアルキル基又はアリール基を表し、
ここで、Xが酸素原子の場合は、R7及びR8は存在せず、
Xがリン原子の場合は、-R7及び-R8の一方は、=Oであってもよく;
Xは、珪素原子、酸素原子、炭素原子、スズ原子、リン原子又はゲルマニウム原子を表し;
Yは、-NRa-C(=O)-L、-NRa-C(=O)-O-L’又は-O-L’であり、
ここで、Lは、アミノ酸の部分構造であり、
L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、
Raは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基であり;
Zは、-C≡C-Rb、-13C≡C-Rb、-13C≡13C-Rb、-C≡N、-C≡15N、-13C≡N、又は-13C≡15Nから選択され、
ここで、Rbは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
[2]Lのアミノ酸の部分構造は、それが結合しているC=Oと一緒になって、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド又はアミノ酸の一部を構成している構造である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]L’の糖類の部分構造は、それが結合しているOと一緒になって、糖類又は糖類の一部を構成している構造である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[4]Yが以下の(1)~(3)のいずれかから選択される、[1]に記載の化合物又はその塩。
[5]一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブ。
[6]epr-SRS法に利用可能な[5]に記載のラマンプローブ。
[7]細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)一般式(I)で表される化合物又はその塩を細胞又は組織内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより増強されるラマン散乱光を測定する工程を含む方法。
[8]epr-SRS法を用いてラマン散乱光を測定する、[7]に記載の方法。
を提供するものである。
[1]以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
(式中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基を表し、
R5又はR6は、R2又はR4と一緒になって、R2又はR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは環構成員として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3個の更なるヘテロ原子を含有していてもよく、更に該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1~6個のアルキル、炭素数2~6個のアルケニル、又は炭素数2~6個のアルキニル、炭素数6~10個のアラルキル基、炭素数6~10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよく;
R7及びR8は、存在する場合は、それぞれ独立に、炭素数1~6個のアルキル基又はアリール基を表し、
ここで、Xが酸素原子の場合は、R7及びR8は存在せず、
Xがリン原子の場合は、-R7及び-R8の一方は、=Oであってもよく;
Xは、珪素原子、酸素原子、炭素原子、スズ原子、リン原子又はゲルマニウム原子を表し;
Yは、-NRa-C(=O)-L、-NRa-C(=O)-O-L’又は-O-L’であり、
ここで、Lは、アミノ酸の部分構造であり、
L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、
Raは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基であり;
Zは、-C≡C-Rb、-13C≡C-Rb、-13C≡13C-Rb、-C≡N、-C≡15N、-13C≡N、又は-13C≡15Nから選択され、
ここで、Rbは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。)
[2]Lのアミノ酸の部分構造は、それが結合しているC=Oと一緒になって、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド又はアミノ酸の一部を構成している構造である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[3]L’の糖類の部分構造は、それが結合しているOと一緒になって、糖類又は糖類の一部を構成している構造である、[1]に記載の化合物又はその塩。
[4]Yが以下の(1)~(3)のいずれかから選択される、[1]に記載の化合物又はその塩。
[5]一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブ。
[6]epr-SRS法に利用可能な[5]に記載のラマンプローブ。
[7]細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)一般式(I)で表される化合物又はその塩を細胞又は組織内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより増強されるラマン散乱光を測定する工程を含む方法。
[8]epr-SRS法を用いてラマン散乱光を測定する、[7]に記載の方法。
を提供するものである。
本発明により、標的酵素との反応前はラマンシグナルがoffであるが、標的酵素との反応によってラマンシグナルがonになる、activatableな特性を有するラマンプローブを提供することができる。
本明細書中において、「アルキル」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば、炭素数1~6個(C1~6)、炭素数1~10個(C1~10)、炭素数1~15個(C1~15)、炭素数1~20個(C1~20)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C1~8アルキルには、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、neo-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。そのような置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基、アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
本明細書において「ハロゲン原子」という場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよく、好ましくはフッ素原子、塩素原子、又は臭素原子である。
本明細書において、ある官能基について「置換されていてもよい」と定義されている場合には、置換基の種類、置換位置、及び置換基の個数は特に限定されず、2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、スルホ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。これらの置換基にはさらに置換基が存在していてもよい。このような例として、例えば、ハロゲン化アルキル基、ジアルキルアミノ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
本明細書中において、「アリール」は単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含む芳香族複素環であってもよい。この場合、これを「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」と呼ぶ場合もある。アリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。単環式のアリールの非限定的な例としては、フェニル基(Ph)、チエニル基(2-又は3-チエニル基)、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、2-ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリダジニル基、3-イソチアゾリル基、3-イソオキサゾリル基、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル基又は1,2,4-オキサジアゾール-3-イル基等が挙げられる。縮合多環式のアリールの非限定的な例としては、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-インデニル基、2-インデニル基、2,3-ジヒドロインデン-1-イル基、2,3-ジヒドロインデン-2-イル基、2-アンスリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、1,2-ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾフラニル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-1-イル基、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-イル基、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン-1-イル基、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン-2-イル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フルオレニル基又はチオキサンテニル基等が挙げられる。本明細書において、アリール基はその環上に任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アリール基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール部分を含む他の置換基(例えばアリールオキシ基やアリールアルキル基など)のアリール部分についても同様である。
本明細書中において、「アリールアルキル」は、上記アリールで置換されたアルキルを表す。アリールアルキルは、任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリールアルキルの非限定的な例としては、ベンジル基、2-チエニルメチル基、3-チエニルメチル基、2-ピリジルメチル基、3-ピリジルメチル基、4-ピリジルメチル基、2-フリルメチル基、3-フリルメチル基、2-チアゾリルメチル基、4-チアゾリルメチル基、5-チアゾリルメチル基、2-オキサゾリルメチル基、4-オキサゾリルメチル基、5-オキサゾリルメチル基、1-ピラゾリルメチル基、3-ピラゾリルメチル基、4-ピラゾリルメチル基、2-ピラジニルメチル基、2-ピリミジニルメチル基、4-ピリミジニルメチル基、5-ピリミジニルメチル基、1-ピロリルメチル基、2-ピロリルメチル基、3-ピロリルメチル基、1-イミダゾリルメチル基、2-イミダゾリルメチル基、4-イミダゾリルメチル基、3-ピリダジニルメチル基、4-ピリダジニルメチル基、3-イソチアゾリルメチル基、3-イソオキサゾリルメチル基、1,2,4-オキサジアゾール-5-イルメチル基又は1,2,4-オキサジアゾール-3-イルメチル基等が挙げられる。
本明細書中において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造であり、例えば直鎖状、分枝状、環状又はそれらの組み合わせである飽和アルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n-ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が好適な例として挙げられる。
本明細書中において、「アルキレン」とは、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、メチレン、1-メチルメチレン、1,1-ジメチルメチレン、エチレン、1-メチルエチレン、1-エチルエチレン、1,1-ジメチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1-ジエチルエチレン、1,2-ジエチルエチレン、1-エチル-2-メチルエチレン、トリメチレン、1-メチルトリメチレン、2-メチルトリメチレン、1,1-ジメチルトリメチレン、1,2-ジメチルトリメチレン、2,2-ジメチルトリメチレン、1-エチルトリメチレン、2-エチルトリメチレン、1,1-ジエチルトリメチレン、1,2-ジエチルトリメチレン、2,2-ジエチルトリメチレン、2-エチル-2-メチルトリメチレン、テトラメチレン、1-メチルテトラメチレン、2-メチルテトラメチレン、1,1-ジメチルテトラメチレン、1,2-ジメチルテトラメチレン、2,2-ジメチルテトラメチレン、2,2-ジ-n-プロピルトリメチレン等が挙げられる。
本発明においては、ピロニン系色素のアミノ基の構造修飾による波長変化に着目した。理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明で用いる主要な検出系の一つであるepr-SRS検出法では、分子の吸収波長よりやや長波長の励起光で検出感度が著しく上昇することから、標的分子との反応前は吸収波長が短いため検出感度が低くラマンシグナルがoffであるが、反応後は吸収波長が長波長化するためラマンシグナルがonとなるプローブを設計することが重要である。
本発明のラマンプローブによるラマン散乱の発現の模式図を図1に示す。
本発明のラマンプローブによるラマン散乱の発現の模式図を図1に示す。
一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表す。R1又はR2がアルキル基を示す場合には、該アルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR3又はR4が示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。
R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子であることが好ましく、R1及びR2がともに水素原子である場合、又はR1及びR2がともにフッ素原子又は塩素原子である場合がより好ましい。
R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又はハロゲン原子であることが好ましく、R1及びR2がともに水素原子である場合、又はR1及びR2がともにフッ素原子又は塩素原子である場合がより好ましい。
一般式(I)において、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基、又はハロゲン原子を示すが、R1及びR2について説明したものと同様である。R3及びR4が共に水素原子であるか、共に塩素原子であるか、又は共にフッ素原子であることが好ましい。
一般式(I)において、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基を示す。R5又はR6がアルキル基を示す場合には、該アルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR5又はR6が示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。
R5又はR6は、R2又はR4と一緒になって、R5又はR6が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよい。
また、R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよい。
ヘテロシクリル又はヘテロアリールは環構成員として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3個の更なるヘテロ原子を含有していてもよい。
ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1~6個のアルキル基、炭素数2~6個のアルケニル基、又は炭素数2~6個のアルキニル基、炭素数6~10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6~10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよい。
このようにして形成されるヘテロシクリル又はヘテロアリールとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
また、R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよい。
ヘテロシクリル又はヘテロアリールは環構成員として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3個の更なるヘテロ原子を含有していてもよい。
ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1~6個のアルキル基、炭素数2~6個のアルケニル基、又は炭素数2~6個のアルキニル基、炭素数6~10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6~10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよい。
このようにして形成されるヘテロシクリル又はヘテロアリールとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の1つの側面においては、R5又はR6は、R2又はR4と一緒になって、R5又はR6が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成している。
また、本発明の別の側面においては、R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していている。
R5、R6の一方又は両方が、R2又はR4の一方又は両方と環構造を形成すると、標的酵素に対する安定性が向上する点で好ましい。
また、本発明の別の側面においては、R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していている。
R5、R6の一方又は両方が、R2又はR4の一方又は両方と環構造を形成すると、標的酵素に対する安定性が向上する点で好ましい。
一般式(I)において、R7及びR8は、存在する場合は、それぞれ独立に、炭素数1~6個のアルキル基又はアリール基を示すが、R7及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1~3個のアルキル基であることが好ましく、R7及びR8がともにメチル基であることがより好ましい。
R7及びR8が示すアルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR7又はR8が示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。
R7又はR8がアリール基を示す場合には、アリール基は単環の芳香族基又は縮合芳香族基のいずれであってもよく、アリール環は1個又は2個以上の環構成ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子など)を含んでいてもよい。アリール基としてはフェニル基が好ましい。アリール環上には1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよい。
R7及びR8が示すアルキル基にはハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよく、例えばR7又はR8が示すアルキル基はハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基などであってもよい。
R7又はR8がアリール基を示す場合には、アリール基は単環の芳香族基又は縮合芳香族基のいずれであってもよく、アリール環は1個又は2個以上の環構成ヘテロ原子(例えば窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子など)を含んでいてもよい。アリール基としてはフェニル基が好ましい。アリール環上には1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよい。
また、後述するXが酸素原子の場合は、R7及びR8は存在しない。
また、Xがリン原子の場合は、-R7及び-R8の一方は、=Oであってもよい。Xがリン原子の場合の好ましい側面においては、-R7及び-R8の一方は、=Oであり、他方は、炭素数1~6個のアルキル基又はアリール基を示す。
一般式(I)において、Xは、珪素原子、酸素原子、炭素原子、スズ原子、リン原子又はゲルマニウム原子を示すが、炭素原子、珪素原子又はゲルマニウム原子であることが好ましく、炭素原子であることが特に好ましい。
一般式(I)において、Yは、標的分子と反応する部位である。Yは標的分子の種類に応じて選択することができる。標的酵素がグリコシダーゼである場合は、Yは糖類に由来する基から選択され、標的酵素がペプチダーゼである場合は、Yはアミノ酸類に由来する基、アミノ酸類を含む基から選択される。
一般式(I)において、Yは、(1)-NRa-C(=O)-L、(2)-NRa-C(=O)-O-L’又は(3)-O-L’である。
ここで、Lは、アミノ酸の部分構造であり、L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、Raは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。
ここで、Lは、アミノ酸の部分構造であり、L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、Raは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。
理論に拘束されることを意図するものではないが、本発明においては、ピロニン系色素のアミノ基に対してアミド結合を介してアミノ酸やペプチドを導入する(Yが(1)の基の場合)ことにより、標的酵素であるアミノペプチダーゼとの反応前は吸収波長が短いためシグナルがoffであるが、反応後はアミド結合が切断され吸収波長が長波長化するためシグナルがonになる。かかるラマンプローブを用いると、生細胞内においてもこれらの標的酵素の活性を検出することが可能となる。
また、同様に、ピロニン系色素のアミノ基に対してアミド結合を介して糖類又は糖類の部分構造を導入する(Yが(2)の基の場合)ことにより、標的酵素であるグリコシダーゼとの反応前は吸収波長が短いためシグナルがoffであるが、反応後はアミド結合が切断され吸収波長が長波長化するためシグナルがonになる。
更に、ピロニン系色素の骨格にグリコシド結合を介して糖類又は糖類の部分構造を導入する(Yが(3)の基の場合)ことにより、標的酵素であるグリコシダーゼとの反応前は吸収波長が短いためシグナルがoffであるが、反応後はアミド結合が切断され吸収波長が長波長化するためシグナルがonになる。
また、同様に、ピロニン系色素のアミノ基に対してアミド結合を介して糖類又は糖類の部分構造を導入する(Yが(2)の基の場合)ことにより、標的酵素であるグリコシダーゼとの反応前は吸収波長が短いためシグナルがoffであるが、反応後はアミド結合が切断され吸収波長が長波長化するためシグナルがonになる。
更に、ピロニン系色素の骨格にグリコシド結合を介して糖類又は糖類の部分構造を導入する(Yが(3)の基の場合)ことにより、標的酵素であるグリコシダーゼとの反応前は吸収波長が短いためシグナルがoffであるが、反応後はアミド結合が切断され吸収波長が長波長化するためシグナルがonになる。
Lは、アミノ酸の部分構造である。Lのアミノ酸の部分構造とは、Lが結合しているC=Oと一緒になって、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド、アミノ酸又はペプチドの一部を構成していることを意味する
ここで、「アミノ酸の一部」には、アミノ酸の側鎖が-NRaと結合した場合の-NRaを除いた部分の構造(例えば、グルタミン酸の側鎖側のカルボキシル基と-NRaとの間にアミド結合を形成する場合のγ-グルタミル基等)も含まれる。
ペプチドの一部には、ペプチドを構成する一つのアミノ酸残基の側鎖が-NRaと結合した場合の-NRaを除いた部分の構造も含まれる。
ここで、「アミノ酸の一部」には、アミノ酸の側鎖が-NRaと結合した場合の-NRaを除いた部分の構造(例えば、グルタミン酸の側鎖側のカルボキシル基と-NRaとの間にアミド結合を形成する場合のγ-グルタミル基等)も含まれる。
ペプチドの一部には、ペプチドを構成する一つのアミノ酸残基の側鎖が-NRaと結合した場合の-NRaを除いた部分の構造も含まれる。
本明細書において、「アミノ酸」は、アミノ基とカルボキシル基の両方を有する化合物であれば任意の化合物を用いることができ、天然及び非天然のものを含む。中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、又は酸性アミノ酸のいずれであってもよく、それ自体が神経伝達物質などの伝達物質として機能するアミノ酸のほか、生理活性ペプチド(ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドのほか、オリゴペプチドを含む)やタンパク質などのポリペプチド化合物の構成成分であるアミノ酸を用いることができ、例えばαアミノ酸、βアミノ酸、γアミノ酸などであってもよい。アミノ酸としては、光学活性アミノ酸を用いることが好ましい。例えば、αアミノ酸についてはD-又はL-アミノ酸のいずれを用いてもよいが、生体において機能する光学活性アミノ酸を選択することが好ましい場合がある。
また、アミノ酸のN末端は、Nアセチル化されていてもよい。
また、アミノ酸のC末端はアミド化(例えば、エチルアミド等のアルキルアミド)あるいはエステル化されていてもよい。
また、アミノ酸のN末端は、Nアセチル化されていてもよい。
また、アミノ酸のC末端はアミド化(例えば、エチルアミド等のアルキルアミド)あるいはエステル化されていてもよい。
本明細書において、「アミノ酸残基」とは、アミノ酸のカルボキシル基からヒドロキシル基を除去した残りの部分構造に対応する構造をいう。
アミノ酸残基には、αアミノ酸の残基、βアミノ酸の残基、γアミノ酸の残基が含まれる。
本明細書において、「ペプチド」には、ペプチドのC末端のアミノ酸のカルボキシル基からヒドロキシル基を除去した残りの部分構造に対応する構造も含まれる。
アミノ酸残基には、αアミノ酸の残基、βアミノ酸の残基、γアミノ酸の残基が含まれる。
本明細書において、「ペプチド」には、ペプチドのC末端のアミノ酸のカルボキシル基からヒドロキシル基を除去した残りの部分構造に対応する構造も含まれる。
標的ペプチダーゼが、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)、ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)、又はカルパインであることができる。それゆえ、標的ペプチダーゼがγ-グルタミルトランスペプチダーゼである場合、アミノ酸の部分構造としては、γ-グルタミル基であることが好ましい。また、標的ペプチダーゼがジペプチジルペプチダーゼ4である場合、アミノ酸の部分構造としては、プロリン残基を含むアシル基、プロリン残基を含むペプチドであることが好ましい。標的ペプチダーゼがカルパインである場合、アミノ酸の部分構造としては、例えば、システイン残基を含むアシル基であることができ、或いは、カルパイン基質として当該技術分野において公知のSuc-Leu-Leu-Val-Tyr(Suc-LLVY)やAcLMを用いることもできる。
好ましいアミノ酸の部分構造としては、GGT基質の「γ―グルタミル基」やDPP-4基質のジペプチド「グルタミン酸などのアミノ酸―プロリンからなるジペプチド」、LAP基質のロイシン残基などが挙げられる。
好ましいアミノ酸の部分構造としては、GGT基質の「γ―グルタミル基」やDPP-4基質のジペプチド「グルタミン酸などのアミノ酸―プロリンからなるジペプチド」、LAP基質のロイシン残基などが挙げられる。
L’は、糖類又は糖類の部分構造である。
L’の糖類の部分構造は、L’が結合しているOと一緒になって、糖類、糖類の一部を構成している。
L’の糖類の部分構造は、L’が結合しているOと一緒になって、糖類、糖類の一部を構成している。
糖類としては、β-D-グルコース、β-D-ガラクトース、β-L-ガラクトース、β-D-キシロース、α-D-マンノース、β-D-フコース、α-L-フコース、β-L-フコース、β-D-アラビノース、β-L-アラビノース、β-D-N-アセチルグルコサミン、β-D-N-アセチルガラクトサミン等が挙げられ、好ましくは、β-D-ガラクトースである。
一般式(I)において、Zは、-C≡C-Rb、-13C≡C-Rb、-13C≡13C-Rb、-C≡N、-C≡15N、-13C≡N、又は-13C≡15Nから選択される。
ここで、Rbは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。
ここで、Rbは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。
ラマン信号の検出のためには、ニトリルやアルキンのような三重結合をもつ構造を導入すると、三重結合のラマン信号は生体分子のラマン信号が出ないsilent regionに出るため、好ましい。
また、三重結合を構成する炭素や窒素の原子の同位体標識によってもラマン信号がシフトするため、同位体標識されたニトリルやアルキンもZとして用いることができる。
また、三重結合を構成する炭素や窒素の原子の同位体標識によってもラマン信号がシフトするため、同位体標識されたニトリルやアルキンもZとして用いることができる。
一般式(I)で表される化合物は、酸付加塩又は塩基付加塩として存在することができる。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、又はメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩などを挙げることができ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの金属塩、アンモニウム塩、又はトリエチルアミン塩などの有機アミン塩などを挙げることができる。これらのほか、グリシンなどのアミノ酸との塩を形成する場合もある。一般式(I)で表される化合物又はその塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合もあるが、本発明においては、これらの物質も用いることができる。
一般式(I)で表される化合物は、置換基の種類により、1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、本発明においては、1個又は2個以上の不斉炭素に基づく光学活性体や2個以上の不斉炭素に基づくジアステレオ異性体などの立体異性体のほか、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体なども用いることができる。
一般式(I)で表される化合物の代表的化合物の製造方法を本明細書の実施例に具体的に示した。従って、当業者は、これらの説明をもとにして、反応原料、反応条件、及び反応試薬などを適宜選択して、必要に応じてこれらの方法に修飾や改変を加えることにより、一般式(I)で表される化合物を製造することができる。
2.本発明のラマンプローブ
本発明のもう1つの態様は、一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブである(以下「本発明のラマンプローブ」ともいう)。
本発明のもう1つの態様は、一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブである(以下「本発明のラマンプローブ」ともいう)。
また、本発明のもう1つの態様は、細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)一般式(I)で表される化合物又はその塩を細胞内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより発せられるラマン光を測定する工程を含む方法、である。
ここで、細胞としては、正常細胞、癌細胞、神経細胞等が挙げられる。
ここで、細胞としては、正常細胞、癌細胞、神経細胞等が挙げられる。
本発明のラマンプローブは、epr-SRS法に利用可能なactivatable型ラマンプローブである。epr-SRS法とは、前期共鳴 (electronic pre-resonance; epr)効果と誘導ラマン散乱 (stimulated Raman scattering; SRS) を組み合わせたラマンイメージング法である。
この方法では、分子の電子吸収帯よりやや長波長側の光によって励起する(前期共鳴条件)ため、光褪色や蛍光によるバックグラウンド上昇を抑えることができ、ストークス光による誘導放出によってさらに高感度なイメージングが実現できる。従来のSRS顕微鏡ではストークス光の波長変化に秒オーダーの時間がかかるため、スペクトル解析やスペクトルイメージングを行う際には測定時間が長くなってしまうのが課題の1つであったが、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の小関研究室で開発された高速SRS分光顕微鏡では1秒当たり30波数分変化させる高速イメージングが可能である(Ozeki, Y., Biological Imaging Based on Stimulated Raman Scattering. Seibutsu Butsuri, 2014. 54(6): p. 311-314)。当該高速SRS分光顕微鏡の模式図を図2に示す。
高速SRS分光顕微鏡を用いるラマンイメージング法は、上記のOzekiの論文を参照して行うことができる。また、高速SRS分光顕微鏡でイメージングを行うに際しては、信号対雑音比を高めるため、in vitroでの測定ではデータを5~10回程度、in celluloでの測定ではデータを 100~1000回程度取得して、平均化を行うことが好ましい。
この方法では、分子の電子吸収帯よりやや長波長側の光によって励起する(前期共鳴条件)ため、光褪色や蛍光によるバックグラウンド上昇を抑えることができ、ストークス光による誘導放出によってさらに高感度なイメージングが実現できる。従来のSRS顕微鏡ではストークス光の波長変化に秒オーダーの時間がかかるため、スペクトル解析やスペクトルイメージングを行う際には測定時間が長くなってしまうのが課題の1つであったが、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻の小関研究室で開発された高速SRS分光顕微鏡では1秒当たり30波数分変化させる高速イメージングが可能である(Ozeki, Y., Biological Imaging Based on Stimulated Raman Scattering. Seibutsu Butsuri, 2014. 54(6): p. 311-314)。当該高速SRS分光顕微鏡の模式図を図2に示す。
高速SRS分光顕微鏡を用いるラマンイメージング法は、上記のOzekiの論文を参照して行うことができる。また、高速SRS分光顕微鏡でイメージングを行うに際しては、信号対雑音比を高めるため、in vitroでの測定ではデータを5~10回程度、in celluloでの測定ではデータを 100~1000回程度取得して、平均化を行うことが好ましい。
この小関研の高速SRS分光顕微鏡の励起光は843nmであるため、当該epr-SRS法の装置を用いる場合は、前期共鳴がかかる波長域がおよそ650~750nmであるラマンプローブを用いるのが好ましい。
本発明のラマンプローブを用いる標的酵素の検出方法には、上記の高速SRS分光顕微鏡を好適に用いることができるが、当該高速SRS分光顕微鏡を用いた方法に限定されるものではない。
本発明のラマンプローブを用いる標的酵素の検出方法には、上記の高速SRS分光顕微鏡を好適に用いることができるが、当該高速SRS分光顕微鏡を用いた方法に限定されるものではない。
即ち、本発明の1つの好ましい側面は、一般式(I)の化合物又はその塩を含むepr-SRS法に利用可能なactivatable型ラマンプローブである。
本発明のラマンプローブの使用方法は特に限定されず、従来公知のラマンプローブと同様に用いることが可能である。通常は、生理食塩水や緩衝液などの水性媒体、又はエタノール、アセトン、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの水混合性の有機溶媒と水性媒体との混合物などに上記式(I)で表される化合物又はそれらの塩を溶解し、細胞や組織を含む適切な緩衝液中にこの溶液を添加して、ラマンスペクトルを測定すればよい。本発明のラマンプローブを適切な添加物と組み合わせて組成物の形態で用いてもよい。例えば、緩衝剤、溶解補助剤、pH調節剤などの添加物と組み合わせることができる。
本発明のもう1つの実施態様は、本発明のラマンプローブを含む、標的分子の検出用キットである。
当該キットにおいて、通常、本発明のラマンプローブは溶液として調製されているが、例えば、粉末形態の混合物、凍結乾燥物、顆粒剤、錠剤、液剤など適宜の形態の組成物として提供され、使用時に注射用蒸留水や適宜の緩衝液に溶解して適用することもできる。
また、当該キットには、必要に応じてそれ以外の試薬等を適宜含んでいてもよい。例えば、添加剤として、溶解補助剤、pH調節剤、緩衝剤、等張化剤などの添加剤を用いることができ、これらの配合量は当業者に適宜選択可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[原料]
合成に使用した全ての化学物質は、東京化成工業(株)、和光純薬工業(株)、シグマアルドリッチ(株)、Cambridge Isotope Laboratories, Inc. から購入した。 さらに精製することなく使用した。
合成に使用した全ての化学物質は、東京化成工業(株)、和光純薬工業(株)、シグマアルドリッチ(株)、Cambridge Isotope Laboratories, Inc. から購入した。 さらに精製することなく使用した。
[測定機器]
NMRスペクトルは、重水素化溶媒中を用い、Bruker NMR AVANCE III 400分光計[1H 400 MHz、13C 100 MHz]で得た。
高分解能ESI質量スペクトルは、Bruker microTOF II-TM (ESI)で得た。
HPLC精製は、Inertstil-ODS-3カラム(Φ10×250mm(セミ分取)およびΦ20×250mm(分取))を備えたJASCO PU-2080 Plusポンプ(GL Science Co.、Ltd.)およびMD-2015検出器(JASCO)で行った。
HPLCに使用した溶媒は、和光(株)より入手した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、中圧分取液体クロマトグラフYFLC-Al560(山善株式会社)を用いて行った。
TLCは、シリカゲルプレートF254(0.25mm(分析);Merck、AKG)で行った。
UV-visスペクトルは、Shimadzu UV-2450分光光度計で得た。
蛍光スペクトルは、F-7000 (日立)で取得した。
SRSスペクトルおよびSRS像は、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻小関研究室で開発された高速SRS分光顕微鏡で取得した。ポンプ光パルスおよびストークス光パルスの波長は843nmおよび1014-1046nm、パルス時間幅は約5ピコ秒、スペクトル分解能は5/cmである。水浸対物レンズを用い、その開口数は1.2である。フレームごとにストークス光パルスの波長を変化させ、500×500ピクセルの画像を毎秒30フレーム取得した。信号対雑音比を高めるためにデータをin vitroでは5回、in celluloでは1000回取得し、平均化を行った。
NMRスペクトルは、重水素化溶媒中を用い、Bruker NMR AVANCE III 400分光計[1H 400 MHz、13C 100 MHz]で得た。
高分解能ESI質量スペクトルは、Bruker microTOF II-TM (ESI)で得た。
HPLC精製は、Inertstil-ODS-3カラム(Φ10×250mm(セミ分取)およびΦ20×250mm(分取))を備えたJASCO PU-2080 Plusポンプ(GL Science Co.、Ltd.)およびMD-2015検出器(JASCO)で行った。
HPLCに使用した溶媒は、和光(株)より入手した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーは、中圧分取液体クロマトグラフYFLC-Al560(山善株式会社)を用いて行った。
TLCは、シリカゲルプレートF254(0.25mm(分析);Merck、AKG)で行った。
UV-visスペクトルは、Shimadzu UV-2450分光光度計で得た。
蛍光スペクトルは、F-7000 (日立)で取得した。
SRSスペクトルおよびSRS像は、東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻小関研究室で開発された高速SRS分光顕微鏡で取得した。ポンプ光パルスおよびストークス光パルスの波長は843nmおよび1014-1046nm、パルス時間幅は約5ピコ秒、スペクトル分解能は5/cmである。水浸対物レンズを用い、その開口数は1.2である。フレームごとにストークス光パルスの波長を変化させ、500×500ピクセルの画像を毎秒30フレーム取得した。信号対雑音比を高めるためにデータをin vitroでは5回、in celluloでは1000回取得し、平均化を行った。
[合成実施例1]
epr-SRSに利用可能なactivatable型ラマンプローブ母核として9CN-JCPの合成を以下のスキーム1により行った。
epr-SRSに利用可能なactivatable型ラマンプローブ母核として9CN-JCPの合成を以下のスキーム1により行った。
スキーム1
(a) Allyl Bromide, K2CO3, MeCN, y. 95%. (b) 1) (Chloromethylene)dimethylammonium Chloride, CH2ClCH2Cl, NaOH aq, 2) NaBH4, DCM, MeOH, y. 53% in 2 steps. (c) BF3・OEt2, dry DCM, y. 88%. (d) sec-BuLi, dry Acetone, dry THF, y. 76%. (e) 1) H2SO4, 2) Pd(PPh3)4, 1,3-dimethyl barbituric acid , degassed DCM, y. 77% in 2 steps. (f) Chroranil, DCM, y. 92% (g) 1) KCN, MeCN, H2O, 2) FeCl3, HCl aq, y. 4.1% in 2 steps.
(a) Allyl Bromide, K2CO3, MeCN, y. 95%. (b) 1) (Chloromethylene)dimethylammonium Chloride, CH2ClCH2Cl, NaOH aq, 2) NaBH4, DCM, MeOH, y. 53% in 2 steps. (c) BF3・OEt2, dry DCM, y. 88%. (d) sec-BuLi, dry Acetone, dry THF, y. 76%. (e) 1) H2SO4, 2) Pd(PPh3)4, 1,3-dimethyl barbituric acid , degassed DCM, y. 77% in 2 steps. (f) Chroranil, DCM, y. 92% (g) 1) KCN, MeCN, H2O, 2) FeCl3, HCl aq, y. 4.1% in 2 steps.
3-ブロモアリニン(化合物1)(12.7g、74mmol、1eq)、臭化アリール(15.6mL、185mmol、2.5eq)、炭酸カリウム(20.5g、148mmol、1eq)をアセトニトリル100mLに溶解し、100℃で29時間加熱還流した。室温に戻し、水を加え酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→95/5)により精製し、化合物2(17.8g、95%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.00 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 6.75-6.79 (m, 2H), 6.58 (dd, 1H J = 7.6, 1.3 Hz), 5.75-5.85 (m, 2H), 5.10-5.19 (m, 4H), 3.85-3.87 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ149.9, 133.2, 130.3, 123.4, 119.0, 116.3, 115.0, 110.9, 52.7; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 252.03824, Found, 252.03863 (-0.4 mDa)
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.00 (t, 1H, J = 7.6 Hz), 6.75-6.79 (m, 2H), 6.58 (dd, 1H J = 7.6, 1.3 Hz), 5.75-5.85 (m, 2H), 5.10-5.19 (m, 4H), 3.85-3.87 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ149.9, 133.2, 130.3, 123.4, 119.0, 116.3, 115.0, 110.9, 52.7; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 252.03824, Found, 252.03863 (-0.4 mDa)
化合物2(13.7g、55mmol、1eq)、(クロロメチレン)ジメチルアンモニウムクロライド(14g、109mmol、2eq)をジクロロメタン30mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、70℃で2時間加熱還流した。室温に戻し、1N水酸化ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をジクロロメタン15mLとメタノール15mLに溶解し、0℃で撹拌した。水酸化ホウ素ナトリウム(3.1g、82mmol、1.5eq)を加え、室温に戻し、30分間撹拌した。水を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=82/18→61/39)により精製し、化合物3(8.25g、53%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.19 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.84 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.58 (dd, 1H J = 8.5, 2.6 Hz), 5.76-5.85 (m, 2H), 5.12-5.18 (m, 4H), 4.58 (s, 2H), 3.88-3.89 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ149.3, 133.1, 130.4, 127.0, 124.4, 116.3, 115.8, 111.3, 64.9, 52.7; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 282.04880, Found, 282.04809 (0.7 mDa)
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.19 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.84 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.58 (dd, 1H J = 8.5, 2.6 Hz), 5.76-5.85 (m, 2H), 5.12-5.18 (m, 4H), 4.58 (s, 2H), 3.88-3.89 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ149.3, 133.1, 130.4, 127.0, 124.4, 116.3, 115.8, 111.3, 64.9, 52.7; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 282.04880, Found, 282.04809 (0.7 mDa)
化合物3(2.43g、8.6mmol、1eq)、2、3、6、7-テトラヒドロ-1H、5H-ベンゾ[ij]キノリジン(化合物4)(1.5g、8.6mmol、1eq)を脱水ジクロロメタン20mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で撹拌した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(3.24mL、25.8mmol、3eq)をゆっくり滴下し、0℃で10分間撹拌した。室温に戻し、さらに18時間撹拌した。1N水酸化ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/ジクロロメタン=60/40→0/100)により精製し、化合物5(3.32g、88%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ6.94 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 6.86 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.62 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H, J = 8.6, 2.6 Hz), 5.77-5.86 (m, 2H), 5.13-5.18 (m, 4H), 3.86-3.87 (m, 4H), 3.79 (s, 2H), 3.07 (t, 4H, J = 5.6 Hz), 2.71 (t, 4H, J = 6.5 Hz), 1.92-1.98 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ148.1, 141.5, 133.8, 131.3, 128.9, 128.1, 127.7, 125.6, 121.8, 116.4, 116.1, 112.0, 53.0, 50.4, 40.0, 27.9, 22.6; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 437.15869, Found, 437.15855 (0.1 mDa)
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ6.94 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 6.86 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.62 (s, 2H), 6.55 (dd, 1H, J = 8.6, 2.6 Hz), 5.77-5.86 (m, 2H), 5.13-5.18 (m, 4H), 3.86-3.87 (m, 4H), 3.79 (s, 2H), 3.07 (t, 4H, J = 5.6 Hz), 2.71 (t, 4H, J = 6.5 Hz), 1.92-1.98 (m, 4H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ148.1, 141.5, 133.8, 131.3, 128.9, 128.1, 127.7, 125.6, 121.8, 116.4, 116.1, 112.0, 53.0, 50.4, 40.0, 27.9, 22.6; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 437.15869, Found, 437.15855 (0.1 mDa)
化合物5(2.45g、5.6mmol、1eq)を脱水テトラヒドロフラン20mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、-78℃で15分撹拌した。1.3M sec-ブチルリチウムシクロヘキサン、n-ヘキサン溶液(13mL、16.8mmol、3eq)を10分間かけて加え、10分間撹拌した。脱水アセトン(12mL、168mmol、30eq)を加え、室温に戻した。40℃に加熱し、さらに3時間撹拌した。室温に戻し、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→69/31)により精製し、化合物5(3.32g、88%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ6.96 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.56 (dd, 1H, J = 8.5, 2.8 Hz), 6.54 (s, 2H), 5.82-5.92 (m, 2H), 5.14-5.22 (m, 4H), 4.07 (s, 2H), 3.90-3.91 (m, 4H), 3.06 (t, 4H, J = 5.6 Hz), 2.68 (t, 4H, J = 6.6 Hz), 1.91-1.97 (m, 4H), 1.60 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ146.8, 146.6, 141.4, 134.6, 133.9, 130.4, 127.4, 126.6, 121.8, 116.2, 111.3, 110.2, 74.2, 53.2, 50.3, 38.1, 31.9, 27.7, 22.4; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 417.29004, Found, 417.29083 (-0.8 mDa)
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ6.96 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 2.8 Hz), 6.56 (dd, 1H, J = 8.5, 2.8 Hz), 6.54 (s, 2H), 5.82-5.92 (m, 2H), 5.14-5.22 (m, 4H), 4.07 (s, 2H), 3.90-3.91 (m, 4H), 3.06 (t, 4H, J = 5.6 Hz), 2.68 (t, 4H, J = 6.6 Hz), 1.91-1.97 (m, 4H), 1.60 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ146.8, 146.6, 141.4, 134.6, 133.9, 130.4, 127.4, 126.6, 121.8, 116.2, 111.3, 110.2, 74.2, 53.2, 50.3, 38.1, 31.9, 27.7, 22.4; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 417.29004, Found, 417.29083 (-0.8 mDa)
化合物6(1.77g、4.2mmol、1eq)を80%(v/v)硫酸5mLに溶解し、0℃で15分間撹拌した。室温に戻し、さらに1.5時間撹拌した。0℃に冷却し、1N水酸化ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(689mg、0.6mmol、0.14eq)、1、3-ジメチルバルビツール酸(12.4g、79.5mmol、19eq)を脱酸素ジクロロメタン25mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、35℃で12時間撹拌した。飽和1N炭酸ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=76/24→55/45)により精製し、化合物7(1.04g、77%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ6.94 (d, 1H. J = 8.0 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.70 (s, 1H), 6.53 (dd, 1H, J = 8.0, 2.2Hz), 3.93 (s, 2H), 3.54 (brs, 2H), 3.11-3.17 (m, 4H), 2.95 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.72 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 1.91-1.97 (m, 4H), 1.76 (s. 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3gfyb): δ148.6, 144.3, 143.0, 138.5, 128.3, 127.0, 122.8, 122.5, 121.5, 121.2, 113.8, 113.7, 51.1, 50.1, 38.8, 33.4, 32.1, 28.1, 27.8, 22.9, 22.1; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 319.21688, Found, 319.21709 (-0.2 mDa)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ6.94 (d, 1H. J = 8.0 Hz), 6.80 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.70 (s, 1H), 6.53 (dd, 1H, J = 8.0, 2.2Hz), 3.93 (s, 2H), 3.54 (brs, 2H), 3.11-3.17 (m, 4H), 2.95 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.72 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 1.91-1.97 (m, 4H), 1.76 (s. 6H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3gfyb): δ148.6, 144.3, 143.0, 138.5, 128.3, 127.0, 122.8, 122.5, 121.5, 121.2, 113.8, 113.7, 51.1, 50.1, 38.8, 33.4, 32.1, 28.1, 27.8, 22.9, 22.1; HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 319.21688, Found, 319.21709 (-0.2 mDa)
化合物7(208mg、0.65mmol、1eq)をジクロロメタン5mLに溶解し、 Chloranil(160mg、0.65mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、化合物8(191mg、92%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.85 (s, 1H), 7.48 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.31 (s, 1H), 6.97 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.72 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0 Hz), 3.60-3.64 (m, 4H), 3.18 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.82 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 1.99-2.08 (m, 4H), 1.78 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ161.1, 159.9, 155.8, 155.2, 151.5, 138.7, 138.6, 125.1, 124.9, 122.8, 120.5, 115.5, 114.1, 53.5, 52.7, 42.5, 30.3, 28.3, 28.1, 21.6, 21.5; HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 317.20123, Found, 317.20145 (-0.2 mDa)
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ7.85 (s, 1H), 7.48 (d, 1H, J = 8.6 Hz), 7.31 (s, 1H), 6.97 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.72 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0 Hz), 3.60-3.64 (m, 4H), 3.18 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.82 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 1.99-2.08 (m, 4H), 1.78 (s, 6H); 13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ161.1, 159.9, 155.8, 155.2, 151.5, 138.7, 138.6, 125.1, 124.9, 122.8, 120.5, 115.5, 114.1, 53.5, 52.7, 42.5, 30.3, 28.3, 28.1, 21.6, 21.5; HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 317.20123, Found, 317.20145 (-0.2 mDa)
化合物8(63.5mg、0.20mmol、1eq)をアセトニトリル10mLと水5mLに溶解し、0.3Mシアン化カリウム水溶液10mL(3.1mmol、16eq)を加え室温で15分間撹拌した。さらに1N塩酸4mLに溶解した塩化鉄(III)六水和物(500mg,1.85mmol、9.3eq)を加え室温で15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、9CN-JCP(2.8mg、4.1%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.65 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.57 (s, 1H), 6.89 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.70 (dd, 1H, J = 8.9, 2.1 Hz), 3.63-3.65 (m, 4H), 3.10 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.79 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.92-2.01 (m, 4H), 1.71 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 342.19647, Found, 342.19700 (-0.5 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.65 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.57 (s, 1H), 6.89 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.70 (dd, 1H, J = 8.9, 2.1 Hz), 3.63-3.65 (m, 4H), 3.10 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.79 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.92-2.01 (m, 4H), 1.71 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 342.19647, Found, 342.19700 (-0.5 mDa)
[合成実施例2]
9CN-JCPに酵素基質を導入したプローブモデル化合物Ac-9CN-JCPの合成を以下のスキーム2により行った。
9CN-JCPに酵素基質を導入したプローブモデル化合物Ac-9CN-JCPの合成を以下のスキーム2により行った。
スキーム2
(a) Acetyl Chloride, dry pyridine, y. 50%. (b) Chroranil, DCM, y. 13%. (c) 1) KCN, MeCN, H2O, 2) FeCl3, HCl aq, y. 9.3% in 2 steps.
(a) Acetyl Chloride, dry pyridine, y. 50%. (b) Chroranil, DCM, y. 13%. (c) 1) KCN, MeCN, H2O, 2) FeCl3, HCl aq, y. 9.3% in 2 steps.
化合物7(407mg、1.27mmol、1eq)を脱水ピリジン5mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で撹拌した。塩化アセチル(91μL、1.27mmol、1eq)を加え,室温に戻し16時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/50→29/71)により精製し、化合物9(230mgg、50%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.61 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 7.33 (brs, 1H), 7.28 (dd, 1H, J = 8.2, 2.1 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 6.71 (s, 1H), 3.99 (s, 2H), 3.12-3.19 (m, 4H), 2.95 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.73 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 2.17 (s, 3H), 1.91-1.98 (m, 4H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 361.22744, Found, 361.22754 (-0.1 mDa)
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ7.61 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 7.33 (brs, 1H), 7.28 (dd, 1H, J = 8.2, 2.1 Hz), 7.09 (d, 1H, J = 8.2 Hz), 6.71 (s, 1H), 3.99 (s, 2H), 3.12-3.19 (m, 4H), 2.95 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.73 (t, 2H, J = 6.3 Hz), 2.17 (s, 3H), 1.91-1.98 (m, 4H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 361.22744, Found, 361.22754 (-0.1 mDa)
化合物9(230mg、0.64mmol、1eq)をジクロロメタン5mLに溶解し、 Chloranil(157mg、0.64mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、化合物10(29.3mg、13%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.02 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.51 (s, 2H), 7.34 (s, 1H), 3.67-3.70 (m, 4H), 3.16 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.76 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 2.10 (s, 3H), 1.93-2.05 (m, 4H), 1.73 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 359.21179, Found, 359.21379 (-2.0 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.02 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.51 (s, 2H), 7.34 (s, 1H), 3.67-3.70 (m, 4H), 3.16 (t, 2H, J = 6.1 Hz), 2.76 (t, 2H, J = 6.2 Hz), 2.10 (s, 3H), 1.93-2.05 (m, 4H), 1.73 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M+H]+, 359.21179, Found, 359.21379 (-2.0 mDa)
化合物10(29.3mg、0.08mmol、1eq)をアセトニトリル5mLと水2mLに溶解し、0.3Mシアン化カリウム水溶液2.7mL(0.8mmol、10eq)を加え室温で15分間撹拌した。さらに1N塩酸2mLに溶解した塩化鉄(III)六水和物(220mg,0.8mmol、10eq)を加え室温で15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、Ac-9CN-JCP(2.9mg、9.3%)を得た。
1H NMR (400 MHz,CD3OD): δ8.01 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.54 (dd, 1H, J = 8.7, 2.0 Hz), 3.81-3.83 (m, 4H), 3.21 (m, 2H, partially overlapped with the CD3OD peak), 2.85 (t, 2H, J = 5.8 Hz), 2.10 (s, 3H), 2.00-2.07 (m, 4H), 1,77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 384.20704, Found, 384.20774 (-0.7 mDa)
1H NMR (400 MHz,CD3OD): δ8.01 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.54 (dd, 1H, J = 8.7, 2.0 Hz), 3.81-3.83 (m, 4H), 3.21 (m, 2H, partially overlapped with the CD3OD peak), 2.85 (t, 2H, J = 5.8 Hz), 2.10 (s, 3H), 2.00-2.07 (m, 4H), 1,77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 384.20704, Found, 384.20774 (-0.7 mDa)
[合成実施例3]
9CN-JCPのCN基を安定同位体で標識したプローブ母核9C15N-JCPおよび913CN-JCPの合成を以下のスキーム3により行った。
9CN-JCPのCN基を安定同位体で標識したプローブ母核9C15N-JCPおよび913CN-JCPの合成を以下のスキーム3により行った。
スキーム3
(a) 1) KC15N, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 6.2% in 2 steps. (b) 1) K13CN, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 8.6% in 2 steps.
(c) 1) K13C15N, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 8.4% in 2 steps.
(a) 1) KC15N, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 6.2% in 2 steps. (b) 1) K13CN, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 8.6% in 2 steps.
(c) 1) K13C15N, MeCN, H2O, 2) UV irradiation, MeOH, y. 8.4% in 2 steps.
化合物8(55.1mg、0.17mmol、1eq)をアセトニトリル5mLと水2mLに溶解し、0.3M KC15N水溶液2.7mL(0.8mmol、4.6eq)を加え室温で15分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、9C15N-JCP(3.7mg、6.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.66 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.54 (s, 1H), 7.00 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 6.83 (dd, 1H, J = 1.9, 8.9 Hz), 3.70-3.71 (m, 4H), 3.11 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 2.84 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 1.93-2.00 (m, 2H), 1.73 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 343.19359, Found, 343.19377 (-0.2 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.66 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.54 (s, 1H), 7.00 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 6.83 (dd, 1H, J = 1.9, 8.9 Hz), 3.70-3.71 (m, 4H), 3.11 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 2.84 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 1.93-2.00 (m, 2H), 1.73 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 343.19359, Found, 343.19377 (-0.2 mDa)
化合物8(17.7mg、0.06mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13CN水溶液1mL(0.26mmol、4.6eq)を加え室温で15分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、913CN-JCP(1.7mg、8.6%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.77 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.01 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.82 (dd, 1H, J = 2.1, 8.9 Hz), 3.75-3.76 (m, 4H), 3.22 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.91 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.06-2.11 (m, 2H), 1.83 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 343.19983, Found, 343.19941 (0.4 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ7.77 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.01 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.82 (dd, 1H, J = 2.1, 8.9 Hz), 3.75-3.76 (m, 4H), 3.22 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.91 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.06-2.11 (m, 2H), 1.83 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 343.19983, Found, 343.19941 (0.4 mDa)
9 13 C 15 N-JCPの合成
化合物8(31.1mg、0.098mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13C15N水溶液1mL(0.45mmol、4.6eq)を加え室温で15分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、913C15N-JCP(2.8mg、8.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.65 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.57 (s, 1H), 6.89 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.70 (dd, 1H, J = 8.9, 2.1 Hz), 3.63-3.64 (m, 4H), 3.10 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.79 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.92-2.01 (m, 2H), 1.71 (s, 6H); HRMS (ESI+ ): Calcd for [M]+ , 344.19694, Found, 344.19813 (-1.2 mDa)
化合物8(31.1mg、0.098mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13C15N水溶液1mL(0.45mmol、4.6eq)を加え室温で15分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えジクロロメタンで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で精製し、913C15N-JCP(2.8mg、8.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.65 (d, 1H, J = 8.9 Hz), 7.57 (s, 1H), 6.89 (d, 1H, J = 2.1 Hz), 6.70 (dd, 1H, J = 8.9, 2.1 Hz), 3.63-3.64 (m, 4H), 3.10 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.79 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.92-2.01 (m, 2H), 1.71 (s, 6H); HRMS (ESI+ ): Calcd for [M]+ , 344.19694, Found, 344.19813 (-1.2 mDa)
[合成実施例4]
標的酵素DPP-4の認識配列であるEPのジペプチド基質をプローブに導入するために、Boc-Glu(OtBu)-Pro-OHの合成を以下のスキーム4により行った。
標的酵素DPP-4の認識配列であるEPのジペプチド基質をプローブに導入するために、Boc-Glu(OtBu)-Pro-OHの合成を以下のスキーム4により行った。
Boc-Glu(OtBu)-OH(200mg、0.66mmol、1eq)とH-Pro-OBzl(160mg、0.66mmol、1eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(340μL、1.98mmol、3eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶解したCOMU(311mg、0.78mmol、1.1eq)を加え,室温に戻し18時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=78/22→57/43)により一部精製した。目的化合物を含む画分を集めた後に減圧除去によって溶媒を除き、残渣をメタノール100mLに溶解し、パラジウム/炭素(Pd 10%)を一さじ加え、水素雰囲気化,室温で1時間撹拌した。パラジウム/炭素(Pd 10%)をろ過して溶媒を減圧除去し、Boc-Glu(OtBu)-Pro-OH(230mg、87%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ4.33-4.38 (m, 2H), 3.63-3.71 (m, 2H), 2.27-2.30 (m, 2H), 2.16-2.19 (m, 1H), 1.90-1.95 (m, 4H), 1.62-1.71 (m, 1H), 1.36 (s, 9H), 1.33 (s, 9H)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ4.33-4.38 (m, 2H), 3.63-3.71 (m, 2H), 2.27-2.30 (m, 2H), 2.16-2.19 (m, 1H), 1.90-1.95 (m, 4H), 1.62-1.71 (m, 1H), 1.36 (s, 9H), 1.33 (s, 9H)
[合成実施例5]
標的酵素β-Galの糖基質をカルバメートリンカーを介してプローブに導入するために、化合物12の合成を以下のスキーム5により行った。
標的酵素β-Galの糖基質をカルバメートリンカーを介してプローブに導入するために、化合物12の合成を以下のスキーム5により行った。
化合物12の合成
ペンタ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノース(化合物11)(552mg、1.4mmol、1eq)と酢酸アンモニウム(415mg、5.4mmol、3.9eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後、残渣を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣とトリエチルアミン(693mg、3.4mmol、2.4eq)をジクロロメタン10mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で10分間撹拌した。ジクロロメタン5mLに溶解した4-ニトロフェニルクロロフォルメート(298μL、2.2mmol、1.6eq)をゆっくりと滴下し、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=67/33→47/53)により精製し、化合物12(440mg、61%)を得た。
ペンタ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノース(化合物11)(552mg、1.4mmol、1eq)と酢酸アンモニウム(415mg、5.4mmol、3.9eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧除去した後、残渣を酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣とトリエチルアミン(693mg、3.4mmol、2.4eq)をジクロロメタン10mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、室温で10分間撹拌した。ジクロロメタン5mLに溶解した4-ニトロフェニルクロロフォルメート(298μL、2.2mmol、1.6eq)をゆっくりと滴下し、室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=67/33→47/53)により精製し、化合物12(440mg、61%)を得た。
[合成実施例6]
標的酵素GGT、LAP、DPP-4及びβ-Galの基質を導入したactivatable型ラマンプローブgGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP及びβGal-913C15N-JCPの合成を以下のスキーム6により行った。
標的酵素GGT、LAP、DPP-4及びβ-Galの基質を導入したactivatable型ラマンプローブgGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP及びβGal-913C15N-JCPの合成を以下のスキーム6により行った。
スキーム6
(a) 1) Boc-Glu-OtBu, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) KCN, MeCN, H2O,
4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 5.7% in 5 steps. (b) 1) Boc-Leu-OH, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) KC15N, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 10% in 5 steps. (c) 1) Boc-Glu(Ot Bu)-Pro-OH, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) K13CN, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 6.2% in 5 steps. (d) 1) Compound 12, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) K13C15N, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) 28% NaOMe in MeOH, dry MeOH, y. 3.4% in 5 steps.
(a) 1) Boc-Glu-OtBu, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) KCN, MeCN, H2O,
4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 5.7% in 5 steps. (b) 1) Boc-Leu-OH, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) KC15N, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 10% in 5 steps. (c) 1) Boc-Glu(Ot Bu)-Pro-OH, COMU, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) K13CN, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) TFA, DCM, y. 6.2% in 5 steps. (d) 1) Compound 12, DIEA, dry DMF, 2) Chloranil, DCM, 3) K13C15N, MeCN, H2O, 4) UV irradiation, MeOH, 5) 28% NaOMe in MeOH, dry MeOH, y. 3.4% in 5 steps.
化合物7(125mg、0.39mmol、1eq)とBoc-Glu-OtBu(298mg、0.98mmol、2.5eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(335μL、1.97mmol、5eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶解したCOMU(421mg、0.98mmol、2.5eq)を加え、室温に戻し20時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をジクロロメタン5mLに溶解し、Chloranil(97mg、0.39mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、中間体13(252mg)を得た。中間体13(67.7mg、0.11mmol、1eq)をアセトニトリル5mLと水1mLに溶解し、0.3M KCN水溶液1.2mL(0.34mmol、3eq)を加え室温で30分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、溶媒を減圧除去した。残渣をトリフルオロ酢酸1mLとジクロロメタン1mLに溶解し、室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 60min))で精製し、gGlu-9CN-JCP(2.9mg、5.7%)を得た。
1H NMR(400 MHz, CD3OD): δ8.16 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.88 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.79 (s, 1H), 7.71 (dd, 1H, J = 2.0, 8.7 Hz), 4.08 (t, 1H, J = 6.7 Hz), 3.92-3.93 (m, 4H), 3.28 (t, 2H, J = 5.9 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.95 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.78 (t, 2H, 7.0 Hz), 2.23-2.34 (m, 2H), 2.10-2.16 (m, 4H), 1.87 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 471.23907, Found, 471.23932 (-0.3 mDa)
1H NMR(400 MHz, CD3OD): δ8.16 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.88 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.79 (s, 1H), 7.71 (dd, 1H, J = 2.0, 8.7 Hz), 4.08 (t, 1H, J = 6.7 Hz), 3.92-3.93 (m, 4H), 3.28 (t, 2H, J = 5.9 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.95 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 2.78 (t, 2H, 7.0 Hz), 2.23-2.34 (m, 2H), 2.10-2.16 (m, 4H), 1.87 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 471.23907, Found, 471.23932 (-0.3 mDa)
化合物7(113mg、0.36mmol、1eq)とBoc-Leu-OH・H2O(298mg、0.89mmol、2.5eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(301μL、1.77mmol、5eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド3mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶解したCOMU(380mg、0.89mmol、2.5eq)を加え、室温に戻し13時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をジクロロメタン5mLに溶解し、Chloranil(87mg、0.36mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、中間体14(221mg)を得た。中間体14(33.9mg、0.064mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M KC15N水溶液0.64mL(0.19mmol、3eq)を加え室温で30分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、溶媒を減圧除去した。残渣をトリフルオロ酢酸1mLとジクロロメタン1mLに溶解し、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 60min))で精製し、Leu-9C15N-JCP(2.6mg、10%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.12 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.80 (s, 1H), 7.77 (dd, 1H, J = 1.9, 8.7 Hz), 4.09 (t, 1H, J = 7.1 Hz), 3.93-3.95 (m, 4H), 3.32 (t, 2H, J = 6.0 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.96 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.11-2.18 (m, 4H), 1.88 (s, 6H), 1.84 (d, 2H, 8.8 Hz), 1.75-1.82 (m, 1H), 1.07 (d, 3H, 2.8 Hz), 1.05 (d, 3H, 2.8 Hz); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 456.27768, Found, 456.27770 (-0.0 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.12 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.92 (d, 1H, J = 8.7 Hz), 7.80 (s, 1H), 7.77 (dd, 1H, J = 1.9, 8.7 Hz), 4.09 (t, 1H, J = 7.1 Hz), 3.93-3.95 (m, 4H), 3.32 (t, 2H, J = 6.0 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.96 (t, 2H, J = 6.0 Hz), 2.11-2.18 (m, 4H), 1.88 (s, 6H), 1.84 (d, 2H, 8.8 Hz), 1.75-1.82 (m, 1H), 1.07 (d, 3H, 2.8 Hz), 1.05 (d, 3H, 2.8 Hz); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 456.27768, Found, 456.27770 (-0.0 mDa)
化合物7(62.9mg、0.20mmol、1eq)とBoc-Glu(OtBu)-Pro-OH(172mg、0.43mmol、2.5eq)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(170μL、0.99mmol、5eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド3mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶解したCOMU(212mg、0.49mmol、2.5eq)を加え、室温に戻し20時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をジクロロメタン5mLに溶解し、Chloranil(48.9mg、0.20mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、中間体15(81.5mg)を得た。中間体15(19.7mg、0.028mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13CN水溶液0.28mL(0.084mmol、3eq)を加え室温で30分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、溶媒を減圧除去した。残渣をトリフルオロ酢酸1mLとジクロロメタン1mLに溶解し、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 60min))で精製し、EP-913CN-JCP(1.7mg、6.2%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.08 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.79 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.70 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 1.9, 8.5 Hz), 4.57 (m, 1H), 4.32 (t, 1H, J = 6.2 Hz), 3.82-3.83 (m, 4H), 3.20 (m, 2H, overlapped with the CD3OD peak), 3.19 (t, 2H, J = 5.7 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.86 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 2.56 (t, 2H, 7.2 Hz), 2.23-2.35 (m, 2H), 2.11-2.23 (m, 2H), 1.90-2.11 (m, 6H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 569.29519, Found, 569.29640 (-1.2 mDa)
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ8.08 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.79 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.70 (s, 1H), 7.59 (dd, 1H, J = 1.9, 8.5 Hz), 4.57 (m, 1H), 4.32 (t, 1H, J = 6.2 Hz), 3.82-3.83 (m, 4H), 3.20 (m, 2H, overlapped with the CD3OD peak), 3.19 (t, 2H, J = 5.7 Hz, overlapped with the CD3OD peak), 2.86 (t, 2H, J = 5.7 Hz), 2.56 (t, 2H, 7.2 Hz), 2.23-2.35 (m, 2H), 2.11-2.23 (m, 2H), 1.90-2.11 (m, 6H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+): Calcd for [M]+, 569.29519, Found, 569.29640 (-1.2 mDa)
βGal-9 13 C 15 N-JCPの合成
化合物7(145mg、0.46mmol、1eq)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(775μL、4.6mmol、10eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド3mLに溶解した化合物12(455mg、0.88mmol、1.9eq)、を加え、50℃に加熱し15時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=70/30→49/51)により粗精製物(252mg)を得た。粗生成物(89mg、0.13mmol、1eq)をジクロロメタン5mLに溶解し、クロラニル(31mg、0.13mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、中間体16(269mg)を得た。中間体16(145mg、0.21mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13C15N水溶液1.5mL(0.45mmol、2.1eq)を加え室温で30分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、溶媒を減圧除去した。残渣を脱水メタノール3mLに溶解し、28%ナトリウムメトキシド-メタノール溶液(100μL)を加え、アルゴン雰囲気化、0℃で15分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 60min))で精製し、βGal-913C15N-JCP(1.7mg、3.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.94 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.49 (dd, 1H, J = 8.8, 1.9 Hz), 5.40 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 3.81-3.82 (m, 4H), 3.54-3.66 (m, 5H), 3.49 (dd, 1H, J = 9.6, 3.4 Hz), 3.20 (m, 2H, overlapped with the CD3OD peak), 2.85 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.99-2.06 (m, 4H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+ ): Calcd for [M]+, 569.29519, Found, 569.29640 (-1.2 mDa)
化合物7(145mg、0.46mmol、1eq)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(775μL、4.6mmol、10eq)を脱水N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解し、アルゴン雰囲気化、0℃で10分間撹拌した。脱水N,N-ジメチルホルムアミド3mLに溶解した化合物12(455mg、0.88mmol、1.9eq)、を加え、50℃に加熱し15時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=70/30→49/51)により粗精製物(252mg)を得た。粗生成物(89mg、0.13mmol、1eq)をジクロロメタン5mLに溶解し、クロラニル(31mg、0.13mmol、1eq)を加え室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、中間体16(269mg)を得た。中間体16(145mg、0.21mmol、1eq)をアセトニトリル3mLと水1mLに溶解し、0.3M K13C15N水溶液1.5mL(0.45mmol、2.1eq)を加え室温で30分間撹拌した。反応溶液をメタノールで洗いこんでビーカーに移し、254nmのUVを照射しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 40min))で一部精製し、溶媒を減圧除去した。残渣を脱水メタノール3mLに溶解し、28%ナトリウムメトキシド-メタノール溶液(100μL)を加え、アルゴン雰囲気化、0℃で15分間撹拌した。溶媒を減圧除去し、残渣をHPLC(eluent A(H2O、1% CH3CN、0.1% TFA)and eluent B(CH3CN、1% H2O)(A/B=90/10 to 0/100 in 60min))で精製し、βGal-913C15N-JCP(1.7mg、3.4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.94 (d, 1H, J = 1.9 Hz), 7.77 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.49 (dd, 1H, J = 8.8, 1.9 Hz), 5.40 (d, 1H, J = 8.1 Hz), 3.81-3.82 (m, 4H), 3.54-3.66 (m, 5H), 3.49 (dd, 1H, J = 9.6, 3.4 Hz), 3.20 (m, 2H, overlapped with the CD3OD peak), 2.85 (t, 2H, J = 5.9 Hz), 1.99-2.06 (m, 4H), 1.77 (s, 6H); HRMS (ESI+ ): Calcd for [M]+, 569.29519, Found, 569.29640 (-1.2 mDa)
[実施例1]
合成した化合物9CN-JCPとAc-9CN-JCPの吸収スペクトルとSRSスペクトルを取得した。結果として、9CN-JCPとAc-9CN-JCPは最大吸収波長が100nm以上シフトする大きな波長変化を示し、SRSスペクトルにおいて信号のon/offが観測された(図3参照)。
合成した化合物9CN-JCPとAc-9CN-JCPの吸収スペクトルとSRSスペクトルを取得した。結果として、9CN-JCPとAc-9CN-JCPは最大吸収波長が100nm以上シフトする大きな波長変化を示し、SRSスペクトルにおいて信号のon/offが観測された(図3参照)。
図3の(a)は、9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPの化学構造を示す。
図3の(b)及び(c)は、夫々、DMSO中(b)、及び、共溶媒としてDMSOを0.1%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1μM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPの吸収スペクトルである。
図3の(d)は、DMSO中で測定した1mM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPのSRSスペクトルである。
図3の(e)は、共溶媒としてDMSOを10%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1mM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPのSRSスペクトルである。データの取得回数は5回であった。
図3の(b)及び(c)は、夫々、DMSO中(b)、及び、共溶媒としてDMSOを0.1%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1μM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPの吸収スペクトルである。
図3の(d)は、DMSO中で測定した1mM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPのSRSスペクトルである。
図3の(e)は、共溶媒としてDMSOを10%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1mM 9CN-JCPおよびAc-9CN-JCPのSRSスペクトルである。データの取得回数は5回であった。
[実施例2]
合成した9CN-JCPの同位体標識化合物9C15N-JCP、913CN-JCP、913C15N-JCPの吸収スペクトルと蛍光スペクトルとSRSスペクトルを取得した。結果として、9CN-JCP骨格を有する4種類の化合物はいずれも同等な吸収・蛍光スペクトルを示したが、SRSスペクトルではこれらを明確に分離検出することができた(図4参照)。
合成した9CN-JCPの同位体標識化合物9C15N-JCP、913CN-JCP、913C15N-JCPの吸収スペクトルと蛍光スペクトルとSRSスペクトルを取得した。結果として、9CN-JCP骨格を有する4種類の化合物はいずれも同等な吸収・蛍光スペクトルを示したが、SRSスペクトルではこれらを明確に分離検出することができた(図4参照)。
図4の(a)は、9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPの化学構造を示す。
図4の(b)及び(c)は、共溶媒としてDMSOを0.1%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1μM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPの吸収スペクトル(b)及び蛍光スペクトル(c)を示す。励起波長は640nmであった。
図4の(d)は、DMSO中で測定した1mM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPのSRSスペクトルを示す。図4の(e)は、DMSO中で測定した0.25mM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPの混合物のSRSスペクトルを示す。データの取得回数は5回であった。
図4の(b)及び(c)は、共溶媒としてDMSOを0.1%含有するPBS(pH7.4)中で測定した1μM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPの吸収スペクトル(b)及び蛍光スペクトル(c)を示す。励起波長は640nmであった。
図4の(d)は、DMSO中で測定した1mM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPのSRSスペクトルを示す。図4の(e)は、DMSO中で測定した0.25mM 9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP及び913C15N-JCPの混合物のSRSスペクトルを示す。データの取得回数は5回であった。
[実施例3]
合成した化合物gGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP、βGal-913C15N-JCPをそれぞれの標的酵素であるGGT(γ-glutamyl transpeptidase)、LAP(Leucine aminopeptidase)、DPP-4(Dipeptidyl peptidase-4)、β-Gal(β-galactosidase)と反応させて吸収スペクトルを計測すると、それぞれ吸収波長が長波長にシフトして、プローブ母核9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP、913C15N-JCPが生成する様子が観測された。また同様の実験に対してSRSスペクトルを取得すると、酵素反応の前後で信号がoffからonになる様子が観測され、これらのプローブがactivatable型ラマンプローブとなることが示唆された(図5参照)。
合成した化合物gGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP、βGal-913C15N-JCPをそれぞれの標的酵素であるGGT(γ-glutamyl transpeptidase)、LAP(Leucine aminopeptidase)、DPP-4(Dipeptidyl peptidase-4)、β-Gal(β-galactosidase)と反応させて吸収スペクトルを計測すると、それぞれ吸収波長が長波長にシフトして、プローブ母核9CN-JCP、9C15N-JCP、913CN-JCP、913C15N-JCPが生成する様子が観測された。また同様の実験に対してSRSスペクトルを取得すると、酵素反応の前後で信号がoffからonになる様子が観測され、これらのプローブがactivatable型ラマンプローブとなることが示唆された(図5参照)。
図5(a)は、gGlu-9CN-JCPとGGT、Leu-9C15N-JCPとLAP、EP-913CN-JCPとDPP-4、及びβGal-913C15CN-JCPとβ-Galの反応スキームを示す。
図5(b)~図5(e)は、gGlu-9CN-JCP(b)、Leu-9C15N-JCP(c)、EP-913CN-JCP(d)及びβGal-913C15N-JCP(e)の各ターゲット酵素の有無による、PBS(pH 7.4)中で測定した吸収スペクトル(左)及びSRSスペクトル(右)を示す。(プローブ濃度は、吸収スペクトルについては1μM(共溶媒として0.1%DMSO)、SRSスペクトルについては1mM(共溶媒として10%DMSO)であった。)データの取得回数は5回であった。
図5(b)~図5(e)は、gGlu-9CN-JCP(b)、Leu-9C15N-JCP(c)、EP-913CN-JCP(d)及びβGal-913C15N-JCP(e)の各ターゲット酵素の有無による、PBS(pH 7.4)中で測定した吸収スペクトル(左)及びSRSスペクトル(右)を示す。(プローブ濃度は、吸収スペクトルについては1μM(共溶媒として0.1%DMSO)、SRSスペクトルについては1mM(共溶媒として10%DMSO)であった。)データの取得回数は5回であった。
[実施例4]
合成した4種類のactivatable型ラマンプローブ(gGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP、βGal-913C15N-JCP)をそれぞれの標的酵素発現量の違うA549細胞とH226細胞にアプライして生細胞イメージングを行った。
その結果、GGTとβ-Galが高発現であるA549細胞ではgGlu-9CN-JCPとβGal-913C15N-JCP由来の信号が強く検出されたのに対し、LAPとDPP-4が高発現であるH226細胞ではLeu-9C15N-JCPとEP-913CN-JCP由来の信号が強く検出され、開発したプローブがライブセルでその酵素活性に応じて信号がoffからonになる、activatable型ラマンプローブとして使用できることが示唆された(図6参照)。
合成した4種類のactivatable型ラマンプローブ(gGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP、βGal-913C15N-JCP)をそれぞれの標的酵素発現量の違うA549細胞とH226細胞にアプライして生細胞イメージングを行った。
その結果、GGTとβ-Galが高発現であるA549細胞ではgGlu-9CN-JCPとβGal-913C15N-JCP由来の信号が強く検出されたのに対し、LAPとDPP-4が高発現であるH226細胞ではLeu-9C15N-JCPとEP-913CN-JCP由来の信号が強く検出され、開発したプローブがライブセルでその酵素活性に応じて信号がoffからonになる、activatable型ラマンプローブとして使用できることが示唆された(図6参照)。
図6a及び図6bは、夫々、10μMgGlu-9CN-JCP、Leu-9C15N-JCP、EP-913CN-JCP、及び20μMβGal-913C15N-JCPの混合物で処理したA549細胞(図6a)及びH226細胞(図6b)のSRS画像を示す。データの取得回数は1000回であった。SRS画像は、2250cm-1の画像を差し引くことで得られた。細胞中のSRSスペクトルは、3.3 cm-1 毎に91波数分の画像を連続的に撮影し、データの取得回数は50回であった。
小関研究室のSRS顕微鏡で画像を取得した。
小関研究室のSRS顕微鏡で画像を取得した。
Claims (8)
- 以下の一般式(I)で表される化合物又はその塩。
(式中、
R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6個のアルキル基又はハロゲン原子を表し;
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基を表し、
R5又はR6は、R2又はR4と一緒になって、R2又はR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
R5及びR6は、夫々、R2及びR4と一緒になって、R2及びR4が結合している窒素原子を含む5~7員のヘテロシクリル又はヘテロアリールを形成していてもよく、
該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは環構成員として酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群から選択される1~3個の更なるヘテロ原子を含有していてもよく、更に該ヘテロシクリル又はヘテロアリールは、炭素数1~6個のアルキル、炭素数2~6個のアルケニル、又は炭素数2~6個のアルキニル、炭素数6~10個のアラルキル基、炭素数6~10個のアルキル置換アルケニル基で置換されていてもよく;
R7及びR8は、存在する場合は、それぞれ独立に、炭素数1~6個のアルキル基又はアリール基を表し、
ここで、Xが酸素原子の場合は、R7及びR8は存在せず、
Xがリン原子の場合は、-R7及び-R8の一方は、=Oであってもよく;
Xは、珪素原子、酸素原子、炭素原子、スズ原子、リン原子又はゲルマニウム原子を表し;
Yは、-NRa-C(=O)-L、-NRa-C(=O)-O-L’又は-O-L’であり、
ここで、Lは、アミノ酸の部分構造であり、
L’は、糖類又は糖類の部分構造であり、
Raは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基であり;
Zは、-C≡C-Rb、-13C≡C-Rb、-13C≡13C-Rb、-C≡N、-C≡15N、-13C≡N、又は-13C≡15Nから選択され、
ここで、Rbは、水素原子又は炭素数1~6個のアルキル基である。) - Lのアミノ酸の部分構造は、それが結合しているC=Oと一緒になって、アミノ酸、アミノ酸残基、ペプチド、アミノ酸又はペプチドの一部を構成している構造である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- L’の糖類の部分構造は、それが結合しているOと一緒になって、糖類又は糖類の一部を構成している構造である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
- 一般式(I)の化合物又はその塩を含むラマンプローブ。
- epr-SRS法に利用可能な請求項5に記載のラマンプローブ。
- 細胞又は組織内の標的酵素を検出する方法であって、(a)一般式(I)で表される化合物又はその塩を細胞又は組織内に導入する工程、及び(b)当該化合物又はその塩が細胞又は組織内で標的酵素と反応することにより増強されるラマン散乱光を測定する工程を含む方法。
- epr-SRS法を用いてラマン散乱光を測定する、請求項7に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020035842A JP2023056054A (ja) | 2020-03-03 | 2020-03-03 | Activatable型ラマンプローブ |
JP2020-035842 | 2020-03-03 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
WO2021177050A1 true WO2021177050A1 (ja) | 2021-09-10 |
Family
ID=77612694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
PCT/JP2021/006189 WO2021177050A1 (ja) | 2020-03-03 | 2021-02-18 | Activatable型ラマンプローブ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023056054A (ja) |
WO (1) | WO2021177050A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023167282A1 (ja) * | 2022-03-02 | 2023-09-07 | 国立大学法人 東京大学 | O-function型activatableラマンプローブ |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014136780A1 (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-12 | 国立大学法人 東京大学 | カルパイン活性検出蛍光プローブ |
-
2020
- 2020-03-03 JP JP2020035842A patent/JP2023056054A/ja active Pending
-
2021
- 2021-02-18 WO PCT/JP2021/006189 patent/WO2021177050A1/ja active Application Filing
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014136780A1 (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-12 | 国立大学法人 東京大学 | カルパイン活性検出蛍光プローブ |
Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
FUJIOKA HIROYOSHI, SHOU JINGWEN, KOJIMA RYOSUKE, URANO YASUTERU, OZEKI YASUYUKI, KAMIYA MAKO: "Multicolor Activatable Raman Probes for Simultaneous Detection of Plural Enzyme Activities", J AM CHEM SOC, vol. 142, no. 49, November 2020 (2020-11-01), pages 20701 - 20707, XP055852906 * |
ITO, H ET AL.: "Red - Shifted Fluorogenic Substrate for Detection of lacZ- Positive Cells in Living Tissue with Single- Cell Resolution", ANGEW CHEM, vol. 57, 2018, pages 15702 - 15706, XP055771100, DOI: 10.1002/anie.201808670 * |
SARANYA GIRIDHARAN, JOSEPH MANU M., KARUNAKARAN VARSHA, NAIR JYOTHI B., SARITHA VALLIAMMA N., VEENA VAMADEVAN S., SUJATHAN KUNJURA: "Enzyme-Driven Switchable Fluorescence-SERS Diagnostic Nanococktail for the Multiplex Detection of Lung Cancer Biomarkers", ACS APPL MATER INTERFACES, vol. 10, no. 45, 2018, pages 38807 - 38818, XP055852904 * |
WEI, L ET AL.: "Super-multiplex vibrational imaging", NATURE, vol. 544, 2017, pages 465 - 470, XP055572613, DOI: 10.1038/nature22051 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023167282A1 (ja) * | 2022-03-02 | 2023-09-07 | 国立大学法人 東京大学 | O-function型activatableラマンプローブ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023056054A (ja) | 2023-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Ding et al. | Smart probe for rapid and simultaneous detection and discrimination of hydrogen sulfide, cysteine/homocysteine, and glutathione | |
US9714260B2 (en) | Asymmetrical Si rhodamine and rhodol synthesis | |
JP5588962B2 (ja) | プロテアーゼ測定用蛍光プローブ | |
US20140342384A1 (en) | Fluorescent probe | |
Gan et al. | A novel fluorescent probe for selective imaging of cellular cysteine with large Stokes shift and high quantum yield | |
Zhang et al. | Simultaneous detection of Cys/Hcy and H2S through distinct fluorescence channels | |
EP2821791A1 (en) | 3-aryl propiolonitrile compounds for thiol labeling | |
WO2017078623A9 (en) | Background-free fluorescent probes for live cell imaging | |
Mu et al. | A non-peptide NIR fluorescent probe for detection of chymotrypsin and its imaging application | |
WO2021177050A1 (ja) | Activatable型ラマンプローブ | |
WO2008145609A1 (en) | Method of making covalent conjugates with his-tagged proteins | |
Rong et al. | A naphthalimide-indole fused chromophore-based fluorescent probe for the detection of biothiol with red emission and a large Stokes shift | |
Fedorowicz et al. | Synthesis and evaluation of dihydro-[1, 2, 4] triazolo [4, 3-a] pyridin-2-ium carboxylates as fixed charge fluorescent derivatization reagents for MEKC and MS proteomic analyses | |
JP2018145126A (ja) | カルボキシペプチダーゼ活性検出用蛍光プローブ | |
Wang et al. | A near-infrared fluorescent probe based on chloroacetate modified naphthofluorescein for selectively detecting cysteine/homocysteine and its application in living cells | |
JP7339675B2 (ja) | カルボキシペプチダーゼ活性検出用蛍光プローブ | |
WO2023167282A1 (ja) | O-function型activatableラマンプローブ | |
CN111704570B (zh) | 具有七甲川花菁结构的近红外反应型荧光探针及其制备方法和应用 | |
JP2018025399A (ja) | ハイドロポリスルフィド検出用蛍光プローブ | |
Tian et al. | Synthesis of chlorinated fluoresceins for labeling proteins | |
JP6145742B2 (ja) | 蛍光性質量標識プローブ | |
WO2020095946A1 (ja) | 新規蛍光プローブ | |
Wodtke et al. | Solution-phase synthesis of the fluorogenic TGase 2 acyl donor Z-Glu (HMC)-Gly-OH and its use for inhibitor and amine substrate characterisation | |
JP4929452B2 (ja) | 新規クマリン誘導体 | |
Wei et al. | Design, synthesis and cell imaging of a new 3-thiolflavone fluorescent probe for biothiols |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 21765293 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
|
122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 21765293 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: JP |