WO2021176691A1

WO2021176691A1 - 情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

Info

Publication number: WO2021176691A1
Application number: PCT/JP2020/009704
Authority: WO
Inventors: 山田　英樹; 白川　政信; 万里江黒長; 秀樹川崎
Original assignee: キオクシア株式会社
Priority date: 2020-03-06
Filing date: 2020-03-06
Publication date: 2021-09-10
Also published as: CN115210727A; US20220414553A1

Abstract

実施形態に係る情報処理装置は、自動車の駐車場を予約する。情報処理装置は、自動車の目的地に関する第１情報を受信する受信部と、第１情報に基づいて、目的地に至るまでの経路を検索する第１検索部と、目的地に至るまでの経路及び経路近傍における第１地域と第１時刻とを検索する第２検索部と、第１時刻における第１地域の第１駐車場の予約を、ユーザからの命令を待つことなく無線または有線通信を用いて要求する予約部とを備える。

Description

情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム

　実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。

　近年、カーシェアリングサービスが普及してきている。

国際公開第２０１０／１１９５０９号公報

　効率的な駐車場利用を可能とする情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。

　本実施形態の情報処理装置は、自動車の駐車場を予約する。情報処理装置は、自動車の目的地に関する第１情報を受信する受信部と、第１情報に基づいて、目的地に至るまでの経路を検索する第１検索部と、目的地に至るまでの経路及び経路近傍における第１地域と第１時刻とを検索する第２検索部と、第１時刻における第１地域の第１駐車場の予約を、ユーザからの命令を待つことなく無線または有線通信を用いて要求する予約部とを具備する。

図１は、第１実施形態に係る駐車場予約システムの概念図。図２は、第１実施形態に係る電気自動車のブロック図。図３は、第１実施形態に係るカーシェアリングサービスを利用するユーザの保持するスマートフォンのブロック図。図４Ａは、第１実施形態に係るカーシェアリング会社のサーバのブロック図。図４Ｂは、第１実施形態に係る車両情報データベースの概念図。図４Ｃは、第１実施形態に係るカーシェアリング会社のサーバにおけるプロセッサの機能ブロック図。図５Ａは、第１実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバのブロック図。図５Ｂは、第１実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図５Ｃは、第１実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図５Ｄは、第１実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバにおけるプロセッサの機能ブロック図。図６は、第１実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図７は、第２実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバのブロック図。図８Ａは、第２実施形態に係るレート情報の概念図。図８Ｂは、第２実施形態に係るレート情報の概念図。図８Ｃは、第２実施形態に係るレート情報の概念図。図８Ｄは、第２実施形態に係るレート情報の概念図。図９は、第２実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバにおけるプロセッサの機能ブロック図。図１０は、第２実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図１１Ａは、第３実施形態に係るカーシェアリング会社のサーバのブロック図。図１１Ｂは、第３実施形態に係る評価許容値情報の概念図。図１１Ｃは、第３実施形態に係る過去収入情報の概念図。図１１Ｄは、第３実施形態に係るサイズ情報の概念図。図１１Ｅは、第３実施形態に係る優先情報の概念図。図１１Ｆは、第３実施形態に係るカーシェアリング会社のサーバにおけるプロセッサの機能ブロック図。図１２Ａは、第３実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバのブロック図。図１２Ｂは、第３実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図１３は、第３実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図１４は、第４実施形態に係るルート情報の概念図。図１５は、第４実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図１６Ａは、第４実施形態に係る駐車場契約情報から得られる情報の概念図。図１６Ｂは、第４実施形態に係る予約タイムテーブルから得られる情報の概念図。図１６Ｃは、第４実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図１７は、第４実施形態の変形例に係る駐車場決定方法を示すフローチャート。図１８は、第５実施形態に係る駐車場予約システムの概念図。図１９は、第５実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図２０Ａは、第５実施形態に係る駐車場契約情報から得られる情報の概念図。図２０Ｂは、第５実施形態に係る予約タイムテーブルから得られる情報の概念図。図２０Ｃは、第５実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図２１は、第６実施形態に係る駐車場予約システムに駐車場を登録するユーザの保持するスマートフォンのブロック図。図２２Ａは、第６実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図２２Ｂは、第６実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図２２Ｃは、第６実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図２２Ｄは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２２Ｅは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２２Ｆは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２２Ｇは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２２Ｈは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２２Ｉは、第６実施形態に係る駐車場所有者のスマートフォンの表示画面を示す模式図。図２３は、第７実施形態に係る駐車場予約方法を示すフローチャート。図２４は、第８実施形態に係る評価情報の概念図。図２５Ａは、第８実施形態に係る電気自動車におけるプロセッサの機能ブロック図。図２５Ｂは、第８実施形態に係る駐車場評価方法を示すフローチャート。図２５Ｃは、第８実施形態に係る駐車場評価方法を示すフローチャート。図２５Ｄは、第８実施形態に係る電気自動車の外観図。図２５Ｅは、第８実施形態に係る電気自動車の外観図。図２５Ｆは、第８実施形態に係る電気自動車のブロック図。図２５Ｇは、第８実施形態に係る駐車場評価方法を示すフローチャート。図２６は、第９実施形態に係るルート情報の概念図。図２７Ａは、第９実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図２７Ｂは、第９実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図２８Ａは、第９実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図２８Ｂは、第９実施形態に係るシナリオ比重テーブルの概念図。図２９Ａは、第９実施形態に係るレート情報の概念図。図２９Ｂは、第９実施形態に係るレート情報の概念図。図２９Ｃは、第９実施形態に係るレート情報の概念図。図２９Ｄは、第９実施形態に係るレート情報の概念図。図３０Ａは、第９実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図３０Ｂは、第９実施形態に係るシナリオ比重テーブルの概念図。図３１は、第９実施形態に係る駐車料金の平均額の算出式。図３２Ａは、第９実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図３２Ｂは、第９実施形態に係るシナリオ比重テーブルの概念図。図３３は、第１０実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバのブロック図。図３４Ａは、第１１実施形態に係る駐車場契約情報の概念図。図３４Ｂは、第１１実施形態に係る車両情報データベースの概念図。図３４Ｃは、第１１実施形態に係るルート探索方法を示すフローチャート。図３５Ａは、第１２実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。図３５Ｂは、第１２実施形態に係る予約タイムテーブルの概念図。

実施形態

　以下、図面を参照して実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有する構成要素については、共通する参照符号を付す。

　１．第１実施形態　
　第１実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、電気自動車の駐車場予約システムに関するものであり、一例として、レベル４またはレベル５の自動運転により運転手が不在となった自動車、及びそのような自動車のための駐車場の運用方法に関する。

　１．１　構成について　
　１．１．１　全体構成について　
　図１は、本実施形態に係る駐車場予約システムの構成例を示している。

　図示するように予約システム１は、駐車場１００、携帯情報端末２００、５００、電気自動車３００、並びにサーバ６００、８００を備えている。以下では、携帯情報端末２００、５００がスマートフォンである場合を例に説明するが、携帯電話、タブレットＰＣ、ノートＰＣなどの携帯可能な情報通信端末であれば良い。または、携帯情報端末２００は、デスクトップＰＣであってもよいし、また携帯情報端末５００は電気自動車に据え付けられたカーナビゲーションシステムであってもよく、携帯情報端末２００、５００は携帯型に限定されるものではない。

　スマートフォン２００、５００は、例えば無線通信により、ネットワーク１０００を介して、サーバ６００、８００と通信可能である。電気自動車３００もまた無線通信機能を有し、ネットワーク６００を介して、サーバ６００、８００と通信可能である。

　サーバ６００、及び８００は、電気自動車３００やスマートフォン２００、５００からの要求に応じて種々の演算を行い、様々な情報を電気自動車３００及びスマートフォン２００、５００に提供する。

　上記の予約システム１において、駐車場１００は個人または法人の所有地であり、所有者の設定した条件に従って、第三者に対して貸し出される。そして駐車場１００には、電気自動車３００のバッテリを充電するための充電器１１０が設置されている。スマートフォン２００は、駐車場１００の所有者が保持する。スマートフォン２００は、駐車場１００の所有者からの入力を受け付け、受け付けた情報をサーバ８００に送信する。またスマートフォン２００は、サーバ８００から受信した情報をディスプレイに表示させ、駐車場１００の所有者に提示する。

　自動車３００は、目的地までの走行ルート情報等を例えばサーバ６００から受信し、自動運転により目的地まで走行する。スマートフォン５００は、自動車３００の乗客（ユーザ）が保持する。そしてスマートフォン５００は、ユーザからの入力を受け付け、受け付けた情報をサーバ６００に送信する。またスマートフォン５００は、サーバ６００から受信した情報をディスプレイに表示させ、ユーザに提示する。

　サーバ６００は、自動車３００を管理する事業者によって管理される。本実施形態に係る自動車３００は、個人所有されるものではない。すなわち、自動車３００を管理する事業者（以下、これをカーシェアリング会社と呼ぶ）によって複数の自動車３００が保有され、この自動車３００を多くのユーザがシェアする。そしてサーバ６００は、ユーザのスマートフォン５００から受信した情報に従って走行ルート等を決定し、決定されたルートに従って走行するよう、自動車３００に命令する。

　サーバ８００は、駐車場１００を管理する事業者によって管理される。本実施形態に係る駐車場１００は、例えば個人宅や法人所有ビルの駐車場であったり、以前から駐車場経営のために用いられてきたものであったりしてもよい。すなわち、サーバ８００を管理する事業者（以下、これを駐車場スケジューリング会社と呼ぶ）は、複数の駐車場所有者と契約を結び、駐車場１００を管理する。そして、カーシェアリング会社からの要求に従って、必要な駐車場１００の予約を受け付ける。

　以下、電気自動車３００、スマートフォン５００、並びにサーバ６００及び８００の構成について説明する。

　１．１．２　電気自動車３００の構成　
　まず、電気自動車３００の構成について図２を用いて説明する。図２は、電気自動車の３００の、特に駐車場予約システムに関する部分の構成例を示すブロック図である。

　図示するように電気自動車３００は、バッテリ３１０、バッテリ監視ユニット３２０、制御部３３０、ＧＰＳ（Global Positioning System：全地球測位システム）受信機３６０、及び通信部３７０を備えている。

　バッテリ３１０は、電気自動車３００を駆動するためのものである。

　バッテリ監視ユニット３２０は、バッテリ３１０の残量を監視する。バッテリ残量の監視は、時間的に連続的に行われても良いし、あるいは一定時間毎に行われても良い。

　通信部３７０は、無線通信によりネットワーク１０００を介してサーバ６００との間で情報を送受信可能な無線通信回路である。通信部３７０は、サーバ６００から受信したデータを制御部３３０へ転送し、また制御部３３０から受信したデータをサーバ６００へ送信する。

　ＧＰＳ受信機３６０は、ＧＰＳ衛星からの信号を受信することで、自動車３００の位置を把握する。そしてＧＰＳ受信機３６０は、自動車３００の位置情報を制御部３３０へ送信する。

　制御部３３０は、自動車３００の走行に関する処理を制御する。制御部３３０は、プロセッサ３３１、ＲＯＭ３３２、ＲＡＭ３３３、及び入出力回路３３４を備えている。ＲＯＭ３３２及びＲＡＭ３３３は、プロセッサ３３１によって実行されるプログラムや必要なデータを保持する。またＲＡＭ３３３は、プロセッサ３３１の作業領域として機能する。入出力回路３３４は、通信部３７０との間の情報の送受信を司る。プロセッサ３３１は、ＲＯＭ３３２及びＲＡＭ３３３内のプログラムを実行する。例えばＲＡＭ３３３は、自動運転プログラム３３５、走行ルート情報３３６、予約済み駐車場情報３３７、位置情報３３８、及びバッテリ残量情報３３９を保持する。

　自動運転プログラム３３５は、自動運転による自動車３００の走行を可能とするために必要な、プロセッサ３３１による制御内容を含む。走行ルート情報３３６は、自動車３００が出発地から目的地に達するまでのルート情報を含み、例えばサーバ６００から与えられる。予約済み駐車場情報３３７は、走行ルート内において予約された駐車場１００に関する情報を含み、例えばサーバ６００から与えられる。そして、プロセッサ３３１がプログラム３３５を実行することにより、自動車３００は情報３３６に従って走行し、また情報３３７で指定された駐車場１００に駐車する。位置情報３３８は、自動車３００の位置を示す情報を含み、ＧＰＳ受信機３６０から与えられる。バッテリ残量情報３３９は、バッテリ３１０の残量を示す情報を含み、バッテリ監視ユニット３２０から与えられる。位置情報３３８及びバッテリ残量情報３３９は、通信部３７０により例えばサーバ６００に送信される。

　１．１．３　スマートフォン５００の構成　
　次に、上記スマートフォン５００の構成について図３を用いて説明する。図３はスマートフォン５００の構成例を示すブロック図である。図示するようにスマートフォン５００は、表示部５１０、ユーザ入力部５２０、制御部５３０、及び通信部５７０を備えている。

　表示部５１０は、ユーザに対して種々の情報を提示し、例えば液晶ディスプレイなどである。

　ユーザ入力部５２０は、ユーザからの種々の情報や命令の入力（これをユーザ設定情報と呼ぶ）を受け付ける。例えば、表示部５１０がタッチパネル型の表示装置であって、表示部５１０とユーザ入力部５２０とが一体となっていても良い。

　通信部５７０は、無線通信によりサーバ６００との間で情報を送受信する。例えば通信部５７０は、サーバ６００に対して、ユーザ入力部５２０で受け付けたユーザ設定情報５３６や、自動車３００のレンタルリクエスト（自動車３００への乗車要求）をサーバ６００へ送信し、またサーバ６００から走行ルート情報を受信する。

　制御部５３０は、スマートフォン５００全体の処理を制御する。制御部５３０は、ＣＰＵなどのプロセッサ５３１、ＲＯＭ５３２、ＲＡＭ５３３、及び入出力回路５３４を備えている。ＲＯＭ５３２は、プロセッサ５３１によって実行されるプログラムや必要なデータを保持する。ＲＡＭ５３３は、プロセッサ５３１の作業領域として機能する。入出力回路５３４は、通信部５７０との間の情報の送受信を司る。プロセッサ５３１は、ＲＯＭ５３２及びＲＡＭ５３３内のプログラムを実行する。ＲＡＭ５３３は、カーシェリングプログラム５３５、ユーザ設定情報５３６、及び走行ルート情報３３６を保持する。

　カーシェアリングプログラム５３５は、自動車３００を利用するために必要な処理を含む種々の機能を、スマートフォン５００に対して実現させる。プログラム５３５を実行したプロセッサ５３１は、ユーザ入力部５２０で受け付けたユーザ設定情報５３６を例えばＲＡＭ５３３に保持させる。ユーザ設定情報５３６の具体例は、例えば電気自動車３００を運転する日時、出発地、及び／または目的地に関する情報などである。走行ルート情報３３６は、例えばサーバ６００から受信する。そしてプロセッサ５３１は、走行ルートや、走行ルートに基づく目的地到着時間などの情報を表示部５１０に表示させる。

　１．１．４　サーバ６００の構成　
　次に、上記サーバ６００の構成について図４Ａを用いて説明する。図４Ａはサーバ６００の構成例を示すブロック図である。図示するようにサーバ６００は、制御部６３０及び通信部６７０を備えている。

　通信部６７０は、無線通信により、自動車３００、スマートフォン２００及び５００、並びにサーバ８００との間で情報を送受信する。なお、サーバ８００との間は有線での通信であっても良いし、またはサーバ６００及び８００が１つのサーバによって実現されても良い。そして通信部６７０は、電気自動車３００に対してバッテリ残量情報のリクエスト及び走行ルート情報を送信し、サーバ８００に対して、後述する駐車場情報のリクエスト及び駐車場の予約リクエストを送信し、図示せぬサーバに対して渋滞情報のリクエストを送信する。更に通信部６７０は、電気自動車３００からバッテリ残量情報及び位置情報を受信し、スマートフォン５００から自動車３００のレンタルリクエスト及びユーザ設定情報５３６を受信し、サーバ８００から駐車場情報及び駐車場の予約情報を受信し、図示せぬサーバから渋滞情報を受信する。渋滞情報は、例えば渋滞、道路工事、あるいは事故等の道路情報を扱う業者によって提供され得る。

　制御部６３０は、ＣＰＵなどのプロセッサ６３１、ＲＯＭ６３２、ＲＡＭ６３３、及び入出力回路６３４を備えている。ＲＯＭ６３２は、プロセッサ６３１によって実行されるプログラムや必要なデータを保持する。ＲＡＭ６３３は、プロセッサ６３１の作業領域として機能すると共に、通信部６７０で受信したユーザ設定情報５３６、バッテリ残量情報３３９、位置情報３３８、渋滞情報６３８、駐車場情報６３９、及び予約情報６４０を保持する。更にＲＡＭ６３３は、ルート検索プログラム６３５、走行ルート情報３３６、地図情報６４１、及び車両情報データベース６４２を保持する。入出力回路６３４は、通信部６７０との間の情報の送受信を司る。プロセッサ６３１は、上記情報５３６、３３９、３３８、６３８、６３９、６４０、及び６４１を用いてルート検索プログラム６３５を実行することで、ユーザに最適と思われる走行ルートを算出する。例えばプロセッサ６３１は、地図情報６４１上における出発地と目的地を把握し、両者を結ぶルートのうち、渋滞情報６３８に基づく速達性、バッテリ残量情報３３９、駐車場情報６３９、及び予約情報６４０に基づくバッテリ充電必要性、並びにユーザ設定情報５３６に基づくユーザ指向性に基づいて、走行ルートを算出する。このようにして算出された走行ルート情報３３６が、自動車３００に送信される。走行ルート情報３３６は更に、スマートフォン５００に送信されてもよい。これにより、ユーザは自動車３００の走行ルートを把握できる。またプロセッサ６３１は、必要に応じてサーバ８００に対して駐車場１００の予約リクエストを発行する。本明細書において、自動車３００が電気自動車である場合に、駐車場１００の予約は、同時にバッテリの充電予約を意味する。

　プロセッサ６３１は更に、カーシェアリング会社が所有する自動車３００を、車両情報データベース６４２を用いて管理する。図４Ｂは、車両情報データベース６４２の概念図である。図示するようにデータベース６４２は、カーシェアリング会社が保有する自動車３００の、例えば現在地や現在の状況に関する情報を保持する。図４Ｂの例であると、３台の自動車３００がデータベース６４２に登録されており、それぞれにＩＤ１、ＩＤ２、及びＩＤ３なる車両ＩＤが割り当てられている。本例であると、ＩＤ１の自動車３００の現在地は、米国マンハッタンであり、セントラルパークの駐車場で駐車及びバッテリの充電中である。またＩＤ２の自動車３００の現在地は米国アレキサンドリアであり、顧客のいる米国特許庁へ向かっている。更にＩＤ３の自動車３００の現在地は米国ワシントンＤＣであり、顧客乗車中で行き先は米国議会図書館である。プロセッサ６３１は、走行ルート情報３３６や位置情報３３８に基づいて、データベース６４２をリアルタイムに更新する。

　なお、以下の説明では表現の簡単化のために、自動車３００を車両ＩＤによって区別する場合には、車両ＩＤがＩＤｉ（ｉは自然数）である自動車３００を「自動車ＩＤｉ」と呼ぶことがある。

　図４Ｃは、ルート検索プログラム６３５を実行した際におけるプロセッサ６３１（または制御部６３０全体）の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ６３１は、プログラム６３５を実行することにより、送受信部６６０、第１検索部６６１、第２検索部６６２、第１判断部６６３、予約部６６４、及び第２判断部６６５として機能する。

　送受信部６６０は、通信部６７０を介して、バッテリ残量情報３３９を電気自動車３００から受信し、目的地に関する情報（ユーザ設定情報５３６）をスマートフォン５００から受信し、更に目的地に至るまでの経路に関する情報（渋滞情報６３８）を受信する。また送受信部６６０は、サーバ８００から駐車場情報６３９及び予約情報６４０を受信する。そして送受信部６６０は、予約リクエストをサーバ８００に送信し、走行ルート情報３３６を自動車３００に送信する。

　第１検索部６６１は、少なくともユーザ設定情報５３６と渋滞情報６３８とに基づいて、目的地に至るまでの走行ルートを検索する。第２検索部６６２は、駐車場の予約が必要な場合に、第１検索部６６１で得られた走行ルートに基づいて、予約すべき駐車場の地域や、予約すべき時刻などを検索する。

　第１判断部６６３は、バッテリ残量情報３３９と、第１検索部６６１によって探索された走行ルートとに基づいて、目的地に至るまでの間にバッテリ３１０の充電が必要か否かを判断する。そして予約部６６４は、第１判断部６６３においてバッテリ３１０の充電が必要と判断された場合、第２検索部６６２において検索された地域及び／または時刻に基づいて、駐車場１００の予約リクエストを発行してサーバ８００へ送信する。この予約リクエストは、ユーザ、すなわち自動車３００の乗客からの命令を待つことなく発行される。

　第２判断部６６５は、第１判断部６６３によって探索された走行ルート、第１判断部６６３における判断結果、及び予約部６６４で発行された予約リクエストに応答して予約された駐車場１００の位置に基づいて、自動車３００の最終的な走行ルートを決定する。

　１．１．５　サーバ８００の構成　
　次に、上記サーバ８００の構成について図５Ａを用いて説明する。図５Ａはサーバ８００の構成例を示すブロック図である。図示するようにサーバ８００は、制御部８３０及び通信部８７０を備えている。

　通信部８７０は、例えば無線通信によりサーバ６００及びスマートフォン２００との間で情報を送受信する。例えば通信部８７０は、駐車場情報のリクエスト及び駐車場の予約リクエストをサーバ６００から受信し、駐車場登録のリクエストをスマートフォン２００から受信する。また通信部８７０は、制御部８３０から受信した駐車場情報及び予約完了情報をサーバ６００へ送信し、登録完了情報をスマートフォン２００へ送信する。

　制御部８３０は、駐車場スケジューリング会社が管理する駐車場１００に関する情報をリアルタイムに保持し、要求に応じて各自動車３００に対して必要な駐車場１００を割り当てる。すなわち制御部８３０は、ＣＰＵなどのプロセッサ８３１、ＲＯＭ８３２、ＲＡＭ８３３、及び入出力回路８３４を備えている。ＲＯＭ８３２は、プロセッサ８３１によって実行されるプログラムや必要なデータを保持する。ＲＡＭ８３３は、プロセッサ８３１の作業領域として機能すると共に、駐車場予約プログラム８３５、駐車場契約情報８３６、及び予約タイムテーブル８３７を保持する。駐車場契約情報８３６は、駐車場１００の所有者との間で交わした契約内容と、現在における空車状況とに関する情報を含む。予約タイムテーブル８３７は、各駐車場１００の予約状況に関する情報を含む。入出力回路８３４は、通信部８７０との間の情報の送受信を司る。プロセッサ８３１は、プログラム８３５を実行することにより、駐車場予約システムに関する処理を行う。すなわちプロセッサ８３１は、駐車場契約情報８３６を用いて、駐車場１００の所有者との契約内容や駐車場１００の貸し出し条件などを管理し、更に予約タイムテーブル８３７を用いて、駐車場１００の予約状況を管理する。

　図５Ｂは、駐車場契約情報８３６の概念図である。図示するように、駐車場契約情報８３６は、駐車場１００毎に、登録番号、地区、利用可能な曜日・時間、駐車可能台数、駐車料金、及び現在の状況を含む。図５Ｂの例であると、登録番号Ｐ１の駐車場は、米国マンハッタンにあり、毎週月曜日から金曜日の１３：００から１５：００までの間、１台の自動車が利用可能であり、駐車料金は３０分毎に１ドルであり、現在空車がある。また、登録番号Ｐ２の駐車場は、米国マンハッタンにあり、毎週月曜日から土曜日の５：００から２３：００までの間、３台の自動車が利用可能であり、駐車料金は３０分毎に１５ドルであり、現在空車がある。もちろん、駐車場契約情報８３６には、駐車場１００の所有者に関する情報や、契約期間に関する取り決め情報などが含まれ得る。

　なお、以下では説明の簡単化のために、複数の駐車場１００を区別する場合に、登録番号Ｐｊ（ｊは自然数）の駐車場１００を「駐車場Ｐｊ」と呼ぶことがある。

　図５Ｃは、予約タイムテーブル８３７の概念図であり、図５Ｂに対応している。図示するようにタイムテーブル８３７は、各駐車場１００の時間毎の空き状況に関する情報を含む。図５Ｃの例であると、斜線で示された部分は駐車場として利用できない時間帯を示す。駐車場Ｐ１は、図５Ｂで説明したとおり１３：００～１５：００の期間で利用可能であるが、１３：００～１４：００の期間は自動車ＩＤ１による駐車予約が入っており、１４：００～１５：００の期間は空車である。駐車場Ｐ２は、３台分の駐車スペースＰ２－１、Ｐ２－２、及びＰ２－３を含む。駐車スペースＰ２－１は、５：００～６：００の期間に自動車ＩＤ５による駐車予約が入っており、１４：００～１５：００の期間に自動車ＩＤ１０による駐車予約が入っている。また駐車スペースＰ２－２は、５：００～２３：００の期間に自動車ＩＤ７による駐車予約が入っており、空き時間帯がない。そして駐車スペースＰ２－３は、５：００～６：００の期間に自動車ＩＤ１５による駐車予約が入っており、１５：００～１６：００の期間に自動車ＩＤ２による駐車予約が入っており、２２：００～２３：００の期間に自動車ＩＤ２５による駐車予約が入っている。

　プロセッサ８３１は、駐車場１００の所有者の例えばスマートフォン２００から駐車場登録リクエストを受信すると、駐車場１００の管理に必要な種々の情報の提供をスマートフォン２００に求める。そして、必要な情報がスマートフォン２００からサーバ８００に送信されて、駐車場スケジューリング会社と駐車場所有者との間の契約が成立すると、プロセッサ８３１は登録完了情報をスマートフォン２００に送信する。更にプロセッサ８３１は、当該駐車場１００を図５Ｂに示す駐車場契約情報８３６に登録する。これにより駐車場所有者は、駐車場スケジューリング会社を介して、所有する駐車場を他者に貸し出すことができるようになる。

　図５Ｄは、駐車場予約プログラム８３５を実行した際におけるプロセッサ８３１（または制御部８３０全体）の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ８３１は、プログラム８３５を実行することにより、送受信部８５０、登録部８５１、第１検索部８５３、及び予約部８５４として機能する。

　送受信部８５０は、通信部８７０を介して、例えば駐車場情報のリクエスト及び駐車場予約のリクエストをサーバ６００から受信し、駐車場登録のリクエストをスマートフォン２００から受信する。また送受信部８５０は、駐車場情報及び予約完了情報をサーバ６００へ送信し、登録完了情報をスマートフォン２００へ送信する。

　登録部８５１は、サーバ８００がスマートフォン２００から駐車場の登録リクエストを受信した際に、当該駐車場１００を管理するための駐車場スケジューリング会社と駐車場所有者との間の契約処理を行う。更に登録部８５１は、契約が成立した際に、駐車場１００をサーバ８００に登録する。より具体的には、図５Ｂで説明したように、当該駐車場１００に対して登録番号を付与して、駐車場選択に必要な情報を駐車場契約情報８３６に登録する。また、図５Ｃで説明したように、当該駐車場１００を予約タイムテーブル８３７に登録する。これにより、当該駐車場１００の予約が可能となる。また、契約内容に応じて、駐車場スケジューリング会社から駐車場所有者に対して使用料金が支払われる。

　第１検索部８５３は、駐車場契約情報８３６及び予約タイムテーブル８３７に基づいて、目的地までの間にある駐車場１００を検索する。そして予約部８５４は、第１検索部８５３で検索されたいずれかの駐車場１００を、ユーザからの命令を待つことなく予約する。

　１．２　動作について　
　次に、本実施形態に係る電気自動車の駐車場予約システム１の動作について、図６を用いて説明する。図６は、ユーザが電気自動車３００に乗車してから、あるいは電気自動車３００に乗車することを決定した際（乗車自体は翌日などであってもよい）の、スマートフォン５００、サーバ６００（カーシェアリング会社）、サーバ８００（駐車場スケジューリング会社）、及び電気自動車３００の、駐車場１００の予約に関する動作を示すフローチャートである。なお、以下におけるサーバ６００の処理は、プロセッサ６３１がプログラム６３５を実行することにより、主として制御部６３０によって実現され、サーバ８００の処理は、プロセッサ８３１がプログラム８３５を実行することにより、主として制御部８３０によって実現される。

　図示するように、まずスマートフォン５００は、ユーザからのユーザ設定情報５３６を受け付ける（ステップＳ１０）。すなわちスマートフォン５００は、ユーザによる乗車日時や行程（目的地・経由地）に関する情報を受け付ける。この際には、例えば一般道路よりも高速道路を優先する等、ユーザ毎のルート検索に関する優先順位情報等を受け付けてもよい。

　スマートフォン５００は、これらの情報５３６をサーバ６００に送信し、サーバ６００は、受信した情報５３６をＲＡＭ６３３に保持する。そしてサーバ６００は、カーシェアリング会社が保有する自動車３００のいずれかを選択し、選択した自動車のバッテリ残量情報３３９を取得する（ステップＳ１１）。すなわちサーバ６００は、バッテリ残量リクエストを自動車３００に送信する。すると自動車３００では、バッテリ監視ユニット３２０がバッテリ３１０の残量を取得し、取得したバッテリ残量情報３３９をサーバ６００に送信する（ステップＳ１２）。

　引き続きサーバ６００は、渋滞情報６３８を取得し、取得した渋滞情報６３８及びユーザ設定情報５３６に基づいて、目的地までの走行ルートを探索する（ステップＳ１３）。このルート探索の際、サーバ６００は、更にバッテリ残量情報３３９に基づき、自動車３００が目的地に到着する途中でバッテリ３１０の充電が必要か否かを判断する。そしてサーバ６００は、バッテリ３１０の充電が必要だと判断すると、ステップＳ１３で得られた走行ルートに基づいて、充電を行うべきおおよその場所と時刻とを決定する（ステップＳ１４）。引き続きサーバ６００は、ステップＳ１４で決定した場所と時刻と共に、駐車場１００の予約リクエストを発行し、サーバ８００に送信する。この際、ステップＳ１３で得られた走行ルートや、当該予約リクエストを発行した自動車３００の車両ＩＤも一緒に送信してもよい。

　予約リクエストを受信したサーバ８００は、駐車場契約情報８３６と予約タイムテーブル８３７とに基づいて、サーバ６００の要求を満足する駐車場１００を探索する（ステップＳ１５）。そしてサーバ８００は、ステップＳ１５の探索結果に基づいて駐車場１００を選択し、選択した駐車場１００を自動車３００に割り当てる（ステップＳ１６）。更にサーバ８００は、予約タイムテーブル８３７を更新し（ステップＳ１７）、ステップＳ１６で割り当てられた駐車場１００を、少なくとも充電に必要な期間、自動車３００のために予約する。そしてサーバ８００は、予約が完了した旨を示す予約完了情報６４０と、予約した駐車場に関する情報６３９とをサーバ６００に送信する。

　するとサーバ６００は、予約された駐車場１００に基づいて走行ルートを確定する（ステップＳ１８）。そしてサーバ６００は、確定した走行ルートを自動車３００に設定する（ステップＳ１９）。この際、サーバ６００は、走行ルート情報３３６だけでなく、予約済み駐車場情報３３７もあわせて自動車３００に送信してもよい。

　１．３　本実施形態に係る効果　
　本実施形態によれば、駐車場の効率的な利用が可能となる。本効果につき、以下説明する。

　近年、カーシェアリングサービスが普及してきている。本サービスが更に普及すれば、個人は自動車を所有しなくなり、自動車は共有財産となっていく可能性がある。更に、自動運転技術が発達し、運転手不在での自動運転が可能となれば、益々、自動車は私有財産というよりも、公共交通機関としての役割を担っていく可能性がある。そして、そのような時代においては、ガソリン車などの化石燃料を用いた内燃機関エンジンにより駆動される自動車よりも、電気自動車が全世界的に普及しているかもしれない。

　そのような時代が訪れたとき、それまで所有していた自動車を駐車するための個人宅の駐車場の利用価値が失われる可能性がある。なぜなら、もはや個人で自動車を所有する必要がないからである。他方で、電気自動車が広く普及したときには、電気自動車のバッテリを充電するための給電ステーションを数多く、且つあらゆる場所に設けなければならないという課題がある。

　上記を鑑みたとき、本実施形態では、個人所有の駐車場を、駐車場としてのみならず、給電ステーションとして利用する。その実現のため、駐車場スケジューリング会社（サーバ８００）が、個人保有の駐車場を管理する。そして、電気自動車を保有し、自動車の走行ルートや運行スケジュールを管理するカーシェアリング会社（サーバ６００）は、サーバ８００に対して走行ルート情報や場所、時刻と共に、駐車場予約リクエストを発行する。すると、サーバ８００は予約リクエストに最適な駐車場を予約する。この駐車場は、ただ自動車を駐車するためのスペースではなく、自動車のバッテリを充電する能力を保有する。従って、サーバ８００は、バッテリの充電に必要な期間だけ、駐車場を予約する。目的地に到着した際には、次の乗車まで駐車場に自動車を停車させていてもよいが、次のユーザの乗車リクエストに応じて、次の目的地へ移動する。ユーザが帰宅する際には、別の自動車が迎車に来る。すなわち、自動車はほぼ公共交通機関として機能する。この結果、個人宅の駐車場を給電ステーションとして利用でき、また充電に必要な期間のみ占有できればよい。そのため、駐車場の効率的に利用することができる。

　２．第２実施形態　
　次に、第２実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第１実施形態で説明した駐車場予約システムにおいて、駐車場スケジューリング会社が駐車料金を設定する方法に関するものである。以下では、第１実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。

　２．１　サーバ８００の構成　
　図７は、駐車場スケジューリング会社のサーバ８００のブロック図である。図示するようにサーバ８００は、第１実施形態で説明した図５Ａにおいて、ＲＡＭ８３３が料金計算プログラム８３８、評価情報８３９、周辺駐車場情報８４０、及びレート情報８４１を更に保持する。

　評価情報８３９は、駐車場スケジューリング会社（サーバ８００）が管理する駐車場１００の各々についての評価に関する情報である。評価情報８３９は、例えば駐車場１００を利用したユーザのスマートフォン５００からサーバ８００へ送信される。なお、駐車場１００の評価方法例に関しては、第８実施形態で詳細に説明する。

　周辺駐車場情報８４０は、駐車場スケジューリング会社（サーバ８００）が管理する駐車場１００の各々の周辺にある駐車場に関する情報である。周辺駐車場情報８４０は、例えば周辺の駐車場の数、駐車可能台数、空車状況、及び駐車料金などを含む。

　レート情報８４１は、駐車場１００に関する複数の状況を想定した際に、駐車料金の算出のために用いられる価格レートに関する情報である。レート情報８４１の具体例につき、図８Ａ乃至８Ｄを用いて説明する。図８Ａ乃至８Ｄは、レート情報８４１の概念図であり、想定された４つのシナリオにおける価格レートｒ１～ｒ４を示している。

　図８Ａは第１のシナリオに関し、着目する駐車場１００の空車状況と予約日との関係から価格レートｒ１が決定される例を示す。図示するように、予約日が駐車場利用当日で、空き駐車スペースが１台分の場合には価格レートｒ１は２．０であり、２台分の場合には１．０であり、３台分の場合には０．８である。当該駐車場１００の駐車料金は、例えば標準料金に価格レートを掛け合わせることで算出できる。従って、当日予約の場合には、空き駐車スペースが２台あれば、駐車料金は標準料金であり、３台あれば標準料金より安価となるが、１台しかなければ標準料金の倍額と高価となる。そして、予約日が早いほど、価格レートは低下する。

　図８Ｂは第２のシナリオに関し、着目する駐車場１００の周辺の駐車場の空車状況と予約日との関係から価格レートｒ２が決定される例を示す。周辺の駐車場の空車状況は、例えば周辺駐車場情報８４０から得られる。あるいは、周辺の駐車場の空車状況は、着目する駐車場１００周辺を走行する車両の量や、駐車場１００のある地区へ向かう車両の量によって、プロセッサ８３１が予測してもよい。車両の量は、例えば道路に設置されたカメラからの映像をサーバ８００が受信し、この映像からプロセッサが見積もっても良いし、または道路の混雑情報を提供する事業者から得てもよい。図示するように、周辺の駐車場に空きが少ない程、価格レートも低く設定されている。例えば、予約日が駐車場利用当日で、周辺の駐車場の駐車スペースの７５％以上が空いている場合には価格レートｒ２は１．０であり、５０％以上が空いている場合には０．９であり、３０％以上が空いている場合には０．８であり、３０％未満の場合には０．６である。そして、予約日が早いほど、価格レートは低下する。本例のように、周辺の駐車場が混雑しているほど駐車料金を安価にする理由は、満車状態にある他の駐車場に駐車している車両を、当該駐車場１００に移動させることで（これを「調停」と呼ぶ）、満車状態の解消を促進するためである。調停の詳細については、第４及び第５実施形態で説明する。

　図８Ｃは第３のシナリオに関し、着目する駐車場１００においてユーザが希望する駐車時間に応じて価格レートｒ３が決定される例を示す。図示するように、駐車時間（すなわち充電期間）が短いほど、価格レートｒ３は低下する。このように、短時間利用の場合の駐車料金を安く設定することで、隙間時間における駐車場利用を促進でき、駐車場１００の利用効率を向上できる。

　図８Ｄは第４のシナリオに関し、着目する駐車場１００の評価情報８３９に応じて価格レートｒ４が決定される例を示す。評価情報８３９は、例えば１、２、３、…のように数値化される。そして、数値が高いほど高評価であったとする。この場合、高評価であるほど、価格レートｒ４も高くなる。

　料金計算プログラム８３８は、プロセッサ８３１によって実行される。プロセッサ８３１は、プログラム８３８を実行することにより、管理する駐車場１００の駐車料金を算出する。料金計算プログラム８３８は、駐車場予約プログラム８３５の一部であってもよいし、別個のプログラムであってもよい。図９は、プログラム８３５及び８３８を実行した際におけるプロセッサ８３１（または制御部８３０全体）の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ８３１は、プログラム８３８を実行することにより、第１実施形態で説明した図５Ｄにおいて、更にレート選択部８５５及び料金算出部８５６として機能する。

　レート選択部８５５は、レート情報８４１に基づいて、使用する価格レートを選択する。例えば、図８Ａ乃至８Ｄで説明した第１乃至第４のシナリオのうちのいずれか、または全てを選択する。

　料金算出部８５６は、レート選択部８５５で選択されたシナリオと、駐車場契約情報８３６とに基づいて、駐車料金を算出する。この際、複数のシナリオが選択された場合には、例えばそれぞれのシナリオに重み付けを行い、最終的に使用する価格レートを決定する。

　２．２　動作について　
　図１０は、本実施形態に係る駐車場予約システム１の動作を示すフローチャートであり、第１実施形態で説明した図６に対応する。

　図示するようにサーバ８００は、ステップＳ１５において駐車場１００を探索した後、駐車料金を算出する（ステップＳ２０）。そしてサーバ８００は、駐車場１００を選択して、駐車場の予約リクエストを送信してきた自動車３００に割り当てる（ステップＳ１６）。このステップＳ１５、Ｓ２０、Ｓ１６においては、まず複数の駐車場１００が第１検索部８５３によって検索され、検索された複数の駐車場１００に対して適用すべき価格レートがレート選択部８５５によって選択されてもよい。そして料金算出部８５６が、各駐車場１００につき駐車料金を算出し、算出された駐車料金に基づいて、例えば予約部８５４がいずれかの駐車場を選択し、予約する。本動作の具体例については、第３実施形態で詳細に説明する。

　２．３　本実施形態に係る効果　
　本実施形態によれば、駐車場スケジューリング会社のサーバ８００が駐車料金を算出、決定する。この際、サーバ８００はレート情報８４１等に基づいて駐車料金を動的に設定する。これにより、駐車場１００の利用効率を更に向上できる。

　第１実施形態で説明したように、個人宅の駐車場は、個人が保有する自動車専用の駐車場としてではなく、カーシェアリング会社が保有する自動車の給電ステーションとしての役割を果たすことが将来、予測される。そして、自動車３００の利用者の利便性を図るため、駐車場スケジューリング会社のような事業者が、複数の駐車場を一元管理することが望ましい。本実施形態では、駐車場スケジューリング会社は、駐車場１００の駐車料金の設定も行う。この際、駐車場スケジューリング会社は、各駐車場１００につき、需要と供給との関係に基づいて駐車料金を動的に設定する。つまり、駐車料金は時価となる。

　この際、駐車場スケジューリング会社は、評価情報８３９、周辺駐車場情報８４０、及びレート情報８４１を用いて、適切な駐車料金を設定する。ここでの適切な駐車料金とは、自動車３００の乗客にとっても、駐車場１００の所有者にとっても適切な金額である。これにより、複数の駐車場１００を効率的に利用でき、自動車３００の乗客の利便性を向上できるとともに、駐車場１００の所有者に効率的に利益をもたらすことができる。

　３．第３実施形態　
　次に、第３実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第１及び第２実施形態において、駐車場スケジューリング会社が自動車３００に駐車場１００を割り当てる具体的な方法に関するものである。以下では、第１及び第２実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。

　３．１　サーバ６００の構成　
　図１１Ａは、カーシェアリング会社のサーバ６００のブロック図である。図示するようにサーバ６００は、第１実施形態で説明した図４Ａにおいて、ＲＡＭ６３３が評価許容値情報６４３、退去収入情報６４４、サイズ情報６４５、及び優先情報６４６を更に保持する。

　評価許容値情報６４３は、カーシェアリング会社（サーバ６００）が管理する自動車３００毎に、許容できる駐車場１００に関する情報を保持する。図１１Ｂは、評価許容値情報６４３の一例を示す概念図である。図示するように、評価許容値情報６４３は、自動車３００の車両ＩＤ毎に、車種と、許容可能な駐車場１００の評価値とを含む。本例であると、自動車ＩＤ４はトラックであり、評価値が最低の“１”以上の駐車場１００に駐車可能である。つまり、駐車可能な駐車場１００は、評価値によって左右されないことを意味する。これに対して自動車ＩＤ５はラグジュアリセダンであり、評価値が“３”以上の駐車場１００に駐車可能である。すなわち、一定程度の高い評価を受けている駐車場１００にしか駐車できない。

　退去収入情報６４４は、カーシェアリング会社が管理する自動車３００毎に、過去における調停退去により得られた収入に関する情報を保持する。前述のように、調停とは、満車状態の駐車場１００に駐車を希望する自動車３００－１があった場合、駐車中のいずれかの自動車３００－２と自動車３００－１とを入れ替えることを言う。この際、駐車スペースを提供する自動車３００－２は、他の駐車場１００を探して移動する必要があるので、それに見合った料金を自動車３００－１の利用者またはカーシェアリング会社から受け取ることができる。図１１Ｃは、退去収入情報６４４の一例を示す概念図である。図１１Ｃの例であると、自動車ＩＤ６は、当該自動車を管理するカーシェアリング会社とは別のカーシェアリング会社が管理する自動車との調停に応じて、５ドルの収入を得ている。また自動車ＩＤ７は、駐車場所有者からの要求に応じて駐車場１００から退去して、１ドルの収入を得ている。

　サイズ情報６４５は、カーシェアリング会社が管理する自動車３００毎に、駐車可能な駐車場１００のサイズに関する情報を保持する。図１１Ｄは、サイズ情報６４５の一例を示す概念図である。図示するようにサイズ情報６４５は、自動車３００の車両ＩＤ毎に、車種と、駐車可能な駐車場１００の大きさとを含む。本例であると、自動車ＩＤ８はトラックであり、大型車両に対応した駐車場１００に駐車可能である。つまり、セダンなどの一般乗用車用の駐車場１００には駐車できない。また自動車ＩＤ９はキャンピングカーであり、中型車両（または中型以上の車両）に対応した駐車場１００に駐車可能である。つまり、自動車ＩＤ８と同様に一般乗用車用の駐車場には駐車できないが、大型車両ほどには広い駐車場は必要としない。

　優先情報６４６は、駐車場１００を選択する際の優先順位に関する情報を保持する。図１１Ｅは、優先情報６４６の一例を示す概念図である。図示するように優先情報６４６は、割り当て優先順位と、その条件とを含む。本例であると、最も割り当て優先順位の高い駐車場１００は、当該カーシェアリング会社が契約している定期契約駐車場である。次に優先順位の高い駐車場１００は、評価値やサイズなどの他の条件を満たし、且つ同じカーシェアリング会社によって管理される自動車３００が駐車中で、更にこの自動車３００と調停可能な、満車状態の駐車場１００である。次に優先順位の高い駐車場１００は、評価値やサイズなどの他の条件を満たし、且つ異なるカーシェアリング会社によって管理される自動車３００が駐車中で、更にこの自動車３００と調停可能な、満車状態の駐車場１００である。そして、上記条件に当てはまる駐車場１００が見つからない場合には、いずれかの駐車場１００において、他の自動車３００のレッカー移動を依頼する。

　図１１Ｆは、本実施形態に係る駐車場予約プログラム８３５を実行した際におけるプロセッサ（または制御部８３０全体）の機能ブロック図である。図示するようにプロセッサ８３１は、第１実施形態で説明した図４Ｃの構成において、更に第３判断部６６６として機能する。そして、予約部６６４は、評価許容値情報６４３、退去収入情報６４４、サイズ情報６４５、及び優先情報６４６などと共に駐車場の予約リクエストを発行する。また第３判断部６６６は、駐車中のいずれかの自動車３００の退去が可能か否かを判断する。そして必要な場合には、駐車場１００からの退去を命令する。

　３．２　サーバ８００の構成　
　次に、本実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバ８００の構成について、図１２Ａを用いて説明する。図１２Ａは、本実施形態に係るサーバ８００のブロック図である。図示するようにサーバ８００は、評価許容値情報６４３、退去収入情報６４４、サイズ情報６４５、及び優先情報６４６を更に保持する。これらの情報は、駐車場１００の予約リクエストと共に、サーバ６００から送信され、当該予約リクエストに対応した自動車３００に関する情報である。

　図１２Ｂは、本実施形態に係る駐車場契約情報８３６の概念図であり、第１実施形態で説明した図５Ｂに対応し、特に登録番号Ｐ１の駐車場について示している。図示するように本実施形態に係る駐車場契約情報８３６は、駐車場の割り当てに関する詳細な条件、及び調停による退去条件を含む。

　まず割り当てに関する条件について説明する。割り当てに関する条件には、駐車場１００の利用料金に関する情報が含まれる。図１２Ｂの例であると、充電残量が５０％の自動車３００が入庫する際には３０分あたり１０ドル（標準料金）であるが、充電残量が５０％未満の場合には、５％毎に標準料金に１ドル値上げとなる。すなわち、充電残量が４５％の場合には３０分あたり１１ドルであり、４０％の場合には３０分あたり１２ドルであり、以下同様である。また、調停によって他の駐車場１００を退去した自動車３００が入庫する際には、標準料金に、調停により得られた収入の８０％を加えた金額を上限として適宜設定される。また割り当てに関する条件には、駐車場１００の設備などの情報が含まれる。図１２Ｂの例であると、駐車場Ｐ１は、充電可能電力が１０ｋＷｈ以上であり、駐車可能台数は１台であり、そして駐車可能な車両サイズは普通乗用車サイズである。

　次に調停による退去条件について説明する。駐車場Ｐ１に駐車中の自動車３００が退去に応じるのは、まず当該自動車３００の充電残量が８０％以上であることが前提とされる。そして、同じカーシェアリング会社によって管理される自動車３００との調停に応じて退去する条件は、この自動車３００の充電残量が１０％以下である場合である。他方で、異なるカーシェアリング会社によって管理される自動車３００、または駐車場１００の所有者との調停に応じて退去する条件は、当日の駐車場１００の単価に１０％分を上乗せした料金の支払いである。

　図５Ｄで説明したプロセッサ８３１の第１検索部８５３は、駐車場契約情報８３６、予約タイムテーブル８３７、評価情報８３９、評価許容値情報６４３、退去収入情報６４４、及びサイズ情報６４５に更に応じて、駐車場１００を検索する。そして予約部８５４は、検索された駐車場１００から、例えば優先情報６４６に応じていずれかの駐車場１００を選択し、選択した駐車場１００を予約する。

　３．３　動作について　
　図１３は、本実施形態に係る駐車場予約システム１の動作を示すフローチャートであり、第１実施形態で説明した図６及び第２実施形態で説明した図１０に対応する。なお、本実施形態では、図１１Ｅで説明した割り当て優先順位のうち、調停を行う場合（第３、第４優先順位）とレッカー依頼する場合（第５優先順位）の場合を省略する。これらのケースについては、第４乃至第６実施形態で説明する。

　図示するようにサーバ８００は、ステップＳ１５において駐車場１００を探索し、ステップＳ２０において駐車料金を算出する。そして例えば予約部８５４が優先情報６４６を参照して、図１１Ｅで説明した第１優先順位または第２優先順位に該当する駐車場が見つかれば（ステップＳ３０、ＹＥＳ）、ステップＳ１６、Ｓ１７において当該駐車場１００を予約する。他方で、第１優先順位または第２優先順位に該当する駐車場が見つからなかった場合（ステップＳ３０、ＮＯ）、サーバ８００の例えば送受信部８５０は、駐車場予約不可の通知を発行し、カーシェアリング会社のサーバ６００に送信する。するとサーバ６００は、ステップＳ１３及びＳ１４で得られたルートまたは充電地域及び時刻を変更する（ステップＳ３１）。そしてサーバ６００は、変更したルートまたは充電地域及び時刻と共に、駐車場１００の予約リクエストを発行し、サーバ８００へ送信する。その後は、ステップＳ１５以降の処理が繰り返される。

　３．４　本実施形態に係る効果　
　第１及び第２実施形態で説明した駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、例えば本実施形態で説明した方法により、駐車場１００を選択して、自動車３００に割り当てることができる。

　４．第４実施形態　
　次に、第４実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第３実施形態において、図１１Ｅで説明した第３割り当て順位に相当する自社内における調停方法に関するものである。以下では、第１乃至第３実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。

　４．１　具体例　
　本実施形態並びに後述する第５及び第６実施形態は、理解を容易にするため、具体例を挙げて説明する。図１４は、カーシェアリング会社“ＡＡＡ”社の管理する車両ＩＤ１０Ａの自動車３００の走行ルートと、自動車３００のリクエストに応じて見つかった駐車場１００をモデル的に示す地図である。

　図示するように、自動車３００が米国マンハッタンのセントラルパークを出発し、ブルックリン植物園を目的地とする場合を仮定する。また、ＡＡＡ社のサーバ６００は走行ルートとして２つのルートを候補とした場合を仮定する。また、それぞれのルートにおいて、駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、駐車場Ｐ１０及びＰ１１、並びに駐車場Ｐ１２及びＰ１３を抽出したとする。ルート及び駐車場の詳細は下記の通りである。

　（１）第１ルート：セントラルパークを出発してミッドタウンを直進し、ブルックリン橋を渡り、ルート２７８フラットバッシュ・アベニューを通ってブルックリン植物園に至る。　
　　・駐車場Ｐ１０　
　　　　・場所：ロウアーマンハッタン　
　　　　・状況：満車　
　　　　・駐車中の車両：自社（ＡＡＡ社）の２台の車両（ＩＤ１１Ａ、ＩＤ１２Ａ）　
　・駐車場Ｐ１１　
　　　・場所：フラットバッシュ・アベニュー入り口　
　　　・状況：満車　
　　　・駐車中の車両：自社（ＡＡＡ社）の２台の車両（ＩＤ１３Ａ、ＩＤ１４Ａ）
　（２）第２ルート：セントラルパークを出発してミッドタウンの交差点を左折し、クイーンズミッドタウントンネルを通ってロングアイランドシティを通過、更にルート４９５からルート２７８に入り、ウィリアムズバーグを通過し、ワシントン・アベニューを通ってブルックリン植物園に至る。　
　　・駐車場Ｐ１２　
　　　　・場所：ロングアイランドシティ　
　　　　・状況：満車　
　　　　・駐車中の車両：他社（ＢＢＢ社）の２台の車両（ＩＤ２０Ｂ、ＩＤ２１Ｂ）　
　　・駐車場Ｐ１３　
　　　　・場所：ウィリアムズバーグ　
　　　　・状況：満車　
　　　　・駐車中の車両：自社（ＡＡＡ社）の１台の車両（ＩＤ１５Ａ）。

　４．２　調停方法　
　次に、図１４の例において、カーシェアリング会社（ＡＡＡ社）と駐車場スケジューリング会社による駐車場１００の調停方法につき、図１５を用いて説明する。図１５は、第３実施形態で説明した図１３に対応し、図１３のステップＳ３０において第１または第２割り当て順位に相当する駐車場１００が見つからなかった場合（ステップＳ３０、ＮＯ）の処理の流れを示すフローチャートである。

　第３実施形態で説明したように、サーバ８００は、第１または第２割り当て順位に該当する駐車場１００が見つからなかった場合（ステップＳ３０、ＮＯ）、駐車場予約不可の通知をサーバ６００に発行し、走行ルートまたは充電地域及び時刻の変更をサーバ６００に促す。

　この駐車場予約不可の通知回数が規定回数に達すると（ステップＳ４０、ＹＥＳ）、例えば第１検索部８５３は、駐車場１００を再度検索し（ステップＳ４１）、ＡＡＡ社の管理する車両が予約されている駐車場１００を抽出する（ステップＳ４２）。そして、抽出された駐車場１００のうちから、例えば予約部８５４は、図１１Ｅで説明した第３割り当て順位に該当する駐車場１００を探す（ステップＳ４３）。第３割り当て順位に該当する駐車場１００が見つからなければ（ステップＳ４３、ＮＯ）、例えば予約部８５４は、駐車場予約不可の通知を発行し、サーバ６００に送信する。するとサーバ６００は、走行ルートまたは充電地域及び時刻を変更する（ステップＳ４４）。そしてサーバ６００は、変更したルートまたは充電地域及び時刻と共に、駐車場１００の予約リクエスト（自社車両との調停リクエスト）を発行し、サーバ８００へ送信する。すると、サーバ８００は、ステップＳ４１以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ４３において第３割り当て順位に該当する駐車場１００が見つかれば（ステップＳ４３、ＹＥＳ）、サーバ８００の例えば予約部８５４は、当該駐車場１００についての情報を駐車場契約情報８３６から抽出し、更に駐車中の自動車３００（以降、ＡＡＡ社の管理する自動車３００を、自動車３００Ａと呼ぶ）の車両情報を例えばタイムテーブル８３７から抽出する（ステップＳ４５）。この様子を図１６Ａ及び図１６Ｂに示す。本例では、例えば図１４で説明した登録番号Ｐ１０及びＰ１１の駐車場１００が抽出され、更に予約タイムテーブル８３７から予約中の自動車３００Ａの車両ＩＤ情報が抽出される。そしてサーバ８００の例えば送受信部８５０は、抽出された情報と共に、運行スケジュール変更要求をサーバ６００に送信する。

　するとサーバ６００の例えば第３判断部６６６は、運行スケジュールを変更可能な車両を特定する（ステップＳ４６）。すなわち、図１６Ｂに示すように、抽出された車両ＩＤ１１Ａ、１２Ａ、１３Ａ、及び１４Ａの自動車３００Ａのうちのいずれかを選択する。本例では、例えば自動車ＩＤ１１Ａが選択されたと仮定する。そしてサーバ６００は、第１実施形態で説明したステップＳ１１及びＳ１２と同様の方法により、自動車ＩＤ１１Ａのバッテリ残量情報を取得する（ステップＳ４７、Ｓ４８）。そしてサーバ６００の例えば第３判断部６６６は、バッテリ残量情報に応じて、自動車ＩＤ１１Ａの運行スケジュールを変更する（ステップＳ４９）。例えば、自動車ＩＤ１１Ａの走行ルートや、利用予定の駐車場を変更する。運行スケジュールの変更が完了すると送受信部６６０は、調停に応じる自動車３００Ａの車両ＩＤ（本例では車両ＩＤ１１Ａ）と共に、運行スケジュールの変更完了通知をサーバ８００へ送信する。

　変更完了通知を受信したサーバ８００は、自動車ＩＤ１１Ａが調停退去することにより自動車ＩＤ１０Ａが駐車場Ｐ１０に駐車する際の駐車料金を算出する（ステップＳ２０）。算出方法は、例えば第２及び第３実施形態で説明したとおりである。そしてサーバ８００は、自動車ＩＤ１１Ａが予約済みであった駐車場Ｐ１０を自動車ＩＤ１０Ａに割り当てる（ステップＳ５０）。そして予約タイムテーブル８３７を更新する（ステップＳ１７）。この様子を図１６Ｃに示す。図１６Ｃは予約タイムテーブル８３７の概念図である。

　図示するように駐車場Ｐ１０の駐車スペースＰ１０－１は、時刻１０：００～１１：００の期間は自動車ＩＤ１１Ａによって予約され、１１：００～１２：００の期間は自動車ＩＤ１５Ａによって予約され、１２：００～１３：００の期間は自動車ＩＤ１６Ａによって予約されている。また、もう一方の駐車スペースＰ１０－２は、時刻１０：００～１２：００の期間、自動車ＩＤ１２Ａによって予約されている。この状況で、自動車ＩＤ１０Ａは、１０：００～１１：００の期間の駐車を希望したとする。そしてサーバ６００が、自動車ＩＤ１１Ａの運行スケジュールを変更可能だと判断すると、サーバ８００は、駐車スペースＰ１０－１の１０：００～１１：００の期間の自動車ＩＤ１１Ａの予約を取り消し、代わりに車両ＩＤ１０Ａの予約を設定する。また、駐車場Ｐ１０における予約が取り消された自動車ＩＤ１１Ａについても、必要に応じて別の駐車場に駐車予約がなされてもよい。

　その後は、第１実施形態と同様に、サーバ８００は予約が完了した旨を示す予約完了情報６４０と、予約した駐車場に関する情報６３９とをサーバ６００に送信する。受信したこれらの情報に基づいてサーバ６００は、自動車ＩＤ１０Ａ及びＩＤ１１Ａの走行ルートを確定する（ステップＳ５１）。そしてサーバ６００は、確定した走行ルートを、自動車ＩＤ１０Ａ及びＩＤ１１Ａの自動車３００Ａに設定する（ステップＳ１９、Ｓ５２）。

　４．３　本実施形態に係る効果　
　上記のように、同じカーシェアリング会社によって管理される自動車３００同士の調停は、本実施形態で説明した方法で実現できる。

　調停が必要となるのは、必要な条件を満たした空き駐車場がみつからない場合である。しかし本実施形態で説明した調停を行うことで、無駄に駐車場を探し回る手間を省きつつ、所望の駐車場に駐車することができる。また、本調停動作は、カーシェアリング会社と駐車場スケジューリング会社との間で行われ、自動車３００の乗客が調停のあったことを認識する必要がない。従って、乗客に無用な不安を与えることがなく、電気自動車の更なる普及にも寄与し得る。

　なお、上記実施形態ではまず第１及び第２割り当て順位に該当する駐車場１００を探索し、見つからなかった場合に第３割り当て順位に該当する駐車場１００を探索する場合を例に説明した。しかし、必ずしも第１及び第２割り当て順位に該当する駐車場が第３割り当て順位に該当する駐車場に優先しなくてもよい。このような場合のフローチャートを図１７に示す。

　図示するように駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、第１及び第２割り当て順位に該当する駐車場を探索し（ステップＳ１）、見つかった場合には駐車料金を算出する（ステップＳ２）。更に駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、第３割り当て順位に該当する駐車場を探索し（ステップＳ３）、見つかった場合には駐車料金を算出する（ステップＳ４）。引き続きサーバ８００は、ステップＳ２で得られた駐車料金とステップＳ４で得られた駐車料金とを比較する（ステップＳ５）。そしてサーバ８００は、ステップＳ５における比較結果に応じて、予約する駐車場１００を決定する（ステップＳ６）。より具体的には、駐車料金の安い駐車場１００を予約する。

　すなわち、候補となる駐車場１００が複数ある場合、第１割り当て順位または第２割り当て順位に該当する駐車場は駐車料金が、第３割り当て順位に該当する駐車場の駐車料金よりも高い場合があり得る。このような場合には、調停を行うことで、駐車料金の安い駐車場を選択することができる。

　５．第５実施形態　
　次に、第５実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第３実施形態において、図１１Ｅで説明した第４割り当て順位に相当する他社との調停方法に関するものである。以下では、第１乃至第４実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。また、本実施形態も第４実施形態と同様に、図１４の場合を例に挙げて説明する。

　５．１　全体構成について　
　図１８は、本実施形態に係る駐車場予約システム１の構成例を示している。図示するようにシステム１は、第１実施形態で説明した図１において、自動車３００を自動車３００Ａ及び３００Ｂに置き換え、サーバ６００をサーバ６００Ａ及び６００Ｂに置き換えたものである。

　サーバ６００Ａは、カーシェアリング会社ＡＡＡ社の管理サーバであり、サーバ６００Ｂは、ＡＡＡ社とは別のカーシェアリング会社“ＢＢＢ”社の管理サーバである。また自動車３００Ａはカーシェアリング会社ＡＡＡ社によって管理される電気自動車であり、自動車３００Ｂはカーシェアリング会社ＢＢＢ社によって管理される電気自動車である。

　サーバ６００Ａ及び６００Ｂの構成は、いずれも第１乃至第４実施形態で説明したサーバ６００と同様の構成である。しかし、当然ながらサーバ６００Ａは自動車３００Ａに関する情報を保持し、この情報に基づいて自動車３００Ａを管理する。またサーバ６００Ｂは自動車３００Ｂに関する情報を保持し、この情報に基づいて自動車３００Ｂを管理する。自動車３００Ａ及び３００Ｂの構成も、第１乃至第４実施形態で説明した自動車３００と同様である。そして自動車３００Ａは、ＡＡＡ社（サーバ６００Ａ）から必要な情報を受信し、ＡＡＡ社（サーバ６００Ａ）の管理の下で自動運転を行う。同じく自動車３００Ｂは、ＢＢＢ社（サーバ６００Ｂ）から必要な情報を受信し、ＢＢＢ社（サーバ６００Ｂ）の管理の下で自動運転を行う。

　駐車場スケジューリング会社のサーバ８００の構成は、第１乃至第４実施形態で説明したとおりである。但し、本実施形態に係る駐車場スケジューリング会社は、複数のカーシェアリング会社ＡＡＡ社及びＢＢＢ社と契約している。従って、ＡＡＡ社及びＢＢＢ社のいずれからの予約リクエストにも対応して、自動車３００Ａ及び３００Ｂのための駐車場１００を予約する。

　５．２　調停方法　
　次に、図１４の例において、カーシェアリング会社（ＡＡＡ社及びＢＢＢ社）と駐車場スケジューリング会社による駐車場１００の調停方法につき、図１９を用いて説明する。図１９は、第３実施形態で説明した図１３及び第４実施形態で説明した図１５に対応し、図１５のステップＳ４３において第３割り当て順位に相当する駐車場１００が見つからなかった場合（ステップＳ４３、ＮＯ）の処理の流れを示すフローチャートである。

　第４実施形態で説明したように、サーバ８００は、第３割り当て順位に該当する駐車場１００が見つからなかった場合（ステップＳ４３、ＮＯ）、駐車場予約不可の通知をサーバ６００に発行し、走行ルートまたは充電地域及び時刻の変更を、車両ＩＤ１０Ａを管理するカーシェアリング会社ＡＡＡ社のサーバ６００Ａに促す。

　この駐車場予約不可の通知回数が規定回数に達すると（ステップＳ６０、ＹＥＳ）、例えば第１検索部８５３は、駐車場１００を再度検索し（ステップＳ６１）、見つかった駐車場１００を抽出する（ステップＳ６２）。ステップＳ６２が、第４実施形態で説明したステップＳ４２と異なる点は、抽出される駐車場が、ＡＡＡ社の車両が予約されている駐車場に限らない点である。

　そして、抽出された駐車場１００のうちから、例えば予約部８５４は、図１１Ｅで説明した第４割り当て順位に該当する駐車場１００を探す（ステップＳ６３）。第４割り当て順位に該当する駐車場１００が見つからなければ（ステップＳ６３、ＮＯ）、例えば予約部８５４は、駐車場予約不可の通知を発行し、サーバ６００Ａに送信する。するとサーバ６００Ａは、走行ルートまたは充電地域及び時刻を変更する（ステップＳ６４）。そしてサーバ６００Ａは、変更したルートまたは充電地域及び時刻と共に、駐車場１００の予約リクエスト（他社（本例ではＢＢＢ社）の車両との調停リクエスト）を発行し、サーバ８００へ送信する。すると、サーバ８００は、ステップＳ６１以降の処理を繰り返す。

　ステップＳ６３において第４割り当て順位に該当する駐車場１００が見つかれば（ステップＳ６３、ＹＥＳ）、サーバ８００の例えば予約部８５４は、当該駐車場１００についての情報を駐車場契約情報８３６から抽出し、更に駐車中の自動車３００Ｂの車両情報を例えばタイムテーブル８３７から抽出する（ステップＳ６５）。この様子を図２０Ａ及び図２０Ｂに示す。本例では、例えば図１４で説明した登録番号Ｐ１２の駐車場１００が抽出され、更に予約タイムテーブル８３７から予約中の自動車３００Ｂの車両ＩＤ情報が抽出される。そして、サーバ８００の料金計算部８５６が、調停を行った際に必要な駐車料金を算出する（ステップＳ６６）。そしてサーバ８００の例えば送受信部８５０は、抽出された情報と共に、運行スケジュール変更要求をサーバ６００Ａに送信する。

　するとサーバ６００Ｂの例えば第１検索部６６１は、運行スケジュールを変更可能な車両と、当該車両が予約している駐車場とを特定する（ステップＳ６７）。すなわち、図２０Ｂに示すように、抽出された自動車ＩＤ２０Ｂ及び２１Ｂの少なくともいずれか、並びにこれらが駐車している駐車場Ｐ１０を選択する。本例では、自動車ＩＤ２０Ｂ及び２１Ｂの両方が選択されたと仮定する。引き続きサーバ６００の例えば送受信部６６０は、ステップＳ６７で得られた情報をサーバ８００に送信する。

　上記情報を受信したサーバ８００では、例えば第１検索部８５３が、ＡＡＡ社にとって最良の条件の、ＢＢＢ社の車両を調停対象として選択する（ステップＳ６８）。最良の条件には、例えば複数の自動車３００Ｂが調停対象として挙がっている場合には、駐車可能時間や、退去に要する費用などが考慮され、また複数の自動車３００Ｂが複数の駐車場１００に駐車中の場合には、駐車場１００のサイズ、評価値、駐車料金、駐車可能時間、及び充電能力などが考慮され得る。本例では、図２０Ｂにおいて、例えば自動車ＩＤ２０Ｂが選択されたと仮定し、その旨をサーバ６００Ｂに通知する。

　するとサーバ６００Ｂは、第１実施形態で説明したステップＳ１１及びＳ１２と同様の方法により、自動車ＩＤ２０Ｂのバッテリ残量情報を取得する（ステップＳ６９、Ｓ７０）。そしてサーバ６００Ｂの例えば第１検索部６６１は、バッテリ残量情報に応じて、自動車ＩＤ２０Ｂの運行スケジュールを変更する（ステップＳ７１）。例えば、自動車ＩＤ２０Ｂの走行ルートや、利用予定の駐車場を変更する。運行スケジュールの変更が完了すると送受信部６６０は、調停に応じる自動車３００Ｂの車両ＩＤ（本例では車両ＩＤ２０Ｂ）と共に、運行スケジュールの変更完了通知をサーバ８００へ送信する。

　変更完了通知を受信したサーバ８００は、自動車ＩＤ２０Ｂが予約済みであった駐車場Ｐ２０を自動車ＩＤ１０Ａに割り当てる（ステップＳ７２）。そして予約タイムテーブル８３７を更新する（ステップＳ７３）。この様子を図２０Ｃに示す。図２０Ｃは予約タイムテーブル８３７の概念図である。

　図示するように駐車場Ｐ２０の駐車スペースＰ２０－１は、時刻１０：００～１１：００の期間は自動車ＩＤ２０Ｂによって予約され、１１：００～１３：００の期間は自動車ＩＤ２２Ｂによって予約されている。また、もう一方の駐車スペースＰ２０－２は、時刻１０：００～１１：００の期間、自動車ＩＤ２１Ｂによって予約され、時刻１１：００～１２：００の期間、自動車ＩＤ３０Ａによって予約され、時刻１２：００～１４：００の期間、自動車ＩＤ３１Ａによって予約されている。この状況で、自動車ＩＤ１０Ａは、１０：００～１１：００の期間の駐車を希望したとする。そしてサーバ６００Ｂが、自動車ＩＤ２０Ｂの運行スケジュールを変更可能だと判断すると、サーバ８００は、駐車スペースＰ２０－１の１０：００～１１：００の期間の自動車ＩＤ２０Ｂの予約を取り消し、代わりに自動車ＩＤ１０Ａの予約を設定する。また、駐車場Ｐ２０における予約が取り消された自動車ＩＤ２０Ｂについても、必要に応じて別の駐車場に駐車予約がなされてもよい。

　その後は、第１実施形態と同様に、サーバ８００は予約が完了した旨を示す予約完了情報６４０と、予約した駐車場に関する情報６３９とをサーバ６００Ａ及び６００Ｂに送信する。受信したこれらの情報に基づいてサーバ６００Ａは自動車ＩＤ１０Ａの走行ルートを確定し、サーバ６００Ｂは自動車ＩＤ２０Ｂの走行ルートを確定する（ステップＳ７４、Ｓ７５）。そしてサーバ６００Ａ及び６００Ｂは、確定した走行ルートを、自動車ＩＤ１０Ａ及びＩＤ２０Ｂに設定する（ステップＳ７６）。

　５．３　本実施形態に係る効果　
　上記のように、異なるカーシェアリング会社によって管理される自動車３００との調停は、本実施形態で説明した方法で実現できる。そして、本方法によれば、利用可能な駐車場の数を大幅に増やすことができ、駐車場スケジューリング会社による駐車場選択の自由度を向上できる。

　なお、本実施形態においても、第４実施形態で説明した図１７と同様に、第１及び第２割り当て順位に該当する駐車場１００の探索、第３割り当て順位に該当する駐車場１００の探索、及び第４割り当て順位に該当する駐車場１００の探索を行い、それぞれについての駐車料金を算出してもよい。そして、算出された駐車料金に基づいて駐車場を選択してもよい。

　６．第６実施形態　
　次に、第６実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。上記第４及び第５実施形態では、自動車３００（すなわちカーシェアリング会社）が調停を求める場合を例に説明した。これに対して本実施形態は、駐車場１００の所有者が調停を求める場合の処理に関する。以下では、第１乃至第５実施形態と異なる点についてのみ説明する。

　６．１　スマートフォン２００の構成　
　図２１は、本実施形態に係るスマートフォン２００の構成例を示すブロック図である。図示するようにスマートフォン２００は、スマートフォン２００と同様に表示部２１０、ユーザ入力部２２０、制御部２３０、及び通信部２７０を備えている。

　表示部２１０は、ユーザに対して種々の情報を提示し、例えば液晶ディスプレイなどである。

　ユーザ入力部２２０は、ユーザからの種々の情報や命令の入力を受け付ける。例えば、表示部２１０がタッチパネル型の表示装置であって、表示部２１０とユーザ入力部２２０とが一体となっていても良い。

　通信部２７０は、無線通信によりサーバ６００及び８００との間で情報を送受信する。

　制御部２３０は、スマートフォン２００全体の処理を制御する。制御部２３０は、ＣＰＵなどのプロセッサ２３１、ＲＯＭ２３２、ＲＡＭ２３３、及び入出力回路２３４を備えている。ＲＯＭ２３２は、プロセッサ２３１によって実行されるプログラムや必要なデータを保持する。ＲＡＭ２３３は、プロセッサ２３１の作業領域として機能する。入出力回路２３４は、通信部２７０との間の情報の送受信を司る。プロセッサ２３１は、ＲＯＭ２３２及びＲＡＭ２３３内のプログラムを実行する。ＲＡＭ２３３は、駐車場管理プログラム２３５、駐車場契約情報２３６、及び予約タイムテーブル８３７を保持する。

　駐車場契約プログラム２３５は、駐車場所有者が駐車場予約システム１を利用するために必要な処理を含む種々の機能をスマートフォン２００に対して実現させる。プログラム２３５を実行したプロセッサ２３１は、ユーザ入力部２２０で受け付けた情報を例えばＲＡＭ２３３に保持させる。例えばプロセッサ２３１は、駐車場管理プログラム２３５を実行することにより、第１実施形態で説明したように、駐車場１００を駐車場スケジューリング会社に管理させるための処理を行う。例えばプロセッサ２３１は、ユーザ入力部２２０においてユーザに対して図１２Ｂに示す各種情報の入力を促し、これらの情報をサーバ８００に送信して、ユーザと駐車場スケジューリング会社との間での駐車場管理契約を締結する。その際の情報が、駐車場契約情報２３６である。またプロセッサ２３１は、駐車場管理プログラム２３５を実行することで、本実施形態で説明する、駐車場所有者が調停を求めるための処理を行う。この際、スマートフォン２００は、サーバ８００から予約タイムテーブル８３７を受信する。

　６．２　調停方法　
　図２２Ａは、駐車場所有者が、満車状態の当該駐車場１００を利用するために調停を行う際の、スマートフォン２００、電気自動車３００、サーバ６００、及びサーバ８００の動作を示すフローチャートである。一例として、第４実施形態で説明した図１４における駐車場Ｐ１０が満車状態である際に、当該駐車場Ｐ１０の所有者が駐車場Ｐ１０を利用する場合を例に挙げて説明する。また、スマートフォン２００の処理は、主にプロセッサ２３１（または制御部２３０全体）が主体となって行われる。

　図示するように、駐車場Ｐ１０の所有者のスマートフォン２００は、駐車場Ｐ１０の予約要求を所有者から受け付ける（ステップＳ８０）。するとスマートフォンのプロセッサ２３１は、所有者が希望する時刻における予定の取得命令を発行し、サーバ８００に送信する（ステップＳ８１）。この取得命令を受信したサーバ８００は、スマートフォン２００により指定された時間帯における予約タイムテーブル８３７を検索し、検索結果をスマートフォン２００に送信する（ステップＳ８２）。

　予約タイムテーブル８３７を受信したスマートフォン２００は、表示部２１０に予約タイムテーブル８３７を表示させる（ステップＳ８３）。そして、所有者が希望する時間帯に空きがあった場合には（ステップＳ８４、ＹＥＳ）、スマートフォン２００は所有者からの閉鎖要求を受け付ける（ステップＳ８５）。そしてスマートフォン２００のプロセッサ２３１は、所有者が希望する時間と、当該時間における駐車場Ｐ１０の閉鎖命令を発行し、駐車場スケジューリング会社のサーバ８００に送信する（ステップＳ８６）。すると、サーバ８００のプロセッサ８３１は、受信した閉鎖命令に従って、指定された時間における駐車場Ｐ１０を閉鎖する（ステップＳ８７）。この様子を、図２２Ｂに示す。図２２Ｂは、予約タイムテーブル８３７の概念図である。

　図示するように、駐車場Ｐ１０の所有者は、１２：００～１４：００の期間、駐車場Ｐ１０を予約しようとしたとする。すると本例では、駐車スペースＰ１０－２が空いている。従ってサーバ８００は、駐車スペースＰ１０－２を時刻１２：００～１４：００の期間、閉鎖する。これにより、駐車場Ｐ１０の所有者以外は駐車スペースＰ１０－２を利用できなくなる。

　ステップＳ８４において、駐車場Ｐ１０に空きが無かった場合、スマートフォン２００のプロセッサ２３１は、カーシェアリング会社のサーバ６００に対して調停を要求する（ステップＳ８８）。この際、希望する駐車場Ｐ１０及び時間帯に関する情報もサーバ６００に送信される。調停要求を受信したサーバ６００は、予約タイムテーブル８３７を参照し、調停対象となる車両を特定する（ステップＳ８９）。引き続きサーバ８００は、特定された車両につき、運行スケジュールの変更が可能か否かを判断する（ステップＳ９０）。ステップＳ９０は、例えば図１５で説明したステップＳ４６や図１９で説明したステップＳ６７の処理と同様である。そして、運行スケジュールの変更が不可能だった場合（ステップＳ９０、ＮＯ）、サーバ６００は、調停の失敗をサーバ８００に送信し（ステップＳ９１）、更にスマートフォン２００に送信する（ステップＳ９２）。スマートフォン２００では、調停失敗の旨が表示部２１０に表示される。

　他方で、運行スケジュールの変更が可能であった場合（ステップＳ９０、ＹＥＳ）、サーバ６００は運行スケジュールの変更と退去料金算出命令をサーバ８００に送信する。これに応答してサーバ８００では、駐車場Ｐ１０の所有者のために運行スケジュールを変更して駐車場Ｐ１０から退去する車両の利用者またはカーシェアリング会社に支払うべき退去料金を算出する（ステップＳ９３）。その後、サーバ８００は、退去料金と共に、該当する駐車場Ｐ１０において調停が可能である旨をスマートフォン２００に通知する。そしてスマートフォン２００は、受信した情報を表示部２１０に表示し、調停を受け入れるか否かの入力を所有者に促す（ステップＳ９４）。

　所有者による調停受け入れをスマートフォン２００が受け付けると（ステップＳ９５）、プロセッサ２３１は退去命令を発行し、サーバ６００及び８００に送信する（ステップＳ９６）。するとサーバ８００では、予約タイムテーブル８３７を更新する（ステップＳ９７）。この様子を図２２Ｃに示す。図２２Ｃは、予約タイムテーブル８３７の概念図である。

　図示するように、駐車場Ｐ１０の所有者は、１０：００～１２：００の期間、駐車場Ｐ１０を予約しようとしたとする。すると本例では、駐車スペースＰ１０－１が自動車ＩＤ１１Ａ及び１５Ａによって予約済みであり、駐車スペースＰ１０－２は自動車ＩＤ１２Ａによって予約済みである。この際、ステップＳ９０において自動車ＩＤ１１Ａ及び１５Ａの運行スケジュールが変更可能であり、且つ所有者にとって受け入れ可能な退去料金であったとする。するとスマートフォン２００は自動車ＩＤ１１Ａ及び１５Ａの退去命令を発行する。そしてサーバ８００は、駐車スペースＰ１０－１の１０：００～１２：００の期間を閉鎖する。

　更に、退去命令を受信したサーバ６００は、退去することとなった自動車ＩＤ１１Ａ及び１５Ａにつき、走行ルートを再設定し、確定させる（ステップＳ９８）。ステップＳ９８は、図１５で説明したステップＳ５１及び図１９で説明したステップＳ７４及びＳ７５の処理と同様である。そしてサーバ６００は、自動車ＩＤ１１Ａ及び１５Ａに対して走行ルートを再設定する（ステップＳ９９）。

　６．３　スマートフォン２００の表示例　
　上記図２２Ａで説明した動作中における、駐車場所有者の保持するスマートフォン２００の画面表示例につき、図２２Ｄ乃至図２２Ｉを用いて説明する。図２２Ｄ乃至図２２Ｉはそれぞれ、スマートフォン２００の表示部２１０の表示画面を模式的に示している。

　図２２Ｄは、図２２ＡのステップＳ９０において運行スケジュールを変更可能な車両が無かった場合（ステップＳ９０、ＮＯ）の表示画面である。図示するように、
　「車両ＩＤ１０Ａの駐車場割り当てが、ご希望の条件に合いませんでした」
なるメッセージにより、駐車場の所有者は、自身の駐車場１００に自動車ＩＤ１０Ａを駐車させることができない旨が通知される。更にプロセッサ２３１は、駐車場所有者に対して、代替案を提示する。図２２Ｄの例では、下記の４つが提示されている。すなわち、
　・「空車駐車場を探索」　
　　この選択肢は、空きスペースのある他の駐車場を探し、見つかった駐車場を予約する。但し駐車料金は、駐車場所有者の希望する料金の１０ドル増しとなる。　
　・「弊社所有車両が駐車する場所への入れ替え駐車」　
　　この選択肢は、カーシェアリング会社ＡＡＡ社が自動車ＩＤ１０Ａを管理する場合、このＡＡＡ社が管理する別の車両が駐車中の駐車場に入れ替え駐車する。つまり、別の車両に対して調停退去を求める。図２２Ｄの場合には、駐車場Ｐ０１では自動車ＩＤ１００Ａが退去可能であり、駐車場Ｐ０２では自動車ＩＤ１０１Ａが退去可能である。つまり、これらの自動車と、駐車場所有者の自動車とが入れ替え可能である。　
　・「他社所有車両が駐車する場所への入れ替え駐車」　
　　この選択肢は、カーシェアリング会社ＡＡＡ社が車両ＩＤ１０Ａを管理する場合、異なるＢＢＢ社が管理する別の自動車が駐車中の駐車場に入れ替え駐車する。つまり、別のカーシェアリング会社に対して調停退去を求める。図２２Ｄの例では、駐車場Ｐ０３では１５ドルの追加料金でＣＣＣ社の管理する自動車と入れ替え可能であり、駐車場Ｐ０４では１３ドルの追加料金でＤＤＤ社の管理する自動車と入れ替え可能であり、駐車場Ｐ０５では１１ドルの追加料金でＥＥＥ社の管理する自動車と入れ替え可能である。　
　・「レッカー要請」　
　　この選択肢は、駐車中の自動車をレッカー移動させる。かかる費用は８ドルである。

　図２２Ｅは、図２２Ａにおける例えばステップＳ８０においてスマートフォン２００に表示される画面である。スマートフォン２００が駐車場予約要求を受け付けると、スマートフォン２００は、サーバ８００に対して、対応する駐車場の予約タイムテーブル８３７を受信し、これを表示部２１０に表示させる。図２２Ｅの例であると、駐車場Ｐ１０の所有者はMr. John Smithであり、２つの駐車スペースの予約状況がスマートフォン２００の表示部２１０に表示されている。また表示部２１０では、駐車場の閉鎖、または駐車場の開放を、アイコンによって選択できる。

　図２２Ｆは、ステップＳ８１実行時においてスマートフォン２００に表示される画面である。図示するようにスマートフォン２００は、閉鎖する駐車スペースと時刻の入力を駐車場所有者に対して促す。駐車スペースに関する情報は、例えばＲＡＭ２３３に保持される駐車場契約情報２３６から得られる。

　図２２Ｇは、ステップＳ９４実行時においてスマートフォン２００に表示される画面である。図示するようにスマートフォン２００は、退去料金をサーバ６００から受信すると、退去要請を行うか否かの判断を駐車場所有者に促す。そしてステップＳ９５において退去要請を受け付けると、スマートフォン２００は図２２Ｈに示すようにその旨を表示し、サーバ６００に退去命令を発行する。その後、ステップＳ９７において予約タイムテーブル８３７が更新されると、更新された予約タイムテーブル８３７がスマートフォン２００に送信され、スマートフォン２００は図２２Ｉに示すような画面を表示する。図示するように、図２２Ｆで指定した駐車スペース１が、時刻１０：００～１１：００の期間、閉鎖されている。

　６．４　本実施形態に係る効果　
　上記のように、駐車場所有者は例えば本実施形態で説明した方法により調停を行うことができる。本方法によれば、駐車場所有者による駐車場１００の利便性を向上でき、より多くの駐車場所有者に対して駐車場予約システム１への登録を期待できる。そして、登録された駐車場の数が多いほど、本予約システム１の利便性を向上できる。

　７．第７実施形態　
　次に、第７実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第３乃至第５実施形態の全体の流れに関すると共に、第５実施形態においても調停が不可能だった場合にレッカー移動を行う場合に関する。以下では、以下では、第１乃至第６実施形態と異なる点についてのみ説明する。

　７．１　調停方法　
　図２３は、本実施形態に係る駐車場予約システム１の動作を示すフローチャートである。図示するように、システム１の動作は大まかには、５つのステップＳ１００、Ｓ１５０、Ｓ２００、Ｓ３００、及びＳ４００を含む。

　ステップＳ１００は第１乃至第３実施形態に対応し、その詳細は例えば図１３で説明したとおりである。すなわち、カーシェアリング会社ＡＡＡ社の自動車３００Ａの予約リクエストがあった場合、駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、優先条件などに基づき、空き駐車場を探索する（ステップＳ１１０）。ステップＳ１１０の結果、候補となる駐車場１００が見つかった場合には（ステップＳ１２０、ＹＥＳ）、サーバ８００は当該駐車場１００を予約する（ステップＳ１５０）。候補となる駐車場１００が見つからなかった際には（ステップＳ１２０、ＮＯ）、サーバ６００は運行経路または充電地域と時刻が変更可能であるかを判断する（ステップＳ１３０）。変更可能である場合には（ステップＳ１３０、ＹＥＳ）、これを変更して（ステップＳ１４０）、ステップＳ１１０に戻る。変更不可能である場合には（ステップＳ１３０、ＮＯ）、ステップＳ２００の処理が実行される。

　ステップＳ２００は第４実施形態に対応し、その詳細は例えば図１５で説明したとおりである。すなわち、サーバ８００は、ＡＡＡ社の管理する自動車のうち、駐車場１００を明け渡してもらえる車両を探索する（ステップＳ２１０）。ステップＳ２１０の結果、候補となる駐車場１００が見つかった場合には（ステップＳ２２０、ＹＥＳ）、サーバ８００は当該駐車場１００につき予約及び退去処理を行う（ステップＳ１５０）。候補となる駐車場１００が見つからなかった際には（ステップＳ２２０、ＮＯ）、サーバ６００は運行経路または充電地域と時刻が変更可能であるかを判断する（ステップＳ２３０）。変更可能である場合には（ステップＳ２３０、ＹＥＳ）、これを変更して（ステップＳ２４０）、ステップＳ２１０に戻る。変更不可能である場合には（ステップＳ２３０、ＮＯ）、ステップＳ３００の処理が実行される。

　ステップＳ３００は第５実施形態に対応し、その詳細は例えば図１９で説明したとおりである。すなわち、サーバ８００は、ＡＡＡ社とは別のカーシェアリング会社の管理する自動車のうち、駐車場１００を明け渡してもらえる車両を探索する（ステップＳ３１０）。ステップＳ３１０の結果、候補となる駐車場１００が見つかった場合には（ステップＳ３２０、ＹＥＳ）、サーバ８００は当該駐車場１００につき予約及び退去処理を行う（ステップＳ１５０）。候補となる駐車場１００が見つからなかった際には（ステップＳ３２０、ＮＯ）、サーバ６００は運行経路または充電地域と時刻が変更可能であるかを判断する（ステップＳ３３０）。変更可能である場合には（ステップＳ２３０、ＹＥＳ）、これを変更して（ステップＳ３４０）、ステップＳ３１０に戻る。変更不可能である場合には（ステップＳ３３０、ＮＯ）、ステップＳ４００の処理が実行される。

　ステップＳ４００は、更に調停処理を継続するか、またはレッカー移動を要請するかを選択する処理である。すなわち駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、ＡＡＡ社の管理する車両のうち、駐車場１００を明け渡してもらえる車両を再度探索する（ステップＳ４１０）。但し、この際はステップＳ２１０と異なり、車両３００Ａの走行ルートから大幅に外れる駐車場１００も探索対象とされる。これにより、ＡＡＡ社の管理する車両の退去条件が得られる。引き続きサーバ８００は、ＡＡＡ社以外のカーシェアリング会社の管理する車両のうち、駐車場１００を明け渡してもらえる車両を再度探索する（ステップＳ４２０）。但し、この際もステップＳ３１０と異なり、車両３００Ａの走行ルートから大幅に外れる駐車場１００も探索対象とされる。これにより、ＡＡＡ社以外のカーシェアリング会社の管理する車両の退去条件が得られる。更にサーバ８００は、ステップＳ２１０及びＳ３１０で探索された駐車場１００において、既に駐車中の自動車３００をレッカー移動させる際に必要な費用を算出する（ステップＳ４３０）。これらの条件や費用情報は、カーシェアリング会社のサーバ６００に送信され、サーバ６００は提示された条件や費用のうちで受け入れ可能なものを選択して、サーバ８００へその旨を送信する（ステップＳ４４０）。この際には、サーバ６００は、各条件などをスマートフォン５００に送信し、自動車３００Ａの利用者による選択を求めてもよい。

　７．２　本実施形態に係る効果　
　上記のように、第１乃至第３実施形態、第４実施形態、及び第５実施形態を実施することができる。そして、第５実施形態によっても調停ができない場合には、希望条件から外れても調停を行うか、あるいはレッカー移動を要請するかを最終的に選択することができる。これにより、自動車３００Ａが駐車場１００に駐車できない、という事態の発生を抑制できる。

　８．第８実施形態　
　次に、第８実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第１乃至第７実施形態において、評価情報８３９を生成するための方法に関する。以下では、第１乃至第７実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。

　８．１　評価情報８３９について　
　図２４は、評価情報８３９を模式的に示す概念図である。図示するように評価情報８３９は、駐車場スケジューリング会社が管理する駐車場１００毎に評価値を保持している。図２４の例では、評価値は数値で表され、数値が高いほど評価も高い。例えば、駐車場Ｐ４の評価値は“１”であり最低評価である。駐車場Ｐ２、Ｐ３、及びＰ２０の評価値は“２”であり通常評価である。駐車場Ｐ１の評価値は“３”であり高評価である。そして駐車場Ｐ３０の評価値は“４”であり最高評価である。この評価値が、例えば図１１Ｂで説明した評価許容値に対応する。もちろん、評価の高低についての定義方法は本方法に限らない。

　８．２　評価方法について　
　次に、評価情報８３９を得るための駐車場１００の評価方法について説明する。自動車３００は、第１実施形態で説明した図２の構成において、ＲＡＭ３３３に評価プログラム３４０を更に備えている。図２５Ａは、この評価プログラム３４０を実行した際における自動車３００のプロセッサ３３１の機能ブロック図である。なお、評価プログラム３４０は自動運転プログラム３３５の一部であってもよい。

　図示するようにプロセッサ３３１は、命令部３４５、算出部３４１、評価部３４２、計測部３４３、及び送受信部３４４として機能する。命令部３４５は、バッテリ監視ユニット３２０を制御する。算出部３４１は、バッテリ残量の差分を算出する。計測部３４３は、時間を計測する。評価部３４２は、算出部３４１や計測部３４３で得られた結果に基づいて駐車場１００を評価する。送受信部３４４は、評価部３４２で得られた評価値をサーバ８００へ送信する。　
　以下では例として、３つの評価方法について説明する。

　（１）第１の評価方法　
　まず、第１の評価方法として、駐車場１００の充電能力に応じた評価方法について、図２５Ｂを用いて説明する。図２５Ｂは、第１の評価方法のフローチャートである。

　図示するように、まず自動車３００は予約済みの駐車場１００に入庫する（ステップＳ５０１）。すると、命令部３４５の命令に基づき、バッテリ監視ユニット３２０がバッテリ残量を計測し、例えばＲＡＭ３３３に保持する（ステップＳ５０１）。そして、充電器１１０による充電が開始され、計測部３４３は時間の計測を開始する（ステップＳ５０２）。そして、駐車場１００の予約時間が経過すると（ステップＳ５０３）、充電器１１０による充電が終了し、計測部３４３による計測も終了する（ステップＳ５０４）。

　すると、命令部３４５の命令に従い、バッテリ監視ユニット３２０がバッテリ残量を計測し、例えばＲＡＭ３３３に保持する（ステップＳ５０５）。そして算出部３４１が、ステップＳ５０１で計測されたバッテリ残量と、ステップＳ５０５で計測されたバッテリ残量との差分を算出する（ステップＳ５０６）。そして、ステップＳ５０６で得られた結果、すなわち予約期間において実際に充電された電力と、駐車場情報３３７に保持される充電能力（これは例えば図１２Ｂで説明した駐車場契約情報８３６の「充電可能能力」に対応する）とに基づいて、駐車場１００を評価し、評価結果をサーバ８００へ送信する（ステップＳ５０７）。例えば、実際に充電された電力量が、駐車場情報３３７に保持された充電能力より高ければ、プロセッサ３３１は当該駐車場１００に良い評価を与え、逆であれば悪い評価を与える。

　サーバ８００は、自動車３００からの評価結果を受信すると、受信した評価結果に基づいて評価情報８３９を更新する（ステップＳ５０８）。例えば評価部３４２は、良い評価結果を一定数以上受信すると、図２４で説明した評価値を“１”増加させる。逆に悪い評価結果を一定数以上受信すると、評価値を“１”減少させる。そして、自動車３００は駐車場１００から退去する（ステップＳ５０９）。

　（２）駐車場１００の滞在時間に応じた評価方法　
　次に、第２の評価方法として、駐車場滞在時間に応じた評価方法について、図２５Ｃを用いて説明する。図２５Ｃは、第２の評価方法のフローチャートである。

　図示するように、図２５Ｂで説明したステップＳ５００～Ｓ５０２の処理が実施される。そして、自動車３００が例えばサーバ６００（またはサーバ８００）から出庫命令を受信すると（ステップＳ５１０、ＹＥＳ）、自動車３００はステップＳ５０４及びＳ５０５の処理を実行する。そして算出部３４１が、ステップＳ５０４で計測された時間に基づいて、自動車３００の駐車場１００における滞在時間を算出し、算出された結果に基づいて駐車場１００を評価し、評価結果をサーバ８００へ送信する（ステップＳ５１１）。例えば、実際の滞在時間が、予約していた滞在時間より長ければ、プロセッサ３３１は当該駐車場１００に良い評価を与え、逆であれば悪い評価を与える。その後は、図２５Ｂで説明したステップＳ５０８及びＳ５０９の処理が実行される。

　（３）駐車場１００におけるトラブルに応じた評価方法　
　次に、第３の評価方法として、駐車場１００におけるトラブルに応じた評価方法について説明する。図２５Ｄ及び図２５Ｅは、本実施形態に係る自動車３００を斜め前から見たときと、後方から見た時の外観図である。図示するように、サイドミラー、コーナーポール、及び／またはリアアンダーミラーの内側に、センサ３０１を備えている。センサ３０１は、例えば３６０°撮影が可能なカメラである。また図２５Ｆは、本実施形態に係る自動車３００のブロック図であり、第１実施形態で説明した図２に対応する。図示するように自動車３００は、図２で説明した構成において、センサ３０１及びセンサ制御部３０２を備えている。そしてセンサ制御部３０２は、制御部３３０の例えばプロセッサ３３１の命令に従って、センサ３０１を制御する。

　図２５Ｇは、第３の評価方法のフローチャートである。図示するように、自動車３００が駐車場１００に入庫すると（ステップＳ５００）、センサ３０１が自動車３００の状態を計測する（ステップＳ５２０）。すなわち、例えばセンサ３０１が自動車３００の外観を撮影する。その後、自動車３００は出庫命令を受信すると（ステップＳ５１０、ＹＥＳ）、再度センサ３０１が自動車３００の状態を計測する（ステップＳ５２１）。すなわち、例えばセンサ３０１が自動車３００の外観を撮影する。そして算出部３４１は、ステップＳ５２０で得られた計測結果とステップＳ５２１で得られた計測結果とを比較し、比較結果に基づいて駐車場１００を評価する（ステップＳ５２３）。例えば、充電前後で撮影された画像を比較することで、自動車３００のボディの凹みなどを検出する。そして、凹みや傷などの損傷や汚れなどが発見されれば、評価部３４２は当該駐車場に悪い評価を与え、特に発見されなければ良い評価を与える。その後、評価結果がサーバ８００に送信されて、評価情報８３９が更新される（ステップＳ５０８）。

　８．３　本実施形態に係る効果　
　上記のように、本実施形態によれば自動車３００によって自動的に駐車場１００を評価できる。つまり、自動車３００の利用者は駐車場１００の評価を意識する必要がなくなり、利用者の利便性を向上できる。

　９．第９実施形態　
　次に、第９実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第２実施形態で説明した料金計算方法につき、具体例を挙げてより詳細に説明するものである。よって、本実施形態は、第１及び第３乃至第８実施形態にも適用できる。以下では、第１乃至第８実施形態と異なる点についてのみ説明する。

　９．１　具体例　
　本実施形態は、その理解を容易にするため、具体例を挙げて説明する。図２６は、イベントが開催される際に、その近郊で見つかった駐車場をモデル的に示す地図である。また図２７Ａ及び図２７Ｂはそれぞれ、見つかった２つの駐車場Ｐ５０及びＰ６０の予約タイムテーブル８３７を示す。

　図示するように、図２６はコロラド州の一部を示している。そして、コロラド州レッドロックスでコンサートイベントが行われる場合であって、下記のケースを仮定する。　
　（１）自動車３００は、２０２０年２月２０日００：００に、０５：４０～０５：５０の期間に駐車可能な駐車場を探す。００：００における自動車３００の予定位置は、コロラド州ジェファーソン群モリソン付近である。

　（２）発見された駐車場Ｐ５０　
　　・場所：コロラド州ジェファーソン群レイクウッド　
　　・距離：自動車３００の予定位置から約１０ｋｍ　
　　・予約状況：図２７Ａに示すように３つの駐車スペースのうち、１つのスペースＰ５０－３が予約可能　
　（３）発見された駐車場Ｐ６０　
　　・場所：コロラド州デンバー　
　　・距離：自動車３００の予定位置から距離約３０ｋｍ　
　　・予約状況：図２７Ｂに示すように３つの駐車スペースのうち、２つのスペースＰ６０－２及びＰ６０－３が予約可能。

　９．２　駐車料金計算方法　
　次に、駐車料金の計算方法について説明する。例えば、駐車場Ｐ５０のレート情報８４１が、第２実施形態で説明したような図８Ａ乃至図８Ｄに示すとおりであったとする。

　また、駐車場Ｐ５０の基本駐車料金が図２８Ａに示すとおりであったとする。図２８Ａは、駐車場契約情報８３６の一部の概念図であり、例えば図１２Ｂで説明した情報８３６における駐車料金に関する情報を示す。図示するように、駐車場Ｐ５０の駐車料金は、２０分を単位時間として、充電器を使用する場合には８０セント、使用しない場合には５０セントである。また、充電器の充電能力は１０ｋＷｈである。また、本実施形態に係るレート情報８４１は、シナリオ比重テーブルを保持する。図２８Ｂは、シナリオ比重テーブルの概念図である。シナリオ比重テーブルは、駐車場Ｐ５０のレート情報８４１における４つのシナリオに対する重み付けに関する情報である。例えば図２８Ｂの例であると、第１のシナリオ（図８Ａのシナリオ）に対する重みは５０％であり、第２のシナリオ（図８Ｂのシナリオ）に対する重みは５％であり、第３のシナリオ（図８Ｃのシナリオ）に対する重みは３０％であり、第４のシナリオ（図８Ｄのシナリオ）に対する重みは１５％である。すなわち、駐車場Ｐ５０の駐車料金の算出に際しては、図８Ａに示す残り空車スペース数が最も重視され、図８Ｂに示す周辺駐車場の空車状況はあまり重視されない。

　次に、駐車場Ｐ６０のレート情報８４１について説明する。駐車場Ｐ６０のレート情報も、駐車場Ｐ５０と同様に第１乃至第４のシナリオにおける価格レートｒ１～ｒ４を保持している。

　図２９Ａは第１のシナリオに関する。図示するように、予約日が駐車場利用当日で、空き駐車スペースが１台分の場合には価格レートｒ１は１．０であり、２台分の場合には０．９であり、３台分の場合には０．８である。そして、予約日が当日の場合には駐車料金が高いが、前日から５日前までは料金は変わらない。図２９Ｂは第２のシナリオに関する。図示するように、本例の場合には予約日にかかわらず、価格レートｒ２は一定である。そして、周辺の駐車場に空きが少ない程、価格レートｒ２は高く設定されている。例えば、周辺の駐車場の駐車スペースの５０％以上が空いている場合には価格レートｒ２は０．９であり、３０％未満の場合には１．０である。図２９Ｃは第３のシナリオに関する。本例の場合も図８Ｃと同様に、駐車時間が短いほど価格レートｒ３は低下する。図２９Ｄは第４のシナリオに関する。本例の場合も評価値が高いほど価格レートｒ４も高くなる。しかし、評価値が“３”以上ではｒ４＝１．０で一定となる。

　また、駐車場Ｐ６０の基本駐車料金は図３０Ａに示すとおりであったとする。図３０Ａは、駐車場契約情報８３６の一部の概念図であり、駐車場Ｐ５０で説明した図２８Ａに対応する。図示するように、駐車場Ｐ５０の駐車料金は、２０分を単位時間として、充電器を使用する場合には１ドル、使用しない場合には６０セントである。また、充電器の充電能力は１０ｋＷｈである。また、駐車場Ｐ６０に関するシナリオ比重テーブルは図３０Ｂに示すとおりであったとする。図３０Ｂは、シナリオ比重テーブルの概念図であり、駐車場Ｐ５０で説明した図２８Ｂに対応する。本例では、第１のシナリオ（図２９Ａのシナリオ）に対する重みは７０％であり、第２乃至第４のシナリオ（図２９Ｂ乃至図２９Ｄのシナリオ）に対する重みはいずれも１０％である。

　サーバ８００のプロセッサ８３１の例えばレート選択部８５５は、上記のレート情報８４１や駐車場契約情報８３６を用いて、用いるべき最終的な価格レートｒtotalを算出する。レート選択部８５５は、例えば図３１に示す式を用いて価格レートｒtotalを算出する。そして、料金算出部８５６が、算出された価格レートｒtotalを用いて駐車料金を算出する。以下では、例えば２／２０当日に予約を行い、充電器を利用する場合を仮定する。

　＜駐車場Ｐ５０の駐車料金について＞　
　まず、駐車場Ｐ５０の駐車料金について説明する。駐車場Ｐ５０の評価値は“３”であったと仮定する。すると、図８Ａ乃至図８Ｄにおいて、「予約日＝当日」、「周辺駐車場（駐車場Ｐ６０）空き状況＝６７％」、「駐車時間＝１０分」、及び「評価値＝“３”」であるので、第１乃至第４シナリオにおける価格レートは下記のとおりになる。　
　・ｒ１＝２．０
　・ｒ２＝０．９
　・ｒ３＝０．５
　・ｒ４＝１．０
これらの値と図２８Ｄで説明した価格レートｒ１～ｒ４についての比重とを図３１の式に代入すると、最終的な価格レートは下記のとおりである。　
　・ｒtotal＝１．３４５　
従って、図２８Ａの標準料金にｔtoralをかけることで、駐車場Ｐ５０の駐車料金は下記のように算出される。　
　・駐車場Ｐ５０の駐車料金＝０．８＊１．３４５＝１ドル８セント。

　＜駐車場Ｐ６０の駐車料金について＞　
　次に、駐車場Ｐ６０の駐車料金について説明する。駐車場Ｐ６０の評価値は“４”であったと仮定する。すると、図２９Ａ乃至図２９Ｄにおいて、「予約日＝当日」、「周辺駐車場（駐車場Ｐ５０）空き状況＝３３％」、「駐車時間＝１０分」、及び「評価値＝“４”」であるので、第１乃至第４シナリオにおける価格レートは下記のとおりになる。　
　・ｒ１＝１．０
　・ｒ２＝０．９
　・ｒ３＝０．８
　・ｒ４＝１．０
これらの値と図３０Ｂで説明した価格レートｒ１～ｒ４についての比重とを図３１の式に代入すると、最終的な価格レートは下記のとおりである。　
　・ｒtotal＝０．９７　
従って、図３０Ａの標準料金にｔtoralをかけることで、駐車場Ｐ６０の駐車料金は下記のように算出される。

　・駐車場Ｐ６０の駐車料金＝１＊０．９７＝９７セント。

　＜駐車場の選択について＞　
　以上のように、サーバ８００は駐車場Ｐ５０及びＰ６０の駐車料金を算出する。その結果、駐車場Ｐ５０の駐車料金は１ドル８セントであり、駐車場Ｐ６０の駐車料金は９７セントであった。従ってサーバ８００は、駐車場Ｐ６０を予約する。

　９．２　本実施形態に係る効果　
　上記のように、本実施形態によれば、想定されるシナリオに重み付けを行うことで、駐車料金をより適切な値段に設定できる。また、駐車場所有者（または駐車場スケジューリング会社）が重み（比重）を適宜、自由に設定することにより、例えば近隣においてイベントが開催される場合と通常時とで異なるように設定することにより、駐車料金をより一層適切な値段に設定できると共に、駐車場利用者に対して積極的な利用を促すこともでき、駐車場１００の利用効率を向上できる。

　なお、本実施形態では図２８Ａ及び図３０Ａで説明したように、充電器を使用する場合と使用しない場合（あるいは充電器付きの駐車場と充電器無しの駐車場）とで標準料金が異なる場合を例に説明した。しかし、この条件はレート情報８４１に含めてもよい。このような場合の駐車場契約情報８３６及びレート情報８４１を図３２Ａに示す。図３２Ａは、上記実施形態における図２８Ａ及び図３０Ａに対応し、駐車場契約情報８３６において特に駐車料金に関する情報だけを示している。図示するように、本例では、充電器を使用する場合も使用しない場合も、駐車料金は一律で２０分あたり５０セントに設定されている。その代わり、レート情報８４１では第５のシナリオとして、図３２Ｂに示すように、充電器を使用する場合と使用しない場合とで比重が異なる。図示するように、充電器を使用しない場合に比べて、使用する場合の比重は５倍であり、それだけ駐車料金が高く設定される。このように、駐車場契約情報８３６で一定額に定める代わりに、レート情報８４１として重みを変えることで、駐車料金を決めるための種々のパラメータを可変にすることができる。

　また、上記説明した例では各シナリオの重みが異なる場合について説明した。しかし、均等に重み付けがなされる場合であってもよい。例えば４つのシナリオがある場合には、各シナリオの重みを２５％で統一してもよい。

　１０．第１０実施形態　
　次に、第１０実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第２、第３、第９実施形態で説明した駐車料金算出方法において、駐車場までの電費を考慮に入れて、駐車料金を算出するものである。以下では、第１乃至第９実施形態と異なる点にのみ着目して説明する。

　１０．１　サーバ８００の構成　
　図３３は、本実施形態に係る駐車場スケジューリング会社のサーバ８００のブロック図である。図示するように本実施形態に係るサーバ８００は、図１２Ａを用いて説明した構成において、ＲＡＭ８３３が更に平均電力価格情報８４２、平均燃料価格情報８４３、及び重みパラメータ８４４を保持している。

　平均電力価格情報８４３は、充電器１１０によって販売される電力の平均価格を示す。この価格は、例えばサーバ６００によって指定された充電地域（ステップＳ１４、Ｓ４４、Ｓ６４）全体における電力の平均であってもよいし、充電地域の一部における電力料金の平均であってもよいし、または国内、州内、あるいは市内における平均であってもよい。

　平均燃料価格情報８４２は、例えばガソリンスタンドで販売されるガソリンや軽油の平均価格を示す。この価格も、例えばサーバ６００によって指定された地域全体における燃料価格の平均であってもよいし、地域の一部における平均であってもよいし、または国内、州内、あるいは市内における平均であってもよい。

　重みパラメータ情報８４４は、係数α及びβを含む。係数αは、現在地から駐車場までの消費電力の寄与率であり、例えばゼロより大きい定数である。また係数βは、駐車場の標準価格への上乗せ分を示す定数であり、例えばゼロを含む。係数α及びβは、駐車場スケジューリング会社または駐車場所有者が適宜設定可能である。

　１０．２　駐車料金算出方法　
　次に、本実施形態に係る駐車料金算出方法について説明する。以下では、第９実施形態で説明した駐車場Ｐ５０及びＰ６０の駐車料金を算出する場合を例に挙げて説明する。但し、駐車場Ｐ５０の充電器の充電能力を４ｋＷｈ、駐車場Ｐ６０の充電器の充電能力を１ｋＷｈとする。

　プロセッサ８３１の例えば料金算出部８５６は、例えば下記の計算式を用いて駐車料金を算出する。　
　　　　　駐車料金＝（第９実施形態で得られた駐車料金）×（（駐車場までの消費電力／供給電力）×α＋β）
　駐車場Ｐ５０及びＰ６０は、下記の条件である。すなわち、　
　　・駐車場Ｐ５０　
　　　　自動車１００の現在位置または指定された場所からの距離：１０ｋｍ
　　　　充電電力：４ｋＷｈ
　　・駐車場Ｐ６０　
　　　　自動車１００の現在位置または指定された場所からの距離：３０ｋｍ
　　　　充電電力：１ｋＷｈ。

　また、駐車場Ｐ５０及びＰ６０到着時の自動車１００の状況は、自動車１００平均電費を１０ｋｍ／ｋＷｈとすれば、下記の通りである。すなわち、
　　・駐車場Ｐ５０までの消費電力：１ｋＷｈ
　　・駐車場Ｐ６０までの消費電力：３ｋＷｈ
　すると、α＝１、β＝０とすると、駐車場Ｐ５０及びＰ６０の駐車料金は下記のように算出される。すなわち、　
　　・駐車場Ｐ５０：＄１．０８×（１ｋＷｈ／４ｋＷｈ）＝＄０．２７　
　　・駐車場Ｐ６０：＄０．９７×（３ｋＷｈ／１ｋＷｈ）＝＄２．９１　
このように、駐車場に到着するまでに必要な電力（これは、駐車場で充電した際にかかる料金とほぼ同義である）を含めた金額を駐車料金と定めた場合、第９実施形態で説明した例とは逆に、駐車場Ｐ５０の方が割安となる。従って予約部８５４は駐車場Ｐ５０を予約する。

　１０．３　本実施形態に係る効果　
　本実施形態に係る方法によれば、駐車場１００に自動車３００を駐車するための料金だけでなく、駐車場１００における充電に必要な金額まで含めて駐車料金を算出できる。従って駐車場スケジューリング会社のサーバ８００は、より適切な駐車場選択が可能となる。もちろん、駐車場１００の契約内容によって、またはカーシェアリング会社と駐車場スケジューリング会社または駐車場所有者との間の特約などによって、第９実施形態で説明した方法と本実施形態で説明した方法とを使い分けてもよい。

　なお、上記実施形態では、駐車場１００においてバッテリ３１０の充電が行われることを前提に説明した。しかし、充電が行われない場合、あるいは駐車場１００に充電器がない場合であってもよい。この際の駐車料金は、例えば下記の計算式を用いて算出できる。　
　　　　　駐車料金＝（第９実施形態で得られた駐車料金）×（駐車場までの消費電力×平均電力価格）×α）　
　なお、平均電力価格は平均電力価格情報８４３から得ることができる。

　また、本実施形態は自動車３００が電気自動車ではなく、ガソリンや軽油などの燃料を用いたガソリン車やディーゼル車（以下、化石燃料のような燃料をエンジン内で燃焼させることにより駆動力を得る自動車を、燃料駆動自動車と呼ぶ）の場合にも適用できる。この際の駐車料金は、例えば下記の計算式を用いて算出できる。　
　　　　　駐車料金＝（第９実施形態で得られた駐車料金）×（駐車場までの消費燃料×平均燃料価格）×α）　
　なお、平均燃料価格は平均燃料価格情報８４２から得ることができる。

　１１．第１１実施形態　
　次に、第１１実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態は、上記第１乃至第１０実施形態で説明した駐車場予約システム１を、ガソリン車やディーゼル車などの燃料駆動自動車に適用したものである。本実施形態では、上記第３実施形態で説明した駐車場１００の割り当て方法に着目して説明する。また、以下では第１乃至第１０実施形態と異なる点についてのみ説明する。

　１１．１　駐車場契約情報８３６について　
　図３４Ａは、本実施形態に係る駐車場契約情報８３６の概念図であり、第３実施形態で説明した図１２Ｂに対応し、燃料駆動自動車用の駐車場Ｐ１００の例を示している。

　図示するように、駐車場契約情報８３６は、第３実施形態で説明した図１２Ｂにおいて、バッテリ３１０の充電に関する情報が廃されている。すなわち、駐車料金や退去条件において、充電残量に関する情報が廃され、当然ながら充電能力に関する情報も廃されている。

　１１．２　動作について　
　次に、本実施形態に係る駐車場予約システム１の動作について、図３４Ｂの場合を例に説明する。図３４Ｂは、カーシェアリング会社ＡＡＡ社の燃料駆動自動車についての車両情報データベース６４２の概念図である。

　図示するように、ある燃料駆動自動車は、０９：００にカーシェアリング会社の駐車場を出発し、１０：３０に乗客Ａ１を乗せて目的地まで移動し、１２：００に乗客Ａ１が降車し、その後、所定の場所まで移動した後、その場で待機し、１３：００に乗客Ａ２を乗せて再度目的地まで移動する場合を仮定する。この際、カーシェアリング会社ＡＡＡ社は、乗客Ａ１が降車してから燃料駆動自動車が移動して待機するタイミングで入る駐車場を、必要に応じて探索する。

　なお、車両情報データベース６４２は、第１実施形態の図４Ｂで説明したように、ある時刻における車両ＩＤ毎の情報を示す場合であってもよい。

　図３４Ｃは、本実施形態に係る駐車場予約システム１の動作を示すフローチャートであり、第３実施形態で説明した図１３に対応する。なお、調停を行う場合については、第１２実施形態で簡単に説明する。

　図示するようにサーバ８００は、ユーザ設定情報を受け付けた後（ステップＳ１０）、運行スケジュールにおいて、次の運行開始までの待機時間が規定値を超えるか否かを判断する（ステップＳ３２）。ステップＳ３２の処理は、図４Ｃで説明した例えば第１判断部６６３により実行される。また運行スケジュールとは、先に図３４Ｂを用いて説明した情報であり、待機時間とは、図３４Ｂにおいて乗客Ａ１が降車してから乗客Ａ２が乗車するまでの期間に生じる、燃料駆動自動車が走行しない時間帯のことである。更に、規定値は、例えばサーバ６００のＲＡＭ６３３に保持される。

　ステップＳ３２の結果、待機時間が規定値を超える場合（ステップＳ３３、ＹＥＳ）、つまり、燃料駆動自動車が一定程度長い期間、待機する必要がある場合には、サーバ６００は燃料駆動自動車を近くの駐車場１００に駐車させることを決定する。従ってサーバ６００は、待機位置付近における駐車場１００までの走行ルートを探索し（ステップＳ１３）、駐車地域と駐車時刻とを決定する（ステップＳ３４）。

　その後は、サーバ８００がステップＳ１５及びＳ２０の処理を実行し、ステップＳ３０において第１または第２優先順位に相当する駐車場１００が見つかった場合には（ステップＳ３０、ＹＥＳ）、ステップＳ１６及びＳ１７の処理を実行する。そして、走行ルートが確定され（ステップＳ１８）、確定された走行ルートが燃料駆動自動車に設定される（ステップＳ１９）。ステップＳ３０で駐車場１００が見つからなかった場合には（ステップＳ３０、ＮＯ）、サーバ６００は走行ルートの変更、または駐車地域と時刻を変更する（ステップＳ３５）。ステップＳ３４及びＳ３５は、それぞれ図１３で説明したステップＳ１４及びＳ３１に対応する。

　更に、ステップＳ３３において、待機時間が規定値を超えない場合には（ステップＳ３３、ＮＯ）、特に駐車場１００の探索は行われずに、目的地までのルートが設定される（ステップＳ１９）。

　１１．３　本実施形態に係る効果　
　上記のように、第１乃至第３実施形態で説明した駐車場の割り当て方法は、化石燃料を燃焼させるエンジンで駆動される燃料駆動自動車にも適用できる。または、充電を必要としない（つまりほぼ満充電状態であるか、または容量の大きい二次電池や燃料電池を搭載し、走行中に充電が不要な電気自動車など）にも適用可能である。

　１２．第１２実施形態　
　次に、第１２実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。本実施形態も第１１実施形態と同様に、上記第１乃至第１０実施形態で説明した駐車場予約システム１を燃料駆動自動車に適用したものである。本実施形態では、上記第４乃至第６実施形態で説明した駐車場１００の調停方法に着目して説明する。また、以下では第１乃至第１０実施形態と異なる点についてのみ説明する。

　１２．１　調停方法について　
　燃料駆動自動車の調停方法は、第４乃至第６実施形態で説明した方法と基本的には同じであり、図１５、図１９、及び図２２Ａで説明したフローチャートにおいて、バッテリ残量や充電に関する処理省いたものに相当する。また燃料駆動自動車の場合、バッテリの充電が不要であるので、充電器を備えていない駐車場１００も候補となり得る。

　一例として、図３５Ａの状況において、電気自動車ＩＤ３１が１０：００～１２：００の間の駐車を希望したとする。図示するように、駐車場Ｐ１００には２台分の駐車スペースＰ１００－１及びＰ１００－２があるが、駐車スペースＰ１００－２には充電器がない。そして、燃料駆動自動車ＩＤ３０が、充電器を有する駐車スペースＰ１００－１に０８：１０～１１：５０の期間、駐車を予約しており、且つ調停退去可能であったとする。

　すると、燃料駆動自動車ＩＤ３０は充電が不要であるから、駐車スペースＰ１００－２に駐車することも可能である。従ってサーバ８００は、電気自動車ＩＤ３１の入庫リクエストを受信すると、燃料駆動自動車ＩＤ３０に対しては、１０：００において駐車スペースＰ１００－１から調停退去させつつ、１０：００～１１：５０の期間、駐車スペースＰ１００－２に再入庫させる。そして、空いた駐車スペースＰ１００－１に、電気自動車ＩＤ３１を調停入庫させる。

　１２．２　本実施形態に係る効果　
　上記のように、第４乃至第６実施形態で説明した駐車場の調停方法は、燃料駆動自動車や充電を必要としない電気自動車にも適用可能である。そして第１１実施形態と同様に、燃料駆動自動車の場合には充電器１１０を必要としないため、調停の自由度を向上できる。

　１３．変形例など　
　以上のように、上記実施形態に係る情報処理装置は、自動車の駐車場を予約するための情報処理装置６００である。そして情報処理装置６００は、自動車の目的地に関する第１情報を受信する受信部６６０と、第１情報に基づいて、目的地に至るまでの経路を検索する第１検索部６６１と、目的地に至るまでの経路及び経路近傍における第１地域と第１時刻とを検索する第２検索部６６２と、第１時刻における第１地域の第１駐車場の予約を、ユーザからの命令を待つことなく無線または有線通信を用いて要求する予約部６６４とを備える。

　また上記実施形態に係る情報処理装置は、自動車の駐車場を管理するための情報処理装置８００である。そして情報処理装置８００は、無線または有線通信により送信された、駐車場の予約要求に基づいて、第１駐車場を検索する第１検索部８５３と、第１検索部で検索された第１駐車場の駐車料金を算出する算出部８５６と、予約要求に対応する自動車を第１駐車場に割り当てる予約部８５４とを備える。

　上記構成によれば、駐車場の有効利用を促進できる。なお、上記実施形態は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば上記実施形態では、自動車３００が電気自動車である場合を例に説明したが、第１１及び第１２実施形態のように燃料駆動自動車であってもよいし、または化石燃料を用いた内燃機関（エンジン）と電気モーターとを併用するハイブリッド車であってもよい。

　また、上記実施形態で説明した構成における各種プログラム（自動運転プログラム３３５、カーシェアリングプログラム５３５、ルート検索プログラム６３５、駐車場予約プログラム８３５など）は、予約システム１を提供する事業者のサーバによって、例えばインターネット回線などの通信回線を通じて配付されることができる。また、各プログラムを実行することで行われる処理について、種々のフローチャートを用いて説明したが、処理の順番は可能な限り入れ替えることができ、上記説明した順序は一例に過ぎない。

　更に、上記実施形態では、予約される駐車場１００が目的地の途中にあり、バッテリ３１０の充電のために使用する例を説明した。しかし、目的地近辺の駐車場１００を予約する場合であってもよい。つまり、自動車３００の乗客が目的地に到着した後、帰りの自動車３００を確保しておくために、目的地周辺の駐車場１００を予約してもよい。この場合、例えば乗客の荷物が自動車３００内に保管されるような場合には、自動車３００が調停に応じることは困難である。しかし、帰りに使用する自動車が別の自動車であってもよい場合には、容易に調停に応じることができる。

　また、上記実施形態で説明した種々の機能は、ハードウェアで実装されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、その機能は、１つまたはそれ以上の命令またはコード（プログラム）として、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、または当該記憶媒体によって伝送され得る。このような記録媒体としては、コンピュータまたはプロセッサによりアクセスできればよく、特に限定されない。一例としては、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ（登録商標）（ＵＳＢメモリやメモリカードを含む）、ＣＤ－ＲＯＭ等の光ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク等を用いることができる。また、無線または有線の電気通信回線によって伝送され得る。各種のデータについても同様である。

　本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

Claims

　自動車の駐車場を予約するための情報処理装置であって、
　前記自動車の目的地に関する第１情報を受信する受信部と、
　前記第１情報に基づいて、前記目的地に至るまでの経路を検索する第１検索部と、
　前記目的地に至るまでの経路及び経路近傍における第１地域と第１時刻とを検索する第２検索部と、
　前記第１時刻における前記第１地域の第１駐車場の予約を、ユーザからの命令を待つことなく無線または有線通信を用いて要求する予約部と
　を具備する情報処理装置。
　前記自動車は電気自動車であり、
　前記第１駐車場は、前記自動車のバッテリを充電可能な充電器を備え、
　前記情報処理装置は、前記第１情報と、前記検索された経路とに基づいて、前記目的地に至るまでの間に前記バッテリの充電が必要か否かを判断する第１判断部を更に備え、
　前記予約部は、前記第１判断部において前記バッテリの充電が必要と判断された場合に、前記予約を要求する、
　請求項１記載の情報処理装置。
　前記情報処理装置は、前記自動車に割り当て可能な駐車場の優先順位に関する第２情報を保持し、
　前記第２情報における第１優先順位に相当する前記第１駐車場が見つからなかったことを示す通知を無線または有線通信により受信すると、
　　　前記第１検索部は前記経路を変更し、または前記第２検索部が前記第１地域と前記第１時刻とを変更し、
　　　前記予約部は、前記変更された条件を満たす第１駐車場の予約を、前記ユーザからの命令を待つことなく前記無線または有線通信を用いて要求する、
　請求項１または２記載の情報処理装置。
　前記情報処理装置は、前記第１駐車場と異なる第２駐車場に関する情報を無線または有線通信により受信すると、前記第２駐車場において運行スケジュールを変更可能な車両を特定し、その旨を前記ユーザからの命令を待つことなく前記無線または有線通信を用いて送信する第３判断部を更に備える、
　請求項３記載の情報処理装置。
　自動車の駐車場を管理するための情報処理装置であって、
　無線または有線通信により送信された、駐車場の予約要求に基づいて、第１駐車場を検索する第１検索部と、
　前記第１検索部で検索された前記第１駐車場の駐車料金を算出する算出部と、
　前記予約要求に対応する自動車を、前記第１駐車場に割り当てる予約部と
　を具備する情報処理装置。
　前記情報処理装置は、駐車料金に関する第１情報を保持し、
　前記第１情報は、前記第１駐車場の空き状況、周辺の駐車場の空き状況、前記予約要求における駐車時間、及び前記第１駐車場の評価、の少なくともいずれかに対応した係数を含み、
　前記算出部は、前記係数を用いて前記駐車料金を算出する、
　請求項５記載の情報処理装置。
　前記第１検索部は、前記駐車場の予約要求に基づいて、複数の駐車場を検索し、
　前記算出部は、前記複数の駐車場の各々につき駐車料金を算出し、
　前記予約部は、前記算出された駐車料金に基づいていずれかの駐車場を前記第１駐車場として選択する、請求項５記載の情報処理装置。
　前記自動車は電気自動車であり、
　前記駐車場は、前記自動車のバッテリを充電可能な充電器を備え、
　前記情報処理装置は、複数の駐車場を管理する第２情報を保持し、
　前記第２情報は、前記複数の駐車場に関する場所、利用時間、駐車可能台数、基本料金、及び充電可能電力の少なくともいずれかを含み、
　前記予約要求は、少なくとも前記自動車の目的地に関する情報を含み、
　前記第１検索部は、前記予約要求及び前記第２情報に基づいて駐車場を検索する、
　請求項５記載の情報処理装置。
　前記情報処理装置は、前記自動車に割り当て可能な駐車場の優先順位に関する第３情報を保持し、
　前記第３情報における第１優先順位に相当する第２駐車場が見つからなかった場合、駐車場検索条件の変更を求める要求を、無線または有線通信により送信する、
　請求項５記載の情報処理装置。
　前記自動車は第１グループに属し、
　前記情報処理装置は、前記第１優先順位に相当する前記第２駐車場が見つからなかった場合、前記第２駐車場と異なり、且つ前記第１グループに属する他の自動車が予約済みの第３駐車場を検索し、
　前記第３駐車場が見つかった場合、前記他の自動車の予約を解除し、解除した前記第３駐車場を前記予約要求のあった前記自動車に割り当てる、
　請求項９記載の情報処理装置。
　前記情報処理装置は、管理するいずれかの駐車場に対する閉鎖命令を、無線または有線通信により受信した際には、当該駐車場を閉鎖し、
　調停要求を、無線または有線通信により受信した際には、既に当該駐車場に予約済みの自動車を退去させるために必要な料金を算出し、
　当該駐車場の予約状況を更新する、
　請求項５記載の情報処理装置。
　駐車場を管理するための情報処理方法であって、
　前記駐車場につき予約要求を受け付け、該予約要求に基づいて、占有希望時刻における予約取得命令を発行することと、
　前記駐車場の予約状況を受信することと、
　前記予約状況を受信した結果、前記占有希望時刻に空きスペースがある場合には、当該空きスペースの閉鎖命令を発行することと、
　前記予約状況を受信した結果、前記占有希望時刻に空きスペースがない場合には、調停を要求することと、
　前記調停が可能である場合に、該調停に必要な料金を受信することと、
　前記調停のために自動車の退去確認を受け付け、該退去確認に基づいて退去命令を発行することと
　を具備する情報処理方法。
　駐車場を管理するための情報処理プログラムであって、プロセッサによって実行されることにより、前記プロセッサに対して、
　前記駐車場につき予約要求を受け付け、該予約要求に基づいて、占有希望時刻における予約取得命令を発行させ、
　前記駐車場の予約状況を受信させ、
　前記予約状況を受信した結果、前記占有希望時刻に空きスペースがある場合には、当該空きスペースの閉鎖命令を発行させ、
　前記予約状況を受信した結果、前記占有希望時刻に空きスペースがない場合には、調停を要求させ、
　前記調停が可能である場合に、該調停に必要な料金を受信させ、
　前記調停のために自動車の退去確認を受け付け、該退去確認に基づいて退去命令を発行させる、情報処理プログラム。