WO2021152668A1 - ヒートパイプ式冷却器及びヒートパイプ式冷却器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本開示におけるヒートパイプ式冷却器(100)は、発熱体(4)が設置される面を有する受熱部(5)及び受熱部(5)と対向する接続部(6)を有する主管体(1)と、内部が主管体(1)の内部と連通するように接続部(6)に接続される枝管体(2)と、を有するヒートパイプユニットと、枝管体(2)に取り付けられるフィン(3)と、を備え、受熱部(5)と接続部(6)との間の空間領域が多段に分割されて複数の空間部が形成され、複数の空間部のそれぞれの内部には冷媒(8)が配置されるものである。
Description
本開示はヒートパイプ式冷却器及びヒートパイプ式冷却器の製造方法に関するものである。
断面積の大きな、例えば断面円形のタンクの側面に、複数の細いパイプが設けられ、細いパイプには、フィンが取り付けられているヒートパイプユニットが開示されている。タンクは、金属からなるベースブロックに埋めこまれており、タンクとベースブロックとの間で、熱移動が行われる。ベースブロックは、タンクを埋め込んだ面と反対側の面には、発熱する半導体素子が取り付けられている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の技術では、ベースブロックによって半導体素子と複数のヒートパイプユニットを接続する場合、ヒートパイプユニットへの熱輸送のためにタンクを深く埋め込む必要があり、ベースブロックの体積が増加し、ヒートパイプ式冷却器の重量が増加してしまうという課題があった。
本開示は、上述の問題を解決するためになされたもので、重量増加を抑制できるヒートパイプ式冷却器及びヒートパイプ式冷却器の製造方法を提供することを目的とする。
本開示にかかるヒートパイプ式冷却器は、発熱体が設置される面を有する受熱部及び受熱部と対向する接続部を有する主管体と、内部が主管体の内部と連通するように接続部に接続される枝管体と、を有するヒートパイプユニットと、枝管体に取り付けられるフィンと、を備え、受熱部と接続部との間の空間領域が多段に分割されて複数の空間部が形成され、複数の空間部には冷媒が配置されるものである。
本開示にかかるヒートパイプ式冷却器の製造方法は、第1の板部材を曲げ、連続した凹凸形状を形成し、凹凸部材を形成する凹凸部材形成工程と、凹凸部材に第2の板部材を取り付け取付部材とし、凹凸部材と取付部材との間の空間領域が凹凸形状の凹部によって分割され、多段構造を有する主管体を形成する主管体形成工程と、凹凸部材又は取付部材に枝管体を取り付け、主管体の内部と枝管体の内部とを連通させて接続する枝管体接続工程と、主管体の凹凸形状の凸部に冷媒を注入する冷媒注入工程と、枝管体にフィンを取り付けるフィン取付工程とを有するものである。
本開示によれば、ヒートパイプ式冷却器の重量増加を抑制できる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略構成図である。図2は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略側面図であり、図1の紙面左側からヒートパイプ式冷却器100を見た概略側面図である。図3は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略断面図であり、図1のAA断面を示す概略断面図である。
図1は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略構成図である。図2は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略側面図であり、図1の紙面左側からヒートパイプ式冷却器100を見た概略側面図である。図3は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の概略断面図であり、図1のAA断面を示す概略断面図である。
図1のX軸方向は、ヒートパイプ式冷却器100の幅方向を示し、Y軸方向は高さ方向、すなわちヒートパイプ式冷却器100の上下方向を示す。-Y軸方向は、ヒートパイプ式冷却器100の設置面方向(ヒートパイプ式冷却器100の下側)を示し、+Y軸方向は、反設置面方向(ヒートパイプ式冷却器100の上側)を示す。図1のZ軸方向はヒートパイプ式冷却器100の奥行き方向を示す。これらは、以下の図面も同様である。ここで、設置面とは、ヒートパイプ式冷却器100が設置される車両の床面等を指す。反設置面とは、設置面と対向する仮想の面又は車両の天井等を指す。
ヒートパイプ式冷却器100は、内部に冷媒8が配置される主管体1と、主管体1に接続される枝管体2と、枝管体2を貫通させて取り付けられるフィン3とを備える。主管体1と枝管体2とを合わせて、ヒートパイプユニットと記す。以下、詳細を説明する。
主管体1は、発熱体4が取り付けられる面を有する受熱部5と、枝管体2が接続される接続部6とを有する。ここで、発熱体4とは、半導体素子が搭載された電気機器等を指す。受熱部5及び接続部6は対向して配置される。ここで、受熱部5及び接続部6が対向するとは、例えば受熱部5の発熱体4が取り付けられる面と、接続部6の枝管体2が取り付けられる面とが対向していることを指す。受熱部5と接続部6との間、すなわち主管体1の内部には空間領域が形成される。主管体1は、中空状とも言える。主管体1の内部には、受熱部5と接続部6との間を仕切るように仕切板7が配置される。主管体1の内部は、仕切板7よって分割され形成された複数の空間部を有し、複数の空間部には、それぞれ冷媒8が配置される。主管体1は、Y軸方向に複数の空間部が形成された多段構造を有する。仕切板7は、X軸方向に延伸している。
枝管体2は、例えば円管状である。枝管体2は、主管体1の接続部6に取り付けられる。枝管体2の内部は、主管体1の内部と連通して接続される。このとき、主管体1の各空間部に対して、少なくとも1つの枝管体2が接続される。
また、ヒートパイプ式冷却器100が鉄道車両用インバータの冷却に使用される場合、走行中等に車両が傾き枝管体2へ冷媒が流入してしまうと、主管体1の冷媒量が少なくなり、十分な沸騰が起こらず、冷却効率が低下する。枝管体2を主管体1の接続部6に接続する際に、冷媒8の液面よりも上方に接続すれば、車両が傾いても冷媒8が枝管体2に流入することを抑制できる。
また、図2及び図3に示すように、枝管体2を反設置面に対して傾けて接続部6に接続すればよい。このとき、主管体1と枝管体2とのなす角度は、80°~85°であることが望ましいが、この限りではない。これにより、発熱体4の熱を受けとり蒸発した冷媒8が、フィン3によって枝管体2の内部で凝縮し、重力によって主管体1へ戻ることができる。
図1に戻るが、主管体1の各空間部に対して、少なくとも1つ以上の枝管体2が接続されている。各空間部に接続された枝管体2のうち、少なくとも1つは、先端部に冷媒注入孔20が形成された注入管の役割を果たす。各注入管から主管体1の各空間部に冷媒8が注入される。
フィン3は、枝管体2を貫通させて、枝管体2に取り付けられる。換言すると、枝管体2にフィン3が串刺しとなるように取り付けられる。
ここで、ヒートパイプ式冷却器100を用いた発熱体4の冷却の流れについて説明する。発熱体4から発生した熱は、受熱部5から主管体1内の冷媒8へと伝わる。この熱は、冷媒8の蒸発に使用され、蒸気は枝管体2へと輸送される。枝管体2へと輸送された蒸気は、フィン3によって冷却されて凝縮し、液体となる。液体となった冷媒8は、重力によって主管体1へと還流する。冷媒8がこの循環を繰り返すことによって、発熱体4から発生した熱は、相変化の潜熱によって効率よく大気中に放熱され、高効率な冷却が実現される。
図4は、実施の形態1にかかるヒートパイプ式冷却器100の製造方法を示す工程図である。以下、詳細を説明する。
ステップST1では、1枚の板部材である受熱部材の4辺を、例えばプレス加工によってL字状に曲げ、受熱部5を形成する(受熱部形成工程)。受熱部材を曲げることによって、発熱体4が取り付けられる面を有する受熱部5と、受熱部5を囲む側面部とが形成される。なお、発熱体4となる板部材に、側面部となる板部材をろう付け等によって接続してもよい。また、受熱部5とは、発熱体4が設置されている面を含む部分を指すものである。
ステップST2では、受熱部5の、発熱体4が取り付けられる面とは反対の面に、仕切板7を配置する(仕切板配置工程)。仕切板7は、例えばろう付けによって受熱部5の取付面部及び側面部に接続される。
ステップST3では、仕切板7と、仕切板7によって仕切られた受熱部5とに、例えばろう付けによって、接続部材を取り付け、接続部6とする(接続部取付工程)。これにより、内部に多段構造を有する主管体1が形成される。なお、接続部6には、接続される枝管体2の取付孔を予め形成しておくか、受熱部5に取り付けた後に形成する。また、接続部取付工程は主管体形成工程とも言える。
ステップST4では、各取付孔に枝管体2を配置し、例えばろう付けによって接続部6に取り付け、枝管体2の内部と主管体1の内部と連通して接続させる(枝管体接続工程)。このとき、複数の枝管体2のうち少なくとも1つは、先端部に冷媒注入孔20が形成された注入管とする。冷媒注入孔20は、枝管体2を接続部6に接続する前に形成してもよいし、接続してから形成してもよい。
ステップST5では、主管体1及び枝管体2の内部を十分に真空引きした後、冷媒注入孔20から主管体1の内部の各空間部に冷媒8を注入する(冷媒注入工程)。冷媒8の注入量は各空間部の30%程度となることが望ましい。冷媒8の注入後、冷媒注入孔20を、例えば圧接によって塞ぐ。これにより、主管体1及び枝管体2内の気密性を保持することができる。
ステップST6では、枝管体2にフィン3を取り付ける(フィン取付工程)。フィン3には、予め枝管体2が貫通する位置に所定の間隔で枝管体通し孔を開け、例えばバーリング加工を施してフリンジを形成すればよい。枝管体通し孔に枝管体2を通し、例えば圧接によって枝管体2にフィン3を取り付ける。これにより、ヒートパイプ式冷却器100が形成される。
これにより、発熱体4が設置される面を有する受熱部5及び受熱部5と対向する接続部6を有する主管体1と、内部が主管体1の内部と連通するように接続部6に接続される枝管体2と、を有するヒートパイプユニットと、枝管体2に取り付けられるフィン3と、を備え、受熱部5と接続部6との間の空間領域が多段に分割されて複数の空間部が形成され、複数の空間部のそれぞれの内部には冷媒8が配置されるヒートパイプ式冷却器100を製造できる。
上述の構成によって、ヒートパイプ式冷却器100の重量増加を抑制できる。
さらに、ベースブロックを介さずに、主管体1に発熱体4が取り付けられるため、冷却効率を向上できる。
実施の形態2.
図5は、実施の形態2にかかるヒートパイプ式冷却器110の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器110は、半円状の接続部6を有する点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図5は、実施の形態2にかかるヒートパイプ式冷却器110の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器110は、半円状の接続部6を有する点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図6は、実施の形態2にかかるヒートパイプ式冷却器110の製造方法を示す工程図である。ステップST30では、半円状の接続部6を、板状の受熱部5に配置し、取り付ける(接続部取付工程)。このとき、半円状の接続部6は、受熱部5のY軸方向に複数配置されるため、ヒートパイプ式冷却器110は多段構造を有する。半円状の接続部6が、ヒートパイプ式冷却器100の受熱部5の側面部も兼ねているため、ステップST1及びステップST2に相当するステップは記載していない。ステップST4~ST6は、ヒートパイプ式冷却器100の製造方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上述の構成によって、ヒートパイプ式冷却器110の重量増加を抑制できる。
また、半円状の接続部6を受熱部5に取り付けることにより、ろう付けの回数を減らすことができ、作業性を向上できる。そして、主管体1の複数の空間部の間で冷媒8がリークすることを抑制できる。
なお、実施の形態2において、半円状の接続部6を受熱部5に取り付ける例を示したが、半円状とは、楕円状及び扁平状も含む。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3にかかるヒートパイプ式冷却器120の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器120は、受熱部5が凹凸形状である点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図7は、実施の形態3にかかるヒートパイプ式冷却器120の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器120は、受熱部5が凹凸形状である点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図8は、実施の形態3にかかるヒートパイプ式冷却器120の製造方法を示す工程図である。ステップST10では、受熱部材を曲げ、連続した凹凸形状を有する受熱部5を形成する(受熱部形成工程)。受熱部5の凹凸形状は、例えば金型を用いた押出加工、又はプレス加工等によって、一枚の板状の受熱部材を曲げて形成すればよい。
ここで、受熱部5の凹凸形状について説明する。凹凸形状は、図8に示すように、ヒートパイプ式冷却器100の設置面から反設置面方向へ連続して形成されている。凹凸形状のうち、例えば、凸部によって主管体1の内部の複数の空間部が形成される。そして、各凸部の内部に冷媒8が配置される。また、受熱部5の凹部、すなわち接続部6側に突き出した部分は、ヒートパイプ式冷却器100の仕切板7に相当する。
ステップST3~ST6は、ヒートパイプ式冷却器100の製造方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように、ヒートパイプ式冷却器120の製造方法は、受熱部材(第1の板部材)を曲げ、連続した凹凸形状を形成し、受熱部5(凹凸部材)を形成する受熱部形成工程(凹凸部材形成工程)と、受熱部5に接続部材(第2の板部材)を取り付け接続部6(取付部材)とし、受熱部5と接続部6との間の空間領域が凹凸形状の凹部によって分割され、多段構造を有する主管体1を形成する主管体形成工程と、受熱部5又は接続部6に枝管体2を取り付け、主管体1の内部と枝管体2の内部とを連通させて接続する枝管体接続工程と、主管体1の凹凸形状の凸部に冷媒8を注入する冷媒注入工程と、枝管体2にフィン3を取り付けるフィン取付工程とを有するものである。
上述の構成によって、ヒートパイプ式冷却器110の重量増加を抑制できる。
また、仕切板7を用いずに主管体1の多段構造を形成できるため、部品数を削減できる。
また、仕切板7を用いないため、例えばろう付による接続箇所を削減できるため、作業性を向上できる。
なお、受熱部5を第1面、接続部6を第2の板部としたが、逆でもよい。凹凸形状は受熱部5に限ることなく、接続部6が凹凸形状、又は受熱部5及び接続部6の両方が凹凸形状を有していてもよい。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4にかかるヒートパイプ式冷却器130の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器130は、受熱部5の、発熱体4に設置される面とは反対の面に、ウィック9が配置される点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図9は、実施の形態4にかかるヒートパイプ式冷却器130の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器130は、受熱部5の、発熱体4に設置される面とは反対の面に、ウィック9が配置される点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
ウィック9は、例えば微粒子を素材とした多孔質焼結体又は網状体等である。ウィック9は、例えば半田によって、受熱部5に取り付けられる。
上述の構成によって、ヒートパイプ式冷却器130の重量増加を抑制できる。
また、受熱部5にウィック9が配置されることにより、ウィック9の毛細管力によって冷媒8が吸い上げられ、冷媒8が保持されるため、冷媒8の沸騰の促進及び冷却効率を向上できる。
なお、実施の形態4において、発熱体4に設置されたウィック9の高さ、すなわち受熱部5から接続部6に向かう方向への長さは、受熱部5から接続部6までの長さ未満とする。ウィック9の長さが、受熱部5から接続部6までの長さ以上であると、ウィック9が枝管体2内に入り、これによって、ウィック9に付着した冷媒8が枝管体2内に冷媒が流入するおそれがある。その結果、主管体1内の冷媒量が少なくなり、十分な沸騰が起こらず、冷却効率が低下する。ウィック9の長さが、受熱部5から接続部6までの長さ未満であれば、ウィック9に付着した冷媒8が、枝管体2に流入することを抑制できる。
実施の形態5.
図10は、実施の形態5にかかるヒートパイプ式冷却器140の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器140は、受熱部5に埋込部10を形成し、埋込部10に発熱体4を取り付ける点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図10は、実施の形態5にかかるヒートパイプ式冷却器140の概略断面図である。ヒートパイプ式冷却器140は、受熱部5に埋込部10を形成し、埋込部10に発熱体4を取り付ける点で、ヒートパイプ式冷却器100と異なる。
図11は、実施の形態5にかかるヒートパイプ式冷却器140の製造方法を示す工程図である。ステップST11では、受熱部材の一部に埋込部10を形成し、受熱部5を形成する(受熱部形成工程)。埋込部10は、例えばプレス加工によって形成される。形成された埋込部10は、主管体1の各空間部の内部、すなわち接続部6側へ突き出すように形成される。発熱体4の少なくとも一部、例えば図11に示すように、3面を覆うように、受熱部5の埋込部10は発熱体4に設置される。埋込部10は、設置される発熱体4の形状に沿って形成することが望ましいが、この限りではない。
ステップST2~ST6は、ヒートパイプ式冷却器100の製造方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
上述の構成によって、ヒートパイプ式冷却器140の重量増加を抑制できる。
また、発熱体4を受熱部5の凸形状に埋め込むように取り付けることにより、発熱体4と受熱部5との接触面積が増え、より冷却効率を向上できる。
なお、実施の形態5において、仕切板7を配置する例を示したが、ヒートパイプ式冷却器130のように、凹凸形状を有する受熱部5としてもよい。
なお、本開示において、発熱体4ごとにヒートパイプユニットを分割しているが、この分割方法に限定することなく、発熱体4の数とヒートパイプユニットの分割数は自由に設定すればよい。
また、本開示において、受熱部5の厚みは、受熱部5と接続部6との間の長さよりも薄く形成する。これにより、ヒートパイプユニットを軽量化できるとともに、発熱体4からの熱を効率よく冷媒8に伝えることができる。
また、実施の形態4及び実施の形態5の受熱部5にウィック9を配置する例を示したが、いずれの実施の形態にも適用できる。
また、本開示において、主管体の断面は、実施の形態1の長方形、又は実施の形態2の半円状に限られず、受熱部5を複数の空間部に分割できれば良いものとする。
また、本開示において、主管体1の各空間部の断面形状は、限定されないが、Y軸方向を長辺、Z軸方向を短辺とした長方形となっていることが望ましい。これは、各空間部の内部で冷媒8が十分な水位を保つようにするためである。冷媒8の水位が高ければ高いほど、発熱体4と冷媒8とが受熱部5を介して接している面積が大きくなり、冷媒の沸騰が促進される。
また、本開示において、主管体1の分割の間隔、すなわち主管体1の各空間部は等間隔形成されているが、発熱体4の大きさが異なる場合等は、不等間隔に分割すればよい。
また、本開示において、枝管体2の接続端部が主管体1内に貫通せずに接続部6に接続されているが、枝管体2を接続部6へ貫通させてもよい。これにより、枝管体2の接続端部を接続部6に合わせてカットする必要がなくなるため、作業性が向上するとともに、製造コストを削減できる。
また、本開示において、フィン3と設置面との角度は直交としているが、この限りではなく、枝管体2とフィン3との角度を直交としてもよい。ただし、フィン3と設置面との角度を直交させることにより、図示しないヒートパイプ式冷却器カバーの網目と方向を合わせることができるため、走行風が流入しやすくする。
また、本開示において、枝管体2の配置は、左右、上下等間隔になっているが、枝管体2の配置方法はこの配置に限定されることなく、不等間隔や千鳥配置を行ってもよい。千鳥配置を行った場合、枝管体2周りの温度境界層の発達を抑制でき、高効率な冷却が期待できる。
また、本開示のヒートパイプ式冷却器100~140には、冷媒8として、アセトン、メタノール、又はエタノール等の不凍液を用いることができる。さらに、水又は水にアルコール等を混合させた液体等も用いることができる。
また、冷媒注入孔20の位置を、各注入管の先端としているが、この位置に限るものではない。
また、本開示において、主管体1及び枝管体2の材料は、熱伝導率及び加工性の良い銅又はアルミ等とすればよい。フィン3の材料は、熱伝導率の良いアルミ又は銅等とすればよい。
また、本開示において、主管体1と枝管体2とを別体として接続し、ヒートパイプユニットとする例を示したが、主管体1と枝管体2とを一体に形成してもよい。
また、本開示において、ヒートパイプ式冷却器100~140を、設置面に対して垂直に配置する例を示したが、発熱体4の形状によって傾斜させて配置してもよい。
なお、本開示は、発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることや、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 主管体、2 枝管体、3 フィン、4 発熱体、5 受熱部、6 接続部、7 仕切板、8 冷媒、9 ウィック、10 埋込部、20 冷媒注入孔、100、110、120、130、140 ヒートパイプ式冷却器。
Claims (9)
- 発熱体が設置される面を有する受熱部及び前記受熱部と対向する接続部を有する主管体と、内部が前記主管体の内部と連通するように前記接続部に接続される枝管体と、を有するヒートパイプユニットと、
前記枝管体に取り付けられるフィンと、を備え、
前記受熱部と前記接続部との間の空間領域が多段に分割されて複数の空間部が形成され、前記複数の空間部には冷媒が配置される
ヒートパイプ式冷却器。 - 前記ヒートパイプユニットは、前記受熱部と前記接続部との間の空間領域を多段に分割する仕切板をさらに備える、
請求項1に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記接続部は半円状である、
請求項1に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記受熱部又は前記接続部は凹凸形状である、
請求項1に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記受熱部の厚みは、前記受熱部から前記接続部までの長さよりも薄い、
請求項1~4のいずれか一項に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記受熱部は、前記発熱体が設置される面とは反対の面に、ウィックが配置される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記ウィックにおける、前記受熱部から前記接続部に向かう方向の長さが、前記受熱部から前記接続部までの長さ未満である、
請求項6に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 前記受熱部は、前記発熱体の外周の少なくとも一部を覆うように形成される、
請求項1~7のいずれか一項に記載のヒートパイプ式冷却器。 - 第1の板部材を曲げ、連続した凹凸形状を形成し、凹凸部材を形成する凹凸部材形成工程と、
前記凹凸部材に第2の板部材を取り付け取付部材とし、前記凹凸部材と前記取付部材との間の空間領域が前記凹凸形状の凹部によって分割され、多段構造を有する主管体を形成する主管体形成工程と、
前記凹凸部材又は前記取付部材に枝管体を取り付け、前記主管体の内部と前記枝管体の内部とを連通させて接続する枝管体接続工程と、
前記主管体の前記凹凸形状の凸部に冷媒を注入する冷媒注入工程と、
前記枝管体にフィンを取り付けるフィン取付工程と
を有するヒートパイプ式冷却器の製造方法。
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