WO2021044929A1 - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

フッ素のバリア性と低抵抗を両立するタングステン膜を成膜する基板処理方法及び基板処理装置を提供する。 下地膜が形成された基板上に、第1タングステン含有ガスを用いて第1タングステン膜を成膜する工程と、前記第1タングステン膜の上に、第2タングステン含有ガスを用いて第2タングステン膜を成膜する工程と、を有し、記第1タングステン含有ガスと前記第2タングステン含有ガスとは異なるガスである、基板処理方法。

Description

基板処理方法及び基板処理装置
 本開示は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
 例えば、基板にタングステン膜を成膜する成膜装置が知られている。
 特許文献1には、基板の表面にタングステンの核を生成するための初期タングステン膜を形成する工程と、初期タングステン膜の表面に核形成のための物質を含むガスを吸着させる工程と、初期タングステン膜の結晶性を遮断する結晶性遮断タングステン膜を成膜する工程と、主タングステン膜を成膜する工程とを有することを特徴とするタングステン膜の成膜方法が開示されている。
特開2013-213274号公報
 一の側面では、本開示は、フッ素のバリア性と低抵抗を両立するタングステン膜を成膜する基板処理方法及び基板処理装置を提供する。
 上記課題を解決するために、一の態様によれば、下地膜が形成された基板上に、第1タングステン含有ガスを用いて第1タングステン膜を成膜する工程と、前記第1タングステン膜の上に、第2タングステン含有ガスを用いて第2タングステン膜を成膜する工程と、を有し、前記第1タングステン含有ガスと前記第2タングステン含有ガスとは異なるガスである、基板処理方法が提供される。
 一の側面によれば、フッ素のバリア性と低抵抗を両立するタングステン膜を成膜する基板処理方法及び基板処理装置を提供することができる。
基板処理システムの構成例を示す概略図。 第1の成膜装置の構成例を示す概略図。 第2の成膜装置の構成例を示す概略図。 第3の成膜装置の構成例を示す概略図。 成膜装置動作の一例を示すタイムチャート。 基板処理システムの動作の一例を示すフローチャート。 基板処理システムによりタングステン膜が成膜されたウェハの一例。 基板処理システムの動作の他の一例を示すフローチャート。 基板処理システムによりタングステン膜が成膜されたウェハの他の一例。 フッ素の拡散の一例を示すグラフ。 タングステン膜の膜厚と比抵抗との関係の一例を示すグラフ。 タングステン膜の膜厚と比抵抗との関係の一例を示すグラフ。
 以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〔基板処理システム〕
 本実施形態に係る基板処理システムについて、図1を用いて説明する。図1は、基板処理システムの構成例を示す概略図である。
 図1に示されるように、基板処理システムは、成膜装置101~104と、真空搬送室200と、ロードロック室301~303と、大気搬送室400と、ロードポート501~503と、全体制御部600と、を備える。
 成膜装置101~104は、それぞれゲートバルブG11~G14を介して真空搬送室200と接続されている。成膜装置101~104内は所定の真空雰囲気に減圧され、その内部にてウエハWに所望の処理を施す。一実施形態では、成膜装置101~103はタングステン膜を形成する装置である。成膜装置104は、成膜装置101~103のいずれかと同じ装置であってもよく、別の処理を行う装置であってもよい。
 真空搬送室200内は、所定の真空雰囲気に減圧されている。真空搬送室200には、減圧状態でウエハWを搬送可能な搬送機構201が設けられている。搬送機構201は、成膜装置101~104、ロードロック室301~303に対して、ウエハWを搬送する。搬送機構201は、例えば2つの搬送アーム202a,202bを有する。
 ロードロック室301~303は、それぞれゲートバルブG21~G23を介して真空搬送室200と接続され、ゲートバルブG31~G33を介して大気搬送室400と接続されている。ロードロック室301~303内は、大気雰囲気と真空雰囲気とを切り替えることができるようになっている。
 大気搬送室400内は、大気雰囲気となっており、例えば清浄空気のダウンフローが形成されている。大気搬送室400内には、ウエハWのアライメントを行うアライナ401が設けられている。また、大気搬送室400には、搬送機構402が設けられている。搬送機構402は、ロードロック室301~303、後述するロードポート501,502のキャリアC、アライナ401に対して、ウエハWを搬送する。
 ロードポート501~503は、大気搬送室400の長辺の壁面に設けられている。ロードポート501~503は、ウエハWが収容されたキャリアC又は空のキャリアCが取り付けられる。キャリアCとしては、例えばFOUP(Front Opening Unified Pod)を利用できる。
 全体制御部600は、基板処理システムの各部を制御する。例えば、全体制御部600は、成膜装置101~104の動作、搬送機構201,402の動作、ゲートバルブG11~G14,G21~G23,G31~G33の開閉、ロードロック室301~303内の雰囲気の切り替え等を実行する。全体制御部600は、例えばコンピュータであってよい。
 次に、成膜装置101の構成例について説明する。成膜装置101は、減圧状態の処理容器内でALD法又はCVD法によりタングステン膜を形成する第1の成膜装置の一例である。図2は、成膜装置101の構成例を示す概略図である。
 図2に示されるように、成膜装置101は、処理容器1と、載置台2と、シャワーヘッド3と、排気部4と、ガス供給機構6と、制御部9とを有している。
 処理容器1は、アルミニウム等の金属により構成され、略円筒状を有している。処理容器1は、ウエハWを収容する。処理容器1の側壁にはウエハWを搬入又は搬出するための搬入出口11が形成され、搬入出口11はゲートバルブ12により開閉される。処理容器1の本体の上には、断面が矩形状をなす円環状の排気ダクト13が設けられている。排気ダクト13には、内周面に沿ってスリット13aが形成されている。排気ダクト13の外壁には、排気口13bが形成されている。排気ダクト13の上面には、処理容器1の上部開口を塞ぐように天壁14が設けられている。排気ダクト13と天壁14との間はシールリング15で気密に封止されている。区画部材16は、載置台2(およびカバー部材22)が後述する処理位置へと上昇した際、処理容器1の内部を上下に区画する。
 載置台2は、処理容器1内でウエハWを水平に支持する。載置台2は、ウエハWに対応した大きさの円板状に形成されており、支持部材23に支持されている。載置台2は、AlN等のセラミックス材料や、アルミニウムやニッケル合金等の金属材料で形成されており、内部にウエハWを加熱するためのヒータ21が埋め込まれている。ヒータ21は、ヒータ電源(図示せず)から給電されて発熱する。そして、載置台2の上面の近傍に設けられた熱電対(図示せず)の温度信号によりヒータ21の出力を制御することで、ウエハWが所定の温度に制御される。載置台2には、上面の外周領域及び側面を覆うようにアルミナ等のセラミックスにより形成されたカバー部材22が設けられている。
 載置台2の底面には、載置台2を支持する支持部材23が設けられている。支持部材23は、載置台2の底面の中央から処理容器1の底壁に形成された孔部を貫通して処理容器1の下方に延び、その下端が昇降機構24に接続されている。昇降機構24により載置台2が支持部材23を介して、図2で示す処理位置と、その下方の二点鎖線で示すウエハWの搬送が可能な搬送位置との間で昇降する。支持部材23の処理容器1の下方には、鍔部25が取り付けられており、処理容器1の底面と鍔部25の間には、処理容器1内の雰囲気を外気と区画し、載置台2の昇降動作にともなって伸縮するベローズ26が設けられている。
 処理容器1の底面の近傍には、昇降板27aから上方に突出するように3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン27が設けられている。ウエハ支持ピン27は、処理容器1の下方に設けられた昇降機構28により昇降板27aを介して昇降する。ウエハ支持ピン27は、搬送位置にある載置台2に設けられた貫通孔2aに挿通されて載置台2の上面に対して突没可能となっている。ウエハ支持ピン27を昇降させることにより、搬送機構(図示せず)と載置台2との間でウエハWの受け渡しが行われる。
 シャワーヘッド3は、処理容器1内に処理ガスをシャワー状に供給する。シャワーヘッド3は、金属製であり、載置台2に対向するように設けられており、載置台2とほぼ同じ直径を有している。シャワーヘッド3は、処理容器1の天壁14に固定された本体部31と、本体部31の下に接続されたシャワープレート32とを有している。本体部31とシャワープレート32との間にはガス拡散空間33が形成されており、ガス拡散空間33には処理容器1の天壁14及び本体部31の中央を貫通するようにガス導入孔36,37が設けられている。シャワープレート32の周縁部には下方に突出する環状突起部34が形成されている。環状突起部34の内側の平坦面には、ガス吐出孔35が形成されている。載置台2が処理位置に存在した状態では、載置台2とシャワープレート32との間に処理空間38が形成され、カバー部材22の上面と環状突起部34とが近接して環状隙間39が形成される。
 排気部4は、処理容器1の内部を排気する。排気部4は、排気口13bに接続された排気配管41と、排気配管41に接続された真空ポンプや圧力制御バルブ等を有する排気機構42とを有する。処理に際しては、処理容器1内のガスがスリット13aを介して排気ダクト13に至り、排気ダクト13から排気配管41を通って排気機構42により排気される。
 ガス供給機構6は、処理容器1内に処理ガスを供給する。ガス供給機構6は、WClガス供給源61a、Nガス供給源62a、Nガス供給源63a、Hガス供給源64a、Hガス供給源65a、Nガス供給源66a、Nガス供給源67aを有する。
 WClガス供給源61aは、ガス供給ライン61bを介してWClガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン61bには、上流側から流量制御器61c、貯留タンク61d及びバルブ61eが介設されている。ガス供給ライン61bのバルブ61eの下流側は、ガス導入孔36に接続されている。WClガス供給源61aから供給されるWClガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク61dで一旦貯留され、貯留タンク61d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク61dから処理容器1へのWClガスの供給及び停止は、バルブ61eの開閉により行われる。このように貯留タンク61dへWClガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のWClガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 Nガス供給源62aは、ガス供給ライン62bを介してパージガスであるNガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン62bには、上流側から流量制御器62c、貯留タンク62d及びバルブ62eが介設されている。ガス供給ライン62bのバルブ62eの下流側は、ガス供給ライン61bに接続されている。Nガス供給源62aから供給されるNガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク62dで一旦貯留され、貯留タンク62d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク62dから処理容器1へのNガスの供給及び停止は、バルブ62eの開閉により行われる。このように貯留タンク62dへNガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のNガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 Nガス供給源63aは、ガス供給ライン63bを介してキャリアガスであるNガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン63bには、上流側から流量制御器63c、バルブ63e及びオリフィス63fが介設されている。ガス供給ライン63bのオリフィス63fの下流側は、ガス供給ライン61bに接続されている。Nガス供給源63aから供給されるNガスはウエハWの成膜中に連続して処理容器1内に供給される。Nガス供給源63aから処理容器1へのNガスの供給及び停止は、バルブ63eの開閉により行われる。貯留タンク61d,62dによってガス供給ライン61b,62bには比較的大きい流量でガスが供給されるが、オリフィス63fによってガス供給ライン61b,62bに供給されるガスがNガス供給ライン63bに逆流することが抑制される。
 Hガス供給源64aは、ガス供給ライン64bを介して添加還元ガスであるHガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン64bには、上流側から流量制御器64c、バルブ64e及びオリフィス64fが介設されている。ガス供給ライン64bのオリフィス64fの下流側は、ガス導入孔37に接続されている。Hガス供給源64aから供給されるHガスはウエハWの成膜中に連続して処理容器1内に供給される。Hガス供給源64aから処理容器1へのHガスの供給及び停止は、バルブ64eの開閉により行われる。貯留タンク65d,66dによってガス供給ライン65b,66bには比較的大きい流量でガスが供給されるが、オリフィス64fによってガス供給ライン65b,66bに供給されるガスがHガス供給ライン64bに逆流することが抑制される。
 Hガス供給源65aは、ガス供給ライン65bを介して還元ガスであるHガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン65bには、上流側から流量制御器65c、貯留タンク65d及びバルブ65eが介設されている。ガス供給ライン65bのバルブ65eの下流側は、ガス供給ライン64bに接続されている。Hガス供給源65aから供給されるHガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク65dで一旦貯留され、貯留タンク65d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク65dから処理容器1へのHガスの供給及び停止は、バルブ65eの開閉により行われる。このように貯留タンク65dへHガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のHガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 Nガス供給源66aは、ガス供給ライン66bを介してパージガスであるNガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン66bには、上流側から流量制御器66c、貯留タンク66d及びバルブ66eが介設されている。ガス供給ライン66bのバルブ66eの下流側は、ガス供給ライン64bに接続されている。Nガス供給源66aから供給されるNガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク66dで一旦貯留され、貯留タンク66d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク66dから処理容器1へのNガスの供給及び停止は、バルブ66eの開閉により行われる。このように貯留タンク66dへNガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のNガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 Nガス供給源67aは、ガス供給ライン67bを介してキャリアガスであるNガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン67bには、上流側から流量制御器67c、バルブ67e及びオリフィス67fが介設されている。ガス供給ライン67bのオリフィス67fの下流側は、ガス供給ライン64bに接続されている。Nガス供給源67aから供給されるNガスはウエハWの成膜中に連続して処理容器1内に供給される。Nガス供給源67aから処理容器1へのNガスの供給及び停止は、バルブ67eの開閉により行われる。貯留タンク65d,66dによってガス供給ライン65b,66bには比較的大きい流量でガスが供給されるが、オリフィス67fによってガス供給ライン65b,66bに供給されるガスがNガス供給ライン67bに逆流することが抑制される。
 制御部9は、例えばコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等を備える。CPUは、ROM又は補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、成膜装置101の動作を制御する。制御部9は、成膜装置101の内部に設けられていてもよく、外部に設けられていてもよい。制御部9が成膜装置101の外部に設けられている場合、制御部9は、有線又は無線等の通信手段によって、成膜装置101を制御できる。
 次に、成膜装置102の構成例について説明する。成膜装置102は、減圧状態の処理容器内でALD法又はCVD法によりタングステン膜を形成する第2の成膜装置の一例である。図3は、成膜装置102の構成例を示す概略図である。
 図3に示されるように、成膜装置102は、成膜装置101におけるガス供給機構6に代えてガス供給機構6Aを有している点で成膜装置101と異なる。なお、その他の点については成膜装置101と同様であるので、成膜装置101と異なる点を中心に説明する。
 ガス供給機構6Aは、処理容器1内に処理ガスを供給する。ガス供給機構6Aは、WFガス供給源68a、Nガス供給源62a、Nガス供給源63a、Bガス供給源69a、Nガス供給源66a、及びNガス供給源67aを有する。
 WFガス供給源68aは、ガス供給ライン68bを介してWFガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン68bには、上流側から流量制御器68c、貯留タンク68d及びバルブ68eが介設されている。ガス供給ライン68bのバルブ68eの下流側は、ガス導入孔36に接続されている。WFガス供給源68aから供給されるWFガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク68dで一旦貯留され、貯留タンク68d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク68dから処理容器1へのWFガスの供給及び停止は、バルブ68eの開閉により行われる。このように貯留タンク68dへWFガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のWFガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 ガス供給ライン62bのバルブ62eの下流側は、ガス供給ライン68bに接続されている。ガス供給ライン63bのオリフィス63fの下流側は、ガス供給ライン68bに接続されている。なお、Nガス供給源62a及びNガス供給源63aの構成は、成膜装置101のガス供給機構6と同様であり、重複する説明を省略する。
 Bガス供給源69aは、ガス供給ライン69bを介して還元ガスであるBガスを処理容器1内に供給する。ガス供給ライン69bには、上流側から流量制御器69c、貯留タンク69d及びバルブ69eが介設されている。ガス供給ライン69bのバルブ69eの下流側は、ガス導入孔37に接続されている。Bガス供給源69aから供給されるBガスは処理容器1内に供給される前に貯留タンク69dで一旦貯留され、貯留タンク69d内で所定の圧力に昇圧された後、処理容器1内に供給される。貯留タンク69dから処理容器1へのBガスの供給及び停止は、バルブ69eの開閉により行われる。このように貯留タンク69dへBガスを一旦貯留することで、比較的大きい流量のBガスを処理容器1内に安定して供給できる。
 ガス供給ライン66bのバルブ66eの下流側は、ガス供給ライン69bに接続されている。ガス供給ライン67bのオリフィス67fの下流側は、ガス供給ライン69bに接続されている。なお、Nガス供給源66a及びNガス供給源67aの構成は、成膜装置101のガス供給機構6と同様であり、重複する説明を省略する。
 次に、成膜装置103の構成例について説明する。成膜装置103は、減圧状態の処理容器内でALD法又はCVD法によりタングステン膜を形成する第3の成膜装置の一例である。図4は、成膜装置103の構成例を示す概略図である。
 図4に示されるように、成膜装置103は、成膜装置101におけるガス供給機構6に代えてガス供給機構6Bを有している点で成膜装置101と異なる。なお、その他の点については成膜装置101と同様であるので、成膜装置101と異なる点を中心に説明する。
 ガス供給機構6Bは、処理容器1内に処理ガスを供給する。ガス供給機構6Bは、WFガス供給源68a、Nガス供給源62a、Nガス供給源63a、Hガス供給源64a、Hガス供給源65a、Nガス供給源66a、Nガス供給源67aを有する。なお、WFガス供給源68a、Nガス供給源62a、Nガス供給源63a、Hガス供給源64a、Hガス供給源65a、Nガス供給源66a、Nガス供給源67aの構成は、成膜装置101のガス供給機構6及び成膜装置102のガス供給機構6Aと同様であり、重複する説明を省略する。
 次に、成膜装置101の動作の一例について、ALDプロセスによりタングステン膜を成膜する場合を例に図5を用いて説明する。
 図5に示されるALDプロセスは、WClガスを供給する工程S501、Nガスを供給する工程S502、Hガスを供給する工程S503、及びNガスを供給する工程S504を所定サイクル繰り返し、WClガスとHガスを交互に供給して基板Wの上に所望の膜厚のタングステン膜を形成するプロセスである。なお、図5では、1サイクルのみを示す。
 WClガスを供給する工程S501は、WClガスを処理空間38に供給する工程である。WClガスを供給する工程S501では、まず、バルブ63e,67eを開いた状態で、Nガス供給源63a,67aから、ガス供給ライン63b,67bを経てNガス(キャリアNガス)を供給する。また、バルブ61eを開くことにより、WClガス供給源61aからガス供給ライン61bを経てWClガスを処理容器1内の処理空間38に供給する。このとき、WClガスは、貯留タンク61dに一旦貯留された後に処理容器1内に供給される。また、バルブ64eを開くことにより、Hガスを処理空間38に供給する。WClガスを供給する工程501において、WClガスと同時に添加還元ガスとしてHガスを供給することにより、供給されたWClガスが活性化され、その後のHガスを供給する工程503の際の成膜反応が生じやすくなる。そのため、高いステップカバレッジを維持し、且つ1サイクルあたりの堆積膜厚を厚くして成膜速度を大きくすることができる。添加還元ガスとしてのHガスの流量としては、WClガスを供給する工程501においてCVD反応が生じない程度の流量とすることができる。
 Nガスを供給する工程S502は、処理空間38の余剰のWClガス等をパージする工程である。Nガスを供給する工程S502では、ガス供給ライン63b,67bを介してのNガス(キャリアNガス)の供給を継続した状態で、バルブ61eを閉じてWClガスの供給を停止する。また、バルブ62e,66eを開く。これにより、Nガス供給源62a,66aからガス供給ライン62b,66bを経てNガス(パージNガス)を処理容器1内の処理空間38に供給する。このとき、Nガスは、貯留タンク62d,66dに一旦貯留された後に処理容器1内に供給されるので、比較的大きい流量を供給することができる。これにより、処理空間38の余剰のWClガス等をパージする。
 Hガスを供給する工程S503は、Hガスを処理空間38に供給する工程である。Hガスを供給する工程S503では、ガス供給ライン63b,67bを介してNガス(キャリアNガス)の供給を継続した状態で、バルブ65eを開く。これにより、Hガス供給源65aからガス供給ライン65bを経てHガスを処理空間38に供給する。このとき、Hガスは、貯留タンク65dに一旦貯留された後に処理容器1内に供給される。Hガスを供給する工程S503により、基板W上に吸着したWClが還元される。このときのHガスの流量は、十分に還元反応が生じる量とすることができる。なお、ガス供給ライン64bにより処理空間38に供給されるHガスの流量は、ガス供給ライン65bにより処理空間38に供給されるHガスの流量よりも小さい。
 Nガスを供給する工程S504は、処理空間38の余剰のHガスをパージする工程である。Nガスを供給する工程S504では、ガス供給ライン63b,67bを介してのNガス(キャリアNガス)の供給を継続した状態で、バルブ65eを閉じてHガスの供給を停止する。また、バルブ62e,66eを開く。これにより、Nガス供給源62a,66aからガス供給ライン62b,66bを経てNガス(パージNガス)を処理容器1内の処理空間38に供給する。このとき、Nガスは、貯留タンク62d,66dに一旦貯留された後に処理容器1内に供給されるので、比較的大きい流量を供給することができる。これにより、処理空間38の余剰のHガス等をパージする。
 以上のサイクルを繰り返すことで、ウェハWにタングステン膜を成膜する。
 以上、図5を用いて成膜装置101の動作の一例について説明した。成膜装置102の動作の一例は、図5において、括弧内に示すように、原料ガスWClからWFと読み替えて、還元ガスをHからBに読み替えて、常時供給される添加還元ガスのHがないものとして読み替えればよい。また、成膜装置103の動作の一例は、図5において、原料ガスWClからWFと読み替えればよい。
 〔基板処理システムの動作〕
 次に、基板処理システムの動作の一例について図1、図6及び図7を用いて説明する。図6は、基板処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。図7は、基板処理システムによってタングステン膜が成膜されたウェハWの一例である。
 ステップS101において、基板Wを準備する。例えば、ロードポート501のキャリアCに収容されたウエハWを準備する。ここで、ウェハWは、図7に示すように、SIO2層701の上に、AlO膜702及びTiN膜703が成膜されている。
 ステップS102において、WClガスとHガスを用いたタングステン膜704を成膜する。具体的には、まず、全体制御部600は、ゲートバルブG31を開けると共に、搬送機構402を制御して、例えばロードポート501のキャリアCに収容されたウエハWをアライナ401を介してロードロック室301に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG31を閉じ、ロードロック室301内を真空雰囲気とする。全体制御部600は、ゲートバルブG11,G21を開けると共に、搬送機構201を制御して、ロードロック室301のウエハWを成膜装置101に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG11,G21を閉じ、成膜装置101を動作させる。これにより、成膜装置101でウエハWにタングステン膜を形成する処理を施す。
 ここで、ステップS102におけるWClガスとHガスを用いたタングステン膜704の成膜条件の好ましい範囲を以下に示す。
温度:250~600℃
圧力:0.1~50Torr
WClガス流量:10~2000mg/min
キャリアガス(N)流量:500~30000sccm
パージガス(N)流量:0~20000sccm
ガス流量:500~20000sccm
WClガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
ガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
 ステップS103において、WFガスとHガスを用いたタングステン膜706を成膜する。具体的には、全体制御部600は、ゲートバルブG11,G12を開けると共に、搬送機構201を制御して、成膜装置101にて処理されたウエハWを成膜装置103に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG12,G13を閉じ、成膜装置103を動作させる。これにより、成膜装置103でウエハWにタングステン膜を形成する処理を施す。
 ここで、ステップS103におけるWFガスとHガスをいたタングステン膜706の成膜条件の好ましい範囲を以下に示す。
温度:250~550℃
圧力:0.1~10Torr
WFガス流量:100~500sccm
キャリアガス(N)流量:3000~30000sccm
パージガス(N)流量:1000~10000sccm
ガス流量:1000~10000sccm
WFガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
ガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
 続いて、全体制御部600は、成膜装置103にて処理されたウエハWを、搬送機構201を制御して、例えばロードロック室303に搬送させる。全体制御部600は、ロードロック室303内を大気雰囲気とする。全体制御部600は、ゲートバルブG33を開けると共に、搬送機構402を制御して、ロードロック室303のウエハWを例えばロードポート503のキャリアCに搬送して収容させる。
 このように、図1に示す基板処理システムによれば、各成膜装置によってウエハWに処理が施される間、ウエハWを大気に曝露することなく、つまり、真空を破らずにウエハWに所定の処理を施すことができる。
 次に、基板処理システムの動作の他の一例について図1、図8及び図9を用いて説明する。図8は、基板処理システムの動作の他の一例を示すフローチャートである。図9は、基板処理システムによってタングステン膜が成膜されたウェハWの他の一例である。
 ステップS201において、基板Wを準備する。例えば、ロードポート501のキャリアCに収容されたウエハWを準備する。ここで、ウェハWは、図9に示すように、SIO層701の上に、AlO膜702及びTiN膜703が成膜されている。
 ステップS202において、WClガスとHガスを用いたタングステン膜704を成膜する。具体的には、まず、全体制御部600は、ゲートバルブG31を開けると共に、搬送機構402を制御して、例えばロードポート501のキャリアCに収容されたウエハWをアライナ401を介してロードロック室301に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG31を閉じ、ロードロック室301内を真空雰囲気とする。全体制御部600は、ゲートバルブG11,G21を開けると共に、搬送機構201を制御して、ロードロック室301のウエハWを成膜装置101に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG11,G21を閉じ、成膜装置101を動作させる。これにより、成膜装置101でウエハWにタングステン膜を形成する処理を施す。
 ここで、ステップS202におけるWClガスとHガスを用いたタングステン膜704の成膜条件の好ましい範囲を以下に示す。
温度:250~600℃
圧力:0.1~50Torr
WClガス流量:10~2000mg/min
キャリアガス(N)流量:500~30000sccm
パージガス(N)流量:0~20000sccm
ガス流量:500~20000sccm
WClガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
ガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
 ステップS203において、WFガスとBガスを用いたタングステン膜705を成膜する。具体的には、全体制御部600は、ゲートバルブG11,G12を開けると共に、搬送機構201を制御して、成膜装置101にて処理されたウエハWを成膜装置102に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG11,G12を閉じ、成膜装置102を動作させる。これにより、成膜装置102でウエハWにタングステン膜を形成する処理を施す。
 ここで、ステップS203におけるWFガスとBガスを用いたタングステン膜705の成膜条件の好ましい範囲を以下に示す。なお、還元ガスとしてのBガスは、SiHガスであってもよい。
温度:150~550℃
圧力:0.1~50Torr
WFガス流量:10~500sccm
キャリアガス(N)流量:3000~30000sccm
パージガス(N)流量:1000~10000sccm
SiHガス、Bガス流量:10~1000sccm
WFガス供給時間:0.05~5秒
パージガス(N)供給時間:0.05~5秒
SiHガス、Bガス供給時間:0.05~5秒
パージガス(N)供給時間:0.05~5秒
 ステップS204において、WFガスとHガスを用いたタングステン膜706を成膜する。具体的には、全体制御部600は、ゲートバルブG12,G13を開けると共に、搬送機構201を制御して、成膜装置102にて処理されたウエハWを成膜装置103に搬送させる。全体制御部600は、ゲートバルブG12,G13を閉じ、成膜装置103を動作させる。これにより、成膜装置103でウエハWにタングステン膜を形成する処理を施す。
 ここで、ステップS204におけるWFガスとHガスを用いたタングステン膜706の成膜条件の好ましい範囲を以下に示す。
温度:250~550℃
圧力:0.1~10Torr
WFガス流量:100~500sccm
キャリアガス(N)流量:3000~30000sccm
パージガス(N)流量:1000~10000sccm
ガス流量:1000~10000sccm
WFガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
ガス供給時間:0.05~15秒
パージガス(N)供給時間:0.05~15秒
 続いて、全体制御部600は、成膜装置103にて処理されたウエハWを、搬送機構201を制御して、例えばロードロック室303に搬送させる。全体制御部600は、ロードロック室303内を大気雰囲気とする。全体制御部600は、ゲートバルブG33を開けると共に、搬送機構402を制御して、ロードロック室303のウエハWを例えばロードポート503のキャリアCに搬送して収容させる。
 このように、図1に示す基板処理システムによれば、各成膜装置によってウエハWに処理が施される間、ウエハWを大気に曝露することなく、つまり、真空を破らずにウエハWに所定の処理を施すことができる。
 〔評価〕
 次に、積層膜におけるフッ素(F)の拡散状態について図10を用いて説明する。図10は、積層膜におけるフッ素濃度を示すグラフである。ここでは、図6に示す処理によって、図7に示すタングステン膜の積層膜を成膜する。横軸はタングステン膜の表面からの深さを示し、縦軸はフッ素濃度を示す。ここでは、SiO層701の上に5nmのTiN膜703が成膜されたウェハWの上に、15nmのタングステン膜を成膜した。
 なお、一点鎖線は、TiN膜703上に、WFガスとHガスを用いたタングステン膜706を15nm成膜した場合を示す。破線は、TiN膜703上にWClガスとHガスを用いたタングステン膜704を3nm成膜した後に、WFガスとHガスを用いたタングステン膜706を12nm成膜した場合を示す。実線は、TiN膜703上にWClガスとHガスを用いたタングステン膜704を5nm成膜した後に、WFガスとHガスを用いたタングステン膜706を10nm成膜した場合を示す。
 図10のグラフに示すように、主タングステン膜であるタングステン膜706と、TiN膜703との間に、フッ素を含まないガスを用いるタングステン膜704を成膜することにより、TiN膜703及びSiO層701へのフッ素の拡散を抑制することができる。また、タングステン膜704の膜厚を増加させることにより、フッ素の拡散を更に抑制することができる。
 次に、積層されたタングステン膜における抵抗について図11を用いて説明する。図11は、タングステン膜705の膜厚を変化させた場合におけるタングステン膜の膜厚と、比抵抗との関係を示すグラフである。ここでは、図8に示す処理によって、図9に示すタングステン膜の積層膜を成膜する。横軸は、積層されたタングステン膜の膜厚(タングステン膜704~706の合計膜厚)を示し、縦軸は、積層されたタングステン膜の比抵抗を示す。ここでは、タングステン膜704の膜厚を4nmとした。また、タングステン膜705の膜厚を0nm,1nm,2nm,3nmのそれぞれについて測定した。
 タングステン膜704におけるタングステンの結晶粒の大きさ(グレインサイズ)は、下地膜であるTiN膜703におけるTiNの結晶性を反映して、小さくなる。
 タングステン膜704の上にタングステン膜706を成膜する場合(即ち、タングステン膜705の膜厚が0nm)においては、タングステン膜706におけるグレインサイズは、下地膜であるタングステン膜704の結晶性を反映して、小さくなる。このため、図11に示すように、比抵抗は大きくなる。
 これに対し、タングステン膜704とタングステン膜706との間に、結晶性をキャンセルするための核生成膜であるタングステン膜705を設ける。タングステン膜705を設けることにより、下地膜であるタングステン膜704の結晶性をキャンセルして、主タングステン膜であるタングステン膜706におけるグレインサイズを大きくすることができる。また、主タングステン膜(タングステン膜706)のグレインサイズを大きくすることにより、比抵抗を低減することができる。
 図11に示すように、タングステン膜705の膜厚が1nmにおいて、0nmの場合と比較して、比抵抗を低減することができる。ここで、タングステン膜705の膜厚を更に小さくすると、下地膜であるタングステン膜704の結晶性をキャンセルする効果が薄くなり、タングステン膜の抵抗値減少の効果が小さくなる。
 タングステン膜705の膜厚が2nmにおいて、下地膜であるタングステン膜704の結晶性をキャンセルする効果を有する。また、図11に示すように、タングステン膜の抵抗値減少の効果が得られる。
 図11に示すように、タングステン膜705の膜厚が3nmにおいて、0nmの場合と比較して、比抵抗を低減することができる。ここで、タングステン膜705中の不純物(B)により、タングステン膜705の抵抗は、タングステン膜706よりも高くなる。このため、タングステン膜705の膜厚を更に大きくすると、タングステン膜の抵抗値減少の効果が小さくなる。
 即ち、タングステン膜705の膜厚を1nm以上、3nm以下とすることにより、下地膜であるタングステン膜704の結晶性をキャンセルする効果を有するとともに、タングステン膜の抵抗値減少の効果を得ることができる。例えばW膜厚15nmで比較したときの比抵抗の減少は、核生成膜(タングステン膜705)1nmで約6%、2nmで約33%、3nmで約9%の低抵抗化ができる。
 図12は、タングステン膜705の成膜温度を変化させた場合におけるタングステン膜の膜厚と、比抵抗との関係を示すグラフである。横軸は、積層されたタングステン膜の膜厚を示し、縦軸は、積層されたタングステン膜全体の比抵抗を示す。ここでは、タングステン膜705の成膜時における処理温度を200℃(Low temp),260℃(Mid temp)のそれぞれについて測定した。また、一点鎖線の比較例の処理温度を300℃として測定した。
 タングステン膜705の成膜時における処理温度を200℃とした場合、結晶性をキャンセルする効果が薄くなる。このため、図12に示すように、タングステン膜の抵抗値減少の効果が小さくなる。
 タングステン膜705の成膜時における処理温度を260℃とした場合、結晶性をキャンセルする効果を有する。また、図12に示すように、タングステン膜の抵抗値減少の効果が得られる。
 即ち、タングステン膜705の成膜時における処理温度を240℃以上300℃以下とすることにより、結晶性をキャンセルする効果を有するとともに、タングステン膜の抵抗値減少の効果を得ることができる。
 以上、本実施形態に係る基板処理システムによるタングステン膜の成膜方法によれば、フッ素の拡散を抑制するバリア性と、タングステン膜の低抵抗化を両立させることができる。
 以上、成膜装置101~103による本実施形態の成膜方法について説明したが、本開示は上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
 基板Wの下地膜は、TiN膜であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、TiSiN膜、TiAlN膜のいずれかであってもよい。
 還元ガスは、Hガス及びBガスであるものとして説明したが、これに限られるものではなく、Hガス、Bガス、NHガス、PHガス、SiHClガス、SiHガスのうちいずれかであってもよい。
 主タングステン膜であるタングステン膜706を成膜する成膜装置103において、還元ガスとしてHガスを用いる場合を例に挙げて説明したが、水素を含む還元性のガスであればよく、Hガスの他に、SiHガス、Bガス、NHガス等を用いることもできる。Hガス、SiHガス、Bガス、及びNHガスのうち2つ以上を供給できるようにしてもよい。また、これら以外の他の還元ガス、例えばPHガス、SiHClガスを用いてもよい。膜中の不純物をより低減して低抵抗値を得る観点からは、Hガスを用いることが好ましい。さらに、パージガス及びキャリアガスとしてNガスの代わりにArガス等の他の不活性ガスを用いることもできる。
 尚、本願は、2019年9月4日に出願した日本国特許出願2019-161492号に基づく優先権を主張するものであり、これらの日本国特許出願の全内容を本願に参照により援用する。
W     ウエハ(基板)
1     処理容器
2     載置台
6,6A,6B ガス供給機構
9     制御部
38    処理空間
61a   WClガス供給源
62a   Nガス供給源
63a   Nガス供給源
64a   Hガス供給源
65a   Hガス供給源
66a   Nガス供給源
67a   Nガス供給源
68a   WFガス供給源
69a   Bガス供給源
101~104 成膜装置
200   真空搬送室
201   搬送機構
600   全体制御部
703   TiN膜(下地膜)
704   タングステン膜(第1タングステン膜)
705   タングステン膜(第2タングステン膜、核生成膜)
706   タングステン膜(第2タングステン膜、主タングステン膜)

Claims (12)

  1.  下地膜が形成された基板上に、第1タングステン含有ガスを用いて第1タングステン膜を成膜する工程と、
     前記第1タングステン膜の上に、第2タングステン含有ガスを用いて第2タングステン膜を成膜する工程と、を有し、
    前記第1タングステン含有ガスと前記第2タングステン含有ガスとは異なるガスである、
    基板処理方法。
  2.  前記第1タングステン含有ガスは、塩化タングステン含有ガスであり、
     前記第2タングステン含有ガスは、フッ化タングステン含有ガスである、
    請求項1に記載の基板処理方法。
  3.  前記第1タングステン膜を成膜する工程は、
     前記第1タングステン含有ガスである塩化タングステン含有ガスと、第1還元ガスである水素含有ガスと、を交互に供給して前記第1タングステン膜を成膜する、
    請求項2に記載の基板処理方法。
  4.  前記第2タングステン膜を成膜する工程は、
     前記第1タングステン膜の上に、核生成膜を成膜する工程と、
     前記核生成膜の上に、主タングステン膜を成膜する工程と、を有する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  5.  前記核生成膜を成膜する工程は、
     前記第2タングステン含有ガスであるフッ化タングステン含有ガスと、第2還元ガスである水素含有ガスと、を交互に供給して前記核生成膜を成膜する、
    請求項4に記載の基板処理方法。
  6.  前記主タングステン膜を成膜する工程は、
     前記第2タングステン含有ガスであるフッ化タングステン含有ガスと、前記第2還元ガスとは異なる第3還元ガスである水素含有ガスと、を交互に供給して前記主タングステン膜を成膜する、
    請求項5に記載の基板処理方法。
  7.  前記第1還元ガスと、前記第3還元ガスとは、同じ種類のガスである、
    請求項6に記載の基板処理方法。
  8.  前記水素含有ガスは、Hガス、Bガス、NHガス、PHガス、SiHClガス、SiHガスのうちいずれかである、
    請求項7に記載の基板処理方法。
  9.  前記下地膜は、TiN膜、TiSiN膜、TiAlN膜のいずれかである、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  10.  前記第1タングステン膜を成膜する工程と前記第2タングステン膜を成膜する工程とは、
     真空を破ることなく処理される、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  11.  下地膜が形成された基板上に、第1タングステン含有ガスを用いて第1タングステン膜を成膜する第1の成膜装置と、
     前記第1タングステン膜の上に、第2タングステン含有ガスを用いて第2タングステン膜を成膜する第2の成膜装置と、を有し、
    前記第1タングステン含有ガスと前記第2タングステン含有ガスとは異なるガスである、
    基板処理装置。
  12.  前記第2の成膜装置は、
     前記第1タングステン膜の上に、核生成膜を成膜する第3の成膜装置と、
     前記核生成膜の上に、主タングステン膜を成膜する第4の成膜装置と、を有する、
    請求項11に記載の基板処理装置。
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