WO2020209272A1

WO2020209272A1 - 腰掛台

Info

Publication number: WO2020209272A1
Application number: PCT/JP2020/015754
Authority: WO
Inventors: 前田　真法
Original assignee: ＭａｋｅＷａｙ合同会社
Priority date: 2019-04-12
Filing date: 2020-04-01
Publication date: 2020-10-15

Abstract

立ち作業中の作業者の心身の負担を軽減し、着座と起立の変更が瞬時にできかつ着座中も起立時と同等の作業性を維持できる腰掛台を提供する。　腰を掛けるシート、シートを支える支柱、支柱を立てる台座を主構成とする腰掛台であって、支柱の高さ調節ができ、また、台座の接地面の形状が腰掛台の前後方向において非対称であって、後方前円様形状、扇形形状、円様のものと当該円様より小さい２つ以上の任意形状からなる形状、のいずれかからなることを特徴する腰掛台。着座することで使用者の身体にかかる荷重負担を軽減できる。シートの高さを使用者の起立時の股の位置に調節して使用することで膝や腰をほとんど曲げずに着座できるため、着座と起立の変更が瞬時にできる。さらに、台座の形状の一部または全部が円形であるため、着座中でも腰掛台とともに体を傾け手を伸ばすことができるため立ち作業時と同等の作業空間を維持できる。

Description

腰掛台

　本発明は、作業中などに使用する腰掛台に関するものである。

　製造、サービス、医療、教育、治安維持など、様々な分野で立ち作業による経済活動、公益活動が行われている。
　医療の分野においては、医師や介助者を含む医療従事者によって手術や内視鏡を使った検査や治療などが行われているが、従来それらの多くは立ち姿勢で行われてきた。
　心臓血管外科や一般外科における難度の高い手術（臓器移植など）では、その手術時間は１２時間以上に及ぶこともある。消化器内視鏡の分野においても、１回３~４時間に及ぶような内視鏡治療（癌に対する内視鏡的粘膜下層切除術など）を１日あたり３件以上行うこともあるため、総起立時間は１日あたり１２時間以上に及ぶこともある。
　医師たちは長時間の立ち姿勢を強いられながらの手術や治療を、これまで当たり前のように教育され慣行されてきた。しかし、長期間にわたる長時間の立ち作業は、肉体的かつ精神的な負担を強いるだけでなく、体力や注意力の低下に伴う手術操作のミスの誘発、即ち、手術や治療の質と安全の低下をもたらし、さらには、膝や腰の激しい痛み（膝関節症やヘルニアなど）、心血管系の疾患、（医師が妊娠している場合には）周産期の母子に対する健康被害（低体重や妊婦の異常高血圧症）、といった医療従事者を始めとした立ち作業者の健康を大いに損なう危険性が、学術的にも多数報告されている。医療の質や医師寿命の短命化は大きな社会損失のひとつである。

特開２０１７−８６４３４号公報特開２０１１−１２０６６９号公報

　特許文献に示す通り、医療分野における腰掛台の発明は患者に用いられるものであって、医療従事者に用いられるものはないのが実情である。即ち医師たちは、長時間の立ち姿勢での治療中の心身の負担や健康リスクを少しでも軽減するために、一般的な形状の椅子やスツールを用いるものである。術野や作業空間が狭く局部に限定された脳外科や眼科、整形外科（マイクロサージェリー）、歯科の分野においては、従来の椅子やスツールでも問題なく使用できることが多い。
　しかし、出血などの事態が発生しやすく常に緊急対応が可能な姿勢が求められる心血管外科や、術野や作業空間が広い一般外科（胃、肝臓、膵臓、大腸など）や消化器内視鏡分野（内視鏡による消化管の検査、治療）においては、一般的な形状の椅子やスツールを使用することは難しかった。それらを術中に使用すると、次に説明するような問題が生じ、手術や治療において必要な術者の動作性や、手術室における運用上の安全性を大きく損なってしまい、適切な手術や治療ができなくなってしまうからである。
　具体的な問題（１~４）について説明する。（問題１）従来の椅子やスツールに着座するためには、それらの座面が低いために、膝や股関節を大きく曲げなければならない。そのため、立ち姿勢と着座姿勢の切り替えに手間と時間がかかってしまう。特に着座中に出血などの急を要する対応が必要なときに瞬時に起立姿勢に戻れないことは致命的な欠点である。（問題２）従来の椅子やスツールに着座すると、身体の可動範囲が制限されてしまい、作業エリアが手の届く範囲だけに限定されてしまうことも問題である。一般的に手術では、患者の患部を中心にその周りにはいろいろな術具や器具（注射器やテープなど）、機器（脈泊数や体温などを計測している生体モニタ、麻酔機など）、薬品などが配置されており、それらの一部は体を傾けたり移動したりしないと手に届かないところに置かれることも多い。一旦起立しそれらを手に取ったり操作をしたりした後に、椅子の位置を確認し着座し改めて手術や治療に戻るまでに要する手間と時間は、非効率であるし術者が大事にする手技のリズム（オペのリズム）を損なうことにつながるため問題であった。（問題３）着座中の可動範囲を広げるためにキャスター付きの椅子やスツールを用いることも考えられる。しかし、手術室や治療室などの床には、医療機器の電源コードや、様々な医療用チューブ（薬液用、吸引用、麻酔用）が置かれていることが多く、キャスターによる移動中にそれらを踏んでしまう、あるいはひっかけて転倒してしまう危険があるため、キャスター付きの椅子やスツールを手術室や治療室で使うことは不適であった。（問題４）手術や内視鏡の治療では電気メスなどの操作のためにフットスイッチを使用するが、従来の椅子やスツールの脚部は、傾いたり転倒したりすることを防止することを第一に設計されているため、使用者の足元のスペースを大きく占有してしまい、その結果として、術者は自身が使用しやすい位置にフットスイッチを設置できないことも問題であった。
　長時間の立ち作業に伴う心身の負担軽減が求められるものの、従来の椅子やスツールが生じさせるこれらの問題は、手術や内視鏡治療中の術者の動作性を損ない、これまで術者が培ってきた立ち姿勢での手術や内視鏡の手技や操作との違和感を発生させ、結果として迅速かつ安全な治療を阻害させる原因ともなっていた。
　本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、立ち作業者の心身の負担軽減を図りながらも、起立姿勢と着座姿勢の切り替えが瞬時に行え、着座中でも立ち作業時と同等の動作性や作業区間、ならびに足元にフットスイッチ等を設置するための空間を確保しやすい腰掛台を提供することを目的とする。また、このような腰掛台を実現する腰掛台の土台を提供することを併せて目的とする。

　上記の課題を解決するため、本発明の一態様は、立ち作業中に用いられる腰掛台であって、腰を掛けるシート、シートを支える支柱、支柱を立てる台座を主構成とする腰掛台である。
　台座の接地面の形状は腰掛台の前後方向において非対称であり、例えば後方前円様形状、扇形形状、円様のものと当該円様より小さい２つ以上の任意形状からなる形状、のいずれかからなることを特徴とする
　台座は上記曲線成分を含んだ構造体から、形状は問わないが接地面（地面）に接する１個または複数の出っ張り部があってもよい。
　台座はその形状の一部に、局所的に幅や厚みを小さくしたり、材質を変更したりして機械的強度を部分的に低下させた箇所を含んでいてもよい。
　シートの高さが調節できるように、支柱は高さ（長さ）が連続的または不連続的に調節できるものであってもよい。
　シートの角度が連続的または不連続的に調節できるものであってもよい。
　腰掛台の一部に、複数の腰掛台の一部分をお互いに勘合しあったり一部分を重ねたりすることができるような凹凸部を有していてもよい。
　使用者の体形や趣向に合わせて、シートを比較的容易に交換できる構造や機構を有していてもよい。
　使用者の体形や趣向に合わせて、シートにクッションやカバーを簡単に脱着できる構造や機構を有していてもよい。
　腰掛台の一部に収納用部が設置されていたり収納用品を搭載できたりする構造や機構を有していてもよい。
　シートの高さや角度を調整したり、シートカバーや収納用品取り付けたりしてカスタマイズした腰掛台の所有者や使用者を明示するために、腰掛台の一部に記名する箇所を設けてもよい。

　本発明によれば、着座することで使用者の身体にかかる荷重負担を軽減でき、かつ、シートの高さを使用者の起立時の股の位置に調節して使用することによって、膝や腰をほとんど曲げずに着座できるため着座と起立の姿勢の変更が瞬時にでき、かつ、着座中の視線や作業対象までの距離が起立時のものとほとんど変わらないため、着座中でも起立時と同じような感覚で違和感なく作業を継続でき、かつ、台座の形状の一部または全部が円形であるため、着座中でも、腰掛台とともに体を一体的に前方や左右に傾けることができ、これにより、着座姿勢では手が届かない空間にも腰掛台に着座したまま体を傾け手を伸ばして作業をすることができ、それらの結果として、着座することで使用者の身体にかかる荷重負担を軽減でき、なおかつ、立ち作業時と同等の作業空間と作業効率を維持できる腰掛台を提供することができる。

　図１は本発明に係る腰掛台の一実施の形態を示した斜視図である。
　図２は腰掛台を使用している最中において、腰掛台を傾けて使用している様子を示した斜視図である。
　図３は腰掛台に過度な荷重がかかった場合に、使用者に異常や危険を知覚させるために、台座の一部がゆっくりと変形していく様子を示した斜視図である。
　図４は複数台の腰掛台を、その一部を互いに組合せることによってより省スペースで収納している様子を示した斜視図である。
　図５は腰掛台に記名をするための記名箇所を設置した様子を示す斜視図である。
　図６は腰掛台に収納用品を取付けた様子を示す斜視図である。
　図７は腰掛台のその他の例で、シートを略し、接地面が理解可能な斜視図である。

　以下、図１~図７を参照しながら、本発明の実施形態に係る腰掛台について説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。
　腰掛台：図１は、本実施形態の一例を示す腰掛台１の斜視図である。腰掛台１は、シート２、支柱３、台座４を有する。腰掛台１は、作業場の床５の上に置き、もっぱら立って行われてきた作業中に腰掛けて使用する腰掛台である。
　シート：シート２は腰を掛けられるものであればその形状は問わない。市販の自転車や一輪車用のサドルをそのまま用いてもよい。直線状または曲線状のパイプや棒、布やベルトをブランコ状にしたものなどでもよい。
　腰掛台１において、シート２は簡単な作業で交換できるようになっていてもよい。例えば自転車や一輪車のサドルのように、支柱３に対してボルトやクランプなどで締め付けるだけで固定されていてもよい。これにより、使用者が自身の体形（主に臀部や太ももの形状）や趣向に合わせて自由にシート２を交換し使用することができる。また、シート２のシート布の破れといった破損時には、自身で簡単に交換、修理ができる利点もある。
　シート２は、その表面の全部または一部を覆うように、使用者の体形や趣向に合わせたり、清潔感や衛生状態を維持したりすることを目的に、自転車のサドルに被せて使用するサドルカバーのように、シートクッションやシートカバーを脱着できる構造を有していてもよい。特に手術においては、滅菌したシートカバーを被せて使用することが望ましい。一般的に術者は滅菌手袋をして手術を行うが、滅菌したシートカバーがシート２に被さっていれば、シートカバー越しにシート２を術者自らが把持して、腰掛台１の位置を、誰かに頼むことなく、自分が移動させたい位置に素早く動かすことができるようになる。
　支柱：支柱３は、シートの高さを使用者の体格に合わせて使用できるように、長さ（高さ）を調節できる機構を有することが好ましい。例えば図１に示すように、一方を自身の内部にスライドさせて収納可能な２本以上の支柱の構成要素体３ａ，３ｂを、クランプ３ｃで勘合したり、支柱の構成要素体３ａ，３ｂの側面にあけた単数個または複数個の穴に、それぞれの穴の位置を合わせたうえでピンやネジを挿入して固定したりしてもよい。その他の高さ調節機構として、ボールねじ、スプリングシリンダや空圧シリンダなどを用いてもよい。
　シート２の高さを、使用者の起立時の股の位置（股間部の高さ）に合わせることで、使用者は腰掛台１に、膝関節や股関節をほとんど曲げずに腰掛台１に着座できる。これにより、使用者は起立姿勢（立ち作業）状態から素早く腰掛台１に腰掛けたり、着座姿勢状態から素早く起立姿勢に復帰できたりするようになる。例えば、長時間の手術を行っている術者が、区切りの良い合間などに素早く腰掛け体力を回復させたり、腰掛け中に出血などの緊急対応が必要になったときに瞬時に起立姿勢に戻ったりできる。また、着座中の視線や患者までの距離は、起立時のものとほとんど変わらないので、着座中でも起立時と同様の操作性や作業性を維持でき、着座中でも起立時と同じような感覚で違和感なく手術や治療を行える。
　台座：台座４は、形状の一部または全部が、直径６センチメートル~５０センチメートル程度の円弧を有するかまたは球形となっている。本発明による腰掛台は、これまでの一般的な椅子やスツールと設計思想が異なり、傾けながら使用することをも意図したものである。図２に示すように、使用者は腰掛台１のシート２に腰掛けながらも、一方の足または両方の足で体を支えながら、床５に対して、台座の外郭底面部の１点を支点にして、腰掛台１ごと体を前方や左右に傾けることができる。これにより、着座中の作業者の作業空間を広めることができる。従来のキャスターが設置されていない椅子やスツールであれば、着座姿勢において手が届かない範囲に操作対象があった場合、作業者は椅子やスツールから立ち上がり、操作対象に移動して操作をし、椅子やスツールの位置を確認し改めて着座し直さなければならず、その度ごとに作業を中断しなければならなかった。本発明による腰掛台を使用すれば、腰掛台ごと体を傾けて操作対象に手を伸ばして作業し、そのままもとの着座姿勢に戻れるので、作業効率をほとんど落とすことなく作業を進められる。なお、円弧の直径が６センチメートル未満であると足で支えていてもぐらついて安定せず、５０センチメートル程度を超えると安定性が高くなりすぎて左右に傾けにくくなってしまう。
　台座４の外郭底面部において、傾けた際に支点となりうる部分７には、そのエッジに丸み（フィレット）を持たせてもよい。これにより、腰掛台１を傾かせやすくしたり、傾かせた際に床５を傷つかせたりしないようになる。
　上述した台座４の特徴は、操作性や注意力を常に維持しておかなければならない手術や内視鏡治療においては特に大事な機能である。また、それらを行う部屋の床には、麻酔や吸引用の医療チューブ、生体モニタ（心電図や体温、二酸化炭素の計測）や電気メスなどの医療器機器用の信号線や電源線が置かれていることが多く、キャスター付きの椅子やスツールは使用できないことが多い。キャスターを使用せず、かつ操作性や注意力を常に維持したまま作業空間を広く確保することができる台座の特徴は極めて重要である。
　台座４には、図１に示すように、使用者が後方ならびに後方左右の方向への転倒してしまうことを防止するために、突起状の支え部４ａが設けられていても良い。その支え部４ａは、台座４の円形または球形の部分と一体的に構成されていてもよいし、別部品として円形または球形の部分に取り付けられることで構成されていてもよい。ただし、使用者のすぐ後ろを他の人が通行することが想定される使用現場では、通行者が足を引っかけて転倒したり、その振動や衝撃により使用者の作業に支障を与えたりすることがないように、台座４の支え部４ａは、薄いほうが望ましい。
　本発明による腰掛台１を使用中に想定される最も危険な状況は、支柱３が突然折れたり支柱３と台座４の接続部８を構成する箇所が突然破損したりすることによって、使用者が異常を察知する間もなく、転倒してしまうことである。そこで、腰掛台１に過度な荷重負荷がかかった場合に、優先的にかつ長時間をかけて形状を変形するような部分を、腰掛台１の一部分に設置してもよい。
　例えば、図３に示すように台座４の一部分にくびれ４ｃを設置することによって、腰掛台１に過度な荷重がかかってしまった場合には、支柱３や支柱３と台座４の接続部８が急激で瞬間的な破損や変形をする前に、使用者が余裕をもって異常を察知できる程度に時間をかけてゆっくりと折れ曲げさせる機能を、腰掛台１に持たせることができる。これにより、使用者は自身の誤った使用方法や扱いなどにより、腰掛台１に過度な荷重負担をかけてしまっても、使用中に腰掛台１の異常を知覚でき、使用を中断することによって、怪我や事故などを未然に防ぐことができるようになる。
　本発明による腰掛台１は、使用者の体形や趣向などに応じて、シート２の高さや角度、シートカバーやクッションの有無、後述する収納用品の取付け有無などを自由にカスタマイズして使用されることもある。そのため、作業場によっては、複数台の腰掛台１が使用される。
　複数台の腰掛台１を片付ける際に、より省スペースの空間に片づけることができるように、図４に示すように、腰掛台１の一部に、互いに勘合しあったり重ね合ったりできる凹部４ｃや凸部４ｃ’を有していてもよい。
　複数台の腰掛台１のうち、自身の好みにカスタマイズした腰掛台１を、素早く発見できるように、あるいは他者に素早く発見してもらいやすくするために、図５に示すように、腰掛台１の一部分に、記名をするための記名箇所１０を設けてもよい。
　本発明による腰掛台は、上記に示した特徴から、これまで立ち作業で主として行われている業種、具体的には製造業（組立て作業者など）、治安維持業（警備員など）、サービス（受付窓口など）にも広く効用をもたらす。心身の負担軽減のみならず、長時間の立ち作業に伴う健康被害リスクを軽減するものである。
　本発明による腰掛台１の使用者の肉体的な負担軽減効果について、試作品を用いて検証した。腰掛台１と体重計（２台）を用意し、体重７４．０ｋｇの内視鏡科医を被験者とした。まず、それぞれの体重計に被験者の片方ずつの足をのせて、起立姿勢時の荷重をそれぞれ計測する。その結果はそれぞれ３７．０ｋｇであった。次に腰掛台１に着座した姿勢でそれぞれの荷重を計測すると、右足が１４．４ｋｇ、左足が１４．６ｋｇであった。即ち、本発明による腰掛台１は、立ち作業中の膝や足にかかる荷重負荷を、右足側は６１．１％（＝（３７．０−１４．４）／３７．０×１００［％］）、左足側は６０．５％（＝（３７．０−１４．６）／３７．０×１００［％］）も軽減できることを実証した。
　本発明による腰掛台１は、物品を収納できるバックや袋などといった収納用品を搭載可能とする構造を有していてもよい。例えば、図６に示すように、支柱３にバックなどの収納用品１０を取付けられる構造体を設置し、ここに収納用品１０を取付けられるようにしてもよい。あるいはシート２に、さらには支柱３とシート２の両方に収納用品１０を取付けられる構造体を設置してもよい。
　手術や内視鏡治療においては、これまで術者は財布や電話などの貴重品を身の周りにおいておく手段がなく、手術室内の机や台などに置いておくことも多かった。手術用の着衣（オペ着）にはポケットがないことも多いし、あってもその収容力は小さい。そもそも執刀中は、重くてかさばることもある財布や電話を身に着けておくことは望まれない。手術室を含め院内には納品業者など様々な人が出入りするし、術中の医者たちの注意力は患者に集中している。これまで以上に、医師たちが手術や治療に集中できるようになるためにも、貴重品などを常に身の周りに安全に保管できる仕組みを提供することは非常に大切である。
　本発明による腰掛台１に、｛００４３｝のように、収納部を後付けで設置するのではなく、そもそもそのような収納機能を腰掛台１に搭載してもよい。具体的には、シート２や台座４に収納のための空間を設けてもよい。

　１　腰掛台
　２　シート
　３　支柱、
　３ａ，３ｂ　支柱の構成要素
　３ｃ　クランプ
　４　台座
　４ａ　転倒防止の出張り部
　４ｂ　くびれ
　４ｃ，４ｃ’　凹凸部
　５　床
　６　支点
　７　支点となる部分
　８　支柱３と台座４の接続部
　９　記名箇所
　１０　収納用品

Claims

　腰を掛けるシート、シートを支える支柱、支柱を立てる台座を有する腰掛台であって、台座の接地面の形状が腰掛台の前後方向において非対称であることを特徴とする腰掛台。
　接地面の形状が、後方前円様形状、扇形形状、円様のものと当該円様より小さい２つ以上の任意形状からなる形状、のいずれかからなることを特徴とする請求項１に記載の腰掛台。
　接地面の形状のうち、前方が円様形状を有しておりその円弧の直径が６センチメートル以上であることを特徴とする請求項１から請求項２に記載の腰掛台。
　台座の後方に、着座時における後方への転倒を防止する支え部が設けられたことを特徴とする請求項１から請求項３に記載の腰掛台。
　台座と支柱との接合点に過度な荷重がかかることで支柱が短時間のうちに倒れ使用者が転倒してしまうことをさけるために、台座中に、使用者が余裕をもって危険を知覚し転倒を回避できるように、どの部位よりも早くかつ比較的長い時間をかけて変形する箇所を意図的に設けたことを特徴とする請求項１から請求項４に記載の腰掛台。
　複数個の腰掛台を省スペースで収納するために、腰掛台の一部を勘合しあったり一部を重ねて収納したりするための凹凸部を有することを特徴とする請求項１から請求項５に記載の腰掛台。
　支柱の高さが、連続的または不連続的に調節可能な請求項１から請求項６に記載の腰掛台。
　使用者の体形や趣向に応じて、シートを交換可能な請求項１から請求項７に記載の腰掛台。
　使用者の体形や趣向、衛生（滅菌性）維持のために交換可能なシートクッションやシートカバーを脱着できることを特徴とするシートを設けた請求項１から請求項８に記載の腰掛台。
　物品を収納できるバックや袋などといった収納用品を搭載可能な、あるいは収納部が設けてある請求項１から請求項９に記載の腰掛台。
　台座が球又は長球を有する形状である請求項１から請求項１０に記載の腰掛台。
　使用者を明示する記載欄を設けてある請求項１から請求項１１に記載の腰掛台。