WO2020196357A1 - 製鋼スラグの蒸気処理操業方法 - Google Patents
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- the steam ejection holes may be blocked, or the voids of the filler (referred to as flooring material) for burying the steam supply pipe may be blocked with powder, and steam may not be emitted there.
- the side wall of the bed is usually in three directions excluding the direction in which the slag is taken in and out, but the filling rate tends to be low in the vicinity of the side wall of the bed, and steam may flow preferentially in the vicinity of the side wall of the bed.
- the steam treatment operation method for steelmaking slag according to the present invention, during steam treatment, the upper surface of the steelmaking slag piled on the bed is observed from above the bed by thermal image observation, and the temperature on the upper surface of the steelmaking slag is from another place.
- a divergent part occurs, that part is judged as an abnormal part, and by repairing the steam treatment equipment at the part judged as an abnormal part, when the steam treatment is repeatedly operated, the abnormality of the steam treatment equipment Can be detected efficiently. Therefore, by improving the operation in which the steam treatment is disturbed in a short period of time, it is possible to suppress the variation in quality and manufacture a highly reliable steelmaking slag having no flaw in expansion.
- the partition plate 6 in the portion of the flooring layer 5.
- the partition plate 6 By arranging the partition plate 6 on the underlay layer 5 at a position along the side wall at a certain distance from the side wall of the slag treatment tank 1 to suppress the drift of steam to the side wall in the underlay layer 5, the vicinity of the side wall Suppresses variations in temperature rise between and other locations. It is appropriate that the distance between the partition plate 6 and the side wall is 1/2 H to 1 H of the bed stacking height H (see FIG. 4), that is, 50% to 100% of the stacking height H.
- samples are collected from the slag sampling positions 12 at 9 locations on the upper surface of the bed, and 1 specimen for water immersion expansion specified in JIS A 5015 is used.
- 1 specimen for water immersion expansion specified in JIS A 5015 is used.
- a total of nine specimens were prepared one by one and subjected to a water immersion expansion test.
- the water immersion expansion rate is 1.5% or less, but since the composition may vary even in one lot of slag, the average expansion rate of 0.5% or less was used as the acceptance criterion. Even if it passed on average, some of the specimens exceeded 0.5%.
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Abstract
蒸気処理設備の異常を効率的に検出でき蒸気処理の乱れた操業を短期間に改善することにより、品質のばらつきを抑制して、膨張の瑕疵を持たない信頼性の高い製鋼スラグを得ることができる、製鋼スラグの蒸気処理操業方法を提供する。製鋼スラグ3をベッド上に積み、蒸気をベッドの下方から吹き込んで製鋼スラグを蒸気処理する蒸気処理設備の操業において、蒸気処理中に、温度計に4より製鋼スラグの温度を測定するとともに、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面の温度をサーモグラフィ11による熱画像観測により測定し、温度計で測定した温度と熱画像観測で測定した温度とに基づき、製鋼スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所が生じた場合その箇所を異常箇所と判定し、異常箇所と判定された箇所の蒸気処理設備を補修する。
Description
本発明は、製鋼スラグを蒸気処理する蒸気処理設備の操業において、蒸気処理設備の異常を検知する製鋼スラグの蒸気処理操業方法に関する。
製鋼スラグは、緻密で固く、締め固めれば大きな荷重を支持できるため、道路の路盤材として用いられる。しかし、たとえば転炉スラグをはじめとする製鋼スラグは長時間を経て膨張性を示す性質がある。そのため、路盤材として出荷する前に膨張源の反応を予め促進して大部分を反応させておくエージング処理を実施するのが通常である。
膨脹源の主体は製鋼スラグ中の遊離石灰(f-CaO)や遊離MgO(f-MgO)である。これらの膨張源は、温度を上げて水分と反応させることで膨脹反応が進むので、多くは蒸気で処理して膨張性を低減する。方式としては、製鋼スラグをベッド状に積み、そのベッドの下から蒸気を吹き上げるベッド式の蒸気処理(野積み、とも称する)と、圧力容器の中に製鋼スラグを入れ、そこに加圧蒸気を吹き込む加圧式の蒸気処理と、があり、通常、前者の方が多く用いられている。
このベッド式の蒸気処理の制御として、ベッドの中や製鋼スラグを囲む壁(コンクリート製、鋼板などから構成)に温度計を装入して、製鋼スラグの温度を測定することが行われている。そして、製鋼スラグのベッドで温度が上がらない部分が発生していないか監視する。温度が上がらない部分は蒸気が届いておらず、それは膨張源の安定化反応が進まないことを示すからである。蒸気処理した製鋼スラグの中で、膨張が十分に安定化できない部分が生じると、品質、特に膨張率についてばらつきを生じる。
ここで、膨張率の測定方法については、非特許文献1の方法を用いることができる。また、温度計の装入法としては、例えば特許文献1の図1で示されているように、製鋼スラグのベッドに上方から一定高さに温度計を差し込む方法がある。この他にも、ベッド側方から装入する方法、側壁自体に温度計を埋め込む方法などが考えられる。
しかしながら、いずれの方法でも温度計を装入するのは数的に限界があり、温度計間の距離を広げざるを得ず、ベッドの上面や側壁部で測温されない部分が生じる。ここで、蒸気処理設備に異常が起きた場合、それが測温により検出できない場合が生じることが問題となる。蒸気処理設備の異常の例としては、ベッドの側壁に膨張応力で亀裂ができたり、継ぎ目が開いて隙間ができ蒸気が流出したりする場合がある。また、ベッド下に這わせた蒸気供給管の特定の部分が破損して大きな穴が開いて、そこから他より大量に蒸気が噴出して、同一配管上の他の位置の蒸気流量が低下する場合もある。逆に蒸気噴出孔が閉塞したり、蒸気供給管を埋設する充填材(床敷き材などと称する)の空隙が粉体で閉塞したりして、そこだけ蒸気が出ない場合もある。さらに、ベッドの側壁は通常スラグの出し入れを行う方向を除いた3方向にあるが、ベッドの側壁近傍は充填率が低くなりやすく、ベッドの側壁近傍に蒸気が優先的に流れる場合も有る。
本発明の目的は、従来技術の抱えている上述した課題を解決して、蒸気処理設備の異常を効率的に検出でき蒸気処理の乱れた操業を短期間に改善することにより、品質のばらつきを抑制して、膨張の瑕疵を持たない信頼性の高い製鋼スラグを得ることができる、製鋼スラグの蒸気処理操業方法を提供することにある。
前記の目的を実現するため、本発明は、従来のように製鋼スラグの温度を測定するだけでなく、製鋼スラグの表面を熱画像観測したデータに基づき以上の判定をすれば、熱処理設備の異常を効率的に検出できることを突き止め、以下に述べる新規な製鋼スラグの蒸気処理操業方法を開発するに至った。
即ち、本発明は、製鋼スラグをベッド上に積み、蒸気をベッドの下方から吹き込んで製鋼スラグを蒸気処理する蒸気処理設備の操業において、蒸気処理中に、温度計により製鋼スラグの温度を測定するとともに、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面の温度を熱画像観測により測定し、前記温度計で測定した温度と前記熱画像観測で測定した温度とに基づき、製鋼スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所が生じた場合その箇所を異常箇所と判定し、異常箇所と判定された箇所の蒸気処理設備を補修することを特徴とする製鋼スラグの蒸気処理操業方法である。
なお、前記のように構成される本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法においては、
(1)前記蒸気処理中の製鋼スラグの温度測定にあたり、前記熱画像観測による製鋼スラグの温度測定誤差を、前記温度計による製鋼スラグの温度で修正すること、
(2)前記スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所を、温度計および/またはサーモグラフィにより測定した温度が、あらかじめ測定し準備された平均の温度から2℃以上乖離するか、当該処理における周辺の温度から2℃以上乖離した箇所とすること、
(3)前記熱画像観測に基づき異常箇所の判定を、毎回の蒸気処理または定期的な間隔の蒸気処理で行うこと、
(4)前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上面を、複数の範囲に分割して熱画像観測すること、
(5)前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上に通気口を備えたシートを配置し、前記熱画像観測は該シートの上面を観測すること、
(6)前記ベッドの下部の床敷き層に、前記ベッドの側壁への蒸気の偏流を抑制する仕切板であって、前記側壁との距離がベッド積み付け高さの50%~100%である仕切板を前記側壁に沿って配置して、蒸気処理を行うこと、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
(1)前記蒸気処理中の製鋼スラグの温度測定にあたり、前記熱画像観測による製鋼スラグの温度測定誤差を、前記温度計による製鋼スラグの温度で修正すること、
(2)前記スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所を、温度計および/またはサーモグラフィにより測定した温度が、あらかじめ測定し準備された平均の温度から2℃以上乖離するか、当該処理における周辺の温度から2℃以上乖離した箇所とすること、
(3)前記熱画像観測に基づき異常箇所の判定を、毎回の蒸気処理または定期的な間隔の蒸気処理で行うこと、
(4)前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上面を、複数の範囲に分割して熱画像観測すること、
(5)前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上に通気口を備えたシートを配置し、前記熱画像観測は該シートの上面を観測すること、
(6)前記ベッドの下部の床敷き層に、前記ベッドの側壁への蒸気の偏流を抑制する仕切板であって、前記側壁との距離がベッド積み付け高さの50%~100%である仕切板を前記側壁に沿って配置して、蒸気処理を行うこと、
がより好ましい解決手段となるものと考えられる。
本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法によれば、蒸気処理中に、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面を熱画像観測し、製鋼スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所が生じた場合その箇所を異常箇所と判定し、異常箇所と判定された箇所の蒸気処理設備を補修することで、蒸気処理を回数を重ねて操業する際に、蒸気処理設備の異常を効率的に検出することが可能となる。そのため、蒸気処理の乱れた操業を短期間に改善することにより、品質のばらつきを抑制して、膨張の瑕疵を持たない信頼性の高い製鋼スラグを製造することができる。
図1(a)、(b)は、それぞれ、本発明の対象となる製鋼スラグの蒸気処理操業方法を説明するための斜視図および断面図である。図1(a)、(b)に示す例において、1はスラグ処理槽、2は蒸気供給管、3は蒸気処理される製鋼スラグ、4は温度計、である。図1(a)、(b)に示すように、本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法では、製鋼スラグ3をスラグ処理槽1のベッド上に積み、蒸気供給管2を介して蒸気をベッドの下方から吹き込んで製鋼スラグ3を蒸気処理している。そして、蒸気処理中に、製鋼スラグ3の温度を温度計4で測定するとともに、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面の熱画像観測を行っている。そして、温度計で測定した温度と熱画像観測で測定した温度とに基づき、製鋼スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所が生じた場合その箇所を異常箇所と判定し、異常箇所と判定された箇所の蒸気処理設備を補修する。
本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法は、蒸気処理中に製鋼スラグの温度を測定するにあたり、従来のように製鋼スラグの温度を測定することに加えて、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面を熱画像観測する点に特徴がある。以下、本発明の熱画像観測について説明する。
製鋼スラグの熱画像とは、製鋼スラグの表面を赤外線のサーモグラフィで撮影したもので、表面温度が色分けされてみられる画像である。大気下での飽和蒸気では最高は事実上100℃である。ただし、スラグ処理槽1のベッド上の製鋼スラグの上面は大気に冷却される状態にあり、更に、蒸気処理設備は屋外に置かれる場合が多く、ベッド上面での風速や降雨などにも影響され、80~95℃程度であることが多い。日射による表面の昇温も起きるため、特に夏季には日照だけで表面温度が50℃を超える場合がある。しかし60℃以上と観測される領域は蒸気による昇温とみなせる。
図2は、本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法において、高所にサーモグラフィ11を取り付けてベッド上の製鋼スラグ3を俯瞰するイメージを示す図である。図2に示す例において、サーモグラフィ11による温度測定は一般に、観測面の法線方向から測定する場合が多く、観測面の法線方向と測定方向との間の角度(図2の角度A)が増加するにしたがって実際の温度よりも低い値が測定される傾向が有る。そのため、ベッド上の製鋼スラグ3上面のうち、サーモグラフィ11に近い位置では角度Aより小さいため測定された値は実際の温度に近いが、サーモグラフィ11から遠い位置では角度Aより大きいため測定された値が実際の温度よりも低く観測される。
このような測定値の低下傾向はサーモグラフィ11から測定対象までの距離に応じて連続的に変化するため、局所的な異常温度を検出するには支障が無いが、サーモグラフィ11から遠くなるにつれて実際の温度が下がっているような特定のケースでは異常の検出が困難となる場合が有る。また、場所ごとにあらかじめ測定し準備された平均の温度からの乖離を評価する場合には、角度Aが大きい箇所ではあらかじめ測定し準備された平均の温度も低くなるものの、温度の乖離幅が小さくさるために異常の程度の大小の把握が困難となる場合が有る。そのため、観測面の法線方向と測定方向との間の角度Aを60°以下に保てるようにサーモグラフィ11を配置することが、サーモグラフィ11から測定対象までの距離に依存する測定値の変化が少ないため望ましい。
1枚の熱画像でベッド表面全面をカバーしようとする場合、サーモグラフィ11から最も離れた箇所でも観測面の法線方向と測定方向との間の角度Aを小さくするにはベッド上の高い位置にサーモグラフィ11を設置する必要があるが、設備的に高い位置に設置することが困難な場合がある。また画面1枚ではサーモグラフィ11の画素数的に分解能が不十分となる場合もある。その場合は、ベッドを複数領域に分割して観測して、それを総合して全面として判定することが望ましい。
図3は、製鋼スラグを蒸気処理設備のベッド上で昇温して60℃以上に達した領域S1と60℃未満の領域S2を示す熱画像のイメージを示す図である。本発明の製鋼スラグの蒸気処理操業方法での実操業において、製鋼スラグの表面温度を温度計4とサーモグラフィ11による熱画像観測とを併用して測定して操業する。具体的な一例としては、温度計4で測定した温度は異常の検出にもちいるとともに、製鋼スラグの蒸気処理中の代表的な場所の温度推移の記録として残す用途に適する。サーモグラフィ11による熱画像観測により測定した温度は、温度計の無い場所での異常の検出にもちいる。
この点で、本発明では、温度計設置に加えてサーモグラフィによる熱画像を併せて用いる操業を用いることに特徴がある。サーモグラフィに温度計を併せて設置した場合、スラグの品種によって放射率が異なることによる温度の測定誤差や、ベッド上のスラグにシートを掛ける場合にシートの材質やシート上に付着した粉塵によって放射率が異なることによる温度の測定誤差を修正することができるため好ましい。
図4は、本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法において、スラグベッド下部の蒸気供給管を囲む床敷き層のイメージを示す図である。図4に示す例において、スラグ処理槽1において、スラグベッド下部の蒸気供給管2を囲む充填材からなる床敷き層5が示されている。
図5は、本発明に係る製鋼スラグの蒸気処理操業方法において、スラグベッドの側壁に沿って床敷き層を区切る仕切板のイメージを示す図である。スラグ処理槽1のベッドの昇温は、スラグ処理槽1のピットの側壁近傍がまず優先して進み、次第に側壁から離れた内部表面が昇温してくることがある。これは、たとえば、スラグ処理槽1のベッドへのスラグ3の敷設に重機を用いる時に、スラグ3上における重機の走行によるスラグ3の転圧度合いが側壁近傍では低くなるような場合や、ベッドへのスラグ3の敷設に移動式コンベアを用いる時に、粒子径の大きいスラグ3がより長距離を転がるため側壁近傍に多くなるような場合など、ベッドへのスラグ3の敷設方法によって側壁近傍の方が蒸気が流れやすい状態となったときに発生する。
このような昇温の不均一を抑制するために、本発明では、図5に示すように、床敷き層5の部分に仕切板6を入れることが好ましい。スラグ処理槽1の側壁から一定距離離れて側壁に沿った位置に仕切板6を床敷き層5に配置して、床敷き層5内での側壁への蒸気の偏流を抑えることで、側壁近傍とそれ以外の場所の間での昇温のバラつきを抑制する。仕切板6と側壁の間隔はベッド積み付け高さH(図4参照)の2分の1Hから1H、すなわち、積み付け高さHの50%~100%であることが適当である。側壁と仕切板6との間に蒸気供給管2が1本も無いと、蒸気流通の無い部分を側壁近傍下部に生成させるので適当でない。反対に蒸気供給管2が多すぎると床敷き層5を仕切って側壁近傍への蒸気流通を遮断する目的を達しないので適当でない。
本発明の製鋼スラグの蒸気処理操業方法において、設備の異常として観測されるものには例えば以下の(1)~(3)の項目がある。本発明では、設備の異常と判定された箇所の蒸気処理設備を補修する。
(1)設備外壁の外側に高温部分が観測される。この場合は、スラグ処理槽の擁壁がスラグ膨張の圧力で亀裂を生じたり、擁壁部材の接合部が開いて隙間を生じたりしたものと見なせる。ベッド内で蒸気が偏向して亀裂方向に流れるので、亀裂近傍の昇温は遅くないが、そこから離れた部分で昇温が遅い部分が現れることがある。
(2)スラグ処理槽のベッドの一部(壁際の周辺部でない)で、複数回で同じような位置に、昇温の速い高温部と合わせて昇温の遅い部分が現れる。この場合、ベッド下の蒸気供給管が破損して大孔が開いていることがある。昇温の遅い部分が現れる場合には蒸気供給管の蒸気吹き出し孔が閉塞している場合や、蒸気供給管を埋設する充填材(床敷き材などと称する)の空隙が粉体で閉塞して、そこだけ蒸気が出ない状況となっている可能性がある。
(3)ベッド壁際である周辺部分だけが昇温が速い場合がある。元から壁際はスラグの充填が低下しやすいので、蒸気が流れやすく常に起こりうる状況であるが、この場合、先に述べたたように設備的には壁が破損している可能性がある。また、スラグ自身の粒度が通常より小さく、ベッドの充填性が上がったため、空隙率が高く成り易い壁際に蒸気が逃げている可能性もある。この場合は材料となるスラグ粒度調整に反映させる必要がある。
一方で、本発明の製鋼スラグの蒸気処理操業方法において、設備が正常であっても異常な温度が測定されることがある。そのような場合は、設備の補修を行わない。
たとえば、前述の観測面の法線方向と測定方向との間の角度Aが位置によって異なることによる測定誤差があり、この誤差はサーモグラフィから測定対象までの距離に応じて連続的に変化するために局所的な異常温度は問題なく検出できるが、ベッドを複数領域に分割して観測することにより、より軽減出来る。
また、蒸気処理中のベッド上の製鋼スラグの上面に、樹脂製のシートを掛ける場合が有るが、シートの端部から優先的に蒸気が外気へ放散するために、製鋼スラグの上面とシートの間にシートの端部への蒸気の通り道が不均一に形成されることがある。この場合は前記の蒸気の通り道が高温となるが、これは製鋼スラグの内部の温度や設備の異常を反映するものでは無いために正常な状態を異常と誤検出する場合がある。この対策としては、シートに通気性を持たせてシートの端部への蒸気の通り道の形成を抑制することが考えられる。ただし、不織布のような目の細かいシートを用いると使用回数を重ねるうちに目詰まりにより効果が低下したり不均一になったりするので、シートに一定間隔で通気口を設けることが望ましい。シートに通気口を設ける間隔としては、ベッド上のスラグの厚さよりも小さくすれば、ベッド下に這わせた蒸気供給管の異常個所の特定の精度がより向上する。
(発明例1)
まず、40mm以下に破砕した脱炭スラグを準備し、準備した脱炭スラグをスラグ処理槽中1.5mの高さに積んだ。蒸気処理設備としては、1回にスラグ約1000tを使うエージング設備を用いた。ベッドの広さは10m×20mであり、10mの高さにサーモグラフィを2台置き、スラグベッド全面を2分割して、それぞれ10m×10mの範囲を観測した。このとき、各々のサーモグラフィの観測範囲の最も遠い箇所での、観測面の法線方向と測定方向との間の角度Aは45°であった。
まず、40mm以下に破砕した脱炭スラグを準備し、準備した脱炭スラグをスラグ処理槽中1.5mの高さに積んだ。蒸気処理設備としては、1回にスラグ約1000tを使うエージング設備を用いた。ベッドの広さは10m×20mであり、10mの高さにサーモグラフィを2台置き、スラグベッド全面を2分割して、それぞれ10m×10mの範囲を観測した。このとき、各々のサーモグラフィの観測範囲の最も遠い箇所での、観測面の法線方向と測定方向との間の角度Aは45°であった。
24時間を昇温期間として蒸気を吹き込み、それ以降は蒸気流量を温度保持用の流量に低減し、48時間保持した。蒸気吹き込みを停止して24時間待機し、温度がある程度低減してからベッドを払い出す操業とした。熱画像は蒸気吹き込み開始から2時間間隔で観測した。
温度計およびサーモグラフィにより測定した温度が、あらかじめ測定し準備された平均の温度から2℃以上乖離するか、当該処理における周辺の温度から2℃以上乖離した箇所については、当該のベッドの払い出しの後にベッドの側壁、ベッド下に這わせた蒸気供給管ならびにその蒸気噴出孔、蒸気供給管を埋設する充填材の状態を点検し、亀裂や穴あきや閉塞の異常を復旧させた。
スラグをエージング設備から払い出す直前に、図6に示すように、ベッドの上面9か所のスラグ試料採取位置12からサンプルを採取し、JIS A 5015に規定された水浸膨張用供試体を1本ずつ作製して計9本の供試体で水浸膨張試験を行った。JIS A 5015では、水浸膨張率は1.5%以下とされているが、スラグの1ロット中でも組成のバラつきがあり得るので、膨張率の平均0.5%以下を合格基準とした。平均では合格しても、供試体ごとでは0.5%を超えるものも現れた。
月4回の上記処理を平均の操業として1期間とし、供試体36本(9本/回×4回)ごとの0.5%超え供試体数を記録した。従来の温度計測定(温度計12点)で操業して、不具合を調査し補修した場合を比較例とし、熱画像と温度計を両方使用して、設備異常の判定と設備補修を行う操業を発明例とした。以下の表1に、12期間(表1に示すそれぞれ1か月間の期間A~期間L)まで比較した場合の膨張0.5%超えの供試体数の推移と1期間あたりの平均の発生数を示した。
(発明例2)
発明例1と同じ条件で、床敷き層内に壁から1.2m(積み付け高さの0.8倍)の距離を置いて仕切板を入れた。そして、発明例1と同様に蒸気処理を行った。以下の表1に、発明例1と同様に、12期間(表1に示すそれぞれ1か月間の期間A~期間L)まで比較した場合の膨張0.5%超えの供試体数の推移と1期間あたりの平均の発生数を示した。
発明例1と同じ条件で、床敷き層内に壁から1.2m(積み付け高さの0.8倍)の距離を置いて仕切板を入れた。そして、発明例1と同様に蒸気処理を行った。以下の表1に、発明例1と同様に、12期間(表1に示すそれぞれ1か月間の期間A~期間L)まで比較した場合の膨張0.5%超えの供試体数の推移と1期間あたりの平均の発生数を示した。
表1の結果から、比較例では最大36本中5本の期間が出た。温度計で計測出来ない範囲での不具合を検出できないためだと、考えられる。一方、発明例1では、熱画像の観測により、ベッド全表面での異常を発見し、発生箇所をより絞って探索できるため、0.5%超えの供試体発生が2本から3本のレベルで、補修対応を取ることができる。12期間での平均では0.5%超えの供試体発生本数は、発明例1では比較例の半分となった。発明例2では0.5%超えの供試体発生数がさらに低下し、補修対応にも余裕を持たせて行うことが可能であった。したがって、本発明で0.5%越えの供試体数が低位で、膨張バラツキの低い操業を持続する効果がある。
本発明の製鋼スラグの蒸気処理操業方法によれば、製鋼スラグだけでなく、蒸気処理を必要とするその他の塊状または粉状の粒体の処理においても、蒸気処理の乱れた操業を短期間に改善することにより、品質のばらつきを抑制して、膨張の瑕疵を持たない信頼性の高い製造をすることができる。
1 スラグ処理槽
2 蒸気供給管
3 製鋼スラグ
4 温度計
5 床敷き層
6 仕切板
11 サーモグラフィ
12 スラグ試料採取位置
S1 60℃以上に達した領域
S2 60℃未満の領域
2 蒸気供給管
3 製鋼スラグ
4 温度計
5 床敷き層
6 仕切板
11 サーモグラフィ
12 スラグ試料採取位置
S1 60℃以上に達した領域
S2 60℃未満の領域
Claims (7)
- 製鋼スラグをベッド上に積み、蒸気をベッドの下方から吹き込んで製鋼スラグを蒸気処理する蒸気処理設備の操業において、蒸気処理中に、温度計により製鋼スラグの温度を測定するとともに、ベッドの上方からベッド上に積まれた製鋼スラグの上面の温度を熱画像観測により測定し、前記温度計で測定した温度と前記熱画像観測で測定した温度とに基づき、製鋼スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所が生じた場合その箇所を異常箇所と判定し、異常箇所と判定された箇所の蒸気処理設備を補修することを特徴とする製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記蒸気処理中の製鋼スラグの温度測定にあたり、前記熱画像観測による製鋼スラグの温度測定誤差を、前記温度計による製鋼スラグの温度で修正することを特徴とする請求項1に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記スラグ上面において温度が他の箇所から乖離した箇所を、温度計および/またはサーモグラフィにより測定した温度が、あらかじめ測定し準備された平均の温度から2℃以上乖離するか、当該処理における周辺の温度から2℃以上乖離した箇所とすることを特徴とする請求項1または2に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記熱画像観測に基づき異常箇所の判定を、毎回の蒸気処理または定期的な間隔の蒸気処理で行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上面を、複数の範囲に分割して熱画像観測することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記ベッド上に積まれた製鋼スラグの上に通気口を備えたシートを配置し、前記熱画像観測は該シートの上面を観測することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
- 前記ベッドの下部の床敷き層に、前記ベッドの側壁への蒸気の偏流を抑制する仕切板であって、前記側壁との距離がベッド積み付け高さの50%~100%である仕切板を前記側壁に沿って配置して、蒸気処理を行うことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の製鋼スラグの蒸気処理操業方法。
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