WO2020153198A1

WO2020153198A1 - 歯冠修復物

Info

Publication number: WO2020153198A1
Application number: PCT/JP2020/001086
Authority: WO
Inventors: 佐藤　文昭
Original assignee: 佐藤　文昭
Priority date: 2019-01-25
Filing date: 2020-01-15
Publication date: 2020-07-30
Also published as: JPWO2020153198A1; JP7248326B2

Abstract

【課題】歯冠を着脱可能にするとともに、歯冠の回転を規制する歯冠修復物を提供する。【解決手段】歯冠修復物１は、歯冠２を所定部である被嵌合部３に取り付けるものであって、被嵌合部３側に取り付けられる第１の内冠４と、第１の内冠４に上方から嵌合される第２の内冠５と、第１の内冠４に形成された凹部10と、第２の内冠５に形成され、凹部10と係合可能な凸部22と、を備え、第２の内冠５が第１の内冠４に完全に嵌合して凹部10と凸部22が係合すると、第１の内冠４に対する第２の内冠５の水平方向の回動と垂直方向の離脱を規制することができる。

Description

歯冠修復物

本発明は、歯冠の修復を行う歯冠修復物に関する。

　従来、歯冠修復物において上の歯と下の歯が咬合しあう歯冠上部材質では、金属冠、レジンなどの高分子化合物冠、ポーセレン陶材焼付け冠、近年ではジルコニア冠などがあるが、硬度が低い柔らかな材質では咬合圧の負担は軽減できるが、咬み合わせが摩耗によってすり減り、咬合圧が低くなったり破折したり、不安定で顎変位などのいろいろな病状を引き起こす虞があった。

　反対に硬度が高い材質では咬合圧の過負担が顎関節症などや、直に歯根や歯根支持骨にダメージを与え、ストレスなどにより過度な噛みしめや咬合圧により歯冠や歯根が破折し抜歯に至ったり、支持骨の消失などが危惧されていた。

　また、従来の歯冠修復治療では歯科用セメントで合着することによって治療完了とされてきたが、歯冠修復物や患者固有の理由により何らかの不具合の場合、破断撤去して再製作に至っていた。

　そして、再治療や再製作は医師、患者ともに治療にかけた時間や金銭的負担も非常に大きく、また患者の医療に対する不信感など、心理的な要因も非常に危惧されていた。

　そこで、総義歯、オーバーデンチャー、部分義歯等の歯冠が固定される金属キャップと、金属キャップが上方から外嵌可能なカップ状の雌部材と、雌部材が上方から嵌合可能なアバットメント部材とを備えた歯科用アタッチメント装置があり、歯科用セメントを用いずに歯冠を着脱可能としたものがあった。（特許文献１参照）。

特表２００５―５３２１１２号公報

しかし、特許文献１では、金属キャップが雌部材上で旋回可能とする構成のため、歯冠の向きが変わったり、歯冠がグラついたりしてしまう問題点があった。

そこで、本発明は、歯冠を着脱可能にするとともに、歯冠の回転を規制する歯冠修復物を提供することを目的とする。

　請求項１の発明は、歯冠を所定部に取り付ける歯冠修復物であって、前記歯冠修復物は、前記所定部側に取り付けられる第１の内冠と、前記第１の内冠に上方から嵌合される第２の内冠と、前記第１の内冠及び前記第２の内冠の一方に形成された凹部と、前記第１の内冠及び前記第２の内冠の他方に形成され、前記凹部と係合可能な凸部と、を備えたことを特徴とする。

　請求項２の発明は、前記凹部は前記第１の内冠及び前記第２の内冠の一方に形成された第１の平面部に形成され、前記凸部は前記第１の内冠及び前記第２の内冠の他方に形成された第２の平面部に形成されたことを特徴とする。

　請求項３の発明は、前記第１の内冠又は前記第２の内冠の一方に上下方向に沿って形成された凸条部と、前記第１の内冠又は前記第２の内冠の他方に上下方向に沿って形成され、前記凸条部と係合可能な凹溝部と、を備えたことを特徴とする。

　請求項４の発明は、前記第１の内冠の上面部又は前記第２の内冠の上面部の一方に形成された上部凸条部と、前記第１の内冠の上面部又は前記第２の内冠の上面部の他方に形成され、前記上部凸条部と係合可能な上部凹溝部と、を備えたことを特徴とする。

　請求項１の発明によれば、第２の内冠が第１の内冠に完全に嵌合して凹部と凸部が係合すると、第１の内冠に対する第２の内冠の水平方向の回動と垂直方向の離脱を規制することができる。

　請求項２の発明によれば、凹部と凸部が嵌合した状態では第１の平面部と第２の平面部とが合わさった状態となり、第１の内冠に対する第２の内冠の水平方向の回動をさらに規制することができる。また、第１の平面部と第２の平面部はそれぞれ第１の内冠及び第２の内冠を凹設して形成されており、第２の内冠が第１の内冠に完全に嵌合されて凹部と凸部が係合されるまで、凸部の頂上部が第１の平面部又は第２の平面部に過度に接触することを防ぎ、凸部の頂上部の摩耗や破折を防ぐことができる。

請求項３の発明によれば、第２の内冠が第１の内冠に完全に嵌合して凸条部と凹溝部が係合すると、第１の内冠に対する第２の内冠の水平方向の回動を規制することができる。また、凸条部と凹溝部は互いに、第２の内冠の着脱時のガイド手段となっており、第２の内冠を第１の内冠に対して適切な向きに嵌合させることができる。

請求項４の発明によれば、第２の内冠が第１の内冠に完全に嵌合して上部凸条部と上部凹溝部が係合すると、第１の内冠に対する第２の内冠の水平方向の回動を規制することができる。

本発明の第１実施例における歯冠補修物の使用状態を示す断面図である。同上、最終装着位置にある歯冠修復物の正面断面図である。同上、最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、第１の内冠の平面図である。同上、第２の内冠の底面図である。同上、第１の内冠の斜視図である。同上、第２の内冠の底面側斜視図である。本発明の第２実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第３実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第４実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第５実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第６実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の正面断面図である。同上、最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第７実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の正面断面図である。同上、最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第８実施例において最終装着位置にある歯冠修復物の正面断面図である。同上、最終装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。同上、初期装着位置にある歯冠修復物の側面断面図である。本発明の第９実施例における歯冠補修物の使用状態を示す断面図である。

　本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成のすべてが、本発明の必須要件であるとは限らない。

　図１～図８は本発明の実施例１を示すものであり、図１に示すように本実施例の歯冠修復物１は、歯の外形を再現した可撤性の歯冠２を、歯冠２を支持する土台部分の被嵌合部３に取り付け、歯の歯冠部の補綴するものであり、被嵌合部３に上方から嵌合可能な第１の内冠４と、第１の内冠４に上方から嵌合され、歯冠２が上方から嵌合可能な第２の内冠５とを備えた多重冠構造からなる。なお、被嵌合部３は、二重金属冠（テレスコープクラウン）の支台骨や有床義歯、ブリッジ、差し歯の各種義歯の床、支台装置や歯根などとする。

　図２及び図３に示すように、第１の内冠４は、上部を形成する第１の上面部６と、下方に向けて拡径された第１の周壁部７とを備え、下方が開放された中空な略円錐台形筒状である。第１の内冠４は、貴金属やチタンなどの金属や高分子化合物、セラミックスやジルコニアなど、またはそれらの複合材からなる。なお、第１の周壁部７における外周面８の傾斜角度は、第１の内冠４の第１の軸線Ｘ１と外周面８の第１の母線Ｙ１とがなす角度α０とする。外周面８の一方には、第１の平面部９を備えている。

　第１の平面部９は、外周面８を第１の母線Ｙ１の方向に沿って平坦に凹設されている。第１の平面部９の中央下部には、略半球面状又は皿状に陥凹形成されたディンプルからなる凹部10を備えている。ここで、第１の平面部９と第１の軸線Ｘ１とがなす傾斜角度α１は、傾斜角度α０とほぼ等しく形成されている。

　図５に示すように、第１の平面部９の中心から外周面８の周方向に時計回りに約90度位相の異なる箇所には、外周面８の第１の母線Ｙ１の方向に沿って形成された第１の凹溝部11を備えている。

　また、図５に示すように、第１の平面部の中心から外周面８の周方向に反時計回りに約９０度位相の異なる箇所には、外周面８の母線Ｙ１の方向に沿って形成された第２の凹溝部12を備えている。

　第１の凹溝部11及び第２の凹溝部12は、それぞれ球状の下端を有する逆向きの半割り円錐面状に凹設されたものである。

　第１の凹溝部11の第１の側縁部13は、外周面８に対して略Ｖ字形状を成しており、第１の凹溝部11の中心を通る第１の母線Ｙ１に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜角度α２だけ傾斜している。

　同様に、第２の凹溝部12の第２の側縁部14は、外周面８に対して略Ｖ字形状を成しており、第２の凹溝部12の中心を通る第１の母線Ｙ１に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜角度α３だけ傾斜している。

　また、第１の周壁部７の第１の下端部15は、下方へ向けてさらに拡径した略円錐台形状としているがストレート形状としてもよい。

　また、図５に示すように、第１の上面部６には、第１の凹溝部11と第２の凹溝部12の上部同士を結ぶ水平方向の仮想線Ｖ１に沿って下方に凹設された上部凹溝部16を備えている。

　図２及び図３に示すように、第２の内冠５は、上部を閉塞する第２の上面部17と、下方に向けて拡径された第２の周壁部18とを備え、下方が開放された中空な略円錐台形筒状である。第２の内冠５は、高分子化合物、貴金属やチタンなどの金属、セラミックスやジルコニアなど、またはそれらの複合材からなる。第２の周壁部18は、下方へ向けて拡径された内周面19を備えている。第２の周壁部18の外周面20には、歯冠２が歯科用セメントを用いて合着される。なお、第２の周壁部18における内周面19の傾斜角度は、第２の内冠５の第２の軸線Ｘ２と第２の母線Ｙ２とがなす角度β０とする。内周面19の一方に第２の平面部21を備えている。

　第２の平面部21は、内周面19を第２の母線Ｙ２の方向に沿って平坦に凹設されている。

　第２の平面部21の中央下部には、略半球面状に凸設されたピンプルからなる凸部22を備えている。

　第２の平面部21は、垂直方向に対して所定角度β１だけ前傾して形成されている。ここで、第２の平面部21と第２の軸線Ｘ２とがなす傾斜角度β１は、傾斜角度β０とほぼ等しく形成されている。

　図６に示すように、第２の平面部21の中心から内周面19の周方向に反時計回りに約90度位相の異なる箇所には、内周面19の第２の母線Ｙ２の方向に沿って形成された第１の凸条部23を備えている。

　また、図６に示すように、第２の平面部21の中心から内周面19の周方向に時計回りに約90度位相の異なる箇所には、内周面19の第２の母線Ｙ２の方向に沿って形成された第２の凸条部24を備えている。

　第１の凸条部23及び第２の凸条部24は、球状の下端を有する逆さ向きの半割り円錐面状に凸設されたものである。

　第１の凸条部23の第１の側縁部25は、内周面19に対して略Ｖ字形状を成しており、第１の凸条部23の中心を通る第２の母線Ｙ２に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜角度β２だけ傾斜している。

　同様に、第２の凸条部24の第２の側縁部26は、内周面19に対して略Ｖ字形状を成しており、第２の凸条部24の中心を通る第２の母線Ｙ２に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜角度β３だけ傾斜している。

　また、第２の周壁部18の第２の下端部27は、下方へ向けてさらに拡径した略円錐台形状としているがストレート形状としてもよい。

　また、図６に示すように、第２の内冠５の第２の上面部17には、第１の凸条部23と第２の凸条部24の上部同士を結ぶ水平方向の仮想線Ｖ２に沿って下方に凸設された上部凸条部28を備えている。

　第２の周壁部18の内周面19は、第２の内冠５を第１の内冠４に上方から嵌合した場合に、第１の内冠４の外周面８と密接に接触可能な形状としている。

　本実施例において、外周面８の傾斜角度α０と内周面19の傾斜角度β０は、ほぼ等しく形成されている。また、傾斜角度α１と傾斜角度β１はほぼ等しく、傾斜角度α２と傾斜角度β２もほぼ等しく、傾斜角度α３と傾斜角度β３もほぼ等しく形成されている。さらに、本実施例の傾斜角度α０、α１、α２、α３、β０、β１、β２、β３は、約４度とする。

　以上の構成の歯冠修復物１の製作手順について説明する。歯冠修復において歯科医師が診療計画に基づき患者の歯牙を支台歯形成し、印象材にて印象し、石膏を注入し患者の口腔内模型を製作する。または、口腔内カメラにてデジタルデータを撮影し口腔内模型を製作する。または、デジタルデータ上で口腔内模型の３Ｄモデルを製作する。

　模型の支台歯にワックスなどを用い患者固有の円錐筒状の第１の内冠４、第１の凹溝部11、第２の凹溝部12、第１の平面部９を設定し、角度設定はミリングマシンなどで設定製作し、凹部10を設定する。製作された患者固有のワックスパターンをロストワックス法により鋳造して製作し、研磨することで完成する。

　第１の内冠４は、貴金属やチタンなどの金属や高分子化合物、セラミックスやジルコニアなど、またはそれらの複合材にて製作される。

　第１の内冠４の他の製作方法として、歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニットなどにより、使用する素材に合わせた製作工程をＮＣ加工、加圧プレス加工、射出成型、３Ｄプリンターによるデジタル機器にて設計、製作される。

　次に、第１の内冠４上に緊密に適合する高分子化合物、貴金属やチタンなどの金属、セラミックスやジルコニアなど、またはそれらの複合材からなる第２の内冠５を製作する。第２の内冠５は、ロストワックス法にて鋳造や電鋳加工や、または、歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニットなどにより、使用する素材に合わせた製作工程をＮＣ加工、加圧プレス加工、射出成型、３Ｄプリンターによるデジタル機器にて設計、製作される。

　第２の内冠５による衝撃吸収及び緩和作用の設定作用量は、厚さや、材質を衝撃吸収率、硬度などにより選定することで任意に設定することができる。

　続いて、第２の内冠５の上に適合する歯冠２を製作する。ワックスなどを用い患者固有の歯冠２を設定し、製作された患者固有のワックスパターンをロストワックス法により鋳造して製作し、研磨することで完成する。歯冠２は、貴金属やチタンなどの金属や高分子化合物、セラミックスやジルコニアなど、またはそれらの複合材にて製作される。

　歯冠２の他の製作方法として、歯科技工室設置型コンピュータ支援設計・製造ユニットなどにより、使用する素材に合わせた製作工程をＮＣ加工、加圧プレス加工、射出成型、３Ｄプリンターによるデジタル機器にて設計、製作される。また、場合によっては、歯冠２を外すときに用いる溝を歯冠２下部に付与してもよい。

　そして、図１に示すように、第２の内冠５の外周面20は、凹凸部29を有する接着面となっており、歯科用セメントＣにより歯冠２が合着される。

　最後に、歯科医師が最終確認の後、患者の支台歯である被嵌合部３に第１の内冠４が歯科用セメントＣにて合着され、その上に第２の内冠５と歯冠２が一体化した歯冠修復物１を装着する。これにて、歯冠修復治療は完了し、これよりメインテナンス期に移行する。なお、インプラント上の歯冠修復や、義歯における鉤歯と歯冠修復物１を合体させた歯冠修復も同方法にて製作される。

　次に、歯冠修復物１の使用方法について説明する。本実施例の歯冠修復物１は、歯科用セメントによって歯冠２が合着された第２の内冠５を、第１の内冠４に上方から回転を伴いながら嵌合させて着脱させるものである。上述の使用方法をさらに詳細に説明すると、最初に第２の内冠５を第２の平面部21側が上がるよう傾ける。次に図４に示すように、傾けた状態の第２の内冠５における第２の平面部21とは反対側の内周面19を、第１の内冠４における第１の平面部９とは反対側の外周面８に対して当接させたまま、第２の下端部27が第１の下端部15に近接するまで、第１の内冠４の外周面８の第１の母線Ｙ１の方向に沿って下降させる。図４の状態では、第１の凸条部23と第２の凸条部24がそれぞれ第１の凹溝部１１と第２の凹溝部１２によって案内されると、第２の内冠５は第１の内冠４に対する水平方向への回動が規制された状態で下降する。

　ここで、第１の凸条部23と第１の凹溝部11は、各側縁部13、25がそれぞれＶ字形状を有するテーパ嵌合構造となっており、各平面部９、21側の側縁部13、25同士が当接しつつ、各平面部９、21とは反対側の側縁部13、25同士が離間しており、第２の内冠５が下降するにつれて、側縁部13、25同士の遊びが無くなり、嵌め合い精度が高まる構成となっている。なお、第２の凸条部24と第２の凹溝部12についても、第１の凸条部23と第１の凹溝部11と同様のテーパ嵌合構造である。なお、図４に示す状態を第２の内冠５の初期装着位置とし、第１の平面部９と第２の平面部21の下部同士は離間した状態である。

　そして、第２の下端部27が第１の下端部15に近接する際に、第１の内冠４に当接している第２の内冠５の第２の平面部21と反対側の第２の下端部27を回転軸として、傾いた状態の第２の内冠５の第２の平面部21側を下げるように下向きに回転させると、第２の内冠５が、第１の内冠４に対して図２及び図３に示す最終装着位置まで嵌合されて装着される。

　ここで、図２及び図３に示す最終装着位置では、第１の平面部９と第２の平面部21とが合わさった状態で凹部10と凸部22とが係合されて、第１の凸条部23の第１の側面部25と第１の凹溝部11の第１の側縁部13とが当接した状態で、第１の凸条部23が第１の凹溝部11に嵌合されて、同様に、第２の凸条部24の第２の側縁部26と第２の凹溝部12の第２の側縁部14とが当接した状態で、第２の凸条部24が第２の凹溝部12に嵌合されて、第１の内冠４の第１の上面部６の上部凹溝部16と第２の内冠５の第２の上面部17の上部凸条部28が係合される。このように、第１の平面部９と第２の平面部21、凹部10と凸部22、第１の凹溝部11と第１の凸条部23、第２の凹溝部12と第２の凸条部24、上部凹溝部16と上部凸条部28による５つの回転規制構成によって、最終装着位置での第２の内冠５は、第１の内冠４に対して水平方向へ回転不能に規制される。

　第１の内冠４の外周面８や第２の内冠５の内周面19、各凹溝部11、12の各側縁部13、14、各凸条部23、24の各側縁部25、26、各平面部９、21のそれぞれが傾斜角度α０～α３、β０～β３を持つテーパ嵌合形状のため相互、相助関係に機能しあい適度な遊びが発生し、第２の内冠５を最終装着位置まで導き、凹部10に収まる凸部22の頂上部の摩耗や破折を防ぐ。さらに、第１の平面部９が第１の周壁部７の外周面８に対して凹設され、第２の平面部21も第２の周壁部18の内周面19に対して凹設されたことで、最終装着位置まで凸部22の頂上部が第１の平面部９に過度に接触することを防ぎ、凸部22の頂上部の摩耗や破折を防ぐことができる。

　上述のテーパ嵌合形状により、最終装着位置にて第１の内冠４と第２の内冠５が緊密にフィットする構成となり、唾液を介して第１の内冠４と第２の内冠５同士が吸着する陰圧作用を有し、凹部10には凸部22を係合して把持効果を持たせることで、歯科用セメント合着を一切使用せずに、第１の内冠４に対して第２の内冠５は着脱可能とすることができる。また、唾液以外でも、例えば抗菌剤などの薬剤やシール剤などを塗布しバクテリアなどの侵入、繁殖を防止してもよい。

　最終装着時には、凹部10に凸部22がスナップフィット状に係合することにより、「パチン」とした装着感が術者に分かり、適切な位置に、確実に装着することができる。

　そして、予期せぬトラブル時には、支台歯等の被嵌合部３と合着された第１の内冠４から、歯冠２に合着された第２の内冠５を取り外して、治療やメインテナンス、歯冠２の破損時には修理をすることが可能になる。

　以上の本実施例の歯冠修復物１は、歯冠２を所定部である被嵌合部３に取り付けるものであって、歯冠修復物１は、被嵌合部３側に取り付けられる第１の内冠４と、第１の内冠４に上方から嵌合される第２の内冠５と、第１の内冠４に形成された凹部10と、第２の内冠５に形成され、凹部10と係合可能な凸部22と、を備えている。

　この場合、第２の内冠５が第１の内冠１に完全に嵌合して凹部10と凸部22が係合すると、第１の内冠４に対する第２の内冠５の水平方向の回動と垂直方向の離脱を規制することができる。

　また、本実施例の歯冠修復物１は、凹部10は第１の内冠４に形成された第１の平面部９に形成され、凸部22は第２の内冠５に形成された第２の平面部21に形成されている。

　この場合、凹部10と凸部22が係合した状態では第１の平面部９と第２の平面部21とが合わさった状態となり、第１の内冠４に対する第２の内冠５の水平方向の回動をさらに規制することができる。また、第１の平面部９と第２の平面部21はそれぞれ第１の内冠４及び第２の内冠５を凹設して形成されており、第２の内冠５が第１の内冠４に完全に嵌合されて凹部10と凸部22が係合されるまで、凸部22の頂上部が第１の平面部９又は第２の平面部21に過度に接触することを防ぎ、凸部22の頂上部の摩耗や破折を防ぐことができる。

　また、本実施例の歯冠修復物１は、第２の内冠５に上下方向に沿って形成された凸条部23、24と、第１の内冠４に上下方向に沿って形成され、凸条部23、24と係合可能な凹溝部11、12と、を備えている。

　この場合、第２の内冠５が第１の内冠４に完全に嵌合して凸条部23、24と凹溝部11、12が係合すると、第１の内冠４に対する第２の内冠５の水平方向の回動を規制することができる。また、凸条部23、24と凹溝部11、12は互いに、第２の内冠５の着脱時のガイド手段となっており、第２の内冠５を第１の内冠４に対して適切な向きに嵌合させることができる。

　また、本実施例の歯冠修復物１は、第２の内冠５の第２の上面部17に形成された上部凸条部28と、第１の内冠４の第１の上面部６に形成され、上部凸条部28と係合可能な上部凹溝部16と、を備えている。

　この場合、第２の内冠５が第１の内冠４に完全に嵌合して上部凸条部28と上部凹溝部16が係合すると、第１の内冠４に対する第２の内冠５の水平方向の回動を規制することができる。

　次に図９及び図１０は、本発明の第２実施例を示すものである。同図において、図１～図８と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例は、第１の平面部９の傾斜角度α１´を第２の平面部21の傾斜角度β１より大きく形成している（α１´＞α１＝β１）。この構成により、着脱時の第１の平面部９と第２の平面部21の間隔を大きくすることで、凸部22の頂上部が第１の平面部９で摩耗するのを防ぐことができる。

　なお、図９に示す最終装着位置では、第１の平面部９の下部と第２の平面部21の下部とは当接しており、第２の内冠５は、第１の内冠４に対して水平方向へ回転不能に規制される。

　次に図１１及び図１２は、本発明の第３実施例を示すものである。同図において、図１～図１０と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例では、第１の周壁部７における外周面８の傾斜角度α０´（α０´＞α０＝β０）、第１の平面部９の傾斜角度α１´、第１の側縁部１３の傾斜角度α２´（α２´＞α２＝β２）、図示しない第２の側縁部14の傾斜角度α３´（α３´＞α３＝β３）とし、第１の内冠４の各傾斜角度α０´、α１´、α２´、α３´をそれぞれ第２の内冠５の各傾斜角度β０、β１、β２、β３より大きくし、着脱時の第１の内冠４と第２の内冠５との間隔を大きくすることで、最終装着位置以外の第１の内冠４と第２の内冠５の着脱時の把持力を緩く設定することができる。

　次に図１３及び図１４は、本発明の第４実施例を示すものである。同図において、図１～図１２と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例では、第１の内冠４の凹部10の深さを増加させるとともに、第２の内冠５の凸部22の高さ（突出量）を増加させて、図１３に示す最終装着位置での凹部10と凸部21の係合代を多く取ることで、係合状態を強固なものとする。

　また、第１の内冠４において、第１の周壁部７における外周面８の傾斜角度α０´´（α０´´＜α０＝β０）、第１の平面部９の傾斜角度α１´´（α１´´＜α１＝β１）、第１の側縁部13の傾斜角度α２´´（α２´´＜α２＝β２）、図示しない第２の側縁部14の傾斜角度α３´´（α３´´＜α３＝β３）とする。

　本実施例では、第１の内冠４の各傾斜角度α０´´、α１´´、α２´´、α３´´を、対応する第２の内冠５の各傾斜角度β０、β１、β２、β３より小さく設定することで、第１の内冠４の各テーパ形状の傾斜角度を第２の内冠５の各テーパ形状の傾斜角度よりきつくすることで、初期装着位置から最終装着位置までのテーパ嵌合の遊びが少なくなり、特に第１の内冠４の外周面８上部と第２の内冠５の内周面19上部との遊びを少なくすることで、第１の内冠４と第２の内冠５の着脱時の把持力を増加することができる。

　次に図１５及び図１６は、本発明の第５実施例を示すものである。同図において、図１～図１４と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例では、第１の平面部９の傾斜角度をα１´、第１の側縁部13の傾斜角度をα２´´、図示しない第２の側縁部14の傾斜角度をα３´´とし、その他の構成は実施例１の内容と同じものとする。

　このように、各傾斜角度を各実施例に記載のものと適宜組み合わせることで、治療箇所と隣接する歯などの口内環境に適応した患者固有の挿入及び離脱が可能となる。

　次に図１７乃至図１９は、本発明の第６実施例を示すものである。同図において、図１～図１６と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例では、第１の内冠４の外周面８は、第１の軸線Ｘ１方向に異なる傾斜角度の円錐形状が連続する多段円錐形状としており、上段の円錐状外周面を上段外周面30とし、下段の円錐状外周面を下段外周面31とする。

　上段外周面30の傾斜角度は、第１の内冠４の第１の軸線Ｘ１と上段外周面30の上段母線Ｇ１とがなす角度γ１とする。

　下段外周面31の傾斜角度は、第１の内冠４の第１の軸線Ｘ１と下段外周面31の下段母線Ｇ２とがなす角度γ２とする。

　そして、第２の内冠５の内周面19の傾斜角度β０に対して、上段外周面30の傾斜角度γ１は小さく、下段外周面31の傾斜角度γ２は大きいものとする（傾斜角度γ１＜傾斜角度β０＜傾斜角度γ２）。

　また、第１の内冠４の第１の平面部９を上下方向に異なる傾斜角度を有する傾斜面に分断する平面側段差部32が形成されている。

　平面側段差部32は、上側外周面30と下側外周面31の境界部分である外周面側段差部33とは外周面８の周方向において連続して設けられている。

　第１の平面部９において、平面側段差部32より上側を上段平面部34とし、平面側段差部32より下側を下段平面部35とする。

　第２の内冠５の第２の平面部21の傾斜角度β１に対して、上段平面部34と第１の軸線Ｘ１とがなす傾斜角度γ３は小さく、下段平面部35と第１の軸線Ｘ１とがなす傾斜角度γ４は大きいものとする（傾斜角度γ３＜傾斜角度β１＜傾斜角度γ４）。

　第１の凹溝部11の第１の側縁部13は、外周面８に対して略Ｖ字形状を成しており、第１の凹溝部11の中心を通る母線Ｇ１、Ｇ２に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜している。第１の側縁部13の上端から下端までの傾斜角度は、第１の凸条部23の第１の側縁部25の傾斜角度β２とほぼ等しく形成されている。

　そして、第１の側縁部13は、上側（以下、第１の上段側縁部36）の傾斜角度γ５が、下側（以下、第１の下段側縁部37）の傾斜角度γ６より小さくなるように屈曲させて形成されている。

　同様に、図示しない第２の凹溝部12の第２の側縁部14は、外周面８に対して略Ｖ字形状を成しており、第２の凹溝部12の中心を通る母線Ｇ１、Ｇ２に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜している。第２の側縁部14の上端から下端までの傾斜角度は、第２の凸条部24の第２の側縁部26の傾斜角度β３とほぼ等しく形成されている。

　そして、第２の側縁部14は、上側（以下、第２の上段側縁部）の傾斜角度が、下側（以下、第２の下段側縁部）の傾斜角度より小さくなるように屈曲されて形成される。

　本実施例では、第１の内冠４の上側の各傾斜角度γ１、γ３、γ５を、第２の内冠５の内周面１９の各傾斜角度β０、β１、β２、β３より小さくすることで、第１の内冠４の上側でのテーパ嵌合の遊びが少なくなり、第２の内冠５への把持力が増加する。

　また、第１の内冠４の下側の各傾斜角度γ２、γ４、γ６を、第２の内冠５の内周面19の傾斜角度β０、β１、β２、β３より大きくすることで、図１９に示すように着脱時の第１の平面部９と第２の平面部21の間隔を大きくして、凸部22の頂上部が第１の平面部９で摩耗するのを防ぐことができる。

　次に図２０～図２２は、本発明の第７実施例を示すものである。同図において、図１～図１９と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例では、第１の内冠４の外周面９は、第１の軸線Ｘ１方向に異なる傾斜角度の円錐形状が連続する多段円錐形状としており、上段の円錐状外周面を上段外周面40とし、下段の円錐状外周面を下段外周面41とする。

　上段外周面40の傾斜角度は、第１の内冠４の第１の軸線Ｘ１と上段外周面40の上段母線Ｇ１´とがなす角度δ１とする。

　下段外周面41の傾斜角度は、第１の内冠４の第１の軸線Ｘ１と下段外周面41の下段母線Ｇ２´とがなす角度δ２とする。

　そして、第２の内冠５の内周面19の傾斜角度β０に対して、上段外周面40の傾斜角度δ１は小さく、下段外周面41の傾斜角度δ２は大きいものとする（傾斜角度δ１＞傾斜角度β０＞傾斜角度δ２）。

　また、第１の内冠４の第１の平面部９を上下方向に異なる傾斜角度を有する傾斜面に分断する平面側段差部42が形成されており、平面側段差部42は、上側外周面40と下側外周面41の境界部分である外周面側段差部43とは外周面９の周方向において連続して設けられている。

　第１の平面部９において、平面側段差部42より上方の平面部を上段平面部44とし、平面側段差部42より下方の平面部を下段平面部45とする。

　第２の内冠５の第２の平面部21の傾斜角度β１に対して、上段平面部44と第１の軸線Ｘ１とがなす傾斜角度δ３は小さく、下段平面部45と第１の軸線Ｘ１とがなす傾斜角度δ４は大きいものとする（傾斜角度δ３＞傾斜角度β１＞傾斜角度δ４）。

　第１の凹溝部11の第１の側縁部13は、外周面９に対して略Ｖ字形状を成しており、第１の凹溝部11の中心を通る母線Ｇ１´、Ｇ２´に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜している。第１の側縁部13の上端から下端までの傾斜角度は、第１の凸条部23の第１の側縁部25の傾斜角度β２とほぼ等しく形成されている。

　そして、第１の側縁部13は、上側（以下、第１の上段側縁部46）の傾斜角度δ５が、下側（以下、第１の下段側縁部47）の傾斜角度δ６より大きくなるように屈曲されて形成される。

　同様に、図示しないが第２の凹溝部12の第２の側縁部14は、外周面９に対して略Ｖ字形状を成しており、第２の凹溝部12の中心を通る母線Ｇ１´、Ｇ２´に対して、互いの上端が外側へ開く方向に傾斜している。第２の側縁部14の上端から下端までの傾斜角度は、第２の凸条部24の第２の側縁部26の傾斜角度β３とほぼ等しく形成されている。

　そして、第２の側縁部14は、上側（以下、第２の上段側縁部）の傾斜角度が、下側（以下、第２の下段側縁部）の傾斜角度より大きくなるように屈曲させて形成されている。

　本実施例では、第１の内冠４の上側の傾斜角度δ１、δ３、δ５を、第２の内冠５の内周面19の傾斜角度β０、β１、β２、β３より大きくすることで、図２２に示すように着脱時の第１の平面部９と第２の平面部21の間隔を大きくして、凸部22の頂上部が第１の平面部９に摩耗するのを防ぐことができる。

　また、第１の内冠４の下側の傾斜角度δ２、δ４、δ６を、第２の内冠５の内周面19の傾斜角度β０、β１、β２、β３より小さくすることで、第１の内冠４の下側でのテーパ嵌合の遊びが少なくなり、第２の内冠５への把持力が増加する。

　次に図２３～図２５は、本発明の第８実施例を示すものである。同図において、図１～図２２と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例は、実施例６と実施例７の組み合わせからなり、第１の平面部９は、実施例６と同じ構成として、傾斜角度γ２の上段平面部34と、傾斜角度γ３の下段平面部35とを備えている。外周面８は、実施例７と同じ構成として、傾斜角度δ１の上段外周面40と、傾斜角度δ２の下段平面部41とを備えている。第１の凹溝部11は、実施例７と同じ構成として、傾斜角度δ５の第１の上段側縁部46と、傾斜角度δ６の第１の下段側縁部47とを備えている。また、図示しないが、第２の凹溝部12は、実施例７と同じ構成としている。

　本実施例では、初期装着位置での第２の内冠５を第１の平面部９側に傾けており、実施例１とは異なる向きで第２の内冠５を挿入することで、治療箇所と隣接する歯などの口内環境に適応した患者固有の挿入及び離脱が可能となる。

　次に図２６は、本発明の第９実施例を示すものである。同図において、図１～図２５と同一部分には同一符号を付し、その共通する部分の詳細な説明は省略する。本実施例は、第２の内冠５と歯冠２を同一材料により一体化して構成している。この場合、歯冠２の合着に歯科用セメントが不要となる。

　本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上記各実施例における各傾斜角度を適宜変更し、各実施例を適宜組み合わせてもよいものとする。また、第１の内冠４に凸部22を設け、第２の内冠５に凹部10を設けてもよい。また、第１の内冠４に凸条部23、24を設け、第２の内冠５に凹溝部11、12を設けてもよい。また、第１の内冠４に上部凸条部28を設け、第２の内冠５に上部凹溝部16を設けてもよい。また、第１の上面部６及び第２の上面部21については水平面としてもよい。

１　歯冠修復物
２　歯冠
３　被嵌合部（所定部）
４　第１の内冠
５　第２の内冠
６　第１の上面部
９　第１の平面部
10　凹部
11　第１の凹溝部
12　第２の凹溝部
16　上部凹溝部
17　第２の上面部
21　第２の平面部
22　凸部
23　第１の凸条部
24　第２の凸条部
28　上部凸条部

Claims

歯冠を所定部に取り付ける歯冠修復物であって、
前記歯冠修復物は、
前記所定部側に取り付けられる第１の内冠と、
前記第１の内冠に上方から嵌合される第２の内冠と、
前記第１の内冠及び前記第２の内冠の一方に形成された凹部と、
前記第１の内冠及び前記第２の内冠の他方に形成され、前記凹部と係合可能な凸部と、
を備えたことを特徴とする歯冠修復物。
前記凹部は前記第１の内冠及び前記第２の内冠の一方に形成された第１の平面部に形成され、前記凸部は前記第１の内冠及び前記第２の内冠の他方に形成された第２の平面部に形成されたことを特徴とする請求項１記載の歯冠修復物。
前記第１の内冠又は前記第２の内冠の一方に上下方向に沿って形成された凸条部と、
前記第１の内冠又は前記第２の内冠の他方に上下方向に沿って形成され、前記凸条部と係合可能な凹溝部と、
を備えたことを特徴とする請求項１又は２に記載の歯冠修復物。
前記第１の内冠の上面部又は前記第２の内冠の上面部の一方に形成された上部凸条部と、
前記第１の内冠の上面部又は前記第２の内冠の上面部の他方に形成され、前記上部凸条部と係合可能な上部凹溝部と、
を備えたことを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の歯冠修復物。