WO2020044958A1 - カルシウムイオン濃度測定装置 - Google Patents

カルシウムイオン濃度測定装置 Download PDF

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Abstract

温度の影響を受けることなく、採血したその場で、家畜の血中のカルシウムイオン濃度を精度良く測定することができるカルシウムイオン濃度測定装置を提供する。家畜の血中カルシウムイオン濃度を測定するカルシウムイオン濃度測定装置であって、カルシウムイオンに対して選択的に反応する応答膜と、該応答膜によって外部から仕切られた空間内に収容された内部液と、当該内部液に接触するように設けられた内部極とを備え、前記内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定されている可搬型カルシウムイオン濃度測定装置とした。

Description

カルシウムイオン濃度測定装置
 本発明は、血液中に含まれるカルシウムイオン濃度を測定するカルシウムイオン濃度測定装置に関するものである。
 血液中に含まれるカルシウムイオン濃度は比較的低濃度であるので、特許文献1に示すような、従来のカルシウムイオン濃度測定装置を用いて測定しようとすると、採取した家畜の血液を、実験室内に輸送して血液の温度を一定に保つ必要がある。さらに気温を一定に保った実験室内に設置された据え置き型の測定装置を用いてカルシウムイオン濃度を測定している。
 しかしながら、このような従来の測定では、試料の温度や室温を調節する設備が必要であることに加えて、実験室に血液を輸送し、血液の温度が一定になって測定値が安定してからカルシウムイオン濃度を測定する必要があるので、測定に時間がかかってしまうという問題がある。
 血液を実験室に輸送せず、採血現場で血液中のカルシウムイオン濃度を測定する装置も考えられてはいるが、家畜の血液の温度及び測定温度を一定に保つための温調装置を内蔵すると大型化し、測定コストが高くなりやすい。
特開2007-024544号公報
 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、温度の影響を受けにくくし、採血したその場で、家畜の血中のカルシウムイオン濃度を精度良く測定することができるカルシウムイオン濃度測定装置を提供することを目的とするものである。
 すなわち、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置は、家畜の血中カルシウムイオン濃度を測定するものであって、カルシウムイオンに対して選択的に反応する応答膜と、該応答膜によって外部から仕切られた空間内に収容された内部液と、当該内部液に接触するように設けられた内部極とを備え、前記内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定されていることを特徴とするものである。
 このように構成したカルシウムイオン濃度測定装置によれば、前記内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定されているので、家畜の体温や気温(周囲温度、周囲環境)などによる温度影響を最小限に抑えることができる。
 その結果、測定結果への温度影響を受けにくくし、採血した場所ですぐに家畜の血中カルシウムイオン濃度を精度良く測定することができる。
 また、血液の温度及び測定温度を一定に保つための装置や設備が不要であるので、測定にかかるコストを低く抑えることができる。
 本発明の具体的な実施態様としては、前記等温交点が、0.1mM以上20mM以下であるものを挙げることができる。
 前記応答膜を覆う蓋体を備えているカルシウムイオン濃度測定装置であれば、屋外などでカルシウムイオン濃度を測定する場合であっても紫外線による影響を抑えて、より精度良く家畜の血中のカルシウムイオン濃度を測定することができる。
 前記可搬型カルシウムイオン濃度測定装置と、校正液と、洗浄液とを備える可搬型カルシウムイオン濃度測定キットとしておけば、カルシウムイオン濃度測定に必要な校正液や洗浄液等が予め用意されているので、家畜の血中カルシウムイオン濃度を採血した場所で簡単に測定することができる。
 前記校正液のイオン強度が、家畜の血液のイオン強度の範囲内に設定されている可搬型カルシウムイオン濃度測定キットとすれば、前記校正液のイオン強度を家畜の血液中のイオン強度に近いものとすることができるので、測定結果へのイオン強度の影響を抑えて、血中のカルシウムイオン濃度をより正確に測定することができる。
 前記洗浄液が、タンパク質分解酵素を含むものである可搬型カルシウムイオン濃度測定キットであれば、前記カルシウムイオン濃度測定装置の前記応答膜や液絡部等へのタンパク質等の付着を抑えることができる。
 内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定されているので、家畜の体温や気温などによる温度影響を最小限に抑えることができる。その結果、測定結果への温度影響を受けにくく、採血した場所で家畜の血中カルシウムイオン濃度を精度良く測定することができる。
 採血してすぐに家畜の血中カルシウムイオン濃度を測定することができるので、血中のカルシウムイオン濃度が低下しており、低カルシウム血症の疑いのある家畜に対して、迅速な処置を行うことが可能である。
本発明の一実施形態に係る可搬型カルシウムイオン濃度測定装置の全体模式図。 本実施形態における可搬型カルシウムイオン濃度測定装置のセンサ部の構造を示す模式図。 本実施形態における可搬型カルシウムイオン濃度測定装置のセンサ部の校正を示す模式図。 本実施形態に係る可搬型カルシウムイオン濃度測定キットの模式図。 本実施形態に係る可搬型カルシウムイオン濃度測定キットを使用したカルシウムイオン濃度測定方法を表すフロー図。 本発明の一実施例におけるカルシウムイオン濃度測定結果を示す表。 本発明の第1の実施例におけるカルシウムイオン濃度測定結果を示す表。 本発明の第2の実施例におけるカルシウムイオン濃度測定結果を示すグラフ。
100・・・カルシウムイオン濃度測定装置
12・・・内部極
13・・・内部液
14・・・応答膜
200・・・カルシウムイオン濃度測定キット
L,H・・・校正液
W・・・洗浄液
 以下に、本発明の一実施形態に係るカルシウムイオン濃度測定装置100について図を参照しながら説明する。
 例えば、乳牛の飼育では、カルシウム不足が進むと様々な疾患を引き起こす原因になり、牛乳の生産や繁殖等に深刻な影響が出るおそれがある。
 そこで、定期的に血液に含まれるカルシウムイオン濃度を測定して、血中カルシウムイオン濃度が所定の値よりも低くなっている個体に対しては、カルシウム剤の投与等の処置を施す必要がある。
 このような健康管理は、乳牛に限らず、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコ、ハムスター、インコ等の畜産動物やペットを含む様々な家畜においても同様に重要である。
 本実施形態に係るカルシウムイオン濃度測定装置100は、前述したような家畜の健康管理のために血中カルシウムイオン濃度を採血したその場で測定するための可搬型のカルシウムイオン濃度測定装置100である。
<本実施形態に係るカルシウムイオン濃度測定装置の構成>
 このカルシウムイオン濃度測定装置100は、図1に示すように、持ち運んで使用することができる可搬型のものである。
 カルシウムイオン濃度測定装置100は、イオン選択性電極である測定電極1と比較電極2が一体となった複合型のものであり、試料と接触させることで試料中のカルシウムイオンを検出するセンサ部3と、該センサ部3によって検出されたカルシウムイオンの濃度を算出する算出部と、これらセンサ部3及び算出部を収容するケーシング4とを備えるものである。
 ケーシング4は、ユーザーが片手で握ることができる太さの細長い筒状の形状のものであり、全体の長さが手のひらに収まる程度のサイズのものである。
 このケーシング4には、算出部によって算出されたカルシウムイオン濃度やカルシウムイオン濃度測定装置100の状態を表示する表示部5や、カルシウムイオン濃度測定装置100を操作するための操作ボタン等が備えられた操作部6等が設けられている。
 前記算出部は、例えば、CPU、メモリ、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を備えた情報処理回路が、前記メモリの所定領域に格納されたプログラムに従ってCPUや周辺機器が協働することによりその機能を発揮するように構成されている。
 センサ部3は、その表面に、カルシウムイオンを検出する測定電極1と、基準電極を得るための比較電極2とを備えた平面センサである。
 測定電極1は、基板11と、該基板11上に形成された測定電極用内部極12と、測定電極用内部極12に接するように配置されたゲル状又は液状の測定電極用内部液13と、該測定電極用内部液13を介して測定電極用内部極12と電気的に接続された応答膜14とを備えるものである。
 比較電極2は、比較電極用内部極21と、液絡部22と、これら比較電極用内部極21及び液絡部22の両方に接するように配置された比較電極用内部液23とを備えるものである。
 これら測定電極1及び比較電極2について、図2及び図3を用いて、以下により詳細に説明する。
 平面センサであるセンサ部3は、図2及び図3に示すように、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の電気絶縁性を有する材料からなり、互いに積層された3枚の基板11a、11b、11cを備えている。
 各基板11a、11b、11cの一部は円弧状に形成してあり、最上層の第3基板11cと中層の第2基板11bとは平面形状(外形)が同一で、下層の第1基板11aは基板11b、11cとは円弧状部分は同形であるが、その反対側はこれらよりもやや長くしてある。また、第3基板11cの周縁を囲むように、被検液ホルダ7が設けられている。
 第1基板11aには、その上面に所定の前処理を施した後、例えばAgペーストをシルクスクリーン印刷等することにより導電部111、112、113、114が形成してあると共に、円形の貫通孔81が形成されている。
 そして、導電部111、112、113、114は次のように加工されている。すなわち、一方の外側の導電部111の先端はAgClで被覆されて円形の測定電極用内部極12が形成され、また、他方の外側の導電部114の先端もAgClで被覆されて基板11aの一方の側端部に位置する細長い形状の比較電極用内部極21が形成されている。
 内側の二つの導電部112、113の先端にわたってサーミスタ等の温度補償素子9が設けられている。そして、各導電部111、112、113、114の他の部分はそのままリード部を構成している。
 第2基板11bには、貫通孔81に対応する位置に形成されたこれと同径の貫通孔82と、測定電極用内部極12に対応する位置に形成された、これらよりやや大径の貫通孔83と、温度補償素子9に対応する位置に形成された、これとほぼ同寸の矩形状の貫通孔84とが、それぞれ設けられている。更に、比較電極用内部極21に対応する側端部に細長い切欠き部85が形成してある。
 第3基板11cには、貫通孔81、82に対応する位置にこれと同径の貫通孔86と、貫通孔83に対応する位置に形成された、これらよりやや大径の貫通孔87と、貫通孔84に対応する位置に形成された、これと同寸の貫通孔88とが、それぞれ設けられている。更に、切欠き部85に対応する位置にこれと同寸の切欠き部89が形成してある。
 基板11a、11b、11cのそれぞれ対応する位置に形成された貫通孔81、82、86には、これらを挿通するようにポリエチレン製の多孔質体221からなる比較電極2の液絡部22が装填されている。当該液絡部22は、最上層の第3基板11cの上面とほぼ面一になるようにして装填してある。
 第2基板11bに形成された貫通孔83内には、測定電極用ゲル状内部液13が装填されている。
 当該ゲル状内部液13は、例えばKClを含むpH緩衝液に、カルシウムイオンを加えてなる内部液に、更にゲル化剤として寒天とゲル蒸発防止剤としてグリセリンとを添加して円盤状に形成してものである。なお、内部液の塩化物イオン濃度は3.3Mに調整してある。
 このゲル状内部液13は、その上面が第2基板11bの上面よりやや突出した状態で貫通孔83内に装填されており、この貫通孔83を介して第1基板11aの上面に形成された測定電極用内部極12と接触している。
 第3基板11cに形成された貫通孔87内には、円盤状に形成されたカルシウムイオン応答膜14が装填されており、ゲル状内部液13に接触すると共に、第3基板11cの上面とほぼ面一になるように固定してある。
 カルシウムイオン応答膜14は、ポリ塩化ビニル(PVC)に可塑剤とカルシウムイオノフォアを加えた後、テトラヒドロフラン(THF)等の有機溶媒で溶解したものを、ポッティングやインクジェット印刷法等によって、貫通孔87内に充填し、その後、加熱して有機溶媒を蒸発させて固体状のカルシウムイオン応答膜14に形成した半透性のものである。
 比較電極用ゲル状内部液23は、ケーシング4において最下層の第1基板11aの下方から最上層の第3基板11cの上方にわたって設けられている。
 比較電極用ゲル状内部液23の上部及び下部は、基板11a、11b、11cの比較電極2の内部極21側の側部とケーシング4との間の隙間を介して互いに連通するように装填されており、比較電極用内部極21の表面及び液絡部22の下端部と接触している。
 比較電極用ゲル状内部液23は、KClを含むpH緩衝液に、カルシウムイオンを加えてなる内部液にゲル化剤として寒天とゲル蒸発防止剤としてグリセリンとを添加したものである。
 しかして、測定電極用ゲル状内部液13及び比較電極用ゲル状内部液23は、いずれもカルシウムイオン濃度に対する等温交点が家畜の血液に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に含まれるようにしてある。
 この実施形態での等温交点とは、測定温度が変化しても、応答膜14の膜電位に変動がないときの測定電極1及び比較電極2の内部液中の測定対象イオンのイオン活量(イオン濃度)のことである。
 家畜の血中カルシウムイオン濃度は、0.1mM以上20.0mM以下であるので、本実施形態では、測定電極用内部液13及び比較電極用内部液23のそれぞれのカルシウムイオン濃度を1.0mMに設定してある。
 その上で、測定電極用内部液13及び比較電極用内部液23の塩化物イオン濃度が3.3Mになるように、測定電極用内部液13及び比較電極用内部液23に添加される塩化カルシウム及び塩化カリウムの量を調節している。
 なお、本実施形態のカルシウムイオン濃度測定装置100では、測定範囲を0.1mM以上5.0mM以下に設定してある。
<本実施形態に係るカルシウムイオン濃度測定キットの構成>
 本実施形態では、図4に示すように、前述した可搬型のカルシウムイオン濃度測定装置100と、このカルシウムイオン濃度測定装置100の校正に使用する校正液L、Hと、センサ部3を洗浄する洗浄液Wと、これらを内部に収容して持ち運ぶためのキャリングケースCとを備えたカルシウムイオン濃度測定キット200として構成してある。
 この測定キット200のカルシウムイオン濃度測定装置100以外の各構成要素について以下に説明する。
 校正液L、Hは、カルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどを含むものであり、そのイオン強度は、家畜の血液のイオン強度の範囲内に設定されている。
 具体的には、校正液L、Hのイオン強度は、およそ0.090以上0.160以下になるように設定してある。
 校正液L、Hは、2種類用意されており、これら2種類の校正液L及びHのカルシウムイオン濃度は互いに異なるように設定されている。
 カルシウムイオン濃度が低い方の校正液(低濃度校正液L)は、例えば、pHが中性に調整された緩衝液と、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを含有するものであり、そのカルシウムイオン濃度が、例えば、1.20mM以上1.30mM以下に設定してある。
 低濃度校正液Lに含まれるその他のイオン濃度は、例えば、ナトリウムイオンが130.00mM以上170.00mM以下、カリウムイオンが4.00mM以上6.00mM以下、pHが7.20以上7.50以下となるように設定してある。
 その上で、低濃度校正液Lのイオン強度は、例えば、0.14以上0.16以下になるように設定してある。
 カルシウムイオン濃度が高い方の校正液(高濃度校正液H)は、例えば、pHが中性に調整された緩衝液と、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを含有するものであり、そのカルシウムイオン濃度が、例えば、2.45mM以上2.55mM以下に設定してある。
 高濃度校正液Hに含まれるその他のイオン濃度は、例えば、ナトリウムイオンが80.00mM以上120.00mM以下、カリウムイオンが1.70mM以上1.90mM以下、pHが6.70以上7.00以下となるように設定してある。
 その上で、低濃度校正液Hのイオン強度は、例えば、0.090以上0.11以下になるように設定してある。
 これら2種類の校正液L、Hは、いずれも5℃~30℃で製造から30ヶ月程度は保管できるようにしてある。
 洗浄液Wは、試料である血液などに起因する汚れがカルシウムイオン濃度測定装置100のセンサ部3に付着することを抑えるものであり、タンパク質分解酵素を含有するものである。
 また、洗浄液Wは、応答膜14の性能に悪影響を与える可能性がある界面活性剤を含まない組成にしてある。
 この洗浄液Wには、さらに、pHが中性に調整された緩衝液と、血液中の血球等を溶血させるための高濃度の塩と、微生物の繁殖を抑える防腐剤などが含有されている。
 緩衝液は、例えば、0.5重量%以上1.0重量%以下のトリス緩衝液や、リン酸緩衝液等の中性緩衝液であれば特に限定されない。
 塩は、洗浄液の塩濃度を血球が溶血する0.5重量%以上1.0重量%以下の範囲まで向上させることが出来るものであれば良く、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど様々なものを適宜使用することができる。
 タンパク質分解酵素の添加量は、例えば、0.5重量%以上1.0重量%以下の範囲であれば良い。
 防腐剤も特に限定されないが、洗浄液を5℃~30℃で20ヶ月程度保管しても使用に問題がない程度に、微生物の繁殖を抑えることができるものが好ましい。
 キャリングケースCは、前述したものに加えて、電池Vや洗浄液用の洗びんB、取扱説明書などを内部に収容できるものであり、片手で楽に持ち運びができるように取っ手が設けてある、幅が30cm、高さが20cm、奥行きが10cm程度のものである。
<本実施形態に係る血中カルシウムイオン濃度の測定方法>
 以下に、前述した可搬型のカルシウムイオン濃度測定キット200を使用した、家畜の血中カルシウムイオン濃度の測定方法について図5を参照して説明する。
 まず、カルシウムイオン濃度測定キット200を牧場等の家畜を飼育している現場に持っていき、カルシウムイオン濃度測定装置100の電源を入れる。
 測定準備として、まず初めにカルシウムイオン濃度測定装置100のセンサ部3を洗浄液で洗浄する(S1)。
 次に、校正液L、Hを用いてカルシウムイオン濃度測定装置100を校正する。本実施形態では、構成は2点校正としている。
 校正を始めるには、まず操作部6に設けられた校正ボタン61を押す。
 校正ボタン61を押すと、低濃度校正液Lをセンサ部3に滴下するよう表示部5に指示が表示される。ユーザーはこの指示に従って、センサ部3の液絡部22と応答膜14とを覆い、被験液ホルダからあふれない量の低濃度校正液Lを滴下し、校正ボタン61を押す(S2)。1点目の校正が終了した旨が表示部5に表示された後に、一度センサ部3を洗浄液Wで洗浄し、ティッシュなどで水分を除去する(S3)。
 なお、校正が終了した後とは、ここでは校正と校正との間のことである。
 次に、高濃度校正液Hをセンサ部3に滴下するよう表示部5に指示が表示される。ユーザーはこの指示に従って、センサ部3の液絡部22と応答膜14とを覆い、被験液ホルダからあふれない量の高濃度校正液Hを滴下し、校正ボタン61を押す(S4)。
 このとき2点で測定された電位差の、これら2つの校正液L、H中のカルシウムイオン濃度の差から算出される理論電位差に対するずれが所定の閾値を越えていれば、表示部5に警告が表示され、ユーザーにセンサ部3の交換時期であることを通知するようにしてある(S5)。もし、センサ部3の交換時期であることを通知する警告が表示された場合には、センサ部3を交換(S6)した後、再度前述の2点校正を行う。
 前述のずれは、例えば、2点間の測定電位差を、2点間の理論電位差に対する比率を100分率として表したときに、2点間の測定電位差を表す百分率と、2点間の理論電位差をあらわす100分率との差の絶対値に対して設定することができ、本実施形態では前述の閾値を±20%に設定している。
 一方、前述のずれが所定の閾値以下であり、校正が問題なく終了した場合には、表示部5に校正が完了した旨が表示される(S5)。なお、ここでの校正が終了した後とは、ここでは校正と測定との間のことである。
 この場合には、センサ部3を洗浄液Wで洗浄し、ティッシュなどで拭き取ることによりセンサ部3の水分を除去(S7)した後に、試料のカルシウムイオン濃度を測定する(S8)。なお、洗浄は、測定と測定との間だけでなく、測定と次の校正との間に行われるものとしても良い。
 試料としては、例えば、獣医等が採取したウシの全血を用いる。ウシの全血をそのまま測定に使用すると途中で血液が凝固してしまうので、採取した全血に、その場ですぐにヘパリンリチウム等からなる抗凝固剤を添加する。具体的には、予めヘパリンリチウムを含有する抗凝固剤を入れた採血容器に採血した家畜の血液を入れて混合すればよい。
 抗凝固剤を添加したウシの全血を、採取したその場でセンサ部3の液絡部22と応答膜14とを覆うようにセンサ部3に滴下する。この状態で、操作部6に設けられた測定ボタン62を押すと、測定が開始される。測定値が安定すると表示部5にその旨及びカルシウムイオン濃度が表示され、カルシウムイオン濃度測定が終了する。このとき、カルシウムイオン濃度は小数点以下1桁まで表示されるようにしてある。
 表示部5に表示されるカルシウムイオン濃度の表示は、目的に応じて小数点以下を切り捨てたり、小数点以下2桁を表示したりすることもでき、表示形式は、操作部6のボタンで操作することによりユーザーが自由に切り替えることが出来るようにしてある。
 1つの試料の測定が完了したら、センサ部3を洗浄液Wで洗浄し、水分を除去(S9)した後に、次のサンプルを測定する。
<本実施形態の効果>
 このように構成された可搬型カルシウムイオン濃度測定装置100及びキット200によれば、以下のような効果を奏することができる。
 測定電極用内部液13及び比較電極用内部液23の等温交点を家畜の血液中のカルシウム濃度の範囲内に設定しているので、測定値への温度の影響を抑えることができる。そのため、家畜の体温による試料の温度や、気温などの影響を受けにくく、採血をしたその場で、血中のカルシウムイオン濃度を精度良く測定することができる。
 試料の温度をコントロールしながらカルシウムイオン濃度を測定する必要がないので、採血した試料を輸送したり、温度をコントロールできる高価な測定装置を使用したりする必要がなく、測定コストを従来の三分の一以下に抑えることができる。
 カルシウムイオン濃度測定装置100の大きさがユーザーの手のひらに収まる程度のものであり、かつセンサ部3が液膜式の平面センサであるので、測定に必要な試料の量を減らすことができる。
 また、カルシウムイオン濃度測定装置100が、センサ部3の周囲に被験液ホルダ7が設けられており、血液試料を収容する容器を別に用意する必要がない。
 図2や図3では省略されているが、図4に符号8で示されているように、センサ部3を覆う蓋体8が設けられているので、特に屋外などでカルシウムイオン濃度を測定する場合の紫外線による影響を抑えて、より精度良く家畜の血中のカルシウムイオン濃度を測定することができる。
 カルシウムイオン濃度測定装置100と、校正液L、Hと、洗浄液Wと、これらを収容するキャリングケースCとを備えたカルシウムイオン濃度測定キット200としているので、校正液L、Hや洗浄液Wを予め用意する手間を省くことができる。
 また、校正液L、Hや洗浄液Wを5℃~30℃で保管することが可能であるので、これらをキャリングケースCに入れたまま、カルシウムイオン濃度測定装置100とともに保管しておくことも可能である。
 カルシウムイオン濃度測定装置100と、校正液L、Hと、洗浄液WとをキャリングケースCに入れて一緒に持ち運べるので、家畜が飼育されている厩舎や野外の牧場などに持ち運んで、家畜から血液を採取したその場ですぐに血中カルシウムイオン濃度を測定することができる。
 校正液L、Hのイオン強度が、家畜の血液のイオン強度の範囲内に設定されているので、カルシウムイオン濃度測定装置100を精度良く校正することができる。
 洗浄液Wが塩を含んでいるので、家畜の血液中の血球を浸透圧によって破壊して、溶血させることができる。また、洗浄液Wが、さらにタンパク質分解酵素を含有しているので、血液中のタンパク質を分解することができる。その結果、血液の粘度を下げて、センサ部3への血液による汚れの付着を抑えることができる。
 また、校正が終了した後や測定が終わった後など、センサ部3が校正液や試料と触れる度に、センサ部3を毎回洗浄液Wで洗浄するようにしているので、センサ部3を毎回洗浄液Wで洗浄せずに、水等で洗浄する場合に比べて汚れがより付着しにくく、センサ部3の寿命より長く保つことができる。
 校正ボタン61を押せば、2点校正をするよう表示部5にガイド表示がされるようにしてあるので、キット200の使用になれていないユーザーでも簡単に精度良くカルシウムイオン濃度測定装置100を校正することができる。
 抗凝固剤としてヘパリンリチウムを使用すれば、ヘパリンリチウムは血中の電解質濃度に影響を与えないので、血中のカルシウムイオン濃度をより正確に測定することができる。
<本発明に係るその他の実施形態>
 本発明は前記実施形態に限られたものではない。
前述した内部液のカルシウムイオンに対する等温交点は、0.1mM以上20mM以下、0.1mM以上10mM以下、0.1mM以上5mM以下、0.1mM以上4mM未満、0.5mM以上5mM以下、より好ましくは0.5mM以上2mM以下であれば良い。
 等温交点は、測定電極及び比較電極の内部液中の測定対象イオン及び塩化物イオンのイオン活量によって変動するものである。そこで、内部液のカルシウムイオン濃度を家畜の血中カルシウムイオン濃度の範囲に含まれるようにする以外にも、前述したイオン活量を調整することによって等温交点が家畜の血中カルシウムイオン濃度の範囲に含まれるように調整しても良い。
 低濃度校正液に含まれるカルシウムイオン濃度は、0.50mM以上1.5mM以下、1.00mM以上1.50mM以下、より好ましくは、1.20mM以上1.30mM以下であればよい。
 高濃度校正液に含まれるカルシウムイオン濃度は、2.00mM以上6.00mM以下、2.50mM以上5.00mM以下、より好ましくは、2.45mM以上2.55mM以下であればよい。
 また、これら低濃度校正液及び高濃度校正液に含まれるカルシウムイオン以外のナトリウムイオン、カリウムイオン、pHなどについても各校正液全体としてのイオン強度が家畜の血液のイオン強度の範囲内に含まれるようにさえすれば、適宜変更することが可能である。
 具体的には、例えば、低濃度校正液に含まれるナトリウムイオン濃度は、0.01mM以上200mM以下、0.01mM以上170.00mM以下、より好ましくは、100.00mM以上170.00mM以下であればよい。低濃度校正液に含まれるカリウムイオン濃度は、0.01mM以上150mM以下、4.00mM以上140mM以下、より好ましくは4.00mM以上6.00mM以下であればよい。
 高濃度校正液に含まれるナトリウムイオン濃度は、0.01mM以上300mM以下、0.01mM以上250.00mM以下、より好ましくは、80.00mM以上120.00mM以下であればよいであればよい。高濃度校正液に含まれるカリウムイオン濃度は、0.01mM以上150mM以下、1.00mM以上131mM以下、より好ましくは1.60mM以上2.00mM以下であればよい。
 また、校正液L、Hを家畜の血液の組成により近づけるために、校正液L、Hには、前述したイオン以外にも、例えば、マグネシウムイオン、塩化物イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、硫酸イオンなどが含有されていてもよい。
 これら各イオンの含有量については、家畜の血液の組成にならって、およそ以下のように設定されていればよい。
 マグネシウムイオン濃度は、例えば、ナトリウムイオン濃度の100分の1程度としてあればよい。
 塩化物イオン、炭酸水素イオン、リン酸水素イオン、硫酸イオンなどの負の電荷を持つイオンについては、負の電荷をもつイオン全体を100とすると、例えば、塩化物イオンの濃度が78.5、炭酸水素イオンの濃度が16.7、リン酸水素イオンの濃度が2.4、硫酸イオンの濃度が2.4程度となるようにしてあればよい。
 これら各種イオンを含有する低濃度校正液及び高濃度校正液のイオン強度は、家畜の血液のイオン強度の範囲内に含まれるようにしてあればよく、0.010以上0.500以下、0.050以上0.300以下、より好ましくは0.070以上0.220以下であればよい。
 前記実施形態では、センサの交換時期であることを警告するときの所定の閾値を20%としていたが、この閾値は、例えば、5%以上30%以下の範囲であればよく、測定の目的によって適宜選択できるようにしておいてもよい。また、2点間の測定電位差及び2点間の理論電位差を百分率で表したものに限らず、これらの電位差間のずれについて閾値が設けられているようにすればよい。
 カルシウムイオン濃度測定装置は、平面センサ型のものに限らず、ケーシング4の先端部から突出するように設けられたセンサ部を試料に浸して使用するようなものであっても良い。
 校正は前述したような2点校正に限らず、3点校正としても良いし、1点校正としても良い。
 可搬型カルシウムイオン濃度測定キットが、予めヘパリンリチウムを含有する抗凝固剤を入れた採血容器を備えるものとしてもよい。
 その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、種々の変形や実施形態の組合せを行ってもかまわない。
 以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。
<実施例1>
 前記実施形態で、詳述したカルシウムイオン濃度測定装置及びカルシウムイオン濃度測定キットを使用して、測定結果に対する温度変化の影響について以下の実験を行った。具体的な実験手順は以下の通りである。
 試料としては、ヘパリンリチウム採血管に採取されたヒトの血液を使用した。
 同じ採血管から取り出した試料を、それぞれ恒温槽で5℃、25℃、37℃にしておき、それぞれの温度の試料を測定する室温もそれぞれの試料の温度にあわせて5℃、25℃、37℃にしておいた。
 カルシウムイオン濃度測定装置をキットに備え付けの校正液を使用して前述したそれぞれの室温で2点校正し、その後、カルシウムイオン濃度測定装置のセンサ部に、試料を195μL滴下し、カルシウムイオン濃度の測定を行った。
 比較例として、内部液の等温交点を家畜の血中のカルシウムイオン濃度の範囲外である50mMに設定したカルシウムイオン濃度測定装置を用いた以外は、全く同じ条件で試料のカルシウムイオン濃度を測定した。
 さらに、これら実施例及び比較例で使用したものと同じ試料を、RADIOMETER社製の血液ガス測定装置(ABL800FLEX)に供し、試料中のカルシウムイオン濃度を精密分析した。
 これらの結果を比較して示したのが、図6の表である。表中の数値は、3回の測定の平均値を示したものである。
 この表の結果から、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置を使用した実施例では、従来のカルシウムイオン濃度測定装置を使用した比較例に比べて、温度を変えたときの測定の変化が小さいことがわかる。特に5℃での測定時には、比較例とABL800FLEXでの測定結果との差が大きくなっているのに比べて、実施例ではこの差が小さく抑えられていることが分かる。
 また、25℃や37℃での測定では、試料測定時の測定値が安定するまでに要する時間が比較例に比べて短くなっていることもわかる。
 以上の結果から、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置によれば、測定結果に対する温度変化の影響を小さく抑えることができることが分かった。
<実施例2>
 次に、京都府農林水産技術センター畜産センターの協力により、実際に乳牛から採取した血液を使用して、前記実施形態で詳述したカルシウムイオン濃度測定装置及びカルシウムイオン濃度測定キットについて、カルシウムイオン濃度の測定精度に問題がないかどうかを検討した。試料となる血液は、同じ乳牛からおよそ1週間に1回の割合で継続的に採取した。
 前述のように採取した血液中のカルシウムイオン濃度測定は、温度を全て25℃とした以外は、実施例1と同様の手順で行った。その結果を図7の表及び図8のグラフに示した。図8のグラフ中の三角の凡例で表されたグラフが、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置を使用した測定結果を示し、四角の凡例で粟らされたグラフがABL800FLEXでの精密分析の結果を示している。
 これら図7及び図8では、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置を2つ用意して、同じ試料に対して、それぞれの装置で3回ずつ、合計6回の測定の平均値をしめしている。
 これらの結果から、本発明に係るカルシウムイオン濃度測定装置によって測定した血中カルシウムイオン濃度は、ABL800FLEXでの精密分析の結果と整合のとれたものであることが分かった。
 図8の結果から良く分かるように、本発明によるカルシウムイオン濃度測定装置によれば、試験対象となった乳牛の分娩に直後に血中カルシウムイオン濃度が低下していることがはっきりと判別できた。さらに、その後のカルシウム剤投与などの処置によって血中カルシウムイオン濃度が分娩前と同じ水準まで回復していていることもはっきりと判別できた。
 これらの結果から、本発明によるカルシウムイオン濃度測定装置は、例えば、コストが係る精密検査をする前に、血中カルシウムイオン濃度が低下している乳牛をスクリーニングするには十分な精度を発揮できるものであることが分かった。
 本発明によれば、内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定されているので、家畜の体温や気温などによる温度影響を最小限に抑えることができる。その結果、測定結果への温度影響を受けにくく、採血した場所で家畜の血中カルシウムイオン濃度を精度良く測定することができる。

 

Claims (10)

  1.  家畜の血中カルシウムイオン濃度を測定するカルシウムイオン濃度測定装置であって、
     カルシウムイオンに対して選択的に反応する応答膜と、
     該応答膜によって外部から仕切られた空間内に収容された内部液と、
     当該内部液に接触するように設けられた内部極とを備え、
     前記内部液の等温交点が、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定され、家畜の血液を採血したその場で測定することができる可搬型カルシウムイオン濃度測定装置。
  2.  前記等温交点が、0.1mM以上20mM以下である請求項1記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定装置。
  3.  前記応答膜が、半透性の膜である請求項1又は2記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定装置。
  4.  前記応答膜を覆う蓋体を備えている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定装置。
  5.  請求項1記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定装置と、
     前記可搬型カルシウムイオン濃度測定装置を校正するための校正液と、
     前記可搬型カルシウムイオン濃度測定装置を洗浄するための洗浄液とを備える可搬型カルシウムイオン濃度測定キット。
  6.  前記校正液のイオン強度が、家畜の血液のイオン強度の範囲内に設定されている請求項5記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定キット。
  7.  前記洗浄液が、タンパク質分解酵素を含有するものである請求項5記載の可搬型カルシウムイオン濃度測定キット。
  8.  カルシウムイオンに対して選択的に反応する応答膜と、該応答膜によって外部から仕切られた空間内に収容された内部液と、当該内部液に接触するように設けられた内部極とを備えた可搬型カルシウムイオン濃度測定装置を用いて家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度を測定する方法であって、
     前記内部液の等温交点を、家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度の範囲内に設定することを特徴とするカルシウムイオン濃度測定方法。
  9.  血液を採取した現場で、家畜の血液中のカルシウムイオン濃度を測定する請求項8記載のカルシウムイオン濃度測定方法。
  10.  前記応答膜を、タンパク質分解酵素を含有する洗浄液を用いて洗浄する洗浄工程をさらに含み、
     該洗浄工程が、前記可搬型カルシウムイオン濃度測定装置を校正した後、及び前記家畜の血中に含まれるカルシウムイオン濃度を測定した後に行われることを特徴とする請求項8記載のカルシウムイオン濃度測定方法。
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