JP2014050318A - 前処理装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な前処理装置で、カルシウムイオン電極を用いてカルシウムイオン濃度を正確に測定できる前処理装置を提供する。
【解決手段】カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前に前処理を施すための前処理装置1であって、前記試料溶液に酸を添加する酸添加機構3と、酸を添加した前記試料溶液に塩基を添加する塩基添加機構4と、を備える前処理装置1。
【選択図】図1

Description

この発明は、カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前の前処理を施すための前処理装置及び方法に関する。
牛乳等の乳飲料、スポーツドリンク、ミネラルウォーター等の各種飲料のカルシウム含有量を測定する方法として、イオンクロマトグラフィー(IC)、ICP分析等の種々の方法が知られているが、コストが安くかつ簡便に行える方法としては、例えば特許文献1に記載されているカルシウムイオン電極法がある。
特許文献1記載の測定方法は、カルシウム含有量が既知の試料溶液に酸を添加してpH値を4.3〜7.0とした該試料溶液のカルシウムイオン濃度とイオンメータの指度の検量線を作成し、該試料溶液と同種の溶液であって、カルシウム含有量が未知の分析試料に酸を添加してpH値を4.3〜7.0とした分析試料のイオンメータの指度を測定し、予め作成した検量線と分析試料のイオンメータの指度から分析試料のカルシウム濃度を測定するものである。
特開平4−64054
しかし、カルシウム化合物はその性質として難溶性であるものが多く、溶液中でカルシウムはイオン状態ではなく化合物として存在することが多い。そのため、特許文献1記載の方法のように、混合液のpH値を4.3にしただけでは分析試料に含有されるカルシウム化合物の電離している割合が正確な測定値を得るには十分ではなく、カルシウムイオン電極の測定値が不確かであるという問題がある。
また、特許文献1記載の方法では、検量線を作成しなければ分析試料のカルシウムイオン濃度を測定できないので、測定に時間がかかるという問題や、検量線を作成した試料溶液と同種の分析試料でないとカルシウム濃度が分からないので、カルシウム濃度を測定する全ての分析試料について検量線を作成しなければならず、測定方法が煩雑であるという問題もある。
本願発明は、上記問題点を解決するためのものであり、簡便にかつ正確に試料溶液中のカルシウムイオン濃度を測定するために測定前に施す前処理の前処理装置及び方法を提供するべく図ったものである。
すなわち本発明にかかる前処理装置は、カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前に前処理を施すための前処理装置であって、前記試料溶液に酸を添加する酸添加機構と、酸を添加した前記試料溶液に塩基を添加する塩基添加機構とを備える。
このような前処理装置によれば、酸添加機構から添加する酸の量を調整して試料溶液中のカルシウム化合物を略完全に電離させることができ、かつ、カルシウム化合物を電離させたまま、カルシウムイオン電極で測定可能なpH値となるように塩基添加機構から試料溶液へ塩基を添加することができるので、簡便かつ正確にカルシウムイオン濃度を測定できるように前処理を施すことができる。
また、例えば、前記酸が無機酸、特に塩酸及び硝酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸であり、前記塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、グッドの緩衝液、トリス緩衝液及びトリス塩酸緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも一種の塩基、特に緩衝液であることが好ましい。特に、無機酸は、カルシウムと結合して難溶性塩を形成せず、有機酸を添加する場合と比べて精度よく測定できる。また、緩衝液は、添加時にpHを大きく変えることなく容易に調整することができる。なお、グッドの緩衝液としては、例えば、MES、PIPES、コラミンクロリド、BES、TES,HEPES等が挙げられる。
このような酸や塩基を用いることにより、試料溶液中に含まれるカルシウムイオが再結合することなくpHを調整することができ、精度よくカルシウムイオン濃度を測定することができる。
本発明による前処理装置は、前記酸添加機構が、前記試料溶液のpH値が3以下となるような量の酸を添加するものであり、前記塩基添加機構が、前記試料溶液のpH値が4以上となるような量の塩基を添加することが好ましい。
このような前処理装置によれば、酸添加機構により添加された酸によってカルシウム化合物をほぼ完全に電離させることができる。また、カルシウムイオン濃度を測定するカルシウムイオン電極は、その特性として測定可能なpH領域が4以上であるので、塩基添加機構は試料溶液のpH値が4以上となるように該試料溶液に塩基を添加することが好ましい。
また上記した構成において、特に前記試料溶液に含まれるカルシウム化合物が無機塩である場合、前記試料溶液のpH値が5以上となるような量の塩基を添加するものであることが好ましい。
本発明に係る前処理方法としては、カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前に施す前処理方法であって、前記試料溶液に酸を添加して、該溶液中のカルシウム化合物を電離させる酸添加工程と、カルシウムイオン化合物が電離した状態の前記試料溶液に塩基を添加する塩基添加工程と、を備えるものを挙げることができる。
このように本発明によれば、簡便な前処理装置で、カルシウムイオン電極を用いてカルシウムイオン濃度を正確に測定することができる。
本発明の一実施形態における前処理装置の概略図。 本発明の他の実施形態における前処理装置の概略図。 試験例1のカルシウムイオン電極測定値と記載値との相関関係を示すグラフ。 試験例2のカルシウムイオン電極測定値とIC測定値との相関関係を示すグラフ。
以下に本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の前処理装置1は、カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極で測定する際の前処理に用いるものである。
本実施形態の前処理装置1は、図1に示すように、試料溶液を収容する調整槽2と、調整槽2に収容された試料溶液に酸性溶液を添加する酸添加機構3と、測定槽2に収容された試料溶液に塩基性溶液を添加する塩基添加機構4と、調整槽2に収容された試料溶液のpH値を測定するpH測定計5と、調整槽2、酸添加機構3及び塩基添加機構4を制御する制御部6とを備える。
調整槽2は、その側面に2つの導入口が設けられており、一方の導入口はペリスタポンプP1が設けられた試料溶液注入路7と連結されており、他方の導入口はペリスタポンプP2が設けられた試料溶液排出路8と連結されている。各導入口付近の試料溶液注入路7と試料溶液排出路8には、図示しないバルブが設けられている。そして、ペリスタポンプP1により試料溶液注入路7から適宜送液された試料溶液は調整槽2に収容され、調整槽2で調整された試料溶液はペリスタポンプP2により試料溶液排出路8から排出される。調整槽2で試料溶液の調整が行われているときは、試料溶液注入路7と及び試料溶液排出路8に設けられたバルブは閉じられており、試料溶液に誤差が生じることを防いでいる。
また、調整槽2の底面には、攪拌子11及び攪拌子11と調整槽2の底面を挟んで対向する位置にはマグネテックスターラー12が配置されている。調整槽2に収容される試料溶液は、マグネテックスターラー12で発生される磁力により回転する攪拌11によって攪拌される。
酸添加機構3は、酸性溶液を収容する図示しない貯蔵槽と、貯蔵槽と調整槽2とを連結するバルブ31を有する管32とを備える。図示しない貯蔵槽の一部には孔部が設けられており、該孔部はバルブ31が設けられた管32の一端と連結しており、管32の他端は調整槽2に収容された試料溶液内に差し込まれている。そして、酸添加機構3は、バルブ31が開くと酸性溶液を調整槽2に収容された試料溶液に添加する。酸性溶液には、カルシウムとの結合性を有しない例えば塩酸または硝酸等の水溶液が用いられる。
塩基添加機構4は、塩基性溶液を収容する図示しない貯蔵槽と、貯蔵槽と調整槽2とを連結するバルブ41を有する管42とを備える。図示しない貯蔵槽の一部には孔部が設けられており、該孔部はバルブ41が設けられた管42の一端と連結しており、管42の他端は調整槽2に収容された試料溶液内に差し込まれている。そして、塩基添加機構4は、バルブ41が開くと塩基性溶液を調整槽2に収容された試料溶液に添加する。塩基性溶液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、グッドの緩衝液、トリス緩衝液またはトリス塩酸緩衝液等の水溶液が用いられる。なお、塩基添加機構4から送液される塩基性溶液に、一定量の支持塩(例えば、イオン強度調整剤やイオン強度調整剤を含む溶液)を添加してもよい。支持塩としては例えば、KCl又はKNO3等が挙げられる。
pH測定計5は、調整槽2の試料溶液内に差し込まれたpH電極5aと、pH電極5aと直接的または間接的に接続された本体部5bとを備える。pH電極5aは、pH電極と比較電極とが一体となった複合型のものであり、pH電極と比較電極との間に生じた電位差によって溶液のpH値を測定するものである。なお、pH電極5aとしては、ガラス電極であってもよく、又は液膜式を用いても構わない。
制御部6は、構造的には、CPU、内部メモリ、I/Oバッファ回路、ADコンバータ等を有した所謂コンピュータ回路である。そして、内部メモリの所定領域に格納したプログラムに従って動作することで情報処理を行い、ペリスタポンプP1、P2やバルブ31、41を制御する機能を発揮する。
上述したように構成した前処理装置1を用いた前処理方法の一例について以下説明する。
(1)試料溶液注入路7からペリスタポンプP1により適宜送液された試料溶液が調整槽2に注入される。
(2)pH測定計5で試料溶液のpH値を測定しながら、バルブ31を開いて酸添加機構3から適量の酸性溶液を試料溶液に添加して、該試料溶液のpH値が3以下となるように調整する酸添加工程を行う。例えば、試料溶液のpH値を2.0〜2.7の間となるように調整することが好ましい。
(3)試料溶液に純水を加えて希釈する。
(4)pH測定計5で試料溶液のpH値を測定しながら、バルブ41を開いて塩基添加機構4から適量の塩基性溶液と一定量の支持塩を試料溶液に添加して、該試料溶液のpH値が4以上となるように調整する塩基添加工程を行う。ここで例えば、試料溶液が牛乳、ヨーグルト等の乳飲料である場合、試料溶液のpH値を4.0〜5.0の間に調整することが好ましい。また、試料溶液がミネラルウォーターやスポーツ飲料等である場合、試料溶液のpH値を6.0〜7.0の間に調整することが好ましい。なお、塩基性溶液に一定量の支持塩が添加されていない場合には、電気伝導計9で試料溶液の電気伝導率を測定しながら、試料溶液に支持塩を適量加えて、試料溶液の電気伝導率が校正液と合うように調整してもよい。
(5)調整槽2の試料溶液は、ペリスタポンプP2により試料溶液排出路8へと適宜送液される。
このような前処理装置1によれば、酸添加機構3から添加する酸の量を調整して試料溶液中のカルシウム化合物を略完全に電離させることができ、かつ、カルシウム化合物を電離させたまま、カルシウムイオン電極で測定可能なpH値となるように塩基添加機構4から試料溶液へ塩基を添加することができるので、簡便かつ正確に測定できる前処理を施すことができる。
また、酸性溶液に、カルシウムとの結合性を有しない例えば塩酸または硝酸等の水溶液を用いて、塩基性溶液に、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、グッドの緩衝液、トリス緩衝液またはトリス塩酸緩衝液等の水溶液を用いることで、酸や塩基が試料溶液中のカルシウムイオンと結合することなくpHを調整することができ、精度よくカルシウムイオン濃度を測定することができる。なお、グッドの緩衝液としては、例えば、MES、PIPES、コラミンクロリド、BES、TES、HEPES等が挙げられる。
また、塩基性溶液に一定量の支持塩を添加するので、試料溶液と校正液とのイオン強度が合うようにすることができ、より正確な測定値を測定することができる。なお、このような前処理装置1にさらに電気伝導計9を備えれば、試料溶液の電気伝導率を電気伝導計9で測定しながら、試料溶液の電気伝導率が校正液と合うように支持塩の添加量を調整する前処理を施すこともできる。
このような前処理方法によれば、試料溶液に純水を加えて希釈するので、試料溶液中のカルシウムイオンをより分離させて正確な測定値を得ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、前述の前処理方法を記載した説明書と、酸性溶液と、塩基性溶液とにより、キットを構成し、該キットにより前処理を行ってもよい。また、塩基性溶液には、支持塩が混入されていてもよい。
また、図2に示すように、前処理装置1に電気伝導計9を別に設けても構わない。電気伝導計9は、測定槽2の試料溶液内に差し込まれた電極9aと、電極9aと直接または間接的に接続された本体部9bとを備える。電極9aは、交流二電極法を用いたものであって、溶液に差し込まれた2本の電極の間に流れる電流を測定することで電気伝導率を測定するものである。なお、交流二電極法ではなく、交流四極法による電気伝導計を用いても構わない。
その他、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[試験例1]
牛乳、ヨーグルト等の乳飲料を試料溶液(サンプル1〜サンプル4)に用いてカルシウム含有量を測定した。ここで、サンプル1及びサンプル2は牛乳、サンプル3は発酵乳、サンプル4は乳飲料である。
試料溶液のカルシウム含有量の測定方法としては、イオンクロマトグラフィー(IC)、ICP分析法、カルシウムイオン電極法(堀場製作所製LAQUAtwinカルシウムイオンメータ)を用いた。
ここで、カルシウムイオン電極で測定するサンプル1〜4については、比較のため、前処理を行っていないサンプルと前処理を行ったサンプルとを準備した。前処理を行ったサンプルとしては、以下の2つの方法をそれぞれ施したサンプルを別々に用意した。
<前処理方法1について>
(1)5mol/Lの塩酸水溶液100μLを、試料溶液5mLに添加して、試料溶液のpH値を2.0〜2.7の間となるように調整する酸添加工程を行った。
(2)試料溶液に純水45mLを加えて10倍に希釈した。
(3)トリスを添加して試料溶液のpH値を4.0〜5.0の間となるように調整する塩基添加工程を行った。
(4)支持塩としてKClを加えて、試料溶液の電気伝導率を校正液に合わせた。
<前処理方法2について>
(1)5mol/Lの塩酸水溶液100μLを試料溶液5mLに添加して、試料溶液のpH値を2.0〜2.7の間となるように調整する酸添加工程を行った。
(2)純水45mLを加えて10倍に希釈した。
(3)トリスを添加して試料溶液のpH値を6.0〜7.0の間となるように調整する塩基添加工程を行った。
(4)支持塩としてKClを加えて、試料溶液の電気伝導率を校正液に合わせた。
その結果を表1に示す。なお、表1中、記載値とは、製造元によって製品に予め記載された値のことである。
表1に示すように、サンプル1〜4のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極で測定した測定値には、前処理ありと前処理なしで大きな違いが見られた。前処理なしのサンプルのカルシウムイオン電極測定値は、サンプルに予め記載された記載値とは異なる値を示した。一方、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値は、前処理なしのサンプルのカルシウムイオン電極測定値と比べると明らかに記載値に近づいていることが分かる。
ここで、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値であるが、前処理方法1で前処理を施したサンプルのカルシウムイオン電極測定値と前処理方法2で前処理を施したサンプルのカルシウムイオン電極測定値とを比べると、前処理方法1で前処理を施したサンプルのカルシウムイオン電極測定値の方がより記載値に近似した値が得られた。
この原因としては、カゼインが関係していると考えられる。つまり、本実施例の試料溶液は牛乳やヨーグルト等の乳飲料であるため、その試料溶液中には乳タンパク質の主成分であるリンタンパク質のカゼインが多く含まれている。ここで、カゼインの等電点は4.6である。そのため、塩基添加工程において試料溶液のpH値を4.0〜5.0の間に調整した前処理方法1では、試料溶液中のカゼインが酸添加工程において一旦電離したカルシウムイオンと再結合しないので、より正確なカルシウムイオン濃度を測定することができたと考えられる。しかし、塩基添加工程において試料溶液のpH値を6.0〜7.0の間に調整した前処理方法2では、試料溶液中のカゼインが酸添加工程において一旦電離したカルシウムイオンと再結合したので、前処理方法1と比べると正確なカルシウムイオン濃度を測定することができなかったと考えられる。
ここで、特にサンプル3に用いられた発酵乳又はサンプル4に用いられた乳飲料については、カルシウムイオンが乳酸と結合した状態にあるので、正確なカルシウムイオン濃度を測定することが難しかったが、本前処理方法1を用いることで、発酵乳や乳飲料についても正確なカルシウムイオン濃度を測定することが出来る。
また、表1に示すように、記載値、IC測定値、ICP測定値およびカルシウムイオン電極測定値(前処理方法1を用いたもの)を比較すると、カルシウムイオン電極測定値は、IC測定値あるいはICP測定値よりも記載値と近似した。
図3は、記載値とカルシウムイオン電極測定値(前処理方法1を用いたもの)との相関関係を示したグラフである。図3に示すように、記載値とカルシウムイオン電極測定値との相関係数は約0.99であって、1に近しいものであった。よって、カルシウムイオン電極測定値は、記載値と相関関係にあり、本発明の前処理方法1を施したサンプルのカルシウムイオン電極測定値は記載値に近似した正確な値であることが分かる。
[試験例2]
カルシウム含有量が未知のミネラルウォーターを試料溶液(サンプル5〜サンプル10)に用いてカルシウム含有量を測定した。
カルシウム含有量の測定方法としては、イオンクロマトグラフィー法(IC)、カルシウムイオン電極法(堀場製作所製LAQUAtwinカルシウムイオンメータ)を用いた。
ここで、カルシウムイオン電極で測定するサンプル5〜10については、比較のため、前処理なしのサンプルと前処理ありのサンプルとを準備した。そして、前処理なしのサンプル及び前処理ありのサンプルの両方に、支持塩としてKClを加えて試料溶液の電気伝導率を校正液に合わせた支持塩ありのものと支持塩としてKClを加えていないものとを別々に用意した。前処理としては以下の方法を行った。
(1)5mol/Lの塩酸水溶液10〜30μLを試料溶液5mLに添加して、試料溶液のpH値を2.0〜2.7の間となるように調整する酸添加工程を行った。
(2)トリス緩衝液(pH値が7.0のもの)を添加し、試料溶液を3〜5倍に希釈して、試料溶液のpH値を6.0〜6.8の間となるように調整する塩基添加工程を行った。
その結果を表2に示す。
表2に示すように、サンプル5〜10のカルシウムイオン電極測定値は、支持塩なしか支持塩ありかで大きな違いが見られ、支持塩ありのサンプルの方がIC測定値とより近似した値が得られた。これは、支持塩を加えて試料溶液と校正液とのイオン強度を合わせることで、溶液中の電気伝導率を上げて測定誤差が生じにくいようにしたためと考えられる。
また、表2に示すように、前処理なしのサンプルのカルシウムイオン電極測定値(支持塩あり)と、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値(支持塩あり)とには、サンプルのカルシウム含有量が大きくなるにつれて顕著な差が見られ、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値の方がよりIC測定値と近似したものとなった。
サンプルのカルシウムイオン含有量が増加するにつれて、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値がIC測定値と近似した理由としては、以下のように考えられる。つまり、カルシウム含有量が増加するにつれて、遊離カルシウムイオンがカルシウム化合物となる方向に平衡状態が動くので、前処理なしのサンプルではカルシウムイオンの電離度が低く、そのカルシウムイオン電極測定値がIC測定値と異なるものとなったと考えられる。一方、前処理ありのサンプルは、試料溶液中のカルシウム化合物の含有量が増加しても酸添加工程でカルシウム化合物を電離させるので、カルシウムイオンの電離度が高く、カルシウムイオン電極測定値がIC測定値と近似したものとなったと考えられる。
また、前処理ありのサンプルのカルシウムイオン電極測定値と、IC測定値とが近似した値となった理由としては、試料溶液のpH値を2.0〜2.7の間となるように調整する酸添加工程によって、試料溶液中に含まれる炭酸イオンがガス化して抜けるので、その後のpH値を6.0〜6.8の間となるように調整する塩基添加工程において、炭酸イオンがカルシウムイオンと再結合しないためと考えられる。また、試料溶液に酸添加工程と塩基添加工程とを行うことで、鉄イオンや亜鉛イオン等の妨害イオンの影響を受けにくくなったためとも考えられる。
図4は、IC測定値とカルシウムイオン電極測定値との相関関係を示したグラフである。図4に示すように、前処理を施して支持塩を加えたサンプルにおけるカルシウムイオン電極測定値は、他のサンプルにおけるカルシウムイオン電極測定値と比べるとIC測定値との相関係数がより1に近似した値となった。そのため、前処理を施して支持塩を加えることでサンプルのカルシウムイオン濃度をより正確に測定することが出来ると考えられる。
1・・・前処理装置
2・・・調整槽
3・・・酸添加機構
4・・・塩基添加機構
5・・・pH測定計

Claims (8)

  1. カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前に前処理を施すための前処理装置であって、
    前記試料溶液に酸を添加する酸添加機構と、
    酸を添加した前記試料溶液に塩基を添加する塩基添加機構と、を備える前処理装置。
  2. 前記酸が、無機酸であり、
    前記塩基が、緩衝液であることを特徴とする請求項1記載の前処理装置。
  3. 前記酸が、塩酸及び硝酸からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の前処理装置。
  4. 前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、グッドの緩衝液、トリス緩衝液及びトリス塩酸緩衝液からなる群より選ばれる少なくとも一種の塩基であることを特徴とする請求項1又は3記載の前処理装置。
  5. 前記酸添加機構が、前記試料溶液のpH値が3以下となるような量の酸を添加するものであり、
    前記塩基添加機構が、前記試料溶液のpH値が4以上となるような量の塩基を添加するものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の前処理装置。
  6. 前記試料溶液に含まれるカルシウム化合物が無機塩である場合、
    前記塩基添加機構が、前記試料溶液のpH値が5以上となるような量の塩基を添加するものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の前処理装置。
  7. カルシウム化合物が含まれる試料溶液中のカルシウムイオン濃度をカルシウムイオン電極によって測定する前に施す前処理方法であって、
    前記試料溶液に酸を添加して、該溶液中のカルシウム化合物を電離させる酸添加工程と、
    カルシウムイオン化合物が電離した状態の前記試料溶液に塩基を添加する塩基添加工程と、を備える前処理方法。
  8. 前記酸が、無機酸であり、
    前記塩基が、緩衝液であることを特徴とする請求項7記載の前処理方法。
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