WO2019098306A1

WO2019098306A1 - 地図

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Publication number: WO2019098306A1
Application number: PCT/JP2018/042371
Authority: WO
Inventors: 盛明肥後
Original assignee: 盛明肥後
Priority date: 2017-11-14
Filing date: 2018-11-09
Publication date: 2019-05-23
Also published as: JP2020024372A; JP6547053B1; JP2020024350A

Abstract

本発明は、計測器具、計算器具及び専用器具を使用することなく、地図の大きさと縮尺係数にも左右されず、恒常的に設置された案内図等であっても、地図上に表された二点に対応する現地の二点間の直線距離などを極めて短時間で知ることができるようになる、地図の提供を目的とする。本発明の地図は、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、スケールバーとを備えた地図であって、スケールバーは、地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％～１３０％であり、地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％～１３０％である。

Description

地図

　本発明は、二点間の直線距離などを極めて短時間に知ることができる地図に関するものである。

　地図を用いて現地の二点間の直線距離を求める場合、任意の縮尺で表示された地図表示領域上の二点の長さを定規等の計測器具で測定した後、電卓などの計算器具を使用し、測定した二点の長さに縮尺係数（縮尺の分母）をかけて計算するという、計測器具と計算器具を組み合わせる手法が、通常用いられる。
　地図から計測器具と計算器具を用いて現地の二点間の直線距離を求める場合、以下の不都合が生じる。
　（１）計測器具と計算器具を組み合わせる作業が必要であるため、必然的に、簡便でなく、迅速性にも劣る。
　（２）地図表示領域上の二点の長さは通常センチメートル又はミリメートルであるのに対し、現地の二点間の直線距離はメートル又はキロメートルであるため、換算作業が必要となり、桁数等の煩雑さもある。
　（３）恒常的に設置された案内図、避難場所案内図等から現地の二点間の直線距離を求める場合、移動可能な地図に比べて、計測器具と計算器具を組み合わせる作業は、様々な制限を伴い、非常に難儀である。
　地図を用いて現地の二点間の直線距離を求める場合において計測器具と計算器具の使用を不要とする方法としては、例えば、特許文献１に記載されている、平面視略長形状の縮尺スケール単体の表面及び裏面の両面の上辺部および下辺部にそれぞれ縮尺目盛線を共通する数種の目盛値を表記し、縮尺スケール単体の複数枚を収納ケースにその根元側を結束して回動可能に収納した携帯用縮尺スケールを地図に使用する方法が挙げられ、特許文献２に記載されている、縮尺毎に距離を目盛った直線を透明な樹脂シート上に表示し、縦軸を縮尺として複数の直線を上下方向に配列するとともに、各直線上の等距離の点同士を線で結んだマップグラフを使用する方法が挙げられる。

特開平９−３１１００４号公報実用新案登録第３１３０８９８号公報

　特許文献１に記載された携帯用縮尺スケールを使用する方法、特許文献２に記載されたマップグラフを使用する方法は、いずれも、計測器具と計算器具を使用する必要がないため、一見便利そうである。
　しかしながら、利用する地図が携帯用縮尺スケール又はマップグラフより大きいサイズの場合には、現地の二点間の直線距離を求める際、どうしても計測器具と計算器具が必要となり、携帯用縮尺スケール又はマップグラフを使用する意味がほとんどなくなるという問題点がある。
　また、携帯用縮尺スケールでは、想定していない縮尺係数には対応することができず、マップグラフについても、想定していない縮尺係数には対応するのに時間がかかるという問題点がある。
　さらに、携帯用縮尺スケール又はマップグラフは、恒常的に設置された案内図、避難場所案内図等を念頭に置いて作られたものでないため、恒常的に設置された案内図、避難場所案内図等に対して携帯用縮尺スケール又はマップグラフを使用するのは非常に不便であるという問題点もある。
　一方、地図には、利用者の便宜のため、簡易な縮尺スケールが地図表示領域の横方向に表示されている場合も少なくない。
　しかしながら、簡易な縮尺スケールを用いる方法は、地図上の二点の長さが簡易な縮尺スケールの全長よりも長い場合には、地図上の二点の長さと簡易な縮尺スケールの全長を計測器具で測定した後、計算器具で両者の比例計算を行う必要があるため、大変使いにくいという問題点がある。
　また、簡易な縮尺スケールは全長が非常に短く、地図上の二点の長さが簡易な縮尺スケールの全長よりも長くなる頻度が圧倒的に多いため、計測器具及び計算器具を用いることなく簡易に使用できる度合いがかなり限定されるという問題点もある。
　本発明の目的とするところは、計測器具、計算器具及び専用器具を使用することなく、地図の大きさと縮尺係数にも左右されず、恒常的に設置された案内図等であっても、地図上に表された二点に対応する現地の二点間の直線距離などを極めて短時間で知ることができるようになる、地図を提供することにある。

　本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、例えば、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、スケールバーは、地図表示領域の外側を含む、地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、地図表示領域の外側を含む、地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であり、地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％である地図などが、上記目的を達成することを見い出し、本発明をするに至った。
　即ち、本発明の第一の地図は、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であることを特徴とする。
　本発明の第二の地図は、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であり、前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であることを特徴とする。
　本発明の第三の地図は、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであることを特徴とする。
　本発明の第一の地図乃至第三の地図において、上述したスケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人の移動時間を表示する時間目盛値をさらに含んでなる構成を採用することができ、上述したスケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人の移動時間を表示する時間目盛値及び所要時間軸をさらに含んでなる構成を採用することもできる。
　また、本発明の第一の地図乃至第三の地図において、上述したスケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する物の移動時間を表示する時間目盛値をさらに含んでなる構成を採用することができ、上述したスケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する物の移動時間を表示する時間目盛値及び所要時間軸をさらに含んでなる構成を採用することもできる。
　本発明の第四の地図は、地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離軸と距離目盛値からなり、かつ該地図表示領域の下端近傍又は左端近傍にのみ配置されたスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーの全長は、前記地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであることを特徴とする。

　本発明の地図を用いることにより、現地の二点間の直線距離を、計測器具、計算器具及び専用器具を使用することなく、地図の大きさと縮尺係数にも左右されず、恒常的に設置されたものであっても、簡単かつ瞬時に把握することができ、現地の二点間の直線距離を知る時間が非常に短縮されるという利点がある。
　本発明の地図を用いれば、例えば、略円形状の土地の概略の面積は勿論のこと、四点で囲まれた、略正方形状、略長方形状、略平行四辺形状、略台形状の土地の概略の面積を、計測器具、計算器具及び専用器具を使用することなく、地図の大きさと縮尺係数にも左右されず、恒常的に設置されたものであっても、容易かつ迅速に把握することができ、これらの形状の土地の概略の面積を知る時間が大幅に短縮されるという利点もある。
　地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人又は物の移動時間を表示する時間目盛値を含んでなる本発明の地図を用いれば、現地の二点間を移動する人又は物の所要時間を、面倒な換算作業を行う必要がなくなり、計測器具、計算器具及び専用器具を使用することなく、地図の大きさと縮尺係数にも左右されず、恒常的に設置されたものであっても、平易かつ即座に把握することができ、現地の二点間を移動する人又は物の所要時間を知る時間が極めて短縮されるという利点もある。

　図１は、本発明の地図の第一の実施形態を示す図である。
　図２は、本発明に用いる第一のスケールバーの可能なバリエーションの一例を示す図である。
　図３は、本発明に用いる第二のスケールバーの可能なバリエーションの一例を示す図である。
　図４は、本発明の地図の第二の実施形態を示す図である。
　図５は、本発明の地図の第三の実施形態を示す図である。
　図６は、本発明の地図の第四の実施形態を示す図である。
　図７は、本発明の地図の第五の実施形態を示す図である。
　図８は、本発明の地図の第六の実施形態を示す図である。
　図９は、本発明の地図の第七の実施形態を示す図である。
　図１０は、本発明の地図の第八の実施形態を示す図である。
　図１１は、本発明の地図の第九の実施形態を示す図である。
　図１２は、本発明の地図の第十の実施形態を示す図である。
　図１３は、本発明の地図の第十一の実施形態を示す図である。
　図１４は、本発明の地図の第十二の実施形態を示す図である。
　図１５は、本発明の地図の第十三の実施形態を示す図である。
　図１６は、本発明の地図の第十四の実施形態を示す図である。
　図１７は、本発明の地図の第十五の実施形態を示す図である。
　図１８は、本発明の地図の第十六の実施形態を示す図である。
　図１９は、本発明の地図の第十七の実施形態を示す図である。
　図２０は、本発明の地図の第十八の実施形態を示す図である。

　以下、本発明の地図の実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
　本発明の地図は、地図表示領域と、縮尺と、スケールバーとを備える。
　地図表示領域は、地理、空間に関連づけられた情報、即ち地理情報が任意の縮尺で表示された領域である。
　縮尺は、地図上の長さと地図上の長さに対応する現地の距離の比率であり、分子を１とした分数（１／２５０００）で表示されている。本発明において、縮尺は、分数（１／２５０００）で表示してもよく、１：２５０００のように、比で表示してもよい。なお、縮尺は地図に必要なものであるが、本発明の地図においては、デザイン等の観点から、地図上に縮尺表示を省略することも可能である。
　スケールバーは、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離などを表示する。
　本発明の第一の地図乃至第三の地図においては、地図表示領域の下端近傍に配置される第一のスケールバーと、地図表示領域の左端近傍に配置される第二のスケールバーの双方を備え、本発明の第四の地図は、地図表示領域の下端近傍に配置される第一のスケールバーか、地図表示領域の左端近傍に配置される第二のスケールバーのいずれかを備える。
　本発明に用いる第一のスケールバーは、地図表示領域の下端近傍に配置される。それ故、例えば、地図上の二点の傾きが４５度未満の場合などに使用するのが効果的である。本発明に用いる第二のスケールバーは、地図表示領域の左端近傍に配置される。それ故、例えば、地図上の二点の傾きが４５度以上の場合、新聞のように縦に折り畳んで必要な部分だけを開いて見る、大判サイズの地図において、第一のスケールバーが隠れて見えない場合などに使用するのが効果的である。
　なお、第一のスケールバーと第二のスケールバーを備えた本発明の第一の地図乃至第三の地図において、第一のスケールバーと第二のスケールバーを比較した場合には、より長い全長のスケールバーの方が、使用頻度が高く、有用となる。
　本発明の第一の地図は、機能面、デザイン面及びスケールバーの表示スペースが考慮されている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１０５％~１３０％、かつ第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％となっている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％、かつ第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％となっている。
　本発明の第二の地図は、機能面及びデザイン面のバランスが重視されている。第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％、かつ第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％となっている。
　本発明の第三の地図は、機能面が最重要視されている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、第一のスケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さとなっている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さとなっている。
　本発明の第四の地図は、美観が最重要視されている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、スケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さとなっている。地図表示領域の左下端から右下端までの長さが地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、スケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さとなっている。
　本発明に用いるスケールバーは、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値と、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離の読み取りがより迅速かつ正確になることを重視すべく、任意の縮尺に対応する現地の直線距離を表示する距離軸を含んでなる。
　本発明に用いるスケールバーは、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人又は物の移動時間を平易かつ即座に把握することを可能ならしめるためには、任意の縮尺に対応する人又は物の移動時間を表示する時間目盛値を含んでなるのが好ましい。人の移動時間としては、徒歩所要時間に加え、自転車、車、バス、電車、特急電車、新幹線、飛行機などの移動手段を利用した人の移動所要時間、車椅子使用所要時間、歩行器具使用所要時間なども該当し、物の移動時間としては、例えば、ドローンを利用した運搬所要時間などが該当する。
　本発明に用いるスケールバーは、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人又は物の移動時間をより迅速かつ正確に把握するならしめるためには、地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人又は物の移動時間を表示する所要時間軸を含んでなるのが好ましいが、デザイン面及び表示スペースの制約等を重視した場合には、時間目盛値を距離軸と対応させることにより、所要時間軸の有する機能を距離軸に付与して所要時間軸を距離軸と一体化させ、所要時間軸を省略することも可能である。
　なお、本発明の地図は、紙、布、プラスチック、金属、木板又はその他の印刷媒体の表面に印刷、スタンプ、刻印又はシール張り等をしたもののいずれであってもよく、記録媒体にデジタルデータの形式で格納して、パーソナルコンピュータ、カーナビゲーションシステム、携帯電話、スマートフォン、タブレット、デジタルサイネージなどの表示装置で表示するようにしたものであってもよい。
　次に、本発明の地図の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の図面に限定されるものではない。
　印刷された紙製の横長地図の一例を図１（第一の実施形態）に示す。地図１は、横長の地図表示領域２と、１／２５０００の縮尺３と、第一のスケールバー４と、第二のスケールバー５とを備える（図１）。
　第一のスケールバー４の全長は、地図表示領域２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％であり、第二のスケールバー５の全長は、地図表示領域２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。
　第一のスケールバー４は、地図表示領域２の下端近傍であり、かつ地図表示領域２の外側に配置され、第二のスケールバー５は、地図表示領域２の左端近傍であり、かつ地図表示領域２の外側に配置されている。
　第一のスケールバー４は、線状の第一の距離軸と、第一の距離軸から上方に延びる等間隔の細長の目盛線７本の他端直近の場所に左から順次配置された、第一の距離目盛値０，１，２，３，４，５，６（単位はいずれもｋｍ）及び第一の距離軸の右端から上方に延びる細長の目盛線の他端直近の場所に配置された第一の距離目盛値６．６（単位はｋｍ）と、第一の所要時間軸の有する機能を第一の距離軸に付与すべく第一の距離軸と対応させ、第一の距離軸から下方に延びる等間隔の細長の目盛線７本と右端の目盛線の他端直近の場所に左から順次配置された、人の移動時間（徒歩）を示す第一の時間目盛値０，１５，３０，４５，６０，７５，９０，１０５（単位はいずれもｍｉｎ）とを含んでなるものであり、第一の所要時間軸は存在せず、第一の距離軸と一体化されている。
　第二のスケールバー５は、第二の距離軸と、第二の距離軸から右方に延びる等間隔の細長の目盛線５本の他端直近の場所に下から順次配置された、第二の距離目盛値０，１，２，３，４（単位はいずれもｋｍ）と、第二の所要時間軸の有する機能を第二の距離軸に付与すべく第二の距離軸と対応させ、第二距離軸から左方に延びる等間隔の細長の目盛線５本の他端直近の場所に下から順次配置された、人の移動時間（徒歩）を示す第二の時間目盛値０，１５，３０，４５，６０（単位はいずれもｍｉｎ）とを含んでなるものであり、第二の所要時間軸は存在せず、第二の距離軸と一体化されている。
　本発明に用いる第一のスケールバーの可能なバリエーションの一例を図２に示し、本発明に用いる第二のスケールバーの可能なバリエーションの一例を図３に示す。なお、本発明に用いる第一のスケールバーと第二のスケールバーは、同一縮尺のものであれば、図２（Ｇ）と図３（Ｄ）のように、適宜組み合わせて使用することも可能である。
　本発明に用いるスケールバーにおいては、長さをより正確に把握するため、適宜、目盛線（図２（Ａ）、図２（Ｂ）、図２（Ｄ）、図２（Ｆ）、図２（Ｇ）、図２（Ｉ）、図２（Ｋ）、図２（Ｌ）、図３（Ａ）、図３（Ｂ）、図３（Ｄ）、図３（Ｆ）、図３（Ｇ）、図３（Ｉ）、図３（Ｊ）、図３（Ｋ）、図３（Ｌ）参照）を付けてもよく、目盛線の代わりになる目盛印（円、菱形、三角形等）（図２（Ｅ）、図２（Ｈ）、図３（Ｅ）、図３（Ｈ）参照）を付けてもよく、区切り（図２（Ｃ）、図２（Ｉ）、図２（Ｊ）、図３（Ｃ）、図３（Ｉ）、図３（Ｊ）参照）を付けてもよく、目盛値と目盛値の間に、目盛線（図２（Ｂ）、図２（Ｅ）、図２（Ｇ）、図２（Ｉ）、図２（Ｊ）、図２（Ｋ）、図３（Ｂ）、図３（Ｅ）、図３（Ｇ）、図３（Ｉ）、図３（Ｊ）、図３（Ｋ）参照）を加えてもよい。目盛線の色彩、表現形式、個数及び大きさは、特に限定されず、適宜決定することができるが、明確に認識でき、地図上の地形、記号等が読み取りにくくならず、かつ軸及び目盛値が把握しにくくならないようにすることが望ましい。
　本発明に用いるスケールバーの距離軸の形状は、線状（図２（Ａ）、図２（Ｂ）、図２（Ｄ）、図２（Ｅ）、図２（Ｆ）、図２（Ｇ）、図２（Ｌ）、図３（Ａ）、図３（Ｂ）、図３（Ｄ）、図３（Ｅ）、図３（Ｆ）、図３（Ｇ）、図３（Ｌ）参照）であっても、帯状（図２（Ｃ）、図２（Ｉ）、図２（Ｊ）、図３（Ｃ）、図３（Ｉ）、図３（Ｊ）参照）であっても、正確を維持することができれば、手書き風であってもよい。
　本発明に用いるスケールバーにおいて、距離軸の色彩、表現形式及び大きさは、特に限定されず、適宜決定することができるが、地図上の地形、記号等が読み取りにくくならず、かつ軸及び／又は目盛値が把握しにくくならないようにするのが望ましい。
　本発明に用いるスケールバーにおいて、所要時間軸を設ける場合における、形状、目盛線、区切り、色彩、表現形式の事項については、距離軸と同様である。
　本発明に用いるスケールバーにおいて、距離目盛値の０位置は、スケールバーの左端又はスケールバーの下端である必要はなく、状況によって、スケールバーの左端又はスケールバーの下端から変更することもでき（図２（Ｄ）、図３（Ｄ）参照）、時間目盛値の０位置も、スケールバーの左端又はスケールバーの下端である必要はなく、状況によって、スケールバーの左端又はスケールバーの下端から変更することもできる（図２（Ｄ）、図３（Ｄ）参照）。
　本発明に用いるスケールバーにおいて、距離目盛値及び／又は時間目盛値の色彩、表現形式、個数及び大きさは、特に限定されず、適宜決定することができるが、地図上の地形、記号等が読み取りにくくならず、かつ軸及び／又は目盛値が把握しにくくならないようにするのが望ましい。
　本発明に用いるスケールバーにおいて、距離目盛値の単位は、適宜、ｍ、ｋｍ、マイル等を選択することができ、時間目盛値の単位は、徒歩、自転車、車（一般道）、車（高速道路）、バス、電車、特急電車、新幹線、飛行機、車椅子、ドローン等の移動手段に応じ、適宜、ｍｉｎ、ｈｒ等を選択することができる。ここにいう単位の表示は、特に限定されず、必要最低限で差し支えない。
　本発明の地図においては、視認性を高め、使い勝手を向上させると共に、外国人の観光客・旅行者が言語に制約されず、容易に理解して活用できるようにするため、スケールバーには、例えば、徒歩、自転車、車、電車、新幹線、飛行機、車椅子、ドローンなどの移動手段のピクトグラムやイラスト等を表示してもよい。
　避難所等の場所を示す横長の防災地図の一例を図４（第二の実施形態）に示す。防災地図については、移動時間が災害状況等によって変化するため、時間目盛値や所要時間軸を記載しないことが望ましい。地図２１は、横長の地図表示領域２２と、１／２５０００の縮尺２３と、線状の第一の距離軸及び第一の距離目盛値を含んでなる第一のスケールバー２４と、線状の第二の距離軸及び第二の距離目盛値を含んでなる第二のスケールバー２５とを備える（図４）。第一のスケールバー２４の全長は、地図表示領域２２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー２５の全長は、地図表示領域２２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。
　印刷された紙製の横長地図の一例における他の態様を図５（第三の実施形態）に示す。地図３１は、横長の地図表示領域３２と、１／２５０００の縮尺３３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び物の移動時間（ドローン）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー３４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び物の移動時間（ドローン）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー３５とを備える（図５）。第一のスケールバー３４の全長は、地図表示領域３２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー３５の全長は、地図表示領域３２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。
　恒常的に設置された案内板に現された横長地図の一例を図６（第四の実施形態）に示す。地図４１は、横長の地図表示領域４２と、１／５０００の縮尺４３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び人の移動時間（徒歩）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー４４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び人の移動時間（徒歩）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー４５とを備える（図６）。第一のスケールバー４４は、地図表示領域４２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％の長さであり、第二のスケールバー４５は、地図表示領域４２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において９０％の長さである。
　避難所等の場所を示す縦長の防災地図の一例を図７（第五の実施形態）に示す。地図５１は、縦長の地図表示領域５２と、１／５５００の縮尺５３と、線状の第一の距離軸及び第一の距離目盛値を含んでなる第一のスケールバー５４と、線状の第二の距離軸及び第二の距離目盛値を含んでなる第二のスケールバー５５とを備える（図７）。第一のスケールバー５４の全長は、地図表示領域５２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。第二のスケールバー５５の全長は、地図表示領域５２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　印刷された縦長の折りたたみ地図の一例の一態様を図８（第六の実施形態）に示す。地図６１は、縦長の地図表示領域６２と、１／５５００の縮尺６３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値、線状の第一の所要時間軸及び物の移動時間（ドローン）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー６４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値、線状の第二の所要時間軸及び物の移動時間（ドローン）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー６５とを備える（図８）。第一のスケールバー６４の全長は、地図表示領域６２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。第二のスケールバー６５の全長は、地図表示領域６２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　印刷された縦長の折りたたみ地図の一例の他の一態様を図９（第七の実施形態）に示す。地図７１は、縦長の地図表示領域７２と、１／８０００の縮尺７３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー７４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー７５とを備える（図９）。第一のスケールバー７４の全長は、地図表示領域７２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。第二のスケールバー６５の全長は、地図表示領域７２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　横長の防災地図の他の一例を図１０（第八の実施形態）に示す。地図８１は、横長の地図表示領域８２と、１／２５０００の縮尺８３と、線状の第一の距離軸及び第一の距離目盛値を含んでなる第一のスケールバー８４と、線状の第二の距離軸及び第二の距離目盛値を含んでなる第二のスケールバー８５とを備える（図１０）。第一のスケールバー８４の全長は、地図表示領域８２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー８５の全長は、いずれも、地図表示領域８２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　印刷された横長地図の他の一例を図１１（第九の実施態様）に示す。地図９１は、横長の地図表示領域９２と、１／２５０００の縮尺９３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値、線状の第一の所要時間軸及び人の移動時間（徒歩）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー９４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値、線状の第二の所要時間軸及び人の移動時間（徒歩）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー９５とを備える（図１１）。第一のスケールバー９４の全長は、地図表示領域９２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー９５の全長は、地図表示領域９２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　印刷された縦長の観光案内図の一例を図１２（第十の実施形態）に示す。地図１０１は、縦長の地図表示領域１０２と、１／２５０００の縮尺１０３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値、線状の第一の所要時間軸及び人の移動時間（徒歩）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー１０４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値、線状の第二の所要時間軸及び人の移動時間（徒歩）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー１０５とを備える（図１２）。第一のスケールバー１０４の全長は、地図表示領域１０２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー１０５の全長は、地図表示領域１０２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　ドローンの飛行計画用の地図の一例を図１３（第十一の実施態様）に示す。地図１１１は、縦長の地図表示領域１１２と、１／５５００の縮尺１１３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び物の移動時間（ドローン）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー１１４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び物の移動時間（ドローン）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー１１５とを備える（図１３）。第一のスケールバー１１４の全長は、地図表示領域１１２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー１０５の全長は、地図表示領域１０２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。
　カーナビゲーションシステムに表示された案内図の一例を図１４（第十二の実施形態）に示す。地図１２１は、横長の地図表示領域１２２と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー１２４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー１２５とを備える（図１４）。図１４において、縮尺は１／４００００であるが、縮尺表示は便宜上省略されている。第一のスケールバー１２４の全長は、地図表示領域１２２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１１０％である。第二のスケールバー１２５の全長は、地図表示領域１２２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１２０％である。
　地図の利用者が採用した移動手段等に応じて自分の移動所要時間記入できるようにした地図の一例を図１５（第十三の実施形態）に示す。地図１３１は、横長の地図表示領域１３２と、１／２５０００の縮尺１３３と、線状の第一の距離軸及び第一の距離目盛値を含んでなる第一のスケールバー１３４と、線状の第二の距離軸及び第二の距離目盛値を含んでなる第二のスケールバー１３５とを備える（図１５）。第一のスケールバー１３４の全長は、地図表示領域１３２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であり、換言すると、地図表示領域１３２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。第二のスケールバー１３５の全長は、いずれも、地図表示領域１３２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において９０％である。
　ドローンの飛行計画用の地図の他の一例を図１６（第十四の実施形態）に示す。地図１４１は、横長の地図表示領域１４２と、１／２００００の縮尺１４３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値、第一の所要時間軸及び物の移動時間（ドローン）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー１４４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値、第二の所要時間軸及び物の移動時間（ドローン）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー１４５とを備える（図１６）。第一のスケールバー１４４の全長は、地図表示領域１４２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であり、換言すると、地図表示領域１４２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。第二のスケールバー１４５の全長は、地図表示領域１４２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１０２％である。
　縦長の折りたたみ式防災地図の他の一例を図１７（第十五の実施形態）に示す。地図１５１は、縦長の地図表示領域１５２と、１／５５００の縮尺１５３と、線状の第一の距離軸及び第一の距離目盛値を含んでなる第一のスケールバー１５４と、線状の第二の距離軸及び第二の距離目盛値を含んでなる第二のスケールバー１５５とを備える（図１７）。第一のスケールバー１５４の全長は、地図表示領域１５２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において９０％であり、第二のスケールバー１５５の全長は、地図表示領域１５２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であり、換言すると、地図表示領域１５２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。
　印刷された縦長の折りたたみ地図のその他の一例を図１８（十六の実施形態）に示す。地図１６１は、縦長の地図表示領域１６２と、１／８０００の縮尺１６３と、線状の第一の距離軸、第一の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第一の時間目盛値を含んでなる第一のスケールバー１６４と、線状の第二の距離軸、第二の距離目盛値及び人の移動時間（自動車）を示す第二の時間目盛値を含んでなる第二のスケールバー１６５とを備える（図１８）第一のスケールバー１６４の全長は、地図表示領域１６２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１０５％である。第二のスケールバー１６５の全長は、地図表示領域１５２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であり、換言すると、地図表示領域１５２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。
　本発明の第四の地図における横長地図の一例を図１９（第十七の実施形態）に示す。地図１７１は、横長の地図表示領域１７２と、１／２５０００の縮尺１７３と、スケールバー１７６とを備える（図１９）。スケールバー１７６は、地図表示領域１７２の左下端から右下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であって、換言すると、地図表示領域１７２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。
　本発明の第四の地図における縦長地図の一例を図２０（第十八の実施形態）に示す。地図１８１は、縦長の地図表示領域１８２と、１／２５０００の縮尺１８３と、スケールバー１８６とを備える（図２０）。スケールバー１８６は、地図表示領域１８２の左上端から左下端までの全長を１００％とした場合において１２０％であって、換言すると、地図表示領域１８２の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さである。
　（本発明の使用例）
　（１）二点間の直線距離及び移動時間
　地図上の二点の傾きが４５度未満であれば第一のスケールバーを用い、地図上の二点の傾きが４５度以上であれば第二のスケールバーを用いるのが便利である。まず、紐に地図上の二点を記録する作業を行う。次に、紐に記録した地図上の二点のうちの一点をスケールバーの距離目盛値の０位置に一致させた後、紐をスケールバーの距離軸に沿わせ、紐に記録した二点のうちの他の一点に一致するスケールバーの距離目盛値を読み取ると、二点間の直線距離を把握することができる。
　二点間の移動時間は、二点間の直線距離と同様の方法により知ることができる。即ち、紐に記録した地図上の二点のうちの一点を、スケールバーの時間目盛値の０位置に一致させた後、紐をスケールバーの距離軸（所要時間軸が存在する場合には所要時間軸）に沿わせ、紐に記録した二点のうちの他の一点に一致するスケールバーの時間目盛値を読み取ると、二点間の移動時間を把握することができる。
　紐の代わりに、物差しや定規を用いることも可能であるが、二点の位置を記録するだけでよく、具体的な寸法を読み取る必要はないため、非常に簡便である。また、紐の代わりに身近にあるものも使用することができ、例えば、紙片、筆記用具などの棒状物、指、手などの身体の一部、恒常的に設置された地図では、ハンカチ、傘、カバン、カバンの肩紐、スカーフ、マフラー等も利用することが可能である。
　（２）四点で囲まれた略長方形の概略の面積
　四点で囲まれた略長方形の中の下側二点を紐に記録する作業を行った後、紐に記録した二点のうちの一点を第一のスケールバーの距離目盛値の０位置に一致させ、第一のスケールバーの距離軸に紐を沿わせ、紐に記録した二点のうちの他の一点に一致する第一のスケールバーの距離目盛値を読み取ると、下側二点の直線距離がわかる。
　次に、四点で囲まれた略長方形の中の左側二点を紐に記録する作業を行った後、紐に記録した二点のうちの一点を第二のスケールバーの距離目盛値の０位置に一致させ、第二のスケールバーの距離軸に紐を沿わせ、紐に記録した二点のうちの他の一点に一致する第二のスケールバーの距離目盛値を読み取ると、左側二点の直線距離がわかる。
　次いで、下側二点の直線距離と左側二点の直線距離を掛け合わせると、四点で囲まれた略長方形の概略の面積を把握することができる。
　（本発明の意義）
　地図は、日常生活での利用、ビジネスでの利用、観光・旅行での利用、行政での利用、など、あらゆる分野で利用されている。
　（１）日常生活における本発明の意義
　日常生活において、地図は、通勤・通学、買い物、食事、役所への諸手続・問合せ、通院、趣味・娯楽、ドライブ、地域活動、災害時の避難など、ほとんどの分野で不可欠であり、二点間の直線距離は、例えば、自宅から目的地までの直線距離など、正確な数値よりも概略の数値を知ることで充分なことが多く、二点間の直線距離に加えて、おおよその徒歩時間、自転車、車、バス、電車等での移動時間、タクシー等の料金を知りたいことも少なくない。
　このような場合に、本発明の地図を利用することにより、二点間のおおよその直線距離及び移動時間を、計測器具、計算器具及び専用器具を用いることなく、極めて素早く把握することができるようになる。即ち、本発明の地図は、日常生活のニーズに十分対応するものであって、日常生活上、有用性が極めて高い。
　車の運転中にカーナビゲーションシステムを利用している場合には、カーナビゲーション画面をチラッと見ただけで、現在地から次の地点までのおおよその直線距離と移動時間を知りたくなることも少なくない。
　このような場合に、本発明の地図を利用することにより、現在地から次の地点までのおおよその直線距離と移動時間を、計測器具、計算器具及び専用器具を用いなくてもよいだけでなく、更に、ボタン、ダイヤル、キー、指等による画面の操作をも行う必要もなく、極めて簡単に素早く把握することができる。即ち、本発明の地図は、日常生活のニーズに十分対応するものであって、日常生活上のみならず、ビジネス、旅行・観光、行政面でも有用性が極めて高い。
　なお、カーナビゲーションシステムに表示される人の移動時間については、利用者が、予め入力した速度値に基づいて表示してもよく、車の直近の一定時間における平均速度値等に基づいて表示してもよい。
　（２）ビジネスにおける本発明の意義
　ビジネスにおいても、地図は、営業、物流、事業所立地、交通運輸業、不動産業、建設業、農林水産業など、様々な分野で、市場分析、顧客サービスの向上などに活用されている。有用な情報は、地図情報を種々分析・加工して創製されるが、そのアウトプットは地図上に表示されることも多い。
　本発明の地図は、企業内、企業間、顧客と共有して活用する場合、二点間の直線距離、移動時間、概略の面積等、地図上の情報が簡単に素早く把握することができるようになるため、ビジネス関係者及び顧客との相互の理解が素早く進み、ビジネスの効率向上に役立ち、経済的な効果の向上が期待できるため、ビジネス上も、有用性が極めて高い。
　近年、物を移動する手段を利用した小口配送等の物流分野では、ドローンが注目されているが、本発明の地図を利用することにより、発送地から目的地までのおおよその直線距離とドローンを用いた配送の所要時間を簡単に素早く把握することができるようになるため、物流ビジネスにおいて有用性が極めて高い。
　ドローンは、幅広い活用が始まっており、撮影機材や農薬を移動する機能を利用した測量、災害防災対応、インフラ点検、農産物の生育状況把握・農薬・肥料の散布等の農業分野等において、ドローンの飛行する土地の面積を把握することが重要である。このような場合に、本発明の地図を利用することにより、略円形状、略長方形等各種形状の土地の概略の面積を容易かつ迅速に知ることができるため、ドローン活用のビジネスにおける本発明の地図の有用性が極めて高いことは容易に予想される。
　（３）旅行・観光における本発明の意義
　業務上の出張、冠婚葬祭、行事・帰郷等のための旅行などの場合において、日程の作成、交通手段の決定、交通手段の利用予約、宿泊予約、旅行費用の概算等には、自宅・勤務先等から目的地までのおおよその直線距離や移動時間を把握することは不可欠である。
　本発明の地図を利用することにより、自宅・勤務先等から目的地までのおおよその直線距離及び移動時間を、計測器具、計算器具及び専用器具を用いることなく、極めて素早く把握することができるようになり、各種の旅行、特に旅行計画立案のニーズに十分対応するものであって、有用性が極めて高い。
　観光旅行においては、計画立案自体が大きな楽しみとなる。本発明の地図を利用すれば、自宅等から観光の目的地までのおおよその直線距離や移動時間を把握して、日程の作成、交通手段の決定、交通手段の利用予約、宿泊の必要性、宿泊予約、旅行費用の概算等を簡単に素早く行えるようになる。いくつかの観光スポットを回る場合には、観光スポット相互間の直線距離と移動時間を把握して、限られた時間を有効利用できる効率的なルートを設定することも可能になり、充実した満足度の高い観光旅行におけるニーズにも十分対応するものであって、有用性が極めて高い。
　なお、観光地などで名所・旧跡等を訪問・散策したりする場合、本発明の地図を利用することにより、名所・旧跡等間の直線距離や移動時間を、簡単に素早く把握することができるようになるため、限られた時間を有効に使うことができ、観光旅行に余裕も出てくるようになる。特に、当該国の地理に詳しくない外国人観光客には、本発明の地図の付いたパンフレットなどにより、名所・旧跡等間の直線距離や移動時間の有用な情報を簡単に提供することができるため、外国人観光客の利便性を向上させ、その評判により、外国人観光客が増加し、経済的効果のさらなる増加をもたらすこととなる。即ち、本発明の地図は、当該国はもとより、外国からの客の期待に十分応えることができるものであって、満足度が高く、有用性が極めて高い。
　（４）行政における本発明の意義
　行政での利用においても、環境、地域づくり、街づくり、産業振興、運輸・交通、警察・消防、教育・文化、福祉・医療、防災・減災対策などあらゆる分野で地図が使用されている。特に、その自治体等の地域地図は、行政と住民とのコミュニケーションの円滑化や住民サービスの向上に不可欠なものになっている。
　また、地域地図において、特殊な道具や器具などを使用せず、簡単に素早く距離や移動時間を知る手段を提供できることは、上記の地域生活の利便性を向上できるだけでなく、特に、防災・減災面で効果を発揮する。
　本発明の地図を使用することにより、地震や津波等の災害のハザードマップ等で自宅と被災地域との直線距離及び移動時間、自宅と避難場所までの直線距離及び移動時間を、簡単に素早く把握することができるようになる。即ち、本発明の地図により、防災・減災・避難計画の準備などができ、いざというときにも的確に行動ができ、人命や財産を守ることができるため、経済的な効果等では表現できない国民的な大きな利益が生まれ、有用性が極めて高い。
　なお、大規模災害時には、大都市の中心部から周辺都市の自宅へ徒歩で帰宅することが必要となることもあるが、幹線道路等に設置した地図、案内図等で、現在地から次の主要地点までのおおよその直線距離及び移動時間を、簡単に素早く知ることができれば、極めて役に立つ。また、屋外では、夜間等に、計測器具、計算器具及び専用器具を用いることなく、二点間の直線距離、移動時間を簡単に素早く把握することが肝要である。即ち、本発明の地図は、このような場合にも十分な効果を発揮するため、有用性が極めて高い。

　本発明の地図は、日常生活、ビジネス、旅行・観光、行政における有用が極めて高い。

　１　地図，２　横長の地図表示領域，３　縮尺，４　第一のスケールバー，５　第二のスケールバー，１１　地図，１２　横長の地図表示領域，１３　縮尺，１４　第一のスケールバー，１５　第二のスケールバー，２１　地図，２２　横長の地図表示領域，２３　縮尺，２４　第一のスケールバー，２５　第二のスケールバー，３１　地図，３２　横長の地図表示領域，３３　縮尺，３４　第一のスケールバー，３５　第二のスケールバー，４１　地図，４２　横長の地図表示領域，４３　縮尺，４４　第一のスケールバー，４５　第二のスケールバー，５１　地図，５２　縦長の地図表示領域，５３　縮尺，５４　第一のスケールバー，５５　第二のスケールバー，６１　地図，６２　縦長の地図表示領域，６３　縮尺，６４　第一のスケールバー，６５　第二のスケールバー，７１　地図，７２　縦長の地図表示領域，７３　縮尺，７４　第一のスケールバー，７５　第二のスケールバー，８１　地図，８２　横長の地図表示領域，８３　縮尺，８４　第一のスケールバー，８５　第二のスケールバー，９１　地図，９２　横長の地図表示領域，９３　縮尺，９４　第一のスケールバー，９５　第二のスケールバー，１０１　地図，１０２　縦長の地図表示領域，１０３　縮尺，１０４　第一のスケールバー，１０５　第二のスケールバー，１１１　地図，１１２　縦長の地図表示領域，１１３　縮尺，１１４　第一のスケールバー，１１５　第二のスケールバー，１２１　地図，１２２　横長の地図表示領域，１２４　第一のスケールバー，１２５　第二のスケールバー，１３１　地図，１３２　横長の地図表示領域，１３３　縮尺，１３４　第一のスケールバー，１３５　第二のスケールバー，１４１　地図，１４２　横長の地図表示領域，１４３　縮尺，１４４　第一のスケールバー，１４５　第二のスケールバー，１５１　地図，１５２　縦長の地図表示領域，１５３　縮尺，１５４　第一のスケールバー，１５５　第二のスケールバー，１６１　地図，１６２　縦長の地図表示領域，１６３　縮尺，１６４　第一のスケールバー，１６５　第二のスケールバー，１７１　地図，１７２　横長の地図表示領域，１７３　縮尺，１７６　スケールバー，１８１　地図，１８２　縦長の地図表示領域，１８３　縮尺，１８６　スケールバー

Claims

　地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であることを特徴とする地図。
　地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であり、前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において１０５％~１３０％であることを特徴とする地図。
　地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離目盛値及び距離軸を含んでなるスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーは、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の下端近傍に配置された第一のスケールバーと、前記地図表示領域の外側を含む、前記地図表示領域の左端近傍に配置された第二のスケールバーとから構成され、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも長い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さが前記地図表示領域の左上端から左下端までの長さよりも短い場合には、前記第一のスケールバーの全長は、前記地図表示領域の左下端から右下端までの長さを１００％とした場合において８０％~１３０％であり、かつ前記第二のスケールバーの全長は、地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであることを特徴とする地図。
　地理情報を任意の縮尺で表示した地図表示領域と、該地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間の直線距離を表示する距離軸と距離目盛値からなり、かつ該地図表示領域の下端近傍又は左端近傍にのみ配置されたスケールバーとを備えた地図であって、前記スケールバーの全長は、前記地図表示領域の右上端と左下端を結ぶ対角線の長さと同じ長さであることを特徴とする地図。
　前記スケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人の移動時間を表示する時間目盛値をさらに含んでなるものであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の地図。
　前記スケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する人の移動時間を表示する時間目盛値及び所要時間軸をさらに含んでなるものであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の地図。
　前記スケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する物の移動時間を表示する時間目盛値をさらに含んでなるものであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の地図。
　前記スケールバーは、前記地図表示領域上の二点に対応する現地の二点間を移動する物の移動時間を表示する時間目盛値及び所要時間軸をさらに含んでなるものであることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載の地図。