WO2019008858A1 - インパクト回転工具 - Google Patents

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亜紀子 本田
村上 弘明
光政 水野
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Abstract

インパクト回転工具(1)が、インパクト機構(9)の1回の衝撃による出力軸回転角を取得する回転角取得部(20)と、インパクト機構(9)の1回の衝撃により出力軸(8)に加えられた衝撃エネルギを算出するエネルギ算出部(22)と、エネルギ算出部(22)が算出した衝撃エネルギと回転角取得部(20)が取得した出力軸回転角にもとづいて締付トルクを算出す る締付トルク算出部(23)と、算出した締付トルクにもとづいてモータの回転を停止させるモータ制御部(24)とを備える。締付トルク算出部(23)は、衝撃ごとに算出された衝撃エネルギを積算した積算エネルギを、衝撃ごとに取得された出力軸回転角を積算した積算回転角で除算した値を用いて、締付トルクを算出する。

Description

インパクト回転工具
 本発明は、ボルトやナットなどのねじ部材を間欠的な回転衝撃力により締め付けるインパクト回転工具に関する。
 メカニカル方式のインパクト回転工具は、モータ出力で回転するハンマがアンビルを回転方向に打撃することで出力軸に間欠的な回転衝撃力を発生させて、ねじ部材を締め付ける。またインパクト回転工具の一種であるオイルパルス工具は、モータ出力で回転するライナが油室間に圧力差を生じさせることで出力軸に間欠的な回転衝撃力を発生させて、ねじ部材を締め付ける。インパクト回転工具は組立工場などで使用されるため、ねじ部材の締付トルクは、ユーザにより設定された値となるように正確に制御される必要がある。
 締付トルクの制御精度を高めるためには、出力軸にトルク測定手段を設けて実際の締付トルクを直接測定することが好ましいが、工具の高コスト化および大型化を招くという問題がある。そのため従来より、締付トルクが設定値になったことを推定することでモータを自動停止するシャットオフ機能を備えたインパクト回転工具が提供されている。特許文献1は、出力軸に加えられた打撃エネルギを算出する手段と、打撃間の出力軸の回転角を算出する手段と、打撃エネルギを打撃間回転角で除算して締付トルクを算出する手段と、算出した締付トルクが規定値以上になると回転駆動部を停止させる手段と、とを備えたインパクト回転工具を開示する。特許文献1に開示されるインパクト回転工具は、打撃エネルギEおよび打撃間の出力軸回転角θを用いて締付トルクT(=E/θ)を算出し、算出した締付トルクTをトルク制御に利用している。
特開2000-354976号公報
 インパクト回転工具では、繰り返される打撃により締付トルクが大きくなってくると、打撃間の出力軸回転角θは小さくなっていく。そのため特許文献1による締付トルクTの算出手法によると、回転角θが非常に小さくなる高トルク領域で、締付トルクT(=E/θ)の算出値が回転角θの検出誤差の影響を大きく受け、締付トルクTを精度よく推定できなくなる課題がある。そこで締付トルクTを高精度に推定して、締付トルクの制御精度を高める技術が望まれている。
 本発明はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、締付トルクを高精度に推定して、締付トルクの制御精度を高める技術を提供することにある。
 上記課題を解決するために、本発明のある態様のインパクト回転工具は、モータ出力によって出力軸に間欠的な回転衝撃力を発生させるインパクト機構と、インパクト機構により出力軸に加えられた衝撃を検出する衝撃検出部と、インパクト機構の1回の衝撃による出力軸回転角を取得する回転角取得部と、インパクト機構の1回の衝撃により出力軸に加えられた衝撃エネルギを算出するエネルギ算出部と、エネルギ算出部が算出した衝撃エネルギと回転角取得部が取得した出力軸回転角にもとづいて締付トルクを算出する締付トルク算出部と、算出した締付トルクにもとづいてモータの回転を停止させるモータ制御部と、を備えたインパクト回転工具であって、締付トルク算出部は、衝撃ごとに算出された衝撃エネルギを積算した積算エネルギを、衝撃ごとに取得された出力軸回転角を積算した積算回転角で除算した値を用いて、締付トルクを算出する。
実施形態に係るインパクト回転工具の構成を示す図である。 (a)~(c)は、ハンマがアンビルに回転方向の打撃を加える様子を示す図である。 実施形態における衝撃数ごとの実際のトルクと、算出される締付トルクの関係を示す図である。 衝撃数ごとの実際のトルクと、比較手法により算出される推定トルクの関係を示す図である。 シャットオフ衝撃数記憶部に記憶されている目標トルク値とシャットオフ衝撃数の対応関係を示す図である。
 図1は、本発明の実施形態に係るインパクト回転工具の構成を示す。インパクト回転工具1において、電力はバッテリパックに内蔵された充電電池により供給される。駆動源であるモータ2はモータ駆動部11により駆動され、モータ2の回転出力は、減速機3によって減速されて駆動軸5に伝達される。駆動軸5には、カム機構(図示せず)を介してハンマ6が連結され、ハンマ6は、ばね4により出力軸8を備えるアンビル7に向けて付勢される。
 ハンマ6とアンビル7との間に所定値以上の負荷が作用しない間は、ハンマ6とアンビル7とが回転方向に係合し、ハンマ6は、駆動軸5の回転をアンビル7に伝達する。しかしながらハンマ6とアンビル7との間に所定値以上の負荷が作用すると、ハンマ6がカム機構によりばね4に抗して後退し、ハンマ6とアンビル7との係合状態が解除される。その後、ばね4による付勢とカム機構による誘導により、ハンマ6は回転しながら前進してアンビル7に回転方向の打撃を加える。インパクト回転工具1において、ばね4、駆動軸5、ハンマ6およびカム機構は、モータ出力によってアンビル7および出力軸8に打撃衝撃を加えて、アンビル7および出力軸8に間欠的な回転衝撃力を発生させるインパクト機構9を構成する。
 インパクト回転工具1において、制御部10、設定部15などの構成は、制御基板に搭載されるマイクロコンピュータなどにより実現される。制御部10は、回転角取得部20、回転速度取得部21、エネルギ算出部22、締付トルク算出部23およびモータ制御部24を有し、締付トルクを算出して、算出した締付トルクにもとづいてモータ2の回転を制御する機能を有する。
 操作スイッチ16は、ユーザにより操作されるトリガスイッチであり、モータ制御部24は、操作スイッチ16の操作によりモータ2のオンオフを制御するとともに、操作スイッチ16の操作量に応じた駆動指示をモータ駆動部11に供給する。モータ駆動部11は、モータ制御部24から供給される駆動指示によりモータ2の印加電圧を制御して、モータ回転数を調整する。
 衝撃検出部12は、インパクト機構9によりアンビル7に加えられた衝撃を検出する。たとえば衝撃検出部12は、ハンマ6がアンビル7を打撃することによる衝撃を検出する衝撃センサと、衝撃センサの出力を増幅して制御部10に供給する増幅器を含んで構成されてよい。たとえば衝撃センサは、圧電式ショックセンサであって衝撃に応じた電圧信号を出力し、増幅器は、出力された電圧信号を増幅して制御部10に供給する。なお衝撃検出部12は、別の構成を採用してもよく、たとえば打撃音を検出することで、インパクト機構9によりアンビル7に加えられた衝撃を検出する音センサであってもよい。
 回転角検出部18は、モータ2および/または出力軸8の回転角を検出する。実施形態において回転角検出部18は、モータ2の回転角を検出する磁気ロータリエンコーダであってよい。回転角検出部18は、モータ回転角検出信号を回転角取得部20に供給する。実施形態において回転角取得部20は、モータ回転角検出信号から、出力軸8の回転角を取得する機能を有する。ここで回転角取得部20は、インパクト機構9による衝撃ごとに出力軸8が回転する角度を取得する。以下、1回の衝撃により出力軸8が回転する角度を、単に「出力軸回転角」と呼ぶ。
 図2(a)~図2(c)は、ハンマ6がアンビル7に回転方向の打撃を加える様子を示す。ハンマ6は、前面から立設する一対のハンマ爪6a、6bを有し、アンビル7は、中心部から径方向に延びる一対のアンビル爪7a、7bを有する。なおアンビル7は出力軸8と一体であり、出力軸8はアンビル7とともに回転する。
 図2(a)は、ハンマ爪とアンビル爪とが周方向に係合した状態を示す。ハンマ爪6aおよびハンマ爪6bは、それぞれアンビル爪7aおよびアンビル爪7bに係合して、矢印Aで示す方向に回転力を加える。
 図2(b)は、ハンマ爪とアンビル爪との係合状態が解除された状態を示す。係合状態においてハンマ6とアンビル7の間に所定値以上の負荷が作用すると、ハンマ6はカム機構(図示せず)により後退し、ハンマ爪6aとアンビル爪7aとの係合状態、およびハンマ爪6bとアンビル爪7bとの係合状態がそれぞれ解除される。
 図2(c)は、ハンマ爪がアンビル爪を打撃してアンビル7を回転させた状態を示す。ハンマ爪6a、6bとアンビル爪7a、7bとの係合状態が解除されると、ハンマ6は矢印Aで示す方向に回転しながら前進して、ハンマ爪6a、ハンマ爪6bが、それぞれアンビル爪7b、アンビル爪7aを打撃する。この打撃衝撃によりアンビル7は、l1とl2のなす角度θだけ回転し、このときハンマ6の回転角は(π+θ)となる。
 回転角取得部20は、衝撃検出部12による検出結果および回転角検出部18による検出結果を用いて、1衝撃あたりの出力軸回転角θを取得する。具体的に回転角取得部20は、以下の(式1)を用いて、衝撃間のモータ回転角φから、1回の衝撃による出力軸回転角θを取得する。衝撃検出部12がインパクト機構9による衝撃を検出すると、回転角取得部20は、衝撃が検出されたタイミングで、モータ回転角検出信号から衝撃間の出力軸回転角θを導出する。
 θ=(φ/η)-π ・・・ (式1)
 ここでηは減速機3による減速比を示す。
 ハンマ6がアンビル7を打撃するたびに、ねじ部材の締付トルクは大きくなるため、ねじ部材着座後に打撃衝撃ごとに取得される出力軸回転角θは徐々に小さくなる傾向を示す。
 なお実施形態では、回転角取得部20が、モータ回転角検出信号から出力軸回転角θを取得するが、別の例では回転角検出部18が、アンビル7の回転角θを直接検出してもよい。このとき回転角取得部20は、回転角検出部18から供給されるアンビル回転角検出信号にもとづいて、衝撃間の出力軸回転角θを取得できる。
 回転速度取得部21は、衝撃検出部12による検出結果、回転角検出部18による検出結果およびタイマ(図示せず)からの情報を用いて、衝撃間の打撃速度ωを取得する。回転速度取得部21は、タイマ出力から衝撃間の時間を特定して、打撃速度ωを算出する。エネルギ算出部22は、アンビル7および出力軸8の慣性モーメントをJとするとき、以下の(式2)を用いて、インパクト機構9の1回の衝撃によりアンビル7および出力軸8に加えられた衝撃エネルギEを算出する。
 E=(1/2)×J×ω ・・・ (式2)
 実施形態において、締付トルク算出部23は、エネルギ算出部22が算出した衝撃エネルギEと、回転角取得部20が取得した出力軸回転角θにもとづいて締付トルクTを算出する。
 実施形態の締付トルク算出部23は、衝撃ごとに算出された衝撃エネルギEを積算した積算エネルギ(ΣE)を、衝撃ごとに取得された出力軸回転角θを積算した積算回転角(Σθ)で除算した値を用いて、締付トルクTを算出する。実施形態では、積算エネルギ(ΣE)を積算回転角(Σθ)で除算した値を、締付トルクTとして算出する。
 T=ΣE/Σθ ・・・ (式3)
 なお初回から数回分の衝撃の間は、回転角θや打撃速度ωが安定して取得できないことがあるため、締付トルク算出部23は、第n回目(nは2以上の整数)以降の衝撃からの回転角θ、衝撃エネルギEを積算して、締付トルクTを算出してもよい。
 図3は、衝撃数ごとの実際のトルクと、締付トルク算出部23により算出される締付トルク(推定トルク)の関係を示す。図3には、締付トルク算出部23が(式3)により締付トルクTを算出することで、高精度に締付トルクを推定できていることが示される。
 以下、比較例として特許文献1における推定トルクの算出手法を示す。特許文献1では推定トルクTcomが、以下の(式4)により算出されている。
 Tcom=E/θ ・・・ (式4)
 図4は比較例として、衝撃数ごとの実際のトルクと、比較手法により算出される推定トルクの関係を示す。(式4)によると、回転角θが小さくなる高トルク領域で、推定トルクTcomの算出値が、回転角θの検出誤差の影響を大きく受ける。そのため図4に示すように、比較例の算出手法によると、推定トルクTcomが大きく変動することになる。
 一方、実施形態の締付トルク算出部23は、積算エネルギ(ΣE)および積算回転角(Σθ)を用いて締付トルクTを算出することで、衝撃ごとの検出誤差が締付トルクの推定精度に与える影響を低減している。モータ制御部24は、締付トルク算出部23が算出した高精度の締付トルクTにもとづいて、モータ2の回転を停止させることで、締付トルクの制御精度を向上させる。以下モータ2の自動停止制御の実施例を説明する。
(実施例1)
 ユーザは作業開始前に、作業対象に応じた目標締付トルク値(以下、単に「目標トルク値」とも呼ぶ)をインパクト回転工具1に設定する。締付作業中、インパクト回転工具1は、衝撃検出部12で検出された衝撃数をカウントし、カウントした衝撃数が目標トルク値に対応する衝撃数(シャットオフ衝撃数)になると、モータ2の回転を自動停止させるシャットオフ機能を実行する。
 実施例1のシャットオフ衝撃数記憶部17は、インパクト機構9による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値に達するまでの衝撃数(シャットオフ衝撃数)を記憶する。シャットオフ衝撃数記憶部17は、たとえば30ステップの設定値のそれぞれに対応するシャットオフ衝撃数を記憶する。このことはユーザが作業対象に応じて、30ステップの締付トルク値の中から1つを選択できることを意味する。シャットオフ衝撃数記憶部17はマスターテーブルとして構成され、記憶内容は更新不可とされてよい。設定部15は、シャットオフ衝撃数記憶部17の記憶内容を参照して、インパクト機構9のシャットオフ衝撃数を制御部10に設定する。
 図5は、シャットオフ衝撃数記憶部17に記憶されている目標トルク値とシャットオフ衝撃数の対応関係を示す。たとえば目標トルク値が50[Nm]に設定される場合、設定部15は、シャットオフ衝撃数記憶部17の記憶内容を参照して、シャットオフ衝撃数を「55回」と設定する。
 なおシャットオフ衝撃数記憶部17は、目標トルク値に対応するシャットオフ衝撃数を設定部15が導出するための情報またはデータを記憶していればよく、たとえば目標トルク値からシャットオフ衝撃数を演算して求めるための計算式を記憶していてもよい。従来より、インパクト回転工具による締付トルクは打撃数の平方根に比例することが知られている。そのためインパクト回転工具1の製造メーカは、所定のねじ部材および被締結部材を用いて複数の締付トルク値を実現するためのシャットオフ衝撃数を測定して、計算式における比例定数であるトルク係数kを求め、シャットオフ衝撃数記憶部17に記憶させてもよい。
 受付部14はユーザによる操作入力を受け付け、設定部15に供給する。受付部14は無線通信モジュールを有し、ユーザは工具付属のリモートコントローラを用いて、インパクト回転工具1に対する操作入力を行う。なお工具本体に操作ボタン類やタッチパネルが設けられ、受付部14が、ユーザによる操作入力を受け付けてもよい。
 作業開始前、ユーザはリモートコントローラを用いて目標トルク値を選択する。受付部14が目標トルク値の選択入力を受け付けると、設定部15はシャットオフ衝撃数記憶部17の記憶内容を参照して、目標トルク値に対応するシャットオフ衝撃数を導出し、制御部10に供給する。実施例1において、設定部15がシャットオフ衝撃数を導出して制御部10に供給し、制御部10がシャットオフ衝撃数をモータ2の回転制御に利用できる状態にすることを、シャットオフ衝撃数の設定処理と呼ぶ。
 作業中、制御部10は衝撃検出部12の出力電圧を監視し、衝撃検出部12の出力電圧が打撃判定電圧Vthを超えると、インパクト機構9による打撃により出力軸8に間欠的な回転衝撃力が発生したことを判定する。制御部10は、衝撃検出部12の出力電圧と打撃判定電圧Vthとを比較するコンパレータを有し、コンパレータの出力から、出力軸8に間欠的な回転衝撃力が発生したことを判定してよい。
 モータ制御部24は、衝撃検出部12で検出された衝撃数をカウントする。モータ制御部24は、カウントした衝撃数がシャットオフ衝撃数になると、モータ2の回転を自動停止させる。このときねじ部材の締付トルク値は、ユーザが設定した目標トルク値となっている必要がある。
 作業対象であるねじ部材と被締結部材によっては、ねじ部材が被締結部材に着座する前に、ハンマ6とアンビル7との間に所定値以上の負荷(以下、「途中負荷」とも呼ぶ)が生じて、ハンマ6がアンビル7を打撃することがある。この場合、モータ制御部24がシャットオフ衝撃数でモータ2の回転を停止させると、途中負荷により打撃(衝撃)数を消化しているために、締結後のボルトの締付トルク値が、ユーザが設定した目標トルク値に到達しない。そこで実施例1のモータ制御部24は、途中負荷が発生した場合に、設定部15により設定されたシャットオフ衝撃数を補正する機能を有している。
 図1に戻り、基準衝撃数記憶部19は、インパクト機構9による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値よりも小さい所定のトルク値に達するまでの衝撃数を記憶する。なお基準衝撃数記憶部19は、シャットオフ衝撃数記憶部17で代用されてもよい。図5はシャットオフ衝撃数記憶部17の記憶内容を示しているが、シャットオフ衝撃数記憶部17は、ユーザが設定した目標トルク値(50[Nm])よりも小さいトルク値に達するまでの衝撃数を記憶している。この意味において、基準衝撃数記憶部19は、シャットオフ衝撃数記憶部17によって代用されてよい。図5に示す例で、30[Nm]に達するまでの衝撃数が「14回」と記憶されている。
 モータ制御部24は、衝撃検出部12で検出された衝撃をカウントして、締付トルク算出部23が算出した締付トルクが所定のトルク値(30[Nm])に達したときの衝撃数Mと、基準衝撃数記憶部19に記憶された衝撃数(14回)との関係から、設定部15により設定されたシャットオフ衝撃数(55回)を補正する。具体的にモータ制御部24は、締付トルク算出部23が算出した締付トルクが所定のトルク値(30[Nm])に達したときの衝撃数Mと、基準衝撃数記憶部19に記憶された衝撃数(14回)との差を、設定部15により設定されたシャットオフ衝撃数(55回)に加算して、カウントした衝撃数が、差を加算したシャットオフ衝撃数になるとモータ2の回転を停止させる。
 たとえば、締付トルク算出部23が算出した締付トルクが所定のトルク値(30[Nm])に達したときの衝撃数Mが「20回」であるとき、モータ制御部24は、途中負荷がなければ14回の衝撃で到達するトルク値に、6回分の衝撃が余計に必要となったことを認識する。そこでモータ制御部24は、設定部15により設定されたシャットオフ衝撃数(55回)に、「6回」を加算して、シャットオフ衝撃数を「61回」に補正する。このように実施例1では、モータ制御部24が、高精度に推定された締付トルクにもとづいてモータ2の回転を停止させることで、トルク制御精度を向上させる。
(実施例2)
 実施例1では、シャットオフ衝撃数記憶部17が、インパクト機構9による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値に達するまでの衝撃数(シャットオフ衝撃数)を記憶している。これに対して実施例2では、シャットオフ衝撃数記憶部17が、締付トルクが所定のトルク値に達してから目標トルク値に達するまでの衝撃数(シャットオフ衝撃数)を記憶している。
 たとえば図5において、所定のトルク値である30[Nm]に達してから、目標トルク値である50[Nm]に達するまでの衝撃数は、41回(=55回-14回)である。実施例2のシャットオフ衝撃数記憶部17は、目標トルク値ごとに、所定のトルク値に達してから目標トルク値に達するまでの衝撃数を記憶する。ここで所定のトルク値は、途中負荷が実施例2におけるシャットオフ衝撃数に影響を及ぼさないように、ねじ部材の着座時もしくは着座後のトルク値として設定されることが好ましい。
 実施例2において、設定部15は、締付トルクが所定のトルク値に達してから目標トルク値に達するまでのシャットオフ衝撃数を制御部10に設定する。モータ制御部24は、締付トルク算出部23が算出した締付トルクが所定のトルク値に達すると、衝撃検出部12で検出された衝撃をカウントして、カウントした衝撃数がシャットオフ衝撃数になるとモータ2の回転を停止させる。モータ制御部24が、締付トルク算出部23により高精度に推定された締付トルクにもとづいてモータ2の自動停止制御を実施することで、正確な締付トルク制御を実現できる。
 以上、本発明を実施形態および実施例をもとに説明した。この実施形態および実施例は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
 実施例1,2では、シャットオフ衝撃数を用いたトルク制御を実施しているが、変形例では、締付トルク算出部23が正確に締付トルクを算出できることを利用して、モータ制御部24は、締付トルク算出部23が算出した締付トルクが目標トルク値に達すると、モータ2の回転を停止させてもよい。つまり締付トルク算出部23が算出した締付トルクが目標トルク値に達したときに、モータ制御部24が、モータ2の回転を停止させてもよい。
 実施形態のインパクト回転工具1は、駆動源として電動モータであるモータ2を搭載しているが、他の種類のモータ、たとえばエアモータを搭載してもよい。また実施形態のインパクト回転工具1はメカニカル方式の回転工具であるが、他の種類のインパクト回転工具、たとえばオイルパルス工具であってもよい。
 本発明の態様の概要は、次の通りである。
 本発明のある態様のインパクト回転工具(1)は、モータ出力によって出力軸(8)に間欠的な回転衝撃力を発生させるインパクト機構(9)と、インパクト機構により出力軸に加えられた衝撃を検出する衝撃検出部(12)と、インパクト機構の1回の衝撃による出力軸回転角を取得する回転角取得部(20)と、インパクト機構の1回の衝撃により出力軸に加えられた衝撃エネルギを算出するエネルギ算出部(22)と、エネルギ算出部が算出した衝撃エネルギと回転角取得部が取得した出力軸回転角にもとづいて締付トルクを算出する締付トルク算出部(23)と、算出した締付トルクにもとづいてモータの回転を停止させるモータ制御部(24)と、を備える。締付トルク算出部(23)は、衝撃ごとに算出された衝撃エネルギを積算した積算エネルギを、衝撃ごとに取得された出力軸回転角を積算した積算回転角で除算した値を用いて、締付トルクを算出する。
 インパクト回転工具(1)は、締付トルクが所定のトルク値に達してから目標トルク値に達するまでのシャットオフ衝撃数を設定する設定部(15)をさらに備えてよい。モータ制御部(24)は、締付トルク算出部(23)が算出した締付トルクが所定のトルク値に達すると、衝撃検出部(12)で検出された衝撃をカウントして、カウントした衝撃数がシャットオフ衝撃数になるとモータ(2)の回転を停止させてよい。
 モータ制御部(24)は、締付トルク算出部(23)が算出した締付トルクが目標トルク値に達すると、モータの回転を停止させてよい。
 インパクト回転工具(1)は、インパクト機構による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値に達するまでのシャットオフ衝撃数を設定する設定部(15)と、インパクト機構による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値よりも小さい所定のトルク値に達するまでの衝撃数を記憶する基準衝撃数記憶部(19)と、をさらに備え、モータ制御部(24)は、衝撃検出部(12)で検出された衝撃をカウントして、締付トルク算出部(23)が算出した締付トルクが所定のトルク値に達したときの衝撃数と、基準衝撃数記憶部(19)に記憶された衝撃数との関係から、設定部(15)により設定されたシャットオフ衝撃数を補正することが好ましい。モータ制御部(24)は、締付トルク算出部が算出した締付トルクが所定のトルク値に達したときの衝撃数と、基準衝撃数記憶部に記憶された衝撃数との差を、設定部により設定されたシャットオフ衝撃数に加算して、カウントした衝撃数が、差を加算したシャットオフ衝撃数になるとモータの回転を停止させてよい。
1・・・インパクト回転工具、2・・・モータ、8・・・出力軸、9・・・インパクト機構、10・・・制御部、11・・・モータ駆動部、12・・・衝撃検出部、14・・・受付部、15・・・設定部、16・・・操作スイッチ、17・・・シャットオフ衝撃数記憶部、18・・・回転角検出部、19・・・基準衝撃数記憶部、20・・・回転角取得部、21・・・回転速度取得部、22・・・エネルギ算出部、23・・・締付トルク算出部、24・・・モータ制御部。
 本発明は、インパクト回転工具の分野において利用できる。

Claims (5)

  1.  モータ出力によって出力軸に間欠的な回転衝撃力を発生させるインパクト機構と、前記インパクト機構により出力軸に加えられた衝撃を検出する衝撃検出部と、前記インパクト機構の1回の衝撃による出力軸回転角を取得する回転角取得部と、前記インパクト機構の1回の衝撃により出力軸に加えられた衝撃エネルギを算出するエネルギ算出部と、前記エネルギ算出部が算出した衝撃エネルギと前記回転角取得部が取得した出力軸回転角にもとづいて締付トルクを算出する締付トルク算出部と、算出した締付トルクにもとづいてモータの回転を停止させるモータ制御部と、を備えたインパクト回転工具であって、
     前記締付トルク算出部は、衝撃ごとに算出された衝撃エネルギを積算した積算エネルギを、衝撃ごとに取得された出力軸回転角を積算した積算回転角で除算した値を用いて、締付トルクを算出する、
     ことを特徴とするインパクト回転工具。
  2.  締付トルクが所定のトルク値に達してから目標トルク値に達するまでのシャットオフ衝撃数を設定する設定部、をさらに備え、
     前記モータ制御部は、前記締付トルク算出部が算出した締付トルクが所定のトルク値に達すると、前記衝撃検出部で検出された衝撃をカウントして、カウントした衝撃数がシャットオフ衝撃数になるとモータの回転を停止させる、
     ことを特徴とする請求項1に記載のインパクト回転工具。
  3.  前記モータ制御部は、前記締付トルク算出部が算出した締付トルクが目標トルク値に達すると、モータの回転を停止させる、
     ことを特徴とする請求項1に記載のインパクト回転工具。
  4.  前記インパクト機構による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値に達するまでのシャットオフ衝撃数を設定する設定部と、前記インパクト機構による衝撃が開始されてから締付トルクが目標トルク値よりも小さい所定のトルク値に達するまでの衝撃数を記憶する基準衝撃数記憶部と、をさらに備え、
     前記モータ制御部は、前記衝撃検出部で検出された衝撃をカウントして、前記締付トルク算出部が算出した締付トルクが所定のトルク値に達したときの衝撃数と、前記基準衝撃数記憶部に記憶された衝撃数との関係から、前記設定部により設定されたシャットオフ衝撃数を補正する、
     ことを特徴とする請求項1に記載のインパクト回転工具。
  5.  前記モータ制御部は、前記締付トルク算出部が算出した締付トルクが所定のトルク値に達したときの衝撃数と、前記基準衝撃数記憶部に記憶された衝撃数との差を、前記設定部により設定されたシャットオフ衝撃数に加算して、カウントした衝撃数が、前記差を加算したシャットオフ衝撃数になるとモータの回転を停止させる、
     ことを特徴とする請求項4に記載のインパクト回転工具。
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