WO2018154360A1

WO2018154360A1 - 学習データを生成するための処理方法、システム、プログラムおよび記憶媒体、並びに学習データを生成する方法およびシステム

Info

Publication number: WO2018154360A1
Application number: PCT/IB2017/051078
Authority: WO
Inventors: 安藤丹一
Original assignee: オムロン株式会社
Priority date: 2017-02-24
Filing date: 2017-02-24
Publication date: 2018-08-30
Also published as: CN110291539A; EP3588393A1; US20190377982A1; EP3588393A4; US11615269B2

Abstract

本発明は、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、を含むことができる学習データを生成するための処理方法に関する。本発明は、さらに、該方法を実現するシステム、プログラムおよび該プログラムを記憶する記憶媒体に関する。学習データの生成を自動化/半自動化することができ、処理演算を担うCPUの負荷及び通信負荷を軽減し、利用者の負担を軽減する。

Description

学習データを生成するための処理方法、システム、プログラムおよび記憶媒体、並びに学習データを生成する方法およびシステム

　本発明は、深層学習分野に関し、より具体的には、学習データを生成するための処理方法、システム、プログラムおよび記憶媒体、並びに学習データを生成する方法およびシステムに関する。

　近年、深層学習（Ｄｅｅｐ　Ｌｅａｒｎｉｎｇ）をはじめとする人工知能（ａｒｔｉｆｉｃｉａｌ　Ｉｎｔｅｌｌｉｇｅｎｃｅ：ＡＩ）技術が進歩していて、カメラ画像やセンサ情報などの入力データをもとに対象を分類、予測する技術が普及し始めている。深層学習のようなＡＩ技術を用いることによって、機械が自ら学習を行って、分析対象を分類するなどの能力を獲得できる。ＡＩ技術の急速進化に伴って、機械が学習結果として獲得できる能力がますます幅広くなる。その結果、より多くの利用者が深層学習技術のような学習によって獲得された能力を利用することを望んでいる。

　しかし、深層学習技術の学習方法は一般の利用者には理解や活用が容易ではない。特に、どのようなデータが能力の獲得に必要となるかということは、学習方法や、学習対象、学習目標の難易度などに応じて変わるため、一般利用者が深層学習のような学習方法を理解し活用することは困難である。
　深層学習では多数のデータを元に学習を行うことが必要である。一般に、学習に用いるデータが少ないと、獲得された能力が対応可能な範囲が狭くなる。しかし、深層学習の学習には多くの時間およびシステムリソースを必要とするため、データを増やしすぎることには問題がある。それゆえ、一般利用者には、どのような学習データをどの程度準備すれば、所望の能力を獲得できるかを把握することが困難で、学習データの準備に手間がかかることが問題である。
　学習対象を指定して、学習の目標を設定すると、利用者に自動的に学習データを準備させ、或いはユーザに自動的に学習データを提供する装置があれば、一般の利用者も深層学習のような学習方法を活用できるようになる。
　例えば、菓子の製造ラインでサンプルとして良品と不良品を準備するだけで、菓子の良品と不良品を判定する能力を獲得することができれば、深層学習のような学習方法の活用は極めて容易になる。　本発明は、学習データを自動的に又は半自動的に提供できる方法、システム、データベース、プログラムおよび記憶媒体を提供することをその課題の一つとして解決しようとする。

　本発明の一実施形態によれば、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、を含むことができる学習データを生成するための処理方法が提供される。
　さらに、前記依頼情報は、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含んでもよい。
　上記処理方法において、さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、前記依頼情報に含まれる前記学習目標の情報を取得するステップと、前記学習目標の情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定するステップと、含んでもよい。
　上記処理方法において、さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、前記依頼情報に含まれる前記学習対象の情報を取得するステップと、前記学習対象の情報に対応する要件情報を特定するステップと、を含んでもよい。
　上記処理方法において、さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報を取得するステップと、前記学習対象の状態ごとに対応する要件情報を特定するか、前記学習対象の状態変換に対応する要件情報を特定するステップと、を含んでもよい。
　さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、前記依頼情報に基づいて、前記学習データに関して、前記学習データのフォーマット情報、前記学習データの内訳情報、前記学習データの範囲情報、前記学習データの前処理方法情報、前記学習データの取得手段情報、及び前記学習データの識別情報のうち少なくとも一方を含むデータ情報を特定するステップ、を含んでもよい。
　さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象に関して、前記学習対象の種類、前記学習対象の状態、前記学習対象の状態制御情報、及び前記学習対象の状態制御プログラムのうち少なくとも一方を含む対象情報を特定するステップ、を含んでもよい。
　さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象に関して、前記操作対象の種類、前記操作対象のハードウェア構成、前記操作対象の制御データ、及び前記操作対象の制御プログラムのうち少なくとも一方を含む設定情報を特定するステップ、を含んでもよい。
　上記処理方法において、さらに、前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、前記依頼情報に基づいて、データベースから前記要件情報を取得するステップ、或いは、前記依頼情報に基づいて、前記要件情報を生成するステップ、を含んでもよい。
　さらに、上記処理方法は、前記要件情報を特定した後、前記依頼情報における少なくとも一部の情報と前記要件情報との対応関係を記憶するステップ、をさらに含んでもよい。
　さらに、上記処理方法は、前記装置から、前記要件情報に基づく学習を行って得られた前記学習データを取得するステップ、をさらに含んでもよい。
　さらに、上記処理方法は、前記依頼情報と前記学習データを用いた学習が行われた学習結果を得るステップと、前記学習結果を、前記学習結果による対象分析を行う装置に送信するステップと、をさらに含んでもよい。
　本発明の他の一実施形態によれば、学習を依頼するための依頼情報を受信するステップと、前記依頼情報を、学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信するステップと、前記装置から前記要件情報を受信するステップと、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップと、を含むことができる学習データを生成する方法が提供される。
　さらに、前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含んでもよい。
　上記方法において、さらに、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、前記学習目標の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定するステップと、前記種類及び／又は前記数のデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含んでもよい。
　上記方法において、さらに、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、前記学習対象の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象及び／又は前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象を構成するステップと、前記構成に基づいてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含んでもよい。
　上記方法において、さらに、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象の状態を設定するステップと、それぞれの状態ごとの前記学習対象についてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含んでもよい。
　さらに、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、生成した前記データを、前記処理能力を反映する教師データと関連づけて記憶するステップ、をさらに含んでもよい。
　さらに、上記方法は、前記学習データに基づく学習を行って得られた学習結果を受信するステップと、前記学習結果を利用して対象分析を行うステップと、をさらに含んでもよい。
　本発明の更なる一実施形態によれば、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定する要件情報特定部と、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信する学習データ送信部と、を備えることができる学習データを生成するための処理システムが提供される。
　さらに、前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含んでもよい。
　上記システムにおいて、さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に含まれる前記学習目標の情報を取得し、そして、前記学習目標の情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定する。
　上記システムにおいて、さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に含まれる前記学習対象の情報を取得し、そして、前記学習対象の情報に対応する要件情報を特定する。
　上記システムにおいて、さらに、前記要件情報特定部は、前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報を取得し、そして、前記学習対象の状態ごとに対応する要件情報を特定するか、前記学習対象の状態変換に対応する要件情報を特定する。
　さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に基づいて、前記学習データに関して、前記学習データのフォーマット情報、前記学習データの内訳情報、前記学習データの範囲情報、前記学習データの前処理方法情報、前記学習データの取得手段情報、及び前記学習データの識別情報のうち少なくとも一方を含むデータ情報を特定する。
　さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に基づいて、前記学習対象に関して、前記学習対象の種類、前記学習対象の状態、前記学習対象の状態制御情報、及び前記学習対象の状態制御プログラムのうち少なくとも一方を含む対象情報を特定する。
　さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に基づいて、前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象に関して、前記操作対象の種類、前記操作対象のハードウェア構成、前記操作対象の制御データ、及び前記操作対象の制御プログラムのうち少なくとも一方を含む設定情報を特定する。
　上記システムにおいて、さらに、前記要件情報特定部は、前記依頼情報に基づいて、データベースから前記要件情報を取得し、或いは、前記依頼情報に基づいて、前記要件情報を生成する。
　さらに、上記システムは、前記要件情報を特定した後、前記依頼情報における少なくとも一部の情報と前記要件情報との対応関係を記憶する記憶部、をさらに備えてもよい。
　さらに、上記システムは、前記装置から、前記要件情報に基づく学習を行って得られた前記学習データを取得する学習データ取得部、をさらに備えてもよい。
　さらに、上記システムは、前記依頼情報と前記学習データを用いた学習を行うことで、学習結果を取得する学習部と、前記学習結果を、前記学習結果による対象分析を行う装置に送信する学習結果送信部と、をさらに備えてもよい。
　本発明の更なる一実施形態によれば、学習を依頼するための依頼情報を受信する依頼情報受信部と、前記依頼情報を、学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信する依頼情報送信部と、前記装置から前記要件情報を受信する要件情報受信部と、前記要件情報に基づいて前記学習データを生成する学習データ生成部と、を備えることができる学習データを生成するシステムが提供される。
　さらに、前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含む。
　上記システムにおいて、さらに、前記学習データ生成部は、前記学習目標の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定し、そして、前記種類及び／又は前記数のデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とする。
　上記システムにおいて、さらに、前記学習データ生成部は、前記学習対象の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象及び／又は前記前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象を構成し、そして、前記構成に基づいてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とする。
　上記システムにおいて、さらに、前記学習データ生成部は、前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象の状態を設定し、それぞれの状態ごとの前記学習対象についてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とすることができる。
　さらに、上記システムは、生成した前記データを、前記処理能力を反映する教師データと関連づけて記憶する学習データ記憶部、をさらに備えてもよい。
　さらに、上記システムは、前記学習データに基づく学習を行って得られた学習結果を受信する学習結果受信部と、前記学習結果を利用して対象分析を行う学習結果利用部と、をさらに備えてもよい。
　本発明の更なる一実施形態によれば、プログラムを記憶する記憶装置と、プロセッサと、を備えることができ、前記プロセッサは、前記プログラムに基づいて、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信する、操作を実行するサーバが提供される。
　本発明の更なる一実施形態によれば、プロセッサに、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、を実行させることができるプログラムが提供される。
　本発明の更なる一実施形態によれば、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、を実現するためのプログラムを記憶することができる記憶媒体が提供される。

　本発明の実施形態によれば、要件情報を特定することで、学習データの生成を自動化／半自動化することができる。学習依頼者は、学習方法の詳細を理解しなくても、必要な学習データを作成できるようになる。特に、学習依頼者と、学習装置の学習プログラム作成者が異なる人である場合に、学習依頼者の負担を大幅に軽減している。
　また、本発明の実施形態によれば、学習データ不足によるＡＩの学習が終わらず、ＣＰＵが無駄に動き続けることを回避することができるため、ＣＰＵ負荷を軽減し、システムリソースを節約することができる。また、本発明の実施形態によれば、学習不足による学習の追加を回避することができるため、クライアントと例えばサーバとの間の通信負荷および、例えばサーバの処理負荷を低減させ、サーバリソース及び処理時間を節約することができる。

　ここで説明する図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、本願の一部を構成し、また、本発明における概念的実施例及びその説明は本発明を説明するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システムと学習サービス提供システムの構造を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システムと学習サービス提供システムとの間の対話を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成システムの機能モジュールと学習依頼システムにおける他の装置との間の対話を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成システムの操作例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成管理装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システムと学習サービス提供システムのハードウェア構造の一部を実現するパーソナルコンピュータ（Ｐｅｒｓｏｎｎｅｌ　Ｃｏｍｐｕｔｅｒ、ＰＣ）の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼装置のハードウェア構造の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習結果利用装置のハードウェア構造の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データ取得装置のハードウェア構造の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システムのハードウェア構造の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による対象操作装置のハードウェア構造の例を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習結果利用装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データ取得装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼受付装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習データベース装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による対象操作装置の機能モジュールを示すブロック図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システムで実現される依頼情報を生成する方法を示すフローチャートである。本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システムで実現される学習データを生成するための処理方法を示すフローチャートである。本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための要件情報の論理的な構成を示す図である。本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システムで実現される学習データを生成する方法を示すフローチャートである。本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システムで実現される学習結果を生成する方法を示すフローチャートである。本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための処理方法を用いる適用例１を示す機能ブロック図である。適用例１における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。適用例１における学習結果を用いた良品／不良品の判定を示す図である。図２６に示す良品／不良品の判定に用いる深層学習を示す図である。図２６に示す良品／不良品の判定方法を示すフローチャートである。適用例２における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。適用例３における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。

　当業者に本発明をよりよく理解してもらうように、以下、本発明の図面を結合して本発明の実施形態を明瞭かつ完全に説明するが、説明した実施形態は本発明の実施形態の一部に過ぎず、全部ではないことは、明らかである。当業者が本発明の実施形態に基づいて、創造的な労働なしに得た他の実施形態も、全て本発明の保護範囲内に含まれる。
　なお、本発明で用いる「／」は、「および」、「または」、或いは複数の選択肢のうちの任意の１つまたは複数を意味する。用語である「含む」、「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的にならずに含まれたものをカバーすることがその意図であり、例えば、一連のステップ又はユニットを含めたプロセス、方法、システム、装置又は部分は、明確に示したステップ又はユニットに限定される必要がなく、明確に示していなかったり、これらのプロセス、方法、システム、装置又は部分に固有であったりする他のステップ又はユニットを含むことができる。
　以下、図面を結合しながら本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は、様々な学習目標に対してそれぞれ能力を獲得するシステムを例として説明する。利用者が毎回獲得したい能力が異なるため、利用者のニーズに応じて異なる学習データを用意する必要がある。
　本発明の実施形態によれば、例えば、学習する機械に対して獲得する能力を指定したときに、指定された能力を獲得するために必要な学習データに関する要件情報を特定し、特定された要件情報に応じて、学習対象および操作対象について繰り返して構成設定を行うことにより、最初の学習データを取得でき、さらに、最初の学習データを学習データとするか、最初の学習データを教師データ等と関連づけて記憶して学習データとすることで、学習データを取得することができる。
　図１は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００の構造を示す図である。図１に示すように、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００は、学習依頼装置１１０と、学習データ生成システム１２０と、学習結果利用装置１３０と、学習データ取得装置１４０と、を備えることができる。学習依頼装置１１０は、学習依頼システム１００における利用者との間のインターフェースとして用いられることができ、利用者からの学習を依頼するための依頼情報を受信する。そして、学習依頼装置１１０は、学習依頼システム１００における学習サービス提供システム２００との間のインターフェースとしても用いられることができ、受信された依頼情報を学習サービス提供システム２００に送信するとともに、学習サービス提供システム２００から、該依頼情報に基づいて生成された学習データを生成するための要件情報を受信する。学習データ生成システム１２０は、該要件情報に基づいて学習データを生成する。学習結果利用装置１３０は、学習データを用いた学習が行われた学習結果を利用して、対象について操作／分析／検査等を行う。学習データ取得装置１４０は、学習データを取得して記憶する。
　本発明でいう「対象」は、本発明の目的を達成するために注目される多様な対象を含むことができ、選択可能な一実施形態において、例えば、学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象と、該学習対象について操作／設定等を行う操作対象と、を含んでもよい。対象の一例として、例えば、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を判定する場合、対象は、学習対象としての菓子と、操作対象としての菓子を撮影するカメラとを含むことができる。また、対象の他の一例として、例えば、コンピュータシステムにおけるファイルの自動分類を行う場合、対象は、学習対象としてのファイルと、操作対象としてのファイルを判定して特徴を抽出するプログラムとを含むことができる。
　学習サービス提供システム２００は、学習依頼受付装置２１０と、学習装置２２０と、学習データベース装置２３０と、を備えることができる。学習依頼受付装置２１０は、学習サービス提供システム２００における学習依頼システム１００との間のインターフェースとして用いられ、学習依頼装置１１０から利用者の依頼情報を受信するとともに、該依頼情報に基づいて生成された学習データを生成するための要件情報を学習依頼装置１１０へ送信する。学習装置２２０は、学習データを用いた学習を行い、学習して得られた学習結果を学習依頼受付装置２１０に送信する。学習データベース装置２３０は、学習データ、利用者が学習を依頼する依頼情報、学習結果の利用履歴、学習データを生成するための要件情報、および学習プログラム等を記憶する。以下、各装置のハードウェア構造および機能について説明する。
　一例として、学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００とは、インターネット３１０を用いて通信を行うが、本発明はこれに限定されない。学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００とは、様々な通信方式、例えば、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信網、およびそれらの組合せを介して情報の送信／受信を行うことができる。これらは同じ装置内にあってもよい。
　図２は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００との間の対話を示す図である。図２を参照して、学習依頼装置１１０は、学習依頼者から学習を依頼するための依頼情報を受信し、該依頼情報をインターネット３１０を経由して学習依頼受付装置２１０に送信する。学習依頼受付装置２１０は、該依頼情報を受信し、受信した依頼情報を学習装置に通知する。そして、学習依頼受付装置２１０は、該依頼情報に基づいて特定された学習データを生成するための要件情報を学習依頼装置１１０へ送信する。学習依頼装置１１０は、受信した学習データを生成するための要件情報を、学習データ生成システム１２０に送信する。学習データ生成システム１２０は、該学習データを生成するための要件情報に基づいて、学習データを生成する。該学習データがインターネット３１０を介して学習装置２２０に送信される。学習装置２２０は、該学習データを受信し、この前に受信した学習を依頼するための依頼情報と該学習データに基づいて学習を行い、学習結果を生成し、該学習結果は、複製可能なデータに変換されデータ化されることができる。データ化された学習結果は、インターネット３１０を介して学習依頼装置１１０に送られる。学習依頼装置１１０は、該データ化された学習結果を学習結果利用装置１２０に送信する。学習結果利用装置１２０が、学習結果を利用して新しい能力を獲得し、該能力を発揮することで処理対象について対応する処理を行う。
　本発明による該例示的な実施形態において、学習サービス提供システム２００は、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、そして、該要件情報を学習依頼システム１００における学習データ生成システム１２０に送信することができる。
　該例示的な実施形態によれば、要件情報を特定することで、学習データ生成を自動化／半自動化することができる。学習を依頼する利用者は、学習データの取得に必要な様々なデータを手作業で入力する必要がないとともに、学習データを取得する操作装置／操作プログラムを手作業で操作／設定する必要もないため、操作を簡素化し、誤りの発生を回避することができる。
　さらに、学習サービス提供システム２００は、リモートサーバ、クラウドで実現されてもよく、ローカルデバイスの演算負荷を軽減し、演算リソースの節約を図り、演算時間を減らすことができる。
　本発明でいう「依頼情報」は、学習を依頼するための様々な情報を含むことができ、選択可能な一実施形態において、例えば、学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる該学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含んでもよい。一例として、例えば、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を判定する場合、学習対象が菓子を含んでもよく、学習目標が、生産ラインにおける検査装置に菓子の良品／不良品を判定する能力を獲得させることであってもよい。もちろん、依頼情報に、他に様々な情報が含まれてもよく、本発明の目的を達成できればよい。例えば、依頼情報は、利用者に関する情報等を含んでもよい。
　依頼情報の内容を設定することで、利用者は、機械学習方法を心得ずに、提供されるべき内容を明確に理解することができ、システムの使い勝手を向上させ、利用者の負担を軽減することができる。
　図３は、本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成システム１２０の機能モジュールと学習依頼システム１００における他の構成要素との間の対話を示す図である。図３において、破線ボックスで示される部分は、学習データ生成システム１２０を表す。学習データ生成システム１２０は、学習データを生成するための要件情報に基づいて学習データを生成する。図３に示すように、学習データ生成システム１２０は、学習データ生成管理装置１２１と、学習データ記憶部１２２と、対象情報入力部１２３と、対象操作部１２４と、を含む。
　学習データ生成管理装置１２１は、学習データを生成するための要件情報に基づいて、学習データ記憶部１２２、対象情報入力部１２３、及び対象操作部１２４の操作を管理する。学習データ記憶部１２２は、該要件情報に基づいて生成された学習データを記憶する。対象情報入力部１２３は、学習データ生成管理装置１２１の指令に基づいて、対応する対象情報を学習データ生成管理装置１２１に提供する。対象操作部１２４は、学習データ生成管理装置１２１の指令に基づいて、対象を操作するための指令を外部にある対象操作装置４１０に提供する。図３には、学習データ生成システム１２０はローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うことが示されているが、オプションとして、学習データ生成システム１２０は他に様々な通信方式、例えば、インターネット、イントラネット、移動通信網、およびそれらの組合せを介して情報の送信／受信を行ってもよい。
　図３に示すように、学習データ生成システム１２０は、外部から学習データを生成するための要件情報を受信し、学習データ生成管理装置１２１に該要件情報が提供される。学習データ生成管理装置１２１は、該要件情報に基づいて、対象を操作するための指令を生成し、該指令を対象操作部１２４に送信する。対象操作部１２４は、該指令を適切なデータフォーマットで無線ローカルエリアネットワークを介して対象操作装置４１０に送信する。対象操作装置４１０は、対象を操作して対象に学習データを生成するための様々な動作を行わせ、対象の様々な状態を実現する。学習データ取得装置１４０は、それぞれの状態においてデータ取得／操作／分析を行うことで、学習データを取得する。該学習データがローカルエリアネットワーク３２０を介して学習データ生成システム１２０に送信されながら、学習データ記憶部１２２に記憶される。対象情報は、学習データと関連づけて記憶されたり、学習データの一部とされたりすることができる。
　図３に示すように、学習データ生成システム１２０は、外部との通信を行うインターネットとして用いられる入出力部１２５をさらに備えてもよい。例として、入出力部１２５は、イントラネット、有線／無線ローカルエリアネットワーク、移動通信網、およびそれらの組合せのような、様々な通信方式により外部との通信を行うことができる。例えば、図３には、入出力部１２５が無線ローカルエリアネットワークを介して対象操作装置４１０との通信を行う例が示されている。
　なお、学習データ生成管理装置１２１および学習データ記憶部１２２は、後述のＰＣ６００を用いて実施されてもよいし、後述のＰＣ６００に類似したハードウェア構造及び構成を有する汎用ＰＣを用いて実施されてもよい。例として、学習データ生成管理装置１２１、学習データ記憶部１２２は、それぞれ後述のＰＣ６００におけるＣＰＵ６１０、記憶部６４０を用いて実施されることができる。
　オプションとして、学習データ生成管理装置１２１および学習データ記憶部１２２は、学習結果利用装置１３０又は学習データ取得装置１４０と一体として集積されるか、学習結果利用装置１３０又は学習データ取得装置１４０に集積されてもよい。
　図３には、学習データ取得装置１４０により対象から学習データを取得することが示されているが、しかし、代替的に、学習結果利用装置１３０により対象から学習データを取得してもよい。学習結果利用装置１３０は、学習結果を利用するときに必要となる対象に関する情報を取得する機能を備えているので、学習データの入力にも用いることができる。このため、オプションとして、学習依頼システム１００は、学習データ取得装置１４０と学習結果利用装置１３０とを双方とも備えることができれば、学習データ取得装置１４０を備えずに学習結果利用装置１３０を備えることもできる。学習結果利用装置１３０は、学習結果を利用するときに必要となる対象に関する情報を取得する機能以外にも、学習結果を利用して対象について操作／分析／検査等を行う機能を備えている。それゆえ、学習依頼システム１００は、学習結果を利用して対象について操作／分析／検査等を行う機能を備える必要がない場合、学習結果利用装置１３０を備えずに学習データ取得装置１４０を備えるように構成されてもよい。
　図４は、本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成システム１２０の操作例を示す図である。図４に示すように、学習データ生成管理装置１２１は、学習データを生成するための要件情報を受信し、該要件情報に基づいて、対象情報の入力を要求する指令を生成して対象情報入力部１２３に送信する。対象情報入力部１２３は、受け取った該指令に基づいて、対応する対象情報を検索又は生成し、検索した又は生成した対象情報を学習データ生成管理装置１２１に送信する。学習データ生成管理装置１２１は、学習データを生成するための要件情報と対象情報に基づいて、対象を操作するための指令を対象操作部１２４へ発信する。対象操作部は、該指令を受け取った後、学習データ生成システム１２０の外部にある対象操作装置４１０と通信する。これにより、対象操作装置４１０は対象を操作する。例えば、学習対象が複数の状態を持つ場合には、学習データの取得に必要な学習対象の各状態を取得することができる。それぞれの状態下の対象について、学習データ取得装置１４０（未図示）又は学習結果利用装置１３０（未図示）が対象の操作／分析／検査等を行うことにより、最初の学習データを生成する。最初の学習データは、学習データ記憶部１２２（未図示）に記憶されることができる。
　ここでいう最初の学習データは、単独で学習データとされてもよいし、学習データの一部とされてもよい。最初の学習データは、単独で学習データとして用いられる場合、学習データ記憶部１２２に、教師データや後の学習に用いる情報等と関連づけて記憶されることができれば、最初の学習データ、および、最初の学習データと教師データや後続の学習に用いる情報等との関連関係のみが学習データ記憶部１２２に記憶されることもできる。学習を行うときに、記憶した学習データを、学習装置２２０が利用可能な形態に変換して学習装置２２０に出力することができる。
　学習を行うための学習データには、少なくとも学習時にニューラルネットワークに入力されるデータが含まれる。学習データは、最初の学習データの他にも、教師データを含むことができる。
　教師データは、学習対象に対する処理能力を反映するデータであることができ、学習対象に対する処理能力（学習目標）に対応している。教師が必要となる学習を行う場合、学習に用いるそれぞれのデータに対して教師データが必要となる。例えば、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を検出する場合、例えば、カメラで撮影した画像を用いて、製品の良品／不良品を識別するような学習を行う。カメラで撮影した多数の画像データ（例えば、１０万枚の画像）が学習データの一部を構成する一方、各画像データが良品であるか、不良品であるかという教師情報が必要になる。さらに、良品がランクを持つ場合には、例えば、良品がランクＡ、ランクＢ、ランクＣ等を含む場合、良品に対応する各画像データがどのランクであるかという教師情報も必要になる。教師データを、学習データの一部としてもよいし、学習データと独立して学習データと関連づけて記憶してもよい。
　生成した前記データを学習データの一部とするか、生成した前記データおよびそれと関連づけて記憶した教師データを学習データの一部とすることで、学習データを利用して学習を行う装置の入力を簡素化することができる。そして、関連づけて記憶したこれらのデータを後の類似した学習に用いることができ、システムの演算負荷を軽減する。
　学習データは、最初の学習データと教師データの他にも、学習に用いる他のデータを含むことができる。例えば、学習依頼システム１００（さらに、それにおける学習データ生成システム１２０）又は学習サービス提供システム２００（さらに、それにおける学習装置２２０）が活用できる情報、および学習依頼者、学習サービス提供者に関する情報が、それぞれ学習データに含まれてもよい。以下、学習データが含みうるデータについて例を挙げて説明する。
　●　学習依頼に関する情報：例えば、依頼者に関する情報、獲得する能力の内容、学習対象、入力データの内容（データの種別、データの属性、使用するセンサの種類など）、学習の目標レベル
　学習依頼に関する情報を学習データに含めることで、学習時に、他のデータを参照しなくても、学習依頼の内容が確認できるため、学習演算の独立性を向上させ、システム構成を簡略化する。
　●　学習データの識別情報
　学習データの識別情報を学習データに含めることで、利用する学習データを他の学習データと識別できるようになる。
　●　学習データの分類情報：さまざまな学習に応じて設定された分類情報を含むことができる
　学習データの分類情報を学習データに含めることで、該学習データがどの学習に用いるデータであるか判定できるようになる。
　●　学習データの属性情報：作成日、データの名称、サイズ、ファイル形式など
　学習データの属性情報を学習データに含めることで、学習時に学習データの属性をチェックしてから学習を行い、誤りの発生を回避することができる。
　●　学習データの説明情報：例えば、画像データのコメントや、センサのログ情報など
　学習データの説明情報を学習データに含めることで、学習の教師データや、テキストベースの学習に活用できる。
　●　学習データの権利情報：所有者、著作権情報など
　学習データの権利情報を学習データに含めることで、学習時に権利関係をチェックしてから学習を行い、海賊版などの発生を回避することができる。
　●　学習データの価値情報：売買対価、価値のレベルに関する情報、期待者情報
　学習データの価値情報を学習データに含めることで、学習データの価値を評価することができる。
　●　学習データ生成装置に関する情報：例えば、学習データ生成装置の識別情報、学習データ生成装置の属性情報（メーカ名、型式、シリアル番号など）、学習データ生成方法に関する情報（種類、属性など）、学習データ生成装置の性能情報（測定精度など）、学習データ生成装置の設定情報（動作モードなど）
　学習データ生成装置に関する情報を学習データに含めることで、学習データ生成装置が学習データを生成した時の詳細な情報を確認し、誤りの発生を回避することができる。
　制御対象に関する情報：例えば、制御対象の識別情報、制御対象の属性情報（メーカ名、型式、シリアル番号など）、制御対象の性能情報（機能、能力のレベルなど）、制御対象の設定情報（動作モードなど）
　制御対象に関する情報を学習データに含めることで、学習時に制御対象を確認し、誤りの発生を回避することができる。
　以上は、あくもでも一例であり、学習データの内容を限定するものではない。
　図５は、本発明の例示的な一実施形態による学習データ生成管理装置１２１の機能モジュールを示すブロック図である。図５に示すように、学習データ生成管理装置１２１は、学習データ生成管理部１２１１と、学習データ取得装置設定部１２１２と、対象操作装置設定部１２１３と、学習データ取得要件情報記憶部１２１４と、通信部１２１５と、を含むことができる。学習データ生成管理部１２１１は、学習データ取得装置設定部１２１２、対象操作装置設定部１２１３、学習データ取得要件情報記憶部１２１４、および通信部１２１５の操作を統合制御する。学習データ取得装置設定部１２１２は、学習データ取得装置１４０について操作設定を行う。対象操作装置設定部１２１３は、対象操作装置４１０について操作設定を行う。学習データ取得要件情報記憶部１２１４は、受信した学習データを生成するための要件情報を記憶する。通信部１２１５は、外部との通信を行う。
　以下、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００における学習データ生成システム１２０以外の構成要素のハードウェア構造の例および機能モジュールの例について説明する。それから、本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システム２００のハードウェア構造の例および各構成要素の機能モジュールの例について説明する。
　まず、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００のハードウェア構造の一部を実現するＰＣの例を説明する。
　図６は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００のハードウェア構造の一部を実現するＰＣ（Ｐｅｒｓｏｎｎｅｌ　Ｃｏｍｐｕｔｅｒ、パーソナルコンピュータ）６００の例を示す図である。図６に示すように、このＰＣ６００は、統合制御を行うＣＰＵ６１０と、システムソフトウェアを記憶するリードオンリーメモリ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ、ＲＯＭ）６２０と、書き込んだ／読み出したデータを記憶するランダムアクセスメモリ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ、ＲＡＭ）６３０と、様々なプログラム及びデータを記憶する記憶部６４０と、入出力用インターフェースである入出力部６５０と、通信機能を実現する通信部６６０と、を含むことができる。代替的に、ＣＰＵ６１０をマイクロプロセッサＭＣＵ又はフィールドプログラマブルゲートアレイＦＰＧＡのようなプロセッサて取って代わってもよい。入出力部６５０は、入力／出力インターフェース（Ｉ／Ｏインターフェース）、ユニバーサルシリアルバス（ＵＳＢ）インターフェース（Ｉ／Ｏインターフェースのポートのうちの１つのポートとして含まれてもよい）、ネットワークインターフェースなど、様々なインターフェースを含むことができる。図６に示す構造は概念的なものに過ぎず、学習依頼システム１００および学習サービス提供システム２００のハードウェア構造を限定していないことは、当業者が理解できるものである。例えば、ＰＣ６００は、図６に示すものよりも多かったり少なかったりの構成要素を含むか、図６に示すものと異なる構成を有することもできる。
　注目されるべき点として、上記ＣＰＵ６１０は、１つ又は複数のプロセッサを含むことができ、該１つ又は複数のプロセッサ及び／又は他のデータ処理回路を本発明で通常、「データ処理回路」と呼ぶ。該データ処理回路は、一部又は全てがソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又は他の任意の組合せで表現されることができる。また、データ処理回路は、個別に独立した処理モジュールであってもよいし、全て又は一部がＰＣ６００における他の構成要素のいずれか１つに組み合せられてもよい。
　記憶部６４０は、アプリケーションソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶することができ、本発明の後文で説明する学習データを生成するための方法に対応するプログラムコマンド／データ記憶装置のように、ＣＰＵ６１０は、記憶部６４０に記憶されたソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することにより、上記学習データを生成する方法を実現する。記憶部６４０は、不揮発性メモリ、例えば、１つ又は複数の磁性記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性ソリッドステートメモリを含むことができる。一部の例において、記憶部６４０は、ＣＰＵ６１０に対して遠距離になって配置されたメモリをさらに含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークを介してＰＣ６００に接続されることができる。上記ネットワークの例として、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信網およびそれらの組合せを含むが、これには限定されない。
　通信部６６０は、ネットワークを経由してデータを受信又は送信する。上記ネットワークの具体例は、ＰＣ６００の通信事業者が提供する無線ネットワークを含むことができる。一例において、通信部６６０は、基地局を介して他のネットワークに繋がることでインターネットと通信できるネットワークインターフェースコントローラ（Ｎｅｔｗｏｒｋ　Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ　Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｒ、ＮＩＣ）を含む。また、一例において、通信部６６０は、無線によりインターネットと通信する無線周波数（Ｒａｄｉｏ　Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ、ＲＦ）モジュールであってもよい。
　図７は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００に含まれる学習依頼装置１１０のハードウェア構造の例を示す図である。図７に示すように、学習依頼装置１１０は、ＰＣ１１０１と利用者入力部１１０２とを含むことができる。ＰＣ１１０１は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。利用者入力部１１０２は、モニタ１１０４と、キーボード１１０５と、マウス１１０６とを含むことができる。代替的に又は追加的に、利用者入力部１１０２は、カメラ、スキャナ等の入力装置をさらに含んでもよい。
　学習依頼装置１１０は、学習依頼システム１００と利用者との間のインターフェースとして、および学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００との間のインターフェースとしての機能を備えている。図７に示す学習依頼装置１１０において、利用者は、利用者入力部１１０２を操作することで学習を依頼するための依頼情報をＰＣ１１０１に入力する。ＰＣ１１０１は、記憶したソフトウェアプログラムに基づいて該依頼情報を処理して、学習依頼受付装置２１０が理解可能なフォーマットのデータを生成し、該データをインターネット３１０を介して学習依頼受付装置２１０に送信する。ＰＣ１１０１は、さらに、インターネット３１０を介して学習依頼受付装置２１０から学習データを生成するための要件情報を受信する。
　図８は、本発明の例示的な一実施形態による学習結果利用装置のハードウェア構造の例を示す図である。図８の（ａ）に示すように、学習結果利用装置１３０は、ＰＣ１３０１と、利用者入力部１３０２と、学習データ入力部１３０３とを含むことができる。ＰＣ１３０１は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。利用者入力部１３０２は、モニタ１３０４、キーボード１３０５及び／又はマウス１３０６を含むことができる。代替的に又は追加的に、利用者入力部１３０２は、カメラ又はスキャナ等の入力装置をさらに含んでもよい。
　学習データ入力部１３０３は、ニューラルネットワークの入力データとなってもよい、対象に関する対象情報を取得する。例として、学習データ入力部１３０３は、カメラ、センサ、ネットワーク端末、自走型ロボット等の装置であってもよいし、他に対象情報を入力できる任意の入力装置であってもよい。図８の（ａ）に示すように、ＰＣ１３０１と学習データ入力部１３０３は、互いに独立した２つの構成要素であり、両者は有線／無線により通信を行い、また、ＰＣ１３０１は汎用ＰＣであってもよい。代替的に、ＰＣ１３０１と学習データ入力部１３０３を組込型装置として一体化した構成にしてもよい。
　図８の（ｂ）に学習結果利用装置のハードウェア構造の他の一例を示す。図８の（ａ）とは異なり、図８の（ｂ）において、学習結果利用装置１３０’は、ＰＣ１３０１’と、学習データ入力部１３０３’とを含むことができる。組込型ＰＣであるＰＣ１３０１’は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。そして、ＰＣ１３０１’は、一体化したモニタ、キーボード、マウス、カメラ又はスキャナ等の入力装置をさらに含む。学習データ入力部１３０３’は、学習データ入力部１３０３の機能及び構成と同様な、又は類似した機能及び構成を有してもよい。
　なお、学習結果利用装置１３０，１３０’に類似して、学習データ取得装置１４０も、対象について学習データを取得する機能を備えている。このため、学習データ取得装置１４０は、学習結果利用装置１３０と同様な、又は類似したハードウェア構造を有してもよい。つまり、例として、学習データ取得装置１４０は、図８の（ａ）と（ｂ）に示すようなハードウェア構造を有することができる。
　図９は、本発明の例示的な一実施形態による学習データ取得装置のハードウェア構造の例を示す図である。図９の（ａ）に示すように、学習データ取得装置１４０は、ＰＣ１４０１と、学習データ入力部１４０３とを含むことができる。ＰＣ１４０１は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。ＰＣ１４０１はローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行う。学習データ入力部１４０３は、ニューラルネットワークの入力データとなってもよい、対象に関する対象情報を取得する。学習データ入力部１４０３は、学習データ入力部１３０３の機能及び構成と同様な、又は類似した機能及び構成を有してもよい。
　図９の（ｂ）に学習データ取得装置のハードウェア構造の他の一例を示す。図９の（ａ）とは異なり、図９の（ｂ）において、学習データ取得装置１４０’は、ＰＣ１４０１’と、学習データ入力部１４０３’とを含むことができる。組込型ＰＣであるＰＣ１４０１’は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。そして、ＰＣ１４０１’は、一体化したモニタ、キーボード、マウス、カメラ又はスキャナ等の入力装置をさらに含む。学習データ入力部１４０３’は、学習データ入力部１４０３の機能及び構成と同様な、又は類似した機能及び構成を有してもよい。
　図９の（ａ）と（ｂ）において、ＰＣ１４０１、ＰＣ１４０１’はそれぞれローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うが、本発明はこれに限定されず、ＰＣ１４０１、ＰＣ１４０１’はそれぞれ、インターネット、イントラネット、移動通信網、又はそれらの組合せ等を介して外部との通信を行ってもよい。
　図１０は、本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システムのハードウェア構造の例を示す図である。図１０の（ａ）に学習サービス提供システムのハードウェア構造の簡単な構成の一例を示す。図１０の（ａ）に示すように、学習サービス提供システム２００は、ＰＣ２００１を含むことができる。ＰＣ２００１は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、ＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。ＰＣ２００１はインターネット３１０を介して外部との通信を行う。
　図１０の（ｂ）に、学習サービス提供システムのハードウェア構造についてデータセンターに基づくものの一例を示す。図１０の（ｂ）に示すように、学習サービス提供システム２００’は、複数のサーバラック２００２を含むことができる。該複数のサーバラック２００２が分散型サーバシステムを構成し、学習サービス提供システム２００’の機能を実現する。学習サービス提供システム２００’のソフトウェアプログラム及びデータは、単一のサーバラック２００２に配置されず、複数のサーバラック２００２に分散されることができ、それぞれのサーバラック２００２はローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うことができる。また、外部ネットワーク接続装置３４０に接続されることで、それぞれのサーバラック２００２はインターネット３１０を介して外部との通信を行ってもよい。既存のサーバラックを含む分散型サーバシステムを、学習サービス提供システム２００’を実現するハードウェア構造として用いることができる。学習サービス提供システム２００’を分散型サーバシステムで実現する場合、深層学習を行うとき、処理内容に同じような計算の繰り返しが多いため、プログラムを複数のサーバラック２００２で実行し演算することで、処理時間を短縮し、処理の複雑さを簡易化することができる。
　図１０の（ｃ）に、学習サービス提供システムのハードウェア構造についてデータセンターに基づくものの他の一例を示す。図１０の（ｃ）に示すように、学習サービス提供システム２００”は、複数のブレードサーバ２００３を含むことができる。該複数のブレードサーバ２００３が分散型サーバシステムを構成し、学習サービス提供システム２００”の機能を実現する。学習サービス提供システム２００”のソフトウェアプログラム及びデータは、単一のブレードサーバ２００３に配置されず、複数のブレードサーバ２００３に分散されることができ、学習サービス提供システム２００”の各構成要素の機能を任意の異なるブレードサーバ２００３により実現することができる。複数のブレードサーバ２００３の一部は、１つのブレードサーバユニット（図中の破線ボックスで示されるように）として動作することができる。それぞれのブレードサーバ２００３はローカルエリアネットワーク３２０を介して通信することができる。また、外部ネットワーク接続装置３４０（未図示）に接続されることで、それぞれのブレードサーバ２００３はインターネット３１０を介して外部との通信を行ってもよい。既存のブレードサーバを含む分散型サーバシステムを、学習サービス提供システム２００”を実現するハードウェア構造として用いることができる。この場合、図１０の（ｂ）に示す例に類似して、学習サービス提供システム２００”も処理時間を短縮し、処理の複雑さを簡易化する技術効果を達成することができる。
　図１１は、本発明の例示的な一実施形態による対象操作装置４１０のハードウェア構造の例を示す図である。対象操作装置４１０は、学習データを生成するために、対象を操作して対象に所定の状態を持たせる装置であってもよい。学習データ生成システム１２０は、対象操作装置４１０の種類や制御方法等の情報に応じて、対象操作装置４１０の制御を行うことができる。
　図１１の（ａ）に、ＰＣで構成される対象操作装置のハードウェア構造の一例を示す。図１１の（ａ）に示すように、対象操作装置４１０は、ＰＣ４１０１とアクチュエータ４１０２とを含むことができる。ＰＣ４１０１は、学習データ生成システム１２０の対象操作部１２４から受信した対象を操作するための指令に基づいて、アクチュエータ４１０２へ作動命令を発する。ＰＣ４１０１は、ＰＣ６００の構成機器及び構成と同様な構成機器及び構成を有してもよいし、ＰＣ６００の構成機器よりも多かったり少なかったりの構成機器を有してもよく、或いは、当該機能を果たす構成であればＰＣ６００の構成と異なる構成を有してもよい。アクチュエータ４１０２は、該作動命令に基づいて対象を操作して、対応する対象状態を取得する。対象操作装置４１０は、ローカルエリアネットワーク３２０を介して外部（例えば、学習データ生成システム１２０）との通信を行うことができる。
　例えば、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を判定する場合、対象操作装置４１０は、アクチュエータ４１０２を介して１つ又は複数のカメラの姿勢を操作し、カメラで撮影する菓子を載せる載置台に所定の姿勢変化を行わせることができる。そして、対象操作装置４１０は、ＰＣ４１０１に制御されて、所定のタイミングで該１つ又は複数のカメラおよび載置台を操作することができる。
　図１１の（ｂ）に、対象操作装置のハードウェア構造の他の一例を示す。図１１の（ｂ）に示すように、対象操作装置４１０’は、対象制御装置４１０３を含むことができる。対象制御装置４１０３は、対象について分析／制御を行う。例えば、対象制御装置４１０３を制御するための制御パラメータ、制御データ、制御プログラム等を、学習データを生成するための要件情報に予め含めることができ、これにより、学習データ生成システム１２０は、該要件情報に基づいて、対象制御装置４１０３を用いて対象の状態を自動的に変化させ、学習データを取得することができる。対象操作装置４１０’は、無線ローカルエリアネットワーク３３０を介して外部（例えば、学習データ生成システム１２０）との通信を行うことができる。オプションとして、対象制御装置４１０３は、一部又は全てが学習データ生成システム１２０に含まれてもよい。
　例えば、囲碁、将棋のようなゲームの意思決定を行う場合、遊戯ルール、遊戯プログラムを、学習データを生成するための要件情報に含めることができる。対象制御装置４１０３は、該要件情報に基づいて、碁盤や将棋盤の段階ごとの変化を制御することができる。
　図１１にの（ｃ）に、対象操作装置のハードウェア構造の更なる一例を示す。図１１の（ｃ）に示すように、対象操作装置４１０”は、ロボット４１０５を含むことができる。ロボット４１０５は、学習データ生成システム１２０から受信した制御指令に基づいて、対象について対応する操作を行う。例えば、ロボット４１０５の制御パラメータ、制御データ、制御プログラム等の情報を、学習データを生成するための要件情報に含めることができ、これにより、学習データ生成システム１２０は、該要件情報に基づいて、ロボット４１０５を用いて対象を操作し、対象の状態を変化させるように制御することができる。対象操作装置４１０”は、無線ローカルエリアネットワーク３３０を介して外部（例えば、学習データ生成システム１２０）との通信を行うことができる。
　対象操作装置４１０，４１０’および４１０”による対象についての操作／制御は、上記操作／制御以外にも、利用者の依頼した学習の内容に応じて様々な操作／制御を行うことができる。以下、例を挙げて説明する。
　・対象を並べる／組み合わせる
　例えば、菓子のパノラマ写真を撮影するように、複数のカメラを並べる／組み合わせる。或いは、プラントが、操作する操作対象に対して所定の姿勢を実現できるように、プランの各操作部を並べる／組み合わせる。
　・対象の一部を取り除く
　例えば、学習の対象となるファイルにおける特定のタイプのファイルのみを分析し、他のタイプのファイルを取り除く。
　・対象の操作部を操作する
　例えば、菓子を載せる載置台を操作する。
　・対象を物理的に操作する
　・対象の向きを変える。
　例えば、自動車の運転など。
　・電子的に接続する
　・信号を送信して制御する
　・データを送り込む／プログラムをロードする／プログラムを実行する
　・禁止動作を設定する
　なお、以上で記載した内容は例示的なものに過ぎず、本発明における対象操作装置４１０の機能及び構成を限定するものではない。
　図１１の（ａ）、（ｂ）および（ｃ）において、対象操作装置４１０は、ローカルエリアネットワーク３２０又は無線ローカルエリアネットワーク３３０を介して外部との通信を行う。しかしながら、本発明はこれに限定されず、対象操作装置４１０は、様々な通信方式、例えば、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、インターネット、移動通信網、およびそれらの組合せを介して外部と情報の送信／受信を行うことができる。
　なお、対象操作装置４１０は、機能の一部又は全て／ハードウェア構造の一部又は全てが学習データ生成システム１２０に含まれてもよい。当業者はニーズに応じてそれぞれのシステムに含まれる構成機器を設定することができる。
　以下、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００の各構成要素の機能モジュールの例を説明する。
　図１２は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼装置１１０の機能モジュールを示すブロック図である。利用者が学習を依頼するとき、学習依頼装置１１０を用いて、学習サービス提供システム２００に対して学習依頼を行う。学習依頼装置１１０はインターネット３１０又はローカルエリアネットワーク３２０のような通信手段で学習サービス提供システム２００と接続されていて、学習依頼を行うことができる。図１２に示すように、学習依頼装置１１０は、学習依頼制御部１１１と、利用者対話部１１２と、依頼情報記憶部１１３と、通信部１１４とを含むことができる。学習依頼制御部１１１は、利用者対話部１１２、依頼情報記憶部１１３、および通信部１１４の操作を統合制御する。学習依頼装置１１０と利用者との間のインターフェースである利用者対話部１１２は、利用者から学習依頼を受信し、対応する情報を利用者に提供する。依頼情報記憶部１１３は、利用者対話部１１２で受信した利用者からの学習を依頼するための依頼情報を記憶する。通信部１１４は、インターネット３１０又はローカルエリアネットワーク３２０を介して学習依頼受付装置２１０との通信を行う。図１２に学習依頼装置１１０がインターネット３１０又はローカルエリアネットワーク３２０を介して学習依頼受付装置２１０との通信を行う例を示しているが、上述したように、学習依頼装置１１０は、他に様々な通信方式、例えば、イントラネット、移動通信網、およびそれらの組合せを介して学習依頼受付装置２１０と情報の送信／受信を行ってもよい。これにより、学習依頼受付装置２１０は、学習依頼装置１１０を使っている利用者と対話を行って、学習の対象や学習の目的など、学習依頼情報を取得することができる。
　図１３は、本発明の例示的な一実施形態による学習結果利用装置１３０の機能モジュールを示すブロック図である。図１３に示すように、学習結果利用装置１３０は、制御部１３１と、ニューラルネットワーク設定部１３２と、ニューラルネットワーク１３３と、学習結果入力部１３４と、学習データ入力部１３５と、学習データ取得部１３６と、出力部１３７と、通信部１３８とを含むことができる。制御部１３１は、学習結果利用装置１３０の各構成要素の操作を統合制御する。ニューラルネットワーク設定部１３２は、制御部１３１の指令に基づいて、ニューラルネットワークの各パラメータを設定する。ニューラルネットワーク１３３は、学習データ入力部１３５で入力した学習データに対して深層学習のような機械学習を行う。学習結果入力部１３４は、学習結果利用装置１３０に対応する能力を備えるように、学習結果を入力する。学習データ入力部１３５は、学習データ取得部１３６から学習データを受信し、該学習データを適切なフォーマットでニューラルネットワーク１３３に入力する。学習データ取得部１３６は、対象から対応する学習データを取得する。出力部１３７は、ニューラルネットワーク１３３が深層学習を行った分析結果を出力する。通信部１３８は、学習結果利用装置１３０と外部との通信を実現する。
　なお、学習結果利用装置１３０は、１つ又は複数の学習データ取得部１３６を含んでもよい。異なる学習データ取得部は、異なる対象について学習データを取得することができる。そして、学習結果利用装置１３０が学習データ取得部１３６を含むことができることから、学習データの取得機能を備えているため、学習データ取得装置１４０を省略してもよい。また、図１３に通信部１３８がローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うことが示されているが、オプションとして、学習結果利用装置１３０は、他に様々な通信方式、例えば、インターネット、イントラネット、移動通信網、およびそれらの組合せを介して情報の送信／受信を行ってもよい。
　図１４は、本発明の例示的な一実施形態による学習データ取得装置１４０の機能モジュールを示すブロック図である。図１４に示すように、学習データ取得装置１４０は、学習データ取得制御部１４１と、操作部１４２と、学習データ取得部１４３と、学習データ記憶部１４４と、通信部１４５とを含むことができる。学習データ取得制御部１４１は、操作部１４２、学習データ取得部１４３、学習データ記憶部１４４、および通信部１４５の操作を統合制御する。操作部１４２は、対象を操作するための指令を適切なデータフォーマットでローカルエリアネットワーク３２０を介して対象操作装置４１０に送信する。学習データ取得部１４３は、学習対象から学習データを取得する。学習データ記憶部１４４は、学習データ取得部１４３で取得した学習データを記憶する。通信部１４５は、ローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行う。
　図１５は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼受付装置２１０の機能モジュールを示すブロック図である。学習依頼受付装置２１０は、学習依頼装置１１０からの学習依頼を受け付け、受け付けた学習依頼を学習装置２２０に通知する。図１５に示すように、学習依頼受付装置２１０は、学習依頼受付部２１１と、学習データ記憶部２１２と、依頼情報記憶部２１３と、通信部２１４とを含むことができる。学習依頼受付部２１１は、学習データ記憶部２１２、依頼情報記憶部２１３、および通信部２１４の操作を統合制御する。学習データ記憶部２１２は、学習依頼システム１００から受信した学習データを記憶する。依頼情報記憶部２１３は、学習依頼システム１００から受信した利用者が入力した学習を依頼するための依頼情報を記憶する。通信部２１４は、学習依頼受付装置２１０と外部との通信を行う。図１５に通信部２１４がローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うことが示されているが、本発明はこれに限定されず、通信部２１４は、例えば、イントラネット、インターネット、移動通信網、又はそれらの組合せなど、様々な通信方式を介して情報の送信／受信を行ってもよい。
　図１６は、本発明の例示的な一実施形態による学習装置２２０の機能モジュールを示すブロック図である。図１６に示すように、学習装置２２０は、学習制御部２２１と、学習結果抽出部２２２と、ニューラルネットワーク２２３と、学習結果出力部２２４と、通信部２２５とを含むことができる。学習制御部２２１は、学習結果抽出部２２２、ニューラルネットワーク２２３、学習結果出力部２２４、および通信部２２５の操作を統合制御する。学習結果抽出部２２２は、学習制御部２２１の指令に基づいて、ニューラルネットワーク２２３から学習結果を抽出する。ニューラルネットワーク２２３は、学習データに対して深層学習を行って、学習結果を得る。学習結果出力部２２４は、学習結果を学習装置２２０の外部に出力する。通信部２２５は、学習装置２２０と外部との通信を実現する。図１６に通信部２２５がローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うことが示されているが、本発明はこれに限定されず、通信部２２５は、例えば、インターネット、イントラネット、移動通信網、又はそれらの組合せ等、様々な通信方式を介して情報の送信／受信を行ってもよい。
　図１７は、本発明の例示的な一実施形態による学習データベース装置２３０の機能モジュールを示すブロック図である。学習データベース装置２３０は、学習を行うときに必要となる、さまざまな情報を格納する。図１７に示すように、学習データベース装置２３０は、学習データデータベース２３１と、依頼情報データベース２３２と、学習結果利用履歴データベース２３３と、要件情報データベース２３４と、学習プログラムデータベース２３５とを含むことができる。学習データデータベース２３１は、学習に用いる学習データを格納する。例として、例えば、学習データの対象や、学習データの内訳、学習データの範囲、学習の目的など学習データを生成するための要件情報に関連づけて、学習データを学習データデータベース２３１に格納することができる。依頼情報データベース２３２は、利用者からの学習を依頼するための依頼情報を記憶する。例として、例えば、利用者（学習依頼者）に関する情報、学習データの対象や、学習データの内訳、学習データの範囲、学習の目的など学習データを生成するための要件情報に関連づけて、学習を依頼するための依頼情報を依頼情報データベース２３２に格納することができる。学習結果利用履歴データベース２３３は、学習結果の利用ログを記憶する。要件情報データベース２３４は、学習データを生成するための要件情報を記憶する。
　学習プログラムデータベース２３５は、学習を行うための１つ又は複数の学習プログラムと、該１つ又は複数の学習プログラムに対応する学習を依頼するための依頼情報を格納する。例として、例えば、学習の対象や、学習データの内容、学習の目標など依頼情報に関連づけて、学習プログラムを学習プログラムデータベース２３５に格納することができる。このため、利用者が学習を依頼する依頼情報を指定することで、学習プログラムデータベース２３５を用いて必要な学習プログラムを対応して特定することができ、これにより、対応する学習プログラムを実行することができる。さらに、必要な学習プログラムを特定することで、該学習プログラムに対応する学習データを生成するための要件情報を特定することができる。学習データを生成するための要件情報は、各要件を階層的に記述するデータを有することができる。或いは、オプションとして、利用者が学習の対象や学習の目標など、行われる学習を特定するための検索条件を指定することで、学習プログラムデータベース２３５を用いて、対応する学習プログラムと対応する学習データを生成するための要件情報を検索するようにしてもよい。したがって、学習プログラムデータベース２３５を用いて学習プログラムと各情報を対応して記憶することで、それぞれの学習について、学習方法の選択と学習サービスの管理が効率よく行えるようになる。
　学習データベース装置２３０を上記のような構成とすることで、学習結果について必要な分析を行うことができ、例えば、異なる学習結果の分類能力を対比することが可能となり、それによって、学習結果の利用状況の同一性を判定することができる。
　なお、上述した学習データデータベース２３１、依頼情報データベース２３２、学習結果利用履歴データベース２３３、要件情報データベース２３４、および学習プログラムデータベース２３５を同一のハードウェア素子で実現してもよいし、異なるハードウェア素子で実現してもよい。一部の情報が互いに関連づけて記憶される場合、１つ又は複数のデータベースを省略してもよい。
　図１８は、本発明の例示的な一実施形態による対象操作装置４１０の機能モジュールを示すブロック図である。図１８に示すように、対象操作装置４１０は、対象操作制御部４１１と、対象操作動作決定部４１２と、アクチュエータ４１３と、通信部４１４とを含むことができる。対象操作制御部４１１は、対象操作動作決定部４１２、アクチュエータ４１３、および通信部４１４の操作を統合制御する。対象操作動作決定部４１２は、学習データ生成システム１２０からの操作指令とアクチュエータ４１３の作動情報に基づいて、対象を操作するものを決定する。アクチュエータ４１３は、対象を操作する。通信部４１４は、ローカルエリアネットワーク３２０を介して外部との通信を行うが、しかし、オプションとして、対象操作装置４１０は、他に様々な通信方式、例えば、インターネット。イントラネット、移動通信網、およびそれらの組合せを介して情報の送信／受信を行ってもよい。
　なお、図１８に示す本発明の例示的な一実施形態による対象操作装置４１０の機能モジュールは、一例に過ぎない。対象操作装置４１０は、図１８に示す例よりも多かったり少なかったりの機能モジュールを含んでもよい。
　以上、図３乃至図１８を参照して、学習依頼システム１００の各構成要素、学習サービス提供システム２００の各構成要素、および対象操作装置４１０のハードウェア構造および機能モジュールの例を説明した。以上の説明は例示的なものに過ぎず、本発明の各システム／装置のハードウェア構造および機能モジュールを限定していないことは、当業者が理解すべきである。当業者は、本発明の保護範囲から逸脱しない前提において各システム／装置のハードウェア構造および機能を適宜修正／増減することができる。
　また、前文では、学習依頼システム１００の各構成要素や学習サービス提供システム２００の各構成要素を、異なるハードウェア構成を用いて実現する例を説明したが、学習依頼システム１００の各構成要素のうちの１つ又は複数や学習サービス提供システム２００の各構成要素のうちの１つ又は複数を、同一のハードウェア構成で実現してもよい。学習依頼システム１００の各構成要素のうちの１つ又は複数や学習サービス提供システム２００の各構成要素のうちの１つ又は複数を異なるハードウェア構成で実現する場合、異なるハードウェア構成は、ニーズに応じてその担う機能を変更することができる。例えば、学習依頼システム１００／学習サービス提供システム２００の一部／全ての機能を学習結果利用装置１３０で実現することができる。
　さらに、学習依頼システム１００の各構成要素のうちの１つ又は複数や学習サービス提供システム２００の各構成要素のうちの１つ又は複数は、前文で述べた実現方式に限定されずに、ＰＣ上で実行されるソフトウェアモジュールや、様々な内蔵型装置、クラウドのネットワークサービス等の形で実現されてもよい。本発明の示唆から逸脱しない前提において、学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００は様々な実現方式を用いることができることは、当業者が理解できるものである。
　例として、例えば、学習依頼システム１００と学習サービス提供システム２００を、統合した１つのシステムとして構成することができる。該統合したシステムのうち、任意の部分を別のシステムや装置、部分として構成してもよい。また、当業者は本発明の利用に必要な部分のみを実施する構成にしてもよい。例えば、本発明における学習データを生成するための要件情報のフォーマットや構成、規定などを利用することで、学習データ生成システム１２０のみを実施できる。
　例として、例えば、工場の生産ラインで製品の検査を行う装置に学習データ生成機能と学習機能を備えるようにすることができる。例えば、処理の負荷が重い学習機能を、クラウド上で実施するようにしてもよい。学習サービス提供システム２００に含まれる一部の構成要素又は機能をクラウドで実現する場合、他の構成要素又は機能を別の任意の装置で実施するようにすることができる。
　例として、例えば、ニューラルネットワーク１３３とニューラルネットワーク２２３を電子回路で構成することができる。例えば、ＬＳＩやＦＰＧＡで構成することができる。また、学習依頼システム１００の各構成要素のうちの１つ又は複数や学習サービス提供システム２００の各構成要素のうちの１つ又は複数を物体によって実施することができる。例えば、学習対象について識別／処理／操作／データ取得を行う中、物理的な鍵やＤＮＡ検査のような生化学的な方法、ホログラムなど光学的な方法による識別／処理／操作／データ取得手段を用いることができる。
　以下、図１９乃至図２３を結合して本発明に係わる方法を説明する。なお、後文では、「Ｓ１」を先頭に置いたものは、学習依頼システム１００で実現される方法のステップを表し、「Ｓ２」を先頭に置いたものは、学習サービス提供システム２００で実現される方法のステップを表す。
　図１９は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００で実現される依頼情報を送信する方法を示すフローチャートである。図１９に示すように、ステップＳ１０１において、学習依頼システム１００が学習サービス提供システム２００と接続し、該方法がステップＳ１０２へ進む。ステップＳ１０２において、学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０は、学習対象に関する選択画面を利用者（学習依頼者）に提示し、該学習対象の選択できる内容は、学習サービス提供システム２００から受信したものにしてもよい。利用者は、選択画面の提示に従って、対応する学習対象を選択することができる。ステップＳ１０３において、学習依頼システム１００は、利用者が学習対象を選択したか否かを判定する。利用者が学習対象を選択していれば、該方法がステップＳ１０４へ進み、利用者が学習対象を選択していなければ、該方法がステップＳ１０２に戻り、利用者が選択するのを待つ。ステップＳ１０４において、学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０は、学習目標に関する選択画面を利用者に提示し、該学習目標の選択できる内容は、学習サービス提供システム２００から受信したものにしてもよい。利用者は、選択画面の提示に従って、対応する学習目標を選択することができる。ステップＳ１０５において、学習依頼システム１００は、利用者が学習目標を選択したか否かを判定する。利用者が学習目標を選択していれば、該方法がステップＳ１０６へ進み、利用者が学習目標を選択していなければ、該方法がステップＳ１０４に戻り、利用者が選択するのを待つ。ステップＳ１０６において、学習依頼システム１００は、利用者が選択した学習対象と学習目標を、学習を依頼するための依頼情報として学習サービス提供システム２００に送信し、該フローチャートが終了する。
　該依頼情報を出力する方法において、利用者は、学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０を介して学習対象と学習目標を選択することにより、学習対象の情報と学習目標の情報を含む依頼情報を、学習サービス提供システム２００に入力する。なお、依頼情報は他の情報を含んでもよく、例えば、オプションとして、依頼情報は利用者に関する情報を含むことができる。依頼情報が利用者に関する情報のような情報をさらに含む場合、学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０は、学習対象の選択画面や学習目標の選択画面に類似した選択画面を、利用者が選択するように利用者に提供することができる。
　以下、図２０と図２１を結合して本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための処理方法について説明する。
　図２０は、本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システム２００で実現される学習データを生成するための処理方法を示すフローチャートである。該学習データを生成するための処理方法において、学習サービス提供システム２００は、学習依頼システム１００から受信した学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、該要件情報を学習依頼システム１００における学習データ生成システム１２０に送信する。
　図２０に示すように、ステップＳ２０１において、学習サービス提供システム２００の学習依頼受付装置２１０は、学習対象の選択できる内容を学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０に提供することにより、学習依頼装置１１０は、それと対話する利用者に学習対象の選択画面を提示し、学習依頼受付装置２１０は、利用者が選択した学習対象の情報を受信し、該方法がステップＳ２０２へ進む。ステップＳ２０２において、学習サービス提供システム２００の学習依頼受付装置２１０は、学習目標の選択できる内容を学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０に提供することにより、学習依頼装置１１０は、それと対話する利用者に学習目標の選択画面を提示し、学習依頼受付装置２１０は、利用者が選択した学習目標の情報を受信し、該方法がステップＳ２０３へ進む。
　ステップＳ２０３において、学習依頼受付装置２１０は、利用者が学習依頼を確定したか否かを判定し、利用者がまだ確定していなければ、該方法がステップＳ２０１に戻り、利用者が学習対象を選択するのを待つ。利用者が確定していれば、該方法がステップＳ２０４へ進む。ステップＳ２０４において、学習サービス提供システム２００は、学習データベース装置２３０にて決定した学習対象と学習目標に対応する学習データを生成するための要件情報を検索し、該方法がステップＳ２０５へ進む。ステップＳ２０５において、学習サービス提供システム２００は、該要件情報を学習依頼システム１００に送信する。本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システム２００で実現される学習データを生成するための処理方法が終了する。
　図２０に示すステップＳ２０４において、学習サービス提供システム２００は依頼情報に基づいて、学習データベース装置２３０にて対応する学習データを生成するための要件情報を検索するが、本発明はこれに限定されない。例えば、学習サービス提供システム２００は、要件情報を生成するためのプログラムを予め記憶してもよく、依頼情報を受信した後、該プログラムを用いて対応する要件情報を生成することができる。
　それぞれの依頼情報に対応する要件情報のデータベースを予め用意したり、依頼情報に基づいて要件情報を生成するプログラムを予め用意したりすることで、要件情報生成を自動化することができ、利用者が学習データの生成について詳細な操作を把握する必要がなくなり、利用者の負担が軽減される。
　オプションとして、学習サービス提供システム２００が学習データを生成するための要件情報を特定した後、要件情報データベース２３４を用いて学習対象の情報や学習目標の情報と要件情報との対応関係を記憶してもよい。該対応関係をデータベースに記憶することで、次回要件情報を検索又は生成する場合、演算操作を簡素化することができる。
　該対応関係を利用者の後の類似した依頼に適用することができ、その結果、ＣＰＵの演算負荷を軽減し、演算時間を節約することができる。
　さらに、上記学習データを生成するための処理方法において、要件情報を用いることで、学習データの生成を自動化／半自動化することができ、これにより、学習データ不足によるＡＩの学習が終わらず、ＣＰＵが無駄に動き続けることを回避することができるため、ＣＰＵ負荷を軽減し、システムリソースを節約することができる。そして、学習不足による学習の追加を回避することができるため、クライアントと例えばサーバとの間の通信負荷および、例えばサーバの処理負荷を低減させ、サーバリソース及び処理時間を節約することができる。
　オプションとして、学習対象や学習目標以外にも、学習サービス提供システム２００は、より多くの選択できるアイテムを利用者に提供してもよい。例えば、一例として、学習サービス提供システム２００は、決め打ちで所定の学習を行うために必要な学習データを作る１つ又は複数のプログラム／方法／データベースを用意することができる。利用者が必要なプログラム／方法／データベースを選ぶか、上述したように、利用者の選択した学習対象や学習目標などの情報に基づいて、必要なプログラム／方法／データベースが自動的に決められるようにすることができる。必要な学習データを作るプログラム／方法／データベースが決められると、必要な学習データに関する情報も決められる。
　前文で述べた学習目標とは、利用者が学習依頼システム１００に獲得させるのを期待する学習対象に対する処理／分析能力である。利用者が獲得したい学習対象に対する処理能力の例として、例えば、以下の能力を獲得することができる。
　●　分類する能力。深層学習（他のＡＩ技術を用いてもよい）によって、入力データや入力信号に基づいて、分析対象を分類する能力を獲得することができる。分類能力は、例えば、良品と不良品の判定、等級の判定、分析対象のグループ分け、分析対象がいずれの状態にあるかの判定、同じ特徴を持つ対象の検出、分析対象の階層的な分類などに活用できる
　●　予測する能力。予測する能力は、例えば、故障予知、信号の予測、対象の状態の予測、株価や為替、債権価格の予測などに活用できる。
　●　意思決定する能力。意思決定する能力は、例えば、囲碁、将棋などのゲームの意思決定、組織の意思決定、取引の意思決定などに活用できる。
　●　対象を操作する能力。対象を操作する能力は、例えば、アクションゲームをプレイすること、プラントを制御すること、生産ラインを制御すること、ロボットを制御することなどに活用できる。
　なお、上述の例は、例示的なものに過ぎず、本発明で説明する利用者が獲得したい学習対象に対する処理能力を何ら限定もしていない。
　獲得したい能力（学習目標）によって、異なる学習データを用いた学習を行って、異なる学習結果（能力）を獲得する必要がある。図２０に示す学習データを生成するための処理方法において、依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、学習データ生成システム１２０に該要件情報が提供されることで、学習データを生成し、これにより、期待する能力を獲得することができる。
　一例として、例えば、所定の種類の能力を獲得したい場合、依頼情報にて指定された能力の種類や能力のレベルに基づいて、要件情報に含まれる学習データの種類又は数などに関する情報を特定することにより、対応する要件情報に基づいて学習データを生成することができる。
　同じ種類の能力を獲得する場合でも、期待する能力のレベルに応じて、必要な学習データの種類や数などが変わってくる。学習データの種類や数に関する情報を要件情報に含めることで、利用者は、所望の学習目標を達成するには、どのようなデータをどの程度準備すればよいかを把握する必要がなくなるため、利用者の操作を簡素化することができる。
　他の一例として、例えば、異なる学習対象について能力を獲得する場合、依頼情報にて指定された学習対象に基づいて、要件情報に含まれる該学習対象に対応する要件を特定し、例えば、学習対象の種類、学習対象の状態、学習対象の状態制御情報および学習対象の状態制御プログラム情報のうち少なくとも一方を特定することにより、対応する要件情報に基づいて学習データを生成することができる。
　学習対象が変われば、異なる学習対象に関する学習データを取得する必要がある。学習対象に関する情報を要件情報に含めることで、利用者は、学習対象に関する様々な情報を把握する必要がなく、学習対象を簡単に特定するだけで、所望の学習データを取得することができ、このため、利用者の操作を簡素化することができる。
　更なる一例として、例えば、複数の状態を持つ学習対象について能力を獲得する場合、依頼情報にて指定された学習対象に基づいて、要件情報に含まれる該学習対象のそれぞれの状態に対応する要件を特定するか、該学習対象の状態変換に対応する要件を特定することができる。例えば、学習対象の状態情報、学習対象の状態変換情報（例えば、学習対象の状態制御情報、学習対象の状態制御プログラム情報）などのうち少なくとも一方を特定することにより、対応する要件情報に基づいて学習データを生成する。
　学習対象が複数の状態を持つ場合、個々の状態ごとに学習対象の学習データを取得する必要がある。学習対象の状態／状態変換に関する情報を要件情報に含めることで、利用者は、学習対象の様々な情報を把握する必要がなく、所望の学習データを取得することができるため、利用者の操作を簡素化することができる。
　以下、図２１を結合して、本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための要件情報の論理的な構成を説明する。図２１は、本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための要件情報の論理的な構成を示す図である。図２１に示すように、前文で述べた学習データを生成するための要件情報は、識別情報Ｃｔ、バージョン情報Ｃｖ、および要件Ｃ１~要件Ｃｎを含むことができ、ｎは自然数である。識別情報Ｃｔは、要件情報を識別するための情報である。バージョン情報Ｃｖは、要件情報のバージョンを記録するための情報である。また、要件情報にログ情報など、他の情報が含まれてもよい。要件Ｃ１から要件Ｃｎまでのいずれかの要件Ｃｍ（１≦ｍ≦ｎ）は、識別情報Ｃｍｔ、バージョン情報Ｃｍｖ、および要件Ｃｍ１~要件Ｃｍｋを含むことができ、ｋが自然数である。つまり、要件情報は、階層的な入れ子の論理的な構成とすることができる。オプションとして、要件Ｃｍ１から要件Ｃｍｋまでのいずれかの要件Ｃｍｊ（１≦ｊ≦ｋ）に、１つ又は複数の下位階層の要件をさらに入れてもよい。このような階層的な入れ子の論理的な構成とすることで、複雑な要件情報の構成に対応することができる。オプションとして、要件情報におけるいずれかの要件（例えば、Ｃｍ２）は、テキスト、データ、識別子、プログラム又はそれらの組合せであってもよい。
　以下、要件情報に含まれる要件Ｃ１~要件Ｃｎの内容について、例を挙げて説明する。
　●　要件Ｃ１：入力データの情報
　　　◆　要件Ｃ１１：入力データの種類（例えば、センサから得たデータ、カメラの制御パラメータなど）
　　　◆　要件Ｃ１２：入力データの取得方法（例えば、入力データの取得プログラム、例えば、データベースでの検索、手作業入力など）
　入力データは、学習データを生成するために、学習データ生成システム１２０に入力するデータを指し示す。例として、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を判定する場合、カメラに関する制御パラメータや、構成パラメータ、制御プログラムなどを、学習データを生成するための要件情報に含めることで、データ入力を自動化することができる。
　●　要件Ｃ２：出力データの情報
　　　◆　要件Ｃ２１：出力データの種類（例えば、カメラに対する制御命令、操作命令、通知情報など）
　出力データは、学習データを生成するために、学習データ生成システム１２０から出力するデータを指し示す。例として、食品加工工場の生産ラインで菓子の良品／不良品を判定する場合、対象操作装置４１０を制御するための制御命令、操作命令、通知情報などを出力することで、対象操作装置４１０は、カメラを操作して撮影することができ、撮影された学習に用いる画像を学習データとして入力することができる。
　●　要件Ｃ３：対象操作装置の情報
　　　◆　要件Ｃ３１：対象操作装置の種類
　　　◆　要件Ｃ３２：対象操作装置のハードウェア構成
　　　◆　要件Ｃ３３：対象操作装置の制御データ
　　　◆　要件Ｃ３４：対象操作装置の制御方法（例えば、制御プログラム、制御プログラム情報など）
　要件情報に対象操作装置４１０の情報が含まれる場合、学習データ生成システム１２０は、対象操作装置４１０の種類や制御方法などに関する情報に応じて、対象操作装置４１０の制御を行うことができる。例えば、ロボットの制御データや制御プログラムを要件情報に含めることで、ロボットを用いて対象を操作し、学習対象の状態を変化させることができる。
　操作対象に関する様々な情報を要件情報に含めることで、操作対象を自動的に制御することができ、手作業で操作する必要がなくなり、誤りの発生を回避し、操作効率を向上させることができる。
　●　要件Ｃ４：対象制御装置の情報
　　　◆　要件Ｃ４１：対象制御装置の種類
　　　◆　要件Ｃ４２：対象制御装置の制御方法（例えば、制御プログラム、制御プログラム情報など）
　対象制御装置４１０３を制御するための制御データや制御プログラムなどを要件情報に含めることで、学習データ生成システム１２０は、対象制御装置４１０３を用いて学習対象の状態を自動的に変化させて、学習データを取得することが可能になる。
　●　要件Ｃ５：学習データの情報
　　　◆　要件Ｃ５１：学習データの内訳（例えば、種類、数など）
　　　◆　要件Ｃ５２：教師データの情報
　　　◆　要件Ｃ５３：学習データの取得方法（例えば、学習データの取得プログラム）
　　　◆　要件Ｃ５４：学習データの前処理方法（例えば、学習データの前処理プログラム）
　　　◆　要件Ｃ５５：学習データの対象範囲
　　　　　●　要件Ｃ５５１：学習対象情報
　　　　　　　■　要件Ｃ５５１：母集団情報
　　　　　　　■　要件Ｃ５５１：対象の範囲情報
　　　　　●　要件Ｃ５５２：学習対象集合情報
　　　　　●　要件Ｃ５５３：取得時期
　　　　　●　要件Ｃ５５４：学習時のデータ取得方法
　　　　　●　要件Ｃ５５５：学習データとテストデータの内訳
　　　◆　要件Ｃ５６：学習データのフォーマット情報（例えば、出力フォーマット情報、学習データのフォーマットを変換するためのプログラムの情報など）
　　　◆　要件Ｃ５７：学習データの識別情報
　学習データの様々な情報を要件情報に含めることで、利用者が所望の学習データを自動的に取得することができ、学習データ生成を自動化することができる。
　学習データを生成するために、学習データの種類や、数、取得方法などを予め決定する必要がある。学習データの情報に関する要件Ｃ５を要件情報に含めることで、学習データ生成システム１２０は、所定の学習データを生成することができる。前文で挙げたように、学習データの情報を階層的にグループ化して決定するようにすることができる。
　また、学習データのフォーマット情報に関する要件Ｃ５６を要件情報に含めることで、学習データ生成システム１２０が学習データを自動的に読み込むようにすることができる。例として、学習データのフォーマットは、例えばＪＳＯＮやＸＭＬで要件ごとに階層的なデータ構造で記述するようにすることができる。オプションとして、学習データのフォーマットを変換するためのプログラムの情報を要件情報に含めてもよく、これにより、学習装置２２０に学習データを提供するとき、対応するプログラムを用いて学習データを自動的に学習装置２２０が読み込めるデータ形式に変換することができる。このため、利用者の操作を簡素化し、処理時間を節約することができるとともに、利用者の設定が容易になり、ヒューマンエラーを回避することができる。
　さらに、学習データの識別情報に関する要件Ｃ５７を要件情報に含めることで、学習データに識別情報を付与することができ、上記の要件Ｃ５で挙げたような学習データの詳細を管理する必要がなくなるため、要件情報の論理的な構成を簡略化することができる。
　●　要件Ｃ６：学習時期の情報
　　　◆　要件Ｃ６１：学習開始タイミング
　　　◆　要件Ｃ６２：学習終了タイミング
　●　要件Ｃ７：学習目標の情報
　　　◆　要件Ｃ７１：学習対象の情報
　　　　　●　要件Ｃ７１１：学習対象の種類（例えば、画像、文章、音声など）
　　　　　●　要件Ｃ７１２：学習対象の状態
　　　　　●　要件Ｃ７１３：学習対象の状態変換（例えば、学習対象の状態制御情報、学習対象の状態制御プログラム情報など）
　　　◆　要件Ｃ７２：獲得する能力の情報
　　　　　●　要件Ｃ７２１：獲得する能力の種類（例えば、分類する能力、予測する能力、制御する能力などがあり、それぞれの種類の能力は、内部で所定の分類が行われてもよく、例えば、分類する能力は、教師ありと教師なしを含むことができる）
　　　◆　要件Ｃ７３：学習度合いの評価
　　　　　●　要件Ｃ７３１：評価関数の内容
　　　◆　要件Ｃ７４：到達レベル
　　　　　●　要件Ｃ７４１：目標とする到達レベル
　　　◆　要件Ｃ７５：再学習
　　　　　●　要件Ｃ７５１：以前の学習を特定するＩＤ
　　　　　●　要件Ｃ７５２：目標の変更内容
　異なる学習に対して、異なる学習目標を有することができる。要件情報に異なる学習目標の要件Ｃ７が設定されることで、該学習目標の要件Ｃ７に対応する学習データを取得することができる。また、学習目標の要件Ｃ７に要件Ｃ７３、要件Ｃ７４、要件Ｃ７５が設定されることで、所望の品質の学習データを得ることができる。
　学習対象に関する様々な情報を要件情報に含めることで、学習対象について自動的に操作／分析／データ取得を行うことができ、学習データ生成を自動化することができる。
　●　要件Ｃ８：学習装置の情報
　　　◆　要件Ｃ８１：学習装置のメーカ
　　　　　●　要件Ｃ８１１：機種（例えば、様々な派生機種であってもよい）
　　　　　●　要件Ｃ８１２：学習サービスを提供するクラウドサービス
　　　◆　要件Ｃ８２：学習装置の仕様
　　　　　●　要件Ｃ８２１：運算能力
　　　　　●　要件Ｃ８２２：並列度
　　　◆　要件Ｃ８３：学習装置の設定
　　　　　●　要件Ｃ８３１：繰返し回数
　　　　　●　要件Ｃ８３２：打ち切り時間
　　　　　●　要件Ｃ８３３：利用可能な消費電力の設定
　異なる学習装置を用いて、同様な又は相違する能力を獲得することができる。要件情報に学習装置の情報Ｃ８が設定されることで、学習データ生成システム１２０は、学習装置２２０が学習を行うための学習データを対応して生成することができる。
　●　要件Ｃ９：学習方法の情報
　　　◆　要件Ｃ９１：学習プログラム
　　　　　●　要件Ｃ９１１：種類／バージョン情報
　　　◆　要件Ｃ９２：プログラミング言語の情報（例えば、使用するプログラミング言語は、後の改変などのために、把握できる必要がある。）
　　　◆　要件Ｃ９３：フレームワーク（ｆｒａｍｅｗｏｒｋ）の情報（例えば、一部の会社から深層学習を行うための多様なフレームワークが公開されている。）
　　　◆　要件Ｃ９４：ニューラルネットワークの情報（例えば、分類に関する学習を行うことで、分類する能力を獲得したニューラルネットワークを得ることができる。学習プログラムを用いて学習を開始する前に、ハイパーパラメータを用いて、ニューラルネットワークの構成を決めることができる。ハイパーパラメータは、入力層の構成、中間層の構成、出力層の構成に関する情報を含むことができる。ハイパーパラメータは、学習対象ごとに最適なものが異なることが多く、学習の目的に応じて、学習プログラムを自動的に設定してもよいし、ハイパーパラメータのチューニングを人が行うようにしてもよい。）
　　　　　●　要件Ｃ９４１：ニューラルネットワークの学習手法（学習手法によって、それぞれ能力が獲得される。例えば、ＳＶＭ、回帰モデルなどの深層学習手法；ディープビリーフネットワーク、ディープボルツマンマシン、積層自己符号化器；オートエンコーダ、制限ボルツマンマシン（ＲＢＭ）；ドロップアウト、スパースコーティング；正則化、雑音除去自己符号化器；活性化関数の種類（シグモイド関数、ソフトサイン、ソフトプラス、Ｒｅｌｕなど）；乱数系列の種類などに関連することができる）
　　　　　●　要件Ｃ９４２：ニューラルネットワークの構成
　　　　　　　■　要件Ｃ９４２１：ハイパーパラメータ
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１１：入力層の構成
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１２：層の数
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１３：隠れ層のユニット数
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１４：各層の内容（例えば、ＣＮＮ（Ｃｏｎｖｏｌｕｔｉｏｎａｌ　Ｎｅｕｒａｌ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）；ＲＮＮ（Ｒｅｃｕｒｒｅｎｔ　Ｎｅｕｒａｌ　Ｎｅｔｗｏｒｋ）；Ｅｌｍａｎ　ｎｅｔｗｏｒｋ；Ｊｏｒｄａｎ　ｎｅｔｗｏｒｋ；ＥＳＮ（Ｅｃｈｏ　ｓｔａｔｅ　ｎｅｔｗｏｒｋ）；ＬＳＴＭ（Ｌｏｎｇ　ｓｈｏｒｔ　ｔｅｒｍ　ｍｅｍｏｒｙ　ｎｅｔｗｏｒｋ）；ＢＲＮＮ（Ｂｉ−ｄｉｒｅｃｔｉｏｎａｌ　ＲＮＮ）に関連することができる）
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１５：層間フィードバック情報
　　　　　　　　　　　●　要件Ｃ９４２１５１：フィードバック回路の構成
　　　　　　　　　◆　要件Ｃ９４２１６：出力層の構成
　　　　　　　■　要件Ｃ９４２２：演算精度（例えば、学習時の演算精度）
　　　　　　　■　要件Ｃ９４２３：学習を終了する条件
　　　　　●　要件Ｃ９４３：フレームワークによる構成の設定（上記のようなニューラルネットワークの構成は、各フレームワークが提供する設定方法にもとづいて行うことができる。上記の学習に関する情報は、各フレームワークが提供する方法を用いることができる。）
　　　◆　要件Ｃ９５：能力のテスト方法の情報（能力のテスト方法が行われることによって、学習結果はテスト要件を満たすように影響を受ける。このため、学習データはテスト要件を満たすように取得する必要がある。）
　　　◆　要件Ｃ９６：個々の学習結果の違い（深層学習には、乱数が用いられることが多いため、学習を実施するごとに、獲得した能力には毎回少しずつ差異がありえる。）
　以上、学習データを生成するための要件情報に含まれる要件を挙げてきた。以上で挙げたそれぞれの階層における要件は、より多く／より少なく設定されたり、ニーズに応じて修正されたりすることができることは、当業者が理解できるものである。異なる学習対象、学習目的、学習環境などに基づいて、要件情報は、異なる要件を含むことができる。そして、以上で列挙するための要件の番号付け（例えば、Ｃ４）は、要件情報に含まれる各要件の順序と記憶方式を限定することを意味しておらず、ニーズに応じて要件情報における各要件の順序と記憶方式を適宜設定することができる。
　オプションとして、各要件にＩＤ情報を追加することができる。これにより、学習対象の情報、学習目的の情報などに基づいて要件情報を特定する場合、必要となる要件に対応するＩＤ情報を要件情報に追加し、ＩＤ情報に基づいて要件を特定することができ、そのうえ、要件情報の構成を簡略化することができる。
　学習装置２２０の学習プログラム作成者は、自身が作成する学習方法の詳細を把握しているので、以上に示すような学習方法の情報に関する要件Ｃ９および他の要件に対応して、必要となる学習データを生成するための要件情報を出力するプログラムを作成することができる。これにより、学習プログラムとセットで、フォーマットされた学習データを生成するための要件情報又は該要件情報を出力するためのプログラムを提供することができる。上述したように、要件情報を学習データデータ装置２３０の要件情報データベース２３４で記憶し管理することができる。特定された学習データを生成するための要件情報をもとに、個々の学習ごとに学習に必要なデータを準備することができる。
　上述したように、学習サービス提供システム２００は、利用者が学習を依頼する依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を生成し、学習依頼システム１００は、手作業で対象操作装置４１０を操作したり学習に関する情報を入力したりする必要がなく、該要件情報をもとに、学習データを自動的に生成することができるため、学習データ取得の自動化を図る。
　なお、学習データを生成するための要件情報に、人的作業に関する情報が含まれてもよく、例えば、利用者が見て学習データの情報を生成できるため、学習データ生成システム１１０は、要件情報および人が入力した情報をもとに、学習データを半自動的に生成することができる。
　したがって、本発明の一実施形態による学習データを生成するための処理方法に基づき、少なくとも、利用者が学習データの作成について詳細を把握する必要がなく、利用者は学習データを作成するための特殊なスキルを必要としなく、学習データ作成作業を効率化し、学習データを作成する時間を短縮し、作業者の工数を削減し、ヒューマンエラーによる学習データの誤りを防止するという技術的効果を得ることができる。
　このため、学習データ生成システム１２０が上記要件情報に基づいて、対象操作装置４１０を自動的に又は半自動的に制御して学習データを取得することにより、作業を高度に自動化することができる。全ての作業を自動化することで、各システムのみが稼働するだけで、学習依頼システム１００は利用者が期待する新たな能力を獲得することができるようになる。
　図２０に示すような学習データを生成するための処理方法が終了した後、学習依頼システム１００は、学習サービス提供システム２００から学習データを生成するための要件情報を受信し、該要件情報に基づいて学習データを生成し、該学習データを学習サービス提供システム２００に送信する。以下、図２２を結合して、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００で実現される学習データを生成する方法について説明する。
　図２２は、本発明の例示的な一実施形態による学習依頼システム１００で実現される学習データを生成する方法を示すフローチャートである。図２２に示すように、ステップＳ１１１において、学習依頼システム１００の学習依頼装置１１０は、学習サービス提供システム２００から学習データを生成するための要件情報を受信して学習データ生成システム１２０に提供し、該方法がステップＳ１１２へ進む。ステップＳ１１２において、学習データ生成システム１２０は、要件情報に含まれる学習対象の情報が、現在、実際に生成しようとする学習データの学習対象と一致しているか否かを判定する。一致していると判定されていれば、該方法がステップＳ１１３へ進む。一致していないと判定されていれば、該方法が終了する。学習依頼システム１００は該情報を利用者に報告することができる。ステップＳ１１３において、学習データ生成システム１２０は、前文で図４を結合して説明されたように学習データ（最初の学習データ）を生成し、該方法がステップＳ１１４へ進む。ステップＳ１１４において、学習データ生成システム１２０は、終了条件を満たすか否かを判定する。終了条件を満たしていれば、該方法がステップＳ１１５へ進む。終了条件を満たしていなければ、ステップＳ１１３に戻り、学習データの生成を継続する。ステップＳ１１５において、学習データ生成システム１２０は、学習データの生成を終了し、最も近い学習データに関する合成結果を選択し、学習データとして出力し、該学習データが学習サービス提供システム２００に出力されてもよい。該フローチャートが終了する。
　学習データを生成するための要件情報が含みうる内容を前文で説明した。以下、学習依頼システム１００が該要件情報に基づいて学習データを生成する方法について、例を挙げて説明する。
　一例として、例えば、所定の種類の能力を獲得したい場合、依頼情報にて指定された能力の種類、能力のレベルに対応する要件情報に、学習データの種類又は数などに関する情報が含まれることができ、学習データの種類又は数などに関する情報を特定することで、対応する種類／対応する数の最初の学習データを生成して学習データ又はその一部とすることができる。
　同じ種類の能力を獲得する場合でも、期待する能力のレベルに応じて、必要な学習データの種類や数などが変わってくる。学習データの種類や数に関する情報を要件情報に含めることで、利用者は、所望の学習目標を達成するには、どのようなデータをどの程度準備すればよいかを把握する必要がなくなるため、利用者の操作を簡素化することができる。
　他の一例として、例えば、異なる学習対象について能力を獲得する場合、依頼情報にて指定された学習対象に対応する要件情報に、該学習対象及び／又は該学習対象についてデータ取得／操作を行う操作対象の構成情報が含まれることができ、これにより、該構成情報に応じて、学習対象及び／又は操作対象を構成し、異なる学習対象に対応する最初の学習データを生成して学習データ又はその一部とすることができる。
　学習対象が変われば、異なる学習対象に関する学習データを取得する必要がある。学習対象に関する情報を要件情報に含めることで、利用者が学習対象に関する様々な情報を把握する必要がなく、学習対象を簡単に特定するだけで、所望の学習データを取得することができ、このため、利用者の操作を簡素化することができる。
　更なる一例として、例えば、複数の状態を持つ学習対象について能力を獲得する場合、依頼情報にて指定された学習対象に対応する要件情報に、該学習対象のそれぞれの状態に関する情報、又は、該学習対象の状態変換に関する情報が含まれることができる。学習対象の状態情報、学習対象の状態変換情報（例えば、学習対象の状態制御情報、学習対象の状態制御プログラム情報）などのうち少なくとも一方に基づいて、学習対象の状態を構成することにより、個々の状態ごとの学習対象について最初の学習データを生成して学習データ又はその一部とすることができる。
　学習対象が複数の状態を持つ場合、個々の状態ごとに学習対象の学習データを取得する必要がある。学習対象の状態／状態変換に関する情報を要件情報に含めることで、利用者は、学習対象の様々な情報を把握する必要がなく、所望の学習データを取得することができるため、利用者の操作を簡素化することができる。
　以下、図２３を結合して、学習サービス提供システム２００が受信した学習データを用いて学習結果を生成する方法について説明する。図２３は、本発明の例示的な一実施形態による学習サービス提供システム２００で実現される学習結果を生成する方法を示すフローチャートである。学習サービス提供システム２００は、学習サービス提供システム１２０で生成した学習データを学習依頼システム１００から受信し、該学習データおよび依頼情報に基づく学習を行って学習結果を生成し、学習結果利用装置１３０による対象分析のために、該学習結果を学習依頼システム１００に送信する。
　具体的には、図２３に示すように、ステップＳ２１１において、学習依頼受付装置２１０は、インターネット３１０を介して学習依頼装置１１０から学習データを受信し、該方法がステップＳ２１２へ進む。ステップＳ２１２において、学習依頼受付装置２１０は、学習装置２２０へ依頼情報および学習データを通知し、該方法がステップＳ２１３へ進む。ステップＳ２１３において、学習装置２２０は、依頼情報および学習データを用いた学習を行って、学習結果を得、学習が完了するとき、該方法がステップＳ２１４へ進む。ステップＳ２１４において、学習依頼受付装置２１０は、学習結果を学習依頼システム１００に送信し、該方法がステップＳ２１５へ進む。ステップＳ２１５において、学習サービス提供システム２００は、学習サービスが完了したか否かを判定する。学習サービスが完了していなければ、該方法が図２０におけるステップＳ２０１に戻り、学習依頼システム１００から学習依頼を受信するのを待つ。学習サービスが完了していれば、該方法がステップＳ２１６へ進む。ステップＳ２１６において、学習サービス提供システム２００は、今回の学習と以前の学習との同一性を判定し、判定結果を記録し、該方法が終了する。
　ステップＳ２１６にて同一性判定を行うことで、一致する学習結果を取得するように確保し、誤りの発生を回避することができ、このため、学習結果の正確性を向上させることができる。
　学習データを用いた学習を行う作業を前記装置で行わずに、リモートサーバ又はクラウドで行うことができ、このため、ローカルデバイスの運算負荷を軽減し、演算時間を節約することができる。
　これにより、学習依頼システム１００が該学習データを学習依頼受付装置２１０から受信した後、学習結果利用装置１３０は利用者が期待する能力を獲得することができる。学習結果利用装置１３０は、該学習データを用いて対象分析を行うことができる。
　なお、上述した各方法について、説明を簡単にするために、それぞれ一連の動作の組合せとして記載しているが、しかし、本発明は説明した動作順序に制限されておらず、理由としては、一部のステップを他の順序で又は同時に行うことができることは、当業者が理解できるものである。それから、本発明で説明した実施形態はいずれも例示的なものであり、関連する動作とモジュールは本発明に必須であるとは限らないことも、当業者が理解できるものである。
　以上の実施形態で説明したとおり、上記方法を、ソフトウェアに加えた必要な汎用ハードウェアプラットフォームを介して実現することができることは、当業者にとって明らかとなり、もちろん、専用のハードウェアで実現してもよいが、多くの場合、前者が好適な実施形態となる。このように理解すれば、本発明の技術案は、本質的には、従来技術に貢献する部分、或いは、該技術案の全部または一部をソフトウェア製品の形で表現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、端末機器（例えば、パソコン、サーバまたはネットワーク機器等であってもよい）に本発明の各実施形態に記載の方法を実行させるための若干の命令を含む記憶媒体（例えば、ＲＯＭ／ＲＡＭ、磁気ディスク、光ディスク）に記憶される。
　本発明をより理解易くするために、以下、本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための処理方法を用いる適用例について説明する。
　（適用例１）
　食品加工工場の生産ラインで搬送される菓子について良品／不良品を検出する中、通常、菓子が不定形状であるため、対象の形状を正確に計測する手法では、良品／不良品を分類することができない。しかし、購入者は明らかな不良品を容易に識別でき、例えば、紙片など異物が混入していれば、容易にわかる。深層学習技術の活用によって、生産ラインにおける検査装置に人に近い判定能力を備えることができる。適用例１にて、本発明に係わる学習データを生成するための処理方法を実施することで、学習データの入力を自動化又は半自動化することができ、人的作業の複雑さを大幅に低減し、処理効率を向上させるとともに、誤りの発生を低減する。
　図２４は、本発明の例示的な一実施形態による学習データを生成するための処理方法を用いる適用例１を示す機能ブロック図である。適用例１にて、利用者が、菓子の良否判定に関する学習データを取得することを望んでいる。さらに、該学習データを用いた学習を行って学習結果を得ることで、検査装置に菓子の良否判定能力を備えることができる。
　図２４に示すように、学習依頼システム７００は、学習依頼部７１０と、学習データ生成部７２０と、学習データ取得部７３０とを備える。学習依頼部７１０は、利用者と対話し、利用者が入力した学習を依頼するための依頼情報と菓子の良否を判定する良否情報（教師データ）を受信する。学習依頼部７１０は、さらに、学習サービス提供システム８００と対話し、依頼情報を学習サービス提供システム８００へ送信するとともに、学習データを生成するための要件情報を学習サービス提供システム８００から受信する。学習データ生成部７２０は、学習依頼部７１０で受信した要件情報に基づいて、操作装置９００を、最初の学習データ（画像データ）を生成するように制御する。学習データ取得部７３０は、生成された最初の学習データを取得して、最初の学習データを、学習依頼部７１０が該最初の学習データと良否情報とを合成して学習データとして出力するために学習依頼部７１０に提供する。
　学習サービス提供システム８００は、依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するとともに、学習データを用いた学習を行って学習結果を生成することができる。操作装置９００は、撮像部１０１０と、菓子を載せる又は固定する載置部１０２０を操作して、画像データを取得する。操作装置９００は、アクチュエータやロボットハンドなどを含むことができる。
　なお、学習依頼システム７００は学習依頼システム１００として、学習依頼部７１０は学習依頼装置１１０として、学習データ生成部７２０は学習データ生成システム１２０として、学習データ取得部７３０は学習結果利用装置１３０又は学習データ取得装置１４０として、学習サービス提供システム８００は学習サービス提供システム２００として、操作装置９００は対象操作装置４１０として、それぞれ機能することができる。
　撮像部１０１０は、１つ又は複数のカメラを含むことができる。撮像部１０１０が１つのカメラの場合、菓子をさまざまな方向から複数回撮影することで、菓子の様々な向きでの画像を取得することができれば、カメラを固定しつつ載置部１０２０を移動／回転させることで、菓子の様々な向きでの画像データを取得することもできる。撮像部１０１０が複数のカメラを含む場合、カメラの向きを変えずに菓子の様々な向きでの画像を取得することができれば、載置部１０２０の移動／回転に合わせてカメラを操作することで、菓子の様々な向きでの画像を取得することもできる。
　なお、載置部１０２０がカメラに映らないように、例えば、菓子を小型のロボットハンドや、大きさや形状が可変な穴により固定する方法が考えられる。オプションとして、画像処理により、画像データにおける背景画像の影響を消去してもよい。
　図２５は、適用例１における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。図２５に示すように、ステップＳ３０１において、学習依頼部７１０は、それと接続する学習サービス提供システム８００の提供した選択画面に基づいて、選択できる学習対象と学習目標を利用者に提示し、利用者による学習対象と学習目標に関する入力を受信して依頼情報を生成する。例えば、学習対象に関する入力は、菓子の種類などを含むことができ、学習目標に関する入力は、菓子の良品と不良品の判定などを含むことができる。学習依頼部７１０は、生成した依頼情報を学習サービス提供システム８００に送信し、該方法がステップＳ３０２へ進む。
　ステップＳ３０２において、学習サービス提供システム８００は、依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定する。例えば、学習サービス提供システム８００は、学習データデータでサーチすることで依頼情報に対応する要件情報を検索することができれば、依頼情報を要件情報を生成するためのプログラムに提供することで要件情報を生成することもできる。例として、要件情報は、例えば、学習データの種類や数又はフォーマットに関する情報、操作装置９００の操作に関する情報、目標とする到達レベルに関する情報、学習方法に関する情報、学習装置に関する情報などを含むことができる。学習依頼部７１０は学習サービス提供システム８００から該要件情報を取得する。該方法がステップＳ３０３へ進む。
　ステップＳ３０３において、学習データ生成部７１０は、該要件情報に基づいて、操作装置９００を操作し、操作装置９００がカメラを操作して画像データを取得し、該方法がステップＳ３０４へ進む。ステップＳ３０４において、学習データ生成部７１０は、菓子を十分な向きで撮影したか否かを判断する。Ｙｅｓと判断されていれば、該方法がステップＳ３０５へ進む。Ｎｏと判断されていれば、該方法がステップＳ３０３に戻り、菓子を他の向きで継続して撮影し、画像データを取得する。
　ステップＳ３０５において、学習依頼部７１０は、利用者の入力した菓子の良否状態に関する良否情報を受信し、該良否情報と取得した画像情報を学習データとして合成し、該方法がステップＳ３０６へ進む。ステップＳ３０６において、学習データ生成部７２０は、学習データ取得完了条件を満たしたか否かを判定する。学習データの取得が停止していれば、該方法がステップＳ３０７へ進む。学習データ取得完了条件を満たしていなければ、該方法がステップＳ３０３に戻る。ステップＳ３０７において、学習依頼部７１０は、最後に合成した学習データを外部に出力し、例えば、学習サービス提供システム８００に出力する。該方法が終了する。
　なお、ステップＳ３０３にて画像データを取得するとき、学習データの誤りを減少するために、撮影時の背景や照明などの設定を実際の良品／不良品検査と同じになるようにすることができる。例えば、実際の生産ラインを使うことや、実際の生産ラインを模擬したものを作ることで、画像データを取得することができる。
　前文でいう良否情報とは、人が目視検査により判定した良否判定結果をいう。上記方法の場合、ステップＳ３０５にて該良否情報を入力しているが、しかし、上記方法の任意の段階で該良否情報を入力することができ、良否情報と画像データとの間の関連関係を決定できればよいことは、当業者が理解できるものである。
　オプションとして、利用者が、良品と不良品のタグをつけた複数の箱を予め用意し、該複数の箱にそれぞれ良品サンプルと不良品サンプルを入れるように用意してもよい。これにより、利用者が良否情報を入力する必要がなくなる。学習データ生成部７２０は、操作装置９００に対して、良品と不良品のタグをつけた箱におけるサンプルをそれぞれ撮影するように制御して、画像データを取得することができ、該画像データを、複数の箱のタブで表される良否情報と関連づけて学習データ取得部７３０に提供することができる。これにより、学習データの取得を自動化することができる。
　上記方法で取得する学習データの一例を表１に挙げる。この例は例示的なものに過ぎないことは、理解されるべきであり、学習データに他の情報が含まれてもよく、例えば、利用者情報などを含むことができる。

　適用例１の方法を活用して、利用者は学習データを作成するときに、カメラを手作業で操作して菓子の画像を多くの方向から撮影する必要がなくなり、カメラを手作業で３軸で姿勢を変える場合に誤操作が発生しやすいことを回避するとともに、データの取得漏れを防ぐことができる。そして、カメラの撮影を載置部１０２０の移動／回転に自動的に同期させることができ、データの取得効率を向上させる。さらに、学習データを作成する操作を自動化することができ、作業者の工数を大きく減らすことができる。
　図２６は、適用例１における学習結果を用いた良品／不良品の判定を示す図である。図２６に示すように、カメラＡ、カメラＢおよびカメラＣを用いて菓子ＯＢＪを撮影して画像データを取得する。良品／不良品判定装置１１００は、該画像データおよび学習結果をもとに、菓子ＯＢＪの良否を判定する。
　なお、良品／不良品判定装置１１００は、学習結果利用装置１３０として機能することができる。また、載置部１０２０’は載置部１０２０として機能することができる。図２６に示す例において３つのカメラを撮像に用いるが、カメラの数が１つでもよいし、２つでもよく、或いは、３つを超えてもよい。１つのカメラを用いて撮影する場合、カメラ／載置部の姿勢を変えて菓子の画像を多くの方向から撮影することができる。生産ラインで菓子を搬送する場合、菓子はどのような向きで生産ラインに配置されているか分からないことがあるため、複数のカメラで様々な方向から撮影することが好適である。オプションとして、撮影した複数の画像が、菓子の外面全体を反映するようにできれば、菓子の外面における、例えば、ヒビ、割れなどの異常箇所を見逃すことが無いようにすることができる。
　図２７は、図２６に示す良品／不良品の判定に用いる深層学習を示す図である。図２７に示すように、深層学習ネットワーク１２００は、入力層と、中間層と、出力層とを含む。カメラで撮影した画像データを入力データとして該深層学習ネットワーク１２００の入力層に入力することができる。入力データとなる画像データは、１つのカメラで撮影した画像データであってもよいし、複数のカメラで撮影したものを合成した画像データ、例えば、菓子のパノラマ画像データであってもよい。例えば、画像データが１２００＊１２００画素で、１画素あたりＲＧＢが２５６ずつある場合、入力層は１２００＊１２００＊２５６＊２５６＊２５６画素であることができる。中間層が複数層であってもよく、深層学習技術によって画像データを分析する。出力層は異常のモードの数だけある。例えば、１番上の出力層が１を出力する場合は異常Ａを示す、などのようにする。該深層学習ネットワーク１２００が良品／不良品判定装置１１００に含まれてもよい。
　図２８は、図２６に示す良品／不良品の判定方法を示すフローチャートである。ステップＳ４０１において、カメラＡを用いて載置部１０２０’上の菓子ＯＢＪを撮影し、取得した画像データを良品／不良品判定装置１１００に提供し、該方法がステップＳ４０２へ進む。ステップＳ４０２において、良品／不良品判定装置１１００は、画像データに基づいて検査して検査結果を得、該方法がステップＳ４０３へ進む。ステップＳ４０３において、異常であると検査されていれば、該方法がステップＳ４０４へ進む。ステップＳ４０４において、良品／不良品判定装置１１００は異常を利用者に報知し、該方法が終了する。異常がないと検査されていなければ、該方法がステップＳ４０５へ進む。ステップＳ４０５において、菓子を全カメラで撮影したか否かを判定する。菓子を全カメラで撮影していれば、該方法が終了する。菓子を全カメラで撮影していなければ、該方法がステップＳ４０１に戻り、次のカメラで菓子を継続して撮影する。
　該方法において、それぞれのカメラで撮影した画像について検査を行うため、１つでも異常を含む画像データを撮像した場合は、異常を報知するようになり、後のカメラによる撮影作業又は後のカメラで撮影した画像の検査作業が省け、操作処理を簡略化する。そして、菓子の一部のみに異常がある場合に、菓子の配置の方向がランダムであっても、上記方法による繰り返し検査によって検査漏れがないように菓子の異常を検出することができる。
　（適用例２）
　適用例２において、利用者は、機械（例えば、クライアント）が電子ファイルを自動的に分類する能力を獲得することを望んでいる。所定の分類規則に基づいて、各種の電子ファイルをその内容に応じて分類する能力を獲得するための学習を、サーバ側で行うことができる。以下、図２９を結合して、適用例２における学習データを生成する方法について説明する。
　図２９は、適用例２における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。なお、この適用例において、クライアントは学習依頼システム１００として機能することができ、サーバは学習サービス提供システム２００として機能することができる。
　図２９に示すように、ステップＳ５０１において、サーバに接続されるクライアントは、学習を依頼するための依頼情報を受信する。依頼情報は、例えば、分類したい電子ファイルに関する情報と、獲得したいこれらの電子ファイルを自動的に分類する能力に関する情報とを含むことができ、クライアントはこれらの情報をサーバに送信し、該方法がステップＳ５０２へ進む。
　ステップＳ５０２において、サーバは依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定する。具体的には、サンプルデータとその分類名を登録する方法を説明する情報が要件情報に含まれてもよく、サンプルデータは、例えば、教師データとテスト用データを含むことができる。該要件情報がクライアントに提供され、該方法がステップＳ５０３へ進む。ステップＳ５０３において、利用者は、要件情報に案内されて、分類済みの電子ファイルの分類情報と他の情報を含むデータであるサンプルデータを登録し、該方法がステップＳ５０４へ進む。ステップＳ５０４において、要件情報に含まれる完了情報に案内されて、利用者はサンプルデータを登録することを終了する。クライアントは、要件情報とサンプルデータに基づいて、学習データを生成し、サーバに送信して学習とテストを自動的に行わせ、該方法が終了する。
　上記方法において、学習データ作成マニュアルに、予めサンプルデータとその分類名を登録する方法を説明する情報を記録することができ、利用者は、該学習データ作成マニュアルにそって、サンプルデータの登録を行うことができる。この場合、ステップＳ５０３をステップＳ５０２の後に実行しなくてもよく、例えば、ステップＳ５０２の前に実行するか、ステップＳ５０２と同期して実行してもよい。
　該方法によれば、利用者は、どのような学習データをどの程度準備してサンプルデータの登録を行わればよいかを把握することができ、利用者の操作を簡素化し、利用者の負担を軽減することができる。
　該方法によれば、利用者は、学習データが充分であるか否かを判定する必要がないとともに、学習データが不充分な場合でも学習の追加を必要としないため、学習データ不足によるＡＩの学習が終わらず、クライアントリソース及びサーバリソースが無駄に占有されることを回避することができ、演算リソースを節約することができる。また、クライアントとサーバとの間の通信負荷を軽減することもできる。
　オプションとして、ステップＳ５０２にて、クライアントでドラッグアンドドロップなどのシンプルな操作で各分類の電子ファイルを登録するためのプログラムを、要件情報に含めてもよく、これにより、利用者は登録作業の一部を自動化でき、利用者の操作をさらに簡素化することができる。
　オプションとして、ステップＳ５０２にて、分類済みの教師データを登録したデータベースの検索情報を含むプログラムを、要件情報に含めてもよく、これにより、登録作業の大半又は全てを自動化でき、利用者の操作をさらに簡素化することができる。この場合、ステップＳ５０３を省略してもよい。
　（適用例３）
　適用例３において、利用者は、機械（例えば、生産ラインにおける検査装置）が農産物を自動的にランク分けする能力を獲得することを望んでいる。所定のランク分け規則に基づいて、各種の農産物をその具体的な状況に応じてランク付けする能力を獲得するための学習を、サーバ側で行うことができる。以下、図３０を結合して、適用例３における学習データを生成する方法について説明する。
　図３０は、適用例３における学習データを生成する方法を示すフローチャートである。図３０に示すように、ステップＳ６０１において、サーバに接続されるクライアントは、学習を依頼するための依頼情報を受信する。依頼情報は、例えば、ランク付けしたい農産物に関する情報と、獲得したいこれらの農産物を自動的にランク付けする能力に関する情報とを含むことができ、検査装置はこれらの情報をサーバに送信し、該方法がステップＳ６０２へ進む。
　ステップＳ６０２において、サーバは依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定する。例えば、要件情報は以下のものを含むことができる。
　●　データ入力装置の情報
　データ入力装置の種類（例えば、カメラ、センサ、自動計量器など）
　データ入力装置の機種（例えば、メーカ名、型式、シリアル番号など）
　データ入力装置の制御方法（例えば、制御プログラム、制御パラメータなど）
　入力データの種類（例えば、画像、重量など）
　入力データの種類（例えば、画像の解像度やデプス情報、重量の単位や精度情報など）
　●　学習対象の情報（例えば、農産物の収穫日や収穫場所、収穫作業者など）
　該要件情報が検査装置に提供され、該方法がステップＳ６０３へ進む。ステップＳ６０３において、利用者は、要件情報に案内されて、ランク付け済みの農産物のランク付け情報と他の情報を含むデータである教師データを検査装置に入力し、該方法がステップＳ６０４へ進む。ステップＳ６０４において、要件情報に含まれる完了情報に案内されて、利用者は教師データを入力することを終了する。検査装置は、要件情報と教師データに基づいて、学習データを生成し、サーバに送信して学習とテストを自動的に行わせ、該方法が終了する。
　上記方法において、学習データ作成マニュアルに、予め教師データを入力する方法を説明する情報を記録することができ、利用者は、該学習データ作成マニュアルにそって、サンプルデータの登録を行うことができる。この場合、利用者は、農産物の自動的なランク付けに関する学習方法の内容を把握してなくても、学習データを用意することができる。そして、この場合、ステップＳ６０３をステップＳ６０２の後に実行しなくてもよく、例えば、ステップＳ６０２の前に実行するか、ステップＳ６０２と同期して実行してもよい。
　また、上記学習対象の情報を、サーバの自動学習のために、学習データの付帯情報として学習データベースに記録してもよい。
　上記方法によれば、カメラと自動計量器のような制御プログラムなどの情報を、要件情報に含めることができ、教師データの入力作業を自動化することができる。
　本発明は、上述した適用例１乃至適用例３の応用分野以外にも、幅広い分野に応用することができる。例えば、深層学習技術を活用する多様な分野において、本発明は、人に匹敵する分類能力や人の識別能力を超える分類を実現するようなケースに対応できる。
　例えば、自動車の操作部品や自動車パネルを塗装する生産ラインで、塗装の塗りむらの不良を検出する場合、生産ラインにおける検査装置は分類能力が求められる。製品の塗りむらの許容範囲は車両の購入者の判断によるため、人の感性に近い分類を行う必要がある。特に塗装面に細かい凹凸がある場合や、塗料が単色ではなく部分的なグラデーションを持つ場合には、単純な方法では分類が困難である。
　本発明による学習データを生成するための処理方法を用いて、例えば、塗装装置、塗装対象、塗装環境パラメータ、検査装置、検査プログラム、作業者などに関する情報を、学習データを生成するための要件情報に含めることができ、学習データの生成作業を自動化又は半自動化することができ、これにより、人の作業の複雑さを大幅に低減し、処理効率を向上させ、誤りの発生を低減する。
　上述したように、本発明は、所望の高度の能力（分類する能力、予測する能力、意思決定する能力など）を獲得することが求められる様々な分野に応用できる。そして、本発明を応用して能力を獲得するために用いる学習技術は、深層学習技術に限らず、任意の機械学習技術を利用できる、以下は、本発明が応用できる様々な分野の例である。これらの例は例示的なものに過ぎず、本発明が応用される分野を限定していない。
　●　食品薬品、機械部品、化学製品などのさまざまな工業分野に応用することができる。
　●　漁業分野や農業分野、林業分野などで、出荷検査や等級分類に応用することができる。
　●　サービス業に応用することができる。
　●　医療や健康分野に応用することができる。
　●　組込分野の製品にＡＩ技術を適用するときに応用することができる。
　●　社会システムに応用することができる。
　●　ＩＴ技術を活用したシステムに応用することができる。
　●　ビッグデータの分析で、データの効果的な取得に応用することができる
　●　幅広い制御装置における制御能力の獲得で応用することができる
　●　その他、機械学習を必要とする任意の分野に応用することができる。
　本発明の上記実施形態で説明した技術的内容を他の方式で実現できることは、理解されるべきである。上述した各システムや各装置、各部分は、あくまでも概要的なものである。例えば、システムや装置、部分の分類は、論理的な機能によって分類したものに過ぎず、実現時に他の分類方式を用いてもよい。例えば、１つ又は複数のシステムや装置、部分を組合せたり、他のシステムや装置、部分に集積したりすることができ、或いは、いくつかの特徴を省略するか実行しなくてもよい。また、本発明の図面で示すシステムや装置、部分の間での接続は、間接接続又は直接接続によって実現されることができ、電気に又は他の形で実現されることができる。
　上記実施形態にて分離した部材として説明したシステムや装置、部分は、物理的に分離したものであってもよいし、物理的に分離したものでなくてもよく、システムや装置、部分として説明した部材は、物理的ユニットであってもよいし、物理的ユニットでなくてもよく、つまり、同一場所に配置されてもよいし、複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際のニーズに応じて、その一部または全てのユニットにより本実施形態の目的を達成することができる。
　また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、１つの処理ユニットに集積されてもよいし、それぞれの機能ユニットごとに物理的に存在してもよく、或いは、複数の機能ユニットが１つの処理ユニットに集積されてもよい。上記処理ユニットは、ハードウェアの形で実現されてもよいし、ソフトウェアユニットの形で実現されてもよい。
　上記処理ユニットは、ソフトウェアユニットの形で実現されながら独立した製品として販売または使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。このように理解すれば、本発明の技術案は、本質的には、従来技術に貢献する部分、或いは、該技術案の全部または一部をソフトウェア製品の形で表現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ機器（パソコン、サーバまたはネットワーク機器等であってもよい）に本発明の各実施形態に記載の方法の全てまたは一部を実行させるための若干の命令を含む記憶媒体に記憶される。上記記憶媒体は、Ｕディスク、リードオンリーメモリ（ＲＯＭ、Ｒｅａｄ−Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ、Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）、ポータブルハードディスク、磁気ディスクまたは光ディスク等、様々なプログラムのコードを記憶可能な媒体を含む。
　以上、本発明の好適な実施形態のみについて説明したが、当業者であれば、本発明の原則から逸脱しない前提において若干の手直しや増減が可能であることは指摘されるべきである。これら手直しや増減も、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
　尚、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
（１）
　少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、
　少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、
　を含むことを特徴とする学習データを生成するための処理方法。
（２）
　少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、学習を依頼するための依頼情報を受信するステップと、
　前記少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、前記依頼情報を、前記学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信するステップと、
　前記少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、前記装置から前記要件情報を受信するステップと、
　前記少なくとも１つのハードウェアプロセッサにより、前記要件情報に基づいて、前記学習データを生成するステップと、
　を含むことを特徴とする学習データを生成するための方法。
（３）
　少なくとも１つのハードウェアプロセッサを備えた、学習データを生成するための処理システムであって、
　前記ハードウェアプロセッサは、
　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、
　前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信する
　ことを特徴とする処理システム。
（４）
　少なくとも１つのハードウェアプロセッサを備えた、学習データを生成するためのシステムであって、
　前記少なくとも１つのハードウェアプロセッサは、
　学習を依頼するための依頼情報を受信し、
　前記依頼情報を、前記学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信し、
　前記装置から前記要件情報を受信し、
　前記要件情報に基づいて、前記学習データを生成する
　ことを特徴とするシステム。

１００、７００　　学習依頼システム
１１０　学習依頼装置
１１１　　学習依頼制御部
１１２　　利用者対話部
１１３　　依頼情報記憶部
１１４、１２１５、１３８、１４５、２１４、２２５、４１４、６６０　　通信部
１２０　　学習データ生成システム
１２１　　学習データ生成管理装置
１２１１　　学習データ生成管理部
１２１２　　学習データ取得装置設定部
１２１３　　対象操作装置設定部
１２１４　　学習データ取得要件情報記憶部
１２２　　学習データ記憶部
１２３　　対象情報入力部
１２４　　対象操作部
１２５　　入出力部
１３０、１３０’　学習結果利用装置
１３１　　制御部
１３２　　ニューラルネットワーク設定部
１３３　　ニューラルネットワーク
１３４　　学習結果入力部
１３５　　学習データ入力部
１３６　　学習データ取得部
１３７　　出力部
１４０、１４０’　　学習データ取得装置
１４１　　学習データ取得制御部
１４２　　操作部
１４３　　学習データ取得部
１４４　　学習データ記憶部
２００、２００’、２００”、８００　　学習サービス提供システム
２１０　　学習依頼受付装置
２１１　　学▲シー▼委托受理部
２１２　　学▲シー▼数据存▲チュ▼部
２１３　　委托信息存▲チュ▼部
２２０　　学習装置
２２１　　学習制御部
２２２　　学習結果抽出部
２２３　　ニューラルネットワーク
２２４　　学習結果出力部
２３０　　学習データベース装置
２３１　　学習データデータベース
２３２　　依頼情報データベース
２３３　　学習結果利用履歴データベース
２３４　　要件情報データベース
２３５　　学習プログラムデータベース
３１０　　インターネット
３２０　　ローカルエリアネットワーク
３３０　　無線ローカルエリアネットワーク
４１０、４１０’、４１０”　　対象操作装置
４１１　　対象操作制御部
４１２　　対象操作動作決定部
４１３　　アクチュエータ
６００、１１０１、１３０１、１３０１’、１４０１、１４０１’、２００１、４１０１　　ＰＣ
６１０　　ＣＰＵ
６２０　　リードオンリーメモリ
６３０　　ランダムアクセスメモリ
６４０　　記憶部
６５０　　入出力部
１１０２、１３０２　　利用者入力部
１１０４、１３０４　　モニタ
１１０５、１３０５　　キーボード
１１０６、１３０６　　マウス
１３０３、１３０３’、１４０３、１４０３’　　学習データ入力部
２００２　　サーバラック
２００３　　ブレードサーバ
４１０２　　アクチュエータ
４１０３　　対象制御装置
４１０５　　ロボット
７１０　　学習依頼部
７２０　　学習データ生成部
７３０　　学習データ取得部
９００　　操作装置
１０１０　　撮像部
１０２０　　載置部

Claims

　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、
　前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、
　を含むことを特徴とする学習データを生成するための処理方法。
　前記依頼情報は、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含む
　請求項１に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に含まれる前記学習目標の情報を取得するステップと、
　前記学習目標の情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定するステップと、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に含まれる前記学習対象の情報を取得するステップと、
　前記学習対象の情報に対応する要件情報を特定するステップと、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報を取得するステップと、
　前記学習対象の状態ごとに対応する要件情報を特定するか、前記学習対象の状態変換に対応する要件情報を特定するステップと、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習データに関して、前記学習データのフォーマット情報、前記学習データの内訳情報、前記学習データの範囲情報、前記学習データの前処理方法情報、前記学習データの取得手段情報、及び前記学習データの識別情報のうち少なくとも一方を含むデータ情報を特定するステップ、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象に関して、前記学習対象の種類、前記学習対象の状態、前記学習対象の状態制御情報、及び前記学習対象の状態制御プログラムのうち少なくとも一方を含む対象情報を特定するステップ、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象に関して、前記操作対象の種類、前記操作対象のハードウェア構成、前記操作対象の制御データ、及び前記操作対象の制御プログラムのうち少なくとも一方を含む設定情報を特定するステップ、を含む
　請求項２に記載の処理方法。
　前記学習データを生成するための前記要件情報を特定するステップは、
　前記依頼情報に基づいて、データベースから前記要件情報を取得するステップ、或いは、
　前記依頼情報に基づいて、前記要件情報を生成するステップ、を含む
　請求項１に記載の処理方法。
　前記要件情報を特定した後、前記依頼情報における少なくとも一部の情報と前記要件情報との対応関係を記憶するステップ、をさらに含む
　請求項１乃至９のうち何れか一項に記載の処理方法。
　前記装置から、前記要件情報に基づく学習を行って得られた前記学習データを取得するステップ、をさらに含む
　請求項１乃至９のうち何れか一項に記載の処理方法。
　前記依頼情報と前記学習データを用いた学習が行われた学習結果を得るステップと、
　前記学習結果を、前記学習結果による対象分析を行う装置に送信するステップと、をさらに含む
　請求項１乃至１１に記載の処理方法。
　学習を依頼するための依頼情報を受信するステップと、
　前記依頼情報を、学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信するステップと、
　前記装置から前記要件情報を受信するステップと、
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップと、
　を含むことを特徴とする学習データを生成する方法。
　前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含む
　請求項１３に記載の方法。
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、
　前記学習目標の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定するステップと、
　前記種類及び／又は前記数のデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含む
　請求項１４に記載の方法。
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、
　前記学習対象の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象及び／又は前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象を構成するステップと、
　前記構成に基づいてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含む
　請求項１４に記載の方法。
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、
　前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象の状態を設定するステップと、
　それぞれの状態ごとの前記学習対象についてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とするステップと、を含む
　請求項１４に記載の方法。
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成するステップは、
　生成した前記データを、前記処理能力を反映する教師データと関連づけて記憶するステップ、をさらに含む
　請求項１４乃至１７のうち何れか一項に記載の方法。
　前記学習データに基づく学習を行って得られた学習結果を受信するステップと、
　前記学習結果を利用して対象分析を行うステップと、をさらに含む
　請求項１３乃至１７のうち何れか一項に記載の方法。
　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定する要件情報特定部と、
　前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信する学習データ送信部と、
　を備えることを特徴とする学習データを生成するための処理システム。
　前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含む
　請求項２０に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に含まれる前記学習目標の情報を取得し、
　前記学習目標の情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に含まれる前記学習対象の情報を取得し、
　前記学習対象の情報に対応する要件情報を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報を取得し、
　前記学習対象の状態ごとに対応する要件情報を特定するか、前記学習対象の状態変換に対応する要件情報を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習データに関して、前記学習データのフォーマット情報、前記学習データの内訳情報、前記学習データの範囲情報、前記学習データの前処理方法情報、前記学習データの取得手段情報、及び前記学習データの識別情報のうち少なくとも一方を含むデータ情報を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象に関して、前記学習対象の種類、前記学習対象の状態、前記学習対象の状態制御情報、及び前記学習対象の状態制御プログラムのうち少なくとも一方を含む対象情報を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に基づいて、前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象に関して、前記操作対象の種類、前記操作対象のハードウェア構成、前記操作対象の制御データ、及び前記操作対象の制御プログラムのうち少なくとも一方を含む設定情報を特定する
　請求項２１に記載のシステム。
　前記要件情報特定部は、
　前記依頼情報に基づいて、データベースから前記要件情報を取得し、或いは、
　前記依頼情報に基づいて、前記要件情報を生成する
　請求項２０に記載のシステム。
　前記要件情報を特定した後、前記依頼情報における少なくとも一部の情報と前記要件情報との対応関係を記憶する記憶部、をさらに備える
　請求項２０乃至２８のうち何れか一項に記載のシステム。
　前記装置から、前記要件情報に基づく学習を行って得られた前記学習データを取得する学習データ取得部、をさらに備える
　請求項２０乃至２８のうち何れか一項に記載のシステム。
　前記依頼情報と前記学習データを用いた学習を行うことで、学習結果を取得する学習部と、
　前記学習結果を、前記学習結果による対象分析を行う装置に送信する学習結果送信部と、をさらに備える
　請求項２０乃至３０のうち何れか一項に記載のシステム。
　学習を依頼するための依頼情報を受信する依頼情報受信部と、
　前記依頼情報を、学習データを生成するための要件情報を提供する装置に送信する依頼情報送信部と、
　前記装置から前記要件情報を受信する要件情報受信部と、
　前記要件情報に基づいて前記学習データを生成する学習データ生成部と、
　を備えることを特徴とする学習データを生成するシステム。
　前記依頼情報が、前記学習データに基づく学習が行われる対象である学習対象の情報と、獲得が必要となる前記学習対象に対する処理能力を示す学習目標の情報と、を含む
　請求項３２に記載のシステム。
　前記学習データ生成部は、
　前記学習目標の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習データの種類と数のうち少なくとも一方を特定し、
　前記種類及び／又は前記数のデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とする
　請求項３３に記載のシステム。
　前記学習データ生成部は、
　前記学習対象の情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象及び／又は前記前記学習対象についてデータ取得及び／又は操作を行う操作対象を構成し、
　前記構成に基づいてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とする
　請求項３３に記載のシステム。
　前記学習データ生成部は、
　前記学習対象の少なくとも１つの状態に関する情報に対応する前記要件情報に基づいて、前記学習対象の状態を設定し、
　それぞれの状態ごとの前記学習対象についてデータを生成して前記学習データの少なくとも一部とする
　請求項３３に記載のシステム。
　生成した前記データを、前記処理能力を反映する教師データと関連づけて記憶する学習データ記憶部、をさらに備える
　請求項３３乃至３６のうち何れか一項に記載のシステム。
　前記学習データに基づく学習を行って得られた学習結果を受信する学習結果受信部と、
　前記学習結果を利用して対象分析を行う学習結果利用部と、をさらに備える
　請求項３２乃至３６のうち何れか一項に記載のシステム。
　プログラムを記憶する記憶装置と、プロセッサと、を備え、
　前記プロセッサは、前記プログラムに基づいて、
　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定し、前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信する、操作を実行する
　ことを特徴とするサーバ。
　プロセッサに、
　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、
　前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、
　を実行させることを特徴とするプログラム。
　学習を依頼するための依頼情報に基づいて、学習データを生成するための要件情報を特定するステップと、
　前記要件情報を、前記学習データを生成する装置に送信するステップと、
　を実現するためのプログラムを記憶することを特徴とする記憶媒体。