WO2018127989A1 - 環境電位を指標にした環境の恒常性測定装置、環境の恒常性評価方法および環境電位を利用した自動給餌システム - Google Patents
環境電位を指標にした環境の恒常性測定装置、環境の恒常性評価方法および環境電位を利用した自動給餌システム Download PDFInfo
- Publication number
- WO2018127989A1 WO2018127989A1 PCT/JP2017/028271 JP2017028271W WO2018127989A1 WO 2018127989 A1 WO2018127989 A1 WO 2018127989A1 JP 2017028271 W JP2017028271 W JP 2017028271W WO 2018127989 A1 WO2018127989 A1 WO 2018127989A1
- Authority
- WO
- WIPO (PCT)
- Prior art keywords
- homeostasis
- potential
- feeding
- electrode
- sediment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01K—ANIMAL HUSBANDRY; AVICULTURE; APICULTURE; PISCICULTURE; FISHING; REARING OR BREEDING ANIMALS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; NEW BREEDS OF ANIMALS
- A01K61/00—Culture of aquatic animals
- A01K61/80—Feeding devices
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/416—Systems
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Definitions
- environmental homeostasis can be measured continuously and stably.
- FTO electrodes or ITO electrodes are used as electrodes, they are not easily affected by poisoning or oxygen concentration, and are suitable for long-term continuous measurement.
- the environmental homeostasis measuring device of the present invention can be used for examining a region having high microorganism activity in the sediment and determining a suitable place for aquaculture.
- the amount and timing of feeding can be automatically adjusted based on the environmental potential so that the constancy of the environment is maintained.
- One aspect of the method for evaluating homeostasis of the water environment region of the present invention is: Installing the FTO electrode or ITO electrode of the homeostasis measuring device in the bottom sediment of a real or artificial water environment area; Measuring the potential of the bottom sediment by the homeostasis measuring device, and supplying a material having a homeostasis improving action in the water environment when the measured potential does not satisfy a predetermined condition; including.
- the feeding system of the present invention includes an electrometer equipped with an FTO electrode or an ITO electrode installed in the sediment, a feeding device that supplies food into water, feeding timing based on the value of the potential measured by the electrometer, and And / or a control unit that controls the feeding device so that the amount of feeding is adjusted.
Landscapes
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Environmental Sciences (AREA)
- Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Zoology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Marine Sciences & Fisheries (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Animal Husbandry (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Immunology (AREA)
- Pathology (AREA)
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Abstract
本発明は、水中や土壌等の環境中の恒常性能を連続的にモニターできる技術を提供すること、および環境中の恒常性能の測定結果に基づいて環境中に生育する魚等の動物への摂餌量を予測・定量化するための技術を提供することを課題とし、解決手段として、FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む環境の恒常性測定装置、ならびに、底質に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、水中に餌を供給する給餌装置と、電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部とを備えた給餌システムを提供する。
Description
本発明は底質等に生息する生物によってもたらされる環境電位を測定し、水中(底質、底泥等も含む)や土壌の環境変化を測定し、環境の恒常性を保つことを目的とする技術に関する。本発明はまた水中の環境変化を測定し、環境の恒常性を保ちつつ水中に生育する魚等に給餌する自動給餌システムに関する。
生態系は元来、恒常性ホメオスタシス(バランスを保つ能力)を有しており、多様な生物が相互作用することによって健全な環境を維持している。しかし、人間活動による生態系破壊は現在深刻な状況にあり、今後も健全な生態系を維持するためには積極的な環境の修復ならびにモニタリングは喫緊の課題である。特に水深10m~80m程度の沿岸域に広がる生態系は、日本の豊かな水産業を育む場として重要な役割を担う。しかし、生態系が本来有する恒常性能を超える養殖魚への飼料投与は、生態系に非可逆的なダメージを与え、富栄養化、貧酸素状態を作り出し、赤潮等で水産業に多大な損害をもたらす。よって、沿岸域の生態系の恒常性能を可視化し、投与可能な飼料の量を予測・定量化するための技術の開発は、自然と調和した水産技術を確立する上で、今後必須となる。
しかし、これまでの養殖場の環境モニタリング技術は継続的なサンプリングと生物学的・化学的な多種パラメータの測定を要する点で、煩雑なものであった。また、近年注目を集めているメタゲノム/メタボローム技術を基盤とした環境診断技術も、データの取得ならびに解析は断続的であり、現場での時系列データの取得は困難となっている。
非特許文献1には海底から得られた試料に電極を挿入し、電位を負荷して海底に存在する微生物によって生じる電流を測定したことが記載されている。しかし、これは海底に存在する電流を引き起こす特殊な微生物を解析するためであって、海底に存在する一般的な微生物や小動物の活動によって生じる環境電位を測定しているわけではない。
また、特許文献1には、湿潤土壌の酸化還元電位を自動的に測定する測定装置が開示されている。しかし、電極には白金電極を使用しており、これは連続測定に耐えうるものではなく、また、酸素濃度によっても影響を受けるため、正確な測定が難しかった。
また、特許文献1には、湿潤土壌の酸化還元電位を自動的に測定する測定装置が開示されている。しかし、電極には白金電極を使用しており、これは連続測定に耐えうるものではなく、また、酸素濃度によっても影響を受けるため、正確な測定が難しかった。
Frontiers in Microbiology, January 2015, Vol. 5, Article 784
本発明は、水中や土壌等の環境中の恒常性能を連続的にモニターできる技術を提供すること、および環境中の恒常性能の測定結果に基づいて環境中に生育する魚等の動物への摂餌量を予測・定量化するための技術を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、本発明者らはFTOまたはITO電極を備えた電位計を用いて環境電位を測定することにより、環境中の状態を客観的に知ることができ、多様な環境要因を単一パラメータにより包括的に表現することができることを見出した。さらに、環境電位を測定することにより、人間と養殖魚、そして底生生物とそれを取り巻く微生物によって作り出されるエネルギーフローを電位の経時変化として計測し、底質生態系が許容できる飼料(餌)の投与量を予測し、評価することが可能となること、さらには、底質に炭素棒を一部埋設することにより底質の恒常性が改善することも見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む、環境の恒常性測定装置。
[2]環境が底質を有する水環境であり、FTO電極またはITO電極が底質に設置される、前記環境の恒常性測定装置。
[3]前記環境の恒常性測定装置を備えた水槽。
[4]水底に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、
水中に餌を供給する給餌装置と、
電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部と、
を備えた、給餌システム。
[5]前記制御部とともに、又は前記制御部に替えて、一部が底質に埋没した炭素棒を備えた前記給餌システム。
[6]魚の養殖場に設置される、前記給餌システム。
[7]電位の測定値が負の値を示す場合に、前記制御部は給餌量を減らす及び/又は給餌タイミングを遅らせるように前記給餌装置を制御する、前記給餌システム。
[8]前記給餌システムを備えた水槽。
[9]実在する又は人工的な水環境領域の1以上の底質サンプルを準備すること、
前記恒常性測定装置により前記1以上の底質サンプルの電位を測定すること、
及び測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。
[10]実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。
[11]実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位が、あらかじめ決定した条件を満たさない場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内に供給すること、
を含む水環境領域の恒常性改善方法。
[1]FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む、環境の恒常性測定装置。
[2]環境が底質を有する水環境であり、FTO電極またはITO電極が底質に設置される、前記環境の恒常性測定装置。
[3]前記環境の恒常性測定装置を備えた水槽。
[4]水底に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、
水中に餌を供給する給餌装置と、
電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部と、
を備えた、給餌システム。
[5]前記制御部とともに、又は前記制御部に替えて、一部が底質に埋没した炭素棒を備えた前記給餌システム。
[6]魚の養殖場に設置される、前記給餌システム。
[7]電位の測定値が負の値を示す場合に、前記制御部は給餌量を減らす及び/又は給餌タイミングを遅らせるように前記給餌装置を制御する、前記給餌システム。
[8]前記給餌システムを備えた水槽。
[9]実在する又は人工的な水環境領域の1以上の底質サンプルを準備すること、
前記恒常性測定装置により前記1以上の底質サンプルの電位を測定すること、
及び測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。
[10]実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。
[11]実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位が、あらかじめ決定した条件を満たさない場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内に供給すること、
を含む水環境領域の恒常性改善方法。
本発明によれば、環境の恒常性を連続的に安定して測定できる。特に、電極にはFTO電極またはITO電極を使用するため、被毒や酸素濃度等の影響を受けにくく、長期間の連続測定にも適している。また、測定された電位の値に基づき、環境の栄養や酸素そして硫化水素の状態を知ることができ、このようにして環境の恒常性を評価(リアルタイムモニタリング)することで、環境への負荷が少なくなるように調整することができる。また、本発明の環境の恒常性測定装置は底質における微生物の活性が高い領域を調べ、養殖場として適した場所を決定するために利用することもできる。さらに、本発明の給餌システムによれば、環境電位に基づき、環境の恒常性が保たれるように給餌の量やタイミングを自動的に調整することができる。
<環境の恒常性測定装置>
本発明の環境の恒常性測定装置は、FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む。
以下、図1を参照して、本発明の環境の恒常性測定装置の一態様を説明する。
本発明の環境の恒常性測定装置は、FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む。
以下、図1を参照して、本発明の環境の恒常性測定装置の一態様を説明する。
本実施形態に係る測定装置Aは、測定用電極10と、参照用電極11と、測定部12とを備えている。測定用電極10と参照用電極11はそれぞれ測定部12に接続されている。
そして、測定用電極10は、水底に存在する底質13内に設置される。底質13内には微生物や小動物が生息しており、それらの活動と環境の影響が酸化還元電位として計測される。
そして、測定用電極10は、水底に存在する底質13内に設置される。底質13内には微生物や小動物が生息しており、それらの活動と環境の影響が酸化還元電位として計測される。
なお、測定装置Aの測定対象は、小動物や微生物が生息し、それらの活動により電位変化が生じうる環境であればよいが、ミミズなどの小動物および微生物が存在する環境であることが好ましく、例えば、海底、河底、湖底、水槽や養殖槽の底などの底質や、湛水した水田や畑等の土壌が挙げられる。本発明の測定装置の設置対象としての水槽には、熱帯魚等の観賞用小規模水槽、水族館等に設置される中規模、小規模、または大規模の水槽、養殖用水槽等のいずれの態様も含まれる。
測定用電極10としては、FTO電極またはITO電極を使用する。ここで、FTO電極とは、フッ素(F)をドープした酸化スズ(SnO2:F)を素材とする電極を意味し、ITO電極とは、鉛(Sn)をドープした酸化インジウム(In2O3:Sn)を素材とする電極を意味する。測定用電極10は表面が親水性になるように加工されたものであることが好ましい。また、電流は流さないので、酸化還元酵素等は含まない電極が使用される。
また、参照用電極11としては、特に限定されるものではないが、例えば、銀/塩化銀電極、飽和カロメル電極、硫酸第一水銀電極、酸化水銀電極などが利用できる。参照用電極11は通常水中に設置される。なお、測定用電極10、参照用電極11に加えて対極を含む電極系を使用してもよい。
測定部12は、測定用電極10と参照用電極11との間の電位差を連続的に測定するようになっている。測定部12の構成は特に制限されないが、例えば、接続端子、操作部、表示部などを備えることができる。具体的には、操作部を操作して測定を開始し、電位を連続的に測定し、表示する。測定部12としては、特に限定されるものではなく、例えば、市販の電圧ロガー等を用いることができる。
測定部12において、底質中の電位を連続的にモニターすることにより、リアルタイムに底質環境の状態を知ることができる。例えば、電位が参照電極(銀/塩化銀電極)を基準にして負の値を示し続けていると、水環境が嫌気状態にあり、富栄養化が起こって環境に負荷がかかっていることが判定でき、必要な対策を講じることが可能である。
<水環境領域の恒常性評価方法>
本発明において、環境の恒常性とは、環境が一定の状態を保ち続ける傾向を意味し、恒常性の測定および評価とは、環境における酸素量が十分であるか、小動物や微生物の活動状態は正常であるか、栄養状態が正常であるか、など、環境が健全な状態を保っているかをリアルタイムでモニタリングし、評価することを意味する。
本発明において、環境の恒常性とは、環境が一定の状態を保ち続ける傾向を意味し、恒常性の測定および評価とは、環境における酸素量が十分であるか、小動物や微生物の活動状態は正常であるか、栄養状態が正常であるか、など、環境が健全な状態を保っているかをリアルタイムでモニタリングし、評価することを意味する。
本発明の水環境領域の恒常性評価方法の一態様は、
実在する又は人工的な水環境領域の1以上の底質サンプルを準備すること、
前記恒常性測定装置により前記1以上の底質サンプルの電位を測定すること、
及び測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む。
例えば、海底や湖底や川底等の砂や、水族館の水槽等の砂などの底質サンプルを採取して、それを容器の底に配置して水を含む測定系を準備し、当該底質サンプルに上記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置して、電位を測定し、測定された電位に基づいて、底質サンプルの恒常性を評価する態様が挙げられる。例えば、電位を一定期間モニタリングし、電位が参照電極(銀/塩化銀電極)を基準にして、正の値を示し続けていると、底質サンプルが取得された水環境の恒常性は保たれていると評価できる。一方、電位が負の値を示し続けていると、底質サンプルが取得された水環境が嫌気状態にあり、富栄養化が起こって環境に負荷がかかっているなどと評価できる。
実在する又は人工的な水環境領域の1以上の底質サンプルを準備すること、
前記恒常性測定装置により前記1以上の底質サンプルの電位を測定すること、
及び測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む。
例えば、海底や湖底や川底等の砂や、水族館の水槽等の砂などの底質サンプルを採取して、それを容器の底に配置して水を含む測定系を準備し、当該底質サンプルに上記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置して、電位を測定し、測定された電位に基づいて、底質サンプルの恒常性を評価する態様が挙げられる。例えば、電位を一定期間モニタリングし、電位が参照電極(銀/塩化銀電極)を基準にして、正の値を示し続けていると、底質サンプルが取得された水環境の恒常性は保たれていると評価できる。一方、電位が負の値を示し続けていると、底質サンプルが取得された水環境が嫌気状態にあり、富栄養化が起こって環境に負荷がかかっているなどと評価できる。
本発明の水環境領域の恒常性評価方法の他の態様は、
実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む。
実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む。
例えば、海底や湖底や川底等の砂や、水族館の水槽等の砂などの底質に上記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置して、電位を測定し、測定された電位に基づいて、底質サンプルの恒常性を評価する態様が挙げられる。例えば、電位を一定期間モニタリングし、電位が参照電極(銀/塩化銀電極)を基準にして、正の値を示し続けていると水環境の恒常性は保たれていると評価できる。一方、電位が負の値を示し続けていると、水環境が嫌気状態にあり、富栄養化が起こって環境に負荷がかかっているなどと評価できる。
<水環境領域の恒常性改善方法>
本発明の水環境領域の恒常性評価方法の一態様は、
実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位が、あらかじめ決定した条件を満たさない場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内に供給すること、
を含む。
本発明の水環境領域の恒常性評価方法の一態様は、
実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、前記恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位が、あらかじめ決定した条件を満たさない場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内に供給すること、
を含む。
上記のようにして、底質の電位をモニタリングしつつ、あらかじめ決定した条件を満たさなくなった場合、例えば、電位が参照電極(銀/塩化銀電極)を基準にして負の値に低下して水環境の恒常性が低下したような場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内、好ましくは底質内に供給し、恒常性を改善することができる。恒常性改善作用のある素材としては、導電性素材(例えば、炭素棒や竹炭等の炭素材料、及び鉄含有量の高い鉄鋼スラッグ等の金属材料)が含まれる。また元々は導電性がなくても、底質内の微生物との作用により導電性になる素材(例えば、鉄含有量の低い鉄鋼スラッグ)も含まれる。
<給餌システム>
本発明の給餌システムは、底質に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、水中に餌を供給する給餌装置と、電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の給餌システムは、底質に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、水中に餌を供給する給餌装置と、電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
以下、図2を参照して、本発明の給餌システムの一態様を説明する。
本発明の給餌システムBは、図2に示されているように、測定用電極10と、参照用電極11と、測定部12とを備えた電位計A(環境恒常性測定装置Aに相当)と、開閉部16を有する給餌装置15と、電位計Aと給餌装置15に接続され、電位の測定値に基づいて給餌装置15の開閉部16を制御する制御部14を有する。
本発明の給餌システムBは、図2に示されているように、測定用電極10と、参照用電極11と、測定部12とを備えた電位計A(環境恒常性測定装置Aに相当)と、開閉部16を有する給餌装置15と、電位計Aと給餌装置15に接続され、電位の測定値に基づいて給餌装置15の開閉部16を制御する制御部14を有する。
上記<環境の恒常性測定装置>の項目で説明したと同様、測定用電極10はFTO電極またはITO電極であり、水底に存在する底質13内に設置される。また、参照用電極11は、銀/塩化銀電極、飽和カロメル電極、硫酸第一水銀電極、酸化水銀電極などが利用でき、参照用電極11は通常水中に設置される。なお、測定用電極10、参照用電極11に加えて対極を含む電極系を使用してもよい。そして、測定部12は、測定用電極10と参照用電極11にそれぞれ接続され、両電極間の電位差を連続的に測定する。測定部12の構成は特に制限されないが、例えば、接続端子、操作部、表示部などを備えることができる。
給餌装置15は、養殖魚用餌など、水中で生育するまたは飼育される魚等の動物用の餌を収容し、開閉部16を備えており、開閉部16が開口することにより、餌が水中に放出される。給餌装置15は水上や水中に設置されてよい。また、給餌装置の構造は開閉式には限られない。
制御部14は電位計Aの測定部12から受信した電位の値に基づいて給餌装置15の開閉部16の開閉のタイミングおよび開口時間等を制御する。すなわち、電位計Aで測定された電位の値は底質環境の状態を反映しており、例えば、電位が長時間負の値を示し続けていると、水底及び水中が嫌気状態にあり、富栄養化が起こって環境に負荷がかかっていることが判定でき、一方、電位が正の値を示していれば底質環境に過度の負荷はかかっておらず水底及び水中での生物の活動が正常に行われていることが理解できる。また、餌(飼料)が添加されることにより、一時的に電位が下がるが、正常であれば、すぐに正の値に回復するところ、飼料添加後、電位が長期間負の値を示す場合は、底質環境が富栄養化状態、貧酸素状態にあるので、次回給餌量を減らす、給餌タイミングを遅らせる等の必要がある。
このように、電位が負の値を示し続けている状態で給餌するとさらに底質及び水中の環境に負荷を増加させ、富栄養化及び環境破壊を促進させてしまうことになるので、電位が負の値を示しているときには給餌装置15の開閉部16を閉じたままにし、給餌を行わないように制御すること、あるいは、給餌の際の開口時間を短くして1回の給餌量を通常より減らすように制御することが好ましい。
このように制御することにより、環境に負荷をかけることなく、環境の恒常性を維持したまま給餌でき、環境の恒常性を維持した状態で魚等の動物を生育させることができる。
このように、電位が負の値を示し続けている状態で給餌するとさらに底質及び水中の環境に負荷を増加させ、富栄養化及び環境破壊を促進させてしまうことになるので、電位が負の値を示しているときには給餌装置15の開閉部16を閉じたままにし、給餌を行わないように制御すること、あるいは、給餌の際の開口時間を短くして1回の給餌量を通常より減らすように制御することが好ましい。
このように制御することにより、環境に負荷をかけることなく、環境の恒常性を維持したまま給餌でき、環境の恒常性を維持した状態で魚等の動物を生育させることができる。
制御部14は、例えば、プロセッサ等のCPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ストレージと、PSU(Power Supply Unit)とを有する。メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)である。ストレージは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)及びSDD(Solid State Drive)等の記憶装置である。また、制御部14は、インターフェースユニットを有してもよい。インターフェースユニットは、LANや外部インターフェースに接続される。インターフェースユニットには、例えば、モデムやLANアダプタが採用される。PSUからCPU、メモリ、ストレージ及びインターフェースユニットに電力が供給される。
図3に、給餌システムBにおける制御部14による制御のフローの一例を示す。まず、電位計により底質の電位が測定される(ステップS1)。この測定値をもとに、制御部14において判定が行われ(ステップS2)、給餌可(YES)と判定されたときは、給餌装置15に信号が送られ(ステップS3)、給餌装置15の開閉部16を開口する動作が行われて(ステップS4)、所定量の餌が水中に放出される。
なお、判定の基準の例としては、電位の値が正の時は給餌可と判定するという基準、前回の給餌後に電位が一定時間以上、例えば、12時間以上負の値を示した場合に、開口時間を短くして給餌量を減らすという基準などが挙げられる。
判定は前回の給餌から6~12時間経過後、というように一定のタイミングで行われることが好ましい。
なお、制御部14では、水温や酸素濃度やBODなどの測定値についてもデータを取得し、電位値とともにこれらの測定値も考慮に入れて給餌装置15を制御してもよい。
判定は前回の給餌から6~12時間経過後、というように一定のタイミングで行われることが好ましい。
なお、制御部14では、水温や酸素濃度やBODなどの測定値についてもデータを取得し、電位値とともにこれらの測定値も考慮に入れて給餌装置15を制御してもよい。
本発明の給餌システムは、前記制御部とともに、一部が底質に埋没された炭素棒を備えたものであってもよい。炭素棒を底質に埋設することにより、給餌後の急激な電位低下は抑制され、水環境の恒常性が向上し、水環境の恒常性が維持されやすくなる。この現象は、導電性材料である炭素棒内の電子の移動により、底質内の汚染物質である硫化水素等が還元されるとともに、水中の酸素が水になるというような、酸化還元反応が進行することがそのメカニズムの一つと考えられる。
したがって、本発明の給餌システムは一部が底質に埋没された炭素棒を備えることにより、安定して給餌が行えるようになり、制御部による給餌タイミングの制御を軽減できる。
さらに、底質に前記のような炭素棒を埋設することにより、水環境の恒常性能が著しく向上し、連続的に給餌しても恒常性が保たれるような場合もありうるが、そのような場合には給餌タイミングを制御する必要がないので、本発明の給餌システムは、前記制御部に替えて、一部が底質に埋没された炭素棒を備えたものであってもよい。
したがって、本発明の給餌システムは一部が底質に埋没された炭素棒を備えることにより、安定して給餌が行えるようになり、制御部による給餌タイミングの制御を軽減できる。
さらに、底質に前記のような炭素棒を埋設することにより、水環境の恒常性能が著しく向上し、連続的に給餌しても恒常性が保たれるような場合もありうるが、そのような場合には給餌タイミングを制御する必要がないので、本発明の給餌システムは、前記制御部に替えて、一部が底質に埋没された炭素棒を備えたものであってもよい。
本発明の給餌システムは、養殖場、飼育水槽などに特に好適に使用できる。本発明の給餌システムを設置し得る水槽には、熱帯魚等の観賞用小規模水槽、水族館等に設置される中小大規模水槽、養殖用水槽等のいずれの態様も含まれる。
上記の通り、炭素棒が水環境の恒常性改善効果を有することが明らかにされたため、本発明はまた、炭素棒を含む水環境恒常性改善材、および水環境領域内の底質に炭素棒をその一部が埋設されるように設置する工程を含む水環境における恒常性改善方法を提供する。ここで、炭素棒の種類は導電性を有するものであれば特に制限されず、木炭、竹炭、バイオ炭などが例示される。炭素棒のサイズも特に制限されず、設置対象の水環境の規模などに応じて適宜設定できる。炭素棒はその一部が底質中に埋設されるが、底質中に埋設される部分の長さは、炭素棒内で電子の移動が生じ、炭素棒の一部が埋設された底質と、炭素棒の一部が露出した水中との間で共役した酸化還元反応が起こりうる程度であればよいが、例えば、炭素棒全体の長さのうち、20~80%の長さを底質中に埋設することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の態様は以下には限定されない。
実験系:底質試料としては、愛媛県の養殖場下から採取した底質サンプル、ならびに大阪湾沿岸域の底質サンプルを用いた。底面にガラス電極を置いた電気化学リアクター内に底質を入れ、培養を行い、経時的な電位変動をモニタリングした。投与可能な飼料の量を予測するために、電気化学リアクター内に養殖魚の飼料を投与し、その後の電位の経時変化を追跡した。
*電気化学測定の詳細(図4参照):作用極にはFTO電極(フッ素ドープ酸化スズ、電極面積3.14 cm2)、対極にはPt線、参照極にはAg|AgCl|KClsat.電極、電解質としては以下の人工海水を使いた。
NaCl 39.9g, MgCl2・6H2O 25.2g, MgSO4 6.48g, CaCl24.8g, KCl 1.1g, NaHCO3 0.32gを全量1Lとなるように蒸留水で溶解し、121℃, 20minで滅菌したのちに使用。
*電気化学測定の詳細(図4参照):作用極にはFTO電極(フッ素ドープ酸化スズ、電極面積3.14 cm2)、対極にはPt線、参照極にはAg|AgCl|KClsat.電極、電解質としては以下の人工海水を使いた。
NaCl 39.9g, MgCl2・6H2O 25.2g, MgSO4 6.48g, CaCl24.8g, KCl 1.1g, NaHCO3 0.32gを全量1Lとなるように蒸留水で溶解し、121℃, 20minで滅菌したのちに使用。
<実施例1>愛媛県より採取した底質サンプルを用いた測定
愛媛県の養殖場下の底質環境から採取した試料を用いた電位計測の結果を図5に示す。ここでは、微生物と底生生物(海産ミミズ)の両者を含む底質サンプルに対して、異なる量の飼料を添加した時の電位変化を計測している。以下に示す電位はすべて参照極のAg|AgCl|KClsat.電極に対するものである。
愛媛県の養殖場下の底質環境から採取した試料を用いた電位計測の結果を図5に示す。ここでは、微生物と底生生物(海産ミミズ)の両者を含む底質サンプルに対して、異なる量の飼料を添加した時の電位変化を計測している。以下に示す電位はすべて参照極のAg|AgCl|KClsat.電極に対するものである。
まず、電位計測を始めた直後から約100時間の間、電位は-0.15から-0.35Vの値で推移した。この結果は、底生環境が還元状態(富栄養化状態・酸素欠乏状態)にあることを示している。
その後、100時間の計測点から、電位が正側に大きくシフトし、200時間後には、+0.25Vにまで達した。この電位の負から正へのシフトは、底質環境が還元状態(富栄養化)から酸化的環境(好気的)環境に移り変わっていること(環境が生物の力により回復していること)を示している。
次に、養殖魚の飼料を添加した時の電位変化について説明する。微生物と底生生物(海産ミミズ)の両方を含む底質サンプルに対して、異なる量の飼料(1mgと10mg)を、192時間後と528時間後に加えた。興味深いことに、飼料の添加に応じて、両者とも環境電位の急激な負方向へのシフトが観測された。特に、192時間後に10mgを加えた試料においては、電位が+0.25Vから-0.4Vまで急激に低下し、その後550時間の計測の範囲においては、電位が正に戻ることはなかった。すなわち、過剰の飼料の投与により、過度な還元状態(富栄養化)状態となり、底生動物の作用をもってしても、元の酸化状態に戻るのが困難であることが分かる。
一方で、10分の1量(1mg)の飼料を加えた系においては、飼料の添加により電位は+0.25Vから-0.05Vにまで減少はするが、その後すぐに電位は正にシフトし、元の好気的環境へと復元された。
以上の結果は、養殖魚の飼料の添加により、環境電位がどの様に変化するかを、リアルタイム(連続的なデータの取得)で計測可能であること、また、養殖魚へ添加する飼料の量に依存して、電位の正への復元が可能か否か、すなわち恒常性能を判断・評価できることを示している。すなわち、本実験系における適切な飼料の投与量は、1mgから10mgの間と、見積もることができる。
ここで、環境電位が負の値で推移することは、底質環境が富栄養化状態、貧酸素状態にあることを示し、養殖魚に対して病害を引き起こすリスクがあることを意味する。一方、正の電位を示す環境においては、底質環境が好気的になっていることを示している。好気的な環境においては、底生生態系の代謝活動が活発となり、その結果、自浄作用力が強化されることから、環境が健全な状態にあると見なすことができる。
本技術を実際に養殖場環境に設置することで、飼料の投与という人間活動と、底生生態系が持つ自浄作用の拮抗、言い換えると、底質生態系が許容できる飼料の投与量を、環境電位の恒常性(レドックス・ホメオスタシス)を指標にして、可視化、定量化することが可能になる。
<実施例2>大阪湾より採取した底質サンプルを用いた測定
大阪湾の底質環境から採取した試料を用い電位計測の結果を図6に示す。ここでは、底生動物と土着微生物(もともと、底質に生息している微生物)の役割を解析するため、以下の4条件で電位計測を行った。以下に示す電位はすべて参照極のAg|AgCl|KClsat.電極に対するものである。
1)底生動物を含まず、土着微生物を含む底質試料
2)底生動物ならびに土着微生物の両方を含まない底質試料
3)底生動物と土着微生物の両方を含む底質試料
4)土着微生物が存在せず、底生動物を含む底質試料
大阪湾の底質環境から採取した試料を用い電位計測の結果を図6に示す。ここでは、底生動物と土着微生物(もともと、底質に生息している微生物)の役割を解析するため、以下の4条件で電位計測を行った。以下に示す電位はすべて参照極のAg|AgCl|KClsat.電極に対するものである。
1)底生動物を含まず、土着微生物を含む底質試料
2)底生動物ならびに土着微生物の両方を含まない底質試料
3)底生動物と土着微生物の両方を含む底質試料
4)土着微生物が存在せず、底生動物を含む底質試料
まず、4種の条件における飼料を添加する前の電位計測の結果を比較してみる。底生動物と土着微生物の両者が存在する系においては、電位は負から正に大きく変化した(図6-3)。一方、底生動物および/または土着微生物を欠く系においては、電位は-0.15から-0.35の値で推移し、電位が増加する傾向は観測されなかった(図6-1,2,4)。この結果は、富栄養環境から好気的な環境への改善には、土着微生物と底生動物の両者が重要であることが分かる。
なお、ベントス(底生動物)の代謝は、水環境の浄化の指標(例えば赤潮の発生の有無)と密接に相関していることが知られている。データは示さないが、本発明者らは、本発明の測定装置によって測定される電位が、底質に存在するベントスのトリカルボン酸(TCA)回路活性の程度を反映していることを、コハク酸やフマル酸のシグナルを追跡することで確認している。
続いて、上記の4つの条件において、それぞれ、魚の飼料10mgを添加し、電位の経時変化を追跡した際の結果を述べる。電位が大きく正に回復した底質試料(底生動物と微生物を含む:図6-3)に対して飼料添加を行ったところ、電位は一旦、+0.1から-0.05V付近にまで減少する。しかし、興味深いことに、負に変化した電位は、時間と共に正方向に増加し、最終的には、飼料を添加する前と同じ値にまで回復した。
一方で、底生動物のみを含む底質試料(図6-4)に対して飼料添加を行った際には、電位は-0.15Vから-0.45V付近まで減少し、正方向への回復は観測されなかった。
一方で、底生動物のみを含む底質試料(図6-4)に対して飼料添加を行った際には、電位は-0.15Vから-0.45V付近まで減少し、正方向への回復は観測されなかった。
これらの結果は、土着微生物と底生動物の両者が存在する環境においては、飼料の添加による富栄養化(貧酸素可)を抑制できることを示している。言い換えると、正の電位を一定の値に保とうとするレドックス恒常性能(環境の健康度)が高いことを示している。
<比較例1>白金電極を用いた測定
従来測定電極として使われている白金電極を用いて電位測定を行い、FTO電極の比較をおこなった。大阪湾底質サンプル60g、上述の人工海水20mLを100mLのガラスビーカーに入れたものを測定サンプルとし、作用極として白金線(直径0.3mm、測定部3cm)とFTO電極(3cm四方)、参照極Ag|AgCl|KClsat.電極をビーカー上部からサンプルに浸し24時間電位計測を行った。(図7、図8)白金線では測定開始時の電位が-0.12V、その後1時間で-0.06Vまで測定値が上昇した後に電位は低下し続け24時間目で-0.18Vとなった。対してFTO電極は測定開始時の電位が-0.15V、その後電位は緩やかに上昇し-0.11Vという測定値を安定して示している。以上の結果はFTO電極が白金線より安定的に電位計測が行えることを示すものであり、FTO電極を本発明において使用する理由である。
従来測定電極として使われている白金電極を用いて電位測定を行い、FTO電極の比較をおこなった。大阪湾底質サンプル60g、上述の人工海水20mLを100mLのガラスビーカーに入れたものを測定サンプルとし、作用極として白金線(直径0.3mm、測定部3cm)とFTO電極(3cm四方)、参照極Ag|AgCl|KClsat.電極をビーカー上部からサンプルに浸し24時間電位計測を行った。(図7、図8)白金線では測定開始時の電位が-0.12V、その後1時間で-0.06Vまで測定値が上昇した後に電位は低下し続け24時間目で-0.18Vとなった。対してFTO電極は測定開始時の電位が-0.15V、その後電位は緩やかに上昇し-0.11Vという測定値を安定して示している。以上の結果はFTO電極が白金線より安定的に電位計測が行えることを示すものであり、FTO電極を本発明において使用する理由である。
<実施例3>長崎県より採取した底質サンプルを用いた測定
長崎県の養殖場下の底質環境(st12)、そこから東に2km離れた底質環境(st13)、および、さらにそこから東に2km離れた底質環境(st14)からそれぞれ採取した試料を用いて実施例1と同様にして電位計測を行った。ただし、給餌のタイミングと量は図9に記載の通りとした。その結果、図9に示すように、マグロ養殖場からの距離が遠いほど、給餌後の電位低下の程度が大きく、マグロ養殖場からの距離に応じて底質が持つ恒常性能に差があることがわかった。したがって、本発明の測定装置は、適切な養殖場を選定する際の判断基準として使用可能であることがわかった。
なお、本発明の測定装置は、長期間の連続計測に適しており、実際に95日間の連続計測が可能であることが確認されている。
長崎県の養殖場下の底質環境(st12)、そこから東に2km離れた底質環境(st13)、および、さらにそこから東に2km離れた底質環境(st14)からそれぞれ採取した試料を用いて実施例1と同様にして電位計測を行った。ただし、給餌のタイミングと量は図9に記載の通りとした。その結果、図9に示すように、マグロ養殖場からの距離が遠いほど、給餌後の電位低下の程度が大きく、マグロ養殖場からの距離に応じて底質が持つ恒常性能に差があることがわかった。したがって、本発明の測定装置は、適切な養殖場を選定する際の判断基準として使用可能であることがわかった。
なお、本発明の測定装置は、長期間の連続計測に適しており、実際に95日間の連続計測が可能であることが確認されている。
<実施例4>底質サンプルに炭素棒を埋設した系での測定
長崎県の養殖場下の底質から採取した試料を用い、実施例1と同様の測定系を2つ用意し、そのうちの1つの系では、長さ20mm、直径4.3mmの炭素棒(木炭)を、15mmが底質内に挿入され、5mmが水中に現れるようにして底質に埋設した。この2種類の系で電位計測を行った。給餌のタイミングと量は図10に記載の通りである。その結果、図10に示すように、炭素棒を底質に挿入した系では給餌後も電位が負の値を示さず、炭素棒を底質に埋設することで、底質の恒常性が向上することが分かった。したがって、炭素棒は、低コスト・低環境負荷で養殖場の底質環境を浄化及び/または恒常性を維持するために有用であることが分かった。
長崎県の養殖場下の底質から採取した試料を用い、実施例1と同様の測定系を2つ用意し、そのうちの1つの系では、長さ20mm、直径4.3mmの炭素棒(木炭)を、15mmが底質内に挿入され、5mmが水中に現れるようにして底質に埋設した。この2種類の系で電位計測を行った。給餌のタイミングと量は図10に記載の通りである。その結果、図10に示すように、炭素棒を底質に挿入した系では給餌後も電位が負の値を示さず、炭素棒を底質に埋設することで、底質の恒常性が向上することが分かった。したがって、炭素棒は、低コスト・低環境負荷で養殖場の底質環境を浄化及び/または恒常性を維持するために有用であることが分かった。
A・・・環境恒常性測定装置、10・・・測定用電極、11・・・参照用電極、12・・・測定部、13・・・底質
B・・・給餌システム、10・・・測定用電極、11・・・参照用電極、12・・・測定部、13・・・底質、14・・・制御部、15・・・給餌装置、16・・・開閉部16
B・・・給餌システム、10・・・測定用電極、11・・・参照用電極、12・・・測定部、13・・・底質、14・・・制御部、15・・・給餌装置、16・・・開閉部16
Claims (11)
- FTO電極またはITO電極を備えた電位計を含む、環境の恒常性測定装置。
- 環境が底質を有する水環境であり、FTO電極またはITO電極が底質に設置される、請求項1に記載の環境の恒常性測定装置。
- 請求項1または2に記載の環境の恒常性測定装置を備えた水槽。
- 底質に設置されるFTO電極またはITO電極を備えた電位計と、
水中に餌を供給する給餌装置と、
電位計で測定された電位の値に基づいて給餌タイミング及び/又は給餌量が調節されるように給餌装置を制御する制御部と、
を備えた、給餌システム。 - 前記制御部とともに、又は前記制御部に替えて、一部が底質に埋没した炭素棒を備えた請求項4に記載の給餌システム。
- 魚の養殖場に設置される、請求項4または5に記載の給餌システム。
- 電位の測定値が負の値を示す場合に、前記制御部は給餌量を減らす及び/又は給餌タイミングを遅らせるように前記給餌装置を制御する、請求項4~6のいずれか一項に記載の給餌システム。
- 請求項4~7のいずれか1項に記載の給餌システムを備えた水槽。
- 実在する又は人工的な水環境領域の1以上の底質サンプルを準備すること、
請求項1又は2に記載の恒常性測定装置により前記1以上の底質サンプルの電位を測定すること、
及び測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。 - 実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、請求項1又は2に記載の恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位に基づいて、前記水環境領域の恒常性を評価すること、
を含む水環境領域の恒常性評価方法。 - 実在する又は人工的な水環境領域の水底の底質内に、請求項1又は2に記載の恒常性測定装置のFTO電極又はITO電極を設置すること、
前記恒常性測定装置により底質の電位を測定すること、及び
測定された電位が、あらかじめ決定した条件を満たさない場合に、恒常性改善作用のある素材を水環境内に供給すること、
を含む水環境領域の恒常性改善方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2018560316A JP6978744B2 (ja) | 2017-01-05 | 2017-08-03 | 環境電位を指標にした環境の恒常性測定装置、環境の恒常性評価方法および環境電位を利用した自動給餌システム |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2017000727 | 2017-01-05 | ||
| JP2017-000727 | 2017-01-05 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| WO2018127989A1 true WO2018127989A1 (ja) | 2018-07-12 |
Family
ID=62789369
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| PCT/JP2017/028271 Ceased WO2018127989A1 (ja) | 2017-01-05 | 2017-08-03 | 環境電位を指標にした環境の恒常性測定装置、環境の恒常性評価方法および環境電位を利用した自動給餌システム |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6978744B2 (ja) |
| WO (1) | WO2018127989A1 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112730168A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-04-30 | 广西中医药大学 | 一种测定沉积食性小型底栖动物摄食量的方法 |
| CN114521524A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-05-24 | 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 | 一种虾蟹养殖用的自动投饲装置 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007113985A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Yokogawa Electric Corp | 酸化還元電位測定装置 |
| JP2013011482A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Dainippon Printing Co Ltd | 検査用器具および検査用デバイス |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2172767A1 (en) * | 2008-10-06 | 2010-04-07 | Sony Corporation | A sensor for thiol analytes |
| JP6349840B2 (ja) * | 2014-03-25 | 2018-07-04 | 大日本印刷株式会社 | 細胞培養システム及び細胞培養方法 |
-
2017
- 2017-08-03 WO PCT/JP2017/028271 patent/WO2018127989A1/ja not_active Ceased
- 2017-08-03 JP JP2018560316A patent/JP6978744B2/ja active Active
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007113985A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Yokogawa Electric Corp | 酸化還元電位測定装置 |
| JP2013011482A (ja) * | 2011-06-28 | 2013-01-17 | Dainippon Printing Co Ltd | 検査用器具および検査用デバイス |
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| SUSUMU BISEIBUTSU KENKYU ET AL., NIKKAN KOGYO SHINBUN, 12 August 2016 (2016-08-12), Retrieved from the Internet <URL:https://www.nikkan.co.jp/articles> [retrieved on 20170914] * |
| TEISHITSU DEN'I HAKARI SUISHITSU HOZEN, NIKKAN KOGYO SHINBUN, 4 August 2016 (2016-08-04), pages 27 * |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112730168A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-04-30 | 广西中医药大学 | 一种测定沉积食性小型底栖动物摄食量的方法 |
| CN112730168B (zh) * | 2021-01-28 | 2023-07-25 | 广西中医药大学 | 一种测定沉积食性小型底栖动物摄食量的方法 |
| CN114521524A (zh) * | 2021-12-07 | 2022-05-24 | 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 | 一种虾蟹养殖用的自动投饲装置 |
| CN114521524B (zh) * | 2021-12-07 | 2023-09-15 | 中国水产科学研究院渔业机械仪器研究所 | 一种虾蟹养殖用的自动投饲装置 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP6978744B2 (ja) | 2021-12-08 |
| JPWO2018127989A1 (ja) | 2020-01-16 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Reimers et al. | Harvesting energy from the marine sediment− water interface | |
| Santini et al. | Carbonate scale deactivating the biocathode in a microbial fuel cell | |
| Ebrahimpour et al. | Influence of water hardness on acute toxicity of copper and zinc on fish | |
| Smith et al. | Relating sediment phosphorus mobility to seasonal and diel redox fluctuations at the sediment–water interface in a eutrophic freshwater lake | |
| Erable et al. | Marine floating microbial fuel cell involving aerobic biofilm on stainless steel cathodes | |
| Peixoto et al. | In situ microbial fuel cell-based biosensor for organic carbon | |
| Gerwing et al. | Apparent redox potential discontinuity (aRPD) depth as a relative measure of sediment oxygen content and habitat quality | |
| Baldigo et al. | Persistent mortality of brook trout in episodically acidified streams of the southwestern Adirondack Mountains, New York | |
| Cheek et al. | Diel hypoxia in marsh creeks impairs the reproductive capacity of estuarine fish populations | |
| JP6978744B2 (ja) | 環境電位を指標にした環境の恒常性測定装置、環境の恒常性評価方法および環境電位を利用した自動給餌システム | |
| Kozuki et al. | The after-effects of hypoxia exposure on the clam Ruditapes philippinarum in Omaehama beach, Japan | |
| Takemura et al. | Suppression of phosphorus release from eutrophic lake sediments by sediment microbial fuel cells | |
| CN103336045B (zh) | 有毒物质在线检测及自动报警装置及有毒物质的检测方法 | |
| Zhang et al. | Cyclic voltammetric studies of the behavior of lead-silver anodes in zinc electrolytes | |
| Hunting et al. | Predictability of bacterial activity and denitrification in aquatic sediments with continuous measurements of redox potential | |
| Kim et al. | High-resolution monitoring of seasonal hypoxia dynamics using a capacitive potentiometric sensor: Capacitance amplifies redox potential | |
| Bobrowski et al. | Determination of copper (II) through anodic stripping voltammetry in tartrate buffer using an antimony film screen-printed carbon electrode | |
| Zahir et al. | The dynamics of red Noctiluca scintillans in the coastal aquaculture areas of Southeast China | |
| Zarei et al. | Acute toxicity and the effects of copper sulphate (CuSO4. 5H2O) on the behavior of the black fish (Capoeta fusca) | |
| Vandegehuchte et al. | Whole sediment toxicity tests for metal risk assessments: On the importance of equilibration and test design to increase ecological relevance | |
| Semeniuk | Spatial variability in epiphytic foraminifera from micro-to regional scale | |
| Little et al. | Electrochemical behavior of stainless steels in natural seawater | |
| Guziejewski et al. | Electrochemical study of the fungicide acibenzolar-s-methyl and its voltammetric determination in environmental samples | |
| CN104034785A (zh) | 水体中有毒物质生物在线检测及自动预警装置 | |
| Brock et al. | Remediation of marine dead zones by enhancing microbial sulfide oxidation using electrodes |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| 121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
Ref document number: 17889655 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |
|
| ENP | Entry into the national phase |
Ref document number: 2018560316 Country of ref document: JP Kind code of ref document: A |
|
| NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
|
| 122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 17889655 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |