WO2018037857A1

WO2018037857A1 - 熱交換器および温水装置

Info

Publication number: WO2018037857A1
Application number: PCT/JP2017/027972
Authority: WO
Inventors: 正樹今藤; 亘大下
Original assignee: 株式会社ノーリツ
Priority date: 2016-08-25
Filing date: 2017-08-02
Publication date: 2018-03-01
Also published as: CN109642751B; CN109642751A; US20190203975A1

Abstract

潜熱回収熱交換器（１０）は、熱交換部（１１）と、ケース（１２）とを備えている。熱交換部（１１）は、互いに積層された複数の伝熱プレート（１２ｂ）を有する。ケース（１２）は熱交換部（１１）の複数の伝熱プレート（１２ｂ）を収容する。熱交換部（１１）は、熱交換部（１１）の最外層に設けられた前板部（１１ａ）を含んでいる。熱交換部（１１）の前板部（１１ａ）は、ケース（１２）の一部を構成している。

Description

熱交換器および温水装置

　本発明は、熱交換器および温水装置に関するものである。

　複数の伝熱プレートがケースに収容された熱交換器は、たとえば国際公開第２０１５／１４１９９５号（特許文献１）に開示されている。

　上記文献における熱交換器では、複数の伝熱プレートは、２分割されたケースの前側の部材と後側の部材とにより前後から挟まれている。２分割されたケースの前側の部材と後側の部材との境界において、ケースの前側の部材と後側の部材とは互いにビスで固定されている。

国際公開第２０１５／１４１９９５号

　上記文献における熱交換器では、複数の伝熱プレートを構成する部材と、ケースを構成する部材とがそれぞれ必要となる。したがって、部材の数が多くなるという問題がある。

　本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、部材の数を削減することができる熱交換器およびそれを備えた温水装置を提供することである。

　本発明の熱交換器は、熱交換部と、ケースとを備えている。熱交換部は、互いに積層された複数の伝熱プレートを有する。ケースは熱交換部の複数の伝熱プレートを収容する。熱交換部は、熱交換部の最外層に設けられた前板部を含んでいる。熱交換部の前板部は、ケースの一部を構成している。

　本発明の熱交換器によれば、熱交換部の前板部がケースの一部を構成しているため、熱交換部の前板部をケースに共用することができる。このため、部材の数を削減することができる。

　上記の熱交換器は、前板部に取り付けられており、かつ複数の伝熱プレートに湯水を流出入させるための継手部をさらに備えている。継手部が前板部に取り付けられているため、継手部と前板部との間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となる。さらに、継手部と前板部との間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール不良により継手部と前板部との間の隙間から加熱用気体（燃焼ガス）が熱交換器の外部に漏れるおそれがない。したがって、シール性を向上させることができる。

　上記の熱交換器においては、ケースは、前板部との間に前記複数の伝熱プレートを挟むように配置された背壁部と、背壁部の両端から前板部に向かって延びる一対の側壁部とを含んでいる。一対の側壁部はそれぞれ前板部に接合されている。このため、前板部と一対の側壁部との間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となる。さらに、前板部と一対の側壁部との間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール不良によりと前板部と一対の側壁部との間の隙間から加熱用気体（燃焼ガス）が潜熱回収熱交換器の外部に漏れるおそれがない。また、前板部と一対の側壁部との間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール部材を取り付ける作業が不要となる。したがって、潜熱回収熱交換器の組み立てが容易となる。

　上記の熱交換器は、ケースの上端部に配置されたフランジ部材をさらに備えている。フランジ部材は、上端部からケースの外側に張り出した張出部と、張出部の内側に設けられた開口部とを含んでいる。張出部は、開口部を取り囲むように設けられている。このため、開口部を取り囲むように張出部にシール部材を載置することができる。これにより、開口部を取り囲むように封止することができる。

　上記の熱交換器においては、フランジ部材は、開口部に沿って張出部から上方に立ち上がる立ち上がり結合部を含んでいる。ケースの上端部は開口部に挿入されている。立ち上がり結合部は、開口部に挿入されたケースの上端部に外側から接合されている。このため、立ち上がり結合部をケースの上端部に溶接することが容易となる。

　上記の熱交換器においては、立ち上がり結合部は、開口部を取り囲む周壁部と、周壁部の上縁に設けられた第１切欠き部とを含んでいる。ケースは、ケースの上端部の上縁に設けられた第２切欠き部を含んでいる。第１切欠き部は第２切欠き部に重なるように配置されている。このため、第１切欠き部および第２切欠き部からドレンを開口部に流すことができる。これにより、ドレンの排出が容易となる。

　上記の熱交換器においては、開口部は、フランジ部材を上方から見たときに、四角形状を有している。第１切欠き部および第２切欠き部は、開口部の四隅にそれぞれ設けられている。このため、フランジ部材の開口部の四隅を切って立ち上げることで第１切欠き部を製造することができる。したがって、第１切欠き部の製造が容易となる。

　本発明の温水装置は、加熱用気体を発生させる燃焼装置と、燃焼装置が発生させた加熱用気体の顕熱を回収する顕熱回収熱交換器と、加熱用気体の潜熱を回収する潜熱回収熱交換器として上記の熱交換器とを備えている。本発明の温水装置によれば、熱交換器の部材の数を削減することができる温水装置を提供することができる。

　本発明の温水装置は、加熱用気体を発生させる燃焼装置と、燃焼装置が発生させた加熱用気体の顕熱を回収する顕熱回収熱交換器と、加熱用気体の潜熱を回収する潜熱回収熱交換器として上記の熱交換器とを備えている。顕熱回収熱交換器は、湯水を流すための伝熱管を含んでいる。伝熱管は、伝熱管に湯水を入水するための入水部を含んでいる。開口部の四隅にそれぞれ設けられた第１切欠き部および第２切欠き部のいずれか１つずつは、入水部の真下に配置されている。本発明の温水装置によれば、ドレンの発生し易い入水部の真下に第１切欠き部および第２切欠き部を配置することができるので、ドレンを効率的に排出することができる。

　以上説明したように、本発明によれば、部材の数を削減することができる熱交換器およびそれを備えた温水装置を提供することができる。

本発明の一実施の形態における温水装置の構成を模式的に示す図である。本発明の一実施の形態における顕熱回収熱交換器および潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す斜視図である。本発明の一実施の形態における顕熱回収熱交換器および潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施の形態における潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す斜視図である。本発明の一実施の形態における潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す分解斜視図である。本発明の一実施の形態における潜熱回収熱交換器の熱交換部の構成を概略的に示す分解斜視図である。図４のＶＩＩ部を示す拡大図である。本発明の一実施の形態における顕熱回収熱交換器および潜熱回収熱交換器のドレンの流れを示す断面図である。本発明の一実施の形態における潜熱回収熱交換器のドレンの流れを示す断面図である。比較例１における潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す斜視図である。比較例１における潜熱回収熱交換器の構成を概略的に示す分解斜視図である。比較例２における図７に対応する部分を示す斜視図である。比較例２における図９に対応する潜熱回収熱交換器のドレンの流れを示す断面図である。本発明の一実施の形態の変形例における図７に対応する部分を示す斜視図である。

　以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
　まず、本発明の一実施の形態における温水装置の構成について説明する。

　図１を参照して、本実施の形態の温水装置１００は、潜熱回収熱交換器（二次熱交換器）１０と、顕熱回収熱交換器（一次熱交換器）２０と、燃焼装置（バーナー）３０と、チャンバ３１と、送風装置３２と、ダクト３３と、ベンチュリ３４、オリフィス３５、ガスバルブ３６、配管４０と、バイパス配管４１と、三方弁４２と、液液熱交換器４３と、温水配管４４と、筐体５０とを主に有している。筐体５０の内部に、上記の部品のうち筐体５０を除く全ての部品が配置されている。

　送風装置３２は、筐体５０の外部から取り入れた空気と燃料ガスとの混合ガスを燃焼装置３０へ送出するためのものである。送風装置３２は、ファンケースと、ファンケース内に配置された羽根車と、羽根車を回転させるための駆動源（モータなど）とを有している。

　燃料ガスは、ガスバルブ３６とオリフィス３５とを通じてベンチュリ３４に流れる。ガスバルブ３６は燃料ガスの流量を制御するためのものである。筐体５０の外部から取り入れられた空気はベンチュリ３４に流れる。

　ベンチュリ３４にて燃料ガスと空気とが混合される。ベンチュリ３４は、燃料ガスと空気との混合ガスの流れを絞ることによって混合ガスの流速を増加させるものである。ベンチュリ３４を通過した混合ガスは送風装置３２によってチャンバ３１を通じて燃焼装置３０に送られる。

　燃焼装置３０は加熱用気体（燃焼ガス）を発生させるよう構成されている。燃焼装置３０は、顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０に燃焼ガスを供給するためのものである。燃焼装置３０は燃焼ガスを下向きに供給する逆燃式の装置である。燃焼装置３０から吹出される混合ガスはイグナイタ３０ａによって着火され、燃焼ガスとなる。

　燃焼ガスは顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０を順に通過する。その後、燃焼ガスはダクト３３を通じて筐体５０の外部へ排出される。したがって、燃焼ガスは、顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０の内部を上方から下方に向かって流れてからダクト３３の内部において方向を変えて下方から上方に向かって流れる。

　顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０の各々は、燃焼装置３０から供給された燃焼ガスによって熱交換を行うためのものである。燃焼装置３０の下に顕熱回収熱交換器２０が取付けられており、その顕熱回収熱交換器２０の下に潜熱回収熱交換器１０が取付けられている。

　顕熱回収熱交換器２０は燃焼ガスの顕熱回収用の熱交換器である。顕熱回収熱交換器２０は、燃焼装置３０が発生させた加熱用気体（燃焼ガス）の顕熱を回収する。潜熱回収熱交換器１０は燃焼ガスの潜熱回収用の熱交換器である。潜熱回収熱交換器１０は、加熱用気体（燃焼ガス）の潜熱を回収する。潜熱回収熱交換器１０において燃焼ガスの水蒸気が凝縮し、凝縮した水（ドレン）が発生する。このドレンは、ダクト３３の一部を通って、筐体５０の外部へ排水される。

　また、顕熱回収熱交換器２０においても入水する湯水の温度が低い場合、または燃焼装置３０の加熱量が少ない場合などにおいて、ドレンが発生する。このドレンは潜熱回収熱交換器１０を経由してダクト３３の一部を通って、筐体５０の外部へ排水される。

　顕熱回収熱交換器２０と潜熱回収熱交換器１０とは配管４０で接続されている。潜熱回収熱交換器１０よりも入水側の配管４０の部分と、顕熱回収熱交換器２０よりも出湯側の配管４０の部分とはバイパス配管４１によりバイパスされている。

　顕熱回収熱交換器２０よりも出湯側の配管４０の部分とバイパス配管４１とは三方弁４２で接続されている。三方弁４２は、顕熱回収熱交換器２０から配管４０の出湯口への流路と、顕熱回収熱交換器２０からバイパス配管４１への流路とを切り替え可能に構成されている。

　バイパス配管４１には液液熱交換器４３が接続されている。液液熱交換器４３には、温水端末に接続された温水配管４４が挿入されている。液液熱交換器４３の内部には顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０を通って温められた温水が流れている。この液液熱交換器４３の内部を流れる温水が温水配管４４の外側を流れることにより、液液熱交換器４３の内部を流れる温水と温水配管４４の内部を流れる温水との間で熱交換を行うことが可能となる。

　上記の温水装置１００に供給された水は、顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０において燃焼ガスと熱交換をして湯となる。これにより温水装置１００によって湯を供給することが可能となる。

　温水端末から戻ってきた温水は、温水配管４４を通って、液液熱交換器４３において顕熱回収熱交換器２０および潜熱回収熱交換器１０で温められた温水との熱交換により温められてから、再び温水端末に供給される。このようにして、温水装置１００によって温水端末に温水を供給することが可能となる。

　上記の温水装置１００の潜熱回収熱交換器１０に本実施の形態のプレート式熱交換器が適用される。

　次に、図２および図３を参照して、本実施の形態の熱交換器セットの構成について説明する。熱交換器セットは、潜熱回収熱交換器１０と、顕熱回収熱交換器２０と、シール部材６０とを有している。潜熱回収熱交換器１０の上にシール部材６０を介して顕熱回収熱交換器２０が配置されている。つまり、潜熱回収熱交換器１０と、顕熱回収熱交換器２０との間にシール部材６０が挟まれている。シール部材６０は環状に構成されている。またシール部材６０は平板状に構成されている。

　顕熱回収熱交換器（一次熱交換器）２０は、ケース２１と、ヘッダ２２と、伝熱管２３とを主に有している。ケース２１は第１側壁２１ａ～第４側壁２１ｄを有している。第１側壁２１ａ～第４側壁２１ｄは、第１側壁２１ａ～第４側壁２１ｄの順に接続されている。ケース２１は上下に開口を有する枠を構成している。上側の開口を通って燃焼ガスが給気され、下側の開口を通って燃焼ガスが排気される。第１側壁２１ａと第３側壁２１ｃとは互いに向かい合っており、第２側壁２１ｂと第４側壁２１ｄとは互いに向かい合っている。

　第１側壁２１ａの外面にヘッダ２２が設けられている。第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２には、入水側の継手２４ａおよび出湯側の継手２４ｂが取り付けられている。第３側壁２１ｃの外面にも図示しないヘッダ２２が設けられている。

　第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２と、第３側壁２１ｃの外面に設けられたヘッダ２２とは複数の伝熱管２３で接続されている。複数の伝熱管２３は、第１側壁２１ａ～第４側壁２１ｄにより取り囲まれた領域内ならびに第２側壁２１ｂおよび第４側壁２１ｄにそれぞれ設けられている。伝熱管２３は、伝熱管２３に湯水を入水するための入水部を有している。この入水部は、伝熱管２３に最初に湯水が入水する部分である。

　入水側の継手２４ａから入水した湯水は、第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２から図示しない伝熱管２３を通って第３側壁２１ｃの外面に設けられたヘッダ２２に達する。第３側壁２１ｃの外面に設けられたヘッダ２２に達した湯水は、当該ヘッダ２２に接続された隣接する伝熱管２３を通って第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２に達する。第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２に達した湯水は、当該ヘッダに接続された隣接する伝熱管２３を通って第３側壁２１ｃの外面に設けられたヘッダ２２に達する。

　さらに、湯水は、第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２と第２側壁２１ｂの外面に設けられたヘッダ２２とを伝熱管２３を通って往復する。最後に、湯水は、出湯側の継手２４ｂから出湯する。このようにして、入水側の継手２４ａから流入した湯水は、第１側壁２１ａの外面に設けられたヘッダ２２、伝熱管２３、第３側壁２１ｃの外面に設けられたヘッダ２２を通って出湯側の継手２４ｂから流出する。

　図２および図３を参照して、潜熱回収熱交換器（二次熱交換器）１０は、熱交換部１１と、ケース１２と、フランジ部材１３と、継手部１４とを主に有している。顕熱回収熱交換器２０のケース２１の幅寸法は、潜熱回収熱交換器１０のケース１２の幅寸法よりも大きい。

　図３～図５を参照して、熱交換部１１は、前板部１１ａと、複数の伝熱プレート１１ｂと、背板部１１ｃとを有している。前板部１１ａおよび背板部１１ｃは、複数の伝熱プレート１１ｂを挟み込むように配置されている。

　前板部１１ａは、熱交換部１１の最外層に設けられている。前板部１１ａは複数の伝熱プレート１１ｂのうち最前に配置された伝熱プレート１１ｂの前面にろう付けされている。前板部１１ａの板厚は伝熱プレート１１ｂの板厚よりも厚い。これにより、前板部１１ａは伝熱プレート１１ｂを補強することができる。

　背板部１１ｃは、複数の伝熱プレート１１ｂに対して前板部１１ａと反対側において熱交換部１１の最外層に設けられている。背板部１１ｃは複数の伝熱プレート１１ｂのうち最後に配置された伝熱プレート１１ｂの後面にろう付けされている。背板部１１ｃの板厚は伝熱プレート１１ｂの板厚よりも厚い。これにより、背板部１１ｃは伝熱プレート１１ｂを補強することができる。

　図５および図６を参照して、複数の伝熱プレート１１ｂは互いに積層されている。つまり、複数の伝熱プレート１１ｂの各々の伝熱プレート１１ｂは、前板部１１ａおよび背板部１１ｃが対向する方向に互いに重なり合うように配置されている。

　前板部１１ａは、複数の伝熱プレート１１ｂが積層された方向において一方端（第１端）に配置された伝熱プレート１１ｂに接合されており、背板部１１ｃは複数の伝熱プレート１１ｂが積層された方向において他方端（第２端）に配置された伝熱プレート１１ｂに接合されている。

　複数の伝熱プレート１１ｂの互いに隣り合う伝熱プレート１１ｂ同士はろう付けされている。複数の伝熱プレート１１ｂの互いに隣り合う一対の伝熱プレート１１ｂの間は、湯水を通す流路を構成している。

　複数の伝熱プレート１１ｂの互いに隣り合う一対の伝熱プレート１１ｂ同士の間の空間は燃焼ガスを通す流路を構成している。また、一対の伝熱プレート１１ｂと前板部１１ａとの間の空間、および一対の伝熱プレート１１ｂと背板部１１ｃとの間の空間の各々も、燃焼ガスを通す流路を構成している。これにより、潜熱回収熱交換器（二次熱交換器）１０を通る湯水と燃焼ガスとの間で熱交換が可能となる。

　伝熱プレート１１ｂは、平面視においてたとえば略矩形の外形を有している。伝熱プレート１１ｂは、たとえば１枚の平板をプレス加工などすることにより形成されている。伝熱プレート１１ｂは、上記の加工により形成された流路用凹凸を有している。伝熱プレート１１ｂの流路用凹凸は、複数の流路用凸部と、複数の流路用凹部とを有している。複数の伝熱プレート１１ｂが重ね合わせられることで、複数の流路用凸部および複数の流路用凹部により、一対の伝熱プレート１１ｂの間に湯水を通す流路が構成され、一対の伝熱プレート１１ｂ同士の間の空間に燃焼ガスを通す流路が構成される。

　一対の継手部１４は前板部１１ａに取り付けられている。継手部１４は、複数の伝熱プレート１１ｂに湯水を流出入させるためのものである。最上層の伝熱プレート１１ｂは、前板部１１ａを介して一対の継手部１４に接続されている。一対の継手部１４の各々は、配管を接続するための継手である。一対の継手部１４の各々の流路は、複数の伝熱プレート１１ｂの各々の内部流路に接続されている。

　一対の継手部１４の一方に接続される配管は、湯水を一対の伝熱プレート１１ｂの各々の内部流路内に流入させるための配管である。一対の継手部１４の他方に接続される配管は、一対の伝熱プレート１１ｂの各々の内部流路内から湯水を流出させるための配管である。

　また複数の伝熱プレート１１ｂの各々には、貫通孔が設けられている。この貫通孔の各々は、一対の伝熱プレート１１ｂの内部流路に連通している。この貫通孔は、継手部１４の真下に配置されている。この貫通孔は、継手部１４内の流路に連通している。したがって、入水側の継手部１４から入水した湯水は、一対の伝熱プレート１１ｂの各々の内部流路内を流れてから出湯側の継手部１４から出湯する。

　ケース１２は熱交換部１１の複数の伝熱プレート１１ｂを収容する。熱交換部１１の前板部１１ａは、ケース１２の一部を構成している。前板部１１ａとケース１２とは、上下に開口を有する枠を構成している。上側の開口を通って燃焼ガスが給気され、下側の開口を通って燃焼ガスが排気される。前板部１１ａとケース１２とは、複数の伝熱プレート１１ｂの周囲を取り囲んでいる。

　ケース１２は、背壁部１２ａと、一対の側壁部１２ｂとを有している。背壁部１２ａは、前板部１１ａとの間に複数の伝熱プレート１１ｂを挟むように配置されている。背壁部１２ａは複数の伝熱プレート１１ｂを挟んで前板部１１ａと反対側に配置されている。一対の側壁部１２ｂは、背壁部１２ａの両端から前板部１１ａに向かって延びている。一対の側壁部１２ｂはそれぞれ前板部１１ａに接合されている。

　前板部１１ａの両端部は、前板部１１ａの表面（主面）に交差する方向に折り曲げられている。前板部１１ａの両端部は、前板部１１ａの表面（主面）に対して直角に折り曲げられていることが好ましい。前板部１１ａの両端部は一対の側壁部１２ｂの各々の内面に沿うように延在している。前板部１１ａの両端部の外面は一対の側壁部１２ｂの各々の内面に接合されている。具体的には、前板部１１ａの両端部の外面は、一対の側壁部１２ｂの各々の前端部の内面に溶接されている。前板部１１ａの両端部が一対の側壁部１２ｂの各々の内面に沿っているため、前板部１１ａの両端部を一対の側壁部１２ｂの各々の内面に溶接することが容易となる。

　図４および図７を参照して、フランジ部材１３は、ケース１２の上端部１２ｃに配置されている。フランジ部材１３は環状に構成されている。フランジ部材１３は、張出部１３ａと、開口部１３ｂと、立ち上がり結合部１３ｃとを有している。張出部１３ａは、ケース１２の上端部１２ｃからケース１２の外側に張り出している。開口部１３ｂは張出部１３ａの内側に設けられている。張出部１３ａは、開口部１３ｂを取り囲むように設けられている。

　張出部１３ａは、第１段部と、第１段部の外側に配置された第２段部とを有している。つまり、第１段部は開口部１３ｂ側に配置されている。第２段部は、第１段部に対して開口部１３ｂと反対側に配置されている。第２段部は第１段部よりも上方に配置されている。立ち上がり結合部１３ｃは、開口部１３ｂに沿って張出部１３ａから上方に立ち上がるように構成されている。ケース１２の上端部１２ｃは開口部１３ｂに挿入されている。立ち上がり結合部１３ｃは、開口部１３ｂに挿入されたケース１２の上端部１２ｃに外側から接合されている。具体的には、立ち上がり結合部１３ｃは、ケース１２の上端部１２ｃに溶接されている。

　立ち上がり結合部１３ｃは、周壁部１３ｃ１と、第１切欠き部１３ｃ２とを有している。周壁部１３ｃ１は開口部１３ｂを取り囲むように設けられている。第１切欠き部１３ｃ２は周壁部１３ｃ１の上縁に設けられている。したがって、立ち上がり結合部１３ｃは、第１切欠き部１３ｃ２において高さが低くなっている。ケース１２は、ケース１２の上端部１２ｃの上縁に設けられた第２切欠き部１２ｄを含んでいる。したがって、ケース１２の上端部１２ｃは、第２切欠き部１２ｄにおいて高さが低くなっている。第１切欠き部１３ｃ２は第２切欠き部１２ｄに重なるように配置されている。つまり、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄは互いに連通するように配置されている。

　開口部１３ｂは、フランジ部材１３を上方から見たときに、四角形状を有している。第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄは、開口部１３ｂの四隅にそれぞれ設けられている。

　図８を参照して、顕熱回収熱交換器２０のケース２１内に複数のフィン２５が収容されている。複数のフィン２５は互いに間隔を隔てて積層配置されている。複数のフィン２５の各々には貫通孔２５ａが形成されている。この貫通孔２５ａは複数のフィン２５が積層された方向に重なるように配置されている。伝熱管２３は複数のフィン２５の各々の貫通孔２５ａに挿入されている。伝熱管２３の入水部２３ａは、図８中においてケース２１の右下部分に配置されている。

　図７に示すフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅にそれぞれ設けられた第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄのいずれか１つずつは、図８に示す伝熱管２３の入水部２３ａの真下に配置されている。

　図８に示すように、顕熱回収熱交換器２０では、伝熱管２３へ入水する湯水の温度が低い場合、または燃焼装置３０の加熱量が少ない場合などにおいて、ドレンが発生する。このドレンは、潜熱回収熱交換器１０に流入する。なお、フランジ部材１３の張出部１３ａの第２段部にシール部材６０が載置されている。

　図９を参照して、顕熱回収熱交換器２０から潜熱回収熱交換器１０に流入したドレンはフランジ部材１３の上面に滞留する。第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄが設けられているため、ドレンは第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄからケース１２の内側に流れ落ちる。

　次に、本実施の形態の作用効果について比較例と対比して説明する。
　まず、図１０および図１１を参照して、比較例１について説明する。比較例１の潜熱回収熱交換器１０では、熱交換部１１を収容するケース１２は、前側部材１２１と後側部材１２２とに分割可能に構成されている。前側部材１２１と後側部材１２２との境界において、前側部材１２１と後側部材１２２とは互いに図示しないビスで固定される。つまり、比較例１の潜熱回収熱交換器１０では、熱交換部１１とケース１２とは別体である。このため、熱交換部１１の前板部１１ａと、ケース１２の前側部材１２１とがそれぞれ設けられている。これにより、部材の数が多くなる。

　さらに、ケース１２の前側部材１２１と後側部材１２２との境界における隙間を封止するために図示しないパッキン等のシール部材が必要となる。

　また、比較例１の潜熱回収熱交換器１０では、図示しない継手部は、熱交換部１１の前板部１１ａではなく、ケース１２の前側部材１２１に取り付けられる。具体的には、伝熱プレート１１ｂには湯水を流出入するための管１１ｄが接続されている。この管１１ｄは、ケース１２の前側部材１２１に形成された貫通孔１２１ａに挿入されている。また、この管１１ｄは継手部にも挿入される。つまり、継手部は管１１ｄが挿入された状態でケース１２の前側部材１２１に取り付けられる。そのため、継手部とケース１２の前側部材１２１との隙間を封止するために図示しないパッキン等のシール部材が必要となる。

　続いて、図１２および図１３を参照して、比較例２について説明する。比較例２の潜熱回収熱交換器１０では、本実施の形態の第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄが設けられていない。そのため、顕熱回収熱交換器２０から潜熱回収熱交換器１０に流入したドレンはフランジ部材１３の上面に滞留する。フランジ部材１３の立ち上がり結合部１３ｃの上縁までドレンが滞留するため、ドレンの水面の高さが高くなる。このため、ドレンがフランジ部材１３の外側を通って潜熱回収熱交換器１０の外部に漏れることがある。

　比較例１に対して、本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、図５に示すように、熱交換部１１の前板部１１ａがケース１２の一部を構成しているため、熱交換部１１の前板部１１ａをケース１２に共用することができる。このため、部材の数を削減することができる。

　また、本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、継手部１４が前板部１１ａに取り付けられているため、継手部１４と前板部１１ａとの間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となる。さらに、継手部１４と前板部１１ａとの間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール不良により継手部１４と前板部１１ａとの間の隙間から加熱用気体（燃焼ガス）が潜熱回収熱交換器１０の外部に漏れるおそれがない。したがって、シール性を向上させることができる。

　本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、前板部１１ａとの間に複数の伝熱プレート１１ｂを挟むように配置された背壁部１２ａの両端から前板部１１ａに向かって延びる一対の側壁部１２ｂはそれぞれ前板部１１ａに接合されている。このため、前板部１１ａと一対の側壁部１２ｂとの間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となる。さらに、前板部１１ａと一対の側壁部１２ｂとの間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール不良によりと前板部１１ａと一対の側壁部１２ｂとの間の隙間から加熱用気体（燃焼ガス）が潜熱回収熱交換器１０の外部に漏れるおそれがない。また、前板部１１ａと一対の側壁部１２ｂとの間の隙間を封止するためにパッキン等のシール部材が不要となるため、シール部材を取り付ける作業が不要となる。したがって、潜熱回収熱交換器１０の組み立てが容易となる。

　本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、図３に示すように、ケース１２の上端部１２ｃからケース１２の外側に張り出した張出部１３ａは、開口部１３ｂを取り囲むように設けられている。このため、開口部１３ｂを取り囲むように張出部１３ａにシール部材６０を載置することができる。これにより、開口部１３ｂを取り囲むように封止することができる。

　本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、図４および図５に示すように、フランジ部材１３の立ち上がり結合部１３ｃは、開口部１３ｂに挿入されたケース１２の上端部１２ｃに外側から接合されている。このため、立ち上がり結合部１３ｃをケース１２の上端部１２ｃに溶接することが容易となる。

　比較例２に対して、本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、図７および図９に示すように、立ち上がり結合部１３ｃの周壁部１３ｃ１の上縁に設けられた第１切欠き部１３ｃ２は、ケース１２の上端部１２ｃの上縁に設けられた第２切欠き部１２ｄに重なるように配置されている。このため、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄからドレンを開口部１３ｂに流すことができる。これにより、ドレンの排出が容易となる。

　本実施の形態の潜熱回収熱交換器１０によれば、図４および図５に示すように、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄは、開口部１３ｂの四隅にそれぞれ設けられている。このため、フランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅を切って立ち上げることにより第１切欠き部１３ｃ２を製造することができる。したがって、第１切欠き部１３ｃ２の製造が容易となる。

　本実施の形態の温水装置１００は、図１に示すように、燃焼装置３０と、顕熱回収熱交換器２０と、上記の潜熱回収熱交換器１０とを備えているため、熱交換器の部材の数を削減することができる温水装置を提供することができる。

　本実施の形態の温水装置１００によれば、図８に示すように、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄは伝熱管２３の入水部の真下に配置されている。このため、ドレンの発生し易い入水部の真下に第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄを配置することができるので、ドレンを効率的に排出することができる。

　次に、図１４を参照して、本実施の形態の変形例として、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅以外に設けられた構成について説明する。

　本実施の形態の変形例では、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの隅と隅との間の部分に設けられている。つまり、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの隅と隅との間の辺に設けられている。第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄはそれぞれ少なくとも１つ設けられていればよい。すなわち、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄは単数および複数のいずれであってもよい。

　なお、これ以外の本実施の形態の変形例の構成は、本実施の形態の構成と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。

　本実施の形態の変形例によれば、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄをフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅以外の任意の位置に配置することができる。これにより、フランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅以外からドレンを排出することができる。

　上記の本実施の形態では第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅に設けられている構成について説明し、本実施の形態の変形例では第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅以外に設けられている構成について説明した。しかしながら、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄの配置はこれらに限定されない。また、第１切欠き部１３ｃ２および第２切欠き部１２ｄがフランジ部材１３の開口部１３ｂの四隅に加えて四隅以外にも設けられていてもよい。

　なお、上記の本実施の形態および変形例においては、熱交換部１１は、前板部１１ａと最前に配置された伝熱プレート１１ｂの前面との間に湯水を流して熱交換可能に構成されていてもよい。

　今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　１０　潜熱回収熱交換器、１１　熱交換部、１１ａ　前板部、１１ｂ　伝熱プレート、１１ｃ　背板部、１２　ケース、１２ａ　背壁部、１２ｂ　側壁部、１２ｃ　上端部、１２ｄ　第２切欠き部、１３　フランジ部材、１３ａ　張出部、１３ｂ　開口部、１３ｃ　立ち上がり結合部、１３ｃ１　周壁部、１３ｃ２　第１切欠き部、１４　継手部、２０　顕熱回収熱交換器、２２　ヘッダ、２３　伝熱管、３０　燃焼装置、３１　チャンバ、３２　送風装置、３３　ダクト、３４　ベンチュリ、３５　オリフィス、３６　ガスバルブ、４０　配管、４１　バイパス配管、４２　三方弁、４３　液液熱交換器、４４　温水配管、５０　筐体、６０　シール部材、１００　温水装置。

Claims

　互いに積層された複数の伝熱プレートを有する熱交換部と、
　前記熱交換部の前記複数の伝熱プレートを収容するケースとを備え、
　前記熱交換部は、前記熱交換部の最外層に設けられた前板部を含み、
　前記熱交換部の前記前板部は、前記ケースの一部を構成している、熱交換器。
　前記前板部に取り付けられており、かつ前記複数の伝熱プレートに湯水を流出入させるための継手部をさらに備えた、請求項１に記載の熱交換器。
　前記ケースは、前記前板部との間に前記複数の伝熱プレートを挟むように配置された背壁部と、前記背壁部の両端から前記前板部に向かって延びる一対の側壁部とを含み、
　前記一対の側壁部はそれぞれ前記前板部に接合されている、請求項１または２に記載の熱交換器。
　前記ケースの上端部に配置されたフランジ部材をさらに備え、
　前記フランジ部材は、前記上端部から前記ケースの外側に張り出した張出部と、前記張出部の内側に設けられた開口部とを含み、
　前記張出部は、前記開口部を取り囲むように設けられている、請求項１～３のいずれか１項に記載の熱交換器。
　前記フランジ部材は、前記開口部に沿って前記張出部から上方に立ち上がる立ち上がり結合部を含み、
　前記ケースの前記上端部は前記開口部に挿入されており、
　前記立ち上がり結合部は、前記開口部に挿入された前記ケースの前記上端部に外側から接合されている、請求項４に記載の熱交換器。
　前記立ち上がり結合部は、前記開口部を取り囲む周壁部と、前記周壁部の上縁に設けられた第１切欠き部とを含み、
　前記ケースは、前記ケースの前記上端部の上縁に設けられた第２切欠き部を含み、
　前記第１切欠き部は前記第２切欠き部に重なるように配置されている、請求項５に記載の熱交換器。
　前記開口部は、前記フランジ部材を上方から見たときに、四角形状を有しており、
　前記第１切欠き部および前記第２切欠き部は、前記開口部の四隅にそれぞれ設けられている、請求項６に記載の熱交換器。
　加熱用気体を発生させる燃焼装置と、
　前記燃焼装置が発生させた前記加熱用気体の顕熱を回収する顕熱回収熱交換器と、
　前記加熱用気体の潜熱を回収する潜熱回収熱交換器として、請求項１～６のいずれか１項に記載の熱交換器とを備えた、温水装置。
　加熱用気体を発生させる燃焼装置と、
　前記燃焼装置が発生させた前記加熱用気体の顕熱を回収する顕熱回収熱交換器と、
　前記加熱用気体の潜熱を回収する潜熱回収熱交換器として、請求項７に記載の熱交換器とを備え、
　前記顕熱回収熱交換器は、湯水を流すための伝熱管を含み、
　前記伝熱管は、前記伝熱管に湯水を入水するための入水部を含み、
　前記開口部の四隅にそれぞれ設けられた前記第１切欠き部および前記第２切欠き部のいずれか１つずつは、前記入水部の真下に配置されている、温水装置。