WO2017098934A1 - レーザ計測システム及びレーザ計測方法 - Google Patents

レーザ計測システム及びレーザ計測方法 Download PDF

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尚宏 宮作
優太 塩谷
麻衣 平瀬
和希子 湯田
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Abstract

【課題】レーザ計測における水平位置の計測誤差を、対標を用いることなく、簡便かつ高精度に算出すること。 【解決手段】レーザ計測システムは、レーザ計測装置と算出装置とを有する。上記レーザ計測装置は、地上にレーザ光を照射し、上記地上からの反射光によって上記レーザ光のフットプリントの位置を計測可能である。上記算出装置は、上記レーザ計測装置から照射され上記地上の構造物の三面角部における隣接する第1の面、第2の面及び第3の面にそれぞれ反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を基に、上記三面角部の頂点の水平位置座標を算出可能である。さらに算出装置は、当該算出された上記三面角部の頂点の水平位置座標と別途計測された上記三面角部の頂点の水平位置座標との差から、上記フットプリントの位置の誤差を算出可能である。

Description

レーザ計測システム及びレーザ計測方法
 本発明は、例えば航空機等の移動体を用いたレーザ計測システム及び当該システムにおけるレーザ計測方法に関する。
 従来、航空機から地上に向けレーザ光を照射し、地上から反射してきたレーザ光のフットプリント(レーザ光の地上における照射点あるいは反射点)の三次元位置座標(水平方向の座標(x,y)及び高さ方向の座標(z))を計測する航空レーザ計測が行われている。航空レーザ計測では、地上に向けて照射されたパルス状のレーザ光が地表面(地表に存在する地物を含む)で反射して戻ってくるまでの往復時間を計測する。そして、航空機の三次元の位置と姿勢、レーザ光の往復時間、ミラーの回転角(レーザ光の照射角度)から地表又は地物までの距離を求め、レーザ光のフットプリントの座標を計算する。
 この航空レーザ計測においては、高さ方向の座標の精度については厳格な管理がなされているが、水平方向の座標の精度については高さ方向と同様の管理がなされていないのが実情である。
 これは、航空機等の移動体を用いたレーザ計測システムにおけるレーザ光は、予め決まった位置に命中するように制御されるものではなく、航空機等が移動中に揺動を受ける中で、地上に機械的かつ断続的に照射されるものであるため、レーザ光のフットプリントの位置には偶然性が伴うこと、また航空レーザ計測に用いられるレーザ光は一般に非可視(例えば、近赤外波長)であるため、フットプリントの位置を直接特定することはできず、航空機の三次元の位置と姿勢、レーザ光の往復時間、ミラーの回転角(レーザ光の照射角度)といった間接的な情報を基にした事後解析によって推定せざるを得ないといった理由等による。ただし、高さ方向については、別途の測量によって高さが分かっている平坦な場所において精度の管理ができる。なぜならば、推定されたフットプリントの水平位置が真の位置(実際にレーザ光が照射された位置)から外れていたとしても、平坦な場所であれば高さの値は変わらず同じとみなすことができるため、その真の位置における高さの値を使って高さに関する精度の管理ができるからである。
 その結果、日本国の国土地理院が定めた公共測量作業規程準則(平成20年3月31日全部改正、平成25年3月29日一部改正)では、標高についての規程があるだけで、水平位置についての規程は定められていない。
 航空レーザ計測は、直接的に標高(地形)を取得する測量技術と位置づけられているが、水平位置についての精度管理がなされていないと、その結果を、DM(Digital Mapping)などの数値地形図と重ねてGIS(Geographic Information System)上の電子地図として利用する上で、異なる地図間での位置的な整合がとれないため、それらの地図を重ね合わせて得られる情報の信頼性が揺らいでしまう。また、急な斜面などでの地形変動を異なる時点(例えば土砂崩れ発生の前後時点)の計測結果の差分から求めるには、水平位置の誤差は結果に大きな影響を与えるため、水平位置についても適切な精度管理がなされなければならない。
 上記水平位置を精度管理する手法としては、例えば以下の(1)~(4)に示すような手法が挙げられる(下記非特許文献1~4参照)。
(1)この手法は、建物などの構造物における輪郭や切妻屋根の棟などでエッジがはっきりしている場所に注目し、あるいはレーザ光の点群から発生させた段彩図や等高線図から決定されるエッジを用いて、二時点に計測したレーザ計測結果が重なるよう水平位置を調整する手法である。すなわち、当該手法は相対的な位置合わせである。
(2)この手法は、レーザ光の点群から発生させた建物などの輪郭等のエッジを使い、既存図面と比較し、水平位置の誤差を評価する手法である。
(3)この手法は、建物などの輪郭等のエッジや電柱を用い、その位置座標を航空レーザ計測とは別の独立した測量等で決定し、水平位置の誤差を評価する手法である。この手法は、米国における航空レーザの水平位置の誤差評価のガイドライン(下記非特許文献5参照)に採用されている。
(4)この手法は、等高線などで地形形状を表現し、等高線の屈曲している箇所などの特徴的な箇所を用いて、二時点に計測したレーザ計測結果が重なるように水平位置を調整する手法である。すなわち、当該手法は相対的な位置合わせである。
 しかしながら、上記(1)~(3)のように輪郭等を用いる手法では、レーザの点間隔の大きさに応じて輪郭位置に曖昧性があり、正確性が低下しやすい。下記非特許文献6によれば、建物の輪郭を用いる手法では、レーザの点間隔が50cmの場合に較差が50cm程度ある。
 また、電柱を用いる場合は、下記非特許文献7によれば、レーザの点間隔の影響はなくとも、レーザ位置は電柱側面の位置として得られるのに対して、電柱位置は電柱の中心位置として与えられるため、30cm程度の較差として現れることが報告されている。
 また、(4)の手法に関しては、等高線の形状は、等高線を発生させる元データの点群の配置、間隔に依存する一方、二時点のレーザ計測において、点群の配置、間隔を一致させることはできず、等高線だけから明瞭な特徴点がどこでも多く得られるわけでもない。また、等高線の形状から位置合わせができたとしても二時点の相対的な位置合わせにすぎず、絶対的水平位置が評価・調整されているわけではないため、様々な地理空間情報との重ね合わせに供することができない。
 ところで、地上のどこにレーザ光が当たっているのか、つまり、レーザ光のフットプリントの位置を直接捉えることができれば、その場所の座標をGNSS(Global Navigation Satellite System)等の別の独立した手法で計測し、検証点とすることで、レーザ計測の水平位置精度を検証することができる。
 レーザ光のフットプリントを捉える方法としては、フォトダイオードを地面に敷き詰めて、航空機から瞬間的に照射されたレーザ光のフットプリントの位置と大きさを、レーザ光の照射のタイミングにおいてフォトダイオード上で励起される電圧変動から知る方法が考えられる。しかしこれは、高価な仕組みとなり、実際の計測作業における水平位置の精度を評価する手段としては、水平位置の精度を評価する箇所(以下、検証点)に複数(例えば20程度)配置することが必要であるため、経済的に実現性に乏しい。
 また、レーザ計測に用いる波長領域(一般に赤外線領域)の光を感知できる赤外線カメラで、地上を動画撮影し、レーザ計測の時間帯においてフットプリントの発生状況をモニター撮影し、撮影した動画からフットプリント地点を判定し、その地点の位置を決定する方法も考えられる。しかし、赤外線カメラは、フォトダイオードの場合と同様に高価であり、実際の計測作業における水平位置の精度を評価する手段としては経済的に実現性に乏しい。
 さらに、フォトダイオードや赤外線カメラではなく、エッジや輪郭の抽出が可能な人工物を地表に置き、その人工物に当ったレーザ光のフットプリントを判別し、そのXYZ計測値から従前の方法と同様にして水平位置を評価する方法があり得る。しかし、これには、レーザ光のフットプリントの間隔によっては相当な大きさのピラミッド状の人工物を用意することが必要であり(例えばフットプリント間隔が50cm程度の場合に、一つの面を特定するには最低3点のフットプリントを得ることが必要となる。ピラミッド形状の人工物はそのような面を3~4つで構成する必要があり、空間的を占める面積・高さとも大きくなる。)、検証点となる箇所に複数配置することを前提とすると実現性に乏しい。
 このような既存技術の問題点に関連して、下記特許文献1には、レーザ光を照射し、反射光によって、反射物体の位置を計測するレーザ計測装置と、上記レーザ計測装置から照射されたレーザ光を反射するマーカを有する校正装置と、上記レーザ計測装置を校正するための計算をする計算機と、を備える校正システムが記載されている。上記校正装置は、第1のマーカ、第2のマーカ及び第3のマーカを含む、少なくとも3つの上記マーカを有し、上記少なくとも3つのマーカは予め定められた相対的な位置関係で配置されている。上記レーザ計測装置は、各上記マーカの位置を計測し、上記計算機は、上記レーザ計測装置によって計測された第2のマーカの位置及び上記レーザ計測装置によって計測された第3のマーカの位置から上記第1のマーカの位置である参照位置を計算し、上記レーザ計測装置によって計測された第1のマーカの位置と、上記参照位置との差によって、上記レーザ計測装置の計測誤差を計算し、上記計算された計測誤差から、上記反射物体までの距離の関数を生成する。
特開2013-250110号公報
財団法人日本測量調査技術協会、「図解レーザ計測」、第5章:データ解析処理、<URL:http://www.sokugikyo.or.jp/publication/book/11.html> 国土地理院、「GIS次世代情報基盤の構築方法及び活用に関する調査研究」、<URL: http://www.gsi.go.jp/GIS/what-gis_gisedai6.html#5> 国土地理院、「航空レーザ測量の利用技術に関する研究」、<URL:http://www.gsi.go.jp/common/000022304.pdf> 朝日航洋、「航空レーザ測量の品質評価」、写真測量とリモートセンシング Vol.41, No.1, 2002、<URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsprs1975/41/1/41_1_21/_pdf> ASPRS LIDAR GUIDELINES: Horizontal Accuracy Reporting, <URL:http://www.asprs.org/a/society/committees/standards/Horizontal_Accuracy_Reporting_for_Lidar_Data.pdf> 国土地理院「航空レーザ測量の利用技術に関する研究」、<URL:http://www.gsi.go.jp/common/000022304.pdf> 中日本航空株式会社「既存航空レーザで^他を利用した河川縦横断測量業務」、<URL: http://archive.sokugikyo.or.jp/pdf/apa102_2010_08/APA1025.pdf>
 しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、計測誤差を算出するために少なくとも3つのマーカ(対標)が必要であり、地上に対標を設置することは、設置用地の確保、対標設置および回収の作業が強いられことから作業実施上の効率を下げる。また上述のように、対標が大きくなれば場所をとることから、いつでも、どこでも対標を設置できるとは限らない。特に、人が多く居住している都市部においては、対標を設置することは困難であることが多い。
 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、レーザ計測における水平位置の計測誤差を、対標を用いることなく、簡便かつ高精度に算出することが可能なレーザ計測システム、レーザ計測用反射体及びレーザ計測方法を提供することにある。
 上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るレーザ計測システムは、レーザ計測装置と算出装置とを有する。上記レーザ計測装置は、地上にレーザ光を照射し、上記地上からの反射光によって上記レーザ光のフットプリントの位置を計測可能である。上記算出装置は、上記レーザ計測装置から照射され上記地上の構造物の三面角部における隣接する第1の面、第2の面及び第3の面にそれぞれ反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を基に、上記三面角部の頂点の水平位置座標を算出可能である。さらに算出装置は、当該算出された水平位置座標と上記三面角部の頂点について別途計測された水平位置座標との差から、上記フットプリントの位置の誤差を算出可能である。
 上記反射光の計測値が正確であれば、上記反射光から算出される三次元位置座標を基に算出された三面角部の頂点の水平位置座標は、上記別途の測量で計測した真の水平位置座標と同じ値となるはずである。これにより算出装置は、上記算出した頂点の水平位置座標と別途の測量で計測した頂点の水平位置座標とを比較することで誤差を算出できる。したがって上記レーザ計測システムは、地上の構造物の三角錐形状部を用いることで、レーザ計測における水平位置の計測誤差を、対標を用いることなく、簡便かつ高精度に算出することができる。
 ここで、構造物の三面角部とは、典型的には、寄棟造(4方向に傾斜する屋根面)の屋根のうち隣接する3つの面で構成される部分であるが、三角錐形状の屋根の全ての面であってもよいし、モニュメント等の屋根以外の構造物における3つの面が交わった部分であってもよい。さらに、角柱形状の構造物(ビル等)の上面及び隣接する2つの側面が集合した隅部も三面角部となり得る。また上記別途計測とは、例えば上記構造物を含む航空写真上における座標の選定や現地測量である。
 上記算出装置は、上記三面角部におけるフットプリントの点群データまたは上記レーザ計測装置によって撮像された航空写真上の上記三面角部の画像データを基に検出された、上記第1の面、第2の面及び第3の面の各境界線となる各エッジから、所定距離以上離れた位置に反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を、上記三面角部の頂点の水平位置座標の算出に用いてもよい。
 これによりレーザ計測システムは、第1の面、第2の面及び第3の面の境界付近のフットプリント、すなわち、どの面に存在するか判別しがたいフットプリントを、三面角部の水平位置座標の算出処理から除外することで、当該算出処理に精度を高めることができる。
 上記算出装置は、上記第1の面、第2の面及び第3の面それぞれにおける少なくとも3つの上記反射光から算出される各三次元位置座標を基に、最小二乗法を用いて上記第1の面、第2の面及び第3の面を近似する式をそれぞれ算出し、当該各式を基に、上記三面各部の3つの稜線を示す第1の直線、第2の直線及び第3の直線の式をそれぞれ算出し、当該各式を基に上記三面角部の頂点の水平位置座標を算出してもよい。
 これによりレーザ計測システムは、第1の面、第2の面及び第3の面それぞれにおける少なくとも3つの反射光の三次元位置座標を基に3つの面が交差する各稜線の式を算出し、当該各稜線の式から三面角部の水平位置座標を算出することができる。
 上記算出装置は、上記第1の直線と第2の直線の双方に直交する第1の線分の中点と、上記第2の直線と第3の直線の双方に直交する第2の線分の中点と、上記第1の直線と第3の直線の双方に直交する第3の線分の中点を算出し、上記各中点を各頂点とする三角形の重心の水平位置座標を上記三面角部の頂点の水平位置座標として算出してもよい。
 上記反射光から算出される各三次元位置座標を基にした演算により算出される第1の直線、第2の直線及び第3の直線は、実際の三面角部の稜線とは異なり、交点を共有することなく三次元的にすれ違う形で交差することになる。そこでレーザ計測システムは、当該3つの直線の交点に近似する点を、上記各直線に直交する各線分の中点を各直線の近似交点とみなし、3つの近似交点を頂点とする三角形の重心を、3つの直線の交点の近似点、すなわち、三面角部の頂点の近似点とみなしてその水平位置を算出することができる。
 上記算出装置は、上記各中点を各頂点とする三角形の外接円の半径を算出し、当該算出された半径が所定の閾値以上である場合に、上記三角形の重心の水平位置座標を異常値と判定してもよい。
 これによりレーザ計測システムは、上記外接円の半径が閾値以上である場合には、第1の直線、第2の直線及び第3の直線のうち少なくとも1つの式が正しく算出されなかった等のエラーが生じていると判断し、上記重心の水平位置座標を異常値と判定することで、例えばそれらの算出に用いられた各面の反射光とは異なる反射光を用いて計算をし直す等の処置を行うことができる。
 上記三面角部は、所定のエリアに複数設置されてもよい。この場合上記算出装置は、上記複数の三面角部に関する複数の上記誤差をそれぞれ算出し、当該算出された複数の誤差の平均誤差を算出してもよい。
 これによりレーザ計測システムは、所定のエリア(例えばある地点から数km圏内)に存在する複数の三面角部を用いて平均誤差を算出することで、当該所定のエリアにおけるレーザ計測結果が全体的にどの程度真の値からずれていたかを把握することができる。
 上記算出装置は、上記算出された平均誤差によって上記レーザ計測装置による計測結果を補正してもよい。
 これによりレーザ計測システムは、平均誤差を用いることで、所定のエリアにおける各計測値を全体的に真の値に近づくように補正することができる。
 本発明の他の形態に係るレーザ計測方法は、
 地上にレーザ光を照射し上記地上からの反射光によって上記レーザ光のフットプリントの位置を計測可能なレーザ計測装置からレーザを照射し、
 上記レーザ計測装置から照射され上記地上の構造物の三面角部における隣接する第1の面、第2の面及び第3の面にそれぞれ反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を基に、上記三面角部の頂点の水平位置座標を算出し、
 上記算出された水平位置座標と上記三面角部の頂点について別途計測された水平位置座標との差から、上記フットプリントの位置の誤差を算出することを含む。
 以上説明したように、本発明によれば、レーザ計測における水平位置の計測誤差を、対標を用いることなく、簡便かつ高精度に算出することができる。しかし、この効果は本発明を限定するものではない。
本発明の一実施形態に係るレーザ計測システムの概要を示した図である。 上記レーザ計測システムにおけるデータ解析装置のハードウェア構成を示した図である。 上記レーザ計測システムにおいて検証対象となる構造物の三面角部を説明するための図である。 上記レーザ計測システムの動作の流れを示したフローチャートである。 上記レーザ計測システムによる、検証三角錐に反射したフットプリントの抽出処理を説明するための図である。 図4の検証三角錐の頂点座標の算出処理の詳細な流れを示したフローチャートである。 上記レーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 検証三角錐の各面が交差する棟の線の交点の算出処理を説明するための図である。 検証三角錐の各面が交差する棟の線の交点の算出処理を説明するための図である。 上記レーザ計測システムによる、検証三角錐の頂点の真位置と計算上の位置との誤差の評価結果を示した図である。 上記レーザ計測システムによる、構造物の側面の反射光を利用した変形例を説明するための図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。 本発明の変形例においてレーザ計測システムが検証三角錐の各面の方程式を算出するための行列で表現した式を示した図である。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[レーザ計測システムの構成]
 図1は、本発明の一実施形態に係るレーザ計測システムの概要を示した図である。
 同図に示すように、本システムは、航空機10と、データ解析装置100とを有する。
 航空機10は、予め計画された飛行コースに沿って飛行し、各種データを収集する。特に本実施形態においては、航空機10は、家屋やビル等の構造物1が多く存在する都市部を飛行する。
 航空機10には、レーザ測距装置11、GNSS受信機12及びIMU(慣性計測装置:Inertial Measurement Unit)13等の関連機器(図示せず)が搭載される。本実施形態では、これらレーザ測距装置11、GNSS受信機12及びIMU13をまとめてレーザ計測装置と称する場合もある。
 レーザ測距装置11は、航空機10の飛行中、同図に示す航空機10の進行方向に対して横方向にスキャンするように地上に向けてレーザ光を照射し、そのレーザ光の地上からの反射光を受光し、反射光の地上までの往復時間により地上までの距離を計測する。
 GNSS受信機12は、航空機10の三次元位置を計測する。この計測データと、地上のGNSS基準局(図示せず)で観測されたデータとにより航空機10の位置が算出される。
 IMU13は、航空機10の姿勢角(ω、φ、κ)を計測する。この計測値により、レーザ測距装置11から照射されたレーザ光の方向が補正(キャリブレーション)され、上記航空機10の詳細な位置座標が算出される。
 データ解析装置100は、航空機10上のレーザ計測装置によって計測された測距データ、GNSSデータ、及びIMUデータ(以下、これらをまとめてレーザ計測データとも言う)を基に、レーザ光1点ごとの水平座標値(x,y)及び高さ方向の座標値(z)を算出し、点群データを生成する。
 さらにデータ解析装置100は、上記点群データに対して各種点検処理やノイズ除去処理等を施し、三次元計測データを生成する。さらに当該三次元計測データがメッシュ処理等の加工を施されることで、DSM(Digital Surface Model:数値表層モデル)やDEM(Digital Elevation Model:数値標高モデル)といったメッシュデータが生成される。
 また、図示しないが、航空機10にはカメラが搭載されており、上記レーザ計測処理と並行して、上記飛行ルート上の航空写真が撮像される。
 上述のように、航空機1の飛行ルート上には、複数の構造物1が存在する。上記データ解析装置100は、構造物1が有する三面角部を検証対象として、当該三面角部に反射したレーザ光の三次元位置座標データを基に、上記レーザ計測処理における水平位置座標(x,y)の誤差を算出する。上記構造物1の三面角部の詳細については後述する。
[データ解析装置の構成]
 図2は、上記データ解析装置100のハードウェア構成を示した図である。データ解析装置100は、本システムにおける各種演算処理を実行する専用のハードウェアとして構成されてもよいが、本実施形態では、汎用のコンピュータ及び当該コンピュータ上で実行されるプログラムによって構成されている。
 同図に示すように、データ解析装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、入出力インタフェース150、及び、これらを互いに接続するバス140を備える。
 CPU110は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらデータ解析装置100の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM120は、CPU110に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM130は、CPU110の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
 入出力インタフェース150には、表示部160、操作受付部170、記憶部180、通信部190等が接続される。
 表示部160は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic ElectroLuminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。
 操作受付部170は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部170がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部160と一体となり得る。
 記憶部180は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
 特に本実施形態において、記憶部180には、上記航空機10を用いて収集されたレーザ計測データ(測距データ、GNSSデータ及びIMUデータ)が記憶され、それらのデータから生成された三次元計測データや、上記構造物1の三面角部を検証対象として算出された水平位置座標の誤差データ等も記憶される。上記レーザ計測データは、航空機10に設置された記憶装置から可搬性の記憶媒体を介してデータ解析装置100の記憶部180に取り込まれてもよいし、航空機10からデータ解析装置100へ送信され、通信部190を介して受信されて記憶部180に記憶されても構わない。
 通信部190は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)であり、航空機100内の装置やその他の装置との通信処理を担う。
[構造物の三面角部(検証三角錐)について]
 次に、本実施形態における検証対象となる、上記構造物1の三面角部について説明する。図3は当該構造物1の外観を示した図である。
 本実施形態では、例えば寄棟造り(4方向に傾斜する屋根面)の屋根に存在する三角錐形状を典型とする、構造物1の外形における三角錐と同様の幾何学的形状(以下、検証三角錐Tと称する)を、航空レーザ測量成果の水平位置評価を行うための検証点とする。
 同図において破線円で示した箇所及びその拡大図で示した箇所が、上記検証三角錐Tが存在する箇所である。そして、この検証三角錐Tの頂点Pが上記検証点として使用される。
 データ解析装置100は、航空レーザ計測によって取得した値から算出された検証三角錐Tの頂点の水平位置座標と、別途取得された検証三角錐Tの頂点の真の(実測値の)水平位置座標との差分を、航空レーザ計測における水平位置座標の誤差として検証することが可能である。
[レーザ計測システムの動作]
 次に、以上のように構成されたレーザ計測システムの動作について説明する。航空機10によるレーザ計測データ取得後の動作は、データ解析装置100のCPU110等のハードウェアと、記憶部18に記憶されたソフトウェアとの協働により実行される。
 図4は、上記レーザ計測システムの動作の流れの概要を示したフローチャートである。
 同図に示すように、まず、上記航空機10によって、上記構造物1を含むエリアにおいてレーザ測量が実施される(ステップ41)。
 続いて、レーザ測量対象エリアに存在する様々な構造物1のうち、測量成果の水平位置評価を実施するのに適した三角錐様の三面角部が、検証三角錐Tとして航空写真から選定される(ステップ42)。必要に応じて、当該検証三角錐Tの適性の確認が現地調査により実施されてもよい。
 上記検証三角錐Tの選定処理は、人手で実行されてもよいし、上記データ解析装置100により自動的に実行されてもよい。
 後者の場合、データ解析装置100は、表層データ(DSM(Digital Surface Model:数値表層モデル)データ)の高さ情報と、航空写真画像から得られる高解像度の情報(画素値スペクトル情報やテクスチャ情報など)に基づいて建物の屋根の輪郭を求める。
 すなわち、データ解析装置100は、表層データに基づいて、建物屋根輪郭の認識対象領域から、屋根に含まれる領域を建物毎に標識領域として抽出し、当該標識領域を核とする領域拡張法により、上記表層データ及び航空写真画像に関して当該標識領域と共通性を有する領域を屋根候補領域として抽出し、上記航空写真画像に現れるエッジのうち上記屋根候補領域の外形に適合するものを抽出して、上記建物屋根輪郭となる外縁境界線を求める。
 より具体的には、データ解析装置100はまず、DSMデータとDTM(Digital Terrain Model:数値地形モデル)データとを用いてNDSM(Normalized Digital Surface Model)データを生成することで表層データを正規化する。
 続いてデータ解析装置100は、建物屋根輪郭を認識する処理の対象とする地上領域(認識対象領域)内に存在する所定の高さを超える大きな建物の候補領域を抽出する。一方、データ解析装置100は、上記大きな建物候補領域を除く領域を処理対象として、低層建物である小さな建物の候補領域を抽出する。これら処理により、各建物の候補領域として、上空から見た屋根の領域内に少なくとも一部が包含される領域が抽出される。すなわち、候補領域は、屋根(又は建物の存在する領域)の全体に相当するものであるとは限らず、その一部が屋根領域の一部に含まれる領域であり、屋根領域そのものの候補というよりは、建物の候補位置を示す標識(標識領域)と捉えることができる。
 続いてデータ解析装置100は、認識対象領域に占める建物の領域(建物領域)を求める。当該処理は、上記処理で求めた建物候補領域を核とする領域拡張法により、当該候補領域と同じ属性を有する領域を求める。これにより、屋根領域の全体に対応する領域(屋根候補領域)が建物領域として抽出される。
 続いてデータ解析装置100は、上記オルソ画像に現れるエッジのうち、上記処理で求めた建物領域の外形に適合するものを抽出し、建物領域の外縁境界線となる建物境界線を求める。この建物境界線は、上空から見た屋根の輪郭に相当する。
 続いてデータ解析装置100は、建物候補領域が抽出された低層建物が平らな屋根面からなる平屋根か勾配面を有する勾配屋根かを判別する。
 続いてデータ解析装置100は、上記処理で勾配屋根を有すると判定された低層建物について、上記建物境界線内のオルソ画像に現れるエッジに基づき、勾配屋根が有し得る複数の屋根面の相互の境界線を屋根構造線として抽出する。
 続いてデータ解析装置100は、建物境界線と屋根構造線とから勾配屋根の屋根輪郭の立体的構造を構成する。
 そしてデータ解析装置100、上記構成された立体的構造のうち、典型的には上述した寄棟造りの屋根を抽出することで、上記検証三角錐Tを選定することができる。
 また人手により検証三角錐Tが選定される場合、構造物の屋根材についても考慮するのが好ましい。例えばシングル屋根(グラスファイバー等の無機系の素材にアスファルトを塗った板状の屋根材)やスレート屋根(粘板岩を薄い板状に加工した屋根材)のように凹凸が無く平らな面形状を持った屋根材は、レーザの計測値にばらつき(特に高さ方向へのばらつき)が小さくなると期待されるため、水平位置検証に用いる検証三角錐Tとして好適である。
 一方、瓦屋根は、凹凸を有するだけでなく、棟が凸状になっているため、平坦性に乏しく、レーザの計測値にばらつきが生まれやすいため、水平位置検証に用いる検証三角錐Tとしては適さない。
 また、黒色のアスファルト屋根やスレート屋根は、航空レーザで用いる近赤外波長域(1.064nmなど)のレーザ光を吸収する傾向が強いため、レーザ計測において反射が得られない場合があることから、水平位置検証に用いる検証三角錐Tとして採用しない方がよい。
 図4に戻り、続いて、検証点に用いる検証三角錐Tの頂点Pの真の位置の座標(Xt,Yt,Zt)が、航空写真(大縮尺地図の作成に供することのできる位置標定された航空写真)から取得されるか、現地測量によって取得される(ステップ43)。
 続いて、航空レーザ測量成果の計測値から、上記構造物1(寄棟造りの屋根)の検証三角錐T周辺に位置する計測値が抽出される(ステップ44)。
 ここで、当該計測値の抽出手法について説明する。図5は、当該抽出方法を説明するための図である。
 同図では、検証三角錐Tを構成する3つの面(面1、面2、面3)に反射したと推定される計測値(フットプリント)が丸印で示されている。
 この計測値のうち、3つの面の各境界(構造物1の棟L1、隅棟L2、L3)の近傍に存在する計測値(同図において白丸印で示される)は、いずれの面上に存在するか判定が困難であるため、これらの点が検証に用いられると、エラーの原因になる可能性がある。そこで本実施形態では、データ解析装置100は、これらの境界付近の計測値を、検証対象から除外することで、検証結果の精度向上を図っている。
 具体的には、データ解析装置100は、上記検証三角錐T付近のフットプリントの点群データまたは上記航空写真上の検証三角錐Tの画像データを基に検出された、上記面1乃至面3の各境界線となる各エッジ(棟L1乃至L3)から、所定距離以上離れた位置に反射したと推定されるフットプリントを検証対象として採用する。所定距離とは、例えば30cm、50cm等、いずれの面上に存在するフットプリントであるかが容易に判別可能となる距離である。
 図4に戻り、続いてデータ解析装置100のCPU110は、上記検証三角錐Tの面1、面2、面3上のレーザ計測値を用いて、最小二乗法により、面1、面2、面3を近似する面の式を算出し、当該3つの面からなる検証三角錐の頂点Pの位置の座標(Xm,Ym,Zm)を算出する(ステップ45)。
 図6は、当該ステップ45における検証三角錐の頂点Pの位置座標の算出処理の詳細な流れを示したフローチャートである。
 同図に示すように、CPU110はまず、検証三角錐の3つの面それぞれについて、3つ以上の位置計測点の計測値{(xi, yi, zi): i=1,2,…,n, nはある面における計測値の個数}より、最小二乗法で各面の方程式を算出する(ステップ61)。ここでiは、面毎における計算値の連番で、1~nの値をとる。なお本実施形態では、Z軸に平行となる面はエラーとして処理される。
 ここで計算の桁落ちを避けるために、元の計測値から平均値(3つの面で計測されたすべての計測値を対象とした平均値)を引いた値を計算に用いる。つまり、次に示す式で求めたxi, yi, ziを計算に用いる。
 Xi = xi -(面1のxiと面2のxiと面3のxiの全ての計測値からの平均値)
 Yi = yi -(面1のyiと面2のyiと面3のyiの全ての計測値からの平均値)
 Zi = zi -(面1のziと面2のziと面3のziの全ての計測値からの平均値)
 各面の方程式は、次のように置くことができる。
 面1:Z=A1X+B1Y+C1…(1)
 面2:Z=A2X+B2Y+C2…(2)
 面3:Z=A3X+B3Y+C3…(3)
 ここで、X及びYは水平面内の変数であり、上記レーザ計測による計測値で与えられる。またZは、高さを与える変数であり、これも上記レーザの計測値で与えられる。A,B,及びC(A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3)はそれぞれ係数であり、最小二乗法で決定する値である。
 そしてCPU110は、レーザ計測による複数の計測点(i=1,...,n)にフィットする面の方程式を最小二乗法で与える。
 点iにおけるZ座標の較差をEiとすると、Eiは以下のように置ける。
  Ei =Zi - (AXi + BYi +C)
 Eiの平方和をSとするとSは以下のように置ける。
 S = Σ{Zi - (AXi + BYi +C)}2
 ここで、Σはi=1からi=nまでの合計をとることを示す記号として用いている。以下の説明でも同様である。
 これを元に、以下の3つの式が導ける。
  dS/dA = 2Σ{Zi - (AXi + BYi +C)}(- Xi)
  dS/dB = 2Σ{Zi - (AXi + BYi +C)}(- Yi)
  dS/dC = 2Σ{Zi - (AXi + BYi +C)}(- 1)
 S(較差の二乗和)が最小とする条件はdS/dA =0、dS/dB =0、dS/dC =0である。この条件を上記3つの式に与え、式を整理すると次のようになる。
 AΣXi2 + BΣXiYi + CΣXi = ΣXiZi
 AΣXiYi+ BΣYi2  + CΣYi = ΣYiZi
 AΣXi + BΣYi  + CΣ1  = ΣZi
 これを行列で表現すると、図7で示す通りとなる。CPU110は、面1、面2及び面3それぞれについて、この行列の式を解き、上記(1)~(3)の各方程式における係数A1~A3,B1~B3,及びC1~C3を求める。
 続いてCPU110は、隣り合う面の交線計算を行い三角錐の3つの棟L1、L2、L3それぞれについて直線の式を算出する(ステップ62)。
 ここで、計算によって求めたL1,L2,L3は、交点を共有することはなく三次元的にすれ違う形で交差することになる。そこで、CPU110は、この交点を近似する点を求める。図8は、この交点を近似する点の算出処理を説明するための図である。
 同図に示すように、CPU110は、L1とL2の両方に直交する線分を算出し、その線分の中点Q1を、L1とL2の近似交点として算出し、同様にL2とL3について、それらの近似交点として中点Q2を、L3とL1について、それらの近似交点として中点Q3を算出する(ステップ63)。
 そしてCPU110は、図9に示すように、Q1(L1とL2の近似交点)、Q2(L2とL3の近似交点)、Q3(L3とL1の近似交点)を頂点とする三角形の重心位置(Qg)を、棟線に対応するL1,L2,L3の交差する点を近似している点とし、検証三角錐の頂点Pの位置とみなし、重心位置(Qg)の座標を頂点Pの座標(Xm,Ym,Zm)とする。(ステップ64)。
 またここでCPU110は、Q1,Q2,Q3の近接度を示す値として、三角形Q1Q2Q3の外接円Cの半径rを算出し、当該半径rが所定値以上である場合にはその値はエラーとみなしてもよい。この場合CPU110は、例えばその値の算出に用いられた各面の計測値とは異なる計測値を再度選定し、それを用いて計算をし直す等の処理を行うことができる。
 図4に戻り、続いてCPU110は、頂点Pの真の水平位置座標(Xt,Yt)と、上記レーザ計測値から求めた頂点Pの水平位置座標(Xm,Ym)の較差を、水平位置の誤差量として算出する(ステップ46)。なお、(Xt, Yt)は、上記図6のステップ61について説明した計算の桁落ちを避けるために適用した計測値から求めた平均値を差し引いた値とする。
 そしてCPU110は、航空レーザ測量を行う範囲全体を対象として選定された複数の検証三角錐Tを用いて、上述と同様の処理によりそれぞれの誤差量を求め、それらの平均から平均誤差量を求める(ステップ47)。
 図10は、上記レーザ計測システムによる、検証三角錐Tの頂点の真位置と計算上の位置との誤差の評価結果を示した図である。
 同図に示すように、検証三角錐Tの頂点の真位置と航空レーザ計測上の位置との間には、X座標においては平均して+17mm、Y座標においては平均して-79mm、ベクトル(ΔXY)においては平均して125mmの誤差と評価される。
 また、図10では表現の簡単化のため検証点数を4点としているが、実際においては、評価の信頼度を高めるために検証点の数を20点程度とする。
 ΔXYの標準偏差が73mmと評価された場合、例えば地図情報レベル1000数値地形図データの水平位置に関する許容精度(標準偏差が700mm以内)と比較して、本実施形態における手法で評価した本評価結果は、地図情報レベル1000の許容精度を十分に満たしていると判断できる。
 データ解析装置100は、この平均誤差を用いて、航空レーザ計測データにおけるXY座標を補正してもよい。これにより計測エリアにおける各計測値を、全体的に真の値に近づけることができる。
 もちろん、必要に応じて、他の値に比べて突出している値(最大値、最小値)が存在する場合には、その値を除いて平均値が再度算出されても構わない。
 以上説明したように、本実施形態によれば、レーザ計測システムは、検証三角錐T(地上の構造物の三面角部)の3面に反射したと推定されるレーザ計測値を基に算出した検証三角錐Tの頂点Pの水平位置座標と、別途計測した頂点Pの水平位置座標とを比較することで誤差を算出できるため、レーザ計測における水平位置の計測誤差を、対標を用いることなく、簡便かつ高精度に算出することができる。
[変形例]
 本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
 上述の実施形態では、検証三角錐Tの3面が、建物の屋根等、垂直面以外の面である場合について説明した。しかし、ビル等の垂直面(側面)が検証三角錐Tのうちの1面として用いられてもよい。
 すなわち、Oblique LIDAR(斜め照射型の航空レーザ)を用いてFOV(Field Of View:スキャン角度)を大きくとると、より斜め方向にレーザを照射して計測ができるようになり、その結果として、建物の屋根などの上向きの面だけでなく、建物の側面の計測点を増やすことが可能となる。
 そうすると、図11に示すように、建物の側面にレーザが当たりやすくなり、丸印Tで囲んだビルの隅角部分も、検証三角錐Tとして採用できる可能性が高まる。
 具体的には、図7に示す行列Mの行列式|M|の値がゼロ(ゼロに近い値)にならないように、全ての計測値の座標(Xi,Yi,Zi)を任意の或る角度(θ)で回転させて、回転後の座標(X'i,Y'i,Z'i)とし、回転後の座標(X'i,Y'i,Z'i)を用いて図7の行列を解き、面の式を与える係数(A',B',C')を求める。θの値は0度~90度の範囲で任意に与えるものとするが0度あるいは90度に近い値の場合は、回転させても行列式|M|の値はゼロに近いままとなるため、採用しない。たとえば、θの値を45度とする。検証三角錐Tの3面の面毎に面の式を与える係数を求める計算を行わなければならないが、その際、θの値は同一の値を使う。
 図12は、上記計測値の座標(Xi,Yi,Zi)をX軸、Y軸、Z軸回りでそれぞれ回転させた場合の回転行列を示す。ある面の航空レーザ測量成果の計測値V及び当該計測値を回転させて得られる値の座標値V'は、図13に示すように行列で表現することができる。
 図13で求めたV'を用いて、図7に示す行列Mの行列式|M|を計算した結果を図14に示す。
 もし、θの値が45度であっても行列式|M|の値がゼロ(ゼロに近い値)の場合は、回転角を変更(ランダムな変更でかまわないが、たとえばθ=30度に変更)してθを再定義して行列式|M|の値がゼロ(ゼロに近い値)にならないときのV'(X'i,Y'i,Z'i)を決定する。
 このとき、図7に示すNは、図15に示すように表現でき、また面の方程式における係数(A',B',C')を与えるPは、図16に示すように表現できる。
 ここで、図7で示したMP=Nの式を解き、面の式の係数(A',B',C')を求める。上記実施形態における(1)~(3)の各面の方程式について、同様の計算を行い、それぞれの面の式の係数を求め、上記した検証三角錐Tの頂点Pの座標の計算と同様の計算(図6参照)を行い、検証三角錐Tの頂点Pの座標(Xm',Ym',Zm')を求める。V'に基づいて求められた頂点Pの座標をP'とすると、P'は図17に示すように表現できる。
 そして、P'の座標(Xm',Ym',Zm')に対して逆の回転(-θ)の演算を行い、検証三角錐Tの頂点Pの座標(Xm,Ym,Zm)を求める。すなわち、Pを図18に示すように定義すると、Pは図19に示す式により求めることができる。
 
 特に都会においては多くのビル群が存在することから、ビルにおける隣接する2つの側面と屋上面からなる三面角部を検証三角錐Tとして用いることで、検証三角錐Tを容易に選定することができ、また平均誤差量を算出するための誤差量の母数を増やすことができる。
 上述の実施形態では、1つの寄棟造りの屋根から1つの検証三角錐Tが選定された。しかし、通常、1つの寄棟造りの屋根には2つの三面角部が存在することから、上記レーザ計測システムは、1つの寄棟造りの屋根から2つの検証三角錐Tを選定してもよい。この場合、データ解析装置100は、2つの検証三角錐Tから算出された2つの誤差量を、上記平均誤差量を算出するための複数の誤差量の一部として用いてもよいし、2つの誤差量のうち一方を、他方の誤差量の算出結果の信憑性(2つの誤差量の矛盾の有無)の評価に用いてもよい。
 上述の実施形態においては、本発明が航空レーザ計測システムに適用された例が示されたが、本発明は人工衛星を用いたレーザ計測システムに適用されてもよい。また、地上を走行する車両(自動車等)を用いたMMS(Mobile Mapping System)においても、本発明における検証三角錐を用いた算出処理が適用され得る。
 また、航空レーザ計測システムとMMSの双方において同一の検証三角錐が用いられてもよい。すなわち、検証三角錐を有する構造物1が存在する所定エリアにおいて、航空機によるレーザ計測処理が実行されると同時に、地上では車両によるレーザ計測処理が実行され、それぞれの処理において、水平位置座標の誤差が、同じ検証三角錐を用いて算出されてもよい。
 1…構造物
 10…航空機
 11…レーザ測距装置
 12…GNSS受信機
 13…IMU
 100…データ解析装置
 110…CPU
 180…記憶部
 T…検証三角錐
 P…検証三角錐の頂点

Claims (8)

  1.  地上にレーザ光を照射し、前記地上からの反射光によって前記レーザ光のフットプリントの位置を計測可能なレーザ計測装置と、
     前記レーザ計測装置から照射され前記地上の構造物の三面角部における隣接する第1の面、第2の面及び第3の面にそれぞれ反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を基に、前記三面角部の頂点の水平位置座標を算出し、当該算出された水平位置座標と前記三面角部の頂点について別途計測された水平位置座標との差から、前記フットプリントの位置の誤差を算出可能な算出装置と
     を具備するレーザ計測システム。
  2.  請求項1に記載のレーザ計測システムであって、
     前記算出装置は、前記三面角部におけるフットプリントの点群データまたは前記レーザ計測装置によって撮像された航空写真上の前記三面角部の画像データを基に検出された、前記第1の面、第2の面及び第3の面の各境界線となる各エッジから、所定距離以上離れた位置に反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を、前記三面角部の頂点の水平位置座標の算出に用いる
     レーザ計測システム。
  3.  請求項1または2に記載のレーザ計測システムであって、
     前記算出装置は、前記第1の面、第2の面及び第3の面それぞれにおける少なくとも3つの前記反射光から算出される各三次元位置座標を基に、最小二乗法を用いて前記第1の面、第2の面及び第3の面を近似する式をそれぞれ算出し、当該各式を基に、前記三面各部の3つの稜線を示す第1の直線、第2の直線及び第3の直線の式をそれぞれ算出し、当該各式を基に前記三面角部の頂点の水平位置座標を算出する
     レーザ計測システム。
  4.  請求項3に記載のレーザ計測システムであって、
     前記算出装置は、前記第1の直線と第2の直線の双方に直交する第1の線分の中点と、前記第2の直線と第3の直線の双方に直交する第2の線分の中点と、前記第1の直線と第3の直線の双方に直交する第3の線分の中点を算出し、前記各中点を各頂点とする三角形の重心の水平位置座標を前記三面角部の頂点の水平位置座標として算出する
     レーザ計測システム。
  5.  請求項4に記載のレーザ計測システムであって、
     前記算出装置は、前記各中点を各頂点とする三角形の外接円の半径を算出し、当該算出された半径が所定の閾値以上である場合に、前記三角形の重心の水平位置座標を異常値と判定する
     レーザ計測システム。
  6.  請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ計測システムであって、
     前記三面角部は、所定のエリアに複数設置され、
     前記算出装置は、前記複数の三面角部に関する複数の前記誤差をそれぞれ算出し、当該算出された複数の誤差の平均誤差を算出する
     レーザ計測システム。
  7.  請求項6に記載のレーザ計測システムであって、
     前記算出装置は、前記算出された平均誤差によって前記レーザ計測装置による計測結果を補正する
     レーザ計測システム。
  8.  地上にレーザ光を照射し前記地上からの反射光によって前記レーザ光のフットプリントの位置を計測可能なレーザ計測装置からレーザを照射し、
     前記レーザ計測装置から照射され前記地上の構造物の三面角部における隣接する第1の面、第2の面及び第3の面にそれぞれ反射したと推定される反射光から算出される各三次元位置座標を基に、前記三面角部の頂点の水平位置座標を算出し、
     前記算出された水平位置座標と前記三面角部の頂点について別途計測された水平位置座標との差から、前記フットプリントの位置の誤差を算出する
     レーザ計測方法。
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