WO2016139716A1 - 分離ディスク及びオイルセパレータ - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、積み重ねられた分離ディスクの枚数が増えても、その積み重ね高さを抑えて、コンパクトなオイルセパレータの設計を可能とし、分離効率の低下を招かないようにすることにある。 ミスト状液体を含む処理対象ガスからミスト状オイルを分離するオイルセパレータ2は、軸周りに回転するとともに軸方向に間隔をおいて積み重ねられた複数の分離ディスク63を備える。分離ディスク63は、軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して一方の軸方向側に傾斜した内周側部分65と、内周側部分65の外周縁から外側へ続き、軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して他方の軸方向側に傾斜した外周側部分64と、を備える。
Description
本発明は、処理対象ガスに含まれるミスト状オイルをそのガスから分離するオイルセパレータと、このオイルセパレータに用いられる分離ディスクとに関する。
特許文献1には、積み重ねた複数枚の分離ディスクを採用したオイルセパレータが開示されている。つまり、処理対象ガスが回転中の分離ディスクの内側から分離ディスクの間の隙間に流入すると、処理対象ガスに含まれるミスト状オイルが遠心力によって分離ディスクの表面で凝集するので、処理対象ガスに含まれるオイルが処理対象ガスから分離される。
特許文献1に記載のオイルセパレータに採用される分離ディスクは、円錐台形状の板状部材によって構成される。つまり、その分離ディスクの外周側部分が円錐面型の板状に形作られ、その外周側部分よりも中心側の内周側部分が円環型の板状に形作られている。従って、分離ディスクの内周側部分は周方向及び径方向によって規定される面に対して平行であり、分離ディスクの外周側部分は周方向及び径方向によって規定される面に対して傾斜する。
ところで、分離ディスクの直径を長くすると、遠心力が増大するうえ、ミスト状オイルと分離ディスクの接触面積が増大する。そのため、オイルの分離効率が向上する。また、分離ディスクの積み重ね枚数を増やしても、オイルの分離効率が向上する。
ところが、特許文献1に記載の分離ディスクが円錐台形状の板状部材によって構成されているため、特許文献1に記載の分離ディスクが複数枚積み重ねられると、その積み重ね高さが高くなってしまい、オイルセパレータ全体の高さが高くなり、そのオイルセパレータの搭載上の問題が生じる。一方、オイルセパレータのコンパクト化のために、特許文献1に記載の分離ディスクの積み重ね枚数が減ると、分離効率が低下してしまう。
また、特許文献1に記載の分離ディスクの傾斜角度を緩やかにすると、それら分離ディスクを積み重ねることが容易となるが、分離ディスクに遠心力が伝わりにくく、分離効率が低下する。
また、特許文献1に記載の分離ディスクの薄型化には限界がある。具体的には、特許文献1に記載の分離ディスクは遠心力によって変形してしまう恐れがあるので、分離ディスクの剛性不足を防止するべく、分離ディスクが厚くなってしまう。そのため、特許文献1に記載の分離ディスクを特定の高さに積み重ねた場合、分離ディスクの積み重ね枚数が少なく、分離効率が低い。更に、分離ディスクの積み重ね枚数が少ないと、分離ディスク同士の間の隙間の開口面積(開口面積とは、ガスの流れに直交する面に沿った隙間の面積)の総量が小さいので、ガスの流れに与える抵抗が大きくなってしまう。
ところが、特許文献1に記載の分離ディスクが円錐台形状の板状部材によって構成されているため、特許文献1に記載の分離ディスクが複数枚積み重ねられると、その積み重ね高さが高くなってしまい、オイルセパレータ全体の高さが高くなり、そのオイルセパレータの搭載上の問題が生じる。一方、オイルセパレータのコンパクト化のために、特許文献1に記載の分離ディスクの積み重ね枚数が減ると、分離効率が低下してしまう。
また、特許文献1に記載の分離ディスクの傾斜角度を緩やかにすると、それら分離ディスクを積み重ねることが容易となるが、分離ディスクに遠心力が伝わりにくく、分離効率が低下する。
また、特許文献1に記載の分離ディスクの薄型化には限界がある。具体的には、特許文献1に記載の分離ディスクは遠心力によって変形してしまう恐れがあるので、分離ディスクの剛性不足を防止するべく、分離ディスクが厚くなってしまう。そのため、特許文献1に記載の分離ディスクを特定の高さに積み重ねた場合、分離ディスクの積み重ね枚数が少なく、分離効率が低い。更に、分離ディスクの積み重ね枚数が少ないと、分離ディスク同士の間の隙間の開口面積(開口面積とは、ガスの流れに直交する面に沿った隙間の面積)の総量が小さいので、ガスの流れに与える抵抗が大きくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、積み重ねられた分離ディスクの枚数が増えても、その積み重ね高さを抑えて、コンパクトなオイルセパレータの設計を可能とし、分離効率の低下を招かないようにすることである。
前述の目的を達成するため、本発明は、軸周りに回転し、処理対象ガスに含まれるミスト状オイルを捕捉する分離ディスクであって、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して一方の軸方向側に傾斜した内周側部分と、前記内周側部分の外周縁から外側へ続き、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、前記径方向に対して他方の軸方向側に傾斜した外周側部分と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、ミスト状オイルを含む処理対象ガスから前記ミスト状オイルを分離するオイルセパレータであって、軸周りに回転し、軸方向に間隔をおいて積み重ねられた複数の分離ディスクを備え、前記分離ディスクが、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して一方の軸方向側に傾斜した内周側部分と、前記内周側部分の外周縁から外側へ続き、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、前記径方向に対して他方の軸方向側に傾斜した外周側部分と、を有することを特徴とする。
分離ディスクの外周側部分も内周側部分も径方向に対して傾斜するので、分離ディスクの直径を長くせずとも、分離ディスクの表面積を増やすことができる。
また、分離ディスクの外周側部分の傾斜の向きと内周側部分の傾斜の向きが反対になっているので、軸方向に沿う分離ディスクの高さを抑えることができる。よって、複数枚の分離ディスクを積み重ねた場合、積み重ね枚数が増えても、積み重ね高さを抑えることができる。複数枚の分離ディスクを限られた高さに積み重ねた場合、積み重ね枚数を多くすることができる。分離ディスクの積み重ね枚数が多いと、分離ディスク同士の間の隙間の開口面積の総量が増大し、ガスの流れの抵抗の低下が図られる。
また、分離ディスクは内周側部分と外周側部分との間において曲折しているので、その分離ディスクの剛性が向上する。よって、分離ディスクの薄型化が可能である。そのため、複数枚の分離ディスクを限られた高さに積み重ねた場合、積み重ね枚数を多くすることができる。
また、分離ディスクの外周側部分の傾斜の向きと内周側部分の傾斜の向きが反対になっているので、軸方向に沿う分離ディスクの高さを抑えることができる。よって、複数枚の分離ディスクを積み重ねた場合、積み重ね枚数が増えても、積み重ね高さを抑えることができる。複数枚の分離ディスクを限られた高さに積み重ねた場合、積み重ね枚数を多くすることができる。分離ディスクの積み重ね枚数が多いと、分離ディスク同士の間の隙間の開口面積の総量が増大し、ガスの流れの抵抗の低下が図られる。
また、分離ディスクは内周側部分と外周側部分との間において曲折しているので、その分離ディスクの剛性が向上する。よって、分離ディスクの薄型化が可能である。そのため、複数枚の分離ディスクを限られた高さに積み重ねた場合、積み重ね枚数を多くすることができる。
前述の分離ディスク及びオイルセパレータにおいて、前記内周側部分と前記外周側部分によって挟まれる角部が直角又は鈍角である。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
前述の分離ディスク及びオイルセパレータにおいて、前記径方向に対する前記内周側部分の傾斜角が45°以下である。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
前述の分離ディスク及びオイルセパレータにおいて、前記径方向に対する前記外周側部分の傾斜角が45°以下である。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
よって、積み重ねられた分離ディスク同士の間の隙間が広がってしまうことを抑制することができる。
前述の分離ディスク及びオイルセパレータにおいて、前記内周側部分と前記外周側部分との間に挟まれる角部が丸面取りされている。
よって、高剛性・高強度な分離ディスクを提供することができ、分離ディスクの薄型化を実現することができる。
よって、高剛性・高強度な分離ディスクを提供することができ、分離ディスクの薄型化を実現することができる。
前述のオイルセパレータにおいて、前記軸方向が鉛直方向であり、前記内周側部分が前記径方向に対して上側に傾斜し、前記外周側部分が前記径方向に対して下側に傾斜する。
よって、処理対象ガスが分離ディスク同士の間の隙間に流れ込むと、処理対象ガスに含まれるガスが分離ディスクによって捕捉されて、処理対象ガスからミスト状オイルが分離される。そして、遠心力によって液体が分離ディスクの外周側部分の外縁から径方向外方斜め下方へ排出される。
よって、処理対象ガスが分離ディスク同士の間の隙間に流れ込むと、処理対象ガスに含まれるガスが分離ディスクによって捕捉されて、処理対象ガスからミスト状オイルが分離される。そして、遠心力によって液体が分離ディスクの外周側部分の外縁から径方向外方斜め下方へ排出される。
前述のオイルセパレータが、前記複数の分離ディスクを収容したハウジングと、前記ハウジングの内側の空間のうち前記複数の分離ディスクの下方に配置され、前記ハウジングの内側の空間を上下に区切る隔壁部材と、前記隔壁部材を上下に貫通するように前記隔壁部材に形成された通し孔と、前記内周側部分の内側に配置され、前記分離ディスクと一体となって前記軸周りに回転し、前記通し孔に通されて前記通し孔から上下に延び出たスピンドルと、前記スピンドルのうち前記通し孔よりも下の部位の外周面から突設され、周方向に向けてオイルを噴射して、前記スピンドル及び前記分離ディスクを回転させるノズルと、を備え、前記隔壁部材が前記径方向及び前記周方向に広がるように設けられている。
よって、隔壁部材よりも上側の空間の上下長を抑えることができ、ハウジングのコンパクト化を図ることができる。また、ノズルがその上方の隔壁部材の近くに配置されても、隔壁部材が径方向に沿っているので、ノズルから噴射するオイルが隔壁部材に吹きつけられることを抑えることができる。そのため、ノズルを隔壁部材の近くに配置することができ、隔壁部材よりも下側の空間の上下長を抑えることでき、ハウジングのコンパクト化を図ることができる。
よって、隔壁部材よりも上側の空間の上下長を抑えることができ、ハウジングのコンパクト化を図ることができる。また、ノズルがその上方の隔壁部材の近くに配置されても、隔壁部材が径方向に沿っているので、ノズルから噴射するオイルが隔壁部材に吹きつけられることを抑えることができる。そのため、ノズルを隔壁部材の近くに配置することができ、隔壁部材よりも下側の空間の上下長を抑えることでき、ハウジングのコンパクト化を図ることができる。
前述のオイルセパレータが、前記隔壁部材の下面に凹状に形成され、前記通し孔の周囲に設けられたオイル返しを更に備え、前記隔壁部材の上面のうち前記オイル返しの反対側の部位が凸状に形成されているとともに、前記分離ディスクの下に配置されている。
分離ディスクはその外周側部分の内周縁において山折りとなっているので、分離ディスクの下にはスペースがある。そして、液体返しの反対側の凸状部位が分離ディスクの下に配置されているため、スペースの有効利用を図ることができる。
分離ディスクはその外周側部分の内周縁において山折りとなっているので、分離ディスクの下にはスペースがある。そして、液体返しの反対側の凸状部位が分離ディスクの下に配置されているため、スペースの有効利用を図ることができる。
前述のオイルセパレータが、前記内周側部分の内側に配置され、前記分離ディスクと一体となって前記軸周りに回転するスピンドルと、前記スピンドルの外周面から突設され、周方向に向けて液体を噴射して、前記スピンドル及び前記分離ディスクを回転させるノズルと、を更に備え、前記内周側部分の内周縁が前記ノズルよりも上に位置し、前記外周側部分の外周縁が前記ノズルよりも上に位置する。
そのため、ノズルによって噴射されるオイルが分離ディスクに干渉しないようにすることができ、オイルの飛翔領域を確保することができる。
そのため、ノズルによって噴射されるオイルが分離ディスクに干渉しないようにすることができ、オイルの飛翔領域を確保することができる。
本発明によれば、複数枚の分離ディスクを積み重ねた場合、積み重ね枚数が増えても、その積み重ね高さを抑えることができる。よって、処理対象ガスに含まれるミスト状オイルをガスから分離するに際し、分離効率の低下を招かない上、オイルセパレータのコンパクト化も実現できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示す閉鎖型クランクケース換気システム1(以下、換気システム1という。)は本発明を適用した例である。図1に示すように、換気システム1は、オイルセパレータ2と、ブリーザーパイプ3と、ガス導出管5と、オイル供給管10とを有する。オイルセパレータ2はエンジン4の側面に取り付けられている。ガス導出管5がエンジン4とオイルセパレータ2とに接続され、エンジン4のクランクケースから排出されたブローバイガスがガス導出管5を通ってオイルセパレータ2に供給される。エンジン4のクランクケースからオイルセパレータ2に供給されるブローバイガスは処理対象ガスであり、このブローバイガスはミスト状オイルを含有する。オイルセパレータ2は、供給されたブローバイガスを処理して、そのブローバイガスからミスト状オイルを分離する。
ブリーザーパイプ3がオイルセパレータ2の上部とエンジン4の吸気側流路6との間に接続され、オイルセパレータ2から排出された処理後のブローバイガスがブリーザーパイプ3を通じて吸気側流路6に還元される。具体的には、処理後のブローバイガスは、吸気側流路6におけるエアフィルタ7とターボチャージャー8とを接続する部分に還元される。還元されたブローバイガスは、エアフィルタ7からの新鮮な空気と混合され、ターボチャージャー8で圧縮される。その後、ブローバイガスは、チャージクーラー9で冷却されて、エンジン4に供給される。
オイル供給管10がオイルセパレータ2の下部とエンジン4との間に接続され、エンジン4から送出されたオイルがオイル供給管10を通じてオイルセパレータ2に供給される。オイルセパレータ2に供給されたオイルの流動がオイルセパレータ2の動力に利用され、その動力によってオイルセパレータ2(特に、後述のローターユニット50)が動作する。オイルセパレータ2に供給されるオイルはエンジン4で用いられる潤滑オイルの一部であるため、そのオイルの温度が80~110℃位の温度になっている。オイルセパレータ2がオイルによって動作すると、ブローバイガスからミスト状オイルがオイルセパレータ2によって分離される。その分離されたミスト状オイルは、オイルセパレータ2の内部において、オイル供給管10を通じてオイルセパレータ2に供給されたオイルに混合される。その混合されたオイルがエンジン4へと戻される。
オイルセパレータ2について詳細に説明する。図2~図6に示すように、このオイルセパレータ2はハウジング20、下部隔壁部材31、中部隔壁部材32、上部隔壁部材33、ローターユニット50及びPCVバルブ90を備える。ハウジング20が下部ケース21、中部ケース22及び上部ケース23を有し、これら下部ケース21、中部ケース22及び上部ケース23が互いに組み合わせられることによってハウジング20が組み立てられ、ハウジング20の内側に内部空間が形成されている。下部隔壁部材31、中部隔壁部材32及び上部隔壁部材33がハウジング20に組み付けられ、ハウジング20の内部空間が下部隔壁部材31、中部隔壁部材32及び上部隔壁部材33によって区切られている。そして、ローターユニット50及びPCVバルブ90等は、ハウジング20の内部空間内に収容された状態でハウジング20に組み付けられている。
以下では、特に断りのない限り、軸方向とは、ローターユニット50の回転軸に平行な方向をいい、周方向とは、ローターユニット50の回転軸を中心とした周方向をいい、径方向とは、ローターユニット50の回転軸に直交する方向をいう。オイルセパレータ2がエンジン4に取り付けられた状態では、ローターユニット50の回転軸が上下方向(具体的には、鉛直方向)に延びる。
ハウジング20及びその内部空間について説明するとともに、下部隔壁部材31、中部隔壁部材32及び上部隔壁部材33によるハウジング20の内部空間の区切りについて説明する。
図4~図6及び図9に示すように、中部ケース22は、ハウジング20の内部空間の中央部分を区画する部分である。中部ケース22が筒状に設けられ、中部ケース22の上面及び下面が開放されている。中部ケース22の内側の上部に隔壁部22aが設けられ、中部ケース22の中空が隔壁部22aによって隔壁部22aよりも上側の空間と下側の空間に仕切られている。
中部ケース22の外周面にはインレット孔22bが形成されている。インレット孔22bの位置が中部ケース22の上部であり、且つ隔壁部22aよりも下側であるので、インレット孔22bが隔壁部22aよりも下側の中空に通じている。インレット孔22bには、吸入パイプ24の一端が接続されている。吸入パイプ24の他端はガス導出管5(図1及び図3参照)に接続されている。従って、エンジン4からオイルセパレータ2に供給されるブローバイガスは、吸入パイプ24及びインレット孔22bを通ってハウジング20の内部空間のうち隔壁部22aよりも下側の部分(具体的には、後述の導入路41)に導入される。
中部ケース22の内側には、隔壁部22aから下方に離れた位置に中部隔壁部材32が収容されている。中部隔壁部材32が円盤状に設けられている。中部隔壁部材32の周縁部が中部ケース22の内周面に接合され、中部ケース22の中空(隔壁部22aよりも下側の中空)が中部隔壁部材32によって上下に区切られている。中部隔壁部材32の下面の中央部には、円筒状の嵌合部32bが下方に向けて突設されている。図10に示すように、嵌合部32bの中空(供給孔32a)は、中部隔壁部材32の上面において開口するとともに、嵌合部32bの下端においても開口する。嵌合部32bの下端の開口には、その開口の中心から放射状に延びるとともに嵌合部32bの内周面に連結した支持部32dが設けられている。その支持部32dの中央の下面には、凹部32eが形成されている。支持部32dが放射状に設けられているので、嵌合部32bの中空は支持部32dによって閉塞されていない。なお、支持部32dは、後述のスピンドルシャフト51の上端を支持する。
図12では、ハウジング20の内部構造を見やすくするために、ローターユニット50のローター60の図示を省略する。図13では、ハウジング20の内部構造を見やすくするために、ローターユニット50のローター60及び中部隔壁部材32の図示を省略する。図7及び図11~図13に示すように、隔壁部22aの下面にはリブ(区切り部)22cが突出した状態に設けられ、中部隔壁部材32の上面がリブ22cに密接し、中部隔壁部材32の上面とリブ22cの接触部分が気密状態となっている。このリブ22cが下から見てU字型(図13では、そのU字の半体を図示)に形作られ、リブ22cのU字型の両端が中部ケース22の内周面に繋がり、それら両端の間にインレット孔22bが配置されている。中部隔壁部材32と隔壁部22aの間の空間は、リブ22cによって嵌合部32bの上部開口及びインレット孔22b側の空間41(以下、導入路41という。)とその導入路41を囲う空間42(以下、第一チャンバー42という。)とに仕切られている。インレット孔22bを通ってハウジング20の内側に導入されたブローバイガスは、導入路41、嵌合部32bの内側を通って中部隔壁部材32の下側へ送られる。
導入路41は、ローターユニット50に導入される前のブローバイガスの経路であり、第一チャンバー42は、ローターユニット50から排出された後のブローバイガスの経路である。ローターユニット50はブローバイガスからミスト状オイルを分離するものであり、ローターユニット50から排出されたブローバイガスはミスト状オイルが除去されている。
以上のような導入路41及び第一チャンバー42をローターユニット50の上方に設けることができるのは、隔壁部22aと中部隔壁部材32の間の空間をリブ22cによって分割したためである。そして、導入路41がローターユニット50の上方にあるため、導入路41及びインレット孔22bを共にハウジング20の上部に設けることができる。
隔壁部22aには連通孔22dが形成され(特に図13参照)、その連通孔22dが隔壁部22aを上下に貫通する。連通孔22dの位置はリブ22cの外側であり、隔壁部22aの上側の中空と第一チャンバー42が連通孔22dによって通じている。連通孔22dは、ミスト状オイルが除去された処理済みのブローバイガスの流路である。
一方、導入路41の上側が隔壁部22aによって塞がれ、隔壁部22aの上側の中空と導入路41が隔壁部22aによって仕切られている。
一方、導入路41の上側が隔壁部22aによって塞がれ、隔壁部22aの上側の中空と導入路41が隔壁部22aによって仕切られている。
中部隔壁部材32の周縁部には複数の連通孔32cが形成され、これら連通孔32cが中部隔壁部材32を上下に貫通する。これら連通孔32cは周方向に沿って等間隔で配列されている。連通孔32cの位置はリブ22cの外側であり、中部隔壁部材32の下側の中空と第一チャンバー42が連通孔22dによって通じている。連通孔22dは、ミスト状オイルが除去された処理済みのブローバイガスの流路である。
中部ケース22の上端には上部隔壁部材33が気密状態で取り付けられ、中部ケース22の上側開口が上部隔壁部材33によって閉塞されている。上部隔壁部材33が隔壁部22aから上に離れており、上部隔壁部材33と隔壁部22aの間には中空45(以下、第二チャンバー45という)が形成されている。上部隔壁部材33の中央部には連通穴(バルブ穴)33aが形成され、その連通穴33aが上部隔壁部材33を上下に貫通する。この連通穴33aは、ミスト状オイルが除去された処理済みのブローバイガスの流路である。
上部ケース23は、ハウジング20の内部空間の上側部分を区画する部分である。上部ケース23は、下面が開放されたドーム状部材によって構成されている。この上部ケース23が上部隔壁部材33の上から上部隔壁部材33を覆って、上部ケース23の下部開口の縁部分が上部隔壁部材33の周縁部に気密状態で取り付けられ、上部隔壁部材33の周縁部が上部ケース23の下部開口の縁部分と中部ケース22の上端との間に挟持されている。具体的には、上部ケース23の下部開口の縁部分が上部隔壁部材33の周縁部に溶接、溶着又はボルト締め等によって接合されている。上部ケース23の内側には、中空46(以下、第三チャンバー46という)が形成されている。第三チャンバー46と第二チャンバー45が上部隔壁部材33によって仕切られ、連通穴33aが第二チャンバー45から第三チャンバー46に連通する。
上部ケース23の側面には、円筒状のガス排出部23aが径方向外方に向けて突出するように設けられている。このガス排出部23aがブリーザーパイプ3に接続され、ミスト状オイルが除去された処理済みのブローバイガスが第三チャンバー46からガス排出部23aを通ってブリーザーパイプ3に排出される。なお、上部ケース23を上部隔壁部材33に取り付けるに際して、上部ケース23の位置を周方向に沿って調整することによって、ガス排出部23aの突出する向きを調整することができる。
図8及び図11~図13に示すように、下部ケース21は、ハウジング20の内部空間の下側部分を区画する部分である。この下部ケース21は、上面が開放された有底の箱状部材によって構成されている。下部ケース21の上端部が中部ケース22の下端部に嵌め込まれ、下部ケース21と中部ケース22がボルト25(図2及び図3参照)によって固定されている。更にリング状のシール34と下部隔壁部材31が中部ケース22の下端部に嵌め込まれ、下部隔壁部材31の周縁部及びシール34が下部ケース21の上端部と中部ケース22の下端部との間に挟まれている。シール34によって気密性が向上する。
図9に示すように、この下部隔壁部材31は中部隔壁部材32から下に離間し、中部隔壁部材32と下部隔壁部材31との間には分離室43が形成されている。この分離室43は中部ケース22内の中空の一部である。
図9に示すように、この下部隔壁部材31は中部隔壁部材32から下に離間し、中部隔壁部材32と下部隔壁部材31との間には分離室43が形成されている。この分離室43は中部ケース22内の中空の一部である。
下部隔壁部材31は円盤状に設けられている。その下部隔壁部材31の中央部には、通し孔31aが形成されている。この下部隔壁部材31によって下部ケース21の中空44(以下、噴射室44という)と分離室43が仕切られている。
図8及び図11~図13に示すように、下部ケース21の背面には、連通筒部21aが後方に向けて設けられている。連通筒部21aは、後述のノズル53によって噴射されたオイルの出口となる筒状部材である。連通筒部21aの内部空間は下部ケース21の内部空間に連通する。連通筒部21aの先端部の外周面にはフランジ21dが設けられ、連通筒部21aの先端部及びフランジ21dがエンジン4の側面に結合される(図3参照)。このため、連通筒部21aの内部空間は、エンジン4の内部空間に連通する。また、連通筒部21aはブローバイガスの流路として機能する。
下部ケース21の底面は、連通筒部21aに向かって下りに傾斜する。そして、下部ケース21の底面から上方に向かって延びた円筒状のオイル案内パイプ21bが下部ケース21の内側に設けられている。オイル案内パイプ21bの下端にはジョイント部21cが設けられており、このジョイント部21cが下部ケース21の底面に臨んでいる。このジョイント部21cはオイル供給管10に接続されており、エンジン4からオイルセパレータ2に供給されるオイルがオイル案内パイプ21bの内側を上方へ流れる。オイル案内パイプ21b内を上に流れたオイルは、後述のスピンドルシャフト51及びスピンドル52の内側を経由して後述のノズル53へと流れる。ジョイント部21c内にはストレーナー35が設けられ、オイルがストレーナー35によって濾過される。
図4、図5及び図14に示すように、下部隔壁部材31の周縁部には二つのドレン孔31bが形成され、これらドレン孔31bは下部隔壁部材31の中心に関して相対する位置に配置されている。これらドレン孔31bが下部隔壁部材31を上下に貫通する。下部隔壁部材31の上面においてドレン孔31bが中部ケース22の内周面の近傍で開口し、より具体的にはドレン孔31bが中部ケース22の内周面に沿って設けられている。
下部隔壁部材31の上面にはゲート31cが突状に設けられている。ゲート31cは、ドレン孔31bを塞がないようにして、ドレン孔31bの上からドレン孔31bを覆いつつ、周方向一方側(例えば、上から見て、反時計回り側)に向けて開口する。具体的には、ゲート31cが立壁部31d及び天井部31eを有する。立壁部31dは、ドレン孔31bの径方向内側の縁において下部隔壁部材31の上面に立設されている。天井部31eは立壁部31dの上端から径方向外方に延出して、天井部31eの径方向外方端部が中部ケース22の内周面に当接する。そして、天井部31eは、ドレン孔31bの上方に設けられている天井部31eがドレン孔31bの周方向一方側の縁部から周方向他方側の縁部に向けて下りに傾斜し、天井部31eの最下部がドレン孔31bの周方向他方側の縁部に連接する。天井部31e及び立壁部31dの周方向一方側の端部によって囲われた開口がゲート31cの開口である。
図8及び図11~図13に示すように、下部隔壁部材31の下面の通し孔31aの周囲には、オイル返し31fが設けられている。オイル返し31fは凹状に設けられている。具体的には、径方向に沿った断面におけるオイル返し31fの断面形状が半円状に形作られている。
オイル返し31fの周囲には、筒状のオイルガード31gが下部隔壁部材31の下面から垂下するように設けられている。オイルガード31gはドレン孔31bよりも径方向内側に配置されている。
図5及び図14に示すように、下部ケース21の内面の左右両側には、一対の壁部21fが上方に向けて突出するように設けられている。壁部21fはドレン孔31bよりも径方向内側に配置されている。これら壁部21fの間にオイルガード31gが配置される。壁部21fの上端が下部隔壁部材31の下面に当接する。壁部21fの外側には、壁部21fによって噴射室44と区切られた流路44aが形成されている。流路44aが周方向に延び、流路44aの周方向両端が開口して噴射室44に通じる。流路44aの天井面にドレン孔31bが設けられ、流路44aがドレン孔31bによって分離室43に通じている。
続いて、図8、図9及び図15を参照して、ローターユニット50について詳細に説明する。
ローターユニット50は、ブローバイガスからミスト状オイルを分離するための機構である。ローターユニット50は、スピンドルシャフト51、スピンドル52、ローター60及び複数のノズル53等を備える。なお、図15では、ローター60を見やすくするために、スピンドルシャフト51の図示を省略する。
ローターユニット50は、ブローバイガスからミスト状オイルを分離するための機構である。ローターユニット50は、スピンドルシャフト51、スピンドル52、ローター60及び複数のノズル53等を備える。なお、図15では、ローター60を見やすくするために、スピンドルシャフト51の図示を省略する。
スピンドルシャフト51は柱状部材である。このスピンドルシャフト51は、下部ケース21及び中部ケース22内において上下方向に沿って延在して、下部隔壁部材31の通し孔31aに通されている。スピンドルシャフト51の下端部がオイル案内パイプ21bに接続されている。また、スピンドルシャフト51の上端部が支持部32dの下面にある凹部32eに差し込まれ、スピンドルシャフト51の上端部が支持部32d及び中部隔壁部材32に支持されている。スピンドルシャフト51の内部には、第一オイル供給路51bがスピンドルシャフト51の中心線に沿って形成されている。第一オイル供給路51bの下端がスピンドルシャフト51の下端面において開口して、第一オイル供給路51bがオイル案内パイプ21b内に通じている。第一オイル供給路51bの上部がスピンドルシャフト51の中間部において径方向外方に向けて複数に分岐し、第一オイル供給路51bの端がスピンドルシャフト51の外周面において開口する。
スピンドル52は筒状部材である。このスピンドル52内にはスピンドルシャフト51が通され、スピンドルシャフト51の上部がスピンドル52の上端から上方に突き出ているとともに、スピンドルシャフト51の下部がスピンドル52の下端から下方に突き出ている。スピンドルシャフト51の外周面とスピンドル52の内周面との間には隙間が形成されており、その隙間が第二オイル供給路52aである。スピンドル52の上端部において下側軸受55がスピンドルシャフト51の外周面とスピンドル52の内周面との間に挟まれ、スピンドル52の下端部において下側軸受55がスピンドルシャフト51の外周面とスピンドル52の内周面との間に挟まれている。オイル案内パイプ21b内を上に流れたオイルは、後述のスピンドルシャフト51及びスピンドル52の内側を経由して後述のノズル53へと流れる。ジョイント部21c内にはストレーナー35が設けられ、オイルがストレーナー35によって濾過される。
スピンドル52のラジアル荷重が軸受55,56を介してスピンドルシャフト51に受けられ、スピンドル52が回転可能な状態でスピンドルシャフト51に支持されている。スピンドルシャフト51の上端部にナット58が螺合し、スピンドルシャフト51の下端部がオイル案内パイプ21bの上端面に設けられた軸受54に挿入されている。そして、ナット58と軸受54との間にはワッシャー57、上側軸受56、スピンドル52及び下側軸受55が挟まれており、スピンドル52のスラスト荷重が軸受54及びナット58に受けられる。
スピンドル52及び軸受55、56が軸方向に沿って僅かに移動できるように、僅かな隙間が下側軸受55と軸受54との間や上側軸受56とワッシャー57との間やワッシャー57とナット58との間に存在する。具体的には、ローター60の回転時にはスピンドル52及び軸受55、56が軸方向に沿って上昇し、ローター60の停止時にはスピンドル52及び軸受55、56が下降する。
また、スピンドル52の内周面と上側軸受56との間に僅かな隙間が存在し、オイル供給路52a内のオイルがその隙間を通じてスピンドル52の外に流出する。
スピンドル52及び軸受55、56が軸方向に沿って僅かに移動できるように、僅かな隙間が下側軸受55と軸受54との間や上側軸受56とワッシャー57との間やワッシャー57とナット58との間に存在する。具体的には、ローター60の回転時にはスピンドル52及び軸受55、56が軸方向に沿って上昇し、ローター60の停止時にはスピンドル52及び軸受55、56が下降する。
また、スピンドル52の内周面と上側軸受56との間に僅かな隙間が存在し、オイル供給路52a内のオイルがその隙間を通じてスピンドル52の外に流出する。
スピンドル52がスピンドルシャフト51に支持された状態では、スピンドル52が下部隔壁部材31の通し孔31aに通されており、そのスピンドル52が通し孔31aから上方へ延び出ているとともに、通し孔31aから下方へ延び出ている。スピンドル52の下部(特に、下部隔壁部材31よりも下側の部分)の外周面からは複数のノズル53が突設され、これらノズル53が周方向に沿って等間隔(例えば、120°の間隔)で配列されている。これらノズル53は噴射室44内に配置されているとともに、オイルガード31gの内側に配置されている。これらノズル53は、オイルを噴射して、オイルの噴射圧によってスピンドル52の回転の動力を発生させるものである。
ノズル53が円筒状に設けられ、ノズル53の基端においてノズル53の中空が開口し、ノズル53の先端においてノズル53の中空が閉塞されている。ノズル53の基端がスピンドル52の外周面から内周面に向けて通されるようにしてスピンドル52に接続され、ノズル53の中空が第二オイル供給路52aに通じている。ノズル53は、スピンドル52の軸線方向に対して下向き斜め45度の角度で取り付けられている。ノズル53の先端部の周面には噴射口53aが形成され、その噴射口53aがノズル53の中空に通じている。噴射口53aがスピンドル52の軸線を中心とした周方向に向けられている。噴射口53aとゲート31cは、周方向同一の向きに開口する。
ローター60は、ブローバイガスからオイルミストを分離する部分である。このローター60は筒状の外観をしており、ローター60の中心部が空間62とされ、その中心側空間62がローター60を上下方向に貫通し、中心側空間62の上下が開放されている。この中心側空間62にはスピンドル52が挿入されており、スピンドル52とローター60とは互いに結合されている。従って、ローター60は、ノズル53によるオイルの噴射圧によってスピンドル52とともに回転する。
このローター60は、分離ディスク群61、上部ホルダ71、下部ホルダ72及びディスク保持部73を備える。分離ディスク群61は複数枚の分離ディスク63から構成され、これら分離ディスク63がスピンドル52の軸線方向に積層されている。分離ディスク63の上面若しくは下面又はこれらの両面には、複数の凸状部(例えば、リブ、突起等)が設けられている。凸状部が隣りの分離ディスク63に当接し、積み重ねられた分離ディスク63同士の間に隙間が形成される。図8に示すように凸状部がリブ63aである場合、これらリブ63aが分離ディスク63の内周縁から外周縁にかけて放射状に設けられている。なお、図4~図11、図14及び図15では、分離ディスク63同士の間隔を空けて描いているが実際の間隔は極めて狭く、例えば0.3mm以下に定められている。分離ディスク63同士の間隔は凸状部(リブ63a)の高さによって決められる。
分離ディスク63について詳細に説明する。分離ディスク63は、スピンドル52の軸線周りの回転体である。より具体的には、分離ディスク63は、スピンドル52の軸線から径方向外向きに離れた上下逆V字を軸線周りに回転することによって得られた形状に設けられている。そのため、分離ディスク63の中央部には、取付開口66が形成されている。分離ディスク63が積み重ねられることに伴って、これら取付開口66からなる中心側空間62が形成される。
分離ディスク63は、内周側部分65と、内周側部分65よりも径方向外側の外周側部分64と、を備える。
内周側部分65は、分離ディスク63の中心の下方を頂点とした錐面型の板状に形作られている。そのため、内周側部分65は、径方向外方に向けて上向きに傾斜する。外周側部分64は、分離ディスク63の中心の上方を頂点とした錐面型の板状に形作られている。そのため、外周側部分64は、径方向外方に向けて下向きに傾斜する。外周側部分64の内周縁が内周側部分65の外周縁に繋がって、外周側部分64が内周側部分65の外周縁から外側へ続き、外周側部分64と内周側部分65が一体成形されている。ここで、錐面とは、裁頭錐体の外周面をいう。
内周側部分65は、分離ディスク63の中心の下方を頂点とした錐面型の板状に形作られている。そのため、内周側部分65は、径方向外方に向けて上向きに傾斜する。外周側部分64は、分離ディスク63の中心の上方を頂点とした錐面型の板状に形作られている。そのため、外周側部分64は、径方向外方に向けて下向きに傾斜する。外周側部分64の内周縁が内周側部分65の外周縁に繋がって、外周側部分64が内周側部分65の外周縁から外側へ続き、外周側部分64と内周側部分65が一体成形されている。ここで、錐面とは、裁頭錐体の外周面をいう。
以上のように外周側部分64が内周側部分65の外周縁から下側に曲折し、内周側部分65の傾斜の向きと外周側部分64の傾斜の向きが逆向きとなっている。分離ディスク63がその内周縁と外周縁との間において曲折しているので、分離ディスク63の剛性が向上する。更に、内周側部分65と外周側部分64との間に挟まれる角部(尾根部)が丸面取りされた状態となっているので、分離ディスク63の剛性が向上する。そのため、分離ディスク63が薄くても、分離ディスク63の変形を抑制することができる。分離ディスク63が薄ければ、分離ディスク63の積み重ね枚数を増やすことができる。
分離ディスク63が曲折しているので、分離ディスク63の内周縁から分離ディスク63の表面に沿って分離ディスク63の外周縁までの長さを大きくとることができ、分離ディスク63の表面積を大きくとることができる。よって、オイルの分離効率が向上する。
更に、分離ディスク63の積み重ね枚数が増えても、これら分離ディスク63の積み重ね高さが高くなることを抑えることができる。
また、分離ディスク63が曲折しているので、径方向に対する内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角を急勾配にした状態でも、分離ディスク63の自体の高さを抑えることができる。径方向に対する内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角が急勾配であれば、オイルの分離効率が高い。
更に、分離ディスク63の積み重ね枚数が増えても、これら分離ディスク63の積み重ね高さが高くなることを抑えることができる。
また、分離ディスク63が曲折しているので、径方向に対する内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角を急勾配にした状態でも、分離ディスク63の自体の高さを抑えることができる。径方向に対する内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角が急勾配であれば、オイルの分離効率が高い。
図18を参照して、内周側部分65及び外周側部分64の好ましい傾斜角について説明すると、径方向に対する内周側部分65の傾斜角θ1が45°以下であり、径方向に対する外周側部分64の傾斜角θ2が45°以下である。傾斜角θ1,θ2がともに45°以下であれば、内周側部分65と外周側部分64によって挟まれる角部の角度θ3が直角又は鈍角である。内周側部分65と外周側部分64によって挟まれる角部の角度θ3が直角又は鈍角であると、積み重なった分離ディスク63同士の間隔が広くなってしまうことを抑えることができる。よって、より多くの分離ディスク63を積み重ねることができる。内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角θ1,θ2が45°であれば、分離ディスク63同士の間隔増大防止と分離効率の低下防止とを両立することができる。
図19~図21を参照して、内周側部分65と外周側部分64の好ましい比率について説明する。ここで、図19~図21において、内周側部分65及び外周側部分64の傾斜角θ1,θ2(図18参照)が互いに等しいものとする。図19に示すように、分離ディスク63が外周縁と内周縁との間の中点において折り曲げられており、内周側部分65の内周縁から径方向に沿って内周側部分65の外周縁までの距離L1が外周側部分64の内周縁から径方向に沿って外周側部分64の外周縁までの距離L2に等しい。
図20に示すように、距離L1が距離L2によりも長い。また、内周側部分65の内周縁から軸方向に沿って内周側部分65の外周縁までの距離L3が外周側部分64の内周縁から軸方向に沿って外周側部分64の外周縁までの距離L4よりも長く、その距離L4は内周側部分65の内周縁から軸方向に沿って外周側部分64の外周縁までの距離L5よりも長い。そして、距離L1は、距離L1と距離L2の和の50%を越え、60%以下であることが好ましい。
図21に示すように、距離L1が距離L2によりも短い。また、距離L4が距離L3よりも長く、その距離L3は距離L5よりも長い。そして、距離L1は、距離L1と距離L2の和の40%以上、50%未満であることが好ましい。
なお、図19~図21を参照して説明した距離L1,L2,L3,L4,L5の比率は、傾斜角θ1と傾斜角θ2が異なる場合にも適用してもよい。
図20に示すように、距離L1が距離L2によりも長い。また、内周側部分65の内周縁から軸方向に沿って内周側部分65の外周縁までの距離L3が外周側部分64の内周縁から軸方向に沿って外周側部分64の外周縁までの距離L4よりも長く、その距離L4は内周側部分65の内周縁から軸方向に沿って外周側部分64の外周縁までの距離L5よりも長い。そして、距離L1は、距離L1と距離L2の和の50%を越え、60%以下であることが好ましい。
図21に示すように、距離L1が距離L2によりも短い。また、距離L4が距離L3よりも長く、その距離L3は距離L5よりも長い。そして、距離L1は、距離L1と距離L2の和の40%以上、50%未満であることが好ましい。
なお、図19~図21を参照して説明した距離L1,L2,L3,L4,L5の比率は、傾斜角θ1と傾斜角θ2が異なる場合にも適用してもよい。
図22に示すような実施例の分離ディスク63と比較例の分離ディスク163及び分離ディスク263とを比較して、分離ディスク63を採用した利点について詳細に説明する。図22に示す分離ディスク63、分離ディスク163及び分離ディスク263は何れも内周径が等しいうえ、何れも外周径が等しく、何れも厚さが等しいものとする。実施例の分離ディスク63については、径方向を基準とした内周側部分65の傾斜角と外周側部分64の傾斜角が等しく、図22に示す長さL6と長さL7が等しいものとする。比較例の分離ディスク163は錐面型の板状に形作られており、分離ディスク63の高さH1と分離ディスク163の高さH2が等しい。比較例の分離ディスク263は錐面型の板状に形作られており、径方向を基準とした分離ディスク263の外周面の傾斜角θ4が分離ディスク63の外周側部分64の傾斜角θ2に等しい。分離ディスク263の高さH3は分離ディスク63の高さH1の2倍である。
分離ディスク63の積み重ね枚数と分離ディスク163の積み重ね枚数が等しく、分離ディスク63同士の間隔と分離ディスク163同士の間隔が等しい場合、分離ディスク63の積層体の高さと分離ディスク163の積層体の高さが等しい。ところが、分離ディスク63の表面積が分離ディスク163の表面積よりも大きく、分離ディスク63の積層体の表面積が分離ディスク163の積層体の表面積よりも大きい。表面積が大きいほどオイル分離効率が高いので、分離ディスク63が分離ディスク163よりも有効的なことがわかる。つまり、分離ディスク63の積層体と分離ディスク163の積層体が同程度の大きさであれば、分離ディスク163の積層体よりも分離ディスク63の積層体のほうがオイル分離効果が高い。
一方、分離ディスク63の積層体の表面積と分離ディスク163の積層体の表面積が等しい場合には、分離ディスク63の積み重ね枚数が分離ディスク163の積み重ね枚数よりも少ない上、分離ディスク63の積層体が分離ディスク163の積層体よりも低い。装置のコンパクト化の観点からすると、分離ディスク63が分離ディスク163よりも有効的なことがわかる。つまり、分離ディスク63の積層体と分離ディスク163の積層体が同程度のオイル分離効果であれば、分離ディスク163の積層体よりも分離ディスク63の積層体のほうがコンパクトである。
分離ディスク63の積み重ね枚数と分離ディスク263の積み重ね枚数が等しく、分離ディスク63同士の間隔と分離ディスク263同士の間隔が等しい場合、分離ディスク63の積層体の表面積が分離ディスク163の積層体の表面積に等しい。ところが、分離ディスク63の積層体が分離ディスク263の積層体よりも低い。従って、分離ディスク63の積層体と分離ディスク263の積層体が同程度のオイル分離効果であれば、分離ディスク263の積層体よりも分離ディスク63の積層体のほうがコンパクトである。
一方、分離ディスク63の積層体の高さと分離ディスク263の積層体の高さが等しい場合、分離ディスク63の積み重ね枚数が分離ディスク263の積み重ね枚数よりも多い上、分離ディスク63の積層体の表面積が分離ディスク263の積層体の表面積よりも大きい。よって、分離ディスク63の積層体と分離ディスク263の積層体が同程度の大きさであれば、分離ディスク263の積層体よりも分離ディスク63の積層体のほうがオイル分離効率が高い。
ところで、上述したように分離ディスク63が高剛性であるため、分離ディスク63の薄型化が実現され、分離ディスク63の積み重ね枚数の増大も実現される。具体的に、図23に示すような実施例の分離ディスク63の積層体と分離ディスク363の積層体を比較する。分離ディスク63及び分離ディスク363はどちらも内周径が等しいうえ、どちらも外周径が等しい。また、径方向を基準とした内周側部分65の傾斜角と外周側部分64の傾斜角が等しく、外周側部分64の傾斜角と分離ディスク363の傾斜角が等しい。更に、分離ディスク63同士の間の隙間の間隔は、分離ディスク363同士の間の隙間の間隔に等しい。更に、分離ディスク63の積層体の高さと分離ディスク363の積層体の高さが等しいものとする。このような条件のもとでは、分離ディスク63の表面積と分離ディスク363の表面積がほぼ等しい。そうであっても、分離ディスク63を分離ディスク363よりも薄くすることができるため、分離ディスク63の積層枚数(例えば、83枚)が分離ディスク363の積層枚数(例えば、63枚)よりも多いうえ、分離ディスク63同士の間の隙間の総容積及び開口面積が分離ディスク363同士の間の隙間の総容積及び開口面積よりも大きい。更に、分離ディスク63の積層体の総表面積が分離ディスク363の積層体の総表面積よりも大きい。そのため、図24に示すように、分離ディスク363の積層体よりも分離ディスク63の積層体のほうがオイル分離効率が高い。更に、ブローバイガスの流れに与える抵抗は、分離ディスク363よりも分離ディスク63のほうが小さい。ここで、図24において、「実施例」は、分離ディスク63の積層体についての回転速度とオイル分離効率との関係を示したものであり、「比較例」は、分離ディスク363の積層体についての回転速度とオイル分離効率との関係を示したものである。
図9及び図15に示すように、以上のような複数枚の分離ディスク63が上部ホルダ71、下部ホルダ72及びディスク保持部73に組み付けられて、ローター60が組み立てられている。このローター60は分離室43内に収容されている。
上述のように分離ディスク63の形状を工夫したことによってローター60の高さが低いので、分離室43の高さも低くすることができる。更に、下部隔壁部材31から中部隔壁部材32までの距離を短くすることができ、下部隔壁部材31をより上に配置するようことができる。そのため、ノズル53(特に噴射口53a)を下部隔壁部材31及び最も下の分離ディスク63よりも下方に配置することができる。ゆえにノズル53から噴射するオイルが下部隔壁部材31に向けて噴射しないようにすることができる。
図8及び図9に示すように、分離ディスク63が曲折しているため、分離ディスク63の内周縁の上下方向の位置が外周縁の上下方向の位置に近い。好ましくは、分離ディスク63の内周縁の上下方向の位置が外周縁は上下方向の位置に揃っている。そして、下部隔壁部材31を周方向及び径方向に広がるように設けられている。そのため、分離室43の上下長を抑えることができ、ハウジング20のコンパクト化を図ることができる。
また、ノズル53が下部隔壁部材31よりも下方に配置されても、ノズル53がより上に配置されて、そのノズル53が下部隔壁部材31の近傍に配置されている。ノズル53がより上に配置されても、下部隔壁部材31が周方向及び径方向によって規定される面に沿っているので、ノズル53がより上に配置されても、ノズル53(特に噴射口53a)から噴射するオイルが下部隔壁部材31に吹きつけられないようにすることができる。また、ノズル53が下部隔壁部材31の近傍に配置されているので、噴射室44の上下長を抑えることができ、ハウジング20のコンパクト化を図ることができる。
上述のようにオイル返し31fが凹状に形成されているため、下部隔壁部材31の上面のうちオイル返し31fの反対側の部位が凸状に形成されている。オイル返し31fの反対側の部位が最も下の分離ディスク63及び下部ホルダ72の下にスペースにあり、空間の有効利用を図ることができる。これは分離ディスク63が山折りとなっているためである。
図8及び図15に示すように、ディスク保持部73は分離ディスク63の取付開口66に挿入され、分離ディスク63はディスク保持部73に取り付けられている。そして、スピンドル52がディスク保持部73に挿入され、スピンドル52の外周面がディス保持部73に当接している。そして、止め輪78及びワッシャー75~77によってスピンドル52がディスク保持部73に取り付けられている。このディスク保持部73はハブ部73a及び複数のスポーク部73bを有する。ハブ部73aがリング状に設けられ、スピンドル52がハブ部73aに挿入され、スピンドル52がハブ部73aに固定されている。スポーク部73bは、ハブ部73aから径方向外方へ放射状に延びる板状に設けられている。これらスポーク部73bは、積み重ねられた分離ディスク63の取付開口66に上下方向に沿って挿入されている。また、これらスポーク部73bが取付開口66の縁の周方向に沿って間隔をおいて配列されているので、隣り合うスポーク部73bの間には隙間が形成されている。そして、スポーク部73bが分離ディスク63に固定されている。
上部ホルダ71が、積層された複数枚の分離ディスク63を上から保持する。下部ホルダ72は、これら分離ディスク63を下から保持する。これら分離ディスク63が上部ホルダ71と下部ホルダ72との間に挟み込まれ、上部ホルダ71及び下部ホルダ72が分離ディスク63を保持する。ここで、複数の係合フック74が上部ホルダ71の外周部から下方に垂下するように設けられ、係合フック74の下端部が下部ホルダ72の外周部に係止している。
上部ホルダ71は、分離ディスク63と同様に、スピンドル52の軸線から径方向外方に離れた上下逆V字を軸線周りに回転することによって得られた形状に設けられている。従って、上部ホルダ71の内周側部分が径方向外方に向けて上向きに傾斜し、上部ホルダ71の外周側部分が径方向外方に向けて下向きに傾斜する。下部ホルダ72についても同様である。
図7及び図15に示すように、上部ホルダ71の中央部に開口71aが形成されており、その開口71aが中心側空間62の上側の開口である。上部ホルダ71の内周縁がスポーク部73bの上端に接続され、スポーク部73bと上部ホルダ71が一体成形されている。中部隔壁部材32の嵌合部32bが上部ホルダ71の開口71aに挿入されている。
図8及び図15に示すように、下部ホルダ72の中央部には開口72aが形成されており、その開口72aが中心側空間62の下側の開口である。スピンドル52が下部ホルダ72の開口72aに挿入され、開口72aの周辺部がスピンドル52の下部の外周面とディスク保持部73の下端との間に挟持される。そして、止め輪78によってスピンドル52が下部ホルダ72に固定される。また、スピンドル52の下部の外周面が下部ホルダ72の開口72aの縁に接合し、中心側空間62の下側開口がスピンドル52によって閉塞される。
図16に示すように、下部ホルダ72の開口72aの周辺部には複数の調圧孔72bが形成されている。調圧孔72bが下部隔壁部材31の通し孔31aの縁よりも内側に配されており、調圧孔72bによってローター60の中心側空間62と噴射室44が通じている。
図17に示すように、下部ホルダ72の外周縁には、上方に向けて突出した円筒状の仕切壁72cが設けられている。仕切壁72cの上端には、径方向外方に縁出したフランジ72dが設けられている。フランジ72dの外周縁が中部ケース22の内周面から離れており、フランジ72dの外周縁と中部ケース22の内周面の間には隙間43aが形成されている。フランジ72dが下部隔壁部材31の上面から上に離れており、フランジ72dの下にはオイル処理室43bが形成されている。オイル処理室43bと分離室43が隙間43aによって通じている。また、ドレン孔31bがオイル処理室43b内の部位において下部隔壁部材31を上下に貫通する。更に、ゲート31cはフランジ72dの下に配置されている。
ローター60がスピンドル52に組み付けられた状態では、ノズル53が最も下の分離ディスク63の内周側部分65の内周縁よりも下に位置する。更に、ノズル53が最も下の分離ディスク63の外周側部分64の外周縁よりも下に位置する。そのため、ノズル53よりも径方向外側が分離ディスク63によって囲われていない。そうすると、上述のように下部隔壁部材31を径方向に沿って配置することができる。更に、ノズル53によって噴射されるオイルが下部隔壁部材31及びローター60等に干渉せず、噴射されたオイルの飛翔領域を確保することができる。
図7に示すように、以上のようにローターユニット50がハウジング20内においてハウジング20に回転可能に取り付けられた状態では、分離ディスク63が中部隔壁部材32の連通孔32cの下方を径方向内側から径方向外側へ跨がっている。そのため、連通孔32cが分離ディスク63の外周縁よりも径方向内側に配置されている。
図8に示すように、下部ホルダ72の下面と下部隔壁部材31の上面との間は、ラビリンスシール80が設けられている。ラビリンスシール80は複数の第一シールフィン81及び複数の第二シールフィン82を有する。第一シールフィン81は、下部ホルダ72の下面から下方の下部隔壁部材31に向けて突出する。これら第一シールフィン81は、下部ホルダ72の開口72aを囲うようにリング状に設けられているとともに、開口72aを中心として同心状に配置されている。従って、これら第一シールフィン81の間にはリング状の溝が形成されている。第二シールフィン82は、下部隔壁部材31の上面から上方の下部ホルダ72に向けて突出する。これら第二シールフィン82は、下部隔壁部材31の通し孔31aを囲うようにリング状に設けられているとともに、通し孔31aを中心として同心状に配置されている。従って、これら第二シールフィン82の間にはリング状の溝が形成されている。
第一シールフィン81と第二シールフィン82が互いに噛み合うように配置されている。つまり、第一シールフィン81が第二シールフィン82の同士の間の溝内に遊びをもって差し込まれ、第二シールフィン82が第一シールフィン81の同士の間の溝内に遊びをもって差し込まれている。
続いて、図7を参照して、PCVバルブ90について詳細に説明する。
PCVバルブ90は、環流されるブローバイガスの流量を調整することによって、エンジン4の吸気圧力やクランクケース側の圧力を適切に調整する。具体的には、PCVバルブ90は、上部隔壁部材33の連通穴33aの開き具合を調整することによってブローバイガスの流量を調整する。
PCVバルブ90は、環流されるブローバイガスの流量を調整することによって、エンジン4の吸気圧力やクランクケース側の圧力を適切に調整する。具体的には、PCVバルブ90は、上部隔壁部材33の連通穴33aの開き具合を調整することによってブローバイガスの流量を調整する。
PCVバルブ90は第二チャンバー45内に取り付けられている。このPCVバルブ90はダイヤフラム91、上側スプリング92及び下側スプリング93を備える。ダイヤフラム91は、円盤状の弁体であり、ゴムと樹脂を成形することで作製されている。このダイヤフラム91は、第二チャンバー45内に収容されているとともに、上部隔壁部材33の連通穴33aの下に配置されている。このダイヤフラム91の外縁部が隔壁部22aの上面に接合されている。そして、隔壁部22aの連通孔22dがダイヤフラム91の外縁部よりも外側に配置されている。
上側スプリング92及び下側スプリング93は、ダイヤフラム91の中央部を上下方向に移動可能な状態で支持するための弾性部材である。上側スプリング92は、ダイヤフラム91の中央部の上方においてダイヤフラム91と上部隔壁部材33との間に挟まれている。下側スプリング93は、ダイヤフラム91の中央部の下方においてダイヤフラム91と隔壁部22aとの間に挟まれている。そして、これらの上側スプリング92と下側スプリング93によってダイヤフラム91を挟み、移動可能な状態で支持している。
続いて、オイルセパレータ2の動作について説明する。
エンジン4からオイルセパレータ2に供給されるオイルは、オイル案内パイプ21b、第一オイル供給路51b及び第二オイル供給路52aを経由してノズル53内に流れ込む。そして、ノズル53内のオイルが噴射口53aから噴射する。噴射口53aからのオイルの噴射向きはスピンドル52の軸線を中心とした周方向である。より具体的には、オイルの噴射向きがスピンドル52の軸線に対して垂直な方向であって、スピンドル52の軸線が鉛直方向に沿っている場合にはオイルの噴射向きが水平方向である。オイルの噴射圧によってスピンドル52及びローター60がスピンドル52の軸線を中心にして回転する。スピンドル52及びローター60の回転の向きはオイルの噴射の向きの反対である。
エンジン4からオイルセパレータ2に供給されるオイルは、オイル案内パイプ21b、第一オイル供給路51b及び第二オイル供給路52aを経由してノズル53内に流れ込む。そして、ノズル53内のオイルが噴射口53aから噴射する。噴射口53aからのオイルの噴射向きはスピンドル52の軸線を中心とした周方向である。より具体的には、オイルの噴射向きがスピンドル52の軸線に対して垂直な方向であって、スピンドル52の軸線が鉛直方向に沿っている場合にはオイルの噴射向きが水平方向である。オイルの噴射圧によってスピンドル52及びローター60がスピンドル52の軸線を中心にして回転する。スピンドル52及びローター60の回転の向きはオイルの噴射の向きの反対である。
ところで、ローター60の回転中にローター60が歳差運動をする場合がある。ところが、上述のように分離ディスク63の形状を工夫したことによってローター60の高さが小さく、ローター60の重心が歳差運動の支点に近い。そのため、ローター60の軸線の揺れ幅が小さく、ローター60の歳差運動の発生を低減することができる。よって、ローター60の回転速度の向上を図れる。
分離ディスク63の形状を工夫したことによってローター60の高さが小さいため、ローター60の空気抵抗が小さい。そのため、ローター60の回転速度の向上を図れる。
噴射口53aから噴射されたオイルはオイルガード31gに吹き付けられる。そのため、噴射されたオイルがその勢いによってドレン孔31bに入り込むことを防止することができる。
オイルガード31gに吹き付けられたオイルは、オイルガード31gや下部ケース21の内周面に沿って流下する。そのオイルの温度が80~110℃と高いため、そのオイルがオイルセパレータ2を下部ケース21の側から加温する。これにより、寒冷地での使用であっても、凍結等によるオイルセパレータ2の動作不具合の発生を抑えることができる。流下したオイルは、下部ケース21内の底部から連通筒部21aを通ってエンジン4に戻される。
オイルガード31gに吹き付けられたオイルは、オイルガード31gや下部ケース21の内周面に沿って流下する。そのオイルの温度が80~110℃と高いため、そのオイルがオイルセパレータ2を下部ケース21の側から加温する。これにより、寒冷地での使用であっても、凍結等によるオイルセパレータ2の動作不具合の発生を抑えることができる。流下したオイルは、下部ケース21内の底部から連通筒部21aを通ってエンジン4に戻される。
ところで、自動車の加速・減速・旋回・振動・傾斜等によってオイルセパレータ2が揺動する。それに伴い、噴射室44内のオイルが振動して、そのオイルの液面にスロッシングが生じる。そのような場合でも、オイルがオイル返し31fによって堰き止められて、径方向内側に返される。よって、オイルが下部隔壁部材31の通し孔31aを通って下部隔壁部材31の上に流れ込むことを抑制することができる。更に、ノズル53が噴射室44内のオイルを浴びることも抑制することができ、ノズル53の噴射圧低下に起因したスピンドル52及びローター60の回転速度の低下を抑制することができる。
スピンドル52及びローター60の回転中には、ミスト状オイルを含有したブローバイガスがエンジン4からガス導出管5を通ってオイルセパレータ2に供給される。そのブローバイガスは、吸入パイプ24及びインレット孔22bを通って導入路41内に導入される。そして、そのブローバイガスは、導入路41から嵌合部32bの中空並びに上部ホルダ71の開口71aを通って、ディスク保持部73の内側(より具体的には、スポーク部73bの内側)へ流れ込む。ディスク保持部73の内側に流れ込んだブローバイガスは、スポーク部73b同士の間の隙間を径方向外方に向けて流動して、分離ディスク63同士の間の隙間に流れ込む。分離ディスク63同士の間の隙間に流れ込んだブローバイガスは径方向外方へ流動する。ここで、分離ディスク63同士の間の隙間に流れ込んだブローバイガスに対しては、上流側からの圧力(エンジン4からオイルセパレータ2へのガス供給圧)が作用する上、ローター60の回転による遠心力も作用する。つまり、導入路41内のブローバイガスをディスク保持部73の内側へ吸引する吸引圧がローター60の回転による遠心力によって生じ、ブローバイガスの流速が上昇する。
一方、第二オイル供給路52a内のオイルが、スピンドル52の内周面と上側軸受56との間の僅かな隙間を通じてディスク保持部73の内側(より具体的には、スポーク部73bの内側)に流れ出る。第二オイル供給路52aからディスク保持部73の内側に流れ出たオイルの温度が80~110℃と高いので、ローター60及びその近傍を内部から加温する。これにより、寒冷地での使用であっても、凍結等によるオイルセパレータ2の動作不具合の発生を抑えることができる。
第二オイル供給路52aからディスク保持部73の内側に流れ出たオイルは、ブローバイガスとともに分離ディスク63同士の間の隙間に流れ込む。分離ディスク63同士の間の隙間にあるオイルは遠心力によって分離ディスク63の表面に広がって、油膜が分離ディスク63の表面に形成される。主に、分離ディスク63の内周側部分65の上面と外周側部分64の下面に油膜が形成される。なお、分離ディスク63の表面の油膜には、第二オイル供給路52aからディスク保持部73の内側に流れ出たオイルのみならず、後述のようにブローバイガスから分離されたオイルも含まれる。
ブローバイガスが分離ディスク63同士の間の隙間を流動していると、ブローバイガスに含まれるオイル状ミストが分離ディスク63の表面の油膜に吸収される。これにより、ブローバイガス中のミスト状オイルが分離ディスク63によって捕捉されて、ブローバイガスからミスト状オイルが分離される。上述したように分離ディスク63の表面積が大きく、分離ディスク63の積み重ね枚数も多いので、分離ディスク63によってミスト状オイルが捕捉されやすく、オイルの分離効率が高い。
また、ブローバイガスから分離されたオイルのみならず、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルも、分離ディスク63の表面の油膜の成分となっているので、分離ディスク63の表面に十分な油膜が形成される。そして、そのような油膜にブローバイガス中のミスト状オイルが吸収されるので、ミスト状オイルの分離効率が高い。
また、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルの物性(濡れ性)と、ブローバイガス中のミスト状オイルの物性(濡れ性)が同一である。そのため、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルとブローバイガス中のミスト状オイルとの親和性が高い上、ブローバイガス中のミスト状オイルと分離ディスク63の表面の油膜との親和性も高い。よって、ブローバイガス中のミスト状オイルが分離ディスク63の表面の油膜に吸収されやすく、ミスト状オイルの分離効率が高い。
また、ブローバイガスから分離されたオイルのみならず、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルも、分離ディスク63の表面の油膜の成分となっているので、分離ディスク63の表面に十分な油膜が形成される。そして、そのような油膜にブローバイガス中のミスト状オイルが吸収されるので、ミスト状オイルの分離効率が高い。
また、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルの物性(濡れ性)と、ブローバイガス中のミスト状オイルの物性(濡れ性)が同一である。そのため、第二オイル供給路52aから流れ出たオイルとブローバイガス中のミスト状オイルとの親和性が高い上、ブローバイガス中のミスト状オイルと分離ディスク63の表面の油膜との親和性も高い。よって、ブローバイガス中のミスト状オイルが分離ディスク63の表面の油膜に吸収されやすく、ミスト状オイルの分離効率が高い。
オイルミストが除去された処理後のブローバイガスは、分離ディスク63同士の間の隙間の外周から外側に排出された後、分離室43内において上昇する。そして、上昇した処理後のブローバイガスは、分離室43から連通孔32cを通って第一チャンバー42に流れ込み、更に第一チャンバー42から連通孔22dを通って第二チャンバー45に流れ込む。そして、ブローバイガスは、第二チャンバー45から上部隔壁部材33の連通穴33a、第三チャンバー46及びガス排出部23aを通ってブリーザーパイプ3に排出される。これにより、ブローバイガスがエンジン4へと環流される。ここで、連通孔32cから第一チャンバー42内にブローバイガスが流れ込むと、そのブローバイガスの流速が第一チャンバー42内にて失速する。同様に、ブローバイガスの流速が第二チャンバー45及び第三チャンバー46内にて失速する。
分離室43とオイル処理室43bが隙間43aによってのみ通じており、分離ディスク63同士の間の隙間から排出されたブローバイガスの圧力が隙間43aに作用する。そのため、エンジン4のクランクケース内のブローバイガスが連通筒部21a、噴射室44、ドレン孔31b及びオイル処理室43b及び隙間43aを通じて分離室43に流れ込むことを防止することができる。
また、ラビリンスシール80が下部ホルダ72の下面と下部隔壁部材31の上面との間に設けられているので、分離室43と噴射室44との間でブローバイガスが漏れないようになっている。
また、ラビリンスシール80が下部ホルダ72の下面と下部隔壁部材31の上面との間に設けられているので、分離室43と噴射室44との間でブローバイガスが漏れないようになっている。
処理後のブローバイガスが上部隔壁部材33の連通穴33aを通過するに際して、そのブローバイガスの流量が調整される。つまり、エンジン4の吸気圧力(負圧)が過度に大きい場合には、ダイヤフラム91の中央部が上方へ移動して、連通穴33aの開き具合が小さくなって、ブローバイガスの流量が低下する。一方、クランクケース側の圧力が高い場合には、ダイヤフラム91の中央部が下方へ移動して、連通穴33aの開き具体が大きくなって、ブローバイガスの流量が上昇する。これにより、ブローバイガスの流量がダイヤフラム91によって適切に調整される。また、エンジン4、特にクランクケースの圧力も適切に調整される。
分離ディスク63の表面に付着したオイルは遠心力によって分離ディスク63の表面に沿って外周側へ流れる。特に、分離ディスク63の曲折した部分では、内周側部分65の上面の外縁にあるオイルが遠心力によって上隣りの分離ディスク63の外周側部分64の下面に飛び移る。
分離ディスク63の外周縁では、分離ディスク63の表面に付着したオイルが遠心力によって分離ディスク63同士の間の隙間の外周から外側に放出される。より具体的には、分離ディスク63が高速回転しているので、上から見た場合、放出されたオイルは、径方向外方の遠心力と接線方向の回転慣性力とを合成した合成力の向きへ飛翔する。更に、分離ディスク63の外周側部分64が径方向外方に向けて下向きに傾斜するので、横から見た場合、放出されたオイルは径方向外側且つ下斜めに向けて飛翔する。そのため、放出されたオイルが上昇中のブローバイガスに分散して、ミスト状になることを抑制することができる。よって、オイルセパレータ2から排出されるブローバイガスにはオイルが殆ど含まれない。
飛翔中のオイルがブローバイガスの上昇気流によって中部隔壁部材32の連通孔32cに流れ込むことを防止することができる。これは、連通孔32cが分離ディスク63の外周縁よりも径方向内側に配置されているためである。
飛翔したオイルが中部ケース22の内周面に付着する。そして、そのオイルは、飛翔の慣性力によって、中部ケース22の内周面に沿って螺旋状に下方へ流れる。そのオイルが、フランジ72dの外周縁と中部ケース22の内周面の隙間43aを通ってオイル処理室43bに流れ込む。そして、下部隔壁部材31の上面に至ったオイルが周方向に流れてゲート31cの開口へ流れ込む。このようにローター60の回転がオイルの流れに利用されるので、オイルがゲート31cの開口へ効率よく流れ込む。更に、ローター60の回転で生じた風によってオイルがゲート31cの開口に押し込まれる。これにより、オイルがオイル処理室43bからゲート31c及びドレン孔31bを通って噴射室44へ排出される。噴射室44内に排出されたオイルはノズル53から噴出したオイルと混合されて、その混合されたオイルが噴射室44から連通筒部21aを通って排出される。
また、分離室43とオイル処理室43bが隙間43aによってのみ通じており、オイル処理室43b内の圧力が分離室43内の圧力よりも低く、オイル処理室43b内の圧力と噴射室44内の圧力との差が小さい。オイル処理室43b内のオイルが連続的にドレン孔31bに流れ込み、オイルの逆流が起こりにくい。
また、分離室43とオイル処理室43bが隙間43aによってのみ通じており、オイル処理室43b内の圧力が分離室43内の圧力よりも低く、オイル処理室43b内の圧力と噴射室44内の圧力との差が小さい。オイル処理室43b内のオイルが連続的にドレン孔31bに流れ込み、オイルの逆流が起こりにくい。
中部ケース22の内周面に付着したオイルがブローバイガスの上昇気流によって上方に押される。そうであっても、中部隔壁部材32の連通孔32cが中部ケース22の内周面よりも径方向内側に配置されているので、付着したオイルが連通孔32cに入り込むことを抑制することができる。
分離室43内のブローバイガスの上昇気流によって押し上げられたオイルが中部隔壁部材32の連通孔32cを流入したものとしても、そのオイルが第一チャンバー42に滞留する。特に、第一チャンバー42内にてブローバイガスの流速が失速するので、オイルが第一チャンバー42内に滞留しやすい。例えば、オイルが第一チャンバー42の内壁面に付着して、第一チャンバー42内に滞留する。そのため、PCVバルブ90にオイルが付着することを抑えることができるうえ、オイルセパレータ2から排出されるブローバイガスにはオイルが殆ど含まれない。
第一チャンバー42からガス排出部23aまでの経路の途中には第二チャンバー45及び第三チャンバー46があり、第二チャンバー45及び第三チャンバー46が第一チャンバー42と同様にオイルの滞留空間となる。そのため、オイルセパレータ2から排出されるブローバイガスにはオイルが殆ど含まれない。
エンジン4のクランクケース内のブローバイガスが連通筒部21a内を通って噴射室44内にも流れ込む。そのブローバイガスに含まれるミスト状オイルは、ノズル53から噴射されたオイルに衝突して捕捉される。これにより、ブローバイガスからミスト状オイルが分離される。
噴射室44内のブローバイガスは下部ホルダ72の複数の調圧孔72bを通じてローター60の中心側空間62に流れ込む。そして、噴射室44から中心側空間62へ流れ込んだブローバイガスと、導入路41から中心側空間62へ流れ込んだブローバイガスとが混合される。上述のように、その混合されたブローバイガスが分離ディスク63同士の間の隙間を外周側へ流れることによって、そのブローバイガスからミスト状オイルが分離される。
ところで、非常時(例えば、ガス導出管5の凍結時)には、導入路41から中心側空間62へ流れ込むブローバイガスの流量が低下する。そのような場合でも、エンジン4から連通筒部21a、噴射室44及び調圧孔72bを通って中心側空間62へ流れ込むブローバイガスの流量が上昇する。そのため、非常時でも、ブローバイガスからオイル状ミストの分離が継続して行われる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
以上の実施の形態では、処理対象ガスはブローバイガスを例示した。それに対して、分離対象となるミスト状オイルを含有するガスであれば、処理対象ガスとなり得る。
以上の実施形態の説明では、分離ディスク63の内周側部分65及び外周側部分64が円錐面型板状に形作られた例示を示した。それに対して、内周側部分65及び外周側部分64が他の錐面型板状であってもよい。例えば、分離ディスク63がスピンドル52の軸線周りの回転対称体であり、内周側部分65及び外周側部分64が多角錐面型板状(例えば、三角錐面型板状、四角錐面型板状等)に形作られていてもよい。また、内周側部分65若しくは外周側部分64又はこれらの両方の母線が直線ではなく、所定の曲率の曲線(例えば円弧、楕円曲線、放物曲線、双曲線)であってもよい。
以上の実施の形態の説明では、オイルセパレータ2がエンジン4の側面に取り付けられていたが(図1参照)、オイルセパレータ2が取り付けられる箇所はエンジン4の側面に限るものではない。例えば、オイルセパレータ2がエンジン4の前面、後面、上面又は下面に取り付けられてもよい。更に、オイルセパレータ2がエンジン4ではなく、車体(特に、エンジンルーム)に取り付けられてもよい。必要に応じて、連通筒部21aからエンジン4まで配管されたオイル流通管が設置されていてもよい。
以上の実施の形態の説明では、換気システム1は、オイルセパレータ2によって処理されたブローバイガスがブリーザーパイプ3を通じて吸気側流路6に還元される閉鎖型システムであった。それに対して、換気システム1は、オイルセパレータ2によって処理されたブローバイガスが大気に排出される大気開放型システムであってもよい。換気システム1が大気開放型システムである場合、PCVバルブ90が上述のように設けられてもよいし、設けられてなくてもよい。
以上の実施形態の説明では、ローター60及びスピンドル52の回転動力はエンジン4から供給されるオイルの油圧を利用したものであった。それに対して、エンジン4の動力が動力伝動機構(例えば、ベルト伝動機構、歯車伝動機構、チェーン伝動機構)によってローター60及びスピンドル52に伝動して、ローター60及びスピンドル52が回転するものとしてもよい。また、エンジン4とは独立した動力源(例えば、電気モーター)がローター60及びスピンドル52を回転させるものとしてもよい。
以上の実施形態の説明では、ローター60の回転速度或いは回転数が検出されなかった。それに対して、図25に示すように、磁気センサ85及び複数の永久磁石86を利用して、ローター60の回転速度或いは回転数が検出されてもよい。ここで、複数の永久磁石86が上部ホルダ71の外周面に周方向に沿って等間隔で配列されている。一方、磁気センサ85は、中部ケース22の後面の上部に形成された取付孔22eに装着されている。取付孔22eの内面と磁気センサ85の外面との間にはゴム製のリング状シール87が挟まれる。磁気センサ85は例えばホール素子であり、ローター60の回転中に永久磁石86が磁気センサ85に近づいて、永久磁石86の通過が磁気センサ85によって検出されると磁気センサ85がパルスを出力する。磁気センサ85が中部ケース22の内側において露出しているので、磁気センサ85の検出精度が高い。
1…閉鎖型クランクケース換気システム, 2…オイルセパレータ, 20…ハウジング, 21…下部ケース, 22…中部ケース, 22a…隔壁部, 22b…インレット孔, 22c…リブ, 22d…連通孔, 22e…取付孔, 23…下部ケース, 23a…ガス排出部, 24…パイプ, 31…下部隔壁部材, 31a…通し孔, 31b…ドレン孔, 31c…ゲート, 31d…立壁部, 31e…天井部, 31g…オイルガード, 32…中部隔壁部材, 32b…嵌合部, 32c…連通孔, 33…上部隔壁部材, 33a…連通穴, 35…ストレーナー, 41…空間(導入路), 42…空間(第一チャンバー), 43…空間(分離室), 44…中空(噴射室), 45…中空(第二チャンバー), 46…中空(第三チャンバー), 50…ローターユニット, 51…スピンドルシャフト, 51b…第一オイル供給路, 52…スピンドル, 52a…第二オイル供給路, 53…ノズル, 53a…噴射口, 54…軸受, 55…下側軸受, 56…上側軸受, 60…ローター, 61…分離ディスク群, 62…中心側空間, 63…分離ディスク, 63a…リブ, 64…分離ディスクの外周側部分, 65…分離ディスクの内周側部分, 66…取付開口, 71…上部ホルダ, 71a…開口, 72…下部ホルダ, 72a…開口, 72b…調圧孔, 72c…立壁, 73…ディスク保持部, 73a…ハブ部, 73b…スポーク部, 74…フック, 80…ラビリンスシール, 81…第一シールフィン, 82…第二シールフィン, 85…磁気センサ, 86…永久磁石, 87…シール, 90…PCVバルブ, 91…ダイヤフラム, 92…上側スプリング, 93…下側スプリング
Claims (14)
- 軸周りに回転し、処理対象ガスに含まれるミスト状オイルを捕捉する分離ディスクであって、
前記軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して一方の軸方向側に傾斜した内周側部分と、
前記内周側部分の外周縁から外側へ続き、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、前記径方向に対して他方の軸方向側に傾斜した外周側部分と、を備えることを特徴とする分離ディスク。 - 前記内周側部分と前記外周側部分によって挟まれる角部が直角又は鈍角であることを特徴とする請求項1に記載の分離ディスク。
- 前記径方向に対する前記内周側部分の傾斜角が45°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分離ディスク。
- 前記径方向に対する前記外周側部分の傾斜角が45°以下であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の分離ディスク。
- 前記内周側部分と前記外周側部分との間に挟まれる角部が丸面取りされていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の分離ディスク。
- ミスト状オイルを含む処理対象ガスから前記ミスト状オイルを分離するオイルセパレータであって、
軸周りに回転し、軸方向に間隔をおいて積み重ねられた複数の分離ディスクを備え、
前記分離ディスクが、
前記軸周りの錐面型板状に設けられ、径方向に対して一方の軸方向側に傾斜した内周側部分と、
前記内周側部分の外周縁から外側へ続き、前記軸周りの錐面型板状に設けられ、前記径方向に対して他方の軸方向側に傾斜した外周側部分と、を有することを特徴とするオイルセパレータ。 - 前記内周側部分と前記外周側部分によって挟まれる角部が直角又は鈍角であることを特徴とする請求項6にオイルセパレータ。
- 前記径方向に対する前記内周側部分の傾斜角が45°以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載のオイルセパレータ。
- 前記径方向に対する前記外周側部分の傾斜角が45°以下であることを特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載のオイルセパレータ。
- 前記内周側部分と前記外周側部分との間に挟まれる角部が丸面取りされていることを特徴とする請求項6から9の何れか一項に記載のオイルセパレータ。
- 前記軸方向が鉛直方向であり、
前記内周側部分が前記径方向に対して上側に傾斜し、
前記外周側部分が前記径方向に対して下側に傾斜することを特徴とする請求項6から10の何れか一項に記載のオイルセパレータ。 - 前記複数の分離ディスクを収容したハウジングと、
前記ハウジングの内側の空間のうち前記複数の分離ディスクの下方に配置され、前記ハウジングの内側の空間を上下に区切る隔壁部材と、
前記隔壁部材を上下に貫通するように前記隔壁部材に形成された通し孔と、
前記内周側部分の内側に配置され、前記分離ディスクと一体となって前記軸周りに回転し、前記通し孔に通されて前記通し孔から上下に延び出たスピンドルと、
前記スピンドルのうち前記通し孔よりも下の部位の外周面から突設され、周方向に向けてオイルを噴射して、前記スピンドル及び前記分離ディスクを回転させるノズルと、を備え、
前記隔壁部材が前記径方向及び前記周方向に広がるように設けられていることを特徴とする請求項11に記載のオイルセパレータ。 - 前記隔壁部材の下面に凹状に形成され、前記通し孔の周囲に設けられたオイル返しを更に備え、
前記隔壁部材の上面のうち前記オイル返しの反対側の部位が凸状に形成されているとともに、前記分離ディスクの下に配置されていることを特徴とする請求項12に記載のオイルセパレータ。 - 前記内周側部分の内側に配置され、前記分離ディスクと一体となって前記軸周りに回転するスピンドルと、
前記スピンドルの外周面から突設され、周方向に向けて液体を噴射して、前記スピンドル及び前記分離ディスクを回転させるノズルと、を更に備え、
前記内周側部分の内周縁が前記ノズルよりも上に位置し、前記外周側部分の外周縁が前記ノズルよりも上に位置することを特徴とする請求項11に記載のオイルセパレータ。
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