WO2016088245A1

WO2016088245A1 - Ｄｉｎレール用の装置の取り付け構造

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Publication number: WO2016088245A1
Application number: PCT/JP2014/082234
Authority: WO
Inventors: 則和万木
Original assignee: 理化工業株式会社
Priority date: 2014-12-05
Filing date: 2014-12-05
Publication date: 2016-06-09

Abstract

　ＤＩＮレールに対して、共通のロック部材を用いて、制御機器等の装置を異なる姿勢で取り付け可能な装置の取り付け構造を提供する。本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記ＤＩＮレールに前記装置を取り付ける取り付け面部を備え、該取り付け面部に、２つの溝を設け、前記２つの溝は、それぞれ異なる軸線方向に延在し、また、前記ＤＩＮレールを収容可能に形成され、前記取り付け面部は、前記２つの溝の交差領域の角部に対し、前記交差領域に向かって出没自在に構成されるロック部材を備え、前記２つの溝は、前記ロック部材が出没する縁と対向する縁に、前記ＤＩＮレールのフランジを把持する爪部材を備える。

Description

ＤＩＮレール用の装置の取り付け構造

　本発明は、装置をＤＩＮ（ドイツ工業規格）レールに取り付ける取り付け構造に関するものである。特に、ＰＬＣ（プログラマブルコントローラ）、タイマ、カウンタ、温度調節計といった制御機器等の装置をＤＩＮレールに取り付けるための取り付け構造に関するものである。

　近年、制御機器等の装置を取り付けるためのレールとして、ＤＩＮレールが使用されている。図４は、従来における装置のＤＩＮレールへの取り付け状態を示す側面図である。同図に示すように、ＤＩＮレール１は、断面略コ字状に形成され、開口端部にはフランジ２（２ａ，２ｂ）がそれぞれ形成されている。ＤＩＮレール１は、その底面３が壁４に当接した状態で、ネジ等の締結具（図示せず）により壁４に固定されている。

　また、従来における装置１００は、その裏面に爪部材１０１と、上下にスライド可能なロック部材１０２とを備えている。図４（ａ）に示されるように、装置１００のロック部材１０２を矢印Ａのように下方に引き下げるとともに、爪部材１０１をＤＩＮレール１の上側フランジ２ａに係止させる。この状態で、装置１００を矢印Ｂのように回動させて、装置１００の裏面（取り付け面）を壁４に対向させる。そして、図４（ｂ）に示されるように、ロック部材１０２を矢印Ｃのように上方にスライドさせて、ＤＩＮレール１の下側フランジ２ｂと係合させてロックさせ、装置１００をＤＩＮレール１に取り付ける。
　特許文献１には、この種の取り付け構造を備えたＤＩＮレール用の取り付け装置が開示されている。

特開平１０－１５４８８４号公報

　しかしながら、従来の装置は、ＤＩＮレールに対して、縦方向ないし横方向のいずれかにしか設置することができず、縦横どちらの設置にも対応できるものは無かった。
　これに対し、装置にＤＩＮレール取り付け溝を十字に形成することが考えられる。図５は、ＤＩＮレールに装置を取り付ける比較例の装置の正面図（説明の便宜上、ＤＩＮレールへの取り付け面を正面としている）である。同図において、（ａ）は装置を横方向に取り付けた状態を、（ｂ）は装置を縦方向に取り付けた状態を示す。

　図５（ａ）から把握されるように、装置２００を横方向に取り付ける際には、装置２００の長手方向に設けた取り付け溝２０１、爪部材２０３ａ，２０３ｂ、ロック部材２０５ａ，２０５ｂを使用する。そして、図４を用いて上述したように、爪部材２０３ａ、２０３ｂをＤＩＮレール１の上側フランジ２ａに係止させて、ロック部材２０５ａ，２０５ｂを矢印Ｓ方向に動作させて、ＤＩＮレール１に装置２００を横方向に取り付ける。

　また、図５（ｂ）から把握されるように、装置２００を縦方向に取り付ける際には、装置２００の短手方向に設けた取り付け溝２０２、爪部材２０４ａ，２０４ｂ、ロック部材２０６ａ，２０６ｂを使用する。そして、爪部材２０４ａ，２０４ｂをＤＩＮレール１の上側フランジ２ａに係止させて、ロック部材２０６ａ，２０６ｂを矢印Ｌ方向に動作させて、ＤＩＮレール１に装置２００を縦方向に取り付ける。

　図５に示す装置２００によれば、縦横どちらの設置にも対応することができるが、以下の課題が残されている。まず、縦方向、横方向のいずれに取り付ける際にも、装置を安定して固定するためには、複数のロック部材（横方向にはロック部材２０５ａと２０５ｂ、縦方向にはロック部材２０６ａと２０６ｂ）がそれぞれ必要である。また、縦方向、横方向のいずれに取り付ける際にも、使用されないロック部材（縦方向に取り付ける場合にはロック部材２０５ａと２０５ｂ、横方向に取り付ける場合にはロック部材２０６ａと２０６ｂ）が生じてしまい、無駄となってしまう。さらに、縦方向の取り付けで使用されるロック部材２０６ａと２０６ｂと、横方向の取り付けで使用されるロック部材２０５ａと２０５ｂとで、装置から見た可動方向が異なるため、操作者が混乱しがちになる、という課題が想定される。

　この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、ＤＩＮレールに対して、共通のロック部材を用いて、制御機器等の装置を異なる姿勢で取り付け可能な装置の取り付け構造を提供することを目的とする。

　本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、
　前記ＤＩＮレールに前記装置を取り付ける取り付け面部を備え、該取り付け面部に、２つの溝を設け、
　前記２つの溝は、それぞれ異なる軸線方向に延在し、また、前記ＤＩＮレールを収容可能に形成され、
　前記取り付け面部は、前記２つの溝の交差領域の角部に対し、前記２つの溝が交差する領域に向かって出没自在に構成されるロック部材を備え、
　前記２つの溝は、前記ロック部材が出没する縁と対向する縁に、前記ＤＩＮレールのフランジを把持する爪部材を備える。

　この発明によれば、前記装置の使用態様や状況に応じて、前記ＤＩＮレールを収容する溝を、前記２つの溝から選択することができる。そして、選択された溝に備えられた前記爪部材で前記ＤＩＮレールのフランジを把持して前記ＤＩＮレールを前記選択された溝に収容する。ついで、前記ロック部材を前記２つの溝の交差領域の角部に向けて進出させて前記ＤＩＮレールに当接させて、前記ＤＩＮレールをロックすることができる。前記２つの溝のうち他のものに前記ＤＩＮレールを収容する際にも、前記ロック部材を同様に作動させて、前記ＤＩＮレールに装置を固定することができる。このように、いずれの姿勢についても共通のロック部材を用いて取り付けるため、部品点数やコストを低減することができ、ロック部材の装置に対する可動方向が同じであるので、操作者も容易に可動方向を把握できる。

　また、本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記構成を備えた上で、前記取り付け面部は、平面視長方形状であり、前記２つの溝は、前記取り付け面部の長辺方向を軸線とする長手方向溝と、前記取り付け面部の短辺方向を軸線とする短手方向溝と、を含む、ようにしてもよい。

　また、本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記構成を備えた上で、前記長手方向溝は、前記取り付け面部の長手方向中心線に対してオフセットして形成されているようにしてもよく、前記短手方向溝は、前記取り付け面部の短手方向中心線に対してオフセットして形成されるようにしてもよい。ここで、長手方向中心線は取り付け面部の長手方向に延びる中心線を意味し、短手方向中心線は取り付け面部の短手方向に延びる中心線を意味する。

　また、本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記構成を備えた上で、前記ロック部材は、前記長手方向溝に進出する部位と、前記短手方向溝に進出する部位の長さを異なる寸法にしている、ようにしてもよい。

　また、本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記構成を備えた上で、前記ロック部材は、前記交差領域の角部から後退した状態で前記取り付け面部から外方に延在する取っ手部を有し、前記取っ手部は、前記ロック部材の移動方向を示す表示部を有している、ようにしてもよい。

　また、本発明における、装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造は、前記構成を備えた上で、前記取り付け面部は、前記装置のいずれかの面で構成されている、ようにしてもよい。

　この発明によれば、制御機器等の装置を用途や状況に応じて好適な姿勢でＤＩＮレールに取り付けることができる、という効果がある。また、いずれの姿勢についても共通のロック部材を用いて取り付けるため、部品点数やコストを低減することができる、という効果がある。そして、ロック部材の可動方向は装置から見て一定であるので、操作者も把握しやすい、という効果がある。

本発明におけるＤＩＮレールに装置を取り付ける取り付け構造を示す斜視図であり、（ａ）は装置の取り付け面側から視た図であり、（ｂ）はその反対側から視た図である。本発明における取り付け面部を備えた装置をＤＩＮレールに縦方向に取り付けた状態を示す図であり、（ａ）は取り付け面部を備えた装置の側面図であり、（ｂ）はその正面図である。本発明における取り付け面部を備えた装置を横方向にＤＩＮレールに取り付けた状態を示す図であり、（ａ）は取り付け面部を備えた装置の側面図であり、（ｂ）はその正面図である。従来における装置のＤＩＮレールへの取り付け状態を示す側面図である。ＤＩＮレールに装置を取り付ける比較例の装置の正面図であり、（ａ）は装置を横方向に取り付けた状態を、（ｂ）は装置を縦方向に取り付けた状態を示す。（ａ）、（ｂ）のいずれも、ロック部材の問題点を示した正面図である。ロック部材の問題点を示した正面図である。

　以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。図１は、本発明におけるＤＩＮレールに装置を取り付ける取り付け構造を示す斜視図であり、（ａ）は装置の取り付け面側から視た図であり、（ｂ）はその反対側から視た図である。
　なお、同図においては、装置の縦方向及び横方向の取り付け状態の全体像を分かりやすくするために、ＤＩＮレール１と１’を仮想的に縦横十字に組み合わせている。しかしながら、実際には、図２、図３に示されるように、ＤＩＮレール１または１’のいずれか一方に装置１０を取り付けることとなる。後述の図２、図３の説明から理解されるように、装置１０はＤＩＮレール１に縦方向に、ＤＩＮレール１’に横方向に取り付けられている。なお、ＤＩＮレール１とＤＩＮレール１’の構造は同一である。特に方向を区別する必要のない時には、“’”を付さずに説明する。

　図１に示す装置１０は、略直方体形状の制御機器である。ＤＩＮレール１を収容するために、装置１０はその背面側に取り付け面部１２を有するハウジング１１を備えている。本実施形態では、取り付け面部１２側の面を正面として説明する。
　取り付け面部１２について、図２、図３を参照して説明する。これらの図に示されるように、取り付け面部１２は、平面視長方形状であり、取り付け面部１２の長辺方向を軸線とする長手方向溝１３と、取り付け面部１２の短辺方向を軸線とする短手方向溝１４と、を含む。

　取り付け面部１２は、長手方向溝１３と短手方向溝１４の交差領域１５の角部１６ａに対し、出没自在に構成されるロック部材１７を備えている。ロック部材１７は、長手方向溝１３と短手方向溝１４の軸線方向に対して交差する方向（矢印Ｄの方向）に形成されたロック部材収容溝２４に収容され、ロック部材収容溝２４の両縁を構成するガイド部２３ａ，２３ｂに沿って矢印Ｄの方向にスライドするように構成されている。

　ロック部材１７は、長手方向溝１３に進出する部位である長手方向進出部２２ａを、短手方向溝１４に進出する部位である短手方向進出部２２ｂよりも長寸に構成している。これについては、図６と対比して詳細を後述する。

　本実施形態においては、長手方向溝１３と短手方向溝１４とは、取り付け面部１２に対してそれぞれ非対称な位置に形成されている。換言すれば、長手方向溝１３と短手方向溝１４とは、取り付け面部１２の長手方向中心線Ｅ（図２（ｂ）参照）と短手方向中心線Ｆ（図３（ｂ）参照）に対してオフセットして形成されている。このように、長手方向溝１３を長手方向中心線Ｅからずらすことで、ロック部材１７の進出部２２ｂを中心（長手方向中心線Ｅ）に近づけることができる。また同様に、短手方向溝１４を短手方向中心線Ｆからずらすことで、ロック部材１７の進出部２２ａを中心（短手方向中心線Ｆ）に近付けることができる。図２（ｂ）、図３（ｂ）に示されるように、長手方向中心線Ｅは取り付け面部１２の長手方向に延びる中心線を意味し、短手方向中心線Ｆは取り付け面部１２の短手方向に延びる中心線を意味する。

　また、ロック部材１７は、交差領域１５の角部１６ａから後退した状態で取り付け面部１２から外方に延在する取っ手部２５を有し、取っ手部２５は、ロック部材１７の移動方向（Ｄ方向）を示す表示部２６を有している。
　また、長手方向溝１３と短手方向溝１４は、ロック部材１７が出没する縁１８ｂ，１９ｂと対向する縁１８ａ，１９ａに、ＤＩＮレール１のフランジ２ａを把持する爪部材２０ａ，２０ｂ，２１ａ，２１ｂをそれぞれ備えている。
　本実施形態においては、ロック部材１７の長手方向進出部２２ａが、長手方向溝１３に用意されている両端の爪部材２０ａ，２０ｂの内側に、そして、ロック部材１７の短手方向進出部２２ｂが、短手方向溝１４に用意されている両端の爪部材２１ａ，２１ｂの内側に、それぞれ入るように設計されている。

　次に、動作について説明する。
　図２は、本発明における取り付け面部１２を備えた装置１０を縦方向にＤＩＮレール１に取り付けた状態を示す図である。同図に示すように、装置１０を縦方向に取り付ける際には、取り付け面部１２の短手方向溝１４にＤＩＮレール１を収容する。まず、短手方向溝１４に備えられた爪部材２１ａ，２１ｂで、ＤＩＮレール１のフランジ２ａを把持する。このとき、ロック部材１７は、交差領域１５の角部１６ａから後退した位置にあり、取っ手部２５は取り付け面部１２から外方に延在している。そして、ロック部材１７を交差領域１５の角部１６ａに向けて進出させ、ロック部材１７の短手方向進出部２２ｂをＤＩＮレール１に当接させて、ＤＩＮレール１をロックする。
　このように、ＤＩＮレール１のフランジ２ａを爪部材２１ａ，２１ｂで、ＤＩＮレール１のフランジ２ｂをロック部材１７で把持させて、装置１０を縦方向にＤＩＮレール１に取り付けることができる。

　本実施形態においては、ロック部材１７の短手方向進出部２２ｂが、短手方向溝１４に用意されている両端の爪部材２１ａ，２１ｂの内側に入るように設計されている。これにより、装置１０をＤＩＮレール１に縦方向に取り付けたとき、短手方向進出部２２ｂが爪部材２１ａ，２１ｂの外側に留まる設計に比して、安定した状態で装置１０を固定することができる。
　上述のように、長手方向溝１３は、取り付け面部１２の長手方向中心線Ｅ（図２（ｂ）参照）に対してオフセットして形成されている。このように、長手方向溝１３を長手方向中心線Ｅからずらすことで、ロック部材１７の進出部２２ｂを中心（長手方向中心線Ｅ）に近づけることができ、爪部材２１ａ，２１ｂと、角部１６ａに進出したロック部材１７の進出部２２ｂとで、さらに安定した姿勢で装置１０をＤＩＮレール１に縦方向に固定することができる。

　図３は、本発明における取り付け面部１２を備えた装置１０を横方向にＤＩＮレール１’に取り付けた状態を示す図である。同図に示すように、装置１０を横方向に取り付ける際には、取り付け面部１２の長手方向溝１３にＤＩＮレール１’を収容する。まず、長手方向溝１３に備えられた爪部材２０ａ，２０ｂで、ＤＩＮレール１’のフランジ２ａ’を把持する。このとき、ロック部材１７は、交差領域１５の角部１６ａから後退した位置にあり、取っ手部２５は取り付け面部１２から外方に延在している。上述のように、表示部２６にロック部材１７の移動方向が示されているため、操作者は移動方向の把握がし易くなっている。そして、ロック部材１７を交差領域１５の角部１６ａに向けて進出させ、ロック部材１７の長手方向進出部２２ａをＤＩＮレール１’に当接させて、ＤＩＮレール１’をロックする。
　このように、ＤＩＮレール１’のフランジ２ａ’を爪部材２０ａ，２０ｂで、ＤＩＮレール１’のフランジ２ｂ’をロック部材１７で把持させて、装置１０を横方向にＤＩＮレール１’に取り付けることができる。

　本実施形態においては、ロック部材１７の長手方向進出部２２ａが、長手方向溝１３に用意されている両端の爪部材２０ａ，２０ｂの内側に入るように設計されている。これにより、装置１０をＤＩＮレール１’に横方向に取り付けたとき、長手方向進出部２２ａが爪部材２０ａ，２０ｂの外側に留まる設計に比して、安定した状態で装置１０を固定することができる。
　上述のように、短手方向溝１４は、取り付け面部１２の短手方向中心線Ｆ（図３（ｂ）参照）に対してオフセットして形成されている。このように、短手方向溝１４を短手方向中心線Ｆからずらすことで、ロック部材１７の進出部２２ａを中心（短手方向中心線Ｆ）に近付けることができ、爪部材２０ａ，２０ｂと、角部１６ａに進出したロック部材１７の進出部２２ａとで、さらに安定した姿勢で装置１０をＤＩＮレール１’に横方向に固定することができる。
　なお、本実施形態では、長手方向溝１３と短手方向溝１４の両方を取り付け面部１２の長手方向中心線Ｅと短手方向中心線Ｆに対してそれぞれ非対称な位置に形成したが、装置１０を安定して保持できるのであれば、この構成に限定されるものではない。

　また、本実施の形態１では、ロック部材１７について、長手方向溝１３に進出する部位である長手方向進出部２２ａを、短手方向溝１４に進出する部位である短手方向進出部２２ｂよりも長寸に構成している。これについて、図６、図７を用いて説明する。
　図６、図７は、ＤＩＮレールに装置を取り付ける比較例の取り付け面部１２’、１２’’、１２’’’の正面図である。図７は、従来技術からの変更を試みた初期の問題点を示す例であり、図６は、図７に示された装置からさらに改良を試みた例である。まず、取り付け面部の幅（短手方向の寸法）の狭い装置において、ロック部材を、長手方向溝と短手方向溝に対して単に斜めに配置した場合を図７に示している。このとき、ロック部材１７’’’の長手方向進出部２２ａ’’’と短手方向進出部２２ｂ’’’の長さは同じであり、ロック部材１７’’’の中心線Ｇ’’’は交差領域１５’’’の対角線Ｈ’’’に一致する。ロック部材１７’’’はガイド部２３ａ’’’，２３ｂ’’’に沿って斜めの方向（矢印Ｄの方向）に移動するため、ガイド部２３ａ’’’，２３ｂ’’’にはロック部材１７’’’を支持できる強度が必要になるが、図７に示されたような小さなガイド部２３ａ’’’では強度不足であり、ロック部材１７’’’がぐらつく原因となる。このような問題が発生する場合には、図６（ａ）に示されるように、ロック部材１７’の中心線Ｇ’を交差領域１５’の対角線Ｈ’上からオフセットさせるなどの対策を行い、ガイド部２３ａ’を大きくし、ロック部材１７’を保持するのに必要な強度を確保することになる。しかしながら、長手方向進出部２２ａ’と短手方向進出部２２ｂ’の長さが同じであるため、ロック部材１７’の長手方向進出部２２ａ’が先に長手方向溝１３’に到達してしまい、交差領域１５’の角部１６ａ’には到達できない。すなわち、縦横共通の動作では、ロック部材１７’の短手方向進出部２２ｂ’を短手方向溝１４’まで進出させることができない。

　一方、同図（ｂ）に示されるように、ロック部材１７’’の幅を狭くすることで、ロック部材１７’’の中心線Ｇ’’を交差領域１５’’の対角線Ｈ’’上からオフセットさせなくても、ガイド部２３ａ’’の強度を確保しながらロック部材１７’’を交差領域１５’’の角部１６ａ’’に到達させることができる。すなわち、長手方向進出部２２ａ’’及び短手方向進出部２２ｂ’’のいずれも、ロック部材１７’’は、縦横共通の動作で、長手方向溝１３’’及び短手方向溝１４’’に進出させることができる。しかしながら、ロック部材１７’’の幅を狭くした分、ロック部材１７’’の強度が損なわれてしまう。
　本実施の形態１では、図２（ｂ）、図３（ｂ）に示されるように、ロック部材１７について、ロック部材１７の中心線Ｇを、交差領域１５の対角線Ｈ上からオフセットさせ、さらに短手方向溝１４に進出する部位である短手方向進出部２２ｂを、長手方向溝１３に進出する部位である長手方向進出部２２ａよりも短寸に構成している（図６（ａ）の想像線部分を参照）。これにより、ロック部材１７及びロック部材１７を支持するガイド部２３ａ，２３ｂに十分な強度を確保しつつ、縦横いずれの方向にロックする際にも単一のロック部材１７で、かつ縦横共通の動作でロックすることが可能となる。
　なお、長手方向進出部２２ａ、短手方向進出部２２ｂの長さは、上記のものに限定されるものではなく、長手方向溝１３、短手方向溝１４とロック部材１７との交差角度やロック部材１７の移動方向によって、長手方向進出部２２ａ、短手方向進出部２２ｂの長さを調整してもよい。例えば、ロック部材１７の中心線Ｇの角度を交差領域１５の対角線Ｈの角度である４５度から変えることでロック部材１７の強度を確保できる場合には、長手方向進出部２２ａ、長手方向進出部２２ａと短手方向進出部２２ｂの長さを同じにしてもよい。ただし、ロック部材１７の角度が長手方向溝１３、短手方向溝１４のいずれかに対して浅くなると、ロック部材１７の可動距離が長くなってしまう。このため、ロック部材１７の可動方向は、長手方向溝１３の軸線、短手方向溝１４の軸線のそれぞれに対して鋭角側の角度が３０度以上となる方向とすることが好ましい。

　以上のように、本実施の形態１によれば、縦横いずれの姿勢についても共通のロック部材１７を用いて取り付けるため、部品点数やコストを低減することができ、ロック部材１７の可動方向は装置から見て一定であるので、操作者も容易に可動方向を把握できる。

　本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内、または、特許請求の範囲の均等範囲内で、各種の変形実施が可能である。
　例えば、取り付け面部は、装置のハウジングのいずれかの面（例えば、正面、背面）であってもよいし、装置とは別の部材のアタッチメント部材であってもよい。
　また、装置の形状は、立方体形状、直方体形状のものが好ましいが、これに限らず、ＤＩＮレールに取り付け可能なものであれば、他の形状のものであってもよい。
　また、取り付け面部に設けられるＤＩＮレールを収容する２つの溝は、必ずしも直交していなくともよいが、鋭角側の角度が６０度以上で交差していることが好ましい。
　また、ＤＩＮレールを収容する各溝に用意される爪部材は、それぞれ２つ以上であってもよい。

１…ＤＩＮレール、２（２ａ，２ｂ）…フランジ、３…底面、４…壁、１０…装置、
１１…ハウジング、１２…取り付け面部、１３…長手方向溝、１４…短手方向溝、
１５…交差領域、１６ａ～１６ｄ…角部、１７…ロック部材、１８ａ，１８ｂ…縁、
１９ａ，１９ｂ…縁、２０ａ，２０ｂ…爪部材、２１ａ，２１ｂ…爪部材、
２２ａ…長手方向進出部、２２ｂ…短手方向進出部、２３ａ，２３ｂ…ガイド部、
２４…ロック部材収容溝、２５…取っ手部、２６…表示部、
１００…装置、１０１…爪部材、１０２…ロック部材、
２００…装置、２０１…取り付け溝、２０３ａ，２０３ｂ…爪部材、
２０４ａ，２０４ｂ…爪部材、２０５ａ，２０５ｂ…ロック部材、
２０６ａ，２０６ｂ…ロック部材

Claims

　装置をＤＩＮレールに取り付ける取り付け構造であって、
　前記ＤＩＮレールに前記装置を取り付ける取り付け面部を備え、該取り付け面部に、２つの溝を設け、
　前記２つの溝は、それぞれ異なる軸線方向に延在し、また、前記ＤＩＮレールを収容可能に形成され、
　前記取り付け面部は、前記２つの溝の交差領域の角部に対し、前記２つの溝が交差する領域に向かって出没自在に構成されるロック部材を備え、
　前記２つの溝は、前記ロック部材が出没する縁と対向する縁に、前記ＤＩＮレールのフランジを把持する爪部材を備える、取り付け構造。
　前記取り付け面部は、平面視長方形状であり、
　前記２つの溝は、前記取り付け面部の長辺方向を軸線とする長手方向溝と、前記取り付け面部の短辺方向を軸線とする短手方向溝と、を含む、請求項１に記載の取り付け構造。
　前記長手方向溝は、前記取り付け面部の長手方向中心線に対してオフセットして形成されている、請求項２に記載の取り付け構造。
　前記短手方向溝は、前記取り付け面部の短手方向中心線に対してオフセットして形成されている、請求項２または３に記載の取り付け構造。
　前記ロック部材は、前記長手方向溝に進出する部位と、前記短手方向溝に進出する部位の長さを異なる寸法にしている、請求項２から４のいずれかに記載の取り付け構造。
　前記ロック部材は、前記交差領域の角部から後退した状態で前記取り付け面部から外方に延在する取っ手部を有し、
　前記取っ手部は、前記ロック部材の移動方向を示す表示部を有している、請求項１から５のいずれかに記載の取り付け構造。
　前記取り付け面部は、前記装置のいずれかの面で構成されている、請求項１から６のいずれかに記載の取り付け構造。