WO2016084881A1 - 統合監視制御装置、統合監視制御システム及び監視制御装置 - Google Patents

Abstract

　監視制御装置（２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃ）の状態または前記監視制御装置（２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃ）が監視する機器（１０）の状態を表す状態情報が有する種別ＩＤと前記状態情報に施される処理との対応を示す処理定義部（３２１）と、前記監視制御装置（２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃ）から送信された前記状態情報を受信する受信部（３１０）と、前記受信部（３１０）が受信した前記状態情報に、この状態情報が有する前記種別ＩＤから前記処理定義部（３２１）で決まる処理を施すように制御する処理制御部（３２０）と、を備えるようにした。

Description

統合監視制御装置、統合監視制御システム及び監視制御装置

　この発明は、複数の計算機等により構成する監視制御装置から受信した状態情報を統括して、画面上の表示等の処理を行なう統合監視制御装置、統合監視制御システム及び監視制御装置に関する。

　統合監視制御システムには、例としては衛星を管制する衛星管制地上システムがある。衛星管制地上システムは、衛星との間で電波の送受信を行なうための機器、アンテナを制御するための機器等の多様な機器が正常に動作していることを監視し、状況に応じて制御を行なうものである。このため、このようなシステムでは、一般に、それぞれの多様な機器に応じて、多数の監視装置、制御装置を設置し、状況の監視や、必要な制御を実施する。また、統合監視制御システムでは、監視装置、制御装置の複数の情報を統合して衛星や衛星を制御する地上システムの状況の把握と、適切な制御を行なうための専用の計算機を、統合監視制御装置として設置する。統合監視制御装置は、衛星管制地上システム全体をＬＡＮ等のインタフェースを使用したデータ通信により、障害の発生や現在の状態情報を取得し、モニタ上の表示等の処理を行なう。

　衛星管制地上システムを用いて説明した統合監視制御システムでは、統合監視制御装置の機能として状態情報の取得、状態情報のチェック、画面表示などの機能を具備する必要がある。これらの機能を、担当する業務が異なる複数の運用者が使用できるよう構成する必要がある。さらに、故障や機能拡張、機能変更のための機器の変更、追加などの設備変更にも対応できることが要求される。このため、システム開発における負担が大きいものとなっている。従って、種類の異なる多数の監視制御装置の状態に関する情報を取得し、多種の要求に合わせて必要な処理を行なうよう柔軟に構成できる統合監視制御システムを構成する技術が必要である。

　取得した種類の異なる電子情報に対し、多様な処理を行なう統合監視制御装置としては、取得した電子情報をグループに分け、グループ毎に異なるルールにより処理するものがある（例えば、特許文献１参照）。

　また、取得した種類の異なる電子情報に対し、多様な処理を行なう統合監視制御装置としては、プラントデータとプラントデータを処理するソフトウェアとの対応を規定し、プラントデータを選択すると、対応するソフトウェアを抽出するものがある（例えば、特許文献２参照）。

特開２００４－３３４５７６号公報（図１） 特許第５０７７８２６号公報（図１）

　特許文献１に記載の発明は、統合監視制御装置において、取得した電子情報をグループに分類し、グループ毎に異なるルールにより電子情報の処理を行なう。しかしながら、グループの分類を変更したり、機器の変更、追加などに伴う変更を行なう手段が無く、柔軟に統合監視制御装置の機能を変更することができないという課題がある。

　特許文献２に記載の発明は、プラントデータとプラントデータを処理可能なソフトウェアとの対応を規定し、プラントデータを選択すると、処理可能なソフトウェアを抽出する。しかしながら、さらに、抽出されたソフトウェアから処理を行なうソフトウェアを特定する手段が無いという課題がある。

　この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、監視制御装置から取得した状態情報に対して、要求に合わせて必要な処理を行なうよう柔軟に構成できる統合監視制御装置、統合監視制御システム、監視制御装置を得ることを目的とする。

　この発明に関わる統合監視制御装置は、監視制御装置の状態または前記監視制御装置が監視する機器の状態を表す状態情報が有する種別ＩＤと前記状態情報に施される処理との対応を示す処理定義部と、前記監視制御装置から送信された前記状態情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記状態情報に、この状態情報が有する前記種別ＩＤから前記処理定義部で決まる処理を施すように制御する処理制御部とを備えたものである。

　この発明に関わる統合監視制御システムは、監視対象の機器の状態または自らの状態を表す状態情報を生成し、生成した状態情報にこの状態情報の種類を示す種別ＩＤを追加して統合監視制御装置に送信する監視制御装置と、前記種別ＩＤと前記状態情報に施される処理との対応を示す処理定義部および、前記監視制御装置から受信した前記状態情報に、この状態情報に含まれる前記種別ＩＤから前記処理定義部で決まる処理を施すように制御させる処理制御部を有する前記統合監視制御装置とを備えたものである。

　この発明に関わる監視制御装置は、監視対象の機器の状態または自らの状態を表す状態情報と前記状態情報の種類を表す種別ＩＤとの対応を示す状態情報分類定義部と、前記状態情報を生成する状態情報生成部と、生成した前記状態情報から前記状態情報分類定義部で決まる種別ＩＤをこの状態情報に追加するＩＤ付与部と、前記種別ＩＤを有する前記状態情報を統合監視制御装置に送信する状態情報送信部とを備えたものである。

　この発明によれば、監視制御装置から取得した、監視制御装置の状態または監視制御装置が監視する機器の状態を表す状態情報に対して、要求に合わせて必要な処理を行なうよう柔軟に構成できる統合監視制御装置、統合監視制御システム、監視制御装置が得られる。

この発明の実施の形態１に係る統合監視制御システムを示すシステム全体図である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の表示画面に表示される監視画面の構成例である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の表示画面に表示される詳細画面の構成例である。 この発明の実施の形態１に係る監視制御装置から送信される状態情報の例である。 この発明の実施の形態１に係る監視制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態１に係る監視制御装置に対する種別ＩＤの割当て例を示した図である。 この発明の実施の形態１に係る監視制御装置が行なう処理の流れを示す図である。 この発明の実施の形態１に係る監視制御装置の状態情報テーブルの例である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の処理制御部が行なう処理の流れを示す図である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎状態情報に蓄積された状態情報の例である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の状態情報を表示する表示エリアの定義の例である。 この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎制御部が行なう処理の流れを示す図である。 この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置の処理対応テーブルの例である。 この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎制御部が行なう処理の流れを示す図である。

実施の形態１．
　図１は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御システムの全体を示す図である。図１において、１０は、監視及び制御の対象である人工衛星や地上装置等の機器であり、２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃは、それぞれ、機器１０や関連する機材の監視及び制御を行なう監視制御装置である。３０は運用者に必要な情報を提供し、状況に応じた制御を行なうための統合監視制御装置である。統合監視制御装置３０は、監視制御装置２０、監視制御装置２０ａ、監視制御装置２０ｂ、監視制御装置２０ｃから送信される、監視対象の機器の状態や、監視制御装置自体に関する状態の情報を統合して表示画面の作成等の必要な処理を行なうものである。以下、監視制御装置２０、監視制御装置２０ａ、監視制御装置２０ｂ、監視制御装置２０ｃを監視制御装置２０～２０ｃと記載する場合がある。尚、図１の例では、監視制御装置２０～２０ｃは、この統合監視制御システムにおいては、それぞれ、装置Ｉ、装置ＩＩ、装置III、装置ＩＶの様な名称が付けられている。

　監視制御装置２０～２０ｃと統合監視制御装置３０は、ネットワーク４０で互いに接続されている。ネットワーク４０は、ルータ４１でサブネットワーク４０ａ、４０ｂを結合させた構造であり、４２、４３は、それぞれ、サブネットワーク４０ａ、４０ｂが有するＨＵＢである。尚、図１のネットワークの形態は、あくまで一例であり、監視制御装置２０～２０ｃと統合監視制御装置３０との間を効率的に結合させる構成であれば良い。

　図２は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置３０の表示画面に表示される監視画面の構成例である。また、図３は、この発明の実施の形態１に係る必要に応じて統合監視制御装置３０の表示画面に表示される詳細画面の構成例である。統合監視制御装置３０は、運用者の要求に合わせて、注目する装置や監視対象についての、監視制御装置２０～２０ｃから送信されてくる情報を統合する。統合した情報を表す図２（ａ）、図２（ｂ）のような監視画面を構成し、監視画面を１つずつ切替えて表示したり、複数の監視画面を同時に表示したりする。また、必要に応じて、図３（ａ）または図３（ｂ）のような詳細画面を表示し、統合管制システムの詳細情報を表示したりする。

　図２（ａ）に例として示す監視画面５０や、図２（ｂ）に例として示す監視画面５０ａは、統合監視制御装置の表示画面に表示される監視画面である。統合監視制御装置は、監視する対象範囲の機器１０や、運用者が必要とする情報の種類毎にカテゴリ分類された、監視制御装置２０～２０ｃについての状態情報について、カテゴリ毎に、予め定められた表示等の処理を監視画面に対して行なう。分類されたカテゴリは、それぞれ、ＡＡ１、ＡＡ２、・・・ＺＺ１等の種別ＩＤを付けて区別される。監視画面を構成する際には、運用上の要求に合わせて種別ＩＤ毎に監視画面上に表示エリアを配置し、配置したエリアに、当該種別ＩＤで分類された状態情報を表示するようにする。これにより、運用上の要求に合わせた情報に、表示処理等の様々な必要な処理を実施することができる。

　例えば、監視画面５０では、常に監視する状態情報をＹＹ１に分類し、ＹＹ１に分類された状態情報の全てを、時刻と共に表示エリアＹＹ１のステータスウィンドウ５４０にテキスト表示する。また、監視画面５０ａでは、特定の状態情報についての「障害」や「警告」を監視するため、それら特定の状態情報をそれぞれＺＺ１、ＺＺ２に分類する。ＺＺ１に分類された状態情報から「障害」を表すものを、及び、ＺＺ２に分類され状態情報から「警告」を表すものを、それぞれ抽出して、それぞれ表示エリアＺＺ１、ＺＺ２のステータスウィンドウ５３０、５３０ａにテキスト表示する。

　また、図３（ａ）に示す詳細画面５０ｂの表示エリア５４０等により必要に応じて装置毎に詳しく表示することが必要な状態情報については、対象となる状態情報をＡＡ１に分類し、監視画面５０、５０ａ上の該当する表示エリアＡＡ１に装置毎の起動ボタン５１１等を配置する。これら起動ボタンが押下されると詳細画面５０ｂが表示され、詳細画面５０ｂに状態情報がテキスト表示されるようにすることができる。

　また、図３（ｂ）に示す詳細画面５０ｃの表示エリア５５０等により必要に応じて装置毎に詳しく表示することが必要な状態情報については、対象となる状態情報をＡＡ１及びａａ０に分類し、監視画面５０、５０ａ上の該当する表示エリアＡＡ１に装置毎の起動ボタン５１１等を配置する。これら起動ボタンが押下されると表示される詳細画面５０ｃ上のａａ０に該当する表示エリア５５０等で状態情報がテキスト表示されるようにしても良い。

　以上のように、統合監視制御装置３０は、監視制御装置２０～２０ｃについての状態情報をカテゴリ分類し、カテゴリ分類した状態情報毎に表示処理等の処理を構成する。統合監視制御装置３０が、このような表示処理等を行なうため、監視制御装置２０～２０ｃから統合監視制御装置３０に送信される状態情報は、種別ＩＤを含ませた状態で送信される。例えば、ＡＡ１という種別ＩＤを有する状態情報は、統合監視制御装置３０でＡＡ１に該当する処理、すなわち表示エリアＡＡ１に装置毎の起動ボタン５１１等が配置され、これら起動ボタンが押下されると表示される詳細画面５０ｂで状態情報がテキスト表示されることを表す。また、監視画面５０の表示エリアＡＡ１と監視画面５０ａの表示エリアＢＢ１の両方に装置毎の起動ボタン５１１等が配置され、これら起動ボタンが押下されると表示される詳細画面５０ｂで状態情報がテキスト表示される場合は、ＡＡ１＿ＢＢ１の様に、２つの種別ＩＤが付与される。一般に、監視制御装置２０～２０ｃから統合監視制御装置３０に送信される、複数の種別ＩＤを有する状態情報は、統合監視制御装置３０でこの複数の種別ＩＤに該当する処理がそれぞれ施されることを表す。

　図４に、種別ＩＤを有する状態情報の例を示す。図４は、この発明の実施の形態１に係る監視制御装置から送信される状態情報の例である。図４の例では、括弧で囲まれた文字列が状態情報であり、「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」が種別ＩＤを表す。図４の例では、この状態情報は、統合監視制御装置３０により、ＡＡ１、ＢＢ１及びＹＹ１により決する処理がそれぞれ施される。ＡＡ１、ＢＢ１及びＹＹ１に対する処理が表示処理である場合は、この状態情報は、ＡＡ１、ＢＢ１及びＹＹ１で示される表示エリアのそれぞれに表示される。また、「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」の様な種別ＩＤの記述は、ＡＡ１、ＢＢ１及びＹＹ１により決する処理を同時に実施することまたは、ＡＡ１、ＢＢ１、ＹＹ１の順番で処理を実施すること等の規則を表すが、どちらに解釈するかは、施される処理の種類による。

　次に、上述の種別ＩＤを有する状態情報を使用する監視制御装置２０（２０ａ、２０ｂ、２０ｃ）及び統合監視制御装置３０の構成及び動作を説明する。ここでは、監視制御装置２０について説明するが、２０ａ、２０ｂ、２０ｃについても、構成、動作は同様である。図５は、この発明の実施の形態１に係る監視制御装置２０の構成を示す機能ブロック図である。図５において、監視制御装置２０は、状態情報分類テーブル２０１とテーブル受信部２１０とを備えている。状態情報分類テーブル２０１は、監視対象の機器の状態または自らの状態を表す状態情報と状態情報の種類を表す種別ＩＤとの対応を示すものである。テーブル受信部２１０は、状態情報分類テーブル２０１を統合監視制御装置３０から受信するものである。また、それぞれの監視制御装置２０には、図６に示すように、統合監視制御装置３０に送信することが必要な状態情報が、種別ＩＤにより割当てられている。図６は、この発明の実施の形態１に係る監視制御装置に対する種別ＩＤの割当て例を示した図である。図６において、「装置名、種別ＩＤ」欄において、ＮＯ１～ＮＯ８が装置名であり、それぞれ、装置Ｉ～装置ＶＩＩＩに対応している。「装置名、種別ＩＤ」欄において、ＡＡ１～ＺＺ２が状態情報に処理を定義つけた種別ＩＤである。

　図５において、監視制御装置２０は、更に、状態情報生成部２２０、ＩＤ付与部２３０及び状態情報送信部２４０を備えている。状態情報生成部２２０は、状態情報を生成するものである。ＩＤ付与部２３０は、生成した状態情報に、状態情報分類テーブル２０１に基づいて種別ＩＤを追加するものである。状態情報送信部２４０は、ＩＤ付与部２３０において種別ＩＤを含ませた状態情報を統合監視制御装置３０に送信するものである。

　また、監視制御装置２０は、蓄積情報受信部２５０、蓄積情報解析部２６０及び動作設定部２７０も備えている。蓄積情報受信部２５０は、統合監視制御装置３０が受信し蓄積している状態情報を受信するものである。蓄積情報解析部２６０は、蓄積情報受信部２５０が受信した状態情報を解析するものである。動作設定部２７０は、蓄積情報解析部２６０の解析結果に基づき、状態情報送信部２４０による状態情報送信可否等の設定を行なうものである。

　次に、監視制御装置２０の動作を、図７により説明する。図７は、この発明の実施の形態１に係る監視制御装置が行なう処理の流れを示す図である。状態情報生成部２２０は、機器１０や、監視制御装置２０の状態を表す状態情報を生成する（Ｓ１０１）。次に、ＩＤ付与部２３０が、Ｓ１０１で状態情報生成部２２０が生成した状態情報で状態情報テーブル２０１を参照し、対応する種別ＩＤを取得する（Ｓ１０２）。さらに、ＩＤ付与部２３０は、Ｓ１０１で状態情報生成部２２０が生成した状態情報に、Ｓ１０２で取得した種別ＩＤを追加する（Ｓ１０３）。

　ここで、状態情報テーブル２０１は、図８に示すような構成をしている。図８は、この発明の実施の形態１に係る監視制御装置の状態情報テーブルの例である。図８において、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃのそれぞれに予め決められた種別ＩＤと、この種別ＩＤを含ませて送信する状態情報、すなわち、種別ＩＤに対応する統合監視制御装置の処理に供する状態情報の種類との対応を示している。このため、状態情報テーブル２０１によって予め割当てられた種別ＩＤを状態情報に追加することにより、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃは、それぞれ、統合監視制御装置３０が種別ＩＤに対応して行なう処理に供する状態情報の提供を割当てられる。従って、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃは、割り当てられた種別ＩＤに分類される状態情報を統合監視制御装置に提供することとなる。

　図５において、ＩＤ付与部２３０は、図８に示される状態情報テーブル２０１を参照し、たとえは、装置Ｉであれば、ステータス１Ａ、ステータス１Ｂ、ステータス１Ｃのいずれかに該当する状態情報であれば、状態情報テーブル２０１の該当するＮＯ１に関する種別ＩＤの記載である「ＮＯ１＿ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」をもとに、「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」等の種別ＩＤを含ませる。「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」は、この種別ＩＤを持たせた状態情報が、統合監視制御装置３０でＡＡ１用の処理、ＢＢ１用の処理、ＹＹ１用の処理でそれぞれ処理するデータを持つことを意味する。

　図７に戻り、次に、状態情報送信部２４０が、動作設定部２７０が行なった設定を基にＳ１０３で種別ＩＤを追加した状態情報の送信要否を判定し（Ｓ１０４）、送信が不要であれば、状態情報を送信せずに終了する。Ｓ１０４で送信が必要と判定した場合、状態情報送信部２４０が、Ｓ１０３で種別ＩＤを含ませた状態情報を統合監視制御装置に送信する（Ｓ１０５）。

　ここで、図５において、動作設定部２７０は、蓄積情報解析部２６０の解析結果により、状態情報の送信要否の設定を行なう。具体的には、蓄積情報解析部２６０は、統合監視制御装置３０が受信済みの他の監視制御装置２０ａ～２０ｃからの状態情報状態情報を解析する。蓄積情報解析部２６０は、自身の監視制御装置２０が送信する種別ＩＤ毎に蓄積している状態情報を確認したり、他の監視制御装置と多重系を構成している場合は、多重系を構成する他の監視制御装置が稼動状態と待機状態のいずれの状態であるか等を判断したりする。動作設定部２７０は、上記のような解析結果をもとに、既に送信済みの状態情報と同じ種類の同じ種別ＩＤを有する状態情報の送信の禁止を行なう。また、多重系においては、他の監視制御装置の稼働状況を基に、自己の監視制御装置を稼動状態にして状態情報の送信を許可したり、待機状態にして状態情報の送信を禁止したりする。状態情報送信部は、Ｓ１０４で動作設定部２７０による設定に基づきで状態情報の送信要否を判定することにより、統合監視制御装置３０との間の状態情報の通信の効率化を図ることができる。

　図９は、この発明の実施の形態１における統合監視制御装置３０の構成を示す機能ブロック図である。図９において、統合監視制御装置３０は、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃから送信された状態情報を受信する受信部３１０と、受信部３１０が受信した状態情報に含まれる種別ＩＤに対応して決まる処理に状態情報を処理させる処理制御部３２０とを備えている。処理制御部３２０は、処理定義部３２１、状態情報振分部３２２、種別ＩＤ毎状態情報３０１、種別ＩＤ毎制御部３３０、画面表示部３４０及び音声出力部３５０を備えている。処理定義部３２１は、受信部３１０が受信した状態情報が有する種別ＩＤと状態情報を処理する処理との対応を示すものである。状態情報振分部３２２は、受信部３１０が受信した状態情報を種別ＩＤ毎に振り分けるものである。種別ＩＤ毎状態情報３０１は、状態情報振分部３２２により振り分けられた状態情報が種別ＩＤ毎に蓄積されたものである。種別ＩＤ毎制御部３３０は、種別ＩＤ毎に定められた表示エリアへの状態情報の表示や、音声出力処理等の制御を行なうものである。画面表示部３４０は、種別ＩＤ毎に定められた表示方法により状態情報の表示を行なうものである。音声出力部３５０は、種別ＩＤ毎に定められた音声出力を実施するものである。

　また、種別ＩＤ毎制御部３３０は、出力項目抽出部３３１、状態判定部３３２及び表示・音声出力部３３３を備えている。出力項目抽出部３３１は、種別ＩＤ毎に、種別ＩＤ毎に定められた処理に必要な状態情報を抽出するものである。状態判定部３３２は、状態情報が、故障、警報等の予め定められた状態に該当するか判定するものである。表示・音声出力部３３３は、状態判定部３３２の判定した状態に従い、種別ＩＤ毎に定められた表示や音声出力を、画面表示部３４０、音声出力部３５０に実施させるものである。

　また、統合監視制御装置３０は更に、状態情報分類テーブル３０２、テーブル送信部３６０及び蓄積情報送信部３７０を備えている。状態情報分類テーブル３０２は、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃのそれぞれの状態情報と状態情報の種類を表す種別ＩＤとの対応を示すものである。テーブル送信部３６０は、状態情報分類テーブル３０２を監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃのそれぞれに送信するものである。蓄積情報送信部３７０は、種別ＩＤ毎状態情報３０１を監視制御装置２０～２０ｃのそれぞれに送信するものである。状態情報分類テーブル３０２は、送信するテーブル送信部３６０により監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃに送信され、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃで状態情報分類テーブル２０１として記憶される。また、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃのそれぞれに送信された種別ＩＤ毎状態情報３０１は、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃの蓄積情報受信部２５０で受信され、蓄積情報解析部２６０で解析される。蓄積情報解析部２６０の解析結果は、動作設定部２７０における状態情報の送信可否の設定に使用される。

　図１０で、処理制御部３２０の処理の流れを説明する。図１０は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の処理制御部が行なう処理の流れを示す図である。最初に、処理定義部３２１が、状態情報が有する、決められた規則に従い記述された種別ＩＤを解析して、状態情報を処理する処理を決める（Ｓ２０１）。状態情報は、図７の手順により生成されたものであり、例えば、図４における「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」のように種別ＩＤを含んでおり、処理定義部３２１は、ＡＡ１、ＢＢ１、ＹＹ１それぞれに対応した処理を、同時に実施するか、又は、順番に実施することを決める。次に、状態情報振分部３２２が、受信部３１０が受信した状態情報を、種別ＩＤ毎状態情報３０１として、例として図１１に示すような形式で種別ＩＤ毎に振り分けて蓄積させる（Ｓ２０２）。図１１は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎状態情報に蓄積された状態情報の例である。次に、処理定義部３２１がＳ２０１で決めた処理を、種別ＩＤ毎制御部３３０が画面表示部３４０、音声出力部３５０にそれぞれの種別ＩＤ毎に実施させる（Ｓ２０３）。例えば、状態情報が、図４における「ＡＡ１＿ＢＢ１＿ＹＹ１」のように種別ＩＤを含んでいる場合は、種別ＩＤ毎制御部３３０は、ＡＡ１、ＢＢ１、ＹＹ１に定められたそれぞれの処理を実施する。ＡＡ１、ＡＡ２、ＹＹ１に定められた処理は、例えば、図２の監視画面の、図１２の様に位置を定義したそれぞれの表示エリアに状態方法を表示する処理である。図１２は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の状態情報を表示する表示エリアの定義の例である。

　Ｓ２０３における、種別ＩＤ毎制御部３３０の動作を図１３により説明する。図１３は、この発明の実施の形態１に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎制御部が行なう処理の流れを示す図である。先ず、出力項目抽出部３３１が、種別ＩＤ毎に決められた、表示する状態情報を抽出する（Ｓ３０１）。次に、状態判定部３３２が、種別ＩＤ毎状態情報の当該種別ＩＤに蓄積された状態情報の状態を判定する（Ｓ３０２）。状態判定部３３２は、当該種別ＩＤに蓄積された状態情報を基に、障害発生等の特定の事象を判定する。

　次に、表示・音声制御部３３３が、画面表示部３４０に、Ｓ３０２の判定結果により決まる属性を設定した表示部品を、種別ＩＤ毎の表示エリアに表示させる（Ｓ３０３）。ここで、表示部品とは、図２（ａ）の５１１、５１２で示すような装置毎の詳細画面起動ボタンや、図２（ａ）の５２０で示すような状態情報をテキスト表示するテキスト画面等である。それぞれの表示部品は、状態判定部３３２が判定した結果により、例えば、障害発生に対応して点滅する等の表示属性を設定しても良い。また、表示部品が起動ボタンである場合は、種別ＩＤ該当の表示エリアに同じボタンが既にあるか無いかを判定し、無い場合は追加表示を行なうよう構成しても良い。

　更に、表示・音声制御部３３３が、Ｓ３０２で状態判定部３３２が判定した判定結果により必要な警報音の発生等の音声出力処理を音声出力部３５０に実行させる（Ｓ３０４）。種別ＩＤ毎制御部３３０は、Ｓ３０１からＳ３０４の動作を、種別ＩＤ毎状態情報３０１の状態情報が蓄積された全ての種別ＩＤについて実施する。

　以上のように、監視制御装置２０～２０ｃは、状態情報に状態情報をカテゴリ分類した種別ＩＤを追加して統合監視制御装置３０へ送信する。統合監視制御装置３０では、処理定義部３２１が示す、状態情報が有する種別ＩＤと対応する処理により状態情報を処理する様に構成している。そのため、統合監視制御装置３０は、監視制御装置からの種類の異なる状態に関する状態情報を取得し、統合監視制御装置上に要求に合わせて状態情報に対する処理を構成することができる。

　実施の形態２．
　実施の形態１では、種別ＩＤ毎制御部３３０は、種別ＩＤ毎に予め定められた処理により状態情報を処理したが、種別ＩＤと、種別ＩＤ毎の状態情報に実施する処理との対応付けを行なう処理対応テーブルを使用して、種別ＩＤ毎の処理を決めるように構成しても良い。

　図１４は、この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置３０ａの構成を示す機能ブロック図である。図１４において、図９と同一若しくは同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。図１４において、統合監視制御装置３０ａは、監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃまたは監視制御装置２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃが監視する機器１０の状態を表す状態情報が有する種別ＩＤと状態情報を処理する処理との対応を示す処理対応テーブル３０３を備えている。また、統合監視制御装置３０ａは、処理制御部３２０の代わりに、処理対応テーブル３０３を基に種別ＩＤ毎に定められた、状態情報に対して実施する処理を制御する処理制御部３２０ａを備えている。処理制御部３２０ａは、種別ＩＤ毎制御部３３０の代わりに種別ＩＤ毎制御部３３０ａを備えていること以外は、処理制御部３２０と同様である。

　また、種別ＩＤ毎制御部３３０ａは、処理対応テーブル３０３に基づき、種別ＩＤ毎に、状態情報に対する処理を取得する出力項目抽出部３３１ａと、出力項目抽出部３３１ａが取得した処理の実施を制御する表示・音声出力部３３３ａとを備えている。統合監視制御装置３０ａの上記以外の構成は、統合監視制御装置３０と同様である。

　次に、種別ＩＤ毎制御部３３０ａの動作を説明する。図１５は、この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置の処理対応テーブルの例である。図１５は、処理対応テーブル３０３の例であり、種別ＩＤ毎に、状態情報を処理する処理が対応付けられている。図１６は、この発明の実施の形態２に係る統合監視制御装置の種別ＩＤ毎制御部が行なう処理の流れを示す図である。図１６において、最初に、出力項目抽出部３３１ａが、種別ＩＤで処理対応テーブル３０３を参照して、状態情報に施す処理を取得する（Ｓ３１１）。例えば、図１５の例では、種別ＩＤがＡＡ１である場合は、起動ボタン表示処理、周波数判定処理、警報音処理が取得され、種別ＩＤがＹＹ１の場合は、テキスト表示処理が取得される。

　次に、出力項目抽出部３３１ａが、Ｓ３１１で取得した処理に必要なパラメータ（状態情報等）を取得する（Ｓ３１２）。ここで、例えば、図１５のＡＡ１に対応する警報音処理のように、Ｓ３１１で取得した状態判定処理の結果をパラメータとする場合については、状態判定処理の結果と表示処理の入力との間の対応付けを行なう。次に、表示・音声制御部３３３ａが、画面表示部３４０や音声出力部３５０に指示を行い、Ｓ３１１で出力項目抽出部が取得した処理を実行させる（Ｓ３１３）。

　以上のように、統合監視制御装置３０ａでは、種別ＩＤ毎に状態情報を処理する処理を対応付け、受信した状態情報の種別ＩＤに対応付けられた処理に状態情報を処理させるよう構成したため、監視制御装置からの種類の異なる状態に関する状態情報を取得し、統合監視制御装置上に複数の種類の要求に合わせて柔軟に状態情報を処理するよう構成することができる。

１０　機器、
２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃ　監視制御装置、
３０、３０ａ　統合監視制御装置、
４０　ネットワーク、
５０、５０ａ　監視画面、
５０ｂ、５０ｃ　詳細画面、
２０１　状態情報分類テーブル、
２２０　状態情報生成部、
２３０　ＩＤ付与部、
２４０　状態情報送信部、
３０１　種別ＩＤ毎状態情報、
３０２　状態情報分類テーブル、
３０３　処理対応テーブル、
３１０　受信部、
３２０　処理制御部、
３２１　処理定義部。

Claims (7)

1. 　監視制御装置の状態または前記監視制御装置が監視する機器の状態を表す状態情報が有する種別ＩＤと前記状態情報に施される処理との対応を示す処理定義部と、
   　前記監視制御装置から送信された前記状態情報を受信する受信部と、
   　前記受信部が受信した前記状態情報に、この状態情報が有する前記種別ＩＤから前記処理定義部で決まる処理を施すように制御する処理制御部と、
   を備えた統合監視制御装置。
2. 　前記処理定義部は、決められた規則に従い記述された前記種別ＩＤを解析して、前記種別ＩＤを有する前記状態情報に施される処理を決めることを特徴とする請求項１に記載の統合監視制御装置。
3. 　前記処理制御部は、前記受信部が受信した前記状態情報を前記種別ＩＤ毎に振り分けた種別ＩＤ毎状態情報として蓄積する状態情報振分部と、
   前記処理定義部で決められた前記種別ＩＤと前記状態情報に施される処理に基づき、前記種別ＩＤ毎状態情報の処理を制御する種別ＩＤ毎制御部と、
   を備えた請求項１または２に記載の統合監視制御装置。
4. 　監視対象の機器の状態または自らの状態を表す状態情報にこの状態情報の種類を示す種別ＩＤを追加するＩＤ付与部と、
   　前記種別ＩＤを有する前記状態情報を統合監視制御装置に送信する状態情報送信部と、
   を備えた監視制御装置。
5. 　前記状態情報と前記状態情報の種類を表す種別ＩＤとの対応を示す状態情報分類定義部と、
   　前記状態情報を生成する状態情報生成部と、
   を備え、
   前記ＩＤ付与部は、前記状態情報から前記状態情報分類定義部で決まる種別ＩＤをこの状態情報に追加するものである請求項４に記載の監視制御装置。
6. 　請求項１～３のいずれか１項に記載の統合監視装置と、請求項４または５に記載の監視制御装置とを備えた統合監視制御システム。
7. 　監視対象の機器の状態または自らの状態を表す状態情報を生成し、生成した状態情報にこの状態情報の種類を示す種別ＩＤを追加して統合監視制御装置に送信する監視制御装置と、
   　前記種別ＩＤと前記状態情報に施される処理との対応を示す処理定義部および、
   　前記監視制御装置から受信した前記状態情報に、この状態情報に含まれる前記種別ＩＤから前記処理定義部で決まる処理を施すように制御させる処理制御部
   を有する前記統合監視制御装置と、
   を備えた統合監視制御システム。

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