WO2016076104A1 - 画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

 細胞核などの観察対象物の染色にムラがあったり、染色された複数の観察対象物が隣接している場合であっても、誤検出を抑制して個々の観察対象物の領域を正確に抽出できる画像処理方法、画像処理装置、及びプログラムを提供する。 本発明の画像処理方法は、染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出する画像処理方法において、ユーザ操作により前記細胞画像にサーチ開始点を入力する入力工程と、前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成工程と、前記候補領域の特徴量を算出する算出工程と、前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域と前記特定構造の類似度を判断する判断工程と、前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出工程と、を有することを特徴とする。

Description

画像処理方法、画像処理装置、及びプログラム
 本発明は画像処理方法、画像処理装置、及びプログラムに関する。
 人や動物などの生物から採取された組織切片を顕微鏡で観察して病変の有無や病変の種類について診断する、いわゆる病理診断が盛んに行われている。病理診断の対象となる組織標本は、顕微鏡観察に適するように、一般的には、固定→包理→薄切→染色の過程を経て作製され、染色後の組織切片を高倍率で顕微鏡観察して画像データ(細胞画像)を生成し、画像を解析する。かかる細胞画像から細胞核などの観察対象物の領域を抽出する画像処理を手作業で行うと、膨大な手間がかかり、また、作業者ごとの誤差も大きいことから、近年では、画像処理を自動的に行うための技術が数多く提案されている。
 たとえば、特許文献1の技術では、細胞画像上で複数の細胞が重畳している場合であっても、細胞形状を個別に抽出しようとしている(段落0018参照)。具体的には、細胞の染色濃度(濃度勾配)に着目して、細胞輪郭形成画素の濃度勾配ベクトルとその画素から細胞中心位置までの変位ベクトルとの内積値の符号の正負を求めてかかる技術を実現しようとしている(段落0027~0028、図10、段落0084~0088、図13~図16など参照)。
 また、特許文献2の技術では、細胞内の観察対象物の特徴量に基づいて、画像のピクセルごとの属性値を評価することにより、画像内の観察対象領域を自動的に識別しようとしている。
特開2000-321031号公報 特開2008-527546号公報
 ところで、組織切片の染色は細胞核などの観察対象物の形状を検出し易くするために行われるが、当該細胞核はすべて一様に染色されるとは限らず、特に癌が進行しているような細胞においては染色にムラができることが多い。
 引用文献1~2に記載の技術では、図12Aのように細胞核の染色ムラが少ない細胞画像からは、図12Bのように1つ1つの細胞核の領域を自動的に正しく抽出することが容易であるが、図13Aのように癌が進行して細胞核がまばらに染色された細胞画像からは、図13Bのように1つの細胞核を複数の細胞核として誤検出することがある。また、図14Aのように複数の細胞核が隣接している場合には、図14Bのように複数の細胞核を1つの細胞核として誤検出することもあり得る。
 したがって、本発明の主な目的は、細胞核などの観察対象物の染色にムラがあったり、染色された複数の観察対象物が隣接している場合であっても、誤検出を抑制して個々の観察対象物の領域を正確に抽出できる画像処理方法、画像処理装置、及びプログラムを提供することにある。
 上記課題を解決するため、本発明の第1の態様によれば、
 染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出する画像処理方法において、
 ユーザ操作により前記細胞画像にサーチ開始点を入力する入力工程と、
 前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成工程と、
 前記候補領域の特徴量を算出する算出工程と、
 前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断工程と、
 前記判断工程において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出工程と、
 を有することを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第2の態様によれば、第1項に記載の画像処理方法において、
 前記判断工程において前記候補領域が前記特定構造と類似していないと判断された場合には、前記所定の条件の変更、前記作成工程、前記算出工程、及び前記判断工程を、前記判断工程において候補領域が前記特定構造と類似していると判断されるまで繰り返すことを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第3の態様によれば、第1項又は第2項に記載の画像処理方法において、
 前記作成工程において、前記細胞画像における前記サーチ開始点を中心とした所定の範囲内から前記候補領域を作成し、
 前記所定の範囲は、前記特定構造の大きさに基づいて定められることを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第4の態様によれば、第1項~第3項の何れか一項に記載の画像処理方法において、
 前記特徴量は、前記候補領域の面積、大きさ、主軸と幅の比、周囲長、丸み度、または楕円度の少なくとも1つを含むことを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第5の態様によれば、第1項~第4項の何れか一項に記載の画像処理方法において、
 前記サーチ開始点は、前記特定構造の内部に入力されることを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第6の態様によれば、第5項に記載の画像処理方法において、
 1つの前記候補領域に含まれる前記サーチ開始点の数を数える計数工程と、
 1つの前記候補領域に複数の前記サーチ開始点が含まれる場合には、1つの前記候補領域に前記サーチ開始点が1つのみ含まれるように分割する分割工程と、
 を有することを特徴とする画像処理方法が提供される。
 本発明の第7の態様によれば、第1項~第6項の何れか一項に記載の画像処理方法において、
 前記特定構造は、細胞核、細胞膜、又は細胞質のいずれかであることを特徴とする。
 本発明の第8の態様によれば、
 染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出する画像処理装置において、
 ユーザ操作により前記細胞画像にサーチ開始点を入力する入力手段と、
 前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成手段と、
 前記候補領域の特徴量を算出する算出手段と、
 前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断手段と、
 前記判断手段において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出手段と、
 を備えることを特徴とする画像処理装置が提供される。
 本発明の第9の態様によれば、
 染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出するコンピュータを、
 前記細胞画像にサーチ開始点をユーザ操作により入力する入力手段、
 前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成手段、
 前記候補領域の特徴量を算出する算出手段、
 前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断手段、
 前記判断手段において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出手段、
 として機能させるためのプログラムが提供される。
 本発明によれば、細胞核などの観察対象物の染色にムラがあったり、染色された複数の観察対象物が隣接している場合であっても、誤検出を抑制して個々の観察対象物の領域を正確に抽出することができる。
病理診断支援システムの構成を概略的に示す図である。 画像処理装置の機能的構成を概略的に示すブロック図である。 画像処理の流れを概略的に示すフローチャートである。 図3のステップS3で設定される近傍領域の例を示す図である。 図3のステップS3で設定される近傍領域の例を示す図である。 図3のステップS3で設定される近傍領域の例を示す図である。 図3のステップS4(第一可変閾値処理)の詳細を示すフローチャートである。 図5のステップS41~S43における処理の一例を説明するための図である。 図5のステップS41~S43における処理の一例を説明するための図である。 図3のステップS5~S7における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS5~S7における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS5~S7における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS5~S7における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS9(分割処理)の詳細を示すフローチャートである。 ステップS10におけるノイズ処理の一例を説明するための図である。 ステップS10におけるノイズ処理の一例を説明するための図である。 ステップS10におけるノイズ処理の一例を説明するための図である。 ステップS10におけるノイズ処理の一例を説明するための図である。 図3のステップS11(第二可変閾値処理)の詳細を示すフローチャートである。 図3のステップS12~S13における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS12~S13における画像処理を説明するための図である。 図3のステップS12~S13における画像処理を説明するための図である。 染色ムラが少ない1つの細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。 染色ムラが少ない1つの細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。 まばらに染色された1つの細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。 まばらに染色された1つの細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。 染色された複数の隣接する細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。 染色された複数の隣接する細胞核を示す細胞画像及び細胞画像から細胞核を自動抽出した画像の一例である。
 以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<病理診断支援システム10の構成>
 図1に、病理診断支援システム10の全体構成例を示す。
 病理診断支援システム10は、所定の染色試薬で染色された人体の組織切片の顕微鏡画像を取得及び解析することにより、組織切片における細胞核の領域を抽出するシステムである。
 図1に示すように、病理診断支援システム10は、顕微鏡画像取得装置1Aと、画像処理装置2Aと、がケーブル3Aなどのインターフェースを介してデータ送受信可能に接続されて構成されている。
 顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2Aとの接続方式は特に限定されない。たとえば、顕微鏡画像取得装置1Aと画像処理装置2AはLAN(Local Area Network)により接続されることとしてもよいし、無線により接続される構成としてもよい。
 顕微鏡画像取得装置1Aは、公知のカメラ付き光学顕微鏡であり、スライド固定ステージ上に載置されたスライド上の組織切片の顕微鏡画像を取得し、画像処理装置2Aに送信するものである。
 顕微鏡画像取得装置1Aは、照射手段、結像手段、撮像手段、通信I/Fなどを備えて構成されている。照射手段は、光源、フィルターなどにより構成され、スライド固定ステージに載置されたスライド上の組織切片に光を照射する。結像手段は、接眼レンズ、対物レンズなどにより構成され、照射した光によりスライド上の組織切片から発せられる透過光、反射光などを結像する。撮像手段は、CCD(Charge Coupled Device)センサーなどを備え、結像手段により結像面に結像される像を撮像して顕微鏡画像のデジタル画像データを生成する顕微鏡設置カメラである。通信I/Fは、生成された顕微鏡画像の画像データを画像処理装置2Aに送信する。
 顕微鏡画像取得装置1Aでは、明視野観察に適した照射手段および結像手段を組み合わせた明視野ユニットが備えられている。
 なお、顕微鏡画像取得装置1Aとしては、カメラ付き顕微鏡に限定されず、たとえば、顕微鏡のスライド固定ステージ上のスライドをスキャンして組織切片全体の顕微鏡画像を取得するバーチャル顕微鏡スライド作成装置(たとえば、特表2002-514319号公報参照)などを用いてもよい。バーチャル顕微鏡スライド作成装置によれば、スライド上の組織切片全体像を表示部で一度に閲覧可能な画像データを取得することができる。
 画像処理装置2Aは、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された顕微鏡画像を解析することにより、観察対象の組織切片における細胞核の領域を抽出する。
 図2に、画像処理装置2Aの機能構成例を示す。
 図2に示すように、画像処理装置2Aは、制御部21、操作部22、表示部23、通信I/F24、記憶部25などを備えて構成され、各部はバス26を介して接続されている。
 制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などを備えて構成され、記憶部25に記憶されている各種プログラムとの協働により各種処理を実行し、画像処理装置2Aの動作を統括的に制御する。
 たとえば、制御部21は、記憶部25に記憶されている画像処理プログラムとの協働により画像処理(図3参照)を実行し、作成手段、算出手段、判断手段、抽出手段、計数手段、及び分割手段としての機能を実現する。
 操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、各種機能キーなどを備えたキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部21に出力する。
 操作者(ユーザ)は、操作部22を介して、顕微鏡画像内にサーチ開始点を入力する。かかる操作部22は、入力手段として機能する。
 表示部23は、たとえばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)などのモニタを備えて構成されており、制御部21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
 通信I/F24は、顕微鏡画像取得装置1Aをはじめとする外部機器との間でデータ送受信を行なうためのインターフェースである。
 記憶部25は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリーなどで構成されている。記憶部25には、前述のように各種プログラムや各種データなどが記憶されている。
 その他、画像処理装置2Aは、LANアダプターやルーターなどを備え、LANなどの通信ネットワークを介して外部機器と接続される構成としてもよい。
 本実施形態では、画像処理装置2Aは、顕微鏡画像取得装置1Aから送信された顕微鏡画像(細胞画像)を用いて解析を行うようになっている。
 「細胞画像」とは、ヘマトキシリン染色試薬(H染色試薬)、ヘマトキシリン-エオジン染色試薬(HE染色試薬)など、細胞の特定構造(例えば、細胞核、細胞膜、など)を染色しうる任意の染色試薬を用いて染色された組織切片を、顕微鏡画像取得装置1Aにおいて明視野で拡大結像および撮影することにより得られる顕微鏡画像であって、当該組織切片における細胞の形態を表す細胞画像である。ヘマトキシリン(H)は青紫色の色素であり、細胞核、骨組織、軟骨組織の一部、漿液成分など(好塩基性の組織など)を染色する。エオジン(E)は赤~ピンク色の色素であり、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒など(好酸性の組織など)を染色する。
<病理診断支援システム10の動作(画像処理方法を含む。)>
 以下、病理診断支援システム10において、上記説明した細胞画像を取得して観察対象物の領域を抽出する画像処理を行う動作について説明する。なお、本実施形態においては、人体から採取された組織切片を撮影した顕微鏡画像から、観察対象物(特定構造)として細胞核の領域を抽出する場合を例として説明する。
 まず、操作者はHE染色試薬を用いて、公知の方法により、組織切片を染色する。
 その後、顕微鏡画像取得装置1Aを用いて、(a1)~(a3)の手順により細胞画像を取得する。
(a1)操作者は、HE染色試薬により、細胞核が染色された組織切片をスライドに載置し、そのスライドを顕微鏡画像取得装置1Aのスライド固定ステージに設置する。
(a2)ユニットを明視野ユニットに設定し、撮影倍率、ピントの調整を行い、組織切片上の観察対象の領域を視野に納める。
(a3)撮像手段で撮影を行って細胞画像の画像データを生成し、画像処理装置2Aに画像データを送信する。
 その後、画像処理装置2Aを用いて、細胞画像に基づき画像処理を実行する。図3に、画像処理装置2Aにおける画像処理のフローチャートを示す。図3に示す画像処理は、制御部21と記憶部25に記憶されている画像処理プログラムとの協働により実行され、制御部21はその画像処理プログラムにしたがって以下の処理を実行する。
 まず、通信I/F24により顕微鏡画像取得装置1Aから細胞画像が入力されると(ステップS1)、制御部21は、表示部23に細胞画像を表示する。操作者は、表示部23に表示された細胞画像において細胞核31の位置を視認して、操作部22を介して細胞核31の近傍にサーチ開始点32を入力する(ステップS2:入力工程)。
 なお、本実施形態においては、1つの細胞核に対して1つのサーチ開始点32を入力するものとし、サーチ開始点32の入力位置は細胞核の領域の内部とする。
 細胞画像内に複数の細胞核が存在する場合には、細胞画像内に複数のサーチ開始点32を入力することができる。本実施の形態において、ステップS3以降の処理は、操作者が複数のサーチ開始点32を全て入力し終わった後で開始することとして説明する。
 制御部21は、細胞画像のサーチ開始点32の近傍の所定の領域(近傍領域33)を設定する(ステップS3)。近傍領域33の形状、大きさ、数は任意に設定可能である。例えば、図4Aに示されるように、サーチ開始点32を中心とした所定の大きさの矩形領域を選択して1つの近傍領域33としても良いし、また、図4B及び図4Cに示されるように、図4Aの近傍領域33を4分割又は9分割して、4つ又は9つの近傍領域33を設定しても良い。
 次いで、制御部21は、近傍領域33のそれぞれに対して、第一可変閾値処理を行って(ステップS4)、特定構造(本実施形態では、細胞核)らしい領域(候補領域)を作成する。第一可変閾値処理の詳細を図5のフローチャートに示す。
 まず、制御部21は、近傍領域33における細胞画像の画像情報(第一画像情報)を取得する(ステップS41)。第一画像情報としては、例えば、輝度、階調度、HSV、色(例えば、RGB値)、等の中から、1又は複数種類が取得される。
 次いで、各近傍領域内で第一画像情報が所定の条件を満たす画素を抽出し、候補領域である第一核候補領域35を作成する(ステップS42:作成工程)。
 ステップS42における作成工程を、第一画像情報としてRGB値を用いる場合を例にとって詳細に説明する。まず、近傍領域33内で最も輝度が暗い点を第一基準点34として選択する(図6B)。図6Aは、細胞画像内の7つの画素のRGB値をRGB座標上にプロットした図の一例であり、「●」で示されている、最も原点に近い点が第一基準点34のRGB値を示す。次いで、RGB座標上における各画素から第一基準点34までの距離が所定の閾値X以下である画素(図6Aにおいて「○」で示される画素)を細胞画像から抽出して、第一核候補領域35とする。
 図6Bに示されるように、サーチ開始点32を内部に含まずに、サーチ開始点32の周囲に分離した複数の第一核候補領域35Aが作成された場合には、例えば公知のSNAKES法を用いて、サーチ開始点32の近傍の第一核候補領域35Aの外郭を繋いで、図6Bの点線で示されるようなサーチ開始点32を内部に含む第一核候補領域35を作成する。
 なお、閾値Xは、RGB座標上における第一基準点34から各画素までの方向の情報を含むベクトル値でも良い。また、例えば、RGB座標上の第一基準点34からの距離が閾値Xである画素のみを抽出して第一核候補領域35としても良い。
 また、複数種類の第一画像情報に基づいて第一核候補領域35を作成する場合には、例えば、画素ごとに第一画像情報にファジィ演算を用いて重みづけをした値を算出し、この値が所定の値以下である画素を細胞画像から抽出して、第一核候補領域35を作成する。
 サーチ開始点32から遠く離れた領域の画像処理を省いて処理の効率を高める観点から、第一画像情報の取得範囲及び第一核候補領域35を作成する領域の範囲を、観察対象の組織標本の一般的な細胞核の大きさに基づいて限定することが好ましい。細胞核の大きさは、例えば、細胞核の長径と短径の平均値、細胞核と同一面積の円の直径、などの任意の計測値を用いることができる。例えば、観察対象の組織標本の一般的な細胞核の長径と短径の平均値を算出し、その2倍の長さを直径とするサーチ開始点32を中心とした円の内部を、第一画像情報の取得範囲及び第一核候補領域35を作成する領域の範囲とすることができる。
 なお、「一般的な細胞核」とは、観察対象の組織標本において観察される細胞核の標準的なものを指し、その大きさ等の特徴量は予め知られた公知なものを用いることができる。
 次いで、第一核候補領域35の特徴量を算出し(ステップS43:算出工程)、一般的な細胞核の特徴量(特定構造の特徴量)と比較して、第一核候補領域35が一般的な細胞核と類似しているか否かを判断する(ステップS44:判断工程)。
 特徴量は、第一核候補領域35の形状や色に関する所定の測定値であり、例えば、面積、大きさ、主軸の長さと幅の比、周囲長、丸み度(=(周囲長)/(4π×面積))、楕円度(=π×主軸長×主軸幅/(4×面積))、等の中から、1又は複数種類が算出される。
 ステップS44では、例えば、ステップS43で算出した第一核候補領域35の特徴量と、一般的な細胞核の特徴量との比が、所定の範囲内である場合には、第一核候補領域35が細胞核と類似していると判断して(ステップS44:Yes)、第一核候補領域35を第一核領域36とし、第一可変閾値処理を終了する。
 ステップS43で算出した第一核候補領域35の特徴量と、一般的な細胞核の特徴量との比が、所定の範囲外である場合には、第一核候補領域35が細胞核と類似していないと判断し(ステップS44:No)、閾値Xを別の値(例えば、現閾値Xに、予め設定された値(α)を加算した値)に変更して(ステップS45)、ステップS42の処理に戻り、別の第一核候補領域35を抽出する。
 なお、複数種類の特徴量に基づいて第一核候補領域35が細胞核と類似しているか否かを判断する場合には、例えばファジィ演算を用いて重みづけをした各特徴量に基づいて第一核候補領域35と一般的な細胞核の類似度を算出し、所定の閾値と比較することにより、第一核候補領域35が細胞核と類似しているか否かを判断する。
 また、ステップS42では、閾値Xを所定の範囲内で変化させて、閾値Xのそれぞれについて第一核候補領域35の作成及び特徴量の算出を行い、一般的な細胞核の特徴量に最も近い特徴量が算出された第一核候補領域35を、第一核領域36としても良い。
 ステップS3で設定した各々の近傍領域33に対して、ステップS4の第一可変閾値処理を行って第一核領域36を作成した後、ステップS5の処理に移行して、それぞれの近傍領域33に対応する第一核領域36を加算した加算領域37Aを作成する。
 例えば、ステップS3で図4Bに示されるような4つの近傍領域33を設定した場合には、ステップS4の処理により、図7Aに示されるように4つの第一核領域36が作成され、ステップS5の処理により、図7Bに示されるような加算領域37Aが作成される。
 他方、ステップS1で入力された細胞画像から、細胞核のエッジ38が抽出される(ステップS6)。エッジの抽出方法は任意であり、例えば、細胞画像の明度を所定の閾値を用いて二値化することにより抽出される。
 ステップS5とS6の処理の終了後、ステップS7では、ステップS5で作成された加算領域37Aが、ステップS6で抽出されたエッジ38の輪郭によりマスク処理されて、加算領域37Aから、エッジ38の外側の領域が排除された加算領域37Bが作成される。図7Cは、実線で示される加算領域37Aに、点線で示されるエッジ38を重ねた画像の例を示す。図7Dは、加算領域37Aをエッジ38でマスク処理した加算領域37Bの例を示す。
 次いで、ステップS8(計数工程)において、1つの加算領域37Bの内部に含まれるサーチ開始点32の数を判定する。
 1つの加算領域37Bの内部にサーチ開始点32が複数個含まれている場合(ステップS8:複数)には、ステップS9(分割工程)の処理に移行して、複数のサーチ開始点32を含む加算領域37Bに分割処理を施す。分割処理の詳細を、図8のフローチャートに示す。
 先ず、ステップS6のマスク処理で用いたエッジ38とは別のエッジを作成して加算領域37Bと重ね、エッジによる加算領域37Bの分割処理を行う(ステップS91)。その後、加算領域37Bが正しく分割されたか否かを判断する(ステップS92)。正しく分割されたか否かの判断方法は任意であるが、例えば、ステップS91の処理を施した後の、1つの加算領域37Bに含まれるサーチ開始点32の数が1つであれば、正しく分割されたと判断する。
 ステップS92の工程で、加算領域37Bが正しく分割されたと判断した場合(ステップS92:Yes)、分割処理を終了し、ステップS10の工程に移行する。
 ステップS92で、加算領域37Bが正しく分割されていないと判断した場合(ステップS92:No)、ステップS93の工程に進み、極座標変換を用いた分割処理を行う。
 極座標変換を用いた分割処理は、例えば、加算領域37Bを極座標変換した画像における変曲点の位置に基づいて行うことができる。
 例えば、加算領域37Bの極座標変換によれば、サーチ開始点32を通る直線を始線とし、その始線からの偏角θを横軸、サーチ開始点32からの距離rを縦軸とする座標において、図7Dに示される加算領域37Bの輪郭線が図9Aのように実線で示される極座標変換画像が作成される。例えば、加算領域37Bに、サーチ開始点32が2つ含まれていた場合は、一方のサーチ開始点32に基づいて上述の極座標変換を施す。次いで、図9Aの実線で示される極座標変換画像において、加算領域37Bの輪郭線を示す実線の変曲点の間隔を算出し、その間隔が所定の値よりも小さくなる2つの変曲点を抽出し、これら2つの変曲点を結ぶ境界線39(図9Aの点線)を作成して分割処理を行う。境界線39の作成方法は任意であるが、例えば、2つの変曲点それぞれの近傍の輪郭線の形状に基づく近似曲線を用いて境界線39を作製し、加算領域37Bを分割することができる。分割処理後の極座標表示されている画像は、直交座標に再変換される。
 次いで、ステップS93の工程によって加算領域37Bが正しく分割されたか否かを、ステップS92と同様の方法により判断する(ステップS94)。
 ステップS94の工程で、加算領域37Bが正しく分割されたと判断した場合(ステップS94:Yes)、分割処理を終了し、ステップ10の工程に移行する。
 ステップS94で、加算領域37Bが正しく分割されていないと判断した場合(ステップS94:No)、ステップS95の工程に進み、公知のWatershed法にしたがって、加算領域37Bに境界線を引いて分割する分割処理を行う。
 なお、ステップS91、S93、S95に記載した分割の方法は、これらに限定されるものではなく、ステップS9においては、任意の分割方法を、任意の順序で用いることができる。
 また、ステップS95の処理によっても正しく分割ができなかった場合には、表示部23に表示されている細胞画像上に、正しく分割ができなかった加算領域37Bを、正しく分割ができなかったことを示すメッセージと共に表示し、正しく分割できなかった加算領域37Bに対しては、図3のステップS10以降に示す処理を行わずに画像処理を終了することとしても良い。
 加算領域37Bに含まれるサーチ開始点32が1つである場合(ステップS8:1個)又はステップS9の分割処理の終了後、ステップS10の工程に進み、ノイズ処理を施す。
 例えば、図7Dに示される加算領域37Bに含まれるサーチ開始点32が1つである場合には、図の上部に示されるような縊れて突出した小さい領域は、実際には細胞核の領域には含まれないノイズである可能性が高いため、これを排除するノイズ処理を施すことが好ましい。このノイズ処理の方法は任意であるが、例えば、ステップS93の極座標変換を用いた分割処理と同様の方法で行うことができる。
 具体的には、ステップS93と同様に、図7Dの加算領域37Bを図9Bに示されるように2つの領域に分割し、点線で示される境界線39の下方の領域にサーチ開始点32が含まれている場合には、境界線39よりも上方の領域を削除し、ノイズ処理後の加算領域37Cを作成する。
 また、ノイズ処理後の加算領域37Cの輪郭を滑らかにするためのノイズ処理をさらに施しても良い。
 具体的には、例えば、加算領域37Cの輪郭の極座標変換画像に対して、移動平均、フィルタリングなどの処理を施すことにより、輪郭を滑らかにすることができる。図9Cは、図9Bに示される加算領域37Cの極座標変換画像の輪郭(点線)に、平滑化処理を施した画像(実線)の例を示す。図9Cの平滑化処理を施した極座標変換画像を直交座標に再変換することにより、図9Dに示されるような、滑らかな輪郭の加算領域37Dが抽出される。
 輪郭の極座標変換画像ではなく、直交画像において、例えば、クロージング処理を施すことにより平滑化処理を行っても良い。クロージング処理は、膨張処理を行ってから同じ回数分だけ収縮処理を行う処理である。膨張処理は、注目画素からn×n画素(nは2以上の整数)の範囲内にある画素に1つでも白が含まれている場合に注目画素を白に置き換える処理である。収縮処理は、注目画素からn×n画素の範囲内にある画素に1つでも黒が含まれている場合に注目画素を黒に置き換える処理である。クロージング処理により、ノイズ等の小さい領域を除去することができる。
 次いで、加算領域37Cにノイズ処理を施した加算領域37Dに対して、第二可変閾値処理を行って、細胞核らしい領域を抽出する(ステップS11)。第二可変閾値処理の詳細を図10のフローチャートに示す。
 まず、制御部21は、加算領域37Dの画像情報(第二画像情報)を取得する(ステップS111)。第二画像情報としては、例えば、輝度、階調度、HSV、色(例えば、RGB値)、等の中から、1又は複数種類が取得される。第二画像情報の種類は、ステップS4で用いた第一画像情報の種類と同一でも異なるものでも良い。
 次いで、取得した加算領域37Dの第二画像情報に基づいて閾値を定め、特定構造(本実施形態では、細胞核)の候補領域である第二核候補領域を抽出する(ステップS112)。
 ステップS112における作成工程を、第二画像情報としてRGB値を用いる場合を例にとって詳細に説明する。例えば、まず、加算領域37D内のRGB値の平均値を算出し、RGB座標上にプロットして第二基準点とする。次いで、細胞画像内の各画素のRGB値をRGB座標上にプロットして、第二基準点からの距離が所定の閾値Y以下である画素を細胞画像から抽出して、第二核候補領域とする。
 ステップS42の工程と同様に、サーチ開始点32を内部に含まずに、周囲に分離した第二核候補領域が存在する場合には、例えば公知のSNAKES法を用いて、サーチ開始点32の近傍の第二核候補領域との外郭を繋いで、サーチ開始点32を内部に含む第二核候補領域を作成する。
 なお、閾値Yは、第二基準点から各画素までの方向の情報を含むベクトル値でも良い。また、例えば、RGB座標上の第二基準点からの距離が閾値Yである画素のみを抽出して第二核候補領域としても良い。
 また、複数種類の第二画像情報に基づいて第二各候補領域を作成する場合には、例えば、画素ごとに第二画像情報にファジィ演算を用いて重みづけをした値を算出し、この値が所定の値以下である画素を細胞画像から抽出して、第二核候補領域を作成する。
 サーチ開始点32から遠く離れた領域の画像処理を省いて処理の効率を高める観点から、第二画像情報の取得範囲及び第二核候補領域を作成する領域の範囲は、観察対象の組織標本の一般的な細胞核の大きさに基づいて限定することが好ましい。細胞核の大きさとは、例えば、細胞核の長径と短径の平均値、細胞核と同一面積の円の直径、などの任意の計測値を用いることができる。例えば、観察対象の組織標本の一般的な細胞核の長径と短径の平均値の2倍の長さを直径とする、サーチ開始点32を中心とした円の内部を、第二画像情報の取得範囲及び第二核候補領域を作成する領域の範囲とすることができる。
 次いで、第二核候補領域の特徴量を算出し(ステップS113)、一般的な細胞核の特徴量(特定構造の特徴量)と比較して、第二核候補領域が一般的な細胞核と類似しているか否かを判断する(ステップS114)。
 特徴量は、第二核候補領域の形状や色に関する所定の測定値であり、例えば、面積、大きさ、主軸の長さと幅の比、周囲長、丸み度(=(周囲長)/(4π×面積))、楕円度(=π×主軸長×主軸幅/(4×面積))、等の中から、1又は複数種類が算出される。
 ステップS114では、例えば、ステップS113で算出した第二核候補領域の特徴量と、一般的な細胞核の特徴量との比が、所定の範囲内である場合には、第二核候補領域が細胞核と類似していると判断し(ステップS114:Yes)、第二核候補領域を第二核領域とする。
 ステップS113で算出した第二核候補領域の特徴量と、一般的な細胞核の特徴量との比が、所定の範囲外である場合には、第二核候補領域が細胞核と類似していないと判断して(ステップS114:No)、閾値Yを別の値に変更して(ステップS115)、ステップS112の処理に戻り、別の第二核候補領域を抽出する。
 なお、複数種類の特徴量を用いて第二核候補領域が細胞核と類似しているか否かを判断する場合には、例えばファジィ演算を用いて重みづけをした各特徴量に基づいて第二各候補領域と一般的な細胞核の類似度を算出し、所定の閾値と比較することにより、第二核候補領域が細胞核と類似しているか否かを判断する。
 また、ステップS112では、閾値Yを所定の範囲内で変化させて、閾値Yのそれぞれについて第二核領域の作成及び特徴量の算出を行い、一般的な細胞核の特徴量に最も近い特徴量が算出された第二核候補領域を、第二核領域としても良い。
 他方、制御部21は、ステップS12の工程において、加算領域37Dに膨張処理を施した加算領域37E(図11A)を作成する。 
 ステップS11とS12の処理の終了後、ステップS13では、ステップS11で作成された第二核領域がステップS12で作成された加算領域37Eによりマスク処理されて、第二核領域から、加算領域37Eの外側の領域が排除された最終核領域40が作成される。
 図11Bの実線は、図11Aに示される加算領域37Dに第二可変閾値処理を施した加算領域37Fの一例であり、図11Bの点線は、加算領域37Dに膨張処理を施した加算領域37Eの一例である。加算領域37Fを加算領域37Eでマスクして、図11Cに示される最終核領域40が作成される。
 以上の本実施形態によれば、ステップS2で操作者が入力したサーチ開始点32の位置及び数に基づいて細胞を抽出するので、精度が高い。
 また、操作者は、細胞の輪郭を手作業で詳細に抽出する必要はなく、細胞の付近にサーチ開始点32を入力する作業のみが必要であるため、手間が少ない。
 また、第一可変閾値処理により、特徴量に基づいて最も細胞核らしい第一核候補領域35を探して第一核領域36とするため、正しい核領域を抽出できる可能性が高まるという効果がある。
 また、サーチ開始点32を細胞核の内部に入力して、第一画像情報の取得範囲及び第一核候補領域35を抽出する範囲を、サーチ開始点32を中心とする観察対象の組織標本の細胞核の一般的に知られた大きさに基づいて定めた一定距離の範囲内に限定することとすれば、サーチ開始点32から一定距離以上離れた領域については画像処理を行う必要がないため、画像処理速度を速めることができる。
 また、第一核候補領域35及び第二核候補領域の特徴量として、面積、大きさ、主軸と幅の比、丸み度、楕円度、または周囲長を用いることとすれば、特徴量の定量及び比較が容易である。
 また、サーチ開始点32の数に応じて分割できるので、細胞が高密度に存在して細胞核が隣接したり重なって表示されているような細胞画像においても、個々の細胞核を分離して抽出することができる。
 なお、本実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
 例えば、ステップS3以降の処理は、操作者が細胞画像内のサーチ開始点32を全て入力し終わった後で開始するものとしたが、サーチ開始点32を1つ入力する毎にステップS3以降の処理を行っても良い。
 また、サーチ開始点32は、一つの細胞核の外側を囲む線又は複数の点であっても良い。この場合、ステップS3においては、例えば、一つの細胞核を示すサーチ開始点32によって囲まれた領域の内部に近傍領域33を設定する。
 また、より簡便な画像処理として、ステップS7以降の処理を省略しても良い。例えば、近傍領域33を図4Aのように1つのみ設定し、ステップS4で抽出した第一核領域36を最終核領域40としても良い。または、ステップS10以降の処理を省略して、ステップS5で作成された加算領域37A、またはステップS9の分割処理を施した加算領域37B、などを最終核領域40としても良い。
 また、本実施形態では、病理診断の対象を人体から採取した組織切片としたが、当該組織には培養組織も含まれるし、当該組織に代えて、当該組織から分離した細胞や培養細胞を使用することも可能である。
 また、細胞の特定構造としては、細胞核の他に、細胞膜、細胞質などの任意の構造を用いることができ、これらを染色して観察対象領域とすることができる。
 上記の説明では、本発明にかかる画像処理プログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリーなどを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROMなどの可搬
型記録媒体を適用することも可能である。本発明にかかる画像処理プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
 その他、病理診断支援システム10を構成する各装置の細部構成および細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
 本発明は、病理診断の画像処理に好適に利用することができる。
 1A 顕微鏡画像取得装置
 2A 画像処理装置
 3A ケーブル
 10 病理診断支援システム
 21 制御部(作成手段、算出手段、判断手段、抽出手段、計数手段、分割手段)
 22 操作部(入力手段)
 23 表示部
 24 通信I/F
 25 記憶部
 26 バス
 31 (表示部23上に視認される)細胞核
 32 サーチ開始点
 33 近傍領域
 34 第一基準点
 35、35A 第一核候補領域
 36 第一核領域
 37A、37B、37C、37D、37E、37F 加算領域
 38 エッジ
 39 境界線
 40 最終核領域

Claims (9)

  1.  染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出する画像処理方法において、
     ユーザ操作により前記細胞画像にサーチ開始点を入力する入力工程と、
     前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成工程と、
     前記候補領域の特徴量を算出する算出工程と、
     前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断工程と、
     前記判断工程において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出工程と、
     を有することを特徴とする画像処理方法。
  2.  前記判断工程において前記候補領域が前記特定構造と類似していないと判断された場合には、前記所定の条件の変更、前記作成工程、前記算出工程、及び前記判断工程を、前記判断工程において候補領域が前記特定構造と類似していると判断されるまで繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3.  前記作成工程において、前記細胞画像における前記サーチ開始点を中心とした所定の範囲内から前記候補領域を作成し、
     前記所定の範囲は、前記特定構造の大きさに基づいて定められることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理方法。
  4.  前記特徴量は、前記候補領域の面積、大きさ、主軸と幅の比、周囲長、丸み度、または楕円度の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の画像処理方法。
  5.  前記サーチ開始点は、前記特定構造の内部に入力されることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の画像処理方法。
  6.  1つの前記候補領域に含まれる前記サーチ開始点の数を数える計数工程と、
     1つの前記候補領域に複数の前記サーチ開始点が含まれる場合には、1つの前記候補領域に前記サーチ開始点が1つのみ含まれるように分割する分割工程と、
     を有することを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7.  前記特定構造は、細胞核、細胞膜、又は細胞質のいずれかであることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の画像処理方法。
  8.  染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出する画像処理装置において、
     ユーザ操作により前記細胞画像にサーチ開始点を入力する入力手段と、
     前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成手段と、
     前記候補領域の特徴量を算出する算出手段と、
     前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断手段と、
     前記判断手段において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出手段と、
     を備えることを特徴とする画像処理装置。
  9.  染色された細胞を撮像し取得された細胞画像から前記細胞の特定構造の領域を抽出するコンピュータを、
     前記細胞画像にサーチ開始点をユーザ操作により入力する入力手段、
     前記サーチ開始点の周辺の所定の条件を満たす画素を抽出した候補領域を作成する作成手段、
     前記候補領域の特徴量を算出する算出手段、
     前記候補領域の特徴量と前記特定構造の特徴量を比較して、前記候補領域が前記特定構造と類似しているか否かを判断する判断手段、
     前記判断手段において前記特定構造と類似していると判断された前記候補領域を、前記細胞画像における前記特定構造の領域として抽出する抽出手段、
     として機能させるためのプログラム。
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