以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用される内視鏡用撮像装置を採用した内視鏡の全体構成図である。
同図の内視鏡100は、周知の軟性鏡を示し、本体操作部11と、本体操作部11に連設され体腔内に挿入される内視鏡挿入部13とを備える。
本体操作部11には、ユニバーサルコード15が延設され、そのユニバーサルコード15の先端が不図示のコネクタを介して、内視鏡100に照明光を供給する光源装置や、内視鏡100から得られた画像の画像処理等を行うプロセッサ装置に接続される。なお、ユニバーサルコード15のコネクタは、プロセッサ装置と光源装置とが一体の装置であるか別体の装置であるか等に応じて異なる構成を有する。
内視鏡挿入部13は、本体操作部11側(基端側)から先端側に向けて順に可撓性を有する軟性部19、意図した方向に湾曲可能な湾曲部21、及び硬質な先端部17で構成される。湾曲部21は、本体操作部11のアングルノブ23及び25を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部17を所望の方向に向けることができる。また、先端部17には後述のように本発明が適用された内視鏡用撮像装置が搭載される。
本体操作部11には、アングルノブ23及び25の他に、送気・送水ボタン、吸引ボタン、シャッターボタン等の各種ボタン27が並設される。また、本体操作部11の先端側には鉗子挿入部31が設けられる。鉗子挿入部31には鉗子等の処置具が挿入され、鉗子挿入部31から挿入された処置具は、内視鏡挿入部13の内部の鉗子チャンネル(鉗子管路)を挿通して内視鏡挿入部13の先端部17に形成された鉗子口33(図2参照)から導出される。
図2は、内視鏡挿入部13の先端部17の外観斜視図である。
図2に示すように、内視鏡挿入部13の先端部位である先端部17(以下、内視鏡先端部17という)は、その先端面35において、観察窓37と、照明窓39A及び39Bと、鉗子口33と、送気・送水ノズル41とを有する。
観察窓37は、内視鏡用撮像装置における対物光学系の一部を構成し、被観察部位からの像光を対物光学系に取り込む。対物光学系に取り込まれた像光により結像された被観察部位の光像は、後述の固体撮像素子により電気信号である撮像信号に変換され、内視鏡100の内部の信号ケーブルを通じて内視鏡100に接続されたプロセッサ装置に伝送される。
照明窓39A及び39Bは、内視鏡100の内部のライトガイドを通じて伝送された照明光を被観察部位に向けて出射する。ライトガイドを伝送する照明光は、内視鏡100に接続された光源装置から供給される。
送気・送水ノズル41は、噴出口を観察窓37に向けて配置されており、本体操作部11の送気・送水ボタンの操作にしたがって、観察窓37に送気又は送水を行う。
鉗子口33は、内視鏡100の内部の鉗子チャンネルを通じて本体操作部11の先端側の鉗子挿入部31に連通しており、上述のように鉗子挿入部31から挿入された処置具を導出する。
図3は、図2のA-A矢視断面において第1の実施の形態の内視鏡用撮像装置の構成を示した構成図である。なお、内視鏡用撮像装置については断面ではなく側面からみた模式的な図を示す。
図3に示すように、内視鏡先端部17は、各種部材が組み付けられる枠体として、ステンレス鋼材などの硬質材料からなる先端部本体43を有する。先端部本体43の基端側の外周には不図示の金属スリーブが接続され、この金属スリーブには、湾曲部21(図1参照)に複数連結されて配設される節輪のうちの先端の節輪56が接続される。そして、その金属スリーブの外周は、先端部本体43の外周まで延在する外皮チューブ54で覆われる。先端部本体43の先端側の外周は外皮チューブ54の先端と接合された先端カバー52で覆われる。
先端部本体43は、内視鏡挿入部13の軸線方向でもある内視鏡先端部17の軸線方向に貫通する穿設孔43aと穿設孔43bを有する。
穿設孔43aには、第1の実施の形態の内視鏡用撮像装置である撮像装置60の鏡筒62が嵌挿されて固定され、鏡筒62に収容保持された対物光学系62aの最前段の観察窓37が図2のように先端面35の位置に配置される。
穿設孔43bには、鉗子挿入部31から鉗子チャンネルとして繋がる管路の先端部である鉗子パイプ49が嵌挿されて固定され、その鉗子パイプ49の先端開口が図2の鉗子口33として先端面35に配置される。
また、先端部本体43には、図2に示した送気・送水ノズル41に接続される送気・送水管51や、照明窓39A及び39Bに照明光を伝送する不図示のライトガイド等の部材が固持される。
次に、第1の実施の形態の内視鏡用撮像装置である撮像装置60の構成について説明する。図4は、図3の内視鏡先端部17のうち、撮像装置60の構成要素のみを示した構成図であり、撮像装置60の鏡筒62の先端側を省略して示した図である。
図3及び図4に示すように撮像装置60は、鏡筒62、直角プリズム64、固体撮像素子70(以下、撮像素子70という)、及び基板68等を有する。
鏡筒62は、被観察部位の像光を取り込み結像する対物光学系62aを構成する複数枚のレンズを収容保持しており、上述のように先端部本体43の穿設孔43aに嵌挿されて固定される。なお、対物光学系62aには観察窓37も含まれるものとする。
直角プリズム64は、鏡筒62の対物光学系を通過した像光の光路の方向を一方向に曲げる反射体の一形態であり、対物光学系を通過した像光の光路を直角に曲げる。
即ち、直角プリズム64は、周知のように互いに直角に交差する2面に沿って配置された入射面64aと出射面64b(直角プリズム64の直角を挟む2面)と、それらの入射面64aと出射面64bの両方に対して45度で交差する面に沿った斜面64cとを有する。
入射面64aは、鏡筒62の基端に固着され、対物光学系62aの光軸と直交する面に沿って配置される。このとき、出射面64bは、対物光学系の光軸に対して平行する面に沿って配置される。
これにより、対物光学系62aを通過した被観察部位からの像光は、直角プリズム64に入射面64aから内部に入射した後、斜面64cにより全反射され、像光の光路の方向が直角に曲げられる。そして、斜面64cにより反射された像光は、出射面64bから出射される。
なお、反射体として、直角プリズム64ではなく、平面鏡などの光路を曲げる他の光学要素を用いることもできる。また、反射体は、対物光学系を通過した像光の光路を直角に曲げるのではなく光路の方向を一方向に曲げるものであればよい。
撮像素子70は、対物光学系62aの作用により撮像面70a上に結像された光像を撮像する撮像手段であって、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のMOS(Metal Oxide Semiconductor)型の固体撮像素子である。撮像素子70は、表裏2面(表面70fと裏面70b)を有する矩形板状に形成されており、直角プリズム64側を向く表面70fの一部には光電変換素子であるフォトダイオードを含む単位画素が行列状に2次元配列された撮像面70a(撮像領域)が配置される。また、表面70f全体には、矩形板状のカバーガラス66が設置される。これによって、撮像面70aがカバーガラス66により覆われる。
なお、撮像素子70は、撮像面70aを形成するフォトダイオードが回路部よりも光入射側に配置された、いわゆる裏面照射型のCMOS型撮像素子であるものとするが、表面照射型のCMOS型撮像素子であってもよいし、CCD(Charge Coupled Device)型の撮像素子であってもよい。また、カバーガラス66は、ガラス材に限らず透明樹脂等の他の材料であってもよい。更に、本明細書では、撮像素子70の表裏2面のうちの像光を入射させる面側を表面70f、その反対側を裏面70bと称し、必ずしも裏面照射型等と固体撮像素子を称するときの表面及び裏面とは合致しない。
カバーガラス66の表裏2面(表面66fと裏面66b)のうちの直角プリズム64の配置側(像光が入射する側)となる表面66fには、撮像素子70の撮像面70aに対向する位置において、直角プリズム64の出射面64bが接合される。したがって、直角プリズム64により曲げられた像光の光路の方向に対して直交する面に沿って撮像素子70の撮像面70aが配置される。即ち、対物光学系62aの光軸に対して平行に撮像面70a及び撮像素子70の表面70fが配置される。
これにより直角プリズム64の出射面64bから出射された像光がカバーガラス66を通過して撮像素子70の撮像面70aに入射し、かつ、対物光学系62aの結像作用により撮像面70aに被観察部位の光像が形成される。撮像素子70は、撮像面70aの光像を撮像し、即ち、電気信号に変換して撮像信号として出力する。
撮像素子70の裏面70b側には回路基板である基板68が配置され、撮像素子70はその基板68に実装される。即ち、撮像素子70の裏面70bが基板68の表裏2面(表面68fと裏面68b)のうちの直角プリズム64が配置される側の表面68fに固定され、撮像素子70の裏面70bに設けられた各種接続端子(電極パッド等)と、それらに対応する基板68の表面68fの接続端子(電極パッド等)とが電気的に接続される。
基板68は、実装される撮像素子70やその他の電子部品を配線する配線パターンを有して所定の回路を構築する回路基板であり、例えばセラミックス基板等の硬質なリジット基板により、全体が平坦な矩形板状に形成される。ただし、図では省略するが基板68の周辺部の間隙及びこれに連設される間隙には封止樹脂が充填されて基板68が不動な状態に固定されるため、リジット基板でなくてもフレキシブル基板(FPC:Flexible printed circuits)であってもよく、特定の種類に限定されない。
また、基板68は、撮像素子70が実装される撮像素子実装領域68mに対して内視鏡先端部17の基端側(内視鏡挿入部13の基端側)に延在した基端側領域68eと先端側(内視鏡先端部17の先端側であって鏡筒62側)に延在した先端側領域68tとを有する。
基板68の基端側領域68eの撮像素子70が実装される表面68f側には、撮像素子70の駆動及び信号の入出力に必要な周辺回路のうち、先端側領域68tに設けられる回路(後述の駆動回路76)以外の周辺回路72であって主として信号の入出力に必要な回路が配置される。そして、その周辺回路72を構成する電子部品が実装される。
また、基端側領域68eの表面68f側には、基板68の回路に対して信号の入出力を行う複数の入出力端子74(電極パッド等)が設けられ、各入出力端子74に信号ケーブル58の各信号線59が半田付け等によって接続される(図3参照)。信号ケーブル58は、内視鏡100の内部において、プロセッサ装置に接続されるコネクタまで挿通配置されており、各信号線はそのコネクタを介してプロセッサ装置と接続される。これにより、基板68上の回路とプロセッサ装置との間での信号伝送が行われ、撮像素子70から出力される撮像信号は周辺回路72を介してプロセッサ装置に伝送される。
一方、基板68の先端側領域68tの撮像素子70が実装される表面68f側には、撮像素子70の駆動に必要な回路の一部又は全てとなる駆動回路76が配置され、その駆動回路76を構成する電子部品が実装される。即ち、基板68の同一面側に撮像素子70と駆動回路76の電子部品とが実装され、かつ、撮像素子70よりも先端側に駆動回路76の電子部品が実装される。
例えば、駆動回路76を構成する電子部品として、撮像素子70の内部回路の同期を図る所定周波数のクロック信号を生成するための振動子(水晶振動子)又は発振器(水晶発振子)が配置される。撮像素子70が内部に振動子以外のクロック発生用の発振回路を備えている場合には基板68の先端側領域68tに振動子(水晶振動子片に電極を付けてパッケージに封入した部品)が駆動回路76を構成する電子部品として実装され、撮像素子70が内部にクロック発生用の発振回路を備えていない場合には基板68の先端側領域68tに発振回路をパッケージに収めた発振器が駆動回路76を構成する電子部品として実装される。
以上の第1の実施の形態の撮像装置60によれば、基板68の先端側領域68tに撮像素子70の駆動に必要な回路の一部又は全てとなる駆動回路76が配置されることにより、その分、基端側領域68eを小さくすることができる。撮像装置60としては対物光学系62aの光軸に沿った方向の長さを短くすることができる。従って、内視鏡先端部17の小型化、特に、内視鏡先端部17の軸線方向の長さを短縮化することができる。
また、基板68の先端側領域68t及び駆動回路76の配置スペースは、先端部本体43に保持される他の部品の配置の変更を要するものではなく、デッドスペースを有効利用したものであるため、対物光学系62aの光軸に対して直交する径方向の大きさに関しても大型化を招くことがなく、内視鏡先端部17の太径化も生じない。
これらの効果について詳説すると、図5は、本発明が適用されない比較例とする内視鏡用撮像装置である撮像装置90を図2のA-A矢視断面において示した構成図であり、図6は、比較例の撮像装置90の構成要素のみを示した図である。図5及び図6は各々、図3及び図4に対応する図面であり、図3及び図4に示した第1の実施の形態の構成要素と同一又は類似作用の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
図5及び図6に示すように比較例の撮像装置90の基板68には、図3及び図4の第1の実施の形態の撮像装置60の基板68のように撮像素子実装領域68mよりも先端側に延在して駆動回路76の電子部品が実装される先端側領域68tに相当する部分が存在しない。第1の実施の形態の撮像装置60において先端側領域68tに配置されていた駆動回路76は、比較例の撮像装置90では、基端側領域68eに配置される。そのため、比較例の撮像装置90では、基板68の基端側領域68eにその分のスペースが必要となり、対物光学系62aの光軸に沿った方向の長さが長くなる。したがって、内視鏡先端部17の軸線方向の長さも長くなる。
これに対して、図3及び図4に示した第1の実施の形態の撮像装置60では、基板68を撮像素子実装領域68mよりも先端側(鏡筒62側)に突出させた先端側領域68tを設け、その先端側領域68tに駆動回路76を配置しているため、その分、基端側領域68eの軸線方向の長さを短くすることができる。したがって、内視鏡先端部17の軸線方向の長さも比較例の撮像装置90を搭載した内視鏡先端部17の長さよりも短くすることができる。
また、第1の実施の形態の撮像装置60を搭載した内視鏡先端部17において、基板68の先端側領域68tが配置される領域は、図5に示すように比較例の撮像装置90を搭載した内視鏡先端部17において撮像装置90と撮像装置90以外の構成部品(鉗子パイプ49等)との干渉を避けるために有効活用することができないデッドスペースとなっている。そして、第1の実施の形態の撮像装置60において、基板68の先端側領域68tに実装される駆動回路76の電子部品は、図3及び図4に示すように基板68の先端側領域68tと鏡筒62との間の間隙に配置されるが、その間隙は、図5及び図6に示す比較例の撮像装置90における基板68と鏡筒62との間隔を広げることなく、基板68を撮像素子実装領域68mよりも先端側に延在させることにより生じた間隙である。
即ち、第1の実施の形態において使用する撮像素子70には、撮像素子70全体を保護する目的等から、撮像面70aの範囲だけでなく撮像素子70の表面70f全体を覆うようにしてカバーガラス66が設けられている。そして、カバーガラス66の表面66fに直角プリズム64の出射面64bが接合され、直角プリズム64が接合される領域よりも先端側に突出してカバーガラス66が存在し鏡筒62の側部の範囲にまで及ぶ。そのため、カバーガラス66が鏡筒62と干渉しないように、基板68と鏡筒62との間には、カバーガラス66と撮像素子70の厚みに相当する間隔を設ける必要がある。比較例の撮像装置90においても、これと同様の撮像素子70を用いた場合には、図5及び図6に示すように、基板68と鏡筒62との間に、カバーガラス66と撮像素子70の厚みに相当する間隔を設ける必要がある。
したがって、第1の実施の形態の固体撮像素子70のように基板68に先端側領域68tを設けた場合に、比較例の撮像装置90に対して基板68と鏡筒62との間隔を広げるという内視鏡先端部17の太径化を招く変更を加えなくても、基板68の先端側領域68tと鏡筒62との間には、カバーガラス66及び撮像素子70の厚みに対応した比較的大きな間隙が生じる。第1の実施の形態の固体撮像素子70は、その間隙を有効活用して駆動回路76の電子部品を配置したものであるため、対物光学系62aの光軸に対して直交する径方向の大きさが大型化することはなく、内視鏡先端部17の太径化を招くということも生じない。
なお、第1の実施の形態の固体撮像素子70における基板68の先端側領域68tの表面68fと、鏡筒62の表面との最小間隔は、カバーガラス66と撮像素子70の種類にもよるが、それらの厚みの和が約0.5mm以上で約0.7mm以下であることから、それと同程度以上の間隔を有する。
一方、駆動回路76の電子部品は、その種類によるが、上述のように水晶振動子又は発振器であれば、少なくともそれらは先端側領域68tと鏡筒62との間の間隙に配置することが可能である。
更に、第1の実施の形態の撮像装置60によれば、駆動回路76を撮像素子70に極めて近い位置に配置することができるという利点がある。特に駆動回路76の電子部品が水晶振動子又は発振器である場合には、それらが撮像素子70の近くに配置されることはノイズの発生の防止等のためにも有益である。図5及び図6の比較例の撮像装置90では、他の回路の配置との関係で駆動回路76を撮像素子70の近くに配置することができない場合があるが、第1の実施の形態の撮像装置60の場合には、基板68の先端側領域68tには駆動回路76しか存在しないため撮像素子70の近傍に配置することができる。
次に、第2の実施の形態の内視鏡用撮像装置である撮像装置について説明する。図7は、第2の実施の形態の撮像装置80を図2のA-A矢視断面において示した構成図であり、図8は、第2の実施の形態の撮像装置80の構成要素のみを示した図である。図7及び図8は各々、図3及び図4に対応する図面であり、図3及び図4に示した第1の実施の形態の構成要素と同一又は類似作用の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の撮像装置80の基板68は、第1の実施の形態の基板68と同様に対物光学系62aの光軸と平行に配置される。
一方、第2の実施の形態の撮像装置80の基板68には、直角プリズム64の出射面64bと対向する領域に矩形状の貫通孔68hが設けられる。その貫通孔68hには、基板68の裏面68b側から、撮像素子70の撮像面70aに設置された矩形板状のカバーガラス66が嵌挿され、撮像素子70は、基板68の裏面68b側に実装される。これにより、対物光学系62aを通過して直角プリズム64で反射した像光は、貫通孔68hのカバーガラス66を通過して撮像素子70の撮像面70aに入射し、撮像面70aに結像された被観察部位の光像が撮像素子70により撮像される。
また、第2の実施の形態の撮像装置80における撮像素子70は、撮像面70aが配置される表面70fに対して、その全体ではなく、撮像面70aと撮像面70aの周辺部の限定した領域であって撮像素子70の表面の一部に限定した領域(カバーガラス設置領域)にカバーガラス66が設置される。その撮像素子70の表面70fにおいて、カバーガラス設置領域以外の領域(非カバーガラス設置領域)が基板68の裏面68bに接触した状態で固定される。
また、撮像素子70の表面70fの非カバーガラス設置領域には各種接続端子(電極パッド)が設けられ、それらの接続端子が基板68の裏面68bに設けられた接続端子に電気的に接続される。
更に、第2の実施の形態の撮像装置80における基板68は、第1の実施の形態の撮像装置60における基板68と同様に、撮像素子70が実装される撮像素子実装領域68mに対して基端側に延在した基端側領域68eと先端側に延在した先端側領域68tとを有する。
基板68の先端側領域68tには、第1の実施の形態の撮像装置60と同様に、撮像素子70の駆動に必要な駆動回路76が配置され、その駆動回路76を構成する電子部品が実装される。
ここで、撮像素子70が基板68の裏面68b側に実装されるため、基板68の先端側領域68tと鏡筒62との間隔が第1の実施の形態の撮像装置60と比較して狭く、駆動回路76の電子部品を実装する十分な間隙が存在していない。また、撮像素子70に対してできるだけ近い位置に駆動回路76を配置することが望ましい。そのため、駆動回路76の電子部品は基板68の裏面68b側に実装される。
先端側領域68tに実装される駆動回路76以外の周辺回路72と入出力端子74は、第1の実施の形態の撮像装置60と同様に基板68の基端側領域68eに配置され、周辺回路72を構成する電子部品は基板68の表面68f側に実装される。なお、周辺回路72の電子部品と入出力端子74は、基板68の表面68f側ではなく裏面68b側に配置してもよい。
以上の第2の実施の形態の撮像装置80によれば、第1の実施の形態の撮像装置60と同様に、基板68の先端側領域68tに駆動回路76を配置することにより、その分、基端側領域68eを小さくすることができる。撮像装置80としては対物光学系62aの光軸に沿った方向の長さを短くすることができる。従って、内視鏡先端部17の小型化、特に、内視鏡先端部17の軸線方向の長さを短縮化することができる。
また、基板68が撮像素子70の表面70f側に配置される分、第1の実施の形態の撮像装置60と比較して基板68を鏡筒62の近くに配置することができ、基板68と鏡筒62との間のデッドスペースを小さくすることができる。したがって、対物光学系62aの光軸に対して直交する径方向の大きさを小さくすることができ、内視鏡先端部17の細径化も図ることができる。
以上、上記第1及び第2の実施の形態の撮像装置60及び80では、固体撮像素子70及び基板68が対物光学系62aの光軸に対して平行に配置された形態であるが、これに限らない。例えば、直角プリズム64の代わりに、対物光学系62aを通過した像光の光路の方向を直交方向以外の一方向に曲げる反射体を用いてもよく、その場合に反射体で曲げられた光路に直交する方向に沿って撮像素子70及び基板68を配置した形態であってもよい。このとき、撮像素子70及び基板68は対物光学系62aと非平行な方向に沿って配置される。
また、上記第1及び第2の実施の形態の撮像装置60及び80では、基板68は全体が平坦なものとしたが、湾曲(屈曲)する部分を有するものであってもよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態の撮像装置60及び80は、軟性鏡以外の硬性鏡やカプセル型内視鏡等の任意の種類の内視鏡において、被観察部位の撮像を行う撮像部に配置する撮像装置として用いることができる。その場合にも内視鏡の撮像部の小型化に寄与することができる。