WO2015045174A1

WO2015045174A1 - Ｉｃカード

Info

Publication number: WO2015045174A1
Application number: PCT/JP2013/076608
Authority: WO
Inventors: 亮一清水; 幸江佐原
Original assignee: 株式会社日立システムズ
Priority date: 2013-09-30
Filing date: 2013-09-30
Publication date: 2015-04-02

Abstract

　ＩＣカード１０上に、顔写真を判別できる解像度を持つ表示部１１と、外部装置との間で無線通信を行う無線通信部（１３）と、情報取得部、情報保持部および情報選択部を有する制御部とを設ける。情報取得部は、外部装置で保管される証明書（カード）の発行元毎の個人登録情報の中からＩＣカードの所有者が証明書の保有者となる複数の個人登録情報を無線通信部（１３）を介してそれぞれ取得する。情報保持部は、情報取得部で取得した複数の個人登録情報を保持する。情報選択部は、情報保持部で保持される複数の個人登録情報の中から、１個の個人登録情報を選択して表示部１１に表示する。このように、複数の証明書（カード）を１個のＩＣカード１０で保持することで、カード所有者の利便性の向上が実現可能になる。

Description

ＩＣカード

　本発明は、ＩＣカードに関し、例えば、表示内容を変更可能な表示機能付きのＩＣカードに関する。

　特許文献１には、電源、光検知部、メモリ、表示制御ＩＣチップ、ディスプレイ等を備えたＩＣカードが示されている。表示制御ＩＣチップは、電力の消費を低減するため、光検知部が光を検知した場合に、電源からの電力を用いて、メモリからのデータを読み取り当該データに基づきディスプレイの表示を更新する。

　特許文献２には、表示部および制御部を備えたＩＣカードが示されている。制御部は、ＩＣカードの偽造を防止するため、通信装置からの制御信号を受信した際に表示部に顔画像情報を表示し、これに加えて更に、自身で発生した乱数情報や、通信装置から送信された数値情報を併せて表示する。

特開２００８－２１７０９３号公報特開２０１０－２７２０４６号公報

　近年、社員証、学生証、クレジットカード等を代表とする様々なカードにおいて、従来の磁気カードに代わってＩＣチップを搭載したＩＣカードが広く用いられている。このようなＩＣカードでは、通常、カード上に表示する表示内容は、印刷、加工等によって固定的に形成される。一方、特許文献１および特許文献２のように、このような各種ＩＣカードの中の特定のＩＣカードを前提とし、その利用形態を考慮して、当該特定のＩＣカードに表示部付きのＩＣカードを適用する技術も提案されている。

　例えば、特許文献１に示されるＩＣカードは、定期券や乗車券といったデジタルチケット情報等を保持するＩＣカードを前提としている。このようなＩＣカードでは、残額情報等が頻繁に更新されるため、表示部を備えることで最新の情報を表示することが可能になる。また、例えば、特許文献２に示されるＩＣカードは、顔写真付きのクレジットカード等として使用されるＩＣカードを前提としている。このように安全性の要求が高いＩＣカードでは、特定の条件で特定の情報を表示する表示部を備えることで、ＩＣカードの確認元に偽造の有無を判別させることができる。

　また、世の中には、前述したようなＩＣカードや従来の磁気カードを含めて膨大な種類のカードが流通している。これに伴い、例えば数十枚といったカードを所有するカード所有者も数多く存在する。カード所有者は、カードを持ち運ぶ際に、例えば、多数のカードの中から使用頻度が高いカードを複数選出したとしても、ある程度の嵩張りが生じてしまうため、不便に感じる場合が多い。さらに、選出されなかったカードが必要とされる場面に遭遇することも多々存在し得る。

　一方、例えば、「おサイフケータイ」（登録商標）等のように、カードをスマートフォンや携帯電話等のモバイル機器で代用させる方式も考えられる。ただし、このようなモバイル機器は、多機能を本質とし、ある程度の操作性も必要とされるため、小型化や重量の軽減には限界があり、消費電力も大きい。したがって、例えば、社員証等を代表に、首にかけて使用されるカード等をモバイル機器で代用させるような場合には、利便性が確保し難い。

　本発明は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、カード所有者の利便性を向上可能なＩＣカードを提供することにある。

　本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。

　本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

　本実施の形態によるＩＣカードは、顔写真を判別できる解像度を持つ表示部と、単数または複数の外部装置との間で無線通信を行う無線通信部と、制御部と、を備える。単数または複数の外部装置には、予め、証明書の発行元毎に存在する証明書の保有者の個人登録情報が保管される。ここで、制御部は、情報取得部、情報保持部、情報選択部を有する。情報取得部は、単数または複数の外部装置で保管される証明書の発行元毎の個人登録情報の中からＩＣカードの所有者が証明書の保有者となる複数の個人登録情報を無線通信部を介してそれぞれ取得する。情報保持部は、情報取得部で取得した複数の個人登録情報を保持する。情報選択部は、情報保持部で保持される複数の個人登録情報の中から、１個の個人登録情報を選択して表示部に表示する。

　本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態によって得られる効果を簡単に説明すると、ＩＣカードにおけるカード所有者の利便性を向上できる。

（ａ）および（ｂ）は、本発明の実施の形態１によるＩＣカードの外形例を示す図であり、（ａ）は表面図、（ｂ）は裏面図である。図１（ａ）および図１（ｂ）のＩＣカードにおける表示部の表示内容の一例を示すイメージ図である。（ａ）は、図１（ａ）および図１（ｂ）のＩＣカードにおける概略的な構成例を示す回路ブロック図であり、（ｂ）は、（ａ）における制御部（ＭＣＵ）の主要な機能の一例を示す機能ブロック図である。図３（ｂ）の制御部において、そのカード情報取得部の処理内容の一例を示す説明図である。図３（ｂ）の制御部において、カード情報保持部の保持内容の一例を示す説明図である。図３（ｂ）の制御部において、そのカード情報選択部が自動選択を行う際の処理内容の一例を示す説明図である。（ａ）および（ｂ）は、図３（ｂ）の制御部において、その有効期限管理部の処理内容の一例を示す説明図である。（ａ）および（ｂ）は、本発明の実施の形態２によるＩＣカードの外形例を示す図であり、（ａ）は表面図、（ｂ）は側面図である。図８（ａ）および図８（ｂ）のＩＣカードにおいて、それに含まれるカード情報保持部の保持内容の一例を示す説明図である。

　以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等（個数、数値、量、範囲等を含む）に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。

　さらに、以下の実施の形態において、その構成要素（要素ステップ等も含む）は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。

　以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。

　（実施の形態１）
　《ＩＣカードの外観》
　図１（ａ）および図１（ｂ）は、本発明の実施の形態１によるＩＣカードの外形例を示す図であり、（ａ）は表面図、（ｂ）は裏面図である。本実施の形態１のＩＣカード１０は、詳細は後述するが、例えば社員証、保険証といった従来の複数のカード（言い換えれば身分等を表す証明書）を１個のＩＣカード１０で代用するものである。そのため、ＩＣカード１０は、特に限定はされないが、９０ｍｍ程度以下（例えば、８５．６ｍｍ）の幅（Ｗ）と、６０ｍｍ程度以下（例えば、５４ｍｍ）の高さ（Ｈ）を持ち、広く流通している磁気カードと同等のサイズを備える。ＩＣカード１０の奥行きサイズは、可能な限り小さい方が望ましく、特に限定はされないが、１０ｍｍ未満となっている。

　ＩＣカード１０の表面には、図１（ａ）に示すように、その大部分を占める表示部１１と、太陽電池パネル（ソーラーパネル）１２とが設けられる。また、ここでは、便宜上、無線ＬＡＮ（Local Area Network）用アンテナ１３と、ＲＦＩＤ（Radio Frequency IDentification）用アンテナ１４とが図示されている。ただし、これらは、実際にはＩＣカード１０の内部に設けられる。表示部１１は、少なくとも顔写真を認識できる程度の解像度を持てばよく、具体的には、例えば、液晶ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ（ＥＰＤ：Electrophoretic Display）、有機ＥＬディスプレイ等で構成される。

　太陽電池パネル（ソーラーパネル）１２は、必ずしも必要なものではないが、地球環境のためＩＣカード１０の電力を補助するために設けられる。また、本実施の形態のＩＣカード１０は、少なくとも無線通信用のアンテナを１個以上備えていればよく、その一例として、ここでは、無線ＬＡＮ用アンテナ１３およびＲＦＩＤ用アンテナ１４を備えている。身分等の証明書を取り扱う場合、セキュリティが必要とされるため、無線通信に伴うセキュリティの観点や、後述する遠隔ロック機能を実現する場合の観点等から、ここでは無線ＬＡＮ用アンテナ１３を備えている。ただし、場合によっては、無線ＬＡＮおよびＲＦＩＤに加えて、例えば、ＢｌｕｅｔｏｏｔｈやＺｉｇＢｅｅ等を加えた各種無線通信方式の中から、採用する無線方式を適宜選択し、それに対応するアンテナを設けてもよい。

　ＩＣカード１０の裏面には、図１（ｂ）に示すように、必ずしも必要なものではないが、セキュリティの観点から指紋センサ部１５が設けられる。本実施の形態のＩＣカード１０は、ＩＣカード１０の所有者による入力操作を介してセキュリティを確保する機能を備えていればよく、その一例として、指紋センサ部１５か、あるいはパスワード機能等を備える。また、本実施の形態１のＩＣカード１０は、従来の磁気カードと同等の小さいサイズに、複数の証明書を実装するための最小限の機能を組み込んだ低コスト、低消費電力なデバイスとなる。したがって、指紋センサ部１５を設けるか、パスワード機能を設けるかといった機能の選別は、サイズ、コスト、消費電力と、求められるセキュリティレベルとのトレードオフによって適宜定められる。

　《表示部の表示内容》
　図２は、図１（ａ）および図１（ｂ）のＩＣカードにおける表示部の表示内容の一例を示すイメージ図である。図２に示すように、表示部１１には、例えば、ＩＣカード１０に保持される複数のカード情報（言い換えれば個人登録情報）の見出しを表すリスト画面１８が表示される。ＩＣカード１０は、リスト画面１８の中から所定の見出しを選択することで、それに対応するカード情報の詳細画面（例えば顔写真、社員番号、氏名等）１９を表示部１１に表示する。図２の例では、ＩＣカード１０は、顔写真を含む「社員証」や「入館証」、顔写真を含まない「健康保険被保険者証」や「ＧＧＧポイントカード」等のカード情報（個人登録情報）を保持している。なお、これらは一例であって、ＩＣカード１０は、例えば、「学生証」、「会員カード」、「免許証」、「住民登録カード」等を含めて、身分等を証明するカード情報であれば保持することができる。

　ＩＣカード１０は、自身に保持された複数のカード情報（個人登録情報）の中から所定のカード情報を選択する際の方式として、手動方式か自動方式のいずれか一方または両方を備える。手動方式の場合、ＩＣカード１０は、図２のようなリスト画面１８を介してＩＣカード１０の所有者に手動で選択させる。この場合、例えば、表示部１１におけるタッチパネル機能や、あるいは、ＩＣカード１０におけるカーソル等といった操作部を備え、それを介してＩＣカード１０の所有者は操作を行う。また、自動方式の場合、詳細は後述するが、ＩＣカード１０には、所定のカード情報が必要とされる場所の近辺にＩＣカード１０の所有者が移動した場合に、当該所定のカード情報が表示部１１に表示されるような仕組みが設けられる。

　このように、本実施の形態のＩＣカード１０は、例えば、前述した特許文献１や特許文献２のように、特定用途となる１枚のカード情報を保持するものではなく、身分等の証明書となる様々な種類のカード情報（個人登録情報）を１枚のＩＣカード１０に保持するデバイスとなっている。これにより、ＩＣカード１０の所有者は、従来のように複数のカードを持ち運ぶ必要がなくなり、利便性の向上が図れる。

　《ＩＣカードの概略構成》
　図３（ａ）は、図１（ａ）および図１（ｂ）のＩＣカードにおける概略的な構成例を示す回路ブロック図であり、図３（ｂ）は、図３（ａ）における制御部（ＭＣＵ）の主要な機能の一例を示す機能ブロック図である。図３（ａ）に示すＩＣカード１０は、制御部２２、表示部１１、指紋センサ部１５、操作部２６、無線通信部２１、無線ＬＡＮ用アンテナ１３、ＲＦＩＤ用アンテナ１４、および電源部２７を備える。

　制御部２２は、例えばマイクロコントロールユニット（ＭＣＵ）等であり、プロセッサ（ＣＰＵ）２３と、ＲＡＭ（Random Access Memory）およびＲＯＭ（Read Only Memory）を含むメモリ２４と、タイマ２５等を備える。プロセッサ（ＣＰＵ）２３は、ＲＡＭをワーク用メモリとして用いながら、ＲＯＭに格納されたプログラムを実行する。また、ＲＯＭには、図２に示したような各種カード情報（個人登録情報）のデータが保持される。タイマ２５は、現在の日時を管理する。

　操作部２６は、ユーザインタフェースであり、図２で述べたように、カードを選択する際のタッチパネル機能や、あるいは、カーソル機能を担う。無線通信部２１は、無線ＬＡＮ用アンテナ１３を介した無線通信を制御する無線ＬＡＮ制御部２０ａと、ＲＦＩＤ用アンテナ１４を介した無線通信を制御するＲＦＩＤ制御部２０ｂとを備える。電源部２７は、前述した太陽電池１２を含み、実用上で電力が不足するような場合には、加えて一次電池または二次電池を含む。

　制御部（ＭＣＵ）２２は、その主要な機能として、図３（ｂ）に示すように、カード情報取得部３０と、カード情報保持部３１と、カード情報選択部３２と、セキュリティ管理部３３と、有効期限管理部３４を備える。これらの機能は、主に、プロセッサ（ＣＰＵ）２３によるプログラム処理を用いて実現される。カード情報取得部３０は、例えば、無線ＬＡＮ用アンテナ１３および無線ＬＡＮ制御部２０ａを介して、図示しない外部装置からＩＣカード１０の所有者に対応するカード情報（個人登録情報）を取得する。

　カード情報保持部３１は、図３（ａ）のＲＯＭに該当し、カード情報取得部３０で取得したカード情報を保持する。カード情報選択部３２は、図２で述べたように、手動選択を行う場合には、表示部１１に表示するカード情報（個人登録情報）をリスト画面１８を介してＩＣカード１０の所有者に選択させ、それを表示部１１に表示し、自動選択（詳細は後述）を行う場合には、表示部１１に表示するカード情報を自動で選択して表示部１１に表示する。

　セキュリティ管理部３３は、ＩＣカード１０の所有者によって所定のセキュリティ情報が入力された場合に、表示部１１でのカード情報（個人登録情報）の表示を可能にする。セキュリティ管理部３３は、具体的には、例えば、ＩＣカード１０自体をロックし、指紋センサ部１５での認証が完了した場合や、あるいは所定のパスワードが入力された場合に当該ロックを解除する。または、カード情報保持部３１で保持される各カード情報（個人登録情報）を選択的にロックし、同様にして、指紋センサ部１５や所定のパスワードによってそれを解除する。あるいは、ＩＣカード１０自体のロックと、各カード情報毎のロックを組み合わせてもよい。なお、パスワードを用いる場合、セキュリティ管理部３３は、例えば、表示部１１上にキーボードに該当する表示を行う。

　さらに、セキュリティ管理部３３は、所有者がＩＣカード１０を紛失した場合を想定して、携帯電話等で知られている遠隔ロック機能を備えることが望ましい。すなわち、セキュリティ管理部３３は、無線ＬＡＮ用アンテナ１３および無線ＬＡＮ制御部２０ａを介して、図示しない所定の外部装置から遠隔ロック命令が入力された場合に、例えば、ＩＣカード１０の動作自体を無効に制御する。これよって、セキュリティ管理部３３は、表示部１１での拾得者によるカード情報（個人登録情報）の表示が不可能となるようにする。有効期限管理部３４は、図３（ａ）のタイマ２５等を用いて実現され、図２に示した各カード情報（個人登録情報）毎に、必要に応じて有効期限を管理する。有効期限管理部３４は、有効期限が近づいた際には表示部１１を介してＩＣカード１０の所有者に通知する。

　このように、セキュリティ管理部３３を備えることで各カード情報（個人登録情報）を保護することができ、前述した利便性の向上と共に安全性の向上も図れる。また、有効期限管理部３４を備えることで、ＩＣカード１０の所有者にカードの有効期限切れに伴う注意を喚起することができ、利便性の向上が図れる。

　《カード情報（個人登録情報）の取得方法》
　図４は、図３（ｂ）の制御部において、そのカード情報取得部の処理内容の一例を示す説明図である。図４の例では、カード（すなわち身分等の証明書）の発行元毎にサーバ装置（外部装置）４１［１］～４１［ｎ］が設けられている。例えば、カード発行元［１］のサーバ装置４１［１］には、当該カード発行元［１］のカード（証明書）の保有者の個人登録情報が保管され、カード発行元［ｎ］のサーバ装置４１［ｎ］には、当該カード発行元［ｎ］のカード（証明書）の保有者の個人登録情報が保管される。

　この例では、ＩＣカード１０の所有者４０は、カード発行元［１］に対してカードの発行の申請を行い、これに応じて、サーバ装置４１［１］に、所有者４０の個人情報が登録される（ステップＳ１０１ａ）。その後、サーバ装置４１［１］は、ＩＣカード１０に向けて、無線ＬＡＮを用いてカード情報（個人登録情報）［１］を送信する（ステップＳ１０２ａ）。この際に、カード情報取得部３０は、図３（ａ）の無線ＬＡＮ制御部２０ａと連動して、例えば、ＳＳＩＤ（Service Set Identifier）やセキュリティコード等を用いて安全性を確保する。カード情報取得部３０は、受信したカード情報［１］をカード情報保持部３１に格納する。

　同様に、サーバ装置４１［ｎ］には、ＩＣカード１０の所有者４０の申請に基づいて所有者４０の個人情報が登録される（ステップＳ１０１ｂ）。サーバ装置４１［ｎ］は、無線ＬＡＮを用いてＩＣカード１０に向けてカード情報（個人登録情報）［ｎ］を送信し（ステップＳ１０２ｂ）、カード情報取得部３０は、当該カード情報［ｎ］をカード情報保持部３１に格納する。このように、カード情報取得部３０は、単数または複数の外部装置で保管される証明書の発行元毎のカード情報（個人登録情報）の中からＩＣカード１０の所有者が証明書の保有者となる複数のカード情報を無線通信部２１を介してそれぞれ取得する。

　《ＩＣカードの保持情報》
　図５は、図３（ｂ）の制御部において、カード情報保持部の保持内容の一例を示す説明図である。図５に示すように、カード情報保持部３１には、図４の外部装置から取得した複数のカード情報（個人登録情報）５０［１］～５０［ｎ］が保持される。カード情報５０［１］には、その発行元となるカード発行元［１］を識別するための識別用データ５１［１］と、画像表示用データ５２［１］と、有効期限管理用データ５３［１］と、個人認証用データ５４［１］などが含まれる。

　識別用データ５１［１］は、例えば、図２のリスト画面１８に表示する見出しや、図３（ｂ）のカード情報選択部３２がカード情報を自動選択する際の識別情報を定めるデータである。画像表示用データ５２［１］は、図２に示したように、表示部１１に表示するカード情報の詳細画面（顔写真、社員番号、氏名等）１９を定めるデータである。有効期限管理用データ５３［１］は、カード情報［１］の有効期限を定めるデータである。個人認証用データ５４［１］は、カード発行元［１］がＩＣカード１０の認証を行う場合に使用されるデータである。

　画像表示用データ５２［１］および個人認証用データ５４［１］は、個人登録情報の主要部となる。図４のサーバ装置（外部装置）４１［１］は、カード情報［１］として、画像データ（５２［１］）に加えて、識別用データ５１［１］、有効期限管理用データ５３［１］および個人認証用データ５４［１］を送信する。ＩＣカード１０は、当該識別用データ５１［１］、有効期限管理用データ５３［１］および個人認証用データ５４［１］を用いてカード情報を管理する。

　同様に、カード情報５０［ｎ］には、その発行元となるカード発行元［ｎ］を識別するための識別用データ５１［ｎ］と、画像表示用データ５２［ｎ］と、有効期限管理用データ５３［ｎ］と、個人認証用データ５４［ｎ］などが含まれる。各データの詳細に関しては、カード情報５０［１］の場合と同様である。

　また、図５の例では、画像表示用データ５２［１］にセキュリティロックがかけられている。図３（ｂ）のセキュリティ管理部３３は、例えば、ＩＣカード１０の所有者からの操作部２６を介した設定に基づいて画像表示用データ５２［１］の読み出しを監視し、読み出しを検知した際にはパスワードや指紋センサ部１５による認証を要求する。また、場合によっては、画像表示用データ５２［１］をパスワード等で暗号化して保存することも可能である。この場合、暗号化する主体は、セキュリティ管理部３３や図４のサーバ装置とすることができ、後者の場合、ＩＣカード１０は、暗号化されたデータを受信してそのまま保存する。

　《カード情報（個人登録情報）の自動選択方法》
　図６は、図３（ｂ）の制御部において、そのカード情報選択部が自動選択を行う際の処理内容の一例を示す説明図である。図６の例では、例えばオフィスビルのゲート５５に無線ＬＡＮのアクセスポイント５６が設置され、当該アクセスポイント５６は、所定の識別情報（例えばＳＳＩＤ）を含んだ無線信号を所定の範囲内に送信する。この所定の範囲内にＩＣカード１０の所有者４０が進入した場合、ＩＣカード１０は当該識別情報を受信する（ステップＳ２０１）。これを受けて、カード情報選択部３２は、図５に示した各識別用データ５１［１］～５１［Ｎ］を参照し、受信した識別情報と一致する識別用データが有る場合、それに対応する画像表示用データ（個人登録情報）を表示部１１に自動的に表示する（ステップＳ２０２）。

　また、図示は省略するが、カード情報選択部３２は、このカード情報の自動選択に加えて、カード発行元との間でＩＣカード１０の認証を行ってもよい。具体的には、例えば、カード発行元［１］は、予め、アクセスポイント５６を管理する自身のサーバ装置（図４の４１［１］）に図５の個人認証用データ（５４［１］）に対応する照合用データを登録しておく。カード情報選択部３２は、アクセスポイント５６に向けて自身のカード情報保持部３１に保持された個人認証用データ（５４［１］）を送信し、サーバ装置（４１［１］）は、この受信した個人認証用データ（５４［１］）と自身に登録されている照合用データとを比較することでＩＣカード１０の認証を行う。

　この場合、例えば、ゲート５５の警備担当者等は、ＩＣカード１０の認証結果と、ＩＣカード１０の表示部１１に表示された所有者４０の顔写真等によって所有者４０の通過可否を判断することができる。これによって、カード発行元の観点でセキュリティの向上が図れる。また、ＩＣカード１０の所有者４０の観点では、特に操作を行わずに表示部１１に必要なカード情報（個人登録情報）が自動的に表示されるため、利便性の向上が図れる。なお、ここでは、無線ＬＡＮのアクセスポイント５６を設置する例で説明を行ったが、例えばＲＦＩＤのリーダライタ等を設置し、同様にして自動選択処理または加えて認証処理を行ってもよい。

　《有効期限の管理方法》
　図７（ａ）および図７（ｂ）は、図３（ｂ）の制御部において、その有効期限管理部の処理内容の一例を示す説明図である。有効期限管理部３４は、図５に示した各有効期限管理用データ５３［１］～５３［ｎ］と、タイマ２５による現在の日にちとを比較し、有効期限が近づいたカード情報が有る場合には、表示部１１を介してＩＣカード１０の所有者に通知する。その通知方法の一例として、有効期限管理部３４は、例えば、図７（ａ）に示すように、表示部１１のリスト画面１８内の対象となる見出しに注意マーク６０等を表示する。

　また、有効期限管理部３４は、例えば、図７（ｂ）に示すように、表示部１１において、対象となるカード情報の詳細画面１９の輝度を、当該カード情報の有効期限の残りの期間に応じて段階的に変化させ、詳細画面１９内の各表示情報が段階的に視認し難くなるような制御を行う。特に限定はされないが、例えば、輝度の調整によって、各表示情報を薄くしたり暗くしたり、あるいは、詳細画面１９全体を暗くしたり白くしたり等が挙げられる。このような制御を行うことで、ＩＣカードの所有者に対して、より認識度が高い注意を喚起することができる。また、有効期限を経過したカード情報を、実質的に使用できなくすることができる。

　以上、本実施の形態１のＩＣカードを用いることで、代表的には、カード所有者の利便性の向上が実現可能になる。

　（実施の形態２）
　《ＩＣカードの外観（変形例）》
　図８（ａ）および図８（ｂ）は、本発明の実施の形態２によるＩＣカードの外形例を示す図であり、（ａ）は表面図、（ｂ）は側面図である。本実施の形態２のＩＣカード６５は、図８（ａ）に示すように、図１（ａ）に示したＩＣカード１０と比較して、図１（ａ）の表示部１１の代わりに２個の表示部１１ａ，１１ｂを備える点と、図３（ａ）の操作部２６の一例としてカーソル６６を備える点とが異なっている。また、当該ＩＣカード６５は、図８（ｂ）に示すように、実施の形態１のＩＣカード１０に対してさらに外部接続用端子６７が加わった構成となっている。これら以外の構成に関しては、実施の形態１と同様であるため詳細な説明は省略する。

　表示部（第１表示部）１１ａは、顔写真を表示し、表示部（第２表示部）１１ｂは、文字情報を表示する。すなわち、表示部１１ａには、図２に示したカード情報の詳細画面１９の中に含まれる顔写真が分離して表示される。また、表示部１１ｂには、図２のリスト画面１８や、図２に示したカード情報の詳細画面１９の中から顔写真を除いた文字情報が表示される。この場合、表示部１１ａは、顔写真を判別できる程度の解像度を持てばよく、表示部１１ｂは、表示部１１ａよりも低い解像度を持たせることができる。このように表示部の性能を変えることで、コストの低減や消費電力の低減等が図れる。

　また、この例では、表示部１１ｂのコスト等を抑制するため、タッチパネルではなくカーソル６６を備えている。図２に示したリスト画面１８の選択は、当該カーソル６６を介して行われる。また、当該カーソル６６は、例えば、実施の形態１で述べたように、パスワードを入力するような場合には、表示部１１ｂに表示されるキーボード（英数字）を操作する際に使用される。外部接続用端子６７は、例えば、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）端子等であり、例えばパーソナルコンピュータでＩＣカード６５の各種情報を管理する際や、あるいは、図３の電源部２７が二次電池を備えるような場合には、それを充電する際等で使用される。

　《ＩＣカードの保持情報（変形例）》
　図９は、図８（ａ）および図８（ｂ）のＩＣカードにおいて、それに含まれるカード情報保持部の保持内容の一例を示す説明図である。カード情報保持部３１は、図９に示すように、図５に示したカード情報５０［１］～５０［ｎ］に加えて、顔写真情報７１を保持している。なお、この場合、図９の画像表示用データ５２［１］，…の中には、図５の場合と異なり顔写真の画像情報は含まれない。顔写真情報７１は、画像表示用データ（顔写真の画像情報）７２と、有効期限管理用データ７３などを含む。このように、本発明の実施の形態２によるＩＣカード６５は、カード情報とは独立して顔写真を管理する構成となっている。

　例えば、数年単位で人相が変わるような場合があり、有効期限が非常に長いカードでは、それに含まれる顔写真の人相と現在の人相とが一致し難いような場合がある。そこで、顔写真情報７１は、カード情報とは独立して有効期限管理用データ７３を持つ。ＩＣカード６５の所有者は、この有効期限に応じて、例えば公的な認証機関等を介して顔写真情報７１を数年単位で更新する。この際に、図３（ｂ）の有効期限管理部３４は、顔写真情報７１の有効期限が近づいた場合には、表示部１１ａまたは表示部１１ｂを介してＩＣカード６５の所有者に通知を行う。具体的な通知方法は、図７（ａ）および図７（ｂ）と同様な方法を含めて様々な方法を適用することができる。

　一方、各カード発行元は、例えば、表示部１１ａに表示される顔写真を確認した上で、ＩＣカード６５の所有者の申請に応じてカードを発行する。この際に、各カード発行元は、必要に応じて、ＩＣカード６５から顔写真情報７１を取得し、それを自身のサーバ装置に保管してもよい。ここで、実用面として、例えば、ＩＣカード６５の所有者がカード発行元に対してカード（ＩＣカード６５）を提示する場合、その際に表示部１１ａに表示される顔写真は、比較的最新の顔写真となる。したがって、カード発行元は、ＩＣカード６５の所有者の同一性を確認し易くなり、カード発行元の観点で利便性やセキュリティの向上が図れる。また、ＩＣカード６５の所有者の観点では、場合によっては、従来のように各カード発行元毎に顔写真を提出する必要性が無くなったり、あるいは、カード発行元に疑われるような事態を防止でき、利便性の向上を図れる場合がある。

　以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、前述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。

　例えば、図２に示した表示画面は、リスト画面１８の各見出しを複数のアイコンに置き換えたり、リスト画面１８の各見出しを階層構造で管理・表示できるようにしたり等、適用変更することが可能である。また、図２の表示部１１は、ＩＣカードの所有者の操作に応じて表示画面をオフに制御できるように構成されるとよい。例えば、保険証等は、使用後即座に表示画面がオフに制御され、社員証等は、場合によっては比較的長い期間表示が行われたのち、表示が不要となった段階で表示画面がオフに制御される。また、例えば、図８（ａ）の表示部１１ａでは、カード発行元に顔と氏名を確認させるため、顔写真に加えて氏名を表示してもよい。

　１０，６５　ＩＣカード
　１１，１１ａ，１１ｂ　表示部
　１２　太陽電池
　１３　無線ＬＡＮ用アンテナ
　１４　ＲＦＩＤ用アンテナ
　１５　指紋センサ部
　１８　リスト画面
　１９　カード情報の詳細画面
　２０ａ　無線ＬＡＮ制御部
　２０ｂ　ＲＦＩＤ制御部
　２１　無線通信部
　２２　制御部（ＭＣＵ）
　２３　プロセッサ（ＣＰＵ）
　２４　メモリ
　２５　タイマ
　２６　操作部
　２７　電源部
　３０　カード情報取得部
　３１　カード情報保持部
　３２　カード情報選択部
　３３　セキュリティ管理部
　３４　有効期限管理部
　４０　ＩＣカードの所有者
　４１［１］～４１［ｎ］　サーバ装置（外部装置）
　５０［１］～５０［ｎ］　カード情報
　５１［１］～５１［ｎ］　識別用データ
　５２［１］～５２［ｎ］，７２　画像表示用データ
　５３［１］～５３［ｎ］，７３　有効期限管理用データ
　５４［１］～５４［ｎ］　個人認証用データ
　５５　ゲート
　５６　アクセスポイント
　６０　注意マーク
　６６　カーソル
　６７　外部接続端子
　７１　顔写真情報

Claims

　顔写真を判別できる解像度を持つ表示部と、
　単数または複数の外部装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
　制御部と、
を備えるＩＣカードであって、
　前記単数または複数の外部装置には、予め、証明書の発行元毎に存在する証明書の保有者の個人登録情報が保管され、
　前記制御部は、
　前記単数または複数の外部装置で保管される前記証明書の発行元毎の前記個人登録情報の中から前記ＩＣカードの所有者が前記証明書の保有者となる複数の前記個人登録情報を前記無線通信部を介してそれぞれ取得する情報取得部と、
　前記情報取得部で取得した前記複数の個人登録情報を保持する情報保持部と、
　前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の中から、１個の個人登録情報を選択して前記表示部に表示する情報選択部と、
を有するＩＣカード。
　請求項１記載のＩＣカードにおいて、
　前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の中の少なくとも一部の個人登録情報には、前記ＩＣカードの所有者の顔写真の画像情報が含まれる、ＩＣカード。
　請求項２記載のＩＣカードにおいて、
　前記制御部は、さらに、前記ＩＣカードの所有者によって所定のセキュリティ情報が入力された場合に前記表示部での前記個人登録情報の表示を可能にするセキュリティ管理部を有する、ＩＣカード。
　請求項３記載のＩＣカードにおいて、
　前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の中の少なくとも一部の個人登録情報には有効期限が含まれ、
　前記制御部は、さらに、前記一部の個人登録情報の有効期限をそれぞれ管理し、有効期限が近づいた際には前記表示部を介して前記ＩＣカードの所有者に通知する有効期限管理部を有する、ＩＣカード。
　請求項４記載のＩＣカードにおいて、
　前記有効期限管理部は、前記表示部の輝度を前記有効期限の残りの期間に応じて段階的に変化させることで前記ＩＣカードの所有者に通知する、ＩＣカード。
　請求項３記載のＩＣカードにおいて、
　前記セキュリティ管理部は、さらに、前記無線通信部を介して遠隔ロック命令が入力された場合に前記表示部での前記個人登録情報の表示を不可能に制御する、ＩＣカード。
　請求項３記載のＩＣカードにおいて、
　前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報のそれぞれには、前記証明書の発行元がそれぞれ定めた発行元の識別情報が含まれ、
　前記情報選択部は、前記情報保持部で保持される前記発行元の識別情報と一致する識別情報を前記無線通信部を介して受信した場合に、当該一致した識別情報に対応する個人登録情報を前記表示部に表示する、ＩＣカード。
　請求項３記載のＩＣカードにおいて、
　前記表示部は、さらに、タッチパネル機能を備え、
　前記情報選択部は、前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の見出しを前記表示部に表示し、前記複数の見出しのいずれか１個を前記ＩＣカードの所有者に選択させる、ＩＣカード。
　顔写真を判別できる解像度を持つ第１表示部と、
　第２表示部と、
　単数または複数の外部装置との間で無線通信を行う無線通信部と、
　制御部と、
を備えるＩＣカードであって、
　前記単数または複数の外部装置には、予め、前記ＩＣカードの所有者の顔写真の画像情報と、証明書の発行元毎に存在する証明書の保有者の個人登録情報と、が保管され、
　前記制御部は、
　前記単数または複数の外部装置で保管される前記ＩＣカードの所有者の顔写真の画像情報と、前記単数または複数の外部装置で保管される前記証明書の発行元毎の前記個人登録情報の中から前記ＩＣカードの所有者が前記証明書の保有者となる複数の前記個人登録情報とを前記無線通信部を介してそれぞれ取得する情報取得部と、
　前記情報取得部で取得した前記顔写真の画像情報と、前記複数の個人登録情報とを保持する情報保持部と、
　前記情報保持部で保持される前記顔写真の画像情報を前記第１表示部に表示し、前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の中から、１個の個人登録情報を選択して前記第２表示部に表示する情報選択部と、
を有する、ＩＣカード。
　請求項９記載のＩＣカードにおいて、
　前記制御部は、さらに、前記ＩＣカードの所有者によって所定のセキュリティ情報が入力された場合に前記第２表示部での前記個人登録情報の表示を可能にするセキュリティ管理部を有する、ＩＣカード。
　請求項１０記載のＩＣカードにおいて、
　前記情報保持部で保持される前記顔写真の画像情報には有効期限が含まれ、
　前記制御部は、さらに、前記顔写真の画像情報の有効期限を管理し、有効期限が近づいた際には前記第１または第２表示部を介して前記ＩＣカードの所有者に通知する有効期限管理部を有する、ＩＣカード。
　請求項１１記載のＩＣカードにおいて、
　前記情報保持部で保持される前記複数の個人登録情報の中の少なくとも一部の個人登録情報には有効期限が含まれ、
　前記有効期限管理部は、さらに、前記一部の個人登録情報の有効期限をそれぞれ管理し、有効期限が近づいた際には前記第１または第２表示部を介して前記ＩＣカードの所有者に通知する、ＩＣカード。
　請求項９記載のＩＣカードにおいて、
　前記第２表示部は、前記第１表示部よりも低い解像度を持つ、ＩＣカード。