WO2014178309A1 - ジメチルスルホキシドの精製法 - Google Patents

ジメチルスルホキシドの精製法 Download PDF

Info

Publication number
WO2014178309A1
WO2014178309A1 PCT/JP2014/061306 JP2014061306W WO2014178309A1 WO 2014178309 A1 WO2014178309 A1 WO 2014178309A1 JP 2014061306 W JP2014061306 W JP 2014061306W WO 2014178309 A1 WO2014178309 A1 WO 2014178309A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
dimethyl sulfoxide
water
distillation
distilled
purifying
Prior art date
Application number
PCT/JP2014/061306
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
美智子 石野
田中 康司
博允 阿部
井上 秀樹
Original Assignee
東レ・ファインケミカル株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東レ・ファインケミカル株式会社 filed Critical 東レ・ファインケミカル株式会社
Priority to US14/786,235 priority Critical patent/US20160083340A1/en
Priority to EP14791804.9A priority patent/EP2993166A4/en
Priority to JP2014530040A priority patent/JPWO2014178309A1/ja
Priority to CA2908035A priority patent/CA2908035A1/en
Publication of WO2014178309A1 publication Critical patent/WO2014178309A1/ja

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C315/00Preparation of sulfones; Preparation of sulfoxides
    • C07C315/06Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C317/00Sulfones; Sulfoxides
    • C07C317/02Sulfones; Sulfoxides having sulfone or sulfoxide groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C317/04Sulfones; Sulfoxides having sulfone or sulfoxide groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic saturated carbon skeleton

Definitions

  • Example 1 In a 200 mL round bottom flask, 50 g of general industrial quality dimethyl sulfoxide having a purity of 99.9% by weight (absorbance at 275 nm is 0.22, odor intensity is 3) and 50 g of ion-exchanged water equivalent to A4 of JIS-K0557 (100 parts by weight / 100 parts by weight of dimethyl sulfoxide) was added and mixed. A rectifying tube having a diameter of 3 cm and a height of 15 cm filled with 10 cm of Raschig rings (length 5 mm, outer diameter 5 mm, inner diameter 3 mm) was placed in the mouth of the round bottom flask, and distilled under reduced pressure at 6.7 kPa.
  • Example 18 In Example 13, the mixing amount of water was changed as described in Table 4, and the internal temperature of the round bottom flask was changed from 80 ° C. to 110 ° C. without using a rectification tube in the second distillation operation. The same purification operation as in Example 13 was performed except that the film was distilled by heating. The quality of the purified dimethyl sulfoxide obtained is listed in Table 4.

Abstract

 米国薬局方の規格を満たし、かつ臭気を低減するようにしたジメチルスルホキシドを、経済的かつ、収率良く精製する方法を提供する。原料ジメチルスルホキシド100重量部に対し、水35重量部以上を混合した溶液を蒸留することを特徴とする。

Description

ジメチルスルホキシドの精製法
 本発明は、医農薬中間体の反応溶剤や合成試薬等に幅広く使用されているジメチルスルホキシドの精製法に関し、さらに詳しくは、米国薬局方(U.S.Pharmacopeia)の規格を満たし、かつ臭気を低減した高品質のジメチルスルホキシドを経済的かつ、収率良く精製する方法に関するものである。
 ジメチルスルホキシドは、医農薬中間体の反応溶剤や合成試薬、あるいは電子材料等の特殊洗浄剤等として工業的に幅広く使用されている。なかでも米国薬局方に指定されているジメチルスルホキシドは、工業品質のジメチルスルホキシド以上に高純度であり、かつ臭気が少ないことが必要とされている。
 従来、ジメチルスルホキシドの精製方法としては、一般工業品質のジメチルスルホキシドに活性炭を接触させ、次いで蒸留処理を行う精製方法(例えば特許文献1参照)、一般工業品質のジメチルスルホキシドとトルエン等の有機溶媒を混合した溶液に水を加え、有機相からジメチルスルホキシドを抽出し、次いで蒸留させる精製方法(例えば特許文献2参照)などが知られている。
 しかしながら、特許文献1の精製方法では、臭気を除去することができない。臭気は、米国薬局方の規格には設定されていないものの、医薬用ジメチルスルホキシドに事実上求められている重要な要求品質である。
 特許文献2の精製方法では、ジメチルスルホキシドは水、有機溶媒両方への溶解度が高いため、抽出工程でロスが多く、ロスを改善するためには大量の水が必要となるため、蒸留処理において大量の水を除去しなければならず不経済である。さらに、薬局方のジメチルスルホキシドは人体へ直接投与されるにも関わらず、特許文献2の精製方法では人体に有害なトルエン等の有機溶媒を使用しており、薬局方品として使用するには安全性が懸念される。
日本国特公昭43-12128号公報 米国特許第3,358,036号
 本発明の目的は、このような問題点を解消し、米国薬局方の規格を満たし、かつ臭気を低減した高品質のジメチルスルホキシドを、経済的かつ、収率良く精製する方法を提供することにある。
 上記課題を解決する本発明のジメチルスルホキシドの精製法および高純度ジメチルスルホキシドは、以下のいずれかの構成からなる。
(1)原料ジメチルスルホキシド100重量部に対し、水35重量部以上を混合した溶液を蒸留することを特徴とするジメチルスルホキシドの精製法。
(2)精製されたジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度を、0.01~0.20にすることを特徴とする(1)に記載のジメチルスルホキシドの精製法。
(3)前記水がイオン交換水、蒸留水または超純水であることを特徴とする(1)または(2)に記載のジメチルスルホキシドの精製法。
(4)前記水の25℃の電気伝導率が50mS/m以下であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
(5)前記混合した溶液の蒸留を1段で行い、水を留去してジメチルスルホキシドを得ることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
(6)前記混合した溶液に1段目の蒸留を行い、水を留去させ、粗精製したジメチルスルホキシドを得、さらに粗精製したジメチルスルホキシドに2段目の蒸留を行い、精製したジメチルスルホキシドを得ることを特徴とする(1)~(4)のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
(7)上記(1)~(6)のいずれかに記載の精製法により得られたジメチルスルホキシドであって、ガスクロマトグラフ(GC)分析での純度が99.996%以上であることを特徴とする高純度ジメチルスルホキシド。
 本発明のジメチルスルホキシドの精製法は、米国薬局方の規格項目である吸光度を改良するとともに、事実上の要求品質として求められる臭気を大幅に改良することができる。また、ジメチルスルホキシドと蒸留分離しやすい水のみを混合するため収率良く高純度ジメチルスルホキシドを取得でき、しかも大量の水を必要としないため、経済的である。
 本発明のジメチルスルホキシドの精製法は、米国薬局方の規格を満たし、かつその臭気を低減した高品質のジメチルスルホキシドを、経済的かつ、収率良く得る精製法である。上述した通り、一般工業品レベルのジメチルスルホキシドを通常の方法で精製したのでは、米国薬局方の規格を満たすジメチルスルホキシドが得られたとしても臭気を除去することができなったため医薬用途に使用することは困難であった。臭気を除去するためには、特許文献2に記載されたように、生産性が悪く、精製コストが高いものであった。
 ここで、米国薬局方(U.S.Pharmacopeia USP36、NF31、3269ページ)では品質規格のひとつに275nmの吸光度など、また、欧州薬局方(European Pharmacopeia 7.0)においても275nmの吸光度などが設定されている。一般工業品と薬局方品では275nmの吸光度の差が最も大きいため、本明細書では、薬局方規格の代表値として275nmの吸光度でジメチルスルホキシド品質を評価する。吸光度の測定は、紫外吸光光度計を使用し、幅1cmのセルを使用し、水をブランクとする。ジメチルスルホキシドは事前に窒素バブリングを30分間実施した後10分以内に測定する。
 また、ジメチルスルホキシドの臭気は、悪臭防止法等の臭気判定方法として使用されている6段階臭気強度表示法を用いる。この臭気強度表示法は、においの強さを下記に示す0~5の6段階の判定基準で評価する方法であり、この方法に基づき応じてジメチルスルホキシドの臭気レベルを評価することができる。
 臭気強度0: 無臭
 臭気強度1: やっと感知できるにおい
 臭気強度2: 何のにおいか判る弱いにおい
 臭気強度3: 楽に感知できるにおい
 臭気強度4: 強いにおい
 臭気強度5: 強烈なにおい
 ジメチルスルホキシドのにおいの嗅ぎ方としては、30mLサンプル瓶にジメチルスルホキシドを15mL入れ、室温下でサンプル瓶に鼻を近づけ、同じサンプルをパネラー3人以上で嗅ぎ、全員の判定値のうち多数の値をサンプルの臭気強度とする。
 本発明のジメチルスルホキシドの精製法が処理対象にするジメチルスルホキシド(以下、「原料ジメチルスルホキシド」という。)としては、その原料、製造方法および生産国を制限するものではないが、好ましくは、一般工業品レベルのジメチルスルホキシドであるとよい。また原料ジメチルスルホキシドの純度は、特に制限されるものではないが、好ましくは99重量%以上、より好ましくは99.9~100重量%であるとよい。このような純度の原料ジメチルスルホキシドを使用することにより、不純物の含有量が少なく米国薬局方の規格を満たし、かつ臭気がない高品質のジメチルスルホキシドを得ることができる。なお本明細書において、ジメチルスルホキシドの純度は、米国薬局方(U.S.Pharmacopeia USP36、NF31、3269ページ)に基づく方法でガスクロマトグラフにより測定するものとする。なお原料ジメチルスルホキシドには、ジメチルスルホキシドと蒸留で分離可能であれば、ジメチルスルホキシド以外の化合物を含んでいてもよい。
 本発明のジメチルスルホキシドの精製法は、原料ジメチルスルホキシド100重量部に対し、水35重要部以上混合した溶液を蒸留する。原料ジメチルスルホキシドと水を混合することにより、原料ジメチルスルホキシド中に微量含まれる不純物を除去しやすくなり、とりわけ臭気を大幅に低減することができる。水の混合量が適切でない場合や、水以外の溶媒を添加した場合には、ジメチルスルホキシドの吸光度を小さくすることおよび臭気を低減することが容易ではない。
 原料ジメチルスルホキシドと混合する水としては、一般的に入手可能な水であれば良く、例えば水道水、工業用水、純水、スチーム凝縮水、蒸留水、イオン交換水、超純水等を例示することができる。好ましくはJIS-K0557におけるA4相当の水であるとよい。JIS-K0557 A4相当の水としては、蒸留水、イオン交換水、超純水を例示することができる。
 また使用する水は、25℃の電気伝導率が、好ましくは50mS/m以下、より好ましくは30mS/m以下であるとよい。このような電気伝導率を有する水を使用することにより、ジメチルスルホキシドの臭気を低減することができる。なおJIS-K0557 A4相当の水は、電気伝導率が0.1mS/m(25℃)である。本明細書において、電気伝導率は、JIS-K0130に基づき25℃で測定するものとする。
 原料ジメチルスルホキシドに対する水の混合量は、原料ジメチルスルホキシド100重量部に対し、水を35重量部以上、好ましくは50重量部以上にする。水の混合量が、35重量部より少ないと臭気改善効果を十分に得ることができない。水の混合量の上限は、好ましくは500重量部、より好ましくは300重量部である。500重量部を超える量の水を混合すると精製の生産性が悪化し、工業的に不利である。
 原料ジメチルスルホキシドと水を混合させる方法は、通常用いられる方法で行うことができる。原料ジメチルスルホキシドを水に一度に添加してもよいし、逐次、分割して添加してもよい。また水に原料ジメチルスルホキシドを一括または逐次添加し、混合してもよい。
 本発明の精製法では、原料ジメチルスルホキシドおよび水を混合した溶液を蒸留するとき、蒸留を1段または2段で行い、水を留去してジメチルスルホキシドを得ることができる。2段で蒸留するとき、1段目の蒸留は、原料ジメチルスルホキシドおよび水の混合溶液から水を留去して粗精製したジメチルスルホキシドを得る工程であり、2段目の蒸留は、1段目の蒸留で得られた粗精製したジメチルスルホキシドを留出させる工程である。すなわち、1段目の蒸留で水を除き粗精製したジメチルスルホキシドを取得でき、2段目の蒸留で留出し、精製したジメチルスルホキシドを取得することができる。
 1段目の蒸留は、通常行われる蒸留方法を用いることができ、例えば高圧蒸留、低圧蒸留、減圧蒸留、分子蒸留、単蒸留、精留、連続蒸留、回分蒸留等を例示することができ、なかでも減圧での精留、単蒸留が好ましい。2段目の蒸留では、高圧蒸留、低圧蒸留、減圧蒸留、分子蒸留、単蒸留、精留、連続蒸留、回分蒸留の他、薄膜蒸留も挙げられ、なかでも減圧での精留、単蒸留、薄膜蒸留が好ましい。
 本発明の精製法では、混合した溶液の蒸留を1段で行い、水を留去してジメチルスルホキシドを得ることができる。蒸留を1段で行うとき、内温は、好ましくは130℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下にするとよい。
 また蒸留を2段で行う精製方法では、1段目の蒸留として混合した溶液から水を留去させて粗精製したジメチルスルホキシドを得る。さらに2段目の蒸留として粗精製したジメチルスルホキシドの蒸留を行い、精製したジメチルスルホキシドを得ることができる。このとき1段目の蒸留の内温は、好ましくは130℃以下、より好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下にするとよい。また2段目の蒸留の内温は、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下にするとよい。
 減圧蒸留するときの圧力は、好ましくは14.2kPa以下、より好ましくは6.7kPa以下である。蒸留する際の温度、圧力が高くなるとジメチルスルホキシドの分解が促進され、臭気の増加を抑制することができない虞がある。
 上述した精製法により得られたジメチルスルホキシドは、薬局方の規格を満たし、かつ臭気が低減された高品質のジメチルスルホキシドであり、その化学純度が極めて高い。この高純度ジメチルスルホキシドの純度は、ガスクロマトグラフ(GC)分析での値が好ましくは99.996%以上である。
 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
 本実施例において、原料ジメチルスルホキシドの化学純度、精製処理によって得られたジメチルスルホキシド(以下、「精製ジメチルスルホキシド」という。)および原料ジメチルスルホキシドの吸光度および臭気強度は、以下の方法で測定した。
   (原料ジメチルスルホキシドの化学純度の測定方法)
 以下の条件のガスクロマトグラフ(島津社製GC-2010)により、原料ジメチルスルホキシドの化学純度を測定した。
 分析装置   :GC(島津社製GC-2010)
 キャリアガス :ヘリウム (カラム流量1.7mL/分)
 分析カラム  :RESTEK社製Rxt-1 (15m×0.32mm×3μm)
 カラム温度  :100℃(15分)→(10℃/分)→170℃(20分)
 注入口温度  :210℃
 注入量    :1μL
 検出器    :FID
 検出器温度  :220℃
   (精製ジメチルスルホキシドの不純物分析)
 以下の条件のガスクロマトグラフ(Agilent社製7890A)により質量分析を行い、保持時間4.3分に検出した不明不純物を測定した。
 分析装置   :GC(Agilent社製7890A)
 キャリアガス :ヘリウム (カラム流量2.0mL/分)
 分析カラム  :RESTEK社製Stabilwax (30m×0.32mm×0.5μm)
 カラム温度  :35℃(3分)→(7℃/分)→130℃(10分)→(7℃/分)→160℃→(15℃/分)→250℃(8分)
 注入口温度  :200℃
 注入量    :1μL
 検出器    :FID
 検出器温度  :270℃
   (精製ジメチルスルホキシドおよび原料ジメチルスルホキシドの吸光度の測定方法)
 ジメチルスルホキシドを事前に窒素バブリングを30分間実施し、その後10分以内に、紫外吸光光度計(島津社製UV-1800)を使用し、以下の条件で275nmの吸光度を測定した。
 分析装置   :紫外吸光光度計
 セル     :石英、幅1cm
 ブランク   :水
 (精製ジメチルスルホキシドおよび原料ジメチルスルホキシドの臭気強度の測定方法)
 ジメチルスルホキシドの臭気を、下記に示す6段階の臭気強度表示法に基づき3人のパネラーが官能評価した。30mLサンプル瓶に、ジメチルスルホキシドを15mL入れサンプルとした。パネラー3人が同じサンプルの臭気を、室温下でサンプル瓶に鼻を近づけて嗅ぎ、下記に示す0~5の6段階の基準で判定し、3人の判定値のうち多数の値をサンプルの臭気強度とした。
 臭気強度0: 無臭
 臭気強度1: やっと感知できるにおい
 臭気強度2: 何のにおいか判る弱いにおい
 臭気強度3: 楽に感知できるにおい
 臭気強度4: 強いにおい
 臭気強度5: 強烈なにおい
   (実施例1)
 200mL丸底フラスコに純度99.9重量%の一般工業品質のジメチルスルホキシド(275nmにおける吸光度が0.22、臭気強度が3)50gとJIS-K0557のA4相当のイオン交換水50g(100重量部/ジメチルスルホキシド100重量部)を仕込み、混合した。この丸底フラスコの口にラシヒリング(長さ5mm、外径5mm、内径3mm)を10cm充填した直径3cm、高さ15cmの精留管を設置し、6.7kPaで減圧蒸留した。丸底フラスコの内温45℃から加熱を開始し、温度が107℃に到達した時点で受器を交換し、40gの精製ジメチルスルホキシドを得た。この時の蒸留収率は80%であった。得られた精製ジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.12であり、臭気強度は1であった。これらの結果を表1にまとめて示す。なお、表中の水の添加量の単位は、ジメチルスルホキシドを100重量部にしたときの重量部である。
   (実施例2~5)
 水の混合量を、表1に記載するように変更したことを除き、実施例1と同様の精製操作を行った。実施例2,3,4および5の蒸留収率は、81%,80%,70%および79%であった。得られた精製ジメチルスルホキシドの品質を、表1に記載する。
   (実施例6、7)
 実施例1において、添加する水の種類を、JIS-K0557のA4相当の蒸留水または超純水に変更したことを除き、実施例1と同様の精製操作を行った。実施例6および7の蒸留収率は、79%および81%であった。得られた精製ジメチルスルホキシドの品質を、表1に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
   (比較例1~4)
 比較例1,2および4は、表2に記載するように水の添加量を変更したことを除き、実施例1と同様の操作を行った。また比較例3は、水の代わりにメタノール(ナカライテスク社製特級)を添加したことを除き、実施例1と同様の操作を行った。比較例1,2,3および4の蒸留収率は、85%,95%,95%および79%であった。得られたジメチルスルホキシドの品質は表2の通りである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
   (実施例8)
 200mL丸底フラスコに純度99.9重量%の一般工業品質のジメチルスルホキシド(275nmにおける吸光度が0.22、臭気強度が3)50gと水道水50g(100重量部/ジメチルスルホキシド100重量部)を仕込み、混合した。使用した水道水の電気伝導率は13mS/m(25℃)であった。この丸底フラスコの口にラシヒリング(長さ5mm、外径5mm、内径3mm)を10cm充填した直径3cm、高さ15cmの精留管を設置し、6.7kPaで減圧蒸留した。丸底フラスコの内温45℃から80℃へ加熱し、留出液の含水率が0.1%以下に達した時点で蒸留を停止した。水を除去して残ったジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.11であり、臭気強度は1であった。これらの結果を表3にまとめて示す。なお、表中の水の添加量の単位は、ジメチルスルホキシドを100重量部にしたときの重量部である。
   (実施例9、10)
 水の混合量を、表3に記載するように変更したことを除き、実施例8と同様の蒸留操作を行った。得られたジメチルスルホキシドの品質を、表3に記載する。
   (実施例11、12)
 実施例8において、精留管を使用せず、丸底フラスコの内温を45℃から70℃へ加熱して単蒸留したことおよび水の混合量を表3に記載するように変更したことを除き、実施例8と同様の蒸留操作を行った。得られたジメチルスルホキシドの品質を、表3に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
   (実施例13)
 200mL丸底フラスコに純度99.9重量%の一般工業品質のジメチルスルホキシド(275nmにおける吸光度が0.22、臭気強度が3)50gと水道水50g(100重量部/ジメチルスルホキシド100重量部)を仕込んで混合溶液にした。この混合溶液を1段目の蒸留操作として、上記の丸底フラスコの口にラシヒリング(長さ5mm、外径5mm、内径3mm)を10cm充填した直径3cm、高さ15cmの精留管を設置し、6.7kPaで減圧蒸留した。丸底フラスコの内温45℃から80℃へ加熱し、留出液の含水率が0.1%以下に達した時点で蒸留を停止した。水を除去して得られた粗精製しジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.11であり、臭気強度は1であった。
 2段目の蒸留操作として、上記1段目の蒸留で得られた粗精製したジメチルスルホキシドを200mL丸底フラスコに仕込み、ラシヒリング(長さ5mm、外径5mm、内径3mm)を10cm充填した直径3cm、高さ15cmの精留管を設置し、6.7kPaおよび丸底フラスコの内温を45℃から107℃へ加熱して減圧蒸留した。2段目の蒸留操作により得られた精製ジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.09であり、臭気強度は1であった。これらの結果を表4にまとめて示す。
   (実施例14)
 実施例13において、水の混合量を、表4に記載するように変更したことを除き、実施例13と同様の1段目および2段目の蒸留操作を行った。1段目の蒸留により得られた粗精製しジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.10、臭気強度は1であり、GC分析による化学純度は、99.9957%であった。また、2段目の蒸留により得られた精製ジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.08、臭気強度は1であり、GC分析による化学純度は、99.9989%であった。これらの結果を表4に記載する。
   (実施例15)
 実施例13において、水の混合量を、表4に記載するように変更したことを除き、実施例13と同様の1段目および2段目の蒸留操作を行った。1段目の蒸留により得られた粗精製しジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.12、臭気強度は1であり、GC分析による化学純度は、99.9957%であった。また、2段目の蒸留により得られた精製ジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度は0.08、臭気強度は1であり、GC分析による化学純度は、99.9980%であった。これらの結果を表4に記載する。
   (実施例16)
 実施例13において、水の混合量を表4に記載するように変更したこと、1段目の蒸留操作において精留管を使用せず、丸底フラスコの内温を45℃から70℃へ加熱して単蒸留したこと、および2段目の蒸留操作において精留管を使用せず、丸底フラスコの内温を45℃から80℃へ加熱して単蒸留したことを除き、実施例13と同様の精製操作を行った。得られた精製ジメチルスルホキシドの品質を、表4に記載する。
   (実施例17)
 実施例16において、水の混合量を、表4に記載するように変更したことを除き、実施例16と同様の1段目および2段目の蒸留操作を行った。得られた精製ジメチルスルホキシドの品質を、表4に記載する。
   (実施例18)
 実施例13において、水の混合量を表4に記載するように変更したこと、および2段目の蒸留操作において精留管を使用せず、丸底フラスコの内温を80℃から110℃へ加熱して薄膜蒸留したことを除き、実施例13と同様の精製操作を行った。得られた精製ジメチルスルホキシドの品質を、表4に記載する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004

Claims (7)

  1.  原料ジメチルスルホキシド100重量部に対し、水35重量部以上を混合した溶液を蒸留することを特徴とするジメチルスルホキシドの精製法。
  2.  精製されたジメチルスルホキシドの275nmにおける吸光度を、0.01~0.20にすることを特徴とする請求項1に記載のジメチルスルホキシドの精製法。
  3.  前記水がイオン交換水、蒸留水、超純水または水道水であることを特徴とする請求項1または2に記載のジメチルスルホキシドの精製法。
  4.  前記水の25℃の電気伝導率が50mS/m以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
  5.  前記混合した溶液の蒸留を1段で行い、水を留去してジメチルスルホキシドを得ることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
  6.  前記混合した溶液に1段目の蒸留を行い、水を留去させ、粗精製したジメチルスルホキシドを得、さらに粗精製したジメチルスルホキシドに2段目の蒸留を行い、精製したジメチルスルホキシドを得ることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のジメチルスルホキシドの精製法。
  7.  請求項1~6のいずれかに記載の精製法により得られたジメチルスルホキシドであって、ガスクロマトグラフ(GC)分析での純度が99.996%以上であることを特徴とする高純度ジメチルスルホキシド。
PCT/JP2014/061306 2013-04-30 2014-04-22 ジメチルスルホキシドの精製法 WO2014178309A1 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/786,235 US20160083340A1 (en) 2013-04-30 2014-04-22 Method of purifying dimethyl sulfoxide
EP14791804.9A EP2993166A4 (en) 2013-04-30 2014-04-22 PROCESS FOR PURIFYING DIMETHYL SULFOXIDE
JP2014530040A JPWO2014178309A1 (ja) 2013-04-30 2014-04-22 ジメチルスルホキシドの精製法
CA2908035A CA2908035A1 (en) 2013-04-30 2014-04-22 Method for purifying dimethyl sulfoxide

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013095375 2013-04-30
JP2013-095375 2013-04-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2014178309A1 true WO2014178309A1 (ja) 2014-11-06

Family

ID=51843442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2014/061306 WO2014178309A1 (ja) 2013-04-30 2014-04-22 ジメチルスルホキシドの精製法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20160083340A1 (ja)
EP (1) EP2993166A4 (ja)
JP (1) JPWO2014178309A1 (ja)
CA (1) CA2908035A1 (ja)
WO (1) WO2014178309A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015145359A (ja) * 2014-01-06 2015-08-13 東レ・ファインケミカル株式会社 ジメチルスルホキシドの精製方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109406700A (zh) * 2018-08-30 2019-03-01 国网吉林省电力有限公司电力科学研究院 作业场所空气中二甲基亚砜浓度的检测方法
CN112321468A (zh) * 2020-10-16 2021-02-05 浙江巨化技术中心有限公司 一种从醚唑类药物合成过程中的废水中分离二甲基亚砜的方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3358036A (en) 1964-03-12 1967-12-12 Merck & Co Inc Purification of dimethyl sulfoxide
GB1222453A (en) * 1968-06-28 1971-02-17 Glanzstoff Ag Process for obtaining pure dimethyl sulphoxide
JPS63270659A (ja) * 1987-04-30 1988-11-08 Daikin Ind Ltd ジメチルスルホキシドとヨウ素とを分離する方法
JPH0312128B2 (ja) 1984-02-27 1991-02-19 Chugai Ro Kogyo Kk
JPH0329737B2 (ja) * 1981-03-20 1991-04-25
JPH0912534A (ja) * 1995-06-23 1997-01-14 Toray Fine Chem Co Ltd Dmsoの回収方法
JP2006096763A (ja) * 2005-11-18 2006-04-13 Toray Fine Chemicals Co Ltd Dmsoの回収方法
JP2006151821A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Toray Ind Inc 溶媒の回収方法
JP2009096792A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Toray Ind Inc ジメチルスルホキシドの精製方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6042640A (en) * 1998-06-29 2000-03-28 Xerox Corporation Deodorization of sulfur-containing solvents by oxidation
US20090005601A1 (en) * 2007-06-29 2009-01-01 Gaylord Chemical Company Llc Process for preparing low malodor dimethyl sulfoxide

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3358036A (en) 1964-03-12 1967-12-12 Merck & Co Inc Purification of dimethyl sulfoxide
GB1222453A (en) * 1968-06-28 1971-02-17 Glanzstoff Ag Process for obtaining pure dimethyl sulphoxide
JPH0329737B2 (ja) * 1981-03-20 1991-04-25
JPH0312128B2 (ja) 1984-02-27 1991-02-19 Chugai Ro Kogyo Kk
JPS63270659A (ja) * 1987-04-30 1988-11-08 Daikin Ind Ltd ジメチルスルホキシドとヨウ素とを分離する方法
JPH0912534A (ja) * 1995-06-23 1997-01-14 Toray Fine Chem Co Ltd Dmsoの回収方法
JP2006151821A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Toray Ind Inc 溶媒の回収方法
JP2006096763A (ja) * 2005-11-18 2006-04-13 Toray Fine Chemicals Co Ltd Dmsoの回収方法
JP2009096792A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Toray Ind Inc ジメチルスルホキシドの精製方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"ALDRICH Chemistry", 2009, JAPAN, pages 1090 - 1092, XP008181439, Retrieved from the Internet <URL:sigma-aldrich.com> *
See also references of EP2993166A4

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015145359A (ja) * 2014-01-06 2015-08-13 東レ・ファインケミカル株式会社 ジメチルスルホキシドの精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2993166A1 (en) 2016-03-09
EP2993166A4 (en) 2016-12-07
US20160083340A1 (en) 2016-03-24
CA2908035A1 (en) 2014-11-06
JPWO2014178309A1 (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
ES2662966T3 (es) Procedimiento para procesar soluciones de cloruro de magnesio
NZ587962A (en) Purification of acetic acid from wood acetylation process
MX2009005012A (es) Una forma pura de rapamicina y procedimiento para la recuperacion y purificacion de la misma.
WO2014178309A1 (ja) ジメチルスルホキシドの精製法
CN103467475B (zh) 1,8-桉叶素的纯化方法
MX2012012912A (es) Procedimiento para recuperar etanol con descargaslaterales para regular las concentracioes de alcoholes de c3+.
JP6266453B2 (ja) ジメチルスルホキシドの精製方法
MX2007010403A (es) Proceso de purificacion.
EP2370388B1 (en) Method for purifying acetone
WO2018003974A1 (ja) 補酵素q10の製造方法
JP2008308500A (ja) 高純度酢酸ブチルの製造方法
JP6266420B2 (ja) ジメチルスルホキシドの精製方法
PH12019501803A1 (en) Acetic acid production method
RU2010134125A (ru) Способ получения фуллерена c60
Landis The use of mixed-mode ion-exchange solid phase extraction to characterize pharmaceutical drug degradation
CA2957812C (en) Process for the recovery of carboxylic acid and wood treatment process
JP2006514087A (ja) 蒸留による1,3−プロパンジオールの精製
Polevaya et al. Optimization of synthesis conditions of 2, 3-dimethylbutadiene
JP6562379B2 (ja) 脂肪酸クロライドの製造方法
RU2621054C2 (ru) Способ разделения монохлоруксусной кислоты и дихлоруксусной кислоты экстракционной дистилляцией с использованием органического растворителя
CN103360219A (zh) 一种高纯度丙泊酚的合成方法
CN110922308B (zh) 一种含有亚甲氧桥基的液晶分子的工业化制备色谱分离纯化方法
WO2014175187A1 (ja) ジメチルスルホキシドの精製方法
JP6118589B2 (ja) 3−メチル−1,3−ブタンジオールの製造方法
EP2948422A1 (en) Process for the production of 2-alkyl-3-butyn-2-ols

Legal Events

Date Code Title Description
ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2014530040

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 14791804

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2908035

Country of ref document: CA

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2014791804

Country of ref document: EP

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 14786235

Country of ref document: US

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE