WO2014097986A1 - ガラス素板、ガラス素板の製造方法及び化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents
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- C03C21/001—Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions
- C03C21/002—Treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by diffusing ions or metals in the surface in liquid phase, e.g. molten salts, solutions to perform ion-exchange between alkali ions
Definitions
- the load at which cracks are generated at a rate of 50% (hereinafter also referred to as 50% crack generation load) takes the probability of crack occurrence (%) on the vertical axis and the load (kgf) on the horizontal axis. , Defined as a load at which the probability of occurrence of cracks is 50%.
- the slow cooling furnace 13 is, for example, supplying an amount of heat whose output is controlled by an electric heater H to a required position in the furnace and slowly cooling the glass ribbon conveyed by the conveying roller 14 to a temperature range close to room temperature. Residual stress inherent in the glass ribbon G is eliminated, and the glass has a function of suppressing warping and cracking.
- the above-described chemical strengthening treatment can be performed in the slow cooling furnace 13. That is, the glass base plate is manufactured through a forming step of forming a glass ribbon with the float bath 11 and a slow cooling step of gradually cooling the glass ribbon with the slow cooling furnace 13. In the slow cooling step, the above-described chemical strengthening treatment is applied to the glass ribbon. Is done.
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Abstract
溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷と同時に化学強化し、切断して得られるガラス素板であって、圧縮応力層を有し、圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であるガラス素板。
Description
本発明は、化学強化処理が施されたガラス素板、ガラス素板の製造方法及び化学強化ガラスの製造方法に関する。
近年、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC等のディスプレイ装置が普及している。ディスプレイ装置の前面には、化学強化ガラスがカバーガラスとして取り付けられており、液晶ディプレイ(LCD)を保護する機能を果たしている。
この化学強化ガラスは、フロート法、フュージョン法等の製造方法により製造され、所定形状に切断されたガラス素板に、所望の形状に切断する切断処理や面取り処理等の加工処理を行なった後、化学強化処理が行なわれることで製造されている。
しかしながら、所定形状に切断されたガラス素板は、搬送中や加工処理中に傷がつくおそれがあった。このような傷は扱い傷と呼ばれ、一度扱い傷が発生するとその後に化学強化処理が施された場合でも、最終製品に影響を与えるおそれがあった。
そこで、本発明は、扱い傷を抑制可能なガラス素板、ガラス素板の製造方法及び化学強化ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、化学強化前に形成された扱い傷の影響が最終製品に及ぶ場合があることを見出した。そして、先ず、応力プロファイルに対するクラック発生挙動を理解するため、広い範囲で圧縮応力層の圧縮応力の深さ(以下、圧縮応力深さと呼ぶことがある。)と最表面の圧縮応力(以下、表面圧縮応力と呼ぶことがある。)を変化させ、化学強化されたソーダライムガラスのクラック発生率の評価を行った。
評価は、表1に記載のソーダライムガラスを化学強化時間と溶融塩の温度を変えながら18個のサンプルに化学強化処理を行い、ビッカースダイヤモンド圧子を用いた場合の50%の割合でクラックが発生する荷重を図1のグラフより求め、図2のグラフに円の大きさでマッピングした。図1のグラフは、それぞれのサンプルに対し、各荷重で20個のインデンテーションを行って得られたものである。それぞれのサンプルは、化学強化処理前に、酸化セリウムにて研磨仕上げを行った。
50%の割合でクラックが発生する荷重(以下、50%クラック発生荷重とも呼ぶ。)は、図1に示すように、縦軸にクラック発生確率(%)、横軸に荷重(kgf)をとり、クラック発生確率が50%となる荷重と定義した。
図2は、それぞれのサンプルの圧縮応力深さと表面圧縮応力における50%クラック発生荷重を円の大きさで表したグラフである。
図2から、同一の圧縮応力深さにおける50%クラック発生荷重は、所定の表面圧縮応力を超えると顕著に大きくなることが分かる。例えば、圧縮応力深さが約10μmの場合、表面圧縮応力が100~500MPaの間は50%クラック発生荷重が0.5kgfであったのに対し、表面圧縮応力が500MPaを超えると50%クラック発生荷重が1.0kgfとなる。また、図2から、圧縮応力深さが深ければ深いほど、50%クラック発生荷重が顕著に大きくなる表面圧縮応力が小さくなる傾向が見受けられる。例えば、圧縮応力深さが約10μmの場合には表面圧縮応力が500MPaを超えると50%クラック発生荷重が顕著に大きくなったが、圧縮応力深さが約20μmの場合には表面圧縮応力が約450MPa、圧縮応力深さが約40μmの場合には表面圧縮応力が約400MPa、圧縮応力深さが約50μmの場合には表面圧縮応力が約300MPaを超えると50%クラック発生荷重が顕著に大きくなっている。しかし、いずれの圧縮応力深さにおいても、ある程度表面圧縮応力を大きくしなければ、化学強化処理をしていないガラス(圧縮応力深さ=0μm、表面圧縮応力=0MPa)よりも50%クラック発生荷重が小さくなり、クラックが発生しやすく強度が弱くなることが分かった。一方で、圧縮応力層深さが深いと、後の加工処理時にガラス粉々に割れる虞が大きいことも分かっている。
図2から、同一の圧縮応力深さにおける50%クラック発生荷重は、所定の表面圧縮応力を超えると顕著に大きくなることが分かる。例えば、圧縮応力深さが約10μmの場合、表面圧縮応力が100~500MPaの間は50%クラック発生荷重が0.5kgfであったのに対し、表面圧縮応力が500MPaを超えると50%クラック発生荷重が1.0kgfとなる。また、図2から、圧縮応力深さが深ければ深いほど、50%クラック発生荷重が顕著に大きくなる表面圧縮応力が小さくなる傾向が見受けられる。例えば、圧縮応力深さが約10μmの場合には表面圧縮応力が500MPaを超えると50%クラック発生荷重が顕著に大きくなったが、圧縮応力深さが約20μmの場合には表面圧縮応力が約450MPa、圧縮応力深さが約40μmの場合には表面圧縮応力が約400MPa、圧縮応力深さが約50μmの場合には表面圧縮応力が約300MPaを超えると50%クラック発生荷重が顕著に大きくなっている。しかし、いずれの圧縮応力深さにおいても、ある程度表面圧縮応力を大きくしなければ、化学強化処理をしていないガラス(圧縮応力深さ=0μm、表面圧縮応力=0MPa)よりも50%クラック発生荷重が小さくなり、クラックが発生しやすく強度が弱くなることが分かった。一方で、圧縮応力層深さが深いと、後の加工処理時にガラス粉々に割れる虞が大きいことも分かっている。
本発明者らは、これまで注目されていなかった扱い傷の抑制という新たな課題を見出し、扱い傷を有効に抑制しつつ、その後の加工処理時にガラスが割れることを抑制可能なガラス素板、化学強化ガラスの製造方法及び化学強化ガラスの製造方法に至ったものである。
本発明は、以下の態様を提供するものである。
(1) 溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷と同時に化学強化し、切断して得られるガラス素板であって、
圧縮応力層を有し、該圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であることを特徴とするガラス素板。
(2) 大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする(1)に記載のガラス素板。
(3) 溶融ガラスを連続的に板状に成形して得られたガラスリボンを徐冷する工程において、徐冷後の圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるように化学強化し、その後ガラスリボンを切断することを特徴とするガラス素板の製造方法。
(4) 前記ガラス素板の大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする(3)に記載のガラス素板の製造方法。
(5) 溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間浸漬させることで化学強化することを特徴とする(3)又は(4)に記載のガラス素板の製造方法。
(6) 溶融塩を噴射して該溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間さらすことで化学強化することを特徴とする(3)又は(4)に記載のガラス素板の製造方法。
(7) 前記溶融塩の温度が400℃~530℃であることを特徴とする(5)又は(6)に記載のガラス素板の製造方法。
(8) 前記溶融ガラスを溶融金属上に浮かせて板状に成形し前記ガラスリボンを得ることを特徴とする(3)~(7)のいずれかに記載のガラス素板の製造方法。
(9) 圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるようにガラス板を化学強化する一次化学強化工程と、
前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス板を、さらに化学強化する二次化学強化工程と、を備えることを特徴とする化学強化ガラスの製造方法。
(10) 前記ガラス板はフロート成形法により製造され、
前記一次化学強化工程は、オンライン上で行われることを特徴とする(9)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(11) 前記一次化学強化工程は、溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間浸漬させることで化学強化することを特徴とする(9)又は(10)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(12) 前記一次化学強化工程は、溶融塩を噴射して該溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間さらすことで化学強化することを特徴とする(9)又は(10)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(13) 前記溶融塩の温度が400℃~530℃であることを特徴とする(11)又は(12)に記載の化学強化ガラスガの製造方法。
(14) 前記一次化学強化工程と前記二次化学強化工程との間に、前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス素板を加工する加工工程を備えることを特徴とする(9)~(13)のいずれかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
(1) 溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷と同時に化学強化し、切断して得られるガラス素板であって、
圧縮応力層を有し、該圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であることを特徴とするガラス素板。
(2) 大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする(1)に記載のガラス素板。
(3) 溶融ガラスを連続的に板状に成形して得られたガラスリボンを徐冷する工程において、徐冷後の圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるように化学強化し、その後ガラスリボンを切断することを特徴とするガラス素板の製造方法。
(4) 前記ガラス素板の大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする(3)に記載のガラス素板の製造方法。
(5) 溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間浸漬させることで化学強化することを特徴とする(3)又は(4)に記載のガラス素板の製造方法。
(6) 溶融塩を噴射して該溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間さらすことで化学強化することを特徴とする(3)又は(4)に記載のガラス素板の製造方法。
(7) 前記溶融塩の温度が400℃~530℃であることを特徴とする(5)又は(6)に記載のガラス素板の製造方法。
(8) 前記溶融ガラスを溶融金属上に浮かせて板状に成形し前記ガラスリボンを得ることを特徴とする(3)~(7)のいずれかに記載のガラス素板の製造方法。
(9) 圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるようにガラス板を化学強化する一次化学強化工程と、
前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス板を、さらに化学強化する二次化学強化工程と、を備えることを特徴とする化学強化ガラスの製造方法。
(10) 前記ガラス板はフロート成形法により製造され、
前記一次化学強化工程は、オンライン上で行われることを特徴とする(9)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(11) 前記一次化学強化工程は、溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間浸漬させることで化学強化することを特徴とする(9)又は(10)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(12) 前記一次化学強化工程は、溶融塩を噴射して該溶融塩に前記ガラスリボンを0.5~3分間さらすことで化学強化することを特徴とする(9)又は(10)に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(13) 前記溶融塩の温度が400℃~530℃であることを特徴とする(11)又は(12)に記載の化学強化ガラスガの製造方法。
(14) 前記一次化学強化工程と前記二次化学強化工程との間に、前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス素板を加工する加工工程を備えることを特徴とする(9)~(13)のいずれかに記載の化学強化ガラスの製造方法。
なお、本明細書において、化学強化ガラスとは、化学強化処理が施されたガラスをいい、化学強化用ガラスとは、化学強化処理が施されたか否かに関わらず、後に化学強化処理が施されるガラスをいう。従って、一次化学強化工程により化学強化されたガラス素板は、化学強化ガラスであると共に化学強化用ガラスであり、二次化学強化工程により化学強化されたガラスは、化学強化ガラスである。
また、ガラス素板とは、溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷し、切断して得られる、加工処理前のガラスを意味する。ガラス素板の大きさは、典型的には300mm×300mm以上であり、通常は短辺が500mm以上または700mm以上である。
また、ガラス素板とは、溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷し、切断して得られる、加工処理前のガラスを意味する。ガラス素板の大きさは、典型的には300mm×300mm以上であり、通常は短辺が500mm以上または700mm以上である。
本発明のガラス素板及びガラス素板の製造方法によれば、ガラス素板の圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であるので、ガラス表面にクラックが発生しにくく、扱い傷を抑制することができる。また、圧縮応力層が浅いことで、後の加工処理時にガラスが割れることが抑制され、扱い傷の発生を抑制しつつ、その後の処理を円滑に行なうことができる。さらに、ガラス素板の段階で既に化学強化されているので、ガラスリボンがガラス素板に切断されるまでの搬送工程での扱い傷も抑制することができる。
また、本発明の化学強化ガラスの製造方法によれば、一次化学強化工程により圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超のガラス板が得られるので、ガラス表面にクラックが発生しにくく、扱い傷を抑制することができる。また、圧縮応力層が浅いことで、後の加工処理時にガラスが割れることが抑制され、扱い傷の発生を抑制しつつ、その後の処理を円滑に行なうことができる。また、二次化学強化工程により、最終製品としての圧縮応力層の深さ及び最表面の圧縮応力を適宜調整することができる。
以下、本発明の一実施形態のガラス素板及びガラス素板の製造方法について説明する。
本発明のガラス素板は、圧縮応力層を有する化学強化ガラスであって、圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超である。圧縮応力層の深さは、好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは8μm以下であり、特に好ましくは7μm以下である。圧縮応力層の深さは浅ければ浅いほど、後に切断処理や面取り処理等の加工処理をする際の影響を小さく抑えることができる。最表面の圧縮応力は、550MPa以上が好ましく、600MPa以上がより好ましく、650MPa以上がさらに好ましく、700MPa以上であることが特に好ましい。最表面の圧縮応力は、大きければ大きいほど、扱い傷の発生を抑制することができる。圧縮応力層の深さ及び最表面の圧縮応力は、表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)を用いて測定することができる。また、断面を複屈折顕微鏡にて観察することで得られるレターデーションから求めることができる。
本発明のガラス素板は、圧縮応力層を有する化学強化ガラスであって、圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超である。圧縮応力層の深さは、好ましくは10μm以下であり、さらに好ましくは8μm以下であり、特に好ましくは7μm以下である。圧縮応力層の深さは浅ければ浅いほど、後に切断処理や面取り処理等の加工処理をする際の影響を小さく抑えることができる。最表面の圧縮応力は、550MPa以上が好ましく、600MPa以上がより好ましく、650MPa以上がさらに好ましく、700MPa以上であることが特に好ましい。最表面の圧縮応力は、大きければ大きいほど、扱い傷の発生を抑制することができる。圧縮応力層の深さ及び最表面の圧縮応力は、表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)を用いて測定することができる。また、断面を複屈折顕微鏡にて観察することで得られるレターデーションから求めることができる。
このようなガラス素板を得るためには、ガラス素板を極短時間のみ溶融塩に浸漬又はさらすことで化学強化(一次化学強化)することが有効である。化学強化処理は、ガラス転移点以下の温度でイオン交換によりガラス表面のイオン半径が小さなアルカリ金属イオン(典型的にはLiイオン、Naイオン)をイオン半径のより大きなアルカリイオン(典型的にはKイオン)に交換することで、ガラス表面に圧縮応力層を、ガラス内部に引張応力層を形成する処理である。具体的には、例えば、400℃~530℃の溶融塩に0.5~3分間浸漬させる又はさらすことで化学強化を行う。これにより、圧縮応力深さが小さく表面圧縮応力の大きいガラスを得ることができる。500℃を超える温度では表面圧縮応力が小さくなり、所望の耐擦傷性を得ることができなくなってしまう。溶融塩としては、硝酸カリウム(KNO3)を主成分とする溶融塩が好ましく、溶融塩の温度は400℃~500℃が好ましく、400℃~450℃がさらに好ましい。溶融塩の温度が530℃より高いと、アルカリイオンが拡散しやすいため圧縮応力深さが深くなる傾向にあるが、所望の表面圧縮応力を得ることができない。一方で、溶融塩の温度が400℃より低いと、アルカリイオンが拡散しにくいため化学強化に長時間を要することになる。
ガラス素板用のガラスは、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスなどが使用され得る。図3は、400~450℃で10時間化学強化したソーダライムガラス及びアルミノシリケートガラスの圧縮応力層深さと表面圧縮応力の関係を示したグラフである。
圧縮応力深さは強化時間の1/2乗に比例するため、400~450℃で1分間化学強化した場合の圧縮力深さは、理論上、10時間化学強化した場合の約1/25程度となる。従って、図3から、400~450℃で1分間化学強化した場合、ソーダライムガラスは1μm程度、アルミノシリケートガラスは3μm程度となることが想定される。
圧縮応力深さは強化時間の1/2乗に比例するため、400~450℃で1分間化学強化した場合の圧縮力深さは、理論上、10時間化学強化した場合の約1/25程度となる。従って、図3から、400~450℃で1分間化学強化した場合、ソーダライムガラスは1μm程度、アルミノシリケートガラスは3μm程度となることが想定される。
ソーダライムガラスとしては、例えば以下の組成のガラスが使用される。
(i)質量%で表示した組成で、SiO2を60~80%、Al2O3を0.01~8%、Na2Oを8~22%、K2Oを0~7%、RO(R=Mg、Ca、Sr、Ba)を合量で5~25%、ZrO2を0~5%を含むガラス。
(ii)質量%で表示した組成で、SiO2を64~77%、Al2O3を0.01~7%、Na2Oを10~18%、K2Oを0~5%、MgOを1~10%、CaOを1~12%、SrOを0~5%、BaOを0~5%、ZrO2を0~3%であるガラス。
(iii)質量%で表示した組成で、SiO2を60~80%、Al2O3を0.01~8%、Na2Oを8~22%、K2Oを0~7%、ZrO2を0~5%含有し、MgO、CaO、SrOまたはBaOを含有する場合MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計が5~25%であり、Na2OおよびAl2O3の含有量の比Na2O/Al2O3が1.5以上であるガラス。
(iv)質量%で表示した組成で、SiO2を60~80%、Al2O3を0.01~8%、Na2Oを8~22%、K2Oを0~7%、ZrO2を0~5%含有し、MgO、CaO、SrOまたはBaOを含有する場合MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計が5~25%であり、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計が1~7%であり、Na2OおよびAl2O3の含有量の比Na2O/Al2O3が1.5以上であるガラス。
(v)質量%で表示した組成で、SiO2を60~75%、Al2O3を3~12%、MgOを2~10%、CaOを0~10%、SrOを0~3%、BaOを0~3%、Na2Oを10~18%、K2Oを0~8%、ZrO2を0~3%であるガラス。
アルミノシリケートガラスとしては、例えば以下の組成のガラスが使用される。
(i)モル%で表示した組成で、SiO2を50~80%、Al2O3を2~25%、Li2Oを0~10%、Na2Oを0~18%、K2Oを0~10%、MgOを0~15%、CaOを0~5%およびZrO2を0~5%を含むガラス。ここで、たとえば「K2Oを0~10%含む」とはK2Oは必須ではないが10%までの範囲で、かつ、本発明の目的を損なわない範囲で含んでもよい、の意である。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO2を50~74%、Al2O3を1~10%、Na2Oを6~14%、K2Oを3~11%、MgOを2~15%、CaOを0~6%およびZrO2を0~5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12~25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7~15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成が、SiO2を68~80%、Al2O3を4~10%、Na2Oを5~15%、K2Oを0~1%、MgOを4~15%およびZrO2を0~1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成が、SiO2を67~75%、Al2O3を0~4%、Na2Oを7~15%、K2Oを1~9%、MgOを6~14%およびZrO2を0~1.5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が71~75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12~20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス。
(i)モル%で表示した組成で、SiO2を50~80%、Al2O3を2~25%、Li2Oを0~10%、Na2Oを0~18%、K2Oを0~10%、MgOを0~15%、CaOを0~5%およびZrO2を0~5%を含むガラス。ここで、たとえば「K2Oを0~10%含む」とはK2Oは必須ではないが10%までの範囲で、かつ、本発明の目的を損なわない範囲で含んでもよい、の意である。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO2を50~74%、Al2O3を1~10%、Na2Oを6~14%、K2Oを3~11%、MgOを2~15%、CaOを0~6%およびZrO2を0~5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12~25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7~15%であるガラス。
(iii)モル%で表示した組成が、SiO2を68~80%、Al2O3を4~10%、Na2Oを5~15%、K2Oを0~1%、MgOを4~15%およびZrO2を0~1%含有するガラス。
(iv)モル%で表示した組成が、SiO2を67~75%、Al2O3を0~4%、Na2Oを7~15%、K2Oを1~9%、MgOを6~14%およびZrO2を0~1.5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が71~75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12~20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス。
また、ガラス素板は、板厚が好ましくは1.5mm以下、より好ましくは、0.3~1.1mmである。また、ガラス素板は、大きさが好ましくは300mm×300mm以上である。
ガラス素板は、フロート法で製造されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、フュージョン法等の他の製造方法で製造されたものでもよい。いずれかの製造方法で製造されたガラスリボンを、上記したように化学強化処理をすることで、圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超である化学強化ガラスであるガラス素板が製造され得る。特に、フロート法によりガラス素板を製造することで、化学強化処理をオンライン上で行うことが可能となり、扱い傷の発生を最も早い段階で抑制することができる。また、これにより、一度冷却したガラス素板を再度加熱する必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを抑制することができる。なお、ガラスリボンの幅は、典型的には2m以上、3m以上または4m以上である。
図4、5は、オンライン上で化学強化処理を行う際のガラス製造装置の例を示す図である。
ガラス製造装置10は、ガラスの原料を溶解する溶解炉(図示せず)と、溶解された溶融ガラスを溶融錫上に浮かせて平坦なガラスリボンGを成形するフロートバス11と、リフトアウトロール12によってガラスリボンGをフロートバス11から引き出した後に、ガラスリボンGの温度を徐々に下げることで徐冷する徐冷炉13と、を備えて構成される。
ガラス製造装置10は、ガラスの原料を溶解する溶解炉(図示せず)と、溶解された溶融ガラスを溶融錫上に浮かせて平坦なガラスリボンGを成形するフロートバス11と、リフトアウトロール12によってガラスリボンGをフロートバス11から引き出した後に、ガラスリボンGの温度を徐々に下げることで徐冷する徐冷炉13と、を備えて構成される。
徐冷炉13は、例えば、電気ヒータHにより、その出力が制御された熱量を炉内の必要位置に供給して搬送ローラ14で搬送されるガラスリボンを常温に近い温度域までゆっくり冷却することで、ガラスリボンGに内在する残留応力をなくし、ガラスに反りや割れが発生するのを抑制する作用を有する。上記した化学強化処理は、この徐冷炉13内で、実施され得る。即ち、ガラス素板は、フロートバス11によりガラスリボンを成形する成形工程と、徐冷炉13によりガラスリボンを徐冷する徐冷工程を経て製造され、徐冷工程において、ガラスリボンに上記した化学強化処理が行われる。
例えば、図4に示すように、徐冷炉13のガラスリボンGの温度が約400℃~530℃に対応する位置に、溶融塩バス15を設け、搬送ローラ14の位置を調整することで搬送されるガラスリボンGが溶融塩バス15に溜められた溶融塩を通るようにしてもよく、図5に示すように、徐冷炉13のガラスリボンGの温度が約400℃~530℃に対応する位置に、溶融塩を吹きつける噴射装置16をガラスリボンGのトップ面側及びボトム面側に設け、搬送されるガラスリボンGが噴射装置16から噴射される溶融塩にさらされるようにしてもよい。符号20は化学強化を行う領域を大気雰囲気、N2雰囲気などに保つための雰囲気ガス供給装置であり、符号21は溶融塩を吹き飛ばすエア供給装置である。
上記した化学強化処理が行われたガラス素板は、所望の形状に切断する切断処理や面取り処理等の加工処理が行なわれた後、さらに化学強化処理(二次化学強化)が施され、所望の強度を有する化学強化ガラスとなる。扱い傷を抑制するための化学強化処理(一次化学強化)後の化学強化処理(二次化学強化)により、化学強化ガラスにおける圧縮応力層深さは、15μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましく、40μm以上が特に好ましい。また、表面圧縮応力は500MPa超が好ましく、550MPa以上がより好ましく、600MPa以上がさらに好ましく、700MPa以上が特に好ましい。具体的には、例えば、425~465℃の硝酸カリウム(KNO3)溶融塩に2~4hr浸漬させる。なお、ガラス素板は必ずしも二次化学強化処理が行われる必要はない。言い換えると、ガラス素板は化学強化用ガラスであってもよく、化学強化用ガラスでなくてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
表2に示すガラスについて、厚さ0.7mmのフロート板を40mm四方に切り出し、硝酸カリウム(KNO3)で1分間又は3分間、化学強化処理を行い、圧縮応力深さ及び表面圧縮応力の値をそれぞれの面(A,B)につき1点ずつ表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)で測定した。結果を表3に示す。
表2に示すガラスについて、厚さ0.7mmのフロート板を40mm四方に切り出し、硝酸カリウム(KNO3)で1分間又は3分間、化学強化処理を行い、圧縮応力深さ及び表面圧縮応力の値をそれぞれの面(A,B)につき1点ずつ表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)で測定した。結果を表3に示す。
表3の結果から、溶融塩の温度及び浸漬時間を調整することで、実際に圧縮応力層深さが浅く、表面圧縮応力が大きい化学強化ガラスが得られることが実証された。なお、サンプル1の圧縮応力層深さは、圧縮応力層深さが浅いため測定が困難であったものと考えられ、本来であればもう少し浅いものと考えられる。
また、サンプル4は、500℃の硝酸カリウムに3分間保持することで化学強化したものであるため圧縮応力層深さが12μmとなっているが、例えば500℃から450℃まで冷却しながら化学強化することで圧縮応力層深さを小さくすることができる。即ち、この場合、サンプル4は、500℃から450℃の温度域で3分間保持されることになり、500℃で3分保持する場合と450℃で3分保持する場合の中間程度の圧縮応力層深さになることが想定される。
表1に示すソーダライムガラスについて、厚さ0.7mmのフロート板を40mm四方に切り出し、硝酸カリウム(KNO3)で1分間又は3分間、化学強化処理を行い、圧縮応力深さ及び表面圧縮応力の値をそれぞれの面(A,B)につき1点ずつ表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)で測定した。本装置では圧縮応力層深さが浅いため、表面圧縮応力、及び圧縮応力層深さが測定できなかった。しかしながら、表面応力計において縞が観測されたことから、応力が入っていることは確認できた。
一方、ソーダライムガラスについて、厚さ0.7mmのフロート板を40mm四方に切り出し、硝酸カリウム(KNO3)で2時間化学強化処理を行い、圧縮応力深さ及び表面圧縮応力の値をそれぞれの面(A,B)につき1点ずつ表面応力測定装置(折原製作所製FSM-6000)で測定した。その結果、両面の平均値は表面圧縮応力が572MPa、圧縮応力層深さが15.4μmであった。化学強化は時間を延ばすと応力緩和により表面圧縮応力は低下する傾向が見られることから、1分間又は3分間の化学強化処理後の表面圧縮応力は、2時間の化学強化処理後の表面圧縮応力572MPaより高いと推察される。また、圧縮応力深さは強化時間の1/2乗に比例するため、1分間又は3分間の化学強化処理後の圧縮応力層深さは、2時間の化学強化処理後の圧縮応力層深さ15.4μmより、それぞれ1.4μm、2.4μmと推察される。
以上説明したように、本実施形態の溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷と同時に化学強化し、切断して得られるガラス素板によれば、圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であるので、ガラス表面にクラックが発生しにくく、扱い傷を抑制することができる。また、圧縮応力層が浅いことで、後の加工処理時にガラスが割れることが抑制され、扱い傷の発生を抑制しつつ、その後の処理を円滑に行なうことができる。さらに、ガラス素板の段階で既に化学強化されているので、ガラスリボンがガラス素板に切断されるまでの搬送工程での扱い傷も抑制することができる。仮に、ガラスリボンが化学強化される前の段階で、例えばリフトアウトロールによりガラス表面に傷が発生した場合でもその後に化学強化処理が行われることで、扱い傷が最終製品に影響を与えるほど大きくならないうちに強化を行うことができ、その後の扱い傷の発生を抑制することができる。
このガラス素板は、例えば、400℃~530℃の溶融塩にガラス素板を0.5~3分間浸漬させる又はさらすことで化学強化することで製造され得る。
また、オンライン上で化学強化処理が行われることで扱い傷の発生を最も早い段階で抑制することができる。また、一度冷却したガラス素板を再度加熱する必要がないので、製造工程を簡略化でき、製造コストを抑制することができる。
また、上記した化学強化処理(一次化学強化)後に、さらに化学強化処理(二次化学強化)することで、最終製品としての圧縮応力層の深さ及び最表面の圧縮応力を適宜調整することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
例えば、本発明のガラス素板(化学強化ガラス)は、ディスプレイ装置のカバーガラスに限らず、自動車のフロントガラス等の種々の用途に適用することができる。
例えば、本発明のガラス素板(化学強化ガラス)は、ディスプレイ装置のカバーガラスに限らず、自動車のフロントガラス等の種々の用途に適用することができる。
本出願は、2012年12月19日出願の日本特許出願2012-276839に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10 ガラス製造装置
11 フロートバス
12 リフトアウトロール
13 徐冷炉
14 搬送ローラ
15 溶融塩バス
16 噴射装置
G ガラスリボン
H 電気ヒータ
11 フロートバス
12 リフトアウトロール
13 徐冷炉
14 搬送ローラ
15 溶融塩バス
16 噴射装置
G ガラスリボン
H 電気ヒータ
Claims (8)
- 溶融ガラスを連続的に板状に成形し、その後徐冷と同時に化学強化し、切断して得られるガラス素板であって、
圧縮応力層を有し、該圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超であることを特徴とするガラス素板。 - 大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする請求項1に記載のガラス素板。
- 溶融ガラスを連続的に板状に成形して得られたガラスリボンを徐冷する工程において、徐冷後の圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるように化学強化し、その後ガラスリボンを切断することを特徴とするガラス素板の製造方法。
- 前記ガラス素板の大きさが300mm×300mm以上であることを特徴とする請求項3に記載のガラス素板の製造方法。
- 前記溶融ガラスを溶融金属上に浮かせて板状に成形し前記ガラスリボンを得ることを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス素板の製造方法。
- 圧縮応力層の深さが12μm以下、且つ、最表面の圧縮応力が500MPa超となるようにガラス板を化学強化する一次化学強化工程と、
前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス板を、さらに化学強化する二次化学強化工程と、を備えることを特徴とする化学強化ガラスの製造方法。 - 前記ガラス板はフロート成形法により製造され、
前記一次化学強化工程は、オンライン上で行われることを特徴とする請求項6に記載の化学強化ガラスの製造方法。 - 前記一次化学強化工程と前記二次化学強化工程との間に、前記一次化学強化工程で化学強化されたガラス板を加工する加工工程を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の化学強化ガラスの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
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-
2012
- 2012-12-19 JP JP2012276839A patent/JP2016028987A/ja active Pending
-
2013
- 2013-12-13 WO PCT/JP2013/083467 patent/WO2014097986A1/ja not_active Ceased
- 2013-12-19 TW TW102147261A patent/TW201429898A/zh unknown
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