WO2014030366A1 - 非接触コネクタ - Google Patents
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Abstract
Description
また、固定側から回転側への非接触電力供給には、回転トランスで対応することが多く、回転側と固定側との対向空間内に設置される電力用器材と光路構成用器材の占有スペースの最小化が共に求められている。
前記した課題を解決するため、本発明の請求項1は、
筐体に、収納され固定された固定体と筐体に収納され、前記固定体に対し回転軸を中心に回転する回転体において、前記回転軸に略直角な、回転体の平面上に配置された発光器と、発光器に対向するように固定体上に配置された受光器との間で、空間光路を構成して非接触回線を行う非接触コネクタにおいて、
回線対象の回線信号に対応して、前記回転体上の電源で駆動される光源の出力を前記発光器から前記回転軸に略平行に出光し、前記受光器で受光した後、前記受光器出力に接続された光結合体で合成して光源を捕捉することによって、新たな光源である新光源を生成した後、前記新光源から外部出力端子上に前記光源を復元し回線すること、を特徴としている。
これにより、例えば、回転体上の光源から、固定体上に光結合体を用いて生成した新光源に対して回線を行う光通信回線系(新光源回線系)を構築することによって、高速度の回線信号に対する、多チャネルで、かつ同時、双方向性能を持つ回線が可能となる。
前記回転軸を中心とする一つの円上に、光源を捕捉するように並べた受光器の複数の出力光を結合する機能を持つ光結合体で合成して、固定体上に移送した新たな光源、即ち、新光源を生成して回線する、ことを特徴とする。
これにより、例えば、回転体上の光源を、円周方向に広く分布した特性を持つ新光源に光結合体を用いて変換することによって、光信号の新光源を固定体上に生成することができる。
前記新光源から切換前の光源を選択した後、切換前の光源と今後切換えようとする光源とを合成し、光源を確保している捕捉光源を生成して、切換前の光源と今後切換えようとする光源との間で切換を行って、外部出力端子上に光源を復元すること、を特徴としている。
これにより、例えば、新光源に対し光源捕捉と捕捉切換を行うことによって、回線信号の時間軸に瞬断を発生させることなく外部出力端子上に光源を復元することができる。
新光源を出力する前記光結合体と前記光結合体の発光部位に対向させて設置する新受光器とを、回転軸回りの固定体の円周上に、均等に設置し、選択した新光源から前記光結合体を用いて光源の捕捉を回転体側で行って、特定チャネルの光源を復元して光回線すること、を特徴としている。
これにより、例えば、新光源に対して、回転体上で特定チャネルの光源を復元する回線系、即ち、回転体上復元系による光回線を構成できる。
光源を捕捉している光信号の新光源を、通信用受光素子を用いて光源を固定体上で復元し、電気信号で回線すること、を特徴としている。
これにより、例えば、新光源に対して、固定体上で、光源捕捉と捕捉切換を電気的スイッチで行うことによって光源を復元する回線系、即ち、固定体上復元系による電気回線を構成できる。
回転軸を中心とする一つの円上に光源を捕捉するように並べたN個(Nは整数)の受光器に対応する前記光結合体の出力に、光学系及び光学的スイッチを適用して、空間光路を構成して光回線系を構成すること、を特徴とする。
これにより、例えば、新光源に対して、固定体上で、光源捕捉と捕捉切換を光学的スイッチで行うことによって光源を復元する回線系、即ち、固定体上復元系による光回線を構成できる。
N個の前記受光器から発出し、前記受光器に対向させて回転体上に設置した回転側受光器に入力する光信号のnチャネルの回線信号を、電気信号の回線信号の位置で切換え、nを最大とする回線系を構成すること、を特徴とする。
これにより、例えば、新光源を「固定側にある新たな光源」と捉える回線系が構成でき、前記した新光源を介する回線系と逆の構成が可能となる。この回線系ではチャネル切換は発光側で実施することになる。
受光器出力から通信用受光素子を用いて電気信号の新光源を生成した後、光源を固定体上で復元し電気信号で回線すること、を特徴としている。
これにより、例えば、電気信号出力の新光源を、光結合体を適用せずに得ることができる。本復元系の位置付けは、請求項2の光信号出力の新光源に代え、電気信号出力の新光源を得る点にある。
発光機能と受光機能の切換が可能な光半導体素子を用いて構成した、前記発光器と前記受光器を円周上に光源を捕捉するように混置して、前記回転体と前記固定体間で双方向の空間光路を構成し、同時通信性能と双方向通信性能を得ること、を特徴としている。
これにより、例えば、発光機能と受光機能という双方向性を持つ発光器と受光器を用いることによって、多チャネルの同時双方向回線系を構成することができる。
1.多チャネルで同時双方向通信性
多チャネルで高速のデータ信号を同時に、かつ、双方向に回線することが可能である。また、光回線と電気回線を任意の組み合わせで実施できる。
2.コスト
高価な受光素子の必要数が、光回線方式や発光側切換方式では、チャネル数のみとなるので、最低限の数量とすることができコストダウンできる。
3.展開性
本非接触コネクタは、挿抜可能な構造に変更することによって、ブラインド メーティング型コネクタ(非目視下で脱着可能なコネクタ)等の他分野器材への展開性がある。
●構造と機能
本非接触コネクタ(10)は、回線対象である回線信号(7)に対応して発光する、回転体(1)上の光源(11)から固定体(2)上の受光器(31)に向けて、空間光伝送により通信系を構成することによって、回転体(1)から固定体(2)へ回線を行う回線器材である。
図1は、本発明が適用される非接触コネクタ(10)の一例である。
図1は回転軸(4)を含む平面での断面図を示している。
非接触コネクタ(10)は、図のように回転体(1)と固定体(2)が対向設置されて筐体(3)に収納され、固定体(2)は筐体(3)に固定されて、回転体(1)が固定体(2)に対し回転軸(4)を中心に回転する構造である。
発光器(21)は、回転体(1)の、回転軸(4)に直角な平面上に設置され、発光器(21)が内蔵するコリメータ等の光学系により光源(11)からの出力光に光学的な成形を行うと共に、固定側の受光器(31)に向けて回線信号(7)の持つデータ信号を、空間光路を介して送出する機能を有している。しかし、光源(11)の形態に対応して光学的成形の必要のない場合には、発光器(21)は光学系を持たない形態であってもよい。
回転側電源(5)は、大別すると、充電式電池などのように、固定側電源(6)から常時には給電を受けない方式と固定体(2)側にある固定側電源(6)から常時給電される方式とがある。更に、固定側電源(6)からの給電方式には、回転トランス(120)、或いは光発電等の非接触給電方式、他にスリップリング等の接触給電方式の二つがある。このとき、いずれの方式の電力源も回転側電源(5)とすることができるが、その設置位置や構造はそれぞれの方式の制約事項に関係するので、それぞれに対応した位置や構造とする必要がある。図では上記の電源の中の、充電式電池の場合が示してある。
固定体(2)は、受光器(31)、光結合体(50)、通信用受光素子(61)、固定側電気回路部(210)、外部出力端子(66)及び固定側電源(6)から構成される。
さて、固定体(2)上に空間光路を経て伝送される光信号の回線信号(7)は、受光器(31)に入光し、光結合体(50)に導光され結合作用を受けた後、光信号のままで回線される場合(光回線)には光信号で、また、電気信号として回線される場合(電気回線)には通信用受光素子(61)によって電気信号に変換された後、固定側電気回路部(210)に入力されて回線信号間のチャネル切換等の処理がなされ、外部出力端子(66)に接続される。その接続操作によって、回線信号(7)が非接触コネクタ(10)の外部出力信号(8)として出力され回線系が構成される。
まず、受光器(31)は、回転軸(4)に垂直な固定体(2)の平面上に、回転体(1)に対向して設置され、集光機能と入射光に対するコリメーション等の光学的成形機能を有しており、その出力が、光結合体(50)に接続される。このとき、受光器(31)からの出力光を入力とする光結合体(50)は、一般的な光カプラ(501)が光通信時に持つ、入光側から出光側への一方向的な光信号の流れしか与えない特性や入光量の分岐、結合機能を有している。
本発明では、この機能を用いて、回線信号(7)に対する分数演算(分岐)や加算演算(結合、或いは合成)を行う光回路を構成する。
一方、光回線の場合には、光結合体(50)の出力が直接、固定側電気回路部(210)に入力され、固定側電気回路部(210)で光路切換等が実行される。
いずれの場合も、固定側電気回路部(210)の出力が外部出力端子(66)に接続され、非接触コネクタ(10)の外部出力信号(8)として出力される。
そして、固定側電源(6)は前記したように回転側電源(5)への電力送出電源であると共に通信用受光素子(61)と固定側電気回路部(210)の電力源であるが、前記と同様に既存の多種の電源が適用可能なので、その設置位置や構造を特定して描いてない。
従来の特開2002-75760号は、切換元と切換先の受光している二つの受光素子出力を直接切換えるという回線方式である。
この切換方式では、高速度信号への課題に加え、発光素子から受光素子に向かう空間光路に対し、反射鏡等の光学系を適用していないので、それぞれを対向する空間内の直線上に配置しなければならないという制約があった。
従って、本非接触コネクタ(10)への要求は、高速度信号に対応可能で、設置場所に制約を受けない、最少数の発光素子や受光素子で回線系を構築すること、と言える。
本発明における回線とは、回転体(1)上にある光源(11)を固定体(2)の外部出力端子(66)上に復元し、外部出力信号(8)として非接触コネクタ(10)から出力する操作工程を意味する。
図2(1)~(3)に空間光伝送による、回転体(1)と固定体(2)との間の回線状況を示す。図は、回転体(1)上に2個の光源(11)(2チャネル系)、固定体(2)上に6個の受光器(31)が設置され、回転軸(4)に平行な空間光路が2本構成されている状態を表している。また、図は、回転軸(4)に略直角(紙面内)で、回転体(1)と固定体(2)の間にある、受光面上の到達光源域(25)と受光可能域(35)とを示している。即ち、図は、受光器(31)の受光可能域(35)を、円Oの円周上に「隙間なく並べる」ことによって構成される受光可能域(35)と到達光源域(25)の配置を示している。即ち、光源(11)の出力光が発光器(21)から出力され、受光器(31)の受光面に到達した光源(11)の存在域(以下、到達光源域(25))を円形で表し、LD1及びLD2とし、固定体(2)上にある受光器(31)の受光可能域(35)も円形で表し、Li1~Li6(Light inletの略)と符号を付してある状態である(到達光源域の形状を円として到達光源円(25)とも呼ぶ。受光可能円(35)も同様)。すると、図は、円Oが光源(11)の移動軌跡、6個の小円が円Oの円周上に隙間なく並べられた受光可能域(35)、2個の縞模様の小円が到達光源域(25)を表している。図は、到達光源直径≦受光器受光直径という条件(後述)のうち、到達光源域の直径≒受光可能域の直径、として描いた幾何学的関係を表している。
このとき、図2(1)は、光源LD1がθ=30°の位置にあって、Li1とLi2の双方の上に等分に存在する状態、図2(2)はθ=60°の位置で、Li2の真上に存在する状態、そして図2(3)がθ=90°の状態を表している。
さて、受光器(31)Li1~Li6の出力側には、それぞれに1本の光ファイバ(56)(以下、Plastic Optical FiberよりPOF(56)と略)が接続され、図2(4)に示す状態にある。即ち、POF付き受光器(31)で、受光器出力がPOF出力に変わる。(因みに、上記の切換方式ではPOFが存在せず、Li1~Li6の出力が直接受光素子に導光される状態である)。
さて、上記のPOF出力を結合する光結合体(50)について説明する。
まず、光結合体(50)は、図2(5)に示すように、入力用のPOF(56)、光カプラ(501)、及び光カプラ(501)からの出力を外部に取り出す部位である新発光器(22)から構成される。ここで、光カプラ(501)は、市販の光ファイバカプラ(以下、Plastic Optical Fiber CouplerよりPOFCと略)でも、導波路型光カプラであっても、或いは、複数の光信号を結合する機能を持った独自の構造体であってもよい。
以下では、POFCに限定する必要はないが、具体的なイメージを描き易いので、この光結合体(50)を、図2(6)に示すようなPOFCとして説明していく。
さて、図2(6)には6入力1出力のPOFCを光カプラ(501)の一例として描いてあるが、L本の入力とk本の出力を持つPOFCをL入力k出力POFC、或いはL×kPOFC等と以下では記述する。すると、図2(6)は、6本のPOF(56)の出力を、6×1POFCの入力口にそれぞれ接続することによって、6個の入力光を1本のPOFに結合して新発光器(22)から出力する光回路を表すことになる。
このとき、例えば、6×1POFCの6個の入力肢のPOFの代わりに、m×1POFCやその側面から入光可能なPOFに置換する形態も考えられる。これは、受光器数の増加要求に対しPOFをPOFCに置換することによって応える、光回路の構成法の一例と言える。
また、L=k=1の場合、1×1POFC(55)と表すが、その形態は1本のPOFである。
ここで、新発光器(22)からの出力を受光する通信用受光素子(61)の特性に対応するために、新発光器(22)がレンズやコリメータ等の光学系を持つとしてもよい。但し、新発光器(22)自体が必要ない場合もありうる。
光源LD1が受光器Li1の真上にある状態(一致状態)を、図2(1)に記入してあるように、回転体(1)の回転角のθ=0°位置(原点)とし、CW(時計方向)方向を正回転とする。留意すべきは、θがLD1の回転角である点で、LD2はθにバイアス角を付すことになる。
さて、受光可能域(35)はPOFやPOFCの光学的特性によって決まるが、到達光源域(25)は発光器(21)が持つコリメータやアパーチャ等の光学系や光路長によって調整できる。従って、これらにより、固定体の円Oの円周上に受光可能域(35)を隙間なく設置できるので、受光器(31)は円周上の光源(11)出力を逸失することなく受光できる構造にできる。
以上から、図2の到達光源域(25)と受光可能域(35)を、発光器(21)或いは受光器(31)が、それぞれ、それらの位置に存在するとみなして、以下では、到達光源域(25)を発光器(21)、受光可能域(35)を受光器(31)とみなして説明していく。
例えば、図2(1)に示した受光器Li1とLi2の上に存在する光源LD1の出力は、受光器Li1出力とLi2出力の和を得れば、和の中に光源捕捉した状態になる。即ち、受光器Li1出力とLi2出力の和を得る操作を、光源捕捉と呼び、和が捕捉光源(14)となる。また、図2(2)の場合には受光器Li2単独の出力が捕捉光源(14)になる。このとき、捕捉光源(14)は「光源の持つ情報、例えば、撮像カメラ(99)の画像等のデータ」を受光器が受信した信号になる。
以下では、捕捉光源は和の形態として扱っていく(単独の形態も同様に扱えばよい)。
さて、光源を捕捉するためには「光源(11)が二つの受光器(31)の上に必ず存在する幾何学的条件」を設定しておく必要があり、2点ある。
一つは、到達光源円(直径)≦受光可能円(直径)という関係である。図2は上記の幾何学的関係の一例として、到達光源直径≒受光器受光直径、として描いてあり、光源LD1とLD2が回転側にあって、回転軸(4)をO点とする円の直径の両端上にある。一方、受光器(31)は、固定側にあり、その回転側の円Oと同一半径の円周上に、LD1とLD2に対向するように6個が設置してある。
上記関係式の不等号(≦)の理由は、図2(2)において、逆の場合を想定すれば分る。即ち、光源径が受光径より大きければ、LD1とLD2がそれぞれ、3個の受光器(31)に跨ってしまい、2個の受光器では光源捕捉できなくなると共に混信が発生するからである。
以上から、光源捕捉と混信回避のためには、まず、到達光源円直径≦受光可能円直径という到達光源域と受光可能域の大きさに関する幾何学的条件が明らかになった。
光源捕捉は2個の受光器に対し1個の光源という条件であれば成立するので、ここでは、「入光ゼロ状態の受光器」を設定することにより、混信回避を行う数量条件を考察する。それには、光源が2個の受光器に跨った状態と1個の受光器の上にのみ存在する状態、の二つを個別に検討すればよい。何故なら、到達光源円直径≦受光可能円直径という条件から、光源が捕捉された状態では、1個の光源が2つの受光器に跨った状態と1つの受光器の上にのみ存在する状態の2つの存在状態しかないからである。
まず前者の(跨る)場合には、図2(1)から分る様に、Li6=Li3=0とする設定である。即ち、CW回転の場合、光源LD1に対してはLi3=0、光源LD2に対してはLi6=0とする配置である。次に、CCW回転の場合には、光源LD1に対してはLi6=0、光源LD2に対してはLi3=0とする配置になる。この場合、Li6=Li3=0という配置は光源LD1と光源LD2に共用されていると捉えることもできる。
次に、後者(単独)の場合には、図2(2)から、Li1=Li3=0及びLi4=Li6=0とする設定である。この場合の配置も共用と捉えてもよい。
さて、後者の、「左右2個ずつを入光ゼロ状態の受光器とする配置」は、実は、前者の、「左右1個ずつを入光ゼロ状態の受光器とする配置」に包含され、同一配置になる(図2(1)と図2(2)は実は同じ配置)。即ち、後者は前者の設定で自動的に成立する。
以上から、光源数と受光器数に関する混信回避の幾何的条件は、「光源が跨る2個の受光器の左右に入光ゼロ状態の受光器を1個ずつ共有する配置」と要約でき、1個の光源に対して3個の受光器が対応することといえる。
これから、光源数或いはチャネル数nと受光器数Nを満たす幾何学的関係は、下記(1)式になる。
まず、光源LD1の発光器からの全出力光量をP1とし、その光強度分布は一様とする。また、光源LD1は、図2(1)のように受光器Li1と受光器Li2の双方の上に存在しており、受光器(31)の受光面上にP1が減衰や損失なくそのまま空間伝播され存在している状態とする。すると、光源LD1の全出力P1は、出力光量がXの部分光源とYの部分光源とから構成されており、部分光源Xが受光器Li1に、部分光源Yが受光器Li2に入光している、と考えることができる。
或いは、光強度分布が一様であるから、光源LD1の全出光面積がP1であり、部分光源の受光器への出光面積がXとYと考えてもよい。
さて、この光源の空間伝播を光損失等のない状態で行えば、2つの部分光源の光量和は入射した全光量と等しくなるので、下記(2)式が得られる。
さて、(2)式が成り立てば、逆に、光源LD1が受光器Li1と受光器Li2の上に存在することになる。従って、(2)式が光源捕捉の関係式といえる。
また、(2)式は、受光器Li1から部分光源Xが出光し、受光器Li2から部分光源Yが出光して、その和がP1に等しい、とみなすこともできる。即ち、(2)式におけるXを受光器Li1からの出力光量Li1とし、Yを受光器Li2からの出力光量Li2とすれば下記の(3)式が得られる。
また、(3)式は、情報伝送という視点から見れば、二つの光源Li1とLi2に分かれて存在する光源情報が和の形態の捕捉光源(14)に伝送される、とみることができる。
光源捕捉状態の継続とは、最初は、「Li1とLi2の出力の双方で生成される捕捉光源」と「Li2とLi3の双方で生成される捕捉光源」との間の光源(11)の受渡し操作を意味し、捕捉切換と呼ぶ。
さて、最初、Li1とLi2の双方で生成される捕捉光源を切換元光源とし、その後、Li2とLi3の双方の上に移動した捕捉光源を切換先光源と呼ぶこととする(即ち、時間的には切換元光源⇒切換先光源の順に捕捉光源となる)。
すると、この切換元光源から切換先光源への切換において、「切換先光源と切換元光源で構成する捕捉光源」を生成して、切換先光源から切換元光源への切換操作を行えば切換時も光源捕捉を維持できる、との論理になる。
そこで、捕捉切換時も光源捕捉しているこの光源を「切換時光源(15)(切換時も光源を維持した光源)」と呼ぶこととする。即ち、受光器切換という動的状態における「切換先光源と切換元光源で構成する捕捉光源」の意であって、捕捉切換は切換時光源に対して実施する、という手法である。
切換時光源の機能は、捕捉切換操作中の光源捕捉の維持である。
維持機能を次の二つに区分する。即ち、一つが、切換元光源と切換先光源の回線信号(7)の時間軸の接続機能であり、他が、それぞれの回線信号(7)の状態量(例えば、撮像カメラのビデオ信号の大きさ)を光源捕捉可能な値に制御して接続する機能である。
まず、二つの回線信号の時間軸を滑らかに接続する機能を切換時光源に付与する手法について説明する。
この手法に、一般的には、MBB(Make Before Break contacts)型切換時動作、即ち、「先入れ後切り型切換動作」と呼ばれる切換法を適用する。MBBは、切換元光源を(α)、切換先光源を(β)と表すと(α)から(β)に切換えるときに、(α)=(β)という、いわゆる、スイッチング デバイスにおける導通(同値)化操作と、(α)から光源(11)が消失する前に、(β)に光源(11)の情報を伝送する切換動作順序を意味している。ここでは、前者の導通(同値)化操作をスイッチング操作、後者の切換動作順序を「MBB型切換順序」と呼ぶ。
これにより時間軸の滑らかな接続が可能となり、回線信号(7)の連続性が確保できる。
次に、切換元と切換先の回線信号に対し光源捕捉可能な状態量を確保する機能であるが、これが「切換時光源の形態」である。
以下で、切換時光源の形態について説明するが、まず、切換操作開始時点において(α)は捕捉光源でなくてはならない。次に、捕捉切換操作後の時点では(β)は、外部に出力する必要から捕捉光源でなくてはならない。
さて、生成すべき切換時光源には、次の#1と#2の二つの形態がある。
(α)と(β)の双方が捕捉光源である場合の形態で、切換時光源は(β)=(α)の形態(或いは、#1の形態)と呼ぶ。
この切換時光源は、(α)と(β)の二つの捕捉光源間で、光源(11)の受渡し操作が行なわれるときに、一旦、二つの捕捉光源が同値になる状態(β=α)を介して光源が移動するという切換状況に対応する。
また、この時の切換順序は、前記したMBB型切換動作順序である。
・#2;(β+α)の和の形態
(β)が捕捉光源でない場合と(β)が捕捉光源である場合の双方に適用できる形態で、(β+α)の形態(或いは、#2の形態)と呼ぶ。
この切換時光源は、(α)と(β)の二つの捕捉光源間で、光源(11)の受渡し操作が行なわれるときに、二つの捕捉光源の和の中で光源が移動するという切換状況に対応する。
このときも、(α)から(β)への切換手順は、(β+α)の切換時光源を生成した後、MBB型切換順序で行う。
以下の切換時光源の「位置」は、#1の形態に対しては、図2(2)のように光源がLi2 の真上にある位置、#2の形態には、図2(3)のように光源がLi2 とLi3 の双方上に等分にある位置となる。
●(Li1 とLi2 )間及び(Li2 とLi3 )間にそれぞれPOFC(51)がある構造
この場合、α=(Li1 +Li2 )、β=(Li2 +Li3 )になるので以下となる。
●(Li1 とLi2 )間及び(Li3 とLi4 )間にそれぞれPOFC(51)が存在する構造
この場合、α=(Li1 +Li2 )、β=(Li3 +Li4 )になるので以下となる。
固定側に捕捉光源(14)を生成し、新たな光源、即ち、新光源(13)と呼ぶ。その目的は、本来の光源(11)にない特性の付与にある。
そして、この新光源(13)を用いた回線系の構成法を「新光源法」と呼ぶ。
さて、新光源法による回線系の構築工程は二つに分けられる。
一つが、回転体(1)から固定体(2)上へ光源(11)を移送する、新光源の生成工程である。他が新光源から光源(11)を外部出力端子(66)上に復元する、光源の復元工程である。
最初に前者の新光源の生成工程、次に後者の光源の復元工程を説明する。
ここで、新光源生成工程に対する要求は、回転側の光源(11)と等価な光源を固定側に生成することである。
まず、新光源の出力信号の種類について説明するが、2種類ある。
一つは、POFC(51)を用いて生成する「光信号の新光源」であり、他が、POFCを用いずに、光源からの発出光を、直接、受光素子で受光した後、その出力を用いて生成する「電気信号の新光源」である。
後者の電気信号の新光源の特性は、光信号の特性に包含される。
さて、新光源を以下のように3種類に分ける。
・連続型新光源(100);全ての隣り合う受光器出力間で生成する捕捉光源で、円周方向の空間分布幅が一定となる特性を持つ光源群。
新光源Aと略す。図3(1)参照。
・分離型新光源(200);隣り合う受光器出力間で生成と非生成を交番する捕捉光源で、円周方向の空間分布幅が回転位置によって変化する光源群。
新光源Bと略す。図3(2)参照。
・移送型新光源(300);単独の受光器出力から生成する捕捉光源で、捕捉光源を受光器位置から新発光器(22)位置まで、光源を移送させる特性の光源群。
新光源Cと略す。図3(3)参照。
さて、図3は、図2のLi6 円とLi1 円の接点と回転軸を含む平面による展開図である。
まず、新光源Aは、受光器Li2 の真上に光源がある時には、捕捉光源(Li1 +Li2 )と捕捉光源(Li2 +Li3 )の出力を、対称に、同時に生成する光回路とするために、受光器Li2 の出力は2分岐される。従って、受光器の2分岐出力を結合する構造の図3(1)になり、この光回路で生成される捕捉光源群が連続型新光源(100)である。
次に、新光源Bは、各受光器出力を2分岐せずに捕捉光源を生成する構造であって、光源が受光器Li1 とLi2 の上にある時には捕捉光源(Li1 +Li2 )は生成されるものの、Li2 とLi3 の上にある時には、捕捉光源(Li2 +Li3 )は生成されない図3(2)の光回路となる。従って、捕捉光源が生成される位置が分離された形態の分離型新光源(200)になる。
次に、新光源Cは、受光器(31)と新発光器(22)を図3(3)のようにPOF(56)で接続して生成する捕捉光源群。即ち、受光器出力をそのまま新発光器出力にする光回路構造であり、新光源Aと新光源Bの特性比較時の基準となる。
このとき、その出力の名称と値をA1 ~A6 と呼び、総合してはA信号と呼ぶ。従って、同図に示すように、捕捉光源A1 ~A6 が新光源A1 ~A6 となる。
次に、新光源Bは、図3(2)から明らかなように、受光器Li1 とLi2 の出力を2×1POFC(51)で、受光器Li3 とLi4 の出力と受光器Li5 とLi6 の出力も同様にそれぞれをPOFC(51)で結合した光信号である。即ち、図2(5)における光カプラ(501)を2×1POFCとして構成した光回路である。そして、この光回路出力の名称と値をB1 ~B3 と呼ぶ。この新光源も同様に、捕捉光源B1 ~B3 が新光源B1 ~B3 となる。
また、新光源Cは、図3(3)では、1個の受光器出力を1本のPOF(56)を介して1個の新発光器(22)に接続する光回路の出力である。即ち、図2(5)における光カプラ(501)を、1本のPOFとして構成した光回路である。
さて、新光源A、BのPOFC(51)をそのY字の形状からY字光回路と呼ぶこととし、その符号をY1 ~Y6 等とする。新光源CはI字光回路と呼ぶ。
以下では、回線信号(7)が2チャネルで構成されているとし、そのうちの第1チャネルの回線信号をCh1とし、その光源をLD1、その出力をP1と略記する(第2チャネルをCh2、LD2、P2)。
図4は新光源A(上図)と新光源B(下図)の生成状況を示し、図2と同一状況を平面展開した図である。図4は、光源と受光器は図2のように上面から、POFC(51)で構成される光回路は図3(1)や図3(2)のように側面からの視点で描いた新光源の生成光回路である。
さて、図4(1)は、図2(1)に対応し、光源LD1がθ=30°の位置にあって、Li1とLi2の双方の上に等分に存在する状態、図4(2)は、図2(2)に対応し、図4(3)が図2(3)に対応する状態を表している。
上記のうち、0°≦θ≦60°の代表位置として、図4(1)の状態を例にとり、新光源(13)の出力値を求める。
図4(1)のように、2個の受光器Li1 とLi2 の双方の上に跨って存在する光源LD1 に対して、受光器Li1 とLi2 のそれぞれの出力を、(1:1)の分岐比の2×1POFC(51)で分岐するとして考察する。
さて、受光器Li1 とLi2 の双方の出力に対し、(3)式を適用すればLD1 の新光源出力は下記(5)式のように表せる。
次に、 0°≦θ≦60°の位置での特性を求めると、(5)式に対し、受光器Li6 =0、Li3 =0とすることになるので、下記(5a)式になる。
即ち、(5)式が、新光源Aの出力特性式、と言える。
さて、(5a)式に基づき特定の角度におけるA1 ~A4 の値を計算してみる。
・@θ=0°;Li1=P1、Li2=0になり、A1=A2=P1/2、A3=0
・@θ=30°;Li1=Li2=P1/2になり、A1=P1/4、A2=P1/2、A3=P1/4
これらの計算値を図5のLD1 の0°≦θ≦30°の範囲に示す。
ここで、図5は、縦軸が光源LD1 の存在する回転角度位置θを、横軸がPOFC(51)のA1 ~A6 の出力位置を意味する。即ち、図5はLD1 の存在する角度位置における、図4の新光源AのA1 ~A6 位置での出力値を表すことになる。
さて、LD1に対応する新光源の出力特性は、上記の計算手順を30°以上の更なる回転位置に対し、同様な操作を繰り返すことによって計算できる。更に、光源LD2に対しても同様に展開できるので、2チャネルの新光源Aの出力特性は図5になる。このとき、図5には光源LD1の新光源列を黒い太枠で囲い、光源LD2分を網掛けして示してある。
さて、図5を基に、回転に伴う黒枠の移動状況を説明する。
まず、0°≦θ≦60°にあるときには、光源(11)は図5のLD1の太黒枠で囲った3個の新光源列(A1,A2,A3)の中に捕捉されている。次に、60°≦θ≦120°の間に移動するときには、LD1の存在域を示す黒枠が、(A1,A2,A3)から(A2,A3,A4)に変化して、黒枠が左下方向に移動していく状況を表している。
光源LD1がLi1とLi2の上に存在する、0°≦θ≦60°では、新光源AはLi1出力とLi2出力の和で光源捕捉する構造であるので、(5a)式を適用すれば次のようになる。
次に、この新光源列の中での光源(11)の情報伝送をLD1の新光源列(A3,A2,A1)*を例にして、説明する。
*)(A3,A2,A1)の逆順序表示は、図5の中の、横軸の新光源の配列順との整合性を優先して表記するためである。
ここで、「相当」と付すのは、(A4,A3,A2)等のような移動位置での新光源も同様に呼ぶからである。
さて、中央光源の新光源は、(5)式から、A2=(Li1+Li2)/2、と表されるから、光源(11)の出力値としては常に、半分の大きさ(=P1/2)になるものの、情報量としては受光器Li1と受光器Li2の捕捉光源(=(Li1+Li2))そのものであるので、Li1とLi2の双方の光源情報、即ち、全光源情報を持つ捕捉光源といえる。即ち、新光源Aでは、光源情報は単独では中央光源にある、ということになる。
次に、図5は、回線信号(7)は2チャネルで構成されているとしているから、180°で完全にチャネルが入れ代わる構造となっている(0°≦θ≦180°のパターンと180°≦θ≦360°の間のパターンが同一)。
そして、1個の光源が3個の新光源から構成されるため、180°の角度範囲内が、更に、60°毎の三つのパターンに分けられることも示している。
図4上図の新光源Aとの最大の違いは、新光源Bは、二つの受光器間にPOFC(51)が存在しない箇所があるので、図3(1)の6個の新光源Aの中の、A3(=(Li2+Li3)/2)、A5及びA1に相当する新光源が存在しない点になる。
さて、(5)式に対応する、新光源Bの計算式を求める。
LD1がLi1とLi2の双方の上にある、0°≦θ≦60°の状態における出力式を記せば、下記(7)式になる。
・θ=0°のとき;Li1=P1、Li2=0、Li3=0、Li4=P2、Li5=0、Li6=0になるので、B1=P1、B2=P2、B3=0
・θ=30°のとき;Li1=P1/2、Li2=P1/2、Li3=0、Li4=P2/2、Li5=P2/2、Li6=0になるので、B1=P1、B2=P2/2、B3=P2/2
全角度範囲における新光源Bの出力特性を図6に示す(新光源Aの図5に対応)。図6は、図5と同じ表構成で、各角度における新光源Bの出力値を、光源LD1の捕捉域を黒い太枠で囲い、光源LD2分を網掛けして示してある。
新光源Aは、(Li1 とLi2 )の間及び(Li2 とLi3 )の間にそれぞれPOFC(51)が存在する構造であるから、(4-1-1)式及び(4-1-2)式から、θ=60°においては、α=(Li1 +Li2 )、β=(Li2 +Li3 )になる。
一方、(Li1 +Li2 )と(Li2 +Li3 )は、それぞれ、(6-1)式と(6-2)式を用いればA信号で表せるから、α=(A1 +A2 +A3 )、β=(A2 +A3 +A4 )となる。従って、新光源Aのθ=60°における切換時光源は、次の二つの形態になる。
(i)#1の形態の切換時光源を構成しているとみなす場合
この場合には、(4-1-1)式から、α=β、即ち、(A3 +A2 +A1 )=(A4 +A3 +A2 )という状態は、図4(2)上図から明らかなように、(A2 )=(A3 )=P1 /2、となる。これから、二つの捕捉光源が同値になる状態を経て新光源群が生成され等価になる、と考えることができる。因みに、θ=60°では、(A2 )と(A3 )は共に中央光源であるから捕捉光源となり捕捉切換が可能となることになる。
(ii)#2の形態の切換時光源を構成しているとみなす場合
この場合、(4-1-2)式から(β+α)の切換時光源は次の様に表される。
これらから、θ=60°の位置において、光源(11)が#1或いは#2の形態の切換時光源を構成し、捕捉切換をMBB型順序で実施することによって、新光源Aを生成している、と捉えることができる。
即ち、#1と#2の形態のいずれの切換時光源に対しても新光源Aの生成工程を説明できることから、新光源Aの生成過程は、光源(11)が回転するに伴って新光源(13)が自動的に切換っていくことによって等価な新光源が生成される状況となることが分る。
その結果、光源情報の連続性が確保され等価な光源となる、といえる。
新光源Bでは、前記したように(Li2+Li3)という捕捉光源は存在せず、(7)式に示したように、(Li1+Li2)=(B1)、(Li3+Li4)=(B2)となる。従って、(4-2-1)式で述べたように、α=(Li1+Li2)、β=(Li3+Li4)となる。
従って、新光源Aと同様に以下のように新光源Bが生成されるとみることができる。
(i)#1の形態の切換時光源を構成しているとみなす場合
この場合には(4-2-1)式から、θ=90°では、(B1)=(B2)=P1/2、という二つの捕捉光源が同値になる状態を経て新光源群が生成され等価になると考えることができる。
(ii)#2の形態の切換時光源を構成しているとみなす場合
この場合の切換時光源は、60°≦θ≦120°(60°を含む)においては次のようになる。
光源(11)から受光器(31)に向う空中光路の存在する空間を「光源空間」と呼ぶと、図2(1)~(3)は、受光可能域(35)を隙間なく並べた光源空間における回線状況図ともいえる。
一方、新光源は円周方向に分布した状態で、光源に同期して回転するので「新光源空間」を構成すると捉えることができる。
そこで、新発光器(22)から、新光源を受光するために新たに設置する新受光器(32)に向う、新光源(13)の空中光路の存在する空間を「新光源空間」と呼ぶ。すると、新光源空間において回線を行うには、新受光器(32)の受光可能域を隙間なく並べる構造とすればよいことになる。
これは、新光源空間を光源空間とは別の位置に構成すれば、「光伝送を行う空間の移動」ができることを意味する。
これから、新光源法による回線系は、光源空間と新光源空間において空間伝送を行うから、計2度の空間伝送を行うということになる。
因みに、この視点から前記切換方式をみると、切換方式は光源空間内の1度のみの空間光伝送を行う回線系と言うことができる。
さて、新光源空間における新光源分布を表すために、(受光可能域ではなく)到達光源域(25)を隙間なく並べた平面を図7(1)に示す。
図7(1)を、図2(1)~(3)と同様に2チャネル系として説明する。
まず、到達光源円(25)の大きさを、到達光源円に対し張る中心角の大きさで定義する。即ち、到達光源円が回転中心O点からこの円を見込む角度の大きさを持っている、という意味である(受光可能円も同様)。例えば、図2(1)における受光可能円は、円Oの円周上に「隙間なく設置」されているから、Li1からLi6までの、各受光可能円の中心角の6個の和で360°を構成することになる。
従って、∠Li1を受光器(Li1)の受光可能円の中心角を表すものとすれば次のようになる。
次に、光源LD1の大きさは、到達光源円直径≒受光可能円直径と設定したから、LD1の到達光源円の中心角は受光可能円の中心角に等しく、60°となる。即ち、光源LD1は「光源空間」の中に中心角60°の大きさを持つ、といえる。
さて、図2(1)~(3)は光源(11)と6個の受光器(31)とで構成される光源空間の中での回線状況図と解釈してきた。しかし、図2(1)~(3)を図3(3)のように、受光器(31)に接続された1×1POFCから出力される新光源Cの展開図とみることもできる。すると、(8)式を「新光源空間」における新光源(13)の関係式とみることができる。その結果、新光源空間での到達光源円の大きさも60°と言える。
従って、到達光源円の大きさに関し次のようにいえる。
・「新光源空間」の新光源(13)の到達光源円=「光源空間」の光源(11)の到達光源円=60°
今、「光源空間」と「新光源空間」における光源の大きさの比を拡大比率と呼べば、図3(3)の新光源Cの拡大比率=1となる。以下では、新光源Cのこの特性を新光源Aと新光源Bの特性比較時の基準とする。
[新光源Aの場合]
新光源Aの到達光源円の大きさは、新光源(A1)の到達光源円の中心角を∠A1と表し、(8)式と同様に記述すれば、下記(8A)式が得られる。
∠A1=∠A2=∠A3=∠A4=∠A5=∠A6=60°といえる。
これから、「新光源空間」における新光源の配置は、図7(1)のようになり、図2(1)~(3)における受光器を新光源で置換した配置と同じになる。
上記から、新光源空間における3個の新光源(13)の大きさは下記になる。
留意すべきは、光源(11)がθ回転するとき、光源に対応する3個の新光源(13)が3θ回転するのではない、と言う点である。これは、光源の存在角度範囲が3倍大きい状態で、同期回転しているという空間構造を意味している。例えば、図2に示される、中心角=60°を持つ光源LD1が60°回転すると、図7(1)に示される、LD1に対応する3個の新光源A1~A3が180°の角度範囲を占めながら60°回転することになる、という意である。
これから、新光源空間において、新光源の切換を行うとき、3個の新光源のうち(光源情報を持ったA2相当の)中央光源は切換を行わずに残しながら、右光源(A1相当)、或いは左光源(A3相当)等の片端の新光源で切換を行うことが可能となり、連続性を確保した回線ができることになる。
新光源Bは新光源Aの場合と同様に扱えばよい。
2チャネルの新光源Bは(7)式のように表されるので、新光源の到達光源域が隙間なく並べられる平面位置では、
従って、新光源Bの新光源空間における出力分布特性は図7(2)に示すようになる。図は、新光源Bでは、光源LD1がLi1とLi2に跨って存在している角度範囲内では、(Li1+Li2)の出力は(B1)という値が続くことになるため、新光源空間の120°の角度範囲は出力一定(出力一様)という特性に対応する。
次に、1個の光源LD1の新光源空間における分布範囲は、新光源Bの場合、新光源Aのように円周方向に対して対称ではないため二つになる。
明らかに、光源(11)が、受光器(Li1とLi2)の上にあるときには、「新光源空間」での占有角度範囲は、∠(B1)=120°となるが、例えば、θ=90°の位置では、二つの受光器(Li2とLi3)の上にあることになるので、図4(3)からも分るように「新光源空間」での占有角度範囲は、∠(B1+B2)=240°となる。
一方、「光源空間」での光源LD1の大きさは60°であるから、拡大比率は2と4の二つがあり、角度位置により変わる。即ち、新光源Bは、拡大比率が2倍の区間、或いは4倍の区間を交代させながら回転していることになる。
即ち、新光源Bは、新光源空間において、2倍の状態(B1)から2倍の状態の(B2)に移動するとき、4倍の状態(B1+B2)において新光源を切換えることによって、情報伝送を行い連続性を確保する構造となっている。
本非接触コネクタ(10)の回線工程は、二つに分けられ、一つが新光源生成工程で、他が上記の新光源群からの光源(11)の復元工程、即ち、光源復元系である。両者は「光源捕捉と捕捉切換」法の応用と捉えることができる。
さて、前記では切換時光源は、特定の角度位置で切換元光源から切換先光源に捕捉切換を行える捕捉光源と説明した。これは、逆に、特定の角度位置以外では、切換元光源、或いは、切換先光源になるという特性を持つことを意味し、その内部にチャネル切換用のスイッチ手段を持った光源と言える。従って、復元工程は切換時光源の生成と切換時光源に対するチャネル切換といえ、図8のようになる。
図8は、受光器(31)出力から新光源(13)を光結合体(50)で生成し、次に、新発光器(22)出力から構成した切換時光源(15)に対しチャネル切換を行って外部出力端子(66)から、非接触コネクタの外部に出力する復元系を表している。図中、新発光器(22)から出力される破線は新光源の光出力を表し、切換時光源(15)から外部出力端子(66)に出力される太い矢印は光信号、或いは電気信号を意味している。
また、この復元操作は、新発光器(22)、光学系(41)、新受光器(32)及び外部出力端子(66)から成る新光源空間内で行われる。このとき、光学系(41)を新発光器(22)、或いは新受光器(32)とは別個に設置する構造としても、或いは新発光器(22)や新受光器(32)自体を光学系とする構造としてもよい。
・切換時光源は光源の位置毎に一義的に定まり、そのうちの切換元光源は切換開始時には捕捉光源であるべきなので、切換先光源の形態が一義的に決定できる論理になる。
そこで、この切換先光源の形態決定法を、以下で説明する。
このとき、光源復元系における切換時光源の形態を#2の(β+α)の和の形態として考察する(#1は容易に得られるからである)。
・新光源Aの切換時光源は、前記した(4-3)式のように表された。
すると、切換元光源は捕捉光源でなければならないので、その形態は、中央光源を持つ(A1+A2+A3)と(A1+A2)の二つしかない。なぜなら、新光源Aの場合、前記したように、単独で光源捕捉が可能なのは中央光源(A2)のみだからである。
・新光源Bの切換時光源は、前記した(4-4)式から(B1+B2)となるので、切換元光源は(B1)の形態となる。
・新光源Aに対しては、(A2+A3+A4)の形態((A1+A2)は省略)
・新光源Bに対しては、(B2)の形態
新光源A及び新光源Bの復元光源の生成法には下記の2種類がある。
特定の光源(11)、例えばLD1の復元光源を外部出力端子(66)に出力するとき、
・##1;LD1の復元光源のみを生成し外部出力端子に出力する方法
・##2;生成されたLD1及びLD2の復元光源の中からLD1の復元光源を選択し、切換えて外部出力端子に出力する方法
このとき、##1の方法の復元系を「回転体上復元系(80)」と呼び、##2の方式を「固定体上復元系(90)」と呼ぶ。
回転体上復元系とは、回転体(1)上の光源(11)を回転体上で捕捉し復元する回線系を意味する。これは、いわゆる、同速で並走する二つの運動体の相対運動の状態に相当し、回転体上で光源を見れば、「光源は止まって見え、同じ光源、例えば、LD1のみを見ている」状態となる。従って、捕捉される光源(11)は特定の1個、例えば、LD1のみとなる。
次に、固定体上復元系(90)について説明する。
固定体上復元系とは、新光源(13)を固定体(2)上でPOFC(51)等で捕捉し復元する回線系である。このとき、光源(11)が複数個ある場合には捕捉切換が必要になる。
さて、以上では、回転側から固定側に向かう通信系として述べてきたが、逆方向の通信系の新光源法による構成も可能であることは言うまでもない。
これらはいずれも新光源空間内における切換時光源(15)の構成例といえる。
システムI ;「光信号の新光源」による片方向の回線系
システムII;「電気信号の新光源」による片方向の回線系
システムIII;双方向の回線系
このうち、システムI は、更に、下記の分類番号#1~#4の回線系に分類される。
分類番号#2;電気的スイッチによる電気回線の固定体上復元系
分類番号#3;光学的スイッチによる光回線の固定体上復元系
分類番号#4;電気的スイッチによる電気回線の固定体上復元系の逆回線系
「光信号の新光源による回線系」の4例を#1→#4の順に説明する。
分類番号#1 ・・・(新光源A系)
分類番号#1では、新光源Aに対する回転体上復元系(80)、即ち、新光源A系を示す。
図9(1)に示す、回線信号(7)が2チャネルの新光源A系を例に全体像を説明する。図9(1)の中央の横棒が光源選択器(40)を表しており、その上部に示されるA1~A6が図4(1)と同一の新光源出力である。さて、同図は「新光源空間」に展開した新光源A1~A6に対し、光源選択器(40)と呼ぶ光学系で最大3個の新光源を選択し、6×1POFC(53)に向けた新光源光路を生成して構成される新光源A系を示している。
回線時、安定した光路を構成するために、新光源A1~A6を出力するPOFC(51)の先端には新発光器(22)を、6×1POFC(53)の先端には新受光器(32)を装着した状態が描いてある。
図9(2)が、図9(1)に示す新光源A系の構造と機能を表している。
図9(2)の上図が新光源A1~A6の到達光源域(25)の配置状態を示し、下図が円Oの中心から120°の範囲の側面図を示している。光源選択器(40)はその光学系(41)を円板状光通過窓(411)(後述)として描いてある。まず、図9(2)上図に示されている、新光源A1~A6は、新発光器(22)から出力され、新光源空間内の光路を経て、新受光器(32)の受光面上での到達光源域A1、A2・・・A6として描かれている。これは、図7(1)に示した新光源空間における新光源の配置と同一である(図7(1)と異なり、到達光源域が円O上に隙間無く並べて描いてない理由は後述)。ここで、到達光源域A1、A2・・・A6のすぐ下には新受光器(32)が存在している状態である(描出省略)。
次に、図9(2)では、空間光路は回転軸(4)に平行に紙面内下方に進行するので、新光源の到達光源円と新受光器の受光可能円の位置関係は図2(1)~(3)と同様な配置となる。これは、新受光器(32)の受光面上における到達光源円A1~A6と新受光器(32)の受光可能円との幾何学的な配置が、図2(1)~(3)の光源(11)と受光器(31)の配置と同一にできることを示している。
従って、図9(1)と(2)は、本来の光源(11)を、新光源A1、A2・・・A6に代えた新たな光通信系、即ち、新光源空間内における空間光伝送系を表していることになる。
次に、新発光器(22)は、内蔵するコリメータ等により新光源(13)の出力光に光学的な成形を行い光信号を発出する光学的機能部位で、前記した発光器(21)と同等に扱える。
しかし、新光源(13)によっては光学的成形を要しない場合もあり、その場合には新発光器(22)は光学系を持たない形態となる。
次に、新受光器(32)は、3n×1POFC(53)の各入光口に設置され、新発光器(22)との間で空間光路構成を行う光学的機能部位である。
最初に、光源(11)との連動性を確保するため、新光源(13)の配置位置と光通過窓位置の設定を行う。まず、図9(2)の新発光器(22)は、図2(1)~(3)における受光器Li1~Li6と同じ設置方向、CW(時計方向)で、同じ設置順、Li1→Li6に、そして均等間隔に設置する。これらの措置により、新発光器(22)から新受光器(32)に向かうLD1とLD2の新光源光路が構成される。以上から、新光源A1~A6と新受光器(32)の幾何学的配置は、図2(1)~(3)の光源と受光器の配置と同一に扱うことができるようになる。この結果、光源(11)の光源空間と新光源(13)の新光源空間が連動することになる。
また、図9(2)に示されているように、新発光器(22)と新受光器(32)が回転軸(4)を中心とする、同心で、同径の二つの円の上に対向して設置されており、光透過窓(411)が回転体(1)上に設置されているので、新発光器(22)から新受光器(32)に向かう光路が回転体と同期回転する構造、即ち、回転体上復元系(80)、が構成される。
従って、図9(2)の光通過窓の部分(白い部分)ではLD1の光源光はPOFC(53)に入光し、LD1光源のみが選択され、遮光構造部分(ハッチング部)では、LD2の出力光はPOFC(53)への入光が遮光されることによって、復元光源はLD1のみとなる(LD2も同様)。これは、図9(1)に示される光源選択器(40)が、その幅分の光源のみを選択して左右に移動する状況に対応する。このように、光通過窓(411)が復元光源の選択手段となるので光源選択器(40)と呼ぶ。
光源選択器(40)の機能は「切換時光源の生成と捕捉切換の実施」である。
混信を回避するために設定する、120°幅の通過窓を持つ光源選択器による捕捉切換を以下説明する。
さて、θ=60°の位置における切換時光源(15)は(4-3)式から、(A1+A2+A3+A4)となるが、このとき、A1=A4=0となっている。
従って、回転体が、θ=60°の位置からθ=(60+Δθ)°の位置(Δθ;僅少角度の意)に移動するときには、新光源A1とA4からは光信号が出力されていないので、光通過窓の端の部分の新光源A1とA4の切換が起きるとき、不連続の発生や端部でのボケ等の問題は生じないことになる。従って、光通過窓(411)は、θ=60°において、切換時光源(A1+A2+A3+A4)を生成し、スムーズな捕捉切換を行っていける、ということになる。
これから、この回転体上復元系(80)における捕捉切換は、光量の存在しない新光源の切換えという切換操作になる。これから、この回転体上復元系の本質は捕捉切換という「切換」の文字が付されているものの、切換ではなく「常時接続」といえるので、高速度信号への対応が可能となる。
さて、図2(1)~(3)の受光可能域(35)、或いは図7(1)の到達光源域(25)は円O上に隙間無く並べて描いてあるのに対して、図9(2)の中の新発光器(22)からの到達光源域は円O上に隙間無く並べては描いてない。何故なら、この新光源Aの出光位置がPOFC(51)の新発光器(22)に限定され、前記した光源(11)のように円周上に連続して存在する状態にならないので「受光域を隙間無く並べる」必要がないからである。新発光器(22)の発光口と新受光器(32)の受光口とを正対位置に設置することによって「受光域を隙間無く並べる」目的が果たされているからである。
本来、発光器の到達光源域(25)や受光器の受光可能域(35)を隙間無く並べる目的は、光源を逸失することなく送受するための幾何学的措置であるから、到達光源域或いは受光可能域1個分未満の隙間なら存在しても光源の逸失は生起しないので、到達光源域や受光可能域を文字通り隙間なく並べる必要はないといえる。
新光源Aに対する回転体上復元系では、光源選択器(40)で捕捉切換を行って回線系を構成している。これは、新光源空間は回転軸周りに設置する必要はあるものの、加算用の3n×1POFC(53)の適用によって固定側電気回路部(210)を回転軸周りに設置する制約からは解放される。また、本回転体上復元系は「光回線」であるから、非接触コネクタ(10)を「光回線」と「電気回線」との組み合せ運用もできることになり、利便性向上の効果がある。
分類番号#2では、新光源Bに対する電気回線の固定体上復元系(90)、即ち、新光源B系を示す。本固定体上復元系では、図8に示される切換時光源(15)の生成と捕捉切換を電気信号で実施する。
さて、捕捉切換とチャネル切換は同じ切換操作を意味しているが、前者が「捕捉光源の切換」という切換操作上からの用語であるのに対し、後者は「回線信号のチャネルの切換」という運用上からの用語といえる。即ち、捕捉切換をチャネル切換の実施法と捉える。
さて、図10(1)と図8とを対比すれば明らかなように、図10(1)は、図中のB1~B3が新光源Bの出力であり、B1~B3から外部出力端子(66)に至るまでの工程が図8の中の切換時光源(15)に相当する復元工程を表している。即ち、図10(1)中で「MBB型スイッチ回路(63) OR MBB型加算回路(64)」と表した電気回路が、切換時光源の生成回路に相当する。
そして、その切換時光源(15)の細部は、図10(2)と図10(1)を比較すれば明らかなように、図10(2)の上図が、#1;(β=α)の形態、下図が、#2;(β+α)の形態の切換時光源(15)の生成回路となる。
従って、図10(1)の切換時光源の出力は、正確には、図10(2)上図の導通回路(631)、或いは下図の加算回路(641)の出力になる。
まず、捕捉切換回路の構成表を図10(3)に示す。
構成表の中の回線系(60)は、この分類番号#2で電気回線系(62)が、分類番号#3で光回線系(72)がそれぞれ示される。従って、表中の光回線系分は後述することになるが、先に、併記しておくこととする。
ここで、電気回線系(62)の捕捉切換回路が図10(2)に示すMBB型スイッチ回路(63)と加算回路(64)である。また、電気的スイッチ(65)はMBB型スイッチ回路(63)と加算回路(64)に共通機能部位であり、MBB型加算回路(64)はMBB型スイッチ回路(63)の導通回路(631)が加算回路(641)に代わったのみである。
すると、図10(1)は、新発光器(22)から出力されるB1~B3が光電変換された後、別途必要になるチャネル切換情報に基づいて、MBB型スイッチ回路(63)或いはMBB型加算回路(64)の中の電気的スイッチ(65)SW1~SW3で切換えられて、外部出力端子(66)のCh1に出力される電気回線系(62)の機能と構造を表すことになる。このとき、新発光器(22)と通信用受光素子(61)との間で空間光路を構成する構造も有り得る。従って、この分類番号#2の場合も、新光源空間内で空間光伝送は実施される、と捉える。
さて、電気的スイッチ(65)は、電気信号の切換用の電気スイッチであって、下記のMBB型切換動作順序(70)で作動する。
ここで、「MBB型切換動作順序」は、切換操作手順として、後段でも適用するので、MBB型切換動作順序(70)と符号を付し、以下に細部をまとめる。
θ≒60°の状態を例に、SW1~SW3の切換操作手順を示す。
・STEP1;0°<θ<60°のとき
SW1のみ「接」、SW2及びSW3は「離」
・STEP2;θ=60°のとき(切換操作の開始状態)
SW1は「接」のままで、SW2を新たに「接」にする。SW3は「離」のまま。
・STEP3;60°<θのとき(切換操作の終了状態)
SW2は「接」のままで、SW1を「離」にする。SW3は「離」のまま。
さて、図10(2)上図の導通回路(631)は、PD1を切換元光源、PD2を切換先光源と見なせば、(4-2-1)式の実施電気回路といえる。
次に、図10(2)の下図は、上図の導通回路を加算回路(641)に代えた、(4-4)式の実施回路であって、切換時光源(PD1+PD2)を電気的に生成する機能を持つと共に、電気的スイッチ(65)で捕捉切換を行う機能を持っている。
図6から、外部出力端子のCh1 の端子或いはCh2 の端子に接続されるべき復元光源B1 ~B3 (或いはPD1 ~PD3 )を選択すると図11になる。
即ち、図11は、チャネル切換時のチャネル切換表を意味する。但し、Ch1 は光源LD1 のチャネル番号を、Ch2 が光源LD2 のチャネル番号を表す。また、図11は、切換時光源の形態を、前記した「#2;(β+α)の形態」として構成してある(#1;(β=α)の形態)の場合は省略)。
図11の見方を説明する。
図11は、横軸が、外部出力端子(66)上にあるべき外部出力信号(8)、即ち、本非接触コネクタ(10)の出力を表し、縦軸がCh1 の光源LD1の回転角θを表している(Ch2 の光源の回転角は180°を加算)。従って、例えば、LD1 が0°≦θ≦60°にあるとき、Ch1 の光源LD1 が捕捉されている新光源は、最右上隅セルを見れば分り、B1の中、と得られることを表している。即ち、外部出力端子のCh1 には、B1(=PD1 )が接続されるべきであることを表している。即ち、Ch1 という出力光源を固定して、Ch1 の光源が捕捉される新光源名を記入した表が図11である。
さて、図11から、Ch1 の外部出力端子に接続すべき復元光源が、B1 →(B2 +B1 )→B2 →(B3 +B2 )→B3 →・・・となっていること、そして、Ch2 はCh1 に対して180°の位相差があるのみであることも分る。更に、図11からチャネル切換(捕捉切換)が120°毎に発現していることも得られる。
この発現理由は図4(2)下図を見れば明らかになる。
LD1 がθ=0°にあるときには、Ch1 の光源LD1 はB1に捕捉され、θ=60°の位置ではB1に捕捉されたままである。しかし、θ=120°の位置に移動したときには、LD1 はB2 に捕捉されることになるからである。即ち、新光源を生成する(Li1 +Li2 )と(Li3 +Li4 )の受光器の組が120°毎に設置されるという新光源Bに特有の光回路構造が120°毎の発現理由になる。
(i)「θ=60°で開始し、θ=120°で終了する捕捉切換」
切換時光源;#2の和の形態 ⇒ (B1+B2)=P1
(ii)「θ=90°で開始し、θ=90°で終了する捕捉切換」
切換時光源;#1の導通の形態 ⇒ (B1=B2=P1/2)
上記の切換時光源(15)に対する捕捉切換を考察する。
●切換時光源(15)の中の情報伝送
切換元光源から切換先光源への信号特性伝送のメカニズムを説明する。
0°≦θ<60°、即ち、60°未満の位置では、切換元光源B1はLD1の捕捉光源であるが、切換先光源B2はLD2の捕捉光源である。しかし、光源(11)がθ=60°の位置に至ったとき、(B1+B2)として生成した切換時光源は、このときB2=0となっているから、そのときには、(B1+B2)=B1となり、切換時光源に混入信号は入らない。即ち、θ=60°では、切換元光源と切換先光源が共にLD1光源のみになるので、切換時光源が生成でき、捕捉切換が実施できることになる。即ち、新光源Bの切換時光源(15)に対する捕捉切換は、切換時光源の中に混入信号(上記の場合にはLD2光源)が入らない位置にある間に光源捕捉を行い情報伝送する切換、と言える。
●切換タイミングと切換先
新光源Bは、B1=0の状態が、光量がゼロ、即ち、光量が無いという情報として通信用受光素子(61)の出力から検出できる。
これは、新光源Bでは「光量がゼロ状態」と「光量の存在するデジタル信号のゼロ状態(マンチェスタ符号化方式等)」との区分ができることを意味している。
即ち、『光量がゼロ状態の「0」』と『デジタル信号がゼロという状態の「0」』と区別できれば、本非接触コネクタ(10)の運用中に、本来の回線を阻害することなく、捕捉光源B1、B2及びB3に接続された通信用受光素子(61)の出力から、1個の「0」を検出して、捕捉切換タイミングを得ることができる。
この場合、新光源Bの固定体上復元系(90)は「内蔵型の切換タイミング情報出力器」を有している、といえることになる。
ここで説明する切換先光源の選定は、上記の『光量がゼロ「0」状態』というチャネル切換情報が適用できれば簡単に行える。この情報が適用できれば、出力が「0」になった通信用受光素子(61)自体が切換先光源ということになるからである。
これから、図11を用いて外部出力端子(66)に出力する切換先光源を次のように選定することができる。
Ch1及びCh2とも、
CW;(B1)⇒(B1+B2)⇒(B2)⇒(B2+B3)⇒(B3)⇒(B3+B1)⇒(B1)⇒・・・
CCW;(B3)⇒(B3+B2)⇒(B2)⇒(B2+B1)⇒(B1)⇒(B1+B3)⇒(B3)⇒・・・
例えば、0°≦θ≦60°の初期位置(始動時位置)を得ているときには、Ch1の外部出力端子に出力される切換元光源がB1であることは分っているので、新たに切換情報を得たときに、B2を切換先光源とする切換時光源にする、即ち、上記の(B1)⇒(B1+B2)を適用する、ということを表している。
nチャネル=(n-1)チャネル+1チャネル
これから、任意のnチャネルの場合の復元系に対しても対処可能といえる。
分類番号#3では、新光源Bと新光源Cに対する光回線の固定体上復元系(90)を示す。
本固定体上復元系では、図8に示される切換時光源(15)の生成と捕捉切換を光信号で実施する。即ち、新光源空間内に構成した空間光路中に光学的スイッチ(75)を適用して光源復元を行う回線系である。
さて、本回線系は、光結合体(50)、光学的スイッチ(75)、新受光器(32)及び外部出力端子(66)等から構成されるが、このうち、光学的スイッチ(75)は、光学系(41)に置換される場合や光学系(41)と併置される場合もありうる。
まず、図12(1)に、切換時光源(15)の生成光回路を示す。
図12(1)は、B1~B3から、新光源を出光する新発光器(22)に対向させて設置した、3個の入光量を結合する光源復元用の3×1POFC(52)との間に空間光路を構成し、その光路中に設置した光学的スイッチ(75)SW1~SW3によって光路を切換えて、外部出力端子(66)に出力するMBB型光回路(67)である。
ここで、光学的スイッチ(75)SW1~SW3の設置位置及びその作動手順は前記した図10(2)の電気的スイッチ(65)の場合と同一となる。このとき、MBB型切換動作順序(70)はSW1~SW3の「接」を「光量入光」状態、「離」を「光量非入光」状態と対応させればよい。
また、図12(1)の中の、光学的スイッチ(75)SW1~SW3を通過後、外部出力端子(66)に至る縞模様の光路は、POFC内を通る光路(POFC光路と略)、或いは空間光路を表している。
図は、図8と対比すれば明らかなように、図中のB1~B3が光結合体(50)からの出力であり、新発光器(22)から外部出力端子(66)に至る工程が図8の中の切換時光源(15)の生成とチャネル切換に相当する復元工程を表している。即ち、3個の新光源に、各々SW1~SW3を設置した後、復元用の2×1POFC(51)で、切換時光源(B1+B2)を生成し、外部出力端子(66)に出力するという回線工程である。このとき、本回線工程を、図12(1)のように3×1POFC(52)でも構成できることは言うまでもない。
次に、図12(2)の縞模様の光路も図12(1)と同じ光路構造を意味するが、これを図12(2)のθ=90°の状態を例にして説明する。
この状態では、LD1はB1とB2に出力するので、Ch1の回線系は、SW1とSW2を「接」、SW3を「離」とすることになる。このとき、2×1POFC(51)を用いる場合には、Y1の符号を付した2×1POFCで結合し出力することになる。一方、B1とB2の二つの光信号を通信用受光素子(61)で同時に受光して、(B1+B2)を得ることもできる。即ち、Y1の結合作用をPOFCではなく、受光素子の加算作用で代替することが可能となる(Y2の場合も同じ)。
これは、縞模様の光路をPOFC光路、或いは空間光路の何れとすることも可能である、ということを意味する。これから、図12(1)と図12(2)に示されているPOFCを通信用受光素子(61)による加算としてもよいと言える。
図12(2)の光学的スイッチ(75)の光路切換機能を、反射鏡が機械的に駆動される光学機構、即ち、機械的駆動鏡により実現する。
同図には、新光源としてはB1とB2のみが描かれているが、B3も同一構造であるので省略している。さて、図12(3)の駆動平面鏡スイッチは、図12(1)や図12(2)の光学的スイッチ(75)の位置に設置される。
図12(3)に示すように、平面鏡(76)に二つの回転位置を設け、一つの作動位置をCh1出力用、他の位置をCh2出力用とし、この平面鏡の作動位置の切換を行うのが図12(2)のSW1~SW3と考えればよい。
さて、図12(3)は平面反射鏡の回転式光学系であるので、図中の光学系(41)はZ軸(紙面に垂直)回りに回転する機構としている。従って、光路はXY平面内(紙面内)に構成される。図12(3)の上図は、B1を出力する新発光器(22)からの発出光が平面鏡で反射されCh1の新受光器(32)に入光している状態である。次に、チャネル切換開始の情報を受けると、下図のB2用の平面鏡が所定角駆動され、B2の出力光が平面鏡で反射されて、Ch1の新受光器(32)に入光し、(B1+B2)の光信号の加算が行われるという手順である(B2もB3も同じ)。
また、新受光器(32)の出力側の縞模様の光路はPOFC光路、或いは空間光路を意味する。
さて、図には光学的スイッチ(75)の入出力位置に、新発光器(22)と新受光器(32)がそれぞれ描いてあるが、適用しないとしてもよい。
上記から、2チャネルの通信系に対する平面鏡は、B1~B3に対応するために3個必要となり、互いに連動して駆動されるが、二つの角度位置のみでよい。これから、平面鏡駆動機構が、2値系のステップモータやON-OFF駆動機構でよいことになり簡素化できる。そして、このときの平面鏡の作動手順が前記したMBB型切換動作順序(70)になる。
次に、上記平面鏡は、図12(4)に示すように、ステップモータ等の回転軸を含む断面を平面鏡(76)に加工すれば光学系も簡素な構造となる。
この最終段階で「電気回線系」化する電気回線系(最終段階電気回線系と略す)と前段の分類番号#2の場合と比較してみる。
前段では、チャネル切換を、一旦通信用受光素子(61)で電気信号に変換してから行っていたのに対し、この最終段階電気回線系では光信号の状態で実施している。
この差異は受光素子数に表れ、受光素子は通常高価であるから、この最終段階電気回線系の方が、必要数が少ないので有利になる。
構成例を図12(5)に示すが、光源(11)の存在位置を、受光器(31)位置から、同じ固定体(2)上の新発光器(22)位置に移動させて復元系を構成することを目的の一つとしている。
図は、図8を基に構成したものであるが、新光源C1~C6が受光器Li1~Li6の単独出力から生成され、光学的スイッチ(75)に図12(3)と類似の機構を適用した回線系を表している。そして、新受光器(32)の出力側の縞模様の光路はPOFC光路、或いは空間光路の何れとすることも可能であるが、図では後者の空間光路として通信用受光素子(61)に入光させる構造を表している。
さて、図12(5)は6個の新光源C1~C6の全てに光学的スイッチ(75)を設置した構成を示している。これは6個の受光器に対し構成できる最大チャネル(4チャネル)の回線系を構成する場合の構造例である(分類番号#4、図17参照)。しかし、例えば、同じ6個の受光器に対し、2チャネル系を構成する場合には、図12(2)のように3個の新光源とすればよいから、新たな3個の光源を新光源Cから生成して光学的スイッチ(75)を設置すればよい。これにより、2チャネル系に対しては、光学的スイッチ(75)を3個に低減できることになる。
さて、図12(5)の縞模様の光路は通信用受光素子(61)に6本の光路が同時に入光するように描いてあるが、図12(2)のように2本の光路に分解しても構成することができる。
従って、3個の新光源の生成を、図12(2)のようなPOFCではなく、図12(3)に示した光学的スイッチ(75)、或いは、それにレンズ等の光学的機能を付与した光学的スイッチで行って、回線系を構成するとしてもよい。
しかし、光学的スイッチ(75)のない1チャネル系の場合には、新発光器(22)と新受光器(32)の、それぞれにレンズ等の光学的機能を与えて新光源を生成するとしてもよい。
さて、以上では、6個の受光器出力から、6個、或いは3個の新光源を生成して回線系を構成する例を述べたが、新光源Cに対しては、N個(Nは整数)の受光器からn個(nは整数、N>n)の新光源を生成して構成する回線系に拡張することができる。
また、図12(5)には通信用受光素子(61)の適用例が示してあるが、その通信用受光素子の位置に、光信号で出力する受光器材を設置して光回線系を構成することもできる。
固定体上復元系(90)に光学的スイッチ(75)を適用した光回線系の効果は、その光学的スイッチ(75)の設置場所が、回転体上復元系(80)の光源選択器(40)のように回転軸(4)周りとする制約から解放される点にある。また、通信用受光素子(61)の必要数も、前記したように電気的スイッチ(65)を適用した場合より低減でき、回転体上復元系(80)の場合と同数の最小値(今の場合には、2個)になる、という効果がある。
そして、「固定体復元系‐光回線」は、新光源Bと新光源Cに対する光回線系の構築を可能にするから、これによって、新光源A~新光源Cの全てに対し光回線系の構築を可能にするという効果がある。
一つは、光源径と受光径に関する特性である。
図12(2)の回線系は簡略化すると図12(6)になる。更に、図12(6)の3個の光学的スイッチ(75)を全て「接」とし、6個の全ての受光器出力を単独化して1チャネル系化すれば図12(7)のように表せる。
このとき、図12(7)、図12(6)及び図12(2)に示される光回路を、2×1POFCを1単位としてその数量(本数)を数える。
そのために、2×1POFCの結合作用部に白丸(○)を付す(図12(2)は図12(6)と等価なため付していない)。すると全て5個となっている。この白丸数と2×1POFC(51)の本数とは等しいので、構成数は共に5本といえる。
図12(7)において、Li1~Li6の6個の受光器出力は全て2×1POFCに接続されているので白丸(○)がそれぞれ対応している。しかし、図中のLi6とLi5の二者のみは双方が1本の2×1POFCに入光し白丸を共有している。そのため、受光器数に対して白丸数は1個減ることになり、それに対応して2×1POFCの必要数も、常に1本少なくなる。
従って、Li1~LiNという任意のN個の受光器になった場合には、Li6がLiNに変更になるのみであるから、上記と同様に言うことができる。
一方、図12(7)に光学的スイッチを付加し、スイッチの作動条件を設定すれば図12(6)に戻ることができるので、1チャネル系としては図12(7)は図12(6)に等価と言える。また、図12(7)の白丸を一点に集中させれば図2(6)の6×1POFCになるので、6×1POFCは5本の2×1POFCで構成できる、といえる。
また、図12(5)の新光源Cに対する回線系は、6個の受光器(31)と1個の通信用受光素子(61)で構成する大きな6×1POFCとみなすことができる。従って、図12(5)の回線系も5本の2×1POFCで構成できる、といえる。
要約すれば、N個の受光器から構成される新光源B及び新光源Cに対する回線系は、共に、(N-1)本の2×1POFC(51)で構成できる、といえる。
これは、図12(2)や図12(5)の回線系を(1)式と(2)式に基づいて構成してきたからといえる。そして(1)式と(2)式が、光源径と受光径、即ち、到達光源円(25)と受光可能円(35)の間に、到達光源円(直径)≦受光可能円(直径)という幾何学的関係の下で構成した回線系に共通する条件であることを意味している。
即ち、分類番号#1、#2及び#3の新光源法による回線系は、光源空間と新光源空間の双方において空間伝送を行うという特性である。これは、新光源空間を光源空間とは別の位置に構成できること、即ち、光源の移動ができることを意味し、非接触コネクタ(10)の細径化等に必須の特性と言える。
分類番号#4では新光源Bと新光源Cに対する固定体上復元系(90)の逆回線系を示す。ここで、逆回線系とは、新光源(13)を回転体に向けての発光要素に、回転側にあった光源(11)を逆機能の受光要素に変更して光源空間内に構成する回線系である。
さて、光源空間内において、回転側に発光要素を置く回線系を順方向回線系(順方向系と略)、固定側に発光要素を置く回線系を、逆方向回線系(逆回線系と略)と呼ぶことにする。
共に、nチャネルの回線系を構成対象とするが、併記してみる。
・順方向回線系;回転側にあるn個の発光器から、固定側にあるN個の受光器に向けた空間光路で回線
・逆方向回線系;固定側にあるN個の発光器から、回転側にあるn個の受光器に向けた空間光路で回線
今、新光源B系を2チャネル系とすると、新光源はB1~B3の3個で、その到達光源域(25)が隙間なく並べられる平面上の出力特性は前記の図7(2)になった。
そこで、今、図7(2)に示した到達光源域(25)を、新光源B生成用の2×1POFC(51)を逆に用いて、回転体(1)上に設置した回転側受光器(33)の受光面位置に光学系や光路長等で調整して生成する。即ち、1×2POFC(51)として用いて、図7(2)のB1~B3の各120°の角度範囲を得るわけである。すると、この1×2POFC(51)から出光された到達光源域(25)は、図13(1)に示される状態になる。即ち、図7(2)のB1~B3の各120°の角度範囲が、二つの60°の角度範囲を持った到達光源域(25)で構成される状態になる。
すると、2×1POFC(51)を逆方向の1×2POFC(51)として適用することになるから、新光源Bを用いて構成した逆回線系は図13(2)となる。
さて、図13(2)の1×2POFCは、図4の下図に示した2×1POFCとは光の入出力特性が、構造的にも、機能的にも逆になるように適用される。ここで、図4下図は、前記したように固定側にある受光器Li1~Li6の受光面上に、回転側にあるLD1とLD2からの到達光源円が存在する状態を表していた。一方、図13(2)は、受光器(31)からの破線で表してある出力光(空間光路)が、回転側受光器(33)を表す太線(この太線の横幅長が受光可能円直径に対応)の位置に到達光源円を構成する状況を表している。このとき、受光器(31)は、固定側から見れば発光器といえるので、「受光器(31)からの出力光」と呼ぶ。実態としては発光器とすべきであるが、「受光器の逆方向運用」を表すために受光器(31)のままとする。一方、受光機能部位としては回転側受光器(33)として区分する。
即ち、逆方向系は「到達光源域を隙間なく並べて光源捕捉する」ことになるので、混信回避のために「到達光源域≧受光可能域」という幾何学的関係が必要になる。これは、前記した順方向系の関係とは逆になる。
さて、上記文中で「光源B1~B3」と記述したが、今までの順方向系の2×1POFC(51)の用法では、そのY字形のI部から出光した「新光源B1~B3」であった。一方、本用法では、このB1~B3は図中の1×2POFC(51)のY字形のI部(新発光器(22)の位置)からの入力光となるので「光源B1~B3」と呼び区別する。即ち、B1~B3は、今までの回線系でのLD1~LD2に相当する光源になるので、光源B1~B3と記述する(新光源B1~B3と「新」の文字の有無で区分する)。
従って、図13(2)と(3)が、固定側にある光源B1~B3という信号光が受光器(31)から発出し、回転体(1)上にある回転側受光器(33)に入光する光源空間光路を構成する逆回線系を表している、と言うことができる。
さて、図13(2)の回線系の構成法を説明する。
まず、図13(2)の逆方向回線系の切換時光源は、(B1 +B2 )となる。これは、順方向回線系の図12(1)と、同一といえる。従って、その切換時光源の生成回路は図13(4)になる。即ち、図13(4)は図13(2)の中の電気的スイッチ(65)と発光素子(9)による工程の詳細図である。また、図13(2)と(4)の固定体から回転体への空間光路は、共に破線で示してある。
さて、図13(4)と図12(1)の切換時光源の数式は(B1 +B2 )と同一であるが、スイッチの設置位置には差異がある。
上記の如く逆回線系では、チャネル切換を発光側で行うことになるから、図12(1)の中のSW1 ~SW3 が、B1 ~B3 の前段位置に移動し、回線信号(7)が電気信号の位置で切換えられる構成になる。すると、切換用スイッチが、図12(1)の光学的スイッチ(75)から電気的スイッチ(65)に代わる。
次に、図13(4)は、回転側受光器(33)による空間伝送光の加算状況を表している。空間光路の回転側受光器(33)への射入状況を破線の空間光路で示してある。まず、(B1 +B2 )を行い、次に(B2 +B3 )という順序である。それを表すために、図13(4)は、図12(1)のように受光素子(ここでは回転側受光器(33))に一点で集光する受光状況図としてはいない。これは、図13(4)のように表記しても、図12(1)のように表記してもよいからである。なぜなら、前記したように、1個の受光素子での加算とPOFCによる合成の効果は同一になるからである。
一つが、図9(2)のような、受光器(31)を回転軸回りに同心円状に配置して、回転軸(4)に平行に光路を構成する構造(平行光路構造)である。他が、図13(5)に示す、傾斜光路構造で、この特性は、各光路を回転軸(4)に直角な面に対し角度γ傾斜させて構成する、或いは、γ≒0として略直角に構成する傾斜光路構造であって、D/LとU/Lの受光器数や光路の光学的構造を同一とすることができる。図は、D/LとU/Lの双方共、#1と#2の二つの光路から構成される双方向2チャネル系を表している。
さて、今、D/Lに新光源Bの順方向系(図12(2))を、U/Lに逆方向系(図13(2))を構成する場合を例にとる。このとき、平行光路構造で、2×1POFC(51)を順方向系と逆方向系に共用した双方向通信系を構成することもできるが、この場合には、WDM(Wavelength Division Multiplexing)用機器等が必要になるのでコストやサイズに課題がある。
一方、共用させないで構成すると、順方向系の受光器数と逆方向系の受光器数は同じではなくなるので、D/LとU/Lにそれぞれに適した回線系の設計が別途必要になる。
しかし、傾斜光路構造であれば、2×1POFCを共用させない場合でも、同一の受光器数や光学的構造条件で設計を行うことができる。
新光源Cを図3(3)に示される1×1POFC(55)から出力する形態として構成した3チャネルの逆回線系を図13(6)に示す。
回線系の構造は、図13(2)に示す、新光源Bに対する逆回線系と同じである。これは、図13(2)の1×2POFC(51)を2本の1×1POFC(55)に代え、新光源を新光源Cに代えた回線系と見てもよい。
さて、図13(6)の作動工程は、3チャネル系であるから、まず、回線信号(7)のCh1、Ch2とCh3に対応する発光素子(9)への入力信号を電気的スイッチ(65)で生成することになる。次に、電気的スイッチ(65)からの出力に対応して発光素子で生成された、各チャネルの光信号が新発光器(22)に導光される。その導光された信号が受光器(31)から空間伝送光となって回転側受光器(33)に向け発出される、という工程である。
さて、この新光源Cに対する構成すべき逆回線系を、N個の受光器出力から構成される、最大チャネル数(nとする)の回線系と設定する。その理由は、最大チャネルの逆回線系が得られれば、最大チャネル数以下の回線系の構成にも対応できるからである。このとき、受光器数Nと構成可能な最大チャネル数nとの間には下記の関係がある。
・m1;B1~B3等から混信回避のために「ゼロ(0)を出力する受光器(31)」の数。ゼロ出力受光器数と略記。
・m2;B1~B3等から「同じチャネル番号の回線信号を出力する受光器(31)」の数。重複受光器数と略記。
逆回線系では、一つの受光器(31)から出光する光源は、「本来の回線信号(7)の光源」、「混信を引き起こす混入光源」及び「本来の回線信号(7)の光源と同一光源」の3種類しかなく、その3種類のそれぞれの光源数が、n、m1 、m2 になる。そして、「1個の受光器からは、その3種類の中の一つが出力される」という光回路構造といえる。
従って、N<n+m1 +m2 、であれば、nを実現するには受光器数が不足する状態になるから回線系の構成は不可能になり、逆に、N≧n+m1 +m2 、であれば受光器が冗長な状態になる。従って、(9)式のN=n+m1 +m2 、を満たすnがあれば、それは回線系を構成できる最大のnになると共に、受光器数に過不足のない状態の回線系が構成できたことになる。これから、m(=m1 +m2 )を「最大のnを達成するための調整用受光器数」と扱うことができる。
このようにしてNに対するnを得れば、「受光器出力から構成される最大チャネル数nの光回路構造」が一義的に定まることになる。これは、最大チャネルの回線系は、n以下のチャネル数の回線系を包含することを意味する。
換言すれば、最大チャネル数の回線系を構成する「N個の受光器から構成されるnチャネルの光回路構造」は、チャネル数が変化しても変わらない、と言うことになる。例えば、N=6のとき、n=4を得る光回路構造は、3~1チャネルの回線系に対しても同一、の意である。
そこで、以下で、最大チャネル数のnを、具体例を基に求めるが、それはmを求めることになる。何故なら、mが分れば(9)式からnを得ることができるからである。
この逆回線系は図13(3)に既に示してあるが、上記の最大チャネル系の視点から見ると、例えば、図13(3)のθ=30°の状況では、B2 とB3 から共にCh2 を出力すべき状態になるので、重複受光器数m2 =1になる。この状況では、m1 =0であるから、m1 +m2 =m=1となり、3=2+1が成立することになる。
ここで、m2 =1となる理由を説明する。
一つの回転側受光器(33)に入光する光源は最大2個しかない(∵ 逆回線系;到達光源円≧受光可能円)から、光源の1個を「本来の回線信号(7)の光源」に、他を「本来の回線信号(7)の光源と同一光源」として数えれば、「1個の受光器からは一種類の出力」となり受光器数としては過不足が無くなる。これは、m2 を「重複受光器の組の数」として扱ってもよいことを意味している(m1 の場合も同じ)。
次に、図13(3)のθ=60°のときには、B2 が「ゼロ出力受光器」に該当することになって、m1 =1になる。このとき、m2 =0であるので、m=1となる。B2 =0とする理由は、図13(3)から明らかで、このときにはB2 からの出力光がCh1 とCh2 の回転側受光器(33)に同時に入光する状況になるので、B2 =0としなければ混信が発生するからである。
以上を要約すれば、N=3、n=2の場合には、常に、m=1となる。
さて、各回転位置において、B1 ~B3 から出力すべき回線信号(光源)をまとめると図14になる。図中の表から明らかなように、θ=30°のようにB1 ~B3 の一つが回転側受光器の真上に来たときには、m2 =1、そして、θ=60°のように真上以外の位置では、m1 =1となる。従って、N=3の場合には、常に、m=1となるのでn=2となる。
即ち、N=3の場合には、n=3とする逆回線系は、明らかに混信が発生するので、構成は不可能になり、nを3とすることはできない。従って、2がnの最大値になる。
因みに、図14は、図11(順方向系)に対応する「逆回線系のチャネル切換表」になる。
図14は、図13(4)の回転側受光器(33)から、例えば、回線信号(7)のCh1 の出力を得るために、図14の表に合わせて、SW1 ~SW3 を作動させ、光源B1 ~B3 からCh1 の回線信号を出力させるように適用する表である。
但し、図15の全てで、6個の受光器出力を、B1 ~B6 と表している(図2に示す順方向系の場合の受光器出力Li1 ~Li6 と区分するためである)。
また、同図の全ては図13(3)の場合のように透視化せずに、B1 ~B6 等の受光器(31)出力の上にCh1 ~Ch4 等の回転側受光器(33)が描いてある(透視化すると複雑になるため)。
図16に、B1 ~B6 から出力させるべき回線信号を表すチャネル切換表を示す。
図15(1)と図16とを基にすれば、回転側受光器(33)と受光器出力B1 ~B6 との位置関係から、次のチャネル切換ルールを得ることができる。
・θ=30°や60°等の真上位置;「ゼロ出力受光器」は無いので、m1 =0、m2 =2
・真上以外の位置;「重複受光器」は無いので、m1 =2、m2 =0
従って、この場合には、全角度位置において、m=m1 +m2 =2といえるので、最大4チャネルの回線系が構成できることが分る。
逆に、上記のようなチャネル切換ルールを得ることができれば、前記した図14、或いは図16等のチャネル切換表を作成することができる。
さて、N=4の場合も同様に行い、上記例をまとめると図17のようになる。
さて、図17には、N=3、4、5、6、におけるnの最大値を示してあるが、N=8、9、10、12、・・・等は、「順次増設方式」で得られる。
ここで、「順次増設方式」を、図15(1)を用いて説明する。図15(1)とする理由は、N=6の回線系構造は、N=3の回線系構造が2組直列された構成になっているからである。
即ち、図15(1)のθ=30°の場合の回線系は、回転側受光器のCh2の真上にB3が存在しており、B4とB5がCh3に跨って存在するというパターンが繰り返されている構造、とみることができる。即ち、B5の左横に、上記の「B3からB5までの構成」が増設された構造になっている、とみなす訳である。従って、例えば、N=9の場合には、この「B3からB5までの構成」を3組直列する構造とみればよいので、n=6(∵2×3)が最大チャネルの回線系となる。また、N=8の場合には、n=2×2=4、が最大チャネルの回線系となる。
従って、受光器数が大きくなる場合も上記のN=6或いは8の場合と同様に、図15に示された構造パターンを一つの円周上に増設して行く方法(順次増設方式)をとればよい。
・電気回線の逆方向系と比べれば、加算用オペアンプが不要になるので低価格化が可能
・光回線の順方向系では、2チャネル系の場合、発光素子数が2個、受光素子数がB1~B3用の3個に対し、図13(2)では発光素子数がB1~B3の3個、回転側受光器(33)の受光素子数が2個となり、高価な受光要素と安価な発光要素が交換され低価格化に繋がる
今までは、受光器(31)出力をPOFCによって合成し、光信号の新光源A~新光源Cを得て光源復元系を構成してきた。
一方、受光器(31)出力を、POFCを用いて合成するのではなく、通信用受光素子(61)を用いて直接電気信号の新光源A~新光源Cを得ることもできる。
図18に電気信号の新光源Bの生成例を示す。
図中の破線は空間光路を、また、新光源Bの例として(B1)を示した。
図18(1)は、受光器(Li1)と受光器(Li2)のそれぞれの出力を通信用受光素子(61)で光電変換後、加算回路(641)を用いて得た、電気信号の新光源(B1)=(Li1+Li2)を示している。
一方、図18(2)は、二つの受光器(31)の光信号出力を、直接、一つの通信用受光素子(61)によって光量加算し、電気信号出力の新光源(B1)=(Li1+Li2)を得る構成例である。このとき、受光器(31)出力を光学系(図示せず)を用いて、一つの通信用受光素子(61)に導光する構成法もある。
図18では、新光源Bの生成法を例示したが、新光源Aの場合には、受光器(31)出力を二分岐した光信号(二分岐光)を光源とすれば、電気信号出力の新光源Aを、また、新光源Cの場合には受光器(31)出力をそのまま光源とすれば、電気信号出力の新光源Cを、得ることができることは言うまでも無い。
同時双方向回線系の構成法について説明する。
同時双方向回線系とは、D/LとU/Lとを、同時に、回線を行う通信系を意味する。このとき、同時双方向回線系には、
#(i)新光源B等を用いた双方向方式と
#(ii)双方向性光素子を用いた双方向方式、の二つがある。
双方向2チャネル系を例にして、#(i)と#(ii)を順に説明する。
#(i)新光源B等を用いた同時双方向回線系
本双方向回線系は、例えば、回転側の一つの円周上に発光器のみを設置し、固定側の同一径の円周上には受光器のみを設置してD/Lの片方向系を構成する。その後、同心円周上で構成したU/Lの片方向系と組合せて同時に光通信を行う回線系である。
例えば、分類番号#3の図12(2)に示す回線系をD/Lとし、分類番号#4の図13(2)の回線系をU/Lとして、異なる径の同心円上にそれらを配置する構成である。
以上は、平行光路構造として説明したが、傾斜光路構造の場合も同様に構成できる。
本方式は、D/L或いはU/Lを構成する際、一つの円周上に発光器と受光器を混置することによって構成する同時双方向回線系である。
まず、発光機能と受光機能の切換が可能な光半導体素子を用いて発光器と受光器を構成し、それらを円周上に混置して片方向系自体が双方向性を有するように機能化する。次に、回転体と固定体間で双方向の光路を構成することによって、同時通信性能と双方向通信性能を得る、という回線系である。
今、発光機能と受光機能の切換が可能な光半導体素子を「双方向性光素子」、発光器(21)と受光器(31)の総称を「発受光器」と呼べば、双方向性能を得る手段は「双方向性光素子の適用」と「発受光器の適正配置」である。
さて、図19(1)に本回線方式の双方向2チャネル系を示すが、各図中の、円O上に隙間なく並べられた6個の小円が発受光器を表している。即ち、2個の発光器(21)と4個の受光器(31)が、回転体側と固定体側の同一径の円上に、それぞれ図のように、回転軸(4)に対し対称となるよう配置されている。このとき、同時双方向回線は、回転側に設置した双方向性光素子の機能の回転に伴う切換によって、光源捕捉は回転側及び固定側の隣り合う二つの受光器出力の加算によって行う。
さて、図19(1)は、固定体は静止し、回転体が回転しているときの、回転体側の光源LD1の三つの回転角度位置(θ=0°、30°及び60°)における回線状況を表している。
このとき、各図の左図が固定体(2)上の発受光器の配置状態を、右図が回転体(1)上の発受光器の回転状態を表している。また、左図の固定体上の発受光器と右図の回転体上の発受光器は構造的には対向設置されているが、描出に際して、右図は対向状態にある回転体を右側にスライド移動させた状態を表している(即ち、右図は背面からの透視図である)。
即ち、(1)式の「1個の発光器に対する3個の受光器」の内訳は、光源捕捉用には2個の受光器で十分であったから、1個の受光器は混信防止用の「ゼロ入力の受光器」になる。
すると、この1個の「発光器」が、この「ゼロ入力の受光器」に相当することになる。「発光器」であるから「ゼロ入力の受光器」と同じ作用をするので置換が可能となる。即ち、「ゼロ入力の受光器」の「反対方向に出光する発光器」への拡張である。
これから、双方向回線系の構築とは、3n個の受光器を、n個の「発光器」と2n個の受光器で置き換えた送受光器を双方向性光素子で構成すること、ということになる。そこで、上記の送受光器の置換の具体例を示す。
図2(2)と図19(1)のθ=60°における固定体上の送受光器の比較を行ってみる(図2(2)の中の、LD1に対応するLi1~Li3の3個で比較する)。両図から、図2のLi1⇒図19(1)のLi1、図2のLi2 ⇒図19(1)の Li2、及び図2のLi3 ⇒図19(1)の D2、という対応があることが分る。ここで、 D2は、固定体上にあるU/L用のCh2の発光器(22)であるから、Li1~Li3の3個の受光器が、D2という1個の「反対方向に出光する発光器」とLi1~Li2の2個の受光器に置き換えられたことになる。
まず、図19(1)の回転体側の送受光器の特性を設定する。
三つの角度位置において、右図に示される回転体上の送受光器は、発光機能と受光機能を同時には持たないけれども、発光機能と受光機能とが切換可能、と設定する。
一方、左図の固定体上の光素子は図示した発光機能と受光機能に固定した状態で、機能切換はしないと設定する(三つの角度位置とも同じ)。
次に、図中に示してあるように、回転体上にある、任意に定めた1番目の光素子を(i)、6番目の光素子を(vi)とし、固定体上の ―→ 線(この矢印は固定体上の0°位置を表し、固定体0線Lと呼ぶ)を基準にして計測した(i)の回転角((i)の光素子位置にも角計測用の―→を付してある)をθとする。
さて、θ=0°では、LD1がLi1上に、LD2がLi3上に、D1がI4上に、そしてD2がI2上にある状態である。このとき、Li2とLi4及びI1とI3への入光が0(ゼロ)の状態である。
次に、θ=30°では、LD1がLi1とLi2の双方の上に、他の発光器からの出力光も2個の受光器の上にそれぞれ移動しており、それぞれの2個の受光器で光源捕捉されているので、入光のない受光器はない状態である。
さて、今からは、代表光源LD1の状態のみをフォローすれば作動状況の把握は可能であるので、LD1に注目して述べることにする。
さて、θ=60°の状態になると、LD1はLi2上に移動し、θ=0°ではLi2=0であった状態が、Li1=0に変化している。
θ=0°位置では、(i)は、勿論、固定体0線Lから0°の位置にあって、(vi)は固定体0線Lから300°の位置にある。次に、θ=60°では、固定体0線Lの位置にあるのは(vi)に変わり、(i)は当然、θ=60°位置に回転している。
そこで、(i)がθ=60°に到来したときに、(vi)の(今までは受光器I4であった)光素子を(LD1)を出力する発光機能に切換える。すると、回転体上の(i)と(vi)は共に発光器(LD1)になることになり、その状態は、最左図のθ=0°位置における回転体の図と最右図のθ=60°回転体の図を重ね合わせた状況になる。即ち、固定体0線Lから0°と60°の位置にある回転体上の光素子は2個共発光機能のLD1になる。
そして、この後、(i)を受光機能に切換えればMBB型切換とすることができる、と共に、θ=0°の状態に戻ることになる。
このMBB型切換成立のポイントは、θ=60°の位置になったときに、(vi)の光素子を発光機能に切換ることが可能になる点にある。それを可能とする理由は、「(Li1+Li2)でLD1を捕捉する」構成にしているからである。即ち、Li1には発光器(LD1)光しか入光しない構成で、しかも切換える前は、I4には入光ゼロの状態であるので、共に発光器(LD1)にしても、(混信等の)問題がないからである(LD2は(Li3+Li4)で捕捉)。
θ=0°においては、D1はI4のみで捕捉され、θ=30°では、(I3+I4)で捕捉され、θ=60°では、I3のみで捕捉される。これから、U/Lは、(I3+I4)でD1を捕捉する構成とすればよい。しかし、θ=60°になったときには、上記した(vi)の(今までは受光器I4であった)光素子が発光機能に切換えられることになるので、その切換と同時に、LD2を受光器(θ=0°位置におけるI3)に切換えて(I3+I4)を構成すればよい。
勿論、(I3+I4)は回転に伴い、光素子は移動していくので、正確には、図19(1)の状態では、固定体0線Lから(240°位置の受光器+300°位置の受光器)となる。
因みに、D2の捕捉は(I1+I2)、正確には、固定体0線Lから(60°位置の受光器+120°位置の受光器)で行うことになる。
因みに、他の発光器出力に対しては、「LD2は受光器Li3と受光器Li4の間」を、「D1は回転側の受光器I4と受光器I3の間」を、そして「D2は受光器I2と受光器I1の間」を移動するのみとなる。
即ち、回転体(1)のθ=0°位置から60°移動したことによって引き起こされる光素子の移動を、光素子の機能切換によってキャンセルする回線方式、といえる。
また、ここでは、CW方向の回転体(1)の移動を考察したが、CCWに対しても同様に論ぜられる、ことは言うまでもない。
また、図19(1)の左右を入替えて左を回転体、右を固定体と見ることもできるので、機能切換が可能な光素子を固定体側に設置する、図19(1)とは逆の設定とすることもできる。
図19(1)の、回転体上、或いは固定体上にある機能切換可能な光素子は、例えば、発光器と受光器を接近させて設置し、一対で両機能を持った光素子を構成することによって実現できる。これから、図19(1)は、回転体側の発光器と受光器が一つの円O上に配置されている状態として描いてある。しかし、図19(2)には、回転側の光素子(vi)の発光器と受光器の配置を二つの同心円上に分置した例を示してある。左図がθ=0°においてはI4という受光機能、右図がθ=60°においてはLD1という発光機能にと、機能切換する状態を表している。このとき、固定体上の半径rの円上に設置された発光器(D1)と受光器(Li1)が、(vi)とそれぞれ対向設置の状態になるので光路構成ができることになる。
また、図19(2)では機能切換可能な光素子の設置位置を、同心の2円として示したが、階層状に設置した同径の2円としてもよい。
最後に、同時双方向系の多チャネル化の方法を説明する。まず、#(i)の同時双方向回線系、に対しては、単に、同心円の円周数(或いは階層数)を増加させればよい。
次に、#(ii)双方向性光素子による同時双方向回線系の構成法は、まず、1チャネル系の構成法を見てみる。この場合には図19(1)の半分の構成とすればよいから、図20のように、固定側の発光器と受光器をそれぞれ1個(D1)、2個(Li1とLi2)の構造とすればよい(回転側も同じ)。勿論、光素子の機能切換法等は同一である。
次に、3チャネル系の構成法を見てみる。
図19(1)に示した双方向2チャネル系の回転体側を、「1個の発光器と2個の受光器の組合せ」として見てみると、CW方向の順に、LD1に対しI1とI2の組、続いて、LD2に対し、I3とI4の組とから成っている。
従って、3チャネルの場合には、I4の横に、LD3に対しI5とI6の組を増設すればよい(固定体側も同様であるので記述省略)。
以上から、多チャネル化は、上記の3チャネルの場合と同様に、「1個の発光器と2個の受光器の組」を増設して行けばよく、一つの円周上に配置する組の数を増加し、対向する側も増加させればよい。
しかし、更なる多チャネル化を実現するときに、設置する円径が過大になる場合には、「1個の発光器と2個受光器の組」を複数個配置する同心円の多重化(或いは、同径円の多層化)を行って増加していけば、円周長(円筒の縦長)の過大化が回避できる。
これらから、本非接触コネクタ(10)は、双方向通信を、同時に、実施することも構造的に可能であるので、この双方向配置方式で同時双方向回線系の構築が可能と言える。
2・・固定体
3・・筐体
4・・回転軸
5・・回転側電源
7・・回線信号
10・・非接触コネクタ
11・・光源
13・・新光源
14・・捕捉光源
21・・発光器
22・・新発光器
31・・受光器
32・・新受光器
33・・回転側受光器
50・・光結合体
61・・通信用受光素子
66・・外部出力端子
Claims (9)
- 筐体に、収納され固定された固定体と筐体に収納され、前記固定体に対し回転軸を中心に回転する回転体において、前記回転軸に略直角な、回転体の平面上に配置された発光器と、発光器に対向するように固定体上に配置された受光器との間で、空間光路を構成して非接触回線を行う非接触コネクタにおいて、
回線対象の回線信号に対応して、前記回転体上の電源で駆動される光源の出力を前記発光器から前記回転軸に略平行に出光し、前記受光器で受光した後、前記受光器出力に接続された光結合体で合成して光源を捕捉することによって、新たな光源である新光源を生成した後、前記新光源から外部出力端子上に前記光源を復元し回線すること、を特徴とする非接触コネクタ。 - 前記回転軸を中心とする一つの円上に、光源を捕捉するように並べた受光器の複数の出力光を結合する機能を持つ光結合体で合成して、固定体上に移送した新たな光源、即ち、新光源を生成して回線する、ことを特徴とする請求項1記載の非接触コネクタ。
- 前記新光源から切換前の光源を選択した後、切換前の光源と今後切換えようとする光源とを合成し、光源を確保している捕捉光源を生成して、切換前の光源と今後切換えようとする光源との間で切換を行って、外部出力端子上に光源を復元すること、を特徴とする請求項1、または請求項2記載の非接触コネクタ。
- 新光源を出力する前記光結合体と前記光結合体の発光部位に対向させて設置する新受光器とを、回転軸回りの固定体の円周上に、均等に設置し、選択した新光源から前記光結合体を用いて光源の捕捉を回転体側で行って、特定チャネルの光源を復元して光回線すること、を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の非接触コネクタ。
- 光源を捕捉している光信号の新光源を、通信用受光素子を用いて光源を固定体上で復元し、電気信号で回線すること、を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の非接触コネクタ。
- 回転軸を中心とする一つの円上に光源を捕捉する様に並べたN個(Nは整数)の受光器に対応する前記光結合体の出力に、光学系及び光学的スイッチを適用して、空間光路を構成して光回線系を構成すること、を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の非接触コネクタ。
- N個の前記受光器から発出し、前記受光器に対向させて回転体上に設置した回転側受光器に入力する光信号のnチャネルの回線信号を、電気信号の回線信号の位置で切換え、nを最大とする回線系を構成すること、を特徴とする請求項1~3,5のいずれかに記載の非接触コネクタ。
- 受光器出力から通信用受光素子を用いて電気信号の新光源を生成した後、光源を固定体上で復元し電気信号で回線すること、を特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の非接触コネクタ。
- 発光機能と受光機能の切換が可能な光半導体素子を用いて構成した、前記発光器と前記受光器を円周上に光源を捕捉するように混置して、前記回転体と前記固定体間で双方向の空間光路を構成し、同時通信性能と双方向通信性能を得ること、を特徴とする請求項1~3,8のいずれかに記載の非接触コネクタ。
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