WO2013162047A1 - 二次性副甲状腺機能亢進症治療剤 - Google Patents

二次性副甲状腺機能亢進症治療剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤に関する。

Description

二次性副甲状腺機能亢進症治療剤
 本発明は、23−イン−ビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分とする二次性副甲状腺機能亢進症治療剤に関する。
 血中の副甲状腺ホルモン(以下、PTHと略す)の測定値は、副甲状腺機能の良好な指標であるため、慢性腎不全患者における二次性副甲状腺機能亢進症の治療は、血中PTH濃度の低下を目標に実施されている。なお、PTHは通常、インタクトPTH(以下、iPTHと略す)として測定される。
 活性型ビタミンD誘導体は、PTHの産生、分泌を抑制する作用を有している。このため、活性型ビタミンD誘導体は、腎不全患者におけるPTH依存的な骨病変(例えば、腎性骨異栄養症)が治療できると考えられ、有用な二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤として使用されている。代表的なものとしては、活性型ビタミンD誘導体であるparicalcitolが挙げられる。
 一方、二次性副甲状腺機能亢進症患者は、高齢者に多いだけでなく、腎不全の治療に副腎皮質ステロイドがしばしば使用されることから、PTH非依存的な骨病変(例えば、骨粗鬆症)を併発していると指摘されている。腎性骨異栄養症のリスクがある腎不全患者であっても、骨折の原因は、閉経後骨粗鬆症や老人性骨粗鬆症によるものが多いと考えられている(非特許文献1)。骨粗鬆症による骨折は、死亡率を増大させ、寝たきりの原因となることが知られている。しかしながら、臨床使用されている骨粗鬆症治療剤は、腎不全患者における臨床エビデンスの乏しさ等から、腎不全患者では使用できないことが多い(非特許文献2)。また、腎不全患者に骨粗鬆症治療剤を使用する場合であっても、血中PTH濃度を目標範囲に制御できない患者には、投与すべきではないと考えられている(非特許文献3)。このため、二次性副甲状腺機能亢進症のみならず骨粗鬆症も同時に治療できる薬剤が切望されているが、満足なプロファイルを有する治療薬がほとんどないのが現状である。
Miller、「Cleve.Clin.J.Med」、2009年、76巻、p.715−723 Kansal、「Adv.Chronic.Kidney.Dis」、2010年、17巻、p.e41−e51 Miller、「Bone」、2011年、49巻、p.77−81
 本発明の目的は、新規二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤を提供することである。
 本発明の別の目的は、骨病変の治療効果を有する新規二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤を提供することである。
 本発明者らは上記目的で鋭意研究した結果、以下の発明に到達した。
 すなわち、本発明は下記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
 ここで、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基(それぞれのアルキルの炭素数は1~6である)、またはアリールカルボニルオキシアルキル基(アリールの炭素数は6~10であり、アルキルの炭素数は1~6である)を表す。Rは水素原子もしくは炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~6の環状アルキル基を形成していてもよい。Rは、炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~6の環状アルキル基を形成していてもよい。Xは酸素原子またはメチレン基を表し、nは1または2の整数を表す。
 また、本発明は下記式(17)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
 ここで、R、RおよびRの定義は、式(1)と同じである。
 本発明によれば、新規二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤が提供される。
 図1は、実施例17のラット副甲状腺器官培養におけるPTH分泌抑制作用の試験結果を示す図である。
 図2は、実施例18のラット腎不全(5/6腎動脈結紮)モデルにおけるPTH分泌抑制作用の試験結果を示す図である。
 図3は、実施例19のラット腎不全モデルにおける、腰椎の骨密度増加作用の試験結果を示す図である。
 図4は、実施例19のラット腎不全モデルにおける、大腿骨の骨密度増加作用の試験結果を示す図である。
 本発明における用語の定義は以下の通りである。
 アルキル基とは、直鎖、分岐鎖、あるいは環状の脂肪族炭化水素基をいう。炭素数1~6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロヘキシル基を具体的な基として挙げることができる。
 アルキルカルボニルオキシアルキル基としては、t−ブチルカルボニルオキシメチル基が具体的な基として挙げることができる。
 アリールカルボニルオキシアルキル基としては、フェニルカルボニルオキシメチル基をあげることができる。
 上記式(1)中、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基(それぞれのアルキルの炭素数は1~6である)、またはアリールカルボニルオキシアルキル基(アリールの炭素数は6~10であり、アルキルの炭素数は1~6である)を表す。この中でも水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基が好ましく、特に水素原子またはイソプロピル基が好ましい。アルキルカルボニルオキシアルキル基としては、t−ブチルカルボニルオキシメチル基が好ましい。またアリールカルボニルオキシアルキル基としては、フェニルカルボニルオキシアルキル基が好ましい。
 上記式(1)中、Rは水素原子もしくは炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~6の環状アルキル基を形成していてもよい。この中でも、Rは水素原子かメチル基、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子と環状アルキル基を形成する場合には、シクロプロピル基が好ましい。
 上記式(1)中、Rは炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに環状アルキル基を形成していてもよい。炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。また、他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに環状アルキル基を形成する場合には、シクロペンチル基が好ましい。
 また、上記式(1)中、Xは酸素原子またはメチレン基を表す。
 また、上記式(1)中、nは1または2の整数を表すが、特にn=1が好ましい。
 本発明の式(1)で表されるビタミンD誘導体の好適な具体例としては次表に示される化合物を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 本発明のビタミンD誘導体は必要に応じてその医薬上許容される溶媒和物に変換することができる。そのような溶媒としては、水、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル、ジエチルエ−テル、t−ブチルメチルエ−テル、ベンゼン、トルエン、DMF、DMSO等を挙げることができる。特に、水、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルを好ましいものとして挙げることができる。
 上記式(1)で表されるビタミンD誘導体の合成はいかなる方法で行ってもよいが、例えば下記スキーム1のように行うことができる。すなわち、化合物(2)と化合物(3)をカップリングさせた後、水酸基の保護基を脱保護、および必要に応じてエステル基を加水分解することで目的物(1)を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000007
 上記式(2)において、R、Xおよびnは、上記式(1)と同一である。また、上記式(2)におけるRは、上記式(1)における、Rを表すか、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはベンジルオキシメチル基を表す。この中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはt−ブチル基、t−ブチルカルボニルオキシメチル基、フェニルカルボニルオキシアルキル基、またはベンジルオキシメチル基が好ましい。
 また、上記式(2)におけるRは、水酸基の保護基を表す。水酸基の保護基としては、メトキシメチル基、炭素数1~3のアシル基(炭素数にはカルボニル炭素を含む)、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基などが挙げられる。このうちトリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基が好ましい例として挙げられる。
 また、上記式(2)中、nは1もしくは2の整数を表し、特にn=1が好ましい。
 上記式中化合物(3)のRは、上記式(1)のRと同様である。また化合物(3)におけるOPGは、保護された水酸基を表す。具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、メトキシメチル基をあげることができる。
 上記スキーム1中、Rが水素原子の場合、化合物(2)は、例えば、文献(高山ら、ビタミンD アナログ イン キャンサー プリベンション アンド テラピー、リーセント リザルツ イン キャンサー リサーチ(Vitamin D Analog in Cancer Prevention and Therapy、Recent Results in Cancer Research)、164巻、スプリンガー社(Springer)、289−317頁、2003年など)に記載のエンイン化合物(4)から下記スキーム2に従って合成することができる。すなわち(4)の1級水酸基の保護基(t−ブチルジメチルシリル基;TBS基)を選択的に脱保護して化合物(5)を得、これの水酸基を酸化してカルボキシル基とし、次いでエステル化することで、目的とする(2)(R=TBS)を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008
 一方、上記スキーム1中、Rがメチル基の場合、化合物(3)は以下のスキーム3のように合成することができる。
 すなわち、文献記載(例えば、米国特許第4804502号明細書)に記載の化合物(6)をブロモメチレン化することで得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009
 また、上記式(1)で表されるビタミンD誘導体のうち、Rが水素原子の化合物は、上記スキーム1以外に下記スキーム4に示す方法でも合成することができる。すなわち、スキーム2中の化合物(5)をピバロイル基で保護し化合物(7)を得、これをスキーム1中の化合物(3)とカップリングとA環2位置換基末端の水酸基の脱保護を行うことで化合物(8)を得る。得られた化合物の水酸基をカルボン酸に酸化し、最後にすべての水酸基保護基を脱保護することで得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000010
 また上記スキーム1中、Rが置換されている場合、化合物(2)において、例えばRが他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とシクロアルキル基を形成している場合、文献(高山ら、ビタミンD アナログ イン キャンサー プリベンション アンド テラピー、リーセント リザルツ イン キャンサー リサーチ(Vitamin D Analog in Cancer Prevention and Therapy、Recent Results in Cancer Research)、164巻、スプリンガー社(Springer)、289−317頁、2003年など)に記載のエンイン化合物(4)と同様に、市販の4,6−O−ベンジリデン−アルファーD−メチル−グルコピラノシド(9)を出発物質とし、エポキシ化した後に、塩基条件下、エポキシドの開環を行い、化合物(10)を得る。水酸基の保護で化合物(11)を得た後、ベンジリデン環の開環、さらにグルコース1位の還元を行い、化合物(12)を得る。続いて、ジオールよりエポキシドを形成し化合物(13)を得、エポキシドとアセチレンの反応で3重結合部位を導入した化合物(14)を得る。水酸基の適切な保護を行うことで、化合物(15)を取得することができる。化合物(15)と上記式スキーム1に記載のCD環中間体(3)とのカップリングと選択的脱保護により化合物(16)を得、さらに1級水酸基を酸化しカルボン酸とした後に、脱保護することで、目的の化合物(1)を取得することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000011
 また、本発明は下記式(17)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000012
 ここで、R、RおよびRの定義は、式(1)と同じである。
 式(17)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物における、好ましいR、RおよびR、ならびにそれらの好ましい組み合わせは、式(1)と同じである。
 式(17)の合成法はいかなる方法で行ってもよいが、例えば下記スキーム6のように行うことができる。すなわち、スキーム1記載の化合物(2)と化合物(18)をカップリングさせた後、水酸基の保護基を脱保護、および必要に応じてエステル基を加水分解することで目的物(17)を得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000013
上記スキーム6中、化合物(18)は、例えば下記のスキーム7のように合成することができる。すなわち、文献記載(例えば国際公開WO95/33716号パンフレット)の化合物(19)にn−ブチルリチウム存在下、アセチレン化合物(20)を作用させることで得ることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000014
 本発明における二次性副甲状腺機能亢進症には、骨病変を併発した場合が含まれる。骨病変には、PTH依存的な骨病変およびPTH非依存的な骨病変が含まれる。PTH依存的な骨病変としては腎性骨異栄養症があり、腎性骨異栄養症の具体例として、線維性骨炎、無形成骨、骨軟化症PTH高値に伴う骨粗鬆症が挙げられる。PTH非依存的な骨病変としては、腎不全に依存しない骨粗鬆症が挙げられ、具体的には、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、ステロイド性骨粗鬆症が挙げられる。
 本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤としては、固体または液体いずれでもよく、例えば乳糖、ステアリン酸マグネシウム、スターチ、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、オリーブ油、ゴマ油、カカオバター、エチレングリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等による経口投与、あるいは静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
 本発明の治療剤における有効成分の治療有効量は、投与経路、患者の年齢、性別、疾患の程度によって異なるが、通常0.01~10μg/日程度であり、投与回数は通常1~3回/日ないし1~3回/週であり、このような条件を満足するように製剤を調製するのが好ましい。
 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、本発明における略号は以下の通りである。
TBS=t−ブチルジメチルシリル基
TES=トリエチルシリル基
TESCl=クロロトリエチルシラン
TMS=トリメチルシリル基
TMSCl=クロロトリメチルシラン
Piv=ピバロイル基
PivCl=ピバロイルクロリド
TBAF=テトラブチルアンモニウムフルオリド
CSA=(+/−)−カンファー−10−スルホン酸
PDC=ピリジニウムジクロメート
TBSOTf=t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
DIBAL=水素化ジブチルアルミニウム
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド
THF=テトラヒドロフラン
TsCl=p−トルエンスルホニルクロリド
Ts=p−トルエンスルホニル
[実施例1]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−1)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000015
 (1)文献(例えば、Kittakaら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、2004年、69巻、7463−7471頁に)既知の化合物A−1(2.29g,4.11mmol)をエタノール(20mL)に溶解し、氷冷下で(+/−)−カンファー−10−スルホン酸(954mg,4.11mmol)を加え、0℃で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて反応を停止し、反応液を酢酸エチルで希釈した。これを水、飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物A−2(1.64g,収率90%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.96−5.88(1H,m),5.27−5.21(2H,m),4.29(1H,dd,J=6.8,3.9Hz),3.88−3.72(5H,m),3.45(1H,dd,J=5.4,4.1Hz),3.00(1H,t,J=6.0Hz),2.50−2.46(1H,m),2.38−2.33(1H,m),2.01(1H,t,J=2.6Hz),1.85−1.68(2H,m),0.91(9H,s),0.91(9H,s),0.10(9H,s),0.07(3H,s).
 (2)(1)で得られた化合物A−2(1.0g,2.26mmol)をピリジン(10mL)に溶解し、0℃でピバロイルクロリド(0.69mL,5.65mmol)を加えた後、室温で攪拌した。無水メタノール(3mL)を加えて、室温でさらに30分間攪拌した。トルエンを加えて減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物A−3(1.072g,収率90%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.95(1H,ddd,J=17.0,11.0,6.0Hz),5.21(1H,ddd,J=17,2.0,1.0Hz),5.14(1H,ddd,J=11.0,2.0,1.0Hz),4.32−4.28(1H,m),4.18−4.10(2H,m),3.86(1H,q,J=5.6Hz),3.81−3.74(1H,m),3.68−3.60(1H,m),3.39(1H,dd,J=5.4,3.4Hz),2.49(1H,dq,J=17.0,2.7Hz),2.35(1H,dq,J=16.9,2.8Hz),1.96(1H,t,J=2.7Hz),1.87(2H,dt,J=14.0,7.0Hz),1.19(9H,s),0.90(9H,s),0.89(9H,s),0.10(3H,s),0.08(3H,s),0.07(5H,s),0.03(3H,s).
 (3)(ブロモメチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(1.25g,2.87mmol)をテトラヒドロフラン(7mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。ここに、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0Mテトラヒドロフラン溶液,2.90mL,2.87mmol)を加え、氷冷下で30分間攪拌した。反応液を−78℃まで冷却し、文献(例えば、Uskokovicら、米国特許第4804502号明細書)既知の化合物B−1(200mg,0.574mmol)をテトラヒドロフラン(1.5mL)に溶解して加えた。−78℃で1時間攪拌後、0℃でさらに1時間攪拌した。反応液にシリカゲル(2.5g)を加え、室温で10分間激しく攪拌した後、セライトろ過した。得られたろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物B−2(161mg,収率67%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.90−2.86(1H,m),2.28−1.24(20H,m),1.08(3H,d,J=6.3Hz),0.58(3H,s),0.18(9H,s).
 (4)(3)で得られた化合物B−2(1.2g,2.82mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液,4.23mL,4.23mmol)を加えて、50℃で30分間攪拌した。酢酸エチルを加えて水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で精製した。精製物を無水ピリジン(10mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃に冷却した。ここに、クロロトリエチルシラン(0.944mL,5.70mmol)を加え、室温まで昇温し、2.5時間攪拌した。反応液を0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=99/1)で精製し、化合物B−3(783mg,収率88%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.92−2.85(1H,m),2.23(1H,dd,J=16.5,3.4Hz),2.07−1.24(19H,m),1.08(3H,d,J=6.6Hz),0.96(9H,t,J=7.9Hz),0.66(6H,q,J=7.9Hz),0.57(3H,s).
 (5)(4)で得られた化合物B−3(783mg,1.67mmol)および(2)で得られた化合物A−3(733mg,1.39mmol)を無水トルエン/トリエチルアミン(1/1,11.1mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(289mg,0.25mmol)を加え、窒素雰囲気下、105℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、ジアミンシリカゲル(富士シリシア社製,6g)、n−ヘキサン(20mL)を加え、室温で1時間撹拌した後に、酢酸エチルを用いてろ過した。得られたろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→95/5)で精製した。得られた精製物を無水テトラヒドロフラン(5.5mL)、無水メタノール(4.6mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド、メタノール溶液(0.91mL,5.46mmol)を加えて、1時間還流した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→50/50)で精製し、化合物AB−1(609mg,収率67%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.18(1H,d,J=11.2Hz),6.02(1H,d,J=11.2Hz),5.30(1H,brs),5.00(1H,brs),4.46(1H,brs),4.05(1H,m),3.88−3.69(4H,m),3.36(1H,brs),2.94(1H,brs),2.83−2.77(1H,m),2.62−2.56(1H,m),2.24(1H,dd,J=16.5,3.4Hz),2.10(1H,dd,J=13.9,4.4Hz),2.06−1.21(21H,m),1.07(3H,d,J=6.6Hz),0.96(9H,t,J=7.9Hz),0.93(9H,s),0.87(9H,s),0.67(6H,q,J=7.9Hz),0.55(3H,s),0.10(3H,s),0.10(3H,s),0.08(3H,s),0.07(3H,s).
 (6)(5)で得られた化合物AB−1(427mg,0.514mmol)を無水ジクロロメタン(5.2mL)に溶解し、0℃に冷却した後、デスマーチン試薬(523mg,1.23mmol)を加え、氷冷下で2時間撹拌した後、室温に昇温し1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。得られた残渣をt−ブタノール(21mL)に溶解し、テトラヒドロフラン(37mL)と2−メチルー2−ブテン(6.47mL)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(純度80%,580mg,5.14mmol)とリン酸2水素ナトリウム・2水和物(400mg,2.57mmol)の水溶液(7.3mL)を加えて、氷冷下で45分攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/0→80/20)で精製し、化合物AB−2(341mg,収率78%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.22(1H,d,J=11.2Hz),6.00(1H,d,J=11.2Hz),5.27(1H,brs),4.99(1H,brs),4.45(1H,brs),4.07(1H,m),3.91(2H,t,J=6.1Hz),3.36(1H,brs),2.84−2.77(1H,m),2.64(2H,d,J=6.1,1.5Hz),2.60−2.53(1H,m),2.24(1H,dd,J=16.5,3.4Hz),2.13(1H,dd,J=13.9,5.4Hz),2.07−1.21(19H,m),1.07(3H,d,J=6.3Hz),0.96(9H,t,J=7.9Hz),0.90(9H,s),0.87(9H,s),0.67(6H,q,J=7.9Hz),0.55(3H,s),0.09(3H,s),0.09(6H,s),0.07(3H,s).
 (7)(6)で得られた化合物AB−2(140mg,0.165mmol)をアセトン(1.65mL)に溶解し、0℃に冷却した後、塩酸(6規定、0.332mL)のアセトン希釈液(1.65mL)を加え、室温で4時間攪拌した。n−ヘキサン(3.3mL)を加えて、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/アセトン=1/1)、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/アセトン=4/5)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=0.1%ギ酸/1%メタノール/4%アセトニトリル/水;B=0.1%ギ酸/5%水/19%メタノール/アセトニトリル;0−2min.:B=20%,2−20min.:B=20%→98%,20−25min.:B=98%,25−30min.:B=20%)で精製することにより、化合物C−1(34.9mg,収率42%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.42(1H,d,J=11.2Hz),6.00(1H,d,J=11.2Hz),5.39(1H,d,J=1.9Hz),5.09(1H,d,J=1.9Hz),4.50(1H,d,J=2.9Hz),4.36−3.58(6H,m),3.35(1H,dd,J=8.1,3.2Hz),2.86−2.79(1H,m),2.72−2.57(3H,m),2.29−2.19(2H,m),2.04−1.20(19H,m),1.06(3H,d,J=6.6Hz),0.54(3H,s).
[実施例2]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−2)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000016
 (1)実施例1(1)で得られた化合物A−2(1.45g,3.27mmol)を無水ジメチルホルムアミド(15mL)に溶解し、ピリジニウムジクロメート(6.17g,16.4mmol)を加えて、12時間攪拌した。水を加え、ジエチルエーテルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−4(0.82g,収率55%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.90(1H,ddd,J=17.0,6.0,11.0Hz),5.30−5.20(2H,m),4.33(1H,ddt,J=7.0,3.0,1.0Hz),3.96(2H,td,J=6.0,1.2Hz),3.85−3.75(1H,m),3.55(1H,dd,J=6.3,3.7Hz),2.63(2H,td,J=5.9,1.9Hz),2.50−2.32(2H,m),2.02(1H,t,J=2.7Hz),0.91(9H,s),0.90(9H,s),0.11(3H,s),0.10(3H,s),0.09(3H,s),0.08(3H,s).
 (2)(1)で得られた化合物A−4(0.82g,1.79mmol)を無水メタノール(8mL)に溶解し、濃硫酸(74μL,1.5mmol)を加え、2.5時間攪拌した。室温に冷却後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣を無水ジクロロメタンに溶解し、氷冷下で2,6−ルチジン(1.01mL,9mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(1.65mL,7.2mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。無水メタノール(1.5mL)を加え、室温でさらに10分間攪拌した。n−ヘキサン/酢酸エチル(9/1)を加えて水で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−5(683.4mg,収率81%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.94(1H,ddd,J=10.0,17.2,6.5Hz),5.21(1H,dt,J=17.3,1.3Hz),5.14(1H,dt,J=10.0,1.3Hz),4.30(1H,dd,J=6.8,3.4Hz),4.00−3.97(1H,m),3.88−3.82(2H,m),3.68(3H,s),3.40(1H,dd,J=5.5,3.5Hz),2.57(2H,t,J=6.6Hz),2.48(1H,dq,J=16.8,2.7Hz),2.35(1H,dq,J=17.0,2.8Hz),1.96(1H,t,J=2.6Hz),0.90(9H,s),0.89(9H,s),0.09(3H,s),0.08(3H,s),0.07(3H,s),0.03(3H,s).
 (3)(2)で得られた化合物A−5(47.0mg,0.1mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(46.2mg,0.11mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1,2mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(12.5mg,0.0108mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物を無水ジクロロメタン/アセトニトリル(1/1,1mL)に溶解し、窒素雰囲気下、0℃でリチウムテトラフルオロボレート(78mg,0.8mmol)、硫酸(1Mアセトニトリル溶液,0.08mL,0.08mmol)を加えて30分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、これを酢酸エチルで抽出して得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣を、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル;B=75%)で精製することにより、化合物C−2(6.8mg,13%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.42(1H,d,J=11.2Hz),6.03(1H,d,J=11.2Hz),5.40(1H,d,J=1.2Hz),5.09(1H,d,J=2.2Hz),4.45(1H,t,J=3.3Hz),4.06−3.79(3H,m),3.73(3H,s),3.36(1H,dd,J=7.7,3.3Hz),2.85−2.60(7H,m),2.24(2H,dt,J=18.8,5.9Hz),2.02−1.96(3H,m),1.89−1.82(2H,m),1.72−1.54(6H,m),1.51(6H,s),1.47−1.24(4H,m),1.06(3H,d,J=6.3Hz),0.54(3H,s).
MS m/z 537.2(M+23)+523.3(M+18)+
[実施例3]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−プロポキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−4)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000017
 (1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(240mg,0.525mmol)を原料として、実施例2(2)と同様の方法でメタノールをプロパノールに替えて行い、化合物A−6(18.5mg,収率27%)を得た。
 (2)(1)で得られた化合物A−6(40.5mg,0.081mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(47mg,0.11mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−4(6.8mg,15%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:6.42(1H,d,J=11.2Hz),6.03(1H,d,J=11.2Hz),5.39(1H,d,J=1.2Hz),5.09(1H,d,J=2.2Hz),4.45(1H,t,J=3.5Hz),4.08(2H,t,J=6.7Hz),4.06−3.95(2H,m),3.85−3.77(1H,m),3.36(1H,dd,J=7.8,3.2Hz),2.85−2.82(1H,m),2.79(1H,d,J=4.1Hz),2.70−2.62(4H,m),2.26−2.22(2H,m),2.03−1.98(3H,m),1.90−1.80(3H,m),1.70−1.64(7H,m),1.58−1.53(4H,m),1.51(6H,s),1.48−1.45(2H,m),1.40−1.20(4H,m),1.06(3H,d,J=6.6Hz),0.94(4H,t,J=7.4Hz),0.54(3H,s).
[実施例4]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−(1−メチル)エトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−5)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000018
 (1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(240mg,0.525mmol)を原料として、実施例2(2)と同様の方法でメタノールをイソプロパノールに替えて行い、化合物A−7(157.4mg,収率60%)を得た。
 (2)(1)で得られた化合物A−7(35mg,0.07mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(44mg,0.11mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−5(6.8mg,17%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:6.42(1H,d,J=11.0Hz),6.03(1H,d,J=11.5Hz),5.39(1H,d,J=1.5Hz),5.09−5.02(2H,m),4.45(1H,t,J=3.5Hz),4.05−3.78(3H,m),3.35(1H,dd,J=7.7,3.3Hz),2.85−2.58(6H,m),2.28−1.53(18H,m),1.51(6H,s),1.46−1.30(5H,m),1.26(3H,d,J=1.7Hz),1.24(3H,d,J=1.5Hz),1.06(3H,d,J=6.3Hz),0.54(3H,s).
[実施例5]
(5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物D−1)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000019
 (1)文献(例えば、Saitoら、テトラヘドロン(Tetrahedron)、2004年、60巻、7951−7961頁))既知の化合物(3R,4R,5S)−3,5−Bis[(t−butyldimethylsilyl)oxy]−4−[3−{(t−butyldimethylsilyl)oxy}propyl]oct−1−ene−7−yneから実施例1(1)と同様の方法で得られる化合物A−8(0.72g,1.69mmol)をジクロロメタン(6.8mL)に溶解し、0℃でトリエチルアミン(0.47mL,3.37mmol)、塩酸トリメチルアミン(16mg,0.169mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド(0.48g,2.53mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られる残渣をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、シアン化ナトリウム(199mg,4.06mmol)、ヨウ化ナトリウム(380mg,2.53mmol)を加えて、50℃で2時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、粗体の化合物A−9を得た。これをテトラヒドロフラン(5mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液,5.07mL,5.07mmol)を加え、60℃で1時間攪拌した。酢酸エチルを加え、水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、0℃でイミダゾール(460mg,6.76mmol)、ジメチルアミノピリジン(21mg,0.169mmol)、クロロトリエチルシラン(0.851mL,5.07mmol)を加えて50℃で40分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル/n−ヘキサン→2%酢酸エチル/n−ヘキサン→5%酢酸エチル/n−ヘキサン→10%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−10(531.3mg,収率72%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.82(1H,ddd,J=17.0,10.0,7.0Hz),5.17(1H,dd,J=17.2,1.1Hz),5.11(1H,ddd,J=10.0,2.0,1.0Hz),4.00−3.95(1H,m),2.42−2.37(2H,m),2.32(2H,t,J=7.8Hz),1.97(1H,t,J=2.6Hz),1.85−1.65(3H,m),1.43−1.29(2H,m),1.26(2H,t,J=7.2Hz),0.89(19H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.06(3H,s),0.03(3H,s).
 (2)(1)で得られた化合物A−10(449.4mg,1.03mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、−78℃で冷却下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液,2.08mL,2.08mmol)を加えて−78度で50分間攪拌した。無水メタノール(0.3mL)を加えて室温で20分間攪拌し、さらに飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えて、10分間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をテトラヒドロフラン(6.9mL)に溶解し、t−ブタノール(6.9mL)と2−メチルー2ブテン(4.5g)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(931mg,10.3mmol)とリン酸2水素ナトリウム(803mg,5.15mmol)の水溶液(6.9mL)を加えて、1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=100/1→50/1→20/1→10/1→5/1→2/1)で精製し、化合物A−11(220mg,47%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.82(1H,ddd,J=17.0,10.0,7.0Hz),5.17(1H,dd,J=17.2,1.1Hz),5.11(1H,ddd,J=10.0,2.0,1.0Hz),4.00−3.95(1H,m),2.42−2.37(2H,m),2.32(2H,t,J=7.8Hz),1.97(1H,t,J=2.6Hz),1.85−1.65(3H,m),1.43−1.29(2H,m),1.26(2H,t,J=7.2Hz),0.89(19H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.06(3H,s),0.03(3H,s).
 (3)(2)で得られた化合物A−11(126.6mg,0.278mmol)をジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解し、0℃で冷却下、トリエチルアミン(0.126mL,0.9mmol)を加えて40分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製し、化合物A−12(126.5mg,79%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.82(1H,ddd,J=17.0,10.0,7.0Hz),5.17(1H,dd,J=17.2,1.1Hz),5.11(1H,ddd,J=10.0,2.0,1.0Hz),4.00−3.95(1H,m),2.42−2.37(2H,m),2.32(2H,t,J=7.8Hz),1.97(1H,t,J=2.6Hz),1.85−1.65(3H,m),1.43−1.29(2H,m),1.26(2H,t,J=7.2Hz),0.89(19H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.06(3H,s),0.03(3H,s).
 (4)(3)で得られた化合物A−12(46mg,0.08mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(47mg,0.1mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1,2mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(12mg,0.01mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物をアセトンに溶解し、塩酸(6N,0.1mL,0.6mmol)を加えて0℃で50分攪拌し、さらに塩酸(6N,0.2mL,1.2mmol)を加えて室温で40分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をボンドエリュートSI(バリアン製 n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2→酢酸エチル→酢酸エチル/酢酸=99/1)で粗精製した。さらに粗精製物を、逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%酢酸/5%水/アセトニトリル;B=65%)で精製することにより、化合物D−1(14.6mg,36%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.40(1H,d,J=11.5Hz),6.00(1H,d,J=11.2Hz),5.27(1H,d,J=1.5Hz),4.99(1H,d,J=2.0Hz),4.39(1H,t,J=4.0Hz),3.92−3.84(1H,m),2.86−2.79(1H,m),2.65(1H,dd,J=13.3,4.3Hz),2.30−2.20(4H,m),2.05−1.96(3H,m),1.88(2H,t,J=10.0Hz),1.81−1.64(8H,m),1.56(6H,dt,J=15.3,4.5Hz),1.51(6H,s),1.49−1.46(3H,m),1.45(9H,s),1.40−1.24(5H,m),1.06(3H,d,J=6.6Hz),0.54(3H,s),0.54(3H,s).
[実施例6]
(5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物D−6)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000020
 (1)実施例5(1)で得られた化合物A−9(565mg,1.29mmol)をジクロロメタンに溶解し、−78℃で冷却下、水素化ジイソブチルアルミニウム(1Mトルエン溶液,2mL,2mmol)を加えて−78度2時間で攪拌した。無水メタノール(1mL)を加えて室温で20分間攪拌し、さらに飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を加えて、10分間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をテトラヒドロフラン(18.3mL)に溶解し、t−ブタノール(18.3mL)と2−メチルー2ブテン(6mL)を加えて氷冷した。次亜塩素酸ナトリウム(1.47g,13mmol)とリン酸2水素ナトリウム(1.01g,6.5mmol)の水溶液(5mL)を加えて、1時間攪拌した。飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1→7/1→5/1)で精製し、化合物A−13(233.7mg,38%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.82(1H,ddd,J=17.0,10.0,7.0Hz),5.17(1H,dd,J=17.2,1.1Hz),5.11(1H,ddd,J=10.0,2.0,1.0Hz),4.00−3.95(1H,m),2.42−2.37(2H,m),2.32(2H,t,J=7.8Hz),1.97(1H,t,J=2.6Hz),1.85−1.65(3H,m),1.43−1.29(2H,m),1.26(2H,t,J=7.2Hz),0.89(19H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.06(3H,s),0.03(3H,s).
 (2)(1)で得られた化合物A−13(228.4mg,0.5mmol)にトルエン(5mL)を加え、N,N−ジメチルホルムアミド ジt−ブチルアセタール(1.1mL,4mmol)を加えて、80℃で1時間攪拌した。酢酸エチルを加えて、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製し、化合物A−14(118.5mg,46%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.83(1H,ddd,J=17.0,10.0,7.0Hz),5.15(1H,dq,J=17.2,1.0Hz),5.10(1H,dq,J=10.0,1.0Hz),4.12(1H,dd,J=8.0,5.0Hz),4.00(1H,td,J=6.2,3.8Hz),2.39(2H,dd,J=6.1,2.7Hz),2.17(2H,t,J=8.0Hz),1.79−1.63(3H,m),1.44(9H,s),1.40−1.20(4H,m),0.89(18H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.05(3H,s),0.03(3H,s).
 (3)(2)で得られた化合物A−14(59.6mg,0.12mmol)および実施例1(3)で得られた化合物B−2(60mg,0.14mmol)をトルエン/トリエチルアミン(1/1,2mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(17mg,0.0147mmol)を加え、窒素雰囲気下、110℃で3.5時間攪拌した。室温に冷却後、減圧濃縮した。残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=19/1)で粗精製した。得られた粗精製物をテトラヒドロフランに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液,0.84mL,0.84mmol)を加え、60℃で2時間攪拌した。酢酸エチルでを加え、水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を、薄層シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル;B=85%)で精製することにより、化合物D−6(5.0mg,7%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.40(1H,d,J=11.5Hz),6.00(1H,d,J=11.2Hz),5.27(1H,d,J=1.5Hz),4.99(1H,d,J=2.0Hz),4.39(1H,t,J=4.0Hz),3.92−3.84(1H,m),2.86−2.79(1H,m),2.65(1H,dd,J=13.3,4.3Hz),2.30−2.20(4H,m),2.05−1.96(3H,m),1.88(2H,t,J=10.0Hz),1.81−1.64(8H,m),1.56(6H,dt,J=15.3,4.5Hz),1.51(6H,s),1.49−1.46(3H,m),1.45(9H,s),1.40−1.24(5H,m),1.06(3H,d,J=6.6Hz),0.54(3H,s),0.54(3H,s).
[実施例7]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((t−ブチルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−7)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000021
 (1)実施例2(1)で得られた化合物A−4(164.3mg,0.360mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(1.2mL)に溶解し、0℃に冷却し、トリエチルアミン(0.15mL,1.08mmol)、ピバロイルオキシメチルクロリド(0.104mL,0.719mmol)を加えて、室温で1時間攪拌した。1時間後、ヨウ化ナトリウム(150mg,1.008mmol),炭酸カリウム(140mg,1.008mmol)を加えて、50℃でさらに30分間加熱撹拌した。室温まで冷却し、水で希釈後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、化合物A−15(158.0mg,収率77%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.98−5.90(1H,m),5.76(2H,s),5.21(1H,dt,J=17.32,1.46Hz),5.14(1H,dt,J=10.37,1.10Hz),4.30(1H,dd,J=8.00,3.00Hz),4.02−3.82(3H,m),3.42(1H,dd,J=5.61,3.41Hz),2.62(2H,t,J=6.71Hz),2.47(1H,ddd,J=16.83,2.68,5.50Hz),2.34(1H,ddd,J=16.83,2.76,5.50Hz),1.96(1H,t,J=2.68Hz),1.21(9H,s),0.90(9H,s),0.89(9H,s),0.09(3H,s),0.08(3H,s),0.07(3H,s),0.03(3H,s).
 (2)(1)で得られた化合物A−15(40mg,0.07mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(36mg,0.085mmol)を原料にして、実施例2(3)と同様の方法により、化合物C−7(7.8mg,18%)を得た。
H−NMR(CDCl3)δ:6.42(1H,d,J=11.47Hz),6.02(1H,d,J=11.22Hz),5.81−5.76(2H,m),5.39(1H,d,J=1.46Hz),5.09(1H,d,J=2.20Hz),4.44(1H,s),4.04−3.95(2H,m),3.85−3.80(1H,m),3.36(1H,dd,J=7.56,3.17Hz),2.85−2.57(6H,m),2.28−1.81(8H,m),1.59−1.24(16H,m),1.23(9H,s),1.06(3H,d,J=6.59Hz),0.54(3H,s).
[実施例8]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((フェニルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物C−8)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000022
 実施例2(1)で得られた化合物A−4(175mg,0.383mmol)を原料として、実施例7(1)におけるピバロイルオキシメチルクロリドをベンゾイルオキシメチルクロリドに替えて、実施例7(1)と同様に行い化合物A−16を得たのちに、化合物A−16(41.3mg,0.07mmol)と実施例1(3)で得られた化合物B−2(34mg,0.08mmol)を出発物質として、実施例7(2)と同様にして、化合物C−8(4.9mg,11%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:8.09−8.07(2H,m),7.62−7.44(3H,m),6.41(1H,d,J=10.98Hz),6.05−6.01(3H,m),5.38(1H,d,J=1.46Hz),5.07(1H,d,J=1.95Hz),4.44(1H,d,J=2.93Hz),4.05−3.97(2H,m),3.87−3.82(1H,m),3.36(1H,dd,J=7.56,3.17Hz),2.85−2.64(4H,m),2.32−2.18(2H,m),2.05−1.53(9H,m),1.49−1.24(4H,m),1.06(3H,d,J=6.34Hz),0.55(3H,s).
[実施例9]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((2−カルボキシー2,2−エタノ)エトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物E−1)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000023
 (1)文献(例えば、Kittakaら、ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、2004年、69巻、7463−7471頁に)記載の化合物A−17(6.03g,22.8mmol)をN−メチルピロリドン(60mL)に溶解し、カリウムt−ブトキシド(11.88g,114mmol)を加えて、130度で4時間、加熱撹拌した。室温まで冷却し、水(240mL)を加え、ダイヤイオンHP−20SS(三菱化学製、30g(乾燥重量))を加えて、室温で一晩撹拌した。ろ過し、固体を飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)、水(200mL)で洗浄し、アセトン(500mL)で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1/4)で精製し、化合物A−18(1.78g,21%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:7.51−7.36(5H,m),5.54(1H,s),4.61(1H,s),4.40−4.29(2H,m),4.08(1H,t,J=4.27Hz),4.01(1H,dd,J=9.27,2.68Hz),3.93(1H,br s),3.83−3.75(3H,m),3.60−3.50(3H,m),3.41(3H,s),0.59−0.41(3H,m).
 (2)(1)で得られた化合物A−18(2.97g,8.10mmol)を無水ピリジン(30mL)に溶解して0℃に冷却し、ピバロイルクロリド(1.15mL,9.32mmol)を加えて同温で1時間攪拌した。無水メタノール(3mL)を加え、室温で5分間撹拌し、減圧濃縮した。トルエンに溶解して飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮、乾燥した。この粗体を無水ジクロロメタン(20mL)に溶解して0℃に冷却し、2,6−ルチジン(1.3mL,11.6mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(2.14mL,9.32mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。無水メタノール(5mL)を加えた後、減圧濃縮した。トルエンに溶解し、水で洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/n−ヘキサン→10%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物A−19(3.19g,収率69%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:7.49−7.34(5H,m),5.56(1H,s),4.45(1H,s),4.29−4.25(2H,m),4.18(1H,d,J=11.22Hz),3.98−3.92(3H,m),3.75(1H,t,J=12.08Hz),3.65(1H,t,J=2.68Hz),3.56(2H,dd,J=29.76,9.51Hz),3.35(3H,s),1.19(9H,s),0.91(9H,s),0.61−0.51(4H,m),0.10(3H,s),0.10(3H,s).
 (3)(2)で得られたA−19(3.17g,5.61mmol)をシクロヘキサン(63mL)に溶解し、炭酸バリウム(775mg,3.92mmol)、過酸化ベンゾイル(136mg,0.56mmol)、N−ブロモスクシンイミド(1.21g,6.73mmol)を加えて、1時間加熱還流した。冷却後、セライトろ過し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して、粗体(4.0g)を得た。この粗体を1−プロパノール(36mL)と水(4mL)の混合溶媒に溶解し、活性化させた亜鉛(7.38g,112.2mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.42g,22.4mmol)を加えて1時間加熱還流した。冷却後、セライトろ過し、固体を1−プロパノールで洗浄後、液体を減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→80/20)で精製し、化合物A−20(1.50g,収率50%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:8.05−8.02(2H,m),7.59−7.43(3H,m),6.11(1H,ddd,J=11.00,17.32,6.00Hz),5.78−5.75(1H,m),5.41(1H,dt,J=17.32,1.34Hz),5.30(1H,dt,J=10.49,1.22Hz),4.17(1H,d,J=11.47Hz),3.96−3.93(2H,m),3.81(1H,dd,J=11.47,5.12Hz),3.73−3.68(2H,m),3.64(1H,d,J=9.76Hz),3.50(1H,d,J=9.76Hz),1.18(9H,s),0.90(9H,s),0.55(4H,t,J=1.95Hz),0.09(3H,s),0.07(3H,s).
 (4)(3)で得られたA−20(2.41g,4.5mmol)をアセトニトリル(25mL)に溶解させ、トリエチルアミン(1.26mL,9mmol)、トリメチルアミン塩酸塩(86mg,0.9mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド(1.30g,6.8mmol)の順に加えて室温で1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。この粗体(3.31g)をテトラヒドロフラン(18mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムフロリド(1Mテトラヒドロフラン溶液,13.5mL,13.5mmol)を加えて、1.5時間加熱還流した。冷却後、減圧濃縮した後にトルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製し、化合物A−21(851mg,収率47%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:8.06−8.02(2H,m),7.61−7.44(3H,m),6.10−6.01(1H,m),5.67−5.64(1H,m),5.42(1H,dt,J=17.24,1.34Hz),5.32(1H,dt,J=10.57,1.22Hz),4.04(2H,dd,J=27.32,11.22Hz),3.65(1H,d,J=10.24Hz),3.53(1H,d,J=10.24Hz),3.17(1H,dd,J=7.32,5.37Hz),3.10−3.06(1H,m),2.75(1H,t,J=4.39Hz),2.60(1H,dd,J=4.88,2.93Hz),1.19(9H,s),0.55(4H,s).
 (5)トリメチルシリルアセチレン(1.62mL,11.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3mL)を窒素雰囲気下にし、溶液をドライアイスーアセトンで冷却した。ここに、n−ブチルリチウム ヘキサン溶液(2.64M,3.97mL,10.5mmol)を加えて45分撹拌した。ここに、(4)で得られた化合物A−21(846mg,2.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(6mL)、トリフルオロボランージエチルエーテル錯体(0.343mL,2.73mmol)を加え、ドライアイスーアセトン冷却下で2時間、0℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて室温に戻し、酢酸エチルで希釈した。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水の順で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮した。得られた残渣を無水メタノール(10mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(870mg,6.3mmol)を加えて、50℃で1時間加熱撹拌した。冷却後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈後、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=60/40→50/50→35/65)で精製し、化合物A−22(311.5mg,収率62%)を得た。
H NMR(CDCl)δ:5.57(1H,ddd,J=17.00,11.00,6.00Hz),4.88(1H,dt,J=17.00,1.70Hz),4.73(1H,dt,J=11.00,1.70Hz),3.85−3.81(1H,m),3.51(1H,ddd,J=8.42,5.73,2.07Hz),3.16(1H,d,J=9.50Hz),3.05(1H,d,J=9.50Hz),2.85(2H,dd,J=4.63,2.20Hz),2.12−1.92(2H,m),1.85(1H,t,J=2.68Hz).
 (6)(5)で得られた化合物A−22(534.4mg,2.26mmol)を無水ピリジン(7.5mL)に溶解し、0℃でピバロイルクロリド(0.276mL,2.26mmol)を加えて、同温で45分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。トルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣を無水ジクロロメタン(10mL)に溶解し、0℃で2,6−ルチジン(1.1mL,9.22mmol)、t−ブチルジメチルシリル トリフルオロメタンスルホネート(1.7mL,7.55mmol)を加えて同温で1.5時間撹拌した。酢酸エチルを加えて飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=99/1→85/15)で精製し、化合物A−23(1.08g,収率91%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.00−5.91(1H,m),5.21(1H,d,J=17.32Hz),5.13(1H,d,J=11.00Hz),4.32(1H,dd,J=7.07,3.90Hz),4.03(2H,dd,J=19.03,11.22Hz),3.94(1H,dd,J=10.73,5.85Hz),3.64(1H,d,J=9.76Hz),3.45(1H,d,J=9.76Hz),3.39(1H,t,J=4.27Hz),2.51(1H,ddd,J=16.83,6.00,3.00Hz),2.36(1H,ddd,J=16.71,6.10,2.56Hz),1.95(1H,t,J=2.56Hz),1.19(9H,s),0.90(9H,s),0.88(9H,s),0.55−0.48 3H,m),0.11(3H,s),0.09(3H,s),0.06(3H,s),0.03(3H,s).
 (7)(6)で得られた化合物A−23(70mg,0.15mmol)と実施例1(4)で得られた化合物B−3(69mg,0.16mmol)を出発物質として、実施例1(5)と同様に反応させることで、化合物AB−3(48.1mg,37.4%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.18(1H,d,J=10.98Hz),6.02(1H,d,J=11.47Hz),5.32(1H,s),5.01(1H,s),4.47(1H,s),4.03(1H,q,J=4.15Hz),3.91(1H,d,J=9.03Hz),3.58(1H,dd,J=11.10,4.03Hz),3.46−3.39(2H,m),3.32(1H,d,J=9.51Hz),3.21(1H,br s),2.80(1H,t,J=7.81Hz),2.61(1H,d,J=13.42Hz),2.24(1H,dd,J=16.34,3.42Hz),2.10(1H,dd,J=13.66,4.15Hz),2.05−1.84(4H,m),1.66−1.49(12H,m),1.43−1.30(4H,m),1.07(4H,d,J=6.59Hz),0.98−0.83(36H,m),0.82−0.81(2H,m),0.70−0.64(9H,m),0.57−0.54(6H,m),0.51−0.36(6H,m),0.11(3H,s),0.10(3H,s),0.08(3H,s),0.07(3H,s).
 (8)(7)で得られた化合物AB−3(48.1mg,0.056mmol)を原料として、実施例1(6)と同様の方法で、処理した。この反応物(28.5mg,0.0327mmol)を無水ジクロロメタン/アセトニトリル(1/1 1mL)の混合溶媒に溶解して0℃に冷却した後、トシル酸一水和物(31mg,0.163mmol)、リチウムテトラフルオロボレート(30mg,0.327mmol)を加えて30分間同温で撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮して得られた残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=9/1+0.5%酢酸)で粗精製し、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル;B=85%)で精製することにより、化合物E−1(4.9mg,16.6%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.41(1H,d,J=11.22Hz),6.01(1H,d,J=10.98Hz),5.37(1H,s),5.08(1H,d,J=1.46Hz),4.48(1H,d,J=2.68Hz),4.06−3.82(2H,m),3.55−3.25(2H,m),2.88−2.60(2H,m),2.28−1.54(13H,m),1.42−1.20(10H,m),1.10−1.08(1H,m),1.06(3H,d,J=6.59Hz),0.91(3H,d,J=4.88Hz),0.54(3H,s).
[実施例10]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ジメチル−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物F−1)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000024
 (1)トリメチルシリルアセチレン(1.84mL,13.0mmol)を1,4−ジオキサン(15mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム(1.59M n−ヘキサン溶液,8.18mL,13.0mmol)を10分間で滴下した。ここにTanakaらの方法(国際公開WO98/58909明細書)により合成される化合物B−4(1.91g,4.33mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解して加え、110℃で24時間加熱還流した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌した後、n−ヘキサンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、これを減圧濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン−メタノール(1:1,20mL)に溶解し、炭酸カリウム(718mg,5.20mmol)を加えて室温で一晩攪拌した。反応液に水を加えた後にn−ヘキサンで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)で精製して化合物B−5(1.14g,収率89%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.90−2.86(1H,m),2.25(1H,dt,J=16.6,3.0Hz),2.10−1.88(5H,m),1.72−1.25(9H,m),1.11(3H,d,J=6.6Hz),0.58(3H,s)ppm.
 (2)(1)で得られた化合物B−5(301mg,1.02mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃に冷却しながらn−ブチルリチウム(1.59M n−ヘキサン溶液,0.673mL,1.02mmol)を滴下し、30分間攪拌した。ここに3−ペンタノン(0.216mL,2.04mmol)を加え、−78℃のまま1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて室温に昇温した。反応液を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で精製して化合物B−6(205mg,収率53%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.42(1H,d,J=11.2Hz),6.02(1H,d,J=11.2Hz),5.39(1H,s),5.10(1H,s),4.44(1H,t,J=3.9Hz),4.11−4.07(1H,m),3.84−3.81(1H,m),3.75−3.68(2H,m),3.39(1H,dd,J=7.4,3.3Hz),2.84−2.81(1H,m),2.68(1H,dd,J=13.7,4.4Hz),2.52(2H,t,J=6.8Hz),2.29−2.20(3H,m),2.15−1.83(6H,m),1.70−1.22(14H,m),1.08−1.01(9H,m),0.55(3H,s)ppm.
 (3)(2)で得られた化合物B−6(396mg,1.04mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、クロロトリエチルシラン(0.283mL,1.68mmol)、イミダゾール(152mg,2.23mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(27mg,0.22mmol)を加えて、50℃で1時間加熱撹拌した。室温まで冷却し、無水メタノール(1mL)を加え、30分間撹拌した。トルエンで希釈し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=90/10)で精製して化合物B−7(454.8mg,収率88%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.91−2.85(1H,m),2.24(1H,dd,J=16.46,3.54Hz),2.10(1H,dd,J=16.58,6.83Hz),2.02−1.88(4H,m),1.71−1.58(9H,m),1.54−1.24(7H,m),1.08(3H,d,J=8.00Hz),0.98−0.91(22H,m),0.73−0.64(9H,m),0.58(3H,s),0.52(2H,q,J=7.97Hz).
 (4)実施例2(1)で得られた化合物A−4(457mg,1mmol)を無水N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.421mL,3mmol)、クロロメチルベンジルエーテル(0.276mL,2mmol)を加えて、0℃で1時間45分撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後に、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95/5)で精製し、化合物A−24(485mg,収率84%)を得た。
 (5)(3)で得られた化合物B−7(44mg,0.09mmol)と(4)で得られた化合物A−24(43mg,0.075mmol)を出発原料として、実施例5(4)記載の方法に準じて、カップリング反応と脱保護反応を行った。得られた反応粗体は薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=4/1+酢酸(1.5v/v%))で粗精製した後に、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル;B=75%)で精製することにより、化合物F−1(4.7mg,12%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.42(1H,d,J=10.98Hz),6.00(1H,d,J=10.98Hz),5.37(1H,d,J=1.46Hz),5.08(1H,d,J=1.95Hz),4.47(1H,d,J=2.93Hz),4.08−3.94(2H,m),3.82−3.74(1H,m),3.33(1H,dd,J=8.17,3.05Hz),2.83(1H,d,J=12.20Hz),2.69−2.60(3H,m),2.30−2.20(2H,m),1.98(2H,d,J=11.71Hz),1.91−1.80(1H,m),1.72−1.24(16H,m),1.07(3H,d,J=6.34Hz),1.03(8H,t,J=7.44Hz),0.54(3H,s).
[実施例11]
(5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ノル−25−シクロペンチル−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール(化合物F−2)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000025
 (1)実施例10(1)で得られた化合物B−5(442mg,1.5mmol)を出発物質として、実施例10(2)と同様の方法に従って、化合物B−8とシクロペンタノンの混合物(427.2mg)を得た。この粗体を出発物質とし、無水N,N−ジメチルホルムアミド(4.5mL)、クロロトリエチルシラン(0.283mL,1.68mmol)、イミダゾール(152mg,2.23mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(27mg,0.22mmol)を用い、実施例10(3)と同様の方法により、化合物B−9(506.2mg,収率68%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.92−2.85(1H,m),2.24(1H,dd,J=16.46,3.29Hz),2.08(1H,dd,J=16.10,6.83Hz),2.02−1.57(19H,m),1.54−1.26(7H,m),1.07(4H,d,J=7.56Hz),0.98−0.91(15H,m),0.73−0.63(8H,m),0.57(3H,s),0.52(3H,q,J=7.97Hz).
 (2)(1)で得られた化合物B−9(44mg,0.09mmol)と実施例10(4)で得られた化合物A−24(43mg,0.075mmol)を出発物質として、実施例10(5)と同様の方法により、化合物F−2(2.0mg,収率5%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.41(1H,d,J=10.98Hz),6.00(1H,d,J=10.98Hz),5.36(1H,s),5.07(1H,s),4.46(1H,s),4.10−3.93(2H,m),3.78(1H,br s),3.30(1H,d,J=6.59Hz),3.07−2.62(9H,m),2.30−2.19(2H,m),2.05−1.24(25H,m),1.06(3H,d,J=6.59Hz),0.54(3H,s).
[実施例12](5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3−ジオール(化合物G−1)の製造
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000026
(1)3−メチル−1−ブチン(2.14mL、21mmol)を1,4−ジオキサン(20mL)に溶解し、アルゴン雰囲気下、氷浴で冷却しながらn−ブチルリチウム(2.64M n−ヘキサン溶液、7.95mL、21.0mmol)を15分間で滴下した。ここにTanakaらの方法(国際公開WO98/58909明細書)により合成される化合物B−9(3.19g、7.00mmol)を1,4−ジオキサン(10mL)に溶解して加え、110℃で24時間加熱還流した。室温に冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて攪拌した後、n−ヘキサンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルを通じて濾過した。減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン→3%酢酸エチル/n−ヘキサン)で精製して化合物B−10(1.66g、収率70%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:5.65(1H,s),2.89−2.86(1H,m),2.54−2.52(1H,m),2.22(1H,ddd,J=16.4,3.4,2.4Hz),2.02−1.86(4H,m),1.71−1.26(9H,m),1.11(9H,ddd,J=21.3,11.7,4.9Hz),0.57(3H,s)ppm.
(2)(1)で得られた化合物B−10(236mg,0.7mmol)と実施例1(2)で得られた化合物A−3(262.0mg,0.496mmol)を原料にして、実施例1(5)と同様の方法により、化合物AB−4(199.4mg,57%)を得た後に、このAB−4(191.0mg,0.273mmol)を原料にして、実施例2(1)と同様の方法により、化合物AB−5(34.6mg,17.7%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.21(1H,d,J=11.5Hz),6.00(1H,d,J=11.15Hz),5.28(1H,s),5.00(1H,s),4.46(1H,s),4.07(1H,dd,J=9.0,5.1Hz),3.90(2H,t,J=6.0Hz),3.38(1H,s),2.80(1H,dd,J=10.0,4.0Hz),2.65−2.62(3H,m),2.58−2.50(3H,m),2.22(1H,dt,J=15.0,2.0Hz),2.14(1H,dd,J=14.1,5.1Hz),2.01−1.29(26H,m),1.15(9H,d,J=6.8Hz),1.07(3H,d,J=6.3Hz),0.90(9H,s),0.87(9H,s),0.55(3H,s),0.10(3H,s),0.09(6H,s),0.07(3H,s).
(3)(2)で得られたAB−5(34.6mg,0.0485mmol)をジクロロメタン(1mL)と無水アセトニトリル(1mL)の混合溶媒に溶解し、0℃撹拌下、りちうむテトラフルオロボレート(46.9mg,0.5mmol)、1M硫酸/アセトニトリル溶液(0.039mL,0.039mmol)を加えて、0℃で1時間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチル抽出、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後に濃縮した。得られた残渣を薄層シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/アセトン=4/1+酢酸(1.5v/v%))で粗精製した後に、さらに逆相HPLC(A=95%水/アセトニトリル;B=0.5%水/40%メタノール/アセトニトリル;B=85%)で精製することにより、化合物G−1(4.5mg,19%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:6.42(1H,d,J=11.0Hz),6.00(1H,d,J=11.7Hz),5.38(1H,d,J=1.5Hz),5.09(1H,d,J=2.0Hz),4.48(1H,d,J=2.9Hz),4.08−3.96(2H,m),3.82−3.76(1H,m),3.34(1H,dd,J=8.1,3.2Hz),2.83(1H,d,J=12.9Hz),2.68−2.48(4H,m),2.27−2.19(2H,m),2.01−1.21(16H,m),1.15(8H,d,J=6.8Hz),1.06(4H,d,J=6.6Hz),0.54(3H,s).
[実施例13]
VDR親和性評価
 VDRの評価は市販の測定評価キット、例えばインビトロジェン社が販売するポーラースクリーン ビタミン D レセプター コンペティターアッセイ レッド(POLARSCREEN VITAMIN D RECEPTOR COMPETITOR ASSAY,RED (invitrogen) Cat.No.PV4569)を用いて、以下の手順で、評価を行った。
 384ウェル ブラックプレートに2ウェルずつ、化合物溶液を10μLずつ加えた。キットに含まれているVDR/Fluoromone VDR Complexを各ウェルに10μLずつ加え、室温で2時間反応させた。2時間後、蛍光偏光を測定し、親和性を評価した。
 なお、親和性は、1,25−(OH)2−ビタミンDの親和性を1とした場合の相対値(1/X)で評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000027
 本発明で得られた化合物は、強いVDR親和性を有することが確認された。特に、化合物C−1、化合物D−1は非常に強いVDR親和性を有することが判明した。
[実施例14]
ヒト骨芽細胞(HOS細胞)におけるVDR転写活性
(1)レポーターベクターはpGL3ベクター(promega社)を用い、ルシフェラーゼ遺伝子の上流に、文献既知の方法(Ozonoら、ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry )、265巻、21881−21888頁、1990年)で得られるヒトオステオカルシン遺伝子プロモーター部分の配列を、HOS細胞(ATCCより入手)から取得したcDNAよりクローニングし、組み込んで構築した。発現ベクターはpCDNA3ベクター(Invitrogen社)にヒトVDRおよびヒトRXRをコードするDNA配列を挿入して構築した。HOS細胞は10%FBSを含むDMEM培地で37℃、5%COの条件で培養し、2日あるいは3日ごとに継代した。
(2)継代培養していた細胞を遠心回収し、無血清、フェノールレッド不含のDMEM培地に4×10cells/mlの密度で分散させ、96ウェルプレートに0.1mL/ウェルで播種した。この系に、(1)に記載した各種ベクターをLipofectamine2000(Invitrogen社)試薬を用いてウェルあたり0.05mL添加した。37℃で3時間インキュベートした後、各ウェルに各種濃度の被験化合物エタノール溶液あるいはコントロールとしてエタノールを2μLずつ添加した。37℃で24時間インキュベートした後、培地を取り除き、PBS(−)で一度洗浄した後、DualGlo−Luciferase Assay kit(Promega社)を用いて、ルミノメータ(ベルトールド社)によりルシフェラーゼ活性を測定した。
 その結果、本発明の化合物は、いずれもEC50値が20nM以下の転写活性を有することが判明した。さらに、化合物C−1、C−2、D−1、E−1、F−1、F−2については、EC50値が0.2nM以下の転写活性を有することが判明した。特に、化合物D−1、F−1、F−2については、EC50値が0.02nM以下の転写活性を有することが判明した。
[実施例15]
骨粗鬆症モデル(卵巣摘出)ラットにおける骨密度増強作用(比較試験)
 12週齢のSD系雌性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)の両側卵巣を摘出し、4週間放置後、本発明の化合物、並びに国際公開WO01/62723号パンフレットに記載されている2α−(3−ヒドロキシプロピル)オキシー1α,25−ジヒドロキシビタミンDを、週5回、4週間、それぞれ経口投与した。最終投与24時間後、エーテル麻酔下で採血を行い、安楽死させた。麻酔下において、第4第5腰椎の骨密度を二重X線骨塩量測定装置(QDR−2000,HOLOGIC)を用いて測定した。比較のために、偽手術(sham)群(開腹手術をするが卵巣摘出せず、試験化合物の投与を行わない)と卵巣摘出(OVX)群(卵巣摘出するが試験化合物の投与を行わない)についても解剖時において腰椎の骨密度の測定を行った。また、各群における血清中のカルシウム濃度の測定も行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000028
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000029
 手術を施すことにより、OVX群の骨密度は、偽手術群(sham)群に比べて低下することが確認された。ビタミンD誘導体を投与することによって、骨密度の回復が確認された。しかしながら、国際公開WO01/62723号パンフレットに記載されている2α−(3−ヒドロキシプロピル)オキシー1α,25−ジヒドロキシビタミンD投与群は、骨密度の増加にあわせて血中カルシウム値が上昇し、骨密度がsham群以上になるために必要な投与量に(25ng/kg)おいては、血清カルシウム値上昇幅が1mg/dL以上と大きく上昇してしまうことが判明した。
 一方で本発明の化合物は、血清カルシウム値の上昇範囲がOVXの血清カルシウム値より1mg/dL以下の範囲内で、sham群と同等以上の骨密度にまで、骨密度を増強させることが判明した。
 以上の結果から、本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物は、従来報告されているビタミンD誘導体よりも優れた骨への作用を有していることが判明した。
[実施例16]
アデニン腎症モデルラットにおけるPTH分泌濃度抑制作用
 8週齢のWistar系雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)に1日1回、14日間、160mg/kg/日の用量のアデニン溶液を経口投与し、腎症を発症させた。本発明の化合物溶液を、アデニン投与8日目から、1日1回、7日間、経口投与した。アデニン投与7日目とアデニン最終投与日の翌日に、尾静脈から採血し、血清iPTH濃度、血清カルシウム濃度、血清リン濃度の測定を実施した。得られたデータは、アデニン投与7日目の測定値を化合物C−1投与前の測定値として、アデニン最終投与日の翌日の測定値を化合物C−1投与後の測定値として、示した。比較のために、正常群(アデニン溶液の溶媒と本発明の化合物溶液の溶媒を投与)と腎症群(アデニン溶液と本発明の化合物溶液の溶媒を投与)についても、血清iPTH濃度、血清カルシウム濃度、血清リン濃度の測定を行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000030
 アデニン溶液を経口投与することにより、腎症群の血清iPTH濃度は、正常群に比べて上昇することが確認された。腎症群では、アデニン投与7日目とアデニン最終投与日の翌日で、血清iPTH濃度に差は見られなかったが、本発明の化合物溶液を投与した群では、血清iPTH濃度の低下が見られた。一方で、本発明の化合物溶液の投与に依存した血清カルシウム濃度の上昇と血清リン濃度の上昇は、観察されなかった。
[実施例17]
ラット副甲状腺器官培養におけるPTH分泌抑制作用
 12週齢のSD系雌性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)から副甲状腺を採取し、シャーレ上で高リン濃度の培地を用いて器官培養を実施した。前培養として21時間培養を行い、培養液中のPTH濃度をもとに群わけした。培地交換を行ったのち、本発明の化合物を10pM、100pM、1nMとなるように培地に添加し、48時間培養した。化合物を添加した培養開始後24時間の時点で培地交換を行い、さらに24時間後の培養開始後48時間の時点で、培養開始後24時間~48時間の培養液を採取した。培養液中に分泌されたPTH量を用いてPTH分泌抑制率を算出した。
 副甲状腺採取後、高リン濃度の培地で21時間前培養したときの各副甲状腺のPTH分泌量を化合物添加前のPTH値とした(pre)。化合物を添加した培養開始後24時間~48時間の24時間のPTH分泌量を化合物添加後のPTH値とした(post)。下式により、化合物を添加した培養開始後24時間~48時間の24時間の、化合物添加前のPTH値に対するPTH分泌抑制率を算出し、平均値±標準誤差で表示した。
 PTH%(post/pre)=(化合物C−1を添加した培養開始後24時間~48時間の24時間に分泌されたPTH量)×100/化合物C−1添加前の培地中PTH量
 結果を図1に示す。高リン条件で培養することにより、化合物添加をしていない(vehicle)群では48時間培養後、PTHは上昇することが確認された。本発明の化合物を添加した群では、用量依存的にPTH分泌の抑制が見られ、その抑制率は100pM、1nMで有意であった(Kruskal−Wallis検定)。
[実施例18]
ラット腎不全(5/6腎動脈結紮)モデルにおけるPTH分泌抑制作用
 12週齢のSD系雌性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)の左腎の腎動脈を結紮し、2/3領域を虚血した後、右腎を全摘出し、5/6腎動脈結紮モデルを作製した。4週間飼育した後、本発明の化合物C−1を週3回、1週間ごとに投与量を4倍にする漸増法にて、4週間、合計12回尾静脈内投与した。本発明の化合物の投与用量は0.005nmol/kgから開始した。毎週、1週間の最終投与から24時間後に採血を行い、血清iPTH濃度を測定した。また比較のために、偽手術(sham)群(開腹手術後に左腎動脈結紮、右腎摘出はせず、投与液溶媒を投与する)と5/6腎動脈結紮(vehicle)群(5/6腎動脈結紮手術を行い、投与液溶媒を投与する)についても、毎週1週間の最終投与24時間後に採血を行い、血清iPTH濃度を測定した。
 ラット腎不全モデルにおいて、化合物C−1投与前のPTH分泌量はsham群に対して約2.6倍上昇していた。各個体の投与前のPTH分泌量を100%として、化合物C−1投与後のPTH分泌量を%で算出し、平均値±標準誤差で表示した。結果を図2に示す。本発明の化合物では、投与1週目で有意にPTH分泌抑制作用が認められ、投与2週目以降も有意にPTH分泌を抑制した(Student‘s t test)。
 以上の結果から、本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物は、優れたPTH分泌抑制作用を有していることが判明した。
[実施例19]
ラット腎不全モデルにおける骨密度増加作用
 12週齢のSD系雌性ラット(日本チャールス・リバー株式会社)の左腎の腎動脈を結紮し、2/3領域を虚血した後、右腎を全摘出し、5/6腎動脈結紮モデルを作製した。4週間飼育した後、本発明の化合物C−1を週3回、1週間ごとに投与量を4倍にする漸増法にて、4週間、合計12回尾静脈内投与した。本発明の化合物C−1の投与用量は0.005nmol/kgから開始した。最終投与から24時間後にペントバルビタール麻酔下で採血を行い、安楽死させた。剖検時に腰椎と大腿骨を採取し、第4第5腰椎の骨密度および大腿骨遠位の骨密度を、小動物用骨密度測定装置(PIXImus2)を用いて測定した。また比較のために、sham群とvehicle群についても、第4第5腰椎の骨密度および大腿骨遠位の骨密度の測定を行った。
 vehicle群の骨密度(BMD)を100%とし、偽手術(sham)群および化合物C−1投与群の骨密度を%で算出し、平均値±標準誤差で表示した。結果を図3および図4に示す。ラット腎不全モデルにおいて、vehicle群の骨密度は、偽手術(sham)群に比べて、低下しないことが確認された。OVXモデルのような骨粗鬆症モデルとは異なる病態においても、本発明の化合物は有意に骨密度を増強させることが確認された(Student‘s t test)。
 以上の結果から、本発明のビタミンD3誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物は、優れた骨への作用を有していることが判明した。
 本発明で用いられるビタミンD誘導体は、血清カルシウム濃度を上昇させることなく、腎不全により異常を示した血清PTH濃度を速やかに低下させるとともに、血清カルシウム濃度の上昇を抑制しつつ、腎不全非依存的に減少した骨密度を増強する効果を有することが明らかになった。このことは、本発明で用いられるビタミンD誘導体が、PTH分泌亢進に基づく二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として、特にPTH依存的な骨病変やPTH非依存的な骨病変を併発した二次性副甲状腺機能亢進症の治療に有用であることを示している。
 本発明のビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する薬剤は、二次性副甲状腺機能亢進症の治療剤として用いられる。

Claims (13)

  1.  下記式(1)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
     ここで、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基、アルキルカルボニルオキシアルキル基(それぞれのアルキルの炭素数は1~6である)、またはアリールカルボニルオキシアルキル基(アリールの炭素数は6~10であり、アルキルの炭素数は1~6である)を表す。Rは水素原子もしくは炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~6の環状アルキル基を形成していてもよい。Rは、炭素数1~6のアルキル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~6の環状アルキル基を形成していてもよい。Xは酸素原子またはメチレン基を表し、nは1または2の整数を表す。
  2.  Xが酸素原子を表す、請求項1に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  3.  Xがメチレン基を表す、請求項1に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  4.  nが1である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  5.  Rが水素原子を表す、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  6.  Rが水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ブチルカルボニルオキシメチル基、またはフェニルカルボニルオキシメチル基を表す、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  7.  Rが水素原子を表し、nが1である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  8.  Rが水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ブチルカルボニルオキシメチル基、またはフェニルカルボニルオキシメチル基を表し、Rが水素原子を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とでシクロプロピル基を形成し、Rがメチル基、エチル基を表すか、または他方のRおよびそれらが結合する炭素原子とでシクロプロピル基を形成し、Xが酸素原子またはメチレン基を表し、n=1である、請求項1に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  9.  下記いずれかのビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤:
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−エトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−プロポキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−(1−メチル)エトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((t−ブチルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((フェニルカルボニルオキシ)メトキシカルボニルエトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−メトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−エトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−プロポキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−(1−メチル)エトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1S,2S,3R,20R)−2−(2−(1,1−ジメチル)エトキシカルボニルプロピル)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((2−カルボキシー2,2−エタノ)エトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−((2−カルボキシー2,2−ジメチル)エトキシ)−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ジメチル−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール
     (5Z,7E)−(1R,2S,3R,20R)−2−(2−カルボキシエトキシ)−26,27−ノル−25−シクロペンチル−23−イン−9,10−セコ−5,7,10(19)−コレスタトリエン−1,3,25−トリオール。
  10.  下記式(17)で表されるビタミンD誘導体またはその医薬上許容される溶媒和物を有効成分として含有する、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
     ここで、R、RおよびRの定義は、式(1)と同じである。
  11.  二次性副甲状腺機能亢進症が骨病変を併発したものである、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  12.  骨病変が骨粗鬆症である、請求項11に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
  13.  骨粗鬆症が腎不全に依存しない、請求項12に記載の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤。
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