WO2013122048A1 - 超音波発生装置 - Google Patents
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Abstract
広い周波数帯域にわたり高い音圧を得ることができ、かつより一層高い音圧を得ることができる超音波発生装置を提供する。 第1の音波放出孔12a,12cを有し、内部で第1の音響共鳴が生じて第1の音波放出孔12a,12cから超音波を放出させる超音波発生器2が、ケース3の内面に固定されており、第1の音波放出孔12a,12cと、ケース3に設けられておりかつ外部に超音波を放出させる第2の音波放出孔7aとの間に、第1の音響共鳴とは異なる第2の音響共鳴が生じるキャビティが形成されるようにケース3が構成されている、超音波発生装置1。
Description
本発明は、音響共鳴を利用した超音波発生装置に関し、より詳細には、音響共鳴を利用した超音波発生器がケースに内蔵されている超音波発生装置に関する。
従来、圧電振動子を用いた電気音響変換器が種々提案されている。例えば、下記の特許文献1には、図13に部分切欠正面断面図で示す圧電型電気音響変換装置1001が開示されている。圧電型電気音響変換装置1001では、ケース1003に圧電型電気音響変換器1002が取り付けられている。圧電型電気音響変換器1002では、圧電セラミック素子1004が、ケース材1005の内面に固定されている。ケース材1005で囲まれた空間が共鳴室1006を構成している。圧電型電気音響変換器1002では、共鳴室1006内における音響共鳴により、高い音圧が得られるとされている。さらに、圧電型電気音響変換装置1001では、ケース1003の外壁と圧電型電気音響変換器1002との間に音響空間1003aが形成されており、それによって音圧をより一層高めることができるとされている。
電気音響変換器を利用して音圧を取り出す装置を例えばセンサにおける超音波発生源等として利用する場合、周波数帯域が広いことが求められる。それによって、センサの設計の自由度を高め得るとともに、感度を高めることができる。しかしながら、特許文献1に記載の圧電型電気音響変換装置1001では、1つの音響共鳴のみを利用するものであるため、音圧を高め得る周波数帯域が狭かった。
加えて、特許文献1に記載の圧電型電気音響変換装置1001では、共鳴室1006を利用した音響共鳴を利用しているだけであるため、音響空間1003aが設けられているにしても、ケース1003に対する圧電型電気音響変換器1002の実装状態によって音圧が制限されがちであった。すなわち、より大きな音圧を確実に取り出すことができないことがあった。
本発明の目的は、広い周波数帯域にわたり高い音圧を得ることができ、かつより一層高い音圧を得ることができる超音波発生装置を提供することにある。
本発明に係る超音波発生装置は、超音波発生器と、ケースとを備える。超音波発生器は、第1の音波放出孔を有し、内部で第1の音響共鳴が生じて第1の音波放出孔から超音波を放出させる。ケースでは、超音波発生器が内面に固定されている。また、ケースには、外部に超音波を放出させる第2の音波放出孔が設けられている。そして、第1の音波放出孔と第2の音波放出孔との間に、第1の音響共鳴とは異なる第2の音響共鳴が生じるキャビティが形成されるようにケースが構成されている。
本発明に係る超音波発生装置のある特定の局面では、キャビティの一方側に第1の音波放出孔が位置しており、キャビティの一方側とは反対側に第2の音波放出孔が位置している。この場合には、キャビティにおいて第2の音響共鳴をより効果的に発生させ、より高い音圧を得ることができる。
本発明に係る超音波発生装置の他の特定の局面では、ケースが、第2の音波放出孔が設けられている外壁材と、外壁材の内面に固定されている内側ケース材とを有する。外壁材と内側ケース材とで囲まれた空間内において超音波発生器が内側ケース材の内面に固定されている。この場合には、内側ケース材の形状を工夫することにより、第2の音響共鳴をより一層確実に発生させることができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに別の特定の局面では、内側ケース材が、一方面に超音波発生器が実装されている実装基板と、一端が実装基板の一面に接合されており、他端が外壁材の内面に接合されている筒状ケース材とを有する。この場合には、筒状ケース材を介して外壁材を実装基板に接合することができる。よって、第2の音響共鳴が生じるキャビティをより確実に形成することができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに他の特定の局面では、超音波発生器が、第1の音波放出孔が外表面に形成された素子ケース材と、素子ケース材内に収納されている超音波発生素子とを有する。超音波発生素子と素子ケース材との間の空間において第1の音響共鳴が生じるように素子ケース材内に超音波発生素子が収納されている。この場合には、第1の音響共鳴をより効果的に発生させることができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに他の特定の局面では、超音波発生素子が、中央に凹部及び貫通孔のうちの一方が形成されているスペーサと、スペーサの一方主面に接合されており、かつ平板状の第1の圧電振動子と、スペーサの他方主面に接合されており、かつ平板状の第2の圧電振動子とを有する。第1の圧電振動子と第2の圧電振動子とが互いに逆位相で振動することにより超音波を発生させる。この場合には、より一層高い音圧を得ることができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに別の特定の局面では、超音波発生素子の両主面のうちの少なくとも一方側に、超音波発生素子で発生した超音波を圧縮し、該超音波発生素子の主面に沿う方向に超音波が伝搬する音響経路が超音波発生素子と素子ケース材との間の空間により形成されている。この音響経路において第1の音響共鳴が生じて、超音波が第1の音波放出孔から放出される。この場合には、より一層高い音圧を得ることができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに別の特定の局面では、第1,第2の圧電振動子が、バイモルフ型圧電振動子からなる。この場合には、バイモルフ型圧電振動子を用いているため、より一層高い音圧を取り出すことができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに他の特定の局面では、ケースに第2の音波放出孔が複数設けられている。これらの複数の第2の音波放出孔が、第2の音響共鳴の振動の節となる位置に設けられている。この場合には、第2の音響共鳴により、より一層高い音圧を取り出すことが可能となる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに他の特定の局面では、複数の第2の音波放出孔が、第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対向しているケースの第2の音波放出孔が設けられている主面上の点を通り、かつ超音波発生器の第1の音波放出孔が設けられている超音波発生器の主面と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配置されている。この場合には、複数の第2の音波放出孔を、第2の音響共鳴の振動の節となる位置に確実に配置することができる。
本発明に係る超音波発生装置のさらに他の特定の局面では、複数の第2の音波放出孔が、第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対向しているケースの第2の音波放出孔が設けられている主面上の点を中心とする仮想円上において等間隔に分散配置されている。この場合には、複数の第2の音波放出孔を、第2の音響共鳴の振動の節となる位置に確実に配置することができる。
本発明に係る超音波発生装置によれば、超音波発生器内における第1の音響共鳴と、ケースと超音波発生器との間のキャビティ内における第2の音響共鳴とを利用し、超音波を高い音圧で放出させることができる。また、第2の音響共鳴は第1の音響共鳴と異なるため、高い音圧が得られる周波数帯域を広げることが可能となる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る超音波発生装置1の模式的正面断面図である。図1(b)は、本実施形態に係る超音波発生装置1の模式的平面図である。
超音波発生装置1は、超音波を発生させる超音波発生器2と、ケース3とを有する。超音波発生器2は、ケース3内に収納されている。ケース3は、本実施形態では、内側ケース材6と、外壁材7とを有する。内側ケース材6は、実装基板4と、筒状ケース材5とを有する。実装基板4の上面に超音波発生器2が実装されている。すなわち、超音波発生器2が内側ケース材6の内面に固定されている。超音波発生器2の上方には、内側ケース材6と外壁材7とによりキャビティAが構成されている。
実装基板4は、セラミックス、金属または合成樹脂などの適宜の材料からなる。筒状ケース材5は、ゴム弾性を有する材料、合成樹脂、金属またはセラミックスなどからなる。本実施形態では、ゴム弾性を有する材料からなるガスケットにより筒状ケース材5が構成されている。
実装基板4の上面に筒状ケース材5の下端が接合されている。筒状ケース材5の上端が、外壁材7の下面に接合されている。すなわち、内側ケース材6は、外壁材7の内面に固定されている。外壁材7は、超音波発生装置1が構成される機器の外壁を構成している。上記外壁材7は、金属、合成樹脂またはセラミックスなどの適宜の材料からなる。上記外壁材7と、内側ケース材6とで囲まれた空間内に、超音波発生器2が配置されている。
なお、本実施形態では、内側ケース材6は、実装基板4及び筒状ケース材5を有するが、これらを一体化してなる内側ケース材を用いてもよい。
もっとも、平板状の実装基板4上には超音波発生器2を容易に実装することができる。また、筒状ケース材5を用いて実装基板4を機器の外壁材7に容易に固定し、超音波発生装置1を構成することができる。
また、ゴム弾性を有する材料からなる筒状ケース材5を用いることにより、外部への超音波の漏れを効果的に防止することができる。従って、本実施形態のように、上記筒状ケース材5及び実装基板4からなる内側ケース材6を用いることが好ましい。
外壁材7には第2の音波放出孔7aが設けられている。図1(b)に示すように、第2の音波放出孔7aは、平面視して円形の形状を有するが、この第2の音波放出孔の平面形状は特に限定されるものではない。
超音波発生器2の詳細を、以下に示す。図1(c)は、本実施形態に係る超音波発生装置1で用いられている超音波発生器2を示し、図2のI-I線に沿う部分における拡大正面断面図である。図2は、本実施形態に係る超音波発生装置1で用いられている超音波発生器2の外観を示す斜視図である。
超音波発生器2は、基板11と、キャップ12とからなる素子ケース材13を有する。すなわち、平板状の基板11上に、下方に開いた開口を有するキャップ12が固定されている。それによって、素子ケース材13が構成されている。基板11とキャップ12とにより囲まれた空間内に超音波発生素子14が収納されている。
図2に示すように、上記キャップ12の天板部には、複数の第1の音波放出孔12a~12dが設けられている。図1(c)では、第1の音波放出孔12a,12cのみが図示されている。
図2に示した第1の音波放出孔12a~12dは、超音波発生器2の天板部に設けられている。従って、第1の音波放出孔12a~12dは、図1(a)に示されている第2の音波放出孔7aとキャビティAを介して対向している。言い換えれば、キャビティAの一方側に第1の音波放出孔12a~12dが位置しており、反対側に第2の音波放出孔7aが位置していることから、第1の音波放出孔12a~12dと第2の音波放出孔7aとの間にキャビティAが形成されている。
図3は、本実施形態に係る超音波発生装置1に用いられている超音波発生器2内に配置されている超音波発生素子14の模式的分解斜視図である。超音波発生素子14は、スペーサ15を有する。スペーサ15は、例えばセラミックスや合成樹脂などの適宜の剛性材料からなる。スペーサ15の中央には、開口15aが形成されている。スペーサ15の上面には、接着剤16を介して、第1のバイモルフ型圧電振動子17が接合されている。接着剤16は、開口16aを有する。接着剤16は、上記開口15aを除く領域においてスペーサ15の上面に塗布されている。
同様に、スペーサ15の下面には、接着剤18を介して、第2のバイモルフ型圧電振動子19が接合されている。接着剤18は、開口18aを有する。すなわち、スペーサ15の下面においても、開口15aを除く領域に、接着剤18が塗布されている。
なお、スペーサ15は貫通孔からなる開口15aを有するが、開口15aに代えて、中央領域において両面に凹部を形成してもよい。第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19は、後述するように、中央領域が圧電効果により振動する部分である。従って、この振動を妨げないように、スペーサ15の両面に凹部を形成してもよい。
なお、開口15aの周縁の一部からスペーサ15の外周縁に至る欠落部が形成されていてもよい。
図1(c)に示すように、第1のバイモルフ型圧電振動子17は、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスなどの圧電セラミックスからなる圧電板17aを有する。圧電板17aは、平面視して正方形状である。圧電板17aは、2つの圧電体層と、該2つの圧電体層の間に配置された内部励振電極17cとを有する。圧電板17aの上面中央には、第1の励振電極17bが形成されている。第1の励振電極17bは、内部励振電極17cと上側の圧電体層を介して重なり合うように設けられている。圧電板17aの下面中央には、第2の励振電極17dが形成されている。第2の励振電極17dは、内部励振電極17cと下側の圧電体層を介して重なり合うように設けられている。第1,第2の励振電極17b,17dは、AgやPdなどの金属からなる。図3に示すように、第1の励振電極17bは、圧電板17aの上面における隣り合う2つのコーナー部に向かって延びる、引き出し電極17b1,17b2に連ねられている。第2の励振電極17dも同様に、圧電板17aの下面における隣り合う2つのコーナー部に向かって延びる、引き出し電極(図示せず)に連ねられている。
第1の励振電極17bと内部励振電極17cとの間の圧電体層及び内部励振電極17cと第2の励振電極17dとの間の圧電体層は、厚み方向において同一方向に分極されている。他方、バイモルフ型圧電振動子として動作させるために、第1の励振電極17bが引き出し電極17b1,17b2を介して第1の端子電極21に電気的に接続されており、第2の励振電極17dが引き出し電極(図示せず)を介して第1の端子電極21に電気的に接続されている。第1の端子電極21は、超音波発生素子14の一方端面に形成されている。超音波発生素子14の他方端面には、第2の端子電極22が形成されている。内部励振電極17cは、内部励振電極17cに連なる引き出し電極(図示せず)を介して第2の端子電極22に電気的に接続されている。従って、第1の端子電極21と第2の端子電極22との間に交流電界を印加することにより、第1のバイモルフ型圧電振動子17が振動し、超音波を発生させる。
第2のバイモルフ型圧電振動子19も、第1のバイモルフ型圧電振動子17と同様に構成されている。もっとも、第2のバイモルフ型圧電振動子19は、第1のバイモルフ型圧電振動子17に対して逆相で変位するように構成されている。例えば、第2のバイモルフ型圧電振動子19は、圧電体層は厚み方向において第1のバイモルフ型圧電振動子17の圧電体層とは逆方向に分極されていることにより、第1のバイモルフ型圧電振動子17に対して逆相で変位するように構成されている。第2のバイモルフ型圧電振動子19もまた、第1,第2の励振電極と内部励振電極とが第1,第2の端子電極21,22に電気的に接続されている。従って、第1の端子電極21と第2の端子電極22との間に交流電界を印加することにより、第2のバイモルフ型圧電振動子19も振動し、超音波を発生させる。第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19の振動により、超音波発生素子14の上方と下方で超音波が発生する。
図1(c)に示すように、超音波発生器2では、上記超音波発生素子14により発生した超音波が、破線の矢印で示す方向に伝搬し、第1の音波放出孔12a~12dから超音波発生器2の上方に放出される。
図4は、本実施形態に係る超音波発生装置1に用いられている超音波発生器2の分解斜視図である。上述したスペーサ15の上下に接着剤16,18を介して第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19が接合されている構造を有する超音波発生素子14が、基板11とキャップ12とからなる素子ケース材13内に収納される。図4に示すように、超音波発生素子14が、複数の支持部材23を介して基板11上に固定されている。複数の支持部材23は、適宜のセラミックスもしくは金属等により形成される。超音波発生素子14の下面すなわち第2のバイモルフ型圧電振動子19の下面と、基板11の上面との間には、ギャップが形成される。そのため、第2のバイモルフ型圧電振動子19の振動が妨げられ難い。
図1(c)に示すように、超音波発生素子14の上面すなわち第1のバイモルフ型圧電振動子17の上面と、キャップ12の天板部内面との間には、ギャップが形成される。そのため、第1のバイモルフ型圧電振動子17の振動が妨げられ難い。
次に、本実施形態の超音波発生装置1の動作について説明する。図5(a)及び(b)は、本実施形態に係る超音波発生装置1に用いられている超音波発生器2の動作を説明するための各部分切欠正面断面図である。超音波発生器2の第1,第2の端子電極21,22間に交流電界を印加すると、第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19は、図5(a)で示す変位状態と、図5(b)で示す変位状態とを繰り返す。すなわち、超音波発生素子14は、座屈音叉振動モードにより振動し、超音波を放出する。この場合、図5(a)及び(b)に示すように、第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19では、励振部が振動の腹となり、スペーサ15に固定されている部分が振動の節となる。振幅が最も大きい部分、すなわち振動の腹の中心は、励振部の中心となる。
第1のバイモルフ型圧電振動子17の上面と、キャップ12の天板部内面との間には、ギャップが存在する。第1のバイモルフ型圧電振動子17の振動の腹の中心がキャップ12の天板部内面に近接した状態と、離間した状態とを交互に繰り返すことになる。そのため、超音波が圧縮され、矢印Bで示すように、振動の腹の中心から外側に向かって超音波が伝搬することとなる。
第2のバイモルフ型圧電振動子19の下面と、基板11の上面との間には、ギャップが存在する。第2のバイモルフ型圧電振動子19の振動の腹の中心が基板11の上面に近接した状態と、離間した状態とを交互に繰り返すことになる。そのため、超音波が圧縮され、矢印Cで示すように、振動の腹の中心すなわち励振部の中心から外側に向かって超音波が伝搬することとなる。
図1(c)に矢印B及び矢印Cで示す方向に伝搬する超音波は、位相が揃った状態で、第1の音波放出孔12a~12dに伝搬し、第1の音波放出孔12a~12dから超音波発生器2の上方に放出されることになる。
言い換えれば、図1(c)に示すように、超音波発生器2では、超音波発生素子14の上面とキャップ12の天板部内面との間のギャップにより第1の音響経路が構成されている。また、超音波発生素子14の下面と基板11の上面との間のギャップにより第2の音響経路が構成されている。この第1の音響経路及び第2の音響経路をそれぞれ矢印B及び矢印Cで示すように伝搬する超音波が、合成され、第1の音波放出孔12a,12cから放出される。第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19の振動の腹の中心から第1の音波放出孔12a~12dまでの距離は、発生する超音波の波長をλとしたときに、λ/4とされている。
なお、矢印Cで示すように伝搬する超音波は、図1(c)に示すように、超音波発生素子14の下面側の第2の音響経路から、超音波発生素子14の側方において上方に伝搬する。従って、第1のバイモルフ型圧電振動子17の振動の腹の中心から第1の音波放出孔12a~12dまでの距離と、第2のバイモルフ型圧電振動子19の振動の腹の中心から第1の音波放出孔12a~12dまでの距離は異なる。しかしながら、超音波発生素子14の厚みは、波長に対して無視できる程小さくすることができる。例えば、超音波発生器2で発生する超音波の周波数が60kHzである場合、波長は5.7mmである。これに対して、超音波発生素子14の厚みは、200~400μm程度である。従って、上記距離の差は200~400μm程度すなわち0.03λ~0.07λ程度である。よって、上記距離の差は、音圧を高める効果にさほど影響しない。
上記超音波発生器2内において、超音波を圧縮し伝搬させた場合、高い音圧で第1の音波放出孔12a~12dから超音波を放出することができる。また、上記座屈音叉振動モードでは、振動の腹の中心が、第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19の励振部の中心にある。他方、上記超音波発生素子14と素子ケース材13との間の上記ギャップ内において管共鳴の開放端となる位置に、第1の音波放出孔12a~12dが設けられている。従って、超音波発生器2内において管共鳴の形で第1の音響共鳴が生じ、非常に高い音圧で超音波を第1の音波放出孔12a~12dから上方に向かって放出させることができる。
加えて、本実施形態では、図1(a)に示すように、超音波発生器2の上方にキャビティAが構成されている。このキャビティAは、超音波発生器2から放出された超音波が、キャビティA内において、第1の音響共鳴と異なる第2の音響共鳴を生じるように構成されている。すなわち、上記のように、ケース3が構成されている。具体的には、キャビティAにおいて、実装基板4の上面から外壁材7の下面までの距離Hが、発生する超音波の波長をλとしたときに、3/4λとされている。距離Hは、言い換えれば、キャビティAの高さである。そのため、本実施形態では、キャビティA内における第2の音響共鳴が生じる。第1の音響共鳴と第2の音響共鳴とも利用して、非常に高い音圧で超音波を第2の音波放出孔7aから外部に向かって放出させることができる。第2の音響共鳴を発生させるためには、距離Hは、発生する超音波の波長をλとしたときに、λ/2以上であることが望ましい。それによって、第2の音響共鳴を確実に発生させることができる。
なお、このキャビティA内における第2の音響共鳴は、第1の音響共鳴とは異なる。本願発明者らは、有限要素法により、超音波発生装置1を駆動した際の音圧分布及び位相分布を測定し、これを確認した。
すなわち、キャビティA内における第2の音響共鳴では、キャビティA内において音圧が最も高く、その場合、超音波発生器2内を伝搬している超音波の位相と、キャビティAの超音波発生器2に近い領域を伝搬している超音波の位相とがほとんど変わっていないことが確認された。これに対して、超音波発生器2内における第1の音響共鳴の場合には、超音波発生器2内を伝搬している超音波の位相と、キャビティAの超音波発生器2に近い領域を伝搬している超音波の位相とは180°反転していることが確認できた。すなわち、超音波発生器2内ではλ/4の第1の音響共鳴が生じており、キャビティA内では上記Hが3/4λとなっている第2の音響共鳴が生じていることが確認された。
従って、本実施形態の超音波発生装置1によれば、超音波発生器2内における第1の音響共鳴と、第1の音響共鳴とは異なるキャビティA内における第2の音響共鳴とを利用し、超音波を高い音圧で放出させることができる。しかも、第1の音響共鳴と第2の音響共鳴が異なり、すなわちその周波数帯が異なるため、広い周波数帯域にわたり高い音圧を得ることができる。
図6は、本実施形態に係る超音波発生装置1における音圧-周波数特性の一例を示す図である。図6におけるピークDは、キャビティA内における第2の音響共鳴による音圧ピークを示す。ピークEが、超音波発生器2内における第1の音響共鳴による音圧ピークを示す。
上記ピークDの周波数位置は、距離H、キャビティAの容積等を調整することによりシフトさせることができる。また、ピークEの周波数位置は、超音波発生器2の音響経路の寸法を調整することによりシフトさせることができる。ピークDとピークEの位置を近接させ、ただし両者が一致しないように配置することにより、広い周波数域にわたり、大きな音圧を得ることができる。
よって、例えば超音波センサの超音波発生源として本実施形態の超音波発生装置1を用いれば、広い周波数域にわたり高い感度で超音波を検出することが可能となる。また、超音波受信側回路の設計の自由度を高めることも可能となる。
図7(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る超音波発生装置31の模式的平面図及び模式的正面断面図であり、図8はその模式的分解斜視図である。図7(b)は、図7(a)のII-II線に沿う部分における拡大正面断面図である。
第2の実施形態の超音波発生装置31では、超音波を発生させる超音波発生器2と、ケース3Aとを有する。超音波発生器2は、ケース3A内に収納されている。ケース3Aは、本実施形態では、内側ケース材6Aと、外壁材7とを有する。内側ケース材6Aは、実装基板4と、筒状ケース材5Aとを有する。実装基板4の上面に超音波発生器2が固定されている。筒状ケース材5Aは、詳細には底部を有する筒状であり、底部に貫通孔5a~5dが形成されている。超音波発生器2の上方には、内側ケース材6Aと外壁材7とによりキャビティAが構成されている。これらの構造については、第1の実施形態と同一部分については同一の参照番号を付することにより、第1の実施形態の説明を援用することにより省略することとする。第2の実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図7(a)に示すように、外壁材7に複数の第2の音波放出孔7A~7Dが設けられていることにある。
なお、図7(a)に示すように、第2の実施形態の超音波発生装置31では、筒状ケース材5Aの貫通孔5a~5dは、平面視した際に第2の音波放出孔7A~7Dと重なり合うように形成されている。また、キャビティAに臨む部分において、外壁材7の下面にキャビティ寸法調整材32が配置されている。キャビティ寸法調整材32は、筒状ケース材5Aの一部として構成されている。
本実施形態においても、超音波発生器2内においては、第1の実施形態と同様に、第1の音響共鳴が生じ、非常に高い音圧で超音波が放出される。すなわち、第1,第2のバイモルフ型圧電振動子の振動の腹の中心から第1の音波放出孔までの距離が、発生する超音波の波長をλとしたときに、λ/4とされている。それによって、超音波発生器2内において第1の音響共鳴が生じ、高い音圧で超音波が第1の音波放出孔から放出される。
加えて、本実施形態においても、キャビティAは、キャビティA内において、第1の音響共鳴と異なる第2の音響共鳴を生じるように構成されている。第1の音響共鳴と第2の音響共鳴とも利用して、非常に高い音圧で超音波を第2の音波放出孔7A~7Dから外部に向かって放出させることができる。もっとも、第1の実施形態では、キャビティにおける第2の音響共鳴を引き起こすには、キャビティAの高さ、すなわち図1(a)の距離Hをλ/2以上としなければならない。
これに対して、本実施形態では、複数の第2の音波放出孔7A~7Dが、キャビティA内における第2の音響共鳴の振動の節となるように配置されている。そのため、図7(b)に示す実装基板4の上面からキャビティ寸法調整材32(外壁材7)の下面までの距離H1、すなわちキャビティAの高さをλ/2よりも小さくした場合であっても、第2の音響共鳴を利用して、より高い音圧で超音波を放出させることができる。これを、より具体的に説明する。
上記超音波発生器2の外形寸法を4.0mm×4.0mm×高さ0.92mmとした。キャビティAの寸法を5.0×5.0×高さ(=距離H1)1mmとし、キャビティ寸法調整材32(外壁材7)の下面から外壁材7の上面までの距離H2を1.4mmとした。そして、複数の第1の音波放出孔7A~7Dについては、長さ方向寸法が2mm、幅方向寸法が1.0mmのコーナー部が丸められた略矩形形状の平面形状とした。
上記キャビティAの高さ(=距離H1)を、1.0mm、1.6mmまたは2.0mmとした超音波発生装置31を作製し、音圧-周波数特性を測定した。図9は、本実施形態に係る超音波発生装置31において、キャビティAの高さ(=距離H1)を変化させた場合の音圧-周波数特性の変化を説明するための図である。図9から明らかなように、キャビティAの高さ(=距離H1)を1.6mmとした場合には、ピークX1及びピークY1が現れていることがわかる。このピークX1は、超音波発生器2内における第1の音響共鳴による音圧ピークである。他方、ピークY1は、キャビティA内における第2の音響共鳴による音圧ピークである。他方、キャビティAの高さ(=距離H1)が2.0mmの場合には、実線で示すように、ピークX1よりも高周波数側に単一のピークが現れている。この単一のピークは、超音波発生器2内における第1の音響共鳴による音圧ピークと、キャビティA内における第2の音響共鳴による音圧ピークとが重なったものであり、高い音圧となっている。そして、キャビティAの高さ(=距離H1)1.0mmとした場合には、ピークX1よりも低周波数側に単一のピークが現れている。これは、以下の理由によると考えられる。
有限要素法による分析によれば、キャビティA内における第2の音響共鳴において音圧がもっとも高い部分、すなわち第2の音響共鳴における振動の腹の中心は、超音波発生器2の励振部の中心の上方に位置している。具体的には、キャビティA内における第2の音響共鳴において音圧がもっとも高い部分、すなわち第2の音響共鳴における振動の腹の中心は、超音波発生器2の天面とキャビティ寸法調整材32の間の中心点にあり、横方向に音響経路を長くすることができるので、超音波発生装置31では低背であっても共鳴を起こすことができる。他方、キャビティAの高さ(=距離H1)が1.6mmである場合、このキャビティA内における第2の音響共鳴の振動の節が、上記複数の第2の音波放出孔7A~7Dの位置に存在する。すなわち、複数の第2の音波放出孔7A~7Dが、第2の音響共鳴の振動の節となる位置に設けられている。それによって、第2の音響共鳴が確実に引き起こされ、ピークX1が現れている。このように、本実施形態では、発生する超音波の波長をλとしたときに、キャビティAの高さ(=距離H1)をλ/2よりも小さくした場合であっても、超音波発生器2内における第1の音響共鳴とともにキャビティA内における第2の音響共鳴を利用して高い音圧を取り出すことができ、第1の実施形態と同様に、広い周波数帯域にわたり、高い音圧を取り出すことができる。
なお、第1の実施形態においても、距離Hをλ/2以上とした場合には、キャビティA内における第2の音響共鳴を発生させることができ、図6に示したピークDを発生させることができる。もっとも、第2の実施形態では、上記のように、キャビティAの高さ(=距離H1)をλ/2より小さくした場合であっても、上記のように、広い周波数帯域で高い音圧を取り出し得る。従って、超音波発生装置31では、低背化を進めることが可能となる。
上記のように、第2の実施形態において低背化を進め得るのは、複数の第2の音波放出孔が、キャビティ内における第2の音響共鳴の振動の節となる位置に設けられていることによる。従って、このような複数の第2の音波放出孔の形状及び位置については、図7(a)に示した形状及び位置に限定されるものではない。図10(a)~(d)、図11(a)~(d)、図12(a),(b)に、本実施形態に係る超音波発生装置31における複数の第2の音波放出孔の形状及び位置の第1~第10の変形例を模式的平面図でそれぞれ示す。
なお、図10(a)及び以下の各図において、中心Oを通る破線で示す直線P,Qを理解を容易とするために記載する。中心Oは、第2の音響共鳴の振動の腹の中心上に位置している点であり、言い換えれば超音波発生器2における励振部の中心の直上に位置する点である。また、中心Oは、外壁材7上、すなわち超音波発生装置31のケース3Aの主面上にあり、第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対向している位置にある。直線P及び直線Qは、中心Oを通りかつ超音波発生器2の上面と平行に延びる直線である。直線Pと直線Qは、90°の角度をなしている。また、円Rは、中心Oを中心とする半径rの円である。
図10(a)に示すように、上記第2の実施形態の第1の変形例では、複数の第2の音波放出孔7A~7Dは、中心Oを通る直線Pに対して線対称に、あるいは直線Qに対して線対称に配置されている。言い換えれば、中心Oを中心とする半径rの円Rの円周上において均一に分散配置されている。
前述したように、第2の音響共鳴における振動の腹の中心は、中心Oの下方に位置している。従って、第2の音響共鳴における振動の腹の中心から所定の距離を隔てて第2の音波放出孔7A,7C同士が対向しており、他の組の第2の音波放出孔7B,7Dが対向している。すなわち、第2の音波放出孔7A,7Cを例に取ると、第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対し、一方側の節となる位置に第2の音波放出孔7Aが位置しており、他方側の節となる位置に第2の音波放出孔7Cが位置している。
図10(a)では、複数の第2の音波放出孔7A~7Dの長さ方向は、直線Pまたは直線Qに平行とされていた。図10(b)に示す第2の実施形態の第2の変形例のように、複数の第2の音波放出孔7A~7Dの長さ方向は、直線Pまたは直線Qに平行でなくともよい。この場合においても、直線Pまたは直線Qに対して線対称に、複数の第2の音波放出孔7A~7Dが配置されている。
また、図10(c)に示す第2の実施形態の第3の変形例のように、一対の複数の第2の音波放出孔7A,7Cのみを設けてもよい。さらに、図10(d)に示す第2の実施形態の第4の変形例のように、円Rよりも半径の大きな円弧と、円Rよりも半径の小さな円弧の両端を結んだ形状の複数の第2の音波放出孔7E~7Hを用いてもよい。
図11(a)に示す第2の実施形態の第5の変形例のように、平面形状が円形の複数の第2の音波放出孔7I~7Lを設けてもよい。その場合、図11(b)に示す第2の実施形態の第6の変形例のように、3個の平面形状が円形の第2の音波放出孔7I~7Kを、円Rの円周上において均一に分散配置してもよい。この場合においても、直線Pに対して、第2の音波放出孔7I~7Kは線対称に位置していることとなる。すなわち、複数の第2の音波放出孔は、中心Oを通る任意の直線に対して線対称に配置されていればよい。
図11(c)に示す第2の実施形態の第7の変形例のように、2個の第2の音波放出孔7I,7Kのみを中心Oを介して対向するように配置してもよい。さらに、図11(d)に示す第2の実施形態の第8の変形例のように、より多数の平面形状が円形の第2の音波放出孔7I~7Nを配置してもよい。
図10(a)~(d)、図11(a)~(d)に示すように、複数の第2の音波放出孔の配置パターンについては、前述したように、中心Oを通る任意の直線に対して線対称に配置されていればよい。また、表現を替えれば、中心Oを中心とする半径rの円Rの円周上において均一に複数の第2の音波放出孔を配置すればよい。この場合、半径rは、中心Oを介して向かい合う複数の第2の音波放出孔が第2の音響共鳴の振動の節となるように定めればよい。
また、図10(a)~(d)及び図11(a)~(d)では、複数の第2の音波放出孔の平面形状は等しくされていたが、図12(a)及び(b)に示すように、複数種の形状の第2の音波放出孔を設けてもよい。図12(a)に示す第2の実施形態の第9の変形例では、平面形状がコーナー部が丸められた略矩形形状の第2の音波放出孔7Aと、平面形状が円形の第2の音波放出孔7J,7Kが円Rの円周上において分散配置されている。ここでも、直線Pを介して線対称に、第2の音波放出孔7A,7J,7Kが配置されている。
図12(b)に示す第2の実施形態の第10の変形例では、図10(d)に示した第2の音波放出孔7E,7Fと、図10(d)に示した第2の音波放出孔7H,7Gを連ねた形状の第2の音波放出孔7Pとが設けられている。ここでも、複数の第2の音波放出孔7E,7F及び7Pは、直線Qを介して線対称に配置されている。もっとも、図12(a)及び(b)に示した構造に対し、図10及び図11に示したように、中心Oの周りに点対称に複数の同一形状の第2の音波放出孔が配置されていることがより好ましく、それによって第2の音響共鳴による音圧向上効果をより一層高めることができる。
なお、上述してきた実施形態では、第1,第2のバイモルフ型圧電振動子17,19を用いたが、第1,第2の圧電振動子として、ユニモルフ型圧電振動子などの他の圧電振動子を用いてもよい。さらに、圧電振動子に限らず、他の電気音響変換素子を用いてもよい。加えて、第1,第2の振動子を用いた超音波発生器に限らず、内部で第1の音響共鳴を引き起こして第1の音波放出孔から超音波を放出させる適宜の形態の超音波発生器を用いることができる。
1…超音波発生装置
2…超音波発生器
3,3A…ケース
4…実装基板
5,5A…筒状ケース材
6,6A…内側ケース材
7…外壁材
7a,7A~7N,7P…第2の音波放出孔
11…基板
12…キャップ
12a~12d…第1の音波放出孔
13…素子ケース材
14…超音波発生素子
15…スペーサ
15a…開口
16,18…接着剤
16a,18a…開口
17,19…第1,第2のバイモルフ型圧電振動子
17a…圧電板
17b,17d…第1,第2の励振電極
17b1,17b2…引き出し電極
17c…内部励振電極
21,22…第1,第2の端子電極
23…支持部材
31…超音波発生装置
32…キャビティ寸法調整材
2…超音波発生器
3,3A…ケース
4…実装基板
5,5A…筒状ケース材
6,6A…内側ケース材
7…外壁材
7a,7A~7N,7P…第2の音波放出孔
11…基板
12…キャップ
12a~12d…第1の音波放出孔
13…素子ケース材
14…超音波発生素子
15…スペーサ
15a…開口
16,18…接着剤
16a,18a…開口
17,19…第1,第2のバイモルフ型圧電振動子
17a…圧電板
17b,17d…第1,第2の励振電極
17b1,17b2…引き出し電極
17c…内部励振電極
21,22…第1,第2の端子電極
23…支持部材
31…超音波発生装置
32…キャビティ寸法調整材
Claims (11)
- 第1の音波放出孔を有し、内部で第1の音響共鳴が生じて第1の音波放出孔から超音波を放出させる超音波発生器と、
前記超音波発生器が内面に固定されており、外部に超音波を放出させる第2の音波放出孔が設けられているケースとを備え、
前記第1の音波放出孔と前記第2の音波放出孔との間に、第1の音響共鳴とは異なる第2の音響共鳴が生じるキャビティが形成されるように前記ケースが構成されている、超音波発生装置。 - 前記キャビティの一方側に前記第1の音波放出孔が位置しており、前記キャビティの前記一方側とは反対側に前記第2の音波放出孔が位置している、請求項1に記載の超音波発生装置。
- 前記ケースが、前記第2の音波放出孔が設けられている外壁材と、前記外壁材の内面に固定されている内側ケース材とを有し、前記外壁材と前記内側ケース材とで囲まれた空間内において前記超音波発生器が前記内側ケース材の内面に固定されている、請求項2に記載の超音波発生装置。
- 前記内側ケース材が、一方面に前記超音波発生器が実装されている実装基板と、一端が前記実装基板の一面に接合されており、他端が前記外壁材の内面に接合されている筒状ケース材とを有する、請求項3に記載の超音波発生装置。
- 前記超音波発生器が、前記第1の音波放出孔が外表面に形成された素子ケース材と、前記素子ケース材内に収納されている超音波発生素子とを有し、前記超音波発生素子と前記素子ケース材との間の空間において前記第1の音響共鳴が生じるように前記素子ケース材内に前記超音波発生素子が収納されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の超音波発生装置。
- 前記超音波発生素子が、中央に凹部及び貫通孔のうちの一方が形成されているスペーサと、前記スペーサの一方主面に接合されており、かつ平板状の第1の圧電振動子と、前記スペーサの他方主面に接合されており、かつ平板状の第2の圧電振動子とを有し、前記第1の圧電振動子と前記第2の圧電振動子とが互いに逆位相で振動することにより超音波を発生させる、請求項5に記載の超音波発生装置。
- 前記超音波発生素子の両主面のうちの少なくとも一方側に、前記超音波発生素子で発生した超音波を圧縮し、該超音波発生素子の主面に沿う方向に超音波が伝搬する音響経路が前記超音波発生素子と前記素子ケース材との間の空間により形成されており、該音響経路において前記第1の音響共鳴が生じて超音波が前記第1の音波放出孔から放出される、請求項6に記載の超音波発生装置。
- 前記第1,第2の圧電振動子が、バイモルフ型圧電振動子からなる、請求項6または7に記載の超音波発生装置。
- 前記ケースに前記第2の音波放出孔が複数設けられており、該複数の前記第2の音波放出孔が、前記第2の音響共鳴の振動の節となる位置に設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載の超音波発生装置。
- 前記複数の第2の音波放出孔が、前記第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対向している前記ケースの前記第2の音波放出孔が設けられている主面上の点を通り、かつ前記超音波発生器の第1の音波放出孔が設けられている前記超音波発生器の主面と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配置されている、請求項9に記載の超音波発生装置。
- 前記複数の第2の音波放出孔が、前記第2の音響共鳴の振動の腹の中心に対向している前記ケースの前記第2の音波放出孔が設けられている主面上の点を中心とする仮想円上において等間隔に分散配置されている、請求項9に記載の超音波発生装置。
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Legal Events
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---|---|---|---|
121 | Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application |
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ENP | Entry into the national phase |
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NENP | Non-entry into the national phase |
Ref country code: DE |
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122 | Ep: pct application non-entry in european phase |
Ref document number: 13749915 Country of ref document: EP Kind code of ref document: A1 |