WO2013069582A1 - 液晶モジュール、液晶表示装置、テレビ受像装置 - Google Patents

Abstract

　液晶パネルと、バックライトと、前記液晶パネル及び前記バックライトを挟み込んで支持する第１のフレーム及び第２のフレームと、を備える液晶モジュールであって、前記第１のフレーム又は前記第２のフレームは前記液晶パネルが載置されるとともに前記液晶パネルと前記バックライトとの間に所定の間隙を形成する支持部を備え、前記第１のフレームと第２のフレームとは、凸凹形状を有する係合部を備え、前記第１フレームの係合部と前記第２フレームの係合部とが噛み合うことで前記液晶パネル及び前記バックライトを支持する。

Description

液晶モジュール、液晶表示装置、テレビ受像装置

　本発明は、液晶モジュール、液晶表示装置、テレビ受像装置に関する。

　近年、テレビやパソコン、携帯電話などの表示装置として液晶表示装置（Ｌｉｑｕｉｄ　Ｃｒｙｓｔａｌ　Ｄｉｓｐｌａｙ）が広く普及している。従来の液晶表示装置の構造について、そのフレーム構造を中心に図１４を参照して説明する。

　図１４は、従来の液晶表示装置の構造を示す断面図である。図１４に示すように従来の液晶表示装置１００は、液晶パネル１０１と、液晶パネル１０１を上下両面から挟み込む偏光板１０２，１０３と、各種光学部材からなるバックライト１１０と、バックライト１１０を支持する上フレーム１２０及び下フレーム１３０と、下フレーム１３０と共に液晶モジュール１００の外枠を構成するベゼル１４０と、を備えている。

　液晶パネル１０１は上フレーム１２０がはめ込まれるとともに、上フレーム１２０に遮光両面テープで貼り付けられることによって固定されている。また、バックライト１１０は上述したように上フレーム１２０と下フレーム１３０とによって支持（保持）されている。

　バックライト１１０は、導光板１１１と、導光板１１１の表面側（表示面側）に配置されるレンズシートや光拡散シート等からなるシート部１１２と、導光板１１１の裏面側（表示面の反対側）に配置される光源１１３及び反射シート１１４とを備えている。光源１１３としては特に限られるものではないが、ＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ　Ｅｍｉｔｔｉｎｇ　Ｄｉｏｄｅ）、冷陰極管、ＣＣＦＬ等が使用されている。

　光源１１３から射出された光は直接及び反射シート１１４に反射されて導光板１１１の所定の光入射面から入射された後、導光板１１１全体に拡散され液晶パネル１０１に向かって放射される。反射シート１１４は光を反射、拡散する機能を備えており、例えば発砲ＰＥＴ、銀蒸着フィルム、多層膜反射フィルム、白色ＰＥＴなどからなる。

　上フレーム１２０の表示面側の周縁部の一部にはリブ１２１が形成されており、ベゼル１４０は当該リブ１２１の上に取り付けられることでベゼル１４０と液晶パネル１０１が直接接触することがないように所定の間隙が形成される。また、上フレーム１２０の内壁部には、その表面側に液晶パネル１０１が載置される支持部１２２が形成されており、当該支持部１２２によって液晶パネル１０１（液晶パネル１０１の裏面側に設けられる偏光板１０３）とバックライト１１０（バックライト１１０のシート部１１２）とが直接接触することがないように所定の間隙が形成されている。

　このような液晶モジュール１００において、上フレーム１２０は熱や経年劣化により変形することがある。また、液晶パネル１０１のサイズが大きい（インチサイズが大きい）場合には液晶パネル１０１が自身の重さ（自重）によって湾曲することがある。その結果、液晶パネル１０１、特に液晶パネル１０１の中央部（中心部）がシート部１１２に向かって押し付けられ或いは湾曲することで、液晶パネル１０１（液晶パネル１０１の裏面側に設けられる偏光板１０３）とバックライト１１０（バックライト１１０のシート部１１２）とが接触してしまうことがある。特に近年は高精細度テレビジョン放送が行われ、液晶表示装置の大型化、ワイド化が進んでおり、液晶パネル１０１の長手方向において自重による湾曲が大きくなっているので、上述した問題がより顕著となっている。

　そこで特許文献１には、液晶モジュールにおけるリアフレームの長辺に沿った二重側板の両端部の上端フランジ部に、絞り加工による一段低い取付用フランジ部を形成し、この取付用フランジ部に止具挿通穴を穿設する液晶モジュールが開示されている。そして当該構成により、絞り加工で取付用フランジ部を形成して強度を高め、フレームの変形を防止することとしている。

特開２０１１－１３３５４４号公報

　しかしながら、上記特許文献１は、フレームの変形を防止することを目的とするものであって、フレームが変形して液晶パネルの湾曲が発生し、液晶パネルとシート部とが接触することを防ぐことについては何ら開示されていない。特に、フレームの変形防止効果は、フレームに熱が加わった場合や、経年劣化により耐久性が低下した場合に失われることが考えられ、そのような場合に液晶パネルとシート部とが接触することを防ぐことができるものではない。

　本発明は、上述した問題点に鑑み、フレームが変形して液晶パネルの湾曲が発生しても液晶パネルとシート部とが接触することを防ぐことができる液晶モジュール、液晶表示装置及びテレビ受像装置を提供することを目的とする。

　上記目的を達成するために本発明の液晶モジュールは、液晶パネルと、バックライトと、前記液晶パネル及び前記バックライトを挟み込んで支持する第１のフレーム及び第２のフレームと、を備える液晶モジュールであって、前記第１のフレーム又は前記第２のフレームは前記液晶パネルが載置されるとともに前記液晶パネルと前記バックライトとの間に所定の間隙を形成する支持部を備え、前記第１のフレームと第２のフレームとは、凸凹形状を有する係合部を備え、前記第１フレームの係合部と前記第２フレームの係合部とが噛み合うことで前記液晶パネル及び前記バックライトを支持することを特徴としている。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレームの係合部及び前記第２のフレームの係合部が有する凸凹形状は傾斜面を含むことが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレームの係合部の凸凹形状及び前記第２のフレームの係合部の凸凹形状は、前記液晶パネルの表示面に対して垂直方向に形成されていることが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレームの係合部及び前記第２のフレームの係合部は、少なくとも前記液晶パネルの長手方向略中央部に対応する部分に形成されていることが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレームの係合部と前記第２のフレームの係合部とは、その一部が所定の間隙を有して互いに噛み合っていることが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレームは前記液晶パネルの表示面側から前記液晶パネル及び前記バックライトを支持するフレームであって、前記第１のフレームの係合部は前記第１のフレームにおいて外壁面及び／又は内壁面に形成されていることが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第２のフレームは前記液晶パネルの表示面の反対側から前記液晶パネル及び前記バックライトを支持するフレームであって、前記第２のフレームの係合部は前記第２のフレームにおいて前記液晶パネルの表示面側の周縁部に形成されていることが望ましい。

　また本発明は、上記構成の液晶モジュールにおいて、前記第１のフレーム及び／又は前記第２のフレームにおいて、前記係合部と前記係合部以外の部分とが異なる材料により構成されていることが望ましい。

　上記目的を達成するために本発明の液晶表示装置は、上記構成の液晶モジュールを備えることを特徴としている。

　上記目的を達成するために本発明のテレビ受像装置は、上記構成の液晶表示装置を備えることを特徴としている。

　本発明によれば、フレームが変形して液晶パネルの湾曲が発生しても液晶パネルとシート部とが接触することがない液晶モジュール、液晶表示装置及びテレビ受像装置を提供することができる。

本発明の一実施形態による液晶モジュールの構造を示す断面図 第１実施形態の液晶モジュールの構造を示す断面図の第１の要部拡大図 第１実施形態の液晶モジュールの構造を示す断面図の第２の要部拡大図 第１実施形態の液晶モジュールが備える上フレーム及び下フレームの形状を示す断面図 第１実施形態の液晶モジュールが備える上フレームが膨張したときに上フレームにかかる力のベクトルを示す図 第１実施形態の液晶モジュールが備える上フレームが収縮したときに上フレームにかかる力のベクトルを示す図 第１実施形態の液晶モジュールの別の例を示す断面図 第２実施形態の液晶モジュールが備える上フレーム及び下フレームの形状を示す断面図 第３実施形態の液晶モジュールが備える上フレーム及び下フレームの形状を示す第１の断面図 第３実施形態の液晶モジュールが備える上フレーム及び下フレームの形状を示す第２の断面図 第４実施形態の液晶モジュールが備える上フレーム及び下フレームの形状を示す断面図 液晶表示装置の回路構成を示したブロック図 液晶表示装置を搭載したテレビ受信装置の分解斜視図 従来の液晶モジュールの構造を示す断面図

＜液晶表示装置＞
　本発明の液晶モジュールを備える液晶表示装置及びテレビ受像装置についてその一例を示して以下に説明する。但し、以下に示す液晶表示装置及びテレビ受像装置は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の液晶モジュールを備える液晶表示装置及びテレビ受像装置の一例を示すものであって、本発明を液晶表示装置及びテレビ受像装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の形態の液晶表示装置及びテレビ受像装置にも等しく適応し得るものであることはいうまでもない。

　図１３は、液晶表示装置（表示装置）８０を搭載する液晶テレビ９０である。なお、このような液晶テレビ９０は、テレビ放送信号を受信して画像を映すことから、テレビ受像装置といえる。また、液晶表示装置８０は、液晶モジュール６０を備えて構成されている。

　図１２は液晶表示装置８０の回路構成を示したブロック図である。液晶表示装置８０は、液晶パネル１０を備え、液晶パネル１０はＴＦＴ基板１０ａと液晶層１０ｂと対向基板１０ｃとを備えている（詳細は後述）。

　液晶表示装置８０のＴＦＴ基板１０ａの各走査信号線７１は、スキャンドライバ７２に接続され、各データ信号線７３は、セグメントドライバ７４に接続されている。そして、図示しないチューナー回路によって受信された映像信号は、映像信号反転回路７５を介して、セグメントドライバ７４に入力される。

　スキャンドライバ７２は、走査信号をシフトレジスタによって、水平走査期間ごとにシフトさせながら、順次各走査信号線７１に出力し、これを垂直走査期間ごとに繰り返す回路である。セグメントドライバ７４は、映像信号反転回路７５を介して入力した映像信号をサンプリングして、１水平走査線分のデータ信号を、各データ信号線７３に出力する回路である。

　液晶表示装置８０は、スキャンドライバ７２の走査によって、順に走査信号線７１に走査信号が出力され、走査信号が出力された走査信号線７１上のすべてのＴＦＴ１０ａが導通する。このとき、セグメントドライバ７４からの１水平走査線分のデータ信号が、各データ信号線７３と、選択された走査信号線７１上のＴＦＴ１０ａとを介して画素電極に印加される。この動作が水平走査期間ごとに繰り返されることにより、１画面分の映像が表示される。

　ただし、液晶を直流駆動すると寿命が短くなるため、各画素電極に印加される映像信号は、垂直走査期間ごとに映像信号反転回路７５によって極性を反転させることが望ましい。また表示のちらつきを見えにくくするために水平走査期間ごとに極性を反転させることが望ましい。

　また、液晶表示装置８０の対向基板１０ｃの対向電極と、補助容量信号幹線（不図示）に接続されている補助容量信号線とには、それぞれ、対向信号印加回路７６によって、画素電極の映像信号の基準となる対向信号が、常に印加されている。従って、映像信号反転回路７５による映像信号の極性反転は、この対向信号を基準として行われ、これによって液晶が交流駆動されるようになっている。

　なお、上記スキャンドライバ７２、セグメントドライバ７４、および映像信号反転回路７５の各動作タイミングは、映像信号から分離した同期信号に基づいて、タイミングコントロール回路７７により制御される。

＜第１実施形態＞
　以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の液晶モジュールの一例を示すものであって、本発明をこの液晶モジュールに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の液晶モジュールにも等しく適応し得るものである。

　図１は本発明の一実施形態による液晶モジュールの構造を示す概略断面図である。本発明の液晶モジュール６０は、上フレーム３０及び下フレーム４０が凸凹形状を有する係合部を備えている点以外は従来の液晶モジュール１００と同様である。従って同一の部分については説明を省略し差異点や補足事項を中心に以下説明する。

　本発明の液晶モジュール６０は、液晶パネル１０と、液晶パネル１０を上下両面から挟み込む偏光板１１，１２と、各種光学部材からなるバックライト２０と、バックライト２０を両面から挟み込むように支持する上フレーム（第１のフレーム）３０及び下フレーム（第２のフレーム）４０と、下フレーム４０と共に液晶モジュール６０の外枠を構成するベゼル５０と、を備えている。

　液晶パネル１０は、上述したように例えばガラス基板、プラスチック基板等の絶縁性の透明基板で構成されるＴＦＴ基板と、ＴＦＴ基板に対向して配置された対向基板（例えばカラーフィルタ基板）との間に液晶層を挟持させ、重ねあわせることにより構成される。

　液晶パネル１０の直下に位置するバックライト２０は、導光板２１と、導光板２１の表面側（照明面側）に配置されるレンズシートや光拡散シート等からなるシート部２２と、導光板２１の裏面側（表示面の反対側）に配置される光源２３及び反射シート２４と、を備えている。

　上フレーム３０は、表示面側の周縁部の一部に形成されるリブ３１と、液晶パネル１０が載置されるとともに液晶パネル１０とバックライト２０との間に所定の間隙を形成する支持部３２と、後述する下フレーム４０の係合部４３と係合して（噛み合って）液晶パネル１０及びバックライト２０を支持する係合部３３とを備えている。

　係合部３３は凸凹形状を有している。係合部３３の凸凹形状は液晶パネル１０の表示面に対して垂直方向に形成されている。液晶パネル１０の表示面に対して垂直方向に形成されていることにより、後述する下フレーム４０の係合部４３と噛み合った状態において、上フレーム３０が変形（例えば熱による膨張又は収縮）したときに液晶パネル１０が自重でバックライト２０側に湾曲し、バックライト２０に接触するのを防ぐことができる。

　また、凸凹形状は、液晶パネル１０が自重でバックライト２０側に湾曲するのを効果的に防ぐために、少なくとも液晶パネル１０の長手方向略中央部に対応する部分に形成されていることが望ましい。すなわち、液晶パネル１０とバックライト２０とは支持部３２によって所定の間隙が形成されており、液晶パネル１０の中心部を直接支持する部材がないことにより、液晶パネル１０の長手方向略中央部にバックライト２０に向かう力が働き、液晶パネル１０が湾曲することになる。そこで、係合部３３において液晶パネル１０の長手方向略中央部に対応する部分を凸凹形状として後述する下フレーム４０の係合部４３と噛みあわせることで、液晶パネル１０がバックライト２０に接触するのを防ぐことができる。

　下フレーム４０は、上フレーム３０と同様に凸凹形状を有する係合部４３を備えている。下フレーム４０の係合部４３の凸凹形状の特徴は上フレーム３０の係合部３３の凸凹形状と同様である。係合部３３の凸凹形状と係合部４３の凸凹形状は互い違い（ジグザグ）になるように形成されており、係合部３３の凸部分と係合部４３の凹部分、係合部３３の凹部分と係合部４３の凸部分とが係合することで噛み合うように形成されている。

　さらに、上フレーム４０は図１において左壁の下部に貫通孔３４を、右壁の下部に突起部３５を備え、一方、下フレーム４０は図１において左壁の下部に突起部４４を、右壁の下部に貫通孔４５を備えており、上フレーム３０の左壁の内壁面と下フレーム４０の左壁の外壁面とが接触した状態で貫通孔３４に突起部４４が挿入し、また、上フレーム３０の右壁の外壁面と下フレーム４０の右壁の内壁面とが接触した状態で貫通孔４５に突起部３５が挿入することで、上フレーム３０と下フレーム４０とを強固に固定している。

　なお、本実施形態においては、上フレーム３０と下フレーム４０とが固定されている状態において、略矩形の上フレーム３０を構成する四つの周壁のうち、長辺周壁の一方（図１に示す左壁３０ａ）は略矩形の下フレーム３０を構成する周壁の外側に位置し、その他の周壁（図１に示す左壁３０ａ以外の周壁）は下フレーム３０を構成する周壁の内側に位置するように構成されているが、これに限られるものではなく、上フレーム３０（又は下フレーム４０）を構成する全ての周壁が下フレーム４０（又は上フレーム３０）を構成する全ての周壁の内側に位置することとしてもよいし、上フレーム３０（又は下フレーム４０）を構成する周壁において任意の数の周壁が下フレーム４０（又は上フレーム３０）を構成する周壁の内側に位置することとしてもよい。

　また、図１において内側に位置する周壁に突起部（突起部３５，４４）が形成され、外側に位置する周壁に貫通孔（貫通孔３４，４５）が形成されているが、これに限られるものではなく、内側に位置する周壁に貫通孔を形成し、外側に位置する周壁に突起部を形成することとしてもよいし、内側に位置する任意の周壁については突起部を形成し、外側に位置する他の任意の周壁については突起部を形成し、これらに対応する外側の周壁に貫通孔又は突起部を形成することとしてもよい。

　次に、図２～図４を用いて上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３についてさらに詳説する。係合部４３は下フレーム４０において、液晶パネル１０の表示面側の周縁部に形成されている。一方、係合部３３は係合部４３に係合する位置に形成されており、具体的には、上フレーム３０と下フレーム４０とが固定されている状態において、図２に示すように上フレーム３０の周壁が下フレーム４０の外側に位置するときには、係合部３３は上フレーム３０の周壁の内壁面であって支持部３２の液晶パネル１０の表示面の反対側に形成され、図３に示すように上フレーム３０の周壁が下フレーム４０の内側に位置するときには、係合部３３は上フレーム３０の周壁の外壁面であって係合部４３に係合する位置に形成されている。なお、本実施形態において図２の係合部３３と図３の係合部３３とは下フレーム４０の底面から同じ高さの位置に形成されているが、異なる高さの位置に形成することとしてもよい。

　図４は、図２において破線Ｌ１における断面図である。本実施形態において上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３が備える凸凹形状は図４に示すように略台形の凸部及び凹部が交互に形成されている。このような構造によって係合部３３と係合部４３とを噛み合せることにより、上フレーム３０が変形した場合に液晶パネル１０とバックライト２０との接触を防ぐことができる。

　すなわち、図５に示すように、上フレーム３０が膨張した時には上フレーム３０の各部に対して矢印Ａ～Ｄのような力が加わるが、係合部３３の傾斜部が係合部４３の傾斜部を滑るようにして上方（液晶パネル１０の表示面側）に押し上げられ、これに伴って液晶パネル１０が上方に押し上げられるので、液晶パネル１０とバックライト２０との間隙が大きくなり、液晶パネル１０が湾曲してもバックライト２０に接触することがない。一方、図６に示すように、上フレーム３０が縮小した場合には、上フレーム３０の各部に対して矢印Ｅ～Ｈのような力が加わるが、膨張したときと同様に係合部３３の傾斜部が係合部４３の傾斜部を滑るようにして上方（液晶パネル１０の表示面側）に押し上げられ、これに伴って液晶パネル１０が上方に押し上げられるので、液晶パネル１０とバックライト２０との間隙が大きくなり、液晶パネル１０が湾曲してもバックライト２０に接触することがない。

　なお、上述したように上フレーム３０の周壁の一部が下フレーム４０の周壁の外側に位置しているおり、当該箇所においては上フレーム３０の変形がより顕著な問題となるが、本実施形態の液晶モジュール６０によれば上フレーム３０の変形の度合いが大きくなってもそれに伴って液晶パネル１０が大きく上方に押し上げられるので、液晶パネル１０とバックライト２０とが接触することはない。

　上フレーム３０及び下フレーム４０を構成する材料としては金属や樹脂などを用いることができる。上フレーム３０と下フレーム４０とは同一の材料からなるとしてもよいし、異なる材料（共に樹脂であっても異なる樹脂）からなることとしてもよい。樹脂としては、ポリアセタール（ＰＯＭ）樹脂、ポリイミド（ＰＡ）樹脂、ポリカーボネイド（ＰＣ）樹脂などが挙げられる。なお、本発明は特に上フレーム３０が変形した場合に液晶パネル１０（液晶パネル１０の裏面側に設けられる偏光板１２）とバックライト２０（バックライト２０のシート部２１）とが直接接触する不具合の発生を防ぐものであるため、上フレーム３０が金属よりも熱等による変形率が高い樹脂からなる場合により顕著に効果を発揮することができる。

　また、上フレーム３０又は下フレーム４０において、各フレームが二以上の材料からなることとしてもよい。具体的には例えば図７に示すように、上フレーム３０において、係合部３３の凸凹形状の凸部分を構成する材料を材料Ａ（デルリン（登録商標、ＰＯＭ樹脂の一種））とし、それ以外の部分を構成する材料を材料Ｂ（ジュラコン（登録商標、ＰＯＭ樹脂の一種））とすることとしてもよい。このように１のフレームを部分に応じて異なる材料により構成とすることで、各部に必要な特性と材料の特性（材質）とが合致したフレームとすることができる。

　本実施形態によれば、上フレームが変形し、液晶パネルが自重により湾曲しても、液晶パネルとバックライトとの間に所定の間隙を確保することができるので、液晶パネルとバックライトとが接触するのを防ぐことができる。

＜第２実施形態＞
　図８は本実施形態の液晶モジュールが備えるフレームの係合部の形状を示す図である。上記第１実施形態では液晶モジュール６０が備えるフレームの係合部の形状として上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３がいずれも略台形状の凸凹形状を備えることとしたが、凸凹形状はこれに限られない。

　特に上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３の凸凹形状は、上フレーム３０が変形したときに上フレーム３０を上方に押し上げる形状であればよく、特に下フレーム４０の係合部４３の凸形状と上フレーム３０の係合部３３の凹形状とが図８に示すように各フレームの長さ方向（図８では紙面に向かって左右方向）両端に所定角度に傾斜した直線状の傾斜面を備えていればよい。

　また、係合部３３と係合部４３とは噛み合う形状とする必要はあるが、係合部３３及び係合部４３において凸形状と凹形状とを同一形状とする必要はなく、図８に示すように係合部３３の凸形状及び係合部４３の凹形状を略三角形とし、係合部３３の凹形状及び係合部４３の凸形状を略台形とするなど異なる形状としてもよい。当然ながら係合部３３の凸形状及び係合部４３の凹形状を略台形とし、係合部３３の凹形状及び係合部４３の凸形状を略三角形と変形することも本発明の範囲内である。

　本実施形態によれば、第１実施形態と同様の効果を奏する。

＜第３実施形態＞
　図９は本実施形態の液晶モジュールが備えるフレームの係合部の形状を示す第１の図であり、図１０は本実施形態の液晶モジュール６０が備えるフレームの係合部の形状を示す第２の図である。上記第１実施形態及び第２実施形態では液晶モジュールが備えるフレームの係合部の凸凹形状として各フレームの長さ方向両端に直線状の傾斜面を備えることとしたが本実施形態では各フレームの長さ方向両端に曲線状の傾斜面を備えることとする。

　特に下フレーム４０の係合部４３の凸形状（上フレーム３０の係合部３３の凹形状）としては、図９に示すように略楕円弧状の傾斜面を備えることとしてもよいし、図１０に示すように一部（上部）に直線部を有する略楕円弧状の傾斜面を備えることととしてもよい。本実施形態に示すように係合部が曲線状の傾斜面を備える場合であっても、上フレーム３０が変形した場合に上フレーム３０を上方に押し上げることができる。

　本実施形態によれば、第１実施形態と同様の効果を奏する。

＜第４実施形態＞
　図１１は本実施形態の液晶モジュールが備えるフレームの係合部の形状を示す図である。上記第１実施形態～第３実施形態では液晶モジュール６０が備えるフレームの係合部の形状として上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３が隙間なく噛み合うような凸凹形状を備えることとしたが、本実施形態において係合部３３と係合部４３とは所定の隙間を有して噛み合うこととする。

　例えば図１１に示すように上フレーム３０の凹形状を略楕円弧状とし、下フレーム４０の凸形状を略円弧状とすることによって、両者の間に間隙８０，８０が形成される。このように上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３とが所定の隙間８０，８０を有して噛み合うことによって、製造過程におけるサイズ誤差によって上フレーム３０の係合部３３及び下フレーム４０の係合部４３とが噛み合わなくなることがない。また、本実施形態に示すように係合部３３と係合部４３との間に所定の隙間８０，８０が形成されていても、上フレーム３０が変形した場合に上フレーム３０を上方に押し上げることができる。

　なお、図１１では上フレーム３０の凹形状を略楕円弧状とし、下フレーム４０の凸形状を略円弧状とする場合について説明したが、各形状はこれらに限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内において所定の隙間を有して噛み合う形状であれば、適宜形状を変更することとしてもよい。

　本実施形態によれば、第１実施形態と同様の効果を奏する。

　本発明は、液晶モジュール、液晶表示装置、テレビ受像装置に利用できる。

１０　　　　液晶パネル
１１，１２　偏光板
２０　　　　バックライト
３０　　　　上フレーム（第１のフレーム）
３１　　　　リブ
３２　　　　支持部
３３　　　　係合部
３４　　　　貫通孔
３５　　　　突起部
４０　　　　下フレーム（第２のフレーム）
４３　　　　係合部
４４　　　　突起部
４５　　　　貫通孔
５０　　　　ベゼル
６０　　　　液晶モジュール
８０　　　　液晶表示装置
９０　　　　テレビ受像装置（液晶テレビ）

Claims (10)

1. 　液晶パネルと、
   　バックライトと、
   　前記液晶パネル及び前記バックライトを挟み込んで支持する第１のフレーム及び第２のフレームと、
   　を備える液晶モジュールであって、
   　前記第１のフレーム又は前記第２のフレームは前記液晶パネルが載置されるとともに前記液晶パネルと前記バックライトとの間に所定の間隙を形成する支持部を備え、
   　前記第１のフレームと第２のフレームとは、凸凹形状を有する係合部を備え、前記第１フレームの係合部と前記第２フレームの係合部とが噛み合うことで前記液晶パネル及び前記バックライトを支持することを特徴とする液晶モジュール。
2. 　前記第１のフレームの係合部及び前記第２のフレームの係合部が有する凸凹形状は傾斜面を含むことを特徴とする請求項１に記載の液晶モジュール。
3. 　前記第１のフレームの係合部の凸凹形状及び前記第２のフレームの係合部の凸凹形状は、前記液晶パネルの表示面に対して垂直方向に形成されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の液晶モジュール。
4. 　前記第１のフレームの係合部及び前記第２のフレームの係合部は、少なくとも前記液晶パネルの長手方向略中央部に対応する部分に形成されていることを特徴とする請求項１～請求項３のいずれか１項に記載の液晶モジュール。
5. 　前記第１のフレームの係合部と前記第２のフレームの係合部とは、その一部が所定の間隙を有して互いに噛み合っていることを特徴とする請求項１～請求項４のいずれか１項に記載の液晶モジュール。
6. 　前記第１のフレームは前記液晶パネルの表示面側から前記液晶パネル及び前記バックライトを支持するフレームであって、前記第１のフレームの係合部は前記第１のフレームにおいて外壁面及び／又は内壁面に形成されていることを特徴とする請求項１～請求項５のいずれか１項に記載の液晶モジュール。
7. 　前記第２のフレームは前記液晶パネルの表示面の反対側から前記液晶パネル及び前記バックライトを支持するフレームであって、前記第２のフレームの係合部は前記第２のフレームにおいて前記液晶パネルの表示面側の周縁部に形成されていることを特徴とする請求項１～請求項６のいずれか１項に記載の液晶モジュール。
8. 　前記第１のフレーム及び／又は前記第２のフレームにおいて、前記係合部と前記係合部以外の部分とが異なる材料により構成されていることを特徴とする請求項１～請求項７のいずれか１項に記載の液晶モジュール。
9. 　税急行１～請求項８のいずれか１項に記載の液晶モジュールを備える液晶表示装置。
10. 　請求項９に記載の液晶表示装置を備えるテレビ受像装置。

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