<1.概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システム100の構成を示す図である。
コンテンツ配信システム100は、図1に示すように、コンテンツ、及びコンテンツの再生に必要な再生制御情報等を配信するコンテンツサーバ101、コンテンツを受信して再生するコンテンツ再生装置102及びコンテンツ再生装置103がネットワーク104を介して接続して成る。
ここで、コンテンツサーバ101が配信するコンテンツには、内容は共通するものの2D版コンテンツと3D版コンテンツというように視聴形態の異なる別個のコンテンツとして作成されるものがあり、視聴形態に応じてカメラワークや編集が異なる場合がある。例えば、一方の視聴形態のコンテンツには存在するシーンが、他方の視聴形態のコンテンツには全く存在しない場合や、異なる視聴形態のコンテンツ間で、対応しているシーンの内容や、長さが異なる場合などである。
このように視聴形態の異なるコンテンツについて、一方の視聴形態でコンテンツを再生し、コンテンツの再生を途中で中断して、他の視聴形態に変更してコンテンツの再生を再開する場合に、元の視聴形態で再生を中断した位置(コンテンツの先頭からの再生時間)と同じ位置(再生時間)から再生すると、ユーザが、視聴中断前に視聴した映像内容と同等の映像内容を再び視聴してしまう場合や、逆に、部分的に未視聴になる場合が起こり得る。
本実施形態に係るコンテンツ配信システムでは、異なる視聴形態にてコンテンツの再生を再開する場合に、再生中断位置の映像内容と同等の映像内容の位置からコンテンツの再生を再開して、ユーザによるコンテンツの円滑な視聴を実現している。
以下、本発明の一実施形態について、より詳細に説明する。
<2.構成>
<2-1.コンテンツ>
まず、本実施形態に係るコンテンツについて説明する。
コンテンツは、ユーザにより視聴されることを目的とした映像、音声等から構成される情報である。1つのコンテンツは、ストリーム形式の1つのファイルで構成される。
コンテンツサーバ101が配信するコンテンツには、内容は共通するものの2D版と3D版というように視聴形態が異なるコンテンツが複数作成されるもの、及び1つの視聴形態のコンテンツのみが作成されるものの2種類がある。ここで、コンテンツの「視聴形態」とは、コンテンツの「視覚的な表現形態」をいう。また、「視聴」の語は、一般的には単なる「視」よりも限定的な語であるが、本明細書及び請求の範囲では、「視」のみの場合も含めており一般的な用法よりも広義に用いている。また、以下の説明では、あるコンテンツについての、内容は共通するものの視聴形態の異なる別個のコンテンツを「関連コンテンツ」という。上記の2D版と3D版のコンテンツの場合であれば、3D版のコンテンツは、2D版のコンテンツの関連コンテンツであり、逆に、2D版のコンテンツは、3D版のコンテンツの関連コンテンツである。
視聴形態が異なるコンテンツを作成する場合に、視聴形態に応じてカメラワークや編集が異なることがある。例えば、一方の視聴形態のコンテンツには存在するシーンが他方の視聴形態のコンテンツには全く存在しない場合や、異なる視聴形態のコンテンツ間で、対応しているシーンの撮影に用いられたカメラのアングルが異なる場合や、対応するシーンの長さが異なる場合などである。このような場合、視聴形態の異なる両コンテンツの時間軸上における先頭からの位置が同じであっても内容が異なってくる。なお、シーンとは、一定の基準に基づき区切られたコンテンツの各部分をいう。また、コンテンツの時間軸上における先頭からの位置を、単に、「コンテンツにおける位置」などという。
図7は、内容は共通するものの視聴形態の異なる2つのコンテンツの構成例を模式的に示す図である。
2つのコンテンツのうち一方は、タイトル名が「3Dアクション映画A」で、視聴形態が3Dのコンテンツである。以下、このコンテンツを便宜上「3DコンテンツA」という。
2つのコンテンツのうち他方は、タイトル名が「アクション映画A」で、視聴形態が2Dのコンテンツである。以下、このコンテンツを便宜上「2DコンテンツA」という。
なお、コンテンツのそれぞれは、識別情報であるCRID(Content Reference ID)によって一意に識別される。3DコンテンツAのCRIDは「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」である。また、2DコンテンツAのCRIDは「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001」である。ここで、3DコンテンツAは、2DコンテンツAの関連コンテンツであり、2DコンテンツAは、3DコンテンツAの関連コンテンツである。
図7に示すように、3DコンテンツAは、シーンA~シーンDの4つのシーンに分けられている。一方、2DコンテンツAは、シーンA、シーンC、シーンD’の3つのシーンに分けられている。
3DコンテンツAについて、シーンAは、コンテンツの時間軸上における先頭から300秒までの300秒間の部分である。シーンBは、コンテンツの時間軸上における301秒から500秒までの200秒間の部分である。シーンCは、コンテンツの時間軸上における501秒から700秒までの200秒間の部分である。シーンDは、コンテンツの時間軸上における701秒から1100秒までの400秒間の部分である。
2DコンテンツAについて、シーンAは、コンテンツの時間軸上における先頭から300秒までの300秒間の部分である。シーンCは、コンテンツの時間軸上における301秒から500秒までの200秒間の部分である。シーンD’は、コンテンツの時間軸上における501秒から700秒までの400秒間の部分である。
ここで、3DコンテンツAのシーンAと、2DコンテンツAのシーンAとは、内容が同一のシーンである。また、3DコンテンツAのシーンCと、2DコンテンツAのシーンCとは、内容が同一のシーンである。
3DコンテンツAのみ、シーンBがシーンAとシーンCとの間に挿入されている。シーンDとシーンD’とは、映像などにより表現している内容はほぼ同様であるが、シーンDの方が、複数のカメラアングルにより撮影された映像が挿入されているなどによって、シーンD’よりも時間の長いシーンになっている。
なお、上述のコンテンツに関し、例えば、視聴形態が3Dの3DコンテンツAを400秒間視聴して視聴を中断し、その後、視聴形態を2Dに変更し、2DコンテンツAにおける最初から400秒の位置から再生を再開してしまうと、2DコンテンツAのシーンCの先頭の100秒間に相当する部分は、再生されないこととなってしまう。
また、逆に、視聴形態が2Dの2DコンテンツAを最初から400秒間視聴して視聴を中断し、その後、視聴形態を3Dに変更して、3DコンテンツAにおける最初から400秒の位置から再生を再開してしまうと、3DコンテンツAのシーンBの先頭から100秒間に相当する部分が再生されず、更に、シーンCの先頭から100秒に相当する部分が再度再生されてしまうことになる。
<2-2.コンテンツサーバ101>
<2-2-1.構成>
コンテンツサーバ101は、コンテンツ、及びコンテンツの再生に必要な制御情報などの配信を行うサーバ装置である。
図2は、コンテンツサーバ101の構成を示すブロック図である。
コンテンツサーバ101は、図2に示すように、データ配信部201、配信制御部202、及びコンテンツ管理部203を含んで構成される。また、コンテンツサーバ101は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、配信制御部202の機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
<データ配信部201>
データ配信部201は、通信用のLSIで構成されており、ネットワーク104を介してデータを送受信する機能を有する。
<配信制御部202>
配信制御部202は、(1)ECG(Electric Contents Guide)メタデータ配信機能、(2)辞書提供機能、(3)再生制御メタファイル配信機能、及び(4)コンテンツ配信機能を有する。以下、各機能について説明する。
(1)ECGメタデータ配信機能
配信制御部202は、ECGメタデータの配信要求を受け付け、要求されたECGメタデータを配信する。
ECGメタデータは、コンテンツ、ライセンスなどに関する属性情報を記述したXML文書である。ECGメタデータには、コンテンツ自体の属性情報を記述したPI(Program Information table)、コンテンツの格納場所を示す属性情報を記述したPL(Program Location table)、コンテンツがどのグループに属するかを記述したGI(Group Information table)、コンテンツのライセンス属性を記述したLI(License Information table)等がある。
ECGメタデータの詳細は、「社団法人 電波産業会、サーバ型放送における符号化、伝送及び蓄積制御方式 ARIB STD-B38 2.0版、 平成22年4月26日発行」(以下、単に「ARIB STD-B38」という。)、及び、「一般社団法人 IPTVフォーラム、IPTV規定 CDNスコープ サービスアプローチ仕様 IPTVFJ STD-0006 1.3版、2010年7月30日発行」(以下、単に「IPTVFJ STD-0006」という。)に規定されている。以下では、本実施形態に関連するものについてのみ適宜説明する。
ECGメタデータ配信機能は、(1-1)コンテンツ一覧配信機能、(1-2)PL配信機能を含む。以下、それぞれについて説明する。
(1-1)コンテンツ一覧配信機能
コンテンツ一覧配信機能は、コンテンツ配信システム100において配信対象となっているコンテンツを一覧表示するために用いられるPIを配信する機能である。
PIは、コンテンツについて、そのコンテンツのタイトル、AV符号化方式などの属性情報を記載するメタデータである。1つのPIが、1つのコンテンツに対応する。以下、便宜上、PIに対応するコンテンツを「対応コンテンツ」という。PIの詳細については、後述する。
コンテンツ一覧配信機能を実現するため、配信制御部202は、配信パラメータを含むPI配信要求を受け付けると、配信パラメータの内容に応じたPIを要求元の装置に配信する。
配信パラメータは、ユーザID、デバイスID、及び取得条件を含む。
ユーザIDは、要求元の装置のユーザを識別する識別情報である。
デバイスIDは、要求元の装置を識別する識別情報である。
取得条件は、「タイトル名について50音順で最初からX個」や、「タイトル名について50音順でA個目からX個」など、配信するPIを選出するための条件である。
例えば、取得条件が「タイトル名について50音順で最初からX個」の場合、配信制御部202は、取得条件に合致するPI、すなわち、記載されているタイトル名が50音順で最初であるコンテンツについてのPI、タイトル名が50音順で最初から2つ目であるコンテンツについてのPI、・・・・、タイトル名が50音順で最初からX個目であるコンテンツについてのPI、のX個のPIを要求元の装置に配信することとなる。
コンテンツプロバイダは、コンテンツ管理部203にコンテンツを登録する際、PI、PL、GI、LI等のメタデータもあわせて登録する。その時、登録するコンテンツに関連コンテンツがある場合、そのPI中に関連コンテンツのCRIDと、関連コンテンツに関する情報の取得先を記載する。対応コンテンツについて、関連コンテンツがあるか否かは、後述の関連コンテンツ表に、関連コンテンツついての記載があるか否かにより判断できる。
また、配信制御部202は、配信対象となったPIに対応するコンテンツが、同一のユーザIDを有する装置に既に配信され、その視聴が途中で中断されている場合には、PIに加え、対応コンテンツの時間軸上における中断位置を示す再生中断位置情報と、視聴中断に係る装置のデバイスIDとを付して送信する。
対応コンテンツについて、同一のユーザIDを有する装置に既に配信され、その視聴が途中で中断されているか否かは、後述の中断位置情報表に、配信パラメータに含まれるユーザID、デバイスID、中断位置情報が記録されているか否かによって判断できる。
コンテンツ一覧配信機能に係る処理は、後述の図15のS1502~S1503に相当する。
(1-2)PL配信機能
PL配信機能は、コンテンツ再生装置102、103において、再生対象として特定されたコンテンツ(以下、「再生対象コンテンツ」という。)についてのPLを配信する機能である。配信制御部202は、CRIDをパラメータとしたPL配信要求を受け付けると、そのCRIDで識別されるコンテンツについてのPLを要求元の装置に配信する。
PL配信機能に係る処理は、後述の図15のS1508~S1509に相当する。
(2)辞書提供機能
辞書提供機能は、検索パラメータとして「分類スキーム(辞書)のURI:辞書内での番号(termID)」の形式で指定された項目について検索要求された場合に、その項目がどのような意味を有するかを、保持している後述のIPTVSERVICEHowRelatedCS辞書(以下、「HR辞書」という。)を検索することにより認識し、応答する機能である。
例えば、HR辞書において、termIDが22.1である項目には、「関係:当該コンテンツの別の視聴形態(2D映像)」が記載されている。
配信制御部202は、「http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS:22.1」を検索パラメータとして検索要求された場合、HR辞書のtermIDが22.1である項目に記載された「関係:当該コンテンツの別の視聴形態(2D映像)」を応答として送信する。
(3)再生制御メタファイル配信機能
配信制御部202は、再生制御メタファイル配信要求を受け付け、要求された再生制御メタファイルを配信する。再生制御メタファイルについては「IPTVFJ STD-0006」に規定されている。再生制御メタファイルの1つであるERI(Entry Resource Information)の<content_chapter_info>は、再生位置対応表を作成するために利用することができる。
(4)コンテンツ配信機能
コンテンツ配信機能は、コンテンツ配信、コンテンツ配信中断、及び特殊再生を行う機能である。
コンテンツ配信は、CRID、視聴形態情報、再生開始位置情報をパラメータとしたコンテンツ配信要求を受け付け、CRIDで識別されるコンテンツを、視聴形態情報で表される視聴形態で視聴できるよう、再生開始位置情報で示される再生開始位置から配信することで実現する。
また、コンテンツ配信中断は、ユーザID、再生中断するコンテンツのCRID、デバイスID、視聴形態を示す視聴形態情報、コンテンツの時間軸上の再生中断位置を示す再生中断位置情報をパラメータとした配信中断要求を受け取って、コンテンツ配信を中断し、受け取ったパラメータの内容を、後述の中断位置情報表に記憶することで実現する。
また、コンテンツの特殊再生は、コンテンツ配信中に、一時停止、早送り又は巻き戻しなど特殊再生の内容をパラメータとした特殊再生要求を受信し、コンテンツ再生装置102、103において、コンテンツの再生がパラメータに応じた特殊再生となるよう配信することで実現する。
<コンテンツ管理部203>
コンテンツ管理部203は、不揮発性メモリで構成され、配信対象となるコンテンツについて、コンテンツ自体、関連コンテンツ表、HR辞書、再生制御メタファイル、ECGメタデータ、再生位置対応表、中断位置情報表など各種の情報を記憶する。
<2-2-2.データ構造>
以下、コンテンツサーバ101が記憶し、又は使用するデータの構造について説明する。
<関連コンテンツ表>
関連コンテンツ表は、コンテンツ配信システム100において配信対象となっている各コンテンツについて、関連コンテンツがある場合に、その関連コンテンツとの対応を表している。
関連コンテンツ表は、具体的には、コンテンツ配信システム100において配信対象となっているコンテンツのCRIDと、視聴形態と、そのコンテンツの関連コンテンツのCRID(以下、関連コンテンツのCRIDを「関連CRID」という。)との対応を表す。
図3は、関連コンテンツ表の一例を示す図である。
例えば、図3に示す関連コンテンツ表の1行目は、コンテンツのCRIDが「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」であり、視聴形態が「3D」であることを示している。また、CRIDが「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」であるコンテンツに関し、その関連コンテンツのCRIDが「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001」であることを示している。
<Program Information(PI)>
PIは、コンテンツについて、そのコンテンツのタイトル、AV符号化方式などの属性情報を記載したメタデータである。1つのPIが、1つのコンテンツに1対1に対応する。
図4は、PIの一例を示す図であり、本実施形態の説明に必要な部分を抜粋して記載している。
ProgramInformation要素のprogramId属性には、属性値として対応コンテンツのCRIDが記載される。CRIDはコンテンツを識別するためのIDであり、コンテンツごとにユニークな値が付与される。図4の場合、CRIDは、「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」である。
また、typeがmainであるTitle要素の属性値として、対応コンテンツのタイトル名が記載される。例えば、図4の場合、タイトル名は「3Dアクション映画A」である。
RelatedMaterial要素は、対応コンテンツと関連のあるコンテンツやサイト等を記述する際に配置する要素であり、HowRelated要素とMediaUri要素を含む。
HowRelated要素は、対応コンテンツと、MediaUriで特定されるコンテンツやサイトとがどのような関係であるかを示す情報の取得先を示す。HowRelated要素のhref属性には、属性値として「分類スキーム(辞書)のURI:辞書内での番号(termID)」を記載する。
例えば、図4の場合、href属性の属性値は、「http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS:22.1」である。この属性値で示されるアクセス先にアクセスすることで、辞書中のtermIDが22.1である項目を取得できる。
辞書については後述するが、例えば、HR辞書(http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS)におけるtermIDが22.1の項目には、「関係:当該コンテンツの別の視聴形態(2D映像)」が記載されている。
MediaUri要素には、関連CRIDが記載される。図4の場合、関連CRIDは、「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001」である。
PIのRelatedMaterial要素を参照することによって、対応コンテンツには、CRIDが「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001」であり、別の視聴形態(2D映像)の関連コンテンツが存在することを認識することができる。
図5は、図4に示したPIの対応コンテンツについての、関連コンテンツのPIを示す図である。
ProgramInformation要素のprogramId属性には、属性値として「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001」が記載されている。
RelatedMaterial要素中のHowRelated要素のhref属性の属性値として「http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS:22.2」が記載されている。
なお、HR辞書(http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS)におけるtermIDが22.2の項目には、後述のように「関係:当該コンテンツの別の視聴形態(Stereoscopic_3D)」が記載されている。
typeがmainであるTitle要素には、タイトル名として「アクション映画A」が記載されている。
RelatedMaterial要素中のMediaUri要素には、関連CRIDである「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」が記載されている。
このPIのRelatedMaterial要素を参照することによって、対応コンテンツには、CRIDが「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000」であり、別の視聴形態(Stereoscopic_3D)の関連コンテンツが存在することを認識することができる。
<HR辞書>
HR辞書は、上述した検索パラメータ「分類スキーム(辞書)のURI:辞書内での番号(termID)」で示される項目が、どのような意味を有するかを記載した辞書である。
図6は、HR辞書601のうち、本実施形態の説明に必要な部分を抜粋したものを表した図である。HR辞書については、「IPTVFJ STD-0006」に規定されている。この規定では、termIDが1から21までの値について関連性が定義されている。例えば、termIDが1の項目は、「現在のA/VコンテンツはCRIDに関連付けた番組の予告編」を示す。
本実施形態では、「IPTVFJ STD-0006」の規定を拡張し、termIDの値として「22.x」(xは任意の正の整数)を追加している。
termIDが22.1の要素は、「当該コンテンツについての別の視聴形態(2D映像)」を示している。termIDが22.2の要素は、「当該コンテンツについての「別の視聴形態(stereoscopic_3D)」を示している。
なお、上述の図4、図5で示したPI中のRelatedMaterial要素中のHowRelated要素のhref属性の属性値は、「分類スキーム(辞書)のURI:辞書内での番号(termID)」の形式で記載されたものである。
図4で示したPI中のRelatedMaterial要素中のHowRelated要素のhref属性の属性値「http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS:22.1」を検索パラメータとしてHR辞書を検索した場合、検索結果は、「当該コンテンツの別の視聴形態(2D映像)」となる。
<再生位置対応表>
再生位置対応表は、あるコンテンツの時間軸上の位置と、その関連コンテンツの時間軸上の位置との対応関係を示す表である。
図8は、再生位置対応表の一例を示す図である。
図8の再生位置対応表801は、図7を用いて既に説明した3DコンテンツAの時間軸上の位置と、その関連コンテンツである2DコンテンツAの時間軸上の位置との対応関係を示している。
図8に示すように、3DコンテンツA(CRIDが、crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0000である)の時間軸上における0~300秒の部分(シーンA)は、2DコンテンツA(CRIDが、crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001である)の時間軸上における0~300秒の部分(シーンA)に対応することを示す。これは、既に図7を用いて説明した通りである。
また、図8は、3DコンテンツAの時間軸上における301~500秒の部分(シーンB)は、2DコンテンツAには存在しない。このような、再生位置対応表において、あるシーン(シーンB)に対応するシーンが記載されていない場合を、以下、便宜上、あるシーンに対応するシーンが、「無シーン」であるということもある。例えば、3DコンテンツAのシーンBに対応する、2DコンテンツAのシーンは、無シーンである。
この場合、3DコンテンツAの301~500秒の間のいずれの位置(例えば、310秒の位置)も、2DコンテンツAにおける無シーンの次のシーンである、2DコンテンツAの時間軸上における301~500秒の部分(シーンC)の先頭位置(301秒の位置)に対応づけられることとなる。
また、3DコンテンツAの時間軸上における501~700秒の部分(シーンC)は、2DコンテンツAの時間軸上における301~500秒の部分(シーンC)に対応づけられることを示す。例えば、3DコンテンツAのシーンCの先頭から20秒経過位置である521秒の位置は、2DコンテンツAのシーンCの先頭から20秒経過位置である321秒の位置に対応づけられる。
また、3DコンテンツAの時間軸上における701~1100秒の部分(シーンD)は、2DコンテンツAの時間軸上における501~700秒の部分(シーンD’)に対応づけられることを示す。ここで、シーンDの時間長は400秒であり、シーンD’の時間長は200秒であり、長さが異なる。
このような場合には、一例として、3DコンテンツAのシーン(シーンD)と、2DコンテンツAの対応するシーン(シーンD’)の長さの比の逆数に応じて対応づけを行う。
具体的には、シーンDとシーンD’の長さの比は2であり、その逆数は1/2である。
よって、3DコンテンツAのシーンDの先頭から20秒経過位置である721秒の位置は、2DコンテンツAのシーンD’の先頭から20×(1/2)秒経過位置である511秒の位置に対応づけられる。
以上のように、一方のコンテンツのある位置に対応づけられた、又は、一方のコンテンツのある位置を変換することにより得た他方のコンテンツの位置を「対応位置」という。なお、上述のように、上述の3DコンテンツAのシーンBのように、2DコンテンツAにおいて対応するシーンが再生位置対応表に直接的に記載されていない場合もあるが、このような場合でも、3DコンテンツAのシーンB内の位置は、全て2DコンテンツAにおけるシーンCの先頭位置に対応づけられることとなるので、このシーンCの先頭位置のことを「対応位置」という。
<再生装置で再生位置対応表を作成するためのERIの記述>
コンテンツサーバ101が保持している再生位置対応表は、その内容をERIに記載しておくことで、コンテンツ再生装置102及びコンテンツ再生装置103に送信される。
図9は、図8の再生位置対応表における3DコンテンツAに関する部分を送信するためのERIを示す図である。図9、及び後述の図10に示す2つのERIにより、1つの再生位置対応表が表現される。
図9に示すERIのcontent_title要素には、コンテンツのタイトル名が記載される。図9の場合、3DコンテンツAのタイトルである「3Dアクション映画A」が記載されている。
content_chapter_info要素のchapter要素のそれぞれが、1つのシーンに対応する。
chapter要素のnumber属性には、シーン(チャプター)の通し番号が記載される。
chapter要素のchapter_point属性には、コンテンツの時間軸上におけるシーンの開始位置が記載される。
chapter要素のchapter_title属性には、シーンのタイトルが記載される。
例えば、図9の場合、number属性が2であるchapter要素は、コンテンツの時間軸上における開始位置が301秒であるシーンBを表している。なお、コンテンツの時間軸上におけるシーンBの終了位置は、次のシーン(シーンC)の開始位置(501秒)の直前(500秒)となる。
図10は、図8の再生位置対応表における2DコンテンツAに関する部分を送信するためのERIを表す図である。図10の説明は、図9の説明と同様である。
なお、2DコンテンツAのERIにおいて、number属性の値が「2」のchapter要素のchapter_point要素の値と、number属性の値が「3」のchapter要素のchapter_point要素の値が等しくなっている。これは、number属性の値が「2」のシーンの長さ(duration)が「0」である、すなわちnumber属性の値が「2」のシーン(3DコンテンツAにおけるシーンB)が、2DコンテンツAには存在しないことを表現している。
<中断位置情報表>
中断位置情報表は、あるコンテンツが既に配信され、その視聴が途中で中断している場合に、その再生中断位置などが記載された表である。
図11は、中断位置情報表の一例を示す図である。
中断位置情報は、ユーザID、CRID、デバイスID、視聴形態情報、及び再生中断位置情報から成る。
ユーザIDは、コンテンツの配信を希望するユーザを識別する情報である。ユーザIDは、コンテンツ配信業者により、コンテンツの配信契約締結時などに各ユーザに対して一意に割り当てられる。ユーザIDは、一例として契約者番号である。なお、1人のユーザが複数のデバイスを有している場合など、同一のユーザについて複数の再生中断位置情報が中断位置情報表に記載されていることもある。
CRIDは、コンテンツを識別する識別情報である。
デバイスIDは、ユーザが用いるコンテンツ再生装置を一意に識別する識別情報である。デバイスIDは、コンテンツの配信契約が締結された時などにユーザの申請に応じてコンテンツ配信業者が各デバイスに一意に割り当てるものとする。
視聴形態情報は、コンテンツが再生中断される直前に、どの視聴形態で視聴されていたかを示す情報である。本実施形態では、視聴形態情報は、「2D」、「stereoscopic_3D(3D)」のいずれかである。但し、コンテンツが視聴中断されていない場合には、何も記載されない。
再生中断位置情報は、コンテンツが視聴中断前に、コンテンツの時間軸上における先頭から何秒分視聴されて視聴が中断されたかの再生中断位置を示す情報である。なお、コンテンツの視聴が中断されていない場合、再生中断位置情報には何も記載されない。
<2-3.コンテンツ再生装置102>
<2-3-1.構成>
コンテンツ再生装置102は、コンテンツをストリーム受信し、再生する装置である。
図12は、コンテンツ再生装置102の構成を示すブロック図である。
コンテンツ再生装置102は、図12に示すように、データ取得部1201、入力受付部1202、デマルチプレクサ1203、ビデオデコーダ1204、映像出力部1205、データ管理部1206、AVプレーヤ1207、メタデータ処理部1208、及び表示部1209を含んで構成される。コンテンツ再生装置102は、プロセッサ及びメモリを含んで構成されており、AVプレーヤ1207、及びメタデータ処理部1208の各機能は、メモリに記憶されているプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
<データ取得部1201>
データ取得部1201は、通信用のLSIで構成されており、ネットワーク104を介してデータを送受信する機能を有する。データ取得部1201は、コンテンツを受信した場合にはデマルチプレクサ1203に対し出力し、ECGメタデータ、再生制御メタデータなどのメタデータを取得した場合にはメタデータ処理部1208に対し出力する。
<入力受付部1202>
入力受付部1202は、キーパッド、リモコン等で構成され、ユーザがキーパッド、リモコン等を操作することにより入力した指示(以下、「ユーザ指示」という。)を、ユーザ指示の内容に応じてAVプレーヤ1207又はメタデータ処理部1208に通知する。
入力受付部1202は、一例として、コンテンツの一覧表示要求、コンテンツの選択、再生指示などのユーザ指示を受け付けた場合には、メタデータ処理部1208に通知し、また、コンテンツ再生中に一時停止や早送り、巻き戻しなどの特殊再生やコンテンツの再生停止等のユーザ指示を受け付けた場合には、AVプレーヤ1207に通知する。
<デマルチプレクサ1203>
デマルチプレクサ1203は、デマルチプレクサLSIで構成されており、多重化されているMPEG-2 TSを受信して、映像、音声、PSI/SI等のパケットに分離する機能を有する。デマルチプレクサ1203は、分離した音声パケットを音声デコーダ(図示せず)に出力し、映像パケットをビデオデコーダ1204に出力する。なお、デマルチプレクサ1203が、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等のPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)情報を解析し、パケットを適切なデコーダに渡す処理などは周知であり説明は省略する。
<ビデオデコーダ1204>
ビデオデコーダ1204は、AV信号処理LSIで実現されており、AVプレーヤ1207からコンテンツの再生に用いる視聴形態の通知を受け、通知された視聴形態で映像を表示できるよう、映像パケットを復号することによりフレーム画像を得て、映像出力部1205に出力する機能を有する。
<映像出力部1205>
映像出力部1205は、上述のAV信号処理LSIで実現されており、ビデオデコーダ1204から取得したフレーム画像、メタデータ処理部1208から受け取ったGUI(Graphical User Interface)画像などを一定間隔で表示部1209に出力する。
<データ管理部1206>
データ管理部1206は、不揮発性メモリで構成され、自装置のユーザを識別するユーザID、自装置を識別するデバイスID、受信したコンテンツ、ECGメタデータ、再生制御メタデータ、及び、コンテンツの視聴状況についての情報である視聴状況情報などを記憶する。
<AVプレーヤ1207>
AVプレーヤ1207は、コンテンツの再生制御を行う機能を有する。
コンテンツの再生制御として、AVプレーヤ1207は、メタデータ処理部1208から、再生対象コンテンツの取得先のURI、CRID、視聴形態情報、再生開始位置情報をパラメータとしたコンテンツ再生要求を受け付け、再生対象コンテンツの取得先のURI(本実施形態ではコンテンツサーバ101)に対し、受け付けたパラメータに含まれる情報をパラメータとしたコンテンツ配信要求を送信する。そして、AVプレーヤ1207は、コンテンツ配信要求に対する応答としてコンテンツを取得し、再生する。
また、AVプレーヤ1207は、コンテンツ再生中に、入力受付部1202から一時停止、早送り又は巻き戻しなどの特殊再生の要求を受け付けた場合に、コンテンツサーバ101に対し、特殊再生の内容をパラメータとした特殊再生要求を送信する。そして、AVプレーヤ1207は、特殊再生要求に対する応答としてコンテンツを取得し、特殊再生する。
また、ユーザがコンテンツを最後まで視聴せずに、入力受付部1202を用いて視聴中断を指示した場合には、コンテンツの時間軸上の再生中断位置を示す再生中断位置情報をパラメータとした、コンテンツの配信中断要求をコンテンツサーバ101に送信し、再生中断位置を視聴状況情報としてデータ管理部1206に記憶させる。
<メタデータ処理部1208>
メタデータ処理部1208は、取得したメタデータを処理する処理部であり、(1)コンテンツ一覧表示機能、(2)コンテンツ詳細情報表示機能、(3)メタファイル処理機能、及び(4)位置変換機能を有する。
(1)コンテンツ一覧表示機能
コンテンツ一覧表示機能は、GUIとして、配信対象となるコンテンツのタイトル名が列挙されたコンテンツ一覧画像を表示する機能である。
コンテンツのタイトル名は、ECGメタデータにおけるPI中のTitle要素の属性値として記載されている。
コンテンツ一覧表示機能を実現するため、メタデータ処理部1208は、コンテンツサーバ101に対し、配信パラメータを含むPI配信要求を送信する(図15のS1502、図16のS1601などに相当)。配信パラメータには、少なくとも取得条件が含まれる。取得条件は、例えば、「タイトル名について50音順でA個目からX個」のような条件を示す。Xは、例えば、コンテンツ一覧画像1枚に列挙するタイトル名の個数である。なお、取得条件、通信プロトコルなどについては、「IPTVFJ STD-0006」に規定されている。
なお、配信パラメータとして、ユーザID、デバイスIDを含んでも良い。配信パラメータとして、ユーザID、デバイスIDが含まれている場合には、上述のように、コンテンツサーバ101は、配信対象となったPIに対応するコンテンツが、同一のユーザIDを有する装置に既に配信され、その視聴が途中で中断していると判断した場合に、PIに加え、そのコンテンツの時間軸上における再生中断位置を示す中断位置情報と、再生を中断した装置のデバイスIDとを付して送信することができる。この場合、メタデータ処理部1208は、これらを取得し、コンテンツのCRID、中断位置情報、デバイスID、及びPIに記載される関連コンテンツのCRIDを、視聴状況情報として、データ管理部1206に記憶させる。
また、メタデータ処理部1208は、取得した各PIからタイトル名を抜き出して列挙したコンテンツ一覧画像を生成し、映像出力部1205に送信する(図16のS1602に相当)。
図14(a)は、コンテンツ一覧画像の一例を示す図である。
コンテンツ一覧画像1410には、タイトル名が表示されるボタン1412~1415が配置される。
ボタン1412には、タイトル名「アクション映画A」が表示され、ボタン1413には、タイトル名「アクション映画B」が表示され、ボタン1414には、タイトル名「アニメC」が表示され、ボタン1415には、タイトル名「アニメD」が表示されている。
また、コンテンツ一覧画像1410には、一例として、タイトル名の表示順序を変更するためのナビゲーションボタン1411、表示されているタイトル名とは別のタイトル名を列挙したコンテンツ一覧画像の表示を指示するためのナビゲーションボタン1416などが表示される。
ユーザは、コンテンツ一覧画像1410が表示されている場合において、例えば、入力受付部1202を操作して、タイトル名が表示されるボタン1412~1415のいずれかを選択(押下)する指示を入力することにより、コンテンツを選出することができる。以下、ユーザ操作によって、コンテンツ一覧画像に表示されたものから選出されたコンテンツを「選出コンテンツ」という。
なお、上述の再生対象コンテンツと、選出コンテンツとは、必ずしも一致するとは限らない。例えば、選出コンテンツが、3DコンテンツAであった場合に、再生対象コンテンツが3DコンテンツAの関連コンテンツ、すなわち3DコンテンツAとは視聴形態が異なる2DコンテンツAとなる場合もある。
(2)コンテンツ詳細情報表示機能
コンテンツ詳細情報表示機能は、選出コンテンツについての詳細情報が記載されたコンテンツ詳細情報画像を表示する機能である。この機能は、図15のS1506、図17などに相当する。
図14(b)は、選出コンテンツ、及びその関連コンテンツについて、視聴中断されていない場合のコンテンツ詳細情報画像の一例を示す図である。
コンテンツ詳細情報画像1420は、タイトルが「アクション映画A」である選出コンテンツについてのコンテンツ詳細情報画像である。コンテンツ詳細情報画像1420には、サムネイル画像1421、視聴形態として2Dを選択するためのナビゲーションボタン1422、視聴形態として3Dを選択するためのナビゲーションボタン1423、選出コンテンツの詳細を説明するテキストが記載された画像であるコンテンツ説明欄画像1424が配置されている。
また、選出コンテンツ又はその関連コンテンツについて再生の中断がされていないので(図17のS1706でNOに対応)、コンテンツ詳細情報画像1420には、「続きから視聴」のようなナビゲーションボタンは配置されていない。
図14(c)は、選出コンテンツ又はその関連コンテンツについて視聴中断されている場合のコンテンツ詳細情報画像の一例を示す図である。
図14(c)のコンテンツ詳細情報画像1430では、選出コンテンツ又はその関連コンテンツについて視聴の中断がされているので(図17のS1706でYESに対応)、図14(b)のナビゲーションボタン1422、ナビゲーションボタン1423に代えて、視聴形態を2Dとし、初めから視聴することを選択するためのナビゲーションボタン1432、視聴形態を3Dとし、始めから視聴することを選択するためのナビゲーションボタン1433、視聴形態を2Dとし、続きから視聴することを選択するためのナビゲーションボタン1434、視聴形態を3Dとし、続きから視聴することを選択するためのナビゲーションボタン1435が配置されている。
(3)メタファイル処理機能
メタファイル処理機能は、再生対象コンテンツについて、PLを取得し(図16のS1607参照)、再生制御メタファイルを取得して再生対象コンテンツの取得先のURIを取得する(図16のS1608参照)機能である。
メタファイル処理機能は、また、前回の視聴形態と異なる視聴形態で続きから視聴する場合には、コンテンツサーバ101から前回の視聴形態のコンテンツに対応するERIを取得し、前回の視聴形態のコンテンツに対応するERIとすでに取得している再生対象コンテンツのERIから再生位置対応表を生成して、データ管理部1206に記録する機能を含む。
再生制御メタファイルの処理については、「一般社団法人 IPTVフォーラム、IPTV規定 VOD仕様 IPTVFJ STD-0002 1.2版、2012年4月16日発行」(以下、「IPTVFJ STD-0002」という。)、及び「IPTVFJ STD-0006」に規定されている。
(4)位置変換機能
位置変換機能は、再生対象コンテンツの関連コンテンツについて再生が中断されている場合に、再生対象コンテンツの関連コンテンツにおける再生中断位置を、再生対象コンテンツにおける再生開始位置に変換する機能である。この機能は、後述の図18に示す手順で行う。
<表示部1209>
表示部1209は、ディスプレイデバイス及びそのドライバLSIで構成されており、映像出力部1205から受信する画像をディスプレイデバイスに表示する。
<2-3-2.データ構造>
図13(a)は、視聴状況情報の一例を示す図である。
視聴状況情報は、コンテンツについて視聴が中断された場合に生成、記憶される情報である。
視聴状況情報は、コンテンツを識別するためのCRID、視聴形態、再生中断位置を示す再生中断位置情報、及び関連コンテンツのCRIDである関連CRIDから成る。
視聴状況情報は、メタデータ処理部1208が、コンテンツサーバ101からPIと共に、再生中断位置情報、及びデバイスIDを受け取った場合に、受け取った再生中断位置情報、デバイスID、PIに記載されているコンテンツのCRID、関連コンテンツのCRIDを視聴状況情報としてメタデータ処理部1208によりデータ管理部1206に記憶される。
図13(b)は、視聴状況情報の、図13(a)とは異なる例を示す図である。
この視聴状況情報は、メタデータ処理部1208により適宜、参照、更新などがされる。
<2-4.コンテンツ再生装置103>
コンテンツ再生装置103については、コンテンツ再生装置102と同様の構成を有するものとする。但し、コンテンツ再生装置102のデバイスIDは、D01とし、コンテンツ再生装置103のデバイスIDは、D02とする。
<3.動作>
<3-1.全体動作>
以上のように構成されたコンテンツ配信システム100において、コンテンツが再生されるまでの全体動作の概略についてデータの送受信を中心に説明する。なお、コンテンツ再生装置102及びコンテンツ再生装置103の動作については、後に図16~図18を用い、より詳細に説明する。
図15は、コンテンツ配信システム100において、コンテンツを再生する場合の全体動作の流れを示すフローチャートである。
まず、コンテンツ再生装置102のユーザは、入力受付部1202を用いて、配信の対象であるコンテンツの一覧表示要求を入力する(S1501)。入力受付部1202は、コンテンツの一覧表示要求を取得し、取得したコンテンツ一覧表示要求をメタデータ処理部1208に通知する。
メタデータ処理部1208は、コンテンツサーバ101に対し、コンテンツ一覧表示に必要な複数のPIの取得要求を行う(S1502)。コンテンツサーバ101は、取得要求されたPIをコンテンツ再生装置102に送信する(S1503)。
メタデータ処理部1208は、取得した複数のPIそれぞれからタイトル名を抽出し、コンテンツ一覧画像を生成し、映像出力部1205を介して表示部1209に表示させる(S1504)。
コンテンツ一覧画像を見たユーザは、コンテンツ一覧画像に列挙されているタイトル名のうち1つを選出し、入力受付部1202を用いて入力する(S1505)。
メタデータ処理部1208は、選出されたタイトル名に係るコンテンツ(選出コンテンツ)についてのコンテンツ詳細情報表示画面を生成し、表示する(S1506)。
コンテンツ詳細情報表示画面を見たユーザは、再生対象コンテンツ、視聴形態、再生開始位置を選択し、入力受付部1202を用いて入力する(S1507)。ユーザは、この再生対象コンテンツ、視聴形態、再生開始位置との選択を、GUIとしてのコンテンツ詳細情報表示画面に表示されたナビゲーションボタンを押下するなどにより簡易に行うことができる。
メタデータ処理部1208は、ユーザにより選出されたタイトル名、すなわち選出コンテンツのタイトル名がTitle要素に記載されているPIから、CRIDを抽出する。そして、メタデータ処理部1208は、抽出したCRIDをパラメータとして、ECGメタデータのPLをコンテンツサーバ101に要求する(S1508)。
コンテンツサーバ101は、パラメータとして指定されたCRIDに係るPLをコンテンツ再生装置102に送信する(S1509)
メタデータ処理部1208は、コンテンツサーバ101からPLを取得する。そして、PLを解析し、PLのOnDemandProgram要素のProgramURL要素に記述された再生制御メタファイルのURIを取得する(S1510)。
メタデータ処理部1208は、取得したURIで指定されたリソース(本実施形態ではコンテンツサーバ101を指している)に対し、再生制御メタファイルの配信を要求する(S1511)。コンテンツサーバ101は、要求された再生制御メタファイルをコンテンツ再生装置102に配信する(S1512)。
メタデータ処理部1208は、再生制御メタファイルを取得し、解析し、再生対象コンテンツを取得するためのURIとして、再生制御メタファイルのERIに記載されているURIを取得する(S1513)。そして、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツについて、再生開始位置を特定する(S1514)。
メタデータ処理部1208は、AVプレーヤ1207に対し、再生対象コンテンツの取得先のURI、再生対象コンテンツのCRID、再生対象コンテンツの視聴形態を示す視聴形態情報、及び再生開始位置をパラメータとした再生要求を出力する。
AVプレーヤ1207は、再生対象コンテンツの取得先のURIで示されるコンテンツサーバ101に対し、取得したCRID、視聴形態情報、再生開始位置をパラメータとして、コンテンツ配信要求を送信する(S1515)。
コンテンツサーバ101は、コンテンツ再生装置102に対し、取得したパラメータに応じたコンテンツの配信を行う(S1516、S1517)。
AVプレーヤ1207は、配信されたコンテンツを受信して再生する(S1518)。
ここで、コンテンツ再生装置102のユーザが、入力受付部1202を用いて、コンテンツの再生中断指示を入力すると(S1519)、AVプレーヤ1207は、コンテンツの配信中断要求をコンテンツサーバ101に送信する(S1520)。
<3-2.コンテンツ再生装置における再生処理>
図16は、コンテンツ配信システム100において、ユーザがコンテンツを選択して再生を開始し、再生を停止するまでのコンテンツ再生装置102による処理を示すフローチャートである。
まず、入力受付部1202は、ユーザ入力によるコンテンツの一覧表示要求が入力されるのを待つ(S1600でNO)。入力された場合(S1600でYES)、メタデータ処理部1208に通知する。
メタデータ処理部1208は、コンテンツサーバ101に対し、配信パラメータを含むPI配信要求を送信する(S1601)。配信パラメータには、ユーザID、デバイスID、及び取得条件が含まれる。取得条件は、例えば、「タイトル名について50音順でA個目からX個」とする。この場合、メタデータ処理部1208は、コンテンツサーバ101から50音順でA個目からからX個のコンテンツに関するPIを取得することとなる。
メタデータ処理部1208は、PIを取得する毎に、AをXずつインクリメントすることにより更新しながら、PIの取得を繰り返す。PIの取得は、一覧表示画像を生成するのに必要な分が揃うまで行う。また、一覧表示画面を更新する必要が生じた場合など、必要に応じて適宜PIを取得する。
次に、メタデータ処理部1208は、取得した各PIから、Title要素の属性値として記載されているタイトル名を抜き出す。そして、タイトル名を列挙したコンテンツ一覧画像(例えば前述の図14(a))を生成し、映像出力部1205に送信して、表示部1209に表示させる(S1602)。
入力受付部1202は、コンテンツ一覧画像を見たユーザが、コンテンツ一覧画像に列挙されているタイトル名のうち1つを選出して、ユーザ指示を入力するのを待つ(S1603でNO)。
タイトル名の1つの選出がされた場合、すなわち選出コンテンツが特定された場合(S1603でYES)、コンテンツの詳細情報画面作成処理を行う(S1605)。S1605の詳細は、図17に示す。
次に、表示部1209が、コンテンツの詳細情報画面作成処理で作成された、コンテンツの詳細情報画面をGUIとして表示し、ユーザが入力受付部1202を用いてコンテンツ再生要求を入力するのを待つ(S1606でNO)。コンテンツ再生要求の入力は、コンテンツの詳細情報画面において表示されている「視聴」、「始めから視聴」、「続きから視聴」ボタンの押下等により行なわれる。このとき押下されるボタンに応じて、視聴すべきコンテンツである再生対象コンテンツ(選出コンテンツ、関連コンテンツのいずれかである)及び視聴形態(以下、「再生対象視聴形態」という。)、再生開始形態(「初めから視聴」、又は「続きから視聴」)が決定される。
例えば、選出コンテンツの視聴形態が「3D」であり、関連コンテンツの視聴形態が「2D」であるとする。このとき、ユーザにより「初めから視聴(3D)」ボタンが押下された場合、再生対象コンテンツは、視聴形態が3Dの選出コンテンツであると決定し、再生対象視聴形態は「3D」であると決定し、再生開始形態は「初めから視聴」であると決定する。一方、ユーザにより「続きから視聴(2D)」ボタンが押下された場合、再生対象コンテンツは、関連コンテンツであると決定し、再生対象視聴形態は「2D」であると決定し、再生開始形態は「続きから視聴」であると決定する。
次に、コンテンツ再生要求が入力された場合(S1606でYES)、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツのPIから、CRIDを抽出する。そして、メタデータ処理部1208は、抽出したCRIDをパラメータとしたPL配信要求をコンテンツサーバ101に送信し、その応答としてコンテンツサーバ101からPLを取得する。そして、PLのOnDemandProgram要素のProgramURL要素に記載された再生制御メタファイルのURIを取得する(S1607)。
次に、メタデータ処理部1208は、再生制御メタファイルの取得先に対し、再生制御メタファイル配信要求を行い、その応答として再生制御メタファイルを取得し、再生制御メタファイルから再生対象コンテンツの取得先のURIを抽出する(S1608)。
そして、メタデータ処理部1208は、再生開始形態が「続きから視聴」でない場合(S1609でNO)、再生開始位置を0(初めから)とし(S1610)、S1612に進む。
再生開始形態が「続きから視聴」の場合(S1609でYES)、位置変換処理を行い(S1611)、S1612に進む。位置変換処理の詳細は、後述の図18に記載している。
S1612において、メタデータ処理部1208は、AVプレーヤ1207に対し、再生対象コンテンツの取得先のURI、再生対象コンテンツのCRID、再生対象視聴形態を示す視聴形態情報、及び再生開始位置をパラメータとした再生要求を出力する。
AVプレーヤ1207は、再生対象コンテンツの取得先のURIで示されるリソース(本実施形態では、コンテンツサーバ101)に対し、取得したCRID、視聴形態情報、再生開始位置をパラメータとして、コンテンツ配信要求を送信する。
コンテンツの配信要求に対する応答として、AVプレーヤ1207は、コンテンツサーバ101から配信されるコンテンツを受信して、コンテンツを再生する(S1613)。
そして、コンテンツ再生中に、ユーザが入力受付部1202を用いて再生中断を指示したか否かを監視しておき(S1614)、指示がない場合(S1614でNO)、再生を継続する。
指示があった場合(S1614でYES)、コンテンツサーバ101に対し、データ管理部1206に記憶しているユーザID、再生中断するコンテンツのCRID、データ管理部1206に記憶している自装置のデバイスID、視聴形態を示す視聴形態情報、再生中断位置を示す再生中断位置情報をパラメータとした配信中断要求を送信し(S1615)、処理を終了する(End)。
なお、コンテンツを最後まで視聴した場合にもコンテンツの再生処理は終了する。
<3-3.コンテンツの詳細情報画面の作成>
ここで、上述のS1605に相当する、コンテンツの詳細情報画面の作成について詳細に説明する。
図17は、コンテンツの詳細情報画面作成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、コンテンツ再生装置102のメタデータ処理部1208は、選出コンテンツのPIをデータ管理部1206から読み出す(S1701)。
次に、選出コンテンツのPIのRelatedMaterial要素のMediaUriを読み出して、関連コンテンツのCRIDを取得する(S1702)。
次に、選出コンテンツのPIのHowRelated要素のhref属性値に記載のURIを用いて、コンテンツサーバ101のHR辞書を参照し、関連コンテンツの視聴形態を取得する(S1703)。
次に、関連コンテンツのCRIDを有するPI、すなわち、関連コンテンツのPIをデータ管理部1206から読み出す(S1704)。
そして、関連コンテンツのPIのHowRelated要素のhref属性値に記載のURIを用いて、コンテンツサーバ101のHR辞書を参照し、選出コンテンツの視聴形態を取得する(S1705)。
次に、メタデータ処理部1208は、選出コンテンツ、関連コンテンツのいずれかについて、再生(視聴)の中断がされているか否かを判断する(S1706)。
この判断は、データ管理部1206において、選出コンテンツについての視聴状況情報が記憶されているか否か、及び、関連コンテンツについての視聴状況情報が記憶されているか否かにより行う。いずれかについて視聴状況情報が記憶されている場合、再生の中断がされていると判断することになる。
再生中断がされていないと判断した場合(S1706でNO)、選出コンテンツの視聴形態、及び関連コンテンツの視聴形態についての「視聴」ボタンを、コンテンツの詳細情報画面に配置する(S1709)。なお、「視聴」ボタンは、視聴し得るコンテンツについてのみ配置する。具体的には、関連コンテンツが存在しない場合には、選出コンテンツについての「視聴」ボタンのみ配置する。また、関連コンテンツが存在する場合には、「視聴(選出コンテンツの視聴形態)」ボタンと「視聴(関連コンテンツの視聴形態)」ボタンとを配置する。そして、S1710に進む。
一方、視聴中断がされていると判断した場合(S1706でYES)、選出コンテンツの視聴形態、及び関連コンテンツの視聴形態についての「始めから視聴」ボタンを、コンテンツの詳細情報画面に配置する(S1707)。なお、「初めから視聴」ボタンは、視聴し得るコンテンツについてのみ配置する。具体的には、関連コンテンツが存在しない場合には、選出コンテンツについての「初めから視聴」ボタンのみ配置する。また、関連コンテンツが存在する場合には、「初めから視聴(選出コンテンツの視聴形態)」ボタンと「初めから視聴(関連コンテンツの視聴形態)」ボタンとを配置する。
そして、選出コンテンツの視聴形態、及び関連コンテンツの視聴形態についての「続きから視聴」ボタンを、コンテンツの詳細情報画面に配置する(S1708)。なお、「続きから視聴」ボタンは、視聴し得るコンテンツについてのみ配置する。具体的には、関連コンテンツが存在しない場合には、選出コンテンツについての「続きから視聴」ボタンのみ配置する。また、関連コンテンツが存在する場合には、「続きから視聴(選出コンテンツの視聴形態)」ボタンと「続きから視聴(関連コンテンツの視聴形態)」ボタンとを配置する。 そして、S1710において、メタデータ処理部1208は、選出コンテンツ、及び関連コンテンツのPIからコンテンツについて説明するテキストを抽出し、抽出したテキストが掲載された画像であるコンテンツ説明欄の画像を生成し、コンテンツの詳細情報画面に配置する(S1710)。
そして、コンテンツサーバ101から、選出コンテンツ又は関連コンテンツのサムネイル画像を取得してコンテンツの詳細情報画面に配置し、また各種の制御用のナビゲーションボタンなどを配置し(S1711)、処理を終了する(Return)。
<3-4.位置変換処理>
ここで、位置変換処理について説明する。
図18は、上述のS1609に相当する、位置変換処理の手順を示すフローチャートである。 まず、再生対象コンテンツについて、視聴状況情報(再生中断位置)がデータ管理部1206に記録されているか否かを判断する(S1801)。
再生対象コンテンツについての再生中断位置が記録されている場合、すなわち視聴中断前の視聴形態と、視聴を再開するときの視聴形態とが同じ場合には(S1801でYES)、再生開始位置を、再生対象コンテンツの再生中断位置とし(S1812)、処理を終了する(RETURN)。
再生対象コンテンツについての再生中断位置が記録されていない場合、すなわち視聴中断前の視聴形態と、視聴を再開するときの視聴形態とが異なる場合には(S1801でNO)、再生対象コンテンツが選出コンテンツか否かを判定する(S1802)。再生対象コンテンツが選出コンテンツである場合(S1802でYES)、関連コンテンツが、変換元コンテンツである(S1803)。再生対象コンテンツが選出コンテンツでない、すなわち関連コンテンツである場合(S1802でNO)、選出コンテンツが変換元コンテンツである(S1804)。
次に、再生位置対応表を作成する(S1805)。再生位置対応表の作成には、上述のように、前回の視聴形態のコンテンツである変換元コンテンツのERIが必要となるので、ここで取得する。ERIの取得は、既に、S1607、S1608で説明したのと同様の手順で行う。すなわち、まず、変換元コンテンツのPIから、CRIDを抽出する。そして、抽出したCRIDをパラメータとしたPL配信要求をコンテンツサーバ101に送信し、その応答としてコンテンツサーバ101からPLを取得する。そして、PLのOnDemandProgram要素のProgramURL要素に記載された再生制御メタファイルのURIを取得する。そして、再生制御メタファイルの取得先に対し、再生制御メタファイル配信要求を行い、その応答としてERIを取得する。
そして、取得した変換元コンテンツのERIと、再生対象コンテンツのERIとを用いて再生位置対応表を作成する。
再生位置対応表を作成した後、変換元コンテンツにおける、再生中断位置の属するシーンである変換元シーンと、再生中断位置の変換元シーンにおける位置であるシーン中位置とを導出する(S1806)。例えば、図7の3DコンテンツAが変換元コンテンツであり、再生中断位置が3DコンテンツAにおける先頭から400秒である場合、この再生中断位置が属するシーンBが変換元シーンである。また、再生中断位置が、シーンBの先頭から100秒の位置であることから、シーン中位置は100秒となる。
次に、再生位置対応表を参照し、変換元シーンに対応する、再生対象コンテンツのシーン(以下、「対応シーン」という。)が、無シーンか否か判定する(S1807)。例えば、図7の2DコンテンツAが再生対象コンテンツであるとする。この場合、変換元シーンである、変換元コンテンツ(3DコンテンツA)のシーンBについては、図8の再生位置対応表を参照すると、再生対象コンテンツである2DコンテンツAにおいて対応するシーンが無い、すなわち無シーンに対応付けられていると判定される。
変換元シーンに対応するシーンが無シーンである場合(S1807でYES)、再生中断位置を、再生開始位置としての無シーンの次のシーンの先頭位置に変換する(S1808)。
例えば、3DコンテンツのシーンBに関しては、再生対象コンテンツにおける無シーンの次のシーンであるシーンCの先頭位置(301秒)が、位置変換結果としての再生開始位置となる。
対応シーンが無シーンでない場合(S1807でNO)、変換元シーンの長さと、対応シーンの長さが同じか否かを判断し(S1809)、同じ場合には(S1809でYES)、対応シーンにおける、シーン中位置と同じ位置を再生開始位置とする(S1810)。
例えば、図7における、変換元シーンが3DコンテンツAのシーンCであり、シーン中位置が100秒であり、対応シーンが、2DコンテンツAのシーンCであるとする。この場合、再生開始位置は、対応シーンであるシーンCにおける最初から100秒の位置となる。
変換元シーンの長さと、対応シーンの長さが同じでない場合(S1809でNO)、式
再生開始位置 = シーン中位置 × (対応シーン長/変換元シーン長)
により再生開始位置を算出する(S1811)。
例えば、図7において、変換元シーンが3DコンテンツAのシーンDであり、シーン中位置が100秒であり、対応シーンが、2DコンテンツAのシーンD’であるとする。
この場合、再生開始位置は、対応シーン(シーンD’)における、100秒×(200秒/400秒)の位置、すなわちシーンD’における最初から50秒の位置となる。
<3-5.実例による視聴中断処理、及び視聴再開処理の動作説明>
ここで、視聴中断処理、及び視聴再開処理の動作の流れについて、図15~図18を用い、実例を挙げて説明する。
前提として、視聴中断処理に関しては、コンテンツ再生装置102によって、タイトル名が「3Dアクション映画A」であるコンテンツ(3DコンテンツA)が再生されており、その再生が中断されるものとする。また、視聴再開処理に関しては、コンテンツ再生装置103によって、3DコンテンツAとは視聴形態が異なる、すなわち関連コンテンツである2DコンテンツAが再生されるものとする。
なお、図15~図18については既に詳細な説明を行っているので、再度全てのステップについて詳細に説明することはせず、適宜説明を簡略化する。
(1)視聴中断処理
まず、ユーザは、コンテンツ再生装置102の入力受付部1202を用い、コンテンツ一覧表示要求のユーザ指示を入力する(S1501)。
コンテンツ再生装置102のメタデータ処理部1208は、入力受付部1202からコンテンツ一覧表示要求の通知を受け、コンテンツサーバ101に対しPIの取得要求をし(S1502)、応答としてPIを取得する(S1503)
メタデータ処理部1208は、PIに基づき図14(a)のようなコンテンツ一覧画像を生成し、GUIとして表示する(S1504)。
ユーザは、コンテンツ再生装置102の入力受付部1202を用い、選出コンテンツとして、3DコンテンツAを選出する(S1505)。なお、図14(a)では、3DコンテンツAについて図示はない。
次に、メタデータ処理部1208は、選出コンテンツについてのコンテンツ詳細情報画面を表示する(S1506)。
コンテンツ詳細情報画面には、「視聴(2D)」、「視聴(3D)」の選択ボタンが表示されている。「視聴(2D)」を選択すると関連コンテンツが再生されることとなり、視聴(3D)」を選択すると選出コンテンツが再生されることとなる。
ここでは、ユーザは、「視聴(3D)」を選択する(S1507)。これにより、再生対象コンテンツは、選出コンテンツであることが特定される。
メタデータ処理部1208は、選出コンテンツのPLをコンテンツサーバ101から取得する(S1508、S1509)。そして、メタデータ処理部1208は、PLを解析し、3DコンテンツAの再生制御メタファイルの取得先のURIを認識する(S1510)。
次に、再生制御メタファイルの取得先のURIにアクセスし、再生制御メタファイルを取得する(S1511、S1512)。そして、メタデータ処理部1208は、PLを解析し、3DコンテンツAの取得先のURIを認識する(S1513)。
ここで、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツについての再生開始位置を特定する(S1514)。3DコンテンツAについては、未だ視聴は行っていないことから、再生開始位置は、0(最初から)である。
なお、3DコンテンツAについては、未だ視聴は行っていないことから、コンテンツサーバ101から、S1503において、3DコンテンツAのPIとともに、再生中断位置の送信はされていない。よって、データ管理部1206に、3DコンテンツAについての視聴状況情報は記憶されていない。
そして、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツについてのコンテンツ配信要求を行い、その応答として、AVプレーヤ1207が、再生対象コンテンツを取得して、再生を行う(S1515~S1518)。
ここで、3DコンテンツAの再生を、例えば、400秒行った後、ユーザが、コンテンツ再生装置102の入力受付部1202を用い、コンテンツの配信中断のユーザ指示を入力したものとする(S1518)。
この場合、メタデータ処理部1208は、ユーザID、再生中断するコンテンツのCRID、デバイスID(D01)、視聴形態を示す視聴形態情報(3D)、コンテンツ配信先の装置におけるコンテンツの時間軸上の再生中断位置(400秒)を示す再生中断位置情報をパラメータとした配信中断要求を、コンテンツサーバ101に送信する(S1520)。コンテンツサーバ101は、配信中断要求のパラメータを、中断位置情報表に記載する。中断位置情報表は、一例として図11に示すものとなる。
(2)視聴再開処理
まず、ユーザは、コンテンツ再生装置103の入力受付部1202を用い、コンテンツ一覧表示要求のユーザ指示を入力する(S1501)。
コンテンツ再生装置103のメタデータ処理部1208は、入力受付部1202からコンテンツ一覧表示要求の通知を受け、コンテンツサーバ101に対しPIの取得要求をし(S1502)、応答としてPIを取得する(S1503)
ここで、コンテンツサーバ101は、3DコンテンツAについての中断位置情報表を記憶している。3DコンテンツAのPIを送信する場合、PIに加え、3DコンテンツAの時間軸上における中断位置を示す再生中断位置情報(400秒)と、視聴中断に係る装置のデバイスID(D01)とを付して送信する。メタデータ処理部1208は、これらの再生中断位置情報とデバイスIDとに加え、PIに係る3DコンテンツAのCRIDと、PIに記載された関連コンテンツである2DコンテンツAのCRIDを視聴状況情報として記憶する。このときの、視聴状況情報は、一例として図13(a)に示すものとなる。
メタデータ処理部1208は、PIに基づき図14(a)のようなコンテンツ一覧画像を生成し、GUIとして表示する(S1504)。
ユーザは、コンテンツ再生装置103の入力受付部1202を用い、選出コンテンツとして、2DコンテンツAを選出する(S1505)。
次に、メタデータ処理部1208は、選出コンテンツについてのコンテンツ詳細情報画面を表示する(S1506)。メタデータ処理部1208は、関連コンテンツについて、視聴状況情報が記憶されていることから(S1506、S1706でYES)、選出コンテンツ又は関連コンテンツについて視聴中断があると判断し、コンテンツ詳細情報画面に「初めから視聴(2D)」、「初めから視聴(3D)」、「続きから視聴(2D)」、「続きから視聴(3D)」ボタンを配置する(S1707、S1708)。
ここでは、ユーザは「続きから視聴(2D)」を選択する(S1507)。これにより、選択された選出コンテンツが、再生対象コンテンツであると特定される。
メタデータ処理部1208は、選出コンテンツのPLをコンテンツサーバ101から取得する(S1508、S1509)。そして、メタデータ処理部1208は、PLを解析し、再生対象コンテンツである2DコンテンツAの再生制御メタファイルの取得先のURIを認識する(S1510)。
次に、メタデータ処理部1208は、再生制御メタファイルの取得先のURIにアクセスし、再生制御メタファイルを取得する(S1511、S1512)。ここで、再生制御メタファイルのERIにより、再生対象コンテンツである2DコンテンツAについての再生位置対応表が、コンテンツサーバ101からコンテンツ再生装置103へと送信される。コンテンツ再生装置103のメタデータ処理部1208は、再生位置対応表をデータ管理部1206に記憶する。
次に、メタデータ処理部1208は、PLを解析し、2DコンテンツAの取得先のURIを認識する(S1513)。
ここで、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツである2DコンテンツAについての再生開始位置を特定する(S1514)。
ここで、再生開始位置の特定について、図16、図18を参照する。
まず、再生開始形態は、「続きから視聴」である(S1609でYES)。
また、再生対象コンテンツについては、データ管理部1206について、視聴状況情報(再生中断位置)は記録されていない(S1611、S1801でNO)。また、再生対象コンテンツは、選出コンテンツであるので(S1802でYES)、変換元コンテンツは、関連コンテンツである(S1803)。
ここで、メタデータ処理部1208は、変換元コンテンツ(3DコンテンツA)の再生中断位置(400秒)をデータ管理部1206から読み出す。そして、再生中断位置の属する変化元シーン(図7のシーンB)、再生中断位置のシーン中位置(100秒)を導出する(S1806)。
ここで、再生位置対応表を参照すると、変換元シーンに対応する、再生対象コンテンツのシーン(対応シーン)は、無シーンである(S1807でYES)。よって、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツにおける無シーンの次のシーンであるシーンCの先頭位置(シーンCの301秒)を、再生開始位置であると決定する(S1808)。
無シーンの次のシーン以降も無シーンが続く場合には、その無シーン以降の、無シーンでない最初のシーンの先頭位置を、再生開始位置であると決定することとなる。
再生開始位置を特定した後、メタデータ処理部1208は、再生対象コンテンツについて、再生開始位置から再生できるようコンテンツサーバ101に対しコンテンツ配信要求を行い、その応答として再生対象コンテンツを取得する。AVプレーヤ1207は、再生対象コンテンツを、再生開始位置から再生する(S1612、S1613)。
以上のように、コンテンツ再生装置102によって途中まで再生された3DコンテンツAについて、コンテンツ再生装置103により異なる視聴形態で視聴を再開した場合であっても、視聴中断前に視聴した映像内容と同等の映像内容を重複して視聴することや、未視聴の部分が生じるようなことなく、コンテンツを円滑に視聴することができる。
<4.変形例>
以上、本発明に係るコンテンツ配信システムの実施形態を説明したが、例示したコンテンツ配信システムを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りのコンテンツ配信システムに限られないことは勿論である。
(1)上述の実施形態で説明したネットワーク104は、データの送受信ができるものであれば足りる。例えば、CDN網やインターネット網等のネットワーク、専用線による回線網などであってよい。
(2)上述の実施形態では、コンテンツ配信システム100を構成するコンテンツ再生装置を、コンテンツ再生装置102、103の2台としていたが、3台以上のコンテンツ再生装置を用いることともできる。
このとき、例えば、コンテンツの再生を中断しているコンテンツ再生装置が2台あり、それぞれの再生中断位置が異なっており、これら2台とは異なるコンテンツ再生装置により、コンテンツの再生再開がされるとする。このような場合には、再生中断位置が最も後である再生中断位置を再生開始位置へと変換すればよい。
(3)上述の実施形態では、図6のIPTVSERVICEHowRelatedCS辞書について、termIDの22.1、22.2を追加して拡張することとしたが、拡張はこれらのみに限るものではなく、必要に応じ更なる拡張を行うこととしてもよい。例えば、termIDの22.3以降に別の視聴形態について規定することとしてもよいし、マルチビューにおける別視点からの映像のコンテンツや異なる符号化形式のコンテンツを定義しても良い。
(4)上述の実施形態では、コンテンツ再生装置102において、それぞれ1つのビデオデコーダ1204、映像出力部1205を用いることとしたが、ストリーム配信されたビデオパケットをデコードできれば足りる。例えば、コンテンツ再生装置102が、ビデオデコーダ、映像出力部を複数備えることとしてもよい。そして、3D映像について、左目用映像と右目用映像を別のESで配信し、これらを複数のデコーダ、及び映像出力部を用いて表示してもよい。
(5)上述の実施形態では、PIのRelatedMaterial要素を利用して、内容が共通し視聴形態の異なるコンテンツへのリンク情報を記載したが、内容が共通し視聴形態の異なるコンテンツについての情報を記載できれば足りる。
例えば、ECGメタデータのPIや再生制御メタファイルに、リンク情報を記載するための、新たな要素、属性を追加してもよい。また、現在規定されている要素や属性について、リンク情報を記載できるよう、解釈を拡張するなどしてもしてもよい。また、ECGメタデータのGIにより、内容が共通し視聴形態の異なるコンテンツ群をグルーピングすることとしてもよい。また、内容が共通し視聴形態の異なるコンテンツ群について1つのPIを用いることとし、そのPI中に、視聴形態ごとの複数のPLについてのURLを記載できるような拡張を行うこととしてもよい。
(6)上述の実施形態では、図7に、各コンテンツを区切ったシーンの一例を示したが、これに限定されることなく、コンテンツを一定の基準に基づいて区切り、両コンテンツにおけるシーンを相互に対応づけることができれば足りる。
(7)上述の実施形態では、コンテンツ再生装置102及び103は、同様の構成であるとしたが、両コンテンツ再生装置間でコンテンツの再生能力、表示能力などに相違があってもよい。例えば、コンテンツ再生装置102が据え置き型の高描画性能を有する装置であり、コンテンツ再生装置103は、一例としてタブレット端末であって、3Dの再生機能を有しないものとしてもよい。
このとき、例えば、コンテンツ再生装置103のデータ管理部1206には、コンテンツ再生装置103が再生可能な視聴形態(2D)を示す再生可能情報を記憶しておけば、この再生可能情報を参照することにより、自機が再生可能な視聴形態を認識することができる。なお、コンテンツ再生装置102についての再生可能情報についても、コンテンツ再生装置102のデータ管理部1206に、コンテンツ再生装置102が再生可能な視聴形態(2D、3Dの双方)を示す再生可能情報を記憶していてもよい。
また、上述の「3-5.実例による視聴中断処理、及び視聴再開処理の動作説明」の(2)視聴再開処理において、ユーザが、コンテンツ再生装置102の入力受付部1202を用い、選出コンテンツとして、2DコンテンツAを選出するとしていたが、コンテンツ再生装置103は、再生可能情報を参照することにより、3Dについては再生能力を有しないことがわかる。
よって、コンテンツ再生装置103のGUIには、3Dを再生するためのボタンである「初めから視聴(3D)」、「続きから視聴(3D)」などは、表示しないか、グレーアウトして選択できないような態様で表示するなどしてもよい。
また、コンテンツ再生装置103において、再生可能情報として1つの視聴形態(例えば、2Dのみ)しか記載されていない場合には、コンテンツ再生装置103が選出する視聴形態は、ユーザ入力によらずとも2Dであると決定してもよい。
(8)上述の実施形態では、S1809において、変換元シーンの長さと、対応シーンの長さが異なると判定された場合(S1809でNO)、
再生開始位置 = シーン中位置 × (対応シーン長/変換元シーン長)
により再生開始位置を算出する(S1811)こととしたが、コンテンツの内容に応じた適切な変換ができれば足りる。例えば、S1810の処理と同様、対応シーンにおいて、シーン中位置と同じ位置を再生開始位置とすることとしてもよい。また、対応シーンの先頭を再生開始位置とすることとしてもよい。
(9)上述の実施形態では、コンテンツ再生装置102は、コンテンツ一覧画面要求時に、必要なPIなどのECGメタデータをコンテンツサーバ101から取得することとしていたが、ECGメタデータが使用できさえすれば足りる。例えば、コンテンツ再生装置102は、予めECGメタデータを取得しておき、これらを管理しても良い。また、必要なECGメタデータの全てをコンテンツサーバ101から取得するのではなく、ECGメタデータの全部又は一部については、コンテンツ再生装置102が予め記憶しておき、必要なデータを抽出して使用することとしてもよい。
(10)上述の実施形態では、図14(b)及び(c)に示すようなGUIを用いて、コンテンツの視聴要求と、視聴形態の選択と、初めから視聴するか続きから視聴するかの選択とを同時に行うこととしていたが、コンテンツの視聴要求と、視聴形態の選択、初めから視聴するか続きから視聴するかの選択とができれば足りる。例えば、視聴要求ボタンを押すと、視聴形態の選択ができるGUIが表示され、次いで視聴形態を選択すると、初めから視聴するか続きから視聴するか選択できるGUIが表示されるというように、ユーザに段階的に選択させるようなGUIを採用することとしてもよい。
(11)上述の実施形態では、選出コンテンツのPIのRelatedMaterial要素を参照することにより、関連コンテンツの視聴形態を知り、関連コンテンツのPIのRelatedMaterial要素を参照することにより、選出コンテンツの視聴形態を知ることとしていたが、選出コンテンツと関連コンテンツの視聴形態を知ることができれば足りる。
例えば、選出コンテンツのPIのVideoAttributes要素のcoding要素を参照し、記載されている符号化方式から視聴形態を判定してもよい。現状、「IPTVFJのSTD-0006」などに規定されているIPTVSERVICEVisualCodingFormatCS辞書では、MPEG-2とAVCのみが指定可能であるが、MVC等を指定可能とするようIPTVSERVICEVisualCodingFormatCS辞書を拡張すれば、本要素を参照することにより視聴形態の判別が可能となる。
また、PIに新たな要素を定義し、内容が共通し視聴形態が異なるコンテンツに関する、複数の視聴形態を記載することとしてもよい。
(12)上述の実施形態では、再生位置対応表として、再生位置対応表801のように、コンテンツ間の、シーン(チャプター単位であってもよい)についての対応関係を記載したが、コンテンツ間で同等の内容である再生位置を取得できる情報が記載されていれば足りる。
例えば、図21に示すように、シーン単位でなく、一方のコンテンツのある再生位置における、他方のコンテンツにおいて対応する再生位置を記載した情報を再生位置対応表としても良い。
例えば、再生位置対応表2101には、ある視聴形態のコンテンツにおける再生時間と、対応する他方の視聴形態のコンテンツにおける再生時間との組が、複数記載されている。
一方のコンテンツにしか存在しない映像内容がある場合には、他方のコンテンツにおいて、対応する再生時間がないため「―」が記載されている。また、再生位置対応表2101では、100秒間隔で対応表が作成されているが、この間隔が短いほど再生開始位置の特定精度が高くなる。
また、再生位置対応表2101では、対応表は100秒ごとの等間隔であるが、等間隔である必要はない。コンテンツ提供者が、コンテンツの構成などを考慮して作成してよい。
(13)上述の実施形態は、コンテンツ配信要求の直前に再生開始位置取得を行なっているが、再生開始位置取得のタイミングはこれに限定されず、コンテンツ配信要求をするまでに取得できていれば足りる。
(14)上述の実施形態では、コンテンツ配信要求の直前に、コンテンツ再生装置102において位置変換処理により再生開始位置を取得しているが、再生開始位置が取得できれば足りる。例えば、位置変換処理は、コンテンツサーバ101側でも行い得る。
図19は、位置変換処理をコンテンツサーバ101側で行う場合の、コンテンツを再生する際の全体動作の流れを示す図である。図19は、図15とほぼ同じであるが、図15のコンテンツ再生装置におけるS1514を、コンテンツサーバにおけるS1901で行うこととしている点が異なる。S1514における再生開始位置の特定処理と、S1901における再生開始位置の特定処理とは、同様の処理となる。
コンテンツ再生装置102は、コンテンツ配信要求(S1515)時に、再生中断位置、再生中断した視聴形態に係るコンテンツのCRID、今回再生を要望する視聴形態のコンテンツのCRIDを引数としてコンテンツサーバ101に対しコンテンツ配信要求を行なうことになる。
コンテンツサーバ101は、取得した引数をもとに再生開始位置を特定し(S1901)、取得した再生開始位置からコンテンツの配信を行う(S1516)。
なお、図19では、コンテンツサーバ101は、コンテンツ配信要求を受け取って(S1515)、再生開始位置特定処理(S1901)、コンテンツ配信処理(S1516)を連続して行っていたが、このシーケンスに限るものではなく、コンテンツサーバ101側で再生開始位置を特定できれば足りる。
例えば、図20に示すように、コンテンツサーバ101が、コンテンツ再生開始位置要求を受け取って(S2001)、再生開始位置特定処理(S2002)により再生開始位置を取得し、取得した再生開始位置をコンテンツ再生装置102に通知する(S2003)。そして、コンテンツ再生装置102が、通知された再生開始位置に基づいてコンテンツサーバ101に対し、コンテンツ配信要求(S1515)を行うこととしてもよい。
(15)データ管理部1206が記憶するデータは、上述の実施形態に示したものに限らず、記憶容量に応じ、記憶するデータを適宜追加などしてもよい。
例えば、データ管理部1206は、ECGメタデータの全ての要素、属性情報を記憶することとしてもよいし、表示やコンテンツ管理などに必要と判断した要素、属性情報のみを記憶することとしても良い。また、データを記憶しておく期間や、記憶するECGメタデータの個数は、システムの要求仕様などに応じて決定してよい。
(16)上述の実施形態では、HR辞書は、コンテンツサーバ101が有することとしたが、HR辞書を検索できれば足りる。例えば、コンテンツ再生装置102、103が辞書を保持し、検索することとしてもよい。
(17)上述の実施形態では、再生位置対応表を用いて再生開始位置を取得していたが、再生開始位置を取得できれば足りる。
例えば、コンテンツ再生装置102が、上述の実施形態で説明したような再生位置対応表を用いて得たのと同等の結果が得られるような、変換元コンテンツの位置を、再生対象コンテンツの再生開始位置に変換する変換式を有しており、その変換式を用いることとしてもよい。
(18)上述の実施形態では、図10に示したERIについて、シーンの長さを「0」にすることで、対応するシーン(一例としてchapter要素のnumber 属性値=2のシーン)がコンテンツ(アクション映画A)には存在しない、もしくは無効であることを表現している。これは、「デジタルテレビ情報化研究会、デジタルテレビ ネットワーク機能仕様 ストリーミング機能仕様書 コーデック編、1.2版、2010年12月21日発行」において、chapter要素のnumber 属性にシーン番号を整数で1から順に付与するとの規定があるため、chapter要素のnumberを欠番にしないよう配慮したものである。
このような制限を考慮しなくてよい場合であれば、図22に示すように、number属性の値が「2」のchapter要素を記載しないことで、number属性の値が「2」のシーン(「3Dアクション映画A」におけるシーンBに対応するシーン)が、「アクション映画A」には存在しないことを表現できる。
また、図23に示すように、chapter要素にこの要素が有効か無効かを示す属性(一例として”invalid”)を追加することで、当該シーンが当該コンテンツには存在しない、もしくは無効であることを表現してもよい。
また、ERIに要素を新規に定義し、本変形例と同等の、コンテンツ間の位置の対応関係を表すこととしてもよい。
(19)上述の実施形態では、視聴形態の異なるコンテンツ間における位置の対応関係をERIに記載することとしたが、対応関係が記載できさえすれば足りる。
例えば、ECGメタデータのいずれかに、視聴形態の異なるコンテンツ間における位置の対応関係を示すSegmentInformationTable(「ARIB STD-B38」で規定)を記載することとしてもよい。
図24は、コンテンツが図7の構成例である場合の「3Dアクション映画A」についてのSegmentInformationTableの一部を抜粋した図である。
図25は、コンテンツが図7の構成例である場合の「アクション映画A」のSegmentInformationTableの一部を抜粋した図である。
ここで、「3Dアクション映画A」のSegmentInformationTableと、「アクション映画A」のSegmentInformationTableとで、同内容のシーンについてのSegmentInformation要素の出現順が、同じになるよう記載されている。
また、図25の「アクション映画A」のSegmentInformationTableにおいて、出現順が2番目のSegmentInformation要素のSegmentLocator要素の値と、出現順が3番目のSegmentInformation要素のSegmentLocator要素の値が等しくなっている。
これは、出現順が2番目のSegmentInformation要素の映像の長さ(dutarion)が「0」であって映像が存在しないこと、すなわち、「3Dアクション映画A」のSegmentInformationTableにおいて出現順が2番目のSegmentInformationに対応する映像が、「アクション映画A」には無いことを表現している。
コンテンツ再生装置102は、上述の「3Dアクション映画A」のSegmentInformationTableと、「アクション映画A」のSegmentInformationTableとから、再生位置対応表801と同等の情報を作成することができる。
(20)上述の変形例(19)に関し、SegmentInformation要素はRelatedMaterial要素を含むことができるため、「3Dアクション映画A」のSegmentInformationと、「アクション映画A」SegmentInformationとを要素の出現順で対応付けるのではなく、図26に示すように、RelatedMaterial要素を用いて直接対応付けることとしてもよい。
図26では、シーンAについて、HowRelated要素のhref属性値として、「http://www.iptvforum.jp/cs/2011/07/IPTVSERVICEHowRelatedCS:22.2」が記載されている。これは、シーンAに関連するSegmentInformationが、別の視聴形態である2Dで再生可能なコンテンツに関するものであることを表している。その関連するセグメンテーションは、MediaUri要素の値「crid://aaa.ne.jp/content/ABCDE0001/SegmentInformaion/1」で特定される。
以上のように、RelatedMaterial要素に、「3Dアクション映画A」と「アクション映画A」とのSegmentInformationTable間の対応付けを記載することができる。
(21)上述の実施形態では、主に、VOD(Video On Demand)サービスの例で説明したが、本発明は、コンテンツをダウンロードした後に再生するダウンロードサービスにも適用できる。
ダウンロードサービスでは、コンテンツをコンテンツサーバ101からダウンロードした後は、コンテンツ再生装置102は、コンテンツサーバ101にコンテンツ配信要求を行う代わりに、自装置に既にダウンロードして記憶しているコンテンツを再生することとなる。
(22)上述の実施形態では、コンテンツ再生装置102が、ECGメタデータを取得し、取得したECGメタデータを用いてコンテンツ一覧画面を作成していたが、コンテンツ一覧画面を作成できれば足りる。
例えば、コンテンツサーバ101がコンテンツ一覧画面を表現するBML文書を作成し、コンテンツ再生装置102は、このBML文書を取得し、解釈してコンテンツ一覧画面を表示してもよい。
(23)上述の実施形態では、S1520において、コンテンツ再生装置102が、再生中断位置情報をパラメータとしてコンテンツサーバ101に送信することとしていたが、コンテンツサーバ101側で、再生中断位置を把握できれば足りる。例えば、コンテンツサーバ101側で、コンテンツの配信を中断した位置を再生中断位置情報として記憶することとしてもよい。
(24)上述の実施形態では、再生を中断したコンテンツ再生装置と再生を再開するコンテンツ再生装置が異なる場合でも、続きから再生が行えるよう、再生中断位置をコンテンツサーバが管理することとしているが、ユーザが保有するコンテンツ再生装置が一台である場合には、再生中断位置はコンテンツ再生装置で管理してもよい。また、その場合には、ユーザID及びデバイスIDは不要であり、CRID、視聴形態情報、再生中断位置情報のみ管理すればよい。
(25)上述の実施形態で示したコンテンツの再生処理、コンテンツの詳細情報画面作成処理、位置変換処理などをコンテンツ再生装置102、及び103のプロセッサ、及びそのプロセッサに接続された各種回路に実行させるための機械語或いは高級言語のプログラムコードからなる制御プログラムを、記録媒体に記録すること、又は各種通信路等を介して流通させ頒布することもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM、フラッシュメモリ等がある。流通、頒布された制御プログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがその制御プログラムを実行することにより各実施形態で示したような各機能が実現されるようになる。なお、プロセッサは、制御プログラムを直接実行する他、コンパイルして実行或いはインタプリタにより実行してもよい。
(26)上述の実施形態で示した各機能構成要素(データ配信部201、配信制御部202、コンテンツ管理部203、データ取得部1201、入力受付部1202、デマルチプレクサ1203、ビデオデコーダ1204、映像出力部1205、データ管理部1206、AVプレーヤ1207、メタデータ処理部1208、及び表示部1209など)は、その機能を実行する回路として実現されてもよいし、1又は複数のプロセッサによりプログラムを実行することで実現されてもよい。
なお、上述の各機能構成要素は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
(27)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
<5.補足>
以下、更に本発明の一実施形態としてのコンテンツ再生装置の構成及びその変形例と効果について説明する。
(1)本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生装置は、内容が共通し視聴形態の異なる2つのコンテンツを配信するコンテンツサーバから、コンテンツをストリーミング受信して再生するコンテンツ再生装置であって、視聴形態を選出する選出手段と、前記選出された視聴形態とは異なる視聴形態の第1のコンテンツについて、再生が中断されているか否かを判断する判断手段と、前記再生が中断されていると判断された場合に、再生が中断された位置を、前記選出された視聴形態の第2のコンテンツにおける対応位置に変換する変換手段と、前記第2のコンテンツについて前記対応位置から送信するよう前記コンテンツサーバに対し要求する要求手段とを備える。
この構成により、第2のコンテンツにおける、第1のコンテンツで再生が中断された位置に対応する対応位置から再生を再開するので、再生中断前のコンテンツの内容と再生再開時のコンテンツの内容とが対応づいたものとなるため、ユーザが覚える違和感を従来よりも低減することができる。
(2)前記変換手段は、前記第2のコンテンツにおける各位置と、前記第1のコンテンツにおける各位置との対応表を有しており、前記変換において、前記対応位置として、前記再生が中断された位置に対応する、前記第2のコンテンツにおける位置を前記対応表から読み出すこととしてもよい。
この構成により、予め第1のコンテンツの各位置と、第2のコンテンツの各位置との対応を対応表に規定することができ、前記対応表を参照することで前記対応位置を導出することができる。
(3)前記第1のコンテンツ及び前記第2のコンテンツは、それぞれ複数のシーンに分割されており、前記対応表は、前記第1のコンテンツの各シーンと、前記第2のコンテンツの各シーンとの対応を表し、前記変換手段は、前記変換において、前記中断された位置が属する第1のシーンと、前記中断された位置の前記第1のシーンにおける第1の位置とを特定し、前記対応表を参照して、前記第1のシーンに対応する、前記第2のコンテンツにおける第2のシーンを取得し、前記第1の位置に相当する前記第2のシーンにおける第2の位置を前記対応位置と決定することとしてもよい。
この構成により、第1のコンテンツと、第2のコンテンツとの時間軸上における各位置を、一定の纏まりであるシーン単位で対応づけることができる。
(4)前記変換手段は、前記第1のシーンの長さと、前記第2のシーンの長さとが異なる場合、前記第2の位置を、
前記第2の位置 = 前記第1の位置 × (第2のシーンの長さ/第1のシーンの長さ)
により算出することとしてもよい。
この構成により、第1のコンテンツにおける第1のシーンと、これに対応する、第2のコンテンツにおける第2のシーンとの長さが異なる場合であっても、第1のコンテンツにおける時間軸上の位置と、第2のコンテンツにおける時間軸上の位置とを対応づけることができる。
(5)前記変換手段は、前記変換に先立ち、前記コンテンツサーバから前記対応表を受信して保持することとしてもよい。
この構成により、第1のコンテンツにおける時間軸上の位置と、第2のコンテンツにおける時間軸上の位置とを、配信側であるコンテンツサーバにおいて管理させることができる。
(6)前記コンテンツサーバは、前記第1のコンテンツについての前記再生の中断が、前記コンテンツ再生装置に予め対応付けられている装置により成された場合に、前記再生が中断された位置を記憶しており、前記変換手段は、前記選出手段により視聴形態が選出されたときに、前記再生が中断された位置を前記コンテンツサーバから取得することとしてもよい。
この構成により、コンテンツの再生を中断した装置が、当該コンテンツ再生装置とは異なっている場合にも、コンテンツの再生再開時にユーザが覚える違和感を従来よりも低減することができる。
(7)前記コンテンツ再生装置は、2つのコンテンツについての両視聴形態のうち、一方の視聴形態についてのみ再生能力を有しており、前記選出手段は、再生能力を有している視聴形態を選出することとしてもよい。
また、前記両視聴形態のうち、一方は3Dであり、他方は2Dであることとしてもよい。
この構成により、視聴形態を選択するためのユーザの手間を省くことができる。
(8)本発明の一実施形態に係るコンテンツ再生方法は、内容が共通し視聴形態の異なる2つのコンテンツを配信するコンテンツサーバから、コンテンツをストリーミング受信して再生し、かつ、選出手段と、判断手段と、変換手段と、要求手段とを備えたコンテンツ再生装置に用いられるコンテンツ再生方法であって、前記選出手段が、視聴形態を選出する選出ステップと、前記判断手段が、前記選出された視聴形態とは異なる視聴形態の第1のコンテンツについて、再生が中断されているか否かを判断する判断ステップと、前記変換手段が、前記再生が中断されていると判断された場合に、再生が中断された位置を、前記選択された視聴形態の第2のコンテンツにおける対応位置に変換する変換ステップと、前記要求手段が、前記第2のコンテンツについて前記対応位置から送信するよう前記コンテンツサーバに対し要求する要求ステップとを含む。
また、本発明の一実施形態に係るコンテンツ配信システムは、内容が共通し視聴形態の異なる2つのコンテンツをストリーミング配信するコンテンツサーバと、前記コンテンツサーバからコンテンツをストリーミング受信して再生するコンテンツ再生装置とから成るコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ再生装置は、視聴形態を選出する選出手段と、前記選出された視聴形態とは異なる視聴形態の第1のコンテンツについて、再生が中断されているか否かを判断する判断手段と、前記再生が中断されていると判断された場合に、再生が中断された位置を、前記選択された視聴形態の第2のコンテンツにおける対応位置に変換する変換手段と、前記第2のコンテンツについて前記対応位置から送信するよう前記コンテンツサーバに対し要求する要求手段とを備える。
この構成により、第2のコンテンツにおける、第1のコンテンツで再生が中断された位置に対応する対応位置から再生を再開するので、再生中断前のコンテンツの内容と再生再開時のコンテンツの内容とが対応づいたものとなるため、ユーザが覚える違和感を従来よりも低減することができる。