〔実施の形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1~図6に基づいて詳細に説明する。
〔システムの概要〕
まず、本実施形態のコンテンツ送受信システムの概要を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すものであり、コンテンツ送受信システム3に含まれるクライアント(再生装置)1とサーバ(生成装置)2の要部構成を示すブロック図である。
図示のように、クライアント1は、クライアント1の動作を統括して制御するクライアント制御部10と、クライアント1で使用されるデータを記憶するクライアント記憶部11と、クライアント1が外部の装置とネットワークを介して通信するためのクライアント通信部(通信部)12とを備えている。また、クライアント制御部10には、コンテンツ選択部(選択手段)13と、リクエスト実行部(取得手段)14と、コンテンツ再生部(再生手段)15とが含まれている。
コンテンツ選択部13は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間(ピリオド)毎に含むコンテンツの記述情報(選択対象コンテンツ情報)を取得し、取得した記述情報に従って、サーバ2にリクエストするコンテンツを選択する。具体的には、コンテンツ選択部13は、サーバ2から記述情報としてMPD(選択対象コンテンツ情報)を受信し、MPDに記述されたサブセット(グループ指定情報)のid(特定情報)を参照することによって、次のピリオドにおいて選択すべきサブセットを特定する。そして、特定したサブセットからサーバ2にリクエストするコンテンツを選択する。
詳細については後述するが、本実施形態におけるMPDには、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定する特定情報が含まれている。コンテンツ選択部13は、この特定情報を参照することによって、ピリオド遷移後のコンテンツを容易に選択することができる。
リクエスト実行部14は、コンテンツ選択部13が選択したコンテンツを要求するリクエストをサーバ2に送信し、これによりコンテンツを取得する。ここでは、リクエスト実行部14が、HTTPでリクエストを送信するものとする。なお、ここではサーバ2からコンテンツを取得する例を説明するが、他のサーバから取得してもよい。
コンテンツ再生部15は、リクエスト実行部14のリクエストによって受信されたコンテンツを、ピリオドの順に再生する。なお、再生したコンテンツは、クライアント1が備えるディスプレイやスピーカ等から出力してもよいし、クライアント1に有線または無線接続されているディスプレイやスピーカ等から出力してもよい。
一方、サーバ2は、サーバ2の動作を統括して制御するサーバ制御部20、サーバ2で使用されるデータを記憶するサーバ記憶部21、及びサーバ2が外部の装置とネットワークを介して通信するためのサーバ通信部22とを備えている。また、サーバ制御部20には、記述情報送信部23とレスポンス実行部24とが含まれており、サーバ記憶部21にはコンテンツ25と記述情報(選択対象コンテンツ情報)26とが格納されている。
記述情報送信部(特定情報生成手段、生成手段)23は、記述情報をクライアント1に送信する。具体的には、記述情報送信部23は、サーバ記憶部21に格納されている記述情報26を読み出して、サーバ通信部22を介してクライアント1に送信する。上述のように、ここでは記述情報としてMPDを用いる。
レスポンス実行部24は、クライアント1から受信したリクエストに応じたコンテンツをクライアント1に送信する。具体的には、レスポンス実行部24は、リクエストを受信したときに、サーバ記憶部21に格納されているコンテンツ25を読み出して、サーバ通信部22を介してクライアント1に送信する。
コンテンツ25は、クライアント1からのリクエストの対象となるコンテンツであり、例えばビデオデータ、オーディオデータ、文字データ等のコンテンツである。
記述情報26は、サーバ2からクライアント1に提供可能なコンテンツ(ここでは、サーバ記憶部21に格納されているコンテンツ25)に関する情報である。具体的には、記述情報26は、選択候補となるコンテンツを示すリプリゼンテーション(コンテンツ指定情報)がピリオド毎に記述され、各リプリゼンテーションには、そのリプリゼンテーションのアトリビュート(コーデック、ビットレート、フレームレート、解像度等)が記述されたMPDである。MPDの詳細は後述する。
なお、コンテンツ25及び記述情報26の何れかまたは両方は、サーバ2に着脱可能な外部の記録媒体に記録されていてもよいし、サーバ2がアクセス可能な外部の装置に記憶されていてもよい。すなわち、コンテンツ25及び記述情報26は、サーバ2が取得可能な状態で格納されていればよく、格納先は特に限定されない。
また、コンテンツ送受信システムが複数のサーバ2によって構成され、コンテンツ25、記述情報26のそれぞれが異なるサーバ2から提供される構成であっても構わない。
また、サーバ2もしくは上述した外部の装置は、コンテンツを符号化するコンテンツ符号化部、及び記述情報26を生成する記述情報生成部を備えていてもよい。そして、これらの構成により、コンテンツ25及び記述情報26の少なくとも一方がリアルタイムで生成されてもよい。リアルタイムで生成されるコンテンツ25の配信は、いわゆるライブ配信にあたる。
なお、MPEG DASHのMPDでは、内容の一部を外部データとして分離し、xlinkを用いて参照することを可能としている。このため、解析対象のピリオドに属するリプリゼンテーショングループ毎に外部データに分離されている場合には、一旦、全ての外部データを取得した後、選択処理を行う必要が生じる。
この外部データの取得には、HTTPプロトコルによる通信が用いられるが、HTTPプロトコルによる通信ではリアルタイム性が保証されない。このため、取得する外部データ量が増加するにつれ、外部データ取得の通信遅延によりストリーミング再生が中断されるリスクが高まる問題もある。本発明では、上述の特定情報を用いることによって、このような問題を解決することができる。
〔サブセットの特定情報を含むMPD〕
サブセットの特定情報を含むMPDについて、図2に基づいて説明する。図2は、サブセットの特定情報を含むMPDの一例を示す図である。
図示の例では、図19の従来のMPDと比べて、各サブセットに、該サブセットを特定する特定情報(id)が追加されている点で異なっている。このidは、各ピリオドに含まれるサブセットのそれぞれに追加されており、これにより、あるピリオドでサブセットを選択した後、他のピリオドでサブセットを選択するときに、先に選択していたサブセットに応じたサブセットを容易に選択することができる。
具体的には、図2のMPDには、”PT0S”(0秒)から開始するピリオドと、”PT30S”(30秒)から開始するピリオドとが記載されている。”PT0S”から開始するピリオドには、3つのサブセットが含まれている。1つ目のサブセットはidが1であってグループ1(以下、group=”1”をこのように記載する。他のグループについても同様である)とグループ2を含み、2つ目のサブセットはidが2であってグループ3とグループ4を含み、3つ目のサブセットはidが3であってグループ5を含む。
また、”PT30S”から開始するピリオドにも、3つのサブセットが含まれており、1つ目のサブセットはidが1であってグループ1を含み、2つ目のサブセットはidが2であってグループ2を含み、3つ目のサブセットはidが3であってグループ3を含む。
なお、同図には示していないが、各ピリオドには、図19の例のように、サブセットのエレメントの他に、リプリゼンテーショングループのエレメント(コンテンツ所属情報)が含まれている。そして、クライアント1は、選択したサブセットに応じたリプリゼンテーショングループからリプリゼンテーションを選択する。
このようなMPDを用いてリプリゼンテーションを選択する場合に、あるピリオドで選択を行った後、次のピリオドの選択を行うときには、クライアント1は、サブセットのidを参照することによって、選択すべきサブセットを特定する。
例えば、クライアント1は、”PT0S”から開始するピリオドにおいて、idが1のサブセットを選択した場合、これに続く”PT30S”から開始するピリオドでも、idが1のサブセットを選択する。つまり、idの値が同じサブセットは連続して選択すべきセットを表すとの定義(Semantics)を設けている。
これにより、クライアント1は、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、idが1のサブセットのみを解析してコンテンツを選択すればよく、従来のように全てのサブセットの解析を行うことはしない。したがって、従来のMPDを用いる場合と比べて、ピリオド間を遷移する際における再選択処理の負荷を大きく低減することができる。
つまり、従来のMPDを用いた場合、図示のように、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、直前の”PT0S”で選択していたサブセット、リプリゼンテーショングループ及びリプリゼンテーションの情報を参照する。そして、参照した情報を使って、改めて”PT30S”の全てのサブセット、リプリゼンテーショングループ及びリプリゼンテーションの情報に基づいて、サブセット、リプリゼンテーショングループ、リプリゼンテーションを選択し直す必要がある。このため、クライアント1の処理の負担が大きくなっていた。
これに対し、図2のMPDを用いた場合、クライアント1は、先のピリオドで選択したサブセットと同じidのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループ及びリプリゼンテーション等のみを参照して選択を行うことができる。
このように、参照すべき情報が絞り込まれることによって、クライアント1の処理の負荷が軽減される。また、連続して選択させたいサブセットに同じidを付すことにより、ピリオド間を遷移する際におけるコンテンツの連続性(MPDの制作者が意図する連続性)を確実に維持することができる。
なお、選択済みのサブセットのidを参照して、次のピリオドにおけるサブセットを選択する処理は、早戻しのような時間の進行と逆方向の再生時にも適用可能である。例えば、”PT30S”から開始するピリオドから、”PT0S”から開始するピリオドに戻るという順序で再生が行われる場合、”PT30S”から開始するピリオドで選択したサブセットと同じidのサブセットを”PT0S”から開始するピリオドで選択してもよい。
また、各ピリオドにおいて、同じidのサブセットに含まれるグループは一致していなくともよい。また、連続して選択するサブセットは、サーバ2のようなコンテンツ提供側やMPDの制作者側で連続して選択させたいサブセットであってもよい。
例えば、映画コンテンツを扱う場合、日本語音声に対応するサブセット(映像のグループと、日本語音声のグループとを指定するサブセット)には共通のidを付してもよい。そして、英語音声に対応するサブセット(映像のグループと、英語音声のグループとを指定するサブセット)にはまた別の共通のidを付してもよい。
これにより、最初に日本語音声に対応するサブセットを選択したときには、その後に選択されるサブセットをこのサブセットと同じidのものに制限することができ、ピリオドが切り替わっても日本語音声が維持される。英語音声を最初に選択した場合も同様である。このように、サブセットが特定されることにより、アプリケーションレベルでコンテンツが特定される。
また、例えば、ユーザが選択したコンテンツに合わせた広告(CM)コンテンツを、映画コンテンツを表すピリオド間に別ピリオドとして挿入することもできる。この場合、映画コンテンツで用いたサブセットのidと、広告コンテンツのサブセットのidとを同じにしておけばコンテンツ提供者の意図したコンテンツの連続性を維持することができる。
〔処理の流れ〕
続いて、クライアント1が実行する処理の流れを図3に基づいて説明する。図3は、クライアント1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
クライアント1のコンテンツ選択部13は、クライアント通信部12を介してMPDを受信する(S1)。このMPDは、サーバ2の記述情報送信部23がサーバ記憶部21に格納されている記述情報26をMPDとして取得し、サーバ通信部22を介してクライアント1に送信したものである(クライアント1を含む複数のクライアントにマルチキャスト送信してもよい)。
なお、サーバ2がMPDを取得する方法はこれに限られず、例えばサーバ2の外部の記録媒体に記録されているMPDを取得してもよいし、MPDを生成または格納する他の装置から取得してもよい。また、記述情報送信部23は、MPDを生成してもよい。MPDの生成については後述する。
次に、コンテンツ選択部13は、受信したMPDの最初のピリオド(Period#1)の読み込み及び解析を行う(S2)。そして、解析したMPDに基づいてサブセットの選択及び設定を行う(S3)。ここでは、id=kのサブセットを選択したとする。なお、サブセットの選択は、ユーザ操作に従って行われるか、またはユーザ操作を介さずコンテンツ選択部13の処理によって自動的に行われる。
ユーザ操作に従う場合には、コンテンツ選択部13は、サブセットを選択させるための画像を表示する等の処理を行ってもよい。また、自動的に選択する場合には、S2の解析結果に基づき、予め定められた基準に従って選択する。例えば、最もidの値の小さいサブセットを選択してもよいし、あらかじめ指定されたidのサブセットを選択してもよい。
次に、コンテンツ選択部13は、S1で受信したMPDのPeriod#nから、id=kのサブセットで指定されたグループに対応するリプリゼンテーショングループを選択する(S4)。フロー開始後、最初に行うS4の処理では、S2で読み込んだPeriod#1のリプリゼンテーショングループを選択する。つまり、n=1となる。
なお、例えば、サブセットで複数のリプリゼンテーショングループが指定されており、指定されたグループの一部のみを選択可能な場合(サブセットで指定された全グループの選択が必須でない場合)のように、リプリゼンテーショングループの選択に選択肢がある場合には、S3におけるサブセットの選択と同様、ユーザに選択させてもよいし、自動的に選択してもよい。
続いて、コンテンツ選択部13は、S4で選択したリプリゼンテーショングループから、リプリゼンテーションを選択する。リプリゼンテーションの選択も、S3、S4における選択と同様、ユーザに選択させてもよいし、自動的に選択してもよい。
リプリゼンテーションを選択することにより、再生対象となるコンテンツが確定するので、コンテンツ選択部13は、選択したリプリゼンテーションをリクエスト実行部14に通知する。この通知を受信したリクエスト実行部14は、通知されたリプリゼンテーションに対するリクエストを生成する。そして、クライアント通信部12を介してサーバ2に送信することによって、コンテンツ選択部13が選択したリプリゼンテーションのデータ(リプリゼンテーションに対応するコンテンツ)の配信をサーバ2にリクエストする。
サーバ2のレスポンス実行部24は、このリクエストを受信し、リクエストされたデータ(コンテンツ)をサーバ記憶部21から読み出して、サーバ通信部22を介してクライアント1に送信する。なお、送信するコンテンツは、サーバ記憶部21から取得してもよいし、他の記録媒体や他の装置から取得してもよい。また、他の装置に指示して、その装置からクライアント1に送信させてもよい。
クライアント1のコンテンツ再生部15は、リクエスト実行部14がリクエストしたデータ(コンテンツ)を、クライアント通信部12を介して受信し、ピリオドの順に従ってこれを再生する(S6)。
なお、ピリオド順とは、順方向の再生を行う場合には、”PT(時間)”で指定される時間の小さいピリオドの順であり、逆方向の再生を行う場合には、時間の大きいピリオドの順である。また、順方向の再生とは、時間の進行方向の再生であり、通常の再生や早送り再生等がこれにあたる。一方、逆方向の再生とは、時間の戻る方向の再生であり、早戻し再生等がこれにあたる。
ここで、コンテンツ選択部13は、S5で選択したリプリゼンテーションをリクエスト実行部14に通知した後、サブセットが変更されたかを確認する(S7)。ここでは、変更後のサブセットのid=k’とする。サブセットの変更は、ユーザ操作に従って行ってもよいし、自動的に行うようにしてもよい。
そして、サブセットの変更が確認された場合(S7でYES)には、コンテンツ選択部13は、S4の処理に戻って、変更後のサブセット、つまりid=k’のサブセットのリプリゼンテーショングループを選択する。
一方、サブセットの変更が確認されない場合(S7でNO)には、コンテンツ選択部13は、コンテンツ再生部15がPeriod#nのコンテンツの再生を終了したかを確認する(S8)。
ここで、再生を終了していなければ(S8でNO)、処理はS6に戻り、コンテンツ再生部15はPeriod#nのコンテンツの再生を継続する。一方、Period#nのコンテンツの再生が終了していた場合(S8でYES)、コンテンツ選択部13は、コンテンツ再生部15がコンテンツの再生を終了するか否か確認する(S9)。なお、S9では、例えばS1で受信したMPDに含まれる全ピリオドのコンテンツ再生が終了したとき、またはコンテンツの再生を終了するユーザ操作があったときに、コンテンツの再生を終了すると判断すればよい。
S9でコンテンツの再生を終了することが確認された場合(S9でYES)、コンテンツ選択部13は処理を終了する。一方、コンテンツの再生を終了しないことが確認された場合(S9でNO)、S4の処理に戻り、コンテンツ選択部13は、Period#nの次のピリオドすなわちPeriod#n+1から、id=kのサブセットのリプリゼンテーショングループを選択する(S4)。
以上のように、コンテンツ選択部13は、直前のピリオドで選択されたidのサブセットを、次のピリオドで自動的に選択する。したがって、ピリオドの変わり目におけるサブセットの選択の際に、直前のピリオドで選択されたidのサブセット以外については解析の対象から外すことができる。このため、全てのサブセットを解析の対象とする必要がある従来のMPDを用いる場合と比べてクライアント1の処理の負荷が軽い。
なお、上記の例では、S8でピリオドの再生終了を確認した後のS4~S6で次のピリオドのコンテンツのための選択を行っているが、この選択のタイミングは、S5の処理以降であればよく、この例に限られない。また、選択した後、コンテンツをリクエストし、受信する処理を行うタイミングも、直前のピリオドの再生が終了する前であってもよい。直前のピリオドの再生が終了するまでに、次のピリオドについての選択及びリクエストを行っておくことにより、ピリオドの変わり目でスムーズな再生を行うことが可能になる。
〔スキップ再生〕
サブセットのidは、1つのピリオドの再生を終了した後、次のピリオドに移行するとき以外にも、1つのピリオドの再生終了前に他のピリオドに移行するスキップ再生時にも利用できる。これについて、図4に基づいて説明する。
図4は、スキップ再生時において、サブセットのidを利用してサブセットを選択する方法を説明する図である。図示の例では、”PT0S”から開始するピリオドにおいて、id=1のサブセットを選択しており、このピリオドから、”PT02M00S”から開始するピリオドへのスキップを行っている。
クライアント1は、このようなスキップ再生によるピリオド間を遷移する際においても、先に再生していたピリオドにおいて選択されたidと同じidのサブセットを選択する。つまり、図示のように、”PT02M00S”から開始するピリオドにおいても、id=1のサブセットを選択する。
したがって、スキップ再生時におけるクライアント1の処理の負荷は、スキップ先のピリオドに含まれる全てのサブセットを解析する必要のあった従来例と比べて、大きく低減される。なお、スキップ再生の他、高速再生(早送り)、早戻し、スキップしながら各ピリオドの先頭部分だけ少しずつ順に再生するあらすじ再生などでも同様に、idを利用したサブセットの選択を行うことができる。
〔規定のサブセットを指定するアトリビュート〕
再生開始ピリオドにおけるサブセット選択を容易にする目的で、サブセットのアトリビュートに、規定のサブセットを示す情報を記載する構成としても構わない。これについて、図5に基づいて説明する。図5は、規定のサブセットを示す情報であるデフォルト属性が記述されたサブセットを含むMPDの一例を示す図である。
同図に示すdefault=”true”及びdefault=”false”がデフォルト属性(代替指定情報)であり、default=”true”が付与されたサブセットが規定のサブセットである。そして、default=”false”が付与されたサブセットは規定のものではないサブセットである。
default=”true”は、同図のperiod#3に示すように、1つのピリオドに含まれる複数のサブセットに付与してもよい。この場合に、規定のサブセットを選択することになれば、default=”true”が付与されたサブセットから1つのサブセットを選択することになる。なお、図示の例では、default=”true”が付与されていない全てのサブセットにdefault=”false”を付与しているが、default=”false”の付与は省略することもできる。
これらのデフォルト属性が記述されていることにより、ユーザ操作等による外部からの再生開始サブセットの指定が無い場合に、他のサブセットの解析を行うことなく当該サブセットを選択して再生を開始することが可能になる。つまり、クライアント1は、サブセットが指定されなかった場合には、default=”true”が付与されたサブセットを選択する。
また、ピリオドを遷移した際、直前ピリオドで選択されたサブセットのidが存在しない場合に、当該ピリオドでは一時的にdefault=”true”が付与された規定のサブセットを選択し、次のピリオドでは上記idのサブセットを選択する構成としてもよい。
例えば、図5の例において、クライアント1が、period#1でid=3のサブセットを選択し、再生を開始した場合、period#2においてid=3のサブセットが存在しないため、preiod#2では、規定のサブセットであるid=1で代替し再生を継続する。そして、period#3では、id=3のサブセットが存在するため、再度id=3のサブセットを選択し再生を継続する。
このような構成とすることで、全てのピリオドに同じidのサブセットを含めなくても、選択するサブセットに一定の連続性を持たせることも可能になる。
例えば、period#1、#3が映画コンテンツ、period#2が広告コンテンツ、各サブセットが音声データの選択肢を示す(id=1:日本語、id=2:英語、id=3:フランス語)場合を考える。この場合、映画コンテンツに合わせて、広告コンテンツで全ての言語に対応した音声データを準備しなくても、映画コンテンツにおける音声データを同じ言語のものとすることができる。例えば、ユーザがperiod#1でフランス語音声データを選択した場合、period#2の広告コンテンツでは日本語音声となるが、period#3で映画コンテンツに戻ったときには、フランス語音声データによる再生が行われる。
〔全てのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループの取り扱い〕
ここで、MPEG DASHのサブセットには、どのサブセットにも含まれないリプリゼンテーショングループは、全てのサブセットに含まれる、とのルールがある。したがって、サブセットで明示的に指定されたリプリゼンテーショングループを抽出するだけでは、そのサブセットに含まれる全てのリプリゼンテーショングループが抽出されている保証がない。
このため、サブセットに含まれる全てのリプリゼンテーショングループを確実に抽出するためには、全てのサブセットを参照し、何れのサブセットにも含まれていないリプリゼンテーショングループの存否を確認する必要があった。
このような煩雑な処理を回避するため、MPDに全てのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループが存在する場合、その存在を明示的に記述することが望ましい。例えば、全てのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループを示す専用のサブセットを定義してもよい。これについて、図6に基づいて説明する。
図6は、全てのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループを示す専用のサブセットを含むMPDの一例を示す図である。図示のMPDでは、id=0のサブセット(選択必須グループ指定情報)が追加されている。このサブセットが、全てのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループを示す専用のサブセットである。
すなわち、クライアント1は、MPDにid=0のサブセットが含まれていることを確認した場合、何れのピリオドにおいても、そのサブセットに含まれるリプリゼンテーショングループを必ず選択する。なお、クライアント1は、id=0のサブセットのみを選択することはしない。
したがって、クライアント1は、図6の例において、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択した場合、続く”PT30S”から開始するピリオドでは、id=1のサブセット及びid=0のサブセットの両方を選択する。
このように、id=0のサブセットを定義することにより、クライアント1は、ピリオド間を遷移する際において、遷移前サブセットと同じidのサブセット及びid=0のSubsetのみ解釈するのみで、サブセットに含まれる全てのリプリゼンテーショングループを確実に抽出することができる。
なお、専用のサブセットを定義する以外に、サブセットに含まれるグループは必ず明示するよう制限してもよい。これにより、前のピリオドで選択されていたサブセットと同じidのサブセットのみを解釈するだけで、サブセットに含まれる全てのリプリゼンテーショングループを確実に抽出することができる。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施形態2について、図7から図15に基づいて説明する。実施形態1では、先に選択されたidと同じidのサブセットを次のピリオドでも選択する例を示したが、本実施形態ではサブセット間の連続性を示すアトリビュートをさらに追加する例を示す。このアトリビュートの追加により、ピリオドを跨ぐ際に、同じidのサブセットのみならず、このアトリビュートで指定した任意のサブセットを選択させることが可能となる。なお、システム及び装置の構成(図1参照)は、実施形態1と同じである。
〔次のピリオドで選択すべきサブセットを指定するアトリビュート〕
まず、次のピリオドで選択すべきサブセットを指定するアトリビュートについて、図7に基づいて説明する。図7は、次のピリオドで選択すべきサブセットを指定するアトリビュートを含むMPDの一例を示す図である。
図示のMPDでは、上述の実施形態と同様に、各サブセットにはidが記述されている。また、”PT0S”から開始するピリオドのサブセットにはidの他に、「next=” ”」と記述されている。これが、次のサブセットで選択すべきサブセットを指定するアトリビュートである。なお、以下ではこのアトリビュートをネクスト属性と呼ぶ。
ネクスト属性では、選択済みのピリオドの(再生時間順で)直後のピリオドで選択するサブセットのidが、”(idの値)”の形式で指定されている。クライアント1は、あるピリオドにおいて選択したサブセットに、ネクスト属性が含まれていた場合、その直後のピリオドにおいて、このネクスト属性で指定されたidのサブセットを選択する。
例えば、図7のMPDにおいて、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択した場合、このサブセットに含まれるネクスト属性でid=1のサブセットが指定されている。このため、クライアント1は、”PT0S”に続く”PT30S”から開始するピリオドにおいて、id=1のサブセットを選択する。
また、ネクスト属性では、複数のサブセットを指定することもできる。複数のサブセットが指定されている場合、クライアント1は、指定されたサブセットの中から1つのサブセットを選択する。この場合、クライアント1におけるMPDの解析対象となる範囲は、1つのサブセットのみを指定する場合よりも広くなるが、クライアント1またはユーザにサブセットの選択の余地を与えることができる。
例えば、図7のMPDの”PT0S”から開始するピリオドに含まれるid=2のサブセットのネクスト属性では、1と2の2つの数字が併記されている。これは、id=1のサブセットとid=2のサブセットが、次のピリオドにおける選択候補であることを示している。したがって、クライアント1は、”PT0S”から開始するピリオドでこのサブセットを選択した場合、”PT30S”から開始するピリオドでは、id=1またはid=2のサブセットを選択する。
また、ネクスト属性では、そのアトリビュートが含まれるサブセットと異なるidのサブセットを指定することもできる。クライアント1は、あるピリオドで選択したサブセットのidと、そのサブセットに含まれるネクスト属性で指定されるidが異なる場合には、その直後ピリオドにおいて、ネクスト属性で指定されるidを選択する。
例えば、図7のMPDの”PT0S”から開始するピリオドに含まれるid=3のサブセットのネクスト属性ではid=4のサブセットが指定されている。したがって、クライアント1は、”PT0S”から開始するピリオドでこのサブセットを選択した場合、”PT30S”から開始するピリオドでは、id=4のサブセットを選択する。
なお、MPDに含まれる最後のピリオドについては、後続のピリオドがないため、ネクスト属性を記述することができないが、それ以外のピリオドにはネクスト属性を記述することができる。例えば、図7の例において、”PT30S”から開始するピリオドに続くピリオドが存在する場合には、”PT30S”から開始するピリオドにおいてもネクスト属性を記述することができる。
〔直前のピリオドで選択されたサブセットを指定するアトリビュート〕
次に、直前のピリオドで選択されたサブセットを指定するアトリビュートについて、図8に基づいて説明する。図8は、直前のピリオドで選択されたサブセットを指定するアトリビュートを含むMPDの一例を示す図である。
図示のMPDでは、上述の実施形態と同様に、各サブセットにidが記述されている。また、”PT30S”から開始するピリオドのサブセットには、idの他に、「prev=” ”」と記述されている。これが、直前のサブセットで選択されたサブセットを指定するアトリビュートである。なお、以下ではこのアトリビュートをプレビアス属性と呼ぶ。
プレビアス属性では、再生時間順で直前のピリオドで選択されたサブセットのidが、”(idの値)”の形式で指定されている。クライアント1は、あるピリオドにおいて選択したサブセットに、プレビアス属性が含まれていた場合、その直前のピリオドにおいて、このプレビアス属性で指定されたidのサブセットを選択する。
例えば、図8のMPDにおいて、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択した場合、クライアント1は、”PT0S”に続く”PT30S”から開始するピリオドに含まれる、各サブセットのタグ部分を参照し、プレビアス属性で指定されるidを確認する。そして、ここでは、直前のピリオドでid=1のサブセットを選択しているので、プレビアス属性でid=1のサブセットが指定されているid=1のサブセットを選択する。
なお、プレビアス属性のみを用いる場合、順方向の再生では、このように次のピリオドの各サブセットのタグ部分を参照する必要があり、ネクスト属性のみを用いる場合と比べて処理の負荷が大きい。ネクスト属性のみを用いて、逆方向の再生を行う場合も同様である。
その反面、逆方向の再生を行う際には、プレビアス属性によってサブセットを容易に選択することができる。同様に、ネクスト属性のみを用いる場合には、順方向の再生時のサブセットの選択が容易である。したがって、ネクスト属性とプレビアス属性を併用することにより、双方の長所を生かし、短所を補うことができる。これについては後述する。
また、プレビアス属性でも、複数のサブセットを指定することができる。複数のサブセットが指定されている場合、クライアント1は、逆方向の再生時には、指定されたサブセットの中から1つのサブセットを選択する。また、順方向の再生時には前のピリオドで選択したサブセットのidが、指定された候補に含まれているプレビアス属性が記述されたサブセットを選択する。
例えば、図8のMPDの”PT30S”から開始するピリオドに含まれるid=1のサブセットのプレビアス属性では、1と2の2つの数字が併記されている。これは、id=1のサブセットとid=2のサブセットの何れかが前のピリオドにおいて選択されている必要があることを示している。
したがって、クライアント1は、順方向の再生時において、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットとid=2のサブセットの何れかを選択していた場合に、”PT30S”から開始するピリオドでは、id=1のサブセットを選択する。また、逆方向の再生時において、”PT30S”から開始するピリオドでこのサブセットを選択した場合、”PT0S”から開始するピリオドでは、id=1またはid=2のサブセットを選択する。
また、プレビアス属性でも、そのアトリビュートが含まれるサブセットと異なるidのサブセットを指定することができる。クライアント1は、あるピリオドで選択したサブセットのidと、そのサブセットに含まれるプレビアス属性で指定されるidが異なる場合には、その直前のピリオドにおいて、プレビアス属性で指定されるidを選択する。
例えば、図8のMPDの”PT30S”から開始するピリオドに含まれるid=4のサブセットのプレビアス属性ではid=3のサブセットが指定されている。したがって、クライアント1は、順方向の再生時において、”PT0S”から開始するピリオドでid=3のサブセットを選択していた場合に、”PT30S”から開始するピリオドでは、id=4のサブセットを選択する。また、逆方向の再生時において、”PT30S”から開始するピリオドでこのサブセットを選択した場合、”PT0S”から開始するピリオドでは、id=3のサブセットを選択する。
なお、MPDに含まれる最初のピリオドについては、それより前のピリオドがないため、プレビアス属性を記述することができないが、それ以外のピリオドにはプレビアス属性を記述することができる。
〔処理の流れ〕
続いて、クライアント1が実行する処理の流れを図9に基づいて説明する。図9は、ネクスト属性を含むMPDを用いる場合に、クライアント1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、順方向の再生を行う場合の処理の流れを説明する。また、図9のS11からS19の処理は、図3のS1からS9の処理と同様であるから、ここでは説明を省略する。
S19でコンテンツの再生を終了することが確認された場合(S19でYES)、コンテンツ選択部13は処理を終了する。一方、コンテンツの再生を終了しないことが確認された場合(S19でNO)、S20の処理に進む。
S20では、コンテンツ選択部13は、Period#nの次のピリオドすなわちPeriod#n+1で選択するサブセットのidを、現行のkから、ネクスト属性で指定されているk’に切り替えて、S14の処理に戻る。S14では、Period#n+1において、id=k’のサブセットで指定されるリプリゼンテーショングループを選択する。
なお、プレビアス属性が含まれるMPDを用いて逆方向の再生を行う場合の処理も、図9の例と同様である。この場合には、S20において、次にサブセットを選択する対象となるピリオド(Period#n-1)で選択するサブセットのidを、プレビアス属性で指定されているk’に切り替えて、S14の処理に戻る。
一方、ネクスト属性が含まれるMPDを用いて逆方向の再生を行う場合には、S20において、コンテンツ選択部13は、次にサブセットを選択する対象となるピリオド(Period#n-1)に含まれる各サブセットについて、ネクスト属性の値を参照する。そして、参照を行ったサブセットのうち、現行のピリオド(Period#n)で選択しているサブセットが指定されているネクスト属性を含むものを選択する。
なお、複数のサブセットが候補となった場合には、ユーザに選択させるか、予め定めた条件等に従ってコンテンツ選択部13が選択すればよい。プレビアス属性が含まれるMPDを用いて順方向の再生を行う場合の処理も同様である。
〔ネクスト属性とプレビアス属性の併用〕
上述のように、ネクスト属性とプレビアス属性は併用することが望ましい。ここでは、ネクスト属性とプレビアス属性を併用する例を図10及び図11に基づいて説明する。
図10は、ネクスト属性とプレビアス属性を含むMPDの一例を示す図である。図示の例では、”PT0S”から開始するピリオドに含まれるid=1~3のサブセットにはそれぞれネクスト属性が記述されており、”PT30S”から開始するピリオドに含まれるid=1、2、4のサブセットにはそれぞれプレビアス属性が記述されている。
このように、ネクスト属性とプレビアス属性が併用されたMPDを用いる場合、クライアント1は、順方向の再生時にはネクスト属性を参照することで遷移後のピリオドにおけるサブセットを容易に選択することができる。また、逆方向の再生時にはプレビアス属性を参照することで遷移後のピリオドにおけるサブセットを容易に選択することができる。
したがって、順方向の再生時のピリオド間を遷移する際においても、逆方向の再生時のピリオド間を遷移する際においても、クライアント1の処理の負荷が少なく済む。このため、早送り、早戻し、順方向または逆方向の高速スキップ再生等も効率よくスムーズに行うことができる。
なお、このようなMPDを記述する場合、ネクスト属性及びプレビアス属性の指定するサブセットが矛盾しないようにすることが望ましい。ネクスト属性及びプレビアス属性を用いる場合のスキップ再生の方法については後述する。
ここで、図10では、1つのサブセットにネクスト属性とプレビアス属性の何れかが記述された例を示したが、ピリオドが3以上含まれるMPDでは、1つのサブセットにネクスト属性とプレビアス属性の両方を記述することもできる。
図11は、ネクスト属性とプレビアス属性の両方が記述されたサブセットを含むMPDの一例を示す図である。図示の例では、”PT0S”から開始するピリオドに含まれるid=1~3のサブセットにはそれぞれネクスト属性が記述されている。また、”PT30S”から開始するピリオドに含まれるid=1、2、4のサブセット、及び”PT01M00S”から開始するピリオドに含まれるid=1、2、4のサブセットにはそれぞれプレビアス属性及びネクスト属性の両方が記述されている。
このようなMPDを用いる場合、クライアント1は、順方向の再生時にはネクスト属性を参照して、直後のピリオドにおけるサブセットを選択する。例えば、順方向の再生を行う場合に、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択したときには、図示のように、ネクスト属性に従って各ピリオドにおけるサブセットを選択する。一方、逆方向の再生時にはプレビアス属性を参照して、直前のピリオドにおけるサブセットを選択する。
例えば、クライアント1は、”PT30S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択した場合に、順方向の再生を行うときには、ピリオド間を遷移する際に、そのサブセットにおけるネクスト属性を参照して特定したid=1のサブセットを選択する。一方、逆方向の再生を行うときには、ピリオド間を遷移する際に、そのサブセットにおけるプレビアス属性を参照して特定したid=1のサブセットを選択する。
〔スキップ再生〕
スキップ再生を行う場合、スキップ先のピリオドが、現行のピリオドと時間的に隣接しているとは限らない。実施形態1で説明した、同一のidのサブセットを選択する例では、スキップ先のピリオドが現行のピリオドと時間的に隣接していなくとも、同一のidのサブセットを選択していた。しかし、本実施形態のネクスト属性またはプレビアス属性を用いる場合の処理はこれとは異なっている。ここでは、スキップ先のピリオドが、現行のピリオドと隣接していない場合の処理について、図12に基づいて説明する。
図12は、スキップ先のピリオドが、現行のピリオドと隣接していない場合に、スキップ先のピリオドにおけるサブセットを選択する方法を説明する図である。なお、この図に記載のMPDは、図11のMPDと同じである。
現行のピリオドと隣接していない、つまり現行のピリオドの直前または直後ではないピリオドへのスキップを行う場合、ネクスト属性またはプレビアス属性の値を順に辿ることによって、スキップ先のピリオドにおいて選択すべきサブセットを特定する。ネクスト属性は、直後の再生時間のピリオドで選択すべきサブセットを指定するものであり、プレビアス属性は、直前の再生時間のピリオドで選択すべきサブセットを指定するものであるからである。
例えば、図12の例において、”PT0S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択した後、このピリオドの再生終了までの間に、”PT01M00S”から開始するピリオドにスキップする場合を考える。
この場合、クライアント1は、”PT0S”から開始するピリオドにおいて選択したid=1のサブセットに含まれるネクスト属性から、このピリオドの直後のピリオド(”PT30S”から開始するピリオド)で選択すべきサブセットがid=1のサブセットであることを特定する。
そして、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、id=1のサブセットに含まれるネクスト属性から、このピリオドの直後のピリオド(”PT01M00S”から開始するピリオド)で選択すべきサブセットもid=1のサブセットであることを特定する。これにより、スキップ先である”PT01M00S”から開始するピリオドでid=1のサブセットを選択すべきことを特定することができる。
逆方向のスキップの場合も同様に、スキップ元のピリオドから、スキップ先のピリオドまでプレビアス属性で指定されるidの値を辿ることによって、スキップ先のピリオドにおいて選択すべきサブセットを特定することができる。
〔必要な部分にのみネクスト属性またはプレビアス属性を記述する例〕
上述の例では、サブセットのidと同じidのサブセットを指定する場合にも、ネクスト属性またはプレビアス属性を記述する例を示した。しかしながら、ネクスト属性またはプレビアス属性は、サブセットのidと異なるidのサブセットを指定する場合、あるいは複数の選択肢がある場合にのみ用いてもよい。
これにより、指定を変えたい部分にネクスト属性またはプレビアス属性を追加するという簡易な処理で、指定するサブセットを変更することができる。これについて、図13及び図14に基づいて説明する。
図13は、サブセットのidと異なるidのサブセットを指定する場合、及び複数の選択肢がある場合にのみネクスト属性を記述したMPDの一例を示す図である。図示の例では、”PT0S”から開始するピリオドにはid=1~3のサブセットが含まれている。このうち、id=1のサブセットにはネクスト属性が記述されていない。これに対し、id=2のサブセットにはid=1またはid=2のサブセットを指定するネクスト属性が記述されており、id=3のサブセットにはid=4のサブセットを指定するネクスト属性が記述されている。
このように、ネクスト属性が記述されたサブセットと、記述されていないサブセットを含むMPDを用いる場合、idの値が同じサブセットは連続して選択する、との定義(Semantics)を設け、これをデフォルトとする。
したがって、図13のMPDを用いる場合、クライアント1は、”PT0S”から開始するピリオドにおいて、id=1のサブセットを選択したときには、デフォルトに従って次のピリオドでは同じidの(id=1の)サブセットを選択する。なお、次のピリオドは、直後のピリオド(”PT30S”から開始するピリオド)であってもよいし、時間的に隣接していないピリオドであってもよい(例えばスキップ再生時)。
また、”PT0S”から開始するピリオドにおいて、id=2のサブセットを選択したときには、このサブセットに記述されているネクスト属性に従って、直後のピリオド(”PT30S”から開始するピリオド)ではid=1またはid=2のサブセットを選択する。
そして、”PT0S”から開始するピリオドにおいて、id=3のサブセットを選択したときには、このサブセットに記述されているネクスト属性に従って、次のピリオド(”PT30S”から開始するピリオド)ではid=4のサブセットを選択する。
一方、図14は、サブセットのidと異なるidのサブセットを指定する場合、及び複数の選択肢がある場合にのみプレビアス属性を記述したMPDの一例を示す図である。図示の例では、”PT30S”から開始するピリオドにはid=1、2、4のサブセットが含まれている。このうち、id=2のサブセットにはプレビアス属性が記述されていない。これに対し、id=1のサブセットにはid=1またはid=2のサブセットを指定するプレビアス属性が記述されており、id=4のサブセットにはid=3のサブセットを指定するプレビアス属性が記述されている。このようなMPDを用いる場合にも、idの値が同じサブセットを連続して選択することをデフォルトとする。
したがって、図14のMPDを用いて、逆方向の再生を行う場合、クライアント1は、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、id=2のサブセットを選択したときには、デフォルトに従って次のピリオド(”PT0S”から開始するピリオド)では同じidの(id=2の)サブセットを選択する。
また、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、id=1のサブセットを選択したときには、このサブセットに記述されているプレビアス属性に従って、次のピリオド(”PT0S”から開始するピリオド)ではid=1またはid=2のサブセットを選択する。
そして、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、id=4のサブセットを選択したときには、このサブセットに記述されているプレビアス属性に従って、次のピリオド(”PT0S”から開始するピリオド)ではid=3のサブセットを選択する。
〔実施の形態3〕
上記の各実施形態では、サブセットにidのアトリビュートを追加し、また、ネクスト属性またはプレビアス属性を追加し、このようなアトリビュートの値を参照することにより、ピリオド間を遷移する際のサブセットの選択を容易にする例を説明した。本実施形態では、同様のアトリビュートによって、リプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションの選択を容易にする例を説明する。なお、システム及び装置の構成(図1参照)は、実施形態1と同じである。
〔従来のidを利用する例〕
従来のMPDでは、リプリゼンテーショングループに、idのアトリビュートを記述することができる。したがって、上記の各実施形態において、サブセットのidを参照して遷移後のピリオドで選択すべきサブセットを特定したように、リプリゼンテーショングループのidを参照して遷移後のピリオドで選択すべきリプリゼンテーショングループを特定することもできる。
つまり、クライアント1は、あるピリオドにおいて選択したリプリゼンテーショングループと同じidのリプリゼンテーショングループを、その次のピリオドでも選択してもよい。
例えば、図18のような従来のMPDを用いてコンテンツの選択を行う場合に、クライアント1は、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、”1”のリプリゼンテーショングループを選択したときには、次のピリオドにおいても、”1”のリプリゼンテーショングループを選択してもよい。
また、例えば、クライアント1は、”PT30S”から開始するピリオドにおいて、”1”及び”2”のリプリゼンテーショングループを選択したときには、次のピリオドにおいても、”1”及び”2”のリプリゼンテーショングループを選択してもよい。なお、最終的に少なくとも1つのコンテンツが選択されればよいので、このように複数のリプリゼンテーショングループを選択した場合、選択したリプリゼンテーショングループのうち、コンテンツを選択しないものがあっても構わない。
これにより、クライアント1は、ピリオド間を遷移する際に選択すべきリプリゼンテーショングループを容易に選択することができると共に、コンテンツレベルでの連続性を維持することができる。ただし、連続して再生すべきコンテンツについて、そのコンテンツを含むリプリゼンテーショングループのidを共通化しておく必要がある。
同様に、従来のMPDでは、リプリゼンテーションにidのアトリビュートを記述することができるので、リプリゼンテーションのidを参照して遷移後のピリオドで選択すべきリプリゼンテーションを特定することもできる。
つまり、クライアント1は、あるピリオドにおいて選択したリプリゼンテーションと同じidのリプリゼンテーションを、その次のピリオドでも選択してもよい。
これにより、リプリゼンテーションの選択にかかるクライアント1の処理の負荷を減らすことができると共に、機器(機器の能力)レベルでの連続性を維持することができる。例えば、同じ機器レベル(ビットレートや解像度等)のコンテンツについて、そのコンテンツに対応するリプリゼンテーションのidを共通化しておく。これにより、クライアント1は、リプリゼンテーションのidを参照するだけで、ピリオド間を遷移する際に選択すべきコンテンツを特定し、ピリオド遷移後に同じ機器レベルのコンテンツを容易に選択することができる。
ただし、従来、リプリゼンテーショングループレベル、またはリプリゼンテーションレベルで、同じコンテンツ(連続して再生するコンテンツ)に同じidを記述するという制約は無かった。また、あるコンテンツに、CMや別のコンテンツを挿む場合には、idを記述する制作者がコンテンツ毎に異なるため、同じコンテンツ(連続して再生するコンテンツ)に同じidが記述されることはさらに期待できない。
このため、従来のMPDには、リプリゼンテーショングループのidや、リプリゼンテーションのidが記述されていたものの、ピリオド間を遷移する際にこのようなidを参照しても、適切なコンテンツの選択には寄与しない場合がほとんどであった。
つまり、従来のMPDにおけるリプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションのidは、ピリオド間を遷移する際における、リプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションの連続性を示すものとは言えない。
これに対し、ここで説明するMPDは、連続して選択すべきリプリゼンテーショングループには同じidを付し、連続して再生すべきリプリゼンテーションには同じidを付すという制約の下で作成されたMPDである。このようなMPDでは、リプリゼンテーション及びリプリゼンテーショングループのidが、ピリオド間を遷移する際における、リプリゼンテーション及びリプリゼンテーショングループの連続性を示す情報として機能する。
例えば、サーバ2が、クライアント1に、複数のピリオドからなる1つのコンテンツ(コンテンツAと呼ぶ)に、CMのコンテンツを挿入して再生させたい場合を考える。このような場合、サーバ2は、CMを挿入したいピリオドに、コンテンツAのリプリゼンテーショングループのidと同じidとしたCMのコンテンツのリプリゼンテーショングループを記述したMPDを生成し、クライアント1に送信すればよい。これにより、サーバ2は、所望のピリオドにCMのコンテンツが挿入されたコンテンツAをクライアント1に再生させることができる。
なお、「連続して再生すべきコンテンツには、同じidを付す」という制約の下で作成されたMPDを複数用いた場合、あるMPDに基づく再生中に、他のMPDに切り替えて再生を継続するときにも、切り替え前のMPDのピリオドで選択していたidと同じidのリプリゼンテーショングループを選択するようにしてもよい。これは、サブセットやリプリゼンテーションについても同様である。
〔新規の情報を追加する例〕
次のピリオドで選択すべきリプリゼンテーショングループまたはリプリゼンテーションを示す情報をMPDに新たに追加することによっても、クライアント1の処理の負荷を低減しつつ、ピリオド間を遷移する際におけるリプリゼンテーショングループまたはリプリゼンテーションの連続性を維持することができる。
例えば、リプリゼンテーショングループのidとは別に、次のピリオドで選択すべきリプリゼンテーショングループを特定する特定情報をアトリビュートとして記述してもよい。そして、この特定情報は、次のピリオドで選択すべきリプリゼンテーショングループのidを指定するものであってもよい。
また、この特定情報は、現行のピリオドの次に再生対象となる、直前、直後の他、時間的に連続していないピリオドを含む任意のピリオドにおいて選択すべきリプリゼンテーショングループを特定するものであってもよい。また、ネクスト属性やプレビアス属性のように、直後、直前のピリオドにおいて選択すべきリプリゼンテーショングループを特定するものであってもよい。
このような特定情報を含むMPDを用いて選択を行う場合、クライアント1は、現行のピリオドで選択したリプリゼンテーショングループのアトリビュートから特定情報を読み出す。そして、読み出した特定情報によって特定されるリプリゼンテーショングループを、遷移後のピリオドにおいて選択する。
リプリゼンテーションについても同様に、リプリゼンテーションのidに加えて、次のピリオドで選択すべきリプリゼンテーションを特定する特定情報をアトリビュートとして記述してもよい。
このような特定情報を含むMPDを用いて選択を行う場合、クライアント1は、現行のピリオドで選択したリプリゼンテーションのアトリビュートから特定情報を読み出す。そして、読み出した特定情報によって特定されるリプリゼンテーションを、遷移後のピリオドにおいて選択する。
〔優先順位〕
上述のように、サブセットの他、リプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションについても、遷移後のピリオドで選択すべきものを指定することができる。また、これらの指定を併用することもできる。すなわち、サブセット、リプリゼンテーショングループ、及びリプリゼンテーションの少なくとも2つを指定することもできる。
ここで、サブセットが決定されると、選択可能なリプリゼンテーショングループが限定されるため、リプリゼンテーショングループよりも上の階層であると言える。また、リプリゼンテーショングループはリプリゼンテーションを含むので、リプリゼンテーションよりも上の階層であると言える。
このような上下関係を有する複数の階層について指定を行う場合、各階層における選択に矛盾が生じないように優先順位を定めておくことが望ましい。ここでは、各階層における選択の優先順位について図15に基づいて説明する。
図15は、サブセット、リプリゼンテーショングループ、及びリプリゼンテーションの3つの階層における選択の優先順位を説明する図であり、同図の(a)は3つの階層全てを参照する場合、同図の(b)はサブセットの階層を除く2階層を参照する場合、同図の(c)はリプリゼンテーションの階層のみを参照する場合を示している。なお、図15では、サブセットをSubset、リプリゼンテーショングループをRepGrp、リプリゼンテーションをRepと表記している。
遷移前のピリオドにおける3つの階層全ての選択を参照して、遷移後のピリオドにおける選択を行う場合、優先順位はサブセット>リプリゼンテーショングループ>リプリゼンテーションの順とする。具体的には、クライアント1は、同図の(a)に示すように、まず遷移前のピリオド(period#n)で選択していたサブセットと同じidのサブセット(またはこのサブセットで指定される他のサブセット)を次のピリオド(period#n+1)でも選択する。
次に、クライアント1は、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーションと同じidのリプリゼンテーション(またはこのリプリゼンテーションで指定される他のリプリゼンテーション)を選択する。ただし、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーションが、先に選択したサブセットに含まれていない場合には、このサブセットに含まれる別のリプリゼンテーションを選択する。
つまり、先のピリオドで選択したサブセットのidに従って次のピリオドにおけるサブセットを選択し、選択したサブセットに含まれるリプリゼンテーションについて、先のピリオドで選択したリプリゼンテーションのidに従って絞込みをかける。
なお、サブセットの機能は、リプリゼンテーショングループ(の集合)を一括して選択可能とすることであり、サブセットを選択することは、リプリゼンテーショングループ単位で選択することと機能的には同じである。したがって、上記優先順位と考え合わせると、リプリゼンテーショングループのレベルで連続性による選択を行うことができるのは、サブセットを選択しない同図の(b)のような場合のみということになる。
同図の(b)では、遷移前のピリオドで選択したサブセットに基づく、遷移後のピリオドでのサブセットの選択を行わない。この例では、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーショングループと同じidのリプリゼンテーショングループ(またはこのリプリゼンテーショングループで指定される他のリプリゼンテーショングループ)を選択する。
そして、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーションと同じidのリプリゼンテーション(またはこのリプリゼンテーションで指定される他のリプリゼンテーション)を選択する。ただし、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーションが、先に選択したリプリゼンテーショングループに含まれていない場合には、このリプリゼンテーショングループに含まれる別のリプリゼンテーションを選択する。
つまり、リプリゼンテーションのレベルにおける連続性による選択は、サブセット及びリプリゼンテーショングループのレベルにおける選択と矛盾が無い範囲で更に絞り込むために行われる。
また、クライアント1は、同図の(c)に示すように、遷移前のピリオドで選択したサブセット及びリプリゼンテーショングループに基づく選択を行わない場合、遷移前のピリオドで選択していたリプリゼンテーションと同じidのリプリゼンテーション(またはこのリプリゼンテーションで指定される他のリプリゼンテーション)を選択する。
このように、遷移前のピリオドで選択したリプリゼンテーションのみに基づいて選択を行う場合には、遷移前のピリオドで選択されていたサブセットやリプリゼンテーショングループにかかわらず、リプリゼンテーションを選択する。
したがって、この場合におけるリプリゼンテーションの選択は、サブセット及びリプリゼンテーショングループよりも狭い条件での選択となっている。つまり、サブセット及びリプリゼンテーショングループが決まっても、クライアント1が再生するコンテンツが決まらない場合があるが、リプリゼンテーションが決まれば、クライアント1が再生するコンテンツが必ず決まる。
このため、例えば、ネクスト属性またはプレビアス属性で明示的に次のピリオドで選択するリプリゼンテーションを指定するようなケースでは、クライアント1は、遷移前のピリオドで選択したリプリゼンテーションを最優先として、遷移後のピリオドでの選択を行ってもよい。
ただし、この場合、リプリゼンテーションのidは全て異なっている(指定された1つのidに対応する1つのリプリゼンテーションが一意に決まる)ことが必要である。また、この場合、MPDの制作者は、リプリゼンテーションのレベルでの選択が、サブセット及びリプリゼンテーショングループのレベルでの選択と矛盾が無いようにMPDを設計すべきである。
〔サーバ2によるMPDの生成〕
上記各実施形態において使用されるMPDは、サーバ2の記述情報送信部23が生成してもよい。ここでは、記述情報送信部23がMPDを生成する処理について説明する。
例えば、図2に示すようなMPDであれば、記述情報送信部23は、サブセットのidを示すアトリビュートを含まない従来のMPDに対し、サブセットのidを示すアトリビュートを追記することによって生成することができる。
この場合、記述情報送信部23は、各ピリオドに含まれるサブセットについて、連続して選択すべきサブセットのidが同じとなるように、各サブセットのidを決定する。記述情報送信部23は、同じグループの組み合わせとなっているサブセットに同じidを記述してもよい。例えば、”1”と”2”のグループを含むサブセットにはid=1を記述し、”3”と”4”のグループを含むサブセットにはid=2を記述してもよい。
また、記述情報送信部23は、連続して選択させたいサブセットには、グループの組み合わせは異なっていても同じidを記述する。例えば、ビデオ等のメインコンテンツと、その直前、直後、または途中に挿入して再生されるCM等のコンテンツについては、同じidを記述する。
このようにして、記述情報送信部23は、あるピリオドで選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となるピリオドで再生すべきコンテンツを特定するための特定情報(id)を決定する。
ただし、コンテンツの再生途中で使用言語が切り替わる(例えば音声が日本語から英語に切り替わる)というような事態は望ましくないため、記述情報送信部23は、所定の条件を満たすグループの組み合わせを示すサブセットに対して、同じidを記述する。
この条件としては、例えば使用言語が共通していることの他、コンテンツの再生態様(例えば2次元表示や3次元表示)が共通していること等、任意のものが適用できる。なお、使用言語や再生態様は、リプリゼンテーションに含まれるアトリビュート等を参照して特定することもできる。
各サブセットに記述するidは、記述情報送信部23が自動的に決定してもよいし、サーバ2のユーザが決定してもよい。ユーザが決定する場合、サーバ2にユーザ操作を受け付ける入力部を設け、この入力部で受け付けたユーザ操作に従って記述情報送信部23がサブセットidを記述する。
また、同じグループの組み合わせとなっているサブセットに同じidを記述する処理は記述情報送信部23に自動で行わせ、グループの組み合わせが異なっていても同じidを記述する部分は、ユーザ操作に従って記述するようにしてもよい。
さらに、遷移前のピリオドで選択されたリプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションのidに基づいて、遷移後のピリオドでリプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションを選択する場合、記述情報送信部23は、ピリオド間を遷移する際に連続して再生すべきリプリゼンテーショングループやリプリゼンテーションのidを共通化する。
この場合も、サブセットにidを記述する場合と同様に、所定の条件を満たしている場合にのみ同じidを記述するという方式により、記述情報送信部23によって、自動的にidを決定し、決定したidを記述したMPDを生成することが可能である。
リプリゼンテーショングループのidを決定するときの条件としては、例えば同じidのリプリゼンテーションを含むという条件を用いてもよい。また、リプリゼンテーションのidを決定するときの条件としては、例えば再生品質が共通するリプリゼンテーション(解像度、ビットレート等の再生品質を決めるパラメータの少なくとも1つが同じリプリゼンテーション)であるという条件を用いてもよい。
また、記述情報送信部23は、自動的にまたはユーザ操作に従って、ネクスト属性やプレビアス属性のような、サブセット、リプリゼンテーショングループ、またはリプリゼンテーションの連続性を示す情報を記述してもよい。自動的に記述する例としては、例えば連続して再生すべきサブセットに複数の候補が存在することが分かっている場合に、ネクスト属性またはプレビアス属性により、既知の複数の候補を併記することが挙げられる。
さらに、記述情報送信部23は、全てのサブセットに含まれるグループが明示されていない従来のMPDを修正してMPDを生成する場合、id=0のサブセットを追記する。具体的には、記述情報送信部23は、何れのサブセットにも含まれていないグループが存在するか否かを確認し、存在した場合にそのグループを指定するid=0のサブセットを追記する。また、記述情報送信部23は、id=0のサブセットを追記する代わりに、何れのサブセットにも含まれていないグループを全てのサブセットに追記してもよい。
なお、MPDを生成する主体はサーバ2に限られず、サーバ2とは別の装置が生成してもよい。この場合、その装置が生成した情報を、サーバ2を介してクライアント1に送信してもよいし、その装置から直接クライアント1に送信してもよい。さらに、その装置が生成した情報を記録した記録媒体をクライアント1に提供し、クライアント1がその記録媒体から情報を読み出すようにしてもよい。
〔実施の形態4〕
上述の実施形態では、各ピリオドに属するサブセットに共通のidを付与することによって、連続して再生すべきサブセットを一意に識別可能とし、これによりMPD解析処理の簡略化を実現した。このように、再生対象サブセットを指定するか、あるいはMPD解析対象を限定することによって、MPDの解析範囲を絞り込み、MPD解析処理を簡略化することができる。
本実施形態では、再生対象の指定を外部から行うことによって、MPDにおいて解析対象となる範囲を限定し、これによりMPD解析処理を簡略化する例を図20から図27に基づいて説明する。なお、システム及び装置の構成は、実施形態1と同じである(図1参照)。
外部から再生対象を指定する方法としては、例えばウェブページのようなクライアント1から参照可能なファイル等に再生対象を特定する情報を記述することが考えられる。この場合、クライアント1は、この情報を参照して特定した再生対象をサーバ2から取得して再生する。なお、再生対象を特定する情報は、MPDの解析範囲を特定するための情報であると言うこともできる。
このような構成とする場合、例えば図20の例のように、HTML文書で再生対象を特定する情報を記述してもよい。図20は、再生対象サブセットを指定するURL(解析範囲特定情報)が記述されたHTML文書の一例を示す図である。
図20の例では、http://example.com/content1.mpd#id=s1、http://example.com/content1.mpd#id=s2、及びhttp://example.com/content1.mpd#id=snの3つのURLが記載されている。これらは、クライアント1の再生対象となるビデオオブジェクトのURLである。
これらのURLの共通パート「http://example.com/content1.mpd」は、再生対象となるMPDを示している。また、#以降には、このMPDにおける再生対象を特定する情報が記述されている。具体的には、「id=“再生対象とするid属性値”」の形式で、再生対象サブセットのid(解析範囲指定情報)が記述されている。
つまり、図示のURLでは、上から順に、id=s1、s2、snのサブセットがそれぞれ指定されている。このように、指定されるサブセットが異なることによって、再生されるコンテンツも、例えば音声言語やカメラアングル等が異なるといったように、異なった内容となる。すなわち、複数パターンの再生が可能なコンテンツを製作した製作者は、上記のようなURLを作成しておくことにより、パターンの選択肢をコンテンツの再生開始に先立って予めユーザに提示することができる。
このようなHTML文書は、例えばコンテンツの製作者等が、コンテンツ及びMPDと共に作成すればよい。そして、このHTML文書をクライアント1が参照できるように公開しておく。例えば、クライアント1がこのHTML文書にアクセスしたときに、このHTML文書に含まれる各URLをクライアント1のユーザが選択できるように、各URLのテキストまたは各URLに対応する選択項目(アイコンなどの画像)を含むメニュー画面が表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザは所望の再生パターンのコンテンツを容易に選択することができる。なお、クライアント1は、上記のようなユーザ操作を受け付ける入力部を備えている。
続いて、上記のHTML文書に含まれるURLが選択されたときの処理について、図21に基づいて説明する。図21は、選択されたURLと、このURLから特定されるMPDの解析範囲との関係を示す図である。
図示のように、選択されたURLは、「http://example.com/content1.mpd#id=s2」であり、これは図20の上から2番目のURLである。このURLから、クライアント1のコンテンツ選択部13は、再生対象のMPDが「http://example.com/content1.mpd」であることを特定し、このMPDを取得する。なお、MPDの取得先及び取得方法は特に限定されず、例えばサーバ2に要求して取得してもよい。
また、コンテンツ選択部13は、選択されたURLの♯以下の記述(#id=s2)から、選択対象としてid=s2のサブセットが指定されていることを特定する。このサブセットの指定は、MPDの解析範囲を指定するものであり、これによりMPDの解析範囲が特定される。つまり、本実施形態のコンテンツ選択部13は、解析範囲特定情報を取得する解析範囲特定情報取得手段としても機能する。そして、コンテンツ選択部13は、上記の特定を行った上でMPDの解析を行う。
先頭ピリオドのMPDの解析では、コンテンツ選択部13は、URLで指定されたid=“s2”の記述があるサブセットS_12以外のサブセットについては解析処理を行わず、サブセットS_12のみ解析処理を行う。
ここで、サブセットS_12は、グループ属性がg1、g3であるリプレゼンテーショングループによって構成されている。このため、コンテンツ選択部13は、group=“g1”、group=“g3”の記述があるリプレゼンテーショングループG11及びG13を解析し、当該リプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを再生対象と特定する。無論、先頭ピリオドに含まれる他のリプレゼンテーショングループの解析処理は行わない。
この後、コンテンツ選択部13が特定したリプリゼンテーションに基づき、コンテンツが取得され、再生される。なお、リプリゼンテーションの特定後、コンテンツの再生までの処理は上記実施形態で説明した通りであるから、ここでは説明を省略する。
先頭ピリオドの再生終了後、コンテンツ選択部13は、2番目のピリオドについても同様に、id=“s2”の記述があるサブセットS_22を解析する。そして、サブセットS_22を構成するリプレゼンテーショングループG21、G23を解析し、当該リプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを再生対象と特定する。以降のピリオドについても同様の処理を繰り返す。
このように、URL記述を用いて再生対象サブセットを指定することで、先頭ピリオドにおいてもMPDの解析処理の簡略化が可能である。また、図20の例のように、HTML文書に選択候補のURLを記述することにより、再生開始前にユーザに選択肢を提供することができる。
〔他の属性情報による指定〕
図20、21の例では、URL記述における再生対象の指定にサブセットのidを用いたが、MPD内の他の属性情報を用いて再生対象を指定することも可能である。つまり、MPD内の他の属性情報を解析範囲指定情報として用いることもできる。ここでは、サブセットのid以外の属性情報を用いて再生対象を指定する例について図22及び図23に基づいて説明する。
図22は、再生対象の指定にグループの属性値を用いたURLと、このURLから特定されるMPDの解析範囲との関係を示す図である。同図のURL記述では、「id=“id属性に代わる対象属性名”:“再生対象とする属性値”」の形式で再生対象の指定を行っている。すなわち、id=group:g1が、リプレゼンテーショングループのグループ属性値としてg1を選択する指定であり、同様にid=group:g3がグループ属性値としてg3を選択する指定である。
このURL記述に従って同図に示すMPDを解析するコンテンツ選択部13は、グループ属性の指定に基づき、先頭ピリオドにおけるサブセットの解析を行わず、group=“g1”と記述されたリプレゼンテーショングループG11及びgroup=“g3”と記述されたリプレゼンテーショングループG13を解析する。そして、それぞれのリプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを再生対象と特定する。
ここで、図21のMPD例では、id=s2のサブセットを構成するリプレゼンテーショングループのグループ属性値は、各ピリオドで共通してg1、g3である。つまり、図21と図22のURL記述によって指定される対象は何れも同じである。このように、コンテンツ提供者が予めピリオド間で連続再生すべきグループに共通のグループ属性を付与し、当該グループ属性を外部から参照することでサブセットのidと同様の再生対象を特定することができる。
先頭ピリオドの再生完了後は、2番目のピリオドについても同様に、サブセットの解析は行わずにリプレゼンテーショングループG21、G23を解析し、それぞれのリプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションの再生を行う。以降のピリオドについても同様の処理を繰り返す。
また、URL記述における再生対象の指定に各ピリオドで共通する属性値を用いることによっても、図21、図22と同様に再生対象を指定することが可能である。これについて、図23に基づいて説明する。
図23は、リプレゼンテーショングループの言語属性(lang属性)を用いて再生対象を指定するURLと、このURLから特定されるMPDの解析範囲との関係を示す図である。同図のURL記述でも図22の例と同様に、「id=“id属性に代わる対象属性名”:“再生対象属性値”」の形式で再生対象の指定を行っている。すなわち、図23のURL記述では、リプレゼンテーショングループのグループ属性値としてg1を選択する指定と、リプレゼンテーショングループのlang属性値としてen(英語)を選択する指定とがなされている。
このURL記述に従って同図に示すMPDを解析するコンテンツ選択部13は、グループ属性の指定に基づき、先頭ピリオドにおけるサブセットの解析を行わず、group=“g1”と記述されたリプレゼンテーショングループG11及びlang=“en”と記述されたリプレゼンテーショングループG13を解析する。そして、それぞれのリプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを再生対象と特定する。以下のピリオドにおいても同様の選択を行う。つまり、図21及び図22と同様の再生が行われる。
なお、上記ではリプレゼンテーショングループの共通属性値を用いて再生対象を指定する例を示したが、リプレゼンテーションの共通属性値を用いて再生対象を指定することも同様に可能である。
〔再生対象期間の指定〕
上記では、再生対象のサブセット(あるいはリプレゼンテーショングループあるいはリプレゼンテーション)のみを指定する例を説明したが、再生対象の指定に加え、コンテンツの再生位置(再生対象期間)を指定することもできる。つまり、URL等の形式でクライアント1に取得される解析対象特定情報は、MPDにおいて解析対象となる再生期間(ピリオド)を指定する再生対象期間指定情報を含んでいてもよい。これにより、コンテンツの一部の再生期間のみを再生するダイジェスト再生を実現することもできる。
例えば、URL記述において、「t=“再生開始時間”,“再生終了時間”」の形式で再生期間(再生時間)を指定することができる。この場合、コンテンツ選択部13は、このURL記述で指定される再生開始時間から、再生終了時間までのリプリゼンテーションを特定し、この時間のコンテンツを取得させる。なお、コンテンツは再生時間が指定されない場合と同様に取得して、上記再生開始時間と再生終了時間をコンテンツ再生部15に通知することによって、この時間のコンテンツが再生されるようにしてもよい。
また、再生対象期間は、再生対象のサブセット(あるいはリプレゼンテーショングループあるいはリプレゼンテーション)の指定と同様に、MPD内のid属性を利用して指定してもよい。これについて、図24に基づいて説明する。
図24は、ピリオドのidで再生対象期間を指定するURLと、このURLから特定されるMPDの解析範囲との関係を示す図である。図示のURL記述では、ニュース番組の構成を示すMPD(http://example.com/news.mpd)のうち、再生対象としてスポーツニュース(id=sprots)及び天気予報(id=weather)を指定している。つまり、スポーツニュースの時間と、天気予報の時間とを再生対象期間として指定している。
このURL記述に従って同図に示すMPDを解析するコンテンツ選択部13は、指定されたid属性値を持つピリオド(同図のP1及びP2)のみを解析対象とする。つまり、このピリオド内のサブセット、リプリゼンテーショングループ、及びリプリゼンテーションの解析を行い、リプリゼンテーションを特定する。これにより、ニュース番組のコンテンツのうち、スポーツニュースと天気予報のみがダイジェスト再生される。
なお、再生対象期間をURLで指定する場合、複数の再生対象期間の指定を簡略化するため、前述の「id=“再生対象のid属性値”」の代わりに、「id=“再生開始位置を示すid属性値”,“再生終了位置を示すid属性値”」の形式で指定してもよい。
例えば、図24のURL記述における再生対象期間を指定する記述(♯以降の記述)を“id=sport,weather”とした場合、この記述は、スポーツニュースから天気予報までの一連のコンテンツを再生することを示す。従って、このURL記述に従ってMPDを解析するコンテンツ選択部13は、“id=sport,weather”の指定に従ってP1からP2までを解析する。これにより、この解析範囲に対応する一連のコンテンツ(id=sport,id=entertainment,id=weatherで示される3つのピリオドに含まれるコンテンツ)が再生される。
また、“再生開始位置を示すid属性値”及び“再生終了位置を示すid属性値”の何れか一方は省略してもよい。例えば、“再生開始位置を示すid属性値”の指定を省略した、“id=,weather”の表記を用いた場合は、先頭ピリオドから天気予報(P2)までの再生が指定される。また、“再生終了位置を示すid属性値”の指定を省略した“id=sports,”の表記を用いた場合は、スポーツニュース(P1)以降の全てのピリオドが再生対象期間となる。
ここで、ピリオドのidを用いて再生対象期間を指定する場合、ピリオドの途中の位置を再生開始または終了時間として指定することはできず、細かい時間指定を行うことはできない。しかしながら、図24の例のように、予め映像コンテンツのパートに応じたidの付与ルールを設け、そのパートに応じたダイジェスト再生のためのURLを決定しておくことによって、ピリオドのidを用いて再生対象期間をおおまかに指定することが可能になる。
すなわち、上述のニュース番組の例のように、スポーツニュースには“id=sports”を付与するというルールを設け、URLに“id=sports”を記述する。これにより、このルールに従うクライアント1において、スポーツニュースのみをダイジェスト再生することができる。また、HTML文書等の形でパート別のダイジェスト再生選択メニューを予め用意しておくことにより、ユーザに所望のパートを選択させることができる。
〔再生対象と再生対象期間の両方を指定した場合の再生〕
次に、再生対象のサブセット(あるいはリプレゼンテーショングループあるいはリプレゼンテーション)の指定、及び再生対象期間の指定を同時に行った場合のクライアント1の再生処理について図25及び図26を用いて説明する。
図25は、再生対象サブセット及び再生対象期間を指定するURLと、このURLから特定されるMPDの解析範囲との関係を示す図である。また、図26は、図25のURL記述から特定される解析対象を示す図である。
図25の例のURLでは、再生対象のMPDが“http://example.com/content1.mpd”と記述されている。また、このURLでは、再生対象期間が“id=p2,”と記述されている。上述のように、これはidがp2であるピリオド及びそれ以降のピリオドを再生対象期間として指定するものである。そして、再生対象が“id=s2”と記述されている。上述のように、これはidがs2のサブセットを指定するものである。
このように、再生対象期間と再生対象の両方が指定されている場合には、クライアント1は、図26に示す通り、指定された再生対象期間に含まれる再生対象の再生を行う。つまり、コンテンツ選択部13は、idがp2であるピリオド及びそれ以降のピリオドのうち、idがs2のサブセットのみを解析対象とする。この例では、idがs2のサブセットは、グループ属性がg1、g3であるリプレゼンテーショングループが含まれているので、“g1”、“g3”が解析対象となり、これらに含まれるリプリゼンテーションに対応するコンテンツが再生対象となる。
すなわち、図25の例では、ピリオドのidがp2であるピリオド以降を再生対象期間とするので、コンテンツ選択部13は、idがp2ではない先頭ピリオド内の解析は行わず、id=“p2”が記述されている2番目のピリオド(P2)以降を解析対象とする。
そして、ピリオドP2では、id=“s2”の記述があるサブセットS_22のみを解析対象とし、それ以外のサブセットについては解析処理を行わない。具体的には、サブセットS_22は、グループ属性がg1、g3であるリプレゼンテーショングループによって構成される。このため、コンテンツ選択部13は、group=“g1”、group=“g3”の記述があるリプレゼンテーショングループG21及びG23を解析し、当該リプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを特定する。無論、ピリオドP2に含まれる他のリプレゼンテーショングループの解析処理は行わない。再生対象期間となっている以降のピリオドについても同様の処理を繰り返す。
以上説明したように、再生対象サブセット(あるいはリプレゼンテーショングループまたはリプレゼンテーション)と、再生対象期間とを指定したURLを用いることによって、コンテンツのダイジェスト再生を行うことができる。また、このURLを外部のHTML文書等に記述することによって、コンテンツ選択メニューとして利用することもできる。そして、上記各実施形態と同様に、再生時のMPD解析範囲を限定するので、MPD解析処理を簡略化することもできる。
〔URL指定のその他の利用例〕
上述のように、再生対象サブセット(あるいはリプレゼンテーショングループまたはリプレゼンテーション)及び再生対象期間を指定したURLは、ユーザのコンテンツ選択メニューとして利用できる。
また、このURLは、クライアント1で再生を中断した後、再開する場合や、異なる再生機器における再生状態を引き継いで再生する場合等において、再生再開位置を識別する情報としても利用可能である。つまり、クライアント1は、再生していたコンテンツと、再生の中断位置とを特定するURLを生成し、再生再開時にこれを参照することによって中断時の再生状態で再生再開することができる。また、このURLを他の再生機器に通知することによって、再生状態を当該他の再生機器に引き継がせることもできる。
例えば、クライアント1がスマートフォン等の比較的画面の小さい装置であり、この装置で再生中のコンテンツを、ユーザ操作によって、テレビ等の比較的画面の大きい再生機器に引き継ぎ再生させる場合に、このようなURLを生成し、再生機器に通知することが考えられる。
再生状態を引き継がせるURLの生成について、図27に基づいて説明する。図27は、再生対象のMPDの再生箇所と、該再生箇所で再生中断したときに生成されるURLの一例を示す図である。
図示の例では、再生対象のMPDは“http://example.com/content1.mpd”であり、クライアント1のコンテンツ再生部15が、リプレゼンテーションR1、R2の対象メディアセグメントを再生中であることを示している。なお、リプレゼンテーションR1、R2は、PT300Sから開始するピリオドに含まれており、リプレゼンテーションR1、R2に対応するコンテンツの再生開始後、100Sが経過して再生時間がPT400Sとなっているとする。
このような再生状態において、再生中のコンテンツを他の再生機器で再生させるためのユーザ操作が行われたとき(再生状態を通知する要求が発生したとき)には、クライアント1のコンテンツ再生部15は、そのときの再生位置に対応するURLを生成する。つまり、本実施形態では、コンテンツ再生部15は、MPDの解析範囲を特定するための解析範囲特定情報を生成する解析範囲特定情報生成手段としても機能する。無論、コンテンツ再生部15とは別に解析範囲特定情報生成手段を設けてもよい。
図27の例では、再生中のリプレゼンテーションR1はリプレゼンテーショングループG21、リプレゼンテーションR2はリプレゼンテーショングループG23にそれぞれ属するリプレゼンテーションである。そして、リプレゼンテーショングループG21及びG23は、サブセットS_22を構成するリプレゼンテーショングループである。従って、コンテンツ再生部15は、再生対象サブセットを“id=s2”で指定することを決定する。
また、再生時間がPT400Sであることから、再生再開後の再生対象範囲を“t=400,”で指定することを決定する。そして、再生対象のMPDはhttp://example.com/content1.mpdである。
従って、コンテンツ再生部15は“http://example.com/content1,mpd#id=s2&t=400,”を、コンテンツの再生を引き継ぐ再生機器に通知するURLとして生成する。そして、コンテンツ再生部15は、ユーザ要求に従って、このURLを再生機器に通知する。
通知を受けた再生機器では、通知されたURLに基づき、再生開始時間がPT400S以降のピリオドの解析を開始する。具体的には、PT400S以降のピリオドに含まれるサブセットのうち、上記URLで指定されているid=“s2”の記載のある再生対象サブセットS_22の解析処理を行う。つまり、コンテンツ再生部15は、特定情報送信手段としても機能する。無論、コンテンツ再生部15とは別に特定情報送信手段を設けてもよい。
続いて、上記再生機器は、サブセットS_22を構成するリプレゼンテーショングループG21及びG23を解析する。そして、それぞれのリプレゼンテーショングループに属するリプレゼンテーションを選択し、PT400S以降の再生を開始する。これにより、再生機器において、クライアント1の再生状態が引き継がれる。
なお、クライアント1の再生状態を引き継ぐ再生機器では、クライアント1で再生されていたリプレゼンテーションR1、R2に限らず、機器の再生能力や通信環境等に応じてリプレゼンテーショングループG21、G23に属する他のリプレゼンテーションを再生しても構わない。
また、上述の例では、再生対象の指定にサブセットのidを用いたが、前述の通り、リプレゼンテーショングループのグループ属性やリプリゼンテーションのidを用いて再生対象を指定することも可能である。
〔実施の形態5〕
上記各実施形態のMPDは、1つのMPDで完結しており、外部のデータを参照しないものであったが、外部のデータを参照することによって、より多様な再生が可能となる。本実施形態では、他のMPDを参照するMPDを用いて再生を行う例について、図28~図30に基づいて説明する。なお、システム及び装置の構成は、実施形態1と同じである(図1参照)。
ここで、HTML文書を用いて再生対象を記述する場合、図20に基づいて説明したように、URLのテキストやアイコン等の画像を表示してユーザに選択させることができる。しかしながら、この構成では、ユーザは、テキストやアイコン等から得られる僅かな情報のみから、何れのコンテンツを選択するかを決定しなければならず、望まないコンテンツを選択してしまうことも考えられる。提示されているテキスト等に対応するコンテンツは、そのテキスト等を選択してみなければ見ることができないからである。
そこで、本実施形態のクライアント1は、各ピリオドに他のMPD(切替先選択用情報)への外部参照URL(切替先指定情報)を記述したMPD(選択対象コンテンツ情報)を用いることにより、選択対象となるコンテンツを映像で提示する。このように、選択対象となるコンテンツを、テキストやアイコン等ではなく、映像コンテンツで提示することにより、上記のような問題を解決することができる。
まず、図28に基づいて、クライアント1が参照するMPDについて説明する。図28は、他のMPDを参照するMPDの一例を示す図である。図28では、各ピリオドのそれぞれにおいて、「xlink:href=“外部参照先のURL”」の形式で外部参照するMPDのURLが記載されている。例えば、id=”period11”の記載があるピリオドでは、“http://example.com/Dorama_Ep1mpd#id=period1,”が外部参照先に設定されたMPDのURLである。より詳細には、このURLのうち“http://example.com/Dorama_Ep1mpd”によってMPDを指定し、“#id=period1,”によってこのMPDにおける再生位置を指定する。つまり、“#id=period1,”は再生位置指定情報と言える。
なお、“xlink”は、通常、MPDに外部データを”xlink”の記述箇所に埋め込むために用いられ、デフォルト状態ではデータの埋め込みを行うものと解釈される。しかし、本実施形態では、“xlink”を他のMPDを参照し、再生対象の切り替えを行うという通常とは異なる用途に用いている。このため、図示のMPDでは、デフォルトの用途ではなく、新たな用途に用いていることを示す情報として、「xlink:show=“new”」を記述している。
このようなMPDを用いて再生を行う場合、クライアント1は、ピリオドの再生中に所定のユーザ操作が行われたときに、そのピリオドにおける外部参照先のURLで特定されるコンテンツに再生対象を切り替える動作を行う。これにより、映像コンテンツ(MPD)を選択メニューとして利用することが可能となる。
ここで、映像コンテンツ(MPD)を選択メニューとして用いる例を図29に基づいて説明する。図29は、ドラマ本編のダイジェスト映像を選択メニューとして用いる場合の、ドラマ本編のピリオドと、ダイジェスト映像のピリオドとの参照関係を示す図である。このようなコンテンツでは、各ピリオドで選択するコンテンツは、ドラマ本編またはダイジェスト映像というコンテンツの一部分を構成する部分コンテンツと表現することもできる。
同図では、ドラマ本編(第1話~第N話)を示すMPD(Drama_Ep1.mpd~Drama_EpN.mpd)と、各ドラマ本編(第1~第N話のドラマ本編)に対応するダイジェスト映像を示すMPD(Digest.mpd)を示している。ユーザは、このダイジェスト映像から、ドラマ本編に切り替えて再生することができる。つまり、ダイジェスト映像は、ドラマ本編の選択メニューとして用いられる。
この例では、ダイジェスト映像を構成する各ピリオド(Period11~PeriodN3)には、対応するドラマ本編のシーン(対応するピリオド)及びそれ以降のシーンの再生を指示する外部参照URLが記述されている。例えば、ダイジェスト映像のMPDのPeriod11には、ドラマ本編のPeriod1及びそれ以降のピリオドを再生対象として指定する外部参照URLが記述されている(図28参照)。
また、この例では、ドラマ本編の各ピリオドには、ダイジェスト映像の対応するピリオド及びそれ以降ピリオドの再生を指示する外部参照URLが記述されている。なお、ドラマ本編のMPDにおいても、図28に示すダイジェスト映像のMPDと同様の形式で、対応するダイジェスト映像のMPDを指定する外部参照URLが各ピリオドに記述されている。例えば、ドラマ本編の第1話のPeriod1には、ダイジェスト映像のPeriod11及びそれ以降のピリオドを再生対象として指定する外部参照URLが記述されている。
このように、図29の例では、ドラマ本編のMPDとダイジェスト映像のMPDの双方において、対応するピリオドを指定する外部参照URLを記述している。これにより、同図において矢印で示すように、ドラマ本編のMPDとダイジェスト映像のMPDが相互参照される。
このようなMPDを用いて再生を行うクライアント1では、選択メニューであるダイジェスト映像を再生中に、本編への切り替えを指示する所定のユーザ操作(ボタン押下等)が行われたときに、ドラマ本編の対応シーン(対応ピリオド)の再生に切り替える。そして、この対応シーンの再生終了後、それ以降のシーンを引き続き再生する。
具体的には、クライアント1のコンテンツ選択部13は、上記ユーザ操作が行われたことを検出すると、このときにコンテンツ再生部15が再生しているピリオドを特定する。次に、コンテンツ選択部13は、特定したピリオドに含まれる外部参照URLで指定されるMPDを取得する。そして、コンテンツ選択部13は、このMPDについて、上記外部参照URLで指定されるピリオドを再生対象と特定する。これにより、特定されたピリオドのコンテンツが再生される。また、このピリオドの再生終了後は、後続のピリオドが引き続き再生される。
同様に、ドラマ本編の再生中に、ダイジェスト映像に切り替えるユーザ操作が行われたときには、ダイジェスト映像の対応シーン(対応ピリオド)の再生に切り替える。そして、この対応シーンの再生終了後、それ以降のシーンを引き続き再生する。
以上のように、外部参照URLで切り替え先のピリオドを指定することによって、映像コンテンツを選択メニューとして用いることができる。
〔URL指定のその他の利用例〕
図28及び図29の例では、外部参照URLによる切り替え先の指定をピリオド単位で行い、ピリオド単位で相互参照を行っているが、メディアセグメント単位等、更に細かい単位で相互参照を行う構成でも構わない。ただし、ピリオド単位よりも細かい単位で相互参照を行うには、多数の外部参照URLを記述する必要が生じるため、図30の例に示すような方法を用いて記述を簡略化することが好ましい。
図30は、切り替え先MPDの指定をメディアセグメント単位で行うMPDの一例を示す図である。図30の(a)のMPD(http://example.com/content1.mpd)では、ピリオドに外部参照URLとして、“http://example.com/content1_ff.mpd#t=idx:$idx,”が記述されている。また、各メディアセグメントには該メディアセグメントを識別するための識別情報が「idx=“識別番号”」の形式で記述されている。なお、この外部参照URLで指定されるMPD(http://example.com/content1_ff.mpd)を、同図の(b)に示している。
ここで、上記の外部参照URLにおける“t=idx:”は、再生対象期間の指定にセグメントインデックスを使用する指定であり、“$idx”は再生中のメディアセグメントのセグメントインデックス値をパラメータとする指定である。なお、図30の例では、“$idx”の後に“,”があるが、これは上述のように、再生開始位置のみを指定するときの記載形式である。つまり、この例では、パラメータとされたセグメントインデックス値以降のメディアセグメントも指定の対象となる。
この、“t=idx:$idx,”の指定により、現在再生中のメディアセグメントに応じた外部参照先URLが特定される。例えば、同図の(a)の<Url sourceURL=“content1_seg5.3gs”idx=5/>で示されるメディアセグメントが再生中の場合、このメディアセグメントのセグメントインデックス値である“5”がパラメータとなる。つまり、外部参照先URLは、“http://example.com/content1_ff.mpd#t=idx:5,”となる。
従って、メディアセグメント<Url sourceURL=“content1_seg5.3gs”idx=5/>の再生中に、切り替えを行うための所定のユーザ操作が行われた場合には、同図に矢印で示すように、同図の(b)の対応メディアセグメント<Url sourceURL=“ff_seg5.3gs”idx=5/>の再生に切り替える。そして、このメディアセグメントの再生終了後は、引き続きこれ以降のメディアセグメントの再生を行う。
具体的には、クライアント1のコンテンツ選択部13は、上記ユーザ操作が行われたことを検出すると、現在の解析対象であるMPDにおいて“xlink:href=”で指定されるMPDを取得する。また、コンテンツ再生部15がこのときに再生しているメディアセグメントのセグメントインデックス値を特定する。そして、取得した上記MPDにおける、特定した上記セグメントインデックス値のメディアセグメントを再生対象と特定する。これにより、特定されたメディアセグメントが再生される。また、このメディアセグメントの再生終了後は、後続のメディアセグメントが引き続き再生される。
同様に、同図の(b)のメディアセグメント<Url sourceURL=“ff_seg5.3gs”idx=5/>の再生中に、同様のユーザ操作が行われた場合には、同図に矢印で示すように、同図の(a)の対応メディアセグメント<Url sourceURL=“content1_seg5.3gs”idx=5/>の再生に切り替える。そして、このメディアセグメントの再生終了後は、引き続きこれ以降のメディアセグメントの再生を行う。
以上のように、外部参照URLを、再生中のメディアセグメントと同じセグメントインデックス値のメディアセグメントを指定するものとすることにより、メディアセグメントを個別に指定する場合と比べて、記述を簡略化することができる。
また、図30の例のように、メディアセグメント単位で相互参照を行うMPDを用いることにより、コンテンツの再生速度を自在に切り替えるトリックプレイを行うことも可能になる。
例えば、図30の(a)を通常の再生速度の映像コンテンツとし、同図の(b)を(a)の映像コンテンツの10倍速再生に相当する映像コンテンツとしてもよい。この場合、対応するメディアセグメント間の相互参照により、通常再生映像と10倍速再生映像とを相互に切り替えて再生できる。つまり、通常のストリーミング再生では困難なトリックプレイ(高速再生と通常再生の任意のタイミングでの切り替え)に相当する動作を実現することができる。無論、この場合、idxが対応する(一致する)メディアセグメントについては、内容が同一で再生速度が異なるものとなるように、各MPDに含まれるidxを設定しておく。
〔コンテンツの取得について〕
上記の各実施形態では、コンテンツをサーバ2にリクエストして取得する例を説明したが、リクエストなしでコンテンツを取得する構成も本発明の範疇に含まれる。例えば、マルチキャスト配信されるコンテンツや、放送で配信されるコンテンツを受信して、コンテンツ選択部13の選択に従って再生してもよい。
このような構成であっても、上記各実施形態のMPDを参照することにより、ある再生期間に再生するコンテンツを選択することができると共に、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを容易に選択することができる。
〔組合せ情報のデータ構造、及び組合せ情報を記録した記録媒体について〕
以上のような、ピリオド間を遷移する際のコンテンツの連続性を示す情報、全てのサブセットに含まれるグループを示す情報、及び他の記述情報を参照するための情報の少なくとも何れかを含む記述情報(例えばMPD)のデータ構造、記述情報を記録した記録媒体、及び記述情報の生成方法も、本発明の範疇に含まれる。
この記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM/MO/MD/DVD/BD/CD-R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
〔実施形態の組合せについて〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、次のピリオドで選択するサブセットを指定するidを含むMPDに、他のMPDを参照するための情報を記述する等、異なる実施形態に記載された構成を組み合せた任意の構成も本発明の範疇に含まれる。
〔ソフトウェアによる構成例〕
最後に、クライアント1及びサーバ2の各ブロック、特にクライアント制御部10及びサーバ制御部20は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、クライアント1及びサーバ2は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクライアント1及びサーバ2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記クライアント1及びサーバ2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM/MO/MD/DVD/BD/CD-R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、クライアント1及びサーバ2を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
上記実施形態に記載の再生装置は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を参照して選択したコンテンツを取得して再生する再生装置であって、上記選択対象コンテンツ情報には、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定するための特定情報が含まれており、上記選択対象コンテンツ情報を参照して、ある再生期間に再生するコンテンツを選択すると共に、上記特定情報に従って次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを選択する選択手段と、上記選択手段が選択したコンテンツを取得する取得手段と、上記取得手段が取得した、上記ある再生期間に再生するコンテンツと、その次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを連続して再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
また、上記実施形態に記載の再生装置の制御方法は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を参照して選択したコンテンツを取得して再生する再生装置の制御方法であって、上記選択対象コンテンツ情報には、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定するための特定情報が含まれており、上記選択対象コンテンツ情報を参照して、上記ある再生期間に再生するコンテンツを選択すると共に、上記特定情報に従って次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを選択する選択ステップと、上記選択ステップで選択したコンテンツを取得する取得ステップと、上記取得ステップで取得した、上記ある再生期間に再生するコンテンツと、その次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを連続して再生する再生ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、選択対象コンテンツ情報には、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定するための特定情報が含まれている。そして、この特定情報に従って次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを選択し、選択したコンテンツを取得し、再生期間毎に再生する。
したがって、ある再生期間から次に再生対象となる再生期間への遷移時に、ある再生期間で選択したコンテンツに応じたコンテンツを容易に選択し、これを取得して再生することができる。
なお、上記特定情報は、コンテンツを直接指定するものであってもよいし、選択すべきコンテンツの候補を絞り込むためのものであってもよい。また、ある再生期間において、選択対象のコンテンツを絞り込む情報を選択した後、絞り込まれたコンテンツの中からコンテンツを選択した場合には、上記特定情報は、ある再生期間で選択した、選択対象のコンテンツを絞り込む情報に応じた、次に再生対象となる再生期間で選択すべき、選択対象のコンテンツを絞り込む情報を示すものであってもよい。
そして、ある再生期間と、次に再生対象となる再生期間は、直前、直後の再生期間のように時間的に連続した再生期間であってもよいし、時間的に離れた再生期間であってもよい。
さらに、ある再生期間と、次に再生対象となる再生期間は、個別の選択対象コンテンツ情報に含まれる再生期間であってもよい。つまり、ある選択対象コンテンツ情報におけるある再生期間からコンテンツを選択した後、他の選択対象コンテンツ情報における再生期間からコンテンツを選択する場合にも、上記特定情報を用いてコンテンツを選択してもよい。
また、上記の構成において、コンテンツの取得方法は特に限定されず、例えばサーバに要求することによってコンテンツを受信してもよいし、サーバへの要求を行うことなく、サーバから送信されるコンテンツを受信してもよい。
また、上記選択対象コンテンツ情報は、コンテンツが属するグループであって、同一のグループに含まれるコンテンツは同時に再生できず、異なるグループに含まれるコンテンツは同時に再生可能なグループを少なくとも1つ指定するグループ指定情報を再生期間毎に少なくとも1つ含み、上記特定情報は、ある再生期間で選択したグループ指定情報に対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきグループ指定情報を指定する情報を含み、上記選択手段は、ある再生期間において上記グループ指定情報を選択すると共に、選択したグループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツを選択し、次に再生対象となる再生期間では、上記ある再生期間で選択したグループ指定情報に対応付けられた上記特定情報で指定されるグループ指定情報を選択し、選択したグループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、選択対象コンテンツ情報は、グループを少なくとも1つ指定するグループ指定情報を再生期間毎に少なくとも1つ含む。そして、再生装置は、特定情報に含まれる、ある再生期間で選択したグループ指定情報に対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきグループ指定情報を指定する情報に従い、グループ指定情報を選択する。
グループ指定情報を選択することにより、選択対象となるコンテンツが該グループ指定情報で指定されるグループに属するものに限定される。つまり、グループ指定情報は、選択対象のコンテンツを絞り込む情報と言える。このため、上記の構成によれば、選択対象となるコンテンツを容易に絞り込むことができ、これによりコンテンツ選択にかかる処理の負荷が軽減される。
なお、同一のグループに含まれるコンテンツは同時に再生できないため、1つのグループからは1つのコンテンツを選択する。また、1つのグループから1つのコンテンツを選択することを必須としてもよいし、コンテンツを選択しないことを許容してもよい。
また、異なるグループに含まれるコンテンツは同時に再生可能であるから、グループ指定情報によってコンテンツの大まかな枠組みが決まる。言うなれば、選択したグループ指定情報によってアプリケーションレベルでコンテンツが決定する。
例えば、映像のコンテンツを含むグループと、日本語音声のコンテンツを含むグループを指定するグループ指定情報を選択した場合、映像や音声の具体的内容はグループから何れのコンテンツを選択するかによって変化するが、日本語音声付の映像コンテンツが再生されることは確定する。
したがって、ある再生期間で選択したグループ指定情報に対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきグループ指定情報を指定する情報に従って、グループ指定情報を選択する上記の構成によれば、アプリケーションレベルでコンテンツの連続性を維持することが可能になる。
また、上記選択対象コンテンツ情報は、選択が必須のグループを示す選択必須グループ指定情報を含み、上記選択手段は、上記次に再生対象となる再生期間では、上記選択必須グループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツも選択することが好ましい。
上記の構成によれば、選択が必須のグループが、特定情報に従って選択したグループ指定情報に含まれていない場合であっても、当該選択が必須のグループを確実に選択することができる。
また、上記特定情報は、上記ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを指定する情報をさらに含み、上記選択手段は、上記次に再生対象となる再生期間において選択したグループ指定情報で指定されるグループに、上記特定情報で指定されるコンテンツが含まれている場合には該コンテンツを選択し、含まれていない場合には当該グループに属するコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、特定情報は、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを指定する情報をさらに含むので、ある再生期間で選択したコンテンツに応じたコンテンツを容易に選択することができる。
しかしながら、コンテンツレベルでの連続性を優先してしまうと、アプリケーションレベルでの連続性が破綻する可能性がある。例えば、ビットレートや解像度等の連続性が維持されて、使用言語などが切り替わってしまうことも考えられる。
このため、上記の構成によれば、選択したグループ指定情報で指定されるグループに、特定情報で指定されるコンテンツが含まれている場合には該コンテンツを選択するが、含まれていない場合には、選択したグループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツを選択する。
これにより、アプリケーションレベルでの連続性が破綻しない範囲で、コンテンツの選択にかかる負荷を一層軽減することが可能になる。
また、上記選択対象コンテンツ情報は、上記特定情報に従ってグループ指定情報を選択することができない場合に選択すべきグループ指定情報を示す代替指定情報を含み、上記選択手段は、上記特定情報に従ってグループ指定情報を選択できない場合に、上記代替指定情報が示すグループ指定情報を選択し、選択したグループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、特定情報で指定されるグループ指定情報を選択することができない場合であっても、代替指定情報に従ってグループ指定情報及びコンテンツを選択するので、このような場合にもユーザにグループ指定情報を選択させる必要が無い。また、再生期間の切り替え時において、ある程度のコンテンツの連続性を保持することも可能である。
なお、特定情報に従ってグループ指定情報を選択することができない場合としては、例えば、特定情報で指定されるグループ指定情報が当該再生期間に含まれていない場合や、切り替え前の再生期間で選択したグループ指定情報に特定情報が対応付けられていない場合等が挙げられる。
また、上記選択手段は、上記ある再生期間で選択したグループ指定情報に対応付けられた上記特定情報で指定されるグループ指定情報が、次に再生対象となる再生期間に含まれていない場合、その次に再生対象となる再生期間において、上記特定情報で指定されるグループ指定情報を選択し、選択したグループ指定情報で指定されるグループに属するコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、代替指定情報に従ってグループ指定情報及びコンテンツを選択した再生期間の次の再生期間において、特定情報で指定されるグループ指定情報及びコンテンツを選択する。
したがって、特定情報で指定されるグループ指定情報が含まれていない再生期間を挟んだ再生を行う場合に、コンテンツの連続性を維持することができる。
また、上記選択対象コンテンツ情報は、コンテンツが属するグループであって、同一のグループに含まれるコンテンツは同時に再生できず、異なるグループに含まれるコンテンツは同時に再生可能なグループに含まれる少なくとも1つのコンテンツを示すコンテンツ所属情報を再生期間毎に含み、上記特定情報は、ある再生期間で選択したコンテンツ所属情報に対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツ所属情報を指定する情報を含み、上記選択手段は、ある再生期間において上記コンテンツ所属情報を選択すると共に、選択したコンテンツ所属情報に示されるコンテンツを選択し、次に再生対象となる再生期間では、上記特定情報で指定されるコンテンツ所属情報を選択し、選択したコンテンツ所属情報に示されるコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、選択対象コンテンツ情報は、グループに含まれる少なくとも1つのコンテンツを示すコンテンツ所属情報を再生期間毎に少なくとも1つ含む。そして、再生装置は、特定情報に含まれる、ある再生期間で選択したコンテンツ所属情報に対応する、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツ所属情報を指定する情報に従い、コンテンツ所属情報を選択する。
コンテンツ所属情報を選択することにより、選択対象となるコンテンツが該コンテンツ所属情報の示すコンテンツに限定される。つまり、コンテンツ所属情報は、選択対象のコンテンツを絞り込む情報と言える。このため、上記の構成によれば、選択対象となるコンテンツを容易に絞り込むことができ、これによりコンテンツ選択にかかる処理の負荷を軽減することができる。
なお、1つの再生期間には、複数のグループのそれぞれに対応するコンテンツ所属情報が含まれていてもよく、この場合には、1つの再生期間において複数のコンテンツ所属情報を選択してもよい。複数のコンテンツ所属情報を選択した場合、次に再生対象となる再生期間では、先に選択したコンテンツ所属情報のそれぞれに対応するコンテンツ所属情報を選択する。そして、選択したコンテンツ所属情報のそれぞれについて、コンテンツの選択を行う。なお、最終的に少なくとも1つのコンテンツが選択されればよいので、選択したコンテンツ所属情報のうち、コンテンツを選択しないものがあっても構わない。
また、上記選択対象コンテンツ情報は、コンテンツを指定するコンテンツ指定情報を再生期間毎に含み、上記特定情報は、次に再生対象となる再生期間で選択するコンテンツ指定情報を指定する情報を含み、上記選択手段は、ある再生期間において、上記コンテンツ指定情報で指定されるコンテンツを選択し、次に再生対象となる再生期間では、上記特定情報で指定されるコンテンツ指定情報を選択し、選択したコンテンツ指定情報で指定されるコンテンツを選択してもよい。
上記の構成によれば、選択対象コンテンツ情報に含まれるコンテンツ指定情報によってある再生期間でコンテンツを選択し、特定情報に従って選択したコンテンツ指定情報で指定されるコンテンツを選択する。したがって、ある再生期間と、次に再生対象となる再生期間とにおいて、容易にコンテンツを選択することができる。
また、上記ある再生期間の選択対象コンテンツ情報に含まれる特定情報は、当該ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を含み、上記選択手段は、上記次に再生対象となる再生期間が、上記ある再生期間の直後の再生期間である場合に、上記特定情報に含まれる、ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を参照してコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、ある再生期間の選択対象コンテンツ情報に含まれる特定情報は、当該ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を含む。そして、再生装置は、次に再生対象となる再生期間が、ある再生期間の直後の再生期間である場合に、特定情報に含まれる、ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を参照してコンテンツを選択する。
したがって、再生装置は、ある再生期間の直後の再生期間において、ある再生期間において選択したコンテンツに応じたコンテンツを容易に選択することができる。
なお、特定情報において、ある再生期間と、次に再生対象となる再生期間の再生時間軸上の位置関係にかかわらず、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定するための情報も含まれている場合、ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を優先してコンテンツを選択することが好ましい。
また、ある再生期間の直後の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報は、コンテンツを直接指定する情報であってもよいし、選択すべきコンテンツの候補を絞り込むためのものであってもよい。例えば、選択すべきグループ指定情報を指定する情報であってもよく、選択すべきグループ指定情報の候補を複数示す情報であってもよい。
そして、上記ある再生期間の選択対象コンテンツ情報に含まれる特定情報は、当該ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を含み、上記選択手段は、上記次に再生対象となる再生期間が、上記ある再生期間の直前の再生期間である場合に、上記特定情報に含まれる、ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を参照してコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、ある再生期間の選択対象コンテンツ情報に含まれる特定情報は、当該ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を含む。そして、再生装置は、次に再生対象となる再生期間が、ある再生期間の直前の再生期間である場合に、特定情報に含まれる、ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を参照してコンテンツを選択する。
したがって、再生装置は、ある再生期間の直前の再生期間において、ある再生期間で選択したコンテンツに応じたコンテンツを容易に選択することができる。
なお、特定情報において、ある再生期間と、次に再生対象となる再生期間の再生時間軸上の位置関係にかかわらず、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定するための情報も含まれている場合、ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報を優先してコンテンツを選択することが好ましい。
また、ある再生期間の直前の再生期間において選択すべきコンテンツを特定するための情報は、コンテンツを直接指定する情報であってもよいし、選択すべきコンテンツの候補を絞り込むためのものであってもよい。例えば、選択すべきグループ指定情報を指定する情報であってもよく、選択すべきグループ指定情報の候補を複数示す情報であってもよい。
また、上記選択手段は、上記次に再生対象となる再生期間が、上記ある再生期間と時間的に離れており、かつ、上記ある再生期間と次に再生対象となる再生期間の間に存在する各再生期間に上記特定情報が含まれている場合に、上記ある再生期間と次に再生対象となる再生期間の間に存在する各再生期間について、上記ある再生期間の直後または直前の再生期間から順に上記特定情報を参照することにより、上記次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定することが好ましい。
上記の構成のように、次に再生対象となる再生期間が、ある再生期間と時間的に離れている場合であっても、これらの再生期間の間に存在する各再生期間に特定情報が含まれていれば、この特定情報を用いることにより、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定することができる。
例えば、ある再生期間の直後または直前の再生期間から順にコンテンツを特定することによって、次に再生対象となる再生期間で選択すべきコンテンツを特定することができる。また、例えば、上記特定情報が、選択対象のコンテンツを絞り込む情報を指定するものである場合、ある再生期間の直後または直前の再生期間から順に選択対象のコンテンツを絞り込む情報を特定し、次に再生対象となる再生期間における選択対象のコンテンツを絞り込む情報からコンテンツを絞り込み、選択してもよい。
また、上記再生装置は、外部の装置から上記選択対象コンテンツ情報を受信するための通信部を備え、上記選択手段は、上記通信部を介して受信した上記選択対象コンテンツ情報を用いてコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、再生装置が通信部を介して受信した選択対象コンテンツ情報を用いてコンテンツを選択するので、再生装置に選択対象コンテンツ情報を送信することによって、送信した選択対象コンテンツ情報に基づいたコンテンツ再生を再生装置に行わせることができる。
なお、上記外部の装置は、コンテンツの取得先となるサーバであってもよいし、他の装置であってもよい。また、選択対象コンテンツ情報は、上記サーバによって生成されたものであってもよいし、それ以外の装置で生成されたものであってもよい。
また、上記実施形態に記載の他の再生装置は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を参照して選択したコンテンツを取得して再生する再生装置であって、上記各再生期間における上記選択対象コンテンツ情報の解析範囲を特定するための解析範囲特定情報を取得する解析範囲特定情報取得手段と、上記選択対象コンテンツ情報の、上記解析範囲特定情報取得手段が取得した上記解析範囲特定情報で特定される解析範囲を解析して、上記各再生期間についてコンテンツを選択する選択手段と、上記選択手段が選択したコンテンツを取得する取得手段と、上記取得手段が取得したコンテンツを上記再生期間の順に再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
そして、上記実施形態に記載の他の再生装置の制御方法は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を参照して選択したコンテンツを取得して再生する再生装置の制御方法であって、上記各再生期間における上記選択対象コンテンツ情報の解析範囲を特定するための解析範囲特定情報を取得する解析範囲特定情報取得ステップと、上記選択対象コンテンツ情報の、上記解析範囲特定情報取得ステップで取得した上記解析範囲特定情報で特定される解析範囲を解析して、上記各再生期間についてコンテンツを選択する選択ステップと、上記選択ステップで選択したコンテンツを取得する取得ステップと、上記取得ステップで取得したコンテンツを上記再生期間の順に再生する再生ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、各再生期間における選択対象コンテンツ情報の解析範囲を特定するための解析範囲特定情報を取得し、この情報で特定される解析範囲を解析して、各再生期間についてコンテンツを選択し、選択したコンテンツを取得し、再生期間の順に再生する。
すなわち、上記の構成によれば、解析範囲特定情報を用いずにコンテンツを選択する場合と比べて、選択対象コンテンツ情報の解析範囲を狭くすることができるので、各再生期間におけるコンテンツを容易に選択し、これを取得して再生することができる。したがって、ある再生期間から次に再生対象となる再生期間への遷移時に、ある再生期間で選択したコンテンツに応じたコンテンツを容易に選択することもできる。
なお、上記解析範囲特定情報は、ある再生期間から次に再生対象となる再生期間への遷移時に、ある再生期間で選択したコンテンツに応じたコンテンツの選択を容易にし、また選択対象コンテンツ情報の解析範囲を狭くすることができるものであればよい。例えば、各再生期間で選択すべきコンテンツに共通する属性を指定する情報であってもよいし、複数の上記再生期間のうち一部の再生期間を指定する情報であってもよい。
また、上記解析範囲特定情報は、上記各再生期間における上記選択対象コンテンツ情報の解析範囲を指定する解析範囲指定情報を含み、上記選択手段は、上記選択対象コンテンツ情報の、上記解析範囲指定情報で指定される解析範囲を解析して、各再生期間のコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、解析範囲特定情報は、各再生期間における選択対象コンテンツ情報の解析範囲を指定する解析範囲指定情報を含み、選択対象コンテンツ情報における、解析範囲指定情報で指定される解析範囲を解析する。
このように、各再生期間において指定された解析範囲で解析を行うことにより、選択対象コンテンツ情報の解析範囲が狭くなり、コンテンツの選択が容易になる。また、各再生期間の解析範囲が解析範囲特定情報という1つの情報で指定されることにより、選択されるコンテンツに統一性を持たせることができる。例えば、各再生期間で同じ言語のコンテンツを選択させること等も可能である。
また、上記解析範囲特定情報は、複数の上記再生期間のうち一部の再生期間を指定する再生対象期間指定情報を含み、上記選択手段は、上記選択対象コンテンツ情報の、上記再生対象期間指定情報で指定される再生期間の解析を行ってコンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、解析範囲特定情報は、複数の再生期間のうち一部の再生期間を指定する再生対象期間指定情報を含み、選択対象コンテンツ情報における、再生対象期間指定情報で指定される再生期間について解析を行う。
このように、解析対象とする再生期間を再生対象期間指定情報で絞り込むことにより、選択対象コンテンツ情報の解析範囲が狭くなり、コンテンツの選択が容易になる。また、コンテンツの一部の期間を選択的に再生することができる。
なお、再生対象期間指定情報と解析範囲指定情報を共に用いて解析を行ってもよく、この場合、例えば再生対象期間指定情報で指定される再生期間における、解析範囲指定情報で指定される解析範囲の解析を行えばよい。これにより、選択対象コンテンツ情報の解析範囲がさらに狭くなるので、コンテンツの選択がさらに容易になる。また、各再生期間で統一性のあるコンテンツの一部を選択的に再生することも可能になる。
また、上記再生装置は、上記再生手段が再生しているコンテンツを示す情報を含む選択対象コンテンツ情報から該コンテンツを選択するときの解析範囲を示す情報、及び上記再生手段の該コンテンツの再生位置を示す情報の少なくとも何れかを含む情報を上記解析範囲特定情報として生成する特定情報生成手段を備えていることが好ましい。
上記の構成によって生成した生成した解析範囲特定情報を参照することにより、再生手段が再生しているコンテンツの選択対象コンテンツ情報から該コンテンツを選択するときの解析範囲、及び再生手段の再生位置の少なくとも何れかを特定することができる。
したがって、上記のようにして生成した解析範囲特定情報を参照することにより、再生手段が再生していたコンテンツを、再生手段が再生していた再生位置から再生することも可能になる。また、コンテンツの選択の際の解析範囲は、解析範囲特定情報によって絞り込まれるので、コンテンツの選択も容易に行うことができる。
また、上記再生装置は、上記解析範囲特定情報生成手段が生成した解析範囲特定情報を他の機器に送信して、該他の機器に上記コンテンツを再生させる特定情報送信手段を備えていることが好ましい。
上述のように、解析範囲特定情報生成手段が生成した解析範囲特定情報を参照することによって、絞り込まれた解析範囲の解析により、再生手段が再生していたコンテンツを、再生手段が再生していた再生位置から再生することも可能になる。つまり、上記の構成によれば、再生手段の再生状態を他の機器に容易に引き継がせることができる。
ここで、従来の技術では、〔発明が解決しようとする〕に示した課題の他に、1つのMPDに基づくコンテンツの再生中に、他のMPDに対応するコンテンツへと再生対象を切り替えることができないという問題があった。このような切り替え再生を行うことができれば、コンテンツ再生のバリエーションを増やすことができるので望ましい。
なお、これは、MPDに基づいてコンテンツを選択・再生する場合に限られず、取得可能なコンテンツの選択候補を示す選択用情報を参照してコンテンツを選択する場合に共通して生じる問題点である。
本発明の目的の1つは、コンテンツの選択用情報を用いてコンテンツを再生しているときに、他の選択用情報に対応するコンテンツに再生対象を切り替えることのできる再生装置等を提供することにある。
また、上記実施形態に記載の生成装置は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を生成する生成装置であって、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定するための特定情報を生成する特定情報生成手段と、上記特定情報生成手段が生成した特定情報を含む選択対象コンテンツ情報を生成する生成手段とを備えていることを特徴としている。
そして、上記実施形態に記載の生成装置の制御方法は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を生成する生成装置の制御方法であって、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定するための特定情報を生成するステップと、上記ステップで生成した特定情報を含む選択対象コンテンツ情報を生成するステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定するための特定情報を含む選択対象コンテンツ情報が生成される。
したがって、コンテンツの再生装置は、この選択対象コンテンツ情報を参照することにより、ある再生期間に再生するコンテンツを選択することができると共に、上記特定情報に従って、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを容易に選択することができる。
また、上記実施形態に記載の記録媒体は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、上記選択対象コンテンツ情報は、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定する特定情報を含み、再生装置が、上記選択対象コンテンツ情報を参照して、ある再生期間に再生するコンテンツを選択すると共に、上記特定情報に従って、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを選択することを特徴としている。
この記録媒体から選択対象コンテンツ情報を読み出した再生装置は、ある再生期間に再生するコンテンツを選択することができると共に、上記特定情報に従って、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを容易に選択することができる。
また、上記実施形態に記載のデータ構造は、取得可能なコンテンツを示す情報をコンテンツの再生期間毎に含む選択対象コンテンツ情報のデータ構造であって、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定する特定情報を含み、再生装置が、上記選択対象コンテンツ情報を参照して、ある再生期間に再生するコンテンツを選択すると共に、上記特定情報に従って、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを選択することを特徴としている。
上記のデータ構造は、ある再生期間で選択したコンテンツに対応する、次に再生対象となる再生期間で再生すべきコンテンツを特定する特定情報を含んでいるため、再生装置は、このデータ構造を利用することにより、ある再生期間に再生するコンテンツを選択することができると共に、上記特定情報に従って、次に再生対象となる再生期間で再生するコンテンツを容易に選択することができる。
また、上記ある再生期間で選択したコンテンツは、複数の再生期間に跨るメインコンテンツの一部であり、上記特定情報で特定されるコンテンツは、上記メインコンテンツの直前、直後、または途中に挿入して再生されるコンテンツであってもよい。
上記のデータ構成によれば、複数の再生期間に跨るメインコンテンツの直前、直後、または途中に挿入して再生されるコンテンツが特定情報で特定されている。したがって、このデータ構造を利用する再生装置は、メインコンテンツの直前、直後、または途中に、別のコンテンツを挿入して再生する。これは、例えばメインコンテンツ中にCMコンテンツを挿入する場合に好適である。
上記実施形態に記載の再生装置は、上記の問題点を解決するために、再生対象コンテンツを構成する各部分コンテンツの選択候補を示す選択用情報(選択対象コンテンツ情報)を参照して選択した各部分コンテンツを取得し、取得した各部分コンテンツを再生する再生装置であって、上記選択用情報は、上記再生対象コンテンツの代わりに再生する切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツの選択候補を示す切替先選択用情報を指定する切替先指定情報を含み、上記再生対象コンテンツの再生中に、上記切替先指定情報で指定される切替先選択用情報を参照して、上記切替先コンテンツを構成する部分コンテンツの少なくとも一部を選択する選択手段と、上記選択手段が選択した上記部分コンテンツを取得し、上記再生対象コンテンツの代わりに再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
また、上記実施形態に記載の再生装置の制御方法は、上記課題を解決するために、再生対象コンテンツを構成する各部分コンテンツの選択候補を示す選択用情報(選択対象コンテンツ情報)を参照して選択した各部分コンテンツを取得し、取得した各部分コンテンツを再生する再生装置の制御方法であって、上記選択用情報は、上記再生対象コンテンツの代わりに再生する切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツの選択候補を示す切替先選択用情報を指定する切替先指定情報を含み、上記再生対象コンテンツの再生中に、上記切替先指定情報で指定される切替先選択用情報を参照して、上記切替先コンテンツを構成する部分コンテンツの少なくとも一部を選択する選択ステップと、上記選択ステップで選択した上記部分コンテンツを取得し、上記再生対象コンテンツの代わりに再生する再生ステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、コンテンツを再生するために用いる選択用情報に、切替先コンテンツを再生するために用いる切替先選択用情報を指定する切替先指定情報が含まれている。そして、選択用情報に基づいて再生対象コンテンツを再生しているときに、その選択用情報に含まれている切替先指定情報で指定される切替先選択用情報を用いて切替先コンテンツの部分(部分コンテンツ)を選択し、選択した部分コンテンツを取得して再生する。
すなわち、上記の構成によれば、選択用情報によって、該選択用情報に対応する再生対象コンテンツと、切替先選択用情報に対応する切替先コンテンツとをリンクさせ、再生中のコンテンツから切替先コンテンツに再生対象を切り替えることができる。
また、上記切替先指定情報は、上記切替先コンテンツの再生位置を指定する再生位置指定情報を含み、上記選択手段は、上記切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツのうち、上記再生位置指定情報で指定される再生位置に対応する部分コンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、切替先指定情報は、切替先コンテンツの再生位置を指定する再生位置指定情報を含み、この情報で指定される再生位置に対応する部分コンテンツを選択する。これにより、再生していたコンテンツから、上記再生位置に対応する切替先コンテンツの部分コンテンツに再生対象が切り替わる。すなわち、上記の構成によれば、再生位置指定情報で指定した再生位置から切替先コンテンツを再生することができる。
また、上記選択用情報は、上記コンテンツの再生期間毎に該再生期間に応じた再生位置を指定する上記再生位置指定情報を含み、上記選択手段は、上記切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツのうち、上記再生手段が再生している上記コンテンツの再生期間に対応する再生位置指定情報で指定される再生位置に対応する部分コンテンツを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツのうち、再生中のコンテンツの再生期間に対応する再生位置指定情報で指定される再生位置に対応する部分コンテンツを選択する。したがって、再生中のコンテンツの再生期間に応じた再生位置から、切替先コンテンツを再生することができる。
また、上記コンテンツ及び切替先コンテンツを構成する各部分コンテンツは、何れも複数のセグメントで構成されており、上記選択用情報は、上記コンテンツを構成する各セグメントを識別する識別情報を含み、上記切替先選択用情報は、上記切替先コンテンツを構成する各セグメントを識別する識別情報を含み、上記再生位置指定情報は、上記再生手段が再生している上記コンテンツのセグメントに対応する識別情報を含む、切替先コンテンツのセグメントを示す情報であり、上記選択手段は、上記再生位置指定情報が示すセグメントを選択することが好ましい。
上記の構成によれば、切替先コンテンツの部分コンテンツを構成するセグメントによって、再生位置が指定される。したがって、切替先コンテンツを構成する部分コンテンツで再生位置を指定する場合と比べて、再生位置を精密に指定することができる。
また、上記切替先コンテンツは、上記コンテンツと内容が同一で再生速度が異なっているコンテンツであり、識別情報が対応するセグメントについては、内容が同一で再生速度が異なるものとなるように、上記選択用情報に含まれる識別情報と、上記切替先選択用情報に含まれる識別情報とが設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、切替先コンテンツは、再生中のコンテンツと内容が同一で再生速度が異なっているコンテンツであり、識別情報が対応するセグメントについては、内容が同一で再生速度が異なるものとなるように、上記選択用情報に含まれる識別情報と、上記切替先選択用情報に含まれる識別情報とが設定されている。
したがって、切替先コンテンツに切り替えたときには、それまでに再生していたコンテンツと内容が同一で再生速度が異なるセグメントが再生される。すなわち、上記の構成によれば、コンテンツの再生中に再生速度を切り替えるトリック再生が可能になる。
なお、上記再生装置及び上記生成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記再生装置及び上記生成装置の各手段として動作させることにより、上記再生装置及び上記生成装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。