WO2012020836A1 - Rrm2のアンタゴニストを有効成分として含有するc型肝炎治療剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、RRM2のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを発現するベクター、及び該オリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させてRRM2の発現を阻害する方法を提供することを課題とする。本発明者らは、上記課題を解決するために、まず、HCVウイルスのIRES領域に結合し、HCVウイルスの複製に重要な役割を持つとされてきたリボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニットに対しRNAi活性を示すsiRNA配列を同定した。そして、それらsiRNAをHCV持続感染細胞にリバーストランスフェクションして、レプリコン細胞障害活性を測定したところ、本発明のsiRNAは有意なHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった。
Description
本発明は、リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニット(以下RRM2と記載することもある)のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを発現するベクター、及び該オリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させてRRM2の発現を阻害する方法に関する。
C型肝炎ウイルス(以下「HCV」という)は、輸血後の非A非B型肝炎の主要な原因ウイルスであり、その遺伝子のcDNAは1989年にクローニングされた。これまでにクローニングされた遺伝子cDNAを用いてHCVに関する多くの研究が行われており、特に感染予防並びに診断法の確立など社会的に重要な成果が達成され、現在では輸血後のHCV感染はほとんど認められない状況に至っている。しかしながら、世界中のHCV感染者数は全人口の数%にもおよぶとされている。
HCV感染に起因する肝炎は長期慢性化する特徴があり、これに伴い慢性肝炎を引き起こし、その後肝硬変、さらに肝癌に移行する割合が非常に高いことが知られており、HCV感染後の肝炎の確実な治療が重要な課題となっている。
C型慢性肝炎の治療法については、インターフェロン(IFN)療法が広く施行されているが、有効率が約30%であること、高頻度に発熱などの副作用が誘導されること、高薬価であることなどの問題が存在している。IFNの種類、用法・用量の検討もなされ、コンセンサスIFNの開発などにより有効率の向上も期待され、また、IFNとリバビリンなどの抗ウイルス剤の併用による治療も試みられているが、現在までのところいずれも確実な治療法には至っていない。
一方、近年、動物の生体内における細胞内での特定の遺伝子の発現を抑制する方法として、標的遺伝子に対する二本鎖RNAを用いて標的遺伝子の発現を抑制する方法が見出された(非特許文献1)。この方法はRNAインターフェアランス(RNAi)と呼ばれ、二本鎖RNA(dsRNA)を細胞内に導入した際に、そのRNA配列に対応する細胞内のmRNAが特異的に分解され、そのmRNAによってコードされる蛋白質が発現されなくなる現象をいう。RNAiは、新規遺伝子の機能を遺伝子発現阻害により調べる上で有効な方法であり、線虫、ショウジョウバエなどで遺伝子機能解析に盛んに用いられている。
HCVの翻訳開始・蛋白質合成には、5’非翻訳領域とコア領域の一部を含むインターナル・リボソーム・エントリー・サイト(Internal Ribosomal Entry Site : IRES)が重要な役割を果たしていることが知られている(非特許文献2)。HCVの複製に重要な役割を果たしているIRES領域にはステムループを形成するステム領域など高次構造が多く存在する。HCVの5’非翻訳領域やIRES、ステム領域については既に多くの報告がある(非特許文献2~12)。IRES領域はこのようにHCVの複製にとって重要な遺伝子領域であり、その1次構造(核酸塩基配列)が遺伝子型の異なるHCVにおいても、よく保存されている。
これまで、RNAi活性を示すsiRNAを用いることによりRRM2の発現を抑制させ、癌細胞(例えば膵臓癌細胞)の増殖を抑制させる試みが行われてきた(非特許文献13~16)。
しかしながら、RRM2を標的としたsiRNAを用いて、C型肝炎ウイルスの増殖を抑制させる試みはこれまで行われてこなかった。
しかしながら、RRM2を標的としたsiRNAを用いて、C型肝炎ウイルスの増殖を抑制させる試みはこれまで行われてこなかった。
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本発明は、以上の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、RRM2のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを発現するベクター、並びに該オリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させてRRM2の発現を阻害する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を行った。
まず、リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニットに対しRNAi活性を示すsiRNA配列を同定した。
まず、リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニットに対しRNAi活性を示すsiRNA配列を同定した。
そして、それらsiRNAをHCV持続感染細胞にリバーストランスフェクションして、レプリコン細胞障害活性を測定したところ、本発明のsiRNAは有意なHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった。
即ち、HCV複製阻害活性を有する、新たなsiRNAの作製に成功し、これにより本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下〔1〕~〔13〕の発明に係るものである。
〔1〕リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニット(RRM2)のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤。
〔2〕前記アンタゴニストが、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチドである〔1〕記載のC型肝炎治療剤。
〔3〕前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである〔2〕記載のC型肝炎治療剤。
〔4〕前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである〔3〕記載のC型肝炎治療剤。
〔5〕前記オリゴリボヌクレオチドが、下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチドである〔2〕記載のC型肝炎治療剤
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域。
〔6〕前記オリゴリボヌクレオチドが、
(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAであるオリゴリボヌクレオチドである、〔2〕又は〔5〕記載のC型肝炎治療剤。
〔7〕RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド。
〔8〕配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである、〔7〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔9〕配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである、〔7〕又は〔8〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔10〕下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする〔7〕記載のオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域。
〔11〕(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAである、〔7〕又は〔10〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔12〕〔8〕~〔11〕のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドを発現するベクター。
〔13〕〔8〕~〔11〕のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させて、RRM2遺伝子の発現を阻害する方法。
〔1〕リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニット(RRM2)のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤。
〔2〕前記アンタゴニストが、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチドである〔1〕記載のC型肝炎治療剤。
〔3〕前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである〔2〕記載のC型肝炎治療剤。
〔4〕前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである〔3〕記載のC型肝炎治療剤。
〔5〕前記オリゴリボヌクレオチドが、下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチドである〔2〕記載のC型肝炎治療剤
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域。
〔6〕前記オリゴリボヌクレオチドが、
(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAであるオリゴリボヌクレオチドである、〔2〕又は〔5〕記載のC型肝炎治療剤。
〔7〕RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド。
〔8〕配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである、〔7〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔9〕配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである、〔7〕又は〔8〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔10〕下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする〔7〕記載のオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域。
〔11〕(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAである、〔7〕又は〔10〕記載のオリゴリボヌクレオチド。
〔12〕〔8〕~〔11〕のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドを発現するベクター。
〔13〕〔8〕~〔11〕のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させて、RRM2遺伝子の発現を阻害する方法。
本発明によって、配列特異的にRRM2に結合し、HCVの複製を阻害するオリゴリボヌクレオチド、及びこれらを有効成分とするC型肝炎治療剤が提供され、HCVの新規な治療法の提供が可能となった。
本発明は、リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニット(RRM2)のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤に関する。本発明のアンタゴニストは、RRM2のHCVのIRES領域への結合を阻害するものである限り、特に限定されるものではなく、RRM2に結合する抗体(抗RRM2抗体)、RRM2の発現を阻害する物質、HCVのIRES領域に結合する抗体、RRM2部分ペプチド、HCVのIRES領域の部分ペプチド、これらと同様の活性を示す低分子化合物、アンチセンス等を例示することができる。本発明においてRRM2アンタゴニストの好ましい例として、RRM2に対して配列特異的に結合し、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチドを挙げることができる。
本発明のRRM2に対して配列特異的に結合するオリゴリボヌクレオチドは、糖としてリボースを有するオリゴリボヌクレオチドであり、塩基としては、天然のリボヌクレオチド中に存在するアデニン、グアニン、シトシン、ウラシルの他、チミン、並びに他の修飾塩基等を含むものも包含する。本発明のオリゴリボヌクレオチドは、RRM2に配列特異的に結合可能なオリゴリボヌクレオチドであれば特に制限されないが、HCVの複製能を阻害するオリゴリボヌクレオチドであることが好ましい。RRM2に配列特異的に結合可能なオリゴリボヌクレオチドとしては、例えば、RRM2の配列と相補的な配列を有するオリゴリボヌクレオチド、RRM2の配列と相補的な配列と高い相同性を示す配列を有するオリゴリボヌクレオチド、RRM2の配列を有するオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なオリゴリボヌクレオチド等を挙げることができる。尚、本発明は特定の理論に拘束されるものではないが、本発明の好ましい一態様であるsiRNAは、細胞内で標的遺伝子にハイブリダイズしてダイサーを介して標的遺伝子を切断するものであり、標的遺伝子は19~25ntの長さに切断されると考えられている。一方、本発明の他の態様であるアンチセンス核酸は、標的遺伝子にハイブリダイズしてIFNを誘導し、RNaseを活性化することによって標的遺伝子を分解すると考えられる。あるいは、結合によって標的RNAの構造変化を起こして翻訳を阻害すると考えられている。また、本発明において、RRM2の配列とは、RRM2のゲノムRNA(-鎖)の配列、ゲノムRNAから転写されたmRNA(+鎖)の配列のいずれでも良いが、好ましくは+鎖の配列である。
尚、本明細書において、siRNAとは、オリゴリボヌクレオチドの中でも、その長さが19~25nt(19~25bp)のものをいう。siRNAが二本鎖を形成している場合、一方または双方が突出末端を有していても良い。
本発明において高い相同性とは、70%以上の相同性であり、好ましくは80%以上の相同性であり、さらに好ましくは90%以上の相同性(例えば95%以上の相同性)である。塩基配列の相同性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877, 1993)等によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいて、BLASTNやBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al. J. Mol. Biol. 215: 403-410, 1990)。BLASTに基づいてBLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターはたとえばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTに基づいてBLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターはたとえばscore=50、wordlength=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
ハイブリダイゼーション技術は当業者によく知られた技術であり(例えばSambrook,J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9. 47-9. 58, Cold Spring Harbor Lab.press, 1989、など)、ストリンジェントな条件も当業者であれば適宜選択することが可能である。本発明において、ストリンジェントな条件の例としては、例えば、ハイブリダイゼーション後の洗浄において42℃、5×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、5×SSC、0.1%SDSの条件であり、さらに好ましくは65℃、0.1×SSC及び0.1%SDSの条件である。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは一本鎖であっても、二本鎖であってもよく、又、さらに二本以上の複数の鎖から形成されていてもよいが、好ましいのは二本鎖である。二本鎖は独立した2本の鎖から形成されていてもよいし、又、自己相補的な一本鎖RNA中で形成される二本鎖であってもよく、この場合、一分子でステムループ構造を形成することができる。オリゴリボヌクレオチドが二本鎖の場合、全ての領域において二本鎖を形成していてもよいし、一部の領域(例えば両末端又は片方の末端など)が一本鎖等の他の構造を形成していてもよい。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは、RRM2への配列特異的結合能を有していればよく、その長さは限定されない。本発明のオリゴリボヌクレオチドの長さとしては、例えば、5~1000塩基(二本鎖の場合には、5~1000bp)であり、好ましくは10~100塩基(二本鎖の場合には、10~100bp)であり、さらに好ましくは15~25塩基(二本鎖の場合には、15~25bp)であり、特に好ましくは19~25塩基(二本鎖の場合には、19~25bp)である。
本発明において好ましいオリゴリボヌクレオチドは、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドであり、特に好ましいものとして配列番号:1に示すヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチドが挙げられる。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAであってもよい。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域に対するアンチセンスRNAをコードするDNA(以下、アンチセンスコードDNAという)と、標的遺伝子mRNAのいずれかの領域のセンスRNAをコードするDNA(以下、センスコードDNAという)より発現させることができる。また、これらのアンチセンスRNA及びセンスRNAよりdsRNAを作成することもできる。アンチセンスRNA及びセンスRNAの組み合わせとしては、以下の配列番号に示すヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチドの組み合わせを挙げることができる。
配列番号:1及び8、配列番号:2及び5、配列番号:3及び6、配列番号:4及び7。
配列番号:1及び8、配列番号:2及び5、配列番号:3及び6、配列番号:4及び7。
dsRNAにおけるRNA同士が対合した二重鎖RNAの部分は、完全に対合しているものに限らず、ミスマッチ(対応する塩基が相補的でない)、バルジ(一方の鎖に対応する塩基がない)などにより不対合部分が含まれていてもよい。
本発明のsiRNAの末端構造は、RRM2遺伝子の発現をRNAi効果により抑制し得るものであれば、平滑末端あるいは粘着(突出)末端のいずれでもよい。また、粘着(突出)末端構造は、3'末端側が突出している構造だけでなく、上記RNAi効果を誘導し得る限り5'末端側が突出している構造も含めることができる。また、突出する塩基数は、すでに報告がある2,3塩基に限定されず、RNAi効果を誘導し得る塩基数とすることができる。例えば、この塩基数としては、1~8塩基、好適には、2~4塩基とすることができる。また、この突出している配列部分は、RRM2遺伝子の転写産物との特異性が低いため、標的であるRRM2遺伝子転写物の配列と相補的(アンチセンス)配列あるいは同じ(センス)配列である必要は必ずしもない。
本発明において好ましい更に他のオリゴリボヌクレオチドとして、例えば上記(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチドを挙げることができる。
また、本発明において好ましい更に他のオリゴリボヌクレオチドとして、
(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、からなる二本鎖RNAであるオリゴリボヌクレオチドを挙げることができる。
(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、からなる二本鎖RNAであるオリゴリボヌクレオチドを挙げることができる。
当業者であれば、これらのオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域を容易に決定することができる。これらのオリゴリボヌクレオチドの例として、例えば上記配列番号:1~4のいずれかに示すヌクレオチド配列において、7個以下、好ましくは5個以下、より好ましくは3個以下のヌクレオチドが欠失、置換、付加されたヌクレオチド配列からなり、かつRRM2のRNAとハイブリダイズすることによってHCVの複製を阻害し得るものが挙げられる。
RRM2の配列に関する情報は、当業者においてGenBankなどの公知の遺伝子データベースから取得することができる。例えば、ヒトの配列のGenBankのアクセス番号はNM_001034、マウスの配列のGenBankのアクセス番号はNM_009104、ラットの配列のGenBankのアクセス番号はNM_001025740である。
遺伝子型の異なる複数のRRM2に対応する為には、遺伝子型の異なる複数種のRRM2遺伝子配列の中で相同性が高い領域をターゲットにすることが好ましい。ここで、遺伝子型の異なる複数のRRM2遺伝子配列の中で相同性が高い領域とは、複数種のRRM2のRNA配列がお互いに80%以上の相同性、好ましくは90%以上の相同性、さらに好ましくは95%以上の相同性を有する領域である。そのような領域は、10塩基以上の長さを有していることが好ましく、さらに好ましくは15塩基以上、特に好ましくは20塩基以上の長さを有する。ここで、複数種のRRM2とは、通常、3種類以上のRRM2、好ましくは5種類以上、特に好ましくは10種類以上のRRM2のことをいう。遺伝子配列の相同性は、対象となる複数種の遺伝子の配列を比較し、上述したアルゴリズム等を用いて計算することができる。
例えば、ヒト、マウス、ラットで100%の相同性がある領域をターゲットにすることができ、このような領域としてNM_001034記載の配列番号で493-524位に示される領域を用いることができる。
本発明で用いられるオリゴリボヌクレオチドは、修飾されていない通常のRNAの構成を有するものの他に、リン酸ジエステル部や糖部などを修飾した修飾RNAなどを用いることも可能であり、特に限定されるものではない。又、本発明のオリゴリボヌクレオチドは、その一部分にデオキシリボヌクレオチドなどのリボヌクレオチドでない分子を含んでいてもよい。
また、本発明においては、オリゴリボヌクレオチドの代わりにペプチド核酸(PNA)などを用いてもよい。PNAは当業者によく知られた技術であり(Nielsen Peter E., Methods in Molecular Biology, 208, 3-26,(2002)、Braasch Dwaine A et al., Biochemistry, 41(14), 4503-4510, (2002)、Koppelhus Uffe et al., Antisense Drug Technology, 359-374, (2001)、Nielsen Peter E., Methods in Enzymology, 340, 329-340,(2001))、上記オリゴリボヌクレオチドと同様に、配列特異的にRRM2に結合し得るものを製造できる。本発明において好適なペプチド核酸の長さとしては、例えば、5~1000塩基(二本鎖の場合には、5~1000bp)であり、好ましくは10~100塩基(二本鎖の場合には、10~100bp)であり、さらに好ましくは15~25塩基(二本鎖の場合には、15~25bp)であり、特に好ましくは19~25塩基(二本鎖の場合には、19~25bp)である。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは当業者に公知の方法で作製することが可能である。
また本発明のsiRNAとして、ステルス(商標)RNAi(Invitrogen社製)を用いることができる。
また本発明のsiRNAとして、ステルス(商標)RNAi(Invitrogen社製)を用いることができる。
本発明のオリゴリボヌクレオチドを継続的に発現させる場合には、本発明のオリゴリボヌクレオチドを発現するベクターを作製してもよい。ベクターは当業者に公知の方法で作製することが可能である。例えば、Nature Biotech(2002)19, 497-500に記載されたもの等の公知のベクターに本発明のオリゴリボヌクレオチドをコードする遺伝子を導入することにより作製することが可能である。本発明のオリゴリボヌクレオチドの発現のために好適なプロモーターとしては、特に限定するものではないが、T7プロモーター、tRNAプロモーター、U6プロモーター等が挙げられる。
本発明のsiRNAは、アンチセンスコードDNA及びセンスコードDNAを用いて、細胞内で発現させることもできる(以下、アンチセンスコードDNA及びセンスコードDNAを本発明DNAと略称する。)。上記「アンチセンスコードDNA」及び「センスコードDNA」は、プロモーターと共にそのまま細胞内の染色体に導入し、細胞内でアンチセンスRNA、センスRNAを発現させsiRNAを形成させることもできるが、効率的な細胞導入などを行うために、上記siRNA発現システムをベクターに保持させることが好ましい。ここで用いることができる「ベクター」は、導入したい細胞などに対応して選択することができる。例えば、哺乳動物細胞では、例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、レンチウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、アルファウイルスベクター、EBウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、フォーミーウイルスベクターなどのウイルスベクターやカチオニックリポソーム、リガンドDNA複合体、ジーンガンなどの非ウイルスベクターなどが挙げられるが(Y. Niitsuら, Molecular Medicine 35: 1385-1395 (1998))、これらに限定されるものではない。また、ウイルスベクターではなく、ダンベル型DNA(Zanta M.A. et al., Gene delivery: a single nuclear localization signal peptide is sufficient to carry DNA to the cell nucleus. Proc Natl Acad Sci U S A. 1999 Jan 5;96(1):91-6)、ヌクレアーゼ耐性を持つような修飾DNA、またはnaked plasmidもまた好適に用いることができる(Liu F, Huang L. Improving plasmid DNA-mediated liver gene transfer by prolonging its retention in the hepatic vasculature. J. Gene Med. 2001 Nov-Dec;3(6):569-76)。
本発明のsiRNAをコードするDNAを、ベクター等に保持させる場合の構成としては、同一のベクターからアンチセンスRNA鎖、センスRNA鎖を発現させる場合と、異なるベクターからそれぞれアンチセンスRNA鎖、センスRNA鎖を発現させる場合がある。例えば、同一のベクターからアンチセンスRNA鎖、センスRNA鎖を発現させる構成としては、アンチセンスコードDNA及びセンスコードDNAの上流にそれぞれpolIII系のような短いRNAを発現し得るプロモーターを連結させたアンチセンスRNA発現カセット、センスRNA発現カセットをそれぞれ構築し、これらカセットを同方向にあるいは逆方向にベクターに挿入することにより構成することができる。また、異なる鎖上に対向するようにアンチセンスコードDNAとセンスコードDNAと逆向きに配置した発現システムを構成することもできる。この構成では、アンチセンスRNAコード鎖とセンスRNAコード鎖とが対となった一つの二本鎖DNA(siRNAコードDNA)が備えられ、その両側にそれぞれの鎖からアンチセンスRNA、センスRNAとを発現し得るようにプロモーターを対向して備えられる。この場合には、センスRNA、アンチセンスRNAの下流に余分な配列が付加されることを避けるために、それぞれの鎖(アンチセンスRNAコード鎖、センスRNAコード鎖)の3'末端にターミネーターをそれぞれ備えることが好ましい。このターミネーターは、A(アデニン)塩基を4つ以上連続させた配列などを用いることができる。また、このパリンドロームスタイルの発現システムでは、二つのプロモーターの種類を異ならせることが好ましい。
ベクターに挿入する本発明のsiRNAをコードするDNAとしては、標的配列のインバーテッドリピートの間に適当な配列(イントロン配列が望ましい)を挿入し、ヘアピン構造を持つダブルストランドRNA(self-complementary ‘hairpin’ RNA(hpRNA))を作るようなコンストラクト(Smith, N.A. et al. Nature, 407:319, 2000、Wesley, S.V. et al. Plant J. 27:581, 2001、Piccin, A. et al. Nucleic Acids Res. 29:E55, 2001)を用いることもできる。
また、異なるベクターからアンチセンスRNA、センスRNAを発現させる構成としては、例えば、アンチセンスコードDNA及びセンスコードDNAの上流にそれぞれ polIII系のような短いRNAを発現し得るプロモーターを連結させたアンチセンスRNA発現カセット、センスRNA発現カセットをそれぞれ構築し、これらカセットを異なるベクターに保持させることにより構成することができる。
即ち、本発明における「siRNA(二重鎖RNA)をコードするDNA」は、siRNAの双方の鎖をコードする一つのDNAであっても、それぞれの鎖をコードする2つのDNAの組合せであってもよい。また、「siRNA(二重鎖RNA)をコードするDNAが挿入されたベクター」は、siRNAのそれぞれの鎖を2つの転写産物として発現する一つのベクターであっても、siRNAの双方の鎖を1つの転写産物として発現する一つのベクターであってもよく、また、siRNAのそれぞれの鎖を発現する2つのベクターであってもよい。
RNAiに用いるDNAは、標的遺伝子と完全に同一である必要はないが、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上(例えば、96,97,98,99%以上)の配列の相同性を有する。塩基配列の相同性は、上記に記載のアルゴリズムBLASTによって決定することができる。
本発明のオリゴリボヌクレオチドは、RRM2の複製を阻害し、HCVの増殖を抑制することが可能であるので、C型肝炎の治療剤として有用である。この場合、RRM2に対応する複数種類のオリゴリボヌクレオチドを同時に使用しても良い。
治療に用いる場合、細胞内でそのまま機能し得る形態で投与することもできる。この場合、オリゴリボヌクレオチドの長さは19~25塩基程度とすることが最適である。また細胞内のプロセシングを経て機能し得るものを投与することもできる。この場合には、目的とする配列を含むより長い配列を有するオリゴリボヌクレオチドを投与することができる。細胞内に取り込まれた二本鎖RNA(dsRNA)はダイサー(Dicer)と呼ばれる酵素によって21mer前後に分解されてsiRNA(short-interfering RNA)となり、RISC(RNA-induced Silencing Complex)と呼ばれる複合体を作り、ゲノムから転写された特定の塩基配列を持ったRNAを破壊する(Bernstein,E.ら,Nature,409:363-366,2001;Hammond,S.M.ら,Nature,404:293-296,2000)。あるいはまた、市販のダイサーを用いて予めsiRNAをin vitroで調製して用いることもできる。
細胞、又は細胞培養物、組織、もしくは胚のような細胞集団へsiRNAを送達するには、様々な方法を用いることが可能である。例えば、RNAは直接的に細胞内に導入され得る。マイクロインジェクションによる投与のような様々な物理的方法が、一般に、そのような場合において使用される。細胞送達のためのその他の方法としては、siRNAの存在下での細胞膜の透過性化及び電気穿孔、リポソーム媒介トランスフェクション、又はリン酸カルシウムのような化学物質を使用したトランスフェクションが含まれる。多数の確立された遺伝子治療技術を、細胞へsiRNAを導入するために使用してもよい。ウイルス粒子へウイルス構築物を導入することによって、例えば、発現構築物の細胞への導入、及び構築物によってコードされたRNAの転写が、効率的に達成される。
本発明のオリゴリボヌクレオチドを有効成分とするC型肝炎治療剤は、必要に応じて、製薬上許容される賦形剤、等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、無痛化剤等を加えて錠剤、散財、顆粒剤、カプセル剤、リポソームカプセル剤、注射剤、液剤、点鼻剤などの医薬組成物として調製することができ、さらに凍結乾燥剤とすることができる。これらは常法にしたがって調製することができる。又、本発明のオリゴリボヌクレオチドを発現するベクターを投与することも可能である。
HCVは霊長類以外に感染しないため、一部のキメラマウスを除いて、in vivoでの適正なHCV複製抑制活性の評価系が存在しない。HCV複製抑制活性の評価には、in vitro評価系として知られているHCVレプリコン細胞(Lohmann V. et al.、 "Science"、 1999年、 第285巻、 p.110-113参照)を用いる。HCVレプリコン細胞は、ウイルス粒子を構成するコアとエンベロープの構造タンパク質翻訳領域、及びウイルスゲノム複製などに機能する非構造タンパク質翻訳領域からなる。HCVレプリコン細胞は、この非構造領域部分を利用している。この系でのHCV RNA複製のメカニズムは、肝細胞に感染した全長HCV RNAゲノムの複製と同一であると考えられている。従って、この系は、HCVの複製を阻害する化合物の同定に有用な細胞に基づくアッセイ系ということができ、さらにレプリコンアッセイによって抗HCV薬を容易に評価することができる。
本発明のオリゴリボヌクレオチドの投与経路は特に限定するものではないが、好ましくは患者の患部に直接適用するか、又は血管内に投与するなどして結果的に患部に到達し得るように患者に適用する。さらには、持続性、膜透過性を高める封入素材を用いることもできる。例えば、リポソーム、ポリ-L-リジン、リピッド、コレステロール、リポフェクチン又はこれらの誘導体が挙げられる。
本発明のオリゴリボヌクレオチドの投与量は、患者の状態に応じて適宜調整し、好ましい量を用いることができる。例えば、0.001~100 mg/kg、好ましくは0.1~10 mg/kgの範囲で投与することができるが、特に限定するものではない。
本発明は更に、上記本発明のオリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させて、RRM2の発現を阻害する方法を提供する。本発明の方法は、in vivo及びin vitroの双方でRRM2を含むか、または含むおそれのあるサンプルと本発明のオリゴリボヌクレオチドとを接触させることを含む。RRM2の発現の阻害の有無は、当分野で通常用いられる方法によって検出することができる。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
なお本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
1. 材料と方法
1.1 siRNA合成
目的のRRM2遺伝子に対してsiRNAの配列を設計し、Silencer siRNA Construction Kit(Ambion cat. no. 1620)のプロトコールに従い、3’末端にT7プロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドを合成した。鋳型となる各オリゴヌクレオチドを100μM に調製後、T7プライマーとハイブリダイズさせ、その後Klenow酵素にて2本鎖DNAとしてT7プロモーターを用いて転写させた。合成されたRNAを各々の相補鎖とアニーリングさせて2本鎖RNAとし、siRNAを作成した。RRM2-2-siRNAの相補鎖として配列番号:5に示す配列、RRM2-3-siRNAの相補鎖として配列番号:6に示す配列、HCV R5-siRNAの相補鎖として配列番号:7に示す配列を用いた。いずれのsiRNAも双方の3'末端側が2塩基突出した末端(突出末端)とした。尚、配列に付した下線は突出部を示す。
最終的に合成された15~30μg/reactionのsiRNAをRNase freeの水にて10μMに調製し、12% アクリルアミドゲル電気泳動にて21塩基の二本鎖RNAを確認後、使用時まで-80℃に保存した。
合成したsiRNA配列を以下に示す。
RRM2-2-siRNA: 5' - GAUUUAGCCAAGAAGUUCAGA - 3'(配列番号:2)
RRM2-3-siRNA: 5' - CGCGGCGCGGGAGAUUUAAAG - 3'(配列番号:3)
HCV R5-siRNA: 5' - GUCUCGUAGACCGUGCAUCAU - 3'(配列番号:4)
5' - UGAACUUCUUGGCUAAAUCGA - 3'(配列番号:5)
5' - UUAAAUCUCCCGCGCCGCGAG - 3'(配列番号:6)
5' - GAUGCACGGUCUACGAGACAU - 3'(配列番号:7)
〔実施例1〕
1. 材料と方法
1.1 siRNA合成
目的のRRM2遺伝子に対してsiRNAの配列を設計し、Silencer siRNA Construction Kit(Ambion cat. no. 1620)のプロトコールに従い、3’末端にT7プロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドを合成した。鋳型となる各オリゴヌクレオチドを100μM に調製後、T7プライマーとハイブリダイズさせ、その後Klenow酵素にて2本鎖DNAとしてT7プロモーターを用いて転写させた。合成されたRNAを各々の相補鎖とアニーリングさせて2本鎖RNAとし、siRNAを作成した。RRM2-2-siRNAの相補鎖として配列番号:5に示す配列、RRM2-3-siRNAの相補鎖として配列番号:6に示す配列、HCV R5-siRNAの相補鎖として配列番号:7に示す配列を用いた。いずれのsiRNAも双方の3'末端側が2塩基突出した末端(突出末端)とした。尚、配列に付した下線は突出部を示す。
最終的に合成された15~30μg/reactionのsiRNAをRNase freeの水にて10μMに調製し、12% アクリルアミドゲル電気泳動にて21塩基の二本鎖RNAを確認後、使用時まで-80℃に保存した。
合成したsiRNA配列を以下に示す。
RRM2-2-siRNA: 5' - GAUUUAGCCAAGAAGUUCAGA - 3'(配列番号:2)
RRM2-3-siRNA: 5' - CGCGGCGCGGGAGAUUUAAAG - 3'(配列番号:3)
HCV R5-siRNA: 5' - GUCUCGUAGACCGUGCAUCAU - 3'(配列番号:4)
5' - UGAACUUCUUGGCUAAAUCGA - 3'(配列番号:5)
5' - UUAAAUCUCCCGCGCCGCGAG - 3'(配列番号:6)
5' - GAUGCACGGUCUACGAGACAU - 3'(配列番号:7)
以下の配列についてはinvitorgenの示す方法にしたがって、ステルス(商標)RNAiを調製した(平滑末端)。
RRM2-1-siRNA: 5' - UGGAGCGAUUUAGCCAAGAAGUUCA - 3'(配列番号:1)
相補鎖としては、以下に示す配列を用いた。
5' - ACCUCGCUAAAUCGGUUCUUCAAGU - 3'(配列番号:8)
RRM2-1-siRNA: 5' - UGGAGCGAUUUAGCCAAGAAGUUCA - 3'(配列番号:1)
相補鎖としては、以下に示す配列を用いた。
5' - ACCUCGCUAAAUCGGUUCUUCAAGU - 3'(配列番号:8)
1.2 培養細胞株
本実施例では、レプリコン細胞を用いた(Lohmann et al., Science. 1999 Jul 2;285(5424):110-3)。
Huh-7細胞にルシフェラーゼ遺伝子とネオ遺伝子を融合させたユニット及び3種のHCVの非構造蛋白質領域(NS3~NS5b)を組み込んだHCVレプリコン細胞をG418で選択して樹立した。樹立にはFLR3-1、R6FLR-N(遺伝子型1b型:Nakagawa、S.ら、B.B.R.C.353、882-888、2006)及びJFH1(遺伝子型2a:Katoら、Gastroenterology、2003、125(6):1808-17)を用いた。本細胞ではHCVの複製活性はルシフェラーゼ活性で測定する事ができる。また、レプリコン細胞はDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM) GlutaMax I にPenicillin (100U/ml), Streptomycin(100μg/ml), G418(500μg/ml), 10% FCS (SIGMA社製) を加えて培養した。
また本実施例ではHCV持続感染細胞を用いた(Wakita et al., Nature Medicine.2005;11:791-796)。PCR断片を基につなげ合わせ、HCV全長cDNAクローンから合成したHCV全長RNAをHuh-7細胞に導入し樹立した。本細胞では細胞内でのウイルス遺伝子の複製、ウイルス粒子の産生、再感染を測定することができる。本細胞はDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM)に10% FCS (SIGMA社製) を加えて培養した。
本実施例では、レプリコン細胞を用いた(Lohmann et al., Science. 1999 Jul 2;285(5424):110-3)。
Huh-7細胞にルシフェラーゼ遺伝子とネオ遺伝子を融合させたユニット及び3種のHCVの非構造蛋白質領域(NS3~NS5b)を組み込んだHCVレプリコン細胞をG418で選択して樹立した。樹立にはFLR3-1、R6FLR-N(遺伝子型1b型:Nakagawa、S.ら、B.B.R.C.353、882-888、2006)及びJFH1(遺伝子型2a:Katoら、Gastroenterology、2003、125(6):1808-17)を用いた。本細胞ではHCVの複製活性はルシフェラーゼ活性で測定する事ができる。また、レプリコン細胞はDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM) GlutaMax I にPenicillin (100U/ml), Streptomycin(100μg/ml), G418(500μg/ml), 10% FCS (SIGMA社製) を加えて培養した。
また本実施例ではHCV持続感染細胞を用いた(Wakita et al., Nature Medicine.2005;11:791-796)。PCR断片を基につなげ合わせ、HCV全長cDNAクローンから合成したHCV全長RNAをHuh-7細胞に導入し樹立した。本細胞では細胞内でのウイルス遺伝子の複製、ウイルス粒子の産生、再感染を測定することができる。本細胞はDulbecco's modified Eagle's medium (DMEM)に10% FCS (SIGMA社製) を加えて培養した。
1.3 siRNAの抗レプリコン活性の測定
siRNAをリバーストランスフェクションして抗レプリコン活性を測定する場合には下記の様に行った。siRNA(RRM2-1-siRNA、HCV R5-siRNA コントロールsiRNA)の最終濃度が0.15, 0.5, 1.5, 4.5,13.5 nMとなるようにOpti-MEM培地を用いて希釈系列を作製し、96ウェルプレートの1ウェルあたり10μl添加した(図1)。
また、別の実験では、レプリコン細胞としてFLR3-1を用い、siRNA(RRM2-2-siRNA、RRM2-3-siRNA、コントロールsiRNA)の最終濃度において10nMを最高濃度とする3倍希釈系列をOpti-MEM培地を用いて作製し、96ウェルプレートの1ウェルあたり10μl添加した(図2)。
Lipofectamine RNAiMAX をOpti-MEM培地を用いて100倍希釈し、siRNAの入っているウェルの中に10μl入れ穏やかに混合し、10から20分室温に静置した。尚、コントロールとして、RNAiMAXのみと無処理のプレートをおいた。抗生物質の入っていない10%FCS含有DMEM培地で5x104個細胞/mlとなるように細胞を希釈し、ウェル当たり0.1ml添加した後、37℃、5%CO2で4時間培養し、その後培地を交換(10%FCS含有DMEM培地)した。37℃、5%CO2で72時間後にルシフェラーゼアッセイをするまで培養した。尚、コントロールsiRNAは、non-target siRNA #3 (Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
siRNAをリバーストランスフェクションして抗レプリコン活性を測定する場合には下記の様に行った。siRNA(RRM2-1-siRNA、HCV R5-siRNA コントロールsiRNA)の最終濃度が0.15, 0.5, 1.5, 4.5,13.5 nMとなるようにOpti-MEM培地を用いて希釈系列を作製し、96ウェルプレートの1ウェルあたり10μl添加した(図1)。
また、別の実験では、レプリコン細胞としてFLR3-1を用い、siRNA(RRM2-2-siRNA、RRM2-3-siRNA、コントロールsiRNA)の最終濃度において10nMを最高濃度とする3倍希釈系列をOpti-MEM培地を用いて作製し、96ウェルプレートの1ウェルあたり10μl添加した(図2)。
Lipofectamine RNAiMAX をOpti-MEM培地を用いて100倍希釈し、siRNAの入っているウェルの中に10μl入れ穏やかに混合し、10から20分室温に静置した。尚、コントロールとして、RNAiMAXのみと無処理のプレートをおいた。抗生物質の入っていない10%FCS含有DMEM培地で5x104個細胞/mlとなるように細胞を希釈し、ウェル当たり0.1ml添加した後、37℃、5%CO2で4時間培養し、その後培地を交換(10%FCS含有DMEM培地)した。37℃、5%CO2で72時間後にルシフェラーゼアッセイをするまで培養した。尚、コントロールsiRNAは、non-target siRNA #3 (Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
1.4 siRNAのレプリコン細胞障害活性の測定
96ウェルプレート(Falcon社製)に1.3で示す様にsiRNAを処理した後、72時間後は水溶性テトラゾリウム塩WST-8(特許2757348)を発色試薬として用いた細胞測定キット(Cell Counting Kit-8)試薬(DOJINDO社製)を10μl/ウェルで添加し、37℃で1時間反応後OD450(対照波長OD650)で測定した。
96ウェルプレート(Falcon社製)に1.3で示す様にsiRNAを処理した後、72時間後は水溶性テトラゾリウム塩WST-8(特許2757348)を発色試薬として用いた細胞測定キット(Cell Counting Kit-8)試薬(DOJINDO社製)を10μl/ウェルで添加し、37℃で1時間反応後OD450(対照波長OD650)で測定した。
1.5 Western blot法による蛋白質発現検出
6ウェルプレートのウェルに、最終濃度が5nMとなるようにOpti-MEM培地を用いて希釈したsiRNA(RRM2-1-siRNA、HCV R5 siRNA又はコントロールsiRNA)を0.5~2μl添加した。コントロールとして無処理のプレートをおいた。Lipofectamine RNAiMAX(2.5μl/ウェル)をsiRNAの入っているウエルの中に入れた。穏やかに混合し、10から20分室温に静置した。レプリコン細胞(R6FLR-N)をウェル当たり2x105個蒔き、37℃、5%CO2 で培養し、4時間後培地交換(10%FCS含有)した。37℃、5%CO2 で72時間後にセルスクレーパーで細胞を回収するまで培養した。HCV持続感染細胞についても同様の試験を行い、siRNA (RRM2-1-siRNA又はコントロールsiRNA)は最終濃度が5nM、10nMとなるように希釈して用いた。尚、コントロールsiRNAは、non-target siRNA #3 (Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
6ウェルプレートのウェルに、最終濃度が5nMとなるようにOpti-MEM培地を用いて希釈したsiRNA(RRM2-1-siRNA、HCV R5 siRNA又はコントロールsiRNA)を0.5~2μl添加した。コントロールとして無処理のプレートをおいた。Lipofectamine RNAiMAX(2.5μl/ウェル)をsiRNAの入っているウエルの中に入れた。穏やかに混合し、10から20分室温に静置した。レプリコン細胞(R6FLR-N)をウェル当たり2x105個蒔き、37℃、5%CO2 で培養し、4時間後培地交換(10%FCS含有)した。37℃、5%CO2 で72時間後にセルスクレーパーで細胞を回収するまで培養した。HCV持続感染細胞についても同様の試験を行い、siRNA (RRM2-1-siRNA又はコントロールsiRNA)は最終濃度が5nM、10nMとなるように希釈して用いた。尚、コントロールsiRNAは、non-target siRNA #3 (Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
細胞に発現するRRM2及びHCVタンパク(CoreおよびNS3)はWestern blot法により検出した。またsiRNAによる発現抑制もWestern blot法で解析した。細胞ペレットをLysis Buffer (RIPA 1% SDS-0.5% NP40-0.15M NaCl-10mM Tris pH7.4, 使用前に5mM EDTA 1mM DTTを加える) 50~100μlに溶解後、超音波処理(5秒超音波~10秒on ice×4回)を行い15300g 15分遠心して上清を回収した。上清をBCAにてタンパク濃度測定後12.5~25μg/wellになるようにSDS-PAGE (10~15%Acrylamide)しMini trans-Blot electrophoretic transfer cell (Bio-Rad)にて70~110mA, 90minという条件で蛋白質をPVDF膜に転写した。PVDF膜を5% skimmilkにてブロッキング(4℃、3時間以上)後0.1% Tween20/PBS 10分で3回洗浄し特異抗体 (抗RRM2ポリクローナル抗体(Santa cruz社製) 1:1000 diluted with 3%BSA/PBS;抗Coreポリクローナル抗体(clone 31-2;臨床研樹立) 1:800 diluted with 3%BSA/PBS;抗NS3ウサギポリクローナル抗体(R212;臨床研樹立) 1:2500 diluted with 3%BSA/PBS) を4℃ オーバーナイトで反応させた。0.1% Tween20/PBSで10分3回洗浄後HRP標識した2次抗体 (1:5000 diluted with 3%BSA/PBS) を室温1時間反応させ0.1% Tween20/PBSで10分3回洗浄後ECL(商標)Western blotting detection reagent 及びECL plus western blotting detection reagents (いずれもAmasham Bioscience社製)で検出した。
2. 結果
2.1 RRM2を標的としたHCV複製抑制活性の検討
RRM2のHCV複製細胞における役割を明らかにするため実施例に記載の方法でHCVレプリコン細胞(R6FLR-N,FLR3-1, JFH-1)をsiRNAで処理した(図1、2)。その結果、RRM2-1-siRNAは処理後72時間で0.15~0.5nMでHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった。siRNAによるRRM2サイレンシングの確認はウェスタンブロッティング法などにより行っている(図3、5)。
またRRM2-2-siRNA 及びRRM2-3-siRNAもHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった(図2、表1)。
2.1 RRM2を標的としたHCV複製抑制活性の検討
RRM2のHCV複製細胞における役割を明らかにするため実施例に記載の方法でHCVレプリコン細胞(R6FLR-N,FLR3-1, JFH-1)をsiRNAで処理した(図1、2)。その結果、RRM2-1-siRNAは処理後72時間で0.15~0.5nMでHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった。siRNAによるRRM2サイレンシングの確認はウェスタンブロッティング法などにより行っている(図3、5)。
またRRM2-2-siRNA 及びRRM2-3-siRNAもHCV複製抑制活性を示す事が明らかとなった(図2、表1)。
2.2 RRM2を標的としたHCV細胞障害活性の検討
RRM2-1-siRNAによる細胞障害活性では3種類のHCVレプリコン細胞(R6FLR-N,FLR3-1, JFH-1)で、20~40%の細胞障害活性が観察された(図1)。
またRRM2-2-siRNA 及びRRM2-3-siRNAによる細胞障害活性は、HCV複製抑制活性に比べ、著しく弱いことが分かった(図2、表1)。
RRM2-1-siRNAによる細胞障害活性では3種類のHCVレプリコン細胞(R6FLR-N,FLR3-1, JFH-1)で、20~40%の細胞障害活性が観察された(図1)。
またRRM2-2-siRNA 及びRRM2-3-siRNAによる細胞障害活性は、HCV複製抑制活性に比べ、著しく弱いことが分かった(図2、表1)。
2.3 Western blotによる蛋白質発現検出
RRM2-1-siRNAによるRRM2サイレンシングはウエスタンブロット法で確認された。しかし、レプリコン細胞でのRRM2-1-siRNAによるHCV NS3発現の減少は確認できなかった(図3)。
RRM2-1-siRNAによるRRM2サイレンシングはウエスタンブロット法で確認された。しかし、レプリコン細胞でのRRM2-1-siRNAによるHCV NS3発現の減少は確認できなかった(図3)。
2.4 HCVを標的としたHCV複製抑制の比較検討
HCV R5-siRNAによるRRM2発現への効果の検討を行った。その結果、HCVサイレンシングによってRRM2の発現がコントロール、無処理と比べて発現の減少が観察された(図4)。
HCV R5-siRNAによるRRM2発現への効果の検討を行った。その結果、HCVサイレンシングによってRRM2の発現がコントロール、無処理と比べて発現の減少が観察された(図4)。
2.5 RRM2を標的としたHCV持続感染細胞に対する複製抑制の検討
HCV持続感染細胞をRRM2-1-siRNAで処理し、RRM2サイレンシング、及びHCV Core発現の減少をウエスタンブロット法で確認した(図5)。
HCV持続感染細胞をRRM2-1-siRNAで処理し、RRM2サイレンシング、及びHCV Core発現の減少をウエスタンブロット法で確認した(図5)。
RRM2をサイレンシング(発現を抑制)するsiRNAで処理することにより、高精度なHCV複製抑制が可能である。そのため、本発明のsiRNAを使用することにより、有効な抗HCV薬開発を行うことが可能となる。
Claims (13)
- リボヌクレオチドレダクターゼM2サブユニット(RRM2)のアンタゴニストを有効成分として含有するC型肝炎治療剤。
- 前記アンタゴニストが、RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチドである請求項1記載のC型肝炎治療剤。
- 前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである請求項2記載のC型肝炎治療剤。
- 前記オリゴリボヌクレオチドが、配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである請求項3記載のC型肝炎治療剤。
- 前記オリゴリボヌクレオチドが、下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチドである請求項2記載のC型肝炎治療剤。
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域 - 前記オリゴリボヌクレオチドが、
(1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAであるオリゴリボヌクレオチドである、請求項2又は5記載のC型肝炎治療剤。 - RRM2の発現を抑制するオリゴリボヌクレオチド。
- 配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドである、請求項7記載のオリゴリボヌクレオチド。
- 配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチド、及び、該ヌクレオチド配列に相補的なオリゴリボヌクレオチドからなる二本鎖RNAである、請求項7又は8記載のオリゴリボヌクレオチド。
- 下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする請求項7記載のオリゴリボヌクレオチド。
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域 - (1)下記(a)又は(b)のRNA領域とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするオリゴリボヌクレオチド
(a)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドと相補的な配列を有するRRM2のRNA領域、又は
(b)配列番号:1~4に示すヌクレオチド配列から選ばれた少なくとも一種以上のオリゴリボヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするRRM2のRNA領域、
及び(2)該オリゴリボヌクレオチドに相補的なヌクレオチド配列を有するオリゴリボヌクレオチド、
からなる二本鎖RNAである、請求項7又は10記載のオリゴリボヌクレオチド。 - 請求項8~11のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドを発現するベクター。
- 請求項8~11のいずれかに記載のオリゴリボヌクレオチドをRRM2のRNAに結合させて、RRM2遺伝子の発現を阻害する方法。
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JP2008537551A (ja) * | 2005-03-31 | 2008-09-18 | カランド ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド | リボヌクレオチドレダクターゼサブユニット2の阻害剤およびその使用 |
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Non-Patent Citations (4)
Title |
---|
DUXBURY M.S. ET AL.: "RNA interference targeting the M2 subunit of ribonucleotide reductase enhances pancreatic adenocarcinoma chemosensitivity to gemcitabine", ONCOGENE, vol. 23, no. 8, 2004, pages 1539 - 1548, XP002407219, DOI: doi:10.1038/sj.onc.1207272 * |
HEIDEL J.D. ET AL.: "Potent siRNA inhibitors of ribonucleotide reductase subunit RRM2 reduce cell proliferation in vitro and in vivo", CLINICAL CANCER RESEARCH, vol. 13, no. 7, 2007, pages 2207 - 2215, XP002665151, DOI: doi:10.1158/1078-0432.CCR-06-2218 * |
LIN Z.P. ET AL.: "Stable suppression of the R2 subunit of ribonucleotide reductase by R2- targeted short interference RNA sensitizes p53 (-/-) HCT-116 colon cancer cells to DNA- damaging agents and ribonucleotide reductase inhibitors", THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 279, no. 26, 2004, pages 27030 - 27038, XP002407218, DOI: doi:10.1074/jbc.M402056200 * |
ZHANG Y.W. ET AL.: "Implication of checkpoint kinase-dependent up-regulation of ribonucleotide reductase R2 in DNA damage response", THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY, vol. 284, no. 27, 2009, pages 18085 - 18095 * |
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