WO2012008170A1 - 保護継電装置 - Google Patents

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Abstract

 三相交流の電力系統(20)の送電線を保護する保護継電器1であって、事故の検出により、事故が発生した事故相のCB(4a)を開放し、CB(4a)の開放後、VT(3)により検出された事故相の電圧測定値(VL)に基づいて、事故が復旧したか否かを判定し、事故が復旧したと判定された場合、CB(4a)を再投入する。

Description

保護継電装置
 本発明は、再閉路機能を備えた保護継電装置に関する。
 従来、図15に示すような保護継電装置10が適用された2端子電力系統が知られている。保護継電装置10には、CT(current transformer)(計器用変流器)2により検出された電流と、CB(circuit breaker)(遮断器)4の電極の開閉状態を示す信号が入力される。保護継電装置10は、CTにより検出された電流に基づいて、事故を検出する。保護継電装置10は、事故を検出すると、CB4に遮断信号を出力して、CB4の電極を開極(開放)する。CB4が開放されることで、事故電流が遮断される。CB4を開放した後、再度CB4を投入する(即ち、閉路する)ことを再投入又は再閉路という。CB4を開放させた後に、再閉路することで、停電時間を短くすることができる。
 再閉路は、回線数及び事故様相等によって、様々な方式がある。例えば、三相のうちの一相に発生した事故(単相事故)の場合に事故相のみの遮断器を開放して再投入する単相再閉路方式、二相以上の事故の場合に三相遮断した後に再投入する三相再閉路方式などが知られている。また、平行2回線の送電線系統においては、事故相を遮断した後に、事故が発生していない健全相が2相以上あり、かつ連系がとれていることを条件に、事故相だけを選択して高速度にCBを再投入する多相再閉路方式が知られている。
 ここで、事故遮断時からCBを再投入するまでの時間を再閉路無電圧時間と呼ぶ。一般的に、再閉路無電圧時間は、単相再閉路方式及び多相再閉路方式では約1秒程度、三相再閉路方式では約2秒程度に設定される。
 次に、事故発生からCB4a投入までのCB4aと保護継電装置10との動作タイミングの相関関係を表したタイムチャートを図16に示す。事故発生により、送電線の保護継電装置10は、CB4aに開放指令を出力する。これにより、CB4aは、開放される。しかし、開放された直後のCB4aの電極間には、アークが発生する。アークが発生している間は、CB4aには、事故電流が流れ続ける。交流系統の場合は、電流が0になる点で電極間のアークが消弧する。これにより、事故電流の遮断が完了する。
 系統事故では、事故電流の遮断が完了した後、事故点での2次アークが消弧し、かつアークイオンが除去されるのを待った後に、CBを再投入する。アークイオンが除去されるまでの時間(消イオン時間)は、アーク電流、系統電圧、線路恒長、及び事故点での風速などに依存する。従って、再閉路無電圧時間は、消イオン時間より長く設定されている。
 しかし、樹木の接触又は断線等の永久事故の場合は、設定された再閉路無電圧時間経過後にCBを再投入した場合であっても、再度事故が発生する。このように事故が継続中にCBを再投入することは、系統機器(CB、変圧器、又は送電線など)にダメージを与え、更に電力系統の安定度に影響を与えることになる。
中山敬造編、「保護継電システム」、第1版、電気書院、1974年2月25日、p.137-140
 本発明が解決しようとする課題は、事故が継続中に遮断器を再投入することを抑制することのできる保護継電装置を提供することにある。
 本発明の実施形態の保護継電装置は、三相交流の電力系統の電線を保護する保護継電装置において、前記電線の事故を検出する事故検出手段と、前記事故検出手段による前記事故の検出により、前記事故が発生した事故相の遮断器を開放する開放手段と、前記開放手段による前記遮断器の開放後、前記事故相の電圧を測定する事故相電圧測定手段と、前記事故相電圧測定手段により測定された電圧に基づいて、前記事故が復旧したか否かを判定する事故復旧判定手段と、前記事故復旧判定手段により前記事故が復旧したと判定された場合、前記遮断器を投入する投入手段とを備えている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る保護継電装置が設置された2端子電力系統の構成図である。 図2は、第1の実施形態に係る保護継電装置の保護動作のシーケンスを示す回路図である。 図3は、第1の実施形態に係る保護継電装置により演算される静電結合電圧を示す電力系統の構成図である。 図4は、第1の実施形態に係る保護継電装置により演算される電磁結合電圧を示す電力系統の構成図である。 図5は、第1の実施形態に係る保護継電装置に設定される無電圧確認時間を示すグラフ図である。 図6は、第1の実施形態に係る保護継電装置の保護動作を示すフローチャートである。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る保護継電装置の保護動作のシーケンスを示す回路図である。 図8は、第2の実施形態に係る保護継電装置の保護動作を示すフローチャートである。 図9は、第2の実施形態に係る保護継電装置による遮断相電圧の判断をするための特性を示す特性図である。 図10は、本発明の第3の実施形態に係る保護継電装置が設置された2端子電力系統の構成図である。 図11は、第3の実施形態に係る保護継電装置の保護動作のシーケンスを示す回路図である。 図12は、第3の実施形態に係る保護継電装置の保護動作を示すフローチャートである。 図13は、第4の実施形態に係る保護継電装置の保護動作のシーケンスを示す回路図である。 図14は、第4の実施形態に係る保護継電装置の保護動作を示すフローチャートである。 図15は、従来の保護継電装置が設置された2端子電力系統の構成図である。 図16は、従来の保護継電装置の保護動作と遮断器の開閉動作との動作タイミングの相関関係を示すタイムチャートである。
 以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る保護継電装置1が設置された電力系統20の構成図である。なお、各図における同一部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。以降の実施形態も同様にして重複する説明を省略する。
 電力系統20は、三相交流の2端子電力系統である。電力系統20には、各相にCT2及びVT(Voltage Transformer)(計器用変圧器)3がそれぞれ設けられている。電力系統20の自端側には、各相にCB4aが設けられている。電力系統20の対向端側には、各相にCB4bが設けられている。
 保護継電装置1には、各相のCT2により検出された電流及び各相のVT3により検出された電圧VLが入力される。保護継電装置1は、入力された各相の電流及び電圧VLに基づいて、事故を検出する。保護継電装置1は、事故を検出すると、CB4aを開放することで、事故を検出した事故区間が遮断される。これにより、電力系統20の送電線を保護する。なお、対向端側のCB4bは、対向端側に設置された別の保護継電装置により開放される。
 図2は、第1の実施形態に係る保護継電装置1の保護動作のシーケンスを示す回路図である。
 保護継電装置1は、再閉路回路100と、遮断相電圧判定部110とを備えている。
 再閉路回路100は、事故遮断信号101、連系確認信号102及び遮断相電圧確認信号103に基づいて、再閉路信号107及び残相遮断信号109を出力する。
 事故遮断信号101は、保護継電装置1が事故を検出すると、CB4aを開放する指令を出すための信号である。
 連系確認信号102は、連系が取れていること(自端側の電力系統と対向端側の電力系統が接続されていること)を示す信号である。連系確認信号102は、事故遮断後(CB4a,4bの開放後)の送電線に、事故が発生していない相(健全相)が2相以上存在する場合に出力される。
 遮断相電圧確認信号103は、CB4a,4bが開放された事故相(遮断相)の電圧が許容範囲内であることを示す信号である。遮断相電圧判定部110は、VT3により検出された電圧VLに基づいて、遮断相の電圧が許容範囲内であるか否かを判定する。遮断相電圧判定部110は、遮断相の電圧が許容範囲内であると判定した場合、遮断相電圧確認信号103を出力する。
 再閉路信号107は、CB4aの開放後、再閉路の指令を出すための信号である。
 残相遮断信号109は、CB4aが開放されていない残りの相(残相)を遮断する指令を出すための信号である。
 再閉路回路100は、2つのタイマ104,106と、2つのANDゲート105,108と、NOTゲート120とを備えている。
 タイマ104には、事故遮断信号101が入力される。タイマ104には、無電圧確認時間thが設定されている。タイマ104は、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過後に、ANDゲート105及びタイマ106に信号を出力する。
 ANDゲート105には、タイマ104からの信号、連系確認信号102、及び遮断相電圧確認信号103が入力される。ANDゲート105は、タイマ104からの信号、連系確認信号102、及び遮断相電圧確認信号103が全て入力されると(AND条件が成立すると)、NOTゲート120に信号を出力し、再閉路信号107を出力する。
 タイマ106には、タイマ104からの信号が入力される。タイマ106には、再閉路を断念するための再閉路あきらめ時間t1が設定されている。タイマ106は、タイマ104からの信号が入力されてから再閉路あきらめ時間t1経過後に、ANDゲート108に信号を出力する。
 NOTゲート120には、ANDゲート105からの信号が入力される。NOTゲート120は、ANDゲート105から信号が入力されていない間、ANDゲート108に信号を出力する。NOTゲート120は、ANDゲート105から信号が入力されると、信号を出力しない。
 ANDゲート108には、タイマ106からの信号及びNOTゲート120からの信号が入力される。ANDゲート108は、タイマ106及びNOTゲート120の両方から信号が入力されると、残相遮断信号109を出力する。
 次に、遮断相電圧判定部110おける遮断相電圧確認信号103を出力する判定方法について説明する。
 遮断相電圧判定部110による判定に用いられる許容範囲は、次式のように表される。
   (1-k)Vk < VL < (1+K)Vk     …式(1)
 ここで、“k”は許容率、“Vk”は基準電圧値、“VL”はVT3により検出された電圧値をそれぞれ表している。
 許容率kは、計測誤差、演算処理による誤差、又は機器による誤差などを考慮して決定される。許容率kは、例えば10%(k=0.1)である。
 基準電圧値Vkは、遮断相電圧判定部110に予め設定されている。基準電圧値Vkは、事前に事故が発生していない時(健全時)に、各相に設置されたCB4a,4bの開放時の電圧値をVT3により測定したものである。事故時に判定に用いられる基準電圧値Vkは、事故が検出された相(事故相)と同一の相の基準電圧値Vkが使用される。
 ここで、CB4a,4bの開放時にVT3により測定される電圧VLについて説明する。
 図3は、保護継電装置1により演算される静電結合電圧を示す電力系統の構成図である。図4は、保護継電装置1により演算される電磁結合電圧を示す電力系統の構成図である。
 CB4a,4bの開放時の電圧VLは、静電結合電圧と電磁結合電圧との合計である。まず、1回線送電線の単相事故(ここでは、a相の事故)の場合について説明する。
 a相に事故が発生し、a相のCB4a,4bが開放された後、a相には、健全相であるb相及びc相から誘導される電圧(誘導電圧)が発生する。この誘導電圧は、静電結合電圧と電磁結合電圧とが合成された電圧である。
 図3は、a相の電圧の静電結合関係を示している。静電結合により線間(a相とb相との間及びa相とc相との間)に生じる相間静電容量を“Cm”、対地静電容量を“Cs”とすると、a相の静電結合電圧を示す“VCa”は、次のように表される。
   VCa=(Cm/(2Cm+Cs))×(Vb+Vc)   …式(2)
 図4は、a相の電磁結合関係を示している。
 電力系統20の周波数に依存する角周波数を“ω”、電磁結合による電線間に生じる相互インピーダンスを“M”、b相に通電されている電流を“Ib”、c相に通電されている電流を“Ic”とすると、a相の電磁結合電圧を示す“VMa”は、虚数単位である“j”を用いて次式で表される。
   VMa=jωM(Ib+Ic)              …式(3)
 従って、a相のCB4a,4bが開放された状態のa相の誘導電圧は、式(2)に示す静電結合電圧と式(3)に示す電磁結合電圧との和として、VCa+VMaと表すことができる。この誘導電圧は、a相が欠相状態であれば、a相に発生する誘導電圧であるため、基準電圧値Vkについても同様に表される。
 図5を参照して、単相事故による事故相の遮断完了直後からVT3により測定される電圧(電圧測定値)VLと基準電圧値Vkとの関係について説明する。
 事故相の遮断完了直後の誘導電圧は、ほぼ零である。その後、電力系統20の事故が復帰していれば、誘導電圧は、基準電圧値Vk付近まで上昇して一定になる。従って、電圧測定値VLも誘導電圧と同様に変位する。
 タイマ104に設定される無電圧確認時間thは、事故相の遮断完了直後(図5の0点)から電圧測定値VLが基準電圧値Vk付近で一定になると予想される時点までの時間よりも長い時間が設定される。
 図6は、第1の実施形態に係る保護継電装置1の保護動作の手順を示すフローチャートである。ここでは、許容率kを10%(k=0.1)とした場合の例を示す。
 再閉路回路100は、事故遮断信号101が入力されているか否かを判断する(ステップS1)。再閉路回路100は、事故遮断信号101が入力されるまで、この判断を継続する(ステップS1のNo)。
 再閉路回路100は、事故遮断信号101が入力されていると判断した場合(ステップS1のYes)、再閉路条件の一つとして、連系しているか否か(連系確認信号102が入力されているか否か)を判断する(ステップS2)。再閉路回路100は、連係していないと判断した場合(ステップS2のNo)、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9a)。
 遮断相電圧判定部110は、連係していると判断した場合(ステップS2のYes)、事故相を選択する(ステップ3)。遮断相電圧判定部110は、選択された事故相の基準電圧値Vkの取得をする(ステップ4)。その後、遮断相電圧判定部110は、事故遮断信号101が入力されてからの時間(又は、自端に設置されたCB4aが開放されてからの時間)tが無電圧確認時間th経過したか否かを判断する(ステップS5a)。遮断相電圧判定部110は、時間tが無電圧確認時間th経過するまで待つ(ステップS5aのNo)。
 遮断相電圧判定部110は、時間tが無電圧確認時間th経過した後、事故相の電圧値VLを測定する(ステップS6a)。遮断相電圧判定部110は、測定した事故相の電圧値VLが事前に設定された許容範囲内(0.9Vk<VL<1.1Vk)にあるか否か判断する(ステップS7a)。
 再閉路回路100は、事故相の電圧測定値VLが許容範囲内にないと判断した場合(ステップS7aのNo)、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9a)。再閉路回路100は、事故相の電圧測定値VLが許容範囲内にあると判断した場合(ステップS7aのYes)、再閉路信号107を出力する(ステップS8a)。
 次に、保護継電装置1の動作を、具体例を挙げて説明する。まず、無電圧確認時間th内に消弧されるアーク事故が1相に発生し、かつ事故が発生していない健全相が2相以上残存して連系が取れている場合の動作について説明する。
 アーク事故が1相に発生したことにより、再閉路回路100には、事故遮断信号101が入力される。このため、再閉路回路100は、事故遮断信号101が入力されていると判断する(ステップS1のYes)。
 健全相が2相以上残存しているため、連系が取れていることを示す連系確認信号102が再閉路回路100に入力される。このため、再閉路回路100は、連系確認信号102が入力されていると判断する(ステップS2のYes)。
 遮断相電圧判定部110は、事故が生じた相を選択する(ステップS3)。遮断相電圧判定部110は、選択した相のCB4a,4bの開放時で健全時の基準電圧値Vkを取得する(ステップS4a)。遮断相電圧判定部110は、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過後(ステップS5aのYes)、VT3により事故相の電圧測定値VLを取得する(ステップS6a)。遮断相電圧判定部110は、取得した電圧測定値VLが事前に設定された許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップS7a)。
 ここで、前提条件により、アーク事故は、無電圧確認時間th内に消弧している。よって、アーク事故の発生した事故相は、事故から復旧しているので、無電圧確認時間th経過後に測定される事故相の電圧測定値VLは、アーク事故が発生する前の事前に設定された範囲内に戻っている。このため、遮断相電圧判定部110は、電圧測定値VLの値が事前に設定された範囲内に有ると判断する(ステップS7aのYes)。従って、遮断相電圧判定部110は、再閉路回路100に遮断相電圧確認信号103を出力する。
 再閉路回路100は、事故遮断信号101の入力(ステップS1のYes)、連系確認信号102の入力(ステップS2のYes)、及び遮断相電圧確認信号103の入力(ステップS7aのYes)の全ての条件が揃うため、事故相に設置されたCB4aに対して、再閉路信号107を出力する(ステップS8a)。これにより、事故相に設置されたCB4aは、再投入される。
 次に、永久事故が1相に発生し、かつ健全相が2相以上残存して連系が取れている場合について説明する。
 まず、再閉路回路100は、事故遮断信号101が入力されていると判断する(ステップS1のYes)。また、再閉路回路100は、連系確認信号102が入力されていると判断する(ステップS2のYes)。
 遮断相電圧判定部110は、事故相を選択する(ステップS3)。遮断相電圧判定部110は、選択した相のCB4a,4bの開放時で健全時の基準電圧値Vkを取得する(ステップS4a)。遮断相電圧判定部110は、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過後(ステップS5aのYes)、VT3により事故相の電圧測定値VLを取得する(ステップS6a)。遮断相電圧判定部110は、取得した電圧測定値VLが事前に設定された許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップS7a)。
 ここで、前提条件により、永久事故であることから、無電圧確認時間thを経過しても事故は継続している。よって、無電圧確認時間th経過後に測定された事故相の電圧測定値VLは、事故が発生する前の基準電圧値Vkに戻っていない。従って、電圧測定値VLは、許容範囲内にない。このため、遮断相電圧判定部110は、電圧測定値VLの値が事前に設定された範囲内に無いと判断する(ステップS7aのNo)。遮断相電圧判定部110は、再閉路回路100に遮断相電圧確認信号103を出力しない。
 再閉路回路100には、事故遮断信号101の入力(ステップS1のYes)及び連系確認信号102の入力(ステップS2のYes)はあるが、遮断相電圧確認信号103が入力されない(ステップS7aのNo)。従って、再閉路回路100は、再閉路信号107を出力しない。また、永久事故であるため、再閉路回路100は、最終的に、事故相以外の相に設置されたCB4aに対して残相遮断信号109を出力する(ステップS9a)。これにより、事故相以外の相に設置されたCB4aも開放される。
 次に、アーク事故や永久事故などの事故の種類にかかわらず、健全相が2相以上残存していない(即ち、連系が取れない)場合について説明する。
 まず、再閉路回路100は、事故遮断信号確認ステップS1により事故遮断信号が入力されていると判断する(ステップS1のYes)。次に、前提条件により、再閉路回路100は、連系確認信号が入力されていないと判断する(ステップS2のNo)。よって、再閉路回路100は、再閉路信号107を出力しない。このまま、連系が取れなければ、再閉路回路100は、最終的に、事故相以外の相に設置されたCB4aに残相遮断信号109を出力する(ステップS9a)。これにより、事故相以外の相に設置されたCB4aも開放される。
 本実施形態によれば、保護継電器1は、事故発生によるCB4a,4bの開放後、無電圧確認時間th経過後に、CB4aを再投入する前に、事故が継続しているか否かを判断する。従って、保護継電器1は、事故が継続中に遮断器を再投入することを抑制することができる。また、保護継電器1は、電力系統の安定度の向上又は系統機器等へのダメージを減少させることができる。
(第2の実施形態)
 図7は、本発明の第2の実施形態に係る保護継電装置1Aの保護動作のシーケンスを示す回路図である。
 保護継電装置1Aは、図2に示す第1の実施形態に係る保護継電装置1において、位相差判定部111を追加し、再閉路回路100を再閉路回路100Aに代えた構成である。再閉路回路100Aは、第1の実施形態に係る再閉路回路100において、ANDゲート105をANDゲート105Aに代え、ANDゲート112を追加した構成である。その他は、第1の実施形態に係る保護継電装置1と同様である。
 位相差判定部111は、VT3により測定される電圧測定値VLとVT3により予め測定されたCB4a,4bの開放時で健全時の基準電圧値Vkとの位相差が事前に設定された許容範囲内にあるか否かを判定する。位相差判定部111は、位相差が許容範囲内にあると判断した場合、再閉路回路100AのANDゲート112に位相差確認信号117を出力する。ここで、基準電圧値Vkの位相は、事故発生前から健全時の送電線の位相を保護継電装置1Aに内蔵されているタイマにより演算し続けているものとする。
 ANDゲート112には、遮断相電圧判定部110から出力される遮断相電圧確認信号103及び位相差判定部111から出力される位相差確認信号117が入力される。ANDゲート112は、遮断相電圧確認信号103及び位相差確認信号117が共に入力されると、ANDゲート105Aに信号を出力する。
 ANDゲート105Aは、第1の実施形態に係るANDゲート105において、遮断相電圧確認信号103の代わりにANDゲート112からの信号が入力される。その他は、第1の実施形態に係るANDゲート105と同様の構成である。
 図8は、第2の実施形態に係る保護継電装置1Aの保護動作の手順を示すフローチャートである。
 保護継電装置1Aの保護動作の手順を示すフローチャートは、図6に示す第1の実施形態に係るフローチャートにおいて、遮断相電圧を判定するステップS7aをステップS7bに代えたものである。その他は、第1の実施形態に係るフローチャートと同様の手順である。
 保護継電装置1Aの保護動作の手順は、ステップS1からステップS6aまでは、第1の実施形態と同様である。但し、位相差判定部111は、遮断相電圧判定部110と同様に電圧測定値VL及び基準電圧値Vkに関するデータを取得しているものとする。
 ステップS6aの後、電圧測定値VLの電圧値が事前に設定された許容範囲(0.9Vk<VL<1.1Vk)であるか否かに加え、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θが事前に設定された許容範囲内にあるか否かを位相差判定部111により判断する(ステップS7b)。位相差θが事前に設定された位相差θk以下であれば、位相差θが許容範囲内であると判断される。この位相差の判断をする式は、(VL∧Vk)≦θkとなる。ここで、(VL∧Vk)は、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θを表している。
 遮断相電圧判定部110は、電圧測定値VLが許容範囲内にあると判断した場合、遮断相電圧確認信号103を再閉路回路100AのANDゲート112に出力する。また、位相差判定部111は、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θが許容範囲内にあると判断した場合、位相差確認信号117を再閉路回路100AのANDゲート112に出力する。
 このステップ7bの時点では、既に、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過しており(ステップS1のYes、ステップS5aのYes)、かつ連系が取れている(ステップS2のYes)。従って、電圧測定値VLが許容範囲内にあると判断され、かつ電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θが許容範囲内にあると判断された場合、再閉路回路100Aは、事故相に設置されたCB4aに再閉路信号107を出力する(S8a)。これにより、CB4aは、再投入される。
 一方、電圧測定値VLが許容範囲内にないと判断されるか、又は電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θが許容範囲内にないと判断された場合、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過しており、かつ連系確認信号102が入力されていたとしても、再閉路回路100Aは、再閉路信号107を出力しない。この場合、再閉路回路100Aは、事故が継続していると判断するためである。よって、再閉路回路100Aは、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9a)。このまま再閉路の条件が成立しなければ、再閉路回路100Aは、最終的に、事故相以外の残相に設置されたCB4aに残相遮断信号109を出力する。これにより、残相に設置されたCB4aも開放される。
 本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。保護継電器1Aは、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θによっても事故が継続しているか否かを判断するため、事故が継続しているか否かの判断結果の信頼性を向上させることができる。これにより、事故が継続中に遮断器4aを再投入することをさらに防止することができる。
 なお、ステップS7bにおいて、電圧測定値VLの電圧値が許容範囲内にあるか否かの判断と、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの位相差θが許容範囲内にあるか否かの判断とを、遮断相電圧判定部110及び位相差判定部111のそれぞれで別々に行う構成について説明した。次に、これらの判断を同一箇所で同時に行う構成について説明する。ここでは、遮断相電圧判定部110でこれらの判断を行うものとして説明する。
 図9は、遮断相電圧判定部110に設定された遮断相電圧の判断をするための特性を示す特性図である。基準電圧ベクトルVkは、基準電圧値Vkをベクトルで表したものである。電圧ベクトルVL1,VL2は、以下で説明するための電圧測定値VLに相当する電圧をベクトルで表したものである。図9に示す電圧ベクトルVk,VL1,VL2は、長さが電圧値を示し、矢印の方向が位相を示している。従って、任意の2つの電圧ベクトルの長さの差は電圧差を表し、任意の2つの電圧ベクトルが為す角度は位相差を表す。
 斜線部分は、電圧測定値VLと基準電圧値Vkとの電圧差及び位相差がともに許容範囲内である領域を示している。電圧測定値VLとなる電圧ベクトルの先端が斜線部分の中に含まれていれば、その電圧測定値VLは、電圧値及び位相が共に許容範囲内であることを示している。
 まず、電圧測定値VL1を見ると、ベクトルの先端が斜線部分の中に含まれている。よって、電圧測定値VL1は、電圧差及び位相差θL1が許容範囲内であると判断される。従って、遮断相電圧判定部110は、遮断相電圧確認信号103及び位相差確認信号117に相当する信号を出力する。
 一方、電圧測定値VL2を見ると、斜線部分の中に含まれていない。よって、電圧測定値VL2は、電圧差又は及び位相差θL2の少なくともいずれか一方が許容範囲内でないと判断される。ここで、電圧測定値VL2を確認すると、電圧差は許容範囲内であるが、位相差θL2は、基準となる位相差θkよりも大きい。従って、電圧測定値VL2は、許容範囲内ではないため、遮断相電圧判定部110は、信号を出力しない。
 このように、図9に示す特性図のようなデータを再閉路回路100Aに設定することで、電圧測定値VLの電圧値と位相が許容範囲内か否かを同時に判断することができる。
(第3の実施形態)
 図10は、本発明の第3の実施形態に係る保護継電装置1Bが設置された電力系統20Bの構成図である。
 電力系統20Bは、図1に示す第1の実施形態に係る電力系統20において、保護継電装置1を保護継電装置1Bに代え、対向端側に保護継電装置1Bbを設置し、対向端側の各相にVT3bを設けている。その他は、第1の実施形態の電力系統20と同様である。
 VT3bは、自端側に設けられているVT3と同等の機器である。VT3bは、電力系統20の対向端側の送電線の各相の電圧を検出する。
 保護継電装置1Bbは、自端側に設置されている保護継電装置1Bと同等の装置である。保護継電装置1Bbは、VT3bにより検出された電圧に基づいて、対向端側の電力系統20Bの送電線の各相の電圧を測定する。保護継電装置1Bbは、測定した電圧測定値VLbを伝送路を介して保護継電装置1Bに送信する。
 図11は、第3の実施形態に係る保護継電装置1Bの保護動作のシーケンスを示す回路図である。
 保護継電装置1Bは、図7に示す第2の実施形態に係る保護継電装置1Aにおいて、対向端遮断相電圧判定部113及び電圧データ受信回路121を追加し、再閉路回路100Aを再閉路回路100Bに代えた構成である。再閉路回路100Bは、第2の実施形態に係る再閉路回路100Aにおいて、ANDゲート105AをANDゲート105Bに代え、ANDゲート112をANDゲート114に代えた構成である。その他は、第2の実施形態に係る保護継電装置1Aと同様である。
 電圧データ受信回路121は、保護継電装置1BbからVT3bにより検出された電圧を測定した電圧測定値VLbを受信する。電圧データ受信回路121は、受信した電圧測定値VLbを対向端遮断相電圧判定部113に出力する。
 対向端遮断相電圧判定部113は、対向端側の遮断相の電圧測定値VLbを判定する点以外は、遮断相電圧判定部110と同様の構成である。対向端遮断相電圧判定部113は、VT3bにより予め測定されたCB4a,4bの開放時で健全時の基準電圧値Vkbに基づいて、対向端側の遮断相の電圧測定値VLbが許容範囲内にあるか否かを判断する。対向端遮断相電圧判定部113は、電圧測定値VLbが許容範囲内にあると判断した場合、再閉路回路100BのANDゲート114に対向端遮断相電圧確認信号118を出力する。
 ANDゲート114には、遮断相電圧判定部110から出力される遮断相電圧確認信号103及び対向端遮断相電圧判定部113から出力される対向端遮断相電圧確認信号118が入力される。ANDゲート114は、遮断相電圧確認信号103及び対向端遮断相電圧確認信号118が共に入力されると、ANDゲート105Bに信号を出力する。
 ANDゲート105Bは、第1の実施形態に係るANDゲート105において、遮断相電圧確認信号103の代わりにANDゲート114からの信号が入力される。その他は、第1の実施形態に係るANDゲート105と同様の構成である。
 図12は、第3の実施形態に係る保護継電装置1Bの保護動作の手順を示すフローチャートである。
 保護継電装置1Bの保護動作の手順を示すフローチャートは、図6に示す第1の実施形態に係るフローチャートにおいて、基準電圧を取得するステップS4aをステップS4bに代え、事故相の電圧値を測定するステップS6aをステップS6bに代え、対向端遮断相電圧を判定するステップS7cをステップS7aとステップS8aとの間に追加した構成である。その他は、第1の実施形態に係るフローチャートと同様の手順である。
 保護継電装置1Bの保護動作の手順は、ステップS1からステップS3までは、第1の実施形態と同様である。
 遮断相電圧判定部110は、自端側の選択された事故相の基準電圧値Vkの取得をする。また、対向端遮断相電圧判定部113は、対向端側の選択された事故相の基準電圧値Vkbの取得をする(ステップS4b)。
 遮断相電圧判定部110は、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過後に自端側の事故相の電圧VLを測定する。対向端遮断相電圧判定部113は、事故遮断信号101が入力されてから無電圧確認時間th経過後に測定された対向端側の事故相の電圧VLbを取得する(ステップS5aのYes、ステップS6b)。
 遮断相電圧判定部110は、測定した自端側の事故相の電圧値VLが事前に設定された許容範囲内(0.9Vk<VL<1.1Vk)にあるか否か判断する(ステップS7a)。
 再閉路回路100Bは、遮断相電圧判定部110により電圧測定値VLが許容範囲内にないと判断した場合(ステップS7aのNo)、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9a)。再閉路回路100Bは、遮断相電圧判定部110により電圧測定値VLが許容範囲内にあると判断した場合(ステップS7aのYes)、対向端遮断相電圧判定部113による判定をする(ステップS7c)。
 対向端遮断相電圧判定部113は、取得した対向端側の事故相の電圧値VLbが事前に設定された許容範囲内(0.9Vkb<VL<1.1Vkb)にあるか否か判断する(ステップS7c)。
 再閉路回路100Bは、対向端遮断相電圧判定部113により電圧測定値VLbが許容範囲内にない(事故が継続している)と判断した場合(ステップS7cのNo)、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9a)。一方、再閉路回路100Bは、対向端遮断相電圧判定部113により電圧測定値VLbが許容範囲内にある(事故が復旧している)と判断した場合(ステップS7cのYes)、再閉路信号107を出力する(ステップS8a)。
 即ち、再閉路回路100は、連系確認信号102及び遮断相電圧確認信号103に加え、対向端遮断相電圧判定部113により電圧測定値VLbが許容範囲内にあると判断された場合に出力される対向端遮断相電圧確認信号118が入力されると、事故相に設置されたCB4aを再閉路する。
 本実施形態によれば、第1の実施形態の作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。保護継電装置1Bは、自端側の電圧測定値VLに加え、対向端側の電圧測定値VLbに基づいて、事故が継続しているか否かを判断するため、事故が継続しているか否かの判断結果の信頼性を向上させることができる。これにより、事故が継続中に遮断器4aを再投入することをさらに防止することができる。
 なお、本実施形態では、対向端に設置されたVT3bによって検出された電圧測定値を伝送路介して受信して、自端側の保護継電装置1Bで保護の演算処理(対向端遮断相電圧判定部113による演算処理等)を行ったが、このような構成に限らない。保護継電装置1Bは、対向端側の保護継電装置1Bbにより保護の演算処理された処理結果を受信してもよい。例えば、保護継電装置1Bは、対向端側の保護継電装置1Bbにより演算処理された再閉路信号又は残相遮断信号を受信することで、これらの信号をCB4aの開閉をする条件としてもよい。
(第4の実施形態)
 図13は、本発明の第4の実施形態に係る保護継電装置1Cの保護動作のシーケンスを示す回路図である。
 保護継電装置1Cは、図2に示す第1の実施形態に係る保護継電装置1において、再閉路回路100を再閉路回路100Cに代えた構成である。再閉路回路100Cは、第1の実施形態に係る再閉路回路100にタイマ115及びANDゲート116を追加し、低速度再閉路信号119を出力する構成である。その他は、第1の実施形態に係る保護継電装置1と同様である。
 タイマ115には、ANDゲート108からの信号(残相遮断信号109と同等の信号)が入力される。タイマ115には、タイマ104と同じ無電圧確認時間thが設定されている。なお、タイマ115に設定される無電圧確認時間thは、タイマ104と異なる時間でもよい。タイマ115は、ANDゲート108からの信号が入力されてから無電圧確認時間th経過後に、ANDゲート116に信号を出力する。
 ANDゲート116には、タイマ115からの信号、連系確認信号102、及び遮断相電圧確認信号103が入力される。ANDゲート116は、タイマ115からの信号、連系確認信号102、及び遮断相電圧確認信号103が全て入力されると、低速再閉路信号119を出力する。
 図14は、第4の実施形態に係る保護継電装置1Cの保護動作の手順を示すフローチャートである。
 保護継電装置1Bの保護動作の手順を示すフローチャートは、図6に示す第1の実施形態に係るフローチャートにおいて、ステップ9b、ステップ5b、ステップ6c、ステップ7d、及びステップ8bを追加した構成である。ここで、ステップ5b、ステップ6c、ステップ7d、及びステップ8bは、それぞれステップ5a、ステップ6a、ステップ7a、及びステップ8aと同等のステップである。その他は、第1の実施形態に係るフローチャートと同様の手順である。なお、ここでは、第1の実施形態に係るフローチャートから新たに追加されたステップ9b,5b,6c,7d,8bについて主に説明し、その他のステップについては、第1の実施形態と同様であるとして、説明を省略する。
 再閉路回路100Cは、遮断相電圧判定部110により電圧測定値VLが許容範囲内にないと判断した場合(ステップS7aのNo)、残相遮断信号109を出力するか否かの判断をする(ステップS9b)。
 残相遮断信号109を出力するか否かの判断をした後(ステップS9b)、遮断相電圧判定部110は、ANDゲート108からの信号が入力されてから無電圧確認時間th経過後(ステップS5bのYes)、VT3により事故相の電圧測定値VLを再度取得する(ステップS6c)。遮断相電圧判定部110は、再度取得した電圧測定値VLが事前に設定された許容範囲内にあるか否かを判断する(ステップS7d)。
 再閉路回路100Cは、再度取得した事故相の電圧測定値VLが許容範囲内にないと判断した場合(ステップS7dのNo)、演算処理を終了する。即ち、再閉路回路100Cは、再閉路せず、CB4aは開放された状態のままになる。一方、再閉路回路100Cは、再度取得した事故相の電圧測定値VLが許容範囲内にあると判断した場合、低速度再閉路信号119を出力する(ステップS8b)。これにより、CB4aは再投入される。
 即ち、再閉路回路100Cは、残相遮断信号109を出力するか否かの判断(ステップS9b)をした後、再度、事故が継続しているか否かの判断を行う。ここで、事故が継続していない(事故が復旧した)と判断されれば、CB4aの再投入(低速度再閉路)を行う。
 本実施形態によれば、第1の実施形態による作用効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
 保護継電装置1Cは、事故遮断してから無電圧確認時間thを経過した後に電圧測定値VLにより事故が継続中であると判断されても、再度、無電圧確認時間thを経過した後に取得した電圧測定値VLにより事故が継続中か否かを判断する。これにより、CB4aを再投入する機会を増やすことができるため、停電を解消する機会を増加させることができる。
 なお、各実施形態では、送電線を保護する送電線保護継電装置として説明したが、これに限らない。母線の保護を行う母線保護継電装置、又は変圧器の保護を行う変圧器保護継電装置などとして適用することもできる。
 また、各実施形態において、CB4a,4bは電線(母線、送電線、配電線等)の両端に設けられたCTの間にCBが設置されていなくてもよい。
 さらに、各実施形態において、保護継電器1等は、自端側のCB4aを主に開閉操作するものとして説明したが、対向端側のCB4bを自端側のCB4aと同様に自端側の保護継電装置1等により開閉操作をしてもよい。
 また、各実施形態では、消イオン時間より長い再閉路無電圧時間thを設定したタイマ104による遅延時間後にVT3により測定された電圧測定値VLに基づいて、再閉路をするか否かの判断をしていたが、これに限らない。例えば、再閉路回路100等は、電圧測定値VLをリアルタイムで測定し、測定した電圧測定値VLが予め設定された許容範囲に入った時点で、再閉路信号107を出力してもよい。
 さらに、第2の実施形態では、第1の実施形態を基本構成として説明したが、第3の実施形態又は第4の実施形態を基本構成としてもよい。第4の実施形態では、対向端側の電圧測定値VLbの位相も、自端側の電圧測定値VLの位相と同様に、事故が復旧しているか否かの判断に用いてもよい。
 また、第2の実施形態において、基準電圧値Vkの位相は、事故発生前から健全時の送電線の位相を保護継電装置1Aの内部のタイマにより演算し続けているものとしたが、これに限らない。基準電圧値Vkの位相として、母線又は事故相以外の相(残相)の位相を用いてもよい。この場合、リアルタイムで位相を測定することができるため、保護継電装置1Aの内部で事故前から位相の演算処理を続ける必要がなくなる。
 さらに、第4の実施形態において、低速度再閉路による投入を事故相のCB4aのみについて説明したが、残相遮断信号109により開放された事故相以外の残相のCB4aを投入してもよい。また、低速度再閉路による投入を行うために、事故相の電圧測定値VLを用いて、事故が継続しているか否かの判断をしたが、事故相以外の他の2相(残相)の電圧測定値を用いてもよい。
 なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (6)

  1.  三相交流の電力系統の電線を保護する保護継電装置において、
     前記電線の事故を検出する事故検出手段と、
     前記事故検出手段による前記事故の検出により、前記事故が発生した事故相の遮断器を開放する開放手段と、
     前記開放手段による前記遮断器の開放後、前記事故相の電圧を測定する事故相電圧測定手段と、
     前記事故相電圧測定手段により測定された電圧に基づいて、前記事故が復旧したか否かを判定する事故復旧判定手段と、
     前記事故復旧判定手段により前記事故が復旧したと判定された場合、前記遮断器を投入する投入手段と
    を備えたことを特徴とする保護継電装置。
  2.  前記事故復旧判定手段は、前記開放手段による前記遮断器の開放後、所定時間経過後に、前記事故相電圧測定手段により測定された電圧が所定電圧値以上の場合、前記事故が復旧したと判定すること
    を特徴とする請求項1に記載の保護継電装置。
  3.  前記事故復旧判定手段は、前記開放手段による前記遮断器の開放後、所定時間経過後に、前記事故相電圧測定手段により測定された電圧の位相と健全時の前記事故相の電圧の位相との位相差が所定位相差よりも小さい場合、前記事故が復旧したと判定すること
    を特徴とする請求項2に記載の保護継電装置。
  4.  前記電線の前記事故相電圧測定手段による測定箇所と対向する箇所の電圧である対向側電圧を測定する対向側電圧測定手段を備え、
     前記事故復旧判定手段は、前記対向側電圧測定手段により測定された前記対向側電圧に基づいて、前記事故が復旧したか否かを判定すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保護継電装置。
  5.  前記事故復旧判定手段により前記事故が復旧していないと判定された場合、前記事故相以外の相の遮断器を開放する残相開放手段
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の保護継電装置。
  6.  前記事故復旧判定手段により前記事故が復旧していないと判定された場合、所定時間経過後に、前記事故が復旧したか否かを再判定する前記事故復旧再判定手段と、
     前記事故復旧再判定手段により前記事故が復旧したと判定された場合、前記事故相の前記遮断器を投入する低速度投入手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の保護継電装置。
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