WO2011040041A1

WO2011040041A1 - 無線送受信装置および無線通信システム

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Publication number: WO2011040041A1
Application number: PCT/JP2010/005904
Authority: WO
Inventors: 千枝石田; 高久青山; 尚志田村
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2009-09-30
Filing date: 2010-09-30
Publication date: 2011-04-07
Also published as: JPWO2011040041A1

Abstract

　無線送受信装置にとって適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを可能とし、無線送受信がアクセス可能なＣＳＧセルを検出可能とすること。本発明の無線送受信装置は、参照信号と制御情報を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記参照信号を測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、アクセス可能な小セルを示すリスト及び前記アクセス可能な小セルの中で以前にアクセスした小セルの識別情報を記憶する記憶部と、前記測定部の測定結果と、前記記憶部に記憶された前記小セルの識別情報とから、前記以前にアクセスした小セルが自装置の検出可能範囲に存在するか否かを判定する小セル判定部と、前記測定結果報告作成部により作成された前記測定結果報告を送信する送信部と、を具備する。

Description

無線送受信装置および無線通信システム

　本発明は、無線通信の技術分野に関し、特に、無線通信基地局装置、無線通信端末装置、無線送信方法及び無線受信方法に関する。

　標準化団体3GPP（The 3rd Generation Partnership Project）は、W-CDMA（Wideband Code Division Multiple Access）方式の次世代の通信規格として、LTE（Long Term Evolution）の標準化を進めている。

　LTEでは、１つの無線通信基地局装置（Evolved NodeB：eNB、以下基地局ともいう）が複数のセルを管理しており、無線通信端末装置（User Equipment：UE）は、基地局が管理する複数のセルうち、１つのセルに属する。

　端末の状態（UE state）として、基地局との個別コネクションを持っていない状態をアイドル状態（idle mode、アイドルモード、RRC_IDLEともいう）といい、基地局との個別コネクションを持っている状態をコネクテッド状態（connected mode、コネクテッドモード、RRC_CONNECTEDともいう）という。

　端末は、アイドル状態の時、基地局と個別データの送受信を行うことができず、着信やセル内の全端末共通の報知情報などを受信するのみとなる。端末と基地局との間で個別データの送受信を行う場合、端末は、コネクションセットアップの手続きを行う。端末と基地局との間に専用の無線ベアラ（Radio bearer、レディオベアラ）を張ることで、端末の状態が、アイドル状態からコネクテッド状態へと遷移する。

　通常、コネクテッド状態の端末は、アクセスしている基地局（serving cell、サービングセルともいう）及び隣接セル（neighbor cell、ネイバーセルともいう）の受信品質測定に関する設定（measurement control, メジャメントコントロール）に従い、アクセスしている基地局及び隣接セルのパイロットチャネル（Common Pilot Channel：CPICH）によって受信品質を測定する。そして、端末は、その受信品質測定結果を定期的に、または、設定されたイベント毎に、アクセスしている基地局に報告する。端末がアクセスしている基地局（source eNBともいう）は、その測定結果報告（measurement report, メジャメントレポート）を基にして、端末のハンドオーバ先の他の基地局（Target eNBともいう）を決定する。

　また、ＬＴＥでは、主に屋外に設置される、セル半径の大きなマクロセル基地局装置（macro eNB）に加えて、家庭やオフィス、レストランやショッピングセンターなどの屋内施設に、フェムトセル（Femto Cell、小セル、Pico Cell、ピコセルともいう）と呼ばれる、数十メートル程度のセル半径の小セル基地局装置（フェムト基地局、小型基地局、ホーム基地局、Home Evoled NodeB：HeNBともいう）の設置が検討されている。３ＧＰＰで検討されている小セル基地局装置は、限られたグループメンバにだけアクセスを許可することが検討されている。このようなフェムトセルは、限定加入者グループ（Closed Subscriber Group：ＣＳＧ）セルと呼ばれる。

　以下、図１６を参照して、ＬＴＥにおける、マクロセルとＣＳＧセルとのセル配置例について説明する。図１６は、マクロセルとＣＳＧセルとのセル配置例を示す図である。図１６に示すように、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０は、3つの異なる周波数帯（f1、f2、f3）を管理する。ホーム基地局（HeNB）４０は、周波数f3上に位置する。

　端末６０が、マクロセル基地局装置２０にアクセスしながら、measurementによりCSGセルAの信号を検出した時、CSGセルAが端末６０にとってアクセスが許可されたCSGセルであれば、マクロセル基地局装置２０は、端末６０に対してホーム基地局４０に接続するようハンドオーバの制御を行う。端末６０は、アクセスを許可されているＣＳＧセルのリスト（allowed CSG listともいう）を保持している。端末がアクセス可能なCSGセルは、端末ごとに異なる。

　以下、図１７を参照して、ＬＴＥにおける、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０からホーム基地局（HeNB）４０への端末（UE）６０のハンドオーバ制御方法について説明する。図１７は、ＬＴＥにおける、マクロセル基地局装置２０からホーム基地局４０への端末６０のハンドオーバ制御方法を示す図である。なお、図１７において、端末（UE）６０は、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０にアクセスして通信を行っているものとする。

　端末（UE）６０が、ＣＳＧセルの境界付近に移動すると、ＣＳＧセルの受信品質測定を行う。その際に、端末（UE）６０は、同期チャネル（Synchronization Channel：SCH）の受信によってＣＳＧセルの物理セルＩＤ（Physical Cell Identify: PCI）を取得する。

　そして、端末（UE）６０は、受信品質測定を行ったＣＳＧセルのＰＣＩ（図１７中、”PCI #2”）及び受信品質測定結果報告（measurement report）（図１７中、”MR(PCI #2)”）を、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０へ通知する（図１７中、Ｓ０）。

　ここで、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０は、マクロセル内に含まれるＣＳＧセルのリストを保持しているものとする。ＣＳＧセルのリストには、各ホームｅＮＢのＰＣＩ及び、セルグローバルＩＤ（Cell Global Identify: CGI）が含まれる。

　端末（UE）６０から通知されたＣＳＧセルの受信品質測定結果を受信したマクロセル基地局装置（macro eNB）２０は、マクロセル内に含まれるＣＳＧセルのリストから、対応するＰＣＩを持つホーム基地局（HeNB）を判別する。

　そして、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０は、移動管理エンティティ（Mobility Management Entity：MME）／ゲートウェイ（GateWay：GW）を介して、ホーム基地局（HeNB）４０に対して、端末（UE）６０がハンドオーバしても良いかどうかの問い合わせ（HOリクエスト、HO requestともいう）を送信する（図１７中、Ｓ１からＳ３）。

　ＨＯリクエストを受信したホーム基地局（HeNB）４０は、端末（UE）６０のハンドオーバを許容する場合、端末（UE）６０に提供しているサービスに見合った無線リソースを予め確保し、受け入れ制御を行う。そして、ホーム基地局（HeNB）４０は、受け入れ制御とともに、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０に対して端末（UE）６０のハンドオーバを許可する応答（ＨＯリクエストに対するAck、HO request Ack）を、MME/GWを介して送信する（図１７中、Ｓ４及びＳ５）。

　マクロセル基地局装置（macro eNB）２０は、ホーム基地局（HeNB）４０からのＨＯリクエストに対するAckを受信すると、端末（UE）６０に対してＣＳＧセルに移動するように指示（ＨＯコマンド、HO command）を送信する（図１７中、Ｓ６）。

　そして、端末（UE）６０は、マクロセル基地局装置（macro eNB）２０指示されたホーム基地局（HeNB）４０との同期を確立するために、ランダムアクセスプリアンブル（RACH preamble）を、ホーム基地局（HeNB）４０へ送信する（図１７中、Ｓ７）。

　端末（UE）６０がホーム基地局（HeNB）４０からの応答（ランダムアクセスレスポンス：RACH response）を受信すると（図１７中、Ｓ８）、端末（UE）６０は、ホーム基地局（HeNB）４０との同期を確立し、上り方向送信リソースをホームｅＮＢから割り当てられる。

　そして、ホーム基地局（HeNB）４０との同期が確率すると、端末（UE）６０は、ハンドオーバの完了を示す信号（ＨＯコンファーム）をホーム基地局（HeNB）４０に対して送信する（図１７中、Ｓ９）。

日本国特開２００７－２５１９９０号公報日本国特開２００９－１４１９４５号公報

3GPP TSG RAN WG2 #66bis Tdoc-R2-093969, "HeNB inbound handover for Rel-9 UE", NTT DOCOMO, INC.

　標準化団体3GPPは、LTEと互換性のある次世代の無線通信規格として、LTE-Advanced（Long Term Evolution Advanced, 以下、LTE-Aともいう）の標準化を進めている。LTE-Aシステムは、LTEから進化した次世代移動通信システムであり、より向上した移動通信サービスの提供を目標とする。

　LTE-Aでは、端末が1つの基地局の管理する複数のキャリア周波数を同時に使用するキャリアアグリゲーション（Carrier Aggregation, Band Aggregationともいう）の導入が考えられている。

　以下、図１８を参照し、端末（UE）が、キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアのセット例について説明する。図１８は、端末がキャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアのセット例を示す図である。

　図１８に示す例では、端末は、各20MHzの連続する3つのダウンリンクコンポーネントキャリア（キャリアA、キャリアB、キャリアC）、2つのアップリンクコンポーネントキャリア（キャリアa、キャリアb）を用いて、キャリアアグリゲーションを行っている。例えば、ダウンリンクのキャリアA、キャリアBはアップリンクのキャリアaと対で、ダウンリンクのキャリアCはアップリンクのキャリアbと対で使用される。このように、複数のコンポーネントキャリアを使用することにより、端末と基地局間の通信のスループット向上が期待されている。

　端末は、電源投入後、着信を受けるために、位置情報や端末の機能(UE capability)などの端末情報をネットワークに通知する（アタッチ、登録）。この時、端末がネットワークに送るUE capabilityとして、サポート可能な帯域幅、不連続な複数の帯域をサポート可能かどうか、などの情報が含まれる。キャリアアグリゲーションの指示は、基地局主導で行われる。基地局は、端末のサポート可能な帯域幅やコンポーネントキャリアの数などのUE capabilityを基に、キャリアアグリゲーションに用いるコンポーネントキャリアのセットを選択し、端末に指示する。

　キャリアアグリゲーション開始の指示及びコンポーネントキャリアセットの指示は、基地局と端末との間の個別シグナリングによって通知される。通知のタイミングとしては、例えば、端末のコネクションセットアップ時にRRC（Radio Resource Control、無線リソース制御プロトコル）コネクションの設定を通知するために基地局から端末に送られるメッセージ（RRC connection reconfiguration）と共に、キャリアアグリゲーション開始の指示及びコンポーネントキャリアセットの指示が通知されることが考えられる。また、ハンドオーバ時にソース基地局から端末にハンドオーバを指示するために送られるメッセージ（HO command）と共に通知されて良い。さらに、また、任意のタイミングで基地局から端末への個別シグナリングによって通知されても良い。

　しかしながら、基地局は、一方的に使用するコンポーネントキャリアを選択して端末に指示するため、端末にとって優先的にアクセスしたいマクロセルのキャリア周波数帯があっても、基地局が、そのキャリアを選択しない可能性がある。

　本発明は、無線送受信装置にとって適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを可能とする無線送受信装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。

　本発明の一実施形態として、参照信号と制御情報を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記参照信号を測定する測定部と、前記測定部の測定結果に基づいて、測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、アクセス可能な小セルを示すリスト及び前記アクセス可能な小セルの中で以前にアクセスした小セルの識別情報を記憶する記憶部と、前記測定部の測定結果と、前記記憶部に記憶された前記小セルの識別情報とから、前記以前にアクセスした小セルが自装置の検出可能範囲に存在するか否かを判定する小セル判定部と、前記測定結果報告作成部により作成された前記測定結果報告を送信する送信部と、を具備する無線送受信装置を提供する。

　上記無線送受信装置では、前記測定結果報告作成部は、前記小セル判定部の判定に基づき、前記以前にアクセスした小セルの位置するキャリア周波数情報を含めた前記測定結果報告を作成する。

　上記無線送受信装置では、前記測定部は、前記小セル判定部の判定に基づき、前記以前にアクセスした小セルが自装置の検出可能範囲に存在する場合に、小セルの位置するキャリア周波数帯の周辺キャリア周波数の測定を行い、前記測定結果報告作成部は、前記小セルの位置するキャリア周波数帯の周辺キャリア周波数の測定結果を含めた測定結果報告を作成する。

　上記無線送受信装置では、前記小セル判定部は、小セルとマクロセルの中心周波数が異なると判定する場合に、前記測定部に、前記小セルの周辺キャリア周波数帯の周辺キャリア周波数上の、セルの受信品質測定を行うことを指示する。

　上記無線送受信装置では、前記小セル判定部は、小セルの存在する周波数帯域にマクロセルがないと判定する場合に、当該周波数帯域のコンポーネントキャリア及び、対となるコンポーネントキャリアの有無を判定し、前記測定部に受信品質測定を行うことを指示する。

　また、本発明の一実施形態として、外部装置が以前にアクセスした小セルの位置するキャリア周波数情報を含み、参照信号を測定することで得られる測定結果報告を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記測定結果報告を判定する測定結果報告判定部と、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、前記外部装置がキャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアのセットを選択するコンポーネントキャリア選択部と、前記コンポーネントキャリア選択部によって選択されたキャリアの使用を前記外部装置へ指示するための制御メッセージを作成する制御メッセージ作成部と、前記制御メッセージ作成部により作成された制御メッセージを前記外部装置へ送信する送信部と、を具備する無線送受信装置を提供する。

　上記無線送受信装置では、前記コンポーネントキャリア選択部は、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、小セルのあるキャリア周波数を含むコンポーネントキャリアを優先的に選択する。

　上記無線送受信装置では、前記コンポーネントキャリア選択部は、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、受信品質の高いコンポーネントキャリアを優先的に選択する。

　また、本発明の一実施形態として、上記無線送受信装置を具備する端末装置を提供する。

　また、本発明の一実施形態として、上記無線送受信装置を具備する基地局装置を提供する。

　また、本発明の一実施形態として、上記端末装置と上記基地局装置からなる無線通信システムを提供する。

　本発明によれば、無線送受信装置にとって適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを可能とする無線送受信装置及び無線通信システムを提供することができる。

実施の形態１に係る端末１００の構成を示すブロック図実施の形態１に係る基地局２００の構成を示すブロック図端末１００の動作フローを示す図基地局２００の動作フローを示す図端末１００と基地局２００との間のシグナリングを示す図実施の形態２に係る端末３００の構成を示すブロック図実施の形態２に係る基地局４００の構成を示すブロック図端末３００の動作フローを示す図基地局４００の動作フローを示す図実施の形態２に係る無線通信システムの動作例１を説明するための図図１０における端末３００の動作フローを示す図実施の形態２に係る無線通信システムの動作例２を説明するための図図１２における端末３００の動作フローを示す図コンポーネントキャリアの概念図端末５００の動作フローを示す図マクロセルとＣＳＧセルとのセル配置例を示す図ＬＴＥにおけるハンドオーバ制御方法を示す図キャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアのセット例を示す図

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、実施の形態において、同一機能を有する構成には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。

（実施の形態１）
　キャリアアグリゲーションにおいて、基地局は端末の機能(UE capability)をもとに、端末のサポート可能な範囲でのコンポーネントキャリアセットをそれぞれ割り当てる。しかし、基地局は一方的に使用するコンポーネントキャリアを選択して端末に指示するため、端末にとってアクセス可能なCSGセルがあるために、CSGセル検出のため優先的にアクセスしたいマクロセルのキャリア周波数帯があっても、そのキャリアを選択してもらえない可能性がある。その場合、CSGセルのあるキャリア周波数帯にいないためにCSGセルのPCI検出ができず、端末にとってアクセス可能なCSGセルを検出できなくなってしまう。

　実施の形態１に係る無線通信システムでは、端末装置１００（以下、端末１００という）にとってアクセス可能なCSGセルがあるキャリア周波数帯を優先的に選択するようネットワークに通知することによって、キャリアアグリゲーション時に該当CSGセルのあるキャリア周波数帯がコンポーネントキャリアのセットに含まれる。すなわち、端末１００は、キャリアアグリゲーション中にもCSGセルのPCIの検出が可能になり、該当CSGセルへのアクセスが可能になる。

＜端末装置１００の構成＞
　以下、図１を参照し、実施の形態１に係る無線通信システムにおける端末１００の構成について、説明する。図１は、端末１００の構成を示すブロック図である。図１に示す端末１００は、受信品質測定部１０１と、CSGセル情報記憶部１０３と、CSGセル判定部１０５と、測定報告作成部１０７と、受信部１０９と、送信部１１１と、送受信アンテナ１１３とを備える。

　受信品質測定部１０１は、自装置がキャンプ（camp）しているセル及び周辺セルの受信品質の測定（measurement、メジャメント）を行う。そして、受信品質測定部１０１は、その受信品質の測定結果を、測定報告作成部１０７及びCSGセル判定部１０５に出力する。
　なお、受信品質の測定のための設定は、基地局装置２００から送信され、受信部１０９から受信品質測定部１０１に入力される。

　CSGセル情報記憶部１０３は、自装置がアクセス可能なCSGセルのリスト（allowed CSG list, whitelist、ホワイトリストともいう）と、以前にアクセスしたCSGセルの履歴情報（fingerprint情報、フィンガープリント情報、proximity informationともいう、以下fingerprint情報とする）とを記憶する。CSGセル情報記憶部１０３は、自装置がアクセス可能なCSGセルのリストとfingerprint情報とを、必要に応じてCSGセル判定部１０５に出力する。

　ここで、自装置がアクセス可能なCSGセルのリストには、CSGセルのPCI、グローバルなセルID（Cell Global Identity, 以下CGIともいう）、CSGセルのグループID（Closed Subscriber Group Identity, 以下CSG IDともいう）などが含まれる。また、fingerprint情報には、以前にアクセスしたCSGセルのPCI、CGI、CSG ID、キャリア周波数情報、GPSなどによる位置情報などが含まれる。

　CSGセル判定部１０５は、受信品質測定部１０１から入力された受信品質の測定結果と、CSGセル情報記憶部１０３から出力される情報のうち、fingerprint情報とを参照して、自装置のアクセス可能なCSGセルが付近に位置するかどうかを判定する。

　また、CSGセル判定部１０５は、例えば、測定を行ったセルのキャリア周波数が、fingerprint情報に含まれるCSGセルのキャリア周波数と同帯域である場合に、そのCSGセルが、自装置の付近に位置すると判定する。そして、CSGセル判定部１０５は、判定結果を測定報告作成部１０７に出力する。

　測定報告作成部１０７は、受信品質測定部１０１から入力された受信品質の測定結果に基づいて、基地局装置２００に送信する測定結果報告（measurement report、メジャメントレポート）を作成して、作成した測定結果報告（measurement report）を送信部１１１に出力する。

　測定報告作成部１０７は、作成した測定結果報告（measurement report）を送信部１１１に出力する時、CSGセル判定部１０５から、アクセス可能なCSGセルが自装置の付近に位置するという判定結果の入力があれば、その判定結果を、作成した測定結果報告（measurement report）に含める。例えば、測定報告作成部１０７は、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数を、測定結果報告（measurement report）に含める。

　受信部１０９は、基地局装置２００からのデータ、受信品質測定のための制御情報（measurement control、メジャメントコントロール）、実際に測定する参照信号（reference symbol、reference signal）などを、送受信アンテナ１１３を介して受信する。

　送信部１１１は、自装置からのデータ、測定結果報告（measurement report）などを、送受信アンテナ１１３を介して送信する。

＜基地局装置２００の構成＞
　以下、図２を参照し、実施の形態１に係る無線通信システムにおける基地局装置２００（以下、基地局２００という）の構成について、説明する。図２は、基地局２００の構成を示すブロック図である。図２に示す基地局２００は、測定結果報告判定部２０１と、コンポーネントキャリア選択部２０３と、制御メッセージ作成部２０５と、受信部２０７と、送信部２０９と、送受信アンテナ２１１と、を備える。

　測定結果報告判定部２０１は、端末１００から送信された測定結果報告（measurement report）を参照する。そして、測定結果報告判定部２０１は、「端末１００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」が測定結果報告（measurement report）に含まれていたら、「端末１００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」の情報をコンポーネントキャリア選択部２０３に出力する。

　コンポーネントキャリア選択部２０３は、端末１００にキャリアアグリゲーションを指示する際に、測定結果報告判定部２０１から入力された「端末１００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」を含む、「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」を選択する。そして、コンポーネントキャリア選択部２０３は、選択した「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」を、制御メッセージ作成部２０５に出力する。

　制御メッセージ作成部２０５は、端末１００にキャリアアグリゲーションを指示する制御メッセージを作成する。制御メッセージ作成部２０５は、コンポーネントキャリア選択部２０３から入力された「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」を、作成する制御メッセージに含める。そして、制御メッセージ作成部２０５は、作成した制御メッセージを送信部２０９に出力する。

　受信部２０７は、端末１００からのデータ、測定結果報告（measurement report）などを、送受信アンテナ２１１を介して送信する。

　送信部２０９は、自装置からのデータ、受信品質測定のための制御情報、実際に測定する参照信号などを、送受信アンテナ２１１を介して、端末１００へ送信する。

＜端末１００の動作＞
　以下、図３を参照して、端末１００の動作フローについて説明する。図３は、端末１００の動作フローを示す図である。

　ステップＳ３０で、端末１００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う（Ｓ３０）。ここで、通常の受信品質測定（measurement）の開始のタイミングは、基地局２００からの制御情報によって設定されている。例えば、現在アクセスしているセル（serving cell、サービングセル）の受信品質レベルが、基地局２００から設定された閾値を下回った時に、端末１００は、サービングセル及び周辺セル（neighbor cell、ネイバーセル、隣接セルともいう）の受信品質測定（measurement）を開始する。そして、ステップＳ３１へ遷移する。

　ステップＳ３１で、端末１００は、fingerprint情報に基づき、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置するか否かを、判定する。そして、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置すると判定すると（Ｙｅｓ）、ステップＳ３２へ遷移し、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置しないと判定すると（Ｎｏ）、ステップＳ３３へ遷移する。

　ステップＳ３２で、端末１００は、サービングセル及び周辺セルの受信品質測定結果報告（measurement report）の中に、CSGセルのキャリア周波数情報を含めて、基地局２００に送信する。そして、ステップＳ３４へ遷移する。

　ステップＳ３３で、端末１００は、通常の測定結果報告を基地局２００に送信する。

　ステップＳ３４で、端末１００は、基地局２００からキャリアアグリゲーションの指示があるか否かを、判定する。そして、ステップＳ３４で、基地局２００からキャリアアグリゲーションの指示がある場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ３５へ遷移し、基地局２００からキャリアアグリゲーションの指示がない場合（Ｎｏ）、ステップＳ３６へ遷移する。

　ステップＳ３５で、端末１００は、基地局２００からのキャリアアグリゲーションの指示に基づき、指示されたコンポーネントキャリアを用いて、キャリアアグリゲーションを開始する。

　ステップＳ３６で、端末１００は、基地局２００からキャリアアグリゲーションの指示がないので、キャリアアグリゲーションを行わない。そこで、端末１００は、基地局２００からキャリアアグリゲーション以外の指示が特にない限り、現在接続しているマクロセルとの通信を継続する。

＜基地局２００の動作＞
　以下、図４を参照して、基地局２００の動作フローについて、説明する。図４は、基地局２００の動作フローを示す図である。

　ステップＳ４０で、基地局２００は、端末１００からの受信品質測定結果報告を受信する。そして、ステップＳ４１へ遷移する。

　ステップＳ４１で、基地局２００は、端末１００から受信した受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれているかどうかを判定する。そして、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれている場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ４２へ遷移し、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれていない場合（Ｎｏ）、ステップＳ４４へ遷移する。

　ステップＳ４２で、基地局２００は、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれているので、キャリアアグリゲーション時にCSGセルのキャリア周波数を含んだコンポーネントキャリアを選択する。そして、ステップＳ４３へ遷移する。

　ステップＳ４３で、基地局２００は、キャリアアグリゲーションの開始及び端末１００が使用するコンポーネントキャリアのセットを指示するメッセージを作成する。そして、ステップＳ４５へ遷移する。

　ステップＳ４４で、基地局２００は、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれていないので、通常通りのキャリアアグリゲーションの開始及び端末１００が使用するコンポーネントキャリアのセットを指示するメッセージを作成する。そして、ステップＳ４５へ遷移する。

　ステップＳ４５で、基地局２００は、キャリアアグリゲーションの開始及び端末１００が使用するコンポーネントキャリアのセットを指示するメッセージを、端末１００に送信する。

＜端末１００と基地局２００との間のシグナリング＞
　以下、図５を参照して、端末１００と基地局２００との間のシグナリングについて、説明する。図５は、端末１００と基地局２００との間のシグナリングを示す図である。

　ステップＳ５１で、端末１００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う。ステップＳ５２で、端末１００は、fingerprint情報によって、自装置のアクセス可能なCSGセルが周辺に位置すると判定すると、ステップＳ５３で、端末１００は、サービングセル及び周辺セルの受信品質測定結果報告（measurement report）の中に、CSGセルのキャリア周波数情報を入れて、基地局２００に送信する。

　ステップＳ５４で、基地局２００は、端末１００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数を含むマクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリアを選択する。そして、ステップＳ５５で、選択したコンポーネントキャリアを、キャリアアグリゲーションを指示する制御メッセージに含めて、ＲＲＣ信号（RRC signaling）と共に、端末１００へ送信する。

　ステップＳ５６で、端末１００は、基地局２００から指示されたコンポーネントキャリアを用いてキャリアアグリゲーションを開始する。

　以上、実施の形態１に係る無線通信システムによれば、端末１００にとってアクセス可能なCSGセルがあるキャリア周波数帯を優先的に選択するようネットワークに通知することによって、キャリアアグリゲーション時に該当CSGセルのあるキャリア周波数帯がコンポーネントキャリアのセットに含まれる。すわなち、実施の形態１に係る端末１００は、キャリアアグリゲーション中にもCSGセルのPCIの検出が可能になり、該当CSGセルへのアクセスが可能になる。

　なお、実施の形態１に係る端末１００が基地局２００に通知するCSGセルの情報は、CSGセルのキャリア周波数に限らず、例えばCSG IDを基地局２００に通知するCSGセルの情報に含めても良い。

　なお、実施の形態１に係る端末１００は、CSGセルのキャリア周波数を通知するのではなく、該当CSGセルのキャリア周波数を含むマクロセルのキャリア周波数を、基地局２００に通知しても良い。

　なお、実施の形態１に係る端末１００は、上記CSGセルのキャリア周波数とマクロセルのキャリア周波数を併せて通知しても良い。

　なお、実施の形態１に係る端末１００が基地局２００に通知するCSGセルの情報は、測定結果報告に含めて送信するだけでなく、測定結果報告を送るシグナリングとは別の端末と基地局との間の個別シグナリング（dedicated signaling）を用いて送っても良い。また、測定結果報告メッセージ以外の、例えばRRCコネクションセットアップ完了メッセージなどのメッセージに含めて送っても良い。

　なお、実施の形態１に係る端末１００は、端末１００がアクセスしているマクロセルのキャリア周波数が、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数を含んでいない場合のみ、基地局２００にCSGセルのあるキャリア周波数を通知することとし、端末１００がアクセスしているマクロセルのキャリア周波数が、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数を含んでいる場合は、端末１００は基地局２００にCSGセルのあるキャリア周波数を通知しないという運用も考えられる。

（実施の形態２）
　実施の形態１に係る無線通信システムにおいて、端末１００にとってアクセス可能なCSGセルを含むキャリア周波数帯を優先的にキャリアアグリゲーションに含めることを可能にしている。しかし、CSGセルを含むコンポーネントキャリアセットの候補が複数ある場合に、CSGセルを含むキャリア周波数情報のみでは、基地局２００が、端末１００にとって適切なコンポーネントキャリアが選択するとは限らない。例えば、マクロセルとCSGセルの中心キャリア周波数がずれている場合に、基地局２００が、CSGセルと同じキャリア周波数帯を含むマクロセルを選択すると、かえってCSGセルの干渉を強く受けてしまうことが考えられる。

　そこで、実施の形態２に係る無線通信システムにおいて、端末装置３００は、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数と共に、周辺キャリアの受信品質測定結果を、基地局装置４００に通知する。そのため、実施の形態２に係る無線通信システムでは、端末３００にとって、適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを行いながら、端末装置３００によるCSGセルの検出を可能にする。

＜端末装置３００の構成＞
　以下、図６を参照して、実施の形態２の端末装置３００（以下、端末３００という）の構成について、説明する。図６は、端末３００の構成を示すブロック図である。図５に示す端末３００は、受信品質測定部３０１と、CSGセル情報記憶部３０３と、CSGセル判定部３０５と、測定報告作成部３０７と、受信部３０９と、送信部３１１と、送受信アンテナ３１３と、を備える。

　受信品質測定部３０１は、自装置がキャンプ（camp）しているセル及び周辺セルの受信品質の測定（measurement、メジャメント）を行う。そして、受信品質測定部３０１は、その受信品質の測定結果を、測定報告作成部３０７及びCSGセル判定部３０５に出力する。なお、受信品質の測定のための設定は、基地局装置４００から送信され、受信部３０９から受信品質測定部３０１に入力される。

　CSGセル情報記憶部３０３は、自装置がアクセス可能なCSGセルのリスト（allowed CSG list, whitelist、ホワイトリストともいう）と、以前にアクセスしたCSGセルの履歴情報（fingerprint情報、フィンガープリント情報、proximity informationともいう、以下fingerprint情報とする）とを記憶する。CSGセル情報記憶部３０３は、自装置がアクセス可能なCSGセルのリストと、自装置の周辺セルの受信品質測定結果と、fingerprint情報とを、必要に応じてCSGセル判定部３０５に出力される。

　ここで、自装置がアクセス可能なCSGセルのリストには、実施の形態１と同様、CSGセルのPCI、グローバルなセルID（Cell Global Identity, 以下CGIともいう）、CSGセルのグループID（Closed Subscriber Group Identity, 以下CSG IDともいう）などが含まれる。また、fingerprint情報には、以前にアクセスしたCSGセルのPCI、CGI、CSG ID、キャリア周波数情報、GPSなどによる位置情報などが含まれる。

　CSGセル判定部３０５は、受信品質測定部３０１から入力された受信品質の測定結果と、CSGセル情報記憶部３０３から出力される情報のうち、fingerprint情報とを参照して、自装置のアクセス可能なCSGセルが付近に位置するかどうかを判定する。CSGセル判定部３０５は、例えば、測定を行ったセルのキャリア周波数が、fingerprint情報に含まれるCSGセルのキャリア周波数と同帯域である場合に、そのCSGセルが、自装置の付近に位置すると判定する。そして、CSGセル判定部３０５は、判定結果を測定報告作成部３０７に出力する。

　ここで、本実施の形態では、CSGセル判定部３０５が、自装置のアクセス可能なCSGセルが付近に位置すると判定すると、受信品質測定部３０１が、CSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定（measurement）を行う。この時、端末３００の機能（UE capability）によってキャリアアグリゲーション可能な周波数のみについて受信品質測定を行うものとする。自装置のアクセス可能なCSGセルが周辺に位置すると判定した時に、そのキャリア周波数周辺のセルを見つける方法は、例えば、現在アクセスしているマクロセルで報知されているキャリア周波数情報（Carrier Frequency Info、Inter Freq Carrier Freq Info、周波数間キャリア周波数情報ともいう）を用いることが考えられる。キャリア周波数情報には、周辺周波数帯のキャリア周波数情報や隣接セルのPCIなどが含まれているので、キャリア周波数情報から、CSGセルのキャリア周波数及びその周辺のマクロセルを見つけることができる。

　測定報告作成部３０７は、受信品質測定部３０１から入力された受信品質の測定結果に基づいて、基地局装置４００に送信する測定結果報告（measurement report、メジャメントレポート）を作成して、作成した測定結果報告（measurement report）を送信部３１１に出力する。

　ここで、本実施の形態において、CSGセル判定部３０５が自装置のアクセス可能なCSGセルが付近に位置すると判定した場合、測定報告作成部３０７は、受信品質測定部３０１から入力された受信品質の測定結果に基づき、CSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定（measurement）を含む、基地局装置４００に送信する測定結果報告（measurement report、メジャメントレポート）を作成して、作成した測定結果報告（measurement report）を送信部３１１に出力する。

　測定報告作成部３０７は、作成した測定結果報告（measurement report）を送信部３１１に出力する時、CSGセル判定部３０５から、アクセス可能なCSGセルが自装置の付近に位置するという判定結果の入力があれば、その判定結果を、作成した測定結果報告（measurement report）に含める。例えば、測定報告作成部３０７は、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数と共に、CSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定結果報告を、測定結果報告（measurement report）に含める。

　受信部３０９は、基地局装置４００からのデータ、受信品質測定のための制御情報（measurement control、メジャメントコントロール）、実際に測定する参照信号（reference symbol、reference signal）などを、送受信アンテナ３１３を介して受信する。

　送信部３１１は、自装置からのデータ、測定結果報告（measurement report）などを、送受信アンテナ３１３を介して送信する。

　なお、端末３００は、基地局装置４００から、キャリアアグリゲーションの指示がある場合、端末３００は、基地局装置４００から指示されたコンポーネントキャリアを用いてキャリアアグリゲーションを開始する。

＜基地局装置４００の構成＞
　以下、図７を参照し、実施の形態２に係る無線通信システムにおける基地局装置４００（以下、基地局４００という）の構成について、説明する。図７は、基地局４００の構成を示すブロック図である。図７に示す基地局４００は、測定結果報告判定部４０１と、コンポーネントキャリア選択部４０３と、制御メッセージ作成部４０５と、受信部４０７と、送信部４０９と、送受信アンテナ４１１と、を備える。

　測定結果報告判定部４０１は、端末３００から送信された測定結果報告（measurement report）を参照する。そして、測定結果報告判定部４０１は、「端末３００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」が測定結果報告（measurement report）に含まれていたら、「端末３００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」の情報をコンポーネントキャリア選択部４０３に出力する。

　また、測定結果報告判定部４０１は、「周辺マクロセルのキャリア周波数（f1, f2, f3）の受信品質測定の結果」が端末３００からの測定結果報告（measurement report）に含まれていたら、自装置又は上位ノードで予め設定されている値に基づき、どの周辺マクロセルのキャリア周波数で、端末３００がキャリアアグリゲーションを行うかを判定する。なお、判定方法については、後述する動作例で説明する。

　コンポーネントキャリア選択部４０３は、端末３００にキャリアアグリゲーションを指示する際に、測定結果報告判定部４０１から入力された「端末３００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数」を含む、「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」を選択する。そして、コンポーネントキャリア選択部４０３は、選択した「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」を、制御メッセージ作成部４０５に出力する。

　また、コンポーネントキャリア選択部４０３は、端末３００がキャリアアグリゲーションを行う周辺マクロセルのキャリア周波数を選択し、選択したキャリア周波数を含む周辺マクロセルを、制御メッセージ作成部４０５に出力する。

　制御メッセージ作成部４０５は、端末３００にキャリアアグリゲーションを指示する制御メッセージを作成する。制御メッセージ作成部４０５は、コンポーネントキャリア選択部４０３から入力された「マクロセルのキャリア周波数のコンポーネントキャリア」又は「キャリア周波数を含む周辺マクロセル」を、作成する制御メッセージに含める。そして、制御メッセージ作成部４０５は、作成した制御メッセージを送信部４０９に出力する。

　受信部４０７は、端末３００からのデータ、測定結果報告（measurement report）などを、送受信アンテナ４１１を介して送信する。

　送信部４０９は、自装置からのデータ、受信品質測定のための制御情報、実際に測定する参照信号などを、送受信アンテナ４１１を介して、端末３００へ送信する。

＜端末３００の動作＞
　以下、図８を参照して、端末３００の動作フローを説明する。図８は、端末３００の動作フローを示す図である。

　ステップＳ７０で、端末３００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う。ここで、通常の受信品質測定（measurement）の開始のタイミングは、基地局４００からの制御情報によって設定されている。例えば、現在アクセスしているセル（serving cell、サービングセル）の受信品質レベルが、基地局４００から設定された閾値を下回った時に、端末１００は、サービングセル及び周辺セル（neighbor cell、ネイバーセル、隣接セルともいう）の受信品質測定（measurement）を開始する。そして、ステップＳ７１へ遷移する。

　ステップＳ７１で、端末３００は、fingerprint情報に基づき、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置するか否かを、判定する。そして、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置すると判定すると（Ｙｅｓ）、ステップＳ７２へ遷移し、自装置のアクセス可能なCSGセルが自装置の周辺に位置しないと判定すると（Ｎｏ）、ステップＳ７３へ遷移する。

　ステップＳ７２で、端末３００は、CSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定（measurement）を行う。この時、端末の機能（UE capability）によってキャリアアグリゲーション可能な周波数のみについて、受信品質測定を行うものとする。そして、ステップＳ７４へ遷移する。

　ステップＳ７３で、端末３００は、通常の測定結果報告を基地局４００に送信する。

　ステップＳ７４で、端末３００は、CSGセルのキャリア周波数情報及びCSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定（measurement）を含む、測定結果報告（measurement report、メジャメントレポート）基地局装置４００に送信する。そして、ステップＳ７５へ遷移する。

　ステップＳ７５で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示があるか否かを、判定する。そして、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がある場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ７６へ遷移し、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がない場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ７７へ遷移する。

　ステップＳ７６で、端末３００は、基地局４００からのキャリアアグリゲーションの指示に基づき、指示されたコンポーネントキャリアを用いて、キャリアアグリゲーションを開始する。

　ステップＳ７７で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がないので、キャリアアグリゲーションを行わない。そこで、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーション以外の指示が特にない限り、現在接続しているマクロセルとの通信を継続する。

＜基地局４００の動作＞
　以下、図９を参照して、基地局４００の動作フローについて、説明する。図９は、基地局４００の基本動作フローを示す図である。

　ステップＳ９０で、基地局４００は、端末３００からの受信品質測定結果報告を受信する。そして、ステップＳ９１へ遷移する。

　ステップＳ９１で、基地局４００は、端末３００から受信した受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれているかどうかを判定する。そして、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれている場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ９２へ遷移し、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれていない場合（Ｎｏ）、ステップＳ９５へ遷移する。

　ステップＳ９２で、基地局４００は、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周波数情報が含まれているので、キャリアアグリゲーション時にCSGセルのキャリア周波数を含んだコンポーネントキャリアを選択する。そして、ステップＳ９３へ遷移する。

　ステップＳ９３で、基地局４００は、さらに、端末３００から受信した受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周辺マクロセルの受信品質測定結果が含まれているかどうかを判定する。そして、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周辺マクロセルの受信品質測定結果が含まれている場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ９４へ遷移し、受信品質測定結果報告の中にCSGセルの周辺マクロセルの受信品質測定結果が含まれていない場合、（Ｎｏ）、ステップＳ９５へ遷移する。

　ステップＳ９４で、基地局４００は、受信品質の良い周辺マクロセルを優先的にコンポーネントキャリアとして選択する。そして、ステップＳ９５へ遷移する。

　ステップＳ９５で、基地局４００は、キャリアアグリゲーションの開始及び端末３００が使用するコンポーネントキャリアのセットを指示するメッセージを作成する。そして、ステップＳ９６へ遷移する。

　ステップＳ９６で、基地局４００は、キャリアアグリゲーションの開始及び端末３００が使用するコンポーネントキャリアのセットを指示するメッセージを、端末３００に送信する。

＜動作例１＞
　以下、図１０を参照して、実施の形態２に係る無線通信システムの動作例１について説明する。図１０は、実施の形態２に係る無線通信システムの動作例１を説明するための図である。実施の形態２に係る無線通信システムでは、マクロセルとCSGセルの中心キャリア周波数が異なる。動作例１では、実施の形態１と相違する点を中心に説明する。

　図１０に示すように、マクロセルのキャリア周波数は（f1, f2, f3, f4, f5）である。各キャリア周波数の帯域幅は、20MHzである。また、周波数f3のマクロセルのキャリア周波数と同じ周波数帯域に、CSGセルのキャリア周波数（f6, f7）がある。各キャリア周波数f6, f7の帯域幅は、10MHzである。

　ここで、動作例１では、ＣＳＧセルのキャリア周波数f6に、端末３００がアクセス可能なCSGセルがあるものとする。

［端末３００の動作］
　図１１を参照して、図１０に示す動作例１での端末３００の動作フローについて説明する。図１１は、図１０における端末３００の動作フローを示す図である。

　ステップＳ１１１で、端末３００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う。ここで、通常受信品質測定（measurement）の開始のタイミングは、基地局４００からの制御情報によって設定されている。例えば、現在アクセスしているセル（serving cell、サービングセル）の受信品質レベルが、基地局４００から設定された閾値を下回った時に、端末１００は、サービングセル及び周辺セル（neighbor cell、ネイバーセル、隣接セルともいう）の受信品質測定（measurement）を開始する。そして、ステップＳ１１２へ遷移する。

　ステップＳ１１２で、端末３００は、fingerprint情報から、ＣＳＧセルのキャリア周波数f6にアクセス可能なCSGセルがある（Ｙｅｓ）ことを判定する。そして、ステップＳ１１３へ遷移する。なお、fingerprint情報から、アクセス可能なCSGセルがない場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１１９へ遷移し、通常の受信品質測定の結果を基地局４００へ送信する。

　ステップＳ１１３で、端末３００は、マクロセルの中心周波数とCSGセルの中心周波数が同じかどうか判定する。ここで、図１０における動作例１では、マクロセルの中心周波数とCSGセルの中心周波数が異なるので、マクロセルの中心周波数とCSGセルの中心周波数が同じであると判定（Ｙｅｓ）し、ステップＳ１１４へ遷移する。なお、マクロセルとCSGセルの中心周波数が同じ場合は、ステップＳ１２０へ遷移し、通常の測定結果報告にCSGセルの周波数情報を入れて基地局４００へ送信する。

　ここで、ステップＳ１１３におけるCSGセルとマクロセルの中心周波数の判定は、例えばfingerprint情報にあるアクセス可能なCSGセルの周波数情報と、マクロセルで報知されているキャリア周波数情報に記載の隣接セルの周波数情報を参照して行う方法がある。

　ステップＳ１１４で、端末３００は、周辺マクロセルのキャリア周波数のうち、例えば、キャリア周波数（f2, f3, f4）の受信品質測定（measurement）を行う。そして、ステップＳ１１５へ遷移する。

　ステップＳ１１５で、端末３００は、キャリア周波数（f2, f3, f4）の受信品質測定の結果を、アクセス可能なCSGセルのあるキャリア周波数f6の情報と共に基地局４００に送信する。

　ステップＳ１１６で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示があるか否かを、判定する。そして、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がある場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ１１７へ遷移し、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がない場合（Ｎｏ）、ステップＳ１１８へ遷移する。

　ステップＳ１１７で、端末３００は、基地局４００からのキャリアアグリゲーションの指示に基づき、指示されたコンポーネントキャリアを用いて、キャリアアグリゲーションを開始する。

　ステップＳ１１８で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がないので、キャリアアグリゲーションを行わない。そこで、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーション以外の指示が特にない限り、現在接続しているマクロセルとの通信を継続する。

[基地局４００の動作]
　基地局４００は、測定結果報告判定部４０１により、端末３００からの測定結果報告（measurement report）を受けて、周辺マクロセルのキャリア周波数（f1, f2, f3, f4, f5）の受信品質測定の結果に基づき、どの周辺マクロセルのキャリア周波数で、端末３００がキャリアアグリゲーションを行うかを指示する。

　ここで、周辺マクロセルのキャリア周波数（f1, f2, f3, f4, f5）の受信品質測定の結果に基づき、どの周辺マクロセルのキャリア周波数で、端末３００がキャリアアグリゲーションを行うかの判定基準は、基地局４００又は上位ノードによって設定された値を用いる。

　基地局４００は、測定結果報告判定部４０１により、キャリア周波数f3の受信品質測定結果が、他のキャリア周波数（f1, f2, f4, f5）の受信品質測定結果と比べて悪ければ、キャリア周波数f3はCSGセルの干渉が強いとみなして、キャリア周波数f3以外のキャリア周波数（f1, f2, f4, f5）の情報をコンポーネントキャリア選択部４０３に出力する。

　ここで、図１０に示す動作例１において、UE capabilityとして最大60MHzの周波数帯域をサポートできる端末３００を例に、端末３００が測定するCSGセルの周辺マクロセルの範囲と、基地局４００が選択するコンポーネントキャリアのセットを説明する。

＜ケース１＞
　端末３００が各20MHzの連続した周波数帯域3つ分をサポート可能な場合、端末３００は、キャリア周波数f1～f5のマクロセルの受信品質測定を行い、測定結果報告を基地局４００に通知する。基地局４００は、端末３００からの測定結果報告を受信すると、受信品質の最もよい、CSGセルを含む連続した60MHzの帯域幅のキャリア周波数をコンポーネントキャリアのセットとして選択する。この時、コンポーネントキャリアのセットとして考えられるのは、コンポーネントキャリアのセット（f1, f2, f3）、（f2, f3, f4）、（f3, f4, f5）の3パターンとなる。

　また、この時、60MHzの帯域幅のキャリア周波数をフルに使ってキャリアアグリゲーションしながら、同時にキャリア周波数f6の受信品質測定を行うことが不可能なUE capabilityを有する端末３００の場合、キャリア周波数f6の受信品質測定のために、キャリアアグリゲーションのサポート帯域数を減らしてもらう要求を、測定結果報告に含めて基地局４００に通知する。通知方法としては、例えば、[端末が帯域可能なサポート数 -1]といった形式が考えられる。この場合、コンポーネントキャリアのセットとして考えられるのは、コンポーネントキャリアのセット（f1, f2）、（f2, f3）、（f3, f4）、（f4, f5）の4パターンとなる。

＜ケース２＞
　端末３００が、各20MHzの連続した周波数帯域2つ分をサポート可能な場合、端末３００は、キャリア周波数f1～f5のマクロセルの受信品質測定を行い、測定結果報告を基地局４００に通知する。基地局４００は、端末３００からの測定結果報告を受信すると、CSGセルを含む連続した60MHzの帯域幅の範囲内の、受信品質の最もよい、連続した40MHzの帯域幅のキャリア周波数をコンポーネントキャリアのセットとして選択する。この時、コンポーネントキャリアのセットとして考えられるのは、コンポーネントキャリアのセット（f1, f2）、（f2, f3）、（f3, f4）、（f4, f5）の4パターンとなる。

＜ケース３＞
　端末３００が、各20MHzの不連続な周波数帯域2つ分をサポート可能な場合、端末３００は、キャリア周波数f1～f5のマクロセルの受信品質測定を行い、測定結果報告を基地局４００に通知する。基地局４００は、端末３００からの測定結果報告を受信すると、CSGセルを含む連続した60MHzの帯域幅の範囲内の、受信品質の最もよい、40MHz分の帯域幅のキャリア周波数をコンポーネントキャリアのセットとして選択する。この時、コンポーネントキャリアのセットとして考えられるのは、コンポーネントキャリアのセット（f1, f2）、（f2, f3）、（f3, f4）、（f4, f5）、（f1, f3）（f2, f4）、（f3, f5）の７パターンとなる。

　また、上記ケース１～ケース３において、キャリア周波数f3の受信品質が他のキャリア周波数と比較して、基地局４００により設定された閾値よりも悪い場合、基地局４００は、キャリア周波数f3のマクロセルがf6のCSGセルの干渉が強いとみなして、キャリア周波数f3をコンポーネントキャリアのセットには選択しない。これによって、マクロセルとCSGセルの中心キャリア周波数が異なる場合に、両者の干渉の影響が最小限となり、受信品質の最もよいコンポーネントキャリアセットでのキャリアアグリゲーション及びCSGセルの検出が可能となる。

　上述した動作例１により、実施の形態２に係る無線通信システムでは、マクロセルとCSGセルの中心キャリア周波数が異なる場合に、両セルの干渉の影響が最小限となるコンポーネントキャリアセットでのキャリアアグリゲーション及びCSGセルの検出が可能となる。

＜動作例２＞
　以下、図１２を参照して、実施の形態２に係る無線通信システムの動作例２について説明する。図１２は、実施の形態２に係る無線通信システムの動作例２を説明するための図である。動作例２では、動作例1と同様、実施の形態１と相違する点を中心に説明する。動作例２では、端末３００は、800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが可能であるとする。

　図１２に示すように、800MHz帯にキャリア周波数（f1, f2）と2GHz帯にキャリア周波数（f3, f4）のマクロセルが存在する。そして、端末３００は、ある周波数帯域１（例えば800MHz帯）にアクセスしながら移動中（図１２中、矢印）に、fingerprint情報により異なる周波数帯域２（例えば2GHz帯）のCSGセルを見つけた場合の例を説明する。また、図１２において、キャリア周波数f3と同じキャリア周波数に端末３００がアクセス可能なCSGセルがあるとする。

［端末３００及び基地局４００の動作］
　図１３を参照して、図１２に示す動作例２での端末３００の動作フローについて説明する。図１３は、図１２における端末３００の動作フローを示す図である。

　ステップＳ１３１で、端末３００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う。ここで、通常受信品質測定（measurement）の開始のタイミングは、基地局４００からの制御情報によって設定されている。例えば、現在アクセスしているセル（serving cell、サービングセル）の受信品質レベルが、基地局４００から設定された閾値を下回った時に、端末３００は、サービングセル及び周辺セル（neighbor cell、ネイバーセル、隣接セルともいう）の受信品質測定（measurement）を開始する。そして、ステップＳ１３２へ遷移する。

　ここで、図１２で、端末３００は、キャリア周波数f1のセルA（cell A）にアクセスしながら、同f1のセルB（cell B）に移動している。端末３００がセルBのエリアに近づくと、端末３００は、セルBの信号を受信することができる。

　ステップＳ１３２で、端末３００は、fingerprint情報から、同じ位置エリア内の異なるキャリア周波数f3にアクセス可能なCSGセルがある（Ｙｅｓ）ことを判定する。そして、ステップＳ１３３へ遷移する。なお、fingerprint情報から、ＣＳＧセルのキャリア周波数f3にアクセス可能なCSGセルがない場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１４０へ遷移し、通常の受信品質測定の結果を基地局４００へ送信する。

　ステップＳ１３３で、端末３００は、キャリア周数f3のCSGセルが現在アクセス中の周波数帯域(例えば800MHz)とは異なる周波数帯域(例えば2GHz)に存在すると判定し、ステップＳ１３４へ遷移する。なお、現在アクセス中の周波数帯域とは異なる周波数帯域に存在しない場合（Ｎｏ）、ステップＳ１４１へ遷移し、通常の測定結果報告にCSGセルの周波数情報を入れて基地局４００へ送信する。

　ステップＳ１３４で、端末３００は、800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが可能かどうかを判定する。端末３００は、800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが可能なので、ステップＳ１３５へ遷移する。

　なお、端末３００が800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが不可能な場合、ステップＳ１４２へ遷移する。そして、ステップＳ１４２で、端末３００は、アクセス可能なCSGセルがあることを基地局４００に通知し、2GHz帯の受信品質測定を行うためのmeasurement gapを要求する。そして、端末３００は、基地局４００から2GHz帯の受信品質測定を行うためのmeasurement gapを指示を受けて、measurement gap期間中にキャリア周波数f1での通信を中断し、他のキャリア周波数の受信品質測定を行う。この時、端末が間欠受信モード（Discontinuous Reception: DRX）中であれば、基地局からmeasurement gapを指示してもらう必要なく、アクセス可能なCSGセルのあるキャリア周波数f3を含む隣接セルの受信品質測定を行うことができる。

　ステップＳ１３５で、端末３００は、アクセス可能なCSGセルのあるキャリア周波数f3を含む隣接セル（すなわち図１２ではf3, f4）の受信品質測定（measurement）を行う。そして、ステップＳ１３６へ遷移する。

　ステップＳ１３６で、端末３００は、CSGセルの周波数情報、隣接セルの（f3, f4）の受信品質測定結果を、測定結果報告（measurement report）に含めて、基地局４００に送る。そして、基地局４００は端末３００からの測定結果報告を受け、端末３００がアクセス可能なCSGセルのあるキャリア周波数を含めて、測定結果のよい順に、コンポーネントキャリアセットを選択する。

　なお、端末３００は受信品質測定結果報告に800MHz帯（f1, f2）、2GHz帯（f3, f4）両方の受信品質測定結果を含めて基地局に報告してもよいものとする。この時、基地局４００は、端末３００からの測定結果報告を受け、端末３００が800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが可能ならば、端末３００がアクセス可能なCSGセルのあるキャリア周波数（f3）を含めて、測定結果の良い順に、コンポーネントキャリアセットを選択する。

　また、端末３００が800MHz帯／2GHz帯の同時サポートが不可能な場合、基地局４００は、800MHz帯（f1, f2）の受信品質と、2GHz帯（f3, f4）の受信品質のうち、いずれか良い方のキャリア周波数で、コンポーネントキャリアセットを選択する。この場合、CSGセルのある周波数帯（ここではf3, f4）が、800MHz帯（f1, f2）よりも優先的に選択されるよう、端末３００側もしくは基地局４００側で測定結果に重み付けしてもよい。

　ステップＳ１３７で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示があるか否かを、判定する。そして、ステップＳ１３７で、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がある場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ１３８へ遷移し、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がない場合（Ｎｏ）、ステップＳ１３９へ遷移する。

　ステップＳ１３８で、端末３００は、基地局４００からのキャリアアグリゲーションの指示に基づき、指示されたコンポーネントキャリアを用いて、キャリアアグリゲーションを開始する。

　ステップＳ１３９で、端末３００は、基地局４００からキャリアアグリゲーションの指示がないので、キャリアアグリゲーションを行わない。そこで、端末３００は、基地局からキャリアアグリゲーション以外の指示が特にない限り、現在接続しているマクロセルとの通信を継続する。

　以上、実施の形態２に係る無線通信システムによれば、端末３００がアクセス可能なCSGセルのキャリア周波数と共に、周辺キャリアの受信品質測定結果を基地局４００に通知することで、端末３００は、自装置にとって適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを行いながら、自装置がアクセス可能なCSGセルを検出できる。

　なお、本実施の形態において、CSGセルの周波数情報を送るシグナリングと、CSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定結果報告を送るシグナリングは、別のシグナリングでもよい。例えば、最初の測定結果報告でCSGセルの周波数情報を基地局４００に通知した後、端末３００がCSGセルのあるキャリア周波数の周辺セルの受信品質測定を行い、その測定結果報告をさらに基地局４００に通知してもよい。

　なお、本実施の形態において、マクロセルとCSGセルの中心周波数が同一の場合でも、端末３００は、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数の周辺マクロセルの受信品質測定を行い、測定結果報告を基地局４００に通知してもよい。

　なお、本実施の形態において、動作例1と動作例２は必ずしも独立のものではなく、動作例１と動作例２とを組み合わせた運用、動作も考えられる。例えば、動作例２において、さらにCSGセルとマクロセルの中心周波数が異なる場合は、端末３００は、図１１と図１３の動作フローを組み合わせた動作を行う。

（実施の形態３）
　実施の形態３に係る無線通信システムでは、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数が、1つのセルとして独立に運用されていないエクステンションキャリアである場合に、単体では端末５００が同期を取ることができず、受信品質測定ができないため、隣接セルリストを用いてエクステンションキャリアのペアとなるコンポーネントキャリアを検出することで、受信品質測定を可能にし、端末５００にとって最適なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを行いながら、CSGセルの検出を可能にする。

　3GPPでは、LTE-Aのキャリアアグリゲーションで用いるコンポーネントキャリアとして、3つのタイプを定義している。第1のコンポーネントキャリアのタイプは、レガシー端末との互換性を持ち、1つのセルとして独立に運用されるバックワードコンパチブルキャリア（Backward compatible carrier, BCCともいう）である。第2のコンポーネントキャリアのタイプは、レガシー端末との互換性を持たず、1つのセルとして独立に運用されるノンバックワードコンパチブルキャリア（Non-backward compatible carrier、NBCCともいう）である。第3のコンポーネントキャリアのタイプは、1つのセルとして独立に運用されず、常にバックワードコンパチブルキャリアまたはノンバックワードコンパチブルキャリアとペアで運用される、キャリアアグリゲーション専用のエクステンションキャリア（Extension carrier, ECともいう）である。

　エクステンションキャリアは、1つのセルとして運用されないので、端末５００が同期を取るための信号や、端末５００がセルにアクセスしたり基地局６００とコネクションを張るために必要となる報知情報などを送信しないことが想定される。そのため、エクステンションキャリアを、キャリアアグリゲーションで使用する時は、基地局６００から隣接するバックワードコンパチブルキャリアまたはノンバックワードコンパチブルキャリアとペアで指示されることによって、端末５００はエクステンションキャリアの中心周波数を推定することができ、エクステンションキャリアにアクセスすることが可能になる。

　図１４に、本実施の形態における、コンポーネントキャリアの概念図を示す。図１４において、キャリア周波数f1からf5の各コンポーネントキャリアは、周波数軸上で隣接しており、キャリア周波数f1からf5に向かって周波数が高くなっている。

　また、図１４において、キャリア周波数f1, f5はバックワードコンパチブルキャリアである。キャリア周波数f3はノンバックワードコンパチブルキャリアである。キャリア周波数f2, f4はエクステンションである。そして、f2のキャリア周波数上に、端末５００がアクセス可能なCSGセルがあるものとする。

　図１４に示すコンポーネントキャリアの構成では、キャリア周波数f2のエクステンションキャリアは、キャリアアグリゲーション時に隣接するキャリア周波数f1のバックワードコンパチブルキャリアまたはキャリア周波数f3のノンバックワードコンパチブルキャリアとペアで運用される。一方、キャリア周波数f4のエクステンションキャリアは、キャリアアグリゲーション時にキャリア周波数f3のノンバックワードコンパチブルキャリアまたはキャリア周波数f5のノンバックワードコンパチブルキャリアとペアで運用される。

＜端末の動作＞
　図１５を参照して、本実施の形態における端末５００の動作について説明する。図１５は端末５００の動作フローを示す図である。端末５００の構成は、図１に示す端末１００と同じ構成であり、その詳細な説明を省略する。同様に、本実施の形態における基地局６００は、図２に示す基地局２００と同じ構成であり、その詳細な説明を省略する。

　また、図１５の端末５００の動作フローは、図１４の概念図を例としており、f2のエクステンションキャリアは、キャリア周波数f1のバックワードコンパチブルキャリアとペアで運用されるものとする。

　ステップＳ１５１で、端末５００は、通常の受信品質測定（measurement）を行う。ここで、通常受信品質測定（measurement）の開始のタイミングは、基地局６００からの制御情報によって設定されている。例えば、現在アクセスしているセル（serving cell、サービングセル）の受信品質レベルが、基地局６００から設定された閾値を下回った時に、端末５００は、サービングセル及び周辺セル（neighbor cell、ネイバーセル、隣接セルともいう）の受信品質測定（measurement）を開始する。そして、ステップＳ１５２へ遷移する。

　ステップＳ１５２で、端末５００は、fingerprint情報から、アクセス可能なCSGセルがあるかどうか判定する。ここで、本実施の形態では、f2のキャリア周波数上に、端末５００がアクセス可能なCSGセルがあるので、端末５００は、f2にアクセス可能なCSGセルがあると判定する。そして、ステップＳ１５３へ遷移する。なお、ステップＳ１５２で、ＣＳＧセルのキャリア周波数f2に、端末５００がアクセス可能なCSGセルがない場合（Ｎｏ）には、ステップＳ１６０へ遷移し、通常の受信品質測定の結果を基地局６００へ送信する。

　ステップＳ１５３で、端末５００は、ＣＳＧセルのあるキャリア周波数ｆ2がエクステンションキャリアかどうかを判定する。ここで、本実施の形態では、f2のキャリア周波数に相当するマクロセルのコンポーネントキャリアがエクステンションキャリアであるので、ＣＳＧセルのあるキャリア周波数ｆ2がエクステンションキャリアであると判定する。そして、ステップＳ１５４へ遷移する。

　ステップＳ１５４で、端末５００は、エクステンションキャリアであるf2とペアとなる、コンポーネントキャリアf1を検出する。ここで、エクステンションキャリアであるf2とペアとなるf1を検出する方法として、現在アクセスしているマクロセルで報知されている隣接セルリストを用いることが考えられる。つまり、アクセス可能なCSGセルがあると判定されたキャリア周波数に最も近いキャリア周波数のマクロセルを、該当エクステンションキャリアのペアとなるコンポーネントキャリアと判定する。そして、ステップＳ１５５へ遷移する。

　ステップＳ１５５で、端末５００は、エクステンションキャリアであるｆ2とそのペアであるf1との受信品質測定（measurement）を行う。そして、ステップＳ１５６へ遷移する。

　ステップＳ１５６で、端末５００は、エクステンションキャリアであるｆ2とそのペアであるf1との受信品質測定結果を含めて、測定結果報告（measurement report）を基地局６００に通知する。そして、ステップＳ１５７へ遷移する。

　ステップＳ１５７で、端末５００は、基地局６００からキャリアアグリゲーションの指示があるか否かを、判定する。そして、基地局６００からキャリアアグリゲーションの指示がある場合（Ｙｅｓ）、ステップＳ１５８へ遷移し、基地局６００からキャリアアグリゲーションの指示がない場合（Ｎｏ）、ステップＳ１５９へ遷移する。

　ステップＳ１５８で、端末５００は、基地局６００からのキャリアアグリゲーションの指示に基づき、指示されたコンポーネントキャリアを用いて、キャリアアグリゲーションを開始する。

　ステップＳ１５９で、端末５００は、基地局６００からキャリアアグリゲーションの指示がないので、キャリアアグリゲーションを行わない。そこで、端末５００は、基地局６００からキャリアアグリゲーション以外の指示が特にない限り、現在接続しているマクロセルとの通信を継続する。

　なお、ステップＳ１５３で、端末５００が、ＣＳＧセルのあるキャリア周波数ｆ2がエクステンションキャリアでないと判定した場合、ステップＳ１６１へ遷移する。そして、ステップＳ１６１では、端末５００は、CSGセルのある周波数帯域の周辺セルのmeasurementを行う。そして、ステップＳ１５６へ遷移し、CSGセルのある周波数帯域の周辺セルのmeasurementを含めて、測定結果報告を基地局６００へ送信する。

　以上、実施の形態３の無線通信システムによれば、アクセス可能なCSGセルのキャリア周波数がエクステンションキャリアである場合でも、端末５００が隣接セルリストを用いてエクステンションキャリアのペアとなるコンポーネントキャリアを検出することで、受信品質測定を可能になり、端末５００にとって最適なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを行いながら、CSGセルの検出が可能になる。

　なお、本実施の形態において、CSGセルのあるキャリア周波数がエクステンションキャリアである場合に、該当エクステンションキャリアとそのペアとなるバックワードコンパチブルキャリアまたはノンバックワードコンパチブルキャリアに加えて、その周辺のコンポーネントキャリアの受信品質測定を行い、基地局に通知してもよい。

　なお、本実施の形態において、エクステンションキャリアのペアとなるコンポーネントキャリアの検出方法として、隣接セルリストに記載された、全コンポーネントキャリアのタイプ及びペアの情報を用いてもよい。また、隣接セルリストにエクステンションキャリアは記載されておらず、エクステンションキャリアは必ず隣接する高い周波数（または低い周波数）のコンポーネントキャリアとペアとなると既定されていることも考えられる。なお、本実施の形態において、隣接セルリストに加えて報知情報で送られているキャリア周波数情報を使用することも考えられる。

　なお、上記実施の形態ではアンテナとして説明したが、アンテナポートでも同様に適用できる。アンテナポート（antenna port）とは、1本または複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。例えば、LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なるReference signalを送信できる最小単位として規定されている。また、アンテナポートはPrecoding vectorの重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。

　また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に１チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように１チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。

　また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA（Field Programmable Gate Array）や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。

　さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。

　本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

　本出願は、2009年9月30日出願の日本特許出願（特願2009－228278）に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

　本発明に係る無線送受信装置及び無線通信システムは、無線送受信装置にとって適切なコンポーネントキャリアセットによるキャリアアグリゲーションを可能とする効果を有し、無線送受信等として有用である。

　１００、３００、５００　端末装置（端末）
　１０１、３０１　　　　　受信品質測定部
　１０３、３０３　　　　　CSGセル情報記憶部
　１０５、３０５　　　　　CSGセル判定部
　１０７、３０７　　　　　測定報告作成部
　１０９、３０９　　　　　受信部
　１１１、３１１　　　　　送信部
　１１３、３１３　　　　　送受信アンテナ
　２００、４００、６００　基地局装置（基地局）
　２０１、４０１　　　　　測定結果報告判定部
　２０３、４０３　　　　　コンポーネントキャリア選択部
　２０５、４０５　　　　　制御メッセージ作成部
　２０７、４０７　　　　　受信部
　２０９、４０９　　　　　送信部
　２１１、４１１　　　　　送受信アンテナ

Claims

　参照信号と制御情報を受信する受信部と、
　前記受信部により受信した前記参照信号を測定する測定部と、
　前記測定部の測定結果に基づいて、測定結果報告を作成する測定結果報告作成部と、
　アクセス可能な小セルを示すリスト及び前記アクセス可能な小セルの中で以前にアクセスした小セルの識別情報を記憶する記憶部と、
　前記測定部の測定結果と、前記記憶部に記憶された前記小セルの識別情報とから、前記以前にアクセスした小セルが自装置の検出可能範囲に存在するか否かを判定する小セル判定部と、
　前記測定結果報告作成部により作成された前記測定結果報告を送信する送信部と、
　を具備する無線送受信装置。
　前記測定結果報告作成部は、
　前記小セル判定部の判定に基づき、前記以前にアクセスした小セルの位置するキャリア周波数情報を含めた前記測定結果報告を作成することを特徴とする、請求項１に記載の無線送受信装置。
　前記測定部は、
　前記小セル判定部の判定に基づき、前記以前にアクセスした小セルが自装置の検出可能範囲に存在する場合に、小セルの位置するキャリア周波数帯の周辺キャリア周波数の測定を行い、
　前記測定結果報告作成部は、
　前記小セルの位置するキャリア周波数帯の周辺キャリア周波数の測定結果を含めた測定結果報告を作成することを特徴とする、
　請求項２に記載の無線送受信装置。
　前記小セル判定部は、小セルとマクロセルの中心周波数が異なると判定する場合に、前記測定部に、前記小セルの周辺キャリア周波数帯の周辺キャリア周波数上の、セルの受信品質測定を行うことを指示することを特徴とする、
　請求項３に記載の無線送受信装置。
　前記小セル判定部は、小セルの存在する周波数帯域にマクロセルがないと判定する場合に、当該周波数帯域のコンポーネントキャリア及び、対となるコンポーネントキャリアの有無を判定し、前記測定部に受信品質測定を行うことを指示することを特徴とする、
　請求項３に記載の無線送受信装置。
　外部装置が以前にアクセスした小セルの位置するキャリア周波数情報を含み、参照信号を測定することで得られる測定結果報告を受信する受信部と、前記受信部により受信した前記測定結果報告を判定する測定結果報告判定部と、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、前記外部装置がキャリアアグリゲーションで使用するコンポーネントキャリアのセットを選択するコンポーネントキャリア選択部と、前記コンポーネントキャリア選択部によって選択されたキャリアの使用を前記外部装置へ指示するための制御メッセージを作成する制御メッセージ作成部と、前記制御メッセージ作成部により作成された制御メッセージを前記外部装置へ送信する送信部と、
　を具備する無線送受信装置。
　前記コンポーネントキャリア選択部は、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、小セルのあるキャリア周波数を含むコンポーネントキャリアを優先的に選択することを特徴とする、
　請求項６に記載の無線送受信装置。
　前記コンポーネントキャリア選択部は、前記測定結果報告に含まれる情報に基づいて、受信品質の高いコンポーネントキャリアを優先的に選択することを特徴とする、
　請求項７に記載の無線送受信装置。
　請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の無線送受信装置を具備する端末装置。
　請求項６から請求項８のいずれか１項に記載の無線送受信装置を具備する基地局装置。
　請求項９に記載の端末装置と請求項１０に記載の基地局装置からなる無線通信システム。