WO2010008032A1 - 着用物品の製造方法および着用物品 - Google Patents

Abstract

【課題】　製造工程においてフック要素に係合されたループ要素がめくれることがない着用物品の製造方法を提供する。 【解決手段】　前ウエスト域８の第１側縁部１１のそれぞれの内面シート６には、支持部材１３，１４が取り付けられ、この支持部材１３，１４を介してフック要素１５，１６がシャーシ２に取り付けられている。後ウエスト域９の第２側縁部１２の内面シート６にはループ要素１７，１８が取り付けられている。支持部材１３，１４の第３領域３０，３１には、ループ要素１７，１８の外側縁に対応するようにシール部３２，３３が形成されている。フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを係合することによって、支持部材１３，１４に形成されたシール部３２，３３とループ要素１７，１８が仮固定される。

Description

着用物品の製造方法および着用物品

　この発明は、着用物品の製造方法および着用物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、トイレット・トレーニングパンツ、失禁ブリーフ、生理用ショーツ、おむつカバー等の着用物品およびその製造方法に関する。

　従来、使い捨てのおむつにおいて、おむつの側縁部を係脱可能にした構造として、例えば特開２００８－１２１１５号公報（特許文献１）が公知である。この特許文献１によれば、おむつは前後ウエスト域およびクロッチ域と、身体側内面および着衣側外面を含むシャーシと、前後ウエスト域の側縁部に形成されたフック要素とループ要素とを備える。フック要素は支持部材を介して側縁部に取り付けられている。このようなおむつは製造装置の機械方向に搬送されながら、隣接するおむつの側縁部を互いに連続させて製造される。

　また、支持部材は、おむつの製造時において、縦方向両側縁の一方である固定端がシャーシの側縁部に固定され、他方である自由端が横方向外側を向くようにＺ字状または逆Ｚ字状に折り畳まれている。
特開２００８－１２１１５号公報

　おむつの製造工程においては、フック要素とループ要素とが係合されて搬送される。フック要素とループ要素との係合において、これらを重ね合わせる位置が多少ずれた場合でも係合可能とするために、フック要素とループ要素とのいずれか一方を他方よりも大きくしている。フック要素はループ要素に比べて剛性が高いから、おむつの柔軟性や肌への刺激を考慮した場合には、ループ要素を大きくした方がよい。しかし、ループ要素を大きくすると、フック要素と係合せずにフック要素からはみ出す部分が生じ、このはみ出した部分が製造工程においてめくれてしまうことがある。ループ要素がめくれると、フック要素との係合が離脱しやすくなったり、おむつの生産性が低下したりする可能性がある。

　第１の発明は、製造工程においてフック要素に係合されたループ要素がめくれることがない着用物品の製造方法を提供することを課題とする。

　図１５（ａ）に示したように、折り畳まれた支持部材１０１がおむつ製造時に展開してしまうのを防止するために、折り畳まれた支持部材１０１をシール部１０２によって仮固定するようにしている。この仮固定は折り畳まれた支持部材１０１の間に位置しているが、より展開し難いようにするために支持部材１０１の自由端１０１ａより内側に形成されている。このように仮固定された支持部材１０１にはフック要素１０３が接合され、フック要素１０３にはループ要素１０４が係合されている。おむつの製造後に仮固定を解こうとした場合には、重なっているシャーシ１０５の前後ウエスト域を離間させるように引っ張る。しかし、図１５（ｂ）に示したようにシール部１０２が支持部材１０１を介してシャーシ１０５に追従して図面上方に移動してしまい、仮固定を解除できないことがある。この仮固定を解除しようとさらにシャーシ１０５を引っ張ると、仮固定が解除される前にフック要素とループ要素とが脱離したりすることもある。したがって、確実に仮固定を解除するためには支持部材１０１の自由端縁１０１ａを手で引っ張って、支持部材１０１がシャーシ１０５に追従しないようにしながら、シャーシ１０５を離間させるようにしなければならず、仮固定の解除が煩わしくなってしまう。

　第２～４の発明は、折り畳まれた支持部材の仮固定を容易に解除することができる着用物品の製造方法および着用物品を提供することを課題とする。

　この発明は、第１～第４の発明を含む。

　第１の発明は、縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向しあい前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置しメカニカルファスナ機能を有する第１係合域および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向しあい前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合域と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合域とを含み、前記第１係合域はフック要素を含み、前記第２係合域はループ要素を含む着用物品の製造方法の改良に関わる。

　この第１の発明は前記着用物品の製造方法において、前記第１係合域に、前記第２係合域と仮止めされるシール部を形成する工程と、前記第１係合域の前記フック要素と、前記第２係合域の前記ループ要素とを係合させるとともに、前記第１係合域と前記第２係合域とを前記シール部を介して仮止めする工程とを含むことを特徴とする。

　好ましい実施形態のひとつとして、前記着用物品の製造工程が、機械方向と前記機械方向に直交する交差方向とを含み、前記着用物品のシャーシは、前記横方向が前記機械方向に一致するように連続的に形成され、前記シャーシを形成するウェブを前記機械方向に搬送する工程と、前記第１係合域と前記第２係合域とが係合された後に、前記ウェブが前記交差方向で切断される工程と、をさらに含む。

　好ましい他の実施形態のひとつとして、前記第２係合域は、前記縦方向に延びる内外側縁と、前記横方向に延びる上下端縁とを含み、前記シール部は、前記第１係合域が係合された前記第２係合域の前記外側縁であって、前記上下端縁に形成される。

　好ましい他の実施形態のひとつとして、前記第１係合域は、前記第１側縁部から延出する支持部材を含み、前記支持部材を介して前記第１側縁部と前記フック要素が接合される。

　好ましい他の実施形態のひとつとして、前記シール部は、前記支持部材と前記ループ要素との間を仮止めする。

　好ましい他の実施形態のひとつとして、前記ループ要素は、前記フック要素よりも広い面積を有し、前記フック要素外側に位置する前記ループ要素と、前記支持部材とが前記シール部によって仮止めされる。

　第２および第３の発明は、縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合部材および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合部材と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合部材から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合部材は、支持部材を介して前記第１側縁部に形成された着用物品の製造方法の改良に関わる。

　第２の発明は、前記着用物品の製造方法が、前記支持部材を前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線に沿って折り畳み、前記第１折曲線によって第１領域と第２領域に区画し、前記第２折曲線によって前記第２領域と第３領域とに区画し、前記第１領域に前記第２領域を重ね、前記第２領域に前記第３領域を重ねて形成する工程と、前記第２領域と前記第３領域との間に、これらを仮止めするシール部を形成する工程と、前記第３領域と前記第１係合部材とを接合する工程と、前記第１係合部材と前記第２係合部材とを係合する工程と、前記第１領域と前記第１側縁部とを接合する工程と、前記第２側縁部と前記第２係合部材とを接合する工程と、を含み、前記シール部は前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする。

　第３の発明は、前記着用物品の製造方法が、前記支持部材を前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線に沿って折り畳み、前記第１折曲線によって第１領域と第２領域に区画し、前記第２折曲線によって前記第２領域と第３領域とに区画し、前記第１領域に前記第２領域を重ね、前記第２領域に前記第３領域を重ねて形成する工程と、前記第２領域と前記第３領域との間に、これらを仮止めするシール部を形成する工程と、前記第３領域と前記第２係合部材に係合された前記第１係合部材とを接合する工程と、前記第１領域と前記第１側縁部とを接合する工程と、前記第２係合部材と前記第２側縁部とを接合する工程と、を含み、前記シール部は前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする。

　好ましい実施態様のひとつとして、前記着用物品の製造工程が、機械方向と前記機械方向に直交する交差方向とを含み、前記着用物品の前記横方向が前記機械方向に一致するように連続的に形成され、前記シャーシを形成するウェブを前記機械方向に搬送する工程と、前記第１係合部材と前記第２係合部材とが係合された後に前記交差方向で切断される工程と、をさらに含み、前記ウェブの機械方向に延びる一端に前記第１側縁部が形成され、他端に前記第２側縁部が形成される。
　好ましい他の実施態様のひとつとして、前記機械方向に連続的に形成された前記着用物品の隣接する前記支持部材が、前記第３領域において連続し、この連続した前記第３領域上で前記交差方向に切断される。

　第４の発明は、縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合部材および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合部材と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合部材から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合部材は、支持部材を介して前記第１側縁部に形成された着用物品の改良に関わる。

　第４の発明は、前記着用物品において、前記支持部材は、前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線と、前記第１折曲線および第２折曲線によって区画された第１領域および第２領域とを含み、前記１領域に前記第２領域が重ねられ、前記第２領域に前記第３領域が重ねられ、前記第３領域は、前記第１係合部材に接合され、前記第１領域は、前記第１側縁部に接合され、前記第２領域と前記第３領域との間には、これらを仮止めするシール部が形成されるとともに、前記シール部は、前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする。

　好ましい実施態様のひとつとして、前記シール部は、前記第１係合部材と前記第２係合部材との係合部分に重なって形成される。
　好ましい他の実施態様のひとつとして、前記シール部は、少なくとも前記第１係合部材と前記第２係合部材との係合部分の前記横方向内側端部に形成される。
　好ましい他の実施態様のひとつとして、前記シール部は、前記支持部材の前記縦方向のほぼ全域に亘って間欠的に形成される。
　好ましい他の実施態様のひとつとして、前記シール部は、前記横方向に離間して複数列形成される。
　好ましい他の実施態様のひとつとして、複数列形成された前記シール部は、前記横方向に隣接するシール部が、前記横方向において互いに重ならない位置に形成される。

　第１の発明によれば、第１係合域と、第２係合域とを仮止めするシール部を形成することとしたので、第２係合域に形成されたループ要素が、おむつ製造時に第１係合域から剥がれてめくれるのを抑制することができる。したがって、着用物品の加工における正確性および生産性を向上させることができる。
　また、着用物品の着用時にシール部による仮止めが維持される場合においては、この着用時におけるループ要素のめくれを抑制することもできる。したがって、めくれによってループ要素またはフック要素が肌に直接接触するのを抑制することができ、肌トラブルを引き起こすことを抑制することができる。

　着用物品が機械方向に連続的に形成され、第１係合域と第２係合域とが係合された後に交差方向でウェブが切断されることとしたので、着用物品の大量生産が可能となる。

　シール部は、少なくとも第１係合域が係合された第２係合域の外側縁であって上下端に形成されるので、第２係合域が第１係合域から最も離間しやすい部分において、第２係合域が剥がれるのを抑制することができる。

　第１係合域は、第１側縁部から延出する支持部材を含むこととしたので、第１側縁部と支持部材とを別部材にすることができ、それぞれの用途に合わせた部材を選択することができる。

　シール部は、支持部材とループ要素との間を仮止めすることとしたので、フック要素との係合に影響を与えることなく、第１係合域と第２係合域とを仮止めすることができる。

　ループ要素はフック要素よりも広い面積を有し、フック要素外側に位置するループ要素と、支持部材とがシール部によって仮止めされることとしたので、フック要素と係合しないループ要素を第１係合域に仮止めすることができ、製造中にループ要素がめくれるのを抑制することができる。

　第２～第４の発明によれば、折り重ねられた支持部材の第２領域と第３領域との間に、これらを仮止めするシール部を形成することとしたので、製造時において、折り重ねられた支持部材が開いてしまうことがなく、製造時のトラブルを抑制することができる。シール部は第１係合部材と重なる位置に形成されることとしたので、仮止めを解こうとしたときに、支持部材がシャーシに追従して移動することがなく、容易にシール部の仮止めを解くことができる。
　さらに第２の発明によれば、第１係合部材と第２係合部材とを係合させてから、第２係合部材を第２側縁部に接合することとしたので、これらの係合に特別な位置あわせをする必要がなく、製造コストの削減が可能となる。

　着用物品が、機械方向に連続的に形成され、第１係合部材と第２係合部材とが係合された後に交差方向で切断されることとしたので、着用物品の大量生産が可能となる。

　機械方向に連続的に形成された着用物品の隣接する支持部材が、第３領域において連続し、この連続した第３領域上で交差方向に切断されることとしたので、支持部材とシャーシとの切断を同時におこなうことができ、製造コストを低減することができる。

　シール部は、第１係合部材と第２係合部材との係合部分に重なることとしたので、縦方向においても横方向においても、係合部分の外側にはみ出て位置することがない。したがって、シール部による仮止めを解く際に、このシール部の一方の面が第１係合部材によって引っ張られ、他方の面が第２係合部材によって引っ張られるから、支持部材がシャーシに追従するのをより一層抑制することができる。

　シール部は、第１係合部材と第２係合部材との係合部分の横方向内側端部に形成されることとしたので、製造工程においてもっとも剥がれやすい部分を仮止めすることができる。

　シール部は、支持部材の前記縦方向のほぼ全域に亘って間欠的に形成されるので、シール部の形成によってシャーシの剛性が高くなるのを抑制し、着用者に違和感を与えることを抑制することができる。

　シール部は、横方向に複数列形成されることとしているので、より広範囲において仮止めが可能となり、確実に仮止めをすることができる。また、いずれかの仮止めが解けたとしても、他の仮止めによってその機能を維持することができる。

おむつの斜視図。 図１のおむつの展開図。 おむつの製造工程説明図。 おむつの一部における製造工程説明図。 シール部の説明図。 おむつの斜視図。 図６のおむつの展開図。 使用前のおむつの斜視図。 （ａ）図８のＩＸ－ＩＸ線に沿う、一部を省略した断面図。（ｂ）第１シール部を解いたときの断面図。 おむつの製造工程説明図。 おむつの一部における製造工程説明図。 第１シール部の説明図。 他の実施形態の図９（ａ）と同様の図。 他の実施形態の図１１と同様の図。 従来技術の説明図。

　　１　　　　おむつ（着用物品）
　　２　　　　シャーシ
　　３　　　　メカニカルファスナ
　　８　　　　前ウエスト域（第１ウエスト域）
　　９　　　　後ウエスト域（第２ウエスト域）
　１０　　　　クロッチ域
　１１　　　　第１側縁部
　１２　　　　第２側縁部
　１３，１４　支持部材
　１５，１６　フック要素
　１７，１８　ループ要素
　２６，２７　第１領域
　２８，２９　第２領域
　３０，３１　第３領域
　３２，３３　シール部
　３５　　　　第１折曲線
　３６　　　　第２折曲線
　４１　　　　第１ウェブ
　４２　　　　第２ウェブ
　４４　　　　切断線
　４５　　　　一端
　４６　　　　他端
　５８　　　　内側縁
　５９　　　　外側縁
　６０　　　　上端縁
　６１　　　　下端縁
　２０１　　　　　おむつ（着用物品）
　２０２　　　　　シャーシ
　２０３　　　　　メカニカルファスナ
　２０８　　　　　前ウエスト域（第１ウエスト域）
　２０９　　　　　後ウエスト域（第２ウエスト域）
　２１０　　　　　クロッチ域
　２１１　　　　　第１側縁部
　２１２　　　　　第２側縁部
　２１３，２１４　支持部材
　２１５，２１６　フック要素（第１係合部材）
　２１７，２１８　ループ要素（第２係合部材）
　２２６，２２７　第１領域
　２２８，２２９　第２領域
　２３０，２３１　第３領域
　２３２，２３３　第１シール部
　２３５　　　　　第１折曲線
　２３６　　　　　第２折曲線
　２４１　　　　　第１ウェブ
　２４２　　　　　第２ウェブ
　２４４　　　　　切断線
　２４５　　　　　一端
　２４６　　　　　他端
　２５１，２５２　第２シール部

　図１～５は、この発明の一実施形態を示したものであり、大人用のおむつをその一例として説明する。図１はおむつ１の着用状態において両側縁部の一方を開いた状態の斜視図であり、図２はおむつ１の展開図であって説明のためにその一部を破断している。図示したように、おむつ１は吸液性を有するシャーシ２とメカニカルファスナ３とを含む。シャーシ２は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘと、新た側内面４および着衣側外面５とを有する。図２においては、紙面手前側が身体側内面となり、その反対側が着衣側外面となる。シャーシ２は、新た側内面４を形成する内面シート６と、着衣側外面５を形成する外面シート７と、内面シート６のさらに身体側に位置する吸液性コア２０とを含む。内外面シート６，７は液透過性の繊維不織布等、吸液性コア２０はフラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物等、それぞれ当技術分野の慣用素材を用いることができる。このようなシャーシ２は、前ウエスト域８、後ウエスト域９および前後ウエスト域８，９の間におけるクロッチ域１０を含む。

　前ウエスト域８には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる一対の第１側縁部１１が形成され、後ウエスト域９には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる一対の第２側縁部１２が形成されている。第１側縁部１１のそれぞれの内面シート６には、一対の縦方向Ｙに細長い支持部材（耳部材）１３，１４が取り付けられ、この支持部材１３，１４を介して一対のメカニカルファスナのフック要素１５，１６がシャーシ２に取り付けられている。第１側縁部１１、支持部材１３，１４およびフック要素１５，１６によって第１接合域を形成している。

　支持部材１３，１４は、繊維不織布などの材料で形成され、内面シート６の第１側縁部１１に接合される第１領域２６，２７と、第１領域２６，２７から身体側内面に折り畳まれ第１領域２６，２７と重なる第２領域２８，２９と、第２領域２８，２９から第１側縁部１１の横方向Ｘ外側に延出する第３領域３０，３１とを有している。
　フック要素１５，１６は、支持部材１３，１４の延出した第３領域３０，３１であって、着衣側外面に接合されている。フック要素１５，１６は、縦方向Ｙに二分割されておりそれぞれ上部１５ａ，１６ａと下部１５ｂ，１６ｂをそれら間にスペースを介して形成している。

　第２側縁部１２それぞれの内面シート６には、一対のループ要素１７，１８が取り付けられている。ループ要素１７，１８は後ウエスト域９の第２側縁部１２の縦方向Ｙの長さ寸法とほぼ同じ寸法を有し、その縦方向Ｙのほぼ全域に亘って延びている。第２側縁部１２とループ要素１７，１８とで第２接合域を形成している。
　フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とは互いに脱離可能に係合し、ループ要素１７，１８はフック要素１５，１６よりもその縦方向Ｙおよび横方向Ｘの寸法を大きくしている。ループ要素１７，１８を大きくすることによって、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との重ね合わせの位置が縦方向Ｙまたは横方向Ｘに多少ずれたとしても、これらを容易に係合することができ、正確に重ねあわせなくてもよいので、おむつ１の着用が簡便になる。これらフック要素１５，１６およびループ要素１７，１８としては、例えばこの発明に係る着用物品の技術分野で慣用されている「ベルクロ（登録商標）」や「マジックテープ（登録商標）」を用いることができる。

　前後ウエスト域８，９には、横方向Ｘに延びるウエスト弾性部材２１が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、ウエスト弾性部材２１はウエスト開口側に位置する第１弾性部材２１ａと、第１弾性部材２１ａとクロッチ域１０との間に位置する第２弾性部材２１ｂとを含む。このようなウエスト弾性部材２１は内外面シート６，７の間に介在し、内外面シート６，７の少なくとも一方に接合されている。ウエスト弾性部材２１は、複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、第２弾性部材２１ｂは縦方向Ｙにほぼ等間隔に離間して、前後ウエスト域８，９のほぼ全域に亘って取り付けられることによって、前後ウエスト域８，９を横方向Ｘに弾性化している。前後ウエスト域８，９を弾性化することによって、前後ウエスト域８，９が着用者にフィットし、尿等の漏れを防止するとともに、着用外観を良くするようにしている。

　ウエスト弾性部材２１は、前ウエスト域８においては支持部材１３，１４と交差しないようにそれらの横方向Ｘ内側まで延びている。フック要素１５，１６は、支持部材１３，１４の横方向Ｘに延出した部分に形成されているので、ウエスト弾性部材２１は前ウエスト域８においては、フック要素１５，１６には重ならない。同様に、後ウエスト域９においては、ループ要素１７，１８の横方向Ｘ内側までウエスト弾性部材２１が延びて、これらループ要素１７，１８には重ならない。ウエスト弾性部材２１がフック要素１５，１６およびループ要素１７，１８に重ならないようにすることによって、ウエスト弾性部材２１の収縮でフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とに皺が発生するのを抑制することができる。したがって、皺が発生することで、係合面積が狭くなったり、係合が不安定になったりするのを抑制することができ、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを強固に係合することができる。

　第１および第２側縁部１１，１２の縦方向Ｙの間にはレッグ側縁部２２が形成され、このレッグ側縁部２２は、クロッチ域１０に形成されて、横方向Ｘの寸法を二等分する縦中心線Ｐ－Ｐに向かって湾曲している。レッグ側縁部２２に沿ってレッグ弾性部材２３が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、レッグ弾性部材２３は、内外面シート６，７の間に介在し、これら内外面シート６，７の少なくともいずれか一方に接着または接合によって取り付けられている。レッグ弾性部材２３は複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、これらゴムの収縮力によって、レッグ側縁部２２が着用者にフィットし尿等の漏れを防止するようにしている。
　ウエスト弾性部材２１およびレッグ弾性部材２３は、天然ゴムまたはポリウレタン等の合成ゴムを用いることができ、各ゴムに替えて、弾性を有する繊維不織布やプラスチックシート等を用いることもでき、一般的な弾性部材を使用することができる。

　このようなおむつ１において、フック要素１５，１６にループ要素１７，１８を係合させることによって、前後ウエスト域８，９を互いに連結し、ウエスト開口２４と一対のレッグ開口２５とを形成するとともに、プルオン・パンツ形状とすることができる。このようなおむつ１は、前後ウエスト域８，９の連結状態でウエスト開口２４からレッグ開口２５へと脚を入れておむつ１を引き上げるようにして着用することができる。また、前後ウエスト域８，９を連結する前に着用者のウエスト部にあてがい、その後フック要素１５，１６にループ要素１７，１８を係合させることによって、前後ウエスト域８，９を連結してパンツ形状にすることもできる。したがって、このようなおむつ１は、プルオン・パンツタイプとオープンタイプの併用可能な利便性を有する。

　上記のようなおむつ１の製造方法を説明する。図３に示したように、おむつ１は機械方向ＭＤに連続的に形成され、最後に機械方向ＭＤに直交する交差方向ＣＤに平行な切断線４４で切断することによって個々の製品となる。連続的に形成されたおむつは、隣接するおむつが互いの第２側縁部１２と第１側縁部１１とを連続させるようにして、すなわちおむつ１の横方向Ｘと機械方向ＭＤとが一致するように連続させて形成される。
　第１の工程（ａ）では、外面シート７を形成する第１ウェブ４１が搬送されるとともに、この第１ウェブ４１にウエスト弾性部材２１およびレッグ弾性部材２３が機械方向ＭＤに連続的に伸長状態で取り付けられる。ここでは、弾性部材２１，２３を接合するための接着剤等の接合手段は省略している。

　第２の工程（ｂ）では、内面シート６を形成する第２ウェブ４２が第１ウェブ４１上に搬送され、これら第１ウェブ４１と第２ウェブ４２とが接合される。第１および第２ウェブ４１，４２は、それぞれ繊維ウェブによって形成されている。この第２の工程（ｂ）以降、図中ウエスト弾性部材２１の記載を省略し、レッグ弾性部材２３のみ破線で示す。
　第３の工程（ｃ）では、レッグ弾性部材２３によって形成された円に沿って第１および第２ウェブ４１，４２に円状の孔４３が形成され、この孔４３の縁をレッグ側縁部２２とする。孔４３は切断線４４上に形成される。
　第４の工程（ｄ）では、孔４３と孔４３との機械方向ＭＤの間に、吸液性コア２０が取り付けられる。吸液性コア２０は第２ウェブ４２に図示しない接合手段によって接合される。

　第５の工程（ｅ）～第７の工程（ｇ）を図４に示し、これら工程では、支持部材１３，１４とフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とから形成される係合体４７を形成する。
　第５の工程（ｅ）では、支持部材１３，１４を機械方向ＭＤに延びる第１折曲線３５および第２折曲線３６を介して折り畳み、第１領域２６，２７、第２領域２８，２９および第３領域３０，３１を形成する。すなわち、支持部材１３，１４の一方の端部から第１折曲線３５までの間を第１領域２６，２７とし、第１折曲線３５から第２折曲線３６までの間を第２領域２８，２９とし、第２折曲線３６から他方の端部までの間を第３領域３０，３１としている。第１領域２６，２７と第２領域２８，２９とは接合部３８を介して固定される。支持部材１３，１４は一枚の繊維不織布で形成されるが、連続して形成されるおむつにおいて隣接する支持部材１３，１４を同時に形成するため、第１領域２６，２７が交差方向ＣＤに連続して形成される。第１領域２６，２７は、後に切断線４４で切断されるが、支持部材１３，１４は切断線４４を介して対称であり、それぞれ逆Ｚ字およびＺ字状に形成されている。

　係合体４７において支持部材１３，１４とループ要素１７，１８とは、その機械方向ＭＤの長さ寸法および交差方向ＣＤの長さ寸法がほぼ等しくなるようにしている。フック要素１５，１６の機械方向ＭＤおよび交差方向ＣＤの長さ寸法は、ループ要素１７，１８のそれよりも短くなるようにしている。したがって、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを係合させた場合には、フック要素１５，１６の周囲からループ要素１７，１８がはみ出すようになる。ループ要素１７，１８は交差方向ＣＤに延びる内外側縁５８，５９と、機械方向ＭＤに延びる上下端縁６０，６１とを含む。ループ要素１７，１８は後に切断線４４で切断されることによって、切断線４４上に内側縁５８が形成される。

　第６の工程（ｆ）では、折り畳んだ支持部材１３，１４の第３領域３０，３１にシール部３２，３３を形成する。シール部３２，３３は、ループ要素１７，１８の外側縁５９であって、上下端縁６０，６１に対応するように、第３領域３０，３１に形成される。
　シール部３２，３３とフック要素１５，１６との位置関係を図５に示している。図示したように、シール部３２，３３は、第３領域３０，３１の交差方向ＣＤの外側の上下角部分に形成され、ループ要素１７，１８の外側縁５９に対応するように形成される。すなわち、フック要素１５，１６の上部１５ａ，１６ａは上端縁５０，５１を含み、下部１５ｂ，１６ｂは下端縁５２，５３を含む。さらにフック要素１５，１６は一方の側縁５４，５５と他方の側縁５６，５７とを含む。シール部３２は、上端縁５０，５１の外側であって、一方の側縁５４，５５の外側に位置し、シール部３３は、下端縁５２，５３の外側であって、他方の側縁５４，５５の外側に位置している。

　第７の工程（ｇ）では、支持部材１３，１４の第３領域３０，３１にフック要素１５，１６を固定する。フック要素１５，１６とループ要素１７，１８とは、あらかじめ係合しておいてもよいし、フック要素１５，１６を第３領域３０，３１に固定した後に、ループ要素１７，１８を係合させるようにしてもよい。このようにフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを係合することによって、支持部材１３，１４に形成されたシール部３２，３３とループ要素１７，１８とが仮止めされる。

　シール部３２，３３は第３領域３０，３１とフック要素１５，１６との間に形成されるので、シール部３２，３３の一部がフック要素１５，１６で覆われることもある。ただし、シール部３２，３３の大部分はフック要素１５，１６とは重ならず、露出されている。露出されたシール部３２，３３は、ループ要素１７，１８の内側縁５８と上下端縁６０，６１とによってそれぞれ形成される角に対向し、このループ要素１７，１８の角において、支持部材１３，１４に対して仮止めされる。

　第８の工程（ｈ）では、図３に示したように、上記のようにして形成された係合体４７が第２ウェブ４２に搬送される。係合体４７は、第２ウェブ４２への搬送時に、約９０度回転させてから搬送される。したがって、図４および５に示した機械方向ＭＤと交差方向ＣＤとが逆になって図３に示される。第１および第２ウェブ４１，４２は機械方向ＭＤに延びる一端４５および他端４６を形成し、一端４５側がおむつ１の前ウエスト域８となり、他端４６側が後ウエスト域９となる。係合体の支持部材１３，１４が、第２ウェブ４２の他端４６側に図示しない接合部を介して接合される。

　第９の工程（ｉ）では、第１および第２ウェブ４１，４２の一端４５と他端４６とを重ね合わせるようにして、これらを二つに折り畳む。このとき吸液性コア２０が内側になるように第２ウェブ４２が互いに重なるようにして折り畳む。第１および第２ウェブ４１，４２が折り畳まれた際に、ループ要素１７，１８が第２ウェブ４２の一端４５側に接合するようにしている。

　第１０の工程（ｊ）では、折り畳んだ状態で、切断線４４に沿って第１および第２ウェブ４１，４２を切断する。このように切断することによっておむつ１が形成され、第１および第２ウェブ４１，４２の一端４５に前ウエスト域８の第１側縁部１１が形成され、他端４６に後ウエスト域９の第２側縁部１２が形成される。さらに、切断線４４で切断することによって、支持部材１３，１４およびループ要素１７，１８が、それぞれ切断されて第１側縁部１１および第２側縁部１２に位置する。製造工程の機械方向ＭＤとおむつ１の横方向Ｘが対応し、交差方向ＣＤとおむつ１の縦方向Ｙとが対応する。

　上記のような製造方法において、支持部材１３，１４の第３領域３０，３１とループ要素１７，１８とをシール部３２，３３によって仮止めしているので、ループ要素１７，１８が支持部材１３，１４からめくれあがるのを抑制することができる。ループ要素１７，１８は、特にその上下端がめくれ易いが、シール部３２，３３が支持部材１３，１４の上下端縁に形成されることによって、ループ要素１７，１８のめくれ防止の効果が増大される。したがって、おむつ１の製造時にループ要素１７，１８がめくれてウェブの位置ずれを起こしたり、製造速度を低下させたりするという事態を予防することができる。

　シール部３２，３３は、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合力に比べて弱くなるようにしている。したがって、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合を解こうとした場合には、シール部３２，３３による仮止めは容易に解け、シール部３２，３３によってフック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合が解け難くなることはない。
　シール部３２，３３は、ループ要素１７，１８の外側縁５９であってその上下端縁６０，６１に分離して形成されるようにしているが、ループ要素１７，１８のめくれ防止が可能であれば、この形状に限られるものではない。例えば、シール部３２，３３が分離されることなく、上下端縁６０，６１に連続して形成されているものであってもよい。

　シール部３２，３３として、再粘着性を有するものを用いることができる。再粘着性を有するものを用いた場合には、一度仮止めを解いたときでも再び粘着させることができる。したがって、シール部３２，３３の仮止めおよびフック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合を解いてから、再びフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを係合させおむつ１を着用したときであっても、シール部３２，３３によってループ要素１７，１８が支持部材１３，１４からめくれるのを防止することができる。着用時にループ要素１７，１８がめくれないようにすることによって、フック要素１５，１６との係合面積が少なくなったり、着用時の違和感を発生させたりすることを予防することができる。また、ループ要素１７，１８のめくれを抑制することによって、めくれたループ要素１７，１８が肌に直接接触して肌トラブルを発生させることを抑制することもできる。
　着用物品としてパンツ型のおむつを用いた場合には、仮止めを解くことなくそのままおむつを着用することができるが、シール部３２，３３を有することによって、おむつを引き上げたときに、フック要素１５，１６とループ要素１７，１８との係合が解けてしまうのを抑制することができる。このようなパンツ型のおむつにおいても、その着用時にループ要素１７，１８がめくれないようにすることができることは当然である。

　この発明では、フック要素１５，１６を支持部材１３，１４に取り付け、さらにフック要素１５，１６にループ要素１７，１８を取り付けて係合体を形成してからシャーシ２を形成する第２ウェブ４２に取り付けるようにしているが、フック要素１５，１６を第２ウェブ４２の他端４６側に、ループ要素１７，１８を一端４５側に取り付けてから、ウェブを二つ折りにしてこれらフック要素１５，１６とループ要素１７，１８とを係合させるようにしてもよい。
　上記のおむつ１の製造方法において、吸液性コア２０を搬送するタイミングや、レッグ側縁部を形成する孔４３を形成するタイミング等は、適宜変更することができる。

　前ウエスト域８にフック要素１５，１６を取り付け、後ウエスト域９にループ要素１７，１８を取り付けることとしているが、これが逆でも良い。すなわち、前ウエスト域８を第１ウエスト域として、後ウエスト域９を第２ウエスト域として説明しているが、前ウエスト域８が第２ウエスト域、後ウエスト域９が第１ウエスト域としてもよい。ただし、剛性が高いフック要素が着用者の肌に接触しないように取り付けることが望ましい。フック要素によって着用者の肌が傷つけられるのを防止するためである。
　おむつ１は、シャーシ２とは別体の吸液性コア２０を有しているが、シャーシ２の内外面シート６，７の間に吸液性のコアを介在させるようにしてもよい。

　この実施形態では、支持部材１３，１４を第１および第２折曲線を介して第１～第３領域に画成し、支持部材１３，１４が略Ｚ字または逆Ｚ字を形成するように三つ折にされているが、必ずしもこの構成に限ったものではなく、例えば第１領域を省略し、第２および第３領域のみで形成され、支持部材１３，１４が縦中心線Ｐ－Ｐに向かって二つ折りにされているようなものでもよい。シール部３２，３３としては、接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドなど、一般的な手段を用いることができる。シール部３２，３３は、ループ要素１７，１８と支持部材１３，１４との間に形成し、ループ要素１７，１８を支持部材１３，１４に対して仮止めするようにしているが、シール部３２，３３をループ要素１７，１８とフック要素１５，１６との間に形成するようにしてもよい。ただし、ループ要素１７，１８と支持部材１３，１４とを仮止めすることによって、ループ要素１７，１８とフック要素１５，１６との係合に影響が発生するのを抑制することができる。

　図６～１１は、この発明の他の施形態を示したものであり、大人用のおむつをその一例として説明する。図６はおむつ２０１の着用状態において両側縁部の一方を開いた状態の斜視図であり、図７はおむつ２０１の展開図であって説明のためにその一部を破断している。図示したように、おむつ２０１は吸液性を有するシャーシ２０２とメカニカルファスナ２０３とを含む。シャーシ２０２は、縦方向Ｙおよび横方向Ｘと、身体側内面２０４および着衣側外面２０５とを有する。図７においては、紙面手前側が身体側内面となり、その反対側が着衣側外面となる。シャーシ２０２は、身体側内面２０４を形成する内面シート２０６と、着衣側外面２０５を形成する外面シート２０７と、内面シート２０６のさらに身体側に位置する吸液性コア２２０とを含む。内外面シート２０６，２０７は液透過性の繊維不織布等、吸液性コア２２０はフラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物等、それぞれ当技術分野の慣用素材を用いることができる。このようなシャーシ２０２は、前ウエスト域２０８、後ウエスト域２０９および前後ウエスト域２０８，２０９の間におけるクロッチ域２１０を含む。

　前ウエスト域２０８には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる一対の第１側縁部２１１が形成され、後ウエスト域２０９には、横方向Ｘに対向して縦方向Ｙに延びる一対の第２側縁部２１２が形成されている。第１側縁部２１１のそれぞれの内面シート２０６には、縦方向Ｙに細長い一対の支持部材（耳部材）２１３，２１４が取り付けられ、この支持部材２１３，２１４を介して第１係合部材であるメカニカルファスナのフック要素２１５，２１６がシャーシ２０２に取り付けられている。

　支持部材２１３，２１４は、繊維不織布などの材料で形成され、内面シート２０６の第１側縁部２１１に接合される第１領域２２６，２２７と、第１領域２２６，２２７から身体側内面に折り畳まれ第１領域２２６，２２７と重なる第２領域２２８，２２９と、第２領域２２８，２２９から第１側縁部２１１の横方向Ｘ外側に延出する第３領域２３０，２３１とを有している。
　フック要素２１５，２１６は、支持部材２１３，２１４の延出した第３領域２３０，２３１であって、着衣側外面に接合されている。フック要素２１５，２１６は、縦方向Ｙに二分割されておりそれぞれ上部２１５ａ，２１６ａと下部２１５ｂ，２１６ｂをそれら間にスペースを介して形成されている。

　内面シート２０６の第２側縁部２１２それぞれには、第２係合部材としてループ要素２１７，２１８が取り付けられている。ループ要素２１７，２１８は後ウエスト域２０９の第２側縁部２１２の縦方向Ｙの長さ寸法とほぼ同じ寸法を有し、その縦方向Ｙのほぼ全域に亘って延びている。フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とは互いに脱離可能に係合し、これらフック要素２１５，２１６およびループ要素２１７，２１８としては、例えばこの発明に係る着用物品の技術分野で慣用されている「ベルクロ（登録商標）」や「マジックテープ（登録商標）」を用いることができる。

　前後ウエスト域２０８，２０９には、横方向Ｘに延びるウエスト弾性部材２２１が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、ウエスト弾性部材２２１はウエスト開口側に位置する第１弾性部材２２１ａと、第１弾性部材２２１ａとクロッチ域２１０との間に位置する第２弾性部材２２１ｂとを含む。このようなウエスト弾性部材２２１は内外面シート２０６，２０７の間に介在し、内外面シート２０６，２０７の少なくとも一方に接合されている。ウエスト弾性部材２２１は、複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、第２弾性部材２２１ｂは縦方向Ｙにほぼ等間隔に離間して、前後ウエスト域２０８，２０９のほぼ全域に亘って取り付けられることによって、前後ウエスト域２０８，２０９を横方向Ｘに弾性化している。前後ウエスト域２０８，２０９を弾性化することによって、前後ウエスト域２０８，２０９が着用者にフィットし、尿等の漏れを防止するとともに、着用外観を良くしている。

　ウエスト弾性部材２２１は、前ウエスト域２０８においては支持部材２１３，２１４と交差しないようにそれらの横方向Ｘ内側まで延びている。フック要素２１５，２１６は、支持部材２１３，２１４の横方向Ｘに延出した部分に形成されているので、ウエスト弾性部材２２１は前ウエスト域２０８においては、フック要素２１５，２１６には重ならない。同様に、後ウエスト域２０９においては、ループ要素２１７，２１８の横方向Ｘ内側までウエスト弾性部材２２１が延びて、これらループ要素２１７，２１８には重ならない。ウエスト弾性部材２２１がフック要素２１５，２１６およびループ要素２１７，２１８に重ならないようにすることによって、ウエスト弾性部材２２１の収縮でフック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とに皺が発生するのを抑制することができる。したがって、皺が発生することで、係合面積が狭くなったり、係合が不安定になったりするのを抑制することができ、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とを強固に係合することができる。

　第１および第２側縁部２１１，２１２の縦方向Ｙの間にはレッグ側縁部２２２が形成され、このレッグ側縁部２２２は、クロッチ域２１０に形成されて、横方向Ｘの寸法を二等分する縦中心線Ｐ－Ｐに向かって湾曲している。レッグ側縁部２２２に沿ってレッグ弾性部材２２３が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。具体的には、レッグ弾性部材２２３は、内外面シート２０６，２０７の間に介在し、これら内外面シート２０６，２０７の少なくともいずれか一方に接着または接合によって取り付けられている。レッグ弾性部材２２３は複数条の糸状、ストランド状、テープ状などのゴムによって形成され、これらゴムの収縮力によって、レッグ側縁部２２２が着用者にフィットし尿等の漏れを防止するようにしている。
　ウエスト弾性部材２２１およびレッグ弾性部材２２３は、天然ゴムまたはポリウレタン等の合成ゴムを用いることができ、各ゴムに替えて、弾性を有する繊維不織布やプラスチックシート等を用いることもでき、一般的な弾性部材を使用することができる。

　このようなおむつ２０１において、フック要素２１５，２１６にループ要素２１７，２１８を係合させることによって、前後ウエスト域２０８，２０９を互いに連結し、ウエスト開口２２４と一対のレッグ開口２２５とを形成するとともに、プルオン・パンツ形状とすることができる。このようなおむつ２０１は、前後ウエスト域２０８，２０９の連結状態でウエスト開口２２４からレッグ開口２２５へと脚を入れておむつ２０１を引き上げるようにして着用することができる。また、前後ウエスト域２０８，２０９を連結する前に着用者のウエスト部にあてがい、その後フック要素２１５，２１６にループ要素２１７，２１８を係合させることによって、前後ウエスト域２０８，２０９を連結してパンツ形状にすることもできる。したがって、このようなおむつ２０１は、プルオン・パンツタイプとオープンタイプの併用可能な利便性を有する。

　図８に示したのは、製品完成後、使用前のおむつ２０１の状態を示したものであり、図９（ａ）は図８のＩＸ－ＩＸ線に沿う、一部を省略した断面図である。上記のようなおむつ２０１は、使用前においては前後ウエスト域２０８，２０９の内面シート２０６が互いに接触して重なるようにつぶれた状態にある。支持部材２１３，２１４は、前ウエスト域２０８の内面シート２０６側から第１領域２２６，２２７、第２領域２２８，２２９、および第３領域２３０，２３１の順に身体側内面に向かって折り畳まれ、略Ｚ字状、逆Ｚ字状になっている。具体的には支持部材２１３，２１４は、縦方向Ｙに延びる第１折曲線２３５および第２折曲線２３６を介して折り曲げられ、支持部材２１３，２１４の横方向Ｘ外側に位置する一方の端部から第１折曲線２３５までの間を第１領域２２６，２２７とし、第１折曲線２３５から第２折曲線２３６までの間を第２領域２２８，２２９とし、第２折曲線２３６から横方向Ｘ内側に位置する他方の端部までの間を第３領域２３０，２３１としている。第１領域２２６，２２７は前ウエスト域２０８の内面シート２０６に第１接合部２３７を介して固定され、第１領域２２６，２２７と第２領域２２８，２２９とが第２接合部２３８を介して固定されている。

　第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１との間には剥離可能な第１シール部２３２，２３３が形成され、これらの間を仮固定している。第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とを仮止めすることによって、製造時に第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１との折り畳みが開かないようにしている。第１シール部２３２，２３３は製品完成時、または着用時に解かれ図６に示すような形状を有する。
　第３領域２３０，２３１の後ウエスト域２０９の内面シート２０６側に位置する面には図示しない接合部を介してフック要素２１５，２１６を固定している。後ウエスト域２０９の内面シート２０６には、図示しない接合部を介してループ要素２１７，２１８を固定し、ループ要素２１７，２１８とフック要素２１５，２１６とを係合させている。

　上記のような構成において、第１シール部２３２，２３３は、フック要素２１５，２１６に重なる位置に形成される。好ましくは、係合したフック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とに重なる位置であって、これら係合部分であって横方向Ｘの内側端縁に形成される。

　図９（ｂ）は第１シール部２３２，２３３の仮固定を解いた場合の図であり、支持部材２１３側についてのみ示し、支持部材２１４については支持部材２１３と同様なので、その記載を省略している。図９（ａ）の状態から仮固定を解く場合には、前ウエスト域２０８の内面シート２０６と後ウエスト域２０９の内面シート２０６とを互いに離間するように広げる。このとき内面シート２０６の間に両手を入れてこれらを離間させたり、前後ウエスト域２０８，２０９の内外面シート２０６，２０７をつまんで互いに離間させるように引っ張ったりして、第１シール部２３２，２３３の仮固定を解くことができる。

　第１シール部２３２，２３３は、第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とを互いに仮止めしている。第２領域２２８，２２９は第２接合部２３８、第１領域２２６，２２７、第１接合部２３７を介して内面シート２０６に接合されている。第２領域２２８，２２９に、各接合部を介してシートが重ねられることによって、第２領域２２８，２２９には剛性が付与され、第１シール部２３２，２３３を前ウエスト域２０８における内面シート２０６側に確実に支持することができる。
　第３領域２３０，２３１は、フック要素２１５，２１６に接合されている。したがって、第３領域２３０，２３１にも剛性が付与され、第１シール部２３２，２３３を後ウエスト域２０９における内面シート２０６側に確実に支持することができる。すなわち、第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とが離間するように引っ張られたときには、第１シール部２３２，２３３が、剛性が付与された第２領域２２８，２２９および第３領域２３０，２３１で確実に支持されているので、第１シール部２３２，２３３が第２領域２２８，２２９あるいは第３領域２３０，２３１のいずれかに追従して、仮止めを解除することができないという事態を予防することができる。
　さらに、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合部分に重なるように第１シール部２３２，２３３を形成することによって、第３領域２３０，２３１にはより一層剛性が付与され第３領域２３０，２３１が第１シール部２３２，２３３の引っ張りに追従するのを抑制することができる。

　第２領域２２８，２２９は、第１領域２２６，２２７を介して前ウエスト域２０８の内面シート２０６に接合し、第３領域２３０，２３１はフック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合を介して後ウエスト域２０９の内面シート２０６に接合している。したがって、前後ウエスト域２０８，２０９の内面シート２０６を離間させるようにすれば、第１シール部２３２，２３３による仮止めを解くことができる。フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合力を、第１シール部２３２，２３３の接着力よりも大きくすることによって、第１シール部２３２，２３３が解ける前に、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合が外れてしまうのを抑制することができる。

　上記のように第１シール部２３２，２３３の仮固定が解けると、第３領域２３０，２３１が前ウエスト域２０８の第１側縁部２１１から横方向Ｘ外側に延出する。延出した第３領域２３０，２３１の着衣側外面にフック要素２１５，２１６が形成され、このフック要素２１５，２１６にループ要素２１７，２１８が係合される。このようにフック要素２１５，２１６およびループ要素２１７，２１８が形成されることによって、おむつ２０１を着用した際に、フック要素２１５，２１６およびループ要素２１７，２１８が係合容易に形成されることとなる。

　図１０，１１は、おむつ２０１の製造方法を示したものである。図１０に示したように、おむつ２０１は機械方向ＭＤに連続的に形成され、最後に機械方向ＭＤに直交する交差方向ＣＤに平行な切断線２４４で切断することによって個々の製品となる。機械方向ＭＤに隣接するおむつ２０１は、互いの第２側縁部２１２と第１側縁部２１１とを連続させるようにして、すなわちおむつ２０１の横方向Ｘと機械方向ＭＤとが一致するように連続させて形成される。
　第１の工程（ａ）では、外面シート２０７を形成する第１ウェブ２４１が搬送されるとともに、この第１ウェブ２４１にウエスト弾性部材２２１およびレッグ弾性部材２２３が機械方向ＭＤに連続的に伸長状態で取り付けられる。ここでは、弾性部材２２１，２２３を接合するための接着剤等の接合手段は省略している。

　第２の工程（ｂ）では、内面シート２０６を形成する第２ウェブ２４２が第１ウェブ２４１上に搬送され、これら第１ウェブ２４１と第２ウェブ２４２とが接合される。第１および第２ウェブ２４１，２４２は、それぞれ繊維ウェブによって形成されている。この第２の工程（ｂ）以降、図中ウエスト弾性部材２２１の記載を省略し、レッグ弾性部材２２３のみ破線で示す。
　第３の工程（ｃ）では、環状に形成されたレッグ弾性部材２２３に沿って第１および第２ウェブ２４１，２４２に環状の孔２４３が形成され、この孔２４３の縁をレッグ側縁部２２２とする。孔２４３は切断線２４４上に形成される。
　第４の工程（ｄ）では、孔２４３と孔２４３との機械方向ＭＤの間に、吸液性コア２２０が取り付けられる。吸液性コア２２０は第２ウェブ２４２に図示しない接合手段によって接合される。

　第５の工程（ｅ）～第７の工程（ｇ）を図１１に示し、これら工程では、支持部材２１３，２１４とフック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とから形成される係合体２４７を形成する。
　第５の工程（ｅ）では、支持部材２１３，２１４を折り畳み、第１領域２２６，２２７、第２領域２２８，２２９および第３領域２３０，２３１を形成する。支持部材２１３，２１４は一枚の繊維不織布で形成され、この支持部材２１３，２１４を機械方向ＭＤに延びる第１折曲線２３５および第２折曲線２３６を介して折り畳む。ただし、連続して形成されるおむつにおいて隣接する支持部材２１３，２１４を同時に形成するため、第１領域２２６，２２７が交差方向ＣＤに連続して形成される。第１領域２２６，２２７は、後に切断線２４４で切断される。

　第６の工程（ｆ）では、折り畳んだ支持部材２１３，２１４の第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１との間に第１シール部２３２，２３３を形成して、第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とを仮止めする。ただし、第５の工程と第６の工程とは、ほぼ同時に進行するものであってもよい。第１シール部２３２，２３３は、支持部材２１３，２１４の機械方向ＭＤのほぼ全域に亘って間欠的に形成される。このように間欠的に形成することによって、第１シール部２３２，２３３によって支持部材２１３，２１４の剛性が必要以上に高くなるのを防止し、着用者に不快感を与えるのを抑制することができる。

　第７の工程（ｇ）では、第３領域２３０，２３１にフック要素２１５，２１６を固定する。ここで、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とをあらかじめ係合しておいてもよいし、フック要素２１５，２１６を第３領域２３０，２３１に固定した後に、ループ要素２１７，２１８を係合させるようにしてもよい。ループ要素２１７，２１８は交差方向ＣＤに連続し、後に切断線２４４で切断される。

　図１２は、第１シール部２３２，２３３とフック要素２１５，２１６およびループ要素２１７，２１８との位置関係を説明する図である。説明のため、係合体２４７の支持部材２１４を省略し、第１シール部２３２，２３３を仮想線で示している。第１シール部２３２，２３３は、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とが互いに重なって係合している係合部分に形成される。フック要素２１５，２１６は、肌に対する刺激や係合のし易さから、ループ要素２１７，２１８よりもその面積が小さくなるようにしている。したがって、フック要素２１５，２１６の周囲からループ要素２１７，２１８が延出するようになるが、この延出した部分には第１シール部２３２，２３３が位置することなく、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とが重なっている係合部分にのみ第１シール部２３２，２３３が位置することが望ましい。すなわち、フック要素２１５，２１６の機械方向ＭＤの外側には、延出したループ要素２１７，２１８が存在するが、第１シール部２３２，２３３はこの延出した部分には位置しないようにしている。具体的には、フック要素２１５，２１６から延出したループ要素２１７，２１８の機械方向ＭＤの寸法は約１０ｍｍとしている。さらに、フック要素の上部２１５ａ，２１６ａとフック要素の下部２１５ｂ，２１６ｂとの間には、フック要素が存在しない領域が存在するが、この領域にも第１シール部２３２，２３３が位置しないようにしている。このようにフック要素２１５，２１６が存在しない、言い換えれば、ループ要素２１７，２１８と係合していない領域において第１シール部２３２，２３３を形成しないことによって、支持部材２１３，２１４の柔軟性を維持することができる。
　ただし、第１シール部２３２，２３３は、必ずしもフック要素と重なる位置にのみ形成されるものではなく、シール部の一部が、フック要素が存在しない領域に位置してもよい。

　このように形成された係合体２４７は、図１０に示した第８の工程（ｈ）で第２ウェブ２４２に搬送されるが、搬送時に約９０度回転させてから搬送する。したがって、図１１に示した機械方向ＭＤと交差方向ＣＤとが逆になって図１０に示される。第１および第２ウェブ２４１，２４２は機械方向ＭＤに延びる一端２４５および他端２４６を形成し、一端２４５側がおむつ２０１の前ウエスト域２０８となり、他端２４６側が後ウエスト域２０９となる。係合体２４７のループ要素２１７，２１８が、第２ウェブ２４２の他端２４６側に図示しない接合部を介して接合される。

　第９の工程（ｉ）では、第１および第２ウェブ２４１，２４２の一端２４５と他端２４６とを重ね合わせるようにして、これらを二つに折り畳む。このとき吸液性コア２２０が内側になり第２ウェブ２４２が互いに重なるようにして折り畳む。第１および第２ウェブ２４１，２４２が折り畳まれた際に、支持部材２１３，２１４の第１領域２２６，２２７が第２ウェブ２４２の一端２４５側に接合するようにしている。

　第１０の工程（ｊ）では、折り畳んだ状態で、切断線２４４に沿って第１および第２ウェブ２４１，２４２を切断する。このように切断することによっておむつ２０１が形成され、第１および第２ウェブ２４１，２４２の一端２４５に前ウエスト域２０８の第１側縁部２１１が形成され、他端２４６に後ウエスト域２０９の第２側縁部２１２が形成される。さらに、切断線２４４で切断することによって、支持部材２１３，２１４およびループ要素２１７，２１８が、それぞれ切断されて第１側縁部２１１および第２側縁部２１２に位置する。製造工程の機械方向ＭＤとおむつ２０１の横方向Ｘが対応し、交差方向ＣＤとおむつ２０１の縦方向Ｙとが対応する。

　上記のような製造方法において、支持部材２１３，２１４の第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とを第１シール部２３２，２３３によって仮止めしているので、第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１との重なりが解けて開いてしまうことがない。第３領域２３０，２３１が第２領域２２８，２２９から開いた場合には、これがはためくようになって搬送ローラ等に巻き込まれる可能性がある。支持部材２１３，２１４がローラに巻き込まれると、装置の不具合を生じたり、ウェブの位置ずれを生じたりしかねない。しかし、この発明では第１シール部２３２，２３３を形成することによって、これらの不具合を防止することができる。第３領域２３０，２３１がはためくのを予防するためには、第２折曲線２３６からより遠い位置に第１シール部２３２，２３３を形成するのが望ましい。すなわち、第１シール部２３２，２３３はフック要素２１５，２１６の横方向Ｘの内側端部に形成するのが望ましい。

　第１シール部２３２，２３３は、ホットメルト接着剤などの接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドなどによって形成することができる。この実施形態では、第１シール部２３２，２３３のそれぞれの縦方向Ｙの離間寸法を約１０ｍｍとしている。このような構成において、支持部材２１３，２１４の第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とのシール強度は、０．２～３．０Ｎ／８０ｍｍとすることが望ましい。シール強度は、以下の方法により測定した。
　サンプルとして、図８および９に示したように、第１シール部２３２，２３３が形成され、かつ、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とが係合された状態のおむつ２０１を用いる。おむつ２０１は、フック要素の上下部２１５ａ，２１５ｂ間または２１６ａ，２１６ｂ間で横方向Ｘに切断し、折り畳まれた第３領域２３０，２３１の横方向Ｘ内側において縦方向Ｙに切断し、これをサンプルとする。サンプルのウエスト開口２２４側の端縁から５０ｍｍを、引張試験機（ＳＨＩＭＡＤＺＵ社製　オートグラフ（ＡＧ－Ｘシリーズ））のチャックにそれぞれはさみ、チャック間を５０ｍｍ、ピール速度を５００ｍｍ／分として、剥離ピーク強度を測定する。複数回の測定の後、平均値をシール強度とした。

　上記シール強度は、おむつ２０１の製造工程においては、第１シール部２３２，２３３が解けることなく、第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１とがそれぞれ仮止めされた状態に維持することができ、かつ、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合力よりも弱くなるようにしている。すなわち、おむつ２０１の製造工程では、仮止めが解けることなく、使用時にこれを解こうとした場合には、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合が解けることなく、仮止めのみを解くことができる。

　この発明では、フック要素２１５，２１６を支持部材２１３，２１４に取り付け、さらにフック要素２１５，２１６にループ要素２１７，２１８を取り付けて係合体を形成してからシャーシ２０２を形成する第２ウェブ２４２に取り付けるようにしているが、フック要素２１５，２１６を第２ウェブ２４２の他端２４６側に、ループ要素２１７，２１８を一端２４５側に取り付けてから、ウェブを二つ折りにしてこれらフック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８とを係合させるようにしてもよい。
　上記のおむつ２０１の製造方法において、吸液性コア２２０を搬送するタイミングや、レッグ側縁部を形成する孔２４３を形成するタイミング等は、適宜変更することができる。

　前ウエスト域２０８にフック要素２１５，２１６を取り付け、後ウエスト域２０９にループ要素２１７，２１８を取り付けることとしているが、これが逆でも良い。すなわち、前ウエスト域２０８を第１ウエスト域として、後ウエスト域２０９を第２ウエスト域として説明しているが、前ウエスト域２０８が第２ウエスト域、後ウエスト域２０９が第１ウエスト域としてもよい。ただし、剛性が高いフック要素が着用者の肌に接触しないように取り付けることが望ましい。フック要素によって着用者の肌が傷つけられるのを防止するためである。
　おむつ２０１は、シャーシ２０２とは別体の吸液性コア２２０を有しているが、シャーシ２０２の内外面シート２０６，２０７の間に吸液性のコアを介在させるようにしてもよい。

　図１３，１４は、他の実施形態を示すものであり、シール部として、第１シール部２３２，２３３のほかに、第２シール部２５１，２５２を有することを特徴とする。この特徴以外の他の構成要素は先の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略し、同様の構成要素については同じ符号を用いて説明する。

　図１３は、図９（ａ）と同様の図であって、おむつ２０１の断面図である。支持部材２１３，２１４の第２領域２２８，２２９と第３領域２３０，２３１との間には、第１シール部２３２，２３３と第２シール部２５１，２５２とが形成されている。第２シール部２５１，２５２は、第１シール部２３２，２３３の横方向Ｘ外側に位置している。

　図１４は、図１１と同様の図であって、製造工程における支持部材２１３，２１４と、フック要素２１５，２１６と、ループ要素２１７，２１８との位置関係を示した図である。第２シール部２５１，２５２は、第１シール部２３２，２３３の交差方向ＣＤの内側に形成され、第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２は、機械方向ＭＤにそれぞれ列をなして延びている。第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２は、機械方向ＭＤにおいて、それぞれ間欠的に形成され、その離間寸法を約３０ｍｍとしている。第１シール部２３２，２３３によって形成された列と、第２シール部２５１，２５２とによって形成された列とは、交差方向ＣＤにおいて離間され、列の交差方向ＣＤにおける離間寸法を約６ｍｍとしている。

　第１シール部２３２，２３３の機械方向ＭＤの間に、第２シール部２５１，２５２がそれぞれ位置するように形成され、交差方向ＣＤに隣接する第１シール部２３２，２３３と第２シール部２５１，２５２とが、交差方向ＣＤにおいて互いに重ならない位置に形成される。
　上記のような第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２は、製品としてのおむつ２０１においては、機械方向ＭＤが縦方向Ｙに対応し、交差方向ＣＤが横方向Ｘに対応する。

　上記のような構成において、第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２の二列で仮止めされているので、第１シール部および第２シール部の仮止めの強度を小さくしても、これら仮止めが妄りに解けてしまうことがない。仮止めの強度が小さいので、これを解こうとした場合には容易に解くことができ、さらに、フック要素２１５，２１６とループ要素２１７，２１８との係合を解くことなく、仮止めのみを解くことができる。
　シール部を二列有することによって、第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２の縦方向Ｙにおける離間寸法を大きくすることができるので、それぞれのシール部の数を少なくすることができ、シール部の形成による剛性の増加を抑制することができる。
　なお、第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２を形成したときのシール強度は、既述の実施形態のそれと同じ０．２～３．０Ｎ／８０ｍｍとしている。シール強度の測定方法は、既述の方法と同様である。

　第１シール部２３２，２３３と第２シール部２５１，２５２とが、交差方向ＣＤにおいて互いに重ならない位置に形成されることによって、これらを解こうとした場合に、第１シール部２３２，２３３と第２シール部２５１，２５２とが交互に解けるから、これを解きやすくすることができる。
　第１シール部２３２，２３３および第２シール部２５１，２５２の機械方向ＭＤの離間寸法を約３０ｍｍとしているが、２０ｍｍ以上とすることが望ましい。離間寸法を２０ｍｍよりも小さくすると、第１シール部と第２シール部とが交互に外れ難くなり、すなわち、両者が同時に外れることもあり、結果的に仮止めを解くのに大きな力を要する可能性があるからである。

　上記のような第２シール部２５１，２５２は、第１シール部２３２，２３３と同様の製造方法によって形成することができるとともに、第１シール部２３２，２３３と同時に形成することが可能である。
 

Claims (4)

1. 　縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向しあい前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置しメカニカルファスナ機能を有する第１係合域および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向しあい前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合域と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合域とを含み、前記第１係合域はフック要素を含み、前記第２係合域はループ要素を含む着用物品の製造方法において、
   　前記第１係合域に、前記第２係合域と仮止めされるシール部を形成する工程と、
   　前記第１係合域の前記フック要素と、前記第２係合域の前記ループ要素とを係合させるとともに、前記第１係合域と前記第２係合域とを前記シール部を介して仮止めする工程とを含む前記着用物品の製造方法。
2. 　縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合部材および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合部材と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合部材から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合部材は、支持部材を介して前記第１側縁部に形成された着用物品の製造方法において、
   　前記支持部材を前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線に沿って折り畳み、前記第１折曲線によって第１領域と第２領域に区画し、前記第２折曲線によって前記第２領域と第３領域とに区画し、前記第１領域に前記第２領域を重ね、前記第２領域に前記第３領域を重ねて形成する工程と、
   　前記第２領域と前記第３領域との間に、これらを仮止めするシール部を形成する工程と、
   　前記第３領域と前記第１係合部材とを接合する工程と、
   　前記第１係合部材と前記第２係合部材とを係合する工程と、
   　前記第１領域と前記第１側縁部とを接合する工程と、
   　前記第２側縁部と前記第２係合部材とを接合する工程と、を含み、
   　前記シール部は前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする前記着用物品の製造方法。
3. 　縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合部材および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合部材と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合部材から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合部材は、支持部材を介して前記第１側縁部に形成される着用物品の製造方法において、
   　前記支持部材を前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線に沿って折り畳み、前記第１折曲線によって第１領域と第２領域に区画し、前記第２折曲線によって前記第２領域と第３領域とに区画し、前記第１領域に前記第２領域を重ね、前記第２領域に前記第３領域を重ねて形成する工程と、
   　前記第２領域と前記第３領域との間に、これらを仮止めするシール部を形成する工程と、
   　前記第３領域と、前記第２係合部材に係合された前記第１係合部材とを接合する工程と、
   　前記第１領域と前記第１側縁部とを接合する工程と、
   　前記第２係合部材と前記第２側縁部とを接合する工程と、
   を含み、前記シール部は前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする前記着用物品の製造方法。
4. 　縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第１ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第２ウエスト域と前記第１および第２ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、前記第１ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第１側縁部に位置するメカニカルファスナ機能を有する第１係合部材および前記第２ウエスト域の前記横方向に対向し合い前記縦方向へ延びる一対の第２側縁部に位置して前記第１係合部材と脱離可能に係合するメカニカルファスナ機能を有する第２係合部材から構成されるメカニカルファスナとを含み、前記第１係合部材は、支持部材を介して前記第１側縁部に形成された着用物品において、
   　前記支持部材は、前記縦方向に延びる第１折曲線および第２折曲線と、前記第１折曲線および第２折曲線折曲よって区画された第１領域および第２領域とを含み、前記１領域に前記第２領域が重ねられ、前記第２領域に前記第３領域が重ねられ、
   　前記第３領域は、前記第１係合部材に接合され、
   　前記第１領域は、前記第１側縁部に接合され、
   　前記第２領域と前記第３領域との間には、これらを仮止めするシール部が形成されるとともに、前記シール部は、前記第１係合部材と重なる位置に形成されることを特徴とする前記着用物品。

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