WO2010001459A1 - 気体圧制御式鋳造用鋳型 - Google Patents

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Abstract

アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、当該ホットトップ20内のアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30を通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、当該鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面に、潤滑油を吹き出す潤滑油吹出孔40を複数備えると共に、当該鋳型本体10内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各潤滑油吹出孔40に連通する潤滑油供給路41をそれぞれ独立して形成する。これによって鋳型本体10を温度や鋳造速度の条件の違いがあっても確実に冷却できるため、良好な連続鋳造を実現できる。

Description

気体圧制御式鋳造用鋳型
 本発明は、アルミニウムやアルミニウム合金など非鉄金属の半連続もしくは連続鋳造に適した気体圧制御式鋳造用鋳型に関するものである。
 従来から非鉄金属製造分野においては、アルミニウムやアルミニウム合金などの非鉄金属の鋳造法として、例えば以下の特許文献1や2などに示すような所謂気体加圧式ホットトップ鋳造用鋳型による鋳造法が多用されている。
 この気体加圧式ホットトップ鋳造用鋳型は、例えば図10および図11に示すように、耐火断熱材からなるホットトップ20から出るアルミニウム溶湯Mをそのまま鋳型(金型)本体10に形成した通過部30に通し、同時にその鋳型本体10から吹き出される冷却水Wによってその溶湯Mを強制冷却して連続的に凝固させて棒状のビレットBを鋳造するものである。
 そして、図11に示すように、その鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面上端に潤滑油吹出孔40や気体通過孔50を設け、その溶湯通過部30に溶湯Mを通過させる際にこの潤滑油吹出孔40や気体通過孔50から潤滑油と不活性ガスや空気などの気体を吹き込む。これによって、溶湯通過部30内面への溶湯Mの接触や摩擦を少なくしてスムーズな通過(鋳造)を実現すると共に、そのビレットBの表面形状を滑らかにすることが可能となっている。
特公昭54-42847号公報 特開昭63-154244号公報
  ところで、この気体加圧式ホットトップ連続鋳造法を実現するための鋳型は、図11に示すようにその鋳型本体10内に冷媒通路60を内蔵し、この冷媒通路60を流れる冷媒(冷却水)Wによって鋳型全体を強制的に冷却するようになっている。
 しかしながら、従来の鋳型は、その冷媒通路60と前記潤滑油吹出孔40や気体通過孔50との間に、潤滑油および気体を供給するための深い環状の溝70が鋳型の溶湯通過部30に沿って環状に形成されている。そのため、これが断熱層の作用をして潤滑油吹出孔40や気体通過孔50部分が充分に冷却されない。
 また、この鋳型本体10内の冷媒通路60は、図示するように断面矩形状に形成されているため、この冷媒通路60を流れる冷媒Wの一部がその角部に滞留して凝固のための熱交換を必要とする溶湯通過部30上部を効果的に冷却できない。
 このため、注湯温度の高い合金や鋳造速度を上げた鋳造をするなどして鋳型本体10の温度が上昇すると、鋳型の溶湯金属冷却能力が不足してビレットB表面がガス肌と呼ばれる状態となることがある。また、溶湯Mと溶湯通過部30との間の潤滑効果が低下し、溶湯通過部30と溶湯Mとの摩擦が大きくなり、その溶湯通過部30表面に凝固した金属や酸化物などが付着し、ビレットB表面に引きつりと呼ばれる鋳造欠陥が発生しやすくなる。
 また、鋳型本体10の冷却が弱くなるので、鋳型本体10の冷却によって溶湯Mから生成される凝固シェルの強度が弱くなって、溶湯通過部30との摩擦に耐えられなくなる。これによって、凝固シェルの破壊が生じてブレークアウトして鋳造ができなくなることの問題が生じていた。
 また、図11に示すように潤滑油吹出孔40または気体通過孔50から溶湯通過部30に供給された潤滑油と気体は、前記メニスカス部空間Sに達した後、溶湯Mの通過と共にその溶湯通過部30の壁面に沿って溶湯通過部30の下方に抜けることになる。
 このとき、鋳型本体10の温度が上昇することによって環状の潤滑油供給溝70の潤滑油膨張と鋳型本体10の熱膨張による圧迫とによって潤滑油が過度に供給されて溶湯Mに吹き出されることになる。すると、潤滑油のガス化による気体加圧ガス供給過剰となって気体による加圧条件が変化して溶湯通過部30上端部分とホットトップ20と溶湯メニスカス部mとの間に形成される空間(メニスカス部空間)Sの変化が過大となってビレットBの品質を劣化させることがあった。  
 すなわち、潤滑油のガス化によりメニスカス部空間S内の気体の圧力が溶湯圧を超えるとそのメニスカス部空間Sが大きくなり、このメニスカス部空間Sの気体や気化した潤滑油が溶湯通過部30からホットトップ20側に抜ける現象(バブリング)が起こる場合があった。
 そして、このようなバブリングが発生すると酸化物の介在物や皮膜が生成し、これがビレットBの表層部に巻き込まれ、ビレット表面欠陥や内部欠陥になる。
 このような欠陥が最終製品まで残ると製品の機械的特性が低下したり、鍛造時に鍛造割れ不良やアルマイトでの外観不良となる。
 また、このようなバブリングが発生すると、瞬間的にメニスカス部空間Sが消失して潤滑油吹出孔40や気体通過孔50まで溶湯Mが差し込んで凝固、固着して孔を塞いでしまうことがある。すると、その後メニスカス部空間Sが形成されないため、大きな鋳肌欠陥を発生させてビレット不良となることがあった。
 そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものである。その主たる目的は、連続的に鋳造する鋳型全体(特に鋳型上部)を温度や鋳造速度の条件の違いがあっても確実に冷却できる新規な気体圧制御式鋳造用鋳型を提供するものである。
 [発明1]
 前記課題を解決するために第1の発明は、
  アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を導入するホットトップと、当該ホットトップから導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶湯通過部に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体とを有し、
 当該鋳型本体の溶湯通過部の壁面に、潤滑油を吹き出す潤滑油吹出孔を複数備えると共に、当該鋳型本体内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各潤滑油吹出孔に連通する潤滑油供給路をそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
 [発明2]
 また、第2の発明は、
 アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を導入するホットトップと、当該ホットトップから導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶湯通過部に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体とを有し、
 当該鋳型本体の溶湯通過部の壁面に、気体を通過させる気体通過孔を複数備えると共に、当該鋳型本体内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各気体通過孔に連通する気体通過路をそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
 [発明3]
 また、第3の発明は、
 アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を導入するホットトップと、当該ホットトップから導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶湯通過部に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体とを有し、
 当該鋳型本体の溶湯通過部の壁面に、潤滑油を吹き出す潤滑油吹出孔と、気体を通過させる気体通過孔とをそれぞれ複数備えると共に、前記鋳型本体内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各潤滑油吹出孔と気体通過孔とにそれぞれ連通する潤滑油供給路と気体通過路とをそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。 
 そして、これら本発明に係る第1~第3の発明によれば、潤滑油供給路および気体通過路の一方あるいは両方を、少なくとも鋳型本体内の熱影響部の範囲で、それぞれ独立して形成し、鋳型本体に内蔵された冷媒通路と溶湯通過部の間に位置する前記潤滑油供給路および気体通過路の断面積を大幅に減少させたことから、この潤滑油供給路および気体通過路の存在による鋳型本体の熱伝導の低下を防止することが可能となる。特に潤滑油吹出孔や気体通過孔付近をより確実に冷却することができる。
 これによって、気体通過孔から吹き出される気体の加圧条件が安定してメニスカス空間の変動を小さく抑えることができる。さらに、潤滑油の温度上昇も抑制できるため、潤滑油の揮発量も少なくなり、潤滑油本来の潤滑能力を発揮することができる。
 この結果、鋳造速度を上げても鋳型本体の温度が高くならないため、製品の品質の低下や鋳造欠陥などを抑制でき、従来よりも高温度の鋳造や高速な鋳造を実現できる。また、同時に鋳型本体の熱影響部に潤滑油供給溝や気体圧制御溝がないため、鋳型本体の変形による潤滑油の供給量の変動や気体加圧ガス量の変動を小さく抑えることができ、安定した製品の品質を維持できる。
 ここで、本発明でいう「鋳型本体内の熱影響部」とは、後の実施の形態で例示するように、鋳型本体のなかで溶湯通過部を通過するアルミニウム溶湯の熱の影響を直接受ける部分をいい、鋳型本体のうち少なくともアルミニウム溶湯が接する溶湯通過部の壁面から当該壁面に近接する冷媒通路に至る領域を含む部分をいう。
 [発明4]
 また、第4の発明は、
 第1~第3の発明において、前記鋳型本体の上面に、前記溶湯通過部とほぼ同心円状となるリングプレートを着脱自在に設けると共に、当該リングプレートに、前記潤滑油吹出孔、または前記気体通過孔、あるいは前記鋳型本体上端と前記ホットトップと溶湯メニスカス部との間に形成されるメニスカス部空間の圧力を測定する圧力測定用連通孔のいずれか1つ以上の孔を形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。  
 第4の発明によれば、これら潤滑油吹出孔および気体通過孔あるいは圧力測定用連通孔を比較的容易に加工・形成することができる。  
 また、鋳型本体の研磨、打痕などによってホットトップと接する角部が損傷を受けたり、あるいはバブリングなどによって潤滑油吹出孔または気体通過孔のいずれかが変形し、鋳肌欠陥ができやすくなった場合には、そのリングプレートのみを新たなものに交換したり清掃したりすることで容易にその不都合を解消することができる。
 [発明5]
 また、第5の発明は、
 第4の発明において、前記鋳型本体とリングプレートのいずれか一方または両方を銅または銅合金から形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
 第5の発明によれば、鋳型本体とリングプレートのいずれかー方または両方を熱伝導性に優れた金属である銅または銅合金から形成したことから、冷媒通路を流れる冷媒によって鋳型本体およびリングプレートを効果的に冷却することができる。
 [発明6]
 また、第6の発明は、
 第1~第5の発明において、前記鋳型本体内に冷媒通路を形成し、当該冷媒通路を流れる冷媒を前記鋳型本体の溶湯通過部で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルに向けて吹き出すための吹出孔または吹出スリットを前記溶湯通過部の下端に形成すると共に、当該冷媒の吹出孔または吹出スリットと前記鋳型本体内の冷媒通路間を、前記溶湯通過部の近傍で、かつ、その溶湯通過部の上端側から下方に向かって延びる連通路で接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
 第6の発明によれば、冷媒通路内の冷媒が滞留することなくスムーズに冷媒吹出孔側または吹出スリット側に流れる。これによって、冷却を要求される溶湯が接する鋳型本体上部から冷たい冷媒が流れることになる。この結果、鋳型本体上部の溶湯通過部がより冷却され、ビレットを効率良く冷却することができるため、従来よりも高温度の条件や高速な鋳造を実現できる。
 [発明7]
 また、第7の発明は、
 アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を導入するホットトップと、当該ホットトップから導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶湯通過部に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体とを有し、当該鋳型本体内に冷媒通路を形成し、当該冷媒通路を流れる冷媒を前記鋳型本体の溶湯通過部で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルに向けて吹き出すための吹出孔または吹出スリットを前記溶湯通過部の下端に形成すると共に、当該冷媒の吹出孔または吹出スリットと前記鋳型本体内の冷媒通路間を、前記溶湯通過部の近傍で、かつ、その溶湯通過部の上端側から下方に向かって延びる連通路で接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
 第7の発明によれば、冷媒通路内の冷媒が滞留することなくスムーズに冷媒吹出孔側または吹出スリット側に流れる。これによって、冷却を要求される溶湯が接する鋳型本体上部から冷たい冷媒が流れることになる。この結果、鋳型本体上部の溶湯通過部がより冷却され、ビレットを効率良く冷却することができるため、従来よりも高温度の条件や高速な鋳造を実現できる。
 [発明8]
 また、第8の発明は、
 第1~第5の発明において、前記鋳型本体内に冷媒通路を形成し、当該冷媒通路を流れる冷媒を前記鋳型本体の溶湯通過部で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルに向けて吹き出すための吹出孔または吹出スリットを前記溶湯通過部の下端に形成すると共に、当該冷媒の吹出孔または吹出スリットと前記鋳型本体内の冷媒通路間を、前記溶湯通過部の近傍で、かつ、その溶湯通過部の上端側から下方に向かって延びる垂直連通路と、前記気体通過路または潤滑油供給路の直下に略水平方向内部に向けて延びる水平連通路とで接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第8の発明によれば、冷媒の吹出孔または吹出スリットと鋳型本体内の冷媒通路間を、垂直連通路と水平連通路とで接続したことから、冷媒通路内の冷媒が滞留することなくスムーズに冷媒吹出孔側または吹出スリット側に流れる。また、冷媒通路内の冷たい冷媒が水平連通路を介して垂直連通路に流れるため、その水平連通路の近傍に位置する潤滑油供給路と気体通過路も効率良く冷却できる。これによって、潤滑油供給路を通過する潤滑油や気体通過路を通過する気体の過熱を防止できる。
 [発明9]
 また、第9の発明は、
 アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を導入するホットトップと、当該ホットトップから導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を溶湯通過部に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体とを有し、当該鋳型本体内に冷媒通路を形成し、当該冷媒通路を流れる冷媒を前記鋳型本体の溶湯通過部で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルに向けて吹き出すための吹出孔または吹出スリットを前記溶湯通過部の下端に形成すると共に、当該冷媒の吹出孔または吹出スリットと前記鋳型本体内の冷媒通路間を、前記溶湯通過部の近傍で、かつ、その溶湯通過部の上端側から下方に向かって延びる垂直連通路と、前記気体通過路または潤滑油供給路の直下に略水平方向内部に向けて延びる水平連通路とで接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第9の発明によれば、冷媒の吹出孔または吹出スリットと鋳型本体内の冷媒通路間を、垂直連通路と水平連通路とで接続したことから、冷媒通路内の冷媒が滞留することなくスムーズに冷媒吹出孔側または吹出スリット側に流れる。また、冷媒通路内の冷たい冷媒が水平連通路を介して垂直連通路に流れるため、その水平連通路の近傍に位置する潤滑油供給路と気体通過路も効率良く冷却できる。これによって、潤滑油供給路を通過する潤滑油や気体通過路を通過する気体の過熱を防止できる。
 [発明10]
 また、第10の発明は、
 第1~第9の発明において、前記鋳型本体に圧力測定用の連通孔を形成し、当該連通孔に、前記鋳型本体上端と前記ホットトップと溶湯メニスカス部との間に形成されるメニスカス部空間の圧力を測定する圧力測定手段を備えると共に、前記気体通過路または前記潤滑油供給路に、前記圧力測定手段の測定値に基づいて前記メニスカス部空間の圧力を制御する圧力制御手段を備えたことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第10の発明によれば、メニスカス部空間の圧力を測定する圧力測定手段と、その圧力制御する圧力制御手段を備えたことから、溶湯メニスカス部の形状を圧力条件で最適に制御し安定させることができる。また、圧力条件を変化させて溶湯メニスカス部の形状を変えることも可能となり、溶湯通過部の壁面に付着した異物などを鋳肌に付着させて除去できるため、コメットテールなどの欠陥を未然に防ぐことができる。これによって、長時間の連続鋳造が可能になる。また、バブリングなどのような鋳造不良を招く現象を確実に防止できる。
 [発明11]
 また、第11の発明は、
 第10の発明において、前記圧力制御手段は、前記潤滑油供給路から供給する潤滑油供給量を調整して前記メニスカス部空間の圧力を制御することを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第11の発明によれば、鋳造速度を速くしたり、気体が溶湯通過部の壁面に沿って下方に抜けずにメニスカス部空間の維持が難しい合金の鋳造においてもメニスカス部空間を安定して維持できるため、品質の低下や鋳造欠陥をなどを抑制できる。
 [発明12]
 また、第12の発明は、
 第10の発明において、前記圧力制御手段は、前記気体通過路内の気体圧を増圧または減圧して前記メニスカス部空間の圧力を制御することを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第12の発明によれば、気体が溶湯通過部の液面に沿って下方に抜けずにメニスカス部空間の維持が難しい合金の鋳造においてもメニスカス部空間を安定して維持できるため、品質の低下や鋳造欠陥などを抑制できる。
 [発明13]
 また、第13の発明は、
 第4~第12の発明において、前記気体通過路内、または前記鋳型本体に形成された圧力測定用の連通孔に、前記メニスカス部空間から逆流する潤滑油を捕捉するトラップ機構を備えたことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型である。
  第13の発明によれば、メニスカス部空間の気体圧力が高くなって気体通過孔または圧力測定用連通孔を通じて気体が戻るときに、その気体に混じって潤滑油が気体通過路内、または気体圧力測定孔に入った場合には、これをトラップ機能によって捕捉することができる。これによって、気体通過孔または圧力測定用連通孔が潤滑油によって詰まってしまうことを回避できるため、正確な気体加圧条件での圧力制御と圧力の測定が可能となり、安定した鋳造ができる。
本発明に係る気体圧制御式鋳造用鋳型100の第1の実施形態を示す縦断面図である。 第1の実施の形態に係る鋳型本体の上面構造を示す平面図である。 気体通過路51に備わっている圧力制御手段90の構成を示す説明図である。 気体通過路51に付設可能なトラップ機構56の構成を示す説明図である。 本発明に係る気体圧制御式鋳造用鋳型100の第2の実施形態を示す縦断面図である。 第2の実施の形態に係る鋳型本体10の上面構造を示す平面図である。 図5中A部を示す部分拡大図である。 図7中B方向矢視図である。 鋳型本体10の熱影響部を避けた位置に環状溝82を備えた例を示す縦断面図である。 従来の気体加圧式ホットトップ鋳造用鋳型の一例を示す縦断面図である。 図10中C部を示す部分拡大図である。
符号の説明
 100は気体圧制御式鋳造用鋳型、10は鋳型本体、20はホットトップ、30は溶湯通過部、40は潤滑油吹出孔、41は潤滑油供給路、50は気体通過孔、51は気体通過路、52は圧力測定用連通孔、56はトラップ機構、60は冷媒通路、61は冷媒吹出孔、62は、連通路、62aは水平連通路、62bは垂直連通路、80はリングプレート、81は溝部、82…環状溝、90は圧力制御手段、92は圧力測定手段、Bはビレット、Cは凝固シェル、Mは溶湯、mは溶湯メニスカス部、Sはメニスカス部空間、Wは冷媒。
[第1実施形態]
 図1~図4は本発明に係る気体圧制御式鋳造用鋳型100の第1の実施形態を示したものである。
(構成)
 図示するようにこの気体圧制御式鋳造用鋳型100は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、あるいは銅または銅合金などの熱伝導性に優れた金属材料からなる鋳型本体10の上方に、耐火断熱材からなるホットトップ20を備えた構成となっている。また、その鋳型本体10の中央部分にはこれを上下に貫通するように断面円形の溶湯通過部30を形成した構造となっている。
 そして、このホットトップ20から供給されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mをこの鋳型本体10の溶湯通過部30に通過させながら、冷却凝固するようになっている。これによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続または連続的に鋳造するようになっている。
 また、この鋳型本体10内には、その中央の溶湯通過部30を囲むように環状の冷媒通路60が内蔵されている。そして、この冷媒通路60内に図示しない冷媒供給ポンプから供給される冷媒(冷却水)Wを通過させることで、鋳型本体10全体をその内部から冷却するようになっている。
 また、鋳型本体10の溶湯通過部30の下端部には、その溶湯通過部30の周縁部に沿って延びるスリット状の冷媒吹出孔61が形成されている。
 この冷媒吹出孔61は、その鋳型本体10内に形成された連通路62を介して冷媒通路60と連通している。そして、この冷媒通路60内を流れる冷媒(冷却水)Wをこの冷媒吹出孔61から吹き出し、吹き出した冷媒Wを、鋳型本体10で冷却されて生成した凝固シェルの表面および溶湯Mで形成されるビレットBの表面に吹き付けるようになっている。これによってそのビレットBを強制的に冷却し、凝固シェル内側の残りの溶湯Mが凝固するようになっている。
 ここで、この冷媒吹出孔61と冷媒通路60間を連通する連通路62は、水平連通路62aと垂直連通路62bとから構成されている。そして、水平連通路62aは、溶湯通過部30の周方向断面に対して矩形状をした冷媒通路60の上部から溶湯通過部30方向に向けて水平に延びる形態となっている。一方、垂直連通路62bは、この水平連通路62aの端部からその溶湯通過部30の壁面に沿って垂直下方に延びるような構造となっている。
 ―方、この溶湯通過部30の壁面上端側には、ひまし油などの潤滑油を吹き出すための潤滑油吹出孔40と、不活性ガスや空気などの気体を通過(供給・排気)させる気体通過孔50とがそれぞれ複数(本実施の形態では各4つずつ)等間隔に形成されている。
 これら各潤滑油吹出孔40,40,40,40には、潤滑油供給路41,41,41,41がそれぞれ鋳型本体10内をその外側から貫通するように独立して接続されている。そして、各潤滑油吹出孔40,40,40,40に対して各潤滑油供給路41,41,41,41からそれぞれ潤滑油が独立して供給されるようになっている。
 また、各気体通過孔50,50,50,50にも,それぞれ気体通過路51,51、51,51がそれぞれ鋳型本体10内をその外側から貫通するように独立して接続されている。そして、各気体通過孔50,50,50,50に対して各気体通過路51,51、51,51からそれぞれ気体が独立して供給されるようになっている。
 なお、これら各潤滑油吹出孔40,40,40,40および各気体通過孔50,50.50,50ならびに各潤滑油供給路41、41、41,41および各気体通過路51,51,51,51は,それぞれ所定径のドリルによって鋳型本体10の内外からそれぞれ穿孔して形成され、外周部で相互に連通されるようになっている。
 他方、図3に示すようにこの鋳型本体10には、この気体通過路51内の気体の圧力Pgasを制御する圧力制御手段90が設けられている。
 この圧力制御手段90は、圧力制御弁(逃がし弁)91と、圧カセンサー92(圧力測定手段)と、比較演算機93と、ヘッド圧算出部(図示せず)から構成されている。
 ここで、圧力制御弁(逃がし弁)91は、気体を通過させる気体通過ラインLを介して気体通過路51内の気体圧力Pgasを制御する。また、圧カセンサー92(圧力測定手段)は、この気体通過路51と同様にメニスカス部空間Sに連通する圧力測定用連通孔52を介して前記メニスカス部空間Sの気体圧を検出するようになっている。
 また、比較演算機93は、メニスカス部空間Sの最適な気体圧力Pgasを算出するようになっている。また、図示しないヘッド圧算出部は、ホットトップ20内の溶湯Mの液面高さを光学的または物理的に検知してその溶湯Mのヘッド圧PAlを算出するようになっている。
 なお、これらは各単独で使用することも可能である。その場合、Pgasが計算されるメニスカス部空間S上部の概略溶湯圧に等しくなるように圧力制御弁(逃がし弁)91を制御する。溶湯Mのヘッド圧PAlが正確にわからない場合は、圧力を上げてバブリングさせることにより、そのヘッド圧PAlを検出し、その検出した圧力PAlにより、例えばそのバブリング圧より10~30hPa小さな値に制御する。
 一方、圧力制御手段90の全てを使ってPAlの測定値を使ったフィードバックループで制御することも可能である。この場合、このヘッド圧算出部で算出された溶湯Mのヘッド圧PAlに対して、圧カセンサー92で検出されたメニスカス空間Sの圧力Pgasを鋳造の定常状態においてはほぼ等しく(PAl≒Pgas)なるように比較演算機93が圧力制御弁91を制御して気体通過ラインLから供給される気体の圧力Pgasを制御するようになっている。
 また、スタート時や終了時においては、不安定な湯面変動に対してバブリングなどの異常が起こらないように低い圧力に制御することが有利になる。
 また、コメットテール、引きつりなどで鋳肌が荒れ始めたときも気体圧力を下げて溶湯メニスカス部mの位置を溶湯通過部30上部に上げ、肌荒れの原因物質を鋳肌に付着させて取り除くように圧力制御する。連続的に鋳造する場合は、定期的にこの操作を行って安定した鋳肌を維持することができる。
(作用および効果)
 次に、このような構成をした本発明の気体圧制御式鋳造用鋳型100の作用および効果を説明する。
 先ず、図1~図3に示すように鋳型本体10上部のホットトップ20内のアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを鋳型本体10の溶湯通過部30内に流し込むと同時に各潤滑油吹出孔40、40、40、40および各気体通過孔50、50、50、50から潤滑油と気体を吹き出す。
 すると、潤滑油は、鋳型本体10の内壁面に流れ出し、溶湯メニスカス部m下部にて溶湯Mの表面に接触して一部のガス化によって凝固シェルCの生成を促すと共に、その凝固シェルCと溶湯通過部30の壁面との摩擦を低減する。
 また、気体はその圧力に応じたメニスカス部空間Sを維持形成する。その圧力をほぼ溶湯圧に等しくする(PAl≒Pgas)と、メニスカス部空間Sを極大化でき、溶湯メニスカス部mと溶湯通過部30の壁面との接触角を小さく、かつその接触位置を溶湯通過部30の壁面の低い位置にすることができる。また、気体はその一部が溶湯通過部30の壁面との間を通過してその凝固シェルCと共に溶湯通過部30の下方に抜けることになる。
 このように潤滑油吹出孔40および気体通過孔50から供給された潤滑油と気体とによって溶湯Mの表面に凝固シェルCの生成が促進されると共に、溶湯通過部30壁面に対する凝固シェルCの接触や摩擦を減少することと、溶湯メニスカス部mと溶湯通過部30の壁面との接触角を小さく、かつその接触位置を溶湯通過部30の壁面の低い位置にすることができることで、溶湯Mの通過をスムーズにしてそのビレットBの表面形状を滑らかにすることができる。
 その後、この鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面に接触した溶湯Mは、その鋳型本体10によって急冷されてその外側から凝固シェルを形成しながらその溶湯通過部30内を降下する。さらにその溶湯通過部30下端の冷媒吹出孔61から吹き出される冷媒(冷却水)によってさらに水温近くまで強制的に急冷されてその内部まで凝固し、棒状の鋳造物(ビレットB)が連続的に鋳造される。
 そして、本発明の気体圧制御式鋳造用鋳型100は、この各潤滑油吹出孔40、40、40、40および各気体通過孔50、50、50、50に対してそれぞれ潤滑油供給路41、41、41、41と気体通過路51、51、51、51を鋳型本体10内で鋳型本体10の内周面(溶湯通過部30の壁面)側から鋳型本体10の外周面への放射状の穿孔のみで独立して接続した。このようにすると、潤滑油と気体の鋳型本体10からの受熱を少なくすることができ、潤滑油と気体の温度上昇を防止することができる。
 これによって、気体通過孔50、50、50、50から吹き出される気体の加圧条件が安定すると共に、潤滑油供給路41、41、41、41および潤滑油吹出孔40、40、40、40内での潤滑油の変性または気化を抑制できる。また、鋳型本体10の溶湯通過部30の冷却が確実に行えるため、メニスカス部空間Sの変動を小さく抑えることができる。
 この結果、バブリングや、潤滑油吹出孔40、40、40、40や気体通過孔50、50、50、50への溶湯Mの差し込みや鋳型本体10の温度が高くなることによる引きつり、ガス肌などといった鋳造欠陥を招くような現象を防止することができる。
 さらに、潤滑油の温度上昇も抑制できるため、潤滑油の揮発量も少なくなり、潤滑油本来の潤滑能力を発揮することができる。
 この結果、鋳造温度または鋳造速度を上げても品質の低下や鋳造欠陥などを回避できるため、従来よりも高温度の鋳造や高速な鋳造を実現できる。
 また、溶湯通過部30の下端に設けられた冷媒吹出孔61と冷媒通路60間を溶湯通過部30の近傍でかつその溶湯通過部30の上端側から下方に向かって延びる連通路62で接続した。このため、図3の矢印に示すように冷媒通路60内の冷媒Wが滞留することなくスムーズに冷媒吹出孔61側に流れてビレットBに吹き付けられることになる。
 これによって、潤滑油吹出孔40、40、40、40や気体通過孔50、50、50、50の部分は勿論、特に温度が高くなる溶湯通過部30の壁面側も効率良く冷却することができるため、より高温度、高速な鋳造を実現できる。
 従って、本発明の気体圧制御式鋳造用鋳型100を用いれば、従来鋳型では困難であった異径鋳造棒のような難形状の鋳造や5インチ以下の小径棒での高速鋳造のようにビレットB表面に欠陥の出やすい鋳造であっても容易かつ確実に実施することができる。
  また、冷媒通路60の冷却水を通過するための連通路62を、水平連通路62aと垂直連通路62bとで構成した。これによって、冷媒通路60内の温度の低い冷媒Wが水平連通路62aを介して垂直連通路62bに流れるため、その水平連通路62aの近傍に位置する潤滑油供給路41と気体通過路51も同時に効率良く冷却できる。この結果、潤滑油供給路41を通過する潤滑油や気体通過路51を通過する気体の過熱も防止することができる。
 また、図3に示したように、この鋳型本体10の気体通過路51に気体圧力Pgasを制御する圧力制御手段90を備えたことから、気体通過ラインLから供給される気体の圧力を適切に制御することができる。
 これによって、溶湯通過部30の上端に形成されるメニスカス部空間Sの大きさを常にー定にコントロールできるため、気体圧Pgasがヘッド圧PAlよりも上回ることによって発生するバブリング現象(PAl≒Pgas)などの鋳造不良の原因となる現象をより確実に防止することができる。
 なお、本実施の形態では、潤滑油吹出孔40(潤滑油供給路41)と気体通過孔50(気体通過路51)をそれぞれ4つずつ交互に配設した例で示したが、これらは本実施の形態に限定されるものでなく適宜増減して設けても良い。 
  また、さらに図4に示すようにこの鋳型本体10に形成された気体通過路51には、この気体通過路51内に流れ込んできた潤滑油を捕捉するためのトラップ機構56を付設することが望ましい。
 すなわち、前述したように本発明では、各気体通過孔50に気体通過路51をそれぞれ独立して接続した構造としている。このため、その気体圧を下げて溶湯メニスカス部mを上げた条件にするときや潤滑油吹出孔40から吹き出された潤滑油の一部が揮発してメニスカス部空間Sのガス圧が上昇した場合には、そのメニスカス部空間S内の気体が気体通過孔50から気体通過路51内を逆流する。
 このとき、溶湯通過部30の壁面に付着した潤滑油やメニスカス部空間Sで揮発した潤滑油成分が、その気体と共に気体通過孔50から気体通過路51内に流れ込んで逆流し、この気体通過路51を詰まらせてしまうことが起こる。
 これを防ぐため、図4に示すように気体通過路51には、この気体通過路51内に流れ込んできた潤滑油を捕捉するためのトラップ機構56を設けることが望ましい。
 このトラップ機構56の構成としては特に限定されるものではないが、例えば図4に示すように、気体通過路51に潤滑油排出用のドレン管53を接続し、このドレン管53の途中に密閉容器からなるトラップ54とリリーフ(安全弁)付き減圧弁55とを備えたものを用いることができる。
 このようなトラップ機構56を備えれば、気体通過路51内に流れ込んできた潤滑油をトラップ54内に回収するようにして捕捉・除去できるため、その気体通過路51の閉塞を確実に防止することができる。
 なお、トラップ54内に回収された潤滑油は、再び潤滑油として再利用できることは勿論である。また、リリーフ(安全弁)付き減圧弁55を備えたため、その気体通過路51内の圧力を所定圧以上に維持することが可能となり、正確な気体加圧条件での圧力制御が可能となり、安定した鋳造ができる。
 また、このような潤滑油の逆流現象は、気体通過路51のみならず圧力測定用の連通孔52でも起こり得る。従って、この圧力測定用の連通孔52にも同様にトラップ機構56を備えれば、圧力測定用の連通孔52内に流れ込んできた潤滑油を確実に回収してその連通孔52の閉塞を防止することができる。これによって、正確な気体加圧条件での圧力測定が可能となる。
[第2実施形態]
 次に、図5~図8は、本発明に係る気体圧制御式鋳造用鋳型100の第2の実施形態を示したものである。
 図示するように本実施の形態では、鋳型本体10上面にその溶湯通過部30とほぼ同心円状となるリングプレート80を着脱可能に設ける。そして、このリングプレート80に前述した潤滑油吹出孔40および気体通過孔50を形成し、このリングプレート80に形成された潤滑油吹出孔40および気体通過孔50に対してそれぞれ潤滑油供給路41と気体通過路51を独立して接続したものである。
 すなわち、このリングプレート80は、鋳型本体10の上面であってその溶湯通過部30の縁部に沿って形成された環状の溝部11に嵌め込まれるように着脱自在となっている。そして、図6~図8に示すように、このリングプレート80の下面内周側には、その途中から径方向内側に抜ける断面矩形状の溝部81が複数形成されており、これら各溝部81、81…が前述した潤滑油吹出孔40と気体通過孔50として機能すると共に、これら各溝部81、81…に対して潤滑油供給路41と気体通過路51とが独立して接続されるような構成となっている。
 より具体的には、図7に示すように鋳型本体10に形成された潤滑油供給路41および気体通過路51の先端側に、これにより上方に延びる連絡孔42(52)が設けられている。そして、この連絡孔42(52)を介して潤滑油吹出孔40および気体通過孔50が相互に連通することで潤滑油吹出孔40および気体通過孔50に潤滑油および気体が供給されるようになっている。
 このように本実施の形態では、鋳型本体10に対して着脱自在なリングプレート80に対して潤滑油吹出孔40および気体通過孔50を形成したため、これら潤滑油吹出孔40および気体通過孔50を比較的容易に加工・形成することができる。
 また、鋳型本体10の研磨、打痕などによってホットトップ20と接する角部が損傷を受けた、あるいはバブリングなどによって潤滑油吹出孔および気体孔のいずれかが変形し、肌欠陥ができやすくなった場合や、溶湯Mの差し込みなどによってこれら潤滑油吹出孔40および気体通過孔50のいずれかが詰まったり狭くなったりした場合には、そのリングプレート80のみを新たなものに交換したり清掃したりすることで容易にその不都合を解消することができる。
 また、その潤滑油吹出孔40および気体通過孔50のサイズを変えたい場合などにもそのリングプレート80のみを新たなものに交換するだけで良く、鋳型条件に対して迅速かつ容易に対応することができる。
 そして、このリングプレート80を熱伝導性に優れた銅または銅合金から形成すれば、鋳型本体10と同様に冷媒通路60を流れる冷媒によって効果的に冷却することができる。
 なお、図5~図8では、リングプレート80に潤滑油供給路41および気体通過路51のみを形成したが、さらにこのリングプレート80に前述した圧力測定手段92を取り付けるための圧力測定用連通孔52もまとめて形成しても良い。
[第3実施形態]
 次に、図9は、本発明に係る気体圧制御式鋳造用鋳型100の第3の実施形態を示したものである。
 図示するように、本実施の形態は鋳型本体10の内壁付近の熱影響部を避けた部分に環状溝82を形成し、この環状溝82を介してそれぞれの潤滑油や気体を通過させるようにしたものである。
 すなわち、前述したように従来の鋳型は、鋳型本体10内の冷媒通路60付近から溶湯通過部30の壁面に亘る領域である熱影響部に、潤滑油および気体を供給するための深い環状の溝70が設けられていた。このため、この溝70が断熱層の作用をして潤滑油吹出孔40や気体通過孔50部分が充分に冷却されないものであった。
 そのため、前記実施の形態では、各潤滑油吹出孔40や各気体通過孔50にそれぞれ潤滑油供給路41と気体通過路51とをそれぞれ独立して接続することでこの熱影響部に位置していた環状の溝70を廃止したものであるが、少なくともこの熱影響部においてこの環状の溝70が存在していない構造であれば、前記の作用・効果を得ることが可能となる。
 そのため、本実施の形態では図9に示すように、鋳型本体10内の熱影響部、より具体的には、垂直連通路62bから前記潤滑油吹出孔40や気体通過孔50が形成される溶湯通過部30の壁面に亘る領域よりも外周側の位置であって、リングプレート80の下面内周側に環状溝82を設け、この環状溝82に対して各潤滑油吹出孔40や各気体通過孔50を直接接続した構造としたものである。
 これによって、潤滑油供給路41や気体通過路51の数を各潤滑油吹出孔40や各気体通過孔50の数よりも大幅に減らすことが可能となり、鋳型本体10の製造が容易となる。
 特に、鋳型本体10の形状や設置位置などによって潤滑油供給路41や気体通過路51の形成場所に制約がある場合には、このような構造は有利である。
 そして、この環状溝82の具体的な形成位置やその断面形状としては、鋳型のサイズや鋳込み速度などによって異なってくるが、例えば図9に示すように、冷却水Wが垂直に流れる垂直連通路62bよりも外周側で、かつその断面形状が鋳型本体10の外側から溶湯通過部30側に向かって斜め上方に向かうような形状とすれば、鋳型本体10内の熱影響部を避けつつ、気体や潤滑油のスムーズな流れを実現できる。
 なお、図の例では、潤滑油または空気のいずれか一方の流体用の環状溝82を示したものであるが、その外周側すなわち熱影響部を避けた位置に他方の流体用の環状溝をさらにもう1つ設けるような構造にしても良いことは勿論である。
 以下、本発明の具体的な実施例を説明する。
(実施例1)
 図1に示したように潤滑油吹出孔40はそのままで気体通過孔50をなくした鋳型100を用いて、A390アルミニウム合金の溶湯温度800℃、溶湯の高さ10cm、鋳造速度400mm/minの条件でひまし油の潤滑油を用いて鋳造を開始して200mmまでは0.18cc/minの条件とし、その後0.36cc/minの条件でビレットを鋳造した。なお、この鋳型100は、その溶湯通過部30の上部内径が100mmφ、下部内径101mmφであって、その溶湯通過部30の壁面上端に0.3mmφサイズの潤滑油吹出孔40を4つ等間隔に設けたものである。
 この結果、鋳造をスタートして100mmまではリップル肌が続いたが、100mm以後、リップル肌から平滑肌とリップルの周期的な変動となり、その後、平滑肌となった。時折、溶湯メニスカスmのアルミニウム酸化皮膜が流れている状態が続いた。
 この状態は、溶湯メニスカスmが安定して、その曲率が大きくなっていることを示し、溶湯メニスカスmの気体圧が適切な状態にある状態が得られた。
 鋳造後、ビレットBの表面を観察すると3~5mm幅の縞模様を持った平滑肌のビレットBが得られていた。また、ビレットBについて、表面から5mmを面削して内部欠陥を実体顕微鏡で観察したところ、リップルと介在物と酸化皮膜とブローホールは検出されず良好な内部品質が得られた。
(実施例2)
 図1に示したような構成をした鋳型100を用い、6061アルミニウム合金の溶湯温度700℃、溶湯の高さ22cm、気体の圧力制御を大気圧+50hPa、ひまし油の潤滑油を0.18cc/minの条件で鋳造速度350mm/min、600mm/min、900mm/minの条件でビレットを鋳造した。なお、この鋳型100は、その溶湯通過部30の上部内径が80mmφ、下部内径81mmφであって、その溶湯通過部30の壁面上端にそれぞれ0.3mmφ,0.2mmφサイズの潤滑油吹出孔と気体通過孔50を4つずつそれぞれ等間隔に設けたものである。
 そして、このような鋳型100によって得られた各ビレットBの表面状態を目視によって検査したところ、350mm/minでは2~3mmの大きな幅のリップルが観察されたが、600mm/min速度が上がるとリップルが小さく平滑となり、リップル幅も1~2mmと狭くなった、さらに900mm/min鋳造速度を上げても平滑な肌を維持し、リップルもわからない良肌のビレットBが得られた。
 また、これら3つの条件のビレットBについて、表面から2mmを面削して内部欠陥を実体顕微鏡で観察したところ、リップルと介在物と酸化皮膜とブローホールの欠陥はいずれのビレットBからも検出されなかった。
(実施例3)
 潤滑油孔と気体通過孔の大きさが0.4mm×0.2mmの矩形の図5および図6に示したようにリングプレート80を備えた構成の鋳型100を用いた他は、実施例2と同様な3つの条件で6061アルミニウム合金のビレットBを鋳造した。
 その後、各ビレットBの表面状態を目視によって検査したところ、実施例2と同様に、350mm/minでは2~3mmの大きな幅のリップルが観察されたが、600mm/min速度が上がるとリップルが小さく平滑となり、リップル幅も1~2mmと狭くなった。
 さらに900mm/min鋳造速度を上げても平滑な肌を維持したが、リップルもわからない良肌のビレットが得られた。また、これら3つの条件のビレットBについて、表面から2mmを面削して内部欠陥を実体顕微鏡で観察したところ、リップルと介在物と酸化皮膜とブローホールの欠陥はいずれのビレットBからも検出されなかった。
(実施例4)
 潤滑油孔と気体通過孔の大きさが0.4mmx0.2mmの矩形の図5および図6に示したようにリングプレート80を備えた構成の鋳型100を用いた。気体の圧力制御を大気圧+50hPa、ひまし油の潤滑油を0.18cc/minの条件で600mm/minとして、6061アルミニウム合金のビレットBを鋳造し、ビレットの表面状態を目視によって検査し続けた。
 鋳造開始後良好な肌を呈していたが、その後、コメットテールと呼ばれる表面欠陥が発生した。このコメットテールの原因物質を取るために、気体の圧力制御を大気圧+10hPaまで低下させメニスカスを上げた後、また圧力を大気圧+50hPaの元の圧力に戻した。この操作により、コメットテールは解消された。鋳型に付いていたコメットテールの原因物質はコメットテールの最後のところに付着していた。以後、定期的にこの操作をすることにより、コメットテールの発生はなくなった。
(比較例1)
 図10に示したように潤滑油吹出孔はそのままで気体通過孔をなくした構造の鋳型を用い、A390アルミニウム合金の溶湯温度800℃、溶湯の高さ10cm、ひまし油の潤滑油を0.18cc/minの条件で鋳造速度400mm/minの条件でビレットBを鋳造した。なお、この鋳型100は、その溶湯通過部30の上部内径が100mmφ、下部内径101mmφであって、その溶湯通過部30の壁面上端に0.3mmφサイズの潤滑油吹出孔を4つ等間隔に設けたものである。
 鋳造はスタート後、浅いリップルが続いたが、潤滑油によるバブリングは何も生じなかったが、その後、ビレットBの表面状態を目視によって観察したところ、時折、鋳型に吊り下がった肌が生じた。さらに、鋳造を続けると吊り下がった部分が引き裂かれた様な引き割れを生じた。さらに鋳造を続けると、ひき割れ部からメタル漏れを生じて鋳造をストップした。
(比較例2)
 図10に示したような構造の鋳型を用い、6061アルミニウム合金の溶湯温度700℃、溶湯の高さ22cm、気体の圧力制御を大気圧+50hPa、ひまし油の潤滑油を0.18cc/minの条件で鋳造速度350mm/min、600mm/min、900mm/minに変化させて3つのビレットBを鋳造した。
 鋳造している間、ビレットBの表面状態を目視によって検査したところ、鋳造速度350mm/minでは小さなリップル肌が見られただけであったが、600mm/minで鋳造したビレットBでは速度に達した後、引きつり肌が続いた後、引き割れを生じて溶湯が漏れて鋳造を中止せざるを得なかった。鋳造速度900mm/minも同じようにではさらに速く引きつり肌から引き割れを生じて溶湯が漏れて鋳造を中止せざるを得なかった。
(比較例3)
 図10に示したような構造の鋳型を用い、6061アルミニウム合金の溶湯温度700℃、溶湯の高さ22cm、気体の圧力制御を大気圧+50hPa、ひまし油の潤滑油を1.2cc/minの条件で鋳造速度350mm/min、600mm/min、900mm/minに変化させて3つのビレットBを鋳造した。
 鋳造速度350 mm/minでは大きな深いリップルとなった。600mm/minで鋳造したビレットBは小さなリップルとなった。鋳造速度900mm/minではバブリングが多発し、バブリングから引き割れを生じて溶湯が漏れて鋳造を中止せざるを得なかった。

Claims (13)

  1.   アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、
     当該ホットトップ20から導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、
     当該鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面に、潤滑油を吹き出す潤滑油吹出孔40を複数備えると共に、当該鋳型本体10内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各潤滑油吹出孔40に連通する潤滑油供給路41をそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  2.  アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、
     当該ホットトップ20から導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、
     当該鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面に、気体を通過させる気体通過孔50を複数備えると共に、当該鋳型本体10内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各気体通過孔50に連通する気体通過路51をそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  3.  アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、
     当該ホットトップ20から導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、
     当該鋳型本体10の溶湯通過部30の壁面に、潤滑油を吹き出す潤滑油吹出孔40と、気体を通過させる気体通過孔50とをそれぞれ複数備えると共に、
     前記鋳型本体10内の少なくとも熱影響部の範囲で、前記各潤滑油吹出孔40と気体通過孔50とにそれぞれ連通する潤滑油供給路41と気体通過路51とをそれぞれ独立して形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  4.  請求項1~3のいずれか1項に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記鋳型本体10の上面に、前記溶湯通過部30とほぼ同心円状となるリングプレート80を着脱自在に設けると共に、当該リングプレート80に、前記潤滑油吹出孔40、または前記気体通過孔50、あるいは前記鋳型本体10上端と前記ホットトップ20と溶湯メニスカス部mとの間に形成されるメニスカス部空間Sの圧力を測定する圧力測定用連通孔52のいずれか1つ以上の孔を形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  5.  請求項4に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記鋳型本体10とリングプレート80のいずれか一方または両方を銅または銅合金から形成したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記鋳型本体10内に冷媒通路60を形成し、
      当該冷媒通路60を流れる冷媒Wを前記鋳型本体10の溶湯通過部30で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルCに向けて吹き出すための吹出孔61または吹出スリットを前記溶湯通過部30の下端に形成すると共に、当該冷媒Wの吹出孔61または吹出スリットと前記鋳型本体10内の冷媒通路60間を、前記溶湯通過部30の近傍で、かつ、その溶湯通過部30の上端側から下方に向かって延びる連通路62で接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  7.  アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、
     当該ホットトップ20から導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、
     前記鋳型本体10内に冷媒通路60を形成し、
      当該冷媒通路60を流れる冷媒Wを前記鋳型本体10の溶湯通過部30で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルCに向けて吹き出すための吹出孔61または吹出スリットを前記溶湯通過部30の下端に形成すると共に、当該冷媒Wの吹出孔61または吹出スリットと前記鋳型本体10内の冷媒通路60間を、前記溶湯通過部30の近傍で、かつ、その溶湯通過部30の上端側から下方に向かって延びる連通路62で接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  8.  請求項1~5のいずれか1項に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記鋳型本体10内に冷媒通路60を形成し、
      当該冷媒通路60を流れる冷媒Wを前記鋳型本体10の溶湯通過部30で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルCに向けて吹き出すための吹出孔61または吹出スリットを前記溶湯通過部30の下端に形成すると共に、当該冷媒Wの吹出孔61または吹出スリットと前記鋳型本体10内の冷媒通路60間を、前記溶湯通過部30の近傍で、かつ、その溶湯通過部30の上端側から下方に向かって延びる垂直連通路62bと、前記気体通過路または潤滑油供給路の直下に略水平方向内部に向けて延びる水平連通路62aとで接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  9.  アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを導入するホットトップ20と、
     当該ホットトップ20から導入されたアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯Mを溶湯通過部30に通過させながら冷却凝固してアルミニウムまたはアルミニウム合金のビレットBを半連続鋳造もしくは連続鋳造する鋳型本体10とを有し、
     前記鋳型本体10内に冷媒通路60を形成し、
      当該冷媒通路60を流れる冷媒Wを前記鋳型本体10の溶湯通過部30で連続的に形成されるアルミニウムまたはアルミニウム合金の凝固シェルCに向けて吹き出すための吹出孔61または吹出スリットを前記溶湯通過部30の下端に形成すると共に、当該冷媒Wの吹出孔61または吹出スリットと前記鋳型本体10内の冷媒通路60間を、前記溶湯通過部30の近傍で、かつ、その溶湯通過部30の上端側から下方に向かって延びる垂直連通路62bと、前記気体通過路または潤滑油供給路の直下に略水平方向内部に向けて延びる水平連通路62aとで接続したことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  10.  請求項1~9のいずれか1項に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記鋳型本体10に圧力測定用の連通孔52を形成し、当該連通孔52に、前記鋳型本体10上端と前記ホットトップ20と溶湯メニスカス部mとの間に形成されるメニスカス部空間Sの圧力を測定する圧力測定手段92を備えると共に、前記気体通過路51または前記潤滑油供給路41に、前記圧力測定手段92の測定値に基づいて前記メニスカス部空間mの圧力を制御する圧力制御手段90を備えたことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  11.  請求項10に記載の気体加圧式鋳造用鋳型100において、
     前記圧力制御手段90は、前記潤滑油供給路41から供給する潤滑油供給量を調整して前記メニスカス部空間mの圧力を制御することを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  12.  請求項10に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記圧力制御手段90は、前記気体通過路51内の気体圧を増圧または減圧して前記メニスカス部空間mの圧力を制御することを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
  13.  請求項4~12のいずれか1項に記載の気体圧制御式鋳造用鋳型100において、
     前記気体通過路51内、または前記鋳型本体10に形成された圧力測定用の連通孔52に、前記メニスカス部空間mから逆流する潤滑油を捕捉するトラップ機構56を備えたことを特徴とする気体圧制御式鋳造用鋳型100。
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