WO2009128140A1 - 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー - Google Patents

編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー Download PDF

Info

Publication number
WO2009128140A1
WO2009128140A1 PCT/JP2008/057326 JP2008057326W WO2009128140A1 WO 2009128140 A1 WO2009128140 A1 WO 2009128140A1 JP 2008057326 W JP2008057326 W JP 2008057326W WO 2009128140 A1 WO2009128140 A1 WO 2009128140A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
knitted
wales
knitting yarn
fastener
yarn
Prior art date
Application number
PCT/JP2008/057326
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
俊孝 猪原
祥人 池口
Original Assignee
Ykk株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ykk株式会社 filed Critical Ykk株式会社
Priority to PCT/JP2008/057326 priority Critical patent/WO2009128140A1/ja
Priority to CN2008801262610A priority patent/CN101938924B/zh
Priority to TW098112185A priority patent/TW201012411A/zh
Publication of WO2009128140A1 publication Critical patent/WO2009128140A1/ja

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A44HABERDASHERY; JEWELLERY
    • A44BBUTTONS, PINS, BUCKLES, SLIDE FASTENERS, OR THE LIKE
    • A44B19/00Slide fasteners
    • A44B19/42Making by processes not fully provided for in one other class, e.g. B21D53/50, B21F45/18, B22D17/16, B29D5/00
    • A44B19/52Securing the interlocking members to stringer tapes while making the latter
    • A44B19/56Securing the interlocking members to stringer tapes while making the latter while knitting the stringer tapes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D04BRAIDING; LACE-MAKING; KNITTING; TRIMMINGS; NON-WOVEN FABRICS
    • D04BKNITTING
    • D04B21/00Warp knitting processes for the production of fabrics or articles not dependent on the use of particular machines; Fabrics or articles defined by such processes
    • D04B21/14Fabrics characterised by the incorporation by knitting, in one or more thread, fleece, or fabric layers, of reinforcing, binding, or decorative threads; Fabrics incorporating small auxiliary elements, e.g. for decorative purposes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2501/00Wearing apparel
    • D10B2501/06Details of garments
    • D10B2501/063Fasteners
    • D10B2501/0631Slide fasteners

Definitions

  • the first warp knitting yarn and / or the second warp knitting yarn may be the first warp knitting yarn and / or of the wales into which the fixing chain knitting yarn is knitted.
  • the shape of the element mounting portion by pulling a plurality of wales constituting the element mounting portion by being folded back and knitted by the stitch of the wale furthest from the wale where the second warp knitting yarn is entangled Therefore, the continuous fastener element row can be stably fixed to the element mounting portion.
  • the fastener stringer 30 of the third embodiment is warped using a warp knitting machine having two rows of needle beds.
  • the fastener stringer 30 includes a tape main part 2a and a warp knitted fastener tape 2 having element attachment parts 2b formed on one side edge of the tape main part 2a across three rows of wales W1 to W3.
  • the element mounting portion 2b is provided with a continuous fastener element row 3 made of synthetic resin that is knitted simultaneously with the knitting of the fastener tape 2.

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Slide Fasteners (AREA)
  • Knitting Of Fabric (AREA)

Abstract

 本発明に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー(10,20,30,40) は、エレメント取付部(2b,2b')に、最も外側のウェール(W1)に編込まれる鎖編糸(17)と、少なくとも2本の固定用鎖編糸(18)とを有し、更に、前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) に隣接するウェール(W1,W4) のうちのエレメント噛合頭部(4a,4a')側に配されるウェールを形成する地鎖編糸(15,17) に、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) の少なくとも1つのウェールに緯挿入されて折り返される第1経編糸(11,21,31,41) を有する。これにより、エレメント噛合頭部側に配されるウェールを確実に補強できるとともに、同ウェールと固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) とが引き寄せられて編目密度が高められ、編物としての形態を安定化させる。しかも、エレメント取付部を構成するウェール間にて経編糸同士が重なり合わないため、同エレメント取付部が嵩高にならない。

Description

編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー
 本発明は、経編組織よりなるファスナーテープの編成と同時に、連続状のファスナーエレメント列がファスナーテープの一側縁部に形成されたエレメント取付部に編込まれて固定された編込みスライドファスナー用のファスナーストリンガーに関する。
 従来から、ファスナーテープを経編組織により編成すると同時に、連続状ファスナーエレメント列が、ファスナーテープのエレメント取付部に固定用鎖編糸により固定されながら連続して編み込まれた編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーが数多く提案されている。
 例えば特開2006-263315号公報(特許文献1)に開示されているファスナーストリンガーは、その編成時にニードルの折損を回避するとともに、ファスナーエレメント列を寸法的に安定して且つ強固に取り付けることを目的として、固定用鎖編糸が編込まれたウェールに隣接するウェールを形成する地経編糸とニードルループをもって交絡し、且つ、固定用鎖編糸とはニードルループをもって交絡されない経編糸を有している。
 この特許文献1のファスナーストリンガー51について、図9を参照しながらより具体的に説明すると、同ファスナーストリンガー51は、経編成により得られるファスナーテープ52と、同ファスナーテープ52の長手方向の一側縁部に形成されるエレメント取付部52aに編み込まれた連続状ファスナーエレメント列53とを備えている。また、前記ファスナーテープ52の地組織は、地トリコット編糸61と、地鎖編糸62と、地緯挿入糸63とから編成されている。
 前記エレメント取付部52aは、3つのウェールW1~W3から構成されている。このエレメント取付部52aの最も外側に形成されるウェールW1には、地鎖編糸62、地緯挿入糸63、補強用の経編糸65及び経挿入糸66が編み込まれている。また、2列目と3列目のウェールW2,W3には、ファスナーエレメント列53の脚部をニードルループで締め付け固定する固定用鎖編糸64、前記地緯挿入糸63、補強用の経編糸65、及び経挿入糸66が編み込まれており、地組織を構成する地トリコット編糸61及び地鎖編糸62は編み込まれていない。
 特に、図9に示したファスナーストリンガー51では、エレメント取付部52aに編み込まれる補強用の経編糸65として、1列目のウェールW1と2列目のウェールW2に跨って編み込まれる2本の第1の経編糸65a-1,65a-2と、3列目のウェールW3と4列目のウェールW4に跨って編み込まれる1本の第2の経編糸65bの合計3本の経編糸65が使われている。
 2本の第1の経編糸65a-1,65a-2は、互いに1コースずらして、1列目のウェールW1と2列目のウェールW2に跨ってジグザグ状に編み込まれている。この第1の経編糸65a-1,65a-2は、1列目のウェールW1では地鎖編糸62とニードルループをもって交絡させているが、2列目のウェールW2ではニードルループを作らず、固定用鎖編糸64とニードルループをもって交絡させていない。
 また、1本の第2の経編糸65bは、3列目のウェールW3と4列目のウェールW4にジグザグ状に編み込まれており、4列目のウェールW4では地鎖編糸62とニードルループをもって交絡させているが、3列目のウェールW3ではニードルループを作らず、固定用鎖編糸64とニードルループもって交絡させていない。
 このような経編組織を有する前記特許文献1のファスナーストリンガー51では、1列目及び4列目のウェールW1,W4にて地鎖編糸62と経編糸65とがニードルループ同士で交絡するものの、2列目及び3列目のウェールW2,W3にて固定用鎖編糸64と経編糸65とがニードルループ同士で交絡することがない。
 これにより、固定用鎖編糸64の全てのニードルループと経編糸65のニードルループとが同じニードルにて同時に形成されることがなくなり、固定用鎖編糸64の編成ニードルに過剰な負担をかけることもない。また、ニードルループの形成が確実になされるため、エレメント取付部52aにおけるファスナーテープ部分が緻密で、且つファスナーエレメント列53が安定して強固に取り付けられるといった効果が得られる。
 ところで、編込みスライドファスナーは、ファスナーエレメント列のエレメント間のピッチを安定させて良好な噛合強度を確保するとともに、エレメント列が噛合状態にあるときに上方への突き上げや折り曲げ等を受けても噛合割れを容易に生じさせないことが求められている。
 また、編込みスライドファスナーにおけるエレメント取付部の噛合頭部側は、ファスナーの開閉や他部材との接触などによって摩擦を受け易いため、地組織を構成する編糸が切れてしまうことがある。このようにエレメント取付部の噛合頭部側の編糸が切れてしまうと、エレメント取付部がほつれてその形態を安定して維持することができず、噛合強度の低下を招くという問題があった。
 これに対して、図9に示した前記特許文献1のファスナーストリンガー51は、前述のように、2本の第1の経編糸65a-1,65a-2が、1列目及び2列目のウェールW1,W2にジグザグ状に編み込まれており、且つ、ウェールW1の各コースには地鎖編糸62と第1の経編糸65a-1,65a-2の2つのニードルループが形成される。これにより、エレメント取付部の噛合頭部側のウェールとなるエレメント取付部52aの最も外側に形成されるウェールW1が補強されるため、ファスナーエレメント列53のエレメント間のピッチが安定するとともに、噛合状態のエレメント列53が上方への突き上げや折り曲げ等を受けても噛合割れが生じ難い。
 更に、ウェールW1の各コースに2つのニードルループが形成されることにより、例えば摩擦によって地鎖編糸62及び経編糸65の一方が切れたとしても、他方の編糸でエレメント取付部52aの形態を安定して維持することができるため、噛合強度の低下を招くこともない。
特開2006-263315号公報
 図9に示したような前記特許文献1のファスナーストリンガー51は、前述のように、エレメント取付部52aの最も外側に形成されるウェールW1を補強するために、2本の第1の経編糸65a-1,65a-2が、1列目及び2列目のウェールW1,W2に跨ってジグザグ状に編み込まれている。このため、1列目及び2列目のウェールW1,W2間にて2本の第1の経編糸65a-1,65a-2が互いに交差して重なり合う部分が形成される。
 このように1列目及び2列目のウェールW1,W2間にて経編糸65a-1,65a-2同士が重なり合うと、その重なり合う部分が嵩高になり、エレメント取付部52aの厚さが増大する。その結果、このファスナーストリンガー51にスライダーを取り付けて編込みスライドファスナーを作製したときに、エレメント取付部52aとスライダーとの間の摩擦が大きくなるため、エレメント取付部52aに毛羽立ちが生じ易くなるという問題があった。
 また、エレメント取付部52aとスライダーとの間の摩擦が大きくなることによって、スライダーを摺動させたときに、エレメント取付部52aに編み込まれている各種編糸の位置がずれ易くなる。その結果、エレメント取付部52aの形態を安定して維持することができず、噛合強度の低下を招くという問題があった。
 更に、前記特許文献1のファスナーストリンガー51は、1列目のウェールW1を補強するために、エレメント取付部52aに編み込まれる編糸の使用量が増大するとともに、編み機の糸ガイドを増やす必要があるため、結果として製造コストの増大を招くといった問題もあった。
 本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、エレメント取付部を嵩高にすることなく、ファスナーエレメントの噛合頭部側に形成されるウェール(例えば、エレメント取付部の最もテープ端縁側に形成されるウェール)が補強された編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーを提供することにある。
 上記目的を達成するために、本発明により提供される編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーは、基本的な構成として、経編糸よりなる地組織をもって編成され、テープ主体部と同テープ主体部の一側縁に複数のウェールに跨って形成されたエレメント取付部とを有する経編組織よりなる経編ファスナーテープの前記エレメント取付部に、連続状ファスナーエレメント列が前記ファスナーテープの編成と同時に編込まれ、前記エレメント取付部は、最もテープ端縁側のウェールに編込まれる鎖編糸と、少なくとも2本の固定用鎖編糸とを地組織の構成編糸として有し、前記各固定用鎖編糸にて各ファスナーエレメントの脚部を締め付けることにより前記連続状ファスナーエレメント列が固定されて編込まれてなる編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーにあって、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールのうちのファスナーエレメントの噛合頭部側に配されるウェールを形成する地鎖編糸のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールの少なくとも1つのウェールに緯挿入されて折り返される第1経編糸を有してなることを最も主要な特徴とするものである。
 本発明に係るファスナーストリンガーは、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールのうちの前記噛合頭部側とは反対側に配されるウェールを形成する地鎖編糸のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールの少なくとも1つのウェールに緯挿入されて折り返される第2経編糸を有し、前記第1経編糸と前記第2経編糸とは、緯入れするコースをずらして編込まれていることが好ましい。
 また、本発明に係るファスナーストリンガーにおいて、前記第1経編糸及び/又は前記第2経編糸は、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールのうちの、同第1経編糸及び/又は第2経編糸が交絡しているウェールから最も離れたウェールの編目にて折り返されて編込まれていることが好ましい。
 更に、本発明に係るファスナーストリンガーは、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールと、同固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールとのうちの隣り合う2つ以上のウェールに跨って走行する緯挿入糸を有していることが好ましい。
 本発明に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーでは、エレメント取付部が、最も外側に配されるウェールに編込まれる鎖編糸と、少なくとも2本の固定用鎖編糸とを地組織の構成編糸として有している。また、同エレメント取付部は、固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールのうちのファスナーエレメントの噛合頭部側に配されるウェールを形成する地鎖編糸に、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールの少なくとも1つのウェールに緯挿入されて、ニードルループを作らずに折り返される第1経編糸を有している。
 このような本発明のファスナーストリンガーによれば、ファスナーエレメント噛合頭部側に配される前記ウェール(例えば、エレメント取付部の最もテープ端縁側に配されるウェール)では、各コースにて地鎖編糸のニードルループと第1経編糸のニードルループとが交絡するため、そのファスナーエレメント噛合頭部側に配されるウェールを第1経編糸のニードルループによって確実に補強できる。
 しかも、第1経編糸は、ファスナーエレメント噛合頭部側に配されるウェールに交絡するとともに、エレメント取付部の固定用鎖編糸が編込まれているウェールに緯挿入されて折り返されている。このため、これらのウェールが互いに引き寄せられて編目密度が高められ、編物としての形態を強くし且つ安定化させることができる。しかも、ファスナーエレメント噛合頭部側のウェールと第1経編糸が緯挿入されるウェールの各ウェール間にて、同第1経編糸と他の編糸とが互いに交差して重なり合う部分が形成されることがない。
 このため、本発明のファスナーストリンガーでは、エレメント取付部をウェール間における編糸同士の重なり合いによって嵩高にすることはなく、同ファスナーストリンガーを用いて編込みスライドファスナーを作製したときに、エレメント取付部とスライダーとの間にて発生する摩擦を低減させることができる。
 従って、同編込みスライドファスナーを使用しても、エレメント取付部に毛羽立ちが生じることを防止できるとともに、エレメント取付部の構成編糸に位置ずれが生じることを防止して、エレメント取付部の形態を安定させることができる。更に、本発明のファスナーストリンガーは、ファスナーエレメント噛合頭部側のウェールを補強するにあたり、例えば前記特許文献1に比べて編糸の使用量を減少させることができるため、製造コストの削減が図れる。
 このような本発明のファスナーストリンガーにおいて、固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールのうちの噛合頭部側とは反対側に配されるウェールを形成する地鎖編糸のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、固定用鎖編糸が編込まれるウェールの少なくとも1つのウェールに緯挿入されて、ニードルループを作らずに折り返される第2経編糸が、前記第1経編糸と緯挿入するコースをずらして編込まれている。
 これにより、エレメント取付部を嵩高にすることなく、噛合頭部側のウェールとは固定用鎖編糸が編込まれるウェールを挟んで反対側に配されるウェールを、第2経編糸のニードルループによって補強できるとともに、同ウェールと第2経編糸が緯入れされているウェールが引き寄せられて編目密度が高められ、編物としての形態を強くし且つ安定化させることができる。
 また、本発明のファスナーストリンガーにおいて、前記第1経編糸及び/又は前記第2経編糸が、前記固定用鎖編糸が編込まれるウェールのうちの、同第1経編糸及び/又は第2経編糸が交絡しているウェールから最も離れたウェールの編目にて折り返されて編込まれていることにより、エレメント取付部を構成している複数のウェールを引き寄せてエレメント取付部の形態をより安定化させるため、同エレメント取付部に連続状のファスナーエレメント列を安定して固定することができる。
 更に、本発明のファスナーストリンガーは、固定用鎖編糸が編込まれるウェールと、同固定用鎖編糸が編込まれるウェールに隣接するウェールとのうちの隣り合う2つ以上のウェールに跨って走行する緯挿入糸を有している。これにより、エレメント取付部の形態を、より強くするとともに、より安定化させることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。 図2は、同ファスナーストリンガーにおける構成編糸ごとの編組織を示す組織図である。 図3は、同ファスナーストリンガーを用いて構成された編込みスライドファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の実施例2に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。 図5は、同ファスナーストリンガーを用いて構成された編込みスライドファスナーの断面を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の実施例3に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。 図7は、同ファスナーストリンガーにおける構成編糸ごとの編組織を示す組織図である。 図8は、本発明の実施例4に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。 図9は、従来の編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。
符号の説明
  2,2’     ファスナーテープ
  2a,2a’   テープ主体部
  2b,2b’   エレメント取付部
  2c’      U字状折返部
  3,3’     ファスナーエレメント列
  4,4’     ファスナーエレメント
  4a,4a’   噛合頭部
  4b       上下脚部
  6,6’     スライダー
 10        ファスナーストリンガー
 11        第1経編糸
 12        第2経編糸
 13        地トリコット編糸
 14        第1地緯挿入糸
 15        地鎖編糸
 17        地鎖編糸
 18        固定用鎖編糸
 19        編込みスライドファスナー
 20        ファスナーストリンガー
 21        第1経編糸
 22        第2経編糸
 29        編込み隠しスライドファスナー
 30        ファスナーストリンガー
 31        第1経編糸
 32        第2経編糸
 34        第2地緯挿入糸
 40        ファスナーストリンガー
 41        第1経編糸
 44        第3地緯挿入糸
 以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施例1に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図であり、図2は、同ファスナーストリンガーにおける構成編糸ごとの編組織を示す組織図である。図3は、同ファスナーストリンガーを用いて構成された編込みスライドファスナーの断面を模式的に示す断面図である。
 本実施例1のファスナーストリンガー10は、2列の針床を有する経編機を用いて経編成されており、テープ主体部2a、及び、同テープ主体部2aの一側縁に3列のウェールW1~W3に跨って形成されたエレメント取付部2bを有する経編組織よりなる経編ファスナーテープ2と、同ファスナーテープ2のエレメント取付部2bに同テープの編成と同時に編込まれた合成樹脂製の連続状ファスナーエレメント列3とを備えている。
 前記テープ主体部2aの地組織は、全てのウェールW4~Wnがバックニードルにより経編成されたシングル経編組織であり、図1及び図2に示すように、地トリコット編糸13(1-2/1-0)と、4ウェール間に跨ってジグザグ状に挿入される第1地緯挿入糸14(0-0/4-4)とがテープ主体部2aの全ウェールW4~Wnに渡って編み込まれているとともに、地鎖編糸15(1-0/0-1)がエレメント取付部2bに隣接する4列目から7列目までの各ウェールW4~W7にそれぞれ編み込まれている。更に、4列目のウェールW4には、後述する第2経編糸12のニードルループが、地鎖編糸15のニードルループと各コースで交絡している。
 前記エレメント取付部2bは、ファスナーエレメント4の噛合頭部4a側(即ち、最もテープ端縁側)に配された1列目のウェールW1がバックニードルにより経編成され、2列目及び3列目のウェールW2,W3がフロントニードルにより経編成されたシングル経編組織で構成されている。
 このエレメント取付部2bは、1列目のウェールW1に編み込まれた地鎖編糸17(1-0/0-1)と、2列目及び3列目の各ウェールW2,W3にそれぞれ編み込まれた固定用鎖編糸18(1-0/0-1)と、後述する第1及び第2経編糸11,12とを有している。
 なお、エレメント取付部2bに編込まれるファスナーエレメント列3は、合成樹脂製のモノフィラメントを、1コースおきに同一コース内を横方向に往復動させることにより、個々のファスナーエレメント4をその噛合頭部4aがテープ端縁部から突出した状態で順次形成して連続状に構成されている。
 また、同ファスナーエレメント列3は、各ファスナーエレメント4の上下脚部4bをウェールW2,W3を形成する固定用鎖編糸18のニードルループとシンカーループとの間に挿入し、その上下脚部4bを固定用鎖編糸18のニードルループにて締め付けることによって編み込まれている。
 ここで、本実施例1における前記第1経編糸11は、1列目のウェールW1の地鎖編糸17にニードルループをもって各コースで交絡するとともに、2列目及び3列目のウェールW2,W3に緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 この第1経編糸11の走りについてより具体的に説明すると、前記第1経編糸11は、先ず、1列目のウェールW1にニードルループを形成して地鎖編糸17のニードルループと交絡する。続いて、同第1経編糸11は、そのニードルループを形成したコースと同じコースにて、2列目及び3列目のウェールW2,W3に編み込まれた固定用鎖編糸18のシンカーループと交差するように走行し、3列目のウェールW3の固定用鎖編糸18がニードルループを形成する編目にて、ニードルループを作らずに折り返され、更に、3列目及び2列目のウェールW3,W2に編み込まれた固定用鎖編糸18のシンカーループと交差するように走行することによって、1列目のウェールW1の次のコースに戻される。
 その後、同第1経編糸11は、1列目のウェールW1に戻されたコースでニードルループを形成して、地鎖編糸17のニードルループと交絡し、更にその次のコースに移動する。このような糸の走りを繰り返し行うことによって、第1経編糸11がウェールW1~W3に渡って編み込まれている。
 また、前記第2経編糸12は、テープ主体部2aを構成している4列目のウェールW4の地鎖編糸15にニードルループをもって各コースで交絡するとともに、3列目及び2列目のウェールW3,W2に緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 この第2経編糸12の走りについてより具体的に説明すると、前記第2経編糸12は、先ず、4列目のウェールW4にニードルループを形成して地鎖編糸15のニードルループと交絡する。続いて、同第2経編糸12は、そのニードルループを形成したコースと同じコースにて、3列目及び2列目のウェールW3,W2に編み込まれた固定用鎖編糸18のシンカーループと交差するように走行し、2列目のウェールW2の固定用鎖編糸18がニードルループを形成する編目にて、ニードルループを作らずに折り返され、更に、2列目及び3列目のウェールW2,W3に編み込まれた固定用鎖編糸18のシンカーループと交差するように走行することによって、4列目のウェールW4の次のコースに戻される。
 その後、同第2経編糸12は、4列目のウェールW4に戻されたコースでニードルループを形成して、地鎖編糸15のニードルループと交絡し、更にその次のコースに移動する。このような糸の走りを繰り返し行うことによって、第2経編糸12がウェールW2~W4に渡って編み込まれている。
 この場合、ウェールW1~W3に渡って編み込まれる第1経編糸11と、ウェールW2~W4に渡って編み込まれる第2経編糸12とは、緯挿入するコースを互いにずらして編込まれている。つまり、第1経編糸11が緯挿入しているコースでは、第2経編糸12は緯挿入しておらず、その次のコースでは、第2経編糸12が緯挿入し、第1経編糸11は緯挿入していない。これにより、ウェールW1~W4の各ウェール間において、第1経編糸11と第2経編糸12とが互いに重なり合うことはない。
 従って、このような第1及び第2経編糸11,12が編み込まれた本実施例1のファスナーストリンガー10は、エレメント取付部2bにてファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配される1列目のウェールW1が、全てのコースにおいて第1経編糸11のニードルループによって補強されるとともに、テープ主体部2aにてエレメント取付部2bに隣接して配される4列目のウェールW4が、第2経編糸12のニードルループによって補強されて形成されている。
 このため、図3に示したように、同ファスナーストリンガー10にスライダー6を挿通させて編込みスライドファスナー19を製造したときに、ファスナーエレメント列3のエレメント4間のピッチを安定させて良好な噛合強度を確保できる。しかも、エレメント列3が噛合状態にあるときに、同エレメント列3が上方への突き上げや折り曲げ等を受けても、エレメント列3に噛合割れが生じ難くなる。
 更に、本実施例1のファスナーストリンガー10は、固定用鎖編糸18が編込まれた2列目及び3列目のウェールW2,W3に第1及び第2経編糸11,12が緯入れされて、ウェールW1~W4が互いに引き寄せられている。このため、ウェールW1~W4の編目密度が高められるとともに、エレメント取付部2bの形態を強くし且つ安定化させることができる。
 しかも、ウェールW1~W4の各ウェール間において、第1経編糸11と第2経編糸12とが互いに重なり合わないため、エレメント取付部2bが嵩高にならず、同エレメント取付部2bを比較的肉薄に形成することができる。このため、編込みスライドファスナー19を製造したときに、エレメント取付部2bとスライダー6との間にて発生する摩擦を低減させることができる。
 その結果、編込みスライドファスナー19の使用においてスライダー6を繰り返し摺動させても、エレメント取付部2bに毛羽立ちが生じることを防止できるとともに、エレメント取付部2bの構成編糸に位置ずれが生じることを防止して、エレメント取付部2bの形態を安定して維持することができる。
 更に、本実施例1のファスナーストリンガー10は、前述のように2列の針床を有する経編機を用いて編成されるものの、シングル経編組織で編成されているため、例えば1列の針床を有する経編機を用いてシングル経編組織のファスナーストリンガーを経編成する場合と同様の生産性を維持することができる。
 しかも、1列目のウェールW1を補強するにあたり、前記特許文献1のような従来のファスナーストリンガーに比べて編糸の使用量を減少させることができる。このため、本実施例1のファスナーストリンガー10は、製造コストの大幅な削減が図れる。
 因みに、本実施例1におけるファスナーストリンガー10の構成糸条には、全てポリエステルのマルチフィラメントからなるテキスチャードヤーン又はテキスチャード加工がなされる前の形態をもつフラットヤーンのいずれかが使われる。例えば、前記地トリコット編糸13にはテキスチャードヤーン又はフラットヤーンのいずれかが使われ、その太さは110~167T(デシテックス)に設定されている。
 また、1列目のウェールW1の前記地鎖編糸17と4列目~7列目のウェールW4~W7の前記地鎖編糸15には、110~167Tのフラットヤーンが使われており、前記第1地緯挿入糸14には、110~167Tのテキスチャードヤーンが使われている。更に、前記固定用鎖編糸18には220~330Tのフラットヤーンが使われており、前記第1及び第2経編糸11,12には167~220Tのフラットヤーンが使われている。特に、第1及び第2経編糸11,12には、地組織の構成糸条よりも太い糸条が用いられることが好ましい。
 なお、この実施例1にあっては、ファスナーエレメント列3を構成する合成樹脂製のモノフィラメントも含めて、ファスナーストリンガー10に使用される経編糸の全てにポリエステル製の構成糸条が用いられている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えばポリアミド系やポリプロピレン系などの熱可塑性合成樹脂製のその他の糸条を用いることも可能である。
 更に、ファスナーエレメント列3以外の構成糸条としては、前述のような合成樹脂製の糸条に限らず、アセテート製の糸条や、木綿、羊毛などの天然繊維糸条を使うことも可能である。また、これらの点は以下に述べる他の実施例にあっても同様である。
 図4は、本発明の実施例2に係る編込み隠しスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図であり、図5は、同ファスナーストリンガーを用いて構成された編込みスライドファスナーの断面を模式的に示す断面図である。
 図4から理解できるように、本実施例2のファスナーストリンガー20における構成編糸ごとの編組織は、第1及び第2経編糸21,22を除いて、前記実施例1と同様である。従って、前記実施例1と同様の編組織を構成する地編糸については、同じ符号を用いて表している。
 即ち、本実施例2のファスナーストリンガー20は、2列の針床を有する経編機を用いて経編成されており、同ファスナーストリンガー20のファスナーテープ2’は、テープ主体部2a’と、同テープ主体部2a’の一側縁に3列のウェールW1~W3に跨って形成されたエレメント取付部2b’とを有している。
 前記テープ主体部2a’には、地トリコット編糸13と、第1地緯挿入糸14とが全ウェールW4~Wnに編み込まれているとともに、地鎖編糸15が4列目から7列目までの各ウェールW4~W7に編み込まれている。更に、4列目のウェールW4には、第1経編糸21のニードルループが地鎖編糸15のニードルループと各コースで交絡している。
 前記エレメント取付部2b’は、1列目のウェールW1に編み込まれた地鎖編糸17と、2列目及び3列目の各ウェールW2,W3に編み込まれた固定用鎖編糸18と、第1及び第2経編糸21,22とを有している。
 本実施例2における前記第1経編糸21は、固定用鎖編糸18が編込まれたウェールW2,W3に隣接するウェールW1,W4のうちのファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配されたウェールW4の地鎖編糸15のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡するとともに、3列目及び2列目のウェールW3,W2に跨って緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 また、前記第2経編糸22は、1列目のウェールW1の地鎖編糸17のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡するとともに、2列目及び3列目のウェールW2,W3に跨って緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 この場合、ウェールW2~W4に渡って編み込まれる第1経編糸21と、ウェールW1~W3に渡って編み込まれる第2経編糸22とは、緯挿入するコースを互いにずらして編込まれている。これにより、ウェールW1~W4の各ウェール間において、第1経編糸21と第2経編糸22とが互いに重なり合うことはない。
 なお、このエレメント取付部2b’に編込まれるファスナーエレメント列3’は、合成樹脂製のモノフィラメントを、1コースおきに同一コース内を横方向に往復動させることにより、個々のファスナーエレメント4’を順次形成して構成されているが、本実施例2のファスナーストリンガー20は隠しスライドファスナー用であるため、ファスナーエレメント列3’は、噛合頭部4a’がエレメント取付部2b’とテープ主体部2a’との境界部からテープ主体部2a’側へと突出した状態で編み込まれている。
 また、本実施例2のファスナーストリンガー20は、図5に示したように、エレメント取付部2b’を前記境界部に沿ってテープ主体部2a’側に折り返し、その折り返したU字状折返部2c’からファスナーエレメント列3’の噛合頭部4a’を外方に突出させた状態で熱セット処理を行うことによって、その形態が固定される。更に、熱セット処理された同ファスナーストリンガー20にスライダー6’を挿通させることによって、編込み隠しスライドファスナー29が製造される。
 以上のように、第1及び第2経編糸21,22が編み込まれた本実施例2のファスナーストリンガー20は、ファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配される4列目のウェールW4が、第1経編糸21のニードルループによって補強されるとともに、テープ端縁側に配される1列目のウェールW1が、第2経編糸22のニードルループによって補強されて形成されている。
 このため、図5に示したように、本実施例2のファスナーストリンガー20を用いて編込み隠しスライドファスナー29を製造したときに、同編込み隠しスライドファスナー29は、前記実施例1と実質的に同様の効果を得ることができる。
 その上、同編込み隠しスライドファスナー29は、スライダー6’を摺動させて編込み隠しスライドファスナー29を閉じたときに、ファスナーストリンガー20のU字状折返部2c’同士が接触して、ファスナーエレメント4を、そのファスナーエレメント4の取付側とは反対の外面側から見えないように隠蔽することができるという効果も得られる。
 図6は、本発明の実施例3に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図であり、図7は、同ファスナーストリンガーにおける構成編糸ごとの編組織を示す組織図である。なお、本実施例3及び後述する実施例4においても、前記実施例1と同様の編組織を構成する地編糸については、同じ符号を用いて表している。
 本実施例3のファスナーストリンガー30は、2列の針床を有する経編機を用いて経編成されている。また、同ファスナーストリンガー30は、テープ主体部2a、及び、同テープ主体部2aの一側縁に3列のウェールW1~W3に跨って形成されたエレメント取付部2bを有する経編ファスナーテープ2と、そのエレメント取付部2bにファスナーテープ2の編成と同時に編込まれた合成樹脂製の連続状ファスナーエレメント列3とを備えている。
 前記テープ主体部2aの地組織は、全てのウェールW4~Wnがバックニードルにより経編成されたシングル経編組織であり、地トリコット編糸13と、第1地緯挿入糸14と、地鎖編糸15とが編み込まれている。更に、4列目のウェールW4には、後述する第2経編糸32のニードルループが各コースで交絡している。
 前記エレメント取付部2bは、ファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配された1列目のウェールW1がバックニードルにより経編成され、2列目及び3列目のウェールW2,W3がフロントニードルにより経編成されたシングル経編組織で構成されている。
 このエレメント取付部2bは、1列目のウェールW1に編み込まれた地鎖編糸17と、2列目及び3列目の各ウェールW2,W3に編み込まれた固定用鎖編糸18と、第1及び第2経編糸31,32と、2列目及び3列目のウェールW2,W3に跨ってジグザグ状に挿入された第2地緯挿入糸34(0-0/2-2)とを有している。
 前記第1経編糸31は、1列目のウェールW1の地鎖編糸17のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡するとともに、同ウェールW1に隣接する2列目のウェールW2に緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 また、前記第2経編糸32は、エレメント取付部2bに隣接しているテープ主体部2aのウェールW4の地鎖編糸15のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡するとともに、同ウェールW4に隣接する3列目のウェールW3に緯挿入され、ニードルループを作らずに折り返されて編み込まれている。
 この場合、第1経編糸31と第2経編糸32とは、緯挿入するコースを互いにずらして編込まれている。これにより、第2地緯挿入糸34を、第1経編糸31及び第2経編糸32と重なり合わずに、ウェールW2,W3に跨って挿入することができる。
 このように本実施例3のファスナーストリンガー30は、エレメント取付部2bにてファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配される1列目のウェールW1が、第1経編糸31のニードルループによって補強されるとともに、テープ主体部2aにてエレメント取付部2bに隣接して配される4列目のウェールW4が、第2経編糸32のニードルループによって補強されて形成されている。
 このため、同ファスナーストリンガー30を用いて編込みスライドファスナーを製造したときに、前記実施例1と同様に、ファスナーエレメント列3のエレメント4間のピッチを安定させて良好な噛合強度を確保でき、また、噛合状態にあるエレメント列3が突き上げや折り曲げ等を受けても、同エレメント列3に噛合割れが生じ難くなる。
 更に、本実施例3のファスナーストリンガー30は、2列目のウェールW2に第1経編糸31が緯挿入れされて、1列目のウェールW1と2列目のウェールW2とが引き寄せられているとともに、3列目のウェールW3に第2経編糸32が緯挿入れされて、3列目のウェールW3と4列目のウェールW4とが引き寄せられている。
 更に、2列目のウェールW2と3列目のウェールW3には第2地緯挿入糸34が緯挿入されて、これらのウェールW2,W3が互いに引き寄せられている。これにより、ウェールW1~W4が相互に引き寄せられるため、編目密度が高められるとともに、エレメント取付部2bの形態を強くし且つ安定化させることができる。
 しかも、ウェールW1~W4の各ウェール間において、第1経編糸31と第2地緯挿入糸34が互いに重なり合わず、また、第2経編糸32と第2地緯挿入糸34も互いに重なり合わない。このため、エレメント取付部2bが嵩高にならず、同エレメント取付部2bを比較的薄く形成することができる。従って、前記編込みスライドファスナーを製造したときに、エレメント取付部2bとスライダーとの間にて発生する摩擦を低減させることができる。
 なお、本実施例3のファスナーストリンガー30は、ファスナーテープ2の経編組織は変えずに、ファスナーエレメント4の噛合頭部4aをテープ主体部2a側へ突出させた状態でエレメント列を編み込むことにより、前記実施例2のような隠しスライドファスナーのファスナーストリンガーとして使用することもできる。
 また、本実施例3のファスナーストリンガー30において、前記第1及び第2経編糸31,32には、167~220Tのフラットヤーンが使われており、前記第2地緯挿入糸34には、110~167Tのテキスチャードヤーンが使われている。
 図8は、本発明の実施例4に係る編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガーの全体の経編組織を示す組織図である。
 本実施例4のファスナーストリンガー40も、2列の針床を有する経編機を用いて経編成されている。また、同ファスナーストリンガー40は、テープ主体部2a、及び、同テープ主体部2aの一側縁に3列のウェールW1~W3に跨って形成されたエレメント取付部2bを有する経編ファスナーテープ2と、そのエレメント取付部2bにファスナーテープ2の編成と同時に編込まれた合成樹脂製の連続状ファスナーエレメント列3とを備えている。
 前記テープ主体部2aは、その全てのウェールW4~Wnがバックニードルにより経編成されたシングル経編組織で構成されており、ウェールW4~Wnに編み込まれる地トリコット編糸13と、ウェールW4~Wnに編み込まれる第1地緯挿入糸14と、ウェールW4~W7に編み込まれる地鎖編糸15とを有している。なお、本実施例4において、エレメント取付部2bに隣接するテープ主体部2aのウェールW4には、前記実施例1や実施例3にて用いられた第2経編糸12,32が編み込まれていない。
 前記エレメント取付部2bは、ファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配された1列目のウェールW1がバックニードルにより経編成され、2列目及び3列目のウェールW2,W3がフロントニードルのみにより経編成されたシングル経編組織で構成されている。
 このエレメント取付部2bは、1列目のウェールW1に編み込まれた地鎖編糸17と、2列目及び3列目の各ウェールW2,W3に編み込まれた固定用鎖編糸18と、1列目のウェールW1の地鎖編糸17のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡するとともに、ウェールW2,W3に跨って緯挿入されて編み込まれた第1経編糸41とを有している。
 更に、本実施例4のファスナーストリンガー40には、第3地緯挿入糸44(0-0/4-4)が、1列目のウェールW1から4列目のウェールW4までの4ウェール間に跨ってジグザグ状に挿入されている。なお、本実施例4において、この第3地緯挿入糸44には、110~167Tのテキスチャードヤーンが使われている。
 従って、本実施例4のファスナーストリンガー40は、エレメント取付部2bにてファスナーエレメント4の噛合頭部4a側に配される1列目のウェールW1が、第1経編糸41のニードルループによって補強されて形成されている。このため、同ファスナーストリンガー40を用いて編込みスライドファスナーを製造したときに、ファスナーエレメント列3のエレメント間のピッチを安定させて良好な噛合強度を確保できる。また、噛合状態にあるエレメント列が突き上げや折り曲げ等を受けても、同エレメント列に噛合割れが生じ難くなる。
 更に、本実施例4のファスナーストリンガー40は、2列目及び3列目のウェールW2,W3に第1経編糸41が緯入れされているとともに、1列目のウェールW1~4列目のウェールW4に跨って第3地緯挿入糸44が緯挿入されている。これにより、ウェールW1~W4が互いに引き寄せられて、編目密度が高められるとともに、エレメント取付部2bの形態を強くし且つ安定化させることができる。
 しかも、ウェールW1~W4の各ウェール間において、第1経編糸41と第3地緯挿入糸44とが互いに重なり合わないため、エレメント取付部2bが嵩高にならず、同エレメント取付部2bを比較的薄く形成することができる。従って、前記編込みスライドファスナーを製造したときに、エレメント取付部2bとスライダーとの間にて発生する摩擦を低減させることができる。
 なお、前述の実施例1~実施例4では、固定用鎖編糸18がエレメント取付部の2つのウェールにそれぞれ編み込まれている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、エレメント取付部を構成するウェールの数を増やして、エレメント取付部の3つ又はそれ以上のウェールに、固定用鎖編糸をそれぞれ編み込んでファスナーエレメントを固定することも可能である。
 またこの場合、第1及び/又は第2経編糸を、地組織とニードルループをもって交絡しているウェールから最も離れたウェールの固定用鎖編糸の編目にて折り返されるように走行させて編み込むこともできる。

Claims (4)

  1.  経編糸よりなる地組織をもって編成され、テープ主体部(2a,2a')と同テープ主体部(2a,2a')の一側縁に複数のウェール(W1,W2,W3)に跨って形成されたエレメント取付部(2b,2b')とを有する経編組織よりなる経編ファスナーテープ(2,2')の前記エレメント取付部(2b,2b')に、連続状ファスナーエレメント列(3,3')が前記ファスナーテープ(2,2')の編成と同時に編込まれ、前記エレメント取付部(2b,2b')は、最も外側に配されるウェール(W1)に編込まれる鎖編糸(17)と、少なくとも2本の固定用鎖編糸(18)とを地組織の構成編糸として有し、前記各固定用鎖編糸(18)にて各ファスナーエレメント(4,4')の脚部(4b)を締め付けることにより前記連続状ファスナーエレメント列(3,3')が固定されて編込まれてなる編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー(10,20,30,40) にあって、
     前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) に隣接するウェール(W1,W4) のうちのファスナーエレメント(4,4')の噛合頭部(4a,4a')側に配されるウェールを形成する地鎖編糸(15,17) のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) の少なくとも1つのウェールに緯挿入されて折り返される第1経編糸(11,21,31,41) を有してなることを特徴とする編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー。
  2.  前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) に隣接するウェール(W1,W4) のうちの前記噛合頭部(4a,4a')側とは反対側に配されるウェールを形成する地鎖編糸(15,17) のニードルループに、ニードルループをもって各コースで交絡し、且つ、前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) の少なくとも1つのウェールに緯挿入されて折り返される第2経編糸(12,22,32)を有し、
     前記第1経編糸(11,21,31)と前記第2経編糸(12,22,32)とは、緯挿入するコースをずらして編込まれてなる、
    請求の範囲第1項記載の編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー。
  3.  前記第1経編糸(11,21,31,41) 及び/又は前記第2経編糸(12,22,32)は、前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) のうちの、同第1経編糸(11,21,31,41) 及び/又は第2経編糸(12,22,32)が交絡しているウェールから最も離れたウェールの編目にて折り返されて編込まれてなる請求の範囲第1又は2項記載の編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー。
  4.  前記固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェール(W2,W3) と、同固定用鎖編糸(18)が編込まれるウェールに隣接するウェール(W1,W4) とのうちの、隣り合う2つ以上のウェールに跨って走行する緯挿入糸(34,44) を有してなる請求の範囲第1~3項のいずれかに記載の編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー。
PCT/JP2008/057326 2008-04-15 2008-04-15 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー WO2009128140A1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/057326 WO2009128140A1 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー
CN2008801262610A CN101938924B (zh) 2008-04-15 2008-04-15 编织拉链用拉链牙链带
TW098112185A TW201012411A (en) 2008-04-15 2009-04-13 Fastener stringer for knitting slide fastner

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2008/057326 WO2009128140A1 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2009128140A1 true WO2009128140A1 (ja) 2009-10-22

Family

ID=41198851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2008/057326 WO2009128140A1 (ja) 2008-04-15 2008-04-15 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー

Country Status (3)

Country Link
CN (1) CN101938924B (ja)
TW (1) TW201012411A (ja)
WO (1) WO2009128140A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2735243A4 (en) * 2011-07-19 2015-05-06 Ykk Corp BRAIDED LOCKING STRIP
JP2020092829A (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 Ykk株式会社 ファスナーストリンガー及びスライドファスナー
CN114554902A (zh) * 2019-10-16 2022-05-27 Ykk株式会社 编织拉链牙链带、拉链链条及编织拉链牙链带的制造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08228813A (ja) * 1994-06-23 1996-09-10 Ykk Kk 編込みスライドファスナー
JP2000312605A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Ykk Corp 編込みスライドファスナー

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3587673B2 (ja) * 1997-12-26 2004-11-10 Ykk株式会社 編込みスライドファスナー
JP4046699B2 (ja) * 2004-02-17 2008-02-13 Ykk株式会社 編込みスライドファスナー

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08228813A (ja) * 1994-06-23 1996-09-10 Ykk Kk 編込みスライドファスナー
JP2000312605A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Ykk Corp 編込みスライドファスナー

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2735243A4 (en) * 2011-07-19 2015-05-06 Ykk Corp BRAIDED LOCKING STRIP
US9510650B2 (en) 2011-07-19 2016-12-06 Ykk Corporation Knitted fastener stringer
JP2020092829A (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 Ykk株式会社 ファスナーストリンガー及びスライドファスナー
JP7306819B2 (ja) 2018-12-12 2023-07-11 Ykk株式会社 ファスナーストリンガー及びスライドファスナー
CN114554902A (zh) * 2019-10-16 2022-05-27 Ykk株式会社 编织拉链牙链带、拉链链条及编织拉链牙链带的制造方法
CN114554902B (zh) * 2019-10-16 2024-03-15 Ykk株式会社 编织拉链牙链带、拉链链条及编织拉链牙链带的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101938924A (zh) 2011-01-05
CN101938924B (zh) 2011-12-21
TW201012411A (en) 2010-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100466933C (zh) 针织拉链
TWI292700B (en) Knitted-in slide fastener
JP3398828B2 (ja) 編込みスライドファスナー
JP4731378B2 (ja) ファスナーテープ及びファスナーストリンガー
JP3587673B2 (ja) 編込みスライドファスナー
JP6008765B2 (ja) 編成面ファスナー
US7293434B2 (en) Knitted/woven concealed type slide fastener
JP3552947B2 (ja) 編込みスライドファスナー
TWI403284B (zh) Woven into the chain
JP3407165B2 (ja) 編込みスライドファスナー
JPH08299034A (ja) 編込みスライドファスナー
TWI411409B (zh) Zipper chain and zipper chain
WO2009128140A1 (ja) 編込みスライドファスナー用ファスナーストリンガー
JP3406150B2 (ja) 編込みスライドファスナー
US6651296B2 (en) Knit-in slide fastener
US9510650B2 (en) Knitted fastener stringer
TWI400046B (zh) Woven into the zipper
TWI410225B (zh) A zipper chain, and a method of manufacturing a fastener tape
JP7191499B2 (ja) ファスナーチェーン、及びファスナーチェーンの製造方法
JP3338996B2 (ja) 編込みスライドファスナー

Legal Events

Date Code Title Description
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 200880126261.0

Country of ref document: CN

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 08740412

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE

122 Ep: pct application non-entry in european phase

Ref document number: 08740412

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: JP