WO2009125517A1 - 電磁波抑制材料及び電磁波抑制シート - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、日本国において2008年4月9日に出願された日本特許出願番号特願2008-101951を基礎として優先権を主張するものであり、この出願を参照することにより、本出願に援用される。
このような電磁干渉(EMI:Electromagnetic Interference)の問題に対処するために、個々の電子機器において、他の機器の正常な作動を妨害する不要な電磁波の放射を抑制したり、外部から進入する電磁波に対して影響を受けることがない程度まで耐力を向上させて、相互の影響を十分に低減、回避できる構成とすることが要求されている。
電磁波吸収能を有する電磁波抑制体(以下、単に、「電磁波抑制体」として説明する。)における電磁波吸収の原理は、入射した電磁波エネルギーのほとんどを電磁波抑制体の内部で熱エネルギーに変換するというものである。このため、電磁波抑制体では、その前方に反射するエネルギーと後方へ透過するエネルギーの双方を小さくすることができる。
電磁波の熱エネルギーへの変換メカニズムは、主に、導電損失、誘電損失、磁性損失に分類され、これら3種類の損失により、電磁波の熱エネルギーへの変換量(電波吸収量)が想定される。このとき、単位体積あたりの電磁波吸収エネルギーP[W/m3]は、電界E、磁界H及び周波数fを用いて、数式(1)のように表される。
電磁波抑制体は、現在、主に電子機器に利用され、特に、プリント回路基板上、フレキシブルプリント回路(FPC:Flexible Printed Circuits)上、パッケージ上面等に貼り付けて利用されている。電磁波抑制体を構成する材料は、フェライトや金属磁性粉末を樹脂と混合した磁性シートをはじめとして、カーボン系の材料を含有させたもの等、様々な種類のものが開発されている。
この電磁波抑制体は、例えば、アンテナ源から輻射された電磁波を吸収する吸収体や、アンテナ源に高調波ノイズ成分が乗ることを未然に抑制する高調波フィルタ等として使用されている。
高周波数帯域において電磁波を抑制する電磁波抑制材料は、特に、磁性材料が主流であった。この磁性材料を用いた磁性シートは、電磁波を吸収して抑制するために数式(1)の磁性損失である第3項の透磁率μ’’が高くなるように設定されている。
そこで、既存の磁性シートには、磁性粉末の混合量を増やして吸収特性を高めるようにするものがあるが、この場合、磁性粉末の量とともに磁性シートの比重も増加して硬い磁性シートとなり、フレキシブルプリント回路等に貼り付けるには不適当であった。また、磁性シートには磁性粉末が用いられるため、高コストになり、より安価な電磁波抑制シートが必要とされていた。
そこで、高周波帯域においては、極性を有する液状材料や、電解液のようなイオンを有する液状材料の誘電率に着目し、これらの材料を用いた電磁波吸収効率の高い電磁波抑制材料が開発されている。さらに、架橋構造を有するゲルを用いることにより、セットの温度変化に対しても、安定状態を保ち続けることができる電磁波抑制材料が開発されている。
このような電磁波抑制体の一例として、特許文献1には、塩化ナトリウム等の電解質溶液に、樹脂成分であるアクリルアミド、硬化剤であるメチレンビスアクリルアミド、開始剤である硫化アンモニウムを添加してゲル化させた電磁波抑制材料を耐水蒸気の蒸散防止用フィルムにて封止した電磁波抑制デバイスが記載されている。この電磁波抑制シートは、電解質溶液がゲル状態で保持されるため、10GHz帯域まで高い誘電損失を有し、高周波帯域において、電磁波の不要輻射を抑制する効果(以下、「電磁波抑制効果」という。)を有するものである。
特許文献1に記載の電磁波抑制シートは、水溶液成分が氷点下において凍結し氷の結晶を析出するため、誘電率が低下し、電磁波抑制効果が得られなくなるといった問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、低温環境においても十分に電磁波抑制効果を発揮できる電磁波抑制材料、及び、当該電磁波抑制材料が封止されてなる電磁波抑制シートを提供することを目的とする。
上述の問題を解決するために、本発明に係る電磁波抑制材料は、電解質とアルコール類とを含有するアクリレート系高分子ゲルからなるものである。
また、上述の問題を解決するために、本発明に係る電磁波抑制シートは、本発明に係る電磁波抑制材料が防湿フィルムに封止されてなるものである。
本発明に係る電磁波抑制材料及び電磁波抑制シートによれば、アクリレート系高分子ゲルの凍結点が降下されることにより、低温環境においても電磁波抑制機能が安定的に発揮される。
図1は、本実施の形態における電磁波抑制材料1が防湿フィルム2に封止されてなる電磁波抑制シート3の断面図である。電磁波抑制材料1は、ゲルが凍結する温度である凍結点が降下されていることにより低温環境においても電磁波抑制機能を安定的に維持できるゲル化合物からなる。
具体的には、電磁波抑制材料1は、電解質とアルコール類とを含有するアクリレート系高分子ゲルからなる。このアクリレート系高分子ゲルは、アクリレートモノマーに重合開始剤及び架橋剤を添加すると、アクリレートモノマーが重合して架橋構造を有するアクリレート系高分子が生成し、このアクリレート系高分子が電解質及びアルコール類を吸収して得られるものである。
電磁波抑制シート3は、電磁波抑制材料1が防湿性を有する防湿フィルム2に充填され、防湿フィルム2の周囲が所定の接着剤によりラミネートされて構成される。電磁波抑制シート3の厚さは、例えば0.05~3mmであることが好ましいが、これに限定されるものではない。
上述の数式(1)中の誘電損失である第2項の誘電率ε’’が高い材料は、MHz帯域、GHz帯域の高周波数帯域において電磁波を効率的に吸収、抑制することが可能である。例えば、極性分子を含有する溶液や含有する電解液は、このような高周波数帯域における電磁波吸収効率を高める材料として有用である。
電磁波抑制材料1は、溶液の凝固点降下を引き起こすとともに高周波数帯域における電磁波抑制・電磁波吸収効果の目安となる電磁波の損失率(Loss)を高める電解液を含有する。また、電磁波抑制材料1は、電解液との相溶性に優れる極性溶媒であり溶液の凝固点降下を引き起こすとともに高周波数帯域における損失率を高める不凍液として働くアルコール類を含有する。
本実施の形態におけるアルコール類としては、例えば、1級アルコール、2級アルコール、3級以上のアルコール類が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、ペンタエリスリトール等が挙げられ、その中でも、機能発現及び他の化合物との相互作用の観点から、グリコール類、特にはエチレングリコールが最も好ましい。
本実施の形態における電解液は、溶液の凝固点降下を引き起こす何れの電解質の電解液であってもよい。
このような電解質としては、多少の温度変化でも結晶が析出せずイオンが安定的に維持される電解質であること、さらには、溶液中で完全にイオンに解離する強電解質であることが好ましく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムや、酢酸カリウム等が挙げられる。なお、酢酸カルシウムは保水性、拡散性を有するグリセリンとともに用いることにより電磁波抑制機能を持続的に維持することが可能となる。
図2は、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムの溶解度曲線を示す図である。この4種類の物質のうち、塩化カリウム及び塩化ナトリウムは、溶解度曲線の勾配が小さく多少の温度変化でも結晶が析出する可能性が少ない。このため、塩化カリウム及び塩化ナトリウムは、多少の温度変化でも結晶が析出せずにイオンが安定的に維持される物質である。
本実施の形態では、電解質及びアルコール類の添加量を調整することにより、凍結点が-20℃以下のアクリレート系高分子ゲルを製造する。これにより、電磁波抑制材料1は、冷凍室等の低温環境においてもゲルが凍結せずに安定的に電磁波抑制機能を発揮でき、例えば日本国内では、一年を通じて屋内、屋外問わず殆どの場所で電磁波抑制材料1を使用することが可能となる。
電磁波抑制材料1を構成するアクリレート系高分子ゲルは、アクリレートモノマーに重合開始剤及び架橋剤が添加されて得られる三次元の網目構造を有するゲル化合物である。重合開始剤がアクリレートモノマー同士の連鎖反応を開始させることによりアクリレートモノマーからアクリレート系高分子が重合される。また、架橋剤は、アクリレート系高分子の側鎖の一部と連結する架橋の役割を果たし、この架橋によりアクリレート系高分子は、三次元の網目構造を有するものとなる。
本実施の形態におけるアクリレートモノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、芳香族アクリレート、アクリルアミド等、1官能アクリレートであれば何れのものでもよく、特に、グリコール類や電解質との相互作用の観点から、アクリルアミドが最も好ましい。
また、本実施の形態における架橋剤としては、例えば、2官能アクリレート、3官能以上のアクリレートが挙げられる。その中でも、グリコール類や電解質との相互作用の観点から、N,N’-アルキレンビスアクリルアミドが好ましく、N,N’-メチレンビスアクリルアミドが最も好ましい。また、架橋方法としては、熱架橋と光架橋とを併用した架橋方法を用いることが可能である。
また、本実施の形態における重合開始剤としては、例えばラジカル開始剤が挙げられ、特に、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤が好ましい。その中でも、グリコール類や電解質との相互作用の観点から、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが最も好ましい。
アクリレートモノマーとしてアクリルアミド、架橋剤としてN,N’-メチレンビスアクリルアミド、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウム、さらには、電解液として塩化ナトリウム水溶液、不凍液であるアルコール類としてエチレングリコールを用いた場合、ペルオキソ二硫酸アンモニウムによりアクリルアミドが重合され、これとともに、架橋剤のN,N’-メチレンビスアクリルアミドがアクリルアミドの一部の側鎖に結合して架橋を形成し、三次元の網目構造を有するポリアクリルアミドが生成される。
そして、このポリアクリルアミドが塩化ナトリウム及びエチレングリコールを吸収して膨潤することによりポリアクリルアミドゲルが生成される。
この場合、塩化ナトリウム濃度[mol/L]は、2~4mol/Lであることが好ましい。塩化ナトリウム濃度[mol/L]が1mol/L以下であると、ポリアクリルアミドゲルの凍結点は-20℃以下にならない。また、塩化ナトリウム濃度[mol/L]が5mol/L以上であると、電磁波抑制材料1を0℃以下とした段階で塩化ナトリウムが析出し、評価が不可能となる上、凍結による体積膨張により防湿フィルム2を破損することがある。
また、この場合、エチレングリコールは、ポリアクリルアミドゲル100質量部に対して10~35質量部であることが好ましい。エチレングリコールがポリアクリルアミドゲル100質量部に対して10質量部未満であると、凍結点の低下の効果が少ない。また、エチレングリコールがポリアクリルアミドゲル100質量部に対して35質量部を超えると、塩化ナトリウムの相対濃度が低下し、GHz帯域でのノイズ抑制効果が劣化する。
電磁波抑制材料1は、それ自体をシート状にして使用することが可能であるが、この場合、破損により形状が保持されなくなるおそれがある。このため、電磁波抑制材料1は、その形状が十分に保持されるように、防湿性を有する防湿フィルムに封止されてなる電磁波抑制シート等の電磁波抑制デバイスとして使用することが好ましい。
防湿フィルム2は、防湿性、好ましくはさらに光透過性を有するセル状のフィルムからなる。本実施の形態における防湿フィルム2としては、例えば優れた防湿性及び透明性を有する超防湿フィルム(株式会社クレハ製「セレール」;以下、超防湿フィルム2aという。)を用いることが可能である。超防湿フィルム2aは、金属酸化物等の透湿防止用バリア層が形成されたPET(polyethylene terephthalate)フィルムが熱可塑性樹脂にて複数枚ラミネートされ、最表面である封止面に封止用熱可塑性樹脂が形成された構造を有する。
防湿フィルム2に電磁波抑制材料1が封止されてなる電磁波抑制シート3は、低温環境においても電磁波抑制機能を安定的に維持できる上、柔軟性を有することにより、フレキシブルプリント基板等の複雑な形状の構造体に貼り付けることが可能である。
実施例
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本実施例は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
<電磁波抑制シート3の製造>
以下、電磁波抑制材料1を防湿フィルム2に封止されてなる電磁波抑制シート3の製造方法の一例について説明する。
先ず、純水(68.62g)、塩化ナトリウム(8.01g、関東化学社製)、エチレングリコール(17.16g、関東化学社製)、アクリルアミド(6.10g、和光純薬工業社製)、N,N’-メチレンビスアクリルアミド(0.07g、和光純薬工業社製)を配合し、完全に溶解するまでスターラで攪拌した。そして、重合開始剤のペルオキソ二硫酸アンモニウム(0.04g、和光純薬工業社製)を加え、ペルオキソ二硫酸アンモニウムが完全に溶解するまでスターラで十分攪拌した。
その結果、混合溶液の濃度は、塩化ナトリウム2.0mol/L、エチレングリコール20wt%、アクリルアミド1.0mol/L、N,N’-メチレンビスアクリルアミド0.5mol%、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.2mol%となった。
次に、常温で減圧した真空オーブン内に攪拌後の混合溶液を入れ、混合溶液内の酸素を抜く脱泡処理を行った。
次に、上述の超防湿フィルム2aを所定のサイズにカットし、熱可塑性樹脂形成面である封止面を向かい合わせにして、インパクトシーラにて、所定の温度を加えて、混合溶液の注入口以外の3方向をラミネートし、超防湿フィルム2aをセル形状にした。
次に、ガラス基板と電磁波抑制シート3に必要な厚さを有するアルミ板のスペーサとから組み立てられた厚み出し治具に超防湿フィルム2aを差し込み、この超防湿フィルム2aの中に混合溶液を注入して充填した。インパクトシーラにより、溢れ出た混合溶液を押し出しながら超防湿フィルム2aのセル上部を閉じて電磁波抑制シート3の形状にした。
続いて、厚み出し治具に混合溶液が充填されたシートを挟み、これを60℃に設定されたオーブンに入れ、ラミネートされたシート中でアクリルアミドの重合反応及び架橋反応を行わせて電磁波抑制材料1としてのポリアクリルアミドゲルを生成させた。これにより、電磁波抑制シート3が製造された。オーブンから電磁波抑制材料1が封止されてなる電磁波抑制シート3を取り出した。
<電磁波抑制材料1の凍結点降下測定>
上述の製造方法において、塩化ナトリウム濃度[mol/L]及びエチレングリコール濃度[wt%]を変えて製造した場合の16種類の電磁波抑制シート3(サンプル1~16)の凍結点を測定した。サンプル1~16における塩化ナトリウム濃度[mol/L]、エチレングリコール濃度[wt%]及び凍結点[℃]の値を表1に示す。
図3に示すように、ポリアクリルアミドゲルの凍結点は、塩化ナトリウム濃度[mol/L]の増加に伴って降下した。また、ポリアクリルアミドゲルの凍結点は、エチレングリコール濃度[wt%]の増加に伴って降下した。
この図3からもわかるように、塩化ナトリウム濃度が1.0mol/Lである場合、エチレングリコール濃度が10~25wt%の何れであってもポリアクリルアミドゲルの凍結点は、-20℃以下にはならなかった。
<電磁波抑制シート3の電磁波抑制効果の評価>
上述の製造方法において、塩化ナトリウム濃度[mol/L]及びエチレングリコール濃度[wt%]を変化させて製造した電磁波抑制材料1が封止されてなる電磁波抑制シート3(厚さ1mm)における電磁波抑制効果を評価した。
本実施例では、マイクロストリップラインを用いて電磁波抑制・電磁波吸収効果の目安となる電磁波の損失率[%]を測定した。
本実施例では、図4A,図4Bに示すような構成により電磁波の損失率[%]を測定した。図4Aに示すように、裏面にグランド電位の導電層11を有した基板12上に、マイクロストリップライン14を形成し、このマイクロストリップライン14上に電磁波抑制シート3を設置した。図4Bは、図4AにおけるA-A線拡大断面図である。基板12は、誘電率εrが4.1、縦×横×厚さが100.0mm×100.0mm×1.5mmである。導電層11の膜厚は0.018mmである。マイクロストリップライン14の幅×長さは3mm×100.0mmである。マイクロストリップラインの入力側から出力側に信号を入射することにより、反射特性と伝送特性を測定した。測定には図5に示すネットワークアナライザ15を用いた。その際の電磁波抑制シート3の有無における信号特性の測定結果から、電磁波抑制シート3の高調波フィルタ(遮蔽)効果について評価した。電磁波抑制シート3の形状は、50mm×30mm×0.5mmである。
図6~9は、マイクロストリップラインの入力側に信号を入力するとき、条件の異なる複数の電磁波抑制シート3で吸収される損失特性を示す図であり、縦軸は損失率(Loss)[%]を、横軸は周波数[GHz]を示している。入力側から反射量、透過量を差し引いた量は損失量に値し、この損失量が大きい程、電磁波抑制・吸収効果が大きいということがわかった。
損失率[%]は、反射特性をS11、透過特性をS21として以下の数式(2)で算出される。
図6~9に示すように、損失率[%]は、塩化ナトリウム濃度が1.0mol/L,2.0mol/L,3.0mol/L,4.0mol/Lである場合にそれぞれ定められる所定の周波数[GHz]帯域において、エチレングリコール濃度[wt%]が増加するとともに増加することがわかった。
本実施例においては、防湿フィルム2に電磁波抑制材料1が封止されてなる電磁波抑制シート3は、-20℃以下の低温環境下でも、安定的に、所定の周波数帯域において電磁波抑制機能を発揮できることがわかった。
なお、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
Claims (9)
- 1.電解質とアルコール類とを含有するアクリレート系高分子ゲルからなる電磁波抑制材料。
- 2.上記アクリレート系高分子ゲルは、アクリルアミドとN,N’-メチレンビスアクリルアミドとが重合されたポリアクリルアミドゲルであり、
当該ポリアクリルアミドゲルは、上記電解質として2~4mol/Lの塩化ナトリウムと上記アルコール類として当該ポリアクリルアミドゲル100質量部に対して10~35質量部のエチレングリコールとを含有し、かつ、当該ポリアクリルアミドゲルの凍結点が-20℃以下となる請求の範囲第1項記載の電磁波抑制材料。 - 3.上記アクリレート系高分子ゲルは、アクリルアミドとN,N’-メチレンビスアクリルアミドとが重合されたポリアクリルアミドゲルであり、
当該ポリアクリルアミドゲルは、上記電解質として2mol/Lの塩化ナトリウムと、上記アルコール類として当該ポリアクリルアミドゲル100質量部に対して20~35質量部のエチレングリコールとを含有する請求の範囲第1項記載の電磁波抑制材料。 - 4.周波数0.1~0.5GHzにおいて、電磁波の損失率が上記エチレングリコールの含有量の増加に伴って増加する請求の範囲第3項記載の電磁波抑制材料。
- 5.上記アクリレート系高分子ゲルは、アクリルアミドとN,N’-メチレンビスアクリルアミドとが重合されたポリアクリルアミドゲルであり、
当該ポリアクリルアミドゲルは、上記電解質として3mol/Lの塩化ナトリウムと、上記アルコール類として当該ポリアクリルアミドゲル100質量部に対して15~35質量部のエチレングリコールとを含有する請求の範囲第1項記載の電磁波抑制材料。 - 6.周波数0.1~0.5GHzにおいて、電磁波の損失率が上記エチレングリコールの含有量の増加に伴って増加する請求の範囲第5項記載の電磁波抑制材料。
- 7.上記アクリレート系高分子ゲルは、アクリルアミドとN,N’-メチレンビスアクリルアミドとが重合されたポリアクリルアミドゲルであり、
当該ポリアクリルアミドゲルは、上記電解質として4mol/Lの塩化ナトリウムと、上記アルコール類として当該ポリアクリルアミドゲル100質量部に対して10~35質量部のエチレングリコールとを含有する請求の範囲第1項記載の電磁波抑制材料。 - 8.周波数0.1~0.4GHzにおいて、電磁波の損失率が上記エチレングリコールの含有量の増加に伴って増加する請求の範囲第7項記載の電磁波抑制材料。
- 9.請求の範囲第1項乃至第8項の何れか1項記載の電磁波抑制材料が防湿フィルムに封止されてなる電磁波抑制シート。
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