明 細 書
光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた偏光板、及び液晶 表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた偏光板、及び液 晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] 近年、 CRTディスプレイに代わる薄型ディスプレイとして、液晶表示装置 (液晶ディ スプレイ)、プラズマディスプレイ、有機 ELディスプレイの台頭が目覚しい。これらの 新世代のディスプレイには多くの光学フィルムが搭載されている力 薄型がゆえにそ れら光学フィルムが持つ各種機能に対する性能向上の要求が年々厳しいものになつ てきている。従って、より性能向上が達せられた光学フィルムの登場が待ち望まれて いる。
[0003] 一方、ノートパソコンの薄型軽量化、大型画面化、高精細化の開発が進んでいる。
それに伴って、液晶表示装置用の光学フィルムもますます薄膜化、広幅化、高品質 化の要求が強くなつてきている。液晶表示装置用の光学フィルムとして種々の榭脂が 用いられている力 光学フィルムとしての偏光板保護フィルムには、現在、セルロース エステル、ポリカーボネート、ポリオレフインが用いられている。その中でも、セルロー スエステルを用 、たフィルムが圧倒的に多く使用されて 、る。
[0004] これらのセルロースエステルフィルムは、これまで、専ら溶液流延法によって製造さ れてきた。溶液流延法とは、セルロースエステルを溶媒に溶解した溶液を流延してフ イルム形状を得た後、溶媒を蒸発 ·乾燥させてフィルムを得ると ヽつた製膜方法であ る。溶液流延法で製膜したフィルムは平面性が高いため、これを用いてムラのない高 画質な液晶ディスプレイを得ることができる。
[0005] しかし、溶液流延法は多量の有機溶媒を必要とし、環境負荷が大き 、ことも課題と なっていた。セルロースエステルフィルムは、その溶解特性から、環境負荷の大きい ノ、ロゲン系溶媒を用いて製膜されているため、特に溶剤使用量の削減が求められて
おり、溶液流延製膜によってセルロースエステルフィルムを増産することは困難となつ てきている。
[0006] また、フィルム内部に残存する溶媒を除去しなければならな 、ため、乾燥ライン、乾 燥エネルギー、及び蒸発した溶媒の回収及び再生装置等、製造ラインへの設備投 資及び製造コストが膨大になっており、これらを削減することも重要な課題となってい る。
[0007] また、一方、セルロースエステルにヒンダードフエノール酸化防止剤、ヒンダードアミ ン光安定剤、酸掃去剤をある添加量比で加えることによって、分光特性、機械特性の 改善を図った技術が開示されている (例えば、特許文献 1参照)。また、有機材料の 劣化を防止する技術として、各種安定剤を含有する安定剤組成物が知られている ( 例えば、特許文献 2及び特許文献 3参照)。し力しながら、これらの安定剤の多くは溶 解性が低いために、ブリードアウトが生じやすい、フィルム上で析出しやすい、ヘイズ が上昇し透明性が低下する、更に、加熱加工時の蒸散により添加量が減少し安定能 が低下するとともに、製造工程が汚染されてしまう等、さまざまな問題を有していた。
[0008] いずれにしても光学用途のセルロースエステルフィルムについては、その製造工程 での溶媒使用に伴う製造負荷、設備負荷があり、また光学特性、機械特性も不十分 な状態にある。
[0009] 近年、銀塩写真用或いは偏光子保護フィルム用として、セルロースエステルを溶融 製膜する試みが行われている力 セルロースエステルは溶融時の粘度が非常に高い 高分子であり、かつ、ガラス転移温度も高いため、セルロースエステルを溶融してダイ スカも押し出し、冷却ドラムまたは冷却ベルト上にキャスティングしてもレべリングがし 難い、光学特性、機械特性が溶液流延フィルムよりも低いといった課題を有している ことが判明している(例えば、特許文献 4及び特許文献 5参照)。
[0010] ところで、これらのセルロースエステルフィルムは通常卷芯に巻かれてフィルム原反 となり、保存、輸送されている。このため、溶融製膜されたフィルムを卷芯に巻いたフ イルム原反の状態で長期間保存すると、馬の背故障やフィルム原反の卷芯部分には 卷芯転写と呼ばれる故障及び卷始めるときにフィルムにシヮが発生しやす!/、問題が あることが判明した。
[0011] 馬の背故障とは、馬の背中のようにフィルム原反が u字型に変形し、中央部付近に 2〜3cm程度のピッチで帯状の凸部ができる故障で、フィルムに変形が残ってしまう ため、偏光板にカ卩ェすると表面が歪んで見えてしまうため問題である。今まで、馬の 背故障はベース同士の動摩擦係数を低くしたり、両サイドにあるナーリング加工 (ェン ボス加工)の高さを調節することによって発生を低減させてきた。
[0012] また、卷芯転写は、卷芯ゃフィルムの凹凸よるフィルム変形による故障である。
[0013] 従来の溶液流延で作製したフィルムではこれらの故障は、大きな問題にならなかつ たが、溶融製膜で作製したフィルムでは、フィルムの平面性が低いため大きな問題と なることが分力つた。
[0014] 特に、近年、大型画面化に伴って、フィルム原反の幅は広ぐ卷長は長くすることが 要望されている。そのため、フィルム原反は幅広となり、フィルム原反荷重は増加する 傾向にあり、これらの故障がより発生しやすい状況のため、改良が望まれている。 特許文献 1 :特開 2003— 192920号公報
特許文献 2:特公昭 63 - 26771号公報
特許文献 3:特開平 11― 222493号公報
特許文献 4:特表平 6 - 501040号公報
特許文献 5:特開 2000— 352620号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0015] 本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、ヘイズが良好で 、長期間保存してもブリードアウトが少なぐ馬の背故障や凸状故障等のフィルム原 反の変形故障が発生しない光学フィルム、光学フィルムの製造方法、それを用いた 偏光板、及び該偏光板を用いた液晶表示装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0016] 本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
[0017] 1.下記一般式(1)で表される化合物力 誘導される高分子化合物を少なくとも 1つ 含有することを特徴とする光学フィルム。
[0019] [式中、 R〜Rは水素原子または置換基を表し、 R及び Rは一緒になつて二重結合
1 6 1 2
によって結合されている置換基を表しても良い。但し、 R〜Rで表される基の少なくと
1 6
も 1つは重合性基を部分構造として有する基を表す。なお、 R〜Rが置換基を表す
1 6
時、該置換基は、アルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ァシルァミノ基、アル キルチオ基、ァリールチオ基、アルケニル基、ハロゲン原子、アルキ-ル基、複素環 基、アルキルスルホ-ル基、ァリールスルホ-ル基、アルキルスルフィエル基、ァリー ルスルフィ-ル基、ホスホノ基、ァシル基、力ルバモイル基、スルファモイル基、スルホ ンアミド基、シァノ基、アルコキシ基、ァリールォキシ基、複素環ォキシ基、シロキシ基 、ァシルォキシ基、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボ-ルォキシ基、ァミノ 基、ァ-リノ基、イミド基、ウレイド基、アルコキシカルボ-ルァミノ基、アルコキシカル ボニル基、ァリールォキシカルボニル基、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボキシ ル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、または-トロ基を表す。 ]
2.前記重合性基が、不飽和エチレン系重合性基であることを特徴とする前記 1〖こ 記載の光学フィルム。
[0020] 3.前記重合性基が、アタリロイル基、メタクリロイル基、及びスチリル基力 なる群よ り選択される基を含むことを特徴とする前記 1または 2に記載の光学フィルム。
[0021] 4.セルロースエステルを有してなることを特徴とする前記 1〜3のいずれか 1項に記 載の光学フィルム。
[0022] 5.前記 1〜4のいずれか 1項に記載の光学フィルム力 溶融流延法によって製造さ れることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
[0023] 6.前記 1〜4のいずれか 1項に記載の光学フィルムを偏光子の少なくとも一方の面 に有することを特徴とする偏光板。
[0024] 7.前記 6に記載の偏光板を液晶セルの少なくとも一方の面に用いることを特徴とす
る液晶表示装置。
発明の効果
[0025] 本発明により、ヘイズが良好で、長期間保存してもブリードアウトが少なぐ馬の背 故障や凸状故障等のフィルム原反の変形故障が発生しな!、光学フィルム、光学フィ ルムの製造方法、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置を提供することができる 図面の簡単な説明
[0026] [図 1]本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の 1つの 実施形態を示す概略フローシートである。
[図 2]図 1の製造装置の要部拡大フローシートである。
[図 3]図 3 (a)は流延ダイの要部の外観図、図 3 (b)は流延ダイの要部の断面図である [図 4]挟圧回転体の第 1実施形態の断面図である。
[図 5]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸に垂直な平面での断面図である。
[図 6]挟圧回転体の第 2実施形態の回転軸を含む平面での断面図である。
[図 7]液晶表示装置の構成図の概略を示す分解斜視図である。
[図 8]セルロースエステルフィルム原反の保管の状態を示す図である。
符号の説明
[0027] 1 押出し機
2 フィルター
3 スタチックミキサー
4 流延ダイ
5 回転支持体 (第 1冷却ロール)
6 挟圧回転体(タツチロール)
7 回転支持体 (第 2冷却ロール)
8 回転支持体 (第 3冷却ロール)
9、 11、 13、 14、 15 搬送ロール
10 セルロースァシレートフィルム
卷取り装置
a, 21b 保護フィルムa、 22b 位相差フィルムa、 23b フイノレムの遅相軸方向a、 24b 偏光子の透過軸方向a, 25b 偏光子
a, 26b 偏光板
液晶セル
液晶表示装置
ダイ本体
スジッ卜
金属スリーブ
弾性ローラ
金属製の内筒
ゴム
冷却水
外筒
内筒
空間
冷却液
a、 55b 回転軸
a、 56b 外筒支持フランジ 流体軸筒
a, 61b 内筒支持フランジa、 62b 中間通路
0 卷芯本体
120 セルロースエステルフィルム原反
発明を実施するための最良の形態
[0028] 以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する力 本発明はこ れらに限定されるものではない。
[0029] 本発明は、光学フィルムにおいて、前記一般式(1)で表される化合物力 誘導され る高分子化合物を少なくとも 1つ含有することが特徴である。
[0030] 《一般式 (1)で表される化合物》
次に、詳細に本発明の一般式(1)の化合物 (モノマーとも称する)について説明す る。
[0031] 一般式(1)において、 R 〜Rは水素原子または置換基を表す。 R 〜Rで表される
1 6 1 6 置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基 (例えば、メチル基、ェチル 基、プロピル基、イソプロピル基、 t ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ォクチル 基、ドデシル基、トリフルォロメチル基等)、シクロアルキル基 (例えば、シクロペンチル 基、シクロへキシル基等)、ァリール基 (例えば、フエ二ル基、ナフチル基等)、ァシル アミノ基 (例えば、ァセチルァミノ基、ベンゾィルァミノ基等)、アルキルチオ基 (例えば 、メチルチオ基、ェチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば、フエ二ルチオ基、ナフ チルチオ基等)、アルケニル基 (例えば、ビュル基、 2 プロべ-ル基、 3 ブテニル 基、 1ーメチルー 3—プロべ-ル基、 3 ペンテ-ル基、 1ーメチルー 3 ブテュル基 、 4一へキセニル基、シクロへキセニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩 素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基 (例えば、プロパルギル基等)、複素 環基 (例えば、ピリジル基、チアゾリル基、ォキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキ ルスルホ -ル基(例えば、メチルスルホ -ル基、ェチルスルホ -ル基等)、ァリールス ルホ -ル基(例えば、フエ-ルスルホ-ル基、ナフチルスルホ -ル基等)、アルキルス ルフィ -ル基(例えば、メチルスルフィ -ル基等)、ァリールスルフィ -ル基(例えば、 フエ-ルスルフィ -ル基等)、ホスホノ基、ァシル基(例えば、ァセチル基、ビバロイル 基、ベンゾィル基等)、力ルバモイル基 (例えば、ァミノカルボニル基、メチルァミノ力 ルボニル基、ジメチルァミノカルボ-ル基、ブチルァミノカルボ-ル基、シクロへキシ ルァミノカルボ-ル基、フエ-ルァミノカルボ-ル基、 2—ピリジルァミノカルボ-ル基
等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホ -ル基、メチルアミノスルホ -ル基、ジメ チルアミノスルホ -ル基、ブチルアミノスルホ -ル基、へキシルアミノスルホ -ル基、シ クロへキシルアミノスルホ -ル基、ォクチルアミノスルホ -ル基、ドデシルアミノスルホ
-ル基、フエ-ルアミノスルホ -ル基、ナフチルアミノスルホ -ル基、 2—ピリジルァミノ スルホ -ル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホ ンアミド基等)、シァノ基、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ 基等)、ァリールォキシ基 (例えば、フ ノキシ基、ナフチルォキシ基等)、複素環ォキ シ基、シロキシ基、ァシルォキシ基 (例えば、ァセチルォキシ基、ベンゾィルォキシ基 等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、ァミノカルボ-ルォキシ基、アミノ基(例えば、ァ ミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基、ブチルァミノ基、シクロペンチルァミノ基、 2 ーェチルへキシルァミノ基、ドデシルァミノ基等)、ァ-リノ基 (例えば、フエ-ルァミノ 基、クロ口フエニルァミノ基、トルイジノ基、ァ-シジノ基、ナフチルァミノ基、 2—ピリジ ルァミノ基等)、イミド基、ウレイド基 (例えば、メチルウレイド基、ェチルウレイド基、ぺ ンチルウレイド基、シクロへキシルウレイド基、ォクチルゥレイド基、ドデシルウレイド基 、フエ-ルゥレイド基、ナフチルウレイド基、 2—ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキ シカルボ-ルァミノ基(例えば、メトキシカルボ-ルァミノ基、フエノキシカルボ-ルアミ ノ基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えば、メトキシカルボ-ル基、エトキシカルボ- ル基、フエノキシカルボ-ル等)、ァリールォキシカルボ-ル基(例えば、フエノキシ力 ルポニル基等)、複素環チォ基、チォウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、 ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。これらの置換基は同 様の置換基によって更に置換されて 、てもよ 、。
[0032] 一般式(1)において、 R及び Rは一緒になつて二重結合によって結合されている
1 2
置換基を表しても良い。
[0033] 一般式(1)において、 R〜Rで表される基の少なくとも 1つは重合性基を部分構造
1 6
として有する基を表す。本発明でいう重合性基とは、不飽和エチレン系重合性基、二 官能系重縮合性基又は二官能系重付加性基を意味するが、好ましくは不飽和ェチ レン系重合性基である。不飽和エチレン系重合性基の具体例としては、ビュル基、ァ リル基、アタリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド
基、シアン化ビュル基、 2—シァノアクリルォキシ基、 1, 2—エポキシ基、ビュルベン ジル基、ビュルエーテル基などが挙げられる。また、重合性基を部分構造として有す るとは、上記重合性基が直接、もしくは 2価以上の連結基によって結合していることを 意味し、 2価以上の連結基とは、例えば、アルキレン基 (例えば、メチレン、 1, 2—ェ チレン、 1, 3 プロピレン、 1, 4 ブチレン、シクロへキサン一 1, 4 ジィルなど)、ァ ルケ-レン基(例えば、ェテン— 1, 2 ジィル、ブタジエン 1, 4 ジィルなど)、ァ ルキ-レン基(例えば、ェチン— 1, 2 ジィル、ブタン— 1, 3 ジイン— 1, 4 ジィ ルなど)、少なくとも一つの芳香族基を含む化合物力 誘導される連結基 (例えば、 置換もしくは無置換のベンゼン、縮合多環炭化水素、芳香族複素環、芳香族炭化水 素環集合、芳香族複素環集合など)、ヘテロ原子連結基 (酸素、硫黄、窒素、ケィ素 、リン原子など)が挙げられる力 好ましくは、アルキレン基、及び Zまたは、ヘテロ原 子で連結する基である。これらの連結基は更に組み合わせて複合基を形成してもよ い。
[0034] 重合性基としては、不飽和エチレン系重合性基が好ましぐその中でも、例えば、ァ クリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基がより好ましぐアタリロイル基、メタタリロイ ル基が特に好ましい。
[0035] 《一般式 (1)で表される化合物力 誘導される高分子化合物》
次に、詳細に本発明の一般式(1)で表される化合物力も誘導される高分子化合物 (ポリマーとも称する)について説明する。
[0036] 本発明に係る高分子化合物を、それが本発明の一般式(1)で表される化合物から 誘導される反応によって分類した場合、付加重合体、開環重合体、重付加体、重縮 合体、付加縮合体等を挙げることができるが、本発明においては、付加重合体、開環 重合体が好ましぐ付加重合体がより好ましい。本発明においては、付加重合体は、 ビニル重合体、ジェン重合体が挙げられる力 この中でビニル重合体が好ましい。
[0037] 本発明に係る高分子化合物をその形状によって分類した場合、一次元高分子、二 次元高分子、三次元高分子と分類できるが、本発明においては、一次元高分子、二 次元高分子が好ましぐ一次元高分子がより好ましい。
[0038] 本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物から誘導される高分子化合物が重
合体を表すとき、前記一般式(1)で表される化合物のみの単重合体であっても、他の 重合性ィ匕合物との共重合体であってもよい。また、本発明に係る高分子化合物は、 単重合体、共重合体のいずれの場合も該重合体中に少なくとも 2個の前記一般式(1 )で表される化合物単位を有する化合物である。本発明にお 、ては共重合体が好ま しい。
[0039] 共重合可能な他の重合性ィ匕合物としては、例えば、スチレン誘導体 (例えば、スチ レン、 α—メチノレスチレン、 ο—メチノレスチレン、 m—メチノレスチレン、 p—メチルスチレ ン、ビュルナフタレンなど)、アクリル酸エステル誘導体 (例えば、アクリル酸メチル、ァ クリル酸ェチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸 iーブチル、アタリ ル酸 tーブチル、アクリル酸ォクチル、アクリル酸シクロへキシル、アクリル酸ベンジル など)、メタクリル酸エステル誘導体 (例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、 メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸 iーブチル、メタクリル酸 tーブ チル、メタクリル酸オタチル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸べンジル等)、ァ ルキルビュルエーテル(例えば、メチルビ-ルエーテル、ェチルビ-ルエーテル、ブ チルビ-ルエーテルなど)、アルキルビュルエステル(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビ- ル、酪酸ビュル、カプロン酸ビュル、ステアリン酸ビュルなど)、クロトン酸、マレイン酸 、フマル酸、ィタコン酸、アクリロニトリル、メタタリ口-トリル、塩化ビュル、塩化ビ-リデ ン、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和化合物が挙げられる。好ましくは、ァ クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビュルである。
[0040] 共重合可能な更に他の重合性化合物として、親水性のエチレン性不飽和化合物 が挙げられる。親水性のエチレン性不飽和化合物としては、親水性で分子中に重合 可能な不飽和二重結合を有するもので有れば特に制限されず、例えば、アクリル酸 或いはメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、若しくはヒドロキシル基又はエーテル結 合を有する、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル (例えば、メタクリル酸 2—ヒドロキ シェチル、メタクリル酸 2—ヒドロキシプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、ァク リル酸 2—ヒドロキシェチル、アクリル酸 2—ヒドロキシプロピル、 2, 3—ジヒドロキシー 2—メチルプロピルメタタリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸 2—エト キシェチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸 3—メトキシブ
チルなど)、アクリルアミド、 N, N—ジメチル (メタ)アクリルアミド等の(N—置換)(メタ) アクリルアミド、 N—ビュルピロリドン、 N—ビュルォキサゾリドン等が挙げられる。
[0041] 親水性のエチレン性不飽和化合物としては、水酸基若しくはカルボキシル基を分 子内に有する (メタ)アタリレートが好ましぐメタクリル酸 2—ヒドロキシェチル、メタタリ ル酸 2—ヒドロキシプロピル、アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、アクリル酸 2—ヒドロキシ プロピルが特に好ましい。
[0042] 更に、本発明の前記一般式(1)で表される化合物は、重合性基を有する種々の機 能性ィ匕合物と共重合させてもよぐ例えば、特開 2003— 113317号公報等に記載の 重合性基を有する紫外線吸収能を有する化合物と共重合させても良い。
[0043] これらの重合性ィ匕合物は、 1種、または 2種以上併用して前記一般式(1)で表され る化合物と共重合させることができる。
[0044] 本発明にお ヽて、前記一般式(1)で表される化合物から誘導される高分子化合物 が共重合体を表すとき、 3成分力 なる共重合体が好ましぐ該共重合体中には前記 一般式(1)で表される化合物以外の共重合成分として、親水性のエチレン性不飽和 化合物を少なくとも 1種含有することが好ましい。共重合体中の親水性のエチレン性 不飽和化合物の含有量は、 5〜30質量%であることが好ましぐ 10〜20質量%ある ことがより好ましい。
[0045] 本発明に係る一般式(1)で表される化合物から誘導される高分子化合物を得るた めの重合方法は、特に問わないが、従来公知の方法を広く採用することができ、例え ば、ラジカル重合、ァ-オン重合、カチオン重合などが挙げられる。ラジカル重合法 の開始剤としては、例えば、ァゾィ匕合物、過酸ィ匕物等が挙げられ、ァゾビスイソプチ口 二トリル (AIBN)、ァゾビスイソブチル酸ジエステル誘導体、過酸化べンゾィル、過酸 化水素などが挙げられる。重合溶媒は特に問わないが、例えば、トルエン、クロ口べ ンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロェタン、クロ口ホルムなどのハロゲン化 炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジォキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホル ムアミド等のアミド系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸ェチ ル等のエステル系溶媒、アセトン、シクロへキサノン、メチルェチルケトンなどのケトン 系溶媒、水溶媒等が挙げられる。溶媒の選択により、均一系で重合する溶液重合、
生成したポリマーが沈澱する沈澱重合、ミセル状態で重合する乳化重合、懸濁状態 で重合する懸濁重合、或いは場合によっては塊状重合を行うこともできる。
[0046] 前記一般式(1)で表される化合物、これと共重合可能な重合性化合物の使用割合 は、得られる高分子化合物と他の樹脂との相溶性、光学フィルムの透明性や機械的 強度に対する影響を考慮して適宜選択される。
[0047] 本発明にお 、ては、前記一般式(1)で表される化合物から誘導される高分子化合 物中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量が 1〜70質量%であることが好ま しぐより好ましくは、 5〜60質量%である。本発明の高分子化合物における前記一 般式 (1)で表される化合物の含有量が 1質量%未満の場合、所望の性能を満たそう とした場合に多量の本発明の高分子化合物を使用しなければならず、ヘイズの上昇 或いは析出などにより透明性が低下し、フィルム強度を低下させる要因となる。一方、 本発明の高分子化合物における前記一般式(1)で表される化合物の含有量が 70質 量%を超えた場合、他の高分子化合物との相溶性が低下するため、透明な光学フィ ルムを得ることができない。また、溶媒に対する溶解度が低くなり、フィルム作製の際 の作業性、生産性が劣る。
[0048] 本発明にお 、ては、前記一般式(1)で表される化合物から誘導される高分子化合 物の重量平均分子量は、通常 500以上 100000以下である力 1000以上 50000 以下であることが好ましぐ 3000以上 30000以下であることがより好ましぐ 5000以 上 15000以下であることが特に好ましい。
[0049] 高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィーを用 いて、以下の測定条件で行う。
[0050] 溶媒 :テトヒドロフラン
装置 : HLC— 8220 (東ソー (株)製)
カラム : TSKgel SuperHM— M (東ソ一(株)製)
カラム温度: 40°C
試料濃度 :0. 1質量%
注入量 : 10 1
流量 : 0. 6mレ mm
校正曲線 :標準ポリスチレン: PS— 1 (Polymer Laboratories社製) Mw= 2, 5 60, 000〜580迄の 9サンプルによる校正曲線を使用した。
[0051] 本発明に係る高分子化合物の添加量は、該高分子化合物中における前記一般式
(1)で表される化合物の質量に換算して、後述の榭脂に対して 0. 01〜10質量%添 加することが好ましぐ更に 0. 1〜5質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜2質 量%添加することが好まし 、。これらは 2種以上を併用してもょ 、。
[0052] 以下に、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発 明はこれらに限定されるものではない。
[0053] [化 2]
例示化合物 1 例示化合物 2
[0056] [化 5]
[0057] [ィ匕 6]
[0058] 以下の表 1記載の例示化合物 A〜M、及び例示化合物 N〜Wとして、本発明に係 る前記一般式 (1)で表される化合物力 誘導される高分子化合物の具体例を示すが 、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0059] [表 1]
§60
例示高分子化合物 N 例示高分子化合物 o
重 S平均分子量 5,100
例示高分子化合物 P 例示高分子化合物 Q
8]
例示高分子化合物 T 例示高分子化合物 u
重量平均分子量 5,100 重量平均分子量 1,900
例示高分子化合物 V 例示高分子化合物 W
重量平均分子量 2,500 重量平均分子量 2,300
[0062] (合成例)
以下、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物とそれから誘導される高分 子化合物の合成法を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるもので はない。
[0063] 合成例 1
(例示化合物 1の合成)
[0064] [化 9]
化合物 A
例示化合物 1
[0065] 50mlのトルエンに、 3. 8gの化合物 A、 2. 4gのピリジン、及び 0. Olgのハイドロキ ノンを加えた。そこへ、室温にて撹拌しながら 1. 2gのメタクリル酸メチルを滴下し、滴 下終了後、 80°Cに昇温し、 3時間反応させた。反応終了後、トルエン層を、希塩酸水 と重曹水でこの順に洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮後、得られた残渣をァ セトニトリルとエタノールの混合溶媒力も再結晶し、 3. 8gの固体を得た。得られた固 体を1 H— NMR及び MASSスペクトルで分析することにより、例示化合物 1であること が確認された。
[0066] 合成例 2
(例示化合物 18の合成)
化合物 B
化合物 c
20mlのトルエンに、 3. 7gの化合物 Bをカ卩え、撹拌しながら 1. 13mlの塩化チォ- ル、及び 0. 20mlの N、 N、ージメチルホルムアミドをカ卩え、 60°Cに加熱し 1時間反応 させた。反応終了後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、得られた残渣 (ィ匕 合物 C)に 40mlのトルエンを加え、加熱して残渣を溶解した。別の反応容器に、 20m 1のトルエン、 0. Olgのハイドロキノン、 2. 0gのメタクリル酸 2—ヒドロキシェチル、及 び 1. 28gのピリジンをカ卩え、 50°Cに加熱した。そこへ、先に調製した化合物 Cのトル ェン溶液を滴下し、滴下終了後、 80°Cに昇温し、 3時間反応させた。反応終了後、ト ルェン層を、希塩酸水と重曹水でこの順に洗浄し、ロータリーエバポレーターで濃縮 後、得られた残渣をァセトニトリルとメタノールの混合溶媒力 再結晶し、 4. lgの固 体を得た。得られた固体を1 H— NMR及び MASSスペクトルで分析することにより、
例示化合物 18であることが確認された。
[0069] 合成例 3
(例示高分子化合物 Aの合成)
50mlのテトラヒドロフランに、上記合成例 1で合成した 3. 5gの例示化合物 1と 5. Og のメタクリル酸メチル及び 1. 5gのメタクリル酸 2—ヒドロキシェチルを加え、次いで、 1 . 14gのァゾイソプチ口-トリルをカ卩えた。窒素雰囲気下で 8時間加熱還流した。テトラ ヒドロフランを減圧留去した後、 20mlのテトラヒドロフランに再溶解し、大過剰のメタノ ール中に滴下した。析出した沈殿物を濾取し、 40°Cで真空乾燥して、 9. Ogの白色 粉末状のである例示高分子化合物 Aを得た。この共重合体は、標準ポリスチレンを 基準とする GPC分析により、重量平均分子量は 14000であることを確認した。また、 NMRより上記共重合体が例示化合物 1:メタクリル酸メチル:メタクリル酸 2—ヒドロキ シェチルの組成比が略 35: 50: 15の共重合体であることを確認した。
[0070] 合成例 4
(例示高分子化合物 Bの合成)
上記合成例 3において、ァゾイソプチ口-トリルの使用量を 2. 28gにした以外は合 成例 3と全く同様にして合成し、例示高分子化合物 Bを得た。この共重合体は、標準 ポリスチレンを基準とする GPC分析により、重量平均分子量は 10000であることを確 認した。また、 NMRより上記共重合体が例示化合物 1 :メタクリル酸メチル:メタクリル 酸 2—ヒドロキシェチルの組成比が略 35: 50: 15の共重合体であることを確認した。
[0071] 合成例 5
(例示高分子化合物 Cの合成)
50mlのトルエンに、上記合成例 1で合成した 3. 5gの例示化合物 1と 5. Ogのメタク リル酸メチル及び 1. 5gのメタクリル酸 2—ヒドロキシェチルをカ卩え、次いで、 2. 85gの ァゾイソブチ口-トリルを加えた。窒素雰囲気下で 8時間、 70°Cで加熱した。トルエン を減圧留去した後、 20mlのトルエンに再溶解し、大過剰の n—へキサン中に滴下し た。析出した沈殿物を濾取し、 40°Cで真空乾燥して、 9. 5gの白色粉末状のである 例示高分子化合物 Aを得た。この共重合体は、標準ポリスチレンを基準とする GPC 分析により、重量平均分子量は 5000であることを確認した。また、 NMRより上記共
重合体が例示化合物 1:メタクリル酸メチル:メタクリル酸 2—ヒドロキシェチルの組成 比が略 35 : 50 : 15の共重合体であることを確認した。
[0072] 合成例 6
(例示高分子化合物 Eの合成)
50mlのトルエンに、上記合成例 1で合成した 1. Ogの例示化合物 1と 8. Ogのメタク リル酸メチル及び 1. Ogのメタクリル酸 2—ヒドロキシェチルをカ卩え、次いで、 1. 14gの ァゾイソブチ口-トリルを加えた。窒素雰囲気下で 8時間、 70°Cで加熱した。トルエン を減圧留去した後、 20mlのトルエンに再溶解し、大過剰の n—へキサン中に滴下し た。析出した沈殿物を濾取し、 40°Cで真空乾燥して、 9. 2gの白色粉末状のである 例示高分子化合物 Aを得た。この共重合体は、標準ポリスチレンを基準とする GPC 分析により、重量平均分子量は 10300であることを確認した。また、 NMRより上記共 重合体が例示化合物 1:メタクリル酸メチル:メタクリル酸 2—ヒドロキシェチルの組成 比が略 10: 80: 10の共重合体であることを確認した。
[0073] 《光学フィルム》
次に、本発明の光学フィルムの詳細について説明する。
[0074] 本発明にお!/、て光学フィルムとは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機 E Lディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、詳しくは液 晶表示装置用の偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向 上フィルム、ハードコートフィルム、防眩フィルム、帯電防止フィルム、視野角拡大等 の光学補償フィルム等を含む。
[0075] 本発明の光学フィルムの基材となる榭脂フィルムに用いられる榭脂としては、セル口 ースエステル系榭脂、ポリカーボネート系榭脂、ポリスチレン系榭脂、ポリスノレホン系 榭脂、ポリエステル系榭脂、ポリアリレート系榭脂、アクリル系榭脂、ォレフィン系榭脂 (ノルボルネン系榭脂、環状ォレフィン系榭脂、環状共役ジェン系榭脂、ビニル脂環 式炭化水素系榭脂等)等を挙げることができる。この中で、セルロースエステル系榭 脂、ポリカーボネート系榭脂、環状ォレフィン系榭脂が好ましぐ中でもセルロースェ ステル系樹脂が最も好まし 、。
[0076] また、これらの榭脂は併用して用いても良ぐ例えば、セルロースエステル系榭脂の
他、セルロースエーテル系榭脂、ビュル系榭脂(ポリ酢酸ビュル系榭脂、ポリビュル アルコール系榭脂等も含む)、環状ォレフィン榭脂、ポリエステル系榭脂 (芳香族ポリ エステル、脂肪族ポリエステル、もしくはそれらを含む共重合体)、アクリル系榭脂(共 重合体も含む)等を含有させることができる。セルロースエステル以外の榭脂の含有 量としては 0. 1〜30質量%が好ましい。
[0077] 本発明に係る光学フィルムは、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光学補償フィ ルムに好ましく用いられ、特に、偏光板保護フィルムに好ましく用いられる。
[0078] 本発明の光学フィルムは、基材として前記一般式(1)で表される化合物から誘導さ れる高分子化合物を含有するセルロースエステルフィルムを用いることが好まし 、。
[0079] 《セルロースエステル》
次に、本発明の好まし 、態様であるセルロースエステル及びセルロースエステルを 有してなる光学フィルム(以下、単にセルロースエステルフィルムとも称する。)につい て、詳述する。
[0080] 本発明に用いられるセルロースエステルフィルムは、溶液流延法、溶融流延法によ り製造される。溶液流延法は、セルロースエステルを溶媒中に溶解した溶液 (ドープ) を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。溶融流延法では、セル ロースエステルを加熱により溶融したもの (メルト)を支持体上に流延してフィルムを形 成する。溶融流延法はフィルム製造時の有機溶媒使用量を、大幅に少なくすることが できるため、従来の有機溶媒を多量に使用する溶液流延法に比較して、環境適性が 大幅に向上したフィルムが得られるため、本発明においては溶融流延法により、セル ロースエステルフィルムを製造することが好まし 、。
[0081] 本発明における溶融流延とは、溶媒を用いずにセルロースエステルを流動性を示 す温度まで加熱溶融しこれを用いて製膜する方法であり、例えば流動性のセルロー スエステルをダイス力も押し出して製膜する方法である。なお溶融セルロースエステ ルを調製する過程の一部で溶媒を使用してもよいが、フィルム状に成形を行う溶融製 膜プロセスにおいては溶媒を用いずに成形加工する。
[0082] 光学フィルムを構成するセルロースエステルとしては、溶融製膜可能なセルロース エステルであれば特に限定はされず、例えば芳香族カルボン酸エステル等も用いら
れるが、光学特性等の得られるフィルムの特性を鑑みると、セルロースの低級脂肪酸 エステルを使用するのが好まし 、。本発明にお 、てセルロースの低級脂肪酸エステ ルにおける低級脂肪酸とは炭素原子数が 5以下の脂肪酸を意味し、例えばセルロー スアセテート、セノレロースプロピオネート、セノレロースブチレート、セノレロースピノくレー ト等がセルロースの低級脂肪酸エステルの好まし 、ものとして挙げられる。炭素原子 数が 6以上の脂肪酸で置換されたセルロースエステルでは、溶融製膜性は良好であ るものの、得られるセルロースエステルフィルムの力学特性が低ぐ実質的に光学フィ ルムとして用いることが難しいためである。力学特性と溶融製膜性の双方を両立させ るために、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレート等 のように混合脂肪酸エステルを用いてもょ ヽ。なお溶液流延製膜で一般に用いられ ているセルロースエステルであるトリァセチルセルロースについては、分解温度よりも 溶融温度の方が高いセルロースエステルであるため、溶融製膜には用いることは困 難である。
[0083] 上記セルロースエステルの中でも、セルロースアセテートプロピオネート、セノレロー スアセテートブチレートが好ましく用いられる。
[0084] 次に、本発明に用いられるセルロースエステルのァシル基の置換度について説明 する。
[0085] セルロースには、 1グルコース単位の 2位、 3位、 6位に 1個ずつ、計 3個の水酸基が あり、総置換度とは、平均して 1グルコース単位にいくつのァシル基が結合しているか を示す数値である。従って、最大の置換度は 3. 0である。これらァシル基は、ダルコ ース単位の 2位、 3位、 6位に平均的に置換していてもよいし、分布をもって置換して いてもよい。
[0086] 混合脂肪酸エステルの置換度として、更に好ましいセルロースアセテートプロピオ ネートやセルロースアセテートブチレートの低級脂肪酸エステルは炭素原子数 2〜4 のァシル基を置換基として有し、ァセチル基の置換度を Xとし、プロピオニル基または プチリル基の置換度を Yとした時、下記式 (I)、 (Π)及び (III)を同時に満たすセル口 ースエステルを含むセルロース榭脂である。なお、ァセチル基の置換度と他のァシル 基の置換度は、 ASTM— D817— 96に規定の方法により求めたものである。
[0087] 式(I) 2. 4≤X+Y≤2. 9
式(II) 0≤Χ≤2. 4
式(III) 0. 5≤Y≤2. 9
この内、特にセルロースアセテートプロピオネートが好ましく用いられ、中でも 1. 2 ≤Χ≤2. 1であり、 0. 6≤Υ≤1. 4であることが好ましい。ァシル基の置換度の異なる セルロースエステルをブレンドして、セルロースエステルフィルム全体として上記範囲 に入って 、てもよ 、。上記ァシル基で置換されて ヽな 、部分は通常水酸基として存 在して 、るものである。これらは公知の方法で合成することができる。
[0088] 本発明に用いられるセルロースエステルは、 50000〜150000の数平均分子量( Μη)を有することが好ましぐ 55000〜120000の数平均分子量を有すること力 S更に 好ましぐ 60000〜 100000の数平均分子量を有することが最も好ましい。
[0089] 更に、本発明に用いられるセルロースエステルは、重量平均分子量(Mw) Z数平 均分子量(Mn)比が 1. 3〜5. 5のものが好ましく用いられ、特に好ましくは 1. 5〜5. 0であり、更【こ好ましく ίま 1. 7〜4. 0であり、更【こ好ましく ίま 2. 0〜3. 5のセノレロース エステルが好ましく用いられる。
[0090] なお、 Mn及び MwZMnは下記の要領で、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー により算出した。
[0091] 測定条件は以下の通りである。
[0092] 溶媒 :テトヒドロフラン
装置 : HLC— 8220 (東ソー (株)製)
カラム : TSKgel SuperHM— M (東ソ一(株)製)
カラム温度: 40°C
試料濃度 :0. 1質量%
注入量 : 10 1
校正曲線 :標準ポリスチレン: PS— 1 (Polymer Laboratories社製) Mw= 2, 5 60, 000〜580までの 9サンプルによる校正曲線を使用した。
本発明で用いられるセルロースエステルの原料セルロースは、木材パルプでも綿花
リンターでもよぐ木材パルプは針葉樹でも広葉樹でもよいが、針葉樹の方がより好ま しい。製膜の際の剥離性の点力もは綿花リンターが好ましく用いられる。これらから作 られたセルロースエステルは適宜混合して、或いは単独で使用することができる。
[0094] 例えば、綿花リンター由来セルロースエステル:木材パルプ (針葉樹)由来セルロー スエステル:木材パルプ(広葉樹)由来セルロースエステルの比率が 100: 0: 0、 90: 10:0、 85:15:0、 50:50:0、 20:80:0、 10:90:0、 0:100:0、 0:0:100、 80:10 :10、 85:0:15、 40 :30 :30で用いることができる。
[0095] セルロースエステルは、例えば、原料セルロースの水酸基を無水酢酸、無水プロピ オン酸及び Zまたは無水酪酸を用いて常法によりァセチル基、プロピオ-ル基及び
/またはブチル基を上記の範囲内に置換することで得られる。このようなセルロース エステルの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平 10— 45804号或いは 特表平 6— 501040号に記載の方法を参考にして合成することができる。
[0096] 本発明に用いられるセルロースエステルのアルカリ土類金属含有量は、 l〜50pp mの範囲であることが好ま 、。 50ppmを超えるとリップ付着汚れが増加或 、は熱延 伸時や熱延伸後でのスリツティング部で破断しやすくなる。 lppm未満でも破断しや すくなるがその理由はよく分かっていない。 lppm未満にするには洗浄工程の負担が 大きくなり過ぎるためその点でも好ましくない。更に l〜30ppmの範囲が好ましい。こ こでいうアルカリ土類金属とは Ca、 Mgの総含有量のことであり、 X線光電子分光分 析装置 (XPS)を用いて測定することができる。
[0097] 本発明に用いられるセルロースエステル中の残留硫酸含有量は、硫黄元素換算で 0. l〜45ppmの範囲であることが好ましい。これらは塩の形で含有していると考えら れる。残留硫酸含有量が 45ppmを超えると熱溶融時のダイリップ部の付着物が増加 するため好ましくない。また、熱延伸時や熱延伸後でのスリツティングの際に破断しや すくなるため好ましくない。少ない方が好ましいが、 0. 1未満とするにはセルロースェ ステルの洗浄工程の負担が大きくなり過ぎるため好ましくないだけでなぐ逆に破断し やすくなることがあり好ましくない。これは洗浄回数が増えることが榭脂に影響を与え ているの力もしれないがよく分かっていない。更に l〜30ppmの範囲が好ましい。残 留硫酸含有量は、 ASTM— D817— 96に規定の方法により測定することができる。
[0098] 本発明に用いられるセルロースエステル中の遊離酸含有量は、 l〜500ppmであ ることが好ましい。 500ppmを超えるとダイリップ部の付着物が増加し、また破断しや すくなる。洗浄で lppm未満にすることは困難である。更に 1〜: LOOppmの範囲であ ることが好ましぐ更に破断しに《なる。特に l〜70ppmの範囲が好ましい。遊離酸 含有量は ASTM -D817- 96に規定の方法により測定することができる。
[0099] 合成したセルロースエステルの洗浄を、溶液流延法に用いられる場合に比べて、更 に十分に行うことによって、残留酸含有量を上記の範囲とすることができ、溶融流延 法によってフィルムを製造する際に、リップ部への付着が軽減され、平面性に優れる フィルムが得られ、寸法変化、機械強度、透明性、耐透湿性、後述する Rt値、 Ro値 が良好なフィルムを得ることができる。また、セルロースエステルの洗浄は、水に加え て、メタノール、エタノールのような貧溶媒、或いは結果として貧溶媒であれば貧溶媒 と良溶媒の混合溶媒を用いることができ、残留酸以外の無機物、低分子の有機不純 物を除去することができる。更に、セルロースエステルの洗浄は、ヒンダードァミン、亜 リン酸エステルと 、つた酸化防止剤の存在下で行うことが好ましぐセルロースエステ ルの耐熱性、製膜安定性が向上する。
[0100] また、セルロースエステルの耐熱性、機械物性、光学物性等を向上させるため、セ ルロースエステルの良溶媒に溶解後、貧溶媒中に再沈殿させ、セルロースエステル の低分子量成分、その他不純物を除去することができる。この時、前述のセルロース エステルの洗浄同様に、酸化防止剤の存在下で行うことが好ま 、。
[0101] 更に、セルロースエステルの再沈殿処理の後、別のポリマー或いは低分子化合物 を添加してもよい。
[0102] また、本発明で用いられるセルロースエステルはフィルムにした時の輝点異物が少 ないものであることが好ましい。輝点異物とは、 2枚の偏光板を直交に配置し (クロス ニコル)、この間にセルロースエステルフィルムを配置して、一方の面から光源の光を 当てて、もう一方の面からセルロースエステルフィルムを観察した時に、光源の光が 漏れて見える点のことである。このとき評価に用いる偏光板は輝点異物がない保護フ イルムで構成されたものであることが望ましぐ偏光子の保護にガラス板を使用したも のが好ましく用 ヽられる。輝点異物はセルロースエステルに含まれる未酢化もしくは
低酢化度のセルロースがその原因の 1つと考えられ、輝点異物の少ないセルロース エステルを用いる(置換度の分散の小さ 、セルロースエステルを用いる)ことと、溶融 したセルロースエステルを濾過すること、或いはセルロースエステルの合成後期の過 程や沈殿物を得る過程の少なくともいずれかにおいて、一度溶液状態として同様に 濾過工程を経由して輝点異物を除去することもできる。溶融榭脂は粘度が高いため 、後者の方法の方が効率がよい。
[0103] フィルム膜厚が薄くなるほど単位面積当たりの輝点異物数は少なくなり、フィルムに 含まれるセルロースエステルの含有量が少なくなるほど輝点異物は少なくなる傾向が あるが、輝点異物は、輝点の直径 0. 01mm以上が 200個 Zcm2以下であることが好 ましぐ 100個/ cm2以下であることがより好ましぐ 50個/ cm2以下であることが更に 好ましぐ 30個 Zcm2以下であることがさらにより好ましぐ 10個 Zcm2以下であること が更に好ましいが、皆無であることが最も好ましい。また、 0. 005-0. 01mm以下の 輝点についても 200個 Zcm2以下であることが好ましぐ 100個 Zcm2以下であること 力 り好ましぐ 50個 Zcm2以下であることがさらにより好ましぐ 30個 Zcm2以下であ ることが更に好ましぐ 10個/ cm2以下であることが更に好ましいが、皆無であること が最も好ましい。
[0104] 輝点異物を溶融濾過によって除去する場合、セルロースエステルを単独で溶融さ せたものを濾過するよりも可塑剤、劣化防止剤、酸ィ匕防止剤等を添加混合したセル ロースエステル組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好まし 、。もちろ ん、セルロースエステルの合成の際に溶媒に溶解させて濾過により低減させてもよい 。紫外線吸収剤、その他の添加物も適宜混合したものを濾過することができる。濾過 はセルロースエステルを含む溶融物の粘度が 10000P以下で濾過されることが好ま しぐ 5000P以下がより好ましぐ 1000P以下が更に好ましぐ 500P以下であること 力 Sさらにより好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化工 チレン榭脂等の弗素榭脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、特にセラミツ タス、金属等が好ましく用いられる。絶対濾過精度としては 50 m以下のものが好ま しく用いられ、 30 /z m以下のものがより好ましぐ 10 /z m以下のものがさらにより好ま しぐ 5 m以下のものが更に好ましく用いられる。これらは適宜組み合わせて使用す
ることもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが 、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましく用いられる。
[0105] 別の実施態様では、原料のセルロースエステルは少なくとも一度溶媒に溶解させた 後、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いてもよい。その際には可塑剤、紫外 線吸収剤、劣化防止剤、酸化防止剤及びマット剤の少なくとも 1つ以上と共に溶媒に 溶解させた後、乾燥させたセルロースエステルを用いる。溶媒としては、メチレンクロ ライド、酢酸メチル、ジォキソラン等の溶液流延法で用いられる良溶媒を用いることが でき、同時にメタノール、エタノール、ブタノール等の貧溶媒を用いてもよい。溶解の 過程で— 20°C以下に冷却したり、 80°C以上に加熱したりしてもよい。このようなセル ロースエステルを用いると、溶融状態にした時の各添加物を均一にしゃすぐ光学特 性を均一にできることがある。
[0106] 本発明の光学フィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合したも のでもよ ヽ。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れるものが好 ましぐフィルムにした時の透過率が 80%以上、更に好ましくは 90%以上、更に好ま しくは 92%以上であることが好まし 、。
[0107] 《酸化防止剤》
本発明の光学フィルムの基材となる榭脂は、熱だけでなく酸素によっても分解が促 進されるため、本発明の光学フィルムにおいては安定化剤として酸ィ匕防止剤を含有 することが好ましい。
[0108] 特に、溶融製膜が行われるような高温環境下では、フィルム成形材料の熱、及び酸 素による分解が促進されるため、酸化防止剤を含有することが好ましい。
[0109] また、本発明にお ヽて好ま 、態様のセルロースエステルは、貧溶媒による懸濁洗 浄時に酸ィ匕防止剤存在下で洗浄することも好ましい。使用される酸化防止剤は、セ ルロースエステルに発生したラジカルを不活性化する、或 、はセルロースエステルに 発生したラジカルに酸素が付カ卩したことが起因のセルロースエステルの劣化を抑制 する化合物であれば制限なく用いることができる。
[0110] セルロースエステルの懸濁洗浄に使用する酸ィ匕防止剤は、洗浄後セルロースエス テル中に残存していてもよい。残存量は 0. 01〜2000ppm力 Sよく、より好ましくは 0.
05〜: LOOOppmである。更に好ましくは 0. 1〜: LOOppmである。
[0111] 本発明において有用な酸ィ匕防止剤としては、酸素によるフィルム成形材料の劣化 を抑制する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも有用な酸化防止剤 としては、フ ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、ィォゥ系化 合物、耐熱カ卩ェ安定剤、酸素スカベンジャー等が挙げられ、これらの中でも、特にフ 工ノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が好ましい。これらの化 合物を配合することにより、透明性、耐熱性等を低下させることなぐ熱や熱酸化劣化 等による成形体の着色や強度低下を防止できる。これらの酸化防止剤は、それぞれ 単独で、或 、は 2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0112] (フ ノール系化合物)
フエノール系化合物は既知の化合物であり、例えば、米国特許第 4, 839, 405号 明細書の第 12〜14欄に記載されており、 2, 6—ジアルキルフエノール誘導体化合 物が含まれる。このような化合物のうち好ましい化合物として、下記一般式 (A)で表さ れる化合物が好ましい。
[0114] 式中、 R 〜R は置換基を表す。置換基としては、水素原子、ハロゲン原子 (例え
11 15
ばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基 (例えばメチル基、ェチル基、イソプロピル 基、ヒドロキシェチル基、メトキシメチル基、トリフルォロメチル基、 t—ブチル基等)、シ クロアルキル基 (例えばシクロペンチル基、シクロへキシル基等)、ァラルキル基 (例え ばべンジル基、 2—フエネチル基等)、ァリール基(例えばフエ-ル基、ナフチル基、 p
—トリル基、 p—クロ口フエニル基等)、アルコキシ基 (例えばメトキシ基、エトキシ基、ィ ソプロポキシ基、ブトキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えばフエノキシ基等)、シァノ基
、ァシルァミノ基 (例えばァセチルァミノ基、プロピオ-ルァミノ基等)、アルキルチオ
基 (例えばメチルチオ基、ェチルチオ基、プチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば フエ-ルチオ基等)、スルホ -ルァミノ基(例えばメタンスルホ -ルァミノ基、ベンゼン スルホ -ルァミノ基等)、ウレイド基 (例えば 3—メチルウレイド基、 3, 3—ジメチルウレ イド基、 1, 3 ジメチルウレイド基等)、スルファモイルァミノ基 (ジメチルスルファモイ ルァミノ基等)、力ルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ェチルカルバモイル 基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばェチルスルファモイル基 、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボ-ル基(例えばメトキシカルボ-ル 基、エトキシカルボニル基等)、ァリールォキシカルボ-ル基 (例えばフエノキシカル ボ-ル基等)、スルホ -ル基(例えばメタンスルホ-ル基、ブタンスルホ-ル基、フエ- ルスルホニル基等)、ァシル基 (例えばァセチル基、プロパノィル基、ブチロイル基等 )、アミノ基 (メチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジメチルァミノ基等)、シァノ基、ヒドロキ シ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンォキシド基 (例えばピリジン一才キシド基)、イミド基( 例えばフタルイミド基等)、ジスルフイド基 (例えばベンゼンジスルフイド基、ベンゾチア ゾリルー 2—ジスルフイド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基 (例えば、ピ ロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル 基、ベンズチアゾリル基、ベンズォキサゾリル基等)等が挙げらる。これらの置換基は 更に置換されてもよい。
また、 R は水素原子、 R 、 R は t ブチル基であるフエノール系化合物が好まし
11 12 16
い。フエノール系化合物の具体例としては、 n—ォクタデシル 3— (3, 5—ジー tーブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、 n—ォクタデシル 3—(3, 5—ジ t —ブチルー 4—ヒドロキシフエ-ル)一アセテート、 n—ォクタデシル 3, 5—ジ一 t—ブ チルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 n—へキシル 3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキ シフエ-ルペンゾエート、 n—ドデシル 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル ベンゾエート、ネオ—ドデシル 3— (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル) プロピオネート、ドデシル j8 (3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピ ォネート、ェチル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t ブチルフエ-ル)イソブチレー ト、ォクタデシル α—(4ーヒドロキシ 3, 5—ジー t—ブチルフエ-ル)イソブチレート 、ォクタデシル α— (4—ヒドロキシ一 3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)
プロピオネート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジ—tーブチルー 4ーヒドロキ シ一べンゾエート、 2 (n—ォクチルチオ)ェチル 3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロ キシ—フエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5 ジー t—ブチル 4ーヒドロキシフエ-ルアセテート、 2—(n—ォクタデシルチオ)ェチル 3, 5 ジ t ーブチルー 4ーヒドロキシ ンゾエート、 2- (2 ヒドロキシェチルチオ)ェチル 3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、ジェチルダリコールビス (3, 5— ジ tーブチルー 4ーヒドロキシ一フエ-ル)プロピオネート、 2- (n—ォクタデシルチ ォ)ェチル 3— (3, 5—ジ tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、ステ アルアミド N, N ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ- ル)プロピオネート]、 n—ブチルイミノ N, N—ビス一 [エチレン 3— (3, 5—ジ一 t ブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2- (2—ステアロイルォキシェチル チォ)ェチル 3, 5 ジ tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート、 2—(2—ステアロイ ルォキシェチルチオ)ェチル 7—( 3—メチル 5— t ブチル 4 ヒドロキシフエ- ル)ヘプタノエート、 1, 2 プロピレングリコールビス— [3— (3, 5 ジ— t—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート] エチレングリコールビス [3— (3, 5—ジー tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート] ネオペンチルグリコールビス [3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート] エチレングリ コールビス一 (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ルアセテート)、グリセリン —1—n—ォクタデカノエートー 2, 3 ビス一(3, 5 ジ一 t—ブチ 4 ヒドロキシ フエ-ルアセテート)、ペンタエリトリトール—テトラキス— [3— (3' , 5' —ジ— t—ブ チル一 4' —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 1, 1—トリメチロールエタン一ト リス— [3— (3, 5—ジ— t ブチル—4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート] ソルビ トールへキサ [3— (3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート ] 2 ヒドロキシェチル 7— (3—メチル—5— tブチル—4 ヒドロキシフエ-ル)プロ ピオネート、 2—ステアロイルォキシェチル 7—(3—メチルー 5—t ブチルー 4ーヒド ロキシフエ-ル)ヘプタノエート、 1, 6— n キサンジオール ビス [ (3' , 5' —ジ — t ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ペンタエリトリトール一テトラ キス(3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシヒドロシンナメート)が含まれる。上記タイ
プのフエノール化合物は、例えば、チノ 'スペシャルティ'ケミカルズ株式会社から、 "I rganoxl076"及び" IrganoxlOlO"という商品名で市販されている。
[0116] (ヒンダードアミン系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (B)で表されるヒン ダードアミン系化合物が好まし 、。
[0117] [化 12] 一般式 (B)
[0118] 式中、 R 〜R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表さ
21 27 11 15 れる置換基と同義である。 R は水素原子、メチル基、 R は水素原子、 R 、R 、R 、
24 27 22 23 25
R はメチル基が好ましい。
26
[0119] ヒンダードアミン系化合物の具体例としては、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 ピペリジル)セバケート、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)スクシネート 、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N—オタトキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N ベンジルォキ シ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N シクロへキシル ォキシ—2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)セノ ケート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 —ペンタメチル一 4—ピペリジル) 2— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシベンジ ル)ー2 ブチルマロネート、ビス(1ーァクロイルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピ ペリジル) 2, 2 ビス(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 2 ブチル マロネート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)デカンジ才エート、 2 , 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジルメタタリレート、 4— [3— (3, 5 ジ— t—ブ チル— 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ]— 1— [2— (3— (3, 5 ジ— t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ)ェチル ] 2, 2, 6, 6—テトラメ
チルピペリジン、 2—メチルー 2—(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ァミノ — N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2, 2 , 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テ トラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラ力 ルポキシレート等が挙げられる。
[0120] また、高分子タイプの化合物でもよぐ具体例としては、 N, Ν' , Ν , Ν ' —テ トラキスー [4, 6 ビス 〔ブチルー(Ν—メチルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルピベリジ ン— 4—ィル)ァミノ〕—トリァジン— 2—ィル]—4, 7 ジァザデカン— 1, 10 ジアミ ン、ジブチノレアミンと 1, 3, 5 トリアジンー Ν, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチノレ 4ーピペリジル)ー1, 6 へキサメチレンジァミンと Ν—(2, 2, 6, 6—テトラメチル 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合物、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリアジンと Ν, N' ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ブチルァミンとの重縮合 物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル)アミノー 1, 3, 5 トリアジン 2, 4 ジ ィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ィミノ }〕、 1, 6 へキサンジァミン一 Ν, N' —ビス (2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)とモルフォリン— 2, 4, 6 トリクロ口 1 , 3, 5 トリァジンとの重縮合物、ポリ [ (6 モルフォリノ s トリァジン— 2, 4 ジィ ル)〔(2, 2, 6, 6, —テトラメチル— 4 ピペリジル)ィミノ〕—へキサメチレン〔(2, 2, 6 , 6—テトラメチル— 4—ピペリジル)ィミノ〕]等の、ピぺリジン環がトリァジン骨格を介 して複数結合した高分子量 HALS ;コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6— テトラメチルー 1ーピペリジンエタノールとの重合物、 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボ ン酸と 1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピベリジノールと 3, 9 ビス(2 ヒドロキシ - 1, 1ージメチルェチル) 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカンとの 混合エステルイ匕物等の、ピぺリジン環がエステル結合を介して結合したィ匕合物等が 挙げられる力 これらに限定されるものではない。
[0121] これらの中でも、ジブチルァミンと 1, 3, 5 トリァジンと N, N' —ビス(2, 2, 6, 6 —テトラメチル一 4 ピペリジル)プチルァミンとの重縮合物、ポリ〔{ (1, 1, 3, 3—テト ラメチノレブチノレ)アミノー 1, 3, 5 トリアジンー 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメ
チル一 4 ピペリジル)イミノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリ ジル)イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 4ーヒドロキシ 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 1ーピ ペリジンエタノールとの重合物等で、数平均分子量(Mn)が 2, 000〜5, 000のもの が好ましい。
[0122] 上記タイプのヒンダードァミン化合物は、例えば、チノく'スペシャルティ'ケミカルズ 株式会社から、 "Tinuvinl44"及び" Tinuvin770"、株式会ネ: fcADEKAから" ADK STAB LA— 52"という商品名で市販されている。
[0123] (リン系化合物)
本発明において有用な酸ィ匕防止剤の一つとして、下記一般式 (C— 1)、(C— 2)、 ( C 3)、(C 4)、(C 5)で表される部分構造を分子内に有する化合物が好ましい
[0124] [化 13] 一般式 (C一 1 >
0— Ph,
/ I
O— Ph ,
[0125] 式中、 Ph及び Ρ は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (Α)の R 〜R
1 1 11 15 で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph及び P はフエ-レン基を表し
1 1
、該フヱ-レン基の水素原子はフ ニル基、炭素数 1〜8のアルキル基、炭素数 5〜8 のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基または炭素数 7〜 1 2のァラルキル基で置換されていてもよい。 Ph及び P は互いに同一でもよぐ異
1 1
なってもよい。 Xは単結合、硫黄原子または CHR—基を表す。 Rは水素原子、炭
6 6
素数 1〜8のアルキル基または炭素数 5〜8のシクロアルキル基を表す。また、これら は前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により置換されても
11 15
よい。
[0126] [化 14]
-般式 <C— 2)
O— Ph2
I
O— Ph '
[0127] 式中、 Ph及び P は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R
2 2 11 15 で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph及び P はフエ-ル基または
2 2
ビフエ-ル基を表し、該フエ-ル基またはビフエニル基の水素原子は炭素数 1〜8の アルキル基、炭素数 5〜8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアル キル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されていてもよい。 Ph及び P
2 2 は互いに同一でもよぐ異なってもよい。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R で
11 15 表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0128] [化 15]
[0129] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
3 11 15 置換基と同義である。より好ましくは、 Phはフエニル基またはビフエ-ル基を表し、該
3
フエニル基またはビフヱ-ル基の水素原子は炭素数 1〜8のアルキル基、炭素数 5〜 8のシクロアルキル基、炭素数 6〜 12のアルキルシクロアルキル基または炭素数 7〜 12のァラルキル基で置換されていてもよい。また、これらは前記一般式 (A)の R 〜R
11 で表される置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
15
[0131] 式中、 Phは置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の R 〜R で表される
4 11 15 置換基と同義である。より好ましくは、 Phは炭素数 1〜20のアルキル基またはフエ-
4
ル基を表し、該アルキル基またはフ 二ル基は前記一般式 (A)の R 〜R で表され
11 15 る置換基と同義の置換基により置換されてもよい。
[0132] [化 17]
[0133] 式中、 Ph、Ph' 及び Ph" は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (A)の
5 5 5
R 〜R で表される置換基と同義である。より好ましくは、 Ph、Ph^ 及び Phグ は炭
11 15 5 5 5 素数 1〜20のアルキル基またはフ -ル基を表し、該アルキル基またはフ -ル基 は前記一般式 (A)の R 〜R で表される置換基と同義の置換基により置換されても
11 15
よい。
[0134] リン系化合物の具体例としては、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ-ルイソデシルホス ファイト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル)ホスファイト、トリス( ジノ-ルフエ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチルフエ-ル)ホスファイト、 1 0— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒドロ一 9—ォキ サ一 10 ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 6— [3— (3— t—ブチル 4 ヒ ドロキシ 5 メチルフエ-ル)プロポキシ ] 2, 4, 8, 10—テトラー tーブチルジベン ズ [d, f] [l. 3. 2]ジォキサホスフエピン、トリデシルホスファイト等のモノホスファイト 系化合物; 4, 4' ーブチリデンービス(3—メチルー 6— t ブチルフエ-ルージートリ デシルホスフアイト)、 4, 4' —イソプロピリデン—ビス(フエ-ル―ジ—アルキル(C1
2〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;トリフエ-ルホスホナイト、テトラキ ス(2, 4 ジ— tert—ブチルフエ-ル) [1, 1—ビフエ-ル]— 4, 4' —ジィルビスホ スホナイト、テトラキス(2, 4 ジ tert ブチルー 5 メチルフエ-ル) [1, 1ービフエ -ル]—4, 4' —ジィルビスホスホナイト等のホスホナイト系化合物;トリフエ-ルホス フィナイト、 2, 6 ジメチルフエ-ルジフエ-ルホスフイナイト等のホスフィナイト系化 合物;トリフエ-ルホスフィン、トリス(2, 6 ジメトキシフエ-ル)ホスフィン等のホスフィ ン系化合物;等が挙げられる。
[0135] 上記タイプのリン系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、 "SumilizerGP", 株式会ネ: fcADEKAから ADK STAB PEP— 24G"、 "ADK STAB PEP— 36" 及び" ADK STAB 3010"、チノく'スペシャルティ'ケミカルズ株式会社から" IRG AFOS P— EPQ"、堺ィ匕学工業株式会社から" GSY— P101"という商品名で巿販 されている。
[0136] (ィォゥ系化合物)
本発明にお 、て有用な酸化防止剤の一つとして、下記一般式 (D)で表されるィォ ゥ系化合物が好ましい。
[0137] [化 18]
—般式 (D}
一 ¾一 ,
[0138] 式中、 R及び R は置換基を表す。置換基としては前記一般式 (Α)の R〜R で
31 32 11 15 表される置換基と同義である。
[0139] ィォゥ系化合物の具体例としては、ジラウリル 3, 3 チォジプロピオネート、ジミリス チル 3, 3' —チォジプロピオネート、ジステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ラウ リルステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキス(j8—ラ ゥリルーチォープロピオネート)、 3, 9 ビス(2 ドデシルチオェチル) 2, 4, 8, 1 0—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン等が挙げられる。
[0140] 上記タイプのィォゥ系化合物は、例えば、住友化学株式会社から、 "Sumilezer T
PL— R"及び" Sumilezer TP— D"という商品名で市販されている。
[0141] 酸ィ匕防止剤は、前述のセルロースエステル同様に、製造時力も持ち越される、或い は保存中に発生する残留酸、無機塩、有機低分子等の不純物を除去することが好ま しぐより好ましくは純度 99%以上である。残留酸及び水としては、 0. 01〜: LOOppm であることが好ましぐセルロースエステルを溶融製膜する上で、熱劣化を抑制でき、 製膜安定性、フィルムの光学物性、機械物性が向上する。
[0142] 本発明においては、これらの酸化防止剤は、榭脂に対して各々 0. 01〜10質量% 添加することが好ましぐ更に 0. 1〜5質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜2 質量%添加することが好ま U、。これらは 2種以上を併用してもょ 、。
[0143] 酸化防止剤の添加量が少な過ぎると溶融時に安定化作用が低いために、効果が 得られず、また添カ卩量が少な過ぎるとセルロースエステルへの相溶性の観点カゝらフィ ルムとしての透明性の低下を引き起こし、またフィルムが脆くなることがあるため好まし くない。
[0144] 《酸捕捉剤》
セルロースエステルは、溶融製膜が行われるような高温環境下では酸によっても分 解が促進されるため、本発明の光学フィルムにおいては安定化剤として酸捕捉剤を 含有することが好ましい。本発明において有用な酸捕捉剤としては、酸と反応して酸 を不活性ィ匕する化合物であれば制限なく用いることができるが、中でも米国特許第 4 , 137, 201号明細書に記載されているような、エポキシ基を有する化合物が好まし い。このような酸捕捉剤としてのエポキシィ匕合物は当該技術分野において既知であり 、種々のポリグリコールのジグリシジルエーテル、特にポリグリコール 1モル当たりに約 8〜40モルのエチレンォキシド等の縮合によって誘導されるポリグリコール、グリセ口 ールのジグリシジルエーテル等、金属エポキシ化合物(例えば、塩化ビュルポリマー 組成物において、及び塩ィ匕ビ二ルポリマー組成物と共に、従来から利用されているも の)、エポキシ化エーテル縮合生成物、ビスフエノール Aのジグリシジルエーテル(即 ち、 4, 4' ージヒドロキシジフエ-ルジメチルメタン)、エポキシ化不飽和脂肪酸エス テル(特に、 2〜22個の炭素原子の脂肪酸の 4〜2個程度の炭素原子のアルキルの エステル (例えば、ブチルエポキシステアレート)等)、及び種々のエポキシィ匕長鎖脂
肪酸トリグリセリド等 (例えば、エポキシィ匕大豆油、エポキシィ匕亜麻仁油等)の組成物 によって代表され例示され得るエポキシ化植物油及び他の不飽和天然油(これらは ときとしてエポキシィ匕天然グリセリドまたは不飽和脂肪酸と称され、これらの脂肪酸は 一般に 12〜22個の炭素原子を含有している)が含まれる。また、市販のエポキシ基 含有エポキシド榭脂化合物として、 EPON 815C、及び下記一般式 (E)の他のェポ キシィ匕エーテルオリゴマー縮合生成物も好ましく用いることができる。
[0146] 式中、 nは 0〜12の整数である。用いることができるその他の酸捕捉剤としては、特 開平 5— 194788号公報の段落 87〜105に記載されているものが含まれる。
[0147] 酸捕捉剤は 0. 1〜10質量%添加することが好ましぐ更に 0. 2〜5質量%添加す ることが好ましぐ更に 0. 5〜2質量%添加することが好ましい。これらは 2種以上を併 用してちょい。
[0148] なお酸捕捉剤は、榭脂に対して酸掃去剤、酸捕獲剤、酸キャッチャー等と称される こともあるが、本発明にお ヽてはこれらの呼称による差異なく用いることができる。
[0149] 《紫外線吸収剤》
紫外線吸収剤は、偏光子や表示装置の紫外線に対する劣化防止の観点から、波 長 370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長 400nm以上の可視光の吸収が少な 、ものが好ま 、。本発明に用いられる紫外線 吸収剤としては、例えば、ォキシベンゾフエノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合 物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフエノン系化合物、シァノアクリレート系化 合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等を挙げることができる力 ベンゾ フエノン系化合物や着色の少な 、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物
が好ましい。また、特開平 10— 182621号、同 8— 337574号公報記載の紫外線吸 収剤、特開平 6— 148430号、特開 2003— 1 13317号公報記載の高分子紫外線吸 収剤を用いてもよい。
[0150] ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例として、 2— (2' —ヒドロキシ一 5' - メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— tert— ブチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ—3' —tert—ブチルー 5 ' —メチルフエ-ル)ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ— 3' , 5' —ジ— ter t ブチルフエ-ル)ー5 クロ口べンゾトリアゾール、 2—(2' —ヒドロキシ 3' —( 3" , " , 5グ , Q" —テトラヒドロフタルイミドメチル) 5, —メチルフエニル)ベンゾ トリァゾール、 2, 2—メチレンビス(4— ( 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルブチル) 6— (2H —ベンゾトリアゾール 2—ィル)フエノール)、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' —tert— ブチル 5' —メチルフエ-ル)一 5 クロ口べンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキ シ—3' —tert—ブチルー 5' —(2—ォクチルォキシカルボ-ルェチル) フエ-ル )—5 クロ口べンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' — ( 1—メチル 1—フ ェ-ルェチル)—5' —( 1 , 1 , 3, 3, —テトラメチルブチル)—フエ-ル)ベンゾトリア ゾール、 2— (2H ベンゾトリアゾール—2—ィル)—6— (直鎖及び側鎖ドデシル) - 4—メチルフエノール、ォクチルー 3—〔3— tert—ブチル—4—ヒドロキシ— 5— (クロ 口— 2H—ベンゾトリアゾール— 2—ィル)フエニル〕プロピオネートと 2—ェチルへキシ ルー 3—〔3— tert—ブチル 4 ヒドロキシ一 5— (5 クロ口一 2H ベンゾトリァゾ 一ルー 2—ィル)フエ-ル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができる力 これら に限定されない。
[0151] また、市販品として、チヌビン (TINUVIN) 171、チヌビン (TINUVIN) 900、チヌ ビン(TINUVIN) 928、チヌビン(TINUVIN) 360 ( 、ずれもチノく'スペシャルティ · ケミカルズ社製)、 LA31 (株式会ネ: fcADEKA社製)、 RUVA— 100 (大塚化学製)が 挙げられる。
[0152] ベンゾフエノン系化合物の具体例として、 2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' —ジヒドロキシ一 4—メトキシベンゾフエノン、 2 ヒドロキシ一 4—メトキシ一 5—スルホ ベンゾフエノン、ビス(2 メトキシ 4 ヒドロキシ 5 ベンゾィルフエ-ルメタン)等
を挙げることができる力 S、これらに限定されるものではない。
[0153] 本発明においては、紫外線吸収剤は榭脂に対して 0. 1〜5質量%添加することが 好ましぐ更に 0. 2〜3質量%添加することが好ましぐ更に 0. 5〜2質量%添加する ことが好ましい。これらは 2種以上を併用してもよい。
[0154] またべンゾトリアゾール構造やトリァジン構造力 ポリマーの一部、或いは規則的に ポリマーへペンダントされていてもよぐ可塑剤、酸化防止剤、酸掃去剤等の他の添 加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0155] 従来公知の紫外線吸収性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、 RUVA
93 (大塚化学製)を単独重合させたポリマー及び RUVA— 93と他のモノマーとを 共重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、 RUVA—93とメチルメタクリレ ートを 3: 7の比(質量比)で共重合させた PUVA— 30M、 5: 5の比(質量比)で共重 合させた PUVA—50M等が挙げられる。更に、特開 2003— 113317号公報に記載 のポリマー等が挙げられる。
[0156] 《可塑剤》
本発明に係る光学フィルムの製造にぉ ヽては、フィルム成形材料中に少なくとも 1 種の可塑剤を添加することが好まし 、。
[0157] 可塑剤とは、一般的には高分子中に添加することによって脆弱性を改良したり、柔 軟性を付与したりする効果のある添加剤である力 例えば、本発明における好ましい 態様のセルロースエステルの場合、単独での溶融温度よりも溶融温度を低下させる ため、また同じ加熱温度にぉ 、てセルロース榭脂単独よりも可塑剤を含むフィルム構 成材料の溶融粘度を低下させるために、可塑剤を添加する。また、セルロースエステ ルの親水性を改善し、セルロースエステルフィルムの透湿度改善するためにも添加さ れるため透湿防止剤としての機能を有する。
[0158] ここで、フィルム構成材料の溶融温度とは、該材料が加熱され流動性が発現された 状態の温度を意味する。セルロースエステルを溶融流動させるためには、少なくとも ガラス転移温度よりも高い温度に加熱する必要がある。ガラス転移温度以上におい ては、熱量の吸収により弾性率或いは粘度が低下し、流動性が発現される。しかしセ ルロースエステルでは高温下では溶融と同時に熱分解によってセルロースエステル
の分子量の低下が発生し、得られるフィルムの力学特性等に悪影響を及ぼすことが あるため、なるべく低い温度でセルロースエステルを溶融させる必要がある。フィルム 構成材料の溶融温度を低下させるためには、セルロースエステルのガラス転移温度 よりも低い融点またはガラス転移温度をもつ可塑剤を添加することで達成することが できる。
[0159] 本発明に係るセルロースエステルフィルムは、可塑剤を好ましくは 1〜25質量%含 有することを特徴とするセルロースエステルフィルムである。 1質量%よりも少な 、と平 面性改善の効果が認められず、 25質量%よりも多いとブリードアウトが発生しやすく なり、フィルムの経時安定性が低下するために好ましくない。より好ましくは可塑剤を 3 〜20質量0 /0含有するセルロースエステルフィルムであり、更に好ましくは 5〜 15質量 %含有するセルロースエステルフィルムである。
[0160] 本発明においては、多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤 、多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤はセルロースエステ ルと親和性が高ぐ好ましい。
[0161] 本発明において好ましく用いられるエステル系可塑剤の原料である多価アルコー ルの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができる力 本発明はこれらに 限定されるものではない。アド-トール、ァラビトール、エチレングリコール、グリセリン 、ジグリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー ル、 1, 2 プロパンジオール、 1, 3 プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリ プロピレングリコール、 1, 2 ブタンジオール、 1, 3 ブタンジオール、 1, 4 ブタン ジオール、ジブチレングリコール、 1, 2, 4 ブタントリオール、 1, 5 ペンタンジォー ル、 1, 6 へキサンジオール、へキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、 3 ーメチルペンタン 1, 3, 5 トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプ ロノ ン、ジトリメチローノレプロパン、トリメチローノレエタン、ペンタエチスリトーノレ、ジペン タエリスリトール、キシリトール等を挙げることができる。特に、エチレングリコール、ダリ セリン、トリメチロールプロパンが好ましい。
[0162] 多価アルコールエステル系の一つであるエチレングリコールエステル系の可塑剤と しては、具体的には、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレ
ート等のエチレングリコールアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジシク 口プロピルカルボキシレート、エチレングリコールジシクロへキルカルボキシレート等 のエチレングリコールシクロアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジベン ゾエート、エチレングリコールジ 4ーメチノレべンゾエート等のエチレングリコーノレアリー ルエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキレート基、 ァリレート基は、同一でもあっても異なっていてもよぐ更に置換されていてもよい。ま たアルキレート基、シクロアルキレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置 換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にエチレングリコール部も置換されて いてもよぐエチレングリコールエステルの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則 的にペンダントされていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添 加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
多価アルコールエステル系の一つであるグリセリンエステル系の可塑剤としては、 具体的にはトリァセチン、トリブチリン、グリセリンジアセテートカプリレート、グリセリン ォレートプロピオネート等のグリセリンアルキルエステル、グリセリントリシクロプロピル カルボキシレート、グリセリントリシクロへキシルカルボキシレート等のグリセリンシクロ アルキルエステル、グリセリントリべンゾエート、グリセリン 4 メチルベンゾエート等の グリセリンァリーノレエステノレ、ジグリセリンテトラァセチレート、ジグリセリンテトラプロピ ォネート、ジグリセリンアセテートトリカプリレート、ジグリセリンテトララウレート、等のジ グリセリンアルキルエステル、ジグリセリンテトラシクロブチルカルボキシレート、ジグリ セリンテトラシクロペンチルカルボキシレート等のジグリセリンシクロアルキルエステル 、ジグリセリンテトラべンゾエート、ジグリセリン 3—メチルベンゾエート等のジグリセリン ァリールエステル等が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシ レート基、ァリレート基は同一でもあっても異なっていてもよぐ更に置換されていても よい。またアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミックス でもよぐまたこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。更にグリセリン、 ジグリセリン部も置換されていてもよぐグリセリンエステル、ジグリセリンエステルの部 分構造がポリマーの一部、或いは規則的にペンダントされていてもよぐまた酸化防 止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていても
よい。
[0164] その他の多価アルコールエステル系の可塑剤としては、具体的には特開 2003— 1 2823号公報の段落 30〜33記載の多価アルコールエステル系可塑剤が挙げられる
[0165] これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基は、同一で もあっても異なっていてもよく、更に置換されていてもよい。またアルキレート基、シク 口アルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置換基同 志が共有結合で結合して 、てもよ 、。更に多価アルコール部も置換されて 、てもよく 、多価アルコールの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則的にペンダントされて いてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一 部に導入されていてもよい。
[0166] 上記多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤の中では、アル キル多価アルコールァリールエステルが好ましぐ具体的には上記のエチレングリコ ールジベンゾエート、グリセリントリべンゾエート、ジグリセリンテトラべンゾエート、特開 2003— 12823号公報の段落 31記載例示化合物 16が挙げられる。
[0167] 多価カルボン酸エステル系の一つであるジカルボン酸エステル系の可塑剤として は、具体的には、ジドデシルマロネート、ジォクチルアジペート、ジブチルセバケート 等のアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロペンチルサクシネ ート、ジシクロへキシルアジ一ペート等のアルキルジカルボン酸シクロアルキルエステ ル系の可塑剤、ジフエ-ルサクシネート、ジ 4 メチルフエ-ルグルタレート等のアル キルジカルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、ジへキシルー 1, 4ーシクロへキサン ジカルボキシレート、ジデシルビシクロ [2. 2. 1]ヘプタン 2, 3 ジカルボキシレー ト等のシクロアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロへキシル
—1, 2—シクロブタンジカノレボキシレート、ジシクロプロピノレー 1, 2—シクロへキシル ジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸シクロアルキルエステル系の可 塑剤、ジフエ-ルー 1, 1ーシクロプロピルジカルボキシレート、ジ 2 ナフチルー 1, 4 ーシクロへキサンジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸ァリールエステ ル系の可塑剤、ジェチルフタレート、ジメチルフタレート、ジォクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジ 2—ェチルへキシルフタレート等のァリールジカルボン酸アルキ ルエステル系の可塑剤、ジシクロプロピルフタレート、ジシクロへキシルフタレート等の ァリールジカルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、ジフエ-ルフタレート、ジ 4 メチルフエ-ルフタレート等のァリールジカルボン酸ァリールエステル系の可塑剤 が挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコキシ基は、同一でもあっても異なつ ていてもよぐまた一置換でもよぐこれらの置換基は更に置換されていてもよい。ァ ルキル基、シクロアルキル基はミックスでもよぐまたこれら置換基同志が共有結合で 結合していてもよい。更にフタル酸の芳香環も置換されていてよぐダイマー、トリマー 、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸エステルの部分構造力 ポリマーの一 部、或いは規則的にポリマーへペンダントされていてもよぐ酸化防止剤、酸掃去剤、 紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
その他の多価カルボン酸エステル系の可塑剤としては、具体的にはトリドデシルトリ 力ルバレート、トリブチルー meso ブタン 1, 2, 3, 4ーテトラカルボキシレート等の アルキル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロへキシルトリ力ルバ レート、トリシクロプロピル一 2 ヒドロキシ一 1, 2, 3 プロパントリカルボキシレート等 のアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、トリフエ-ル 2—ヒド ロキシ 1, 2, 3 プロパントリカルボキシレート、テトラ 3 メチルフエ-ルテトラヒドロ フラン 2, 3, 4, 5—テトラカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸ァリールェ ステル系の可塑剤、テトラへキシルー 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボキシレー ト、テトラプチルー 1, 2, 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボキシレート等のシクロアル キル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、テトラシクロプロピル 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボキシレート、トリシクロへキシルー 1, 3, 5 シクロへキシ ルトリカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系 の可塑剤、トリフエ二ルー 1, 3, 5 シクロへキシルトリカルボキシレート、へキサ 4—メ チルフエ二ルー 1, 2, 3, 4, 5, 6 シクロへキシルへキサカルボキシレート等のシクロ アルキル多価カルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、トリドデシルベンゼン 1, 2 , 4 トリカルボキシレート、テトラオクチルベンゼン一 1, 2, 4, 5—テトラカルボキシレ ート等のァリール多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロペンチル
ベンゼン 1, 3, 5 トリカルボキシレート、テトラシクロへキシルベンゼン 1, 2, 3, 5—テトラカルボキシレート等のァリール多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の 可塑剤トリフエ-ルベンゼン 1, 3, 5—テトラカルボキシレート、へキサ 4ーメチルフ ェ-ルベンゼン 1, 2, 3, 4, 5, 6 へキサカルボキシレート等のァリール多価カル ボン酸ァリールエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコ キシ基は、同一でもあっても異なっていてもよぐまた 1置換でもよぐこれらの置換基 は更に置換されていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基はミックスでもよぐまた これら置換基同志が共有結合で結合して 、てもよ 、。更にフタル酸の芳香環も置換 されていてよぐダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸ェ ステルの部分構造がポリマーの一部、或いは規則的にポリマーへペンダントされてい てもよく、酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導 入されていてもよい。
[0169] 上記多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤の中では、アル キルジカルボン酸アルキルエステルが好ましく、具体的には上記のジォクチルアジべ ートが挙げられる。
[0170] 本発明に用いられるその他の可塑剤としては、燐酸エステル系可塑剤、炭水化物 エステル系可塑剤、ポリマー可塑剤等が挙げられる。
[0171] 燐酸エステル系の可塑剤としては、具体的には、トリァセチルホスフェート、トリブチ ルホスフェート等の燐酸アルキルエステル、トリシクロベンチルホスフェート、シクロへ キシルホスフェート等の燐酸シクロアルキルエステル、トリフエ-ルホスフェート、トリク レジノレホスフェート、クレジノレフエ-ノレホスフェート、オタチノレジフエ-ノレホスフェート、 ジフエ-ルビフエ-ノレホスフェート、トリオクチノレホスフェート、トリブチノレホスフェート、 トリナフチルホスフェート、トリキシリルォスフェート、トリスオルトービフエ-ルホスフエ ート等の燐酸ァリールエステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても異 なっていてもよく、更に置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、ァ リール基のミックスでもよぐまた置換基同志が共有結合で結合して 、てもよ 、。
[0172] また、エチレンビス(ジメチルホスフェート)、ブチレンビス(ジェチルホスフェート)等 のァノレキレンビス(ジァノレキノレホスフェート)、エチレンビス(ジフエ二ノレホスフェート)、
プロピレンビス(ジナフチルホスフェート)等のアルキレンビス(ジァリールホスフェート) 、フエ-レンビス(ジブチノレホスフェート)、ビフエ-レンビス(ジォクチノレホスフェート) 等のァリーレンビス(ジァノレキノレホスフェート;)、フエ二レンビス(ジフエ二ノレホスフェート )、ナフチレンビス(ジトルィルホスフェート)等のァリーレンビス(ジァリールホスフエ一 ト)等の燐酸エステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても異なっていて もよぐ更に置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基の ミックスでもよく、また置換基同志が共有結合で結合して 、てもよ 、。
[0173] 更に燐酸エステルの部分構造力 ポリマーの一部、或いは規則的にペンダントされ ていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の 一部に導入されていてもよい。上記化合物の中では、燐酸ァリールエステル、ァリー レンビス(ジァリールホスフェート)が好ましぐ具体的にはトリフエ-ルホスフェート、フ ェニレンビス(ジフエ-ルホスフェート)が好まし 、。
[0174] 次に、炭水化物エステル系可塑剤について説明する。炭水化物とは、糖類がピラノ ースまたはフラノース(6員環または 5員環)の形態で存在する単糖類、二糖類または 三糖類を意味する。炭水化物の非限定的例としては、グルコース、サッカロース、ラタ トース、セロビオース、マンノース、キシロース、リボース、ガラクトース、ァラビノース、 フルクトース、ソルボース、セロトリオース及びラフイノース等が挙げられる。炭水化物 エステルとは、炭水化物の水酸基とカルボン酸が脱水縮合してエステルイ匕合物を形 成したものを指し、詳しくは、炭水化物の脂肪族カルボン酸エステル、或いは芳香族 カルボン酸エステルを意味する。脂肪族カルボン酸として、例えば酢酸、プロピオン 酸等を挙げることができ、芳香族カルボン酸として、例えば安息香酸、トルィル酸、ァ ニス酸等を挙げることができる。炭水化物は、その種類に応じた水酸基の数を有する 力 水酸基の一部とカルボン酸が反応してエステル化合物を形成しても、水酸基の 全部とカルボン酸が反応してエステルイ匕合物を形成してもよ ヽ。本発明にお ヽては、 水酸基の全部とカルボン酸が反応してエステルイ匕合物を形成するのが好ましい。
[0175] 炭水化物エステル系可塑剤として、具体的には、グルコースペンタアセテート、ダル コースペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート、サッカロースォクタァセテ ート、サッカロースォクタべンゾエート等を好ましく挙げることができ、この内、サッカロ
ースォクタアセテート、サッカロースォクタべンゾエートがより好ましぐサッカロースォ クタべンゾエートが特に好まし 、。
これらの化合物の一例を下記に挙げる力 本発明はこれらに限定されるものではな い。
[0176] モノペット SB:第一工業製薬社製
モノペット SOA:第一工業製薬社製
ポリマー可塑剤としては、具体的には、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水 素系ポリマー、ポリアクリル酸ェチル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとメタ クリル酸 2 ヒドロキシェチルとの共重合体(例えば、共重合比1 : 99〜99 : 1の間 の任意の比率)等のアクリル系ポリマー、ポリビュルイソブチルエーテル、ポリ N ビ -ルピロリドン等のビュル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ 4ーヒドロキシスチレン等のス チレン系ポリマー、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ ンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレンォキシド、ポリプロピレンォキシド等の ポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレァ等が挙げられる。数平均分子量は 1 000〜500000程度力 S好まし <、特に好まし < ίま、 5000〜200000である。 1000以 下では揮発性に問題が生じ、 500000を超えると可塑ィ匕能力が低下し、セルロース エステルフィルムの機械的性質に悪影響を及ぼす。これらポリマー可塑剤は 1種の繰 り返し単位からなる単独重合体でも、複数の繰り返し構造体を有する共重合体でもよ い。また、上記ポリマーを 2種以上併用して用いてもよい。
[0177] その他の可塑剤の添力卩量はセルロースエステル 100質量部に対して、通常 0. 1〜 50質量部、好ましくは 1〜30質量部、更に好ましくは 3〜15質量部である。
[0178] 本発明に係るセルロースエステルフィルムにおいて、多価アルコールと 1価のカル ボン酸からなるエステル系可塑剤、多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエス テル系可塑剤を 1〜25質量%含有することが好ましいが、それ以外の可塑剤と併用 してちよい。
[0179] 本発明に係るセルロースエステルフィルムにおいて、多価アルコールと 1価のカル ボン酸力 なるエステル系可塑剤が更に好ましぐ 3価以上のアルコールと 1価の力 ルボン酸カゝらなるエステル系可塑剤がセルロースエステルに対する相溶性が高ぐ高
添加率で添加することができる特徴があるため、他の可塑剤や添加剤を併用しても ブリードアウトを発生することがなぐ必要に応じて他種の可塑剤や添加剤を容易に 併用することができるので最も好まし 、。
[0180] なお、本発明に係るセルロースエステルフィルムは、着色すると光学用途として影 響を与えるため、好ましくは黄色度 (イェローインデックス、 YI)が 3. 0以下、より好ま しくは 1. 0以下である。黄色度 ίお IS— K7103に基づいて測定することができる。
[0181] 《マット剤》
本発明に係る光学フィルムは、滑り性や光学的、機械的機能を付与するためにマツ ト剤を添加することができる。マット剤としては、無機化合物の微粒子または有機化合 物の微粒子が挙げられる。
[0182] マット剤の形状は、球状、棒状、針状、層状、平板状等の形状のものが好ましく用い られる。マット剤としては、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸ィ匕アルミニウム、 酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケィ酸カルシウム、水和ケ ィ酸カルシウム、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の金属 の酸化物、リン酸塩、ケィ酸塩、炭酸塩等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を挙げ ることができる。中でも、二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを低くできるので好ましい。 これらの微粒子は有機物により表面処理されていること力 フィルムのヘイズを低下 できるため好ましい。
[0183] 表面処理は、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサン等で行うこと が好ましい。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大きぐ反対に平均粒径 の小さい方は透明性に優れる。また、微粒子の一次粒子の平均粒径は 0. 01〜1. 0 μ mの範囲である。好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は 5〜50nmが好ましぐ 更に好ましくは、 7〜14nmである。これらの微粒子は、セルロースエステルフィルム 表面に 0. 01〜: L 0 mの凹凸を生成させるために好ましく用いられる。
[0184] 二酸化ケイ素の微粒子としては、 日本ァエロジル (株)製のァエロジル (AEROSIL ) 200、 200V、 300、 R972、 R972V、 R974、 R202、 R812、 0X50、 TT600、 NA X50等、 日本触媒 (株)製の KE— P10、 KE— P30、 KE— P100、 KE— P150等を 挙げることができ、好ましくはァエロジル 200V、 R972V、 NAX50、 KE— P30、 KE
— P100である。これらの微粒子は 2種以上併用してもよい。
[0185] 2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。平均粒径や 材質の異なる微粒子、例えば、ァエロジル 200Vと R972Vを質量比で 0. 1 : 99. 9〜
99. 9 : 0. 1の範囲で使用できる。
[0186] これらのマット剤の添加方法は混練する等によって行うことが好ましい。また、別の 形態として予め溶媒に分散したマット剤と榭脂及び Zまたは可塑剤及び Zまたは酸 化防止剤及び Zまたは紫外線吸収剤を混合分散させた後、溶媒を揮発または沈殿 させた固形物を得て、これを榭脂溶融物の製造過程で用いることが、マット剤が榭脂 中で均一に分散できる観点から好ましい。
[0187] 上記マット剤は、フィルムの機械的、電気的、光学的特性改善のために添加するこ とちでさる。
[0188] なお、これらの微粒子を添加するほど、得られるフィルムの滑り性は向上する力 添 加するほどヘイズが上昇するため、含有量は好ましくは榭脂に対して 0. 001〜5質 量%が好ましぐより好ましくは 0. 005〜1質量%であり、更に好ましくは 0. 01〜0. 5質量%である。
[0189] なお、本発明に係る光学フィルムとしては、ヘイズ値が 1. 0%を超えると光学用材 料として影響を与えるため、好ましくはヘイズ値は 1. 0%未満、より好ましくは 0. 5% 未満である。ヘイズ値 ίお IS— K7136に基づいて測定することができる。
[0190] フィルム構成材料は溶融及び製膜工程にお!ヽて、揮発成分が少な!/ヽまたは発生し ないことが求められる。これは加熱溶融時に発泡して、フィルム内部の欠陥やフィル ム表面の平面性劣化を削減または回避するためである。
[0191] フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は、 1質量%以下、好まし くは 0. 5質量%以下、更に好ましくは 0. 2質量%以下、さらにより好ましくは 0. 1質量 %以下であることが望まれる。本発明においては、示差熱重量測定装置 (セイコー電 子工業社製 TGZDTA200)を用いて、 30°Cから 250°Cまでの加熱減量を求め、そ の量を揮発成分の含有量として!、る。
[0192] 用いるフィルム構成材料は、前記水分や前記溶媒等に代表される揮発成分を、製 膜する前に、または加熱時に除去することが好ましい。除去する方法は、公知の乾燥
方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法で行うことができ、空気中ま たは不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で行ってもょ 、。これらの公知の乾燥 方法を行うとき、フィルム構成材料が分解しない温度領域で行うことがフィルムの品質 上好ましい。
[0193] 製膜前に乾燥することにより、揮発成分の発生を削減することができ、榭脂単独、ま たは樹脂とフィルム構成材料の内、榭脂以外の少なくとも 1種以上の混合物または相 溶物に分割して乾燥することもできる。乾燥温度は 70°C以上が好ましい。乾燥する 材料にガラス転移温度を有する物が存在するときには、そのガラス転移温度よりも高 い乾燥温度に加熱すると、材料が融着して取り扱いが困難になることがあるので、乾 燥温度は、ガラス転移温度以下であることが好ましい。複数の物質がガラス転移温度 を有する場合は、ガラス転移温度が低い方のガラス転移温度を基準とする。より好ま しくは 70°C以上、(ガラス転移温度— 5)°C以下、更に好ましくは 110°C以上、(ガラス 転移温度— 20) °C以下である。乾燥時間は、好ましくは 0. 5〜24時間、より好ましく は 1〜18時間、更に好ましくは 1. 5〜12時間である。乾燥温度が低くなり過ぎると揮 発成分の除去率が低くなり、また乾燥するのに時間にかかり過ぎることになる。また、 乾燥工程は 2段階以上にわけてもよぐ例えば、乾燥工程が、材料の保管のための 予備乾燥工程と、製膜する直前〜 1週間前の間に行う直前乾燥工程を含むものであ つてもよい。
[0194] 《溶融流延法》
本発明の好まし 、態様であるセルロースエステルを有してなる光学フィルムは、前 述のように溶融流延によって製造することが好ま 、。溶液流延法にぉ 、て用いられ る溶媒 (例えば塩化メチレン等)を用いずに、加熱溶融する溶融流延による成形法は 、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法 、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面 精度等に優れる偏光板保護フィルムを得るためには、溶融押し出し法が優れて 、る
[0195] 以下、溶融押し出し法を例にとり、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方 法について説明する。
[0196] 図 1は、本発明に係るセルロースエステルフィルムの製造方法を実施する装置の全 体構成を示す概略フローシートであり、図 2は、流延ダイカゝら冷却ロール部分の拡大 図である。
[0197] 図 1と図 2において、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セル ロース榭脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機 1を用いて、流延ダイ 4から第 1 冷却ロール 5上に溶融押し出し、第 1冷却ロール 5に外接させるとともに、更に、第 2 冷却ロール 7、第 3冷却ロール 8の合計 3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固 化してフィルム 10とする。次いで、剥離ロール 9によって剥離したフィルム 10を、次い で延伸装置 12によりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、卷取り装置 1 6により巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第 1冷却ロール 5表 面に挟圧するタツチロール 6が設けられて!/、る。このタツチロール 6は表面が弾性を有 し、第 1冷却ロール 5との間で-ップを形成している。タツチロール 6についての詳細 は後述する。
[0198] 本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法にぉ 、て、溶融押し出しの条 件は、他のポリエステル等の熱可塑性榭脂に用いられる条件と同様にして行うことが できる。材料は予め乾燥させておくことが好ましい。真空または減圧乾燥機や除湿熱 風乾燥機等で水分を lOOOppm以下、好ましくは 200ppm以下に乾燥させることが 望ましい。
[0199] 例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステル系榭脂を押出し 機 1を用いて、押し出し温度 200〜300°C程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィ ルター 2等で濾過し、異物を除去する。
[0200] 供給ホッパー(図示略)から押出し機 1へ導入する際は、真空下または減圧下ゃ不 活性ガス雰囲気下にして、酸ィ匕分解等を防止することが好ましい。
[0201] 可塑剤等の添加剤を予め混合しない場合は、それらを押出し機の途中で練り込ん でもよい。均一に添加するために、スタチックミキサー 3等の混合装置を用いることが 好ましい。
[0202] 本発明において、セルロースエステル系榭脂と、その他必要により添加される安定 ィ匕剤等の添加剤は、溶融する前に混合しておくことが好ましぐセルロースエステル
系榭脂と添加剤を加熱前に混合することが更に好ましい。混合は、混合機等により行 つてもよく、また、前記したようにセルロース榭脂調製過程において混合してもよい。 混合機を使用する場合は、 V型混合機、円錐スクリュー型混合機、水平円筒型混合 機等、ヘンシェルミキサー、リボンミキサ一一般的な混合機を用いることができる。
[0203] 上記のようにフィルム構成材料を混合した後に、その混合物を押出し機 1を用いて 直接溶融して製膜するようにしてもよいが、一旦、フィルム構成材料をペレツトイ匕した 後、該ペレットを押出し機 1で溶融して製膜するようにしてもよい。また、フィルム構成 材料が、融点の異なる複数の材料を含む場合には、融点の低い材料のみが溶融す る温度で一旦、いわゆるおこし状の半溶融物を作製し、半溶融物を押出し機 1に投 入して製膜することも可能である。フィルム構成材料に熱分解しやす ヽ材料が含まれ る場合には、溶融回数を減らす目的で、ペレットを作製せずに直接製膜する方法や 、上記のようなおこし状の半溶融物を作って力 製膜する方法が好ま 、。
[0204] 押出し機 1は、市場で入手可能な種々の押出し機を使用可能であるが、溶融混練 押出し機が好ましぐ単軸押出し機でも 2軸押出し機でもよい。フィルム構成材料から ペレットを作製せずに、直接製膜を行う場合、適当な混練度が必要であるため 2軸押 出し機を用いることが好ましいが、単軸押出し機でも、スクリューの形状をマドック型、 ュニメルト型、ダルメージ等の混練型のスクリューに変更することにより、適度の混練 が得られるので、使用可能である。フィルム構成材料として、ー且、ペレットやおこし 状の半溶融物を使用する場合は、単軸押出し機でも 2軸押出し機でも使用可能であ る。
[0205] 押出し機 1内及び押し出した後の冷却工程は、窒素ガス等の不活性ガスで置換す る力、或いは減圧することにより、酸素の濃度を下げることが好ましい。
[0206] 押出し機 1内のフィルム構成材料の溶融温度は、フィルム構成材料の粘度や吐出 量、製造するシートの厚み等によって好ましい条件が異なる力 一般的には、フィル ムのガラス転移温度 Tgに対して、 Tg以上、 Tg+ 100°C以下、好ましくは Tg+ 10°C 以上、 Tg + 90°C以下である。押し出し時の溶融粘度は、 10〜: LOOOOOボイズ、好ま しくは 100〜10000ボイズである。また、押出し機 1内でのフィルム構成材料の滞留 時間は短い方が好ましぐ 5分以内、好ましくは 3分以内、より好ましくは 2分以内であ
る。滞留時間は、押出し機 1の種類、押し出す条件にも左右されるが、材料の供給量 や LZD、スクリュー回転数、スクリューの溝の深さ等を調整することにより短縮するこ とが可能である。
[0207] 押出し機 1のスクリューの形状や回転数等は、フィルム構成材料の粘度や吐出量等 により適宜選択される。本発明において押出し機 1でのせん断速度は、 1/秒〜 100 ooZ秒、好ましくは 5Z秒〜 loooZ秒、より好ましくは 10Z秒〜 looZ秒である。
[0208] 本発明に使用できる押出し機 1としては、一般的にプラスチック成形機として入手可 能である。
[0209] 押出し機 1から押し出されたフィルム構成材料は、流延ダイ 4に送られ、流延ダイ 4 のスリットからフィルム状に押し出される。流延ダイ 4はシートやフィルムを製造するた めに用いられるものであれば特に限定はされない。流延ダイ 4の材質としては、ハー ドクロム、炭化クロム、窒化クロム、炭化チタン、炭窒化チタン、窒化チタン、超鋼、セ ラミック (タングステンカーバイド、酸化アルミ、酸ィ匕クロム)等を溶射もしくはメツキし、 表面カ卩ェとしてパフ、 # 1000番手以降の砲石を用いるラッピング、 # 1000番手以 上のダイヤモンド砲石を用 、る平面切削(切削方向は榭脂の流れ方向に垂直な方向 )、電解研磨、電解複合研磨等の加工を施したもの等が挙げられる。流延ダイ 4のリツ プ部の好ましい材質は、流延ダイ 4と同様である。またリップ部の表面精度は 0. 5S以 下が好ましぐ 0. 2S以下がより好ましい。
[0210] この流延ダイ 4のスリットは、そのギャップが調整可能なように構成されている。これ を図 3に示す。流延ダイ 4のスリット 32を形成する一対のリップのうち、一方は剛性の 低い変形しやすいフレキシブルリップ 33であり、他方は固定リップ 34である。そして、 多数のヒートボルト 35が流延ダイ 4の幅方向すなわちスリット 32の長さ方向に一定ピ ツチで配列されている。各ヒートボルト 5には、埋め込み電気ヒータ 37と冷却媒体通 路とを具えたブロック 36が設けられ、各ヒートボルト 35が各ブロック 36を縦に貫通して いる。ヒートボルト 35の基部はダイ本体 31に固定され、先端はフレキシブルリップ 33 の外面に当接している。そしてブロック 36を常時空冷しながら、埋め込み電気ヒータ 37の入力を増減してブロック 36の温度を上下させ、これによりヒートボルト 35を熱伸 縮させて、フレキシブルリップ 33を変位させてフィルムの厚さを調整する。ダイ後流の
所要箇所に厚さ計を設け、これによつて検出されたウェブ厚さ情報を制御装置にフィ ードバックし、この厚さ情報を制御装置で設定厚み情報と比較し、同装置から来る補 正制御量の信号によってヒートボルトの発熱体の電力またはオン率を制御するように することもできる。ヒートボルトは、好ましくは、長さ 20〜40cm、直径 7〜14mmを有 し、複数、例えば数十本のヒートボルトが、好ましくはピッチ 20〜40mmで配列されて いる。ヒートボルトの代わりに、手動で軸方向に前後動させることによりスリットギャップ を調節するボルトを主体とするギャップ調節部材を設けてもょ 、。ギャップ調節部材 によって調節されたスリットギャップは、通常 200〜1000 μ m、好ましくは 300〜800 μ m、より好ましくは 400〜600 μ mである。
[0211] 第 1〜第 3冷却ロールは、肉厚が 20〜30mm程度のシームレスな鋼管製で、表面 が鏡面に仕上げられている。その内部には、冷却液を流す配管が配置されており、 配管を流れる冷却液によってロール上のフィルム力 熱を吸収できるように構成され ている。この第 1乃至第 3冷却ロールの内、第 1冷却ロール 5が本発明の回転支持体 に相当する。
[0212] 一方、第 1冷却ロール 5に当接するタツチロール 6は、表面が弾性を有し、第 1冷却 ロール 5への押圧力によって第 1冷却ロール 5の表面に沿って変形し、第 1ロール 5と の間に-ップを形成する。すなわち、タツチロール 6が本発明の挟圧回転体に相当す る。
[0213] 図 4に、タツチロール 6の一実施形態(以下、タツチロール A)の概略断面を示す。図 に示すように、タツチロール Aは、可撓性の金属スリーブ 41の内部に弾性ローラ 42を 配したものである。
[0214] 金属スリーブ 41は厚さ 0. 3mmのステンレス製であり、可撓性を有する。金属スリー ブ 41が薄過ぎると強度が不足し、逆に厚過ぎると弾性が不足する。これらのこと力 、 金属スリーブ 41の厚さとしては、 0. 1〜1. 5mmが好ましい。弾性ローラ 42は、軸受 を介して回転自在な金属製の内筒 43の表面にゴム 44を設けてロール状としたもの である。そして、タツチロール Aが第 1冷却ロール 5に向けて押圧されると、弾性ローラ 42が金属スリーブ 41を第 1冷却ロール 5に押しつけ、金属スリープ 41及び弾性ロー ラ 42は第 1冷却ロール 5の形状になじんだ形状に対応しつつ変形し、第 1冷却ロー
ルとの間に-ップを形成する。金属スリーブ 41の内部で弾性ローラ 42との間に形成 される空間には、冷却水 45が流される。
[0215] 図 5、図 6は挟圧回転体の別の実施形態であるタツチロール Bを示している。タツチ ロール Bは、可撓性を有する、シームレスなステンレス鋼管製 (厚さ 4mm)の外筒 51 と、この外筒 51の内側に同一軸心状に配置された高剛性の金属内筒 52とから概略 構成されている。外筒 51と内筒 52との間の空間 53には、冷却液 54が流される。詳し くは、タツチロール Bは、両端の回転軸 55a、 55bに外筒支持フランジ 56a、 56bが取 付けられ、これら両外筒支持フランジ 56a、 56bの外周部間に薄肉金属外筒 51が取 付けられている。また、一方の回転軸 55aの軸心部に形成されて流体戻り通路 57を 形成する流体排出孔 58内に、流体供給管 59が同一軸心状に配設され、この流体供 給管 59が薄肉金属外筒 51内の軸心部に配置された流体軸筒 60に接続固定されて いる。この流体軸筒 60の両端部に内筒支持フランジ 61a、 61bがそれぞれ取り付け られ、これら内筒支持フランジ 61a、 61bの外周部間から他端側外筒支持フランジ 56 bにわたつて約 15〜20mm程度の肉厚を有する金属内筒 52が取付けられている。 そしてこの金属内筒 52と薄肉金属外筒 51との間に、例えば 10mm程度の冷却液の 流送空間 53が形成され、また金属内筒 52に両端部近傍には、流送空間 53と内筒 支持フランジ 61a、 61b外側の中間通路 62a、 62bとを連通する流出口 52a及び流入 口 52bがそれぞれ形成されて!、る。
[0216] また、外筒 51は、ゴム弾性に近い柔軟性と可撓性、復元性をもたせるために、弾性 力学の薄肉円筒理論が適用できる範囲内で薄肉化が図られている。この薄肉円筒 理論で評価される可撓性は、肉厚 tZロール半径 rで表されており、 tZrが小さいほど 可撓性が高まる。このタツチロール Bでは tZr≤0. 03の場合に可撓性が最適の条件 となる。通常、一般的に使用されているタツチロールは、ロール径 R= 200〜500mm (ロール半径 r=RZ2)、ロール有効幅1^ = 500〜1600111111で、 r/L< 1で横長の形 状である。そして図 6に示すように、例えばロール径 R= 300mm、ロール有効幅 L= 1200mmの場合、肉厚 tの適正範囲は 150 X 0. 03=4. 5mm以下である力 溶融 シート幅を 1300mmに対して平均線圧を 98NZcmで挟圧する場合、同一形状のゴ ムロールと比較して、外筒 51の肉厚を 3mmとすることで相当ばね定数も等しぐ外筒
51と冷却ロールとの-ップのロール回転方向の-ップ幅 kも約 9mmで、このゴムロー ルの-ップ幅約 12mmとほぼ近 、値を示し、同じような条件下で挟圧できることが分 力る。なお、この-ップ幅 kにおけるたわみ量は 0. 05〜0. 1mm程度である。
[0217] ここで、 tZr≤0. 03とした力 一般的なロール径 R= 200〜500mmの場合では、 特に 2mm≤t≤5mmの範囲とすると、可撓性も十分に得られ、また機械加工による 薄肉ィヒも容易に実施でき、極めて実用的な範囲となる。肉厚が 2mm以下ではカロェ 時の弾性変形で高精度な加工ができな 、。
[0218] この 2mm≤t≤ 5mmの換算値は、一般的なロール径に対して 0. 008≤t/r≤0.
05となる力 実用にあたっては tZr^O. 03の条件下でロール径に比例して肉厚も 大きくするとよい。例えばロール径: R= 200では t = 2〜3mm、ロール径: R= 500で は t = 4〜 5mmの範囲で選択する。
[0219] このタツチロール A、 Bは不図示の付勢手段により第 1冷却ロールに向けて付勢さ れる。その付勢手段の付勢力を F、 -ップにおけるフィルムの、第 1冷却ロール 5の回 転軸に沿った方向の幅 Wを除した値 FZW (線圧)は、 9. 8〜147NZcmに設定さ れる。本実施の形態によれば、タツチロール A、 Bと第 1冷却ロール 5との間に-ップ が形成され、当該二ップをフィルムが通過する間に平面性を矯正すればよい。従って 、タツチロールが剛体で構成され、第 1冷却ロールとの間に-ップが形成されない場 合と比べて、小さい線圧で長時間かけてフィルムを挟圧するので、平面性をより確実 に矯正することができる。すなわち、線圧が 9. 8NZcmよりも小さいと、ダイラインを 十分に解消することができなくなる。逆に、線圧が 147NZcmよりも大きいと、フィル ムが-ップを通過しにくくなり、フィルムの厚さにかえってムラができてしまう。
[0220] また、タツチロール A、 Bの表面を金属で構成することにより、タツチロールの表面が ゴムである場合よりもタツチロール A、 Bの表面を平滑にすることができるので、平滑 性の高いフィルムを得ることができる。なお、弾性ローラ 42の弾性体 44の材質として は、エチレンプロピレンゴム、ネオプレンゴム、シリコンゴム等を用いることができる。
[0221] さて、タツチロール 6によってダイラインを良好に解消するためには、タツチロール 6 力 Sフィルムを挟圧するときのフィルムの粘度が適切な範囲であることが重要となる。ま た、セルロースエステルは温度による粘度の変化が比較的大きいことが知られている
。従って、タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときの粘度を適切 な範囲に設定するためには、タツチロール 6がセルロースフィルムを挟圧するときのフ イルムの温度を適切な範囲に設定することが重要となる。そして本発明者は、セル口 ースエステルフィルムのガラス転移温度を Tgとしたとき、フィルムがタツチロール 6に 挟圧される直前のフィルムの温度 Tを、 Tg<T<Tg+ 110°Cを満たすように設定す ればよ 、ことを見出した。フィルム温度 Tが Tgよりも低 、とフィルムの粘度が高過ぎて 、ダイラインを矯正できなくなる。逆に、フィルムの温度 Tが Tg+ 110°Cよりも高いと、 フィルム表面とロールが均一に接着せず、やはりダイラインを矯正することができない
。好ましくは丁8+ 10で<丁2<丁8 + 90で、更に好ましくは Tg + 20°C<T2く Tg + 7 0°Cである。タツチロール 6がセルロースエステルフィルムを挟圧するときのフィルムの 温度を適切な範囲に設定するには、流延ダイ 4から押し出された溶融物が第 1冷却口 ール 5に接触する位置 P1から第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ップの、第 1冷 却ロール 5の回転方向に沿った長さ Lを調整すればよ!、。
[0222] 本発明において、第 1ロール 5、第 2ロール 6に好ましい材質は、炭素鋼、ステンレス 鋼、榭脂、等が挙げられる。また、表面精度は高くすることが好ましく表面粗さとして 0 . 3S以下、より好ましくは 0. 01S以下とする。
[0223] 本発明においては、流延ダイ 4の開口部(リップ)から第 1ロール 5までの部分を 70k Pa以下に減圧させることにより、上記、ダイラインの矯正効果がより大きく発現するこ とを発見した。好ましくは減圧は 50〜70kPaである。流延ダイ 4の開口部(リップ)から 第 1口ール 5までの部分の圧力を 70kPa以下に保つ方法としては、特に制限はな ヽ 力 流延ダイ 4力 ロール周辺を耐圧部材で覆い、減圧する等の方法がある。このと き、吸引装置は、装置自体が昇華物の付着場所にならないようヒーターで加熱する 等の処置を施すことが好ましい。本発明では、吸引圧が小さ過ぎると昇華物を効果的 に吸引できないため、適当な吸引圧とする必要がある。
[0224] 本発明にお 、て、 Tダイ 4から溶融状態のフィルム状のセルロースエステル系榭脂 を、第 1ロール (第 1冷却ロール) 5、第 2冷却ロール 7、及び第 3冷却ロール 8に順次 密着させて搬送しながら冷却固化させ、未延伸のセルロースエステル系榭脂フィルム 10を得る。
[0225] 図 1に示す本発明の実施形態では、第 3冷却ロール 8から剥離ロール 9によって剥 離した冷却固化された未延伸のフィルム 10は、ダンサーロール (フィルム張力調整口 ール) 11を経て延伸機 12に導き、そこでフィルム 10を横方向(幅方向)に延伸する。 この延伸により、フィルム中の分子が配向される。
[0226] フィルムを幅方向に延伸する方法は、公知のテンター等を好ましく用いることができ る。特に延伸方向を幅方向とすることで、偏光フィルムとの積層がロール形態で実施 できるので好ましい。幅方向に延伸することで、セルロースエステル系榭脂フィルムか らなるセルロースエステルフィルムの遅相軸は幅方向になる。
[0227] 一方、偏光フィルムの透過軸も、通常、幅方向である。偏光フィルムの透過軸と光 学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込 むことで、液晶表示装置の表示コントラストを高くすることができるとともに、良好な視 野角が得られるのである。
[0228] フィルム構成材料のガラス転移温度 Tgはフィルムを構成する材料種及び構成する 材料の比率を異ならしめることにより制御できる。セルロースエステルフィルムとして位 相差フィルムを作製する場合、 Tgは 120°C以上、好ましくは 135°C以上とすることが 好ましい。液晶表示装置においては、画像の表示状態において、装置自身の温度 上昇、例えば光源由来の温度上昇によってフィルムの温度環境が変化する。このとき フィルムの使用環境温度よりもフィルムの Tgが低いと、延伸によってフィルム内部に 固定された分子の配向状態に由来するリタデーシヨン値及びフィルムとしての寸法形 状に大きな変化を与えることとなる。フィルムの Tgが高過ぎると、フィルム構成材料を フィルム化するとき温度が高くなるために加熱するエネルギー消費が高くなり、またフ イルム化するときの材料自身の分解、それによる着色が生じることがあり、従って、 Tg は 250°C以下が好ましい。
[0229] また延伸工程には公知の熱固定条件、冷却、緩和処理を行ってもよぐ目的とする 光学フィルムに要求される特性を有するように適宜調整すればよ!、。
[0230] 位相フィルムの物性と液晶表示装置の視野角拡大のための位相フィルムの機能付 与するために、上記延伸工程、熱固定処理は適宜選択して行われている。このような 延伸工程、熱固定処理を含む場合、加熱加圧工程は、それらの延伸工程、熱固定
処理の前に行うようにする。
[0231] セルロースエステルフィルムとして位相差フィルムを製造し、更に偏光板保護フィル ムの機能を複合させる場合、屈折率制御を行う必要が生じるが、その屈折率制御は 延伸操作により行うことが可能であり、また延伸操作が好ましい方法である。以下、そ の延伸方法にっ 、て説明する。
[0232] 位相差フィルムの延伸工程において、セルロース榭脂の 1方向に 1. 0〜2. 0倍及 びフィルム面内にそれと直交する方向に 1. 01-2. 5倍延伸することで、必要とされ るリタデーシヨン Ro及び Rtを制御することができる。ここで、 Roとは面内リタデーショ ンを示し、 Rtとは厚み方向リタデーシヨンを示す。
[0233] リタデーシヨン Ro、 Rtは下記式により求められる。
[0234] 式(i) Ro= (nx-ny) X d
式(ii) Rt= ( (nx+ny) /2-nz) X d
(式中、 nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、 nyはフィルム面内の進相軸方向 の屈折率、 nzはフィルムの厚み方向の屈折率 (屈折率は 23°C、 55%RHの環境下、 波長 590nmで測定)、 dはフィルムの厚さ(nm)を表す。 )
光学フィルムの屈折率は、アッベ屈折率計 (4T)を用いて、フィルムの厚さは市販の マイクロメーターを用いて、リタデーシヨン値は、自動複屈折計 KOBRA— 21ADH ( 王子計測機器 (株)製)等を用いて、各々測定することが出来る。
[0235] 延伸は、例えばフィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち 幅方向に対して、逐次または同時に行うことができる。このとき少なくとも 1方向に対し ての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難とな りフィルム破断が発生してしまう場合がある。
[0236] 例えば溶融流延方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、 nzの値が大 きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を抑制、或いは幅方向にも延伸す ることで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅方向で屈折率に分布が生じることが ある。この分布は、テンター法を用いた場合に現れることがあり、フィルムを幅方向に 延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定されていることにより 生じる現象で、いわゆるボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。この場合でも、
流延方向に延伸することで、ボーイング現象を抑制でき、幅方向の位相差の分布を 少なくできる。
[0237] 互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変動が減 少できる。位相差フィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のムラとなり、液晶ディス プレイに用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0238] セルロースエステルフィルムの膜厚変動は、 ±3%、更に ± 1%の範囲とすることが 好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2軸方向に延伸する方法は 有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流延方向 に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とすることが好ましぐ流延方向に 1. 01〜: L 5倍、幅方向に 1. 05〜2. 0倍に範囲で行うことが必要とされるリタデーシ ヨン値を得るためにより好ま ヽ。
[0239] 長手方向に偏光子の吸収軸が存在する場合、幅方向に偏光子の透過軸が一致す ることになる。長尺状の偏光板を得るためには、位相差フィルムは、幅方向に遅相軸 を得るように延伸することが好ま U、。
[0240] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、上述の構成か ら、幅方向に延伸することで、位相差フィルムの遅相軸が幅方向に付与することがで きる。この場合、表示品質の向上のためには、位相差フィルムの遅相軸力 幅方向に あるほうが好ましぐ目的とするリタデーシヨン値を得るためには、
式、(幅方向の延伸倍率) > (流延方向の延伸倍率)
の条件を満たすことが必要である。
[0241] 延伸後、フィルムの端部をスリツター 13により製品となる幅にスリットして裁ち落とし た後、エンボスリング 14及びバックロール 15よりなるナールカ卩ェ装置によりナールカ口 ェ (ェンボッシンダカ卩ェ)をフィルム両端部に施し、卷取り機 16によって巻き取ること により、セルロースエステルフィルム (元巻き) F中の貼り付きや、すり傷の発生を防止 する。ナールカ卩ェの方法は、凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱やカロ 圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、 変形しており、フィルム製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用 される。
[0242] 次に、フィルムの卷取り工程は、円筒形巻きフィルムの外周面とこれの直前の移動 式搬送ロールの外周面との間の最短距離を一定に保持しながらフィルムを卷取り口 一ルに卷き取るものである。かつ卷取りロールの手前には、フィルムの表面電位を除 去または低減する除電ブロア等の手段が設けられている。
[0243] 本発明に係る光学フィルムの製造に係わる巻き取り機は一般的に使用されているも のでよぐ定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプロ グラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。なお、偏光 板保護フィルムの卷取り時の初期卷取り張力が 90. 2-300. 8NZmであるのが好 ましい。
[0244] 本発明の方法におけるフィルムの巻き取り工程では、温度 20〜30°C、湿度 20〜6 0%RHの環境条件にて、フィルムを巻き取ることが好ましい。このように、フィルムの 巻き取り工程での温度及び湿度を規定することにより、厚み方向リタデーシヨン (Rt) の湿度変化の耐性が向上する。
[0245] 巻き取り工程における温度が 20°C未満であれば、シヮが発生し、フィルム卷品質劣 化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取り工程における温度 が 30°Cを超えると、やはりシヮが発生し、フィルム卷品質劣化のため実用に耐えない ので、好ましくない。
[0246] また、フィルムの巻き取り工程における湿度が 20%RH未満であれば、帯電しやす ぐフィルム卷品質劣化のため実用に耐えないので、好ましくない。フィルムの巻き取 り工程における湿度が 60%RHを超えると、卷品質、貼り付き故障、搬送性が劣化す るので、好ましくない。
[0247] 偏光板保護フィルムをロール状に巻き取る際の、巻きコアとしては、円筒上のコアで あれは、どのような材質のものであってもよいが、好ましくは中空プラスチックコアであ り、プラスチック材料としては加熱処理温度にも耐える耐熱性プラスチックであればど のようなものであってもよぐフエノール榭脂、キシレン榭脂、メラミン榭脂、ポリエステ ル榭脂、エポキシ榭脂等の樹脂が挙げられる。またガラス繊維等の充填材により強化 した熱硬化性榭脂が好ましい。例えば、中空プラスチックコア: FRP製の外径 6インチ (以下、インチは 2. 54cmを表す。)、内径 5インチの巻きコアが用いられる。
[0248] これらの巻きコアへの巻き数は、 100巻き以上であることが好ましぐ 500巻き以上 であることが更に好ましぐ巻き厚は 5cm以上であることが好ましぐフィルム基材の幅 は 80cm以上であることが好ましぐ lm以上であることが特に好ましい。
[0249] 本発明に係る光学フィルムの膜の厚さは、使用目的によって異なる力 仕上がりフィ ノレムとして、 10〜500 μ 111カ 子まし!/ヽ。特に、下限は 20 μ m以上、好ましくは 35 μ m 以上である。上限は 150 μ m以下、好ましくは 120 μ m以下である。特に好ましい範 囲は 25〜90 mである。位相差フィルムが偏光板保護フィルムを兼ねる場合、フィ ルムが厚いと、偏光板加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノート型パソコンゃモパイル 型電子機器に用いる液晶表示においては、特に薄型軽量の目的に適さない。一方、 フィルムが薄いと、位相差フィルムとしてのリタデーシヨンの発現が困難となり、加えて フィルムの透湿性が高くなり、偏光子を湿度力 保護する能力が低下してしまうため に好ましくない。
[0250] 位相差フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす 角度を 0 1とすると、 0 1は一1〜+ 1° 、好ましくは一 0. 5〜+ 0. 5° となるようにす る。
[0251] この θ 1は配向角として定義でき、 θ 1の測定は、自動複屈折計 KOBRA—21AD
H (王子計測機器社製)を用いて行うことができる。
[0252] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再 現に寄与する。
[0253] 位相差フィルムがマルチドメインィ匕された VAモードに用いられるとき、位相差フィル ムの配置は、位相差フィルムの進相軸が Θ 1として上記領域に配置することで、表示 画質の向上に寄与し、偏光板及び液晶表示装置として MVAモードとしたとき、例え ば図 7に示す構成をとることができる。
[0254] 図 7にお!/ヽて、 21a、 21biま保護フイノレム、 22a, 22b ίま位ネ目差フイノレム、 25a, 25b は偏光子、 23a、 23bはフィルムの遅相軸方向、 24a、 24bは偏光子の透過軸方向、 26a、 26bは偏光板、 27は液晶セル、 29は液晶表示装置を示している。
[0255] セルロースエステルフィルムの面内方向のリタデーシヨン Ro分布は、 5%以下に調
整することが好ましぐより好ましくは 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下で ある。また、フィルムの厚み方向のリタデーシヨン Rt分布を 10%以下に調整すること が好ましいが、更に好ましくは、 2%以下であり、特に好ましくは、 1. 5%以下である。
[0256] 位相差フィルムにお 、て、リタデーシヨン値の分布変動が小さ!/、方が好ましぐ液晶 表示装置に位相差フィルムを含む偏光板を用いるとき、該リタデーシヨン分布変動が 小さ!/、ことが色ムラ等を防止する観点で好ま 、。
[0257] 位相差フィルムを、 VAモードまたは TNモードの液晶セルの表示品質の向上に適 したリタデーシヨン値を有するように調整し、特に VAモードとして上記のマルチドメイ ンに分割して MVAモードに好ましく用いられるようにするには、面内リタデーシヨン R oを 30nmよりも大きく、 95nm以下に、かつ厚み方向リタデーシヨン Rtを 70nmよりも 大きぐ 400nm以下の値に調整することが求められる。
[0258] 上記の面内リタデーシヨン Roは、 2枚の偏光板がクロス-コルに配置され、偏光板 の間に液晶セルが配置された、例えば図 7に示す構成であるときに、表示面の法線 方向から観察するときを基準にしてクロス-コル状態にあるとき、表示面の法線から斜 めに観察したとき、偏光板のクロス-コル状態からのずれが生じ、これが要因となる光 漏れを、主に補償する。厚さ方向のリタデーシヨンは、上記 TNモードや VAモード、 特に MVAモードにおいて液晶セルが黒表示状態であるときに、同様に斜め力 見 たときに認められる液晶セルの複屈折を主に補償するために寄与する。
[0259] 図 7に示すように、液晶表示装置において、液晶セルの上下に偏光板が二枚配置 された構成である場合、図中の 22a及び 22bは、厚み方向リタデーシヨン Rtの配分を 選択することができ、上記範囲を満たしかつ厚み方向リタデーシヨン Rtの両者の合計 値が 140nmよりも大きくかつ 500nm以下にすることが好ましい。このとき 22a及び 22 bの面内リタデーシヨン Ro、厚み方向リタデーシヨン Rtが両者同じであること力 工業 的な偏光板の生産性向上において好ましい。特に好ましくは面内リタデーシヨン Ro 力 S35nmよりも大きくかつ 65nm以下であり、かつ厚み方向リタデーシヨン Rtが 90nm よりも大きく 180nm以下で、図 7の構成で MVAモードの液晶セルに適用することで ある。
[0260] 液晶表示装置において、一方の偏光板に例えば市販の偏光板保護フィルムとして
面内リタデーシヨン Ro = 0〜4nm及び厚み方向リタデーシヨン Rt= 20〜50nmで厚 さ 35〜85 μ mの TACフィルム力 例えば図 7の 22bの位置で使用されている場合、 他方の偏光板に配置される偏光フィルム、例えば、図 7の 22aに配置する位相差フィ ルムは、面内リタデーシヨン Roが 30nmよりも大きく 95nm以下であり、かつ厚み方向 リタデーシヨン Rtが 140nmよりも大きく 400nm以下であるものを使用するようにする。 表示品質が向上し、かつフィルムの生産面からも好ましい。
[0261] 《偏光板》
本発明に係る光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製 方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィ ルムの裏面側をアルカリ酸ィ匕処理し、処理した光学フィルムを、ヨウ素溶液中に浸漬 延伸して作製した偏光膜の少なくとも一方の面に、完全酸ィ匕型ポリビニルアルコール 水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。もう一方の面にも本発明の光学フィル ムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。本発明の光学フィルムに対 して、もう一方の面に用いられる偏光板保護フィルムは市販のセルロースエステルフ イルムを用いることが出来る。例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、 KC 8UX2Mゝ KC4UX、 KC5UX、 KC4UYゝ KC8UYゝ KC12URゝ KC8UCR— 3、 KC8UCR— 4、 KC4FR— 1、 KC8UY— HA、 KC8UX— RHA (以上、コニカミノ ルタォブト (株)製)等が好ましく用いられる。或いは更にディスコチック液晶、棒状液 晶、コレステリック液晶などの液晶化合物を配向させて形成した光学異方層を有して
V、る光学補償フィルムを兼ねる偏光板保護フィルムを用いることも好ま ヽ。例えば、 特開 2003— 98348記載の方法で光学異方性層を形成することが出来る。本発明の 光学フィルムと組み合わせて使用することによって、平面性に優れ、安定した視野角 拡大効果を有する偏光板を得ることが出来る。或いは、セルロースエステルフィルム 以外の環状ォレフィン榭脂、アクリル榭脂、ポリエステル、ポリカーボネート等のフィル ムをもう一方の面の偏光板保護フィルムとして用いてもょ 、。
[0262] 上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号公報、同 6— 118232号公報に 記載されて!ヽるような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもょ ヽ。
[0263] 偏光板の主たる構成要素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素
子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィル ムで、これはポリビュルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料 を染色させたものがある。偏光膜は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一 軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で 耐久性処理を行ったものが用いられている。偏光膜の膜厚は5〜40 111、好ましくは 5〜30 mであり、特に好ましくは 5〜20 mである。該偏光膜の面上に、本発明の セルロースエステルフィルムの片面を貼り合わせて偏光板を形成する。好ましくは完 全酸ィ匕ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせる。
[0264] 偏光膜は一軸方向(通常は長手方向)に延伸されているため、偏光板を高温高湿 の環境下に置くと延伸方向(通常は長手方向)は縮み、延伸と垂直方向(通常は幅 方向)には伸びる。偏光板保護用フィルムの膜厚が薄くなるほど偏光板の伸縮率は 大きくなり、特に偏光膜の延伸方向の収縮量が大きい。通常、偏光膜の延伸方向は 偏光板保護用フィルムの流延方向(MD方向)と貼り合わせるため、偏光板保護用フ イルムを薄膜ィ匕する場合は、特に流延方向の伸縮率を抑えることが重要である。本発 明の光学フィルムは極めて寸法安定に優れる為、このような偏光板保護フィルムとし て好適に使用される。
[0265] 即ち 60°C、 90%RHの条件での耐久性試験によっても波打ち状のむらが増加する ことはなぐ裏面側に光学補償フィルムを有する偏光板であっても、耐久性試験後に 視野角特性が変動することなく良好な視認性を提供することが出来る。
[0266] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することが出来る。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製 品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィ ルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面 の反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層を力 バーする目的で用いられ、偏光板を液晶セルへ貼合する面側に用いられる。
[0267] 《液晶表示装置》
本発明の光学フィルムを用いた偏光板保護フィルム (位相差フィルムを兼ねる場合
も含む)を含む偏光板は、通常の偏光板と比較して高 、表示品質を発現させることが でき、特にマルチドメイン型の液晶表示装置、より好ましくは複屈折モードによってマ ルチドメイン型の液晶表示装置への使用に適して!/、る。
[0268] 本発明の偏光板は、 MVA(Multi—domein Vertical Alignment)モード、 PV A (Patterned Vertical Alignment)モード、 CPA (Continuous Pinwheel A lignment)モード、 OCB (Optical Compensated Bend)モード、 IPS (In Place
Switching)モード等に用いることができ、特定の液晶モード、偏光板の配置に限 定されるものではない。
[0269] 液晶表示装置はカラー化及び動画表示用の装置としても応用されつつあり、本発 明により表示品質が改良され、コントラストの改善や偏光板の耐性が向上したことによ り、疲れに《忠実な動画像表示が可能となる。
[0270] 位相差フィルムを含む偏光板を少なくとも含む液晶表示装置においては、本発明 の光学フィルムとしての偏光板保護フィルムを含む偏光板を、液晶セルに対して、一 枚配置するか、或いは液晶セルの両側に二枚配置する。このとき偏光板に含まれる 偏光板保護フィルム側が液晶表示装置の液晶セルに面するように用いることで表示 品質の向上に寄与できる。図 7においては 22a及び 22bのフィルムが液晶表示装置 の液晶セルに面することになる。
[0271] このような構成において、本発明の光学フィルムとしての偏光板保護フィルムは、液 晶セルを光学的に補償することができる。本発明の偏光板を液晶表示装置に用いる 場合は、液晶表示装置の偏光板の内の少なくとも一つの偏光板を、本発明の偏光板 とすればよい。本発明の偏光板を用いることで、表示品質が向上し、視野角特性に 優れた液晶表示装置が提供できる。
[0272] 本発明の偏光板において、偏光子からみて本発明の光学フィルムとしての偏光板 保護フィルムとは反対側の面には、セルロース誘導体の偏光板保護フィルムが用い られ、汎用の TACフィルム等を用いることができる。液晶セル力 遠い側に位置する 偏光板保護フィルムは、表示装置の品質を向上する上で、他の機能性層を配置する ことも可能である。
[0273] 例えば、反射防止、防眩、耐キズ、ゴミ付着防止、輝度向上のためにディスプレイと
しての公知の機能層を構成物として含むフィルムや、または本発明の偏光板表面に 貼付してもよ 、がこれらに限定されるものではな 、。
[0274] 一般に位相差フィルムでは、上述のリタデーシヨン Roまたは Rtの変動が少ないこと が安定した光学特性を得るために求められている。特に複屈折モードの液晶表示装 置は、これらの変動が画像のムラを引き起こす原因となることがある。
[0275] 本発明に従 ヽ溶融流延製膜法により製造される長尺状偏光板保護フィルムは、セ ルロースエステルを主体として構成されるため、セルロースエステル固有のケン化を 活用してアルカリ処理工程を活用することができる。これは、偏光子を構成する榭脂 がポリビュルアルコールであるとき、従来の偏光板保護フィルムと同様に完全ケンィ匕 ポリビニルアルコール水溶液を用いて偏光板保護フィルムと貼合することができる。こ のために本発明は、従来の偏光板加工方法が適用できる点で優れており、特に長尺 状であるロール偏光板が得られる点で優れている。
[0276] 本発明により得られる製造的効果は、特に 100m以上の長尺の巻物においてより 顕著となり、 1500m, 2500m, 5000mとより長尺化する程、偏光板製造の製造的効 果を得る。
[0277] 例えば、偏光板保護フィルム製造において、ロール長さは、生産性と運搬性を考慮 すると、 10〜5000m、好ましくは 50〜4500mであり、このときのフィルムの幅は、偏 光子の幅や製造ラインに適した幅を選択することができる。 0. 5〜4. 0m、好ましくは 0. 6〜3. 0mの幅でフィルムを製造してロール状に巻き取り、偏光板加工に供しても よぐまた、 目的の倍幅以上のフィルムを製造してロールに巻き取った後、断裁して目 的の幅のロールを得て、このようなロールを偏光板力卩ェに用いるようにしてもよ!、。
[0278] 偏光板保護フィルム製造に際し、延伸の前及び Zまたは後で帯電防止層、ハード コート層、易滑性層、接着層、防眩層、ノ リア一層等の機能性層を塗設してもよい。こ の際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて 施すことができる。
[0279] 製膜工程にぉ ヽて、カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理され た後、或いは必要に応じて造粒処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料としてま たは異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
[0280] 前述の可塑剤、紫外線吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロースエス テルを含む組成物を共押し出しして、積層構造のセルロースエステルフィルムを作製 することもできる。例えば、スキン層/コア層 Zスキン層といった構成のセルロースェ ステルフィルムを作ることができる。例えば、マット剤は、スキン層に多ぐまたはスキン 層のみに入れることができる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層に多く入 れることができ、コア層のみに入れてもよい。また、コア層とスキン層で可塑剤、紫外 線吸収剤の種類を変更することもでき、例えば、スキン層に低揮発性の可塑剤及び Zまたは紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、或いは紫外線 吸収性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層のガラス転 移温度が異なっていてもよぐスキン層のガラス転移温度よりコア層のガラス転移温度 が低いことが好ましい。このとき、スキンとコアの両者のガラス転移温度を測定し、これ らの体積分率より算出した平均値を上記ガラス転移温度 Tgと定義して同様に扱うこと もできる。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン層と コア層で異なっていてもよぐスキン層の粘度 >コア層の粘度でも、コア層の粘度≥ス キン層の粘度でもよい。
[0281] 本発明に係るセルロースエステルフィルムは、寸度安定性が、 23°C、 55%RHに 2 4時間放置したフィルムの寸法を基準としたとき、 80°C、 90%RHにおける寸法の変 動値が ± 2. 0%未満であり、好ましくは 1. 0%未満であり、更に好ましくは 0. 5%未 満である。
[0282] 本発明に係るセルロースエステルフィルムを位相差フィルムとして偏光板保護フィ ルムに用いる際に、位相差フィルム自身が上記の範囲内の変動であると、偏光板とし てのリタデーシヨンの絶対値と配向角が当初の設定がずれな!/、ために、表示品質の 向上能の減少或いは表示品質の劣化を引き起こすことがな 、ため好ま 、。
実施例
[0283] 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され るものではない。
[0284] 実施例 1
〔セルロースエステルを有してなる光学フィルム(以下、単にセルロースエステルフィ
ルムと称する) 1の作製〕
下記のように、セルロースエステルと各種添加剤を用いて溶融流延によりセルロー スエステノレフイノレム 1を作製した。
[0285] セルロースエステル C 1 (後述参照) 100質量部
TMPTB (後述参照) 10質量部
IRGANOX— 1010 (チノく'スペシャルティ'ケミカルズ社製) 0. 5質量部 テトラキス(2, 4 ジ—tert—ブチルー 5 メチルフエ-ル) [1, 1ービフエ-ル ]ー4
, 4' —ジィルビスホスホナイ卜 0. 25質量部
例示高分子化合物 A 0. 9質量部
Tinuvin928 (チノく'スペシャルティ ·ケミカルズ社製) 1. 8質量部 セルロースエステルを 70°C、 3時間減圧下で乾燥を行い室温まで冷却した後、添 加剤を混合した。
[0286] 以上の混合物を 2軸式押出し機を用いて 230°Cで溶融混合しペレツトイ匕した。なお 、このペレットのガラス転移温度 Tgは 136°Cであった。
[0287] このペレットを用いて窒素雰囲気下、 250°Cにて溶融して流延ダイ 4力 第 1冷却口 ール 5上に押し出し、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との間にフィルムを挟圧して成 形した。また押出し機 1中間部のホッパー開口部から、滑り剤としてシリカ粒子 ァェ ロジル 200V (日本ァエロジル社製)を、 0. 5質量部となるよう添カロした。
[0288] 流延ダイ 4のギャップの幅がフィルムの幅方向端部から 30mm以内では 0. 5mm、 その他の場所では lmmとなるようにヒートボルトを調整した。タツチロールとしては、タ ツチロール Aを使用し、その内部に冷却水として 80°Cの水を流した。
[0289] 流延ダイ 4から押し出された榭脂が第 1冷却ロール 5に接触する位置 P1から第 1冷 却ロール 5とタツチロール 6との-ップの第 1冷却ロール 5回転方向上流端の位置 P2 までの、第 1冷却ローラ 5の周面に沿った長さ Lを 20mmに設定した。その後、タツチ ロール 6を第 1冷却ロール 5から離間させ、第 1冷却ロール 5とタツチロール 6との-ッ プに挟圧される直前の溶融部の温度 Tを測定した。本実施例において、第 1冷却口 ール 5とタツチロール 6との-ップに挟圧される直前の溶融部の温度 Tは、 -ップ上流 端 P2よりも更に lmm上流側の位置で、温度計 (安立計器株式会社製 HA— 200E)
により測定した。本実施例では測定の結果、温度 Tは 141°Cであった。タツチロール 6 の第 1冷却ロール 5に対する線圧は 14. 7N/cmとした。更に、テンターに導入し、 巾方向に 160°Cで 1. 3倍延伸した後、巾方向に 3%緩和しながら 30°Cまで冷却し、 その後クリップから開放し、クリップ把持部を裁ち落とし、フィルム両端に幅 10mm、高 さ 5 μ mのナーリング力卩ェを施し、巻き取り張力 220NZm、テーパー 40%で卷芯に 巻き取った。なお、フィルムは、厚さが 80 mとなるように、押し出し量及び引き取り 速度を調整し、仕上がりのフィルム幅は、 1430mm幅になるようにスリットし、巻き取つ た。卷芯の大きさは、内径 152mm、外径 165〜180mm、長さ 1550mmであった。 この卷芯母材として、エポキシ榭脂をガラス繊維、カーボン繊維に含浸させたプリプ レグ榭脂を用いた。卷芯表面にはエポキシ導電性榭脂をコーティングし、表面を研磨 して、表面粗さ Raは 0. 3 μ mに仕上げた。なお、卷長は 2500mとした。この本発明 のフィルム原反試料をセルロースエステルフィルム 1とする。
[0290] 〔セルロースエステルフィルム 2〜24の作製〕
セルロースエステルフィルム 1の作製において、セルロースエステルの種類、或いは 例示高分子化合物 Aに代わる添加剤を表 2のように変更した以外は同様にして、セ ルロースエステルフィルム 2〜24を作製した。なお、使用したセルロースエステル C 1に代わるセルロースエステルの添カ卩量は、セルロースエステル C— 1と同じ質量部と し、また、使用した例示高分子化合物 Aに代わる添加剤の添加量は、セルロースエス テルフィルム 2〜15、 24に関しては例示高分子化合物 Aと同じ質量部とし、セルロー スエステルフィルム 16〜23に関しては0. 3質量部とした。
[0291] C— 1:セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 4、プロピオ-ル 基置換度 1. 3、分子量 Mn=86, 000、 Mw/Mn= 2. 5)
C— 2 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 3、プロピオ-ル 基置換度 1. 2、分子量 Mn=66, 000、 Mw/Mn= 3. 0)
C— 3 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 7、プロピオ-ル 基置換度 1. 0、分子量 Mn= 73, 000、 Mw/Mn= 2. 9)
C—4 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 2. 0、プロピオ-ル 基置換度 0. 7、分子量 Mn= 91, 000、 Mw/Mn= 2. 4)
0/99ε90/-00ζ/:1£ 6/-8S/ OS80SAV
CD
X:Y:Z 50:15:35の共重合体
重量平均分子量 8,000
[0294] 得られたセルロースエステルフィルム原反試料に対して、下記方法で評価を行った 。評価の結果を表 2に示す。また、原反試料から一部セルロースエステルフィルムを 切り出し、下記方法でブリードアウト、及びヘイズの評価を行った。
[0295] (馬の背故障、卷芯転写)
巻き取ったセルロースエステルフィルム原反試料をポリエチレンシートで 2重に包み
、図 8 (a)、(b)、 (c)に示すような保存方法で、 25°C、 50%の条件下で 30日間保存 した。その後、箱力も取り出し、ポリエチレンシートを開け、フィルム原反試料表面に 点灯して 、る蛍光灯の管を反射させて映し、その歪み或いは細カ^、乱れを観察し、 馬の背故障を下記レベルにランク分けした。
[0296] A:蛍光灯が真つすぐに見える
B:蛍光灯が部分的に曲がって見える
C:蛍光灯がまだらに映って見える
また、保存後のフィルム原反試料を巻き返して、 50 m以上の点状の変形、または 幅手方向の帯状の変形がはっきり見える卷芯転写が、卷芯部分より何 mまで発生し て 、るかを測定し、下記レベルにランク分けを行った。
[0297] A:卷芯部分より 15m未満
B:卷芯部分より 15〜30m未満
C :卷芯部分より 30〜50m未満
D:卷芯部分より 50m以上
(卷始めシヮ)
卷芯に原反フィルムを巻き取る作業を行 、、卷始めでシヮが発生して不良となった 場合は卷芯から原反フィルムを取り外して、再度巻き取る作業を行った。この時の不 良回数をカウントした。この作業を 10回行平均値を求め、下記レベルにランク分けを 行った。
[0298] A: 0回以上 1回未満
B: l回以上 3回未満
C : 3回以上 5回未満
D: 5回以上
(ブリードアウト)
セルロースエステルフィルムを、 80°C、 90%RHの高温高湿雰囲気下で 1000時間 放置後、セルロースエステルフィルム表面のブリードアウト (結晶析出)の有無を目視 観察を行い、下記基準に従って評価を行った。
[0299] A:表面にブリードアウトの発生が全く認められない
B:表面で、部分的なブリードアウトが僅かに認められる
C:表面で、全面に亘りブリードアウトが僅かに認められる
D:表面で、全面に亘り明確なブリードアウトが認められる
(ヘイズ)
ヘイズ計(1001DP型、 日本電色工業 (株)製)を用いて測定した結果から、試料の 厚さが 80 mの場合のヘイズの値に換算し、下記基準に従って評価を行った。
[0300] A:ヘイズが 0. 5%未満
B:ヘイズが 0. 5〜1. 0%未満表
C:ヘイズが 1. 0〜 1. 5%未満
D:ヘイズが 1. 5%以上
[0301] [表 2]
表 2より、本発明に係る(1)で表される化合物から誘導される高分子化合物を含有 するセルロースエステルフィルム原反試料 1〜18は、比較例のセルロースエステルフ
イルム原反試料 19〜24に対して、長期間保存しても馬の背故障、卷芯転写が少なく 、卷始めシヮ等のフィルム原反の変形故障が発生しにく!、セルロースエステルフィル ムであることが分かる。また、原反力も切り出したセルロースエステルフィルム自身も、 比較例に対し、 UV吸収性能、ブリードアウト、ヘイズ特性で優れていることが分かる。
[0303] 実施例 2
下記の組成物を調製した。
[0304] (帯電防止層塗布組成物(1) )
ポリメチルメタアタリレート(重量平均分子量 55万、 Tg : 90°C) 0. 5部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 60部 メチルェチルケトン 16部
乳酸ェチル 5部
メタノーノレ 8部
導電性ポリマー榭脂 P— 1 (0. 1〜0. 3 μ m粒子) 0. 5部
[0305] [化 22] 導電性ポリマー樹脂 P— 1
(ハードコート層塗布組成物(2) )
ジペンタエリスリトールへキサアタリレート
ジペンタエリスリトールへキサアタリレート 2
ジペンタエリスリトールへキサアタリレート 3
ジエトキシベンゾフエノン光反応開始剤
シリコーン系界面活性剤 1部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 75部 メチルェチルケトン 75部
(カール防止層塗布組成物(3) )
アセトン 35部
酢酸ェチル 45部
イソプロピルアルコール 5部
ジァセチノレセノレロース 0. 5部
超微粒子シリカ 2%アセトン分散液 (ァエロジル: 200V、 日本ァエロジル (株)製)
0. 1部
下記に従って、機能付与した偏光板保護フィルムを作製した。
[0307] (偏光板保護フィルム)
実施例 1で作製した本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1をポリエチレ ンシートで 2重に包み、図 8に示すような保存方法で 25°C、 50%RHの条件下で 30 日間、この後、 40°C、 80%RHの条件下で保存した。その後、それぞれポリエチレン シートを外して、それぞれの原反試料力 巻き出したセルロースエステルフィルムの 片面に、カール防止層塗布組成物(3)をウエット膜厚 13 mとなるようにグラビアコー トし、乾燥温度 80 ± 5°Cにて乾燥させた。これを試料 1Aとする。
[0308] このセルロースエステルフィルムのもう 1方の面に帯電防止層塗布組成物(1)を 28 。C、 82%RHの環境下でウエット膜厚で mとなるようにフィルムの搬送速度 30mZ minで塗布幅 lmで塗布し、次 、で 80士 5°Cに設定された乾燥部で乾燥して乾燥膜 厚で約 0. 2 mの榭脂層を設け、帯電防止層付きセルロースエステルフィルムを得 た。これを試料 1Bとする。
[0309] 更に、この帯電防止層の上にハードコート層塗布組成物(2)をウエット膜厚で 13 mとなるように塗設し、乾燥温度 90°Cにて乾燥させた後、紫外線を 150miZm2とな るように照射して、乾燥膜厚で 5 mのクリアハードコート層を設けた。これを試料 1C とする。
[0310] 得られた本発明のセルロースエステルフィルム試料 1A、試料 1B、試料 1Cはともに
ブラッシングを起こすこともなぐ乾燥後の亀裂の発生も認められず、塗布性は良好 であった。
[0311] セルロースエステルフィルム原反試料 1に代えて、本発明のセルロースエステルフィ ルム原反試料 2〜18に変更した以外は同様の方法で塗布行った。その結果、何れも 良好な塗布性が確認された。
[0312] 比較として、比較のセルロースエステルフィルム原反試料 19について、上記と同様 な方法で塗布を行った。
[0313] カール防止層塗布組成物(3)を塗布したものを試料 19A、更に帯電防止層塗布組 成物(1)を塗布したものを試料 19B、更にこの帯電防止層の上にハードコート層塗布 組成物(2)を塗布したものを試料 19Cとした。
[0314] その結果、高湿度環境で塗布したとき、試料 19Aでブラッシングが起こった。また、 試料 19Bでは乾燥後微細な亀裂が認められることがあり、試料 19Cでは乾燥後微細 な亀裂が明確に認められた。
[0315] (偏光板の作製と評価)
厚さ 120 mのポリビュルアルコールフィルムを沃素 1質量部、沃化カリウム 2質量 部、ホウ酸 4質量部を含む水溶液に浸漬し 50°Cで 4倍に延伸し偏光子を作製した。
[0316] 実施例 1で作製した本発明のセルロースエステルフィルム原反試料 1〜18及び比 較のセルロースエステルフィルム原反試料 19をポリエチレンシートで 2重に包み、図 8に示すような保存方法で 25°C、 50%RHの条件下で 30日間、この後、 40°C、 80% RHの条件下で保存した。その後、それぞれポリエチレンシートを外して、それぞれの 原反試料から巻き出したセルロースエステルフィルムを 40°Cの 2. 5molZL水酸化 ナトリウム水溶液で 60秒間アルカリ処理し、更に水洗乾燥して表面をアルカリ処理し た。
[0317] 前記偏光子の両面に、本発明の試料 1〜18、及び比較の試料の 19のアルカリ処 理面を、完全酸ィ匕型ポリビニルアルコール 5%水溶液を接着剤として両面力も貼合し 、保護フィルムが形成された本発明の偏光板 1〜18、及び比較の偏光板の 19を作 製した。
[0318] 得られた本発明の偏光板 1〜18は比較の偏光板の 19に対して、平面性、物理的
に優れて ヽる保護フィルムで両面が保護されて!ヽるため、非常に良好な偏光板の特 性を有するという顕著に優れた効果を奏する。
(液晶表示装置としての特性評価)
VA型液晶表示装置である、富士通製 15型液晶ディスプレイ VL— 1530Sの偏光 板を剥がし、上記で作製した各々の偏光板を液晶セルのサイズに合わせて断裁した 。液晶セルを挟むようにして、前記作製した偏光板 2枚を偏光板の偏光軸が元と変わ らな 、ように互 、に直交するように貼り付け、 15型 VA型カラー液晶ディスプレイを作 製し、セルロースエステルフィルムの偏光板としての特性を評価したところ、本発明の 偏光板 1〜18を用いた液晶表示装置は、比較の偏光板 19を用いた液晶表示装置 に対してコントラストも高ぐ優れた表示性を示した。これにより、液晶ディスプレイ等 の画像表示装置用の偏光板として優れて 、ることが確認された。