明 細 書
高速 QoSハンドオーバ方法及びその方法で用いられる処理ノード 技術分野
[0001] 本発明は、無線通信を行う移動端末 (モバイルノード)の高速 QoSハンドオーバ方 法及びその方法で用いられる処理ノードに関し、特に、次世代インターネットプロトコ ルであるモパイル IPv6 (Mobile Internet Protocol version 6)プロトコルを利用した無 線通信を行うモパイルノードにおける高速 QoSハンドオーバ方法及びその方法で用 Vヽられる処理ノードに関する。
背景技術
[0002] 新たなシグナリングプロトコルとして、 NSIS (Next Step In Signaling)力 ETFの NSI Sワーキンググループによって標準化されつつある(下記の非特許文献 1を参照)。 N SISは QoS (Quality of Service)リソース予約において特に有効であると期待されて いる。最近のインターネットドラフトには、一般的な NSIS (下記の非特許文献 5及び 6 を参照)だけでなぐ他の NSISにおける QoSシグナリングやモビリティサポートの実 施の必要性や提案が記載されている(下記の非特許文献 2から 4を参照)。ネットヮー クにおけるルータ若しくはターミナルのすべてが NSIS Entities (NE)ではないが、 NEは NSIS機能を有している。なお、 NEのすべてがモビリティ機能における QoSを サポートするわけではない。ここでは、 QoS機能を有する NEを QNE (QoS NE)と呼
[0003] QoSリソースは、転送されるデータを通すパスに沿ってそれぞれの QNEで予約さ れる。パス上で保証された QoSのパケットを識別するためにフロー IDが用いられる。 フロー IDはデータ送信側と受信側の IPアドレスを含んで 、る(下記の非特許文献 5を 参照)ので、フロー IDは IPアドレスがハンドオーバなどのモビリティの移動により変わ ると変化する。一方、セッション IDは MN (Mobile Node)と CN (Correspondent Node) との間のセッションを識別するために用いられる。そのため、セッション IDはフロー ID がモビリティの移動により変化しても同じままである。
[0004] ここで、図 10に示すように、ハンドオーバが起こると、経路(古いパス) 24'と経路(
新たなパス) 34'との分岐点に位置する QNEである CRN (Crossover Node) 12Ίま、 QoSハンドオーバで二重予約を避けるために重要な役割を有する。 CRN12 ま、重 なり合うパス部分(CN6CT— CRN12'間)と新たなパス部分(CRN12'— ΜΝ1(Τ間 )で異なる処理をする必要がある。すなわち、 CN6(T—CRN12'間における状態の 更新と CRN12'—MN1(T間における QoSの状態予約をする必要がある。したがつ て、 CRN12'の発見は QoSハンドオーバで重要な問題の 1つである。ハンドオーバ による QoS中断を避けるため、若しくは最小限にするため、すばやく処理しなければ ならない。し力しながら、 CRN発見には時間を要し、シグナリング負荷も大きくなる。
[0005] そこで、このような問題を解消するためのいくつかのテクニックが提案されている。例 えば、下記の非特許文献 7に開示されている技術がある。下記の非特許文献 7に開 示されて!/、る技術ではすばゃ 、CRN発見を実現するプロキシを提案して!/、る。 MN はプロキシとして振舞う NAR (New Access Router)に、古いフロー IDとセッション ID の組を含めたリクエストを送信する。 NARは上流方向の CRNを発見するために QU ERYメッセージを CNに送信する。パス上のそれぞれの QNEは QUERYメッセージ を取得し、古いフロー IDとセッション IDの組を比較し、自身が CRNか否かをチェック する。 QUERYメッセージを受けると、 CNは、受けた QUERYメッセージに対する RE SPONSEメッセージだけでなぐ下流方向の CRNを発見するための QUERYメッセ ージを NARに送信する。 CRNの発見には少なくとも 1回の RTT(Round Trip Time) がかかり、 MNがハンドオーバをするたびに CRNの発見をしなければならず負荷が か 、 。
[0006] そこで、シグナリングの負荷を低減させるため、 1つの方法として CRNとしてある QN Eを指定する方法がある。ある CRNとして古い QoSパス上の QNEが指定され、その 指定される QNEとして、例えば PAR (Previous Access Router)が考えられる。このよ うに構成することにより、シグナリングの負荷を低減させることができる。このような技術 は下記の特許文献 1及び 2に開示されている。
非特許文献 1 :NSIS WG (http://www.ietf.org/html.charters/nsis-charter.html) 非特干文献 2 : H. し haskar, Ed, "Requirements of a Quality of service (QoS) Solution for Mobile IP", RFC3583, September 2003
非特許文献 3 : Sven Van den Bosch, Georgios Karagiannis and Andrew McDonald, "N SLP for Quality— of— Service signalling , draft-ietf-nsis-qos-nslp-06.txt, May 2005 非特許文献 4 : S. Lee, et al., "Applicability Statement of NSIS Protocols in Mobile E nvironments", draft— ietf—nsis— applicability— mobility— signaling— 01. txt, February 2005 非特許文献 5 : R. Hancock et al.,"Next Steps in Signaling: Framework", RFC4080, J une 2005
非特許文献 6 : M. Brunner (Editor), Requirements for Signaling Protocols", RFC372 6, April 2004
f^^ j¾ : T.Ue,T.Sanda,K.Honma, QoS Mobility Support with Proxy-assisted Fast Crossover Node Discovery", WPMC2004,September 2004
特許文献 1 :特許第 3441367号公報(図 1)
特許文献 2:特表 2002— 528976号公報(段落 0024、 0032)
[0007] し力しながら、図 11に示すような、上記の特許文献 1及び 2に開示された技術にお けるネットワークにおいて、ハンドオーバ直後の QoSパス 64Ίま、ほとんど古い QoS パス 24^と同じであり最適なパスではない。それゆえ、 ΜΝ10Ίまハンドオーバ後に Q oSパス 34'を再度構成する必要があり負荷力かかってしまうという問題がある。
発明の開示
[0008] 本発明は、上記の問題点に鑑み、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができ る限りハンドオーバ後の最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再 ルート構成の負荷を低減させることができ、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区 間が短くなり、 QoS中断時間を最小にすることができる高速 QoSハンドオーバ方法 及びその方法で用いられる処理ノードを提供することを目的とする。
[0009] 上記目的を達成するために、本発明によれば、それぞれがサブネットを構成する複 数のアクセスルータが通信ネットワークを介して接続されており、固有の通信可能領 域を形成するアクセスポイントが前記複数のアクセスルータのそれぞれに少なくとも 1 つ以上接続されて 、る通信システムで、前記通信可能領域内で前記アクセスポイント との無線通信を通じて、前記アクセスポイントが接続されて ヽる前記アクセスルータと の通信を行うよう構成されている移動端末が、ハンドオーバにより、現在通信中の、第
1のアクセスルータに接続する第 1のアクセスポイントから、第 2のアクセスルータに接 続する第 2のアクセスポイントへ接続を切り替える際の QoSパスの変更による高速 Qo Sハンドオーバ方法であって、前記移動端末が、前記ハンドオーバ後の前記 QoSパ スの変更処理の負荷を低減させるための所定の処理を行う処理ノードに対して、所 定の QoSパスを構成させるための第 1のシグナリングを送信するステップと、前記第 1 のシグナリングを受信する前記処理ノードが、受信した前記第 1のシグナリングに基 づいて、前記所定の QoSパスの QoS設定をするための第 2のシグナリングを生成し、 生成された前記第 2のシグナリングを前記所定の QoSパスの前記 QoS設定を行う所 定の通信相手に送出するステップとを有する高速 QoSハンドオーバ方法が提供され る。この構成により、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドォー バ後の最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負 荷を低減させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間が短く なり、 QoS中断時間を最小にすることができる。
[0010] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記所定の QoSパス力 前 記移動端末自身の通信相手の端末から、前記第 2のアクセスポイントが接続されて 、 る前記第 2のアクセスルータ及び前記第 1のアクセスポイントが接続されている前記第 1のアクセスルータを経由することは、本発明の好ましい態様である。この構成により 、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な Qo Sパスとなることができる。
[0011] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記第 1のシグナリングが前 記ハンドオーバ前の QoSパスの情報を含むことは、本発明の好ましい態様である。こ の構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0012] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記ハンドオーバ前の QoS パスの前記情報がセッション識別情報及びフロー識別情報であることは、本発明の 好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することが できる。
[0013] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記所定の QoSパスが構成 され、前記移動端末が前記ハンドオーバをした後、前記処理ノード、前記第 1のァク
セスポイントが接続されて 、る前記第 1のアクセスルータ、前記第 2のアクセスポイント が接続されて ヽる前記第 2のアクセスルータのうちの ヽずれかが、前記所定の QoS パスのうち、前記第 2のアクセスルータと前記ハンドオーバ前の前記移動端末が接続 していた前記第 1のアクセスポイントとの間の QoSパスを消去することは、本発明の好 ましい態様である。この構成により、不必要となった QoSパスを消去でき、無駄な帯 域の消費を減らすことができる。
[0014] また、本発明によれば、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが 通信ネットワークを介して接続されており、固有の通信可能領域を形成するアクセス ポイントが前記複数のアクセスルータのそれぞれに少なくとも 1つ以上接続されて 、る 通信システムで、前記通信可能領域内で前記アクセスポイントとの無線通信を通じて 、前記アクセスポイントが接続されて ヽる前記アクセスルータとの通信を行うよう構成 されている移動端末力 ハンドオーバにより、現在通信中の、第 1のアクセスルータに 接続する第 1のアクセスポイントから、第 2のアクセスルータに接続する第 2のアクセス ポイントへ接続を切り替える際の QoSパスの変更による高速 QoSハンドオーバ方法 で用いられる処理ノードであって、所定の QoSパスを構成させるための第 1のシグナ リングを前記移動端末力 受信する受信手段と、受信された前記第 1のシグナリング に基づ!/、て、前記所定の QoSパスの QoS設定をするための第 2のシグナリングを生 成するシグナリング生成手段と、生成された前記第 2のシグナリングを前記所定の Qo Sパスの前記 QoS設定を行う所定の通信相手に送出する送信手段とを備える処理ノ ードが提供される。この構成により、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができ る限りハンドオーバ後の最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再 ルート構成の負荷を低減させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス 設定区間が短くなり、 QoS中断時間を最小にすることができる。
[0015] また、本発明の処理ノードにおいて、前記所定の QoSパス力 前記移動端末の通 信相手の端末から、前記第 2のアクセスポイントが接続されて 、る前記第 2のアクセス ルータ及び前記第 1のアクセスポイントが接続されている前記第 1のアクセスルータを 経由することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバ前に再 構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な QoSパスとなることができ
る。
[0016] また、本発明の処理ノードにおいて、前記第 1のシグナリングが前記ハンドオーバ 前の QoSパスの情報を含むことは、本発明の好ましい態様である。この構成により、 ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0017] また、本発明の処理ノードにおいて、前記ハンドオーバ前の QoSパスの前記情報 がセッション識別情報及びフロー識別情報であることは、本発明の好まし 、態様であ る。この構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0018] また、本発明の処理ノードにおいて、前記所定の QoSパスが構成され、前記移動 端末が前記ハンドオーバをした後、前記所定の QoSパスのうち、前記第 2のアクセス ポイントが接続されている前記第 2のアクセスルータと前記ハンドオーバ前の前記移 動端末が接続していた前記第 1のアクセスポイントとの間の QoSパスを消去するパス 消去手段を更に備えることは、本発明の好ましい態様である。この構成により、不必 要となった QoSパスを消去でき、無駄な帯域の消費を減らすことができる。
[0019] また、本発明によれば、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが 通信ネットワークを介して接続されており、固有の通信可能領域を形成するアクセス ポイントが前記複数のアクセスルータのそれぞれに少なくとも 1つ以上接続されて 、る 通信システムで、前記通信可能領域内で前記アクセスポイントとの無線通信を通じて 、前記アクセスポイントが接続されて ヽる前記アクセスルータとの通信を行うよう構成 されている移動端末力 ハンドオーバにより、現在通信中のアクセスルータに接続す るアクセスポイントから、他のアクセスルータに接続する他のアクセスポイントへ接続を 切り替え、さらにその後前記他のアクセスルータに接続する前記他のアクセスポイント を離れ、所定のアクセスルータに接続する所定アクセスポイントへ接続を切り替えて いく際の QoSパスの変更による高速 QoSハンドオーバ方法であって、前記移動端末 力 前記ハンドオーバ後の前記 QoSパスの変更処理の負荷を低減させるための所 定の処理を行う処理ノードに対して、所定の QoSパスを構成させるための第 1のシグ ナリングを送信するステップと、前記第 1のシグナリングを受信する前記処理ノードが 、受信した前記第 1のシグナリングに基づいて、前記所定の QoSパスの QoS設定を するための第 2のシグナリングを生成し、生成された前記第 2のシグナリングを前記所
定の QoSパスの前記 QoS設定を行う所定の通信相手に送出するステップとを有する 高速 QoSハンドオーバ方法が提供される。この構成により、ハンドオーバ前に再構成 された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ 後に行う QoSパスの再ルート構成の負荷を低減させることができる。また、ハンドォー バ直後に行う QoSパス設定区間が短くなり、 QoS中断時間を最小にすることができる
[0020] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記所定の QoSパス力 前 記移動端末自身の通信相手の端末から、前記所定アクセスポイントが接続されて 、 る前記所定のアクセスルータ、前記他のアクセスポイントから前記所定アクセスポイン トへの移動の間に接続したアクセスポイントがある場合には前記接続したアクセスボイ ントが接続されて 、るアクセスルータ、前記他のアクセスポイントが接続されて 、る前 記他のアクセスルータ、及び前記現在通信中のアクセスポイントが接続されている前 記アクセスルータを経由することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、 ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な QoS パスとなることができる。
[0021] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法において、前記第 1のシグナリングが前 記ハンドオーバ前の QoSパスの情報を含むことは、本発明の好ましい態様である。こ の構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0022] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法にお!、て、前記ハンドオーバ前の QoS パスの前記情報がセッション識別情報及びフロー識別情報であることは、本発明の 好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することが できる。
[0023] また、本発明の高速 QoSハンドオーバ方法にぉ 、て、前記所定の QoSパスが構成 され、前記移動端末が前記ハンドオーバをした後、前記処理ノード、前記移動端末 のハンドオーバ前に接続して 、たアクセスポイントが接続されて!、るアクセスルータ、 前記移動端末のハンドオーバ後に接続するアクセスポイントが接続されて 、るァクセ スルータのうちのいずれ力が、前記所定の QoSパスのうち、移動先の前記アクセスル ータと前記ハンドオーバ前の前記移動端末が接続していた前記アクセスポイントとの
間の QoSパスを消去することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、不 必要となった QoSパスを消去でき、無駄な帯域の消費を減らすことができる。
[0024] また、本発明によれば、それぞれがサブネットを構成する複数のアクセスルータが 通信ネットワークを介して接続されており、固有の通信可能領域を形成するアクセス ポイントが前記複数のアクセスルータのそれぞれに少なくとも 1つ以上接続されて 、る 通信システムで、前記通信可能領域内で前記アクセスポイントとの無線通信を通じて 、前記アクセスポイントが接続されて ヽる前記アクセスルータとの通信を行うよう構成 されている移動端末力 ハンドオーバにより、現在通信中のアクセスルータに接続す るアクセスポイントから、他のアクセスルータに接続する他のアクセスポイントへ接続を 切り替え、さらにその後前記他のアクセスルータに接続する前記他のアクセスポイント を離れ、所定のアクセスルータに接続する所定アクセスポイントへ接続を切り替えて いく際の QoSパスの変更による高速 QoSハンドオーバ方法で用いられる処理ノード であって、所定の QoSパスを構成させるための第 1のシグナリングを前記移動端末か ら受信する受信手段と、受信された前記第 1のシグナリングに基づいて、前記所定の QoSパスの QoS設定をするための第 2のシグナリングを生成するシグナリング生成手 段と、生成された前記第 2のシグナリングを前記所定の QoSパスの前記 QoS設定を 行う所定の通信相手に送出する送信手段とを備える処理ノードが提供される。この構 成により、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最 適な QoSノ スとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負荷を低減さ せることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間が短くなり、 QoS 中断時間を最小にすることができる。
[0025] また、本発明の処理ノードにおいて、前記所定の QoSパスが、前記移動端末自身 の通信相手の端末から、前記所定アクセスポイントが接続されて 、る前記所定のァク セスルータ、前記他のアクセスポイントから前記所定アクセスポイントへの移動の間に 接続したアクセスポイントがある場合には前記接続したアクセスポイントが接続されて V、るアクセスルータ、前記他のアクセスポイントが接続されて 、る前記他のアクセスル ータ、及び前記現在通信中のアクセスポイントが接続されている前記アクセスルータ を経由することは、本発明の好ましい態様である。この構成により、ハンドオーバ前に
再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な QoSパスとなることがで きる。
[0026] また、本発明の処理ノードにおいて、前記第 1のシグナリングが前記ハンドオーバ 前の QoSパスの情報を含むことは、本発明の好ましい態様である。この構成により、 ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0027] また、本発明の処理ノードにおいて、前記ハンドオーバ前の QoSパスの前記情報 がセッション識別情報及びフロー識別情報であることは、本発明の好ま 、態様であ る。この構成により、ハンドオーバ前に QoSパスを再構成することができる。
[0028] また、本発明の処理ノードにぉ 、て、前記所定の QoSパスが構成され、前記移動 端末が前記ハンドオーバをした後、前記所定の QoSパスのうち、移動先のアクセスル ータと前記ハンドオーバ前の前記移動端末が接続していたアクセスポイントとの間の QoSパスを消去するパス消去手段を更に備えることは、本発明の好ましい態様であ る。この構成により、不必要となった QoSパスを消去でき、無駄な帯域の消費を減ら すことができる。
[0029] 本発明の高速 QoSハンドオーバ方法及びその方法で用いられる処理ノードは、上 記構成を有し、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後 の最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負荷を低 減させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間が短くなり、 QoS中断時間を最小にすることができる。
図面の簡単な説明
[0030] [図 1]本発明の第 1及び第 2の実施の形態における通信ネットワークの構成を示す構 成図
[図 2]本発明の第 1の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリ ングのシーケンスを示すシーケンスチャート
[図 3]本発明の第 1の実施の形態に係る処理ノードの構成を示す構成図
[図 4]本発明の第 2の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリ ングのシーケンスを示すシーケンスチャート
[図 5]本発明の第 2の実施の形態に係る処理ノードの構成を示す構成図
[図 6]本発明の第 3の実施の形態における通信ネットワークの構成を示す構成図
[図 7]本発明の第 3の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリ ングのシーケンスを示すシーケンスチャート
[図 8]本発明の第 3の実施の形態に係る処理ノードの構成を示す構成図
[図 9]本発明の第 3の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリ ングの他のシーケンスを示すシーケンスチャート
[図 10]従来の通信ネットワークを示す図
[図 11]従来の通信ネットワークにおける移動端末のハンドオーバ直後の QoSパスを 示す図
発明を実施するための最良の形態
[0031] <第 1の実施の形態 >
以下、本発明の第 1の実施の形態について図 1から図 3を用いて説明する。図 1は 本発明の第 1の実施の形態における通信ネットワークの構成を示す構成図である。 図 2は本発明の第 1の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナ リングのシーケンスを示すシーケンスチャートである。図 3は本発明の第 1の実施の形 態に係る処理ノードの構成を示す構成図である。
[0032] まず、本発明の第 1の実施の形態における通信ネットワークの構成について図 1を 用いて説明する。通信ネットワークは、 MN (移動端末) 10、 MN10の通信相手の C N60、 MN10と CN60との間に位置し、 MN10と CN60との間におけるシグナリング( シグナリングメッセージとも言う)やデータパケットなどを中継する QNE11、 12、 13、 14、それぞれのサブネット 20、 30を構成するアクセスルータである PAR21及び NA R31、 PAR21及び NAR31に接続し、固有の通信可能領域を形成する AP (Access Point) 22、 23、 32、 33から構成されている。なお、ここでの通信ネットワークの構成 は一例であり、これに限られるものではない。
[0033] MN10は現在サブネット 20におり、無線で AP22と接続し、経路(QoSパス) 24を 通じて CN60と通信をしている。すなわち、 MN10は QoSパス 24上の AP22、 PAR2 1、 QNE11、 QNE12、 QNE13を通じて CN60と通信をしている。以下では、本発 明の第 1の実施の形態に係る QoSパス変更に伴う処理を行う処理ノードに、サブネッ
ト 30に属する NAR31を指定した場合について説明する。後述する第 2の実施の形 態では、処理ノードにサブネット 20に属する PAR21を指定した場合について説明す る。なお、処理ノードは NAR31や PAR21に限られるものではなぐ他の QNE (プロ キシ)などであってもよい。
[0034] MN10がサブネット 20からサブネット 30へ移動(ハンドオーバ)する場合、 MN10 は、ハンドオーバ前に NAR31に対して、 CN60から NAR31及び AP22が接続され ている PAR21を経由した経路(QoSパス) 64 (ここでは、 CN60から AP22までの経 路)を構成させるためのシグナリングを送信する。このシグナリングには、現在の QoS パス 24のセッション ID及びフロー IDのような QoSパス情報が含まれて!/、る。具体的 には、図 1に示すような、例えば QoSパス 24のセッション IDである Yとフロー IDである Xがシグナリングには含まれる。なお、 MN10のハンドオーバ後の新たな経路(QoS パス) 34のセッション IDは Yであり、フロー IDは Zである。上述したように、セッション I Dは MN10の移動によっても同じままである。
[0035] シグナリングを受信した NAR31は 2つの処理を開始する。 1つ目の処理は、 NAR3 1力 CN60に向かって QoSパスを構成する処理である。具体的には、 NAR31は C N60 (上述した所定の通信相手に相当)に向力つて QoSパスの構成(QoSの状態設 定)をするためのシグナリングを送信する。そして、 NAR31と CN60との間に位置す る QNE14、 QNE 12, QNE13では、送信されるシグナリングに基づく新たな QoSパ スの状態設定が行われ、 CN60と NAR31との間に QoSパス(経路 64の一部の QoS パス)が構成される。構成される QoSパスは、 NAR31と CN60との間の最適なパスと なる。
[0036] 2つ目の処理は、 NAR31から PAR21に向かって一時的な QoSパス(AP22まで の QoSパス)を構成する処理である。具体的には、 NAR31は PAR21 (上述した所 定の通信相手に相当)に向力つて一時的な QoSパスの構成 (QoSの状態設定)をす るためのシグナリングを送信する。そして、送信されるシグナリングにより一時的な Qo Sパスの状態設定が行われ、 AP22と NAR31との間に一時的な QoSパス(経路 64 の一部)が構成される。構成される一時的な QoSパスは、 MN10のハンドオーバが 完了すると NAR31若しくは PAR21などによって消去される。これにより、不要となつ
た QoSパスによる帯域の無駄な消費を防ぐことができる。以下に、上述した処理にお けるシグナリングのシーケンスについて図 2を用いて説明する。
[0037] 図 2に示すように、 MN10と CN60との間には既に QoSパス 24 (古い QoSパス)が 構成されている。この状態から、 MN10がハンドオーバをすると決定すると、 MN10 は NAR31に対してセッション ID及びフロー IDを含むシグナリングを送信する(ステツ プ S201)。なお、送信されるシグナリングには、再ルート構成される QoSパス 64と、 MN10のハンドオーバ後の新たな QoSパス 34との分岐点になるようリクエストする情 報を含めるようにしてもよい。
[0038] MN10からのシグナリングを受信した NAR31は、 NAR31から AP22までの一時 的な QoSパスの構成(QoSの状態設定)のためのシグナリングを PAR21に送信し( ステップ S202)、 NAR31から CN60までの QoSパスの構成(QoSの状態設定)のた めのシグナリングを CN60に送信する(ステップ S 203)。これらのシグナリングにより 再ルート構成された QoSパス 64の状態設定が行われ、 CN60と AP22との間に QoS パス 64が構成される。そして、 MN10がハンドオーバを開始して完了すると、 NAR3 1力 AP22までの一時的な QoSパスは消去され、 CN60と AP32との間に新たな Q oSパス 34が構成される。このように構成されることにより、 MN10のハンドオーバ後の QoSパスができる限り最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ル ート構成の負荷を低減させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設 定区間は、従来では図 11に示すように PAR2r— NAR3 — AP32'— MN1CTで あるのに対し、本発明の第 1の実施の形態では図 1に示すように NAR31— AP32— MN10と短くなる。このため、 QoSパス構成に要する時間が短くなり、 QoS中断時間 も短くすることができる。また、生成される QoSパスが PAR21及び NAR31の双方を 通っているため、 PAR21と NAR31との間で MN10が行ったり来たりする、いわゆる" ピンポン現象"においても有用である。
[0039] 次に、本発明の第 1の実施の形態に係る処理ノードの構成について図 3を用いて 説明する。以下では、処理ノードとして MN10のハンドオーバ後のサブネット 30に属 する NAR31を例にとって説明する。図 3に示すように、 NAR31は、受信手段 301、 送信手段 302、シグナリング生成手段 303、パス消去手段 304、記憶手段 305から
構成されている。受信手段 301は、上述した MN10からの QoSパス 64の構成のため のシグナリングや、 CN60と MN10との間でやりとりされるパケットなどを受信するもの である。送信手段 302は、後述するシグナリング生成手段 303によって生成された Q oSパス 64を構成するためのシグナリングや、 CN60と MN10との間でやりとりされる パケットなどを送信するものである。
[0040] シグナリング生成手段 303は、受信手段 301によって受信された、 MN10から送信 される QoSパス 64を構成するためのシグナリングに基づいて、 CN60と NAR31との 間の QoSパス及び NAR31と AP22との間の QoSパスを構成するためのシグナリング をそれぞれ生成するものである。パス消去手段 304は、 CN60と AP22との間に QoS パス 64が構成された後に MN10がハンドオーバを完了した場合に、 NAR31から A P22までの一時的な QoSパスを消去するものである。なお、この一時的な QoSパス の消去は PAR21や他の装置などが行うようにしてもよい。記憶手段 305は、 NAR31 の動作を制御するための制御プログラムや、 NAR31が処理を行う際に生じるデータ などの情報を格納するものである。
[0041] <第 2の実施の形態 >
以下、本発明の第 2の実施の形態について図 4及び図 5を用いて説明する。図 4は 本発明の第 2の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリング のシーケンスを示すシーケンスチャートである。図 5は本発明の第 2の実施の形態に 係る処理ノードの構成を示す構成図である。
[0042] 第 2の実施の形態では、上述したように処理ノードに、サブネット 20に属する PAR2 1を指定した場合について説明する。なお、第 2の実施の形態における通信ネットヮ ークは、第 1の実施の形態における通信ネットワークと同様のものとする。第 2の実施 の形態の場合のシグナリングシーケンスについて図 4を用いて説明する。図 4に示す ように、ハンドオーバをする前には、 MN10と CN60との間には経路(古い QoSパス) 24が構成されている。
[0043] この状態から、 MN10がハンドオーバをすると決定すると、 MN10はシグナリング( セッション ID、フロー IDなどを含む)を PAR21に対して送信する(ステップ S401)。 そして、シグナリングを受け取った PAR21は、 NAR31 (上述した所定の通信相手に
相当)に向けて QoSの状態設定のためのシグナリングを送信する(ステップ S402)。 そのシグナリングを受け取った NAR31は、 CN60に向けて同様に QoSの状態設定 のためのシグナリングを送信する(ステップ S403)。これ〖こより、 NAR31と CN60との 間に位置する QNE14、 QNE12、 QNE13では、送信されるシグナリングに基づく新 たな QoSパスの状態設定が行われ、再ルート構成された QoSパス 64が CN60と AP 22との間に構成される。
[0044] そして、 MN10がハンドオーバを実際に開始し完了すると、 NAR31から AP22ま での一時的な QoSパスは消去され、 CN60と AP32との間に新たな QoSパス 34が構 成される。このように構成されることにより、 MN10のハンドオーバ後の QoSパスがで きる限り最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負 荷を低減させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間は、従 来では図 11に示すように PAR21' -NAR31' AP32'—ΜΝ1(Γであるのに対し 、本発明の第 2の実施の形態では図 1に示すように NAR31— AP32— MN10と短く なる。このため、 QoSパス構成に要する時間が短くなり、 QoS中断時間も短くすること ができる。また、生成される QoSパスが PAR21及び NAR31の双方を通っているた め、 PAR21と NAR31との間で MN10が行ったり来たりする、いわゆる"ピンポン現 象"においても有用である。
[0045] 次に、本発明の第 2の実施の形態に係る処理ノードの構成について図 5を用いて 説明する。以下では、処理ノードとして MN10のハンドオーバ前のサブネット 20に属 する PAR21を例にとって説明する。図 5に示すように、 PAR21は、受信手段 501、 送信手段 502、シグナリング生成手段 503、パス消去手段 504、記憶手段 505から 構成されている。受信手段 501は、上述した MN10からの QoSパス 64の構成のため のシグナリングや、 CN60と MN10との間でやりとりされるパケットなどを受信するもの である。送信手段 502は、後述するシグナリング生成手段 503によって生成された Q oSパス 64を構成するためのシグナリングや、 CN60と MN10との間でやりとりされる パケットなどを送信するものである。
[0046] シグナリング生成手段 503は、受信手段 501によって受信された、 MN10から送信 される QoSパス 64を構成するためのシグナリングに基づいて、 CN60と AP22との間
の QoSパスを構成するためのシグナリングを生成するものである。そして、生成された シグナリングを受信する NAR31は、受信したシグナリングに基づいて、 CN60と NA R31自身との間の QoSパスを構成するためのシグナリングを生成して CN60へ送信 する。
[0047] ノ ス消去手段 504は、 CN60と AP22との間に QoSパス 64が構成された後に MN1 0がハンドオーバを開始して完了した場合に、 NAR31から AP22までの一時的な Qo Sパスを消去するものである。なお、この一時的な QoSパスの消去は NAR31や他の 装置などが行うようにしてもよい。記憶手段 505は、 PAR21の動作を制御するための 制御プログラムや、 PAR21が処理を行う際に生じるデータなどの情報を格納するも のである。
[0048] <第 3の実施の形態 >
以下、本発明の第 3の実施の形態について図 6から図 9を用いて説明する。図 6は 本発明の第 3の実施の形態における通信ネットワークの構成を示す構成図である。 図 7は本発明の第 3の実施の形態に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナ リングのシーケンスを示すシーケンスチャートである。図 8は本発明の第 3の実施の形 態に係る処理ノードの構成を示す構成図である。図 9は本発明の第 3の実施の形態 に係る高速 QoSハンドオーバ方法におけるシグナリングの他のシーケンスを示すシ 一ケンスチャートである。
[0049] まず、本発明の第 3の実施の形態における通信ネットワークの構成について図 6を 用いて説明する。通信ネットワークは、 MN (移動端末) 610、 MN610の通信相手の CN660、 MN610と CN660との間に位置し、 MN610と CN660との間におけるシ グナリング(シグナリングメッセージとも言う)やデータパケットなどを中継する QNE61 1、 612、 613、 614、 615、それぞれのサブネット 620、 630、 640を構成するァクセ スルータである PAR621、 [NAR1]631、 [NAR2]641、そして PAR621、 [NAR1]6 31、 [NAR2]641それぞれに接続し、固有の通信可能領域を形成する AP (Access Point) 622, 623、 632、 633、 642、 643力ら構成されて!ヽる。なお、ここでの通信ネ ットワークの構成は一例であり、これに限られるものではない。
[0050] MN610は現在サブネット 620におり、無線で AP622と接続し、経路(QoSパス) 6
24を通じて CN660と通信をしている。すなわち、 MN610は QoSパス 624上の AP6 22、 PAR621, QNE611, QNE612, QNE613を通じて CN660と通信をして!/、る 。以下では、本発明の第 3の実施の形態に係る QoSパス変更に伴う処理を行う処理 ノードに、サブネット 640に属する [NAR2]641を指定した場合について説明する。 なお、処理ノードにサブネット 620に属する PAR621を指定した場合については後 述する。なお、処理ノードは [NAR1]631、 [NAR2]641、 PAR621に限られるもので はなぐ他の QNE (プロキシ)などであってもよ!/、。
[0051] MN610がサブネット 620からサブネット 630へ移動(ノヽンドォーノ )する場合、 MN 610は、ハンドオーバ前に [NAR2]641に対して、 CN660力ら [NAR2]641、 [NAR 1]631、及ひ703622が接続されてぃる!3^621を経由した経路(<303パス)664 (こ こでは、 CN660から AP622までの経路)を構成させるためのシグナリングを送信す る。このシグナリングには、現在の QoSパス 624のセッション ID及びフロー IDのような QoSパス情報が含まれている。具体的には、図 6に示すような、例えば QoSパス 624 のセッション IDである Yとフロー IDである Xがシグナリングには含まれる。なお、 MN6 10のハンドオーバ後の新たな経路(QoSパス) 634のセッション IDは Yであり、フロー IDは Zである。上述したように、セッション IDは MN610の移動によっても同じままで ある。
[0052] シグナリングを受信した [NAR2]641は 2つの処理を開始する。 1つ目の処理は、 [ NAR2]641から CN660 (上述した所定の通信相手に相当)に向力つて QoSパスを 構成する処理である。具体的には、 [NAR2]641は CN660に向かって QoSパスの 構成 (QoSの状態設定)をするためのシグナリングを送信する。そして、 [NAR21641 と CN660との間に位置する QNE615、 QNE612、 QNE613では、送信されるシグ ナリングに基づく新たな QoSパスの状態設定が行われ、 CN660と [NAR2]641との 間に QoSパス(経路 664の一部の QoSパス)が構成される。構成される QoSパスは、 [NAR2]641と CN660との間の最適なパスとなる。
[0053] 2つ目の処理は、 [NAR2]641力ら PAR621 (上述した所定の通信相手に相当)に 向かって [NAR1]631を経由した一時的な QoSパス(AP622までの QoSパス)を構 成する処理である。具体的には、 [NAR2]641は [NAR1]631を経由させて PAR62
1に向力つて一時的な QoSパスの構成 (QoSの状態設定)をするためのシグナリング を送信する。そして、送信されるシグナリングにより一時的な QoSパスの状態設定が 行われ、 AP622と [NAR2]641との間に一時的な QoSパス(経路 664の一部)が構 成される。このように、例えば 2つ先の [NAR2]641が分かっている場合、 [NAR2]64 1をパス上に含めることにより、 1つ先の [NAR1]631においてパス変更の処理を省略 することができる。また、構成される一時的な QoSパスのうちの [NAR1]631から AP6 22の一部の QoSパスは、 MN610のハンドオーバが完了すると [NAR1]631若しく は PAR621などによって消去される。これにより、不要となった QoSパスによる帯域 の無駄な消費を防ぐことができる。以下に、上述した処理におけるシグナリングのシ 一ケンスについて図 7を用いて説明する。
[0054] 図 7に示すように、 MN610と CN660との間には既に QoSパス 624 (古い QoSパス )が構成されている。この状態から、 MN610がハンドオーバをすると決定すると、 M N610は [NAR2]641に対してセッション ID及びフロー IDを含むシグナリングを送信 する(ステップ S 701)。
[0055] MN610からのシグナリングを受信した [NAR2]641は、 [NAR2]641力ら AP622 までの QoSパスの構成(QoSの状態設定)のためのシグナリングを [NAR1]631に送 信し (ステップ S 702)、シグナリングを受信した [NAR1]631は受信したシグナリング を PAR621に送信する(ステップ S703)。また、 [NAR2]641は、 [NAR2]641から C N660までの QoSパスの構成(QoSの状態設定)のためのシグナリングを CN660に 送信する(ステップ S 704)。これらのシグナリングにより再ルート構成された QoSパス 664の状態設定が行われ、 CN660と AP622との間に QoSノ ス 664力構成される。 そして、 MN610がハンドオーバを開始して完了すると、 [NAR1]631から AP622ま での QoSパスは消去され、 CN660と AP632との間に新たな QoSノ ス 634 (新たな Q oSパス a)が構成される。さらにその後 MN610が AP632から AP642へのハンドォ ーバを完了させると、 [NAR2]641から AP632との間の QoSパスは消去され、 CN6 60と AP642との間に新たな QoSパス(経路) 644 (新たな QoSパス b)が構成される。
[0056] このように構成されることにより、 MN610のハンドオーバ後の QoSパスができる限り 最適な QoSパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負荷を低減
させることができる。また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間は、従来では P AR621—NAR631—AP632— MN610であるのに対し、本発明の第 3の実施の 形態では図 6に示すように [NAR1]631—AP632— MN610と短くなる。このため、 QoSパス構成に要する時間が短くなり、 QoS中断時間も短くすることができる。また、 生成される QoSパス力 PAR621、 [NAR1]631、 [NAR2]641を通っているため、 P AR621、 [NAR1]631、 [NAR2]641の間で MN610が行ったり来たりする、いわゆ る"ピンポン現象"においても有用である。
[0057] 次に、本発明の第 3の実施の形態に係る処理ノードの構成について図 8を用いて 説明する。以下では、処理ノードとしてサブネット 640に属する [NAR2]641を例にと つて説明する。図 8に示すように、 [NAR2]641は、受信手段 801、送信手段 802、シ ダナリング生成手段 803、パス消去手段 804、記憶手段 805から構成されている。受 信手段 801は、上述した MN610からの QoSパス 664の構成のためのシグナリング や、 CN660と MN610との間でやりとりされるパケットなどを受信するものである。送 信手段 802は、後述するシグナリング生成手段 803によって生成された QoSパス 66 4を構成するためのシグナリングや、 CN660と MN610との間でやりとりされるバケツ トなどを送信するものである。
[0058] シグナリング生成手段 803は、受信手段 801によって受信された、 MN610から送 信される QoSパス 664を構成するためのシグナリングに基づいて、 CN660と [NAR2 ]641との間の QoSパス及び [NAR2]641と AP622との間の QoSパスを構成するた めのシグナリングをそれぞれ生成するものである。パス消去手段 804は、例えば CN6 60と AP622との間に QoSパス 664が構成された後に MN610がハンドオーバを繰り 返し、サブネット 630内の AP632からサブネット 640内の AP642へのハンドオーバ が完了した場合に、 [NAR2]641から [NAR1]631までの一時的な QoSパスを消去 するものである。なお、この一時的な QoSパスの消去は [NAR1]631や他の装置など が行うようにしてもよい。記憶手段 805は、 [NAR2]641の動作を制御するための制 御プログラムや、 [NAR2]641が処理を行う際に生じるデータなどの情報を格納する ものである。
[0059] 次に、上述したように処理ノードにサブネット 620に属する PAR621を指定した場
合のシグナリングのシーケンスについて図 9を用いて説明する。まず、図 9に示すよう に、 MN610と CN660との間には既に QoSパス 624 (古い QoSパス)が構成されて いる。この状態から、 MN610がハンドオーバをすると決定すると、 MN610は PAR6 21に対してセッション ID及びフロー IDを含むシグナリングを送信する(ステップ S901
) o
[0060] MN610からのシグナリングを受信した PAR621は、 PAR621 (AP622)力ら CN6 60までの QoSパスの構成(QoSの状態設定)のためのシグナリングを CN660 (上述 した所定の通信相手に相当)に向けて [NAR1]631に送信する(ステップ 902)。シグ ナリングを受信した [NAR1]631は受信したシグナリングを [NAR2]641へ送信し (ス テツプ S903)、シグナリングを受信した [NAR2]641は受信したシグナリングを CN66 0に送信する(ステップ S904)。これらのシグナリングにより再ルート構成された QoS パス 664の状態設定が行われ、 CN660と AP622との間に QoSノ ス 664力構成され る。そして、 MN610がハンドオーバを開始して完了すると、 [NAR1]631から AP62 2までの QoSパスは消去され、 CN660とAP632との間に新たなQoSパス634 (新た な QoSパス a)が構成される。さらにその後 MN610が AP632から AP642へのハンド オーバを完了させると、 [NAR2]641から AP632との間の QoSパスは消去され、 CN 660と AP642との間に新たな QoSノ ス 644 (新たな QoSノ ス b)が構成される。この ように構成されることにより、例えば 2つ先の [NAR2]641が分力つている場合、 [NA R2]641をパス上に含めることにより、 1つ先の [NAR1]631においてパス変更の処 理を省略することができる。
[0061] 以上、本発明の各実施の形態について説明した。なお、上記各実施の形態の説明 に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路である LSIとして実現される。これ らは個別に 1チップィ匕されてもよいし、一部又はすベてを含むように 1チップィ匕されて もよい。ここでは、 LSIとした力 集積度の違いにより、 IC、システム LSI、スーパー LS I、ウルトラ LSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法は LSIに限るもので はなぐ専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。 LSI製造後に、プログラムす ることが可能な FPGA (Field Programmable Gate Array)や、 LSI内部の回路セルの 接続や設定を再構成可能なリコンフィギユラブル'プロセッサを利用してもよい。さらに
は、半導体技術の進歩又は派生する別技術により LSIに置き換わる集積回路化の技 術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積ィ匕を行ってもよい。例 えばバイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
産業上の利用可能性
本発明に係る高速 QoSハンドオーバ方法及びその方法で用いられる処理ノードは 、ハンドオーバ前に再構成された QoSパスができる限りハンドオーバ後の最適な Qo Sパスとなり、ハンドオーバ後に行う QoSパスの再ルート構成の負荷を低減させること ができ、また、ハンドオーバ直後に行う QoSパス設定区間が短くなり、 QoS中断時間 を最小にすることができるため、無線通信を行う移動端末 (モパイルノード)の高速 Qo Sハンドオーバ方法及びその方法で用いられる処理ノードに利用することができ、特 に、次世代インターネットプロトコルであるモパイル IPv6 (Mobile Internet Protocol ve rsion 6)プロトコルを利用した無線通信を行うモパイルノードにおける高速 QoSハンド オーバ方法及びその方法で用いられる処理ノードに有用である。