WO2007114165A1

WO2007114165A1 - 通信装置

Info

Publication number: WO2007114165A1
Application number: PCT/JP2007/056641
Authority: WO
Inventors: Toshihiko Kawata; Shinichi Nakada; Masaki Noji
Original assignee: Kyocera Corporation
Priority date: 2006-03-28
Filing date: 2007-03-28
Publication date: 2007-10-11
Also published as: US8502737B2; US20100231459A1

Abstract

　チップアンテナへのノイズの影響を抑えるための導体を設けることにより発生する新たな問題であるパワーアンプの発振を防止する通信装置であって、所望周波数の電波を捕捉するチップアンテナ（２）と、プリント配線板（１）上に実装され、当該チップアンテナ（２）から入力された受信信号を低周波化するＲＦ回路（３）と、前記プリント配線板（１）上に実装され、当該ＲＦ回路（３）から入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路（４）と、前記チップアンテナ（２）とデジタル回路（４）との間、且つ、前記プリント配線板（１）から所定高さとなる位置に延在し、且つ、一端がプリント配線板（１）のグランド導体に接続された導体５と、前記導体（５）に付加された電波吸収体（１３）と、を備える。

Description

明細書

通信装置

技術分野

[0001] 本発明は、通信装置に関する。

本願は、 2006年 3月 28日に出願された特願 2006— 87466号、及び、 2006年 3 月 28日に出願された特願 2006— 87467号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。

[0002] 従来、基地局等の外部装置と無線通信を行う通信装置には様々な形態のものがあり、例えば、携帯端末機や、ノート型パーソナルコンピュータ（以後ノートパソコンとする）の拡張スロットに挿し込んで用いる PCカード型のもの等がある。

これらの通信装置は、基地局等との間で無線通信回線を確立して電波の授受を行うアンテナを備えている力このアンテナとして、近年は、見た目やコストの観点から、従来の外部に突出する形状のアンテナに代えて、筐体に内蔵するチップアンテナが用いられるようになつてきて、る。

しかし、チップアンテナを用いると、その特性により、チップアンテナに近接配置された装置が発するノイズをチップアンテナが拾い易くなり、その結果、チップアンテナの所望周波数の電波の受信性能が低下するという問題がある。近接する装置としては、例えば、チップアンテナが実装されているプリント配線板上に共に実装されているデジタル回路や、 PCカード型の通信装置にあってはノートパソコン等がある。

[0003] ノイズの影響を低減する技術としては、特許文献 1や特許文献 2に記載の技術がある。

特許文献 1には、高周波用受信機用のグランド配線と演算処理用回路のグランド配線とを別系統にし、演算処理用回路が発するノイズがグランド配線経由で高周波用受信機に入り込まな、ようにする技術が開示されて、る。

特許文献 2には、スペクトル拡散方式を適用した無線通信カードであって、パソコン等のカードインターフェース手段と変復調処理手段とスペクトル拡散逆拡散手段と周波数変調手段を有し、カードスロットに実装できる無線通信カードにおいて、アンテナの実装位置を少なくともパソコン等の本体より 10cm離して実装するという技術が開示されている。

特許文献 1：特開平 9— 64764号公報

特許文献 2：特開平 9 - 289471号公報

[0004] 特許文献 1に記載の技術のように、グランド配線を別系統にしても、実際には、各グランド間の距離を十分にとらなければ、十分な効果が得られない。小さい装置の基板においては特に、各グランド間の距離を十分にとることは、困難である場合が多い。また、特許文献 2に記載の技術は、アンテナカゝらノイズ発生源となる装置までの距離が 10cm未満にならざるを得ない通信装置には適用できない。

[0005] 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、低コストで容易な手法によってノィズの影響を低減させ、チップアンテナの受信性能低下の要因を排除することを目的とする。

[0006] 更に、本出願人は、チップアンテナとノイズ発生源であるデジタル回路との間に、プリント基板のグランド導体に接続する導体を、所定の条件を満たす形状及び位置に設けたところ、デジタル回路等が発するノイズによるチップアンテナの受信性能低下が抑えられることを確認した。

[0007] し力しながら、導体を設けることによって送信用パワーアンプが発振して送信状態が不安定になることがあると、う新たな問題が発生した。この新たな問題にっヽては、周波数帯域によっては、あるいは、送信用パワーアンプ部品固体の製造バラツキによってはパワーアンプの安定ィ匕指数が低、部分があるなど、様々な条件やパラメ一タが組み合わされて発振が生じるものと考えられる。更に、送信信号は、 RF回路において高周波化された後に送信用パワーアンプによって電力増幅されてチップアンテナに供給され、送信電波として空中に放射されるが、導体が存在することによって、上記送信電波が導体を介して送信用パワーアンプと電磁的に結合して正帰還ループが形成され、以つて送信用パワーアンプが発振するものとも考えられる。即ち、従

、ては様々な条件やパラメータの組み合わせによって発振が生じる不安定領域ができ得るが、このような発振を回避し、より安定した送信動作を可能とすることが求められていた。

[0008] 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、導体を設けることにより発生する新たな問題であるパワーアンプの発振を防止することを目的とする。

発明の開示

[0009] 上記課題を解決するために、本発明では、第 1の手段として、所望周波数の電波を捕捉するチップアンテナ、当該チップアンテナから入力された受信信号を低周波化する RF回路及び当該 RF回路から入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路とがプリント配線板上に実装された通信装置であって、前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体と、前記導体に付カロされた電波吸収体と、を備えるものを採用した。

[0010] また、第 2の手段として、所望周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有し前記電波を捕捉するチップアンテナ、当該チップアンテナから入力された受信信号を低周波化する RF回路及び当該 RF回路カゝら入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路とがプリント配線板上に実装された通信装置であって、前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、前記電波の 1Z4波長に相当する電気長を有すると共に一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体と、前記導体に付加された電波吸収体と、を備えるものを採用した。

[0011] また、第 3の手段として、上記第 1又は 2の手段において、前記導体は、長尺状の板金により形成されていて、前記電波吸収体は、前記導体の長手方向に沿って 2mm 以上の長さを有すると共に、前記導体の幅方向に沿って前記導体の幅と略同じ長さを有するものを採用した。

[0012] 更に、上記課題を解決するために、本発明では、第 4の手段として、所望周波数の電波を捕捉するチップアンテナ、当該チップアンテナから入力された受信信号を増幅及び低周波化する RF回路及び当該 RF回路から入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路とがプリント配線板上に実装された通信装置であって、前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体を備えるものを採用した。 [0013] また、第 5の手段として、所望周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有し前記電波を捕捉するチップアンテナ、当該チップアンテナから入力された受信信号を増幅及び低周波化する RF回路及び当該 RF回路カゝら入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路とがプリント配線板上に実装された通信装置であつて、前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板から所定高さとなる位置に延在し、且つ、前記電波の 1Z4波長に相当する電気長を有すると共に一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体を備えるものを採用した。

[0014] また、第 6の手段として、上記第 4又は 5の手段において、前記導体は、長尺状の金属部材を一方の端部に近い位置で略直角に屈曲させた略 L字型のものであって、屈曲部に遠い方の端部力屈曲部までの部分が前記プリント配線板に略平行になるよう、屈曲部に近い方の端部が前記グランド導体に接続され、他方の端部が開放端とされているものを採用した。

[0015] 本発明によれば、導体に電波吸収体を取り付けることにより、パワーアンプが発振することが回避されたため、チップアンテナへのノイズの影響を抑える機能を損なうことなぐ導体を設けることにより発生する新たな問題であるパワーアンプの発振を防止することができる。

[0016] 更に、本発明によれば、導体を配設することによって、近接する装置が発するノイズがチップアンテナに侵入する程度を低減させることができる。したがって、既存の構成に導体を付加するという低コスト且つ容易な手法によってノイズの影響を低減させ、チップアンテナの受信性能低下の要因を排除することができる。

図面の簡単な説明

[0017] [図 1]本発明の一実施形態における導体に電波吸収体を付加しない場合の通信装置の外観を示す斜視図である。

[図 2]本発明の一実施形態における導体に電波吸収体を付加しない場合の通信装置のパワーアンプが発振しているときの送信スペクトラムを示すグラフである。

[図 3]本発明の一実施形態における導体に電波吸収体を付加しない場合の通信装置のチップアンテナ—L字型板金パワーアンプ間の安定ィ匕指数を示すグラフである。 [図 4A]本発明の一実施形態における導体に電波吸収体を付加した場合の通信装置の外観を示す斜視図である。

[図 4B]本発明の一実施形態における導体及び電波吸収体を示す斜視図である。

[図 5]本発明の一実施形態における電波吸収体を付加した場合の通信装置の送信スペクトラムを示すグラフである。

[図 6]本発明の一実施形態における電波吸収体を付加した場合の通信装置のチップアンテナ— L字型板金—パワーアンプ間の安定ィ匕指数を示すグラフである。

[図 7]本発明の一実施形態における通信装置の外観を示す斜視図である。

[図 8]本発明の一実施形態における L字型板金の外観及び寸法を示す斜視図である

[図 9]本発明の一実施形態におけるノイズフロアの改善効果を示すグラフである。符号の説明

1…プリント配線板

la…コネクタ

2· ··チップアンテナ

3—RF回路部

4…デジタル回路部

字型板金 (導体）

5a…屈曲部

5b…端部

5c…部分

5d…端部

6…送信部

7…受信部

8- RFSAWフィルタ

9…パワーアンプ

10· ··アイソレータ

11 -RFスィッチ 12· ··誘電体フィルタ

13· ··電波吸収体

21· ··プリント配線板

21a…コネクタ

22· ··チップアンテナ

23- RF回路

24· ··デジタル回路

2₅· ·. _L字型板金 (導体）

25a…屈曲部

25b…端部

25c…部分

25d…端部

発明を実施するための最良の形態

[0019] <第 1の実施の形態 >

以下、本発明の通信装置の一実施形態について、図 1〜6を参照して説明する。図 1は、パワーアンプ発振対策を施す以前の状態の通信装置の外観を示す斜視図である。この通信装置は、 PCカードの筐体内に収納されて用いられるものであって、プリント配線板 1と、チップアンテナ 2と、 RF回路部 3と、デジタル回路部 4と、 L字型板金 5 (導体）と、を備えている。 RF回路部 3は、送信部 6と、受信部 7とを有し、送信部 6 は、 RFSAWフィルタ 8、パワーアンプ 9、アイソレータ 10、 RFスィッチ 11、誘電体フィルタ 12により構成されている。

[0020] プリント配線板 1は、一端にコネクタ laを備えている。コネクタ laは、ノートパソコンの拡張スロット内のコネクタに接続される。

プリント配線板 1には、コネクタ laに遠い方の端力も順に、チップアンテナ 2、 RF回路部 3、デジタル回路部 4が実装されている。また、プリント配線板 1は、グランド導体を有し、ここに L字型板金 5が接続されている。

[0021] チップアンテナ 2は、その長手方向を、プリント配線板 1上におけるチップアンテナ 2 、 RF回路部 3、デジタル回路部 4の並び方向に、略直交させて実装されている。チップアンテナ 2は、受信電波を補足し、これを受信信号として、 RF回路部 3の受信部 7へ出力する一方、 RF回路部 3の送信部 6から入力された送信信号を送信電波として空中に放射する。

チップアンテナ 2は、上記受信電波或いは送信電波の 1Z4波長に相当する電気長を有している。

[0022] RF回路部 3の受信部 7は、チップアンテナ 2から入力された信号 (RF信号)を低周波化してデジタル回路部 4へ出力する。 RF回路部 3の送信部 6は、デジタル回路部 4 力も入力された信号を高周波化 (RF信号化)してチップアンテナ 2へ出力する。

RF回路部 3の送信部 6の動作についてより詳細に説明すると、デジタル回路部 4から入力された変調信号は、 RFSAWフィルタ 8に入力されて帯域制限をかけられ、続いてパワーアンプ 9に入力されて増幅され、アイソレータ 10及び RFスィッチ 11を介して誘電体フィルタ 12に入力されて再度帯域制限をかけられた後に、チップアンテナ 2 に入力される。

デジタル回路部 4は、 RF回路部 3の受信部 7から入力された信号を復調し、コネクタ laへ出力する一方、コネクタ laから入力された信号を変調し、 RF回路部 3の送信部 6へ出力する。

[0023] L字型板金 5は、長尺状の板金を一方の端部に近!ヽ位置で略直角に屈曲させたものであって、屈曲部 5aに遠い方の端部 5b力も屈曲部 5aまでの部分 5cがプリント配線板 1に略平行となるよう、屈曲部 5aに近、方の端部 5dがグランド導体に接続され、他方の端部 5bが開放端とされている。

L字型板金 5は、送受信周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有している。チップアンテナ 2の送受信周波数を 1. 79GHz帯としたとき、 L字型板金 5の適正寸法は、例えば、幅が 6mm、開放端である端部 5b力も屈曲部 5aまでの部分 5cの長さが 33mm、屈曲部 5aから端部 5dまでの長さが 5mmである。

そして、 L字型板金 5は、開放端である端部 5bから屈曲部 5aまでの部分 5cが、チップアンテナ 2とデジタル回路部 4との間、且つ、プリント配線板 1から高さ 5mmとなる位置に延在するように、更に、部分 5cの長手方向をチップアンテナ 2の長手方向に略平行とされて、設けられている。 [0024] 上記の L字型板金 5を設けることにより、チップアンテナ 2に近接配置された装置が発するノイズによるチップアンテナ 2の受信性能低下が抑えられる力この状態では、パワーアンプ 9によっては、発振することがある。

図 2は、パワーアンプ 9が発振して、るときの送信スペクトラムを示すグラフである。ここに示すように、 1. 79GHz帯で送信を行う上記構成において、 1. 7GHz付近で発振が生じる。

図 3は、チップアンテナ L字型板金パワーアンプ間の安定ィ匕指数を示すグラフである。安定化指数は、 Kファクタとも呼ばれ、増幅器等の安定した動作を示す指標であって、回路の伝達特性を表す Sパラメータを用いて、以下の式 (1)で求められる。

K=(I + |S s — s s 21 |²— |s 11 |²— |s 22 |V(2

11 22 12 |s 12 s |) …ひ）

21

K> 1のとき、回路は安定した動作を行う。

グラフに示すように、安定ィ匕指数は、パワーアンプ 9の発振により、 1. 7GHz付近で劣化している。

[0025] 上記問題を解決する構成が、図 4A、及び Bに示すものである。図 4A、及び Bの構成では、 L字型板金 5に、電波吸収体 13を付加している。図 4A、及び Bでは、電波吸収体 13を L字型板金 5のプリント配線板 1に対抗する面上であってパワーアンプ 9 に対向する位置に貼付している力実施にあたっては、 L字型板金 5上であれば、他の位置でも構わず、同様の結果が得られる。

電波吸収体 13の適正な大きさは、例えば、縦 5mm X横 5mm X厚さ 0. 25mmである。また、電波吸収体としては様々な材質のものが利用可能であるが、例えば、合成ゴムと金属磁性粉末を混ぜてシート状にした電波吸収体は、取り扱!/、が容易であり、所望の形状に形成して L字型板金 5へ付加するのに簡便である。

[0026] 図 5は、図 4A、及び Bの構成の通信装置の送信スペクトラムを示すグラフである。ここに示すように、発振が抑えられている。

図 6は、図 4A、及び Bの構成の通信装置のチップアンテナ—L字型板金パワーアンプ間の安定ィ匕指数を示すグラフである。ここに示すように、 1. 7GHz付近の安定化指数の劣化が改善されて、る。

[0027] 以上のように、図 4A、及び Bの構成の通信装置は、 L字型板金 5を設けることによりチップアンテナの受信性能を改善すると共に、 L字型板金 5を設けることによる悪影響即ちパワーアンプ 9の発振を抑えることができた。

[0028] なお、本実施形態では、導体を L字型板金 5により実現しているが、実施にあたっては、他の形状のものであってもよぐ例えば、金属製の丸棒を屈曲させたもの等が考えられる。

また、本実施形態では、通信装置の一例として、 PCカードの筐体内に収納されて用いられるものについて説明したが、実施にあたっては、通信装置は、携帯端末機等、他のものであってもよい。

[0029] <第 2の実施の形態 >

以下、本発明の第 2の実施の形態について、図 7〜9を参照して説明する。図 7は、本実施形態における通信装置の外観を示す斜視図である。本通信装置は、 PCカードの筐体内に収納されて用いられるものであって、プリント配線板 21と、チップアンテナ 22と、 RF回路 23と、デジタル回路 24と、 L字型板金 25 (導体）と、を備えている。

[0030] プリント配線板 21は、一端にコネクタ 21aを備えている。コネクタ 21aは、ノートパソコンの拡張スロット内のコネクタに接続される。

プリント配線板 21には、コネクタ 21aに遠い方の端力も順に、チップアンテナ 22、 R F回路 23、デジタル回路 24が実装されている。また、プリント配線板 21は、グランド導体を有し、ここに L字型板金 25が接続されている。

[0031] チップアンテナ 22は、その長手方向を、プリント配線板 21上におけるチップアンテナ 22、 RF回路 23、デジタル回路 24の並び方向に、略直交させて実装されている。チップアンテナ 22は、受信電波を補足し、これを受信信号として、 RF回路 23へ出力する一方、 RF回路 23から入力された送信信号を送信電波として空中に放射するチップアンテナ 22は、上記受信電波或いは送信電波の 1Z4波長に相当する電気長を有している。

[0032] RF回路 23は、チップアンテナ 22から入力された信号 (RF信号)を増幅及び低周波化してデジタル回路 24へ出力し、デジタル回路 24力も入力された信号を高周波化 (RF信号化）してチップアンテナへ出力する。デジタル回路 24は、 RF回路 23から入力された信号を復調し、コネクタ 21aへ出力する一方、コネクタ 21aから入力された信号を変調し、 RF回路 23へ出力する。

[0033] L字型板金 25は、長尺状の金属部材を一方の端部に近い位置で略直角に屈曲させたものであって、図 8に示すように、屈曲部 25aに遠い方の端部 25bから屈曲部 25 aまでの部分 25cがプリント配線板 21に略平行になるよう、屈曲部 25aに近い方の端部 25dがグランド導体に接続され、他方の端部 25bが開放端とされている。

L字型板金 25は、送受信周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有して、る。チップアンテナ 22の送受信周波数を 1. 79GHz帯としたとき、 L字型板金 25の適正寸法は、例えば、幅が 6mm、開放端である端部 25bから屈曲部 25aまでの部分 2 5cの長さが 33mm、屈曲部 25aから端部 25dまでの長さが 5mmである。

そして、 L字型板金 25は、開放端である端部 25bから屈曲部 25aまでの部分 25cが、チップアンテナ 22とデジタル回路 24との間、且つ、プリント配線板 21から高さ 5mm となる位置に延在するように、更に、部分 25cの長手方向をチップアンテナ 22の長手方向に略並行とされて、設けられている。

[0034] 図 9は、上記の構成の通信装置を筐体に収納した PCカードをノートパソコンの拡張スロットに装着し、ノイズフロアの改善効果を測定した結果を示すグラフである。実線で示すのは、上記構成のように L字型板金 25を設けた場合のノイズフロアであり、破線で示すのは、従来通り L字型板金 25を設けな、場合のノイズフロアである。

[0035] 実験によれば、 L字型板金 25を設けない場合のノイズフロアは、各周波数に渡って、 - 2. OdB前後で推移する。これに対して、 L字型板金 25を設けた場合のノイズフロァは、 0〜4. OdB程度低ぐ L字型板金 25を設けたことにより平均 2dBの改善効果が得られている。本出願人は、ノイズフロアが改善される理由を、プリント配線板 21に流れる電流分布が、 L字型板金 25を付加したことにより変化して、ノイズを受けにくくなつたためであると推測して、る。

したがって、実験によれば、ノートパソコンの電源が ONとされているときのノイズフロァは、 L字型板金 25を設けることにより、低減し改善されると言える。

[0036] 以上のように、本通信装置は、 L字型板金 25を設けると、う低コスト且つ容易な手法によって、ノイズによる悪影響を低減し、チップアンテナの受信性能低下の要因を排除したものとすることができた。

[0037] なお、本実施形態では、導体を L字型板金 25により実現しているが、実施にあたつては、他の形状のものであってもよぐ例えば、金属製の丸棒を屈曲させたもの等が考えられる。

産業上の利用可能性

[0038] 本発明によれば、導体に電波吸収体を取り付けることにより、パワーアンプが発振することが回避されたため、チップアンテナへのノイズの影響を抑える機能を損なうことなぐ導体を設けることにより発生する新たな問題であるパワーアンプの発振を防止することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 所望周波数の電波を捕捉するチップアンテナと、

プリント配線板上に実装され、当該チップアンテナから入力された受信信号を低周波化する RF回路と、

前記プリント配線板上に実装され、当該 RF回路力入力された低周波化受信信号を復調処理するデジタル回路と、

前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体と前記導体に付加された電波吸収体と、

を備える通信装置。

[2] 所望周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有し前記電波を捕捉するチップアンテナと、

前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、前記電波の 1Z4波長に相当する電気長を有すると共に一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体と、

前記導体に付加された電波吸収体と、

を備える通信装置。

[3] 前記導体は、長尺状の板金により形成されていて、

前記電波吸収体は、前記導体の長手方向に沿って 2mm以上の長さを有すると共に、前記導体の幅方向に沿って前記導体の幅と略同じ長さを有する請求項 1に記載の通信装置。

[4] 所望周波数の電波を捕捉するチップアンテナと、

プリント配線板上に実装され、当該チップアンテナ力入力された受信信号を増幅及び低周波化する RF回路及と、

前記チップアンテナとデジタル回路との間、且つ、前記プリント配線板力所定高さとなる位置に延在し、且つ、一端がプリント配線板のグランド導体に接続された導体とを備える通信装置。

[5] 所望周波数の電波の 1Z4波長に相当する電気長を有し前記電波を捕捉するチップアンテナと、

プリント配線板上に実装され、当該チップアンテナ力入力された受信信号を増幅及び低周波化する RF回路と、

を備える通信装置。

[6] 前記導体は、長尺状の金属部材を一方の端部に近い位置で略直角に屈曲させた略 L字型のものであって、屈曲部に遠、方の端部から屈曲部までの部分が前記プリント配線板に略平行になるよう、屈曲部に近い方の端部が前記グランド導体に接続され、他方の端部が開放端とされている請求項 4に記載の通信装置。