明 細 書
送信電力制御方法及び基地局、基地局制御局並びにその制御プログラ ム 技術分野
[0001] 本発明は送信電力制御方式、送信電力制御方法及び基地局、基地局制御装置並 びにそのプログラムに関する。
背景技術
[0002] 代表的な無線通信システムである W— CDMA (Wide band-Code Division Multiple
Access)システムでは、下り回線の高速パケット伝送方式である HSDPA (High Spee d Downlink Packet Access)や上り回線の高速パケット伝送方式である EUDCH (En hanced Uplink Dedicated Channel)が標準化されている。これらのパケット伝送方式は 、基地局力スケジューリングを行って複数の移動局に時間多重または符号多重によ つて、データ送受信のあるときのみ無線リソースを割当てるようにし、無線リソースの使 用効率を高めて 、る。この W— CDMAシステムにつ 、て図面を用いて簡単に説明 する。
[0003] 図 1は W— CDMAシステムの一例を示す概略的なネットワーク構成図である。ここ では、複数の基地局 11、 12が基地局制御装置 10に接続され、基地局制御装置 10 は更に外部のネットワークに接続可能である。複数の基地局はそれぞれ複数の移動 局を収容可能であり、ここでは、移動局 21および 22が基地局 11に、移動局 24が基 地局 12にされており、移動局 23がソフトハンドオーノ^適宜、 SHOと記す。)中で基 地局 11および 12の両方に接続されているものとする。
[0004] 移動局 21〜24は基地局との間で上りおよび下りの個別チャネル(DPCCH: Dedica ted Physical Control Channel)により制御信号を送受信している。さらに、移動局 22 および 24は HSDP Aを用いてデータ受信を行い、移動局 23および 24は EUDCHを 用いてデータ送信を行って 、る。 HSDPAを用いたデータ受信を行って ヽる移動局 22および 24は HS- SCCH (High Speed-Shared Control Channel)、並びに HS-PDSC H (High Speed-Physical Downlink Shared Channel)を受信し、 HS- DPCCH (High Spe
ed- Dedicated Physical Control Channel)を送信する。また、 EUDCHを用いたデー タ送信を行っている移動局 23および 24は E-HICH (Enhanced- Hybrid ARQ Indicate r Channel) ^ E-AuCH (Enhanced- Absolute urant Gnannel)、 E—RGし H (Enhanced— Re lative Grant channel)を受信し、 E- DPCCH (Enhanced- Dedicated Control Channel) 、 E-DPDCH (Enhanced- Dedicated Data Channel)を送信する。すなわち、 HSDPA や EUDCHを実行中の移動局も、データ送受信のためのチャネル以外に DPCCHと 呼ばれるチャネルを送受信している。 DPCCHは、移動局と基地局とが同期を確保し 復調のためのチャネル推定に使用するパイロット信号ゃ閉ループ型電力制御のため の制御信号である TPC (Transmission Power Control)信号などの制御信号を送信す るために用いられる。
[0005] DPCCHの送信電力は目標品質(ここでは目標 SIR(Signal to Interference Ratio:受 信電力対干渉電力比))に近づくように閉ループ型電力制御が行われる。例えば、上 り回線の DPCCHの送信電力制御では、基地局は基地局制御装置 10が定める目標 SIRと実際に受信した DPCCHの SIRとを比較し、実際の受信 SIRが目標 SIRよりも小 さい場合は、送信電力を増加させるよう指示する TPC信号を下り回線の DPCCHで送 信する。それ以外の場合は、送信電力を減少させるよう指示する TPC信号を送信す る。移動局は DPCCHで受信した TPC信号の指示に従って DPCCHの電力を増減す る (非特許文献 1)。
[0006] ここで、移動局が複数の基地局と DPCCHの送受信を行って 、る場合、すなわち移 動局 23のようにソフトハンドオーバ(SHO)状態の場合には、移動局 23は複数の TP C信号を受信するが、そのなかで一つでも電力減少を指示する TPC信号を受信す れば電力を減少させるように制御される。これは、 SHO中は複数の基地局の中のい ずれか一つにおいて所望の品質を満足していれば通信が可能であるからであり、複 数の基地局で十分な品質となるよう送信電力を増加させることは他ユーザへの干渉 を増加させることになり好ましくないためである。
[0007] し力しながら、この方法では、移動局までの伝搬損失が最も小さ!/、基地局では、移 動局からの制御信号をほぼ正確に受信できるが、移動局力 の伝搬損失が大きい基 地局では、制御信号の受信電力が小さいために移動局力もの制御信号の受信に失
敗することが多くなる。従って、伝播損失の大きい基地局では送信電力制御の誤りが 増加し、それぞれの基地局の下り送信電力を互いに等しく保つことができなくなる。
[0008] そこで、ソフトハンドオーバ実行中に、各基地局が互いにほぼ等しい電力で送信で きる様にするパワーバランシングと 、う送信電力制御方法が提案されて 、る(非特許 文献 2)。
[0009] 次に、図 2を参照して下り回線のための送信電力制御の一例について説明する。
図 2は、ソフトハンドーバの実行中に、基地局が移動局からの TPC信号を受けて下り 回線の DPCCHの送信電力を決定するフロー図である。尚、基地局が移動局とソフト ハンドオーバを開始するとき、その基地局が以前力 その移動局に対して送信を行 つている Serving基地局であれば、送信電力 Pは、その移動局に対する送信電力の直 前の値のままとし、その基地局が新たにその移動局に対して送信を開始した Non-ser ving基地局であれば送信電力 Pを初期値 P0に設定するものとする。また、 Serving基 地局と Non-serving基地局は、制御局力 ソフトハンドオーバを開始するフレーム番 号を通知されるものとする。
[0010] また、以下の説明において、 P(k)は調整期間内のスロット kにおける制御する送信電 力、 P_balは調整期間内の 1スロット当たりのパワーバランスの調整量、 P_bal(k)は調整 期間内の kスロットにおけるパワーバランスの調整量、 Iはフレーム数、 kはスロットの番 号であり、フレームは所定のスロット数からなり、以下の説明では 1フレーム内のスロッ ト数をしとする。尚、 3GPPでは 15スロットで 1フレームと規定している。更に、 P_TPC(k) は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の調整量、 Tinitは調整期間、 P_refは基 地局制御装置が決定する基準電力オフセット値、 P_CPICHは基地局が送信する共 通パイロット信号の電力値であり、 rはパワーバランシングの調整割合である。
[0011] 先ず、制御局より複数基地局間の送信電力バランス制御メッセージが到着すると、 初期値として、 P_bal=0、 1=0、 k=0にリセットし (ステップ 101、ステップ 102、ステップ 10 3)。ここで、 TPC信号は移動局より一定の間隔で通知される力 この新たに通知され た下り制御命令が存在して (ステップ 104)、その TPC信号が電力増加を指示してい る場合には (ステップ 105)、 kスロットにおける TPC信号による送信電力増減量 P_TPC (k)を所定の値 ATPCだけ増加させ (ステップ 106)、その TPC信号が電力減少を指示
している場合には (ステップ 105) P_TPC(k)を所定の値 ATPCだけ減少させる (ステ ップ 107)。一方、 TPC信号が受信されない場合には、 P_TPC(k)=0として (ステップ 10
8)、ステップ 109に進む。
[0012] そして、 P_bal(k)= P_balとし (ステップ 109) kスロットにおける送信電力 P(k)を式 1と なるように制御する (ステップ 110)
[0013] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
尚、 k=0となる場合には、 P(k- 1)は、前フレームの最終スロットの値を用いる。
[0014] 続いて、 kを 1増加し (ステップ 111) Kが Lslotになったか判断する(ステップ 112)。
Kが Lslotでなければ、ステップ 104に戻り、上述した処理を続行する。一方、 Kが Lslo tとなると、 Iを 1増加する (ステップ 113)。そして、 1= Tinit、すなわち、調整期間が終了 したかを判断する (ステップ 114)
[0015] 1= Tinitでなければ、ステップ 103に戻り、上述した処理を続行する。一方、 1= Tinit となった場合、調整期間の最終スロットで送信した電力 Pjnitを P(k-l)とする (ステップ
115)。そして、次の調整期間に用いられる P_balを計算するため、調整期間内の P_bal の合計量を式 2より求める (ステップ 116)
[0016] Sum P— bal = (1— r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
続いて、 Tinitと Lslotとを乗算した値、すなわち調整期間の全スロット数で、 Sum P_ba
1を割った値を、次の調整期間の P_balとし (ステップ 117)、ステップ 102に戻り、上述 した処理を続行する。
[0017] このようなパワーバランシングは、式 1及び式 2で規定され、 W— CDMA規格を規 定している 3GPP(3rd Generation Partnership Project)でも規定されている(非特許文 献 1、非特許文献 2)。
[0018] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
ただし、 3GPPにおける規定では調整期間内で具体的な調整方法については規定 していない。すなわち、上述のように調整期間内の各スロットにおいて一定値だけ調 整するように S Pbalを等分割して調整してもよいし、調整期間内の所定スロットにお V、てのみ一括または数回に分割して調整してもよ 、。
[0019] ところで、上述した 3GPPでは、 HS-PDSCHや E-DPDCHにおいて当該移動局に対 するデータ送信または当該移動局からのデータ送信が行われていない場合には、上 り回線の DPCCHにおいて TPCやパイロット信号等の制御信号の連続送信を行わず、 所定の期間内に限られたスロットのみで、制御信号を送信する技術が提案されてい る (DPCCH Gatingと呼ばれる) (非特許文献 3)。ここで、移動局に対してデータ送受 信が行われていないとは、 HS-PDSCHまたは E-DPDCHの少なくともどちらか一方の チャネルにおいて、所定時間の間、当該移動局と基地局の間で信号の送信受信が 行われないことをいう。このような状況は、例えば、 HSDPAを使用しウェブ閲覧を行つ ている移動局のユーザが、ダウンロードしたウェブページを読んでいる間(reading tim e)などで発生する。
[0020] この技術を、図 3を用いて説明すると、データ送信が行われている場合は、 DPCCH のフレーム内のスロットで連続的に TPC信号やパイロット信号等の制御信号が送信さ れる。このような状態を通常モードと呼ぶ。一方、データ送信が行われていない場合 には、 DPCCHの Nスロットのうち、 x (xく N)スロットのみで間欠的、もしくは断続的に TP C信号やパイロット信号等の制御信号が送信され、それ以外のスロットでは制御信号 を送信しない。このような状態を以後、間欠送信モードと呼ぶ。なお、図 3では制御信 号を送信する Xスロットは連続的なものとして記載されて 、るが、必ずしも連続である ことは要しない。
[0021] 非特許文献 1: 3GPPTS25.214 v6.7.1 (2005—12) 3rd Generation Partnership Project;
rechnical ¾pecincation roup Radio Access Network; Physical layer procedures (r DD) (Release 6))
非特許文献 2 : 3GPP TS25.433 v6.8.0 (2005-12) 3rd Generation Partnership Project ; Technical Specification Group Radio Access Network; UTRAN Iub interface Node B Application Part (NBAP) signaling (Release 6))
非特許文献 3 : 3GPP TR25.903 (νθ.3.0) (2006-02) 3rdGeneration Partnership Projec t; Technical Specification Group Radio Access Network; Continuous Connectivity fo r Packet Data Users; (Release7)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0022] ところで、上述のような、通常モードと間欠送信モードとが存在する DPCCH Gating では、間欠送信モードの場合、上り回線の DPCCHで移動局が基地局に対して送信 している TPC信号も一部(Nスロット中 ロット)しか送信されない。従って、閉ループ 型送信電力制御における TPC信号による送信電力の増減も Nスロットに X回しか反映 されなくなる。このとき、パワーバランシングが起動されていると、これによつて下り送 信電力がパワーバランシングの基準電力(P_ref+P_CPICH)に近づきすぎ、下り DPC CHの目標 SIRを満足できないほど低い送信電力となったり、下り DPCCHが過剰品質 になるような高い送信電力となるなどの問題が生じる。
[0023] 図 4は通常モードから間欠送信モードに遷移され、 DPCCHによる TPCが送信され ない状態が続いた後、通常モードに遷移した場合の下り送信電力の変化を示した図 である。ここでは、例えば、パワーバランシングの調整周期を 1フレーム(=15スロット)、 調整割合 rを 0.5、間欠送信モードにおける間欠送信周期 Nを 45スロット、送信スロット 数を 3スロットと仮定する。
[0024] 図 4に示されるように、通常モードでは TPC信号も毎スロット送信されるので、 TPC信 号による閉ループ型電力制御に基づく調整量力スロット毎に実行され、目標 SIRを満 足できるような送信電力に近づくように制御される。し力しながら、間欠送信モードに なると、 DPCCHにおいて制御信号が送信されないスロットにおいては TPC信号による 閉ループ型電力制御に基づく調整量が電力に反映されない。そのため、パワーバラ ンスの調整量 P_balが電力を減少させる方向になって 、る場合、スロット毎に P_bal分だ け、下り送信電力が減少されていく。
[0025] このような場合、下り DPCCHの品質は目標 SIRを満足できなくなり、下り DPCCHで送 信して!/、る制御信号等の誤り率が増加する。下り回線の制御信号には上り回線 DPC CHの送信電力を制御する TPC信号が含まれるため、下り DPCCHにおける制御信号 の誤り率が増加すると、上り回線の送信電力制御が正しく行われなくなる。一般に、 D PCCH以外の上り回線のチャネル(E- DPCCHや E- DPDCH等)は上り DPCCHの送信 電力を基準とし、それに対する所定の電力オフセットを追加することで送信電力が制 御される。従って、上り DPCCHの電力制御が正しく行われない場合、他の上り回線チ
ャネルも劣化する可能性が高く問題である。
[0026] そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、送信電 力の電力制御において、送信電力が希望の送信電力と乖離しすぎることを防ぐ技術 を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0027] 上記課題を解決する第 1の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムにおける基地局の送信電力制御方法であって、信号を送信しな!、スロット が存在する通信と、信号を送信しないスロットが存在しない通信とで、送信電力を所 定の基準電力に近づける割合を変えることを特徴とする。
[0028] 上記課題を解決する第 2の発明は、上記第 1の発明において、前記送信電力制御 方法は、前記移動局と回線を設定している基地局の送信電力を所定の基準電力に 基づ 、て更新するパワーランシング力 なる送信電力制御方法であり、前記所定の 基準電力は、基地局制御装置が決定する基準電力オフセット値と、基地局が送信す る共通パイロット信号の電力値とからなることを特徴とする。
[0029] 上記課題を解決する第 3の発明は、上記第 1又は第 2の発明において、信号の送 信を停止するスロットが存在する通信における前記所定の基準電力に近づける割合 を、信号の送信を停止するスロットが存在しな ヽ通信における前記基準電力に近づ ける割合よりも低くすることを特徴とする。
[0030] 上記課題を解決する第 4の発明は、上記第 1から第 3のいずれかの発明において、 前記信号の送信を停止するスロットが存在する通信が、移動局が制御信号を間欠的 に送信して ヽる場合であり、前記信号の送信を停止するスロットが存在しな ヽ通信が 、移動局が制御信号を連続的に送信している場合であることを特徴とする。
[0031] 上記課題を解決する第 5の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信方法に おける送信電力制御方法であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k) は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の電力調整値、 R_gatingは変数、 P_bal(k) は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量としたとき、下り回線の送 信電力の調整期間における ロット時の送信電力 P(k)を、
式 P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k)
に基づ!/、て制御することを特徴とする。
[0032] 上記課題を解決する第 6の発明は、上記第 5の発明において、移動局が制御信号 を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 R_gatingは 1未満 の値であることを特徴とする。
[0033] 上記課題を解決する第 7の発明は、ある調整期間において、 P(k-l)は (k-1)スロット 時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値 、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは変数、 P_ref は基準電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバラン スの調整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調 整期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1- r) * (P— ref + P— P- CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する送信電力制御方法にお!、て、
移動局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、 前記 rと異なる変数である r_gatingを用いて、送信電力の調整期間における ロット時 の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御することを特徴とする。
[0034] 上記課題を解決する第 8の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信方法に おける送信電力制御方法であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k) は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内の スロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは定数、 P_refは基 準電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは調整期間開始時の送信 電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間における ロット時の送信電力 P(k) を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御することを特徴とする。
[0035] 上記課題を解決する第 4の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信方法に おける送信電力制御方法であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k) は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内の スロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは調整期間内で移 動局から制御信号が送信されるスロット数の割合に基づいて決定される値、 P_refは 基準電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバランス の調整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整 期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御することを特徴とする。
[0036] 上記課題を解決する第 10の発明は、上記第 8又は第 9の発明において、移動局が 制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 Lgating は 1未満の値であることを特徴とする。
[0037] 上記課題を解決する第 11の発明は、上記第 5から第 10のいずれかの発明におい て、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと判断された場合、前記調整期間 中は現在のパワーバランシングの電力制御を行い、前記調整期間の次の調整期間 力も前記間欠送信モードのパワーバランシングの電力制御を行うことを特徴とする。
[0038] 上記課題を解決する第 12の発明は、上記第 5から第 10のいずれかの発明におい て、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと判断された場合、前記調整期間 中は下り回線の電力制御を行ず、前記調整期間の次の調整期間から前記間欠送信 モードの電力制御を行うことを特徴とする。
[0039] 上記課題を解決する第 13の発明は、上記第 5から第 10のいずれかの発明におい て、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと判断された場合、前記調整期間 中は、前記バランス調整期間の残存時間の割合に応じてパワーバランスの調整量を 変更することを特徴とする。
[0040] 上記課題を解決する第 14の発明は、電力制御を行っている通信方法における送
信電力制御方法であって、電力制御に関する信号の受信状態に基づいて、送信電 力の制御を実行又は停止することを特徴とする。
[0041] 上記課題を解決する第 15の発明は、電力制御を行っている通信方法における送 信電力制御方法であって、電力制御に関する信号の受信状態に基づいて、異なる 二つの送信電力制御方法の!/ヽずれかを用いることを特徴とする。
[0042] 上記課題を解決する第 16の発明は、複数の基地局の送信電力のバランス調整を 行うようなシステムにおける送信電力制御方法において、基地局に対する制御信号 が送信されないスロットが存在する場合の第 1のバランス調整方法と、制御信号が送 信されないスロットが存在しない場合の第 2のバランス調整方法との 2つの調整方法 が含まれることを特徴とする。
[0043] 上記課題を解決する第 17の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムであって、信号を送信しないスロットが存在する通信と、信号を送信しない スロットが存在しない通信とで、送信電力を所定の基準電力に近づける割合を変える 送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0044] 上記課題を解決する第 18の発明は、上記第 17の発明において、前記送信電力制 御手段は、前記移動局と回線を設定している基地局の送信電力を所定の基準電力 に基づいて更新するパワーランシングを行い、前記所定の基準電力は、基地局制御 装置が決定する基準電力オフセット値と、基地局が送信する共通パイロット信号の電 力値とからなることを特徴とする。
[0045] 上記課題を解決する第 19の発明は、上記第 17又は第 18の発明において、前記 送信電力制御手段は、信号の送信を停止するスロットが存在する通信における前記 所定の基準電力に近づける割合を、信号の送信を停止するスロットが存在しな!、通 信における前記基準電力に近づける割合よりも低くすることを特徴とする。
[0046] 上記課題を解決する第 20の発明は、上記第 17から第 19のいずれかの発明にお いて、前記信号の送信を停止するスロットが存在する通信が、移動局が制御信号を 間欠的に送信して ヽる場合であり、前記信号の送信を停止するスロットが存在しな ヽ 通信が、移動局が制御信号を連続的に送信している場合であることを特徴とする。
[0047] 上記課題を解決する第 21の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ
ムであって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御 に基づく kスロット時の電力調整値、 R_gatingは変数、 P_bal(k)は調整期間内のスロッ ト kにおけるパワーバランスの調整量としたとき、下り回線の送信電力の調整期間にお ける ロット時の送信電力 P(k)を、
式 P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0048] 上記課題を解決する第 22の発明は、上記第 21の発明において、移動局が制御信 号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 R_gatingは 1未 満の値であることを特徴とする。
[0049] 上記課題を解決する第 23の発明は、ある調整期間において、移動局が制御信号 を連続的に送信する通常モードと判断される場合、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信 電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k) は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは変数、 P_refは基準 電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバランスの調 整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間 における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1— r)*(P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する通信システムにお 、て、
移動局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、 前記 rと異なる変数である r_gatingを用いて、送信電力の調整期間における ロット時 の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0050] 上記課題を解決する第 24の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムであって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御 に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワー
バランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは定数、 P_refは基準電力、 P_P-CPICHは 共通パイロット信号の電力、 Pjnitは調整期間開始時の送信電力としたとき、下り回線 の送信電力の調整期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0051] 上記課題を解決する第 25の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムであって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御 に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワー バランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは調整期間内で移動局から制御信号が送 信されるスロット数の割合に基づいて決定される値、 P_refは基準電力、 P_P-CPICH は共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバランスの調整期間の最終スロ ットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間における ロット 時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0052] 上記課題を解決する第 26の発明は、上記第 24又は第 25の発明において、移動 局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 f_g atingは 1未満の値であることを特徴とする。
[0053] 上記課題を解決する第 27の発明は、上記第 21から第 26のいずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと 判断された場合、前記調整期間中は現在のパワーバランシングの電力制御を行い、 前記調整期間の次の調整期間から前記間欠送信モードのパワーバランシングの電 力制御を行うことを特徴とする。
[0054] 上記課題を解決する第 28の発明は、上記第 21から第 26のいずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと 判断された場合、前記調整期間中は下り回線の電力制御を行ず、前記調整期間の
次の調整期間から前記間欠送信モードの電力制御を行うことを特徴とする。
[0055] 上記課題を解決する第 29の発明は、上記第 21から第 26のいずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと 判断された場合、前記調整期間中は、前記バランス調整期間の残存時間の割合に 応じてパワーバランスの調整量を変更することを特徴とする。
[0056] 上記課題を解決する第 30の発明は、パワーバランシングの電力制御を行って 、る 通信システムであって、電力制御に関する信号の受信状態に基づいて、送信電力制 御の実行又は停止する手段を有することを特徴とする。
[0057] 上記課題を解決する第 31の発明は、パワーバランシングの電力制御を行っている 通信システムであって、電力制御に関する信号の受信状態に基づいて、異なる送信 電力制御のいずれかを用いて送信電力制御を行う手段を有することを特徴とする。
[0058] 上記課題を解決する第 32の発明は、複数の基地局の送信電力のバランス調整を 行う通信システムであって、基地局に対する制御信号が送信されな 、スロットが存在 する場合の第 1のバランス調整方法と、制御信号が送信されないスロットが存在しな V、場合の第 2のバランス調整方法との 2つの調整方法の 、ずれかを用いて、送信電 力のバランス調整を行う手段を有することを特徴とする。
[0059] 上記課題を解決する第 33の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムにおける基地局であって、信号を送信しないスロットが存在する通信と、信 号を送信しな!ヽスロットが存在しな!ヽ通信とで、送信電力を所定の基準電力に近づ ける割合を変える送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0060] 上記課題を解決する第 34の発明は、上記第 33の発明において、前記送信電力制 御手段は、前記移動局と回線を設定している基地局の送信電力を所定の基準電力 に基づいて更新するパワーランシングを行い、前記所定の基準電力は、基地局制御 装置が決定する基準電力オフセット値と、基地局が送信する共通パイロット信号の電 力値とからなることを特徴とする。
[0061] 上記課題を解決する第 35の発明は、上記第 33又は第 34の発明において、前記 送信電力制御手段は、信号の送信を停止するスロットが存在する通信における前記 所定の基準電力に近づける割合を、信号の送信を停止するスロットが存在しな!、通
信における前記基準電力に近づける割合よりも低くすることを特徴とする。
[0062] 上記課題を解決する第 36の発明は、上記第 33から第 35のいずれかの発明にお いて、前記信号の送信を停止するスロットが存在する通信が、移動局が制御信号を 間欠的に送信して ヽる場合であり、前記信号の送信を停止するスロットが存在しな ヽ 通信が、移動局が制御信号を連続的に送信している場合であることを特徴とする。
[0063] 上記課題を解決する第 37の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ル ープ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 R_gatingは変数、 P_bal(k)は調 整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量としたとき、下り回線の送信電 力の調整期間における ロット時の送信電力 P(k)を、
式 P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0064] 上記課題を解決する第 38の発明は、上記第 37の発明において、移動局が制御信 号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 R_gatingは 1未 満の値であることを特徴とする。
[0065] 上記課題を解決する第 39の発明は、ある調整期間において、移動局が制御信号 を連続的に送信する通常モードと判断される場合、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信 電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k) は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは変数、 P_refは基準 電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバランスの調 整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間 における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1— r)*(P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する基地局にお!/ヽて、
移動局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、 前記 rと異なる変数である r_gatingを用いて、送信電力の調整期間における ロット時 の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0066] 上記課題を解決する第 40の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ル ープ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは定数、 P_refは基準電力 、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは調整期間開始時の送信電力とし たとき、下り回線の送信電力の調整期間における ロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0067] 上記課題を解決する第 41の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局であって、 P(k-l)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ル ープ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 Lgatingは調整期間内で移動局か ら制御信号が送信されるスロット数の割合に基づいて決定される値、 P_refは基準電 力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは前回のパワーバランスの調整 期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間に おける ロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づいて制御する送信電力制御手段を有することを特徴とする。
[0068] 上記課題を解決する第 42の発明は、上記第 40又は第 41の発明において、移動 局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、前記 f_g atingは 1未満の値であることを特徴とする。
[0069] 上記課題を解決する第 43の発明は、上記第 37から第 42のいずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと
判断された場合、前記調整期間中は現在のパワーバランシングの電力制御を行い、 前記調整期間の次の調整期間から前記間欠送信モードのパワーバランシングの電 力制御を行うことを特徴とする。
[0070] 上記課題を解決する第 44の発明は、上記第 37から第 43の 、ずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと 判断された場合、前記調整期間中は下り回線の電力制御を行ず、前記調整期間の 次の調整期間から前記間欠送信モードの電力制御を行うことを特徴とする。
[0071] 上記課題を解決する第 45の発明は、上記第 37から第 43のいずれかの発明にお いて、前記送信電力制御手段は、調整期間の途中で、移動局が間欠送信モードと 判断された場合、前記調整期間中は、前記バランス調整期間の残存時間の割合に 応じてパワーバランスの調整量を変更することを特徴とする。
[0072] 上記課題を解決する第 46の発明は、パワーバランシングの電力制御を行って 、る 基地局であって、電力制御に関する信号の受信状態に基づいて、送信電力制御の 実行又は停止する手段を有することを特徴とする。
[0073] 上記課題を解決する第 47の発明は、パワーバランシングの電力制御を行って 、る 通信システムにおける基地局であって、電力制御に関する信号の受信状態に基づ V、て、異なる送信電力制御の 、ずれかを用いて送信電力制御を行う手段を有するこ とを特徴とする。
[0074] 上記課題を解決する第 48の発明は、複数の基地局の送信電力のバランス調整を 行う通信システムにおける基地局であって、基地局に対する制御信号が送信されな いスロットが存在する場合の第 1のバランス調整方法と、制御信号が送信されないス ロットが存在しない場合の第 2のバランス調整方法との 2つの調整方法のいずれかを 用いて、送信電力のバランス調整を行う手段を有することを特徴とする。
[0075] 上記課題を解決する第 49の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムにおける基地局制御局であって、信号を送信しな!、スロットが存在する通 信における送信電力制御のパラメータと、信号を送信しな ヽスロットが存在しな!ヽ通 信における送信電力制御のパラメータとを、基地局に送信する手段を有することを特 徴とする。
[0076] 上記課題を解決する第 50の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムにおける基地局制御局であって、信号を送信しな!、スロットが存在する通 信における送信電力制御のパラメータと、信号を送信しな ヽスロットが存在しな!ヽ通 信における送信電力制御のパラメータとのいずれかを、基地局に送信する手段を有 することを特徴とする。
[0077] 上記課題を解決する第 51の発明は、少なくとも移動局と 1以上の基地局からなる通 信システムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、信号を送信し ないスロットが存在する通信と、信号を送信しないスロットが存在しない通信とで、送 信電力を所定の基準電力に近づける割合を変える処理を前記基地局に実行させる ことを特徴とする。
[0078] 上記課題を解決する第 52の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、 P(k-l)は (k-1)スロット時 の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 R _gatingは変数、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量と したとき、下り回線の送信電力の調整期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、 式 P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k)
に基づ!/、て制御する処理を前記基地局に実行させることを特徴とする。
[0079] 上記課題を解決する第 53の発明は、基地局のプログラムであって、ある調整期間 において、移動局が制御信号を連続的に送信する通常モードと判断される場合、 P(k -1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロッ ト時の電力調整値、 P_bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整 量、 rは変数、 P_refは基準電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは 前回のパワーバランスの調整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回 線の送信電力の調整期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1— r)*(P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する基地局にお!/ヽて、
移動局が制御信号を間欠的に送信する間欠送信モードにあると判断される場合、
前記 rと異なる変数である r_gatingを用いて、送信電力の調整期間における ロット時 の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P— ref + P— P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する処理を前記基地局に実行させることを特徴とする。
[0080] 上記課題を解決する第 54の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、 P(k-l)は (k-1)スロット時 の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P _bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 f_g atingは定数、 P_refは基準電力、 P_P-CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは 調整期間開始時の送信電力としたとき、下り回線の送信電力の調整期間における k スロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する処理を前記基地局に実行させることを特徴とする。
[0081] 上記課題を解決する第 55の発明は、下り回線の電力制御を行っている通信システ ムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、 P(k-l)は (k-1)スロット時 の送信電力、 P_TPC(k)は閉ループ型電力制御に基づく kスロット時の電力調整値、 P _bal(k)は調整期間内のスロット kにおけるパワーバランスの調整量、 rは調整割合、 f_g atingは調整期間内で移動局力も制御信号が送信されるスロット数の割合に基づいて 決定される値、 P_refは基準電力、 P_P- CPICHは共通パイロット信号の電力、 Pjnitは 前回のパワーバランスの調整期間の最終スロットにおける送信電力としたとき、下り回 線の送信電力の調整期間における kスロット時の送信電力 P(k)を、
P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k)
Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit)
に基づ!/、て制御する処理を前記基地局に実行させることを特徴とする。
[0082] 上記課題を解決する第 56の発明は、パワーバランシングの電力制御を行っている 基地局のプログラムであって、前記プログラムは、電力制御に関する信号の受信状
、て、送信電力制御の実行又は停止する処理を前記基地局に実行させる ことを特徴とする。
[0083] 上記課題を解決する第 57の発明は、パワーバランシングの電力制御を行っている 通信システムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、電力制御に 関する信号の受信状態に基づ!、て、異なる送信電力制御の!/、ずれかを用いて送信 電力制御を行う処理を前記基地局に実行させることを特徴とする。
[0084] 上記課題を解決する第 58の発明は、複数の基地局の送信電力のバランス調整を 行う通信システムにおける基地局のプログラムであって、前記プログラムは、基地局 に対する制御信号が送信されないスロットが存在する場合の第 1のバランス調整方法 と、制御信号が送信されな ヽスロットが存在しな!ヽ場合の第 2のバランス調整方法と の 2つの調整方法のいずれかを用いて、送信電力のバランス調整を行う処理を前記 基地局に実行させることを特徴とする。
発明の効果
[0085] 本発明によれば、送信電力の電力制御において、下り送信電力が希望の送信電 力と乖離しすぎることを防ぐことができる。
図面の簡単な説明
[0086] [図 1]図 1は W— CDMAシステムの一例を示す概略的なネットワーク構成図である。
[図 2]図 2はソフトハンドーバの実行中に、基地局が移動局からの TPC信号を受けて 下り回線の DPCCHの送信電力を決定するフローチャートである。
[図 3]図 3は DPCCH Gatingを説明する為の図である。
[図 4]図 4は従来技術を説明する為の図である。
[図 5]図 5は実施例 1の通信システムを説明する為の図である。
[図 6]図 6は基地局制御局 1の構成を示す図である。
[図 7]図 7は第 1および第 2の基地局 2、 3の基地局装置の構成を示す図である。
[図 8]図 8は移動局 4の構成を示す図である。
[図 9]図 9は実施例 1の動作フローチャートである。
[図 10]図 10は実施例 2の動作フローチャートである。
[図 11]図 11は実施例 3の動作フローチャートである。
[図 12]図 12は実施例 4の動作フローチャートである。
[図 13]図 13は実施例 5の基地局制御装置の構成を示す図である。
[図 14]図 14は実施例 6の基地局の構成を示す図である。
符号の説明
1 基地局制御局
2、 3 基地局
4 移動局
101 記憶部
102 制御部
201 アンテナ
202 送受信共用器
203 受信回路
204 SIR測定部
205 送信電力制御部
206 送信回路
207 状態管理部
208 タイマー
401 アンテナ
402 送受信共用器
403 受信回路
404 SIR測定部
405 送信電力制御部
406 送信回路
07 パイロット信号電力測定部
08 状態管理部
501 記憶部
502 適用判定部
503 制御部
601 SIR測定部
602 送信電力制御部
発明を実施するための最良の形態
[0088] 本発明の実施の形態を説明する。
[0089] 本発明の特徴は、下り回線において、パワーバランシングの電力制御を行っており 、通常モードのような全てのスロットで信号が送信されているような通信と、間欠送信 モードのような信号を送信しな!、スロットが存在するような通信とで、送信電力をパヮ 一バランシングの基準電力に近づける割合を変えることを特徴とする。
[0090] 下り回線の送信電力をパワーバランシングの基準電力に近づける割合を変える方 法であるが、以下の方法がある。
1. 間欠送信モード時に通常モードと異なるパワーバランシングのパラメータを適用 する。
[0091] 間欠送信モード時に通常モードとで異なるパワーバランシングのパラメータを適用 し、パワーバランシングの調整量を変更可能とする。特に、パワーバランシングの調 整量を低くなるようにパラメータを設定することにより、送信電力がパワーバランシング の基準電力に収束してしまうことを防ぐことができる。具体的には、以下の方法がある
(1) パワーバランシングの調整量の反映割合を低くする。
[0092] 通常モードの下り回線の電力制御は、式 1で示される。
[0093] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
ここで、 P(k)は kスロット時の送信電力、 P(k- 1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC( k)は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の調整量、 P_bal(k)は調整期間内のス ロット kにおけるパワーバランスの調整量であり、 P_bal(k)は、式 2で規定される。
[0094] Sum P— bal = (1— r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
ここで、 P_refは基地局制御装置が決定する基準電力オフセット値であり、 PXPICH は基地局が送信する共通パイロット信号の電力値であり、 Pjnitは前回のパワーバラ ンスの調整期間の最終スロットにおける下り DPCCHの送信電力である。
[0095] 一方、間欠送信モード時には、 P_bal(k)に対して、間欠送信モード時の調整量を変
更させるパラメータ R_gatingを乗算することにより、パワーバランシングの調整量を制 御する。具体的には、 kスロット時の送信電力 P(k)は下記式 3となる。
[0096] P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k) 式 3
ここで、 R_gatingは基地局制御装置が決定して基地局に通知するパラメータであり、 1以下の値であり、 1未満の値を取ることにより、パワーバランシングの調整量を通常 モード時に比べて低くすることがき、 R_gating=0ではパワーバランシングが停止とな る。
[0097] 上記では、通常モードでは式 1を用いて送信電力を制御し、間欠送信モードでは 式 3を用いて送信電力を制御する、つまり異なる送信電力制御を使い分けるとして示 したが、式 3を用いた送信電力制御がされており、通常モードのときには R_gating =1、 間欠送信モードのときには gatingを 1未満とする、としてもよい。
[0098] また、ここでは基地局制御装置は R_gatingを決定し、基地局に通知するとしているが 、本発明はそれだけには限られず、基地局が 1より小さい値を無作為に、または間欠 送信モード中に制御信号が送信されるスロット数の割合などに基づ!/ヽて決定してもよ い。
(2)通常モード時のパワーバランシングの調整割合とは異なるパワーバランシングの 調整割合を用いて、パワーバランシングの調整量を低くする。
[0099] 通常モードの下り回線の電力制御は、式 1で示される。
[0100] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
ここで、 P(k)は kスロット時の送信電力、 P(k- 1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC( k)は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の調整量、 P_bal(k)は調整期間内のス ロット kにおけるパワーバランスの調整量であり、 P_bal(k)は、式 2で規定される。
[0101] Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
ここで、 P_refは基地局制御装置が決定する基準電力オフセット値であり、 PXPICH は基地局が送信する共通パイロット信号の電力値であり、 Pjnitは前回のパワーバラ ンスの調整期間の最終スロットにおける下り DPCCHの送信電力である。
[0102] 一方、間欠送信モード時には、 kスロット当たりの間欠送信モード時の調整量 P_bal(k
)を変更する。具体的には、通常モード時の調整割合 rを、間欠送信モード時の調整
割合のパラメータである r_gatingに変更する。具体的には、下記式 4で示される。
[0103] Sum P—bal(k) = (1-r— gating)* (P—ref + P—P-CPICH - P—init) または、
Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P—ref— gating + P— P— CPICH + P— init) 式 4 ここで、 r_gatingは、通信開始時に基地局制御装置が決定し基地局に通知するパラ メータであり、 r_gatingは 1以下の値であり、通常モード時の調整割合 rよりも大きい値 を取ることにより、パワーバランシングの調整量を通常モード時に比べて低くすること ができ、 r_gating= lではパワーバランシングが停止となる。また、 P_ref_gatingは間欠 送信モード時の基準電力オフセット値である。
[0104] また、ここでは基地局制御装置が r_gatingを決定し、基地局に通知するとしているが 、本発明はそれだけには限られず、基地局がはり小さく且つ通常モードの rよりも大き V、値を無作為に、または間欠送信モード中に制御信号が送信されるスロット数の割 合などに基づ 、て決定してもよ 、。
(3)パワーバランシングの調整量に定数を乗算し、パワーバランシングの調整量を低 くする。
[0105] 通常モードの下り回線の電力制御は、式 1で示される。
[0106] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
ここで、 P(k)は kスロット時の送信電力、 P(k- 1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC( k)は閉ループ型電力制御に基づぐ kスロット時の調整量、 P_bal(k)は調整期間内のス ロット kにおけるパワーバランスの調整量であり、 P_bal(k)は、式 2で規定される。
[0107] Sum P_bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - P— init) 式 2
ここで、ノ《ランス調整期間における間欠送信モード時の調整量に定数 f_gatingを乗 算し、 P_bal(k)を変更する。具体的には、下記式 5で示される。
[0108] Sum P— bal(k) = f— gating*(l- r)* (P—ref + P—P- CPICH - P— init) 式 5
ここで、 Lgatingは定数であり、通信開始時に基地局制御装置が決定し基地局に通 知するパラメータであり、 f_gating〈lとすることにより、パワーバランシングの調整量を 通常モード時に比べて低くすることがきる。
[0109] 上記では、通常モードでは式 2を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づ!/、て行う送信電 力制御を用い、間欠送信モードでは式 5を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて行う
送信電力制御を用いる、つまり異なる送信電力制御を使い分ける例を示した力 式 5 を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて送信電力制御がされており、通常モードのと きには Lgating =1、間欠送信モードのときには gatingを 1未満とするようにしてもよい。 (4)基地局が間欠送信モード時に制御信号が送信されるスロット数の割合に基づい てパワーバランシングの調整量の低減率を計算し、調整量を低くする。
[0110] 通常モードの下り回線の電力制御は、式 1で示される。
[0111] P(k) = P(k-l) + P_TPC(k) + P_bal(k) 式 1
ここで、 P(k)は kスロット時の送信電力、 P(k- 1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC( k)は閉ループ型電力制御に基づぐ kスロット時の調整量、 P_bal(k)は調整期間内のス ロット kにおけるパワーバランスの調整量であり、 P_bal(k)は、式 2で規定される。
[0112] Sum P— bal = (1— r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
ここで、間欠送信モード時に DPCCHで制御信号が送信されるスロット数の割合に 基づ ヽた値 Lgatingとし、この Lgatingを、バランス調整期間における間欠送信モード 時の調整量に乗算し、 P_bal(k)を変更する。具体的には、下記式 6で示される。
[0113] Sum P— bal(k) = f— gating*(l— r)* (P— ref + P—P— CPICH - Pjnit) 式 6
ここで、 Lgatingは、間欠送信モード時において、 DPCCH gating周期であるスロット 数 Nと、 Nスロット中に制御信号を送信するスロット数 Xに基づく値であり、例えば f_gati ng = xZNと決定してもよい。具体的な例を示すと、 DPCCHにおいて 10スロット(=N )中に 2スロット(=x)だけ制御信号を送信するようなパターンを適用された移動局に 対しては、 Lgating = 2/10= 1 Z5と設定することができる。
[0114] 上記では、通常モードでは式 2を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて行う送信電 力制御を用い、間欠送信モードでは式 6を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて行う 送信電力制御を用いる、つまり異なる送信電力制御を使い分ける例を示した力 式 6 を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて送信電力制御がされており、通常モードのと きには Lgating =1、間欠送信モードのときには f_gatingを上述の方法で計算した値とし てもよい。
2. DPCCH gatingを適用するか否かに応じて、パワーバランシングのパラメータを
決定する。
[0115] DPCCH gatingは、例えば、下り回線のデータ送信を HSDPA、上り回線のデータ送 信を EUDCHを用いて行うサービス/移動局に対してのみ適用される。従って、例えば 、上り/下り個別チャネルを用いてデータの送受信を行う通話などの回線交換を利用 したサービスに対しては、 DPCCH gatingは適用しない。従って、基地局制御装置は ノ ヮ一バランシングも通常通りのノ ラメータを設定する。一方、一般的にウェブ閲覧 や VoIPなどパケット交換を利用したサービスに対するデータの送受信は HSDPA並び に EUDCHを用いて行う。このような場合、基地局制御装置はこの移動局に対して DP CCH gatingを適用することを決定し、且つパワーバランシングによる調整割合が上述 の個別チャネルでデータ送受信を行っている移動局に比して小さくなる、または、ゆ つくりになるようにパワーバランシングのパラメータを決定する。
3. 下りの電力制御において、 TPCコマンドを反映させるときのみパワーバランシン グを行う。
[0116] 例えば、上述した図 3において、 DPCCHにより TPCやパイロット信号等の制御信号 が送信される Xスロットのみで、パワーバランシングの制御を行う。パワーバランシング の制御が行われるスロットでは、通常モードの下り回線の電力制御が行われ、具体的 には、式 1で示される。
[0117] P(k) = P(k-l) + P_TPC(k) + P_bal(k) 式 1
ここで、 P(k)は kスロット時の送信電力、 P(k- 1)は (k-1)スロット時の送信電力、 P_TPC( k)は閉ループ型電力制御に基づく ロット時の調整量、 P_bal(k)は調整期間内のス ロット kにおけるパワーバランスの調整量であり、 P_bal(k)は、式 2で規定される。
[0118] Sum P— bal = (1— r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
以下、具体的な実施例について説明する。
実施例 1
[0119] 実施例 1を説明する。実施例 1は、上述した DPCCH Gatingにおける間欠送信モー ド時に、パワーバランシングの調整量の反映割合を低くする例である。
[0120] 実施例 1で説明する送信電力制御方法は、図 5に示す構成をとるセルラシステムに
おいて実施される。図 5のセルラシステムは、サービスエリアが第 1および第 2のセル 5 、 6に分割されており、第 1および第 2のセルには、それぞれ、第 1および第 2の基地 局 2、 3が配置されるとともに、移動局 4が存在する。第 1および第 2の基地局 2、 3はそ れぞれ基地局制御局 1に接続されており、基地局制御局 1はさらに他の基地局制御 局 1からなる通信網(図示せず)に接続されている。なお、図示しないが、このセルラ システムは、他に多数の基地局を備えており、各セル内には多数の移動局が存在す る。
[0121] 移動局 4は基地局 2、 3との間で DPCCHにより TPC信号やパイロット信号等の制御 信号を送受信している。
[0122] 図 6に、基地局制御局 1の構成を示す。基地局制御局 1は、記憶部 101と、制御部 102と力 構成されている。
[0123] 記憶部 101には各パラメータが記憶されている。記憶されているパラメータとしては 、基地局が送信する共通パイロット信号の電力値 P_CPICH、閉ループ送信電力制御 による調整量 (幅) A TPC、上り回線の閉ループ送信電力制御のための目標値であ る目標 SIRがある。更に、パワーバランシングの制御に必要なパラメータとして、基準 電力オフセット値 P_ref、パワーバランシングによる調整割合 (Adjustment ratio) r、パヮ 一バランシングの調整期間(Adjustment period) Tint等が記憶されている。また、上述 した DPCCH Gatingにおいて行われる所定の周期内(Nスロット)のうち、制御信号が 送信されるスロット数を示す Xまたは制御信号を送信するスロットの番号等など間欠送 信に必要なパラメータについても記憶されている。
[0124] 制御部 102は、基地局開設時に電力値 P_CPICHを記憶部 101から読み出して基 地局に通知し、また、他のパラメータについては、移動局との通信(あるサービス)開 始時等に記憶部 101から読み出して基地局に通知する。更に、制御部 102は、移動 局がパワーバランシング起動時に DPCCH Gatingにおける間欠送信モードと判断さ れる場合に適用される調整量を変更させるパラメータ R_gatingを計算して基地局に通 知する。尚、本実施例 1では、 DPCCH Gatingにおいて行われる間欠送信モードにお ける間欠送信周期を Nスロット、送信スロット数を Xスロットとした場合、 xZNを R_gatin gとして計算する。
[0125] 図 7に第 1および第 2の基地局 2、 3の基地局装置の構成を示す。基地局装置は、 アンテナ 201、送受信共用器 202、受信回路 203、 SIR測定部 204、送信電力制御 部 205、送信回路 206、状態管理部 207、タイマー 208から構成されている。
[0126] SIR測定部 204は、上り回線の希望波電力と干渉波電力の比(SIR)を測定するた めの測定器で、これにより、移動局が送信するスロットを受信する毎に、その上り SIR を測定する。さらに、 SIR測定部 204は、測定した上り SIRを所定の目標 SIRと比較し、 測定した上り SIRが目標 SIR以上であれば電力削減を指示する TPC信号 (UL-TPC)を 、測定した上り SIRが目標 SIRよりも低ければ電力増加を指示する TPC信号 (DL-TPC )を生成し、送信回路 206へ送る。また、測定した上り SIRは、上り回線で受信した制 御信号の信頼度推定等のために送信電力制御部 205へも送るとすることができる。
[0127] また、送信電力制御部 205は、状態管理部 207から通知される移動局 4のモードの 状態に応じて下り送信電力を制御する制御部であって、移動局 4が DPCCH Gating の通常モード時には、式 1、式 2に基づく送信電力制御を行う。
[0128] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
一方、送信電力制御部 205は、移動局 4力 SDPCCH Gatingの間欠送信モード時に は、基地局制御局 1から通知される R_gatingを用いて、式 2、式 3に基づく送信電力制 御を行う。
[0129] Sum P— bal = (1— r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k) 式 3
なお、上記では、通常モードでは式 1を用いて送信電力を制御し、間欠送信モード では式 3を用いて送信電力を制御する、つまり異なる送信電力制御を使!ヽ分ける例 を示した力 基地局では式 3を用いた送信電力制御がされており、通常モードのとき には R_gating =1、間欠送信モードのときには R_gatingを 1未満としてもよい。
[0130] ここで、間欠送信モード時の送信電力の開始時期であるが、以下の方法が考えら れる。
(1)送信電力制御部 205は、状態管理部 207から移動局 4が DPCCH Gatingの間欠 送信モード状態となったことを通知されると同時に、 DPCCH Gatingの間欠送信モー
ド時の送信電力制御を行う。
(2)送信電力制御部 205は、状態管理部 207から移動局 4が DPCCH Gatingの間欠 送信モード状態となったことを通知されたパワーバランシングの調整期間では、通常 のパラメータを適用、すなわち、通常モード時の送信電力制御を行う。そして、次の ノ ヮーバランシングの調整期間から間欠送信モード時の送信電力制御を行う。
(3)送信電力制御部 205は、状態管理部 207から移動局 4が DPCCH Gatingの間欠 送信モード状態となったことを通知されたパワーバランシングの調整期間では、 TPC 信号による閉ループ型電力制御のみ行い、パワーバランシングの制御を停止する。 そして、次のパワーバランシングの調整期間から間欠送信モード時の送信制御を行
(4)状態管理部 207から移動局 4が DPCCH Gatingの間欠送信モード状態となったこ とを通知されたパワーバランシングの調整期間では、通常モード時のパワーバランシ ングの調整量 P balに所定値を掛けた値を使用して通常モード時の送信電力制御を 行う。所定値は、現調整期間の残時間の割合に応じて決定する。そして、次のパワー ノ《ランシングの調整期間から間欠送信モード時の送信制御を行う。
[0131] 以上の 4つの方法が考えられる力 いずれの方法を用いても良い。
[0132] 状態管理部 207は、移動局 4力 PCCH Gatingの通常モードなのか間欠送信モー ドなの状態を管理する管理部であって、移動局 4の状態を送信電力制御部 205に通 知する。状態管理部 207が移動局 4の状態を知る方法であるが、以下の方法が考え られる。
(1)移動局 4が基地局に制御信号を送信して通知する。この通知を受信回路 203経 由で受け取った状態管理部 207が移動局 4の状態を管理する。ここで、制御信号の 送信方法であるが E- DPCCHにお!/、て送信されて!、る E- TFCI (E- Transport Format Combination Indicator)や、 E-DPDCHで送信されている SI (Scheduling Information) 等に状態変更の旨を示す信号を設けるような方法が考えられる。ここで、 E-TFCIとは E-DPDCHにおいて送信されているトランスポートブロックのデータサイズ等のフォー マットを通知する信号であり、 SIとは基地局においてスケジューリングを行うために必 要な情報、例えば移動局のバッファ内に蓄積しているデータ量などを通知するため
の信号である。
[0133] また、制御信号の内容であるが、移動局 4が通常モードから間欠送信モードへ遷移 、移動局 4が間欠送信モードから通常モードへ遷移する又はしたことを示す遷移情 報や、移動局 4の現在の状態を示す情報等が考えられる。
(2)基地局が自律的に (ブラインドで)判定する。例えば、 SIR測定部 204が、 DPCC Hの TPCやパイロット信号等の SIRを測定し、この SIRが所定閾値 SIR_thr以下であるス ロットが、 N_thrスロット以上継続した場合は移動局 4が間欠送信モードであると判定 する。そして、この判定結果を、状態管理部 207に通知する。尚、 SIR_thr, N_thrは基 地局制御局 1が設定してもよいし、基地局が設定してもよい。尚、 N_thrは、 DPCCH g atingのスロット送信停止間隔より小さ 、値に設定することが好ま 、。
[0134] このように構成された基地局において、移動局 4から送信されてきた上り回線の信 号は、アンテナ 201および送受信共用器 202を介して受信回路 203で受信される。 受信回路 203では上り回線の信号のスロットを受信する毎に、データ信号と制御信 号を分離し、データ信号は図示しない受信処理部へ転送する。また、受信回路 203 は受信した制御信号に含まれるノ ィロット信号をスロット毎に SIR測定部 204へと送る 。そして、 SIR測定部 204はパイロット信号の受信電力を測定し、上り回線の送信電力 を制御する TPC信号 (UL-TPC)を生成し、送信回路 206へ送ると共に、パイロット信 号の SIR測定結果を送信電力制御部 205へ送る。
[0135] また、受信回路部 203は、受信した制御信号に含まれる TPC信号をスロット毎に送 信電力制御部 205へ送る。送信電力制御部 205は、受信回路 203から送られてきた TPC信号を使用してスロット毎に下り回線の信号用の下り送信電力を計算し、その下 り送信電力を示す下り送信電力制御信号を送信回路 206へ送る。ここで、送信電力 制御部 205は、予め定められた品質閾値と SIR測定部 204から送られるパイロット信 号の SIR測定結果とに基づいて、 TPC信号の信頼度を推定するようにしてもよい。そ して、 TPC信号の信頼度が低い場合は、 TPC信号の内容は送信電力の計算には用 いないようにしてもよい。送信電力は、これまでに説明したように TPC信号による電力 変更量とパワーバランシングによる調整量とに基づ 、て計算される。パワーバランシ ングの動作に関しては従来技術並びに以下で説明するので、ここで詳しくは記載し
ないが、タイマー 208は、このパワーバランシングに用いる調整期間の経過を判定す るために必要な時間計測を行う。下り送信電力制御信号に応答して、送信回路 206 は下り回線の信号用の下り送信電力を下り送信電力制御信号によって示される値に 設定する。そして、基地局は、送受信共用器 202およびアンテナ 201を介して 1台ま たはそれ以上の移動局へ、送信回路 206によって生成された下り回線の信号を送信 する。
[0136] 図 8に移動局 4の構成を示す。移動局 4は、アンテナ 401、送受信共用器 402、受 信回路 403、 SIR測定部 404、送信電力制御部 405、送信回路 406、ノ ィロット信号 電力測定部 407、及び状態管理部 408から構成されて ヽる。
[0137] 移動局 4において、基地局力 送信されてきた下り回線の信号は、アンテナ 401お よび送受信共用器 402を介して受信回路 403で受信される。受信回路 403は下り信 号を受信すると制御信号とデータを分離し、データを図示しない受信処理部へ送り、 復号などの必要な受信処理を行う。また、受信回路 403が下り回線の信号のスロット を受信する毎に、 SIR測定部 404は、下り回線の信号に含まれるパイロット信号、また は TPC信号の SIRを測定して、下り SIRを表す測定下り SIR値を得る。 SIR測定部 40 4は、測定下り SIR値と目標下り SIR値とを比較し、測定下り SIR値が目標下り SIR値 より小さいとき、 SIR測定部 404は、下り送信電力の増加を指示する TPC信号 (DL-T PC)を出力する。測定下り SIR値が目標下り SIR値以上であるとき、 SIR測定部 404 は、下り送信電力の減少を指示する TPC信号 (DL-TPC)を出力する。 DL-TPCは送 信回路 406に供給される。送信回路 406は、送受信共用器 402およびアンテナ 401 を介して基地局へ、状態管理部 408から指示される状態が通常モードである場合は 、スロット毎に DL-TPCを含む上り回線の信号を送信する。また、状態管理部 408から 指示される状態が間欠送信モードである場合は、所定の DPCCH送信パターン (DPC CH gating pattern)に基づいて、上り回線の信号を送信してよいスロットにおいて DL- TPCを含む上り回線の信号を送信する。
[0138] ここで、状態管理部 408は移動局の状態が通常モードであるか、間欠送信モード であるかを判定し記録しているわけである力 状態の判定方法は、例えば、以下のい ずれか一方または両方を満たす場合とすることができる。
(1)受信回路 403が受信した信号に自局宛てのデータが含まれる力否かを所定周 期で状態管理部 408へ通知し、状態管理部 408において所定時間以上、下り回線 にお 、て自局宛てのデータがな!、と判定した場合
(2)移動局の MAC層力 ULアクティビティ情報として、バッファ内に送信すべきデー タが所定時間以上存在しないことを通知する信号を状態管理部 403が受信した場合 なお、以上は本実施例における単なる一例であり、発明の本質には無関係である。 従って、例えば、以上のように移動局が自律的に判断するのではなぐ基地局が明 示的にモード変更を通知するような制御信号を下り回線のチャネル、例えば HS-SCC Hなどで送信するようにし、受信回路 403はこの信号を受信すると、その旨を状態管 理部 408へ通知するようにしてもょ 、。
[0139] また、受信回路部 403は、受信した制御信号に含まれる上りの TPC信号をスロット 毎に送信電力制御部 405へ送る。送信電力制御部 405は、受信回路 403から送ら れてきた TPC信号を使用してスロット毎に上り回線の信号用の上り送信電力を計算し 、その上り送信電力を示す上り送信電力制御信号を送信回路 406へ送る。上り送信 電力制御信号に応答して、送信回路 406は、上り回線の信号用の上り送信電力を上 り送信電力制御信号によって示される値に設定する。そして、移動局は、送受信共 用器 402およびアンテナ 401を介して、送信回路 406によって生成された上り回線の 信号を送信する。
[0140] 次に、図 9を用いて、実施例 1における送信電力制御動作を説明する。尚、従来の 送信電力と同じ処理については、図 2と同じステップ番号を付して説明を省略する。
[0141] 実施例 1の動作が従来の技術と異なる所は、ステップ 200からステップ 202の処理 である。まず、ステップ 200において、送信電力制御部 205は、状態管理部 207の通 知から移動局が通常モードであるのか、又は間欠送信モードであるのかを判断する。 そして、通常モードである場合には、ステップ 110に進み、従来と同様な処理を行う。
[0142] 一方、間欠送信モードである場合には、基地局制御局 1から通知された R_gatingを 用いて、式 3による送信電力制御を行う (ステップ 202)
P(k) = P(k - 1) + P— TPC(k) + R— gating * P— bal(k) 式 3
尚、間欠送信モード時の送信電力制御の開始時期については、上述した 4つのい
ずれかの方法を用いる。
[0143] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電 力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を 低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0144] また、本実施例では、移動局が通常モード時は通常のパワーバランシングのパラメ ータを適用するため、パワーバランシングの効果を高めることができる。
実施例 2
[0145] 実施例 2を説明する。実施例 2は、上述した通常モード時のパワーバランシングの 調整割合とは異なるパワーバランシングの調整割合を用いて、パワーバランシングの 調整量を低くする例である。尚、上述した実施例 1と同様な部分については説明を省 略し、異なる部分について説明する。
[0146] 記憶部 101には各パラメータが記憶されている。記憶されているパラメータとしては 、基地局が送信する共通パイロット信号の電力値 P_CPICH、閉ループ送信電力制御 による調整量 (幅) A TPC、上り回線の閉ループ送信電力制御のための目標値であ る目標 SIRがある。更に、パワーバランシングの制御に必要なパラメータとして、基準 電力オフセット値 P_ref、パワーバランシングによる調整割合 (Adjustment ratio) r、パヮ 一バランシングの調整期間(Adjustment period) Tint,間欠送信モード時の基準電力 オフセット値である P_ref_gating等が記憶されている。また、上述した DPCCH Gatingに おいて行われる所定の周期内(Nスロット)のうち、制御信号が送信される Xスロットに ついても記憶されている。
[0147] 制御部 102は、基地局開設時に電力値 P_CPICHを記憶部 101から読み出して基 地局に通知し、また、他のパラメータについては、移動局との通信(あるサービス)開 始時に記憶部 101から読み出して基地局に通知する。更に、制御部 102は、移動局
がパワーバランシング起動時に DPCCH Gatingにおける間欠送信モードと判断される 場合に適用される間欠送信モード時の調整割合のパラメータである r_gatingを計算し て基地局に通知する。尚、本実施例 2では、 r_gatingは、 DPCCH Gatingにおいて行 われる間欠送信モードにおける間欠送信周期を Nスロット、送信スロット数を ロット とした場合、 r_gating = l -(X/N)*(l -r)として計算するものとする力 本発明における r_g atingの決定方法はこれだけに限られない。例えば、 r_gatingが間欠送信周期間に送 信されるスロット数の割合になんらかの負の相関をもつように決定してもよいし、通常 モードの rよりも大きく且つはり小さい値を無作為に選択してもよい。
[0148] 基地局の送信電力制御部 205は、状態管理部 207から通知される移動局 4のモー ドの状態に応じて下り送信電力を制御する制御部であって、移動局 4力 PCCH Gati ngの通常モード時には、式 1、式 2に基づく送信電力制御を行う。
[0149] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
一方、送信電力制御部 205は、移動局 4力 SDPCCH Gatingの間欠送信モード時に は、基地局制御局 1から通知される P_ref_gating及び r_gatingを用いて、式 4に基づい て、 Sum P_bal(k)を計算し、この Sum P_bal(k)に基づいて、式 1に基づく送信電力制御 を行う。
[0150] Sum P— bal(k) = (1—r— gating)* (P—ref— gating + P—P— CPICH + Pjnit) 式 4
尚、式 4にお!/、て Pref_gatingは通常モードの Prefと同じ値に設定してもよ!/、。
[0151] 次に、図 10を用いて、実施例 2における動作を説明する。尚、従来の送信電力と同 じ処理については、図 2と同じステップ番号を付して説明を省略する。
[0152] 実施例 1の動作が従来の技術と異なる所は、ステップ 300からステップ 302の処理 である。まず、ステップ 300において、送信電力制御部 205は、状態管理部 207の通 知から移動局が通常モードであるのか、又は間欠送信モードであるのかを判断する。 そして、通常モードである場合には、ステップ 110に進み、従来と同様な処理を行う。
[0153] 一方、間欠送信モードである場合には、基地局制御局 1から通知された P_ref_gating 及び r_gatingを用いて(ステップ 301)、式 4に基づいて、 Sum P_bal(k)を計算する(ステ ップ 302)。そして、ステップ 117に進み、従来と同様な処理を行う。
[0154] 尚、間欠送信モード時の送信電力制御の開始時期については、上述した 4つのい ずれかの方法を用いる。
[0155] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電 力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を 低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0156] また、本実施例では、移動局が通常モード時は通常のパワーバランシングのパラメ ータを適用するため、パワーバランシングの効果を高めることができる。
実施例 3
[0157] 実施例 3を説明する。実施例 3は、上述したパワーバランシングの調整量に定数を 乗算し、パワーバランシングの調整量を低くする例である。尚、上述した実施例 1と同 様な部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
[0158] 記憶部 101には各パラメータが記憶されている。記憶されているパラメータとしては 、基地局が送信する共通パイロット信号の電力値 P_CPICH、閉ループ送信電力制御 による調整量 (幅) A TPC、上り回線の閉ループ送信電力制御のための目標値であ る目標 SIRがある。更に、パワーバランシングの制御に必要なパラメータとして、基準 電力オフセット値 P_ref、パワーバランシングによる調整割合 (Adjustment ratio) r、パヮ 一バランシングの調整期間(Adjustment period) Tintが記憶されている。また、上述し た DPCCH Gatingにおいて行われる所定の周期内(Nスロット)のうち、制御信号が送 信される Xスロットについても記憶されている。更に、間欠送信モードと判断される場 合に適用される Lgatingを記憶している。尚、 f_gatingはここでは、 x/Nとする。
[0159] 基地局の送信電力制御部 205は、状態管理部 207から通知される移動局 4のモー ドの状態に応じて下り送信電力を制御する制御部であって、移動局 4力 PCCH Gati ngの通常モード時には、式 1、式 2に基づく送信電力制御を行う。
[0160] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
一方、送信電力制御部 205は、移動局 4力 SDPCCH Gatingの間欠送信モード時に は、基地局制御局 1から通知される Lgatingを用いて、式 5に基づいて、 Sum P_bal(k) を計算し、この Sum P_bal(k)に基づいて、式 1に基づく送信電力制御を行う。
[0161] Sum P— bal(k) = f— gating*(l- r)* (P— ref + P—P- CPICH - Pjnit) 式 5
なお、上記では、通常モードでは式 2を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて行う 送信電力制御を用い、間欠送信モードでは式 5を用いて求めた S醒 P_bal(k)に基づ Vヽて行う送信電力制御を用いる、つまり異なる送信電力制御を使!ヽ分ける例を示した 力 式 5を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて送信電力制御がされており、通常モ ードのときには Lgating =1、間欠送信モードのときには Lgatingを 1未満としてもよい。
[0162] 次に、図 11を用いて、実施例 3における動作を説明する。尚、従来の送信電力と同 じ処理については、図 2と同じステップ番号を付して説明を省略する。
[0163] 実施例 1の動作が従来の技術と異なる所は、ステップ 400からステップ 402の処理 である。まず、ステップ 400において、送信電力制御部 205は、状態管理部 207の通 知から移動局が通常モードであるのか、又は間欠送信モードであるのかを判断する。 そして、通常モードである場合には、ステップ 110に進み、従来と同様な処理を行う。
[0164] 一方、間欠送信モードである場合には、基地局制御局 1から通知された Lgatingを 用いて (ステップ 401)、式 4に基づいて、 Sum P_bal(k)を計算する(ステップ 402)。そ して、ステップ 117に進み、従来と同様な処理を行う。
[0165] 尚、間欠送信モード時の送信電力制御の開始時期については、前述した 4つのい ずれかの方法を用いる。
[0166] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電
力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を 低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0167] また、本実施例では、移動局が通常モード時は通常のパワーバランシングのパラメ ータを適用するため、パワーバランシングの効果を高めることができる。
実施例 4
[0168] 実施例 4を説明する。実施例 4は、基地局が上述した間欠送信モード時に制御信 号が送信されるスロット数の割合に基づ 、て計算した、パワーバランシングの調整量 の低減率を用いて、パワーバランシングの調整量を低くする例である。尚、上述した 実施例 1と同様な部分については説明を省略し、異なる部分について説明する。
[0169] 記憶部 101には各パラメータが記憶されている。記憶されているパラメータとしては 、基地局が送信する共通パイロット信号の電力値 P_CPICH、閉ループ送信電力制御 による調整量 (幅) A TPC、上り回線の閉ループ送信電力制御のための目標値であ る目標 SIRがある。更に、パワーバランシングの制御に必要なパラメータとして、基準 電力オフセット値 P_ref、パワーバランシングによる調整割合 (Adjustment ratio) r、パヮ 一バランシングの調整期間(Adjustment period) Tint等が記憶されている。また、上述 した DPCCH Gatingにおいて行われる所定の周期内(Nスロット)のうち、制御信号が 送信される Xスロットにつ 、ても記憶されて 、る。
[0170] また、基地局における送信電力制御部 205では、 DPCCH Gatingのパラメータ、す なわち周期 Nと制御信号が送信されるスロット数 Xに基づいて、間欠送信モード間に ノ ヮ一バランシング調整量を計算するために使用するパラメータ tgatingを計算する。 ここでは、一例として、 Lgating = xZNと計算するものとする力 本発明に適用できる 計算方法はこれだけには限られず、間欠送信モード中に制御信号が送信されるスロ ット数の割合に正の相関を持つような値となるようにする等の計算を行えばよい。
[0171] 基地局の送信電力制御部 205は、状態管理部 207から通知される移動局 4のモー ドの状態に応じて下り送信電力を制御する制御部であって、移動局 4力 PCCH Gati ngの通常モード時には、式 1、式 2に基づく送信電力制御を行う。
[0172] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
一方、送信電力制御部 205は、移動局 4力 SDPCCH Gatingの間欠送信モード時に は、基地局制御局 1から通知される Lgatingを用いて、式 6に基づいて、 Sum P_bal(k) を計算し、この Sum P_bal(k)に基づいて、式 1に基づく送信電力制御を行う。
[0173] Sum P— bal(k) = f— gating*(l- r)* (P— ref + P— P- CPICH - P— init) 式 6
なお、上記では、通常モードでは式 2を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて行う 送信電力制御を用い、間欠送信モードでは式 6を用いて求めた S P_bal(k)に基づ Vヽて行う送信電力制御を用いる、つまり異なる送信電力制御を使!ヽ分ける例を示した 力 式 6を用いて求めた Sum P_bal(k)に基づいて送信電力制御がされており、通常モ ードのときには Lgating =1、間欠送信モードのときには Lgatingを上述の方法で計算し た値としてもよい。
[0174] 次に、図 12を用いて、実施例 4における動作を説明する。尚、従来の送信電力と同 じ処理については、図 2と同じステップ番号を付して説明を省略する。
[0175] 実施例 4の動作が従来の技術と異なる所は、ステップ 500からステップ 502の処理 である。まず、ステップ 500において、送信電力制御部 205は、状態管理部 207の通 知から移動局が通常モードであるのか、又は間欠送信モードであるのかを判断する。 そして、通常モードである場合には、ステップ 110に進み、従来と同様な処理を行う。
[0176] 一方、間欠送信モードである場合には、上述した Lgatingを用いて (ステップ 401) 式 6に基づいて、 Sum P_bal(k)を計算する(ステップ 502)。そして、ステップ 117に進 み、従来と同様な処理を行う。
[0177] 尚、間欠送信モード時の送信電力制御の開始時期については、上述した 4つのい ずれかの方法を用いる。
[0178] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電 力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を
低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0179] また、本実施例では、移動局が通常モード時は通常のパワーバランシングのパラメ ータを適用するため、パワーバランシングの効果を高めることができる。
実施例 5
[0180] 実施例 5を説明する。実施例 5は、移動局に対して開始する通信 (サービス)によつ て、 DPCCH gatingを適用するか否かを決定し、 DPCCH
gatingを適用する移動局に対しては、パワーバランシングによる調整割合力 ¾PCCH でデータ送受信を行っている移動局に比して小さくなる、または、ゆっくりとなるような パワーバランシングのパラメータを設定する。一方、 DPCCH gatingを適用しない移動 局に対しては、通常通りのパラメータを設定し、パワーバランシングを行う。
[0181] 図 13は実施例 5の基地局制御装置の構成図である。
[0182] 基地局制御装置は、記憶部 501と、適用判定部 502と、制御部 503とを備えている
[0183] 記憶部 501には、上述した実施例で説明した各パラメータが記憶されている力 実 施例 5の特徴的なパラメータとして、 DPCCH gatingを適用する移動局に対するパラメ ータも格納されている。具体的には、 DPCCH gatingを適用する移動局に対するパヮ 一バランシングによる調整割合 rや、 DPCCH gatingを適用する移動局に対する調整 期間(Adjustment period)である。これらの rや、調整期間は、 DPCCH gatingを適用し ない移動局よりも大きく設定され、 r=lと設定することで停止と同等の効果が得られる 適用判定部 502は、コアネットワーク等より取得した移動局のサービスに基づいて、 移動局に対して DPCCH gatingを適用するか、適用しないかを判定する判定部である 。具体的には、 DPCCH gatingは下り回線のデータ送信を HSDPA、上り回線のデータ 送信を EUDCHを用いて行うサービスに対して適用され、例えば、上り Z下り個別チヤ ネルを用いてデータの送受信を行う通話などの回線交換を利用したサービスに対し ては、 DPCCH gatingは適用しない。一方、一般的にウェブ閲覧や VoIPなどパケット 交換を利用したサービスに対するデータの送受信は HSDPA並びに EUDCHを用いて 行う。このような場合、基地局制御装置はこの移動局に対して DPCCH gatingを適用 する。
[0184] 制御部 503は、適用判定部 502の判定結果を受けて、 DPCCH gatingを適用しない 移動局に対しては、通常のパラーバランシングのパラメータを記憶部 501から読み出 し、基地局に通知する。一方、 DPCCH gatingを適用する移動局に対しては、 DPCCH gatingを適用する場合の rや、調整期間等のパラメータを記憶部 501から読み出し、 基地局に通知する。
[0185] 通知された基地局は、従来と同様に、通知されたパラメータに基づいて、移動局に 対して送信電力制御を行う。
[0186] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電 力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を 低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0187] また、本実施例は、移動局が間欠送信モードである力否かに応じてパラメータを設 定するする必要がな 、ため、基地局の制御が容易になる。
[0188] また、本実施例は、移動局が間欠送信モードである力否力を通知する信号が不要 であるため、上り回線のオーバーヘッドを軽減できる。
[0189] また、本実施例は、移動局が間欠送信モードである力否かをブラインドで検出する 必要がな!、ため、検出誤りによる誤動作がな 、。
実施例 6
[0190] 実施例 6を説明する。実施例 6は、下りの電力制御において、 TPCコマンドを実行す る場合のみパワーバランシングを行う例である。
[0191] 図 14は実施例 6の基地局の構成図である。尚、上述した実施例の基地局と同様な 構成のものについては同じ符号を付してある。
[0192] 基本的な構成は、上述した実施例 1の基地局と同じであるが、 SIR測定部 601が各 スロットの TPC信号 (またはパイロット信号)の SIRを測定し、その結果を送信電力制御
部 602に通知する。例えば、 SIRが所定の信頼度閾値以下に劣化している場合は、 送信電力制御部 602にその旨を通知する。
[0193] 送信電力制御部 602は、 SIRが所定の信頼度閾値以下に劣化していない場合には 、通常のパワーバランシングを行う。すなわち、式 1、式 2に基づく送信電力制御を行
[0194] P(k) = P(k-l) + P— TPC(k) + P— bal(k) 式 1
Sum P— bal = (1- r)*(P— ref + P— CPICH - Pjnit) 式 2
一方、 SIRが所定の信頼度閾値以下に劣化している場合は、 TPC信号並びにパヮ 一バランシングによる調整値 (P_bal)を送信電力に反映させない。すなわち、送信電 力制御を行わない。
[0195] 本実施例は、 DPCCH gatingにより TPC信号が送信されずチャネル品質に基づいた 高速な電力制御を行えな 、場合は、パワーバランシングのための電力調整も停止ま たは緩やかに行うことを可能にする。従って、下り DPCCHの送信電力がパワーバラン シングの基準電力値に引き寄せられ、目標品質を満足するために必要な電力よりも 低過ぎる、または高過ぎる電力値となってしまうことを回避できる。すなわち、チャネル 品質に基づ 、て制御された電力値を維持でき、移動局で所要 SIRを満たすような電 力制御が可能となる。その結果、無駄な干渉や移動局での個別チャネル品質劣化を 低減でき、システムスループット並びにユーザスループットが改善できる。
[0196] また、本実施例は、移動局が通常モードである場合は、通常のパラメータを適用す る場合とほぼ同等な制御となるため、パワーバランシングの効果を高めることができる
[0197] また、本実施例は、移動局が間欠送信モードブカ否かの検出が不要になるため、 基地局制御が容易になる。
[0198] 以上述べた通り、本発明の複数の基地局の送信電力のバランス調整を行うようなシ ステムにおける電力制御方法では、通常モードのような全てのスロットで信号が送信 されて ヽるような、間欠送信モードのような信号を送信しな ヽスロットが存在するような 通信とで、送信電力をパワーバランシングの基準電力に近づける割合 (調整速度)を 変えていることを示した。
[0199] また、本発明の複数の基地局の送信電力のバランス調整を行うようなシステムにお ける電力制御方法は、これら基地局に対する制御信号が送信されないスロットが存 在する場合の第 1のバランス調整方法と、制御信号が送信されないスロットが存在し な 、場合の第 2のバランス調整方法との 2つの調整方法が含んで 、ることを示した。
[0200] しかし、本発明の複数の基地局の送信電力のバランス調整を行うようなシステムに おける電力制御方法は必ずしもこれらに限定されるものではない。
[0201] また、上記では、下り回線のパワーバランシングを前提として記載した力 回線の方 向や、基地局または移動局と言った局の役割に必ずしも限定される必要はなぐ少な くとも 1つの送信局、一般的には 2以上の送信局からの受信局に対する送信電力の ノヮーバランシングを行う場合にも本発明は適用することができる。
[0202] また、上記では送信電力制御に用いるパラメータである基地局制御装置が決定す る基準電力オフセット値 P_ref、基地局が送信する共通パイロット信号の電力値 P_CPI CH、 r等、および R_gating、 r_gating、または Lgatingは基地局制御装置が基地局に通 知するとして記載している、これらパラメータの通知方法に本発明は限定されるもの ではなぐ例えばこれらのパラメータは基地局に個別に設定されている、基地局毎に 決定する、などとしても良い。