WO2007069711A1

WO2007069711A1 - バーナーワーク用ガスバーナー

Info

Publication number: WO2007069711A1
Application number: PCT/JP2006/325014
Authority: WO
Inventors: Shigeru Hayashi; Hiroshi Hoya
Original assignee: Sophia Precision Corp.; Kinari Glass Co., Ltd.
Priority date: 2005-12-15
Filing date: 2006-12-15
Publication date: 2007-06-21
Also published as: JP2007163051A

Abstract

本発明は、高温の火炎を発生することが出来ると共に、火炎の温度、火炎の太さ、火炎の長さ、高温ガス中の酸素濃度その他をバーナーワークの作業に対応させて容易且つ正確に調整出来るようなバーナーワーク用ガスバーナーの提供することを目的としており、カバー部材（Ｃ１）と、該カバー部材（Ｃ１）を被せられたバーナー出口部（Ｆ１）とを設け、該バーナー出口部（Ｆ１）には燃料供給系統（２１０Ｂ）と空気供給系統（２２０Ｂ）とが合流した配管（混合気主管部材２Ｂ）が連通しており、該バーナー出口部（Ｆ１）の上端面には、気体透過性を有するマット状部材（Ｆ２）が載置されている。

Description

明細書

ノーナーワーク用ガスバーナー

技術分野

[0001] 本発明は、ガラス材料や金属材料の溶融に使用されるバーナーワーク用ガスバーナーに関する。背景技術

[0002] バーナーワークの代表的な例としては、 V、わゆる「トンボ玉」制作のようなガラス細工があり、近年、この「トンボ玉」のようなガラス細工を趣味として行う人口が急増している。このようなガラス細工を行う場合、材料をその溶融する温度 (以下、便宜上、ガラスに対しても「融点」 t 、う表記を用いる）以上に加熱出来るバーナーが必要である。なお、ガラスの中で最も融解し難いのが石英で、その融点は、純度による力 1700°C を超える。作業を円滑に進めるためには、材料をその「融点」よりも高い温度に加熱する必要がある。より低、燃焼ガス温度で材料を融点或、は作業し易、温度に加熱するには、バーナーワーク用ガスバーナーの発生する高温ガスから材料への熱伝達の効率を上げてやることが、非常に有効である。

[0003] しかし、従来の家庭用或いは個人用のバーナーで、高融点材料をその融点以上の高温に加熱できるものは無ぐまた、流速を速くすることが出来るものも存在しなかつた。したがって、（従来の家庭用或いは個人用のバーナーでは、）材料として、「融点」の低、ガラスし力使用できな、ため、融点の高、ガラスを用いたトンボ玉細工を行えるバーナーに対する要望が出されていた。

[0004] その他の従来技術としては、内部に燃焼部を形成した筒状のフードをバーナーに被せ、該燃焼部の内径が火炎導入部及び火炎放出部の内径よりも大きく形成されたガラス加工用バーナーが提案されてヽる (特許文献 1参照)。

しかし、係るバーナーでは、高流速の場合 (混合気流量が大きい場合)、特に予混合気が燃料希薄な状態では、温度が低いため、火炎を保持することが困難となる。一方、低流速の場合 (混合気流量が小さい場合）には、火口の内径寸法が大きい場合には逆火を起こし易い。そのため、制御可能な流速の範囲 (換言すれば、制御可能な火力の範囲）が狭、と、う問題を有して、る。

また、火炎放出部において高温燃焼ガスが加速されず、高温燃焼ガスが低流速では、高温燃焼ガスから材料への熱伝達の効率が低、と、う問題がある。

特許文献 1：特開平 11— 82943号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 本発明は、上記従来技術の問題点に対処するために提案されたものであり、高温の火炎を発生することが出来ると共に、火炎の温度、その太さ、長さ、高温ガス中の酸素濃度をバーナーワークの作業に対応させて容易且つ適切に調整出来るようなバーナーワーク用ガスバーナーを提供することを目的として、る。

課題を解決するための手段

[0006] 本発明のバーナーワーク用ガスバーナーは、カバー部材（ノズルホルダカバー C1) と、該カバー部材 (ノズルホルダカバー C1)を被せられたバーナー出口部（主炎混合気ケース F1)とを設け、該バーナー出口部 (主炎混合気ケース F1)には燃料供給系統（210B)と空気供給系統（220B)が合流した配管 (混合気主管部材 2B)が連通しており、該バーナー出口部（主炎混合気ケース F1)の上端面には、気体透過性を有するマット状部材 (F2)が載置されて、ることを特徴として、る（請求項 1)。

[0007] また、本発明のバーナーワーク用ガスバーナーは、前記燃料供給系統（210B)と空気供給系統 (220B)とが合流した配管 (混合気主管部材 2B)へ連通し且つ (シャープ火炎ノズル回転支持部材 lBcにより）回転自在に接続された導管 (シャープ火炎用混合気導管 T3)と、該導管 (シャープ火炎用混合気導管 T3)の先端部に設けられたノズル (シャープ火炎用ノズル 1B)、とを備えて!/ヽるのが好ましヽ（請求項 2)。

[0008] 前記ノズル (シャープ火炎用ノズル 1B)は、前記導管 (シャープ火炎用混合気導管 T3)が連通するノズル用バーナー出口部（シャープ火炎用混合気ケース IBe)を有し、該ノズル用バーナー出口部（シャープ火炎用混合気ケース IBe)にはノズル用カバ一部材（シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BC)が被せられており、該ノズル用バーナー出口部（シャープ火炎用混合気ケース IBe)の上端面には気体透過性を有するマット状部材（lBf)が載置されて、るのが好まヽ（請求項 3)。 [0009] 本発明の実施に際して、前記マット状部材 (F2、 lBf)は、気体透過性及び耐熱性を有することが必須である。そして、金属繊維、セラミック繊維その他の各種繊維から構成されている（繊維製である）ことが好ましい。これに加えて、前記マット状部材 (F2 、 lBf)は、多孔質材料で構成しても良い。

発明の効果

[0010] 上記構成による本発明のバーナーワーク用ガスバーナーによれば、気体透過性を有するマット状部材 (F2、 lBf)を設けることにより、本発明のバーナーワーク用ガスバーナ一は、既存の予混合バーナーに比較して、高流速の場合 (混合気流量が大きい場合)でも、火炎を保持することが出来る。特に、予混合気が燃料希薄な状態で、優れた保炎能力を有する。

また、気体透過性を有する繊維製のマット状部材 (F2、 lBf)を設けることにより、本発明のバーナーワーク用ガスバーナーは、低流速の場合 (混合気流量が小さい場合 )であっても、逆火を起こすことが無い。

従って、気体透過性を有する繊維製のマット状部材 (F2、 lBf)を設けた本発明のバーナーワーク用ガスバーナーは、安定した火炎を得ることが出来ると共に、既存の予混合バーナーに比較して、制御可能な流速の範囲 (混合気流量の範囲）を広くすることが出来るのである。

[0011] さらに、気体透過性を有する繊維製のマット状部材 (F2、 lBf)を設けた本発明のバーナーワーク用ガスバーナーは、当該マット状部材 (F2、 lBf)を構成する繊維 (ファィバー）が赤熱する条件では、当該赤熱した繊維において未燃焼成分の反応が促進される。そのため、特に燃料が希薄な条件で有効である。

[0012] ここで、従来からの一般的なバーナーでは、火炎は通常円形火口に保持され、中心軸に頂点を持つ円錐形状の火炎となるので、燃焼が完結するのは、バーナー火ロカ離隔した位置 (軸方向について、高い位置）になってしまう。これに対して、気体透過性を有する繊維製のマット状部材 (F2、 lBf)を設けた本発明のバーナーヮーク用ガスバーナーによれば、過度に大きな混合気流量でない限りにおいては、火炎が当該マット状部材 (F2、 lBf)の表面或いはそのうち側に保持されるので、マット状部材 (F2、 lBf)の表面の直ぐ近くで主要な反応が完結する。そのため、火炎の高さが抑制される。

[0013] さらに、気体透過性を有する繊維製のマット状部材 (F2、 IBf)を設けた本発明のバーナーワーク用ガスバーナーでは、空気量が多少不足しても、煤の素となるカーボンが生成せずに燃焼させることが出来る。従って、ガラス細工の場合においては、例えば、煤が作品に付着して商品価値が無くなってしまうと言う事が防止される。また、例えば金属を加工する場合の様に、還元性雰囲気下で加熱することが要求される場合において、好適に用いることが出来る。

[0014] また本発明はカバー部材 (ノズルホルダカバー C1)を設けているので、保炎される領域が当該カバー部材内部の空間内となり、当該カバー部材内部の空間内は周囲空気と混合しないので、保炎される領域及びその周辺部における温度低下が抑制され、広い作動条件に亘つて、マット状部材 (F2、 IBf)に火炎が安定するという利点を有している。

そして、カバー部材 (ノズルホルダカバー C1)を設けることにより、未燃焼成分、特に一酸ィ匕炭素の排出を抑制することができる。未燃焼成分が、温度の低い空気と混合すること無ぐカバー部材内部の空間内に（一定時間以上)滞在するからである。

[0015] 本発明にお、て、前記燃料供給系統（210B)と空気供給系統（220B)とが合流した配管 (混合気主管部材 2B)へ連通し且つ (シャープ火炎ノズル回転支持部材 lBc により）回転自在に接続された導管 (シャープ火炎用混合気導管 T3)と、該導管 (シヤープ火炎用混合気導管 T3)の先端部に設けられたノズル (シャープ火炎用ノズル 1 B)を設ければ (請求項 2)、ガラス細工や金属工芸等で微細な加工が要求される場合に、大型の主火炎ガスノズル 1ではなぐシャープ火炎ノズル 1Bで、相対長さが大きくて先端の尖ったシャープな火炎を生じさせることにより、当該微細な加工を容易に行うことが出来る。

[0016] そして、火炎が生じる部分（ノズルホルダカバー C1の内部、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの内部）をカバー部材（ノズルホルダカバー C1)或いはノズル用カバ一部材 (シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BC)で覆うことにより、火炎の保持が困難となってしまうことが防止出来る。そして、燃焼ガスの温度低下も未然に防止出来る。

[0017] 本発明にお、て、カバー部材（ノズルホルダカバー C1、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BC)の先端部（図 3におけるノズルホルダカバー CIの出口部 CI— 0、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの出口部 lBC— O)を細く絞った形状に構成すれば、赤熱したマット状部材 (F2、 lBf)力も放射される熱が周囲に出てしまうこと無ぐカバー部材（ノズルホルダカバー Cl、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BC)の内壁に放射され、カバー部材（ノズルホルダカバー Cl、シャープ火炎ノズルホルダカバ一 1BC)とマット状部材 (F2、 lBf)で囲まれた空間は黒体炉に近い状態となり、熱線が逃げないので、熱損失を小さくすることが出来、ガス温度を高温に維持することが出来る。

[0018] さらに本発明にお、て、隔壁 (Fw)を設けて前記バーナー出口部（主炎混合気ケース F1)を同心円状の 2つの空間に仕切り、当該 2つの空間が、主火炎混合気用導管 (T1)或いは火力追加混合気用導管 (T2)の何れかを介して、前記燃料供給系統 (210B)と空気供給系統 (220B)とが合流した配管 (混合気主管部材 2B)へ連通し、火力追加混合気用導管 (T2)に流量調整手段 (ボールバルブ BV1)を介装すれば、主火炎混合気用導管 (T1)に流量調整手段を設けなくても、火力追加混合気用導管 (T2)に介装した流量調整手段 (ボールバルブ BV1)のみを調節すれば、前記バーナー出口部（主炎混合気ケース F1)へ供給される混合気流量を制御することが出来る。

[0019] これに加えて、圧縮機により空気供給系統（220B)から空気が供給される場合において、前記配管 (混合気主管部材 2B)に逆止弁が設けられていなくても、供給された圧縮空気は、主火炎混合気用導管 (T1)及びそれが連通して!/、る側の空間 (Fl A) から、バーナー外に排出されるので、圧縮空気が燃料供給系統（210B)に逆流し、燃料供給系統 (210B)内で混合気となって爆発するのを未然に防止出来る。

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下、図 1〜図 4を参照して、本発明の実施形態について説明する。

図示の実施形態では、ガスバーナー本体 Nとベンチユリ一ミキサー M (燃料と空気とのミキシング機構）とが分離して構成されている。換言すれば、ベンチユリ一ミキサ一 Mとバーナー本体 Nとを結合した形となって!/、る。

そして、本体 N側にシャープな火炎を噴射するシャープ火炎ノズル 1Bを設けて、る。このシャープ火炎ノズル IBの火炎は、相対長さが大きくて先端の尖ったシャープな火炎となっているので、ガラス工芸或いは金属工芸の制作等において、小さい部品の加熱や局所的加熱を行う際に用いられるものである。

[0021] 図 1において、ガスバーナー本体 Nはノズルホルダカバー C1が設けられており、ノズルホルダカバー C1は主炎混合気ケース F1 (バーナー出口部、或いは、ノズルホルダカバーを被せられたバーナー出口部）に被さっている。

ここで、図 1において、矢印 F方向を前方、矢印 Fの反対側を後方とする。図 1の後方に向って（矢印 Fの反対側に向って）、主炎混合気ケース F1の右側に、シャープ火炎ノズル 1Bを回転可能に支持するシャープ火炎ノズル回転支持部材 1B cが配置されている。

[0022] シャープ火炎ノズル回転支持部材 lBcには L字状のノズル支持アーム IBaが回動自在に取り付けられており、ノズル支持アーム IBaは燃料供給管を兼ねている。ノズル支持アーム IBaの先端にはシャープ火炎ノズル 1Bが取り付けられており、シヤープ火炎ノズル 1Bの火炎噴射の向きが主炎混合気ケース F1の火炎噴射の向きと平行となる様に構成されて、る。

また、シャープ火炎バーナー回転支持部材 lBcには、シャープ火炎調節用のボールバルブ lBdが装備されている。

[0023] シャープ火炎ノズル 1Bは、通常時には、図 1のように主炎混合気ケース F1の前方（矢印 F側）に位置している。

ここで、ノズル支持アーム IBaは、矢印 R (図 1において、点線で示す)で示す様に、シャープ火炎ノズル回転支持部材 1 Beの回転中心周りに回動可能に構成されて!、る。従って、必要に応じて、シャープ火炎ノズル 1Bを、主炎混合気ケース F1の後方 (矢印 Fとは反対側）に位置させることも出来る。

[0024] 本体回転減速装置 8Bの前方 (矢印 F側）には、第 1の点火プラグ用スィッチ SW1と、第 2の点火プラグ用スィッチ SW2と、本体回転機構のモータを作動させるための回転用スィッチ SW3とが装備されて、る。

第 1の点火プラグ用スィッチ SW1は、これを押すことにより、主炎混合気ケース F1 内の図示しない点火プラグが混合気に点火する様に構成されている。第 2の点火プラグ用スィッチ SW2は、これを押すことにより、シャープ火炎ノズル 1B 内の図示しない点火プラグが混合気に点火する様に構成されている。

[0025] 図 1〜図 4において、符号 21Bは燃料ガス（流量)遮断バルブを示し、符号 22Bは燃料ガス制御用ニードルバルブを示す。

又、符号 210Bは燃料ガス供給系統であり、符号 220Bは圧縮空気供給系統であり、符号 25Bは装置外に排気する空気のラインに接続する接続部であり、符号 25Cは逃がし空気量制御バルブを示して、る。

[0026] 図 1において、主炎混合気ケース F1の後方に向って（矢印 Fの反対側に向って)左側には、ベンチユリ一ミキサー Mが設けられている。

図 4で示す様に、ベンチユリ一ミキサー M内では、空気供給系統 220Bからの空気と燃料供給系統 210Bからの燃料ガスとの混合部には、ベンチユリ一金具 Eが介装されている。

[0027] 空気供給系統 220B力もの空気と、燃料供給系統 210B力もの燃料ガスとは、ベンチュリーミキサー M内で混合されて、混合気主管部材 2B (図 3参照）内で混合気の均質化が促進される。

図示の実施形態では設けられていないが、燃料供給系統 210Bには逆止弁を設けることが好適である。空気供給系統 220Bは図示しない圧縮機へ連通しているので、バーナー側に供給される圧縮空気が、燃料ガス供給系統 210Bに流入してしまうことを防止出来るからである。但し、後述する様に、図示の実施形態では、上記逆止弁を設けなくても、圧縮空気が燃料ガス供給系統 210Bに流入することを防止出来る構造となっている。

[0028] 次に、図 3を参照して、ガスバーナー本体 Nについて説明する。

ここで、図 3において、混合気主管部材 2B、主火炎混合気用導管 Tl、火力追加混合気用導管 Τ2、シャープ火炎用混合気導管 Τ3については、図 2における A— Α線断面が示されており、主火炎ノズルホルダカバー、シャープ火炎ノズル 1Bについては、図 2における B— B線断面が示されている。

[0029] 図 3において、混合気主管部材 2Bには、主火炎混合気用導管 Tl、火力追加混合気用導管 Τ2、シャープ火炎用混合気導管 Τ3なる 3本の混合気導管が装着されている。

ここで、火力追加混合気用導管 T2にはボールバルブ BV1が介装されており、シャープ火炎用混合気導管 T3にはボールバルブ lBdが介装されている。

[0030] 混合気主管部材 2Bの一端（図 3では左端） 2Baは、ベンチユリ一ミキサー M (図 4参照）の端部（図 4では右端） 2Scと結合されて、る。

また、混合気主管部材 2Bの他端（図 3では右端) 2Sbは、本体回転減速機構 8B ( 図 1)に結合されている。

図 3において、主火炎混合気用導管 Tl、火力追加混合気用導管 Τ2は、主炎混合気ケース F1の底部に連通して開口されている。

[0031] 主炎混合気ケース F1の上端面には、耐熱性及び気体透過性を有する繊維製のマット状部材 F2が載置されており、該マット状部材 F2は、リングナット F3を主炎混合気ケース F1に螺合させることにより固定されている。そして、リングナット F3の外周部は、主火炎ノズルホルダカバー C 1の内周面下方に嵌合して!/、る。

[0032] 主火炎混合気用導管 Tl、火力追加混合気用導管 Τ2を通った混合気は、主炎混合気ケース F1内にお、て一様に広がり、前記マット状部材 F2の表面或いはその内部で燃焼する。そして、混合気がマット状部材 F2の表面或いはその内部で燃焼する際には、十分に安定した火炎が得られる。

[0033] 図 3で明示されている様に、主火炎ノズルホルダカバー C1の断面形状は、その下縁側の内径は主炎混合気ケース F 1の上端面或、はマツト状部材 F2の径方向寸法と概略同じであるが、その内周面側が滑らかに湾曲しつつ縮径しており、出口部 C1 —Οの内径寸法が小さくなる様に構成されている。そのため、主火炎ノズルホルダ力バー C1の出口部 C1— Ο力もの噴射速度が増加し、バーナーで加熱するべき対象物に対して高温の燃焼ガスからの熱伝達が促進され、より高い温度に加熱できる。混合気供給量の調整を必要とする場合には、火力追加混合気用導管 Τ2の下方に装着してあるボールバルブ BV1の開度を増減すれば良い。

[0034] ここで、主炎混合気ケース F1には円環状の隔壁 Fwが設けられ、隔壁 Fwによって主炎混合気ケース F1内部は、同心円状の 2つの空間 F1A、 FIBに仕切られている。中心側の円形の空間 F1Aは、主火炎混合気用導管 T1を介して混合気主管部材 2 Bと連通しており、環状の空間 FIBは火力追加混合気用導管 T2を介して混合気主管部材 2Βと連通している。

主火炎混合気用導管 T1には流量調整手段は設けられていないが、火力追加混合気用導管 Τ2にボールバルブ BV1が介装されて!、るので、ボールバルブ BV1を調節すれば、主炎混合気ケース F1へ供給される混合気流量を制御することが出来る。

[0035] これに加えて、図示の実施形態では主火炎混合気用導管 T1には弁は介装されていないので、空気供給系統 220Βから供給された圧縮空気は、主火炎混合気用導管 T1及び主炎混合気ケース F1の空間 F1Aを介してバーナー外に排出されるので、燃料供給系統 210B内に逆止弁が設けられていなくても、空気供給系統 220Βを介して供給される圧縮空気が燃料供給系統 210Bに逆流し、燃料供給系統 210B内で混合気となって爆発することはなヽ。

[0036] 次に、シャープ火炎ノズル 1Bについて説明する。

図 3において、シャープ火炎用混合気導管 Τ3は、回転支持部材 lBc内に配置されており、口金 T4を介して、 L字状のノズル支持アーム IBaへ連通している。そして、ノズル支持アーム IBaの先端部には、シャープ火炎用混合気ケース IBeが装着されている。

そして、シャープ火炎用混合気ケース IBeには、シャープ火炎ノズルホルダカバー

1BCが被せられている。

[0037] シャープ火炎用混合気ケース IBeの上端面には、耐熱性及び気体透過性を有する繊維製のマット状部材 lBfが載置されており、該マット状部材 lBfは、リングナット 1

Bgをシャープ火炎用混合気ケース 1 Be〖こ螺合させることにより、固定されて!/、る。そして、リングナット lBgの外周部は、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの内周面下方に嵌合している。

[0038] シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの断面形状は、その内径がシャープ火炎用混合気ケース IBeの上端面或いはマット状部材 lBfの径方向寸法と概略同じである力図 3中、上方のシャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの出口部 lBC— Oにおいては、その内径寸法が縮小する様に構成されている。

[0039] シャープ火炎用混合気ケース IBe内の空洞部で、混合気は充分に広がって均質になり、その状態でマット状部材 IBfの表面或いはその内部で燃焼する際には、十分に安定した良好な火炎が得られる。

[0040] また、シャープ火炎ノズルホルダカバー 1BCの出口部 lBC— Oにおいては、その内径寸法が縮小する様に構成されているので、そこ力噴射する速度が速くなり、シヤープ火炎ノズル 1Bで加熱される材料への熱伝達が促進され、その温度をより高く出来る。

[0041] 以上説明した実施形態によれば、耐熱性及び気体透過性を有する繊維製のマット状部材 F 1或いは 1 Bfの表面或ヽはその内部で燃焼した火炎は安定する。すなわち、図示の実施形態によれば、前記繊維製のマット状部材 F1或いは IBfを設けているので、微細径のノズルを多数配置して当該多数のノズルに混合気を供給した場合よりも、さらに安定した火炎を得ることが出来るのである。

[0042] また、繊維製のマット状部材 Fl、 IBfを設けることにより、高流速の場合 (混合気流量が大きい場合)、特に予混合気が燃料希薄な状態でも、優れた保炎能力を発揮することが出来る。その一方で、低流速の場合 (混合気流量が小さい場合)であっても、逆火を起こすことが無い。既存の予混合バーナーに比較して、制御可能な流速の範囲（混合気流量の範囲）を広くすることが出来る。

[0043] さらに、繊維製のマット状部材 Fl、 IBfが赤熱すれば、当該赤熱した繊維製のマツト状部材 Fl、 IBfにおいて未燃焼成分の反応が促進されるので、特に燃料が希薄な条件で有効である。

そして、過度に大きな混合気流量ではない限り、火炎が繊維製のマット状部材 Fl、 IBfの表面或いはその内部に亘つて保持されるので、火炎の高さが抑制される。

[0044] これに加えて、図示の実施形態によれば、繊維製のマット状部材 Fl、 IBfを設けることにより、空気量が不足しても、カーボンが生成せずに燃焼させることが出来るので、金属を加工する場合の様に還元性雰囲気下で加熱することが要求される場合に、好適に使用できる。

[0045] 図示の実施形態によれば、火炎の相対長さが大きぐ先端の尖った火炎を必要とする場合、例えば、ガラス工芸或いは金属工芸の制作時等において、大型の主炎混合気ケース F1を用いること無ぐシャープ火炎ノズル 1Bを用いることにより、細かな作業を容易に行うことが出来る。

そして、図示の実施形態を、例えばガラス細工に用いる場合には、火炎の相対長さが大きぐ先端の尖った火炎をガラス加工部に噴射出来るため、加工が容易となり、加工品の出来栄えも向上する。

[0046] また、例えばガラス細工に用いた場合にぉヽて、燃料空気比を理論値付近までに留めれば、煤のない完全燃焼が実現する。

[0047] 図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。

図面の簡単な説明

[0048] [図 1]本発明の実施形態の外観を示す斜視図。

[図 2]図 1の実施形態を示す平面図。

[図 3]本発明の実施形態のバーナー本体及びシャープ火炎ノズルの断面図。

[図 4]本発明の実施形態のベンチユリ一ミキサーの断面図。

符号の説明

[0049] 1B · · ·シャープ火炎ノズル

2Β···混合気主管部材

8Β···本体回転減速装置

21Β·· '燃料ガス (流量)遮断バルブ

22Β· · '燃料ガス制御用-一ドルバルブ

25B…排気ライン接続部

25C- · ·排気空気量制御部材

210Β· ·，燃料ガス供給ライン接続部

220Β· · ·圧縮空気供給ライン接続部

231···摺動孔

01···主火炎ノズルホルダカバー

1BC- · 'シャープ火炎ノズルホルダカバー

Ε···ベンチユリ一金具

Fl'.'主炎混合気ケース F2、 ΙΒί···マット状部材 Μ.. 'ベンチユリ一ミキサー Ν···バーナー本体

SW1〜SW3—スィッチ

Claims

請求の範囲

[1] カバー部材と、該カバー部材を被せられたバーナー出口部とを設け、該バーナー出口部には燃料供給系統と空気供給系統が合流した配管が連通しており、該バーナー出口部の上端面には、気体透過性を有するマット状部材が載置されていることを特徴とするバーナーワーク用ガスバーナー。

[2] 前記燃料供給系統と空気供給系統とが合流した配管へ連通し且つ回転自在に接続された導管と、該導管の先端部に設けられたノズル、とを備えている請求項 1のバーナーワーク用ガスバーナー。

[3] 前記ノズルは、前記導管が連通するノズル用バーナー出口部を有し、該ノズル用バーナー出口部にはノズル用カバー部材が被せられており、該ノズル用バーナー出口部の上端面には気体透過性を有するマット状部材が載置されて、る請求項 2のバーナーワーク用ガスバーナー。