WO2007032256A1

WO2007032256A1 - 試片採取機位置決め固定装置

Info

Publication number: WO2007032256A1
Application number: PCT/JP2006/317782
Authority: WO
Inventors: Akihiro Kanaya; Masataka Nagae; Junichi Kusumoto; Takafumi Tsurui; Masaharu Fujiwara; Toshimi Kobayashi
Original assignee: Kyushu Electric Power Co., Inc.; Minatogawa Kinzoku Test Piece Manufacturing Co., Ltd.; Sumitomo Metal Technology, Inc.
Priority date: 2005-09-16
Filing date: 2006-09-07
Publication date: 2007-03-22
Also published as: JP2007075970A

Abstract

　稼動中の配管に対して、試片採取機を調節自在に、正確に且つ容易に位置決めを行って固定できる試片採取機位置決め固定装置の提供を課題とする。　被採取体である配管Ｈに対して直接的に取り付け固定される固定基台１００と、固定基台上に着脱自在に取り付けられるＸＹＺ移動調節部材２００とを有し、ＸＹＺ移動調節部材は試片採取機３００を着脱自在に取り付けると共に固定基台に対して前後・左右・上下に位置調節可能とし、固定基台は、ＸＹＺ移動調節部材を載置状態に取り付けるフラットなテーブル台１１０と、テーブル台の下面に突出して配管の円周面に跨って着座する一対の着座脚１２０と、テーブル台の下面側において配管に対してＵ字状に巻付いて締付け自在とすると共にその一対の上端部でテーブル台側に着脱自在に連結される締付け帯１３０とを有する。

Description

試片採取機位置決め固定装置

技術分野

[0001] 本発明は試片採取機位置決め固定装置に関し、より詳しくはプラント等の実機設備の一部として現に実働しているパイプやその他の配管に試片採取機を所定の位置に位置決めして固定し、これによつて試片採取機が配管力試片を採取するのを補助するのに供せられる試片採取機位置決め固定装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、例えば稼動中の発電用プラント等、比較的苛酷な条件或いは安全性の確保が必要な設備においては、そのような稼動中の設備に実際に使用されている設備構成部材における疲労の具合や寿命等を予測し、適切な時期にメンテナンスを行う必要がある。その一方、稼動中の設備は重要な事態発生等がある場合を除いて、できるだけその稼動を停止することなく継続させることが、安定供給の面や経済面等から要望されるところである。

このため従来における稼動中の実機設備に用いられてヽる設備構成部材の検査は、一般には非破壊検査により行われている。

[0003] 他方、被採取体力試片を採取する方法としては、被採取体の一部を切り取ったり、肖 IJり取ったりする等、物理的に採取することが可能である。力この場合において、試片採取の方法は、被採取体の方を試片採取機のところへ運んだ上で試片採取するのが一般的であり、試片採取機の方を現場設備のところへ運び、稼動中の設備構成部材から直接的に試片の採取を行うことは、あまり行われていないのが現状であつた。

これに対して本願発明に係る発明者は、先の出願にて、現場等に配設されている被採取体力ゝら直接的に試片を採取しても、稼動中の被採取体への影響が少ない試片採取機を提案した (特願 2004— 295217号)。

特許文献 1 :特開 2006— 102900号公報

特許文献 2：特開 2001— 79658号公報特許文献 3 :特開平 7- 159295号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] ところが上記試片採取機を現場で配管等の被採取体に取り付けて試片を採取するといっても、試片採取機を被採取体に容易に取り付け、確実にその位置決めと固定を行うことのできる装置が従来な力つた。

[0005] そこで本発明は上記従来の問題を解消し、稼動中の設備に用いられている配管に対しても、試片採取機を取り付けて調節自在に、正確に且つ容易に位置決めを行つて固定することができる試片採取機位置決め固定装置の提供を課題とする。

課題を解決するための手段

[0006] 上記課題を解決する本発明の試片採取機位置決め固定装置は、現場に配設された被採取体である配管に対して試片採取機を固定し、位置決め調整を行うための試片採取機位置決め固定装置であって、

前記被採取体である配管に対して直接的に取り付け固定される固定基台と、該固定基台上に着脱自在に取り付けられる XYZ移動調節部材とを有し、該 XYZ移動調節部材は前記試片採取機を着脱自在に取り付けると共に前記固定基台に対して前後 ·左右，上下に位置調節可能とし、前記固定基台は、前記 XYZ移動調節部材を載置状態に取り付けるフラットなテーブル台と、該テーブル台の下面に突出して前記配管の円周面に跨って着座する一対の着座脚と、前記テーブル台の下面側において配管に対して u字状に卷付いて締付け自在とすると共にその一対の上端部でテープル台側に着脱自在に連結される締付け帯とを有することを第 1の特徴としている。また本発明の試片採取機位置決め固定装置は、上記第 1の特徴に加えて、 XYZ 移動調節部材による XYZ方向の移動は、配管の円周に対する接線方向の X方向移動と、配管の軸と同方向の Y方向移動と、それら X、 Y方向に直角な z方向移動とからなることを第 2の特徴として、る。

発明の効果

[0007] 請求項 1に記載の発明によれば、被採取体である配管に対して固定基台が取り付けられる。この固定基台に対して XYZ移動調節部材が取り付けられる。そしてこの X YZ移動調節部材に対して試片採取機が取り付けられる。 XYZ移動調節部材を調節移動することで、試片採取機が三次元でその位置を調節され、所定の位置決めがなされる。

前記固定基台の配管への取り付けは、固定基台のテーブル台をその下面の一対の着座脚で配管の上に着座させ、締付け帯で配管の周りを u字状に卷付け、その一対の上端部でテーブル台側に連結すると共に卷付けた締付け帯を配管に対して締付けることで、配管上にフラットなテーブル台がその一対の着座脚で安定して着座した状態に取り付け固定される。そして前記 XYZ移動調節部材は前記配管に取り付けられたテーブル台に着脱自在に取り付けることで、テーブル台上に載置された状態にて安定して取り付けがなされる。

よって請求項 1に記載の発明によれば、試片採取機を取り付けて位置調節する XY z移動調節部材を、直接的に被採取体に取り付けるのではなぐ固定基台のフラットなテーブル台に載置状態に取り付けるようにしているので、 XYZ移動調節部材の取り付けが非常に容易で且つ安定した状態に取り付けることができる。

し力も被採取体である配管に取り付けられる固定基台は、フラットなテーブル台をその下面に突出する一対の着座脚で配管の円周面に跨って着座させるようにしているので、配管に対する固定基台の取り付けが非常に安定したものとすることができる。更に固定基台の配管への取り付けは、締付け帯を用いて、これを配管に対して U 字状に卷付けて締付けることで行うので、円形状の配管に対しても容易に且つ確実に取り付け、取り外しを行うことができる。し力も種々の寸法の配管に対しても、その寸法差を容易に吸収して取り付け、取り外しを行うことができる。

請求項 2に記載の発明によれば、上記請求項 1に記載の構成による効果に加えて、 XYZ移動調節部材による XYZ方向の移動は、配管の円周に対する接線方向の X 方向移動と、配管の軸と同方向の Y方向移動と、それら X、 Y方向に直角な Z方向移動とからなるので、試片採取機の位置決め移動を行う際に、該試片採取機の移動が配管に対する接線方向とそれに直角な配管の軸方向とを基調になされるので、円形状の配管上における試片採取機の位置決めが容易に且つ正確に行える。

O 1—

図面〇の簡単な説明

009] [図 1]本発明の実施形態に係る試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す正面図である。

[図 2]同試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す平面図である

[図 3]同試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す右側面図である。

[図 4]固定基台を配管に取り付けた状態を示す正面図である。

[図 5]同固定基台を配管に取り付けた状態を示す平面図である。

[図 6]同固定基台を配管に取り付けた状態を示す右側面図である。

[図 7]XYZ移動調節部材の正面図である。

[図 8]ΧΥΖ移動調節部材の平面図である。

[図 9]ΧΥΖ移動調節部材の右側面図である。

[図 10]試片採取機の正面図である。

[図 11]試片採取機の左側面図である。

符号の説明

固定基台

110 テープノレ台

111 螺合ネジ孔

112 長孔

120 着座脚

121 連結金具

130 締付け帯

131 引掛け金

132 調節部

200 XYZ移動調節部材

210 固定ステージ

211 固定ネジ Xステージスライドガイド軸受体

Xステージ

X方向スライド調節ボルト雌螺子体

Yステージスライドガイド軸受体

長穴

遊嵌ネジ

Yステージ

Y方向スライド調節ボルト雌螺子体

長孔

遊嵌ネジ

垂直壁

Zステージスライドガイド軸受体

長穴

遊嵌ネジ

Zステージ

z方向スライド調節ボルト雌螺子体

ガイド受け

取付フレーム

a 回転軸体

b レノ一

c 回転角度調節ボルトd 雌螺子体 245 載置台

246 回転軸体

246a レバー

247 回転角度調節ボルト

248 雌螺子体

300 試片採取機

310 放電加工用電極

310a 幅部

310b 立上がり部

320 電極ホルダー

321 把握部

321a 取付溝

321b 蓋

330 アーム部

331 本体

332 スライド子

333 絶縁ブロック

334 付勢パネ

335 ならいボノレト

335a ローラ

340 回転駆動手段

341 回転駆動軸

342 回転基台

350 ならいガイド

351 ガイド面

H 配管 (被採取体）

P 回転軸

s w 幅

発明を実施するための最良の形態

[0011] 以下の図面を参照しながら、本発明の試片採取機位置決め固定装置についての実施の形態を更に説明する。

図 1は本発明の実施形態に係る試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す正面図、図 2は同試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す平面図、図 3は本発明の実施形態に係る試片採取機位置決め固定装置を配管に取り付けた状態を示す右側面図、図 4は固定基台を配管に取り付けた状態を示す正面図、図 5は同固定基台を配管に取り付けた状態を示す平面図、図 6は同固定基台を配管に取り付けた状態を示す右側面図である。図 7は XYZ移動調節部材の正面図、図 8は XYZ移動調節部材の平面図、図 9は XYZ移動調節部材の右側面図、図 10は試片採取機の正面図、図 11は試片採取機の左側面図である。

[0012] 先ず図 1〜図 3を参照して、本発明の試片採取機位置決め固定装置は、現場に配設された被採取体である配管 Hに対して直接的に取り付け固定される固定基台 100 と、該固定基台 100上に着脱自在に取り付けられる XYZ移動調節部材 200とを有する。 XYZ移動調節部材 200には、試片採取機 300が着脱自在に取り付けられる。本実施形態においては、試片採取機 300として、被採取体である配管 Hの表面力も薄片を掬ヽ取る薄片掬!ヽ取り機が位置決め固定される。

なお図 3には試片採取機 300を図示してヽなヽ。

[0013] 図 4〜図 6も参照して、前記固定基台 100は、テーブル台 110と、そのテーブル台 1 10の下面において突出して設けられた一対の着座脚 120と、締付け帯 130とを有する。

前記テーブル台 110はフラットなテーブルとし、その上面に前記 XYZ移動調節部材 200を載置する状態で着脱自在に取り付けて固定するためのテーブルであって、配管 Hに取り付けられた際に、配管 Hの軸方向に直角な方向に適当な長さ、例えば配管の直径程度の長さと、配管 Hの軸方向に適当な幅、例えば前記 XYZ移動調節部材 200を取り付けるのに必要な幅を有する。

テーブル台 110には、 XYZ移動調節部材 200を着脱自在に取り付けるための螺合ネジ孔 111が設けられて!/、る。

[0014] 前記一対の着座脚 120は、前記テーブル台 110の下面において、テーブル台 110 の長手方向に所定距離だけ離間して設けられ、また同じ寸法だけテーブル台 110から突出するようにして設けられている。着座脚 120の記所定距離の離間は、テーブル台 110を着座脚 120によって配管 H上に着座させるときに、一対の着座脚 120が配管 Hの円周面に跨って着座し、結果としてテーブル台 110が安定して配管 H上に載置されるような離間距離を、使用が予想される配管 Hの半径の程度に応じて、予め決めておくことができる。この一対の着座脚 120の離間距離は、テーブル台 110に長孔 112を設けて、着座脚 120の固定位置を長孔 112内で変更できるようにして、調節可能にしておくことができる。

また前記着座脚 120のテーブル台 110の下面力もの突出寸法は、テーブル台 110 を着座脚 120によって配管 H上に着座させるときに、テーブル台 110が配管 Hに当接することなぐ配管 H力多少浮いた状態になるような突出寸法を、使用が予想される配管 Hの半径の程度に応じて、予め決めておくことになる。

[0015] 前記一対の着座脚 120の外側には連結金具 121が設けられている。この連結金具 121に対して前記締付け帯 130が着脱自在に連結される。

締付け帯 130は、配管 Hに対して U字形状に卷付くと共に、一対の上端部の引掛け金 131で、前記連結金具 121に引っ掛けられることで着脱自在に連結される。締付け帯 130による配管 Hに対する締付け及び緩めは調節部 132で行うことができる。

[0016] 以上のようにな構成力もなる固定基台 100は、一対の着座脚 120で配管 Hの円周面に跨って着座され、締付け帯 130で締付けられることで、配管 H上にフラットなテーブル台 110を安定して提供することができる。また必要に応じて締付け帯 130を緩めることで、固定基台 100を配管 Hに取り付けたまま、配管の軸方向にもスライド移動させることができる。

[0017] 図 7〜図 9も参照して、前記 XYZ移動調節部材 200は、前記固定基台 100に着脱自在に固定される固定ステージ 210と、該固定ステージ 210上をスライドする Xステージ 220と、該テージ 220上をスライドする Yステージ 230と、該 Yステージ 230と前記テージ 220に対して直角な方向にスライドする Zステージ 240とを有する。

[0018] 前記固定ステージ 210は、固定ネジ 211をテーブル台 110の螺合ネジ孔 111に螺合することで、固定基台 100に固定される。

固定ステージ 210には、テージ 220のスライド移動をガイドするテージスライドガイド 212が設けられて!/、る。またテージ 220のスライド移動を行わせる X方向スライド調節ボルト 221を軸受けする軸受体 213が立設固定されている。

[0019] 前記 X テージ 220には、前記 X方向スライド調節ボルト 221と螺合する雌螺子体 2 22が立設固定されて!、る。また Yステージ 230のスライド移動をガイドする Yステージスライドガイド 223が設けられて、る。また後述する Yステージスライド調節ボルト 231 を軸受けする軸受体 224が立設されている。更に Xステージ 220が固定ステージ 21 0上をスライドし、且つ脱落しないようにするための長孔 225と遊嵌ネジ 226との組み合わせが設けられている。

前記 X方向スライド調節ボルト 221を回転操作することで、それに螺合する雌螺子体 22を介して、 X テージ 220が固定ステージ 210及び固定基台 100の長手方向である X方向にスライドする。 X方向における進退及び移動量は前記 X方向スライド調節ボルト 221の回転方向及び回転量によって決まる。

前記 X方向は、前記固定基台 100のテーブル台 110が着座脚 120及び締付け帯 1 30により配管 Hに固定された状態において、配管 Hの円周に対する接線方向となる

[0020] 前記 Yステージ 230には、 Y方向スライド調節ボルト 231と螺合する雌螺子体 232 が立設固定されている。また Yステージ 230が X テージ 220上をスライドし、且つ脱落しな、ようにするための長孔 233と遊嵌ネジ 234との組み合わせが設けられて、る更に Yステージ 230には、 Zステージ 240をスライド移動させるための垂直壁 235が設けられている。

そして該垂直壁 235には、 Zステージ 240のスライド移動をガイドする凸条カもなる Zステージスライドガイド 236が外面に設けられて、る。また後述する Z方向スライド調節ボルト 241を軸受けする軸受体 237が立設されている。更に Zステージ 240が垂直壁 235面上をスライドし、脱落しないようにするための長孔 238と遊嵌ネジ 239との組み合わせが設けられて、る。

前記 Y方向スライド調節ボルト 231を回転操作することで、それに螺合する雌螺子体 232を介して Yステージ 230力テージ 220の短手方向である Y方向、即ち配管 Hの軸方向にスライドする。

[0021] 前記 Zステージ 240には、 Z方向スライド調節ボルト 241と螺合する雌螺子体 242が立設固定されている。また Zステージ 240の裏面側に、前記 Yステージ 230の垂直壁 235に設けられた Zステージスライドガイド 236に対して摺動自在に嵌り合うガイド受け 243が設けられている。

前記 Z方向スライド調節ボルト 241を回転操作することで、雌螺子体 242を介して Z ステージ 240が、 X方向及び Y方向に直角な Z方向にスライドする。

[0022] 前記 Zステージ 240には、試片採取機 300を取り付けるための取付フレーム 244が取り付けられる。この取付フレーム 244は途中で直角に曲がった L字形状をなしている。取付フレーム 244には試片採取機 300を載置する載置台 245が取り付けられる。前記取付フレーム 244は Zステージ 240に対して回転可能に枢支される形で取り付けられる。即ち、 Zステージ 240に自転が可能な回転軸体 246が取り付けられ、この回転軸体 246に対して L字形状の取付フレーム 244がその基端側半部で固定される前記回転軸体 246の回転角度は、一対の回転角度調節手段である回転角度調節ボルト 247によって、前記回転軸体 246のレバー 246aの回動位置を調節することで調節される。前記一対の回転角度調節ボルト 247は、取付フレーム 244に立設固定された一対の雌螺子体 248に螺合された様態に保持されている。

一対の回転角度調節ボルト 247を回すことで、該一対の回転角度調節ボルト 247 がー対の雌螺子体 248に対して進退し、レバー 246aを両側力も押すかたちで、該レバー 246aの回動位置を調節し、位置決めして固定する。この位置決め固定されたレバー 246aの位置によって、回転軸体 246の回転角度が決まり、よって取付フレーム 244の回転角度位置が決まる。本実施形態の場合は、前記回転軸体 246は Y方向に一致しており、よって取付フレーム 244は Y方向を軸とした回転によってその回転角度位置が調節される。なお、前記一対の回転角度調節ボルト 247による回転角度位置の調節範囲は 15度程度である。

[0023] 前記 L字形状の取付フレーム 244の先端側半部に対して載置台 245が回転可能に枢支される形で取り付けられる。即ち、取付フレーム 244の先端側半部に対して自転が可能な回転軸体 244aが取り付けられ、この回転軸体 244aに対して載置台 245 がその先端部で固定される。

前記回転軸体 244aの回転角度は、一対の回転角度調節手段である回転角度調節ボルト 244cによって、前記回転軸体 244aのレバー 244bの回動位置を調節することで調節される。前記一対の回転角度調節ボルト 244cは、取付フレーム 244の先端側半部に立設固定された一対の雌螺子体 244dに螺合された様態に保持されている。

一対の回転角度調節ボルト 244cを回すことで、該一対の回転角度調節ボルト 244 cがー対の雌螺子体 244dに対して進退し、レバー 244bを両側から押すかたちで、該レバー 244bの回動位置を調節し、位置決めして固定する。この位置決め固定されたレバー 244bの位置によって、回転軸体 244aの回転角度が決まり、よって試片採取機 300の回転角度位置が決まる。本実施形態の場合は、前記回転軸体 244a は X方向に一致しており、よって試片採取機 300は X方向を軸とした回転によってその回転角度位置が調節される。なお、前記一対の回転角度調節ボルト 244cによる回転角度位置の調節範囲は 15度程度である。

[0024] 以上の構成によって試片採取機 300は、 XYZ移動調節部材 200に取り付けられた状態で、相互に直角な X方向、 Y方向、 Z方向での位置調節、及び Y方向を枢軸とした回転角度位置調節と X方向を枢軸とした回転角度位置調節をなすことが可能となる。

[0025] 図 10、図 11も参照して、前記試片採取機 300は、本実施形態では放電加工用電極を用いた薄片力なる試片を配管 Hの表面力掬、取る装置として、る。

即ち試片採取機 300は、放電加工用電極 310と、該放電加工用電極 310を着脱自在に取り付けることができる電極ホルダー 320と、該電極ホルダー 320を保持するアーム部 330と、該アーム部 330を回転軸 Pの回りに回転させる回転駆動手段 340を有する。

[0026] 前記回転駆動手段 340は、サーボモータ等のモータで構成されている。この回転駆動手段 340は前記載置台 245上に載置されて固定される。

回転駆動手段 340の回転駆動軸 341には、その先端に回転基台 342が固定されて、回転駆動軸 341と共に回転される。回転基台 342はその中心で前記回転駆動軸 341と固定され、その回転は自転となる。前記回転駆動軸 341の回転範囲は、一定の角度範囲に規制される。

アーム部 330は前記回転駆動手段 340の回転駆動軸 341の回転により、該回転駆動軸 341と同軸の回転軸 Pの回りに回転されると共に、回転軸 Pに直角な方向にスライド可能に構成される。

アーム部 330は、細長い長方体形状のアーム状に形成された本体 331の一面側にスライド子 332を固定し、他面側に絶縁ブロック 333を介して電極ホルダー 320を保持している。

前記スライド子 332に対して、前記回転基台 342には図示しないスライドガイドが設けられている。そしてこのスライドガイドと前記スライド子 332とが相互に摺動可能に嵌合される。これによつてアーム部 330は回転軸 Pに直角な方向にスライド可能とされる前記アーム部 330は、付勢パネ 334により回転軸 Pに直角な方向に付勢されている

[0027] 一方、前記アーム部 330の本体 331の上部には、先端部にローラ 335aを設備したならいボルト 335を取り付けている。そしてこのならいボルト 335に対応して、前記回転駆動手段 340の壁に突出する形でならいガイド 350を設けている。

前記ならいボルト 335はアーム部 330の回転軸 Pと平行に設けられ、その先端の口ーラ 335aが前記ならいガイド 350の下面に構成されたガイド面 351に対して当接されている。ローラ 335aは前記付勢パネ 334によってガイド面 351に押された状態で、アーム部 330の回転に伴ってガイド面 351を円周方向に移動してゆく。

アーム部 330の回転中における回転軸 Pに直角な方向でのスライド位置が決められ、これによつてアーム部 330のアーム長さが調節される。即ち、アーム部 330の回転中における回転軸 Pから放電力卩ェ用電極 310が保持された位置までのアーム長さが調節される。回転中にアーム長さが調節されることで、放電加工用電極 310の軌跡が調節される。

[0028] 前記電極ホルダー 320は、絶縁ブロック 333を介してアーム部 330に保持される。

電極ホルダー 320には、放電加工用電極 310を挟み込む形で着脱自在に保持する把持部 321が設けられている。放電力卩ェ用電極 310は把持部 321の取付溝 321aに嵌め込まれ、蓋 321bで締付けることで、挟持される。

電極ホルダー 320は前記アーム部 330が回転することで、回転軸 Pの回りを公転する。

[0029] 前記放電加工用電極 310はフレーム形状の電極とし、回転方向に直角（回転軸 P に平行)な方向に一定の幅 Wを持つように構成している。放電力卩ェ用電極 310は、より具体的には、前記幅 Wを構成する幅部 310aと、該幅部 310aの両端からの立上がり部 310bとを有するフレーム形状として!/、る。このようなフレーム形状の電極がアーム部 330の回転に伴って描く軌跡がその途中で被採取体である配管 Hと交わるときに、前記幅部 310aや立上がり部 310bと近接して対畤する被採取体 Hの部分が放電により消耗、消滅し、一方、フレームで囲まれた内空間に対応する被採取体 H部分は消耗、消滅されることがないので、結果として被採取体 Hから、幅 Wの試片 Sが掬い取られる。

[0030] 前記ならいガイド 350のガイド面 351は、全体として円弧面状に構成すると共に、その途中位置をその前後の位置よりも深く切り込んだ曲面とし、前記深く切り込んだ曲面位置をローラ 335が通る間においては、放電力卩ェ用電極 310の回転のアーム長さが短くなるようにしている。従って、この場合に放電加工用電極 310の軌跡は、最初と最後が円弧状で、途中が略直線状を呈する舟形の軌跡となる。その結果、被採取体 Hの水平な表面から幅が略 Wの舟形の試片 Sを掬、取ることができる。舟形の試片 S の場合、試片 Sの厚みを一定とすることが可能であるので、後の機械的試験やその他の試験を行うような場合の試片の調整が容易である。また被採取体 Hにとつては掬い取られる深さが、例えば円弧状に掬い取られる場合に比べて十分に浅くなるので、該被採取体 Hが例え稼動中の設備の一部として現に実働している場合であっても、その材料としての強度やその他の面での危険負担を最小限に抑えることができる _c

Claims

請求の範囲

[1] 現場に配設された被採取体である配管に対して試片採取機を固定し、位置決め調整を行うための試片採取機位置決め固定装置であって、

前記被採取体である配管に対して直接的に取り付け固定される固定基台と、該固定基台上に着脱自在に取り付けられる XYZ移動調節部材とを有し、該 XYZ移動調節部材は前記試片採取機を着脱自在に取り付けると共に前記固定基台に対して前後 ·左右，上下に位置調節可能とし、前記固定基台は、前記 XYZ移動調節部材を載置状態に取り付けるフラットなテーブル台と、該テーブル台の下面に突出して前記配管の円周面に跨って着座する一対の着座脚と、前記テーブル台の下面側において配管に対して u字状に卷付いて締付け自在とすると共にその一対の上端部でテープル台側に着脱自在に連結される締付け帯とを有することを特徴とする試片採取機位置決め固定装置。

[2] XYZ移動調節部材による XYZ方向の移動は、配管の円周に対する接線方向の X 方向移動と、配管の軸と同方向の Y方向移動と、それら X、 Y方向に直角な Z方向移動とからなることを特徴とする請求項 1に記載の試片採取機位置決め固定装置。