WO2007004680A1

WO2007004680A1 - 視力回復訓練装置

Info

Publication number: WO2007004680A1
Application number: PCT/JP2006/313421
Authority: WO
Inventors: Hidenori Horie; Hisashi Akiyama; Eiichi Ookawa
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.; Technomaster Co., Ltd.
Priority date: 2005-07-05
Filing date: 2006-07-05
Publication date: 2007-01-11
Also published as: US20090225275A1; JPWO2007004680A1

Abstract

　本発明は、各訓練者の結像調節機能の改善状態に応じた訓練パラメータを訓練の都度入力することなく訓練を実施でき、効率良く視力回復訓練を行うことが可能な視力回復訓練装置を提供することを目的とする。　本発明の視力回復訓練装置は、目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置１において、視力訓練用画像を表示する表示部４と、訓練履歴を記憶する記憶手段から取得した、訓練者に対して少なくとも１回は適用された訓練パラメータに基づいて、新たな訓練パラメータを算出し、算出した新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施する主制御手段１１と、を備える。

Description

視力回復訓練装置

技術分野

[0001] 本発明は、目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置に関するものである背景技術

[0002] 一般に、視力の低下は、目の調節筋 (毛様体筋)の調節緊張や衰弱によって目の結像調節機能が低下することが一因と考えられており、この筋肉を訓練することによつて、視力の回復を期待することができる。従来、この毛様体筋を訓練により活性ィ匕し、遠近調節機能を活発にすることによって視力改善を図る方法が実施されている。

[0003] 例えば、上記の調節筋の働きを活発にすることによって視力改善効果を向上させようとする視力回復訓練装置が提案されている (例えば、特許文献 1参照)。この視力回復訓練装置は、適宜な文字や記号が記された注視板を適宜な速度で移動させるものであって、訓練者はその注視板の文字や記号を注視することで毛様体筋の訓練を行う。

[0004] また、接眼部と、接眼部から目視できる適宜な図形を表示できる標的と、接眼部から所定の二つの距離間を適宜な速度で標的を移動させる標的移動手段と、接眼部と標的の距離に応じて表示図形の大きさを変化させる表示制御手段を備えた視力回復訓練装置も提案されている (例えば、特許文献 2参照)。この視力回復訓練装置は、訓練者の目の位置と視力訓練用画像を表示する表示部の位置との光学距離に比例して、視力訓練用画像の表示サイズを変化させるので、訓練者の目の位置と視力訓練用画像を表示する表示部の位置との光学距離に応じて、視力訓練用画像が訓練者の網膜上に一定のサイズで投影されるように視力訓練用画像の表示サイズが変化する。この構成によれば、この装置の使用者が接眼部を通して図形を注視することにより、目の焦点が近距離と遠距離の間を連続して移動し、なおかつ網膜上に結像する図形の大きさが一定となるので、調節筋が効率よく訓練される。

[0005] 上記の視力回復訓練装置においては、両眼を一度に訓練する力、いずれか片側とするか等の訓練情報、表示する図形の色、形等の表示情報、近点、遠点等の距離情報、遠点近点間の標的移動速度プロフィル、訓練時間等が可変となっている。これは、訓練を受ける者の視力低下の原因、程度等に応じて最も訓練成果を上げることができるように、視力回復のパラメータをきめ細力べ糸且合せ可能とするための配慮である。

特許文献 1：特開平 6— 339501号公報

特許文献 2：国際公開 2004Z066900号パンフレット

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、上記のような従来の視力回復訓練装置にあっては、視力回復訓練によって結像調節機能が改善しても、視力回復のノメータ（以下、訓練パラメータという）は固定されており、仮に結像調節機能の改善程度に応じて訓練パラメータを更新しょうとすれば、パラメータを入力し直す必要がある。特に、訓練の対象者である訓練者が低年齢の子供である場合は、訓練パラメータを入力させるには訓練指導者の介助を必要とすることがある。このため、視力回復訓練の効率がなかなか上がらない場合があった。

[0007] 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、各訓練者の結像調節機能の改善状態に応じた訓練パラメータを訓練の都度入力することなく訓練を実施することができ、効率良く視力回復訓練を行うことが可能な視力回復訓練装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の視力回復訓練装置は、目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置であって、訓練履歴を記憶する記憶手段から取得した、訓練者に対して少なくとも 1回は適用された訓練パラメータに基づいて、新たな訓練パラメータを算出する訓練ノメータ算出手段と、算出した新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施する制御手段と、を備える。

[0009] 上記構成によれば、過去に適用された訓練パラメータに基づく新たな訓練パラメ一タを適用した訓練を実施することにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる。

[0010] また、本発明の視力回復訓練装置は、視力回復訓練用画像を表示する表示手段を備え、前記制御手段が、前記新たな訓練パラメータに基づいて前記表示手段の制御を行うものである。

[0011] 上記構成によれば、新たな訓練パラメータに基づいて表示手段の制御を行うことにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる。

[0012] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記制御手段が、前記新たな訓練パラメ一タに基づいて前記表示手段の表示制御を行うものである。

[0013] 上記構成によれば、新たな訓練パラメータに基づいて表示手段の表示制御を行うことにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる。

[0014] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記制御手段が、前記訓練者の目の位置と前記表示手段の位置との光学距離に応じて、前記視力訓練用画像が前記訓練者の網膜上に一定のサイズで投影されるように、前記視力訓練用画像の表示サイズを変ィ匕させるちのである。

[0015] 上記構成によれば、網膜上に結像する図形の大きさが一定となるので、調節筋を効率よく訓練できる。

[0016] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記制御手段が、前記新たな訓練パラメ一タに基づいて前記表示手段の移動制御を行うものである。

[0017] 上記構成によれば、新たな訓練パラメータに基づいて表示手段の移動制御を行うことにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる。

[0018] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記記憶手段が、訓練者の過去の訓練回数を前記訓練履歴として記憶し、前記訓練パラメータ算出手段が、前記過去の訓練回数に基づいて前記新たな訓練パラメータを算出するものである。

[0019] 上記構成によれば、訓練者の過去の訓練回数に応じて訓練パラメータを変更できるよつになる。

[0020] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記記憶手段が、訓練実施時刻を前記訓練履歴として記憶し、前記訓練パラメータ算出手段が、前記訓練実施時刻に基づいて前記新たな訓練パラメータを算出するものである。

[0021] 上記構成によれば、訓練者の過去の訓練頻度が判別できるようになり、過去の訓練頻度に応じて訓練パラメータを変更できるようになる。

[0022] また、本発明の視力回復訓練装置は、前記記憶手段が、前記新たな訓練パラメ一タを記憶するものである。

[0023] 上記構成によれば、訓練者の最新の訓練状況に応じた新たな訓練パラメータを算出することができる。

[0024] また、本発明の視力回復訓練装置は、訓練者の瞳孔の径を測定する径測定手段を備え、前記訓練パラメータ算出手段が、測定した瞳孔の径の変化と訓練パラメータとの対応を参照して新たな訓練パラメータを算出するものである。また、本発明の視力回復訓練装置は、訓練者の瞳孔の画像を撮影する撮像手段を備え、前記径測定手段が、前記撮像手段が撮影した画像から前記訓練者の瞳孔の径を測定するものである。

[0025] 従来、訓練効果を把握するためには、訓練を行った後に訓練効果を測定する必要があったのに対し、上記構成によれば、訓練中に訓練効果を把握することができる。さらに、訓練を中断することなぐ適宜、訓練効果に応じた新たな訓練パラメータを用いて訓練を行うことができるため、効率的な訓練ができる。

[0026] また、本発明の視力回復訓練装置は、訓練者の生体情報を取得する取得手段と、訓練者の生体情報を記憶する記憶手段を参照して、前記取得手段が取得した生体情報と一致する生体情報を検索する検索手段と、を備える。

[0027] 上記構成によれば、訓練者に訓練者固有の識別情報等の入力を求めることなく生体情報を用いて容易に訓練者を特定することができる為、パラメータ入力等の操作を行うことなく各訓練者に最適な訓練パラメータを適用することができる。これにより、効率良く、各訓練者に適した訓練パラメータで訓練を行うことができる。

[0028] また、本発明の視力回復訓練装置は、検索手段が検索した生体情報に対応する訓練パラメータを選択する選択手段を備える。

[0029] 上記構成によれば、パラメータの入力操作を行うことなく各訓練者に最適な訓練パラメータを適用することがでさる。

[0030] また、本発明の視力回復訓練装置は、検索手段が検索した結果、取得手段が取得した生体情報と一致する生体情報が存在しな力つた場合、訓練パラメータの入力を促し、入力された訓練パラメータと取得手段が取得した生体情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御手段を備える。

[0031] 上記構成によれば、新たな訓練者について、訓練パラメータと生体情報とを対応付けて記憶させることができる。

[0032] また、本発明の視力回復訓練装置は、生体情報が訓練を実施する状態で取得できるものである。また、本発明の視力回復訓練装置は、生体情報が、眼球の虹彩であるものである。

[0033] 上記構成によれば、訓練者は、意識することなく生体情報を入力できる為、利便性を向上させることができる。

[0034] また、本発明の視力回復訓練装置は、取得手段が、可視光の波長外に感度を有するカメラ力生体情報を取得するものである。

[0035] 上記構成によれば、可視光が存在しない雰囲気下でも、訓練者の眼球にある虹彩形状を捉えることができ、生体情報を取得できる。

[0036] また、本発明の視力回復訓練装置は、記憶手段を備える。

[0037] また、本発明の視力回復訓練装置は、記憶手段が、ネットワークを介して接続されるものである。

[0038] 上記構成によれば、視力回復訓練装置自体に記憶手段を設ける必要がなくなる為、装置構成を簡素化できるとともに、ネットワークに接続される複数の視力回復訓練装置間で訓練パラメータを共有できるようになる。

発明の効果 [0039] 本発明によれば、過去に適用された訓練パラメータに基づく新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施することにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる。

図面の簡単な説明

[0040] [図 1]本発明の第 1の実施の形態における視力回復訓練装置の構成を示す図

[図 2]本発明の第 1の実施の形態における主制御手段の構成例を示すブロック図 [図 3]本発明の第 1の実施の形態における訓練パラメータの算出例を示すフロー図 [図 4]本発明の第 1の実施の形態における記憶手段に記憶されるデータ形式の一例を示す図

[図 5]本発明の第 2の実施の形態における視力回復訓練装置の構成を示す図

[図 6]本発明の第 2の実施の形態における主制御手段の構成例を詳細に示す図 [図 7]本発明の第 2の実施の形態における訓練者の瞳孔径変化を示す図

[図 8]本発明の第 2の実施の形態における近視者の結像状態の模式図

[図 9]本発明の第 2の実施の形態における訓練日に対する瞳孔径の変化量を示す図 [図 10]本発明の第 3の実施の形態の視力回復訓練装置の構成を示すブロック図 [図 11]本発明の第 3の実施の形態の視力回復訓練装置の主制御手段の一例を詳細に示すブロック図

[図 12]本発明の第 3の実施の形態における記憶手段に記憶されるデータ形式の一例を示す図

符号の説明

[0041] 1, 100, 300 視力回復訓練装置

2, 340 訓練者

3 筐体

4, 312 表示部

5, 303 接眼部

6, 314 遮蔽部

7, 304 搬送部 8, 9, 305, 306 プーリー

10， 311 モータ

11， 111, 318 主制御手段

12, 316 入力手段

13， 317 操作表示部

20, 120 中央処理部

21 表示制御部

22 モータ駆動制御部

23 開閉制御部

24 操作入力部

25 操作表示制御部

26, 126 記憶手段

101, 313 カメラ

150 瞳孔径カーブ

200 視標

201 瞳孔

202 レンズ (水晶体）

203 焦点距離

204 結像点

205 網膜

206 視標像

207 瞳孔径

250 瞳孔径の変化量

発明を実施するための最良の形態

[0042] 以下、本発明の実施の形態の視力回復訓練装置について、図面を用いて説明する。

[0043] (第 1の実施の形態）

図 1は、本発明の第 1の実施の形態における視力回復訓練装置の構成を示す図である。視力回復訓練装置 1は、訓練者 2の目の結像調節機能の訓練を行う装置で、筐体 3内に視力訓練用画像を表示する表示部 4が配置されている。図では表示部 4 が近点 4aと遠点 4bの途上に位置している状態を示す。

[0044] 本装置 1を使用する訓練者 2は、接眼部 5に目を当て、表示部 4に表示される図形や文字を見て、視力改善訓練を行う。接眼部 5は、訓練者 2が両目で覼き込める大きさであることが望ましいが、片目で覼ける程度の大きさのものを一つ用意し、片目ずつ交代で視力改善訓練を行ってもよい。また、片目で覼ける程度の大きさのものを二つ用意して、両目同時に視力改善訓練を行ったり、一方の接眼部 5を開閉可能な遮蔽部 6により遮断して片目の訓練を行ったり、左右交互に訓練を行ってもよい。なお、接眼部 5にレンズを設け、虚像を作ることにより奥行きを小さくし、装置の小型化を図ることちでさる。

[0045] また、表示部 4は、例えば液晶ディスプレイ、 CRT (Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機 EL (Electro-Luminescence)ディスプレイ等の電気的表示デバイスにより構成される。この表示部 4が表示する図形や文字の種類、大きさ、色、背景色などは、所望の状態に容易に変更することができる。また、動画も表示可能である。

[0046] 表示部 4は、ベルト等で構成された搬送部 7に固定されており、搬送部 7はプーリー 8、 9に架けられている。一方のプーリー 8は、モータ 10によって回転駆動されるので、表示部 4はモータ 10の回転に伴って直線移動する。本実施の形態では、ベルト等の搬送部 7とプーリー 8によりモータ 10の回転運動を直線運動に変換して、るが、モータ 10と送りねじを組み合わせてもよ、し、リニアモータを用いても構わな!/、。

[0047] また、表示部 4は、訓練者 2が視線を上下させることなく表示部 4に表示される図形や文字を注視することができるように、モータ 10の回転に従って接眼部 5と表示部 4 を結ぶ視線の光路上を略敷衍するように移動する位置に配置されるのが望ま、。本実施の形態では、訓練者 2は直接表示部 4を見る構成となっている力上記光路の途中に鏡、プリズム等の反射手段を配置して適宜光路を曲げることにより装置の小型化を図るようにしてもよい。また、訓練者 2に表示部 4を注視させるために、全体を筐体 3で囲んで外光を遮断するように構成することもできる。

[0048] また、上記表示部 4の表示内容、遮蔽部 6、及びモータ 10は、主制御手段 11により制御される。この主制御手段 11には、入力手段 12からの操作や指示信号が入力され、また、主制御手段 11は、操作表示部 13に操作内容を表示させる。

[0049] 図 2は、本発明の第 1の実施の形態における上記主制御手段 11の構成例を詳細に示すブロック図である。この視力回復訓練装置 1の主制御手段 11は、各構成要素の操作信号を制御管理する中央処理部 20、表示部 4の表示内容を制御する表示制御部 21、モータ 10の駆動を制御するモータ駆動制御部 22、遮蔽部 6の開閉を制御する開閉制御部 23、入力手段 12からの操作信号を入力する操作入力部 24、操作表示部 13の表示を制御する操作表示制御部 25、及び訓練履歴を記憶する記憶手段 26を含む構成となっている。中央処理部 20は、記憶手段 26から取得した、訓練者 2に対して少なくとも 1回は適用された訓練パラメータに基づ!/ヽて、新たな訓練パラメータを算出するものであり、算出した新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施するよう各部を制御する。表示部 4は、中央処理部 20が算出した新たな訓練パラメ一タに基づく視力訓練用画像を表示する。なお、記憶手段 26は、訓練の都度変更された訓練者 2に最適な訓練パラメータを記憶してもよい。この構成によれば、訓練者の最新の状況に応じた新たな訓練パラメータを算出することができる。

[0050] 上記表示制御部 21は、中央処理部 20が算出した新たな訓練パラメータに基づいて、表示部 4の図形や文字の種類、大きさ、色、及び背景色などの表示を制御する。これらの図形や文字の種類、大きさ、色、背景色等は、訓練者 2の固有の訓練パラメータである。中央処理部 20は、現在の表示部 4の位置情報を有しており、表示制御部 21を介して、接眼部 5と表示部 4を結ぶ光路長に比例した大きさの図形や文字を表示するよう制御することができる。したがって、訓練者 2の目の位置と視力訓練用画像を表示する表示部 4の位置との光学距離に応じて、視力訓練用画像が訓練者 2の網膜上に、一定の大きさで投影されるように視力訓練用画像の表示サイズを変化させることができ、訓練者 2は図形を注視することにより効率よく視力回復するように調節筋を訓練することができる。

[0051] モータ駆動制御部 22は、中央処理部 20が算出した新たな訓練パラメータに基づいて、表示部 4が近点 4aと遠点 4bの間を所定回数だけ往復運動するようにモータ 10 の回転駆動を制御する。この表示部 4を往復移動させる速度等を規定する移動速度プロフィルは、主制御手段 11の中央処理部 20より指示される。近点 4aの距離、遠点 4bの距離、移動速度プロフィル、及び往復回数は、訓練者 2の視力低下の原因、程度等に応じて適宜選択される訓練パラメータである。モータ駆動制御部 22は、表示部 4が、ずれの位置にあるかを検出し、中央処理部 20に通知する。

[0052] 上記の図形や文字の種類、大きさ、色、背景色などの訓練者 2の固有の訓練パラメータは、訓練者 2あるいは訓練指導者 (もしくは介助者)が入力手段 12を操作して入力する。入力手段 12によって受け付けられた操作指示は、操作入力部 24を通じて中央処理部 20に伝達され、中央処理部 20はその操作指示の内容に応じて各制御ブロックに必要な制御指示を与える。操作表示部 13は、訓練者 2あるいは訓練指導者に対して操作指示の促進の表示、パラメータ選択肢等を表示する。この操作表示部 13は、例えば液晶ディスプレイ、 CRTディスプレイ、有機 ELディスプレイ等の電気的表示デバイスにより構成される。操作表示部 13に表示される図形や文字の種類、大きさ、色、背景色などの訓練者 2の固有の訓練パラメータは、操作表示制御部 25 によって制御される。

[0053] 記憶手段 26は、各訓練者 2の訓練パラメータ及び訓練履歴を記憶する。訓練履歴としては、訓練の実施回数の他に、訓練実施時刻、実施された訓練パラメータを残しておくのが望ましい。なお、本実施の形態では、記憶手段 26は主制御手段 11の一部を成すよう構成されているが、適宜なインタフェースをもって主制御手段 11の外部に配置し可搬とすることも可能であり、記憶手段 26を図示しないネットワークを介して接続し記憶手段 26から訓練パラメータ等の訓練履歴を取得する取得手段を視力回復訓練装置内に設けることで、複数の視力回復訓練装置間で訓練パラメータを共有することも可能である。また、記憶手段 26としては、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリディスク等の不揮発性デバイスが好適である。

[0054] 開閉制御部 23は、訓練者 2が目で覼き込める接眼部 5の窓を開閉する遮蔽部 6と接続され、遮蔽部 6の開閉を制御する。中央処理部 20は、訓練者 2の両眼を一度に視力改善訓練するか、両眼のうちいずれか片側のみ力、あるいは片目を交互に訓練するか等の訓練方法に対応して、開閉制御信号を開閉制御部 23に対して送信する。このような訓練者 2の両眼を一度に視力改善訓練する力両眼のいずれか片側のみ力あるいは片目を交互に訓練するか等の訓練方法の指示情報も訓練パラメータとなる。

[0055] 次に、本実施の形態の視力回復訓練装置 1を用いた訓練手順について説明する。

訓練者 2あるいは訓練指導者は、訓練を開始するにあたって、入力手段 12の所定のボタン、キー等を操作することにより、訓練者 2の名前もしくは固有 ID等の訓練者 2を特定できる符号'記号を入力し、中央処理部 20に訓練の開始を通知する。その際、入力手段 12としてマイクロフォン等を設置し、音声による通知を行えるようにしてもよい。

[0056] なお、訓練者 2が初回の訓練者である場合には、入力手段 12を通じて訓練者 2の名前もしくは固有 ID等の初期登録を行い、続いて訓練者 2の視力低下の原因、程度等に応じた訓練パラメータを初期登録する。

[0057] 中央処理部 20は、通知された訓練者 2の固有の符号 ·記号を参照して、記憶手段 26からその訓練者 2の訓練履歴を取得する。このとき、訓練履歴としては、過去に実施された訓練パラメータの他に、訓練の実施回数 (訓練回数)が判別できる情報、訓練実施時刻等が記録されている。中央処理部 20は、記憶手段 26から取得した訓練ノラメータ等の訓練履歴から、今回実施するのにふさわしい訓練パラメータを算出するようプログラムされている。訓練者 2が初回の訓練者である場合は、初期登録された訓練パラメータが適用される。

[0058] ここで、毛様体筋を運動させることで目の結像調節機能を向上させる訓練は、訓練が所定の間隔で定期的に実施され、かつ、または訓練回数が多いほど結像調節機能がより改善され、改善の蓄積効果も高いと想定される。したがって、所定の間隔で定期的に訓練を実施している訓練回数の多い訓練者に対しては、訓練のたびに訓練レベルを高める、すなわち難度の高い訓練パラメータを適用することで、結像調節機能改善効果をより高めることができる。逆に訓練が不定期的で、訓練回数の少ない訓練者については、結像調節機能が改善していない可能性があり、必要以上に訓練度を上げると疲労を与えるば力りで訓練効率が上がらないため、訓練レベルを上げる必要はない。

[0059] 図 3は、以上のことを考慮した本実施の形態における訓練パラメータの算出例を示すフロー図である。訓練回数を nとして、初回 (n=0)と今回を含めて 3回以上の訓練が実施されていなければ (S1)、初回に登録された訓練パラメータを今回の訓練パラメータとし (S9)、 3回以上の訓練が実施された場合 (過去 2回以上訓練した (n> 2) 場合)は (SI)、その訓練間隔の平均日数を算出する (S2)。そして、訓練間隔の平均日数に応じて訓練レベルの向上分を決定し（S3〜S6)、前回の訓練パラメータに加えたものを今回の訓練パラメータとする（S10〜S13)。本例では、訓練間隔の平均日数が 1日であるときの訓練レベルの向上分を δとしている。 δの内容は次のとおりである。

[0060] 遠点距離は + lcm

近点距離は— 0. 5cm

速度プロファイルは + lcmZs

訓練時間は + 0. 5往復

[0061] 本例では、訓練間隔の平均日数が 1日延びるごとに、 0. 5 δ、 0. 3 δ、 0 δをそれぞれ前回の訓練パラメータに加えている。 4日を越える場合は、前前回の訓練パラメータを適用する（S7)。また訓練パラメータは、装置構成上の限界値あるいは結像調節機能訓練としての限界値が存在するので、算出された訓練パラメータがこの限界値に力かった場合はそれを超えないよう制限される（S8, S14)。

[0062] なお、本訓練パラメータの算出例では、前回の訓練パラメータに対して等差的に訓練レベルを向上させている力等比的に向上させることも可能であり、過去の訓練回数を加味することも可能である。さらには、上記 4点以外の訓練パラメータを加えるようにしても差し支えない。

[0063] 図 4は、本発明の第 1の実施の形態における記憶手段 26に記憶されるデータ形式の一例を示す図であり、ここでは二人の訓練者 A、 Bのデータ 30A、 30Bを示す。本データ形式例では、訓練者 2を特定するための一つの識別コード 31A、 31Bと、訓練履歴として一つ以上の訓練レコードを持たせてある。中央処理部 20は、訓練が実施されるたびに訓練レコードが追加されるようプログラムされている。この訓練レコードは、訓練実施時刻 32と、そのときの訓練パラメータ、例えば遠点距離 33、近点距離 34 、速度プロフィル 35、訓練時間 36等力もなる。 [0064] 本例では、訓練者 Aのデータ 30Aは、訓練者 Aの識別コード 31Aと 5個の訓練レコード 37A1〜37A5で構成されているので、訓練は過去に 5回実施されていることが判別できる。第 1の訓練レコード 37A1は、初期登録された訓練パラメータである。訓練者 Aは第 1回目から第 4回目まで 3日間隔で訓練を実施しており、中央処理部 20 にプログラムされた訓練パラメータの算出フローによって第 3回目、第 4回目では訓練レベルが向上されたが、第 5回目は間隔が 7日と開いたため第 3回目の訓練パラメ一タに戻されている。

[0065] 一方、訓練者 Bのデータ 30Bは、訓練者 Bの識別コード 31Bと 7個の訓練レコード 3 7B1〜37B7で構成されている。訓練者 Bは第 1回目から第 7回目まで毎日訓練を実施しており、訓練のたびに訓練レベルを上げて、る。訓練間隔も訓練者 Aに比較して短いため、訓練レベルの向上分も訓練者 Aより大きくとられる。

[0066] このように、本実施の形態の視力回復訓練装置 1によれば、各訓練者 2の目の結像調節機能の改善状態に応じた訓練パラメータを訓練の都度入力することなく訓練を実施できるようにすることで、効率良く視力回復訓練を行うことが可能となる。また、各訓練者の訓練履歴力結像調節機能の改善状態を推定し、訓練の都度各訓練者に最適な訓練パラメータを適用することで、訓練効率を一層向上させることができる。

[0067] (第 2の実施の形態）

発明者は、瞳孔の動き (瞳孔の径の変化)と視力回復効果 (結像調節機能の改善状態)とに相関関係があることを見出した。第 2の実施の形態の視力回復訓練装置は、この発明者の新たな知見に基づいて構成されたものであり、訓練者の瞳孔の径を測定し、測定結果に基づいて決定された新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施するものである。

[0068] 図 7は、訓練者 2の瞳孔の径変化が、視力回復訓練の回数を重ねることにより、どのように変化して行くかを示す例である。図 7の横軸は表示部 4、即ち訓練者が注視する視標の位置を示し、この視標は近点と遠点を往復している。図 7の縦軸は訓練者の瞳孔径を示している。視力回復訓練開始当初は、瞳孔径カーブ 150aのように表示部 4の位置にかかわらず一定である。し力しながら視力回復訓練の回数を重ねるに従い、例えば近視者であれば、瞳孔径カーブ 150bのように表示部 4が遠い位置にある場合には瞳孔径が縮小するような動きを示すようになる。この瞳孔の動きの変化は、目の焦点が近点と遠点の間を連続して移動し、なおかつ網膜上に結像する図形の大きさが一定となるように訓練が実施されるという本発明の視力回復訓練装置の特長によって引き出される効果であると考えられる。

[0069] 図 8は、近視者において瞳孔径が縮小すると視標が明瞭に見えるという作用を説明するための、指標結像状態の模式図である。図 8 (a)は瞳孔 201の径が拡大している状態、（b)は縮小状態を示している。視標 200を通る光は瞳孔 201を通過し、焦点距離 203のレンズ (水晶体） 202によって屈折し、結像点 204で収束する。近視者は、レンズ (水晶体） 202の焦点距離 203が正視者に比較して短い、あるいはレンズ (水晶体） 202から網膜 205までの距離が正視者に比較して長いなどの理由により、結像点 204より網膜 205が後方に位置している。従って近視者においては、視標 200の網膜上の視標像 206は、結像点 204でのそれより拡散された状態で投影されることになり、明瞭度が低下することになる。

視力回復訓練の結果、たとえば近視者であれば遠方にある視標 200を、瞳孔径 20 7aにより視標像 206aを認識していたもの力より縮小した瞳孔径 207bによって拡散度が低くなつた視標像 206bで認識することができるようになるため、網膜 205上の明瞭度が向上する、すなわち視力が向上するのである。

[0070] 以上のことから、視標の位置に対応する訓練者 2の瞳孔径を測定し、その動きの変化量を算出することで、視力回復効果を測定することが可能となる。

[0071] 図 5は、本発明の第 2の実施の形態における視力回復訓練装置の構成を示す図であり、図 6は、本発明の第 2の実施の形態における主制御手段の構成例を詳細に示す図である。図 5に示す視力回復訓練装置 100は、図 1に示した視力回復訓練装置 1において、カメラ 101を付カ卩したものである。また、視力回復訓練装置 100は、図 1 、図 2に示した主制御手段 11の機能に、カメラ 101からの入力を受け取る機能を付カロした主制御手段 111を備える。図 5、図 6に示す構成について、第 1の実施の形態で説明した構成については、同一の符号を付し説明を省略する。

[0072] カメラ 101は、訓練者の瞳孔の画像を撮影する赤外線カメラ等の撮像手段であり、撮影した画像を主制御手段 111に送る。主制御手段 111の中央処理部 120は、カメラ 101から受け取った画像から、訓練者の瞳孔の直径および瞳孔間の距離を測定する。上述したように、測定結果から、視力回復訓練効果を把握することができる。また、中央処理部 120は、記憶手段 126が保持するテーブルを参照して、測定した瞳孔の径の変化に応じた訓練パラメータを新たな訓練パラメータとして算出し、算出した新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施するよう各部を制御する。

[0073] 表 1に、瞳孔の径の変化と訓練パラメータとの対応を示すテーブルの一例を示す。

[表 1]

[0074] 表 1は、図 4に示すテーブル形式の例に遠点瞳孔径 38と近点瞳孔径 39を追加したものである。ここで視力回復訓練効果を測定するパラメータとして、

瞳孔径の変化量 =遠点瞳孔径 38 -近点瞳孔径 39

を用いる。表 1は訓練者 Cのデータ例であり、訓練日（カレンダー）に対する瞳孔径の変化量 250aを図 9に示す。このデータによれば、訓練開始（2月 9日）からは順調に瞳孔径の変化量が増加しているが、 3月 15日付近で瞳孔径の変化量に増加が見られなくなつている。このため中央処理部 120は、その時点で適用されている訓練パラメータでは訓練効果が低下していると判断し、 3月 18日時点で訓練レベルを向上させた訓練パラメータを適用している。同様に 4月 28日にも訓練レベルを向上させている。

[0075] 瞳孔径の変化量 250aは、実際には測定環境、訓練者 2の体調等によりばらつきが生じるので、フィルタ処理、関数フィッティング処理等により 250bのように変換して訓練効果判定に供するのが好適である。

[0076] なお本実施例では瞳孔径の変化量として、（遠点瞳孔径 38—近点瞳孔径 39)なるパラメータを参照して、るが、遠点瞳孔径 38Z近点瞳孔径 39なる瞳孔径変化率を用いてもよい。さらに瞳孔径の変化量 (変化率)や視力低下の原因に応じて、訓練効果判定方法、あるいは訓練レベル向上度合、を変えることも差し支えな、。

[0077] 従来、訓練効果を把握するためには、訓練を行った後に別の装置等を用いて訓練効果を測定する必要があつたのに対し、本実施の形態の視力回復訓練装置 100によれば、訓練中に訓練効果を把握することができる。さらに、訓練を中断することなく、適宜、訓練効果に応じた新たな訓練パラメータを用いて訓練を行うことができるため、効率的な訓練ができる。

[0078] なお、訓練効果を向上させるなどの目的で筐体 3をして外光を遮断するように構成した場合は、カメラ 101として赤外線カメラを用いることも可能である。この場合赤外線ランプ (不図示)を照明として用、るのが好適である。

[0079] さらに筐体 3において、本発明を構成する各部材の配置都合上、カメラ 101が直接訓練者 2の瞳孔を撮影できな、配置となる場合は、訓練者 2の視点と表示部 4の光路上にハーフミラー（不図示）を追加し、さらに必要に応じてミラー（不図示）を追加して撮影するよう構成しても良い。

[0080] (第 3の実施の形態）

第 1及び第 2の実施の形態では、各訓練者の結像調節機能の改善状態に応じた訓練パラメータを訓練の都度入力することなく訓練を実施することができ、効率良く視力回復訓練を行うことが可能な視力回復訓練装置について説明したが、第 3の実施の形態では、さらに、訓練開始の際に、パラメータ入力等の操作を行うことなく各訓練者に最適な訓練パラメータを適用することができる視力回復訓練装置について説明する。

[0081] 図 10は、本発明の第 3の実施の形態の視力回復訓練装置の構成を示すブロック図である。図 10の視力回復訓練装置 300の構成は、表示部 312が遠点 312bと近点 312aの途上に位置している状態を示す。本装置の訓練者 340は、接眼部 303に目を当て、表示部 312に表示される図形や文字を見て、視力改善訓練を行う。接眼部 3 03は、使用者が両目で覼き込める大きさであることが好適であるが、片目で覼ける程度の大きさのものを一つ有し、使用者は片目ずつ視力改善訓練を行ってもよい。また、片目で覼ける程度の大きさのものを二つ有し、両目同時の視力改善訓練を行ったり、一方の接眼部 303を遮蔽部 314による開閉をもって片目の訓練を行ったり、左右交互に訓練を行なってもよい。なお、接眼部 303にレンズを設け、虚像を作ることにより、奥行きを小さくし、装置の小型化を図ってもよい。

[0082] 表示部 312は、視力訓練用画像を表示する表示手段であり、例えば液晶ディスプレイ、 CRT (Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機 EL (Electro- Luminescence)ディスプレイ、等の電気的表示デバイスにより構成される。表示部 312が表示する図形や文字の種類、大きさ、色、背景色、等は、所望の状態に容易に変更することができる。また、表示部 312は、動画も表示可能である。また、表示部 312は、ベルト等で構成された搬送部 304に固定されており、搬送部 304はプーリー 305、 306に架けられている。プーリー 305は、モータ 311によって回転駆動されるので、表示部 312はモータ 311の回転に応じて直線移動する。本実施例では、ベルト等の搬送部 304とプ一リー 305によりモータ 311の回転運動を直線運動に変換して、るが、モータ 311と送りねじを組み合わせてもよ!/、し、リニアモータを用いても構わな!/、。

[0083] 表示部 312は、訓練者 340が視線を上下させることなく表示部 312に表示される図形や文字を注視することができるように、モータ 311の回転に応じて接眼部 303と表示部 312を結ぶ視線の光路上を略敷衍するように移動する位置に配置されるのが好適である。本実施例では、訓練者 340は直接表示部 312を見る構成となっているが、光路の途中に鏡、プリズム、等の反射手段を置いて適宜光路を曲げることによって装置の小型化を図る構成にしてもよい。また、訓練者 340に表示部 312を注視させるために、視力回復訓練装置 300の全体を筐体 319で囲み外光を遮断する構成も好適である。

[0084] 本実施形態の視力回復訓練装置 300は、訓練者 340の生体情報である眼球の虹彩の形状を捉えるカメラ 313を備える。カメラ 313は、訓練者 340の生体情報を取得する取得手段であり、接眼部 303を通して直接訓練者 340の虹彩を捉えると、符号化手段 323によって取得された訓練者 340の虹彩形状を自動的に虹彩コードに符号化する。取得手段であるカメラ 313は、可視光の波長外の感度を有する。従って、可視光の波長外の情報を有する生体情報を取得できる。

[0085] カメラ 313が獲得する虹彩の生体情報は、訓練者 340が訓練を実施する状態で取得できる。さらに、図示しないが、訓練者 340の指の指紋情報を取得する指紋センサ一を設置してもよい。これによつて、訓練者 340は、指先を指紋センサーに置くだけで何ら意識することなぐ本実施形態の視力回復訓練装置 300を使用開始すると同時に、訓練状態のままで視力回復訓練装置 300が自動的に指紋を光学的に読み取り、デジタルデータ化して、即座に訓練者 340の個人情報を認証できる。個人認証のための情報は、虹彩情報、指紋情報、の他に手形、掌紋、虹彩、顔貌、血管 (静脈）、網膜、耳形、等の形態情報、音声、筆跡、等の身体情報、血液型、 DNA、等の生化学情報、等の各情報を感知するセンサーを設けてよい。視力回復訓練装置 300を使用開始すると同時に、視力回復訓練装置 300が自動的に形態情報、身体情報、生化学情報のそれぞれをセンサーによって取得し、デジタルデータ化して、即座に訓練者 340の個人情報を認証できるようにしてもょ、。これらの個人認証のための虹彩情報、指紋情報、形態情報、身体情報、生化学情報、等は、必要に応じて適宜選択し組合せて、訓練者 340の個人情報を認証できるようにしてょ、。

[0086] 本実施の形態では、カメラ 313は、接眼部 303を通して直接訓練者 340の虹彩を捉えているが、カメラ 313と接眼部 303を結ぶ光路の途中に鏡、プリズム、等の反射手段を置いて適宜光路を曲げることによって装置の小型化を図れるのはいうまでも無い。また外光を遮断すべく装置全体を筐体 319で囲む場合は、その目的からして可視光による照明はできないので、可視光の波長外の照明（図示なし)と可視光外の波長に感度を有するカメラを用いる。例えば赤外照明と赤外線カメラなどは好適である

[0087] 図 11は、本発明の第 3の実施の形態の視力回復訓練装置の主制御手段の一例を詳細に示すブロック図である。視力回復訓練装置 300の主制御手段 318は、表示制御部 321、モータ駆動制御部 322、符号化手段 323、操作入力部 324、操作表示制御部 325、記憶手段 326、開閉制御部 327を含む。中央処理部 320は、主制御手段 318の各構成要素の操作信号を制御管理する。表示制御部 321は、図形、文字、等を表示する表示部 312と接続し、表示部 312が表示する図形や文字の種類、大きさ、色、及び背景色等を表示制御する。図形や文字の種類、大きさ、色、背景色等は訓練者 340固有の訓練パラメータである。中央処理部 320は、現在の表示部 312の位置情報を有しており、中央処理部 320は表示制御部 321を使用して、接眼部 303 と表示部 312を結ぶ光路長に比例した大きさの図形や文字を表示するよう制御できる。従って、訓練者の目位置と視力訓練用画像を表示する表示部の位置との光学距離に応じて、視力訓練用画像が訓練者の網膜上に、一定の大きさで投影されるように視力訓練用画像の表示サイズを変化させるので、訓練者 340等が図形を注視することにより効率よく視力回復するように調節筋を訓練できる。

[0088] モータ駆動制御部 322は、表示部 312が近点 312aと遠点 312bの間を所定回数だけ往復運動するようモータ 311を回転駆動制御する。表示部 312を往復移動させる速度等を規定する移動速度プロフィルは、主制御手段 318の中央処理部 320により指示される。近点 312aの距離、遠点 312bの距離、移動速度プロフィル、往復回数は、訓練者 340の視力低下の原因、程度等に応じて適宜選ばれる訓練パラメータである。さらに、モータ駆動制御部 322は、表示部 312がいずれの位置にあるかを検出し、中央処理部 320に通知する。

[0089] 符号ィ匕手段 323は、カメラ 313によって取得された訓練者 340の虹彩形状を虹彩コードに符号化する。符号ィ匕手段 323は、符号化ステップが記述されたプログラムをプ口セッサにより実行させるものが好適である。プロセッサは中央処理部 320が含んでもよいし、符号ィ匕手段 323専用に設けてもよい。また符号化ステップの一部を特定の電子回路によって実施させ、符号化ステップの一部以外の部分を複数のプロセッサで実施させて分散処理することによって、処理速度及び信頼性が向上する。

[0090] 図形や文字の種類、大きさ、色、背景色等の訓練者 340固有の訓練パラメータは、訓練者 340又は訓練指導者が本装置の入力手段 316を操作して入力する。入力手段 316によって受け付けられた操作指示は、操作入力部 324を通じて中央処理部 3 20に伝達され、中央処理部 320は操作指示の内容に対応して各制御ブロックに必要なる制御指示を与える。操作表示部 317は、訓練者又は訓練指導者に対して操作指示の促進の表示、パラメータ選択肢等を表示する。操作表示部 317は、例えば、液晶ディスプレイ、 CRTディスプレイ、有機 ELディスプレイ、等の電気的表示デバイスにより構成される。操作表示部 317に表示される図形や文字の種類、大きさ、色、背景色等の訓練者 340固有の訓練パラメータは、操作表示制御部 325によって制御される。

[0091] 記憶手段 326は、訓練者の生体情報を記憶する記憶手段であり、入力された一連の訓練パラメータを後述のデータベースに虹彩コードと関連付けて記憶する。記憶手段 326は、図示しないネットワークを介して接続する。この構成により、ネットワーク通信を介して遠隔地との生体情報の認証が実現できる。記憶手段 326に記憶された過去の一連の訓練パラメータは、取得手段であるカメラ 313が取得した生体情報と一致する生体情報を検索する検索手段によって、必要に応じて検索され、検索手段が検索した生体情報に対応する訓練パラメータは、選択手段によって選択され、抽出される。検索手段及び選択手段は、中央処理部 320に含まれる。

[0092] 開閉制御部 327は、使用者が目で覼き込める接眼部 303の窓を開閉する遮蔽部 3 14と接続し、遮蔽部 314を開閉制御する。中央処理部 320は、訓練者 340の両眼を一度に視力改善訓練する力、両眼のうちいずれか片側のみ力、又は両眼のそれぞれ片目を交互に訓練するか、等の訓練方法に対応して、開閉制御信号を開閉制御部 327に対して送信する。このような訓練者 340の両眼を一度に視力改善訓練する力両眼のいずれか片側のみか、又は両眼のそれぞれ片目を交互に訓練するか、等の訓練方法の指示情報も訓練パラメータである。

[0093] 次に本発明の第 3の実施の形態の視力回復訓練装置を用いた訓練手順について示す。訓練者 340は、訓練を開始するにあたって、入力手段 316の所定のボタン、キ一等を操作することによって、訓練の開始を本装置の中央処理部 320に通知する。その際、入力手段 316にマイクロフォン等を設置して音声による開始通知を行なえるようにしてもよいし、接眼部 303付近にスィッチ、フォトインタラプタ等を設置し、訓練者 340が接眼部 303を覼きこむことによって、訓練の開始を検出するようにしてもょヽ。またカメラ 313によって接眼部 303を監視し、訓練者 340の接眼部 303の覼きこみを検出することも好適である。

[0094] 訓練開始を検出した中央処理部 320は、カメラ 313によって捉えられた訓練者 340 の虹彩の形状を符号化手段 323によって虹彩コードに変換する。次に中央処理部 3 20は、主制御手段 318の記憶手段 326に記憶された過去の虹彩コードの中から一致性の高、ものを検索する。このとき本人を本人でな、とするエラーである本人拒否率（False Reject Rate)と他人を本人としてしまうエラーである他人受入率（False Acce ptance Rate)が適切な率になるように、一致性判定の閾値が適宜選ばれる。なお記憶手段 326としてはハードディスクドライブ、フラッシュメモリディスク、等の不揮発的デバイスが好適である。

[0095] 図 12は、本実施形態における記憶手段に記憶されるデータ形式の一例を示す。虹彩コード 326aは、各訓練者 340にそれぞれ対応する生体情報である。各虹彩コードに対応して各訓練者 340に、両眼 Z片目 326c、訓練時間 326d、近距離点 326e、図形 326f、速度プロフィル 326g、 · · '等の訓練パラメータ 326bが記憶されている。なお、記憶手段が、生体情報と訓練パラメータとの対応を訓練者の識別情報 (ID (ID entification)、名前など）に関連付けて記憶してもよい。この場合、訓練者 IDや訓練者名から訓練パラメータを引き出すことができる。中央処理部 320の検索手段は、記憶手段 326に記憶されるデータベース 330中の虹彩コード 326aを検索する。次いで、中央処理部 320の選択手段は、一致すると認定した虹彩コード 326aに対応する訓練パラメータ 326bを選択抽出し、必要な制御パラメータを各制御部に設定する。次いで、訓練を開始する。

[0096] 具体的には、「73bf39c」の虹彩コード 326aを有する訓練者 340は、「両眼」の目で「100秒」の訓練時間 326dをかけて訓練し、「20cm」の近距離点 326eで「〇」形状の図形 326fを用いて、例えば「A」に分類される速度プロフィル 326g、 · · '等の訓練パラメータ 326bに基づいて訓練を実施する。「6fe9f739」の虹彩コード 326aを有する訓練者 340は、右目力左目の方向「右→左」にそれぞれの目を「120秒」の訓練時間 326dをかけて訓練し、「25cm」の近距離点 326eで「X」形状の図形 326fを用いて、例えば「D」に分類される速度プロフィル 326g、 · · '等の訓練パラメータ 326 bに基づいて訓練を実施する。「b086d92a」の虹彩コード 326aを有する訓練者 340 は、「両眼」の目で「160秒」の訓練時間 326dをかけて訓練し、「18cm」の近距離点 326eで「口」形状の図形 326fを用いて、例えば「C」に分類される速度プロフィル 32 6g、 · · ·等の訓練パラメータ 326bに基づいて訓練を実施する。「278fal09」の虹彩コード 326aを有する訓練者 340は、「左目」の目で「140秒」の訓練時間 326dをかけて訓練し、「30cm」の近距離点 326eで「〇」形状の図形 326fを用いて、例えば「A」に分類される速度プロフィル 326g、 · · ·、等の訓練パラメータ 326bに基づいて訓練を実施する。

[0097] 中央処理部 320の検索手段が検索した結果、取得手段であるカメラ 313が取得した生体情報と一致する生体情報がデータベース 330に存在しな力つた場合、視力回復訓練装置 300は、訓練者 340又は訓練指導者に訓練パラメータの入力を促し、主制御手段 318は、入力された訓練パラメータと取得手段であるカメラ 313が取得した生体情報とを訓練者 IDに対応付けて記憶手段 326に記憶させる。具体的には、符号ィ匕手段 323によって変換された訓練者 340の虹彩の虹彩コードが記憶手段 326 のデータベース 330に一致する虹彩コードとして検出することができな力つた場合、該訓練者 340は新規の訓練者であると判定する。

[0098] この場合、中央処理部 320は、本装置の操作者に訓練パラメータの入力を促進する図形、文字、等の情報を操作表示部 317に表示する。操作者は、操作表示部 317 に表示されるパラメータ入力指示に従って、入力手段 316を用いて該訓練者 340の視力回復効果に最適であるようなパラメータを入力する。また、パラメータの入力指示は、スピーカ等の音声出力手段（図示なし)を設けることによって音声指示で行なってもよいし、入力指示内容が十分視認可能であれば表示部 312に表示させてもよい。このようにして入力された一連の訓練パラメータは、記憶手段 326のデータベース 33 0に虹彩コード 326aと関連付けて追加する。

[0099] 以上説明したように、本実施形態の視力回復訓練装置 300によれば、訓練者 340 が接眼部 303より覼き込むだけで訓練者 340を特定し、該訓練者 340用の訓練パラメータを選択できるので、訓練の都度訓練パラメータを入力することなく各訓練者に適した訓練パラメータで訓練を開始できる。したがって、効率良く視力回復訓練を行うことができる。

[0100] 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。

本出願は、 2005年 7月 5日出願の日本特許出願（特願 2005— 196136)、 2005年 9月 2 7日出願の日本特許出願 (特願 2005-280054)、 2006年 6月 30日出願の日本特許出願 (特願 2006-180964)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる産業上の利用可能性

本発明は、過去に適用された訓練パラメータに基づく新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施することにより、各訓練者に対して、結像調節機能の改善状態に応じた訓練を実施することができる為、訓練パラメータを訓練の都度入力することなぐ効率良く視力回復訓練を行うことができる効果を有し、目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置等に有用である。

Claims

請求の範囲

[1] 目の結像調節機能の訓練を行う視力回復訓練装置であって、

訓練履歴を記憶する記憶手段から取得した、訓練者に対して少なくとも 1回は適用された訓練パラメータに基づいて、新たな訓練パラメータを算出する訓練パラメータ算出手段と、

算出した新たな訓練パラメータを適用した訓練を実施する制御手段と、を備える視力回復訓練装置。

[2] 視力回復訓練用画像を表示する表示手段を備え、

前記制御手段は、前記新たな訓練パラメータに基づ!、て前記表示手段の制御を行う請求項 1記載の視力回復訓練装置。

[3] 前記制御手段は、前記新たな訓練パラメータに基づいて前記表示手段の表示制御を行う請求項 2記載の視力回復訓練装置。

[4] 前記制御手段は、前記訓練者の目の位置と前記表示手段の位置との光学距離に応じて、前記視力訓練用画像が前記訓練者の網膜上に一定のサイズで投影されるように、前記視力訓練用画像の表示サイズを変化させる請求項 3記載の視力回復訓練装置。

[5] 前記制御手段は、前記新たな訓練パラメータに基づ、て前記表示手段の移動制御を行う請求項 2記載の視力回復訓練装置。

[6] 前記記憶手段は、訓練者の過去の訓練回数を前記訓練履歴として記憶し、

前記訓練パラメータ算出手段は、前記過去の訓練回数に基づいて前記新たな訓練パラメータを算出する請求項 1ないし 5のいずれか一項記載の視力回復訓練装置

[7] 前記記憶手段は、訓練実施時刻を前記訓練履歴として記憶し、

前記訓練パラメータ算出手段は、前記訓練実施時刻に基づいて前記新たな訓練パラメータを算出する請求項 1ないし 5のいずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[8] 前記記憶手段は、前記新たな訓練パラメータを記憶する請求項 1な!、し 7の、ずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[9] 訓練者の瞳孔の径を測定する径測定手段を備え、前記訓練パラメータ算出手段は、測定した瞳孔の径の変化と訓練パラメータとの対応を参照して新たな訓練パラメータを算出する請求項 1な、し 8の、ずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[10] 訓練者の瞳孔の画像を撮影する撮像手段を備え、

前記径測定手段は、前記撮像手段が撮影した画像から前記訓練者の瞳孔の径を測定する請求項 9記載の視力回復訓練装置。

[11] 訓練者の生体情報を取得する取得手段と、

訓練者の生体情報を記憶する記憶手段を参照して、前記取得手段が取得した生体情報と一致する生体情報を検索する検索手段と、

を備える請求項 1ないし 10のいずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[12] 請求項 1記載の視力回復訓練装置であって、

前記検索手段が検索した生体情報に対応する訓練パラメータを選択する選択手段を備える請求項 11記載の視力回復訓練装置。

[13] 前記検索手段が検索した結果、前記取得手段が取得した生体情報と一致する生体情報が存在しなカゝつた場合、訓練パラメータの入力を促し、入力された訓練パラメータと前記取得手段が取得した生体情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御手段を備える請求項 11または 12記載の視力回復訓練装置。

[14] 前記生体情報は、訓練を実施する状態で取得できるものである請求項 11ないし 13 の!、ずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[15] 前記生体情報は、眼球の虹彩である請求項 14記載の視力回復訓練装置。

[16] 前記取得手段は、可視光の波長外に感度を有するカメラから生体情報を取得する請求項 11な、し 15の、ずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[17] 前記記憶手段を備える請求項 1ないし 16のいずれか一項記載の視力回復訓練装置。

[18] 前記記憶手段は、ネットワークを介して接続される請求項 1ないし 16のいずれか一項記載の視力回復訓練装置。